JP3567040B2 - レンズ付きフイルムユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ付きフイルムユニットに関し、更に詳しくは、ICメモリを備えたフイルムカートリッジが装填されるレンズ付きフイルムユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
当技術分野で提案され、雑誌「写真工業」((株)写真工業出版社 1994年12月号 p.11)にも紹介されたAPS(Advanced Photo System)では、国際公開WO:90/04214号記載のような透明な磁気記録層を設けた写真フイルムが使用されている。この磁気記録層は写真撮影時にカメラから得られた撮影データなどを記録するために用いられ、そして現像所でこの撮影情報を読みだしてプリント処理その他に活用できるようにしてある。
【0003】
磁気記録層に書き込まれる撮影データとしては、一般のカメラにあってはシャッタ秒時や絞り値、あるいはストロボ撮影を行ったか否かなどの露出データの他、プリント写真のアスペクト比が標準指定,パノラマ指定,Lプリント指定のいずれであるか、または特開昭54−26721号公報記載のようなトリミング指示機能をもったカメラでは、そのトリミング範囲を示すためのプリントフォーマットデータ、さらに撮影年月日を表すデートデータ、またはカメラに設けられた入力手段からユーザーが任意に入力した文字データ(例えば撮影シーンに応じたタイトルやコメント)などがある。
【0004】
これらの撮影データはプリント処理を行う際に現像所で読み出され、例えば露出データはプリント時の露光制御に用いることができ、プリントフォーマットデータはプリント倍率の自動設定やネガマスク,印画紙マスクの切換え制御に用いることができ、カメラ側では一律の画面サイズで撮影してもユーザーが指定した形態のプリント写真を作ることができる。
【0005】
また、磁気記録層から読み出されたデートデータや文字データを、プリント時に文字パターンに変換して焼き込み処理を行うことによって、従来のカメラで用いられていた光学的なデータ写し込み装置が不要になる利点がある。しかもこれらの文字データ中に、そのプリント位置,プリント姿勢,プリントサイズ,プリントカラーに関するデータも含ませておけば、これまでのデータ写し込み装置では得られないデータ写し込みサービスを行うことも可能になる。
【0006】
さらに、上記磁気記録層にカメラの種別データを記録してプリント処理時の露光補正の要否判定や目安に利用したり、集合写真のようにプリント枚数が人数分必要なことが撮影時に分かるときにはそのプリント枚数データを記録しておくことによって、同時プリントサービスでも必要枚数のプリントを行うことができるようになる。また、この磁気記録層は、撮影時にカメラから得られる撮影データ以外にも、現像所において焼増しプリントを行うときのプリント枚数のデータや、プリント処理時の露光補正データ、あるいはプリントサービスの引受け日時や引受けナンバーなどのラボデータの記録に用いたりすることも可能である。
【0007】
上記写真フイルムが収納されるカートリッジは小型,軽量なので、レンズ付きフイルムユニットにも用いることが検討されている。しかしながら、磁気ヘッド及びその駆動機構を含む磁気記録装置を内蔵させる必要があり、レンズ付きフイルムユニットに用いるにはコストが高過ぎて採用することはできない。そのため、レンズ付きフイルムユニットに磁気記録層付き写真フイルムを装填しても、有効に利用することができない。
【0008】
特開昭56−154720号公報や特開平2−217829号公報では、フイルムカートリッジにICメモリ(半導体メモリ)を組み込んでおき、前述したような撮影データをこのICメモリに書き込んで現像所やユーザーが利用できるようにするシステムが提案されている。このシステムにおいても、磁気記録層を利用した場合とほぼ同様の機能を得ることができ、かつ磁気記録装置よりも低コストなので、回収後の再使用を図ればレンズ付きフイルムユニットにも採用可能である。なお、ICメモリが内蔵されたフイルムカートリッジを用いる場合には、カートリッジと写真フイルムとが分離され、これらの対応がとれなくなる場合も考えられるので、ラボ等でICメモリのデータを写真フイルムの磁気記録層に書き移すようにするとよい。
【0009】
レンズ付きフイルムユニットに上述のICメモリ内蔵のフイルムカートリッジを装填する場合、ICメモリへのデータ記録に用いられるデータ記録回路や、電源等がレンズ付きフイルムユニット内に必要となる。データ記録回路は、レンズ付きフイルムユニットに組み込まれているストロボ回路基板にストロボ回路と一緒に組み込むことができ、電源としてはストロボ用の乾電池を用いることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、ストロボ回路基板にデータ記録回路を設けた場合、ストロボ回路基板からカートリッジ収納室内のフイルムカートリッジまで配線をしなくてはならず、この配線は自動化することが難しいため手作業が必要となり、レンズ付きフイルムユニットの高コスト化を招いてしまう。また、ストロボ回路基板はレンズ付きフイルムユニットの使用後に再使用されるので、データ記録回路を組み込んでICメモリに接続しても、レンズ付きフイルムユニットから取り外しやすくなくてはならない。更に、ストロボ回路基板からICメモリまでの配線によってレンズ付きフイルムユニットが大型化してしまうと、携帯性が損なわれてしまうという問題がある。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためのもので、組立適正やリサイクル適正等を考慮しつつ、フイルムカートリッジのICメモリにデータを記録する機能を備えたレンズ付きフイルムユニットを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1記載のレンズ付きフイルムユニットは、ICメモリに撮影データを書き込むデータ記録回路をストロボ回路基板に設け、ICメモリとデータ記録回路とを接続するデータ中継手段をカートリッジ収納室に着脱自在に設け、ストロボ回路基板の一部をカートリッジ収納室の近傍まで延長し、この延長部にデータ中継手段に撮影データを出力するデータ出力部を設けたものである。これによれば、ストロボ回路基板からICメモリまでをリード線を用いて配線する必要がなくなり、自動組立てに適したものとなる。
【0013】
また、請求項2記載のレンズ付きフイルムユニットは、カートリッジ収納室に爪係合によって着脱自在に組み付けられるプリント基板と、このプリント基板に取り付けられ、カートリッジ収納室内のICメモリの接点群にそれぞれに当接する複数の金属接片と、カートリッジ収納室外に配置され、ストロボ回路基板のデータ出力部が接触あるいは非接触によって接続され、撮影データが入力されるデータ入力部とからデータ中継手段を構成したものである。このようにデータ中継手段の構成が簡素なので低コストであり、故障等の不具合も発生しにくい。また、回収後の取り外しも容易であり再利用に適している。
【0014】
さらに、請求項3記載のレンズ付きフイルムユニットは、ICメモリの接点群がカートリッジ収納室の上部側に設けられている場合、プリント基板をカートリッジ収納室の上部に組み付け、カートリッジ収納室の上面に形成された少なくとも一つの開口から複数の金属接片をカートリッジ収納室内に差し込むようにしたものである。これによれば、データ中継手段を省スペースにレンズ付きフイルムユニットに組み込むことができ、レンズ付きフイルムユニットの小型性を維持できる。
【0015】
また、請求項4記載のレンズ付きフイルムユニットは、データ出力部とデータ入力部の接続方向を、ストロボ回路基板のフイルムロール室前面への組み付け方向と同一にしたものである。これによれば、ストロボ回路基板の着脱時の移動を利用して、データ出力部とデータ入力部との接続及び接続解除を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に従って、本発明を実施したレンズ付きフイルムユニットの一形態について説明する。図1に示すように、ICメモリ付きフイルムカートリッジ2は、プラスチック製の上ケース3と下ケース4とからなるカートリッジ本体5内に、写真フイルム6を巻き付けたスプール7が回動自在に収納されている。
【0017】
スプール7の両端はカートリッジ本体5の両端面から露呈し、各々キー溝9が形成されている。上下ケース3,4の合わせ目の一方にはポート口(図示せず)が形成されたポート部10が設けられ、ポート口を通して写真フイルム6が出入りする。このポート口を開閉するために、ポート部10内には遮光蓋11が組み込まれ、その両端はスプール7と同様にカートリッジ本体5の端面から露呈し、各々キー溝12を有している。
【0018】
カートリッジ本体5内には特開平6−266053号公報で知られるようなフイルム送り出し機構が内蔵されている。そして、キー溝12を介して遮光蓋11を開くことによってスプール7の回転ロックが解除され、キー溝9を介してスプール7を図中時計方向に回転させることによって、写真フイルム6がポート口を通して頭出しされる。
【0019】
写真フイルム6の背面側全面には透明な磁気記録層が設けられている。この磁気記録層は、カメラやプリンター等に設けられた磁気記録装置によって、撮影データやプリント処理に必要なラボデータ等の記録に用いられる。また、メーカーが写真フイルム6の種別やフイルムIDナンバーの記録に利用することも可能である。
【0020】
また、カートリッジ本体5のポート部10の近傍には、カートリッジ本体5のIDナンバーを表すバーコードラベル(図示せず)が貼付されている。このIDナンバーは、カートリッジ本体5に収納された写真フイルム6のIDナンバーと共通のもので、カートリッジ本体5と写真フイルム6とを一対一に対応づける。写真フイルム6のIDナンバーは、写真フイルム6の製造時にサイドプリントにより潜像としてバーコード記録されるが、これとともに上記のように磁気記録しておいてもよい。
【0021】
符号14は、写真フイルム6の種別や撮影可能枚数がバーコードで記録されたディスクを示す。このディスク14はスプール7と一体に回転し、カメラあるいはプリンタに設けられたバーコードリーダーによってデータ内容が読み取られる。
【0022】
カートリッジ本体5には、ICメモリ16を含むメモリ基板17が組み込まれている。ICメモリ16には記憶保持用に電源を要しないEEPROMが用いられるが、メモリ基板17あるいはカートリッジ本体5の適宜個所にバックアップ電源の組み込みができれば、他のメモリを用いることも可能である。
【0023】
ICメモリ16は、周知のワイヤボンディング手法によってメモリ基板17に電気的に接続された後、エポキシ樹脂によりメモリ基板17と一体化される。メモリ基板17の一部には複数の接片を放射状に並べて複数の接点が形成された接点群18が設けられており、スプール7の端部を取り囲むようにカートリッジ本体5の端面に露呈している。この接点群18は、メモリ基板17に組み付けられたICメモリ16と、このICメモリ16にデータの書込みや読出しを行う外部機器との接続に利用される。なお、ICメモリ16には、例えばメモリ容量1〜2kbit程度のローコストのものが用いられているが、記録するデータの内容やコストとの兼ね合いでさらにメモリ容量の大きなものを利用することも可能である。
【0024】
このフイルムカートリッジ2は、レンズ付きフイルムユニットだけではなく一般のカメラ用にも出荷されることになるが、レンズ付きフイルムユニット用に分けられたものについては、予めICメモリ16の所定のアドレス域にLF識別データと製造年月日データとが基礎データとして書き込まれる。LF識別データは、このフイルムカートリッジ2がレンズ付きフイルムユニットに装填して用いられたことを表し、また製造年月日データは、詳しくは後で述べるように現像所で撮影日時をプリント写真に書き込む際に利用される。
【0025】
図2にレンズ付きフイルムユニットの構成を概略的に示す。レンズ付きフイルムユニットは、ボディ基部20,露光ユニット21,ストロボユニット22,前カバー23,後カバー24と、ボディ基部20に装填されるフイルムカートリッジ2とからなるユニット本体と、図示しないがユニット本体の外側を各操作部を露出させて装飾的に覆う紙箱とから構成されている。ボディ基部20には、暗箱部26の両側にカートリッジ収納室27,フイルムロール室28が一体に形成され、メーカー段階でそれぞれカートリッジ本体5と写真フイルム6がロール状に巻かれたフイルムロール29とが装填される。
【0026】
露光ユニット21は、従来のレンズ付きフイルムユニットと同様に、シャッタチャージ機構,フイルム巻止め機構,カウンタ送り機構,シャッタ駆動機構及びシャッタ羽根,撮影レンズを含む他、ファインダ系を構成する対物レンズ30と接眼レンズ31とが組み込まれている。図3に示すように、カートリッジ収納室27の上部には巻上げダイヤル32が取り付けられ、その下面には一体に設けた巻上げ軸33の先端がフイルムカートリッジ2のスプール7の上端キー溝9に係合するようになっている。
【0027】
巻上げダイヤル32を図中反時計方向に回動操作すると、スプール7の回転によって写真フイルム6がカートリッジ本体5に巻き込まれる。写真フイルム6にはフイルム1コマ間隔でパーフォレーション35が2個ずつ形成されており、露光ユニット21に組み込まれた2歯スプロケットがこれらに係合することに応答してフイルム巻止め機構が作動して巻上げダイヤル32にロックをかける。この間のフイルム給送に連動してシャッタチャージが行われる。
【0028】
そして、シャッタレリーズ操作により撮影が行われ、以後これを繰り返すことによって写真フイルム6の後端側(スプール7に係止された側)から先端側に向かって順次に撮影が行われるようになる。なお、短い間隔で並んだ2個のパーフォレーション35をもとにしてフイルム1コマ送り制御が行われるが、実際の撮影コマは仮想線37で示すようにパーフォレーション35の長い間隔に合わせた位置に露光されるように決められている。
【0029】
ストロボユニット22は、ストロボ回路基板39とこれに組み付けられたストロボ発光部40とから構成されている。ストロボ回路基板39にはストロボ発光用のメインコンデンサ41,シンクロスイッチ42,電源電池(単3電池)43等が組み付けられている。ボディ基部20の右端部に組み込まれたメインスイッチ44が、前カバー23の操作ボタン45の押圧によってストロボ回路基板39のスイッチパターン部46に接触すると、メインコンデンサ41への充電が行われる。
【0030】
シンクロスイッチ42は、露光ユニット21に組み込まれたシャッタ羽根が開放した瞬間にオンする。シンクロスイッチ42のオン信号はストロボを発光させるタイミング信号として用いられるとともに、1回の撮影が行われたことの検知信号としても用いられる。
【0031】
上記ストロボ回路基板39にはメインコンデンサ41等からなるストロボ回路の他に、データ記録回路である記録制御IC48と、反射型のフォトセンサ49とが組み付けられている。記録制御IC48は、CPUの他にプログラムメモリ,クロック発振器及びカウンタを内蔵しており、電源電池43が装填され、ストロボ回路基板39に組み込まれた昇圧回路からの給電を受けた時点(ICメモリ16に記録された製造年月日)からクロックパルスの個数をカウンタで計数する。記録制御IC48には、さらにシンクロスイッチ42のオン信号と、ストロボ撮影を行ったか否かの信号とが入力される。フォトセンサ49は発光部と受光部とを有しており、その前面に高反射板が位置しているか否かを検知し、その検知信号を記録制御IC48に入力する。
【0032】
ストロボ回路基板39には、ストロボ発光部40の側方からカートリッジ収納室27に向けて伸ばされた延長部51が一体に形成されている。この延長部51は、ファインダの対物レンズ30の前方を横切るため、ファインダの機能を損ねないための開口51aが形成されている。延長部51の端部の背面側には、記録制御IC48からの撮影データを出力するデータ出力部であるプラグ52が組み付けられている。このプラグ52には、背面側に向かって複数本の接続ピン52aが立設されている。
【0033】
上記プラグ52は、カートリッジ収納室27の前面外壁に配置されたデータ入力部であるコネクタ54に接続される。このコネクタ54は、ストロボ回路基板39とICメモリ16とを接続するデータ中継手段に含まれるもので、図1に示すように、カートリッジ収納室27の上部に取り付けられるプリント基板55に組み付けられている。なお、コネクタ54の接続部分はボディ基部20の前面側を向いているので、ストロボ回路基板39をボディ基部20へ組み付ける際の移動を利用して、プラグ52とコネクタ54とを接続することができる。
【0034】
プリント基板55にはコネクタ54の他に、複数個の金属接片56が組み付けられている。これらの金属接片は、プリント基板55の中央部に巻上げダイヤル32との干渉を避けるために形成された開口55a内に放射状に突出するように組み付けられている。プリント基板55には、各金属接片56とコネクタ54との間を電気的に接続する配線パターンが形成されており、穴55b,55cにカートリッジ収納室27の上部に形成されたピン57a,57bが挿入されて位置決めされ、爪部材58a,58bによって着脱自在に固着される。
【0035】
カートリッジ収納室27の上部には、巻上げダイヤル32を支持するスリーブ60が設けられており、このスリーブ60の外周には金属接片56と同数の開口61が形成されている。複数個の金属接片56は、開口61からカートリッジ収納室27内に差し込まれ、カートリッジ本体5の接点群18にそれぞれ接触される。各金属接片56は円弧状に湾曲されて弾性を付与されているので、確実に接点群18に当接することができる。このようにデータ中継手段は、コネクタ54と金属接片56とを介して、ストロボ回路基板39の記録制御IC48とICメモリ16とを接続する。
【0036】
前述のスリーブ60には、開口61を光密に塞ぐためのキャップ62が被せられる。このキャップ62の中央には、巻上げダイヤル32の巻上げ軸33が挿通される開口62aが形成されており、下面にはプリント基板55の開口55a内に挿入される突条63が形成されている。この突条63は、金属接片56に当接して下方に押圧する作用も有しており、金属接片56の接点群18への接触をより確実なものとする。
【0037】
なお、フイルムカートリッジ2は、これまでの135サイズのフイルムパトローネと異なり、スプール7の駆動の他に遮光蓋11も外部駆動する必要がある。したがって、カメラやレンズ付きフイルムユニットに装填したときに、キー溝9及びキー溝12の双方に外部からの駆動部材を正しく係合させなくてはならない。このため、カートリッジ本体5自体はカートリッジ収納室27内で浮かせておき、スプール7の両端でカートリッジ本体5の位置決めを行い、スプール7を中心にした回転方向ではカートリッジ本体5に自由度を与えるシェルフロートと称される形で保持するようにしてある。このように、シェルフロートによりカートリッジ本体5をカートリッジ収納室27内に保持することによって、さらに遮光蓋11のキー溝12に開閉部材を係合させることが容易となる。
【0038】
シェルフロート方式でカートリッジ本体5の装填位置を決めた場合、上記のようにメモリ基板16の接点群18をスプール7の端部を取り囲む位置に設けておくと、金属接片56と接点群18との接触を良好に保つことが可能となり、しかも遮光蓋11のキー溝12と開閉部材との係合時にカートリッジ本体5を自由に回動させることができる。もちろん、このときの回動量は誤差範囲内のわずかなものであるから、金属接片56が接点群18の他の個所に誤接続されることはない。
【0039】
前カバー23はボディ基部20の前面を覆うように組み付けられる。前カバー23の前面には、撮影レンズ,ストロボ発光部40を前面に露呈させる開口の他、ファインダ系の視野範囲を規定する対物窓65が形成されている。対物窓65のアスペクト比はハイビジョンTV画面と同じ9:16となっており、このアスペクト比が写真フイルム6の標準アスペクト比となっている。
【0040】
対物窓65の背後にはマスク板66がスライド自在に組み込まれている。つまみ67を操作してこのマスク板66を対物窓65の背後に挿入すると、ファインダ視野範囲がアスペクト比が約1:2.8のパノラマ範囲に制限される。マスク板66をこの位置に移動させると、これと一体に設けられた信号板68がフォトセンサ49の前面に位置する。信号板68の裏面には高反射材が設けられているため、シンクロスイッチ42がオンした瞬間にフォトセンサ49の出力を監視することによって、マスク板66を標準位置,パノラマ位置のいずれにセットして撮影を行ったを識別することができる。
【0041】
なお、マスク板66に代えて他の視野範囲切替え機構を用いれば、標準視野範囲,パノラマ視野範囲の他に、従来のLプリントサイズのアスペクト比に対応した視野範囲を加えてもよく、この場合にも撮影時にその切替え操作部材のセット位置を電気的あるいは光電的に検知し、選択された視野範囲を識別することが可能である。
【0042】
前カバー23の上面にはシャッタボタン70が一体に設けられている。シャッタチャージの完了後にシャッタボタン70を押圧すると、露光ユニット21に組み込まれたシャッタ機構が作動して撮影が行われる。後カバー24は、ボディ基部20の背面及び底面を光密に覆う。カートリッジ収納室27の底面を覆う底蓋71にはボス72が突設され、図3に示すようにスプール7の下端を支持してカートリッジ本体5をシェルフロート方式で保持する。
【0043】
次に、上記レンズ付きフイルムユニットの作用について説明する。レンズ付きフイルムユニットの組み立ては、パレット上にボディ基部20が位置決めされた状態で一定速度で搬送され、この搬送途中で各部品がボディ基部20に組み付けられていく。ボディ基部20には、最初に暗箱部26の前面側に露光ユニット21が爪係合によって着脱自在に組み付けられる。次いで、カートリッジ収納室27の上部にデータ中継手段であるプリント基板55が組み付けられる。
【0044】
プリント基板55は、穴55b,55cにカートリッジ収納室27の上面に形成されたピン57a,57bが挿入されて位置決めされ、端縁の2か所に爪部材58a,58bが係合されることでカートリッジ収納室27の上部に容易に固着される。また、プリント基板55に組み付けられた複数の金属接片56は、スリーブ60の周囲に形成された開口61に挿入され、カートリッジ収納室27内に突出される。更にコネクタ54は、カートリッジ収納室27の前面側に接続部分を前方に向けて配置される。
【0045】
ボディ基部20には、プリント基板55が組み付けられた後にキャップ62と巻上げダイヤル32とが組み付けられる。キャップ62は、プリント基板55の上からスリーブ60に被せられ、下面の突条63がプリント基板55の開口55aに挿入される。このキャップ62の上から、開口62aに巻上げダイヤル32の巻上げ軸33が挿入される。なお、キャップ62はボディ基部20やプリント基板55に係止しないが、上部から巻上げダイヤル32に押さえられるので、プリント基板55から浮き上がることはなく、カートリッジ収納室27内の遮光を損ねることはない。
【0046】
更に、カートリッジ本体5の取出し時に遮光蓋11を自動的に閉じる機構を組み付ける場合には、プリント基板55及びキャップ62の組付け前や組付け後、更には一緒に組み付けるようにしてもよい。
【0047】
次に、ストロボユニット22がフィルムロール室28の前面側に爪係合によって着脱自在に組み付けられる。このストロボユニット22の組み付けの際に、ストロボ回路基板39の延長部51に組み付けられたプラグ52がコネクタ54に嵌合され、接続ピン52aと金属接片56とが電気的に接続される。このように、プラグ52とコネクタ54とが嵌合される方向は、ストロボユニット22のボディ基部20への組み付け方向と同一であるため、従来のストロボユニット自動組付け装置に延長部51を押圧する手段を設ければ、容易に従来の装置を流用することができる。
【0048】
機能的なユニット部品が全て組み付けられたボディ基部20の前面には、マスク板66がスライド自在に組み付けられた前カバー23が固着される。また、カートリッジ収納室27にはカートリッジ本体5が、フィルムロール室28にはフイルムロール29が装填され、暗箱部26の背後には1コマ目の写真フイルム6が配置される。カートリッジ本体5は、上部から突出された巻上げ軸33がスプール7のキー溝9に係合され、プリント基板55に組み付けられた各金属接片56がメモリ基板17の接点群18にそれぞれ接触される。これにより、ICメモリ16と記録制御IC48とが電気的に接続されたことになる。
【0049】
カートリッジ本体5が装填されたボディ基部20の背面には、後カバー24が固着され、底蓋71等によってカートリッジ収納室27とフイルムロール室28との底面が閉じられる。カートリッジ本体5は、ボス72によってシェルフロート方式でカートリッジ収納室27内に支持される。後カバー24は、レンズ付きフイルムユニット内の遮光能の向上とフイルムカートリッジ2の詰替え防止のために、適宜個所がボディ基部20に溶着される。
【0050】
完成したユニット本体には、底面側から電源電池43がセットされる。これにより、記録制御IC48でカウンタによるクロックパルスの計数が開始される。また、ユニット本体の外側に紙箱が被せられてレンズ付きフイルムユニットが完成し、各種機能検査等を経てメーカーから出荷される。
【0051】
こうして製造されたレンズ付きフイルムユニットは一般ユーザーが購入して撮影に利用される。撮影操作が行われると、ストロボ撮影の有無にかかわらず1回の撮影ごとにシンクロスイッチ42が1回オンする。このオン信号が記録制御IC48に入力されると、記録制御IC48はストロボ撮影が行われたか否か、ファインダ系が標準視野範囲とパノラマ視野範囲とのいずれに設定されていたかを識別する。ストロボ撮影の有無は、メインコンデンサ41が放電されたか否かにより電気的に識別することができ、また視野範囲のセット位置はフォトセンサ49の出力により識別することができる。
【0052】
記録制御IC48は、ストロボ撮影を行ったか否かを表すストロボデータを露出データとして、またファインダ視野範囲の識別情報をプリントフォーマットデータとして認識する。これらの撮影データと記録制御IC48内のカウンタで計数されているクロックパルスの個数データとは、各撮影コマごとにストロボ回路基板39の延長部51,プラグ52,コネクタ54,プリント基板55,金属接片56,接点群18を介してICメモリ16に記録される。
【0053】
使用済みになったレンズ付きフイルムユニットは、そのままの状態でユーザーからDPE取扱店に渡される。DPE取扱店では、プリント依頼を受けたレンズ付きフイルムユニットごとにバーコードシールを貼付する。このバーコードシールにはDPE取扱店ごとのDPEコードと引き受けナンバーが表されており、現像所ではこれを目安にして現像,プリント処理を行い、またその後の納品処理に利用することができる。
【0054】
現像所では、DPE取扱店から送られてきたレンズ付きフイルムユニットからフイルムカートリッジ2を取り出すが、その前に巻上げダイヤル32を回転させて全ての写真フイルム6をカートリッジ本体5内に巻込み、その後に専用の治具を用いて遮光蓋11を閉じる。なお、遮光蓋11の閉じ作業を効率化するために、フイルムカートリッジ2をレンズ付きフイルムユニットから取り出す際の底蓋71の開放操作に連動して、自動的に遮光蓋11を閉じるような機構をレンズ付きフイルムユニットに組み込んでおくことも可能である。
【0055】
取り出されたフイルムカートリッジ2は、ICメモリ16に記録されている撮影データが写真フイルム6の磁気記録層に転記される。写真フイルム6は、カートリッジ本体5からいったん分離され、現像処理とプリント処理とが施されてから再びカートリッジ本体5に収納され、プリント写真とともにユーザーに返却される。
【0056】
フイルムカートリッジ2が取り出されたレンズ付きフイルムユニットは、メーカーに回収される。メーカーではレンズ付きフイルムユニットの分解ラインにおいてボディ基部20からストロボユニット22,露光ユニット21,プリント基板55が取り外される。ストロボユニット22は、ストロボ回路基板39から爪部材の係合を解除し、プラグ52をコネクタ54から抜き取ることにより容易に取り外すことができる。プリント基板55は、巻上げダイヤル32とキャップ62とをカートリッジ収納室27の上部から取り外し、爪部材58a,58bの係合を解除することにより容易に取り外すことができる。ストロボユニット22,露光ユニット21,プリント基板55は、検査を経て再利用される。
【0057】
なお、上記実施形態では、プラグとコネクタとを用いて、ストロボ回路基板とICメモリとを接続したが、さらにコストダウンを図る場合には、ストロボ回路基板の延長部に記録制御ICにつながる銅箔部を露出させ、プリント基板に複数個の金属接片で接点部を形成し、これらの銅箔部と接点部とを接触させるようにしてもよい。また、レンズ付きフイルムユニットに加えられる振動や衝撃等で、銅箔部と接点部との当接が外れないように、カートリッジ収納室の側面にプリント基板と延長部とを係止する爪部材を設けるとよい。
【0058】
さらに、プラグ(データ出力部)とコネクタ(データ入力部)との間の撮影データの授受は、接続ピンとコネクタ内の金属接片との直接的な接触による電気的接続によって行ったが、例えば、記録制御ICによって発光されるLEDと、このLEDの発光状態を検知してカートリッジ本体のICメモリに書き込む受光素子とからデータ入出力部を構成してもよい。この場合には、受光素子の側にも電源が必要となるが、プラグとコネクタのように両者を接続する必要がないので、レンズ付きフイルムユニットの組み立て及び分解時の工数が削減できる。
【0059】
また、プリント基板をカートリッジ収納室内に組み込み、コネクタをカートリッジ収納室の側面に形成した開口から外部に露呈させるようにしてもよい。この場合には、カートリッジ収納室の上面に金属接片を挿入する開口は必要なくなる。更に、カートリッジ本体に組み込まれたICメモリの接点群がカートリッジ本体の下側の端面に露呈される場合には、ストロボ回路基板の下部をカートリッジ収納室側に延長させてもよい。この場合には、電源電池を保持する金属接片を延長部に組み付けることができる。また、底蓋の開放に連動して遮光蓋を閉じ位置に回動させる機構を設ける場合には、これをプリント基板に組み付けておき、プリント基板とともに再利用することもできる。
【0060】
上記実施形態では、記録制御ICとして1チップのマイクロコンピュータを用い、プログラムに基づいてメモリICへのデータ記録を制御しているが、この制御を各種のロジック回路等で構成した記録制御ICで行うこともできる。以下に、この例について説明する。なお、以下に説明する以外の部分については、上記実施形態と同様であり、同じ構成部材については同符号を付して説明する。
【0061】
レンズ付きフイルムユニット及びICメモリ付きのフイルムカートリッジのシステム概略を示す図4において、レンズ付きフイルムユニットのユニット本体80は、電源の電池43と、この電池43を電源として作動する回路ユニット81と、ストロボ発光部40に内蔵されたXe管(ストロボ放電管)82と、シンクロスイッチ42,ファインダ系の選択された視野範囲に応じてON,OFFされるモードスイッチ83等を内蔵している。また、ユニット本体80には、ICメモリ85を内蔵したフイルムカートリッジ2が装填される。
【0062】
回路ユニット81は、記録制御IC90,水晶発振子91,ストロボ回路92等から構成されており、記録制御IC90は、ストロボ撮影を行ったか否かを表すストロボ情報とファインダ視野範囲のファインダ情報は識別データとして、また製造時から現在までの累計時間を累計時間データとしてICメモリ85に記録する。
【0063】
回路ユニット81とその周辺回路の詳細な構成を示す図5、及び記録制御IC90の内部構成を示す図6において、電池43は、抵抗95を介して駆動電圧V3(例えば約1V)を記録制御IC90のVCC1端子に給電し、また電源電圧VCC(1.5V)をVcc2端子に直接に給電する。記録制御IC90は、VCC1端子を介して給電される駆動電圧V3によって常時作動状態とされて、ICメモリ85へのデータ書き込み制御等を行う。また、VCC2端子に給電される電源電圧VCCは、記録制御IC90内で駆動電圧VDD(3V)に昇圧され、この駆動電圧VDDが記録制御IC90からICメモリ85に給電される。
【0064】
モードスイッチ83は、ファインダの視野範囲を標準視野範囲とパノラマ視野範囲とに切り換えるマスク板に連動してON,OFFされるスイッチであって、マスク板がパノラマ視野範囲に切り換えられた時にONとなり、これをパノラマ(PANORAMA) 信号として、記録制御IC90に送る。ストロボ回路92は、メインコンデンサ,充電回路,トリガ回路等を備えており、充電スイッチ45がオンとなるとメインコンデンサを充電し、シンクロスイッチ42がONとなった時に発生するシンクロ(SYNC) 信号に応答してXe管82にトリガ電圧を印加してストロボ発光を行う。また、このストロボ回路92には、ストロボ識別スイッチ96が内蔵されている。このストロボ識別スイッチ96は、例えば半導体スイッチであって、ストロボ発光が行われると、一定時間の間だけONとされ、ストロボ(STROBE)信号を記録制御IC90に送る。
【0065】
記録制御IC90は、発振回路100,時間発生回路101,時間計測回路102,書き込み制御回路103,シリアル/パラレル変換回路(以降、P/S変換回路という)104,倍電圧回路105,イニシャライズ回路106から構成されている。発振回路100は、水晶発振子91が接続されており、この水晶発振子91を用いて一定周期のクロック(CLK)を時間発生回路101に送る。
【0066】
時間発生回路101は、多段の非同期バイナリカウンタで構成されており、発振回路100からのクロックを分周して1時間毎に時間パルス(HP)を発生し、これを時間計測回路102に送る。時間計測回路102は、多段のバイナリカウンタで構成され、時間パルス数を累積時間データとしてカウントすることで、累積時間を計測する。この時間計測回路102は、製造時に外部からリセット(RST)信号が入力されることにより、計測している累積時間データが「0」にリセットされ、例えば、最大で32768時間(約3.7年分)を計測することができるようにされている。時間計測回路102で計測された累積時間データは、P/S変換回路104にパラレルに送られる。なお、リセット信号は、時間発生回路101,書き込み制御回路103にも入力され、これらの回路101,103の製造時にリセットされて初期化される。
【0067】
書き込み制御回路103には、フイルムカートリッジ2のICメモリ85へのデータの書き込み制御を行うものであって、シンクロ信号,パノラマ信号,ストロボ信号が入力される。この書き込み制御回路103は、シンクロ信号の入力から所定時間の経過後にパノラマ信号とストロボ信号の有無を調べ、これらの有無に応じた識別データをP/S変換回路104に送る。また、書き込み制御回路103は、ICメモリ85にデータ書き込みを行う際に、倍電圧回路105を作動させる。なお、この書き込み制御回路103は、シンクロ信号の入力により、例えば、ラッチ信号をP/S変換回路104に送り、その時点の時間計測回路102の累積時間データをP/S変換回路104にセットする。
【0068】
倍電圧回路105は、書き込み制御回路103でその作動が制御されて、ICメモリ85へデータ書き込みを行う時にだけ作動状態にされる。この倍電圧回路105は、電池43とVCC2 端子を介して接続されており、作動時には電池43からの給電を受けて、電源電圧VCCをICメモリ85の駆動電圧VDDに変換し、ICメモリ85に給電する。これにより、ICメモリ85へのデータ書き込みを行う時にだけ、倍電圧回路105が作動され、電池43の電力を有効に利用できるようにされている。
【0069】
P/S変換回路104には、時間計測回路102からの累積時間データと、書き込み制御回路103からの識別データとがそれそれパレラルに入力される。このP/S変換回路104は、パラレルな累積時間データと識別データとをそれぞれシリアルデータ(SDA)に変換して、ICメモリ85に送る。なお、書き込み制御回路103には、発振回路100からのクロックを分周して得られる所定周期のクロックが入力されており、書き込み制御回路103は、このクロックをICメモリ85に同期クロック(SCL)として送出し、P/S変換回路104は、同期クロックに同期させてシリアルデータを1ビットずつICメモリ85に送る。
【0070】
イニシャライズ回路106は、外部から初期化(INIT)信号を入力することで、ユニット本体80に装填されたフイルムカートリッジ2のICメモリ85の内容を初期化する。この初期化はレンズ付きフイルムユニットの製造時に行われる。
【0071】
ICメモリ85は、3V(=VDD)の電圧で作動されるEEPROMが用いられており、同期クロックに同期して入力されるシリアルな累積時間データ及び識別データを1ビットずつラッチして、所定のアドレスにそのデータを書き込む。なお、アドレスは、書き込み制御回路103に内蔵したアドレスカウンタで撮影コマ及びデータの種類毎にカウントされる。そして、このアドレスカウンタの内容がP/S変換回路104を介してシリアルにICメモリ85に送られ、ICメモリ85でデコードすることで、アドレスが指定される。
【0072】
また、回路ユニット81にはI/Fポート(図示省略)が設けられており、このI/Fポートに外部のコンピュータ110のインターフェース回路(I/F)110aが接続される。そして、このコンピュータ110を操作することで、記録制御IC90へのリセット信号及びイニシャライズ信号の入力と、ICメモリ85の内容の読み出し及び書き込みを行うことができる。製造時には、このコンピュータ110で初期化された時点の製造年月日と、時間計測回路102がリセットされた時点の時間の基礎データがICメモリ85の所定アドレスに書き込まれる。
【0073】
上記構成の作用について説明する。図7はレンズ付きフイルムユニットの製造からプリント写真の作成までの工程を概略的に表している。まず、工場でレンズ付きフイルムユニットのユニット本体が製造されるとともに、ICメモリ85がフイルムカートリッジ2のカートリッジ本体5内に組み付けられ、このフイルムカートリッジ2がユニット本体80に装填される。また、電池43が装着され、回路ユニット81と接続される。
【0074】
電池43を装着することで、この電池43からの給電により記録制御IC90が作動状態となり、発振回路100が一定周期のクロックを発生し、このクロックが時間発生回路101に入力され、時間計測回路102が1時間経過毎に時間発生回路101から発生する時間パルスで累積時間データをカウントアップするようになる。次に、回路ユニット81のI/Fポートにコンピュータ110が接続され、このコンピュータ110から記録制御IC90にイニシャライズ信号が入力される。これにより、記録制御IC90内のイニシャライズ回路が作動して、ユニット本体80内に装填されたフイルムカートリッジ2のICメモリ85が初期化され、ICメモリ85にはデータが記憶されていない状態となる。
【0075】
ICメモリ85を初期化した後に、コンピュータ110は、リセット信号を記録制御IC90に送る。このリセット信号の入力により、時間発生回路101,時間計測制御回路102,書き込み制御回路103がそれぞれ初期化される。続いて、コンピュータ110は、記録制御IC90のI/Fポートを介して、ICメモリ85の所定アドレスにリセット信号を送出した時点の年月日と時間(時分秒)を基礎データとして書き込む。このようにすることで、時間発生回路101は、リセット信号が入力された時点から1時間毎に時間パルスを時間計測回路102に送出するようになり、この時間計測回路102は、リセット信号が入力された時点、すなわちICメモリ85に書き込まれた基礎データに示される時点からの時間を1時間毎に計測するようになる。
【0076】
このようにして、基礎データの書き込みが終了したユニット本体80(レンズ付きフイルムユニット)は、所定の検査を受けた後に、工場から出荷され、一般ユーザに渡る。一般ユーザの使用時には、撮影では、撮影者は、マスク板を操作してファインダ視野を標準視野範囲またはパノラマ視野範囲のいずれかに切り換えて撮影を行う。マスク板が標準視野範囲の位置に移動された場合には、モードスイッチ83はOFFとなり、パノラマ信号を発生せず、またパノラマ視野範囲の位置に移動された場合には、モードスイッチ83はONとなって、パノラマ信号が記録制御IC90に入力された状態となる。そして、撮影が行われると、ストロボ発光の有無にかかわらずシンクロスイッチ42がONとされ、シンクロ信号が記録制御IC90の書き込み制御回路103と、ストロボ回路92とに入力される。
【0077】
ここで、ストロボ回路92は、メインコンデンサが充電されていると、トリガ電圧をXe管82に印加してストロボ発光を行う。そして、このストロボ発光が行われるとストロボ識別スイッチ96がONとなり、一定時間だけストロボ信号が記録制御IC90に入力される。また、ストロボ発光が行われなかった場合には、ストロボ識別スイッチ96がOFFとされたままであり、ストロボ信号が発生しない。なお、ストロボ識別スイッチ96と同様にモードスイッチ83についても一定時間だけONとなるようにしてもよい。
【0078】
書き込み制御回路103は、シンクロ信号が入力されると、まず倍電圧回路105を作動状態にして、電池43からの電源電圧VCCを駆動電圧VDDに昇圧し、、ICメモリ85への駆動電圧VDDの給電を開始する。この給電により、ICメモリ85がデータ書き込み可能な状態になる。また、ストロボ信号及びパノラマ信号の入力の有無に基づいて、例えば、ラッチ回路に識別データをラッチする。もちろん、この識別データのラッチはシンクロ信号の入力から短時間で行われる。
【0079】
さらに、書き込み制御回路10は、ラッチ信号をP/S変換回路104に送り、この時点の時間計測回路102の累積時間データをP/S変換回路104にセットする。この後に、書き込み制御回路103が同期クロックの送出を開始する。これにより、P/S変換回路104は、同期クロックに同期させたタイミングでセットされた累積時間データをシリアルデータに変換して、ICメモリ85に送出する。そして、ICメモリ85は、入力された累積時間データを、撮影された撮影コマの累積時間データに対応するアドレスに書き込む。
【0080】
P/S変換回路104が累積時間データの送出を完了すると、次に、書き込み制御回路103は、ラッチした識別データをP/S変換回路104にセットし、この後に、再び同期クロックを送出を開始する。これにより、P/S変換回路104から識別データのシリアルデータがICメモリ85に送られ、この識別データが撮影された撮影コマの識別データに対応するアドレスに書き込まれる。このようにして、ICメモリ85には、基礎データで表される時点から撮影時点までに計測された累積時間の累積時間データと、ストロボ発光の有無、ファインダ視野の情報からなる識別データが書き込まれる。
【0081】
識別データの書き込み完了後には、書き込み制御回路103は倍電圧回路105を不作動にし、電池43の電力消費を低減する。以降同様にして、撮影が行われる毎に累積時間データと識別データとがICメモリ85に書き込まれる。
【0082】
使用済みになったレンズ付きフイルムユニットは、そのままの状態でユーザーからDPE取扱店あるいは現像所等に出される。DPE取扱店では、レンズ付きフイルムユニットからフイルムカートリッジ2を取り出して、所定のデータ読み出し装置で、基礎データ及び撮影コマ毎の累積時間データと識別データとをICメモリ85から読み出す。そして、識別データは、現像時またはプリント時の露光補正やプリントフォーマットの決定に利用される。また、累積時間データは、基礎データに表される年月日及び時間に、撮影コマ毎に累積時間データで表される時間を加算することで、撮影年月日,時間が算出される。
【0083】
得られた識別データや撮影年月日,時間は、写真フイルム6の現像前あるいは後に、写真フイルム6の磁気記録層に磁気記録されたり、ICメモリ85に書き込まれる。そして、現像済の写真フイルム6は、再びカートリッジ本体5に収納されて、顧客に返却される。また、算出顧客の希望に応じて、得られた撮影年月日がプリント写真に焼き付けられる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレンズ付きフイルムユニットは、データ記録回路が設けられたストロボ回路基板の一部をカートリッジ収納室の近傍まで伸ばし、この延長部のデータ出力部から、ICメモリに接続されたデータ中継手段に撮影データを入力するようにしたので、リード線を用いて配線を行う必要がなく、自動組立てに適しているので製造コストを抑えることができる。
【0085】
また、データ中継手段をの構成をプリント基板等からなる簡素なものとしたので低コストであり、更にレンズ付きフイルムユニットへの着脱を爪係合によって容易に行えるので、故障等も少なく再利用に適している。
【0086】
更に、データ中継手段をカートリッジ収納室の上部に組み付けたので省スペースに組み込むことができ、レンズ付きフイルムユニットのサイズや携帯性の良さを維持できる。また、データ出力部とデータ入力部との接続方向を、ストロボ回路基板のレンズ付きフイルムユニットへの組み付け方向と同一にしたので、ストロボ回路基板の着脱時の移動を利用して、データ出力部とデータ入力部とを接続することができ、作業効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズ付きフイルムユニット及びカートリッジ収納室近傍の構成を示す外観斜視図である。
【図2】ユニット本体の構成を示す分解斜視図である。
【図3】フイルムカートリッジ収納時のカートリッジ収納室の要部断面図である。
【図4】レンズ付きフイルムユニット及びICメモリ付きフイルムカートリッジのシステム構成を示す概略図である。
【図5】回路ユニットの構成を示す概略図である。
【図6】記録制御ICの内部構成を示す概略図である。
【図7】レンズ付きフイルムユニットの製造及び処理工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 フイルムカートリッジ
5 カートリッジ本体
6 写真フイルム
7 スプール
11 遮光蓋
16 ICメモリ
17 メモリ基板
18 接点群
39 ストロボ回路基板
51 延長部
52 プラグ
54 コネクタ
55 プリント基板
56 金属接片
Claims (4)
- 撮影データが書き込まれるICメモリを内蔵したフイルムカートリッジが装填されるカートリッジ収納室と、ロール状にされた写真フイルムが収納されるフイルムロール室と、このフイルムロール室の前面側に着脱自在に組み付けられるストロボ回路基板とを備えたレンズ付きフイルムユニットにおいて、
前記ICメモリに撮影データを書き込むデータ記録回路をストロボ回路基板に設け、ICメモリとデータ記録回路とを接続するデータ中継手段をカートリッジ収納室に着脱自在に設け、ストロボ回路基板の一部をカートリッジ収納室の近傍まで延長し、この延長部にデータ中継手段に撮影データを出力するデータ出力部を設けたことを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。 - 前記データ中継手段は、カートリッジ収納室に爪係合によって着脱自在に組み付けられるプリント基板と、このプリント基板に組み付けられ、カートリッジ収納室内のICメモリの接点群にそれぞれ当接する複数の金属接片と、カートリッジ収納室外に配置され、ストロボ回路基板のデータ出力部が接触あるいは非接触によって接続されて撮影データが入力されるデータ入力部とからなることを特徴とする請求項1記載のレンズ付きフイルムユニット。
- 前記ICメモリの接点群はカートリッジ収納室の上部側に設けられており、プリント基板はカートリッジ収納室の上部に組み付けられ、カートリッジ収納室の上面に形成された少なくとも一つの開口から複数の金属接片をカートリッジ収納室内に差し込むことを特徴とする請求項2記載のレンズ付きフイルムユニット。
- 前記データ出力部とデータ入力部とが接続される方向は、ストロボ回路基板がフイルムロール室の前面に組み付けられる際に移動される方向と同一方向であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載のレンズ付きフイルムユニット。
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