JP3569720B2 - リップコータ型塗工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッキングロールの下方にドクターエッジを有するノズルヘッドを配し、前記ノズルヘッドから塗工液を圧力をかけて噴射してウエブに塗工するリップコータ型塗工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のように、フィルムや紙などのウエブに塗工液を塗工するリップコータ型の塗工装置としては、次のようなものが知られている(特公平6−223号)。
【0003】
すなわち、ノズルヘッドの上面にコンマ型のドクターエッジが設けられ、ノズルヘッドの内部の幅方向には、第1液溜め室が設けられ、ノズルヘッドの前面には、バッキングロールの下周面へ向かってウエブ走行用の間隙を残して液溜め壁が立設され、バッキングロールの下周面、液溜め壁、ドクターエッジ及びノズルヘッドの上面とより第2液溜め室が形成されたものである。
【0004】
このリップコータ型の塗工装置であると、ウエブは塗工液が満たされた第2液溜め室を通過してドクターエッジまで走行し、ドクターエッジの刃先による線圧によって塗工液が塗工されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の塗工装置においては、ウエブの搬送速度が低速である場合には、第2液溜め室への空気の混入はほとんど見られず、ウエブに塗工した塗工部分には、気泡等が発生しない。
【0006】
しかしながら、最近の生産効率の向上を目的として、ウエブを高速で搬送しつつ、塗工液を塗工する場合が増えてきている。ところが、このような高速でウエブを搬送して塗工液を塗工する場合には、ウエブが第2液溜め室に搬入する場合に、液溜め壁とバッキングロールの下周面の間隙の部分において気泡が混入するという問題点が発生してきた。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、ウエブを高速で搬送しても、塗工面に気泡が混入しないリップコータ型の塗工装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、バッキングロールの下方にドクターエッジを有するノズルヘッドを配し、前記ノズルヘッドから塗工液を圧力をかけて噴射して、前記バッキングロールの下周面を前記ノズルヘッドの前方から後方へ走行するウエブに塗工するリップコータ型塗工装置であって、前記ノズルヘッドの上面にはドクターエッジが突設され、前記ノズルヘッドの内部の幅方向には、第1液溜め室が設けられ、前記ドクターエッジの前方に位置するノズルヘッドの上面には、前記第1液溜め室からの塗工液の出口が設けられ、前記ノズルヘッドの前部には、前記バッキングロールの下周面へ向かってウエブ走行用の間隙を残して液溜め壁が立設され、前記ノズルヘッドと前記バッキングロールとの間の両側部には一対の側壁が配され、前記一対の側壁、前記バッキングロールの下周面、前記液溜め壁、前記ドクターエッジ及び前記ノズルヘッドの上面とより閉塞された第2液溜め室が形成されたリップコータ型塗工装置において、前記液溜め壁の上面は、前記バッキングロールの下周面と対峙する間隙面と、前記液溜め壁の後面から前記間隙面に向かって、前記バッキングロールの下周面との距離が小さくなるように傾斜した傾斜面とより構成され、前記第2液溜め室は、前記流出路の出口より前方に脹まして前記流出路の容積より大きく形成されているとともに、前記ドクターエッジの刃先に接近するほど容積が、次第に小さくなり、かつ、前記バッキングロールの下周面と前記液溜め壁との間隙において噴出しようとする塗工液の圧力と浸入しようとする空気の圧力がバランスをとるように前記閉塞された第2液溜め室内を大気圧より高くしたことを特徴とするリップコータ型塗工装置である。
【0009】
請求項2の発明は、前記第2液溜め室の内圧を測定する圧力計を設け、前記圧力計の測定した圧力が一定圧力になるように前記第2液溜め室に供給する塗工液の量を制御する制御手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のリップコータ型塗工装置である。
【0010】
請求項3の発明は、前記ドクターエッジは、縦断面円弧状に膨出して楔形となったコンマ型であることを特徴とする請求項1記載のリップコータ型塗工装置である。
【0011】
請求項4の発明は、前記ドクターエッジは、ウエブの幅方向へ延びる二面を鈍角に前記幅方向で直線状に結合して形成したことを特徴とする請求項1記載のリップコータ型塗工装置である。
【0012】
請求項5の発明は、前記溜め壁の上面を構成する傾斜面は、円弧状であることを特徴とする請求項1記載のリップコータ型塗工装置である。
【0013】
請求項6の発明は、前記溜め壁の上面を構成する傾斜面は、ウエブの幅方向へ延びる二面を鈍角に前記幅方向で直線状に結合して形成したことを特徴とする請求項1記載のリップコータ型塗工装置である。
【0014】
【作 用】
本発明のリップコータ型塗工装置においては、液溜め壁の上面が、間隙面と傾斜面とより構成されているため、ウエブを高速で搬送しても、バッキングロールと液溜め壁の間隙部分から空気が混入することがない。
【0015】
【発明の実施の形態】
<第1の実施例>
以下、本発明の第1の実施例のリップコータ型塗工装置10を図1から図4に基づいて説明する。
【0016】
図1は、塗工装置10の側面図であり、図3は、図1におけるI−I線断面図である。
【0017】
バッキングロール12は、紙やフィルムなどのウエブWを支持しながら、図1において、ウエブWを塗工装置10の右側から左側、すなわち、前面から後面に走行させる。
【0018】
バッキングロール12の下方には、ウエブWへ塗工液を塗工するノズルヘッド14が配されている。ノズルヘッド14のヘッド本体16は、バッキングロール12と略同じ幅を有し、上部にドクターエッジ18が設けられている。
【0019】
このドクターエッジ18は、縦断面円弧型に形成されたコンマ型ドクターエッジ18である。バッキングロール12とドクターエッジ18との間隙をウエブWが走行する。ヘッド本体16の前面16aはフラットな面に形成されている。この前面16aに塗工液の噴出口20が開口している。
【0020】
ヘッド本体16の蓋体22は、ヘッド本体16の前面16aにボルト23により着脱自在に取付けられる。蓋体22の後面には、幅方向に凹部24が設けられている。ヘッド本体16と蓋体22とをボルトにより組合わせることにより、ヘッド本体16の前面16aと蓋体22の凹部24によってノズルヘッド14内部の幅方向に第1液溜め室26が形成される。第1液溜め室26の上部には流出路28が幅方向に第1液溜め室26と連続して形成されている。この流出路28は、垂直に上方に伸びて、ドクターエッジ18の前部とノズルヘッド14前端部との間に出口28aが設けられている。そして、この出口28aの幅方向の長さによりウエブWの塗工幅が決定される。そのため、蓋体22の幅方向の長さを変化させるとウエブWの塗工幅Lが変化する。
【0021】
液溜め壁30は、蓋体22と略同じ幅を有し、蓋体22の前面の上部にボルト(不図示)により着脱自在に取付けられている。この液溜め壁30の上端とバッキングロール12の下周面との間には、ウエブWの走行用の間隙が残されている。
【0022】
液溜め壁30について図2に基づいてさらに詳しく説明する。
【0023】
図2に示すように、液溜め壁30の上面は、バッキングロール12の下周面と対峙する間隙面52と、この間隙面52の後端部より連続して形成された傾斜面54とより構成されている。
【0024】
間隙面52は、バッキングロール12の下周面に沿って円弧状に形成されている。
【0025】
傾斜面54は、液溜め壁30の後面56から円弧状に形成された後、バッキングロール12の下周面との距離が次第に小さくなるように傾斜した面より構成されている。従って、この部分における空間は、液溜め壁30の間隙面52に近づくほど次第に小さくなるように形成されている。そして、図2の拡大図に示すように、間隙面52の後方へのばした線と、この傾斜面54とのなす角度θは鋭角に構成されている。
【0026】
第2液溜め室32は、ドクターエッジ18の前面、蓋体22の上面、液溜め壁30の後面によって形成された空間と、この空間の両側面をノズルヘッド14の上面とバッキングロール12の下周面との間に配された一対の側壁34、34によって閉塞することにより形成されている。この第2液溜め室32の内容積は、流出路28の出口28aより前方へ脹んだ状態となっていることにより流出路28の容積より大きくなっている。
【0027】
側壁34、34は、ノズルヘッド14の上面とバッキングロール12の下周面との間を摺動自在に設けられており、また側壁34の底面は幅方向に開口した流出路28の出口28aを閉塞できるように形成されている。
【0028】
ドクターエッジ18の下方におけるヘッド本体16には、スリット36が設けられている。このスリット36の一端はヘッド本体16の後上面に幅方向に開口し、また、スリット36は幅方向に沿ってかつ前方にいくほど下方に傾斜して設けられている。このスリット36には、スリット36と直交するように調整ボルト38が幅方向に複数本等間隔に貫通している。この調整ボルト38の端部はノズルヘッド14の後面16bに臨んでおり、この後面16bから調整ボルト38の螺合具合を調整することによってスリット36の幅を調整できる。スリット36の幅が変化すればドクターエッジ18の刃先が上下動して上下にそれぞれ2μm〜3μmの幅で調整ができる。なお、幅方向に複数個調整ボルト38が設けられているため、上下動させたい刃先の一番近い調整ボルト38を調整する。
【0029】
保持部材40が、ノズルヘッド14の中央下方に設けられている。保持部材40には、両ロッド型のエアーシリンダ42が上下方向に配されている。このエアーシリンダ42はそのシリンダチューブの上端においてノズルヘッド14のヘッド本体16の下面に螺合されている。
【0030】
保持部材40内部の下方には、スケール保持部材44が配されている。スケール保持部材44内部には、磁気式の変位計測用スケールであるマグネスケール45(商品名)が配されている。マグネスケール45の頂部は、エアーシリンダ42のピストンロッドの下端部に当接しており、このピストンロッドの上下方向の変位を検出することができる。この保持部材40のエアーシリンダ42が上下動によりノズルヘッド14の撓みが上下にそれぞれ20μm〜30μmの幅で調整ができる。
【0031】
ポンプ46は、塗工液を圧送するためのものであって、ヘッド本体16の噴出口20に接続されている。このポンプ46は後述するマイコン48からの動作信号DSによって塗工液の圧送する圧力が制御される。
【0032】
セラミックセンサー等の圧電素子よりなる圧力計50は、第2液溜め室32内部に設けられ、第2液溜め室32の内圧を測定するものである。圧力計50は測定した圧力を電気信号である圧力信号ASによってマイコン48へ出力する。
【0033】
マイコン48は、圧力計50とポンプ46に接続されている。圧力計50から出力された圧力信号ASが入力され、また、ポンプ46へ動作信号DSを出力する。
【0034】
(作動状態)
上記構成の塗工装置10の作動状態を図2に基づいて説明する。
【0035】
ウエブWへの塗工液の厚みは、バッキングロール12とドクターエッジ18の間隙と第2液溜め室32の内圧によって決定される。
【0036】
ウエブWをバッキングロール12とドクターエッジ18の間隙に走行させる。塗工液は、ポンプ46から第1液溜め室26においてノズルヘッド14の幅方向に拡散して流出路28の出口28aから第2液溜め室32内部へ均一に噴射され、第2液溜め室32内部を一定の圧力(以下、基準圧力という)で保持するように制御する。この制御は、マイコン48が圧力計50の測定した第2液溜め室32内部の圧力が基準圧力になるようにポンプ46が吐出する量をフィードバック制御を行う。詳しくは後述する。また、この基準圧力は、塗工液が第2液溜め室32を満した状態でかつ液溜め壁30とバッキングロール12との間隙からオーバーフローしないように設定しておく。
【0037】
ウエブWは塗工液が満された第2液溜め室32を通過してドクターエッジ18まで走行し、ドクターエッジ18の刃先による線圧によって塗工液が塗工される。この場合に、塗工液が狭い流出路28を通過することにより塗工液の圧力が均一化され、また、第2液溜め室32は流出路28の出口28aより前方に脹まして流出路28の容積より大きく形成しているため、第2液溜め室32内部を大気の圧力より高い基準圧力に保持し易い。
【0038】
まず、ウエブWが液溜め壁30とバッキングロール12との間隙を経て第2液溜め室30内部に搬入される場合の作用について図2に基づいて説明する。
【0039】
ウエブWは、バッキングロール12の下周面と液溜め壁30と間隙面52との間の間隙部分を経て第2液溜め室32内部に搬入される。
【0040】
一方、塗工液は、流出路28の出口28aから噴出され、図2に示す噴出流Dの流れとなって液溜め壁30の傾斜面54の位置に流れてくる。傾斜面54の位置にきた塗工液は、傾斜面54に沿って次第に狭くなる空間を間隙部分に向かって噴出流Eとなって流れ、傾斜面54に沿って傾斜面54と間隙面52との境に流れてくる。ところが、この部分においては、ウエブWの搬入によって、空気が第2液溜め室32内部に浸入しようとしているため、この間隙面52と傾斜面54との境の位置で、噴出しようとする塗工液の圧力と浸入しようとする空気の圧力とが釣り合い、気泡が全く混入しない状態となる。そして、外に噴出しようとしている塗工液は、浸入しようとする空気の圧力によって押し戻され、戻り流Fとなる。この戻り流Fの塗工液は、ドクターエッジ18の方向にウエブWと共に流れ同伴流Aとなる。
【0041】
以上のように、第2液溜め室32内部を一定の基準圧力に保持しておくと、液溜め壁30の間隙部分においては噴出しようとする塗工液の圧力と浸入しようとする空気の圧力がバランスをとり、第2液溜め室32内部に空気が混入することがない。そのため、ウエブWの搬送速度を上昇させても、従来と同様に、塗工面に気泡が発生することがない。例えば、従来の搬送速度としては、200m/分以下が限度であったが、塗工装置10であると300m/分以上でも気泡は混入しない。
【0042】
また、従来は液溜め壁の上端とバッキングロールとの間隙寸法を極力狭くしないと空気の混入が発生したが、塗工装置10であると、液溜め壁30の間隙面54とバッキングロール12との間隙は、噴出しようとする塗工液の圧力と浸入しようとする空気の圧力のバランスがとれていれば、従来の間隙寸法よりも広くしても、空気は混入しない。
【0043】
次に、ウエブWに塗工液を塗工する作用について図2に基づいて説明する。
【0044】
ドクターエッジ18はコンマ型であるため、ドクターエッジ18の刃先に接近するほど第2液溜め室32の容積が次第に小さくなっており、それにともなってウエブWにかかる圧力は次第に高くなり、また、圧力の調整により塗工液を第2液溜め室32外にオーバフローさせない構造となっている。そのため、ウエブWの移動にともなう塗工液の同伴流Aと流出路28の出口28aからの塗工液の噴射流Bは同じ方向の旋回流Cとなって不安定な流れになることがない。よって、ドクターエッジ18に達する前のウエブW表面にある塗工液の量が幅方向で変化することなく、ウエブWへの塗工量が幅方向でムラが発生することがない。
【0045】
図4のブロック図に基づいて、第2液溜め室32の内圧が基準圧力に保持される状態を説明する。
【0046】
第2液溜め室32の内圧がポンプの回転ムラや塗工液の粘度の変化、液温度の変化等の外部の要因等で基準圧力より上昇すると、圧力計50からの圧力信号ASによって内圧が上昇したことがマイコン48に伝達される。マイコン48は、動作信号DSによってポンプ46の塗工液の圧送する圧力を下げる。塗工液の圧力が下がると、第2液溜め室32の内圧が下がって元の圧力となる。逆に、第2液溜め室32の内圧が基準圧力より下がると、マイコン48はポンプ46の塗工液の圧送する圧力を上げて第2液溜め室32の内圧を上昇させる。
【0047】
ノズルヘッド14が、幅方向に撓んだ場合には、保持部材40のエアーシリンダ42によってノズルヘッド14の中央部を上下方向に変位させて、撓みを補正する。なお、本実施例では、保持部材40は、ノズルヘッド14の中央部に一個所設けているが、これに限らず、複数個設けてもよい。
【0048】
ドクターエッジ18の刃先は、機械加工のみで仕上っている。しかし、現在の加工方法では完全な直線性が得られず、幅方向に小さなうねりが発生している。そのため、ドクターエッジ18の刃先を調整ボルト38によって上下にそれぞれ2μm〜3μm変化させて、刃先のうねりを微調整して直線に近づける。
【0049】
<第2の実施例>
次に、第2の実施例について、図5に基づいて説明する。
【0050】
第1の実施例と本実施例の相違点は、ドクターエッジ18の上面の形状にある。
【0051】
すなわち、第1の実施例では上面が円弧状で形成されていたが、本実施例においては、図5に示すように、ウエブWの幅方向に延びる2面を鈍角的に幅方向で直線状に形成してすることにより、この直線状に結合した直線個所で第2液溜め室32の容積の減少する割合を急変させたものである。
本実施例においても、ウエブWが第2液溜め室32に搬入される際に、液溜め壁30の部分の間隙から空気が混入することがないため、塗工面に気泡が発生することがない。
【0052】
<第3の実施例>
次に、本発明の第3の実施例の塗工装置10について、図6に基づいて説明する。
【0053】
第1の実施例と本実施例の異なる点は、液溜め壁30の構造にある。
【0054】
すなわち、図6に示すように、液溜め壁30を、液溜め壁本体58と、液溜め壁本体58の後面上部にボルト60によって取り付けられた補助部材62とより構成されている。
【0055】
液溜め壁本体58の上面は、間隙面52を形成し、補助部材62の上面は傾斜面54を形成している。
【0056】
これによって、従来の液溜め壁本体58しか有していない塗工装置10であっても、補助部材62をボルト60によって、取り付けることにより、傾斜面54を形成することができ、第1の実施例と同様に第2液溜め室32に気泡が混入することがない。
【0057】
<第4の実施例>
次に、第4の実施例について、図7に基づいて説明する。
【0058】
第1の実施例と本実施例の異なる点は、傾斜面54の形状にある。
【0059】
第1の実施例の傾斜面54においては、後面56から円弧状に形成された後、直線状の傾斜面54を構成したが、本実施例では、2つの面よりなる直線状の面を組み合わせた形状としたものである。
【0060】
これによっても、第2液溜め室32は間隙面52に向かって次第に小さくなるように形成されるため、第1の実施例と同様にウエブWの搬入速度が上昇しても、気泡が混入することがない。
【0061】
【発明の効果】
本発明のリップコータ型塗工装置においては、液溜め壁の上面が、間隙面と傾斜面とより構成されているため、ウエブを高速で搬送しても、バックキングロールと液溜め壁の間隙部分から空気が混入することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す塗工装置の側面図である。
【図2】塗工装置の拡大縦断面図である。
【図3】図1におけるI−I線断面図である。
【図4】塗工装置、マイコン及びポンプのブロック図である。
【図5】第2の実施例を示す塗工装置の拡大縦断面図である。
【図6】第3の実施例を示す塗工装置の拡大縦断面図である。
【図7】第4の実施例を示す塗工装置の拡大縦断面図である。
【符号の説明】
10……リップコータ型塗工装置
12……バッキングロール
14……ノズルヘッド
16……ヘッド本体
16a…ヘッド本体の前面
18……ドクターエッジ
22……蓋体
24……凹部
26……第1液溜め室
28……流出路
28a…流出路の出口
30……液溜め壁
32……第2液溜め室
34……側壁
Claims (6)
- バッキングロールの下方にドクターエッジを有するノズルヘッドを配し、前記ノズルヘッドから塗工液を圧力をかけて噴射して、前記バッキングロールの下周面を前記ノズルヘッドの前方から後方へ走行するウエブに塗工するリップコータ型塗工装置であって、
前記ノズルヘッドの上面にはドクターエッジが突設され、
前記ノズルヘッドの内部の幅方向には、第1液溜め室が設けられ、
前記ドクターエッジの前方に位置するノズルヘッドの上面には、前記第1液溜め室からの塗工液の出口が設けられ、
前記ノズルヘッドの前部には、前記バッキングロールの下周面へ向かってウエブ走行用の間隙を残して液溜め壁が立設され、
前記ノズルヘッドと前記バッキングロールとの間の両側部には一対の側壁が配され、
前記一対の側壁、前記バッキングロールの下周面、前記液溜め壁、前記ドクターエッジ及び前記ノズルヘッドの上面とより閉塞された第2液溜め室が形成されたリップコータ型塗工装置において、
前記液溜め壁の上面は、
前記バッキングロールの下周面と対峙する間隙面と、
前記液溜め壁の後面から前記間隙面に向かって、前記バッキングロールの下周面との距離が小さくなるように傾斜した傾斜面とより構成され、
前記第2液溜め室は、前記流出路の出口より前方に脹まして前記流出路の容積より大きく形成されているとともに、前記ドクターエッジの刃先に接近するほど容積が、次第に小さくなり、かつ、前記バッキングロールの下周面と前記液溜め壁との間隙において噴出しようとする塗工液の圧力と浸入しようとする空気の圧力がバランスをとるように前記閉塞された第2液溜め室内を大気圧より高くした
ことを特徴とするリップコータ型塗工装置。 - 前記第2液溜め室の内圧を測定する圧力計を設け、
前記圧力計の測定した圧力が一定圧力になるように前記第2液溜め室に供給する塗工液の量を制御する制御手段を設けた
ことを特徴とする請求項1記載のリップコータ型塗工装置。 - 前記ドクターエッジは、
縦断面円弧状に膨出して楔形となったコンマ型である
ことを特徴とする請求項1記載のリップコータ型塗工装置。 - 前記ドクターエッジは、
ウエブの幅方向へ延びる二面を鈍角に前記幅方向で直線状に結合して形成した
ことを特徴とする請求項1記載のリップコータ型塗工装置。 - 前記溜め壁の上面を構成する傾斜面は、
円弧状である
ことを特徴とする請求項1記載のリップコータ型塗工装置。 - 前記溜め壁の上面を構成する傾斜面は、
ウエブの幅方向へ延びる二面を鈍角に前記幅方向で直線状に結合して形成した
ことを特徴とする請求項1記載のリップコータ型塗工装置。
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