JP3574545B2 - ブロック共重合体および樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂に恒久的な帯電防止性を付与することが可能なブロック共重合体、該ブロック共重合体により恒久的な帯電防止性が付与されたポリオレフィン系樹脂組成物、および該樹脂組成物からなる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ポリオレフィン系樹脂は電気絶縁抵抗が大きいため、摩擦により容易に静電気が発生し、帯電しやすい。このためポリオレフィン系樹脂を用いて成形品を製造する際や、その成形品を使用する際には種々のトラブルが発生する。例えば、ポリオレフィン系樹脂をフィルムやシートに成形加工する際に静電気が発生すると、作業効率が低下するだけでなく、静電気火花の発生により重大な事故が起こる可能性がある。また、ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムやシートを包装用に使用する場合には、塵埃付着による外観の悪化を招くだけでなく、人体に接触した場合に静電気ショックを与えることがある。
【0003】
そこで、ポリオレフィン系樹脂に帯電防止性を付与するために、各種親水性化合物などの帯電防止剤を添加する方法が試みられている。例えば、N,N−ビスヒドロキシエチルアルキルアミンと、多価アルコール脂肪族エステル、脂肪族アルコールまたはグリセリンモノ脂肪酸エステルなどを併用して添加する方法、ベタイン型両性界面活性剤を添加する方法、脂肪酸ジエタノールアミド単独またはこれにソルビタン脂肪酸エステルを併用して添加する方法などがある。しかしながら、これら従来の低分子量の帯電防止剤では、帯電防止性を発現するに十分な量を使用した場合には、経時的に帯電防止剤が樹脂表面に大量にブリードアウトするため、樹脂表面が白化、着色したり、べたつきを生じ、接着性不良、印刷性不良などの問題を起こしやすい。一方、樹脂表面にブリードアウトする量を減らすために、帯電防止剤を少量使用した場合には、帯電防止性能が発現しにくく、恒久的な帯電防止効果が得られない。
【0004】
これらの問題点を解決するため、高分子量の帯電防止剤が提案されている。例えば、特開平6−212079号公報には、(A)熱可塑性樹脂100重量部に、(B)65〜99モル%のオレフィン単位、0〜15モル%の(メタ)アクリレート単位および1〜35モル%の4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリルアミド単位からなるランダム共重合体を3〜30重量部添加してなる、帯電防止性に優れた樹脂組成物が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特開平6−212079号公報に記載されているようなランダム共重合体を樹脂に添加する方法では、十分な帯電防止性を得るためには多量に添加する必要があり、製造コストアップや樹脂の機械的強度が低下するなどの問題点を有している。
【0006】
本発明の目的は、ポリオレフィン系樹脂に対して少量で恒久的な帯電防止性を付与することが可能なブロック共重合体を提供することにある。さらに本発明の他の目的は、恒久的に、かつ成形直後あるいは低湿度下においても十分な帯電防止性を有するポリオレフィン系樹脂組成物、および該樹脂組成物からなる成形品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前述の問題点を解決するべく鋭意研究した結果、帯電防止剤として、4級アンモニウム塩基含有ビニル系単量体単位(i)およびポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系単量体単位(ii)を含有する重合体ブロック(A)とオレフィン単位を含有するブロック(B)とから構成されるブロック共重合体を、オレフィン系樹脂に配合することにより、成形品表面に親水性成分が良好に濃縮され、従来の帯電防止剤よりも少ない配合量で目標とする帯電防止性能が恒久的に、かつ成形直後あるいは低湿度下においても発現され、機械的特性にも優れたポリオレフィン系樹脂組成物が得られることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、4級アンモニウム塩基含有ビニル系単量体単位(i)およびポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系単量体単位(ii)を10〜100モル%含有し、構造単位(i)/構造単位(ii)のモル比が1/10〜1000/1の重合体ブロック(A)、並びにオレフィン単位を50〜100モル%含有する重合体ブロック(B)から構成されるブロック共重合体に関する。本発明は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、該ブロック共重合体を0.5〜20重量部配合してなる樹脂組成物に関する。さらに、本発明は該樹脂組成物からなる成形品に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のブロック共重合体は、以下に述べる重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)から構成されており、例えばAB型ブロック共重合体、ABA型ブロック共重合体、BAB型ブロック共重合体などを挙げることができる。これらのなかでも、AB型ブロック共重合体が好ましい。
【0010】
本発明のブロック共重合体を構成する重合体ブロック(A)は、4級アンモニウム塩基含有ビニル系単量体単位(i)およびポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系単量体単位(ii)を10〜100モル%含有しており、30〜100モル%含有していることが好ましく、50〜100モル%含有していることがより好ましい。4級アンモニウム塩基含有ビニル系単量体単位(i)およびポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系単量体単位(ii)の含有割合が10モル%未満の場合には、帯電防止性能が劣る。
【0011】
重合体ブロック(A)において、構造単位(i)/構造単位(ii)のモル比は1/10〜1000/1であり、1/1〜500/1であることが好ましく、5/1〜200/1であることがより好ましい。構造単位(i)と構造単位(ii)の割合が上記の範囲のものは、各構造単位に由来する相乗効果が得られ、十分な帯電防止効果を発現する。
【0012】
4級アンモニウム塩基含有ビニル系単量体単位(i)としては、例えば、下記の一般式(1)で表される単量体;下記の一般式(2)で表される単量体;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンなどのビニルピリジン等を4級化剤で4級アンモニウム塩化した単量体から誘導される単位を挙げることができる。これらのなかでも、一般式(1)または一般式(2)で表される単量体から誘導される単位が好ましい。
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】
〔上記の一般式(1)および一般式(2)中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1〜10のアルキレン基または少なくとも1つ以上の水酸基を有する炭素数1〜10のアルキレン基、R3およびR4はそれぞれ水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または少なくとも1つ以上の水酸基を有する炭素数1〜10のアルキル基を示す。〕
【0016】
上記の一般式(1)で表される単量体としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジヒドロキシエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらのなかでも、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートがより好ましい。
【0017】
上記の一般式(2)で表される単量体としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等を挙げることができ、これらのなかでも、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドがより好ましい。
【0018】
4級塩化する際に使用される4級化剤は、特に制限されず、従来から使用されているいずれもが使用できる。例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチルなどの硫酸エステル類;メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチルなどの脂肪族系スルホン酸エステル類;o−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸メチル、o−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチルなどの芳香族系スルホン酸エステル類;塩化メチル、塩化エチル、塩化ベンジル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化ベンジル、臭化メチル、臭化エチル、臭化ベンジルなどのハロゲン化アルキル;クロロ酢酸ナトリウム、ブロモ酢酸ナトリウム、ヨード酢酸ナトリウムなどのハロゲン化アルキルカルボン酸塩;1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトンなどのスルトン類などが挙げられる。これらのなかでも、帯電防止性能が優れているブロック共重合体が得られる点で、スルホン酸エステル類を4級化剤として用いるのが好ましい。さらに、得られるブロック共重合体の耐熱性が優れている点において、o−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸メチル、o−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸エチルを4級化剤として用いるのが好ましい。なお、アミノ基の4級アンモニウム塩化は、ブロック共重合体を製造する際の任意の段階で行うことができる。例えば、モノマーの段階でアミノ基を4級アンモニウム塩化してもよいし、アミノ基含有ビニル系単量体を用いてブロック共重合体を製造した後に、アミノ基を4級アンモニウム塩化してもよい。
【0019】
ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系単量体単位(ii)としては、特に制限はないが、好ましい単量体単位としては下記の一般式(3)で表される(メタ)アクリレート単位を挙げることができる。
【0020】
【化3】
【0021】
(一般式(3)中、R5は水素原子またはメチル基、R6は炭素数2〜4のアルキレン基、R7は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基、nは1〜500の整数を示す。)
【0022】
上記の一般式(3)で表される(メタ)アクリレート単位は、例えば、ポリエチレングリコール[4]モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール[9]モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール[14]モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール[23]モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール[30]モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール[300]モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール[4]モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール[9]モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール[14]モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール[23]モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール[30]モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール[300]モノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール[23]モノ(メタ)アクリレート、およびこれらのモノメチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル、モノノニルエーテル、モノラウリルエーテル、モノステアリルエーテル等から誘導される([ ]内の数字はポリアルキレングリコール鎖の平均重合度(n)を示す。)。これらの中でも、平均重合度(n)が4〜100、R6が2または3のアルキレン基、R7が炭素数1〜12のアルキル基である単量体から誘導される単位が特に好ましい。
【0023】
重合体ブロック(A)は、4級アンモニウム塩基含有ビニル系単量体単位(i)及びポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系単量体単位(ii)のみからなっていてもよいが、必要に応じてその他の共重合可能な単量体単位を90モル%以下、好ましくは70モル%以下、より好ましくは50モル%以下の割合で含んでいてもよい。この併用可能な単量体単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸およびその誘導体;N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミドなどのイミド系単量体;(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル系単量体;(メタ)アクリルアミドなどのアミド系単量体;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系単量体;酢酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテンなどのα−オレフィン;無水マレイン酸、イタコン酸などから誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を含ませることができる。
【0024】
本発明のブロック共重合体を構成する重合体ブロック(B)は、オレフィン単位を50〜100モル%含有しており、70〜100モル%含有していることが好ましく、90〜100モル%含有していることがより好ましい。オレフィン単位の含有割合が50モル%未満の場合には、ブロック共重合体のオレフィン系樹脂への相溶性が低下するため、オレフィン系樹脂にブロック共重合体を配合してなる樹脂組成物の帯電防止性能が劣る。
【0025】
重合体ブロック(B)を構成するオレフィン単位としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−オクタデセン、ビニルシクロヘキサン、シクロペンタジエン、β−ピネンなどから誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を含ませることができる。これらのなかでも、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンから誘導される単位が好ましい。
【0026】
重合体ブロック(B)は、必要に応じて、オレフィンと共重合可能な単量体単位を50モル%以下、好ましくは30モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合で含んでいてもよい。この併用可能な単量体単位としては、例えば、酢酸ビニルなどのビニルエステル類;(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸およびその誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、メチルプロペニルエーテル、エチルプロペニルエーテルなどのビニルエーテル類;無水マレイン酸などから誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を含ませることができる。
【0027】
重合体ブロック(A)の数平均分子量は、5,000〜400,000であるのが好ましく、10,000〜200,000であるのがより好ましい。重合体ブロック(B)の数平均分子量は100〜200,000であるのが好ましく、150〜100,000であるのがより好ましい。重合体ブロック(A)および(B)の数平均分子量がこれらの範囲にあると、ポリオレフィン系樹脂への溶融分散性および帯電防止性能の付与効果の点においてより優れたブロック共重合体が得られる。さらに、ブロック共重合体全体の数平均分子量は、ポリオレフィン系樹脂に十分な帯電防止効果を付与することができ、さらに樹脂表面にべとつきを生じないという点から、6,000〜500,000であるのが好ましく、10,000〜200,000であるのがより好ましい。なお、本明細書でいう数平均分子量は、重合体ブロック(A)に含まれるアミノ基を4級アンモニウム塩化していないアミンの状態で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン検量線から求めた値である。
【0028】
本発明のブロック共重合体の製造法は、特に制限はないが、例えば、末端にメルカプト基を有するオレフィンよりなる重合体ブロック(B)の存在下に、4級アンモニウム塩基含有単量体を重合させることにより重合体ブロック(A)を形成させる方法;該重合体ブロック(B)の存在下に、アミノ基含有単量体を重合させた後、4級化剤を用いて4級アンモニウム塩化することにより重合体ブロック(A)を形成させる方法などを採用することができる。
【0029】
なお、末端にメルカプト基を有する重合体ブロック(B)は、各種方法により合成可能であり、例えば、末端に二重結合を有するポリオレフィン系樹脂に、チオ酢酸、チオ安息香酸、チオプロピオン酸、チオ酪酸またはチオ吉草酸などを付加させた後、酸またはアルカリで処理する方法や、オレフィンのアニオン重合において、停止剤としてエチレンスルフィドなどを用いる方法により合成することができる。
【0030】
適当な重合開始剤を用いて、末端にメルカプト基を有する重合体ブロック(B)の存在下に、重合体ブロック(A)を構成する単量体を重合する方法は、例えば、溶液重合、塊状重合、乳化重合、分散重合などいずれの重合方法を用いることも可能であるが、効率良くブロック共重合体を合成するには溶液重合が好ましい。溶液重合の際に用いることができる溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリンなどの芳香族系炭化水素;クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素;テトラヒドロフランなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類などを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
【0031】
上記の重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤、例えば、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、2,2’−アゾビス−1−シクロブタンニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノペンタノイックアシッド、2,2’−アゾビスシクロプロピルプロピオニトリルなどのアゾビス化合物;アセチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、p−クロルベンゾイルパーオキシド、イソブチリルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド、ジt−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジt−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジt−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジt−ブチルパーオキシブタン、t−ブチルパーアセテート、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどの有機過酸化物;過酸化カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物などを使用することができる。
【0032】
本発明のブロック共重合体の他の製造法としては、末端に水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアナート基などの官能基を有する重合体ブロック(A)と、該官能基と反応して結合可能な官能基を末端に有する重合体ブロック(B)とを、溶液中または溶融状態で反応させる方法を挙げることができる。例えば、末端に水酸基を有する重合体ブロック(A)と末端にカルボキシル基を有する重合体ブロック(B)とを、二軸押出機中で反応させることにより製造することができる。
【0033】
本発明のブロック共重合体は、ポリオレフィン系樹脂に対して少量添加するだけで恒久的な帯電防止性を付与することが可能であり、その他、樹脂の防曇性、表面印刷性、接着性などを改善する効果も有している。
【0034】
本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、上記のブロック共重合体を0.5〜20重量部含有しており、1〜10重量部含有していることが好ましい。ブロック共重合体の含有量が0.5重量部未満の場合には、帯電防止効果の発現が不十分であり、一方、20重量部を越える場合には、得られるポリオレフィン系樹脂組成物の機械的特性などが低下するうえ、製造コストが高くなるので好ましくない。
【0035】
本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、ポリブタジエン、ポリブタジエンの水添物、ポリイソプレン、ポリイソプレンの水添物、エチレン−α−オレフィン共重合体(エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体等)、ジエン成分が50重量%以下のエチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体、エチレンまたはプロピレンと50重量%以下の酢酸ビニル、メタクリル酸アルキルエステルまたはアクリル酸アルキルエステルとの共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体の水添物などを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。これらのなかでもプロピレン成分を50重量%以上含有するプロピレン系ポリオレフィン、エチレン成分を50重量%以上含有するエチレン系ポリオレフィン、該プロピレン系ポリオレフィンとエチレン系ポリオレフィンの混合物を用いるのが好ましい。
【0036】
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、顔料、核剤、熱劣化防止剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、滑剤などの添加剤や、ガラス繊維、カーボン繊維、ポリアミド繊維などの繊維状充填剤、シリカ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、酸化チタン、カーボンブラック、チタン酸カリウムなどの粉末状充填剤、ポリマーアロイ相溶化剤、エンジニアリングプラスチック樹脂、汎用樹脂などを含有していてもよい。
【0037】
本発明の樹脂組成物は、上記のポリオレフィン系樹脂およびブロック共重合体を使用して、通常のポリマーブレンドの手法により製造することができる。例えば、ポリオレフィン系樹脂およびブロック共重合体を樹脂材料の混合に通常用いられるような一軸押出機、二軸押出機、ブラベンダー、ニーダー、バンバリーミキサーなどの溶融混練機を用いて溶融混練してもよいし、単にドライブレンドするだけでもよい。
【0038】
本発明の樹脂組成物は、熱溶融成形や加熱加工が可能であり、射出成形、押出成形、インフレーションフィルム成形、ブロー成形などの任意の成形方法によって種々の成形品を円滑に製造することができる。
【0039】
本発明の樹脂組成物は成形後すみやかに帯電防止効果を発現し、この帯電防止効果は恒久的に持続するため、包装材料、家電・OA機器用のハウジング製品、自動車部品などの各種用途の素材などとして有用である。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の例において、樹脂組成物の評価は下記の方法に従って行った。
【0041】
〔表面抵抗率の測定〕
射出成形した試験片100mm×100mm×3.18mmを、50℃で1日真空乾燥し、デシケーター中で30分放冷して水分を除去した直後のもの(評価1)、20℃、40%RHの条件下で24時間放置したもの(評価2)、あるいは30℃水中に1日浸漬した後、超音波洗浄を1時間行い、20℃、40%RHの条件下で1日放置したもの(評価3)について、20℃、40%RHの条件下で、デジタル超高抵抗/微少電流計(ADVANTEST社製R8340)を用いて、印加電圧1000Vでの表面抵抗率を測定した。
【0042】
〔耐久性試験〕
試験片を80℃、95%RHの条件下で1週間放置した後、試験片表面にセロテープを貼り付け、このセロテープをはがしてセロテープ表面への付着物の有無を観察することにより、ブリードアウト物の有無を評価した。
○:セロテープへの付着物なし。
×:セロテープへの付着物あり。
【0043】
実施例1
片末端に二重結合を有するエチレンオリゴマー〔三菱化成工業(株)製「DIALEN30」〕100重量部、トルエン200重量部およびチオ−S−酢酸32重量部を反応容器にとり、内部を十分に窒素置換した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと略称する)1.1重量部を添加して、70℃で6時間反応させることにより片末端にチオアセチル基を有する重合体を得た。この重合体を、トルエン800重量部とメタノール100重量部の混合溶媒に溶解し、4%水酸化ナトリウム/メタノール溶液13重量部を添加して、窒素中65℃で6時間反応させることにより片末端にメルカプト基を有する重合体を得た。 この片末端にメルカプト基を有するエチレンオリゴマー7.5重量部をトルエン400重量部と2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(以下、DMAEMAと略称する)400重量部およびポリエチレングリコール[30]メタクリレートモノメチルエーテル119重量部に溶解し、窒素中70℃で、重合速度が1時間あたり約10%になるようにAIBNを添加し、重合率が95%になった段階で反応を停止した。さらに、得られた重合体100重量部を、トルエン400重量部とメタノール600重量部の混合溶媒に溶解し、p−トルエンスルホン酸メチル90.5重量部を添加して、窒素中50℃で4時間反応させることにより、重合体中の3級アミノ基を全て4級アンモニウム塩化した。得られたABブロック共重合体(重合体A)の物性値を下記の表1に示す。
【0044】
実施例2
実施例1において、片末端にメルカプト基を有するエチレンオリゴマーのかわりにヘキサデシルメルカプタンを用いる以外は、実施例1と同様にしてAB型ブロック共重合体(重合体B)を得た。得られたAB型ブロック共重合体の物性値を下記の表1に示す。
【0045】
実施例3
ポリプロピレン(三菱油化株式会社製「三菱ノーブレンMH8」)を二軸押出機を用いて420℃で熱分解させ、末端に二重結合を導入した。この重合体10重量部、トルエン100重量部およびチオ−S−酢酸3重量部を反応容器にとり、内部を十分に窒素置換した後、AIBN1重量部を添加して、80℃で6時間反応させることにより末端にチオアセチル基を有する重合体を得た。この重合体を、トルエン80重量部とn−ブタノール20重量部の混合溶媒に溶解し、5.6%水酸化カリウム/n−ブタノール溶液1重量部を添加して、窒素中トルエン還流温度で6時間反応させることにより末端にメルカプト基を有する重合体を得た。この末端にメルカプト基を有するポリプロピレン50重量部をトルエン450重量部とDMAEMA400重量部およびポリエチレングリコール[30]メタクリレートモノメチルエーテル119重量部に溶解し、窒素中90℃で、重合速度が1時間あたり約10%になるように1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)を添加し、重合率95%になった段階で反応を停止した。さらに、得られた重合体100重量部を、トルエン400重量部とメタノール600重量部の混合溶媒に溶解し、p−トルエンスルホン酸メチル83.7重量部を添加して、窒素中50℃で4時間反応させることにより、重合体中の3級アミノ基を全て4級アンモニウム塩化した。得られたAB型ブロック共重合体(重合体C)の物性値を下記の表1に示す。
【0046】
実施例4
実施例3において、ポリプロピレンのかわりにエチレン/プロピレン重量比が73/27のエチレン−プロピレン共重合体〔日本合成ゴム(株)製「EP07P」〕を用いる以外は、実施例3と同様にしてAB型ブロック共重合体(重合体D)を得た。得られたAB型ブロック共重合体の物性値を下記の表1に示す。
【0047】
実施例5
実施例1において、片末端にメルカプト基を有するエチレンオリゴマーの使用量を30重量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてAB型ブロック共重合体(重合体E)を得た。得られたAB型ブロック共重合体の物性値を下記の表1に示す。
【0048】
実施例6
実施例1において、片末端にメルカプト基を有するエチレンオリゴマーの使用量を3.8重量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてAB型ブロック共重合体(重合体F)を得た。得られたAB型ブロック共重合体の物性値を下記の表1に示す。
【0049】
実施例7
イソブチレン210重量部、塩化メチレン800重量部、メチルシクロヘキサン1200重量部、2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタン6.5重量部、2,6−ジメチルピリジン0.98重量部およびピリジン3.5重量部を反応容器にとり、四塩化チタン12.3重量部を添加して、−78℃で4時間反応させることによりポリイソブチレンを得た。この重合体140重量部をテトラヒドロフラン6800重量部に溶解し、カリウムt−ブトキシド280重量部を加えて20時間撹拌還流することにより片末端に二重結合を有する重合体を得た。この重合体100重量部、トルエン200重量部およびチオ−S−酢酸11重量部を反応容器にとり、内部を十分に窒素置換した後、AIBN1.0重量部を添加して、30℃で6時間反応させることにより片末端にチオアセチル基を有する重合体を得た。この重合体を、トルエン800重量部とメタノール100重量部の混合溶媒に溶解し、4%水酸化ナトリウム/メタノール溶液10重量部を添加して、窒素中65℃で6時間反応させることにより片末端にメルカプト基を有する重合体を得た。実施例1において、片末端にメルカプト基を有するエチレンオリゴマーのかわりに、得られた片末端にメルカプト基を有するポリイソブチレン系重合体を用いる以外は、実施例1と同様にしてAB型ブロック共重合体(重合体G)を得た。得られたAB型ブロック共重合体の物性値を下記の表1に示す。
【0050】
比較例1
実施例1において、片末端にメルカプト基を有するエチレンオリゴマーのかわりに2−メルカプトエタノールを5.5重量部用いる以外は、実施例1と同様にしてDMAEMAを重合し、得られた重合体を4級アンモニウム塩化した。得られたホモポリマー(重合体H)の物性値を下記の表1に示す。
【0051】
比較例2
片末端に二重結合を有するエチレンオリゴマー〔三菱化成工業(株)製「DIALEN30」〕100重量部、トルエン200重量部およびチオ−S−酢酸32重量部を反応容器にとり、内部を十分に窒素置換した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと略称する)1.1重量部を添加して、70℃で6時間反応させることにより片末端にチオアセチル基を有する重合体を得た。この重合体を、トルエン800重量部とメタノール100重量部の混合溶媒に溶解し、4%水酸化ナトリウム/メタノール溶液13重量部を添加して、窒素中65℃で6時間反応させることにより片末端にメルカプト基を有する重合体を得た。 この片末端にメルカプト基を有するエチレンオリゴマー7.5重量部をトルエン400重量部およびDMAEMA400重量部に溶解し、窒素中70℃で、重合速度が1時間あたり約10%になるようにAIBNを添加し、重合率が95%になった段階で反応を停止した。さらに、得られた重合体100重量部を、トルエン400重量部とメタノール600重量部の混合溶媒に溶解し、p−トルエンスルホン酸メチル117重量部を添加して、窒素中50℃で4時間反応させることにより、重合体中の3級アミノ基を全て4級アンモニウム塩化した。得られたABブロック共重合体(重合体I)の物性値を下記の表1に示す。
【0052】
比較例3
65モル%のエチレン単位および35モル%の2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート単位からなるランダム共重合体を、p−トルエンスルホン酸メチルで処理することにより4級アンモニウム塩化することによりランダム共重合体(重合体J)を得た。得られたランダム共重合体の物性値を下記の表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
実施例8〜16
ポリプロピレン〔三菱油化(株)製「三菱ノーブレンMA4」〕100重量部に、重合体A〜Gのいずれか1種を下記の表2に示した割合で配合し、二軸押出機を用いて210℃で溶融混練することにより樹脂組成物を製造した。この樹脂組成物を用いて、230℃で100mm×100mm×3.18mmの板状試験片を射出成形した。前記の評価方法に従って評価した結果を、下記の表2に示す。
【0055】
比較例4〜8
ポリプロピレン〔三菱油化(株)製「三菱ノーブレンMA4」〕100重量部に、重合体A、H〜Jのいずれか1種を下記の表2に示した割合で配合し、二軸押出機を用いて210℃で溶融混練することにより樹脂組成物を製造した。この樹脂組成物を用いて、230℃で100mm×100mm×3.18mmの板状試験片を射出成形した。前記の評価方法に従って評価した結果を、下記の表2に示す。
【0056】
比較例9
ポリプロピレン〔三菱油化(株)製「三菱ノーブレンMA4」〕を用いて、230℃で100mm×100mm×3.18mmの板状試験片を射出成形した。前記の評価方法に従って評価した結果を、下記の表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】
本発明のブロック共重合体は、ポリオレフィン系樹脂に少量添加するだけで十分な帯電防止性を付与することが可能であり、該ブロック共重合体を配合したポリオレフィン系樹脂組成物からなる成形品は、成形直後あるいは低湿度下においても十分な帯電防止性を有しているのみならず、水洗や加熱による劣化が少なく、恒久的な帯電防止性を有している。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂に恒久的な帯電防止性を付与することが可能なブロック共重合体、該ブロック共重合体により恒久的な帯電防止性が付与されたポリオレフィン系樹脂組成物、および該樹脂組成物からなる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ポリオレフィン系樹脂は電気絶縁抵抗が大きいため、摩擦により容易に静電気が発生し、帯電しやすい。このためポリオレフィン系樹脂を用いて成形品を製造する際や、その成形品を使用する際には種々のトラブルが発生する。例えば、ポリオレフィン系樹脂をフィルムやシートに成形加工する際に静電気が発生すると、作業効率が低下するだけでなく、静電気火花の発生により重大な事故が起こる可能性がある。また、ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムやシートを包装用に使用する場合には、塵埃付着による外観の悪化を招くだけでなく、人体に接触した場合に静電気ショックを与えることがある。
【0003】
そこで、ポリオレフィン系樹脂に帯電防止性を付与するために、各種親水性化合物などの帯電防止剤を添加する方法が試みられている。例えば、N,N−ビスヒドロキシエチルアルキルアミンと、多価アルコール脂肪族エステル、脂肪族アルコールまたはグリセリンモノ脂肪酸エステルなどを併用して添加する方法、ベタイン型両性界面活性剤を添加する方法、脂肪酸ジエタノールアミド単独またはこれにソルビタン脂肪酸エステルを併用して添加する方法などがある。しかしながら、これら従来の低分子量の帯電防止剤では、帯電防止性を発現するに十分な量を使用した場合には、経時的に帯電防止剤が樹脂表面に大量にブリードアウトするため、樹脂表面が白化、着色したり、べたつきを生じ、接着性不良、印刷性不良などの問題を起こしやすい。一方、樹脂表面にブリードアウトする量を減らすために、帯電防止剤を少量使用した場合には、帯電防止性能が発現しにくく、恒久的な帯電防止効果が得られない。
【0004】
これらの問題点を解決するため、高分子量の帯電防止剤が提案されている。例えば、特開平6−212079号公報には、(A)熱可塑性樹脂100重量部に、(B)65〜99モル%のオレフィン単位、0〜15モル%の(メタ)アクリレート単位および1〜35モル%の4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリルアミド単位からなるランダム共重合体を3〜30重量部添加してなる、帯電防止性に優れた樹脂組成物が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特開平6−212079号公報に記載されているようなランダム共重合体を樹脂に添加する方法では、十分な帯電防止性を得るためには多量に添加する必要があり、製造コストアップや樹脂の機械的強度が低下するなどの問題点を有している。
【0006】
本発明の目的は、ポリオレフィン系樹脂に対して少量で恒久的な帯電防止性を付与することが可能なブロック共重合体を提供することにある。さらに本発明の他の目的は、恒久的に、かつ成形直後あるいは低湿度下においても十分な帯電防止性を有するポリオレフィン系樹脂組成物、および該樹脂組成物からなる成形品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前述の問題点を解決するべく鋭意研究した結果、帯電防止剤として、4級アンモニウム塩基含有ビニル系単量体単位(i)およびポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系単量体単位(ii)を含有する重合体ブロック(A)とオレフィン単位を含有するブロック(B)とから構成されるブロック共重合体を、オレフィン系樹脂に配合することにより、成形品表面に親水性成分が良好に濃縮され、従来の帯電防止剤よりも少ない配合量で目標とする帯電防止性能が恒久的に、かつ成形直後あるいは低湿度下においても発現され、機械的特性にも優れたポリオレフィン系樹脂組成物が得られることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、4級アンモニウム塩基含有ビニル系単量体単位(i)およびポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系単量体単位(ii)を10〜100モル%含有し、構造単位(i)/構造単位(ii)のモル比が1/10〜1000/1の重合体ブロック(A)、並びにオレフィン単位を50〜100モル%含有する重合体ブロック(B)から構成されるブロック共重合体に関する。本発明は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、該ブロック共重合体を0.5〜20重量部配合してなる樹脂組成物に関する。さらに、本発明は該樹脂組成物からなる成形品に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のブロック共重合体は、以下に述べる重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)から構成されており、例えばAB型ブロック共重合体、ABA型ブロック共重合体、BAB型ブロック共重合体などを挙げることができる。これらのなかでも、AB型ブロック共重合体が好ましい。
【0010】
本発明のブロック共重合体を構成する重合体ブロック(A)は、4級アンモニウム塩基含有ビニル系単量体単位(i)およびポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系単量体単位(ii)を10〜100モル%含有しており、30〜100モル%含有していることが好ましく、50〜100モル%含有していることがより好ましい。4級アンモニウム塩基含有ビニル系単量体単位(i)およびポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系単量体単位(ii)の含有割合が10モル%未満の場合には、帯電防止性能が劣る。
【0011】
重合体ブロック(A)において、構造単位(i)/構造単位(ii)のモル比は1/10〜1000/1であり、1/1〜500/1であることが好ましく、5/1〜200/1であることがより好ましい。構造単位(i)と構造単位(ii)の割合が上記の範囲のものは、各構造単位に由来する相乗効果が得られ、十分な帯電防止効果を発現する。
【0012】
4級アンモニウム塩基含有ビニル系単量体単位(i)としては、例えば、下記の一般式(1)で表される単量体;下記の一般式(2)で表される単量体;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンなどのビニルピリジン等を4級化剤で4級アンモニウム塩化した単量体から誘導される単位を挙げることができる。これらのなかでも、一般式(1)または一般式(2)で表される単量体から誘導される単位が好ましい。
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】
〔上記の一般式(1)および一般式(2)中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1〜10のアルキレン基または少なくとも1つ以上の水酸基を有する炭素数1〜10のアルキレン基、R3およびR4はそれぞれ水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または少なくとも1つ以上の水酸基を有する炭素数1〜10のアルキル基を示す。〕
【0016】
上記の一般式(1)で表される単量体としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジヒドロキシエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらのなかでも、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートがより好ましい。
【0017】
上記の一般式(2)で表される単量体としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等を挙げることができ、これらのなかでも、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドがより好ましい。
【0018】
4級塩化する際に使用される4級化剤は、特に制限されず、従来から使用されているいずれもが使用できる。例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチルなどの硫酸エステル類;メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチルなどの脂肪族系スルホン酸エステル類;o−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸メチル、o−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチルなどの芳香族系スルホン酸エステル類;塩化メチル、塩化エチル、塩化ベンジル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化ベンジル、臭化メチル、臭化エチル、臭化ベンジルなどのハロゲン化アルキル;クロロ酢酸ナトリウム、ブロモ酢酸ナトリウム、ヨード酢酸ナトリウムなどのハロゲン化アルキルカルボン酸塩;1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトンなどのスルトン類などが挙げられる。これらのなかでも、帯電防止性能が優れているブロック共重合体が得られる点で、スルホン酸エステル類を4級化剤として用いるのが好ましい。さらに、得られるブロック共重合体の耐熱性が優れている点において、o−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸メチル、o−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸エチルを4級化剤として用いるのが好ましい。なお、アミノ基の4級アンモニウム塩化は、ブロック共重合体を製造する際の任意の段階で行うことができる。例えば、モノマーの段階でアミノ基を4級アンモニウム塩化してもよいし、アミノ基含有ビニル系単量体を用いてブロック共重合体を製造した後に、アミノ基を4級アンモニウム塩化してもよい。
【0019】
ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系単量体単位(ii)としては、特に制限はないが、好ましい単量体単位としては下記の一般式(3)で表される(メタ)アクリレート単位を挙げることができる。
【0020】
【化3】
【0021】
(一般式(3)中、R5は水素原子またはメチル基、R6は炭素数2〜4のアルキレン基、R7は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基、nは1〜500の整数を示す。)
【0022】
上記の一般式(3)で表される(メタ)アクリレート単位は、例えば、ポリエチレングリコール[4]モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール[9]モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール[14]モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール[23]モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール[30]モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール[300]モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール[4]モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール[9]モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール[14]モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール[23]モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール[30]モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール[300]モノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール[23]モノ(メタ)アクリレート、およびこれらのモノメチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル、モノノニルエーテル、モノラウリルエーテル、モノステアリルエーテル等から誘導される([ ]内の数字はポリアルキレングリコール鎖の平均重合度(n)を示す。)。これらの中でも、平均重合度(n)が4〜100、R6が2または3のアルキレン基、R7が炭素数1〜12のアルキル基である単量体から誘導される単位が特に好ましい。
【0023】
重合体ブロック(A)は、4級アンモニウム塩基含有ビニル系単量体単位(i)及びポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系単量体単位(ii)のみからなっていてもよいが、必要に応じてその他の共重合可能な単量体単位を90モル%以下、好ましくは70モル%以下、より好ましくは50モル%以下の割合で含んでいてもよい。この併用可能な単量体単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸およびその誘導体;N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミドなどのイミド系単量体;(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル系単量体;(メタ)アクリルアミドなどのアミド系単量体;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系単量体;酢酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテンなどのα−オレフィン;無水マレイン酸、イタコン酸などから誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を含ませることができる。
【0024】
本発明のブロック共重合体を構成する重合体ブロック(B)は、オレフィン単位を50〜100モル%含有しており、70〜100モル%含有していることが好ましく、90〜100モル%含有していることがより好ましい。オレフィン単位の含有割合が50モル%未満の場合には、ブロック共重合体のオレフィン系樹脂への相溶性が低下するため、オレフィン系樹脂にブロック共重合体を配合してなる樹脂組成物の帯電防止性能が劣る。
【0025】
重合体ブロック(B)を構成するオレフィン単位としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−オクタデセン、ビニルシクロヘキサン、シクロペンタジエン、β−ピネンなどから誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を含ませることができる。これらのなかでも、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンから誘導される単位が好ましい。
【0026】
重合体ブロック(B)は、必要に応じて、オレフィンと共重合可能な単量体単位を50モル%以下、好ましくは30モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合で含んでいてもよい。この併用可能な単量体単位としては、例えば、酢酸ビニルなどのビニルエステル類;(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸およびその誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、メチルプロペニルエーテル、エチルプロペニルエーテルなどのビニルエーテル類;無水マレイン酸などから誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を含ませることができる。
【0027】
重合体ブロック(A)の数平均分子量は、5,000〜400,000であるのが好ましく、10,000〜200,000であるのがより好ましい。重合体ブロック(B)の数平均分子量は100〜200,000であるのが好ましく、150〜100,000であるのがより好ましい。重合体ブロック(A)および(B)の数平均分子量がこれらの範囲にあると、ポリオレフィン系樹脂への溶融分散性および帯電防止性能の付与効果の点においてより優れたブロック共重合体が得られる。さらに、ブロック共重合体全体の数平均分子量は、ポリオレフィン系樹脂に十分な帯電防止効果を付与することができ、さらに樹脂表面にべとつきを生じないという点から、6,000〜500,000であるのが好ましく、10,000〜200,000であるのがより好ましい。なお、本明細書でいう数平均分子量は、重合体ブロック(A)に含まれるアミノ基を4級アンモニウム塩化していないアミンの状態で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン検量線から求めた値である。
【0028】
本発明のブロック共重合体の製造法は、特に制限はないが、例えば、末端にメルカプト基を有するオレフィンよりなる重合体ブロック(B)の存在下に、4級アンモニウム塩基含有単量体を重合させることにより重合体ブロック(A)を形成させる方法;該重合体ブロック(B)の存在下に、アミノ基含有単量体を重合させた後、4級化剤を用いて4級アンモニウム塩化することにより重合体ブロック(A)を形成させる方法などを採用することができる。
【0029】
なお、末端にメルカプト基を有する重合体ブロック(B)は、各種方法により合成可能であり、例えば、末端に二重結合を有するポリオレフィン系樹脂に、チオ酢酸、チオ安息香酸、チオプロピオン酸、チオ酪酸またはチオ吉草酸などを付加させた後、酸またはアルカリで処理する方法や、オレフィンのアニオン重合において、停止剤としてエチレンスルフィドなどを用いる方法により合成することができる。
【0030】
適当な重合開始剤を用いて、末端にメルカプト基を有する重合体ブロック(B)の存在下に、重合体ブロック(A)を構成する単量体を重合する方法は、例えば、溶液重合、塊状重合、乳化重合、分散重合などいずれの重合方法を用いることも可能であるが、効率良くブロック共重合体を合成するには溶液重合が好ましい。溶液重合の際に用いることができる溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリンなどの芳香族系炭化水素;クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素;テトラヒドロフランなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類などを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
【0031】
上記の重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤、例えば、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、2,2’−アゾビス−1−シクロブタンニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノペンタノイックアシッド、2,2’−アゾビスシクロプロピルプロピオニトリルなどのアゾビス化合物;アセチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、p−クロルベンゾイルパーオキシド、イソブチリルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド、ジt−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジt−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジt−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジt−ブチルパーオキシブタン、t−ブチルパーアセテート、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどの有機過酸化物;過酸化カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物などを使用することができる。
【0032】
本発明のブロック共重合体の他の製造法としては、末端に水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアナート基などの官能基を有する重合体ブロック(A)と、該官能基と反応して結合可能な官能基を末端に有する重合体ブロック(B)とを、溶液中または溶融状態で反応させる方法を挙げることができる。例えば、末端に水酸基を有する重合体ブロック(A)と末端にカルボキシル基を有する重合体ブロック(B)とを、二軸押出機中で反応させることにより製造することができる。
【0033】
本発明のブロック共重合体は、ポリオレフィン系樹脂に対して少量添加するだけで恒久的な帯電防止性を付与することが可能であり、その他、樹脂の防曇性、表面印刷性、接着性などを改善する効果も有している。
【0034】
本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、上記のブロック共重合体を0.5〜20重量部含有しており、1〜10重量部含有していることが好ましい。ブロック共重合体の含有量が0.5重量部未満の場合には、帯電防止効果の発現が不十分であり、一方、20重量部を越える場合には、得られるポリオレフィン系樹脂組成物の機械的特性などが低下するうえ、製造コストが高くなるので好ましくない。
【0035】
本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、ポリブタジエン、ポリブタジエンの水添物、ポリイソプレン、ポリイソプレンの水添物、エチレン−α−オレフィン共重合体(エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体等)、ジエン成分が50重量%以下のエチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体、エチレンまたはプロピレンと50重量%以下の酢酸ビニル、メタクリル酸アルキルエステルまたはアクリル酸アルキルエステルとの共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体の水添物などを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。これらのなかでもプロピレン成分を50重量%以上含有するプロピレン系ポリオレフィン、エチレン成分を50重量%以上含有するエチレン系ポリオレフィン、該プロピレン系ポリオレフィンとエチレン系ポリオレフィンの混合物を用いるのが好ましい。
【0036】
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、顔料、核剤、熱劣化防止剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、滑剤などの添加剤や、ガラス繊維、カーボン繊維、ポリアミド繊維などの繊維状充填剤、シリカ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、酸化チタン、カーボンブラック、チタン酸カリウムなどの粉末状充填剤、ポリマーアロイ相溶化剤、エンジニアリングプラスチック樹脂、汎用樹脂などを含有していてもよい。
【0037】
本発明の樹脂組成物は、上記のポリオレフィン系樹脂およびブロック共重合体を使用して、通常のポリマーブレンドの手法により製造することができる。例えば、ポリオレフィン系樹脂およびブロック共重合体を樹脂材料の混合に通常用いられるような一軸押出機、二軸押出機、ブラベンダー、ニーダー、バンバリーミキサーなどの溶融混練機を用いて溶融混練してもよいし、単にドライブレンドするだけでもよい。
【0038】
本発明の樹脂組成物は、熱溶融成形や加熱加工が可能であり、射出成形、押出成形、インフレーションフィルム成形、ブロー成形などの任意の成形方法によって種々の成形品を円滑に製造することができる。
【0039】
本発明の樹脂組成物は成形後すみやかに帯電防止効果を発現し、この帯電防止効果は恒久的に持続するため、包装材料、家電・OA機器用のハウジング製品、自動車部品などの各種用途の素材などとして有用である。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の例において、樹脂組成物の評価は下記の方法に従って行った。
【0041】
〔表面抵抗率の測定〕
射出成形した試験片100mm×100mm×3.18mmを、50℃で1日真空乾燥し、デシケーター中で30分放冷して水分を除去した直後のもの(評価1)、20℃、40%RHの条件下で24時間放置したもの(評価2)、あるいは30℃水中に1日浸漬した後、超音波洗浄を1時間行い、20℃、40%RHの条件下で1日放置したもの(評価3)について、20℃、40%RHの条件下で、デジタル超高抵抗/微少電流計(ADVANTEST社製R8340)を用いて、印加電圧1000Vでの表面抵抗率を測定した。
【0042】
〔耐久性試験〕
試験片を80℃、95%RHの条件下で1週間放置した後、試験片表面にセロテープを貼り付け、このセロテープをはがしてセロテープ表面への付着物の有無を観察することにより、ブリードアウト物の有無を評価した。
○:セロテープへの付着物なし。
×:セロテープへの付着物あり。
【0043】
実施例1
片末端に二重結合を有するエチレンオリゴマー〔三菱化成工業(株)製「DIALEN30」〕100重量部、トルエン200重量部およびチオ−S−酢酸32重量部を反応容器にとり、内部を十分に窒素置換した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと略称する)1.1重量部を添加して、70℃で6時間反応させることにより片末端にチオアセチル基を有する重合体を得た。この重合体を、トルエン800重量部とメタノール100重量部の混合溶媒に溶解し、4%水酸化ナトリウム/メタノール溶液13重量部を添加して、窒素中65℃で6時間反応させることにより片末端にメルカプト基を有する重合体を得た。 この片末端にメルカプト基を有するエチレンオリゴマー7.5重量部をトルエン400重量部と2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(以下、DMAEMAと略称する)400重量部およびポリエチレングリコール[30]メタクリレートモノメチルエーテル119重量部に溶解し、窒素中70℃で、重合速度が1時間あたり約10%になるようにAIBNを添加し、重合率が95%になった段階で反応を停止した。さらに、得られた重合体100重量部を、トルエン400重量部とメタノール600重量部の混合溶媒に溶解し、p−トルエンスルホン酸メチル90.5重量部を添加して、窒素中50℃で4時間反応させることにより、重合体中の3級アミノ基を全て4級アンモニウム塩化した。得られたABブロック共重合体(重合体A)の物性値を下記の表1に示す。
【0044】
実施例2
実施例1において、片末端にメルカプト基を有するエチレンオリゴマーのかわりにヘキサデシルメルカプタンを用いる以外は、実施例1と同様にしてAB型ブロック共重合体(重合体B)を得た。得られたAB型ブロック共重合体の物性値を下記の表1に示す。
【0045】
実施例3
ポリプロピレン(三菱油化株式会社製「三菱ノーブレンMH8」)を二軸押出機を用いて420℃で熱分解させ、末端に二重結合を導入した。この重合体10重量部、トルエン100重量部およびチオ−S−酢酸3重量部を反応容器にとり、内部を十分に窒素置換した後、AIBN1重量部を添加して、80℃で6時間反応させることにより末端にチオアセチル基を有する重合体を得た。この重合体を、トルエン80重量部とn−ブタノール20重量部の混合溶媒に溶解し、5.6%水酸化カリウム/n−ブタノール溶液1重量部を添加して、窒素中トルエン還流温度で6時間反応させることにより末端にメルカプト基を有する重合体を得た。この末端にメルカプト基を有するポリプロピレン50重量部をトルエン450重量部とDMAEMA400重量部およびポリエチレングリコール[30]メタクリレートモノメチルエーテル119重量部に溶解し、窒素中90℃で、重合速度が1時間あたり約10%になるように1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)を添加し、重合率95%になった段階で反応を停止した。さらに、得られた重合体100重量部を、トルエン400重量部とメタノール600重量部の混合溶媒に溶解し、p−トルエンスルホン酸メチル83.7重量部を添加して、窒素中50℃で4時間反応させることにより、重合体中の3級アミノ基を全て4級アンモニウム塩化した。得られたAB型ブロック共重合体(重合体C)の物性値を下記の表1に示す。
【0046】
実施例4
実施例3において、ポリプロピレンのかわりにエチレン/プロピレン重量比が73/27のエチレン−プロピレン共重合体〔日本合成ゴム(株)製「EP07P」〕を用いる以外は、実施例3と同様にしてAB型ブロック共重合体(重合体D)を得た。得られたAB型ブロック共重合体の物性値を下記の表1に示す。
【0047】
実施例5
実施例1において、片末端にメルカプト基を有するエチレンオリゴマーの使用量を30重量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてAB型ブロック共重合体(重合体E)を得た。得られたAB型ブロック共重合体の物性値を下記の表1に示す。
【0048】
実施例6
実施例1において、片末端にメルカプト基を有するエチレンオリゴマーの使用量を3.8重量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてAB型ブロック共重合体(重合体F)を得た。得られたAB型ブロック共重合体の物性値を下記の表1に示す。
【0049】
実施例7
イソブチレン210重量部、塩化メチレン800重量部、メチルシクロヘキサン1200重量部、2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタン6.5重量部、2,6−ジメチルピリジン0.98重量部およびピリジン3.5重量部を反応容器にとり、四塩化チタン12.3重量部を添加して、−78℃で4時間反応させることによりポリイソブチレンを得た。この重合体140重量部をテトラヒドロフラン6800重量部に溶解し、カリウムt−ブトキシド280重量部を加えて20時間撹拌還流することにより片末端に二重結合を有する重合体を得た。この重合体100重量部、トルエン200重量部およびチオ−S−酢酸11重量部を反応容器にとり、内部を十分に窒素置換した後、AIBN1.0重量部を添加して、30℃で6時間反応させることにより片末端にチオアセチル基を有する重合体を得た。この重合体を、トルエン800重量部とメタノール100重量部の混合溶媒に溶解し、4%水酸化ナトリウム/メタノール溶液10重量部を添加して、窒素中65℃で6時間反応させることにより片末端にメルカプト基を有する重合体を得た。実施例1において、片末端にメルカプト基を有するエチレンオリゴマーのかわりに、得られた片末端にメルカプト基を有するポリイソブチレン系重合体を用いる以外は、実施例1と同様にしてAB型ブロック共重合体(重合体G)を得た。得られたAB型ブロック共重合体の物性値を下記の表1に示す。
【0050】
比較例1
実施例1において、片末端にメルカプト基を有するエチレンオリゴマーのかわりに2−メルカプトエタノールを5.5重量部用いる以外は、実施例1と同様にしてDMAEMAを重合し、得られた重合体を4級アンモニウム塩化した。得られたホモポリマー(重合体H)の物性値を下記の表1に示す。
【0051】
比較例2
片末端に二重結合を有するエチレンオリゴマー〔三菱化成工業(株)製「DIALEN30」〕100重量部、トルエン200重量部およびチオ−S−酢酸32重量部を反応容器にとり、内部を十分に窒素置換した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと略称する)1.1重量部を添加して、70℃で6時間反応させることにより片末端にチオアセチル基を有する重合体を得た。この重合体を、トルエン800重量部とメタノール100重量部の混合溶媒に溶解し、4%水酸化ナトリウム/メタノール溶液13重量部を添加して、窒素中65℃で6時間反応させることにより片末端にメルカプト基を有する重合体を得た。 この片末端にメルカプト基を有するエチレンオリゴマー7.5重量部をトルエン400重量部およびDMAEMA400重量部に溶解し、窒素中70℃で、重合速度が1時間あたり約10%になるようにAIBNを添加し、重合率が95%になった段階で反応を停止した。さらに、得られた重合体100重量部を、トルエン400重量部とメタノール600重量部の混合溶媒に溶解し、p−トルエンスルホン酸メチル117重量部を添加して、窒素中50℃で4時間反応させることにより、重合体中の3級アミノ基を全て4級アンモニウム塩化した。得られたABブロック共重合体(重合体I)の物性値を下記の表1に示す。
【0052】
比較例3
65モル%のエチレン単位および35モル%の2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート単位からなるランダム共重合体を、p−トルエンスルホン酸メチルで処理することにより4級アンモニウム塩化することによりランダム共重合体(重合体J)を得た。得られたランダム共重合体の物性値を下記の表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
実施例8〜16
ポリプロピレン〔三菱油化(株)製「三菱ノーブレンMA4」〕100重量部に、重合体A〜Gのいずれか1種を下記の表2に示した割合で配合し、二軸押出機を用いて210℃で溶融混練することにより樹脂組成物を製造した。この樹脂組成物を用いて、230℃で100mm×100mm×3.18mmの板状試験片を射出成形した。前記の評価方法に従って評価した結果を、下記の表2に示す。
【0055】
比較例4〜8
ポリプロピレン〔三菱油化(株)製「三菱ノーブレンMA4」〕100重量部に、重合体A、H〜Jのいずれか1種を下記の表2に示した割合で配合し、二軸押出機を用いて210℃で溶融混練することにより樹脂組成物を製造した。この樹脂組成物を用いて、230℃で100mm×100mm×3.18mmの板状試験片を射出成形した。前記の評価方法に従って評価した結果を、下記の表2に示す。
【0056】
比較例9
ポリプロピレン〔三菱油化(株)製「三菱ノーブレンMA4」〕を用いて、230℃で100mm×100mm×3.18mmの板状試験片を射出成形した。前記の評価方法に従って評価した結果を、下記の表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】
本発明のブロック共重合体は、ポリオレフィン系樹脂に少量添加するだけで十分な帯電防止性を付与することが可能であり、該ブロック共重合体を配合したポリオレフィン系樹脂組成物からなる成形品は、成形直後あるいは低湿度下においても十分な帯電防止性を有しているのみならず、水洗や加熱による劣化が少なく、恒久的な帯電防止性を有している。
Claims (3)
- 4級アンモニウム塩基含有ビニル系単量体単位(i)およびポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系単量体単位(ii)を10〜100モル%含有し、構造単位(i)/構造単位(ii)のモル比が1/10〜1000/1の重合体ブロック(A)、並びにオレフィン単位を50〜100モル%含有する重合体ブロック(B)から構成されるブロック共重合体。
- ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、請求項1記載のブロック共重合体を0.5〜20重量部配合してなる樹脂組成物。
- 請求項2記載の樹脂組成物からなる成形品。
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