JP3567421B2 - 低床二重床を利用した空調システム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低床の二重床(OAフロア)を利用した空調システムの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、二重床の下部の空間を給気用チャンバーとして利用する全面床吹き出し空調が知られている。これは、空調エアを、空調機から給気チャンバーを経て、二重床の給気孔から室内に給気し、室内で発生する熱を伴う汚染質を、天井の排気孔aから還気チャンバーに向けて押し出すように排気し、居住者を常に新しい給気で包み込む方式である。この方式によれば、オフィスビルの改修では二重床(配線を床下に埋設するOAフロア)が要望される傾向にあり、この場合、上記した全面床吹き出し空調を採用すれば、天井埋込ダクト吹きによる空調方式によるダクト、冷媒配管、ドレン配管を大幅に削減することが可能となる。
【0003】
一方、改修の対象となるオフィスビルは天井高さが低い(2,600〜2,650mm程度)ことが多く、その場合には低床の二重床(最小高さ80mm程度)を採用することになる。ところが、全面床吹き出し空調においては、二重床の最小高さは、奥行き方向の最遠端までの距離と風量によって決定されるものであり、低床の二重床を採用した場合には、空調機から遠くなる窓側ほど床面から室内へ供給される給気量が小さくなってしまい、その結果、外気温、日射等の外乱による負荷の変動の影響を受けやすいペリメータ側の領域(窓側領域)においては、快適な空調環境を維持することが困難であるという問題を生じてしまう。また、窓から離れた執務領域であるインテリア側の領域においては、二重床の下部の空間に電話線や電源コード等のケーブルが多く配線されるため、このケーブルが気流の障害となって均一な空気分布が得られないという問題を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この問題を解決するために、本出願人は、特願平9−168739号により、多数の給気孔を有する低床二重床と、該二重床の下部に設けられた給気チャンバと、窓側の各柱に設けられた柱一体型レタンダクトと、各レタンダクトの間に配設された窓カウンタ一体型空調機とを備え、前記レタンダクトからのレタン空気を前記空調機で空調し、空調エアを二重床の下部の給気チャンバを経て室内に吹き出させると共に、前記空調機の上部から窓下に吹き出させることを特徴とした低床二重床を利用した空調システムを提案している。
【0005】
これによれば、窓側空間の熱負荷の大部分は、柱上あるいは窓上からの排気と窓カウンタ一体型空調機から室内への直接吹出によって処理されるため、床下への給気を最低限の風量とすることができ、これにより低床の二重床であっても全面床吹出空調システムを用いることができる。その結果、窓上からの排気で取り切れなかった夏期の熱流及び日射輻射、また、冬季のコールドドラフトを緩和することができ、ペリメータ側の領域での快適な空調環境を達成することができる。
【0006】
しかしながら、柱一体型レタンダクトについては、その概念と例を示すにとどまり、実際には、柱構造材と仕上げ材である石膏ボードとの間隙をダクトとして利用するための工夫が必要になる。
【0007】
通常、柱廻りの内装工事では、図6に示すように、柱構造材の周囲に上部及び下部支持部材30a、30b、スタッド31及び振れ止め32からなる鋼製下地材33を組み立て、そこに仕上げ材である石膏ボードを二重貼りし、この柱構造材と仕上げ材である石膏ボードとの間隙を空気の経路とするものである。このとき、図7に示すように、上下方向の空気の流れAは横部材である振れ止め32の影響を多少受ける程度であるが、左右方向の空気の流れBは縦部材であるスタッド31の高い気密性が大きな抵抗となり阻害されやすい。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するものであって、柱一体型レタンダクトにおける必要風量を確保することができる低床二重床を利用した空調システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明の低床二重床を利用した空調システムは、多数の給気孔4aを有する低床二重床4と、該二重床の下部に設けられた給気チャンバ5と、窓側の各柱に設けられた柱一体型レタンダクト12と、各レタンダクトの間に配設された窓カウンタ一体型空調機13とを備えた空調システムにおいて、前記柱一体型レタンダクト12は、柱構造材22の周囲に縦方向に配設された複数のスタッド31と、各スタッドを連結する振れ止め32と、前記スタッドに取り付けられた仕上げ材34とからなり、前記スタッド31に空気流通穴36を形成したことを特徴とする。ない、柱一体型レタンダクト12の下端に接続され、給気チャンバー5内に隔壁37を設けて形成されたレタンチャンバ38を備え、柱一体型レタンダクト12のレタン空気が、レタンチャンバ38を経て窓カウンタ一体型空調機13に流れるようにしてもよい。なお、上記構成に付加した番号は、本発明の理解を容易にするために図面と対比させるもので、これにより本発明が何ら限定されるものではない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1〜図3は、本発明が適用される低床二重床を利用した空調システムの1例を示し、図1は模式的断面図、図2は図1の窓側部の斜視図、図3は図2の窓カウンタ一体型空調機の斜視図である。
【0011】
図1において、室1は、上下のスラブ2、3の間に形成され、室1の下部にはOAフロアである低床の二重床4が配設され、上部には天井6が配設されている。室1の窓11側の各柱構造材には、柱一体型レタンダクト12が配設され、各レタンダクト12の間に窓カウンタを兼用する窓カウンタ一体型空調機13が配設されている。この空調機13は、中央熱源式冷温水供給方式の空調機若しくは冷暖房兼用のヒートポンプ式空調機である。また、窓11の上部には窓上レタンダクト14が配設され、柱一体型レタンダクト12に連通されている。
【0012】
二重床4の下部で室1の中間部に対応する位置には、ロックウール等からなる区画形成部材15が配設され、この区画形成部材15よりペリメータ側の領域P(窓側の空間)の二重床4には、多数の給気孔4aが形成され、二重床4の下部に給気チャンバー5が形成されている。二重床4の上面には通気性のタイルカーペットが敷設される。また、区画形成部材15よりインテリア側の領域I(窓側から離れた執務空間)の二重床4の下部は通常の配線スペースとする。室1のインテリア側の領域I側には、吹出ユニット16が配設され、吹出ユニット16は、機械室17側に設けられたインテリア用空調機18に接続されている。このインテリア用空調機18も中央熱源式冷温水供給方式の空調機若しくは冷暖房兼用のヒートポンプ式空調機である。なお、19、20は還気口、21はヒートポンプ式空調機の場合における外気と熱源側熱交換器を熱交換させるための外気取入口である。
【0013】
図2には、柱構造材22の回りに一体に形成された柱一体型レタンダクト12と、各レタンダクト12の間に配設された窓カウンタ一体型空調機13が示されている。この空調機13は、図3に示すように、冷却兼加熱用の室内側熱交換器23、給気ファン25、バイパスファン27を有し、上部及び下部に窓下吹出口26a、床下吹出26bが形成されている。そして、柱一体型レタンダクト12からのレタン空気は、取入口29から窓カウンタ一体型空調機13に入り、バイパスファン27により、或は室内側熱交換器23により冷却または加熱された空調エアは、窓下吹出口26aから図1に示す室内のペリメータ領域Pに給気され、床下吹出口26bから図1に示す給気チャンバー5に給気される。
【0014】
上記構成からなる空調システムは、室1内のペリメータ側の領域Pにおいては、窓カウンタ一体型空調機13により床下吹出口26aから二重床4下部の給気チャンバー5に空調エアを給気し、給気孔4aからの全面床吹き出しにより空調すると共に、空調エアの一部は窓カウンター23の窓下吹出口26aから室内に給気する。この場合、二重床4が低床であっても、給気チャンバー5は区画形成部材15により区画されているため、奥行き方向の吹き出し風量の分布を均一にすることができる。インテリア側の領域Iにおいては、空調機18の吹出ユニット16から直接、空調エアが供給される。
【0015】
また、ペリメータ側の領域Pに給気された空調エアは、柱一体型レタンダクト12の上部及び窓上レタンダクト14から還気口19を経て柱一体型レタンダクト12内に吸い込まれ、これにより、夏期の日射により暖められた窓11から生じる熱流を効率良く吸い込むことができ、また、床下からの吹出気流への影響を減らすことができる。さらに、窓カウンタ一体型空調機13の窓下吹出口26aから室内に直接給気することにより、柱一体型レタンダクト12の上部及び窓上レタンダクト14からの還気で取り切れなかった夏期の熱流及び日射輻射、また冬季のコールド・ドラフトの影響を緩和させることができる。また、窓カウンタ一体型空調機13の前面板の材質を適正に選択することにより、居住者に近い位置からの冷輻射または温輻射により窓面からの日射及びコールドドラフトの影響をキャンセルすることができる。
【0016】
さらに、大規模ビルやOA機器の熱負荷等の内部発熱が大きく、冬季においてインテリア領域が冷房で、ペリメータ負荷が小さい場合には、給気用ファン25のみを運転する通風モードにより、室内上部の暖かい空気を直接、窓下吹出口26aから吹き出させ、窓ガラス表面温度を上げてコールドドラフトを防止すると同時に、窓ガラス面で熱交換することにより、その分だけインテリア領域での冷房負荷を低減させることができる。
【0017】
図4は、本発明における柱一体型レタンダクトの1実施形態を示し、図4(A)は断面図、図4(B)は図4(A)のスタッドと振れ止めの斜視図、図4(C)は係合穴の平面図である。
【0018】
図4(A)において、柱構造材22の周囲には、縦部材である断面コ字形状のスタッド31が所定間隔をおいて複数配設され、これらスタッドを貫通、係止するように横部材である断面コ字形状の振れ止め32が複数配設され、鋼製下地材33を構成している。そして、スタッド31に石膏ボード等からなる仕上げ材34が二重貼りされている。
【0019】
図4(B)に示すように、スタッド31には、係合穴35がパンチングにて形成されると共に、係合穴35間に空気流通穴36が同様のパンチングにて形成されている。係合穴35は、図4(C)に示すように、挿通部35aと、これよりも幅の狭い係止部35bとを有し、振れ止め32を挿通部35aに挿入した後、これを下方に押圧することにより係止部35bに固定するようにしている。
【0020】
上記構成からなる柱一体型レタンダクトは、上下方向の空気の流れは横部材である振れ止めの影響を多少受ける程度であり、左右方向の空気の流れは縦部材であるスタッド31の係合穴35を通って良好に流れ、柱一体型レタンダクトにおける必要風量を確保することができる。
【0021】
図5は、本発明における柱一体型レタンダクトの他の実施形態を示す斜視図である。本実施形態においては、柱一体型レタンダクト12の下端に、二重床4の下部の給気チャンバー5内に隔壁37を設けて、レタンチャンバ38を形成し、柱一体型レタンダクト12のレタン空気が、レタンチャンバ38、取入口39を経て窓カウンタ一体型空調機13に流れるようにしている。本実施形態によれば、給気チャンバ5の一部をレタンダクトとして利用するので、より大きな風量を確保することができる。
【0022】
【発明の効果】
限られた空間に必要風量を流通させるときにこの空間の抵抗が大きいと、同時使用される空調機のファンの能力を大きくしたり、柱構造体と仕上げ材の間隔を大きくしなければならないが、本発明によれば、この問題を解消し、柱一体型レタンダクトにおける必要風量を確保することができる。また、建築と設備を総合した形(内装・外装と空調)の改修工事が可能となり、総合的なコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される低床二重床を利用した空調システムの1例を示す模式的断面図である。
【図2】図1の窓側部の斜視図である。
【図3】図2の窓カウンタ一体型空調機の斜視図である。
【図4】本発明における柱一体型レタンダクトの1実施形態を示し、図4(A)は断面図、図4(B)は図4(A)のスタッドと振れ止めの斜視図、図4(C)は係合穴の平面図である。
【図5】本発明における柱一体型レタンダクトの他の実施形態を示す斜視図である。
【図6】従来の鋼製下地材の構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の課題を説明するための正面図である。
【符号の説明】
4…低床二重床、4a…給気孔
5…給気チャンバ
11…窓
12…柱一体型レタンダクト
13…窓カウンタ一体型空調機
22…柱構造材
31…スタッド
32…振れ止め
36…空気流通穴
38…チャンバ
【発明の属する技術分野】
本発明は、低床の二重床(OAフロア)を利用した空調システムの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、二重床の下部の空間を給気用チャンバーとして利用する全面床吹き出し空調が知られている。これは、空調エアを、空調機から給気チャンバーを経て、二重床の給気孔から室内に給気し、室内で発生する熱を伴う汚染質を、天井の排気孔aから還気チャンバーに向けて押し出すように排気し、居住者を常に新しい給気で包み込む方式である。この方式によれば、オフィスビルの改修では二重床(配線を床下に埋設するOAフロア)が要望される傾向にあり、この場合、上記した全面床吹き出し空調を採用すれば、天井埋込ダクト吹きによる空調方式によるダクト、冷媒配管、ドレン配管を大幅に削減することが可能となる。
【0003】
一方、改修の対象となるオフィスビルは天井高さが低い(2,600〜2,650mm程度)ことが多く、その場合には低床の二重床(最小高さ80mm程度)を採用することになる。ところが、全面床吹き出し空調においては、二重床の最小高さは、奥行き方向の最遠端までの距離と風量によって決定されるものであり、低床の二重床を採用した場合には、空調機から遠くなる窓側ほど床面から室内へ供給される給気量が小さくなってしまい、その結果、外気温、日射等の外乱による負荷の変動の影響を受けやすいペリメータ側の領域(窓側領域)においては、快適な空調環境を維持することが困難であるという問題を生じてしまう。また、窓から離れた執務領域であるインテリア側の領域においては、二重床の下部の空間に電話線や電源コード等のケーブルが多く配線されるため、このケーブルが気流の障害となって均一な空気分布が得られないという問題を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この問題を解決するために、本出願人は、特願平9−168739号により、多数の給気孔を有する低床二重床と、該二重床の下部に設けられた給気チャンバと、窓側の各柱に設けられた柱一体型レタンダクトと、各レタンダクトの間に配設された窓カウンタ一体型空調機とを備え、前記レタンダクトからのレタン空気を前記空調機で空調し、空調エアを二重床の下部の給気チャンバを経て室内に吹き出させると共に、前記空調機の上部から窓下に吹き出させることを特徴とした低床二重床を利用した空調システムを提案している。
【0005】
これによれば、窓側空間の熱負荷の大部分は、柱上あるいは窓上からの排気と窓カウンタ一体型空調機から室内への直接吹出によって処理されるため、床下への給気を最低限の風量とすることができ、これにより低床の二重床であっても全面床吹出空調システムを用いることができる。その結果、窓上からの排気で取り切れなかった夏期の熱流及び日射輻射、また、冬季のコールドドラフトを緩和することができ、ペリメータ側の領域での快適な空調環境を達成することができる。
【0006】
しかしながら、柱一体型レタンダクトについては、その概念と例を示すにとどまり、実際には、柱構造材と仕上げ材である石膏ボードとの間隙をダクトとして利用するための工夫が必要になる。
【0007】
通常、柱廻りの内装工事では、図6に示すように、柱構造材の周囲に上部及び下部支持部材30a、30b、スタッド31及び振れ止め32からなる鋼製下地材33を組み立て、そこに仕上げ材である石膏ボードを二重貼りし、この柱構造材と仕上げ材である石膏ボードとの間隙を空気の経路とするものである。このとき、図7に示すように、上下方向の空気の流れAは横部材である振れ止め32の影響を多少受ける程度であるが、左右方向の空気の流れBは縦部材であるスタッド31の高い気密性が大きな抵抗となり阻害されやすい。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するものであって、柱一体型レタンダクトにおける必要風量を確保することができる低床二重床を利用した空調システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明の低床二重床を利用した空調システムは、多数の給気孔4aを有する低床二重床4と、該二重床の下部に設けられた給気チャンバ5と、窓側の各柱に設けられた柱一体型レタンダクト12と、各レタンダクトの間に配設された窓カウンタ一体型空調機13とを備えた空調システムにおいて、前記柱一体型レタンダクト12は、柱構造材22の周囲に縦方向に配設された複数のスタッド31と、各スタッドを連結する振れ止め32と、前記スタッドに取り付けられた仕上げ材34とからなり、前記スタッド31に空気流通穴36を形成したことを特徴とする。ない、柱一体型レタンダクト12の下端に接続され、給気チャンバー5内に隔壁37を設けて形成されたレタンチャンバ38を備え、柱一体型レタンダクト12のレタン空気が、レタンチャンバ38を経て窓カウンタ一体型空調機13に流れるようにしてもよい。なお、上記構成に付加した番号は、本発明の理解を容易にするために図面と対比させるもので、これにより本発明が何ら限定されるものではない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1〜図3は、本発明が適用される低床二重床を利用した空調システムの1例を示し、図1は模式的断面図、図2は図1の窓側部の斜視図、図3は図2の窓カウンタ一体型空調機の斜視図である。
【0011】
図1において、室1は、上下のスラブ2、3の間に形成され、室1の下部にはOAフロアである低床の二重床4が配設され、上部には天井6が配設されている。室1の窓11側の各柱構造材には、柱一体型レタンダクト12が配設され、各レタンダクト12の間に窓カウンタを兼用する窓カウンタ一体型空調機13が配設されている。この空調機13は、中央熱源式冷温水供給方式の空調機若しくは冷暖房兼用のヒートポンプ式空調機である。また、窓11の上部には窓上レタンダクト14が配設され、柱一体型レタンダクト12に連通されている。
【0012】
二重床4の下部で室1の中間部に対応する位置には、ロックウール等からなる区画形成部材15が配設され、この区画形成部材15よりペリメータ側の領域P(窓側の空間)の二重床4には、多数の給気孔4aが形成され、二重床4の下部に給気チャンバー5が形成されている。二重床4の上面には通気性のタイルカーペットが敷設される。また、区画形成部材15よりインテリア側の領域I(窓側から離れた執務空間)の二重床4の下部は通常の配線スペースとする。室1のインテリア側の領域I側には、吹出ユニット16が配設され、吹出ユニット16は、機械室17側に設けられたインテリア用空調機18に接続されている。このインテリア用空調機18も中央熱源式冷温水供給方式の空調機若しくは冷暖房兼用のヒートポンプ式空調機である。なお、19、20は還気口、21はヒートポンプ式空調機の場合における外気と熱源側熱交換器を熱交換させるための外気取入口である。
【0013】
図2には、柱構造材22の回りに一体に形成された柱一体型レタンダクト12と、各レタンダクト12の間に配設された窓カウンタ一体型空調機13が示されている。この空調機13は、図3に示すように、冷却兼加熱用の室内側熱交換器23、給気ファン25、バイパスファン27を有し、上部及び下部に窓下吹出口26a、床下吹出26bが形成されている。そして、柱一体型レタンダクト12からのレタン空気は、取入口29から窓カウンタ一体型空調機13に入り、バイパスファン27により、或は室内側熱交換器23により冷却または加熱された空調エアは、窓下吹出口26aから図1に示す室内のペリメータ領域Pに給気され、床下吹出口26bから図1に示す給気チャンバー5に給気される。
【0014】
上記構成からなる空調システムは、室1内のペリメータ側の領域Pにおいては、窓カウンタ一体型空調機13により床下吹出口26aから二重床4下部の給気チャンバー5に空調エアを給気し、給気孔4aからの全面床吹き出しにより空調すると共に、空調エアの一部は窓カウンター23の窓下吹出口26aから室内に給気する。この場合、二重床4が低床であっても、給気チャンバー5は区画形成部材15により区画されているため、奥行き方向の吹き出し風量の分布を均一にすることができる。インテリア側の領域Iにおいては、空調機18の吹出ユニット16から直接、空調エアが供給される。
【0015】
また、ペリメータ側の領域Pに給気された空調エアは、柱一体型レタンダクト12の上部及び窓上レタンダクト14から還気口19を経て柱一体型レタンダクト12内に吸い込まれ、これにより、夏期の日射により暖められた窓11から生じる熱流を効率良く吸い込むことができ、また、床下からの吹出気流への影響を減らすことができる。さらに、窓カウンタ一体型空調機13の窓下吹出口26aから室内に直接給気することにより、柱一体型レタンダクト12の上部及び窓上レタンダクト14からの還気で取り切れなかった夏期の熱流及び日射輻射、また冬季のコールド・ドラフトの影響を緩和させることができる。また、窓カウンタ一体型空調機13の前面板の材質を適正に選択することにより、居住者に近い位置からの冷輻射または温輻射により窓面からの日射及びコールドドラフトの影響をキャンセルすることができる。
【0016】
さらに、大規模ビルやOA機器の熱負荷等の内部発熱が大きく、冬季においてインテリア領域が冷房で、ペリメータ負荷が小さい場合には、給気用ファン25のみを運転する通風モードにより、室内上部の暖かい空気を直接、窓下吹出口26aから吹き出させ、窓ガラス表面温度を上げてコールドドラフトを防止すると同時に、窓ガラス面で熱交換することにより、その分だけインテリア領域での冷房負荷を低減させることができる。
【0017】
図4は、本発明における柱一体型レタンダクトの1実施形態を示し、図4(A)は断面図、図4(B)は図4(A)のスタッドと振れ止めの斜視図、図4(C)は係合穴の平面図である。
【0018】
図4(A)において、柱構造材22の周囲には、縦部材である断面コ字形状のスタッド31が所定間隔をおいて複数配設され、これらスタッドを貫通、係止するように横部材である断面コ字形状の振れ止め32が複数配設され、鋼製下地材33を構成している。そして、スタッド31に石膏ボード等からなる仕上げ材34が二重貼りされている。
【0019】
図4(B)に示すように、スタッド31には、係合穴35がパンチングにて形成されると共に、係合穴35間に空気流通穴36が同様のパンチングにて形成されている。係合穴35は、図4(C)に示すように、挿通部35aと、これよりも幅の狭い係止部35bとを有し、振れ止め32を挿通部35aに挿入した後、これを下方に押圧することにより係止部35bに固定するようにしている。
【0020】
上記構成からなる柱一体型レタンダクトは、上下方向の空気の流れは横部材である振れ止めの影響を多少受ける程度であり、左右方向の空気の流れは縦部材であるスタッド31の係合穴35を通って良好に流れ、柱一体型レタンダクトにおける必要風量を確保することができる。
【0021】
図5は、本発明における柱一体型レタンダクトの他の実施形態を示す斜視図である。本実施形態においては、柱一体型レタンダクト12の下端に、二重床4の下部の給気チャンバー5内に隔壁37を設けて、レタンチャンバ38を形成し、柱一体型レタンダクト12のレタン空気が、レタンチャンバ38、取入口39を経て窓カウンタ一体型空調機13に流れるようにしている。本実施形態によれば、給気チャンバ5の一部をレタンダクトとして利用するので、より大きな風量を確保することができる。
【0022】
【発明の効果】
限られた空間に必要風量を流通させるときにこの空間の抵抗が大きいと、同時使用される空調機のファンの能力を大きくしたり、柱構造体と仕上げ材の間隔を大きくしなければならないが、本発明によれば、この問題を解消し、柱一体型レタンダクトにおける必要風量を確保することができる。また、建築と設備を総合した形(内装・外装と空調)の改修工事が可能となり、総合的なコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される低床二重床を利用した空調システムの1例を示す模式的断面図である。
【図2】図1の窓側部の斜視図である。
【図3】図2の窓カウンタ一体型空調機の斜視図である。
【図4】本発明における柱一体型レタンダクトの1実施形態を示し、図4(A)は断面図、図4(B)は図4(A)のスタッドと振れ止めの斜視図、図4(C)は係合穴の平面図である。
【図5】本発明における柱一体型レタンダクトの他の実施形態を示す斜視図である。
【図6】従来の鋼製下地材の構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の課題を説明するための正面図である。
【符号の説明】
4…低床二重床、4a…給気孔
5…給気チャンバ
11…窓
12…柱一体型レタンダクト
13…窓カウンタ一体型空調機
22…柱構造材
31…スタッド
32…振れ止め
36…空気流通穴
38…チャンバ
Claims (2)
- 多数の給気孔を有する低床二重床と、該二重床の下部に設けられた給気チャンバと、窓側の各柱に設けられた柱一体型レタンダクトと、各レタンダクトの間に配設された窓カウンタ一体型空調機とを備えた空調システムにおいて、前記柱一体型レタンダクトは、柱構造材の周囲に縦方向に配設された複数のスタッドと、各スタッドを連結する振れ止めと、前記スタッドに取り付けられた仕上げ材とからなり、前記スタッドに空気流通穴を形成したことを特徴とする低床二重床を利用した空調システム。
- 前記柱一体型レタンダクトの下端に接続され、給気チャンバー内に隔壁を設けて形成されたレタンチャンバを備え、柱一体型レタンダクトのレタン空気が、レタンチャンバを経て窓カウンタ一体型空調機に流れるようにしたことを特徴とする請求項1記載の低床二重床を利用した空調システム。
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-
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