JP3583286B2 - 皮膜形成ポリマーを含む化粧品又は皮膚科学的組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は組成物、特に皮膚、半粘膜及び/又は粘膜に適用(塗布)することができる化粧用組成物に関する。上記組成物は特にポリマー系(polymer system)を備え、またメークアップ製品(化粧品)として使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
リップスティックとファンデーションのような、皮膚、半粘膜及び/又は粘膜のような支持体に適用される組成物は一般に、スティック状、柔軟な練り粉状(pastes)又は成形練り粉状の形態とされ、油分のような脂質物質、のり状(pasty)化合物及び/又はロウ(ワックス)、及びフィラー(filler)と顔料で一般に構成される特有の相とを含む。
【0003】
しかしながら、それらが上記支持体に適用される時、これらの組成物は、移りの欠点を有する。これは、該組成物が、グラス、コップ、衣類品又は皮膚のような一定の支持体上に接触することによって、少なくとも部分的に付着される可能性のあることを意味すると解される。付着(deposited)の生成について、上記の組成物は上記の支持体上に痕跡(trace)を残す。これは、それ故に皮膚、半粘膜又は粘膜上の組成物の持続性が乏しい結果となり、またその定期的な適用を繰り返すことが必要である。
【0004】
その上、何れかの衣料品上の、特にブラウスの襟上の許すことのできないシミの出現は、かなりの女性がこの種のメークアップの使用を避けることに至る。
【0005】
これらの組成物の別な不利益は、移動の問題において存在する。それは、ある組成物が、ファンデーションの場合において、皮膚上の小さなシワ及び/又は普通のシワ;リップスティックの場合において、唇の周りの小さなシワ;アイシャドーの場合において、まぶたのシワ、の内部に広がる傾向を有することが観察されているのが実状である。まぶたの動きによって生成されるメークアップのしまの出現は、特にアイシャドーのケースにおいて観察されている。完全に明白な、美しくないこれら全ての現象の生起を回避することが望まれている。
【0006】
近年、「移りのない(transfer−free)」化粧用組成物、特に移りのないリップスティック又はファンデーションへの関心が高まっている。かくして、ケイ酸単位の繰り返しを持つシリコーン樹脂の1から70重量%、揮発性シリコーン油の10から98重量%及び粉末状フィラーとを含む、「移りのない」液体リップスティック組成物が企図されている。しかしながら、シリコーン油の蒸発後に唇上に得られる皮膜は、経時により不快となる不都合を有する(乾燥とつっぱる感覚)。
【0007】
揮発性シリコーンを含んだ「移りのない」リップスティック及び少なくとも12個の炭素原子を有するペンダント状のエステル化された鎖を備えるシリコーン樹脂もまた知られている。そのリップスティックの皮膜は、特に適用(塗布)の間に不快となる、特に乾燥しすぎることの不都合を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
それ故に、移りが僅かしかないか又は少しもない、いわゆる「移りのない」組成物、それと同時に良好な化粧特性、特に、得られる皮膜を可撓化及び均質化させる、化粧用組成物が更に必要とされている。
【0009】
本発明のねらいは、非常の良好な保持性を持つ皮膜を得ることが可能であり、移りのない、しかも接触し得る支持体を汚すことのない、また時間の経過で移動することがないような組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明の一つの主題は、皮膚、半粘膜及び/又は粘膜から選択される支持体に適用可能な組成物、特にリップスティック組成物であり、皮膜形成ラジカルポリマーを含むポリマー系を備え、上記ポリマー系が10℃より低い又は等しいガラス転移温度(Tg)と、15℃より低いか又は等しい最小皮膜形成温度(MFT)とを有し、上記ポリマー系が50以下の硬度を有する皮膜を形成可能とされたことを特徴としている。
【0011】
本発明の別な主題は、唇上に皮膜を形成し且つ該唇の動きに追従することが可能なポリマー系を含むリップスティック組成物であり、上記ポリマー系は、任意にアクリル酸と、スチレンと及びα−メチルスチレンと結合される、C1−C8アルキルメタクリレートモノマーの共重合化から誘導されるラジカル皮膜形成ポリマーを備えることを特徴としている。
【0012】
本発明の別な主題は、皮膚、半粘膜及び/又は粘膜から選択される支持体、特に顔の唇、のための治療的な処置又はメークアップ方法であり、この方法は、上述したようなポリマー系又はそれを備える組成物を、上記支持体に塗布することを備える。
【0013】
別な主題は、該ポリマー系又はそれを備える組成物の、皮膚、半粘膜及び/又は粘膜、特に唇を治療的に処置するために意図される組成物の調製のための使用である。
【0014】
別な主題は、上記組成物の移り及び/又は移動を減ずるための、上記ポリマー系の、皮膚、半粘膜及び/又は粘膜に適用を可能とする組成物における使用である。
【0015】
本発明に従う組成物は、皮膚、半粘膜及び/又は粘膜、特に顔の唇上に容易に適用すること、及び容易且つ均一に広げることができることが観測されている。
【0016】
本発明の組成物は特に、皮膚、粘膜及び/又は半粘膜のためのメークアップ及び/又はケアの分野における適用に顕著な有効性が見出される。粘膜という語は、特にまぶたの下の内方を意味するものと解され;半粘膜は、特に顔の唇であると解される。
【0017】
本発明に従う組成物は、軽い感触と一日を通して快適に着用するための保持性とを有する均質な皮膜が得られるようにされる。該皮膜は柔らかく、しなやかで、弾力性があり、同時に良好な粘着性を保持し;それは割れ及び/又は分離を起こすことなく、それを付着させるべき支持体上の動きに追従する。特に、それは顔の唇に完全に粘着する。それ故に、支持体に該組成物の適用(塗布)後に得られる皮膜は、この支持体上で良好な持久力を示す。本発明に従う組成物はまた、身体のメークアップ用にも好適である。本発明に従う組成物は、顔の唇のためのメークアップ製品の分野において、特にリップスティックとして、最も格別に適用することができる。それはまた、アイラインの分野における適用の別な有用性を見いだせる。その上、得られる皮膜は、該組成物中の構成成分の本質に基づいて、非常に輝き、又は多少くすんだものとすることができ、輝きのある又はくすんだメークアップ製品の選択の範囲を広げる結果となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明に従う組成物は、それ故に少なくとも1種のラジカルタイプの合成皮膜形成ポリマーを備えているポリマー系を備える。ラジカルポリマーという語は、不飽和、特にエチレン性の不飽和を含んだモノマーの重合化によって得られるポリマーとみなせるものと解され、各モノマーはホモ重合化(重縮合と対照をなして)が可能である。ラジカルタイプのポリマーは特にビニルポリマー又はコポリマー、特にアクリルポリマーとすることができる。
【0019】
ビニルポリマーは、少なくとも一つの酸基及び/又はこれらの酸性モノマーのエステル及び/又はこれらの酸性モノマーのアミドを有するエチレン不飽和を含むモノマーの重合化の結果から得ることができる。
【0020】
アニオン性のラジカルポリマー、すなわち酸基を含んだ少なくとも1種のモノマーを有するモノマーが好適に用いられる。
【0021】
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のようなα,β−エチレン性不飽和のカルボン酸が酸基を生じるモノマーとして使用することができる。(メタ)アクリル酸((Meth)acrylic acid)とクロトン酸、更に好ましくは(メタ)アクリル酸が使用される。
【0022】
酸性モノマーエステルは、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリレートとしても知られる)、特にアルキル(メタ)アクリレート、特にC1−C20アルキル、好ましくはC1−C8アルキル、アリール(メタ)アクリレート、特にC6−C10アリール、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、特にC2−C6ヒドロキシアルキルの、から有利に選択される。
【0023】
該アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート及びラウリルメタクリレートが挙げられる。
【0024】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートと2−ヒドロキシプロピルメタクリレートが挙げられる。
【0025】
アリール(メタ)アクリレートとしては、ベンジルアクリレートとフェニルアクリレートが挙げられる。
【0026】
特に好適な(メタ)アクリル酸エステルは、アルキル(メタ)アクリレートである。
【0027】
本発明に従い、該エステルのアルキル基は、フッ素化され又は全フッ素化され、すなわちアルキル基の水素原子の幾つか又は全てがフッ素原子で置換されたいずれか一方とすることができる。
【0028】
酸モノマーのアミドとして、例えば(メタ)アクリルアミド、特にN−アルキル(メタ)アクリルアミド、特にC2−C12アルキルの、が挙げられる。
【0029】
ビニルポリマーは、ビニルエステルとスチレンモノマーから選択されるモノマーのホモ重合化又は共重合化の結果として得ることもできる。特に、これらモノマーは、上述した様なそれらのような、酸性モノマー及び/又はそれらのエステル及び/又はそれらのアミドと重合化することができる。
【0030】
ビニルエステルの実例としては、ビニルアセテート、ビニルネオデカノエート、ビニルピバレート、ビニルベンゾエート及びビニルt−ブチルベンゾエートを挙げることができる。
【0031】
スチレンモノマーとしては、スチレンとα−メチルスチレンを挙げることができる。
【0032】
モノマーの一定のリストは制限するためのものではなく、且つアクリル酸とビニルモノマーのカテゴリーにおいて当業者によって知られたいずれかのモノマーを使用することが可能である。
【0033】
本発明に従い、コポリマーは、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリレート/スチレン、(メタ)アクリル酸/スチレン、(メタ)アクリル酸/α−メチルスチレンコポリマー及びアルキル(メタ)アクリレートコポリマーから選択されるコポリマーが、皮膜形成ポリマーとして好適に使用される。好ましくは、任意にアクリル酸と、スチレンと及びα−メチルスチレンと結合されたC1−C8アルキルメタクリレートモノマーの共重合化から誘導されるコポリマーが使用される。
【0034】
塩化が可能な基(例えばカルボン酸基)を生じるモノマーを備える本発明に従いポリマーを使用する時、当業者において良く知られた中和剤(この場合、酸基の中和化のための塩基)を使用し、全体的に又は部分的に中和化することができる。該中和化は、加えて、ポリマーの分散、特に水中での、又は上記分散(dispersion)の一定の安定化を補助することができる。
【0035】
ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、ポリエステルアミド及び/又はアルキドから選択される少なくとも1種のポリマーの以前から存在する粒子の表面で1種又はそれ以上のラジカルモノマーの主要部及び/又は部分的にラジカル重合化の結果として得られるポリマーもまた、挙げることができる。これらのポリマーはハイブリッドポリマーとして一般に知られる。
【0036】
有利には、該ポリマー系のラジカル皮膜形成ポリマーは、溶解された(dissolved)形態又は分散形態、すなわち粒子の分散の形態、特に化粧学的又は皮膚科学的に許容できる媒体中で、のいずれか一方で本発明に従う組成物中に存在される。好ましくは、該ラジカル皮膜形成ポリマーは上記ポリマーの粒子の水性分散(aqueous dispersion)の形態において存在される。
【0037】
1種又はそれ以上の皮膜形成ポリマーを備える水性分散は、当業者であれば、彼らの一般的な知識に基づいて調製することができる。本発明に従う該水性分散の固形分含量は、該分散物(dispersion)の全重量に比して約5−60重量%、好ましくは30−40重量%とすることができる。該水性分散中のポリマー粒子のサイズは10−500nmの間、好ましくは20から150nmの間とすることができる。
【0038】
有利には、処置するべき該支持体に本発明に従う組成物を適用した後に得られる皮膜の硬度は、35より低いか又は等しく、好ましくは20より低いか又は等しい硬度を有することができる。好適な手法において、皮膜の硬度は1より大きく、特に約5よりも大きい。好ましくは、約1から20、特に13から18の範囲の硬度を有する皮膜は、上述した支持体上、特に顔の唇上の皮膜の持久力に非常に良好な結果を特に与える。皮膜の硬度は、後述の実施例に記載された条件に従って測定される。
【0039】
本発明に従うポリマー系のガラス転移温度(Tg)は、有利には約0℃より低いか又は等しく、好ましくは約−10℃より低いか又は等しく、より好ましくは約−20℃より低いか又は等しく、さらに好ましくは約−30℃より低いか又は等しい。
【0040】
本発明に従うポリマー系の最小皮膜形成温度(MFT)は、有利には約12℃より低いか又は等しく、好ましくは約8℃より低いか又は等しく、より好ましくは5℃より低いか又は等しく、更に好ましくは2℃より低いか又は等しい。
【0041】
特に好適なポリマー系は次の特徴を有する:
− −50℃から−15℃の範囲のTg;5℃より低いか又は等しいMFT;25より低いか又は等しい硬度;
− −50℃から−30℃のTg;−5℃から5℃の範囲のMFT;10から20の範囲、好ましくは13から18の硬度;
− 5℃から10℃の範囲のTg;2℃から8℃の範囲のMFT;3から10の範囲の硬度。
【0042】
唇へのそのようなポリマー系を備える組成物の適用は、唇上に非常に良好な持久力を有する皮膜を形成する。その皮膜は、割れ又は剥離することなく唇の動きに密接に追従する。
【0043】
本発明に従う組成物の第1の実施態様に従えば、該ポリマー系は上述した様な特徴を有する1種又はそれ以上のラジカル皮膜形成ポリマー単独から成る。
【0044】
該ラジカル皮膜形成ポリマーが、上述した特徴を有する皮膜を単独では得ることができない場合、望ましいポリマー系を得るために皮膜形成ポリマーの特性を修正するための機能を持った化合物を添加することが可能である。それ故に、本発明に従う組成物の第2の実施態様に従えば、得ようとする上述したような特徴を有する皮膜とさせる少なくとも1種の補助的な皮膜形成剤を、該ラジカル皮膜形成剤中に添加することができる。該補助皮膜形成剤は特に、皮膜が塗布される支持体、特に唇の動きに追従する、柔らかく、可撓性のある皮膜を得ることの可能性を生み出す。このケースにおいて、該ポリマー系は1種又はそれ以上のラジカル皮膜形成ポリマーと少なくとも1種の補助皮膜形成剤との混合物を備える。
【0045】
そのような補助皮膜形成剤は、望ましい機能を実現可能であるような当業者に周知のいずれかの化合物から選択することができ、また特に可塑剤から選択することができる。加えて、本発明に従うポリマー系が皮膜形成ポリマーの粒子の少なくとも1種の水性分散を備える時、該補助皮膜形成剤は、合着剤(coalescence agents)から選択することもできる。この補助剤は水溶性又は水に不溶性とすることができ、且つ任意に水性分散の形態とすることができる。
【0046】
特に、次のような一般的な可塑剤又は合着剤の単独又は混合物として、を挙げることができる:
− ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル又はジエチレングリコールヘキシルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル又はエチレングリコールヘキシルエーテルのようなグリコール類とそれらの誘導体、
− グリセロールエステル
− プロピレングリコールの誘導体、特にプロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールブチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテルとプロピレングリコールブチルエーテル、
− 酸エステル、特にクエン酸、フタル酸、アジピン酸、炭酸、酒石酸、リン酸、セバシン酸のようなカルボン酸のエステル類、
− オキシエチレン化油、特にひまし油のような植物油のようなオキシエチレン化された誘導体;シリコーン油、
− 25℃以下、好ましく15℃以下の低いガラス転移温度を有する水に可溶な又は水中分散されるポリマー。
【0047】
該補助皮膜形成剤の量は、望ましい機械的特性を有する皮膜、同時に許容できる化粧(美容)特性を保持する組成物に至るポリマー系を得るように、当業者によって、彼らの知識に基づいて選択することができる。
【0048】
該ポリマー系の皮膜形成ポリマーが100%アクリルポリマー、すなわち(メタ)アクリル酸(エステルとアミドを含む)から誘導されるモノマーのみを含み、且つスチレン又はビニルエステルタイプの他のモノマーを含まないポリマー、の水性分散とされる場合、本発明に従う組成物は、アクリルポリマー分散物中にグリセロール/固体の重量比として約4.17%に等しい可塑剤としてのグリセロールを除いて表される。
【0049】
該組成物は、該組成物の全重量に比して、1−60重量%、好ましくは5−40重量%の固体の皮膜形成ポリマーを含むことができる。
【0050】
本発明を実行するために、かくして、それが沈着される支持体上に得るべき皮膜を形成するポリマー系が必要とされる。
【0051】
更に、好適な実施態様において、上記ポリマー系は、
・約200MPaより小さい、好ましくは約100Paより小さい、更に好ましくは85MPaより小さいヤング率;有利には、該ヤング率は1MPaより大きくされる、及び/又は
・約200%より大きい、好ましくは300%より大きい伸張率
【0052】
伸張率及びヤング率(弾性率)を測定するための方法は、後述の実施例に記載されている。
【0053】
該組成物は、化粧及びメークアップの分野における通例の手法において使用される少なくとも1種の水溶性染料及び/又は少なくとも1種の顔料を備えることもできる。顔料の語は、白色又は着色の、媒体中に不溶であり、着色するため及び/又は組成物の不透明化を意図した、無機又は有機の粒子を意味するものと解すべきである。
【0054】
顔料は、最終の組成物0−20重量%の量において組成物中に存在させて良く、好ましくは1−5重量%の量である。それらは白色又は着色、無機又は有機の、通例の又はナノメーターサイズのものとすることができる。無機の顔料とナノ顔料(nanopigments)としては、チタン、ジルコニア又はセリウムの各酸化物、同じく亜鉛、鉄又はクロム各酸化物、フェリックブルー(ferric blue)が挙げられる。有機顔料としては、カーボンブラック、バリウム、ストロンチウム、カルシウム又はアルミニウムレーキが挙げられる。水溶性の着色料としては、ポンソーの2ナトリウム塩、アリザリングリーンの2ナトリウム塩、キノリンイエロー、アマランスの3ナトリウム塩、タートラジンの2ナトリウム塩、ローダミンの1ナトリウム塩、フクシンの2ナトリウム塩、キサントフィル、及びそれらの混合物のような当該分野において一般に考慮されるものを挙げることができる。
【0055】
シックナー(thickeners)、例えば粘度、ガム類、シリカ、セルロース誘導体、アクリル樹脂又はポリウレタンタイプの結合性ポリマーのような合成樹脂;キサンタンガムのような天然ガム類;展延剤(spreading agents);分散剤;保存料;抗起泡剤;保水剤;UVスクリーニング剤;香料;フィラー;化粧用活性剤;保湿剤;ビタミン類とそれらの誘導体;生物学的材料とそれらの誘導体のような周知の添加剤が、本発明に従う組成物に添加されても良い。
【0056】
明らかに、当業者であれば、付加的な企図によって、本発明に従う組成物の有利な特性ではない、又は不利な影響が実質的にないように、これらを又はこれらの添加の可能性を及び/又はそれらの量を選択するために留意するであろう。
【0057】
本発明に従う組成物は、液状、ゲル状、半液状、柔軟なパスタ状或いはスティック状又はロッド状のような一様な固形形態で提供して良い。非固形の形態のケースにおいて、本発明に従う組成物は、ブルックフィールド粘度計4LVTローターにより25℃で測定される、0.05Pa.sから20Pa.s(50cPsから20000cPs)、特に0.05Pa.sから10Pa.sまでの範囲の粘度を有して良い。
【0058】
該組成物は、特にメークアップ用製品、特にリップスティック、ファンデーション、頬紅又はアイシャドー、アイライナー又は代替的なボディー用メークアップ製品とされる。トリートメント用組成物の分野、特に皮膚、半粘膜及び/又は粘膜に適用するための唇のトリートメント、抗日光又は自己タンニング組成物の、皮膚科学用組成物又は製剤用組成物に適用される。
【0059】
【実施例】
本発明は次の各実施例においてより詳細に説明される。
A/硬度の測定
皮膜の硬度はASTM D−43−66スタンダード、又はペーソス振り子(Persoz pendulum)での促進を伴うNF−T30−016スタンダード(1981年10月)に従って測定される。支持体上に塗着される皮膜は、乾燥する以前には約300ミクロンの厚さを有すべきである。30℃及び50%の相対湿度の下で24時間乾燥した後、約100ミクロンの厚さを有する皮膜が得られ、その硬度は、30℃及び50%の相対湿度で測定される。
【0060】
B/伸張度の測定
得られる皮膜の伸張度は、ASTMスタンダード、Volume 06.01D 2370−92 ”有機皮膜の伸張特性のための標準試験方法(Standard Test Method for Tensile Properties of Organic Coatings)”に従って測定される。
【0061】
C/ヤング率(又は弾性率)の測定
ヤング率(弾性率)は、ASTMスタンダード、Volume 06.01 D 2370−92 ”有機皮膜の伸張特性のための標準試験方法(Standard Test Method for Tensile Properties of Organic Coatings)”に従って測定される。
【0062】
支持体上に塗着される皮膜は、乾燥する以前には約300ミクロンの厚みを有するべきである。21℃で且つ50%の相対湿度の下で7日間乾燥後、約100ミクロンの厚みを有する皮膜が得られる。
【0063】
測定されるサンプルは、5ミリの幅と100ミクロンの厚みとを有する。グリップ間の距離は25ミリである。引っ張り率は毎分1000ミリである。
【0064】
実施例1:(比較)
アクリル樹脂の各種の水性分散物、該分散物の全重量に比して2重量%の顔料が添加された、によって得られる皮膜の持久力が測定され且つ比較される。唇に塗布された皮膜の動向が視覚的に観察される。
【0065】
この実験が本発明に従う4種のポリマー(P1からP4)と本発明の部分を形成しない3種のポリマー(P’aからP’c)で実行される。
【0066】
得られた結果を表1に示す:
【表1】
【0067】
P1:ゼネカ(Zeneca)社からのNeocryl A−1070 acrylic
P2:ダウケミカル社からのDow latex 432 acrylic styrene
P3:ゼネカ社からのNeocryl BT−62 acrylic
P4:ゼネカ社からのNeocryl A−523 acrylic
P’a:ゼネカ社からのNeocryl A−1052 acrylic
P’b:ダウケミカル社からのDow latex 424 acrylic styrene
P’c:ゼネカ社からのNeocryl BT−67 acrylic
【0068】
得られた結果は、本発明に従うポリマー、すなわち、Tg≦10℃、MFT≦15℃及び硬度≦50を有するポリマーのみが、唇上に良好な持久力を有し、該皮膜は可撓性であり、唇の動きに追従し、且つ快適な着け心地であることが示される。加えて、唇上に塗着された該皮膜は、移りが無い。
【0069】
実施例2:
次の組成を有する、唇上に適用するための液状組成物が調製される:
【0070】
この組成物は唇に適用され、割れることのない、分離が起こることなく唇の動きに追従する可撓性の皮膜が得られる。加えて、該皮膜は移りが無い。
【0071】
実施例3:
次の組成を有する液状リップスティックが調製される:
【0072】
該組成物は唇上に容易に広がり、割れることのない可撓性の皮膜を残し、快適に着け心地であり、且つ移りが無い。
【0073】
実施例4:
次の組成を揺する液状リップスティック組成物が調製される;
【0074】
唇上に容易に塗布される組成物が得られる。得られた皮膜は移りが無く、良好な持久力を有する:それは割れることが無く、且つ唇の動きに追従する。
【発明の属する技術分野】
本発明は組成物、特に皮膚、半粘膜及び/又は粘膜に適用(塗布)することができる化粧用組成物に関する。上記組成物は特にポリマー系(polymer system)を備え、またメークアップ製品(化粧品)として使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
リップスティックとファンデーションのような、皮膚、半粘膜及び/又は粘膜のような支持体に適用される組成物は一般に、スティック状、柔軟な練り粉状(pastes)又は成形練り粉状の形態とされ、油分のような脂質物質、のり状(pasty)化合物及び/又はロウ(ワックス)、及びフィラー(filler)と顔料で一般に構成される特有の相とを含む。
【0003】
しかしながら、それらが上記支持体に適用される時、これらの組成物は、移りの欠点を有する。これは、該組成物が、グラス、コップ、衣類品又は皮膚のような一定の支持体上に接触することによって、少なくとも部分的に付着される可能性のあることを意味すると解される。付着(deposited)の生成について、上記の組成物は上記の支持体上に痕跡(trace)を残す。これは、それ故に皮膚、半粘膜又は粘膜上の組成物の持続性が乏しい結果となり、またその定期的な適用を繰り返すことが必要である。
【0004】
その上、何れかの衣料品上の、特にブラウスの襟上の許すことのできないシミの出現は、かなりの女性がこの種のメークアップの使用を避けることに至る。
【0005】
これらの組成物の別な不利益は、移動の問題において存在する。それは、ある組成物が、ファンデーションの場合において、皮膚上の小さなシワ及び/又は普通のシワ;リップスティックの場合において、唇の周りの小さなシワ;アイシャドーの場合において、まぶたのシワ、の内部に広がる傾向を有することが観察されているのが実状である。まぶたの動きによって生成されるメークアップのしまの出現は、特にアイシャドーのケースにおいて観察されている。完全に明白な、美しくないこれら全ての現象の生起を回避することが望まれている。
【0006】
近年、「移りのない(transfer−free)」化粧用組成物、特に移りのないリップスティック又はファンデーションへの関心が高まっている。かくして、ケイ酸単位の繰り返しを持つシリコーン樹脂の1から70重量%、揮発性シリコーン油の10から98重量%及び粉末状フィラーとを含む、「移りのない」液体リップスティック組成物が企図されている。しかしながら、シリコーン油の蒸発後に唇上に得られる皮膜は、経時により不快となる不都合を有する(乾燥とつっぱる感覚)。
【0007】
揮発性シリコーンを含んだ「移りのない」リップスティック及び少なくとも12個の炭素原子を有するペンダント状のエステル化された鎖を備えるシリコーン樹脂もまた知られている。そのリップスティックの皮膜は、特に適用(塗布)の間に不快となる、特に乾燥しすぎることの不都合を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
それ故に、移りが僅かしかないか又は少しもない、いわゆる「移りのない」組成物、それと同時に良好な化粧特性、特に、得られる皮膜を可撓化及び均質化させる、化粧用組成物が更に必要とされている。
【0009】
本発明のねらいは、非常の良好な保持性を持つ皮膜を得ることが可能であり、移りのない、しかも接触し得る支持体を汚すことのない、また時間の経過で移動することがないような組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明の一つの主題は、皮膚、半粘膜及び/又は粘膜から選択される支持体に適用可能な組成物、特にリップスティック組成物であり、皮膜形成ラジカルポリマーを含むポリマー系を備え、上記ポリマー系が10℃より低い又は等しいガラス転移温度(Tg)と、15℃より低いか又は等しい最小皮膜形成温度(MFT)とを有し、上記ポリマー系が50以下の硬度を有する皮膜を形成可能とされたことを特徴としている。
【0011】
本発明の別な主題は、唇上に皮膜を形成し且つ該唇の動きに追従することが可能なポリマー系を含むリップスティック組成物であり、上記ポリマー系は、任意にアクリル酸と、スチレンと及びα−メチルスチレンと結合される、C1−C8アルキルメタクリレートモノマーの共重合化から誘導されるラジカル皮膜形成ポリマーを備えることを特徴としている。
【0012】
本発明の別な主題は、皮膚、半粘膜及び/又は粘膜から選択される支持体、特に顔の唇、のための治療的な処置又はメークアップ方法であり、この方法は、上述したようなポリマー系又はそれを備える組成物を、上記支持体に塗布することを備える。
【0013】
別な主題は、該ポリマー系又はそれを備える組成物の、皮膚、半粘膜及び/又は粘膜、特に唇を治療的に処置するために意図される組成物の調製のための使用である。
【0014】
別な主題は、上記組成物の移り及び/又は移動を減ずるための、上記ポリマー系の、皮膚、半粘膜及び/又は粘膜に適用を可能とする組成物における使用である。
【0015】
本発明に従う組成物は、皮膚、半粘膜及び/又は粘膜、特に顔の唇上に容易に適用すること、及び容易且つ均一に広げることができることが観測されている。
【0016】
本発明の組成物は特に、皮膚、粘膜及び/又は半粘膜のためのメークアップ及び/又はケアの分野における適用に顕著な有効性が見出される。粘膜という語は、特にまぶたの下の内方を意味するものと解され;半粘膜は、特に顔の唇であると解される。
【0017】
本発明に従う組成物は、軽い感触と一日を通して快適に着用するための保持性とを有する均質な皮膜が得られるようにされる。該皮膜は柔らかく、しなやかで、弾力性があり、同時に良好な粘着性を保持し;それは割れ及び/又は分離を起こすことなく、それを付着させるべき支持体上の動きに追従する。特に、それは顔の唇に完全に粘着する。それ故に、支持体に該組成物の適用(塗布)後に得られる皮膜は、この支持体上で良好な持久力を示す。本発明に従う組成物はまた、身体のメークアップ用にも好適である。本発明に従う組成物は、顔の唇のためのメークアップ製品の分野において、特にリップスティックとして、最も格別に適用することができる。それはまた、アイラインの分野における適用の別な有用性を見いだせる。その上、得られる皮膜は、該組成物中の構成成分の本質に基づいて、非常に輝き、又は多少くすんだものとすることができ、輝きのある又はくすんだメークアップ製品の選択の範囲を広げる結果となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明に従う組成物は、それ故に少なくとも1種のラジカルタイプの合成皮膜形成ポリマーを備えているポリマー系を備える。ラジカルポリマーという語は、不飽和、特にエチレン性の不飽和を含んだモノマーの重合化によって得られるポリマーとみなせるものと解され、各モノマーはホモ重合化(重縮合と対照をなして)が可能である。ラジカルタイプのポリマーは特にビニルポリマー又はコポリマー、特にアクリルポリマーとすることができる。
【0019】
ビニルポリマーは、少なくとも一つの酸基及び/又はこれらの酸性モノマーのエステル及び/又はこれらの酸性モノマーのアミドを有するエチレン不飽和を含むモノマーの重合化の結果から得ることができる。
【0020】
アニオン性のラジカルポリマー、すなわち酸基を含んだ少なくとも1種のモノマーを有するモノマーが好適に用いられる。
【0021】
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のようなα,β−エチレン性不飽和のカルボン酸が酸基を生じるモノマーとして使用することができる。(メタ)アクリル酸((Meth)acrylic acid)とクロトン酸、更に好ましくは(メタ)アクリル酸が使用される。
【0022】
酸性モノマーエステルは、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリレートとしても知られる)、特にアルキル(メタ)アクリレート、特にC1−C20アルキル、好ましくはC1−C8アルキル、アリール(メタ)アクリレート、特にC6−C10アリール、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、特にC2−C6ヒドロキシアルキルの、から有利に選択される。
【0023】
該アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート及びラウリルメタクリレートが挙げられる。
【0024】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートと2−ヒドロキシプロピルメタクリレートが挙げられる。
【0025】
アリール(メタ)アクリレートとしては、ベンジルアクリレートとフェニルアクリレートが挙げられる。
【0026】
特に好適な(メタ)アクリル酸エステルは、アルキル(メタ)アクリレートである。
【0027】
本発明に従い、該エステルのアルキル基は、フッ素化され又は全フッ素化され、すなわちアルキル基の水素原子の幾つか又は全てがフッ素原子で置換されたいずれか一方とすることができる。
【0028】
酸モノマーのアミドとして、例えば(メタ)アクリルアミド、特にN−アルキル(メタ)アクリルアミド、特にC2−C12アルキルの、が挙げられる。
【0029】
ビニルポリマーは、ビニルエステルとスチレンモノマーから選択されるモノマーのホモ重合化又は共重合化の結果として得ることもできる。特に、これらモノマーは、上述した様なそれらのような、酸性モノマー及び/又はそれらのエステル及び/又はそれらのアミドと重合化することができる。
【0030】
ビニルエステルの実例としては、ビニルアセテート、ビニルネオデカノエート、ビニルピバレート、ビニルベンゾエート及びビニルt−ブチルベンゾエートを挙げることができる。
【0031】
スチレンモノマーとしては、スチレンとα−メチルスチレンを挙げることができる。
【0032】
モノマーの一定のリストは制限するためのものではなく、且つアクリル酸とビニルモノマーのカテゴリーにおいて当業者によって知られたいずれかのモノマーを使用することが可能である。
【0033】
本発明に従い、コポリマーは、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリレート/スチレン、(メタ)アクリル酸/スチレン、(メタ)アクリル酸/α−メチルスチレンコポリマー及びアルキル(メタ)アクリレートコポリマーから選択されるコポリマーが、皮膜形成ポリマーとして好適に使用される。好ましくは、任意にアクリル酸と、スチレンと及びα−メチルスチレンと結合されたC1−C8アルキルメタクリレートモノマーの共重合化から誘導されるコポリマーが使用される。
【0034】
塩化が可能な基(例えばカルボン酸基)を生じるモノマーを備える本発明に従いポリマーを使用する時、当業者において良く知られた中和剤(この場合、酸基の中和化のための塩基)を使用し、全体的に又は部分的に中和化することができる。該中和化は、加えて、ポリマーの分散、特に水中での、又は上記分散(dispersion)の一定の安定化を補助することができる。
【0035】
ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、ポリエステルアミド及び/又はアルキドから選択される少なくとも1種のポリマーの以前から存在する粒子の表面で1種又はそれ以上のラジカルモノマーの主要部及び/又は部分的にラジカル重合化の結果として得られるポリマーもまた、挙げることができる。これらのポリマーはハイブリッドポリマーとして一般に知られる。
【0036】
有利には、該ポリマー系のラジカル皮膜形成ポリマーは、溶解された(dissolved)形態又は分散形態、すなわち粒子の分散の形態、特に化粧学的又は皮膚科学的に許容できる媒体中で、のいずれか一方で本発明に従う組成物中に存在される。好ましくは、該ラジカル皮膜形成ポリマーは上記ポリマーの粒子の水性分散(aqueous dispersion)の形態において存在される。
【0037】
1種又はそれ以上の皮膜形成ポリマーを備える水性分散は、当業者であれば、彼らの一般的な知識に基づいて調製することができる。本発明に従う該水性分散の固形分含量は、該分散物(dispersion)の全重量に比して約5−60重量%、好ましくは30−40重量%とすることができる。該水性分散中のポリマー粒子のサイズは10−500nmの間、好ましくは20から150nmの間とすることができる。
【0038】
有利には、処置するべき該支持体に本発明に従う組成物を適用した後に得られる皮膜の硬度は、35より低いか又は等しく、好ましくは20より低いか又は等しい硬度を有することができる。好適な手法において、皮膜の硬度は1より大きく、特に約5よりも大きい。好ましくは、約1から20、特に13から18の範囲の硬度を有する皮膜は、上述した支持体上、特に顔の唇上の皮膜の持久力に非常に良好な結果を特に与える。皮膜の硬度は、後述の実施例に記載された条件に従って測定される。
【0039】
本発明に従うポリマー系のガラス転移温度(Tg)は、有利には約0℃より低いか又は等しく、好ましくは約−10℃より低いか又は等しく、より好ましくは約−20℃より低いか又は等しく、さらに好ましくは約−30℃より低いか又は等しい。
【0040】
本発明に従うポリマー系の最小皮膜形成温度(MFT)は、有利には約12℃より低いか又は等しく、好ましくは約8℃より低いか又は等しく、より好ましくは5℃より低いか又は等しく、更に好ましくは2℃より低いか又は等しい。
【0041】
特に好適なポリマー系は次の特徴を有する:
− −50℃から−15℃の範囲のTg;5℃より低いか又は等しいMFT;25より低いか又は等しい硬度;
− −50℃から−30℃のTg;−5℃から5℃の範囲のMFT;10から20の範囲、好ましくは13から18の硬度;
− 5℃から10℃の範囲のTg;2℃から8℃の範囲のMFT;3から10の範囲の硬度。
【0042】
唇へのそのようなポリマー系を備える組成物の適用は、唇上に非常に良好な持久力を有する皮膜を形成する。その皮膜は、割れ又は剥離することなく唇の動きに密接に追従する。
【0043】
本発明に従う組成物の第1の実施態様に従えば、該ポリマー系は上述した様な特徴を有する1種又はそれ以上のラジカル皮膜形成ポリマー単独から成る。
【0044】
該ラジカル皮膜形成ポリマーが、上述した特徴を有する皮膜を単独では得ることができない場合、望ましいポリマー系を得るために皮膜形成ポリマーの特性を修正するための機能を持った化合物を添加することが可能である。それ故に、本発明に従う組成物の第2の実施態様に従えば、得ようとする上述したような特徴を有する皮膜とさせる少なくとも1種の補助的な皮膜形成剤を、該ラジカル皮膜形成剤中に添加することができる。該補助皮膜形成剤は特に、皮膜が塗布される支持体、特に唇の動きに追従する、柔らかく、可撓性のある皮膜を得ることの可能性を生み出す。このケースにおいて、該ポリマー系は1種又はそれ以上のラジカル皮膜形成ポリマーと少なくとも1種の補助皮膜形成剤との混合物を備える。
【0045】
そのような補助皮膜形成剤は、望ましい機能を実現可能であるような当業者に周知のいずれかの化合物から選択することができ、また特に可塑剤から選択することができる。加えて、本発明に従うポリマー系が皮膜形成ポリマーの粒子の少なくとも1種の水性分散を備える時、該補助皮膜形成剤は、合着剤(coalescence agents)から選択することもできる。この補助剤は水溶性又は水に不溶性とすることができ、且つ任意に水性分散の形態とすることができる。
【0046】
特に、次のような一般的な可塑剤又は合着剤の単独又は混合物として、を挙げることができる:
− ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル又はジエチレングリコールヘキシルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル又はエチレングリコールヘキシルエーテルのようなグリコール類とそれらの誘導体、
− グリセロールエステル
− プロピレングリコールの誘導体、特にプロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールブチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテルとプロピレングリコールブチルエーテル、
− 酸エステル、特にクエン酸、フタル酸、アジピン酸、炭酸、酒石酸、リン酸、セバシン酸のようなカルボン酸のエステル類、
− オキシエチレン化油、特にひまし油のような植物油のようなオキシエチレン化された誘導体;シリコーン油、
− 25℃以下、好ましく15℃以下の低いガラス転移温度を有する水に可溶な又は水中分散されるポリマー。
【0047】
該補助皮膜形成剤の量は、望ましい機械的特性を有する皮膜、同時に許容できる化粧(美容)特性を保持する組成物に至るポリマー系を得るように、当業者によって、彼らの知識に基づいて選択することができる。
【0048】
該ポリマー系の皮膜形成ポリマーが100%アクリルポリマー、すなわち(メタ)アクリル酸(エステルとアミドを含む)から誘導されるモノマーのみを含み、且つスチレン又はビニルエステルタイプの他のモノマーを含まないポリマー、の水性分散とされる場合、本発明に従う組成物は、アクリルポリマー分散物中にグリセロール/固体の重量比として約4.17%に等しい可塑剤としてのグリセロールを除いて表される。
【0049】
該組成物は、該組成物の全重量に比して、1−60重量%、好ましくは5−40重量%の固体の皮膜形成ポリマーを含むことができる。
【0050】
本発明を実行するために、かくして、それが沈着される支持体上に得るべき皮膜を形成するポリマー系が必要とされる。
【0051】
更に、好適な実施態様において、上記ポリマー系は、
・約200MPaより小さい、好ましくは約100Paより小さい、更に好ましくは85MPaより小さいヤング率;有利には、該ヤング率は1MPaより大きくされる、及び/又は
・約200%より大きい、好ましくは300%より大きい伸張率
【0052】
伸張率及びヤング率(弾性率)を測定するための方法は、後述の実施例に記載されている。
【0053】
該組成物は、化粧及びメークアップの分野における通例の手法において使用される少なくとも1種の水溶性染料及び/又は少なくとも1種の顔料を備えることもできる。顔料の語は、白色又は着色の、媒体中に不溶であり、着色するため及び/又は組成物の不透明化を意図した、無機又は有機の粒子を意味するものと解すべきである。
【0054】
顔料は、最終の組成物0−20重量%の量において組成物中に存在させて良く、好ましくは1−5重量%の量である。それらは白色又は着色、無機又は有機の、通例の又はナノメーターサイズのものとすることができる。無機の顔料とナノ顔料(nanopigments)としては、チタン、ジルコニア又はセリウムの各酸化物、同じく亜鉛、鉄又はクロム各酸化物、フェリックブルー(ferric blue)が挙げられる。有機顔料としては、カーボンブラック、バリウム、ストロンチウム、カルシウム又はアルミニウムレーキが挙げられる。水溶性の着色料としては、ポンソーの2ナトリウム塩、アリザリングリーンの2ナトリウム塩、キノリンイエロー、アマランスの3ナトリウム塩、タートラジンの2ナトリウム塩、ローダミンの1ナトリウム塩、フクシンの2ナトリウム塩、キサントフィル、及びそれらの混合物のような当該分野において一般に考慮されるものを挙げることができる。
【0055】
シックナー(thickeners)、例えば粘度、ガム類、シリカ、セルロース誘導体、アクリル樹脂又はポリウレタンタイプの結合性ポリマーのような合成樹脂;キサンタンガムのような天然ガム類;展延剤(spreading agents);分散剤;保存料;抗起泡剤;保水剤;UVスクリーニング剤;香料;フィラー;化粧用活性剤;保湿剤;ビタミン類とそれらの誘導体;生物学的材料とそれらの誘導体のような周知の添加剤が、本発明に従う組成物に添加されても良い。
【0056】
明らかに、当業者であれば、付加的な企図によって、本発明に従う組成物の有利な特性ではない、又は不利な影響が実質的にないように、これらを又はこれらの添加の可能性を及び/又はそれらの量を選択するために留意するであろう。
【0057】
本発明に従う組成物は、液状、ゲル状、半液状、柔軟なパスタ状或いはスティック状又はロッド状のような一様な固形形態で提供して良い。非固形の形態のケースにおいて、本発明に従う組成物は、ブルックフィールド粘度計4LVTローターにより25℃で測定される、0.05Pa.sから20Pa.s(50cPsから20000cPs)、特に0.05Pa.sから10Pa.sまでの範囲の粘度を有して良い。
【0058】
該組成物は、特にメークアップ用製品、特にリップスティック、ファンデーション、頬紅又はアイシャドー、アイライナー又は代替的なボディー用メークアップ製品とされる。トリートメント用組成物の分野、特に皮膚、半粘膜及び/又は粘膜に適用するための唇のトリートメント、抗日光又は自己タンニング組成物の、皮膚科学用組成物又は製剤用組成物に適用される。
【0059】
【実施例】
本発明は次の各実施例においてより詳細に説明される。
A/硬度の測定
皮膜の硬度はASTM D−43−66スタンダード、又はペーソス振り子(Persoz pendulum)での促進を伴うNF−T30−016スタンダード(1981年10月)に従って測定される。支持体上に塗着される皮膜は、乾燥する以前には約300ミクロンの厚さを有すべきである。30℃及び50%の相対湿度の下で24時間乾燥した後、約100ミクロンの厚さを有する皮膜が得られ、その硬度は、30℃及び50%の相対湿度で測定される。
【0060】
B/伸張度の測定
得られる皮膜の伸張度は、ASTMスタンダード、Volume 06.01D 2370−92 ”有機皮膜の伸張特性のための標準試験方法(Standard Test Method for Tensile Properties of Organic Coatings)”に従って測定される。
【0061】
C/ヤング率(又は弾性率)の測定
ヤング率(弾性率)は、ASTMスタンダード、Volume 06.01 D 2370−92 ”有機皮膜の伸張特性のための標準試験方法(Standard Test Method for Tensile Properties of Organic Coatings)”に従って測定される。
【0062】
支持体上に塗着される皮膜は、乾燥する以前には約300ミクロンの厚みを有するべきである。21℃で且つ50%の相対湿度の下で7日間乾燥後、約100ミクロンの厚みを有する皮膜が得られる。
【0063】
測定されるサンプルは、5ミリの幅と100ミクロンの厚みとを有する。グリップ間の距離は25ミリである。引っ張り率は毎分1000ミリである。
【0064】
実施例1:(比較)
アクリル樹脂の各種の水性分散物、該分散物の全重量に比して2重量%の顔料が添加された、によって得られる皮膜の持久力が測定され且つ比較される。唇に塗布された皮膜の動向が視覚的に観察される。
【0065】
この実験が本発明に従う4種のポリマー(P1からP4)と本発明の部分を形成しない3種のポリマー(P’aからP’c)で実行される。
【0066】
得られた結果を表1に示す:
【表1】
【0067】
P1:ゼネカ(Zeneca)社からのNeocryl A−1070 acrylic
P2:ダウケミカル社からのDow latex 432 acrylic styrene
P3:ゼネカ社からのNeocryl BT−62 acrylic
P4:ゼネカ社からのNeocryl A−523 acrylic
P’a:ゼネカ社からのNeocryl A−1052 acrylic
P’b:ダウケミカル社からのDow latex 424 acrylic styrene
P’c:ゼネカ社からのNeocryl BT−67 acrylic
【0068】
得られた結果は、本発明に従うポリマー、すなわち、Tg≦10℃、MFT≦15℃及び硬度≦50を有するポリマーのみが、唇上に良好な持久力を有し、該皮膜は可撓性であり、唇の動きに追従し、且つ快適な着け心地であることが示される。加えて、唇上に塗着された該皮膜は、移りが無い。
【0069】
実施例2:
次の組成を有する、唇上に適用するための液状組成物が調製される:
【0070】
この組成物は唇に適用され、割れることのない、分離が起こることなく唇の動きに追従する可撓性の皮膜が得られる。加えて、該皮膜は移りが無い。
【0071】
実施例3:
次の組成を有する液状リップスティックが調製される:
【0072】
該組成物は唇上に容易に広がり、割れることのない可撓性の皮膜を残し、快適に着け心地であり、且つ移りが無い。
【0073】
実施例4:
次の組成を揺する液状リップスティック組成物が調製される;
【0074】
唇上に容易に塗布される組成物が得られる。得られた皮膜は移りが無く、良好な持久力を有する:それは割れることが無く、且つ唇の動きに追従する。
Claims (18)
- 水性連続相及びアクリル/スチレン皮膜形成ラジカルポリマー粒子の水性分散を含むポリマー系を備え、
前記ポリマー系が10℃より低い又は等しいガラス転移温度と、15℃より低いか又は等しい最小皮膜形成温度とを有し、
前記ポリマー系が50以下の硬度を有する皮膜を皮膚、唇及び/又はまぶた上に形成するに十分な量であり、当該皮膜はそれが形成された皮膚、唇及び/又はまぶたの動きに割れをおこすことなく追従する、
皮膚、唇及び/又はまぶたのメークアップのための、非治療的処理用の化粧品組成物。 - 前記ガラス転移温度が0℃より低いか又は等しいことを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記最小皮膜形成温度が8℃より低いか又は等しいことを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
- 前記皮膜の硬度が、35より低いか又は等しいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の組成物。
- 前記皮膜の硬度が、10から20までの範囲であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の組成物。
- 前記ポリマー系が、−50℃から−15℃の範囲のガラス転移温度、5℃より低いか又は等しい最小皮膜形成温度、及び25より低いか又は等しい硬度を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の組成物。
- 前記ポリマー系が−50℃から−30℃のガラス転移温度、−5℃から5℃の範囲の最小皮膜形成温度、及び10から20の範囲の硬度を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の組成物。
- 前記ポリマー系が、5℃から10℃の範囲のガラス転移温度、2℃から8℃の範囲の最小皮膜形成温度、及び3から10の範囲の硬度とを有することを特徴とする請求項1及び3から5のいずれか1項記載の組成物。
- リップスティック、アイライナー、ファンデーション、アイシャドー又は頬紅組成物であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の組成物。
- 水性連続相及び唇上に皮膜を形成するに十分な量で且つ該唇の動きに追従することが可能なポリマー系の水性分散を含む着色したリップスティック組成物であり、
前記ポリマー系は、スチレンとC1−C8アルキルメタアクリレートモノマーとの皮膜形成ラジカルコポリマーを含み、10℃より低い又は等しいガラス転移温度と、15℃より低いか又は等しい最小皮膜形成温度とを有することを特徴とするリップスティック組成物。 - 前記ポリマー系が0℃より低いか又は等しいガラス転移温度を有することを特徴とする請求項10記載のリップスティック組成物。
- 前記皮膜が50より低いか又は等しい硬度を有することを特徴とする請求項10又は11記載のリップスティック組成物。
- 前記ポリマー系が15℃より低いか又は等しい最小皮膜形成温度を有することを特徴とする請求項10から12のいずれか1項記載のリップスティック組成物。
- 前記水性分散ポリマーの粒子が10から500nmの範囲のサイズを有することを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の組成物。
- 前記ポリマー系が、少なくとも1種の補助皮膜形成剤を含むことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項記載の組成物。
- 組成物の全重量に比して、1から60重量%の範囲の固体の前記ポリマーの含有量を備える請求項1から15のいずれか1項記載の組成物。
- 前記皮膜が200MPaより低いヤング率を有することを特徴とする請求項1から16のいずれか1項記載の組成物。
- 前記皮膜は200%より大きい伸張率を有することを特徴とする請求項1から17のいずれか1項記載の組成物。
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