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JP3579921B2 - 光学異方体の製造方法 - Google Patents

光学異方体の製造方法 Download PDF

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JP3579921B2
JP3579921B2 JP15457494A JP15457494A JP3579921B2 JP 3579921 B2 JP3579921 B2 JP 3579921B2 JP 15457494 A JP15457494 A JP 15457494A JP 15457494 A JP15457494 A JP 15457494A JP 3579921 B2 JP3579921 B2 JP 3579921B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶表示素子の視角依存性を解消又は軽減するために有用な光学異方体及びこれを用いた光学異方性を有する基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ素子の視角依存性を軽減するために、厚み方向の屈折率が面内の屈折率より大きなフィルム(光学異方体)を補償板として用いる手段が知られている(M.Akatsuka等、Japan Display ’89、336項、1989年)。このような光学異方体として、液晶性高分子を用いたものが特開平5−27235号公報及び特開平5−34678号公報に開示されている。しかしながら、これらの光学異方体は液晶性高分子の垂直配向構造をガラス状態で固定化しており、液晶性高分子のガラス転移点を越える温度では、配向構造が破壊されてしまうため使用温度がガラス転移点によって制限されるという欠点があった。また高分子液晶の粘度は、低分子液晶の粘度と比較して高く、垂直配向状態を得るのに時間がかかり、生産性が落ちるという欠点もあり、これは大面積の補償板等の光学異方体を得ようとするほど、また液晶性高分子のガラス転移点を高く設計するほど、この欠点は顕在化してしまっていた。
【0003】
これらの問題を解決するために本発明者等は、室温において液晶性を有する重合性液晶組成物を、垂直配向処理を施した基板間に担持させて垂直配向させた後に、光重合させて製造される光学異方性を有する基板を先に提案した。
【0004】
しかし、この技術によって均一な垂直配向状態を得るのにかかる時間が短縮されたものの、基板表面に垂直配向処理を施さなければならないという煩わしさがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、重合性液晶組成物を基板面に対して垂直配向させる手段として、従来のような垂直配向処理によらず、より容易に得られる製造方法を提供することにあり、これにより内部に垂直配向構造を有する光学異方体の製造効率をより向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決する手段について鋭意検討した結果、かかる課題が重合性液晶組成物液晶の垂直配向を電圧を印加することによって解決できることを見いだし、本発明を提供するに到った。
【0007】
即ち、本発明は第1の発明として、(1)導電層を有する第1の透明性基板と、導電性を有する第2の基板の間に重合性液晶組成物を介在させる第1工程、
(2)前記2枚の基板間に電圧を印加しながら、第1の透明性基板の側から光を照射する第2工程、及び
(3)第1の透明性基板及び第2の基板を剥離する第3工程
を有する光学異方体の製造方法を提供する。
【0008】
また、本発明は第2の発明として、(1)導電層を有する第1の透明性基板と、導電性を有する第2の基板の間に重合性液晶組成物を介在させる第1工程、
(2)前記2枚の基板間に電圧を印加しながら、第1の透明性基板の側から光を照射する第2工程、及び
(3)第2の基板を剥離する第3工程
を有する光学異方性を有する基板の製造方法を提供する。
【0009】
更に、本発明は第3の発明として、(1)導電層を有する2枚の透明性基板の間に重合性液晶組成物を介在させる第1工程、及び
(2)前記2枚の基板間に電圧を印加しながら、第1の透明性基板の側から光を照射する第2工程
を有する光学異方性を有する基板の製造方法を提供する。
【0010】
以下、第1の発明、第2の発明及び第3の発明を更に詳細に説明する。
本発明で使用する第1の透明性基板としては、例えば、導電層を有するガラスあるいはプラスチック基板が好ましく、具体的には、ITO付きガラス基板、ITO付きプラスチック基板を挙げることができる。これらの基板は導電性を有していないガラスあるいはプラスチック基板上に、蒸着、メッキ、印刷等の手段を用いることによって容易に得ることができるが、市販のITO付き基板を用いることもできる。
【0011】
本発明で使用する第2の基板としては、それ自体が導電性を有する基板であれば、透明性を有するものであっても、不透明なものであってもよく、また有機材料、無機材料を問わずに使用することができる。具体的には、無機材料としては、例えば、銅、金、銀、錫、鉛、鉄、ニッケル、アルミニウム、ITO(インジウムチンオキサイド)等の金属又は金属酸化物等を挙げることができ、有機材料としては導電性ゴム、導電性プラスチック等を挙げることができる。
【0012】
本発明で使用する重合性液晶組成物としては、液晶状態での光重合の際の意図しない熱重合の誘起を避け、均一な配向状態を固定するために、少なくとも2つの6員環を有する液晶性骨格を部分構造として有する環状アルコール又はフェノール又は芳香族ヒドロキシ化合物のアクリル酸又はメタクリル酸エステルである第1の単官能アクリレート又は第1の単官能メタクリレートを含有し、液晶相を示すことを特徴とする重合性液晶組成物を用いることが好ましい。このような単官能アクリレート又は単官能メタクリレートとしては、例えば、一般式(I)
【0013】
【化5】
Figure 0003579921
【0014】
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表わし、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
【0015】
【化6】
Figure 0003579921
【0016】
を表わし、nは0又は1の整数を表わし、mは1から4の整数を表わし、Y及びYはそれぞれ独立的に、単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH−、−CHCHCHO−、−OCHCHCH−、−CH=CHCHCH−又は−CHCHCH=CH−を表わし、Yは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基又はアルケニルオキシ基を表わす。)で表わされる化合物を挙げることができる。その中でも特に、上記一般式(I)において、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
【0017】
【化7】
Figure 0003579921
【0018】
を表わし、mは1又は2の整数を表わし、Y及びYはそれぞれ独立的に、単結合又は−C≡C−を表わし、Yはハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基又はアルコキシ基を表わす化合物が好ましい。
【0019】
このような化合物の代表的なものの例と、その相転移温度を示すが、本発明で使用することができる単官能アクリレート又は単官能メタクリレート化合物は、これらの化合物に限定されるものではない。
【0020】
【化8】
Figure 0003579921
【0021】
【化9】
Figure 0003579921
【0022】
(上記中、シクロヘキサン環はトランスシクロヘキサン環を表わし、また相転移温度スキームのCは結晶相、Nはネマチック相、Sはスメクチック相、Iは等方性液体相を表わし、数字は相転移温度を表わす。)
また、本発明で使用する重合性液晶組成物には、これまでに知られている液晶性骨格を部分構造として有する第2の単官能アクリレート又は、第2の単官能メタクリレート化合物を添加してもよい。このとき、得られる重合性液晶組成物は、室温においてエナンチオトロピックなネマチック液晶相を示すことが望ましい。ここで用いることができる単官能アクリレート又は単官能メタクリレートとしては、例えば一般式(II)
【0023】
【化10】
Figure 0003579921
【0024】
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、pは2〜12の整数を表わし、Yは単結合又は−COO−を表わし、Yはシアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、アルコキシ基又はフェニル基を表わす。)で表わされる化合物を挙げることができ、具体的には以下の化合物を挙げることができる。
【0025】
【化11】
Figure 0003579921
【0026】
(式中、R、R及びRはそれぞれ独立的に、水素原子又はメチル基を表わし、j、k及びlはそれぞれ独立的に、2〜12の整数を表わし、Rは炭素原子数1〜6のアルキル基、アルコキシ基又はフェニル基を表わす。)
このように、本発明で使用する重合性液晶組成物は、第1の単官能(メタ)アクリレートのみを含有しても良く、あるいは第2の単官能(メタ)アクリレートのみを含有しても良く、第1及び第2の単官能(メタ)アクリレートを併用しても良い。
【0027】
重合性液晶組成物として第1及び第2の単官能(メタ)アクリレートを併用する場合は、第2の単官能(メタ)アクリレートの含有量は、第1の単官能(メタ)アクリレートに対して50重量%以下であることが好ましい。これは第2の単官能(メタ)アクリレートの含有量が増えるに従って、得られる光学異方体の機械的強度及び耐熱性が劣る傾向があるからである。
【0028】
また本発明で用いる重合性液晶組成物の誘電率異方性は正であることが必須である。
また本発明で用いる重合性液晶組成物には重合性官能基を有していない液晶化合物を、重合性液晶組成物中の総量が10重量%を超えない範囲で添加してもよい。重合性官能基を有していない液晶化合物としてはネマチック液晶化合物、スメクチック液晶化合物、コレステリック液晶化合物等の通常この技術分野で液晶と認識されるものであれば特に制限なく用いることができる。しかしながらその添加量が増えるに従い、得られる光学異方体の機械的強度が低下する傾向にあるので、添加量を適宜調整する必要がある。
【0029】
また、重合性官能基を有しているが、液晶性を示さない化合物も添加することができる。このような化合物としては、通常この技術分野で高分子形成性モノマーあるいは高分子形成性オリゴマーとして認識されるものであればよいが、アクリレート化合物が特に好ましい。
【0030】
これらの液晶化合物又は重合性化合物は適宜選択して組み合わせて添加してもよいが、少なくとも得られる重合性液晶組成物の液晶性が失われないように、各成分の添加量を調整することが必要である。
【0031】
また、本発明で使用する重合性液晶組成物には、その重合反応性を向上させることを目的として、光重合開始剤や増感剤を添加してもよい。ここで、使用することができる光重合開始剤としては、例えば、公知のベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類等を挙げることができる。その添加量は、重合性液晶組成物に対して10重量%以下が好ましく、5重量%以下が特に好ましい。
【0032】
更に、本発明で使用する重合性液晶組成物には、その保存安定性を向上させるために、安定剤を添加してもよい。ここで使用することができる安定剤としては公知のヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール等を挙げることができる。その安定剤の添加量は0.05重量%以下が好ましい。
【0033】
本発明の光学異方体及び光学異方性を有する基板の製造方法は、上述の導電層を有する第1の透明性基板と、導電性を有する第2の基板を電圧印加可能なように配置し、この2枚の基板間に前述の重合性液晶組成物を介在させる。このとき、2枚の基板間の距離は、製造する光学異方体の用途によって適宜調整されるが、0.1〜100ミクロンの範囲が好ましく、特に0.5〜50ミクロンの範囲が好ましい。
【0034】
次いで、2枚の基板間に電圧を印加しながら、第1の透明性基板の側から光を照射する。基板間に電圧を印加する手段としては、通常の液晶表示素子に使用される駆動手段が使用でき、好ましい印加電圧は重合性液晶組成物の誘電率異方性や基板間の距離によって適宜調整されるが、0.5V以上の交流電圧が好ましい。
【0035】
光重合は紫外線又は電子線等のエネルギー線を、前述の2枚の基板間に担持された重合性液晶組成物に照射することによって行うのが好ましく、従って少なくとも照射面側の基板は、適当な透明性が与えられていなければならない。重合の際の温度は、重合性液晶組成物の液晶状態が保持される温度でなければならないが、意図しない熱重合の誘起を避ける意味から、できるだけ室温に近い温度で重合させることが好ましい。
【0036】
次いで、第1の発明においては、光学異方体を製造するために、第1の透明性基板及び第2の基板を剥離することにより、容易に得ることができる。第2の発明においては、光学異方性を有する基板を製造するために、第2の基板を剥離することにより、容易に得ることができる。第3の発明においては、第1及び第2の基板を共に剥離せずに、光学異方性を有する基板を容易に得ることができる。
【0037】
このとき、基板を容易に剥離するためには、基板に良好な剥離性を付与するために、基板表面に有機材料の薄膜等を形成することが好ましい。このような有機材料として、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素化ポリマーやポリビニルアルコールと1,8−オクタンジオール等のジオール化合物との混合物、及びレシチン等を挙げることができる。また基板と接していない光学異方体の表面を保護する目的で、熱硬化性もしくは光硬化性の樹脂を用いて表面に保護層を形成してもよい。
【0038】
このような製造方法により製造される光学異方体及び光学異方性を有する基板は、重合性液晶組成物の垂直配向を基板の垂直配向処理によらず得ることができ、内部に垂直配向構造を有し、厚み方向の屈折率が面内の屈折率より大きい、フィルム状の光学異方体及び光学異方性を有する基板を効率よく製造することができる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
式(a)
【0040】
【化12】
Figure 0003579921
【0041】
の化合物47.5重量部及び式(d)
【0042】
【化13】
Figure 0003579921
【0043】
の化合物47.5重量部及び式(g)
【0044】
【化14】
Figure 0003579921
【0045】
の化合物5重量部からなる重合性液晶組成物(A)を調整した。得られた組成物は室温(25℃)でエナンチオトロピックなネマチック相をしめし、ネマチック相から等方性液体相への転移温度は52℃であった。また25℃におけるn(異常光屈折率)は1.67、n(常光屈折率)は1.51、誘電率異方性は+0.7であった。この重合性液晶組成物(A)99重量部及び光重合開始剤「IRG−651」(チバガイギー社製)1重量部からなる重合性液晶組成物(B)を得た。次に2枚のITO透明電極付きガラス基板を、10ミクロンの間隔をもってITO面が内側になるように対向させて、この基板間に重合性液晶組成物(B)を挟持させた。この2枚のITO透明電極付きガラス基板間に挟持された重合性液晶組成物を偏光顕微鏡で観察したところ、配向状態は均一ではなく、ランダム配向状態であった。このランダム配向状態の重合性液晶組成物を挟持している2枚のITO電極間に電圧が50Vrmsの周波数1kHzの正弦波を印加したところ、重合性液晶組成物は垂直配向するのがコノスコープ像の観察により確認できた。電圧印加により重合性液晶組成物が垂直配向した状態のまま、室温において紫外線ランプ(UVP社製、UVGL−25)を用いて160mJ/cmの光量の紫外線を照射して、重合性液晶組成物を光重合し硬化させた。このようにして得られた2枚のITO透明電極付きガラス基板間に挟持された光学異方体をコノスコープ観察したところ、重合前の垂直配向がそのまま固定化されていた。またこの光学異方体を2枚の直交する偏光板の間に置いて観察したところ、均一に暗視野になっており、均一な垂直配向が得られていることを確認した。以上のことから、厚み方向の屈折率が面内の屈折率より大きく且つ均一性に優れた光学異方体が得られたことは明らかである。またこの光学異方体を120℃の温度に保っても、均一な垂直配向は維持されており、耐熱性も何等問題なかった。
(実施例2)
剥離剤として卵黄レシチンの0.1重量%エタノール溶液を塗布した後に乾燥させたITO透明電極付きガラス基板と何も塗布していないITO透明電極付きガラス基板を、10ミクロンの間隔をもってITO面を内側になるように対向させてこの間に実施例1で調製した重合性液晶組成物(B)を挟持させた。この2枚のITO透明電極付きガラス基板間に挟持された重合性液晶組成物を偏光顕微鏡で観察したところ、配向状態は均一ではなく、ランダム配向状態であった。このランダム配向状態の重合性液晶組成物を挟持しているITO電極間に電圧が50Vrmsの周波数1kHzの正弦波を印加したところ、重合性液晶組成物は垂直配向するのがコノスコープ像の観察により確認できた。このように電圧印加により重合性液晶組成物が垂直配向した状態で、室温において紫外線ランプ(UVP社製、UVGL−25)を用いて160mJ/cmの光量の紫外線を照射して、重合性液晶組成物を光重合し硬化させた。次に卵黄レシチンを塗布した基板を剥離して、ITO透明電極付きガラス基板上に担持された、光学異方性を有する基板を得た。このようにして得られた光学異方性を有する基板をコノスコープ観察したところ、重合前の垂直配向がそのまま固定化されていた。またこの光学異方性を有する基板を2枚の直交する偏光板の間に置いて観察したところ、均一に暗視野になっており、均一な垂直配向が得られていることを確認した。以上のことから、厚み方向の屈折率が面内の屈折率より大きく且つ均一性に優れた光学異方性を有する基板が得られたことは明らかである。またこの光学異方性を有する基板を120℃の温度に保っても、均一な垂直配向は維持されており、耐熱性も何等問題なかった。
(実施例3)
実施例2において、ITO透明電極付きガラス基板に代えて、厚さ1mmのアルミニウム板を用いた以外は実施例2と同様にして、重合性液晶組成物を光重合し硬化させた。次にアルミニウム板を剥離して、ITO透明電極付きガラス基板上に担持された、光学異方性を有する基板を得た。このようにして得られた光学異方性を有する基板をコノスコープ観察したところ、重合前の垂直配向がそのまま固定化されていた。またこの光学異方性を有する基板を2枚の直交する偏光板の間に置いて観察したところ、均一に暗視野になっており、均一な垂直配向が得られていることを確認した。以上のことから、厚み方向の屈折率が面内の屈折率より大きく且つ均一性に優れた光学異方性を有する基板が得られたことは明らかである。またこの光学異方体を120℃の温度に保っても、均一な垂直配向は維持されており、耐熱性も何等問題なかった。
(実施例4)
剥離剤として卵黄レシチンの0.1重量%エタノール溶液を塗布した後に乾燥させたITO透明電極付きガラス基板と何も塗布していないITO透明電極付きガラス基板を、20ミクロンの間隔をもってITO面を内側になるように対向させてこの間に実施例1で調製した重合性液晶組成物(B)を挟持させた。この2枚のITO透明電極付きガラス基板間に挟持された重合性液晶組成物を偏光顕微鏡で観察したところ、配向状態は均一ではなく、ランダム配向状態であった。このランダム配向状態の重合性液晶組成物を挟持しているITO電極間に電圧が100Vrmsの周波数1kHzの正弦波を印加したところ、重合性液晶組成物は垂直配向するのがコノスコープ像の観察により確認できた。このように電圧印加により重合性液晶組成物が垂直配向した状態で、室温において紫外線ランプ(UVP社製、UVGL−25)を用いて160mJ/cmの光量の紫外線を照射して、重合性液晶組成物を光重合し硬化させた。次に卵黄レシチンを塗布した基板を剥離して、ITO透明電極付きガラス基板上に担持された、光学異方性を有する基板を得た。更にこの光学異方性を有する基板を蒸留水に30分間浸した後に、更にITO透明電極付きガラス基板を光学異方体から剥離して、独立したフィルム状の光学異方体を得た。このようにして得られた光学異方体をコノスコープ観察したところ、重合前の垂直配向がそのまま固定化されていた。またこの光学異方体を2枚の直交する偏光板の間に置いて観察したところ、均一に暗視野になっており、均一な垂直配向が得られていることを確認した。以上のことから、厚み方向の屈折率が面内の屈折率より大きく且つ均一性に優れた光学異方体が得られたのは明かである。またこの光学異方体を120℃の温度に保っても、均一な垂直配向は維持されており、耐熱性も何等問題なかった。
【0046】
【発明の効果】
本発明の光学異方体及び光学異方性を有する基板の製造方法は、光照射時に電圧を印加することにより、従来のような煩わしい基板の配向処理を施す場合に比べて、重合性液晶組成物を容易に垂直配向させることができる。従って、本発明の製造方法は、厚み方向の屈折率が面内の屈折率より大きなフィルム状の光学異方体及び光学異方性を有する基板の製造方法として、極めて有用である。

Claims (10)

  1. (1)導電層を有する第1の透明性基板と、導電性を有する第2の基板の間に、少なくとも2つの6員環を有する液晶性骨格を部分構造として有する環状アルコール又はフェノールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルである第1の単官能アクリレート又は第1の単官能メタクリレートを含有し、室温で液晶相を示す重合性液晶組成物を介在させる第1工程、
    (2)前記2枚の基板間に室温で電圧を印加しながら、第1の透明性基板の側から光を照射する第2工程、及び
    (3)第1の透明性基板及び第2の基板を剥離する第3工程
    を有する光学異方体の製造方法。
  2. (1)導電層を有する第1の透明性基板と、導電性を有する第2の基板の間に、少なくとも2つの6員環を有する液晶性骨格を部分構造として有する環状アルコール又はフェノールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルである第1の単官能アクリレート又は第1の単官能メタクリレートを含有し、室温で液晶相を示す重合性液晶組成物を介在させる第1工程、
    (2)前記2枚の基板間に室温で電圧を印加しながら、第1の透明性基板の側から光を照射する第2工程、及び
    (3)第2の基板を剥離する第3工程
    を有する光学異方性を有する基板の製造方法。
  3. (1)導電層を有する2枚の透明性基板の間に、少なくとも2つの6員環を有する液晶性骨格を部分構造として有する環状アルコール又はフェノールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルである第1の単官能アクリレート又は第1の単官能メタクリレートを含有し、室温で液晶相を示す重合性液晶組成物を介在させる第1工程、及び
    (2)前記2枚の基板間に室温で電圧を印加しながら、第1の透明性基板の側から光を照射する第2工程
    を有する光学異方性を有する基板の製造方法。
  4. 第1の単官能アクリレート又は第1の単官能メタクリレートが、一般式(I)
    Figure 0003579921
    (式中、Xは水素原子又はメチル基を表わし、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
    Figure 0003579921
    を表わし、nは0又は1の整数を表わし、mは1から4の整数を表わし、Y及びYはそれぞれ独立的に、単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH−、−CHCHCHO−、−OCHCHCH−、−CH=CHCHCH−又は−CHCHCH=CH−を表わし、Yは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基又はアルケニルオキシ基を表わす。)で表わされる化合物であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の製造方法。
  5. 一般式(I)において、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
    Figure 0003579921
    を表わし、mは1又は2の整数を表わし、Y及びYはそれぞれ独立的に、単結合又は−C≡C−を表わし、Yはハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基又はアルコキシ基を表わすことを特徴とする請求項4記載の製造方法。
  6. 重合性液晶組成物が、液晶性骨格を部分構造として有する第2の単官能アクリレート又は第2の単官能メタクリレートを含有することを特徴とする請求項4又は5記載の製造方法。
  7. 第2の単官能アクリレート又は第2の単官能メタクリレートが、一般式(II)
    Figure 0003579921
    (式中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、pは2〜12の整数を表わし、Yは単結合又は−COO−を表わし、Yはシアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、アルコキシ基又はフェニル基を表わす。)で表わされる化合物であることを特徴とする請求項記載の製造方法。
  8. 重合性液晶組成物が、室温においてエナンチオトロピックなネマチック液晶相を示すことを特徴とする請求項7記載の製造方法。
  9. 重合性液晶組成物の誘電率異方性が正であることを特徴とする請求項5又は8記載の製造方法。
  10. 第1の透明性基板が、ITO電極層を有する基板であることを特徴とする請求項9記載の製造方法。
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