JP3570087B2 - 排水処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は排水の処理装置、特に、使用された浴槽水を再利用する循環温浴器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、使用済みの浴水を循環ポンプを用い、プレフィルター(ヘアーキャッチャー)、ろ過タンク、活性化タンク等を循環させ、浴水の汚れの除去と活性化を行うようにした循環温浴器が採用されている。近年さらにこのような機能を向上させたものとして、単に浴水の汚れを除去し活性化するだけでなく、保温用ヒーターを用いて温度制御を行い、24時間何時でも入浴できるようにしたいわゆる24時間風呂が開発されている。
【0003】
また、現在の循環温浴器は、生物処理を用いて浴水の浄化、脱臭を行っているものがほとんどであるが、浴水の汚れの除去のほかに悪臭や大腸菌発生を防止する必要もあるため、殺菌処理を行うための紫外線殺菌装置を備えたものや、小型のオゾン発生装置を設けてオゾン処理を行うもの、また、浴水を電気分解する電解槽を備え、酸性水を浴水に戻すようにした装置も開発されている。
【0004】
さらには、浴水の殺菌とは別に、浴水にマッサージ効果を持たせるため、浴水に空気を吸い込ませつつ浴槽内にジェット噴出させて気泡を発生させるようにした技術も開発されており、このような機能も循環温浴器に付加されるようになってきた。
【0005】
図8は従来の循環温浴器の一例を示すシステム概略図である。図中、1は浴槽、2は給水口、3はプレフィルター(ヘアーキャッチャー)、4は循環パイプ、5は流量センサー、6は循環ポンプ、34はろ過タンク、35は活性化タンク、36は殺菌器、15は保温用ヒータ、14は吐出口、17はコントローラ、18は表示部及び操作部、19は電源部である。
【0006】
上記循環温浴器において、循環ポンプ6が駆動すると浴槽1内の浴水は給水口2より吸い上げられ、プレフィルター3、流量センサー5を通じて循環ポンプ6に入る。このとき、浴水中に含まれる髪の毛等の大きなゴミは、循環パイプ4の途中に配設されたプレフィルター3により捕集される。このプレフィルター3を1、2週間に1回程度定期的に取り出し、付着している髪の毛等の大きなゴミを除去することで循環水量の低下を防ぐと共に、循環路に流れ込む髪の毛等の大きなゴミを連続的に除去することを可能にしている。この場合、プレフィルター3がゴミによって目詰まりを起こして、ある一定の流量まで低下すると、これをコントローラ17によって検知し、表示部及び操作部18によって洗浄時期を表示させる。
【0007】
循環ポンプ6より送出された浴水は、ガラスビーズもしくはセラミックボール等が詰められたろ過タンク34によりろ過される。ろ過された浴水は活性化タンク35に送られ、中に詰められた天然石、麦飯石などにより活性化される。これらのろ過材及び活性化材は、機能を果たすまで1、2週間はかかるバイオろ材であり、半年に一回程度取り出して洗浄が必要になる。
【0008】
このようにして汚れが取り除かれた浴水は、紫外線またはオゾン等を利用した殺菌器36により殺菌、脱臭される。更にこうして浄化された浴水は、保温用ヒータ15により温度コントロールされて吐出口14より浴槽1に戻される。
【0009】
以上のような経路で循環経路Rが構成されている。このような浴水の循環の制御は電源部19、表示部及び操作部18等と直結したコントローラ17によって行われる。
【0010】
また、紫外線又はオゾン等の殺菌器36の代わりに電解槽を設けて電気分解により酸性水を生成し、それを浴水に戻し浴水を殺菌するものもある。このような機能を有する循環温浴器を図8(b)を用いて説明する。
【0011】
図中33はpHセンサー、37、38は三方弁、39は排水管、36’は電解槽、その他は図8(a)と同様であるため同じ符号を付している。
【0012】
電解槽36’は、プレフィルター3で髪の毛等の大きなゴミが除去され、ろ過タンク34で小さい有機物等の小さな汚れがろ過され、その後活性化タンク35で活性化された浴水を電気分解して電解水を生成するためのもので、活性化タンク35の下流側で三方弁37に対して並列となるように、循環経路R途中に接続されている。また電解槽36’には電気分解された一方の電解水を浴槽1外に排出する排水管39が接続され、コントローラ17によって三方弁37、38及び電解槽36’が制御されるようになっている。なお、通常状態では三方弁37、38によって循環経路Rを形成し、電解槽36’にも通電されていない。
【0013】
上記構成において、入浴後、コントローラ17によって三方弁37、38及び電解槽36’が所定時間作動する。即ち三方弁37より電解槽36’にろ過、活性化された浴水が供給され、三方弁38により保温用ヒータ15に入る循環経路R’が形成される。そして、電解槽36’に供給された浴水は電気分解され、陽極では酸性水が、陰極ではアルカリ水が予定時間各々生成される。酸性水は電解槽36’、三方弁38、保温用ヒータ15を介して浴槽1に戻され、アルカリ水は排水管39を介して外に排出される。これにより、浴槽1内では酸性水の殺菌作用により浴槽1内の雑菌の繁殖が抑制される。また、酸性水には収れん作用、洗浄作用があるので美容及び浴槽1内に垢が付着するのを防止する効果もある。
【0014】
所定時間の電解の後、所定時間逆電をかけて電極を洗浄するのもコントローラ17によって行われる。このとき循環経路はR’であり、所定時間の逆電洗浄が終わると三方弁38が閉じ、逆電洗浄水が配水管39より排出される。また電解中はpHセンサー33によって浴水pHを検知し、所定pHを保つようにコントローラ17によって電解槽36’への電気の供給が制御される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このように上記従来技術では、浴水の汚れを除去するのにバイオろ材を使用しているため、半年に一回程度、ろ過材、活性化材等のバイオろ材を取り出して洗浄する必要があり、このためメンテナンス性が悪く煩雑であり、使用者が洗浄を忘れた場合、ろ過性能を低下させやすいという問題がある。また、バイオろ材のろ過性能安定まで1〜2週間程度必要であるという問題、さらには微生物環境、水質、入浴者、入浴負荷等の違いで初期の浄化不足及び不安定さが生じやすい。
【0016】
一方、殺菌については、紫外線を利用する場合、本体内に殺菌灯を設け、汲み上げた浴水に紫外線を照射した後、この殺菌した浴水を再び浴槽内へ戻すようにしているので、本体内に汲み上げられない浴槽内の浴水中の雑菌に対して対処できず、雑菌が繁殖するおそれがある。
【0017】
また殺菌方法として、オゾンを利用する場合は、未反応オゾンを入浴者が吸い込むことによる人体への有害性を回避するため、気液分離等の未反応オゾンを回収する回収装置を本体内に備える必要があり、構造が複雑となり装置が大型化するという欠点がある。
【0018】
さらに、電解水による殺菌の場合、ろ過材としてバイオろ材を用いていることから、強い殺菌力を持つ電解水を流すことができず、殺菌効率が悪いという欠点がある。
【0019】
このような問題は、上記した循環温浴器にかぎらず、使用された水を再利用する一般的な排水処理装置にも同様に生じる問題である。
【0020】
本発明は、従来の排水処理技術における上記課題を解決するものであり、初期の浄化を安定させ、バイオろ材の洗浄がいらない等メンテナンス性を向上させ、さらに殺菌については安全性、殺菌効率を向上させた排水処理装置、特に循環温浴器を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、循環ポンプの下流側にろ過タンク、電位処理フィ
ルター部を備え、循環ポンプにより浴槽などの排水槽内の排水を該排水槽とろ過タンクおよび電位処理フィルター部とを結ぶ循環経路を循環させながら、ろ過タンク及び電位処理フィルター部によりろ過させるようにした排水処理装置であって、前記電位処理フィルター部と前記排水槽の間を結ぶ循環経路と並列に前記排水を電気分解する電解槽を配設し、この電解槽で生成した酸性水又はアルカリ性水を前記排水槽に循環させ、前記電解槽中の滞留室に生成した強アルカリ性水または強酸性水を、前記電位処理フィルター部及び又は前記ろ過タンクに流入可能としたことを特徴とする。
【0022】
これによって、初期の浄化を安定させ、バイオろ材の洗浄がいらない等メンテナンス性を向上させ、さらに殺菌については安全性、殺菌効率を向上させた排水処理装置が提供できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明は、循環ポンプの下流側にろ過タンク、電位処理フィルター部を備え、循環ポンプにより浴槽などの排水槽内の排水を該排水槽とろ過タンクおよび電位処理フィルター部とを結ぶ循環経路を循環させながら、ろ過タンク及び電位処理フィルター部によりろ過させるようにした排水処理装置であって、前記電位処理フィルター部と前記排水槽の間を結ぶ循環経路と並列に前記排水を電気分解する電解槽を配設し、この電解槽で生成した酸性水又はアルカリ性水を前記排水槽に循環させ、前記電解槽中の滞留室に生成した強アルカリ性水または強酸性水を、前記電位処理フィルター部及び又は前記ろ過タンクに流入可能としたものである。
【0024】
このように、電解槽で電気分解して生成した酸性水又はアルカリ性水を浴槽中の浴水に注入し、浴水を酸性又はアルカリ性にすることにより、電位処理フィルター及び浴水中有機物及び無機物の持つ電位(ゼータ電位)が変化し、電位処理フィルターへ有機物及び無機物が電位物理吸着が起こり、またタンパク質の等電点凝集、特に酸性下で脂質の水からの分離性向上、アルカリ性下で脂質及び脂肪酸のケン化析出により効率的なろ過が可能となる。また酸性水の殺菌作用によって浴槽中の雑菌の繁殖が抑制され、長期間にわたって浴槽内の浴水の水質を維持できる。
【0025】
また電解槽中の滞留室に生成した強アルカリ性水または強酸性水を、前記電位処理フィルター部及び又は前記ろ過タンクに流入可能としたことで、有機物、無機物の溶解、及び有機物、無機物の電位(ゼータ電位)変化で電位処理フィルターから有機物、無機物の離脱が起こり、その後これらは排水できる。更に電位処理フィルターの逆洗により、電位処理フィルターから有機物、無機物の強制離脱ができ容易に再生することができる。
【0026】
また、強酸性水及び強アルカリ性水を器体全体の配管及びろ過タンクに流すことにより、器体全体を殺菌し、垢、ぬめりの発生による目詰まりも防止できる。更に電位処理フィルターにバブリング機構を設けて同時に再生を行うことにより再生効率が更に向上できる。
【0027】
また、請求項4に記載の発明は、上記発明に加え、前記電位処理フィルター部に再生効率向上用のバブリング機構を設けたもので、これによって電位処理フィルター部の再生効率が向上する。
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態である循環温浴器のシステム概略図、図2は図1の循環温浴器の電解槽の概略構成図、図3は図1の循環温浴器における循環モードのときの浴水の流れ図、図4は図1の循環温浴器における(酸性及びアルカリ)電解モードのときの浴水の流れ図、図5は図1の循環温浴器における電位処理フィルター部浸漬・排水モードのときの浴水の流れ図、図6は図1の循環温浴器における電位処理フィルター逆洗モードのときの浴水の流れ図、図7は図1の循環温浴器におけるろ過タンク逆流モードのときの浴水の流れ図である。なお、上記各図において図8に示す従来例と同一のものは同一符号を付している。
【0029】
図1において、4は循環パイプで、循環パイプ4の先端の給水口2は浴槽1に張った浴水中に挿入されている。循環パイプ4の循環路には、プレフィルター3と循環ポンプ6が設けられており、プレフィルター3の下流側に流量センサー5、pHセンサー33が設けられている。プレフィルター3は給水口2から浴槽1内の浴水を汲み上げるときに、その浴水中の毛髪及び大きなゴミを除去するためのものである。
【0030】
更に循環ポンプ6の下流側には三方弁7、ろ過タンク8、三方弁9、28、電位処理フィルター部10、三方弁11とを順次循環パイプ4で接続している。ろ過タンク8は径が0.04mm程度のガラスビーズまたはセラミックボール等が詰められており、プレフィルター3で取れなかった小さなゴミ(有機物及び無機物)等を除去する。
【0031】
電位処理フィルター部10は、プレフィルター3及びろ過タンク8で取れなかった更に小さい有機物、無機物等を除去するためのものであり、電位処理を施したろ過材である。電位処理としては、薬品処理、物理的に電位をかける等の方法があり、いずれもろ過材にゼータ電位等の電位を強制的に持たしたもので、この電位は浴水のpHによって変動するものである。
【0032】
ここで、ろ過部形状としては糸巻きタイプを好適に使用できるが、プリーツ型等の膜、粒状、糸状、不織布、繊維等も使用可能である。またろ過材の種類は活性炭を好適に使用できるが、変性ポリアミド、PP、ポリオレフィン等の樹脂(有機物)、無機物等電位がかけられるもの全ての材料を使用できる。
【0033】
電位処理フィルター部10の下流側は、三方弁11によって二方向に分岐し、片方は三方弁29、保温用ヒータ15を通り、浴槽1に開口した吐出口14に接続されている。保温用ヒータ15は、給水口2より浴槽1から汲みあげた浴水を加熱するためのもので、表示部及び操作部18とコントローラ17によって設定された所望の温度に加熱できるようになっている。もう片方は浴水注入口22、電解槽12、吐水口13へと接続されている。
【0034】
電解槽12は電気分解による電解水を生成するためのもので、電位処理フィルター部10の下流側で三方弁11に対して並列になるように接続されている。電解槽12の内部には図2に示すように、隔膜24により循環室20、滞留室21に区画され、各電極室に電極25、26がそれぞれ設けられている。隔膜24は複数枚用いて多層式もしくは多重式が可能で、ここでは2重式を例にしている。これにより滞留室にイオン濃縮された強アルカリ性水または強酸性水生成を可能としている。
【0035】
電解槽12の上部には、循環室20及び滞留室21に略均等に浴水を給水するように給水口22と、2方弁16を有する滞留水吐出管23が接続されている。また電解槽12の下部には、電気分解された一方の電解水を循環室20から浴槽1に排出する吐出管13が接続され、電解効率を向上させるためにガス透過膜27を有している。ガス透過膜27は電気分解により発生する気体例えば水素、酸素、塩素等々のみを透過させ、水を透過させない膜である。
【0036】
図1に戻って、流量センサー5、pHセンサー33、循環ポンプ6、三方弁7、9、11、28、29、2方弁16、40、41、42、電解槽12、保温用ヒータ15は電源部19、表示部及び操作部18を接続したコントローラ17に接続されており、通常運転を可能としている。以上が本発明における循環温浴器の構成である。
【0037】
次に図3〜図7を参照して上記循環温浴器の動作について説明する。動作は図3に示す循環モード、図4に示す(酸性及びアルカリ)電解モード、図5に示す電位処理フィルター部浸漬・排水モード、図6に示す電位処理フィルター逆洗モード、図7に示すろ過タンク逆洗モードの5つのモードからなる。
【0038】
まず図3の循環モードでは、循環ポンプ6を駆動させると浴槽1内の浴水は給水口2より吸い上げられ、循環パイプ4、プレフィルター3、及び流量センサー5を通じて循環ポンプ6に流入する。このとき、浴水中に含まれる髪の毛等の大きなゴミは循環パイプ4の途中に配設されたプレフィルター3により捕集される。このプレフィルター3は着脱可能であり、定期的にプレフィルター3を取り出し、付着している髪の毛等の大きなゴミを除去することで循環水量の低下を防ぐと共に、循環路に流れ込む髪の毛等の大きなゴミを連続的に除去することを可能にしている。
【0039】
なお、循環水量の低下は、流量センサー5及びコントローラ17によって監視され、表示部及び操作部18によって洗浄時期を知らせることも可能である。この流量センサー5及びコントローラ17はプレフィルター3のみならず、ろ過タンク8及び電位処理フィルター部10の目詰まりも検知できる。さらには循環ポンプ6の異常検知を行い、循環ポンプ6を停止させることもできる。
【0040】
循環ポンプ6より送出された浴水は三方弁7を経て、ガラスビーズもしくはセラミックボール等が詰めらたろ過タンク8によりプレフィルター3で取れなかった有機物、無機物等の細かい汚れがろ過される。その後ろ過された浴水は三方弁9、28を経て電位処理フィルター部10に入り、薬品処理等によりゼータ電位等の電位を持たした活性炭繊維で表面を覆われたPP(ポリプロピレン)等の糸巻きフィルター(ここでは孔径は5μmを例にあげるが、ろ過性能及び寿命によっては他の孔径も可能である)により、プレフィルター3及びろ過タンク8で取れなかった更に小さい有機物、無機物等の汚れが除去される。なお、電位処理フィルター部10では、孔径5μmの物理ろ過と、浴水中に含まれるゼータ電位を持った径5μm以下の有機物、無機物等の微粒子の電位物理吸着によりろ過する。
【0041】
こうしてろ過された浴水は三方弁11、29を経て保温用ヒータ15により温度コントロールされて吐出口14より浴槽1内に戻される。このような浴水の制御はコントローラ17によって流量センサー5、循環ポンプ6、三方弁7、9、28、11、29、保温用ヒータ15等を制御することによって行われる。
【0042】
図4の電解モードでは、循環ポンプ6を駆動させると浴槽1内の浴水は給水口2より吸い上げられ、循環パイプ4、プレフィルター3、流量センサー5を通じて循環ポンプ6に入る。このとき、浴水中に含まれる髪の毛等の大きなゴミは循環パイプ4の途中に配設されたプレフィルター3により捕集される。循環ポンプ6より送出された浴水は三方弁7を経てろ過タンク8によりプレフィルター3で取れなかった有機物、無機物等の細かい汚れがろ過される。
【0043】
その後、ろ過された浴水は三方弁9、28を経て電位処理フィルター部10に入り、プレフィルター3及びろ過タンク8で取れなかった更に細かい有機物、無機物等の汚れがろ過される。なお、電位処理フィルター部10は、孔径5μmによる物理ろ過と、浴水中に含まれるゼータ電位を持った径5μm以下の有機物、無機物等の微粒子の電位物理吸着によりろ過する。
【0044】
こうしてろ過された浴水は三方弁11により分岐され、一方は三方弁29を経て保温用ヒータ15により温度コントロールされて吐出口14より浴槽1内に戻される。もう片方は給水管22を経て電解槽12に入る。そして給水された浴水は電極25、26間に流れる電流により電気分解され、陽極には酸性水が、陰極にはアルカリ性水がそれぞれ生成され、複数枚の隔膜で形成されている多層式もしくは多重式隔膜24(ここでは2重式)により循環室20、滞留室21に電解水が分けられ、循環室20内の電解水は吐出管13を経て浴槽1内に戻される。
【0045】
滞留室21中の電解水は、電解時間をかけることによってイオン濃度を上げることができ、濃縮可能であり、強電解水が生成される。ここで、循環室20にpH3程度の酸性水が生成され、浴槽1内に酸性水が戻され、滞留室21にpH12以上の強アルカリ性水が生成される場合を酸性電解モード、逆をアルカリ電解モードとし、このとき循環室20中の電解水はpH10程度のアルカリ性水が、滞留室21中はpH2以下の強酸性水が生成される。これによって酸性電解モードでは、浴水はpH5.5程度、アルカリ電解モードではpH9〜9.5程度にコントロールされる。この浴水のpH管理は、pHセンサー33、コントローラ17によって行い、所定のpHになるよう電極25、26に流れる電流値が制御される。このような浴水の循環の制御は、コントローラ17によって流量センサー5、pHセンサー33、循環ポンプ6、三方弁7、9、28、11、29、電解槽12、保温用ヒータ15等を制御することによって行われる。
【0046】
また酸性電解モードの浴槽1内では、酸性水の殺菌作用により浴槽1内の雑菌の繁殖が制御される。また酸性水には収れん作用があるので、入浴時に皮膚を気持ち良く引き締め、シミ等ができるのを防止すると共に、良く暖まると同時に全身美容の効果もある。更に、洗浄作用が高いので浴槽1内に垢などが付着するのを防止し、浴槽1内の掃除の手間を省略できる。
【0047】
予め設定された時間が経過するとコントローラ17によって電解槽12への通電が解除され、次のモードに移る。また浴水pHを5.5付近まで下げることにより、浴水中の微粒子成分及び電位処理フィルター部10の電位が変化し、微粒子の電位処理フィルター部10への電位物理吸着が起きる。更に浴水中のタンパク質の等電点凝集、脂質の水からの分離性が高まることにより物理ろ過性能が向上する。
【0048】
アルカリ電解モードでは浴水pHを9〜9.5付近まで上げることにより、浴水中の有機物、無機物微粒子成分及び電位処理フィルター部10の電位が変化し、微粒子の電位処理フィルター部10への電位物理吸着が起こる。更に浴水中のタンパク質の等電点凝集、脂質及び脂肪酸のCa,Mgイオン等との反応で、ケン化現象析出が起こることにより物理ろ過性能が向上する。
【0049】
このモードも酸性電解モードと同様に、予め設定された時間が経過するとコントローラ17によって電解槽12への通電が解除され、次のモードに移る。いづれのモードにおいても、滞留室21には強アルカリ性水または強酸性水の生成が行われている。
【0050】
図5の電位処理フィルター部浸漬・排水モードでは、循環ポンプ6により浴槽1内の浴水は給水口2より吸い上げられ、循環パイプ4、プレフィルター3、流量センサー5を通じて循環ポンプ6に入る。このとき、浴水中に含まれる髪の毛等の大きなゴミは循環パイプ4の途中に配設されたプレフィルター3により捕集される。
【0051】
循環ポンプ6より送出された浴水は、三方弁7を経てろ過タンク8によりプレフィルター3で取れなかった有機物、無機物等の細かい汚れがろ過される。その後、ろ過された浴水は三方弁9、28、29を通じて保温用ヒータ15に入り、温度コントロールされて吐出口14より浴槽1内に戻される。
【0052】
一方、電解モードで生成した滞留室21の強電解水が、吐出管23及び途中の二方弁16を通じて、電位処理フィルター部10に自由落下により注入される。注入直前に排水管30の途中の二方弁40が開き、中の浴水が排出され、排出が終わり二方弁40が閉じた後に、強電解水がフィルター部10に注入され、所定時間電位処理フィルターが浸漬される。所定時間の電位処理フィルター浸漬後、二方弁40が開き、強電解水が排水管30を通じて外に排出される。
【0053】
このとき、電位処理フィルター部10を強電解水に侵浸させることにより、電位物理吸着した浴水中の微粒子、電位処理フィルターの電位変化で電位フィルターから微粒子が離脱、または溶解が起こる。このようにして離脱もしくは溶解した微粒子は、排水モードで外に排水される。
【0054】
図5において、電解モードで生成した強酸性水を器体配管全体及びろ過タンクにも通水可能とし、同時に器体配管全体を殺菌し、垢、ヌメリの発生による配管ろ過タンク等の目詰まりを防止することも可能としている。
【0055】
図6の電位処理フィルター逆洗モードでは、循環ポンプ6により浴槽1内の浴水は給水口2より吸い上げられ、循環パイプ4、プレフィルター3、流量センサー5を通じて循環ポンプ6に入る。このとき、浴水中に含まれる髪の毛等の大きなゴミは循環パイプ4の途中に配設されたプレフィルター3により捕集される。循環ポンプ6より送出された浴水は、三方弁7を経てろ過タンク8によりプレフィルター3で取れなかった有機物、無機物等の細かい汚れがろ過される。その後ろ過された浴水は、三方弁9で分岐され、一方は、三方弁28、29を経て保温用ヒータ15に入り浴槽1内に戻され、もう一方は、ろ過タンク8によりろ過された浴水が三方弁9を経て電位処理フィルター部10へ逆方向から入り、電位処理フィルターへ物理吸着した微粒子を強制離脱させる。また逆洗と同時に、電位処理フィルター部10にバブリング機構を設けるなどして再生効率を向上させる方法も可能である。
【0056】
図7のろ過タンク逆洗モードでは、循環ポンプ6により浴槽1内の浴水は給水口2より吸い上げられ、循環パイプ4、プレフィルター3、流量センサー5を通じて循環ポンプ6に入る。このとき、浴水中に含まれる髪の毛等の大きなゴミは循環パイプ4の途中に配設されたプレフィルター3により捕集される。循環ポンプ6より送出された浴水は三方弁7を経てろ過タンク8へ逆方向から注入され、ろ材に付着した浴水中の有機物及び無機物を強制離脱させる。
【0057】
以上、5モードの組み合わせにより入浴水の浄化及び殺菌、ろ過タンク8及び電位処理フィルター部10の再生を行う。通常は循環モードで動作している。入浴直後に表示部及び操作部18で操作すると、コントローラ17により自動的に酸性電解モードに入り、所定時間この動作を行う。ここでは3時間酸性電解を行うことにするが、より浄化する条件で設定可能である。その後電位処理フィルター部浸漬・排水モードを所定時間行う。ここでは2時間強アルカリ性水浸漬を行うことにするが、より離脱及び溶解する条件で設定可能である。その後アルカリ電解モードに入り、所定時間行う。ここでは2時間アルカリ電解を行うことにするが、より浄化する条件で設定可能である。さらにその後電位処理フィルター部浸漬・排水モードを所定時間行う。ここでは1.5時間強酸性水浸漬を行うことにするが、より離脱及び溶解する条件で設定可能である。同時に強電解水浸漬により電位処理フィルター10の殺菌も行われる。そして最後に、電位処理フィルター逆洗モード、ろ過タンク逆洗モードを行い、循環モードに戻る。これが一連のモードである。
【0058】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によって、電気分解された酸性水及びアルカリ性水の殺菌作用によりろ過タンク、電位処理フィルター部、配管等器体全体を殺菌し、垢、ヌメリの発生による目詰まりを防止でき、長期間にわたって浴槽中及び器体全体をきれいな状態に維持できると共に、電解槽のほかに回収装置等を必要としないので、簡単な構造で浄化装置自体を小型化でき、さらに、浴水を酸性及びアルカリ性に変化させることにより、電位処理フィルター及び浴水中有機物及び無機物の電位を変化させて電位物理吸着を向上させ、タンパク質の等電点凝集、脂質の水からの分離性の向上、脂質及び脂肪酸のケン化現象によりろ過能力の向上などが達成され、初期の浄化を安定させ、バイオろ材の洗浄がいらない等メンテナンス性を向上させ、さらに殺菌については安全性、殺菌効率を向上させた排水処理装置、特に循環温浴器が提供できる。
【0059】
また、電位処理フィルターでろ過した後、強酸性水、強アルカリ性水をフィルター部へ流入、浸漬、逆洗し、フィルター部に付着した有機物、無機物を溶解、離脱、強制離脱して排水することにより、電位フィルターの再生と、ろ過タンクの逆洗による再生が行われ、定期的にろ材を取り出して洗うという作業が不要となり、メンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である循環温浴器のシステム概略図
【図2】図1の循環温浴器の電解槽の概略構成図
【図3】図1の循環温浴器における循環モードのときの浴水の流れ図
【図4】図1の循環温浴器における(酸性及びアルカリ)電解モードのときの浴水の流れ図
【図5】図1の循環温浴器における電位処理フィルター部浸漬・排水モードのときの浴水の流れ図
【図6】図1の循環温浴器における電位処理フィルター逆洗モードのときの浴水の流れ図
【図7】図1の循環温浴器におけるろ過タンク逆流モードのときの浴水の流れ図
【図8】従来の循環温浴器の一例を示すシステム概略図
【符号の説明】
1 浴槽
3 プレフィルター
5 流量センサー
6 循環ポンプ
8 ろ過タンク
10 電位処理フィルター部
12 電解槽
15 保温用ヒータ
17 コントローラ
18 表示部及び操作部
19 電源部
20 循環室
21 滞留室
24 隔膜
25、26 電極
27 ガス透過性膜
33 pHセンサー
Claims (7)
- 循環ポンプの下流側にろ過タンク、電位処理フィルター部を備え、前記循環ポンプにより排水槽内の排水を該排水槽とろ過タンクおよび電位処理フィルター部とを結ぶ循環経路を循環させながら、ろ過タンク及び電位処理フィルター部によりろ過させるようにした排水処理装置であって、前記電位処理フィルター部と前記排水槽の間を結ぶ循環経路と並列に前記排水を電気分解する電解槽を配設し、この電解槽で生成した酸性水又はアルカリ性水を前記排水槽に循環させ、前記電解槽中の滞留室に生成した強アルカリ性水または強酸性水を、前記電位処理フィルター部及び又は前記ろ過タンクに流入可能としたことを特徴とする排水処理装置。
- 前記排水槽が浴槽で、前記排水が同浴槽内の使用済みの浴槽水であることを特徴とする請求項1記載の排水処理装置。
- さらに前記排水を入浴温度に加熱するヒータを備えた請求項2記載の排水処理装置。
- 前記電位処理フィルター部に再生効率向上用のバブリング機構を設けたことを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1項に記載された排水処理装置。
- 前記電位処理フィルター部のろ過材が、ゼーダ電位を強制的に持たしたものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載された排水処理装置。
- 前記電位処理フィルター部のろ過部が、糸巻き型、プリーツ型の膜、粒状、糸状、不織布、繊維のいずれかであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載された排水処理装置。
- 前記電位処理フィルター部のろ過材が、活性炭、変性ポリアミド、PP、ポリオレフィン、無機物のいずれかであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載された排水処理装置。
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