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JP3568675B2 - 永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法 - Google Patents

永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法 Download PDF

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JP3568675B2 JP06207896A JP6207896A JP3568675B2 JP 3568675 B2 JP3568675 B2 JP 3568675B2 JP 06207896 A JP06207896 A JP 06207896A JP 6207896 A JP6207896 A JP 6207896A JP 3568675 B2 JP3568675 B2 JP 3568675B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はFA機器や電気自動車等に用いられる永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法は、直流電源から出力される直流電圧をインバータで交流に変換し、この交流電圧により永久磁石界磁同期電動機を駆動するシステムにおいて、永久磁石界磁同期電動機の回転子の位置角度を検出するセンサを使用せずにトルク制御を行なう制御方法で、永久磁石界磁同期電動機の電圧方程式に基づいて回転子の位置角度と回転速度とを演算し、システムの外部から入力するトルク指令に応じて電圧指令ベクトルを決定するものである。そして電圧指令ベクトルに応じてインバータが交流電圧を永久磁石界磁同期電動機に印加する。かかる永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法については渡辺等の研究が知られている(電気学会論文誌D,110巻11号,平成2年,P.1193〜P.1200)。
【0003】
ところで上記電圧方程式に基づいて回転子の位置角度と回転速度とを演算するには永久磁石界磁同期電動機に印加される電圧値が必要であるが、上記電圧指令ベクトルで代用して電圧検出手段を省略し、システムを簡単にしたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記電圧指令ベクトルの大きさが小さな範囲ではインバータの直流短絡防止時間等で生じる電圧指令ベクトルと実際の印加電圧の間の誤差の、電圧指令ベクトルに対する比率が大きくなる。
【0005】
またインバータは永久磁石界磁同期電動機への印加電圧の符号が入れ代わる直流短絡防止時間における相電流を検出してこれに基づいて上記直流短絡防止時間における相電圧を予測して電圧指令ベクトルにフィードバックしているが、相電流の大きさが小さくなる位相では電流リプル等の影響で相電圧の予測誤差が増加し、特に電圧指令ベクトルの大きさが小さな範囲で電圧指令ベクトルと実際の印加電圧の間の誤差の、電圧指令ベクトルに対する比率が大きくなる。
【0006】
この結果、電圧指令ベクトルの大きさが小さな範囲では正確な位置角度が得られず、トルクの制御性が悪化したり制御不能になるおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明は上記電圧指令ベクトルの大きさが小さな範囲においても、トルクの良好な制御性が得られる永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明によれば、永久磁石界磁同期電動機に印加される相電圧を交流電力発生手段に指令する上記電圧指令ベクトルの大きさを予め設定した下限値と比較して上記電圧指令ベクトルの大きさが上記下限値より小さいとき、これ以後の補正期間には制御周期ごとにパルス電圧ベクトルを上記補正期間における平均が略0となるように上記電圧指令ベクトルに加算し、これを補正後の電圧指令ベクトルとする。上記補正後の電圧指令ベクトルはこれと実際の印加電圧の間の誤差の、上記補正後の電圧指令ベクトルに対する比率が低くなり、回転子の位置角度や角速度の計算において上記誤差の影響が小さくなる。そしてパルス電圧ベクトルが上記補正期間において平均が略0であるから上記補正期間の経過後には上記相電流および永久磁石界磁同期電動機が発生させるトルクは補正期間前の状態に復する。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、上記パルス電圧ベクトルの各成分を上記補正期間の各小期間における平均が略0となるようにするとともに、連続する前後の小期間ではその各成分の時間積分値の経時的なプロファイルを対称形とし、かつ上記プロファイルが一方の小期間では略正側に形成され、他方の小期間では略負側に形成されるようにする。上記時間積分値は近似的に上記パルス電圧ベクトルに応答する相電流のリプルと等しいから、連続する上記相電流のリプルは経時的なプロファイルが時間方向に対称形で、一方の相電流のリプルが略正側に形成され、他方の相電流のリプルが略負側に形成される。しかして上記永久磁石界磁同期電動機電流の発生させるトルクのリプルは上記電流のリプルが略正側に形成された小期間と略負側に形成された小期間では逆方向に現れる。しかして上記トルクのリプルは上記補正期間において平均が略0となる。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、上記パルス電圧ベクトルを、平均値が略0の電圧波形を時間方向に並べ、相前後する電圧波形が時間方向に対称な対称形とすることを特徴とする。上記電圧波形が時間方向に対称であるからパルス電圧ベクトルの各成分は、連続する前後の小期間における時間積分値の経時的なプロファイルが対称形でかつ一方は略正側に、他方は略負側に形成される。しかして容易に上記トルクのリプルの平均値を略0にできる。
【0011】
請求項4記載の発明によれば、上記パルス電圧ベクトルの各成分パルスの時系列は上記連続する前後の小期間において、正負反転するようにすることにより、上記連続する前後の小期間において、パルス電圧ベクトルの各成分パルスの時間積分値の経時的なプロファイルを対称形とすることができる。
【0012】
請求項5記載の発明によれば、平均が略0となるように上記パルス電圧ベクトルを上記補正期間ごとに異ならしめることにより、位置角度の計算精度が位置角度に依存しないようにすることができ、特定の位置角度の計算精度が継続して低下したままにならないようにすることができる。
【0013】
請求項6記載の発明によれば、上記パルス電圧ベクトルが新たな補正期間の度に一定の角度回転することにより上記パルス電圧ベクトルを平均が略0となるように上記補正期間ごとに異ならしめることができる。しかして容易な手段でトルクのリプルの平均を略0にでき、かつ計算精度が継続して低下したままにならない。
【0014】
請求項7記載の発明によれば、上記パルス電圧ベクトルの方向を乱数で決定することにより上記パルス電圧ベクトルを平均が略0となるように上記補正期間ごとに異ならしめることができる。しかして容易な手段でトルクのリプルの平均を略0にでき、かつ計算精度が継続して低下したままにならない。
【0015】
請求項8記載の発明によれば、上記パルス電圧ベクトルを、上記トルクの時間微分が0であることを条件とする上記永久磁石界磁同期電動機の電圧方程式を満たすように設定することにより上記補正期間におけるトルクのリプルを0とすることができる。
【0016】
請求項9記載の発明によれば、上記位置角度の正接が実質的に発散するときは、上記パルス電圧ベクトルの大きさを変更することにより位置角度の計算精度が位置角度に依存しないようにすることができ、特定の位置角度の計算精度が継続して低下したままにならないようにすることができる。
【0017】
請求項10記載の発明によれば、上記電圧指令ベクトルの大きさとして上記電圧指令ベクトルのトルク電圧成分の大きさを用い、上記下限値として上記電圧指令ベクトルのトルク電圧成分について予め設定した下限値を用いることにより上記電圧指令ベクトルの大きさの計算の負担が軽くなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法を実施した永久磁石界磁同期電動機の制御システムを図1に示す。制御システムは永久磁石界磁同期電動機たるPM(Permanent Magnet )モータ1、これを駆動する交流電力発生手段たる電源部2、制御部3から構成されている。PMモータ1は三相に構成されたもので、電機子の温度を検出する温度検出センサ43が設けてある。電源部2は直流電源21と、直流電源21から供給される直流電圧を交流に変換してPMモータ1の各電機子巻線に相電圧を印加するインバータ22を備えている。そして電圧検出センサ41が設けてあり、直流電源21電圧を検出するようになっている。またインバータ22からPMモータ1の上記電機子に給電する三相の給電線のうち2つに電流検出センサ42が設けてあり、2つの相電流(iu ,iw )を検出するようになっている。
【0019】
制御部2はデジタルシグナルプロセッサ(以下、DSPという)31が設けてあり、一定の制御周期でPMモータ1の制御をするようになっている。DSP31は外部からのトルク指令51がアナログ/デジタル変換器(以下、A/Dコンバータという。図中A/D)33を介して入力するとともに、電流検出センサ42からPMモータ1の上記相電流(iu ,iw )の検出信号がA/Dコンバータ35を介して入力するようになっており、これら入力する信号に基づいてPMモータ1の各電機子巻線に印加する各相の電圧の指令値Vu ,Vv ,Vw を成分とする電圧指令ベクトル(Vu ,Vv ,Vw )を決定するようになっている。DSP31から出力される電圧指令ベクトル(Vu ,Vv ,Vw )を入力として電圧パルス幅変調回路(以下、PWM回路という。図中PWM)32が三角波比較方式によりインバータ22に電圧指令ベクトル(Vu ,Vv ,Vw )に応じたPWM信号を出力し、インバータ22が電圧指令ベクトル(Vu ,Vv ,Vw )に応じて交流電圧を発生するようになっている。
【0020】
またDSP31は温度検出センサ43から電機子温度の検出信号がA/Dコンバータ36を介して入力し、PMモータ1の電機子巻線の抵抗値の補正に用いられるようになっている。また電圧検出センサ41から出力される直流電源21電圧の検出信号が入力し、PWM回路32にフィードバックするようになっている。またDSP31は、その作動プログラムを格納した読み出し専用メモリ(以下、ROMという)37、DSP31が作動中にデータを一時記憶する随時読み書き可能メモリ(以下、RAMという)38を備えている。これらが制御部3を構成する。
【0021】
またPWM回路32はDSP31から電圧指令ベクトル(Vu ,Vv ,Vw )52が入力すると同時に同期信号54をA/Dコンバータ35に出力するようになっている。
【0022】
上記制御システムにおける永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法を図1、図2および図3のフローチャートにより説明する。図2はDSP31の起動後の作動を示すもので、ステップ101では装置の初期化を行なう。後述する割り込み処理で使用するパルスカウント変数cはこのステップで0にする。
【0023】
ステップ102ではPMモータ1の回転子の磁極の極性を判定する。判定は電機子巻線に正負それぞれ電圧を瞬時的に印加し、これに応答する相電流の変化を観察する。電機子巻線に電圧が印加されると、界磁磁極の極性に応じて電機子鉄心は増磁または減磁する。電機子鉄心の磁化特性が非線形なため増磁する場合と減磁する場合とで検出される相電流の変化の大きさが異なる。電機子巻線に印加される電圧の正負と検出される相電流の大小の組合せから回転子の磁極の極性を判定する。
【0024】
ステップ103では電圧検出センサ41から直流電源21電圧をA/Dコンバータ34を介して取り込む。ステップ104では温度検出センサ43から電機子温度をA/Dコンバータ36を介して取り込む。
【0025】
ステップ105ではROM37に記憶している電機子巻線抵抗の初期データをステップ104で取り込んだ電機子温度に基づいて補正し、当該温度における電機子巻線抵抗を得る。
【0026】
ステップ106では外部から入力したトルク指令51を取り込み、ステップ107で上記トルク指令51をこれと対応する電流に変換し、PMモータ1の回転子に対して静止したd軸(界磁磁極軸方向)とq軸(d軸に対して直交方向)よりなる座標(以下、回転座標という)上の電流指令ベクトル(Id*,Iq*)を得る。ステップ103からステップ107は以下で説明する割り込み処理の余り時間に実行して電流指令ベクトル(Id*,Iq*)と電機子巻線抵抗値を割り込み処理に提供する。
【0027】
図3はA/Dコンバータ35が電流検出センサ42から入力するアナログの検出信号をデジタル信号に変換し終えると起動する割り込み処理である。
【0028】
まずA/Dコンバータ35でデジタル信号に変換された固定座標上の三相の電流ベクトル(iu ,iw )を取り込み(ステップ201)、電機子に対して静止した座標(以下、固定座標という)上の二相の電流ベクトル(ix ,iy )に変換する(ステップ202)。
【0029】
次いでステップ203で1周期前の制御周期の電圧指令ベクトルの大きさをV、その下限値である定数をVthとしてV<Vthであるかどうか、パルスカウント変数cが1≦c≦5の範囲内にあるかどうかを判断する。V≧Vthかつc=0またはc>5のときはステップ204を経てステップ205に進む。
【0030】
ステップ205では式1により位置角度θを演算する。なお式中、pは微分演算子である。またix ,iy はステップ202の演算結果を、pix ,piy は1周期前の制御周期のix ,iy との差分を、角速度ωは1周期前の制御周期における後述するステップ207で演算した数値を、Vx ,Vy は1周期前の制御周期における後述するステップ210で演算した数値を用いて計算する。Ld ,Lq はそれぞれ電機子インダクタンスの回転座標のd軸方向成分、q軸方向成分で予めROM37に記憶されている。Rd は回転座標のd軸方向の電機子巻線抵抗で、図2のステップ105で計算した電機子巻線抵抗と同じである。ここでθは−π≦θ<πの範囲で2値を取るが起動時に判定した磁極の極性から起動後の最初の位置角度の計算時にいずれかに一意的に定まっているからその後の制御周期では位置角度θは、数値が上記最初の位置角度から連続するように決定される。
【0031】
【数1】
Figure 0003568675
【0032】
ステップ206では固定座標上の電流ベクトル(ix ,iy )を式2により回転座標上の二相の電流ベクトル(id ,iq )に変換する。ここでθはステップ205の計算結果を用いる。次いで式3により角速度ωを計算する。ここでVq は1周期前の制御周期における後述するステップ208で計算したVq を用いる。φa は回転子の磁束で、予めROM37に記憶してある。Rq は回転座標のq軸方向の電機子巻線抵抗で、図2のステップ105で計算した電機子巻線抵抗と同じである。
【0033】
【数2】
Figure 0003568675
【0034】
ステップ208では図2のステップ107で計算した電流指令ベクトル(Id*,Iq*)に基づいてPI制御により回転座標上の二相の電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )を計算する。この電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )の各成分Vd ,Vq はステップ209で、控えVd0,Vq0に格納するとともに、電圧指令ベクトルの大きさVを式4により計算する。
【0035】
【数3】
Figure 0003568675
【0036】
ステップ210では回転座標上の二相の電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )を式5により固定座標上の二相の電圧指令ベクトル(Vx ,Vy )に変換し,次いでこれを三相の電圧指令ベクトル(Vu ,Vv ,Vw )に変換する(ステップ211)。電圧指令ベクトル(Vu ,Vv ,Vw )をPWM回路32に出力して(ステップ212)、割り込み処理は終了となる。
【0037】
【数4】
Figure 0003568675
【0038】
以上が割り込み処理における通常の制御フローで、次に本発明の特徴部分を説明する。ステップ203で電圧指令ベクトルの大きさVが下限値Vthより小さくなると(V<Vthのとき)ステップ213へ進む。以後は補正期間となり、通常の制御フローと異なる予備の制御フローを実行する。該予備の制御フローはステップ201,202,210〜212が通常の制御フローと共通で、位置角度θ、電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )等の求め方が異なっている。
【0039】
ステップ213ではパルスカウント変数cを識別する。上記通常の制御フローが実行されている間はステップ204でパルスカウント変数cはリセットされるから通常の制御フローから予備の制御フローへ切り替わった最初の制御周期では0であり(ステップ213)、ステップ214に進む。ステップ214では通常の制御フローから予備の制御フローに切り替わる直前の制御周期における電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )の成分である控えVd0,Vq0にパルス電圧ベクトル(ΔVd ,ΔVq )を加算し、これを電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )とする。すなわち式6,7により電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )を計算する。
Vd =Vd0+ΔVd ………▲6▼
Vq =Vq0+ΔVq ………▲7▼
【0040】
次いで現制御周期の位置角度を角速度ωを一定と見なして1周期前の制御周期で計算した位置角度θから線形に外挿して求める。すなわち制御周期をTp としてθ+Tp ×ωを現制御周期の位置角度θとする(ステップ215)。
【0041】
ステップ226ではパルスカウント変数cを1ステップインクレメントして自然数Nを底数とする剰余を求め、それをあらためてパルスカウント変数cとする。ここでNは6以上の自然数であり、パルスカウント変数cは1に更新される。なおNはパルス電圧を重畳することで生じるトルクのリプルが無視できる十分に大きな数(例えば20以上)とする。
【0042】
そしてステップ215で計算された位置角度θに基づいて上記通常の制御フローと同様にステップ210〜212を実行することによりステップ214で設定した回転座標上の電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )を三相の電圧指令ベクトル(Vu ,Vv ,Vw )に変換しPWM回路32に出力する。
【0043】
次の制御周期ではパルスカウント変数c=1であるからステップ203からステップ213,216を経てステップ217に進む。ステップ217では控えVd0,Vq0にパルス電圧ベクトル(−ΔVd ,−ΔVq )を加算し、これを電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )とする。すなわち式8,9により電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )を計算する。
Vd =Vd0−ΔVd ………▲8▼
Vq =Vq0−ΔVq ………▲9▼
【0044】
したがって電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )の各成分Vd ,Vq がVd0,Vq0を中心に予備の制御フローの最初の制御周期(c=0)では正側に大きく振れ、次の制御周期(c=1)では負側に大きく振れる。すなわち上記最初の制御周期と次の制御周期よりなる小期間に電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )の各成分は平均が0のパルス時系列により補正される。ステップ215で上記最初の制御周期と同様に位置角度θを求め、この位置角度θに基づいてステップ210〜212を実行する。
【0045】
ステップ226ではパルスカウント変数cが1ステップづつインクレメントしていくから続く制御周期(c=2)ではステップ213,216を経てステップ217に進み、回転座標上の電圧指令ベクトルの成分Vd ,Vq はそれぞれ控えVd0,Vq0に対して負側に大きく振れる。さらに続く制御周期(c=3)ではステップ213からステップ214に進み、電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )の成分Vd ,Vq はそれぞれ控えVd0,Vq0に対して正側に大きく振れる。すなわちこの2つの制御周期よりなる小期間に電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )の各成分は平均が0のパルス時系列により補正される。しかして通常の制御フローから予備の制御フローに切り替わると、補正期間の最初の連続する4制御周期におけるパルス電圧ベクトルの各成分ΔVd ,ΔVq はそれぞれ比が1:−1:−1:1で、後半の小期間のパルス時系列は前半の小期間におけるパルス電圧ベクトルを反転したパルス時系列となっており、各小期間における平均が0である。
【0046】
上記4制御周期が終了し、パルスカウント変数cが4になるとステップ203,213,216,218を経てステップ219に進む。ステップ219,220,221,224,225では通常の制御フローのステップ205〜209と同様の手順を実行する。すなわち位置角度θを式1により計算する(ステップ219)。ここでは電圧指令ベクトルがパルス電圧ベクトル(ΔVd ,ΔVq )により大きいものになっているから位置角度θは精度良好に計算される。次いで固定座標上の電流ベクトル(ix ,iy )を式2により回転座標上の電流ベクトル(id ,iq )に変換し(ステップ220)、角速度ωを式3により計算し(ステップ221)、PI制御により電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )を求める(ステップ224)。そしてステップ224で求めた電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )の各成分を控えVd0,Vq0に格納するとともに、電圧指令ベクトルの大きさVを式4により計算する(ステップ225)。
【0047】
次の制御周期ではパルスカウント変数cが5になるからステップ203,213,216を経て218からステップ222に進む。ステップ222では位置角度θを1周期前の制御周期においてステップ219,221で計算した位置角度θ、角速度ωに基づいてステップ215と同様に外挿して求める。次いでこの位置角度に基づいてステップ206と同様に固定座標上の電流ベクトル(ix ,iy )を回転座標上の二相の電流ベクトル(id ,iq )に変換し(ステップ223)、上記ステップ224に進む。
【0048】
次の制御周期ではパルスカウント変数c=6(N>6の場合)であるからステップ203で電圧指令ベクトルの大きさVが下限値Vthより大きいとき(V>Vthのとき)は、補正期間が終了し通常の制御フローとなる。また電圧指令ベクトルの大きさVが下限値Vthより小さいとき(V<Vthのとき)は再びステップ213,216,218を経てステップ222に進む。すなわち後の制御周期では更新される電圧指令ベクトルの大きさVが下限値Vthより小さく(V<Vthのとき)、パルスカウントc≦N−1である限りステップ222〜224を実行する。すなわち角速度ωが一定として位置角度θを線形に外挿して求める。そして上記位置角度θ、角速度ωに基づいて電流ベクトル(id ,iq )、電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )を得る。その後、補正期間は終了する。
【0049】
上記センサレス制御システムの作動についてシミュレーションを実施した。シミュレーションを実施したPMモータの仕様は極対数が2、d軸インダクタンスLd が8mH、q軸インダクタンスLq が18mH、電機子抵抗Ra が0.19Ω、磁束φa が0.3Wbで、シミュレーション条件は回転速度30rpm一定(慣性モーメントが十分大きいとした)である。また計算を簡単にするため位置角度と角速度の検出誤差がないものとした。またインバータ22は、電源電圧が300V、直流短絡防止時間のPWM周期に対する割合が5%と仮定し、直流短絡防止時間における誤差電圧を15Vと見積もっている。そしてパルス電圧ベクトルの大きさはΔVq を上記誤差電圧の2倍の30Vとした。そしてトルク指令を1Nmとし、対応する電圧指令ベクトルの大きさが数Vになるようにして通常の制御フローが困難な状況を設定した。
【0050】
図4は上記シミュレーションの結果を示すもので、(A)は電圧指令ベクトルのq軸成分Vq である。補正期間の最初のVq は連続する4制御周期にΔVq ,−ΔVq ,−ΔVq ,ΔVq よりなるパルスが現れる。このように前半の2制御周期よりなる小期間における電圧波形たるパルス波形と後半の2制御周期よりなる小期間における電圧波形たるパルス波形とは時間を反転した対称形で、電圧指令ベクトルはかかるパルス波形を連続して並べた波形のパルス電圧ベクトルにより補正される。電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )に直流短絡防止時間の誤差電圧(15V)よりも大きな30Vのパルス電圧ベクトルを加えることで上記4制御周期に続く制御周期では位置角度θ、角速度ωが精度良好に計算され、これらの計算結果に基づいて逐次電圧指令ベクトルを計算して良好にモータを制御することができる。(B)は電圧指令ベクトルに応答する回転座標上の電流ベクトルのq軸成分Iq である。上記パルス時系列により、前半の2制御周期では正側に電流リプルが生じており、後半の2制御周期では負側に電流リプルが生じている。電圧パルス幅が電機子巻線の時定数(Lq /Ra =0.094秒)より十分短いから電流リプルはパルス電圧の時間積分値に等しいプロファイルをなし三角形である。前半の2制御周期の電流リプルの正側の大きさΔiq と負側の大きさΔiq`は略等しく、前半の2制御周期の電流リプルのプロファイルと後半の2制御周期の電流リプルのプロファイルとは対称形となる。(C)はPMモータのトルクを示すものである。上記電流リプルに応じて上記電流リプルのように三角形のトルクリプルが正負対称形に生じている。しかして上記4制御周期におけるトルクリプルの平均は0でありトルクの制御に影響は小さい。
【0051】
(第2実施形態)
上記実施形態において、式1により位置角度θの計算をするとき、右辺は分母の計算結果が小さいと実質的に発散し、その計算精度は悪くなる。角速度が大きく、位置角度θが回転座標のd軸と固定座標のx軸が略一致する位置角度であればこのようなことはないが上記予備の制御フローへの切り替えが必要なトルク指令や角速度の領域ではこの状態が継続するとPMモータの制御性が悪化するおそれがある。そこで図3の制御フローのステップ203とステップ213の間に新たな手順を追加した。これを図5に示し、相違点を中心に説明する。ステップ203で予備の制御フローに切り替わるとステップ310に進む。1周期前の制御周期のステップ204またはステップ226でcがリセットされているからステップ310からステップ321に進む。ステップ321では最近の予備の制御フローにおける方位角αに進角値Δαを加算し、方位角を更新する。次いで方位角αを2πと比較し(ステップ322)、α<2πであればステップ330に進み、α≧2πであればαから2πを減算して新たに方位角αとして(ステップ323)αが大きくなりすぎないようにしてからステップ330に進む。
【0052】
ステップ330では式10,11によりパルス電圧ベクトル(ΔVd ,ΔVq )を設定する。なおΔVは予めROM(図1)に記憶してある一定値である。
【0053】
【数5】
Figure 0003568675
【0054】
本実施形態では予備の制御フローに切り替わった最初の制御周期で以上のごとくパルス電圧ベクトル(ΔVd ,ΔVq )を最も近い過去の予備の制御フローにおけるパルス電圧ベクトル(ΔVd ,ΔVq )に対して進角値Δα回転させて設定するから、パルス電圧ベクトル(ΔVd ,ΔVq )が略全方位にばらつく。この結果、式1による位置角度θの計算に際し、分母の取る値の範囲が広がる。これにより上記予備の制御フローへの切り替えが必要なトルク指令や角速度の領域においても、式2による位置角度θの計算において、特定の位置角度で継続して分母が小さくなって、上記特定の位置角度の計算精度が継続して低下し、PMモータ1の制御不良を起こすことが防止される。
【0055】
(第3実施形態)
本発明の第3の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法を図6に示す。図3の制御フローのステップ203とステップ213の間に制御手順を追加し、図5のステップ321〜323の手順に代えて別の手順としたもので、相違点を中心に説明する。第2実施形態ではパルス電圧ベクトル(ΔVd ,ΔVq )の方位角αを一定の進角値Δαずつ回転するようにしたが、図6のステップ324では方位角αを式12により設定する。rand()は0から1までの乱数で、αは0から2πまでの値をランダムに取る。しかしてパルス電圧ベクトル(ΔVd ,ΔVq )が略全方位にばらつく。
【0056】
【数6】
Figure 0003568675
【0057】
(第4実施形態)
本発明の第4の永久磁石界磁同期電動機の制御方法を図7に示す。図3の制御フローのステップ203,213,214,216,217,218の手順に代えて別の手順としたものであり、図中、図3と同一番号を付したものは実質的に同じ手順を示すので相違点を中心に説明する。ステップ401で実行される手順は図3のステップ203の手順においてパルスカウント変数cを1≦c≦5の範囲に有るかどうかを判定するのではなく1≦c≦3の範囲に有るかどうかを判定するようにしたものである。そして電圧指令ベクトルの大きさVが下限値Vthより小さくなる(V<Vth)と通常の制御フローから予備の制御フローに切り替わりステップ402に進む。
【0058】
ステップ402ではパルス電圧ベクトル(ΔVd ,ΔVq )の成分ΔVq を式13により計算する。ここでΔVd は予めROM38に記憶されている。式13はトルクの時間微分が0を条件としてPMモータの電圧方程式を解いて決定したもので、以下に説明する。
【0059】
【数7】
Figure 0003568675
【0060】
PMモータの電圧方程式を式14に示す。またPMモータが発生させるトルクは式15のように表せる。式16は式15を時間で微分したものである。
【0061】
【数8】
Figure 0003568675
【0062】
トルクが一定すなわちdT/dt=0のとき、did /dtとdiq /dtが満たす条件は式17となる。しかして電流リプルΔid /Δt,Δiq /Δtは、その比が式18を満たすときトルクリプルを0とすることができる。この場合の電圧指令ベクトルは電圧方程式14に電流リプルΔid /Δt,Δiq /Δtをdid /dt,diq /dtとして代入したVd ,Vq となる。したがって電圧方程式14においてpid ,piq =0としたVd ,Vq (予備の制御フローに切り替わる前の電圧指令ベクトルに対応)との差がパルス電圧ベクトル(ΔVd ,ΔVq )となる。パルス電圧ベクトル(ΔVd ,ΔVq )について式19,20を得る。これと式18よりパルス電圧ベクトルの成分ΔVd ,ΔVq の間の関係式13を得る。
【0063】
【数9】
Figure 0003568675
【0064】
次いで予備の制御フローに切り替わった最初の制御周期(c=0)ではステップ403からステップ214に進み、電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )の成分Vd ,Vq はそれぞれ控えVd0,Vq0に対して正側に振れる。本実施形態でも共通する図3のステップ226でパルスカウント変数cが1ステップづつインクレメントするからさらに続く制御周期(c=1)ではステップ403,404からステップ217に進み、電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )の成分Vd ,Vq はそれぞれ控えVd0,Vq0に対して負側に振れる。しかして通常の制御フローから予備の制御フローに切り替わると電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )は以後連続する2制御周期よりなる期間に比が1:−1のパルス電圧ベクトルにより補正される。ステップ215以降の手順は図3に示しものと同様である。
【0065】
続く制御周期(c=2)ではステップ405からステップ219に進み、上記補正期間にパルス電圧ベクトルで補正された電圧指令ベクトル(Vd ,Vq )に応答する相電流に基づいて第1実施形態と同様に位置角度θを式1により計算する。そしてさらに続く制御周期以降(c≧3)はステップ405からステップ222に進み、位置角度θを、前の制御周期の位置角度を外挿して求める。次いで第1実施形態と同様にステップ223以降の手順を実行する。
【0066】
上記制御システムの作動についてシミュレーションを実施した。シミュレーションを実施したPMモータの仕様およびシミュレーション条件は第1実施形態と同じである。パルス電圧ベクトル(ΔVd ,ΔVq )はΔVd =30VでΔVq は式13により計算した数値を使用した。
【0067】
図8は上記制御方法のシミュレーションの結果を示すもので、(A)は回転座標上の電圧指令ベクトルのd軸成分Vd である。Vd は連続する2制御周期よりなる期間にΔVd ,−ΔVd よりなるパルス時系列をなしている。(B)は回転座標上の電圧指令ベクトルのq軸成分Vq である。Vq は連続する2制御周期にΔVq ,−ΔVq よりなるパルス時系列をなしている。(C),(D)は電圧指令ベクトルに応答する回転座標上の電流ベクトルのd軸成分id 、q軸成分iq である。上記パルス時系列により、2制御周期では正側に三角形の電流リプルが生じている。(E)はPMモータのトルクを示すもので、トルクリプルのない平坦なトルク特性が得られた。しかして電圧指令ベクトルに直流短絡防止時間の誤差電圧(15V)よりも大きな30Vのパルス電圧ベクトルを加えることで位置角度、角速度が精度良好に計算され上記誤差電圧(15V)による精度の低下が防止される。上記期間に続く制御周期ではこれらの位置角度、角速度に基づいて逐次電圧指令ベクトルを計算して良好にモータを制御することができる。しかもパルス電圧ベクトルが加えられてもその補正期間中におけるトルクのリプルは0でトルクの制御性に影響がなく、良好なトルクの制御性が得られる。
【0068】
なお第1、第4実施形態において、図3のステップ203とステップ213の間、または図7のステップ401とステップ402の間に式1の分母の絶対値を予め設定した下限値と比較し、その結果に応じてパルス電圧ベクトルの大きさ(ΔVd ,ΔVq )を設定する手順を設けてもよい。すなわち式1の分母の絶対値が上記下限値より小さいときはパルス電圧ベクトルの補正量(Δvd ,Δvq)をパルス電圧ベクトル(ΔVd ,ΔVq )に加算し(第4実施形態の場合にはΔVd に補正量Δvd を加算し、新たなΔVd から式13によりΔVq を計算する)これをこの補正期間におけるパルス電圧ベクトルとし、式1の分母の絶対値が上記下限値より大きいときは補正を行わない。これにより第2、第3実施形態のごとく上記予備の制御フローへの切り替えが必要なトルク指令や角速度の領域においても、式1による位置角度θの計算において、特定の位置角度で継続して分母が小さくなって、上記特定の位置角度の計算精度が継続して低下することなく、PMモータの制御不良が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法を実施した装置のブロック図である。
【図2】本発明の第1の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法を示す別のフローチャートである。
【図4】本発明の第1の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法を示すフロ−チャ−トである。
【図7】本発明の第4の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法を示すフロ−チャ−トである。
【図8】本発明の第4の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法を示すグラフである。
【符号の説明】
1 PMモータ(永久磁石界磁同期電動機)
2 インバータ(交流電力発生手段)

Claims (10)

  1. 電圧指令ベクトルを入力とする多相の交流電力発生手段により上記電圧指令ベクトルに応じた相電圧が印加されて作動する永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法であって、制御周期ごとに上記電圧指令ベクトルに応答する上記永久磁石界磁同期電動機の相電流を検出し、検出した相電流と上記電圧指令ベクトルとに基づいて上記永久磁石界磁同期電動機の回転子の位置角度と回転速度とを演算し、演算した上記位置角度および上記回転速度とトルク指令値とにより上記電圧指令ベクトルを逐次設定して上記永久磁石界磁同期電動機のトルクの制御を行なう永久磁石界磁同期電動機の制御方法において、上記電圧指令ベクトルの大きさを予め設定した下限値と比較して上記電圧指令ベクトルの大きさが上記下限値より小さいとき、これ以後の所定数の制御周期よりなる期間を補正期間とし、該補正期間には制御周期ごとにパルス電圧ベクトルを上記補正期間における平均が略0となるように上記電圧指令ベクトルに加算し、これを補正後の電圧指令ベクトルとして上記交流電力発生手段に入力せしめる永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法。
  2. 請求項1記載の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法において、上記補正期間の少なくとも最初に複数の連続する小期間を設け、上記パルス電圧ベクトルは、これを各小期間における平均が略0となるようにするとともに、連続する前後の小期間では上記パルス電圧ベクトルの各成分の時間積分値の経時的なプロファイルを対称形とし、かつ上記プロファイルが一方の電圧波形では略正側に形成され、他方の電圧波形では略負側に形成されるようにする永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法。
  3. 請求項2記載の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法において、上記パルス電圧ベクトルは、上記小期間における平均値が略0の電圧波形を時間方向に連続して並べた波形でなり、かつ相前後する電圧波形が時間方向に対称な対称形とする永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法。
  4. 請求項3記載の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法において、連続する前後の電圧波形は、後の小期間における上記電圧波形を構成する上記パルス電圧ベクトルの各成分のパルスの時系列が、前の小期間におけるパルス時系列を正負反転してなる永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法において、上記パルス電圧ベクトルを上記補正期間ごとに異ならしめ、かつその平均を略0とする永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法。
  6. 請求項5記載の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法において、上記パルス電圧ベクトルは、新たな補正期間の度に一定の角度回転する永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法。
  7. 請求項5記載の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法において、上記パルス電圧ベクトルの方向を上記補正期間ごとに乱数で決定する永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法。
  8. 請求項1記載の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法において、上記パルス電圧ベクトルを、上記トルクの時間微分が0であることを条件とする上記永久磁石界磁同期電動機の電圧方程式を満たすように設定する永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法。
  9. 請求項1ないし8いずれか記載の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法において、上記位置角度の正接が実質的に発散するかどうかを判定し、上記位置角度の正接が実質的に発散するときは、上記パルス電圧ベクトルの大きさを予め設定した補正量を加算した大きさに変更する永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法。
  10. 請求項1ないし9いずれか記載の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法において、上記電圧指令ベクトルの大きとして上記電圧指令ベクトルのトルク電圧成分の大きさを用い、上記下限値として上記電圧指令ベクトルのトルク電圧成分について予め設定した下限値を用いて上記電圧指令ベクトルの大きさを予め設定した下限値と比較する永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法。
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