JP3566576B2 - ハイブリット車用駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンとモータとを連結して動力源としたパラレルタイプのハイブリット車輌における駆動装置に係り、詳しくはトルクコンバータ等の流体伝動装置を有する自動変速機にモータを付設したハイブリット車用駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トルクコンバータ付き自動変速機にモータ・ジェネレータを付設して、発進時、加速時等にモータ・ジェネレータの駆動力をエンジン駆動力にアシストし、また降坂路走行時、制動時にモータ・ジェネレータをジェネレータとして機能してエンジンブレーキ効果を補い、また制動エネルギを回生して燃費を向上すると共に排気ガス排出量を低減させるパラレルハイブリット車用駆動装置が、例えば特開平9−215270号公報(従来技術1)、特開平5−30605号公報(従来技術2)、特開平5−024447号公報(従来技術3)により提案されている。
【0003】
上記従来技術1のものは、モータ・ジェネレータを収納したモータハウジングをエンジンとトルクコンバータを収納したミッションハウジングとの間に挟むように配置してある。また、上記従来技術2のものは、トルクコンバータのポンプインペラとタービンランナとの間に、モータ・ジェネレータがバイパスして装着されている。上記従来技術3のものは、トルクコンバータから自動変速機構を介して出力軸に至る駆動系の所定要素と駆動系を覆うケースとの間に、モータ・ジェネレータが装着されており、具体的にはトルクコンバータと自動変速機構との間又は自動変速機構の伝動後ろ側にモータ・ジェネレータが配置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術1のように、モータ・ジェネレータを内燃エンジンとトルクコンバータとの間に配置すると、モータ・ジェネレータの長さ分軸方向に長くなり、変速機及びエンジンを含む装置全体の全長が長くなって、車輌搭載上に問題を生じる。また、全長が長くなることを抑えるため、モータ・ジェネレータの軸方向長さの短縮化を図ることも考えられるが、モータ(ジェネレータ)の出力トルクは、ロータとステータの長さにより定まるので、モータの必要出力トルクを確保しつつ全長を短くすることは困難である。
【0005】
また、前記従来技術2のように、該モータ・ジェネレータをトルクコンバータとロックアップクラッチとの間に軸方向に並列して配置する場合、モータ・ジェネレータの長さ分上述と同様に軸方向長さが長くなり、またモータ・ジェネレータをトルクコンバータと径方向に並べて配置する場合、トルクコンバータ部分の外径側にモータ・ジェネレータが重なり、径方向寸法が大きくなり、最低地上高の確保が困難になると共に、車輌搭載性が悪くなる。なお、この場合、モータ・ジェネレータが大径化するため、モータ(ジェネレータ)の出力トルクの確保は比較的容易となるが、トルクコンバータの径はエンジンの出力トルクにより定まるため、その外径に配置されるモータ・ジェネレータを小径化することはできない。
【0006】
更に、前記従来技術3のように、モータ・ジェネレータをトルクコンバータと自動変速機構との間、又は自動変速機構の後ろ側に配置すると、モータ・ジェネレータの径を大きくすることが困難となり、限られたスペースでモータ(ジェネレータ)の出力トルクを確保することが難しい。
【0007】
そこで、本発明は、軸方向及び径方向寸法が大きくなることを防止した、ハイブリット車用駆動系装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は、変速機構(2)と、エンジンのクランク軸(52)及び前記変速機構の入力軸(10)の間に介在され、ロックアップクラッチ(3)を有する流体伝動装置(5)と、ステータ(42)及びロータ(43)を有し、該ロータを前記流体伝動装置の入力部(30)に連結したモータ(6)と、を備えてなるハイブリット車用駆動装置において、
前記ロックアップクラッチ(3)が、前記流体伝動装置のトーラスよりエンジン側にあってかつ該トーラス外径より小径に構成され、
前記モータ(6)のステータ(42)及びロータ(43)が、前記ロックアップクラッチ(3)の外径側にて該ロックアップクラッチと軸方向にオーバラップする位置に配置されてなる、
ことを特徴とするハイブリット車用駆動装置にある。
請求項2に係る本発明は、変速機構(12)と、エンジンのクランク軸(52)及び前記変速機構の入力軸(10)の間に介在され、ロックアップクラッチ(3)を有する流体伝動装置(5)と、ステータ(42)及びロータ(43)を有し、該ロータを前記流体伝動装置の入力部(30)に連結したモータ(6)と、を備えてなるハイブリット車用駆動装置において、
前記ロックアップクラッチ(3)が、前記流体伝動装置のトーラスよりエンジン側にあってかつ該トーラス外径より小径に構成され、
前記モータ(6)が、前記ロックアップクラッチ(3)の外径側にて該ロックアップクラッチと軸方向にオーバラップする位置に配置され、
前記ロックアップクラッチ(3)は、周方向に配置したコイルスプリングからなるダンパスプリング(41)を有し、
該ダンパスプリングが、前記ロックアップクラッチの摩擦板部分(36,37)の内径側にて該摩擦板部分と軸方向にオーバラップする位置に配置されてなる、
ハイブリット車用駆動装置にある。
請求項3に係る本発明は、変速機構(2)と、エンジンのクランク軸(52)及び前記変速機構の入力軸(10)の間に介在され、ロックアップクラッチ(3)を有する流体伝動装置(15)と、ステータ(42)及びロータ(43)を有し、該ロータを前記流体伝動装置の入力部(30)に連結したモータ(6)と、を備えてなるハイブリット車用駆動装置において、
前記ロックアップクラッチ(3)が、前記流体伝動装置のトーラスよりエンジン側にあってかつ該トーラス外径より小径に構成され、
前記モータ(6)が、前記ロックアップクラッチ(3)の外径側にて該ロックアップクラッチと軸方向にオーバラップする位置に配置され、
前記流体伝動装置(5)は、タービンランナ(16)及び前記ロックアップクラッチ(3)を覆いかつポンプインペラ(17)と前記クランク軸(52)及び前記ロータ(43)とを連結するフロントカバー(30)を有し、
該フロントカバーが、その中間部に軸方向に延びる部分(30b)を有し、該部分の外径側に前記モータ(6)を配置し、かつ前記部分の内径側に前記ロックアップクラッチ(3)を配置し、
前記ロータ(43)が、前記フロントカバー(30)に直接連結されてなる、
ハイブリット車用駆動装置にある。
【0009】
請求項4に係る本発明は、前記ロックアップクラッチが多板クラッチである、
請求項1ないし3のいずれか記載のハイブリット車用駆動装置にある。
【0011】
請求項5に係る本発明は、前記流体伝動装置(5)は、タービンランナ(16)及び前記ロックアップクラッチ(3)を覆いかつ前記ポンプインペラ(17)と前記クランク軸(52)及び前記ロータ(43)とを連結するフロントカバー(30)を有し、
該フロントカバーが、その中間部に軸方向に延びる部分(30b)を有し、該部分の外径側に前記モータ(6)を配置し、かつ前記部分の内径側に前記ロックアップクラッチ(3)を配置してなる、
請求項1又は2記載のハイブリット車用駆動装置にある。
【0012】
請求項6に係る本発明は、前記ロータ(43)の回転位置を検出するセンサ(46)を備え、
該センサが、前記ステータ(42)の内径側にて前記ロックアップクラッチ(3)と径方向にオーバラップする位置に配置されてなる、
請求項1ないし5のいずれか記載のハイブリット車用駆動装置にある。
【0013】
請求項7に係る本発明は、前記モータ(6)が、モータハウジング(15)に収納されると共に、該モータハウジングに前記ステータ(42)が固定され、
該モータハウジング(15)が、前記流体伝動装置を覆うハウジング(12)とエンジン(13)との間に配置されてなる、
請求項1ないし6のいずれか記載のハイブリット車用駆動装置にある。
【0014】
請求項8に係る本発明は(図4参照)、前記ロータ(43)が、前記フロントカバー(30)に直接連結されてなる、
請求項5記載のハイブリット車用駆動装置にある。
【0015】
請求項9に係る本発明は、前記流体伝動装置が、タービンランナ(16)、ポンプインペラ(17)及びステータ(19)を有するトルクコンバータ(5)である、
請求項1ないし8のいずれか記載のハイブリット車用駆動装置にある。
【0016】
請求項10に係る本発明は、前記モータが、ジェネレータとしても機能するモータ・ジェネレータ(6)である、
請求項1ないし9のいずれか記載のハイブリット車用駆動装置にある。
請求項11に係る本発明は、前記ステータ(42)は、その一部が前記流体伝動装置(5)と径方向にオーバラップする位置に配置されてなる、
請求項1ないし10のいずれか記載のハイブリット車用駆動装置にある。
【0017】
なお、上記カッコ内の符号は、図面を対照するためのものであるが、本発明の構成に何等影響を与えるものではない。
【0018】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によると、ロックアップクラッチと軸方向にオーバラップしてモータのステータ及びロータを配置したので、軸方向寸法の長大化することを防止して、車輌搭載性を確保でき、かつ該モータを流体伝動装置のトーラスよりエンジン側におけるロックアップクラッチの外径側に配置したので、流体伝動装置の容量を確保すると共に、モータは、地上高等の車輌搭載性能を確保しつつ、径方向寸法を確保して配置され、該モータの出力トルクを確保し、上記エンジンの始動性能及び車輌駆動性能を向上することができる。
【0019】
請求項4に係る本発明によると、ロックアップクラッチは、その外径側にモータが配置される関係上、小径となるにも拘らず、多板クラッチからなるため、充分なトルク容量を確保することができる。
【0020】
請求項2に係る本発明によると、ダンパスプリングをロックアップクラッチの摩擦板部分の内径側に配置して、該ダンパスプリングのための特別な軸方向寸法を必要としないので、駆動装置の全長が長くなることを防止できる。
【0021】
請求項5に係る本発明によると、フロントカバーの中間部分に軸方向に延びる部分を設け、該部分の外径側にモータを、内径側にロックアップクラッチを配置したので、フロントカバーによりモータとロックアップクラッチとを区画して、モータを、流体伝動装置の油から隔離して、油の撹拌によるモータの効率低下を防止できるものでありながら、軸方向寸法の短縮化を図りつつ、半径方向寸法が膨径化することを防止できる。
【0022】
請求項6に係る本発明によると、センサによりロータの回転位置を検出して、モータの効率を向上することができると共に、始動時の逆回転を確実に阻止することができるものでありながら、前記センサを設置するための特別な軸方向スペースを必要とせず、全長が長くなることを防止できる。
【0023】
請求項7に係る本発明によると、モータを収納したモータハウジングを、流体伝動装置ハウジングとエンジンとの間に配置したので、流体伝動装置のトーラス部及び変速機構等を変更する必要がなく、かつモータハウジングを含めてモータをサブアッシ化することができ、従来の製造ラインを大幅に変更することなく比較的容易に製造することが可能となり、またエンジン及び車輌の多くのバリエーションに対して柔軟に対応することが可能となる。
【0024】
請求項3又は8に係る本発明によると、ロータをフロントカバーに直接支持したので、ロータ支持のための特別なスペースを必要とせず、軸方向寸法の短縮化を図ることができる。
【0025】
請求項9に係る本発明によると、発進時にトルクコンバータによりトルクの増大を図って、モータによる発進を確実に行うことができる。
【0026】
請求項10に係る本発明によると、エンジンのクランク軸に直接連結されているモータ・ジェネレータは、モータとして単独で又は内燃エンジンをアシストして車輌を駆動すると共に、ジェネレータとして、エンジンブレーキ効果の増大及び回生ブレーキとして機能し、更にスタータモータとして、内燃エンジンを始動して、特別なスタータモータを必要としない簡単な構成でありながら、エンジンのアイドリングをなくすことが可能となり、上記車輌駆動機能及び回生ブレーキ機能と相俟って、更なる燃費の低下及び排ガスの減少を図ることができる。
請求項11に係る本発明によると、ステータの一部を流体伝動装置と径方向にオーバラップするように配置したので、径方向にコンパクトに構成することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明を適用したハイブリット車用駆動装置を示す断面図であって、図中符号1は、ハイブリット車用駆動装置であり、ミッションケースに収納されている多段変速機構2と、ロックアップクラッチ3を有するトルクコンバータ5と、ブラシレスDCモータ等からなるモータ・ジェネレータ6と、を備え、図面右方部分にてガソリンエンジン等の内燃エンジン13に接続されている。即ち、本ハイブリット車用駆動装置1は、従来からある自動変速機A/Tのトルクコンバータ部分にモータ・ジェネレータ6を付設したものに係る。
【0028】
上記ハイブリット車用駆動装置1は、1軸状に配置されており、前エンジン・後駆動(FR)方式に適用される。詳しくは、エンジン側から、モータ・ジェネレータ6、トルクコンバータ5、そして自動変速機構2が1軸状に順次配置されており、かつ自動変速機構2は、トルクコンバータ5側から、1個のシンプルプラネタリギヤからなるオーバ・ドライブ部7、シンプソンタイプのプラネタリギヤユニット9a及び1個のシンプルプラネタリギヤ9bからなる主変速部9が配置されており、入力軸10の回転を、前進5速・後進1速に変速して出力軸11に出力する。
【0029】
図2は、上記ハイブリット車用駆動装置1の主要部であって、トルクコンバータ5及びモータ・ジェネレータ6部分を示す図であり、コンバータハウジング12と内燃エンジン13との間にモータハウジング15が挟まれるようにして、1軸状に配置されいる。トルクコンバータ5はタービンランナ16、ポンプインペラ17及びステータ19を有しており、タービンランナ16は入力軸10の前端にスプライン結合しているハブ20に連結されている。また、コンバータハウジング12と前記自動変速機構2のミッションケース4との間部分にはオイルポンプ22が配設されており、ポンプケース22aが上記ハウジング12及びケース4に固定されている。
【0030】
前記ポンプインペラ17の基部に固定されているハブ17aは前記ポンプケース22aの内周にニードルベアリング23を介して回転自在に支持されていると共に、前記ケースとハブとの間にオイルシール25が配設されている。また、前記ステータ19はワンウェイクラッチ26に連結されており、該ワンウェイクラッチのインナケージは入力軸10と上記ハブ17aとの間に配置されるスリーブ27を介してオイルポンプ22に固定されている。
【0031】
そして、前記ポンプインペラ17に固定されているフロントカバー30は、その外径部分30aがタービンランナ16の外周に沿って斜めにかつ滑らかに構成され、中間部分30bが軸方向に略々平行にエンジン側(前方)に延び、その内径部分30cが半径方向に略々垂直に延びている。上記フロントカバーの内径端はセンタピース31に固定されており、該センタピースは前記入力軸10と整列するように前方に向けて軸方向に延びている。
【0032】
一方、前記フロントカバー30の軸方向に延びる中間部分30bの内径側にはロックアップクラッチ3が収納・配置されている。該ロックアップクラッチ3は、上記フロントカバーの内径部分30cに固定されかつ中間部分30bに沿って軸方向に延びるドラム32と、前記センタピース31の後方端にニードルベアリング33を介して支持されているハブ35と、これらドラム32又はハブ35のスプラインにそれぞれ係合している複数の内摩擦板36及び外摩擦板37とを有する。更に、上記外摩擦板37はその後方側がドラム32に係合するスナップリング39により抜止めされていると共に、その前方側がピストンプレート40に当接し得る。即ち、該ロックアップクラッチ3は、前記トルクコンバータ5のタービンランナ16及びポンプインペラ17の外郭からなるトーラスより小径に構成されており、具体的にはトーラスの半径方向略々中央部分に上記ドラム32が位置するように配置されており、かつ多板クラッチからなる。
【0033】
ピストンプレート40は、前記ドラム32とセンタピース31の外周面とに密接して移動自在であり、上記多板クラッチからなるロックアップクラッチ3を接続、解放又はスリップ制御し得る。該ピストンプレートは、オリフィス孔が形成されて、該ピストンプレートで隔てられた両油室間の油圧を絞りつつ流通可能で、その油の流れ方向を変化することにより上記ロックアップクラッチ制御し得る。更に、上記ハブ35の内摩擦板係合用スプラインの内径部分にはコイルスプリングからなるダンパスプリング41が周方向に複数個配設されており、該ダンパスプリングは前記ハブ35に固定されているラグ35aとタービンハブ20に固定されているラグ20aとの間に縮設されている。即ち、該ダンパスプリング41は、前記ロックアップクラッチ3の摩擦板部分36,37の内径側にて半径方向に略々整列する位置、即ちロックアップクラッチ3の摩擦板部分と軸方向にオーバラップする位置に配置されている。
【0034】
そして、前記モータ・ジェネレータ6は、ステータ42とロータ43とを有しており、これらステータ及びロータは、前記フロントカバーの軸方向に延びる中間部分30bの外径側において略々整列する位置、即ちその内径側に位置する前記ロックアップクラッチ3及び更にその内径に位置するダンパスプリング41と軸方向にオーバラップする位置に配置されている。詳しくは、ロータ43は永久磁石からなる多数の積層板43aを軸方向に並べて構成されており、これら積層板は支持板45に固定・支持されている。該支持板45は、前記フロントカバーの内径部分30aの前方にてかつ平行に半径方向に延びる円板部45aと、上記積層板43aを保持する保持部45bとを有しており、保持部45bは、その前方端部にて円板部45aに連結され、前記フロントカバーの中間部分30bの外周を覆うように軸線方向に延びている。
【0035】
ステータ42は、軸方向に積層された多数の鉄心42aにコイル42bを巻回してなり、モータハウジング15に固定されている。ロータ43とステータ42とは、その積層板43aと鉄心42aとが軸方向に同じ位置(オーバラップした位置)、即ち所定軸方向長さにおいて半径方向に整列しており、かつこれら積層板と鉄心が僅かの間隔を存して対向している。なお、上記モータ・ジェネレータは、そのステータ42が、地上高等の車輌搭載上に支障を来さない範囲で可能な限り大きく設定されており、かつ多極化を図って所定出力を確保すると共に、ロータ43の磁石積載板43aが遠心力に充分耐えられる強度を確保している。
【0036】
また、モータハウジング15は、前記ステータ42の前方部分に沿うように側壁15aを有しており、該側壁15aの中間部分と前記ロータ支持板45との間には、ロータの回転位置を検出するセンサである、レゾルバ46が設けられている。レゾルバ46は、前記ブラシレスDCモータ3のロータの回転位置を正確に検出して、ステータに流す電流のタイミングを制御するためのものであり、それぞれ精密加工された積層板からなる回転子46aと固定子46bからなる。そして、コイルにより励磁される固定子46bを外径側に、回転子46aを内径側にして半径方向に整列(即ち軸方向にオーバラップした位置)して配置されており、かつ該レゾルバ46は、前記モータ・ジェネレータ3の前方側ステータコイル42bの半径方向内径側にて軸方向にオーバラップした位置で、かつフロントカバー内径部分30cの前方側、即ちロックアップクラッチ3と軸方向に略々整列した位置に配置されている。
【0037】
更に、前記モータハウジング側壁15aの内径端にはボールベアリング47が装着されており、該ボールベアリングは前記レゾルバ46の内径側にあって半径方向に略々整列する位置(即ち軸方向にオーバラップする位置)に配置されている。該ボールベアリング47の内径側には前記ローラ支持板45の内径端に固定されているハブ49の鍔部49bが隙間の殆どない精度の高い公差状態(圧入ではない)で嵌合しており、更にその内径側にインプットプレートボス部50が同様に嵌合している。該ボス部50にはその外径側においてインプットプレート51が固定されており、またエンジンのクランク軸52の先端部分にはボルト53によりドライブプレート55が固定されており、これら両プレート55,51は可撓性を有すると共にその先端部にてボルト56により固定・連結されている。
【0038】
そして、前記センタピース31はクランクシャフト52の先端凹部52aに嵌合しておらず、充分な空隙をもって即ち縁が切られて対向している。該センタピース31の外周には、図3の展開図に詳示するように、所定角度θ傾斜しているリード付きスプライン31aが形成されている。一方、前記インプットプレートハブ50の内周にはその全長に亘って軸方向に平行な直歯スプライン50aが形成されている。また、前記ロータハブ49の内周の後側一部に比較的短い軸方向に平行な直歯スプライン49bが形成されている。そして、センタピース31の前端には所定長さのネジ溝31bが形成されており、該ネジ溝31bにはナット59が締付けられている。
【0039】
前記センタピース31のリード付きスプライン31aに前記ロータハブのスプライン49b及びインプットプレートハブのスプライン50aを係合した状態で前記ナット59が締付けられる。これにより、図3に詳示するように、直歯からなる比較的長いインプットプレートハブスプライン50aは、その歯の両端部分の反対側歯側面a,bがセンタピース傾斜スプライン31aの隣接する歯側面に圧接して圧入状態となって、両スプライン50a,31aは遊びのない圧着状態にて嵌合し、スプライン歯の係合間隙等に起因するフレッチング摩耗の発生を防止して一体に回転する。
【0040】
一方、直歯からなる比較的短いロータハブスプライン49bは、リード付スプライン31aに係合しているが、短いことに起因して歯側面間に空隙を有する遊嵌状態となって、上記インプットプレートハブスプライン50aの圧着に拘らず、容易に組付けし得る。該ロータハブ49は、上記スプラインの遊嵌状態に基づき軸方向に移動自在であることに起因して、前記ナット59の締付けに基づき、インプットプレートハブ50とセンタピース鍔部31cとの間で密接して挟持される。これにより、ロータハブ49は、センタピース31及びインプットプレートハブ50の摩擦力に基づいて一体に回転する。
【0041】
前記ロータハブ49とフロントカバー30との間はOリング60によりシールされており、前記ボールベアリング47がシール付きであること及び前記ポンプケース22aとの間のシール25とが相俟って、ポンプケース22と、トルクコンバータ5のケースであるフロントカバー30及びポンプ17の外郭との間で構成されるモータ室Aが防水、防油及び防塵構造となっている。なお、前記モータハウジング側壁15aは、上記モータ・ジェネレータ6の前方を覆うカバー部材であると共に、ボールベアリング47を装着してロータ43を支持する部材でもあり、両機能を兼用して装置のコンパクト化を向上している。また、前記モータハウジング15には円環状の凹溝15cが形成されており、該凹溝15cはリング状の蓋部材61にて水密状に閉塞されて、冷却用水路62が形成されており、該冷却用水路62にはエンジン冷却用の水が循環されて、モータ室Aの加熱を防いでいる。
【0042】
上述したように、ロックアップクラッチ3を小径化して、その外径部分に、半径方向に略々整列してモータ・ジェネレータ6を配置し、更にダンパスプリング41をロックアップクラッチ3の内径部分に、半径方向に略々整列して配置し、またレゾルバ46をモータ・ジェネレータ6の前方コイル42bの内径側にかつロックアップクラッチ3と軸方向に略々整列して配置すること及び上記モータハウジング側壁15aのカバー部材及びロータ支持部材の兼用化が相俟って、モータ・ジェネレータ6を、軸方向及び半径方向に寸法を大きく拡大することなく、自動変速機に付設することが可能となる。具体的には、半径方向寸法を従来のトルクコンバータハウジング12と略々同径に、また軸方向寸法を僅かに増大するだけで、モータ・ジェネレータ6を配置することが可能となる。
【0043】
ついで、上述した本ハイブリット車用駆動装置1の作用について説明する。車輌の停止状態でかつ(イグニッション)スイッチがON状態にあって、運転者が発進意図に基づきアクセルペダルを踏む(低スロットル開度時)と、まず、モータ・ジェネレータ6にバッテリ(図示せず)からの電流が流れて、モータとして機能する。ブラシレスDCモータからなるモータ・ジェネレータ6は、レゾルバ46によりロータ43の位置を正確に検出することに基づき、コントローラ(図示せず)によりステータ42のコイル42bに流す電流のタイミングを調整して、前進方向にかつ高い効率にてロータ43を回転する。該ロータ43の回転は、ロータ支持板45、ロータハブ49、そしてナット59の締付けに基づく、該ハブ49のインプットプレートハブ50及びセンタピース鍔部31cとの間での挟持摩擦力によりセンタピース31に伝達され、更にフロントカバー30、ポンプインペラ17、タービンランナ16及びステータ19からなるトルクコンバータ5を介して、所定のトルク比の増大を伴って入力軸10に伝達される。
【0044】
該発進時にあっては、燃料噴射装置は停止状態にあって、エンジンは停止状態にある。詳しくは、前記ロータハブ49の回転に基づきインプットプレート50,51及びドライブプレート55を介してクランクシャフト52が回転するが、単にピストンがシリンダ室の空気を圧縮・解放するだけで、エンジンは空転状態にある。即ち、車輌発進時にあっては、低回転数時に高いトルクを出力するブラシレスDCモータ6の駆動特性に基づき、更にトルクコンバータ5のトルク比増大及び自動変速機構2の1速段による高いトルク比が相俟って、車輌を滑らかにかつ所定のトルクにより発進・走行する。
【0045】
そして、発進直後の車輌が比較的低速な所定速度にあって、スロットルが一定開度以上踏まれると燃料噴射装置を作動して、点火プラグにより点火してモータ・ジェネレータ6がスタータモータとして機能し、内燃エンジンを始動する。これにより、内燃エンジンのクランク軸52の回転は、ドライブプレート55、インプットプレート51、ハブ50、そしてリードスプライン31a及び直歯スプライン50aにて圧入状態となっているセンタピース31に伝達される。この状態では、内燃エンジンの駆動力及びモータとして機能しているモータ・ジェネレータ6の駆動力が加算されて、トルクコンバータに伝達され、更に自動変速機構2がアップシフトして、所望の回転速度にて駆動車輪に伝達される。即ち、車輌の加速状態及び登坂状態等の大きな駆動力を必要とする場合、内燃エンジンの駆動力にモータ・ジェネレータ6の駆動力がアシストして、高馬力にて車輌を走行する。
【0046】
そして、車輌が定常高速走行状態になると、モータ・ジェネレータ6が無負荷運転(モータに生じる逆起電力により生じるトルクを相殺させるようにモータ出力を制御する)され、モータ・ジェネレータを空転し、専ら内燃エンジンの駆動力にて車輌を走行する。なお、バッテリの充電量(SOC)によっては、モータ・ジェネレータ6をジェネレータとして機能してエネルギの回生を行う。前記内燃エンジンによる駆動状態又は内燃エンジンにモータをアシストした駆動状態(場合によってはモータのみによる駆動状態)にあって、コンバータ圧の方向に換えることによりピストンプレート40が移動して、ロックアップクラッチ3を接続する。これにより、フロントカバー30に伝達されているトルクは、ドラム32、外摩擦板37、内摩擦板36、ハブ35、ダンパスプリング41及びタービンハブ20を介して、トルクコンバータの油流を介することなく直接入力軸10に伝達される。
【0047】
この際、上述したように、モータ・ジェネレータ6の配設により、ロックアップクラッチ3が小径化されているが、該ロックアップクラッチ3は、多板クラッチからなり、上記モータアシストによる高馬力に対しても充分なトルク容量を備えており、前記内燃エンジン及びモータの駆動力を確実に入力軸10に伝達する。また、該多板クラッチからなるロックアップクラッチ3は、上記ピストンプレート40の構造と相俟って、スリップ制御も容易となり、多くの変速段にて上記スリップ制御を適用しつつ該ロックアップクラッチ3を作動することができる。
【0048】
また、定常低・中速走行及び降坂路走行等により内燃エンジンの出力に余裕がある場合、バッテリのSOCに応じて、モータ・ジェネレータ6をジェネレータとして機能してバッテリを充電する。特に、降坂時においてエンジンブレーキを要求する場合、前記ジェネレータとなっているモータ・ジェネレータ6の回生電力を大きくして、充分なエンジンブレーキ効果を得ることができる。また、運転者がフートブレーキを踏んで車輌の停止を要求する場合、前記モータ・ジェネレータ6の回生電力を更に大きくして、回生ブレーキとして作動し、車輌の慣性エネルギを電力として回生して、摩擦ブレーキに基づく熱によるエネルギ放散を減少する。また、中速域においても、エンジンをより高出力、高効率な領域で運転できるように、モータ・ジェネレータ6を回生状態とし、これによりエンジン効率を向上できると共に、上記回生によるバッテリの充電に基づきモータ走行を増大することができ、エネルギ効率を向上し得る。
【0049】
そして、車輌が信号等にて停止している状態では、モータ・ジェネレータ6が停止されると共に、燃料噴射装置がOFFとなって内燃エンジンも停止される。即ち、従来のエンジンのアイドリング状態はなくなる。また、該停止状態からの車輌の発進は、前述したように、まず、モータ・ジェネレータ6のモータ駆動力により発進し、その直後の比較的低速状態で、上記モータ駆動力によりエンジンが始動され、モータ6の駆動力にてアシストすることにより、エンジンの急激な駆動力変動をなくして、滑らかに運転し、そしてエンジンブレーキ必要時及び制動停止時に、モータ・ジェネレータ6を回生ブレーキとして車輌慣性エネルギを電気エネルギとして回生する。また、エンジン低負荷、極低負荷時のようにエンジン効率の悪い領域をモータ走行する。これらが相俟って、本ハイブリット車は、省燃費及び排ガスの減少を達成し得る。
【0050】
そして、前記内燃エンジンは、シリンダ室内の爆発によりピストンが往復動してクランク軸に回転として伝達されるため、クランク軸52は、上記爆発振動にり偏心回転を生じ、このため必然的に軸芯精度が悪くなっている。一方、前記モータ・ジェネレータ6は、エンジン13及びコンバータハウジング12との間で挟持される独立したモータハウジング15内に配置されており、かつそのロータ43は、モータハウジング15にベアリング47を介して支持されている。詳しくは、ロータ43の永久磁石積層板43aを支持する支持板ハブ49の鍔部49aが、ハウジング側壁15aに装着されたボールベアリング47の内径側に精度の高い公差にて嵌合して支持されている。
【0051】
前記クランク軸52とロータハブ49とは、インプットプレート51及びドライブプレート55等を介して連結されているが、前記クランク軸52の爆発振動に基づく偏心回転は、フレックスプレートを構成する上記ドライブプレート55及びインプットプレート51が撓むことにより吸収され、ロータハブ15に伝播されることはなく、またクランク軸52とセンタピース31とは軸方向に離れて配置されて縁が切れているので、前記ロータ43の独立した高い精度での回転支持に影響を与えることはない。また、ステータ42は、上記モータハウジング15に直接固定されており、従ってロータ43とステータ42とは僅かな間隔を存して正確に対向している。また、前記ボールベアリング47は、上記2枚のプレート51,55で上記爆発振動が吸収され、かつモータハウジング側壁15aにより独立して支持されているので、作用するラジアル負荷荷重が少ない。
【0052】
一方、トルクコンバータ5は、そのフロントカバー30及びポンプインペラ17の外郭により形成されるコンバータ室Bへ供給されるチャージ圧及びその回転に伴う遠心油圧の変化により、膨出したり収縮したり変形するが、フロントカバー30と前記ロータ支持板45とがそれぞれ独立した別構造となっており、上記トルクコンバータ5の変形が前記ロータ43の高い精度の回転支持に影響を与えることはない。なお、上記チャージ圧及び遠心油圧によるトルクコンバータの変形は、フロントカバー30がその中間部分30bが軸方向に延びる段付き形状からなる堅牢な構造からなること、及び該フロントカバー内径部がセンタピース鍔部31cに固定されかつロータハブ49及びナット59等を介してベアリング49により軸方向に支持されていることが相俟って、フロントカバー30が前方に膨んでロータ支持板45に影響を与えることはなく、専ら後方に向けて変形してオイルポンプ22aの支持部分にて移動・吸収される。
【0053】
これにより、モータ・ジェネレータ6は、半径方向及び軸方向に高い精度にて支持され、小径化されたロックアップクラッチ3の外径部分にあって、かつトルクコンバータ5のトーラス外径よりあまり外径方向に突出しない位置にあり、軸方向及び半径方向に大きく拡大しないコンパクトな構成からなるにも拘らず、高い効率で高い出力を得ることができる。
【0054】
また、前記クラッチ軸52の爆発振動は、ドライブプレート55及びインプットプレート51を介して微小振動としてプレートハブ50に伝わったとしても、該ハブ50の直歯スプライン50aとセンタピース31のリード付きスプライン31aは圧入関係にあってガタのない一体回転をするので、この間でフレッチング摩耗を発生することがなく、トルクを伝達することができる。また、ロータハブ49は、ナット59の締付けに基づきプレートハブ50及びセンタピース鍔部31cに挟持されて、これらの間の摩擦力によりガタのない一体回転をするので、センタピース31及びロータハブ49との間でフレッチング摩耗を発生することなく、トルクを伝達し得る。
【0055】
ついで、図4に沿って一部変更した実施の形態について説明する。本実施例によるハイブリット車用駆動装置は、モータ・ジェネレータ6のロータ43を、フロントカバー30に直接支持したものであり、先の実施例と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0056】
本実施例によるモータ・ジェネレータ6は、そのステータ42がモータハウジング15に固定されており、かつロータ43がフロントカバー30の軸方向に延びる中間部分30bの外周面に嵌合・配置されている。詳しくは、ロータ43を支持する支持板45における永久磁石積層板43aを保持する保持部45bの内周面を前記フロントカバー中間部分30bに嵌合・支持し、更に上記支持板45の円板部45aをフロントカバー内径部分30cの外側面に固定されたナット65にボルト66にて固定されている。
【0057】
ロックアップクラッチ3は、先の実施例と同様に、トルクコンバータ5のトーラスより小径からなり、前記フロントカバー中間部分30bの内径側に配置されており、従って該ロックアップクラッチ3と前記モータ・ジェネレータ6とは半径方向に整列した位置、即ち軸方向にオーバラップする位置に配置されている。なお、ロックアップクラッチのダンパスプリング41は、先の実施例と同様に、ロックアップクラッチのハブ35スプライン部分の内径側に、該クラッチと半径方向に整列するように配置されており、従って、外径から内径方向に順次、モータ・ジェネレータ6のステータ42、ロータ43、ロックアップクラッチ3の摩擦板部分、ダンパスプリング41が半径方向に整列(軸方向にオーバラップ)して配置されている。
【0058】
また、クランク軸52の先端にはボルト53によりドライブプレート55が固定されており、該ドライブプレートの先端が前記ロータ支持板の保持部45bにボルト66により固定されている。一方、前記フロントカバー30の中心部分に固定されているセンタピース31は、前方に向けて突出して、その先端部分31dが前記クランク軸52の中心孔52aに嵌合して、従来の自動変速機と同様に芯合せが行われている。
【0059】
また、トルクコンバータハウジング12の一部に、軸方向に貫通する孔12aが形成されており、該孔にはホール素子等の回転変位センサ46′が設置されている。該センサは、フロントカバー30に固定された回転ディスク67との間で、フロントカバー30、従ってそれと一体のロータ43の回転位置を高精度にて検出し得る。
【0060】
本実施の形態にあっては、先の実施例のようにロータを独立して回転支持していないので、ロータの支持精度は落ちるが、ロータを支持するベアリング及び支持板、ハブ等が不要となり、その分、更なる軸方向のコンパクト化が可能となる。なお、作用は、先の実施例と同様なので、説明を省略する。
【0061】
上記実施例は、自動変速機構として前記5速段のものを用いているが、これに限らず、4速段、3速段等の他の自動変速機構でもよく、更にF・Rタイプに限らず、F・F(前エンジン・前輪駆動)タイプ等の他の形式の自動変速機に適用することも可能である。また、上記実施例は、モータ・ジェネレータとして、ブラシレスDCモータを用いているが、これは、直流モータ、誘導式交流モータ等の他のモータでもよい。また、上記実施例は、トルクコンバータを用いているがが、これは流体継手でもよく、即ち、トルクコンバータ又は流体継手等の流体伝動装置を備えたものに適用し得る。
【0062】
なお、上述した実施例の作用をまとめて示すと、以下の通りである。
【0063】
車輌発進時には、モータ・ジェネレータ(6)がモータとして機能し、該モータの駆動力がトルクコンバータ(5)及び自動変速機構(2)を介して車輪に伝達される。この際、内燃エンジン(13)は燃料噴射装置等が非作動状態にあって、空転している。そして、車輌の発進後の比較的早期に、燃料噴射装置が作動して、前記モータ・ジェネレータ(6)がスタータモータとして機能してエンジンが始動される。
【0064】
この状態では、内燃エンジンの駆動力にモータ・ジェネレータ(6)の駆動力がアシストして、加速及び登坂等の高馬力要求に対応する。そして、定常走行になると、モータ・ジェネレータ(6)を空転するか又はジェネレータとして機能し、専ら、内燃エンジンの駆動力にて車輌を走行する。また、降坂時にあっては、上記モータ・ジェネレータをジェネレータとして機能して、エンジンブレーキ効果を高める。更に、制動時にあっては、ジェネレータによる回生電力を更に増大して、回生ブレーキとして機能する。そして、車輌停止時には、内燃エンジンを停止して、アイドリング状態をなくす。
【0065】
また、前記内燃エンジン及び/又はモータ・ジェネレータの駆動力は、ロックアップクラッチ(3)の係合により、トルクコンバータ(5)を介することなく、直接自動変速機構の入力軸(10)に伝達される。この際、ロックアップクラッチ(3)は、その外径側にモータ・ジェネレータ(6)が配置されるため小径に構成されるが、多板クラッチからなり、上記駆動力に対応する充分なトルク容量を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したハイブリット車用駆動装置を示す全体断面図。
【図2】その主要部であるトルクコンバータ及びモータ・ジェネレータ部分を示す断面図。
【図3】センタピースのスプラインと、それに係合するインプットプレートハブスプライン及びロータハブスプラインを示す展開図。
【図4】一部変更した本発明の実施の形態の主要部分を示す断面図。
【符号の説明】
1 ハイブリット車用駆動装置
2 自動変速機構
3 ロックアップクラッチ
5 流体伝動装置(トルクコンバータ)
6 モータ(ジェネレータ)
12 コンバータハウジング
13 内燃エンジン
15 モータハウジング
16 タービンランナ
17 ポンプインペラ
30 フロントカバー
30b 中間部分
36,37 摩擦板
41 ダンパスプリング
42 ステータ
43 ロータ
Claims (11)
- 変速機構と、エンジンのクランク軸及び前記変速機構の入力軸の間に介在され、ロックアップクラッチを有する流体伝動装置と、ステータ及びロータを有し、該ロータを前記流体伝動装置の入力部に連結したモータと、を備えてなるハイブリット車用駆動装置において、
前記ロックアップクラッチが、前記流体伝動装置のトーラスよりエンジン側にあってかつ該トーラス外径より小径に構成され、
前記モータのステータ及びロータが、前記ロックアップクラッチの外径側にて該ロックアップクラッチと軸方向にオーバラップする位置に配置されてなる、
ことを特徴とするハイブリット車用駆動装置。 - 変速機構と、エンジンのクランク軸及び前記変速機構の入力軸の間に介在され、ロックアップクラッチを有する流体伝動装置と、ステータ及びロータを有し、該ロータを前記流体伝動装置の入力部に連結したモータと、を備えてなるハイブリット車用駆動装置において、
前記ロックアップクラッチが、前記流体伝動装置のトーラスよりエンジン側にあってかつ該トーラス外径より小径に構成され、
前記モータが、前記ロックアップクラッチの外径側にて該ロックアップクラッチと軸方向にオーバラップする位置に配置され、
前記ロックアップクラッチは、周方向に配置したコイルスプリングからなるダンパスプリングを有し、
該ダンパスプリングが、前記ロックアップクラッチの摩擦板部分の内径側にて該摩擦板部分と軸方向にオーバラップする位置に配置されてなる、
ハイブリット車用駆動装置。 - 変速機構と、エンジンのクランク軸及び前記変速機構の入力軸の間に介在され、ロックアップクラッチを有する流体伝動装置と、ステータ及びロータを有し、該ロータを前記流体伝動装置の入力部に連結したモータと、を備えてなるハイブリット車用駆動装置において、
前記ロックアップクラッチが、前記流体伝動装置のトーラスよりエンジン側にあってかつ該トーラス外径より小径に構成され、
前記モータが、前記ロックアップクラッチの外径側にて該ロックアップクラッチと軸方向にオーバラップする位置に配置され、
前記流体伝動装置は、タービンランナ及び前記ロックアップクラッチを覆いかつポンプインペラと前記クランク軸及び前記ロータとを連結するフロントカバーを有し、
該フロントカバーが、その中間部に軸方向に延びる部分を有し、該部分の外径側に前記モータを配置し、かつ前記部分の内径側に前記ロックアップクラッチを配置し、
前記ロータが、前記フロントカバーに直接連結されてなる、
ハイブリット車用駆動装置。 - 前記ロックアップクラッチが多板クラッチである、
請求項1ないし3のいずれか記載のハイブリット車用駆動装置。 - 前記流体伝動装置は、タービンランナ及び前記ロックアップクラッチを覆いかつ前記ポンプインペラと前記クランク軸及び前記ロータとを連結するフロントカバーを有し、
該フロントカバーが、その中間部に軸方向に延びる部分を有し、該部分の外径側に前記モータを配置し、かつ前記部分の内径側に前記ロックアップクラッチを配置してなる、
請求項1又は2記載のハイブリット車用駆動装置。 - 前記ロータの回転位置を検出するセンサを備え、
該センサが、前記ステータの内径側にて前記ロックアップクラッチと径方向にオーバラップする位置に配置されてなる、
請求項1ないし5のいずれか記載のハイブリット車用駆動装置。 - 前記モータが、モータハウジングに収納されると共に、該モータハウジングに前記ステータが固定され、
該モータハウジングが、前記流体伝動装置を覆うハウジングとエンジンとの間に配置されてなる、
請求項1ないし6のいずれか記載のハイブリット車用駆動装置。 - 前記ロータが、前記フロントカバーに直接連結されてなる、
請求項5記載のハイブリット車用駆動装置。 - 前記流体伝動装置が、タービンランナ、ポンプインペラ及びステータを有するトルクコンバータである、
請求項1ないし8のいずれか記載のハイブリット車用駆動装置。 - 前記モータが、ジェネレータとしても機能するモータ・ジェネレータである、
請求項1ないし9のいずれか記載のハイブリット車用駆動装置。 - 前記ステータは、その一部が前記流体伝動装置と径方向にオーバラップする位置に配置されてなる、
請求項1ないし10のいずれか記載のハイブリット車用駆動装置。
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