JP3562484B2 - ディスク状データ記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像や音声などのデータを特殊再生に好適な符号化が行われたデータが記録されている記録媒体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル・ビデオ・ディスク(以下、DVDと記す。)システムにおけるディスクに記録されるディジタル画像信号等を圧縮符号化する方式としてMPEG(Motion Picture coding Experts Group )方式が従来提案されている。
このMPEG方式におけるフレーム間予測の構造を図14(A)に示す。
この図において、1GOP(Group Of Pictures )は例えば15フレームで構成されており、1GOPにおいてIピクチャが1フレーム、Pピクチャが4フレーム、残る10フレームがBピクチャとされている。なお、GOPは動画の1シーケンスを分割した符号化の単位である。
このIピクチャは1フレーム内において符号化されたフレーム内符号化画像であり、Pピクチャはすでに符号化された時間的に前のフレーム(IピクチャあるいはPピクチャ)を参照して予測するフレーム間順方向予測符号化画像であり、Bピクチャは時間的に前後の2フレームを参照して予測する双方向予測符号化画像である。
【0003】
すなわち、矢印で図示するように、IピクチャI0 はそのフレーム内のみで予測符号化されており、PピクチャP0 はIピクチャI0 を参照してフレーム間予測符号化されており、PピクチャP1 はPピクチャP0 を参照してフレーム間予測符号化されている。さらに、BピクチャB0 ,B1 はIピクチャI0 とPピクチャP0 との2つを参照してフレーム間予測符号化されており、BピクチャB2,B3 はPピクチャP0 とPピクチャP1 との2つを参照してフレーム間予測符号化されている。以下同様に予測符号化されて以降のピクチャが作成されている。
【0004】
ところで、このように予測符号化されたピクチャをデコードするには、Iピクチャはフレーム内での予測符号化が行われているため、Iピクチャのみでデコードすることができるが、Pピクチャは時間的に前のIピクチャあるいはPピクチャを参照して予測符号化されているため、時間的に前のIピクチャあるいはPピクチャがデコード時に必要とされ、Bピクチャは時間的に前後のIピクチャあるいはPピクチャを参照して予測符号化されているため、時間的に前後のIピクチャあるいはPピクチャがデコード時に必要とされる。
そこで、デコード時に必要とされるピクチャを先にデコードしておけるように、図14(B)に示すようにピクチャを入れ替えている。
【0005】
この入れ替えは図に示すように、BピクチャB−1,B−2はデコード時にIピクチャI0 を必要とするため、BピクチャB−1,B−2よりIピクチャI0 が先行するよう、BピクチャB0 ,B1 はデコード時にIピクチャI0 とPピクチャP0を必要とするため、BピクチャB0 ,B1 よりPピクチャP0 が先行するよう、同様にBピクチャB2 ,B3 はデコード時にPピクチャP0 とPピクチャP1 を必要とするため、BピクチャB2 ,B3 よりPピクチャP1 が先行するよう、BピクチャB4 ,B5 はデコード時にPピクチャP1 とPピクチャP2 を必要とするため、BピクチャB4 ,B5 よりPピクチャP2 が先行するように入れ替えられている。同様に、BピクチャB6 ,B7 よりPピクチャP3 が先行するように入れ替えられている。
【0006】
そして、図14(B)に示す順序とされたIピクチャ、Pピクチャ及びBピクチャからなるビデオデータと、オーディオデータやサブタイトル(字幕)等の他のデータとがパケタイズ(多重化)されてディスク等の記録媒体に記録されたり、伝送路に送出されている。なお、ピクチャデータの1フレームの符号量は各ピクチャ間で一定ではなく画像の複雑さや平坦さに応じて異なる符号量となる。
この場合のパケタイズの態様を図15に示す。図15において、(A)はMPEG2システムストリームであり、パケタイズした後の多重化ストリームが示されており、同図(B)は多重化ストリームにおけるビデオパケットの内容を示しており、同図(C)はMPEG2ビデオストリームであり、ビデオレイヤーのストリームが示されている。
【0007】
同図(C)に示すビデオレイヤーを構成する各ピクチャデータV,V+1,V+2・・・には、それぞれ先頭位置にピクチャヘッダ情報とピクチャコーディングエクステンション情報が付加されている。このようなビデオレイヤーにおいて、図示する例では、ビデオレイヤーのD1の位置からD3までのビデオストリームが、先頭にパケットヘッダが付加された一つのビデオパケットとされ、またビデオレイヤーのD3の位置からD5までのビデオストリームが、同様に先頭にパケットヘッダが付加された他のビデオパケットとされる。
このようにパケット化されたビデオパケットと、オーディオパケットやサブタイトルパケットが多重化されることにより、同図(A)に示すMPEG2システムストリームが作成されている。
【0008】
ここで、ピクチャヘッダ(Picture header)の内容を図16に、ピクチャコーディングエクステンション(Picture coding extention) の内容を図17に示す。
ピクチャヘッダには、ユニークコードとされたpicture_start_code、ピクチャ毎の時系列的な通し番号であるtemporal_reference(TR)やピクチャの符号化タイプ(Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャのいずれか)を示すpicture_coding_type 等の情報が書き込まれている。
またピクチャコーディングエクステンションには、ユニークコードを形成するextension_start_codeおよびextention_start_code_identifier や、picture_structure 情報、top_field_first 情報、progressive_flame 情報等が書き込まれている。
【0009】
なお、ピクチャデータには1画面1フレームで構成されたフレームストラクチャのピクチャデータ、および、1画面2フィールドで構成されたフィールドストラクチャのピクチャデータを混在することができ、ピクチャデータがフレームストラクチャか、あるいはフィールドストラクチャとされているかを、▲1▼.Group of Header (GOPヘッダ)の存在、▲2▼.Picture header内のtemporal_reference(TR)、および、▲3▼.Picture coding extention内のpicture_structure 情報の3つの情報により、ピクチャデータがフレームストラクチャとされているか、1画面2フィールドのフィールドストラクチャとされているかを識別することができるようにされている。
【0010】
次に、本出願人により提案されている特殊再生を行うことのできるデータ復号化装置(特願平7−32944号)の構成を示すブロック図を図18に示す。
この図において、ディスク1は図示しないスピンドルモータにより所定の回転数で回転するよう回転制御されており、ピックアップ2からこの光ディスク1のトラックへレーザ光が照射されることにより、トラックに記録されているMPEG方式により圧縮処理されたディジタルデータが読み出される。このディジタルデータは、復調回路3によりEFM復調されて、さらにセクタ検出回路4に入力される。また、ピックアップ2の出力はフェイズ・ロックド・ループ(PLL)回路9に入力されてクロックが再生される。この再生クロックは、復調回路3、セクタ検出回路4に供給されている。
【0011】
そして、ディスク1へ記録されているディジタルデータは、固定長のセクタを単位とした多重化ストリームが記録されているが、各セクタの先頭にはセクタシンク、セクタヘッダが付加されており、セクタ検出回路4において、このセクタシンクが検出されることによりセクタの区切りが検出されると共に、セクタヘッダからセクタアドレス等が検出されて制御回路6に供給される。
また、復調出力はセクタ検出回路4を介してECC(誤り訂正)回路33に入力され、誤りの検出・訂正が行われる。誤り訂正の行われたデータはECC回路33からリングバッファ5に供給され、制御回路6の制御に従ってリングバッファ5に書込まれる。
【0012】
また、ECC回路33の出力はストリームディテクタ50に入力され、特殊再生時にこのストリームディテクタ50により、ディスク1から読み出されたストリームデータからピクチャタイプを検出して、そのピクチャタイプ情報を制御回路6に供給している。制御回路6はこの情報を受けて、特殊再生時にはIピクチャと、Iピクチャの後に現れる2枚のPピクチャのデータまでをリングバッファ5に書き込むように制御している。
【0013】
なお、ピックアップ2のフォーカスコントロールおよびトラッキングコントロールは、ピックアップ2から読み出された情報から得られるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号により、システムコントロールの制御に従ってトラッキングサーボ回路、フォーカスサーボ回路により行われている。
ここで制御回路6は、セクタ検出回路4により検出された各セクタのセクタアドレスに基づいてそのセクタをリングバッファ5へ書き込む書込みアドレスをライトポインタWPにて指定する。また、制御回路6は、後段のビデオコードバッファ10からのコードリクエスト信号に基づき、リングバッファ5に書込まれたデータの読み出しアドレスをリードポインタRPにより指定する。そして、リードポインタRPの位置からデータを読み出し、デマルチプレクサ32に供給する。
【0014】
このデマルチプレクサ32は、ディスク1に記録されているデータがビデオデータ、オーディオデータやサブタイトルデータ等が多重化された符号化データとされているため、ビデオデータ、オーディオデータ、サブタイトルデータとを分離してビデオデータをビデオデコーダ20に、オーディオデータをオーディオデコーダに、サブタイトルデータをサブタイトルデコーダに供給するための回路である。
これにより、リングバッファ5から読み出されたビデオデータはデマルチプレクサ32で分離されてビデオコードバッファ10に記憶されるようになる。
【0015】
さらに、ビデオコードバッファ10に記憶されたデータは、ピクチャヘッダ検出器34に供給されてピクチャヘッダが検出されることにより、ピクチャのI,P,Bのタイプを示すタイプ情報、およびGOP内の画面順を示すテンポラルレファレンス(TR)の情報が検出される。そして、検出されたピクチャのタイプ情報はピクチャデータ選別回路35に供給されて、特殊再生時にピクチャ検出器34から出力されるピクチャタイプ情報により、IピクチャおよびPピクチャのみを選別して逆VLC回路11に供給している。
なお、通常再生時においてはピクチャデータ選別回路35はピクチャを選別することなく、すべてのピクチャを送出するよう制御される。この制御は図示されていないがシステムコントロールにより行われる。
【0016】
逆VLC回路11に供給されたデータは、この回路11により逆VLC処理が施される。そして、逆VLC処理が終了すると、そのデータを逆量子化回路12に供給すると共に、コードリクエスト信号をビデオコードバッファ10に送り、新たなデータがビデオコードバッファ10から転送されるようにしている。
さらに、逆VLC回路11は量子化ステップサイズを逆量子化回路12に出力すると共に、動きベクトル情報を動き補償回路15に出力する。また、逆量子化回路12においては、指示された量子化ステップサイズに従って、入力されたデータを逆量子化し、逆DCT回路13に出力する。逆DCT回路13は入力されたデータに逆DCT処理を施して加算回路14に供給する。
【0017】
加算回路14においては、逆DCT回路13の出力と動き補償回路15の出力とをピクチャのタイプ(I,P,B)に応じて加算し、フレームメモリバンク16に出力する。
そして、フレームメモリバンク16から図14(A)に示す元のフレーム順序となるよう制御されて読出されたデータは、ディジタル・アナログ変換器(D/A)17により、アナログの映像信号に変換されてディスプレイ18で表示される。
【0018】
また、ECC回路33の出力はストリームディテクタ50に入力され、特殊再生時にこのストリームディテクタ50により、ディスク1から読み出されたストリームデータからピクチャタイプを検出して、そのピクチャタイプ情報を制御回路6に供給している。制御回路6はこの情報を受けて、特殊再生時にはIピクチャと、Iピクチャの後に現れる2枚のPピクチャのデータまでをリングバッファ5に書き込むように制御している。
このようにすると、フレームメモリバンク16の枚数が3枚とされる場合は、1GOP当り先頭から3枚のIピクチャおよびPピクチャまでがリングバッファ5に高速で書き込まれるようになり、これらのデータを必要とするタイミングでデコーダ20が取り込んでデコードをすることができる。これにより、特殊再生のデコードを効率的に行うことができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、例えばPピクチャP3 より逆転再生を始めるとすると、前記図14に示すようなビデオデータの場合は、
P3 →B7 →B6 →P2 →B5 →B4 →P1 →B3 →B2 →P0 →B1 →B0→I0 →・・・
という順番にデコードしたピクチャを表示しなければならない。ところが、前記したようにPピクチャはフレーム間予測符号化を行っているため、PピクチャP3 をデコードするには、I0 ,P0 ,P1 ,P2 がデコードされていることが必要となる。また、BピクチャB7 をデコードするにはPピクチャP2 およびPピクチャP3 がデコードされていることが必要である。したがって、通常再生と同様に各ピクチャを一度しかデコードすることなく逆転再生を行おうとすると、GOPを構成するピクチャ数と同数のフレームを記憶することのできるフレームバンクメモリ16が必要となる。
【0020】
ただし、このためにはフレームバンクメモリ16に特別なフレームメモリを付加してその記憶容量を大きくし、復号処理されたデータをフレームメモリに順次蓄積しておき、逆転再生の順番で画像を送出するようにしなければならない。
また、BピクチャをスキップしてIピクチャおよびPピクチャのみにより逆転再生することも考えられるが、この場合においても多くのフレームを記憶する必要がある。
【0021】
そこで、前記図18に示すデータ復号化装置においては、通常再生時に必要とするフレームメモリを用いて逆転再生できるように、そのフレームメモリ数と同数(図18に示す例では3枚)のフレーム数とされる1枚のIピクチャと、Iピクチャの後に現れる2枚のPピクチャの合計3枚だけのピクチャをデコードするようにしている。そして、Iピクチャと、Iピクチャの後に現れる2枚のPピクチャだけをデコードするために、ストリームディテクタ50を設けて、Iピクチャと、Iピクチャの後に現れる2枚のPピクチャまでのストリームデータをリングバッファ5に書き込むようにしている。
【0022】
しかしながら、Iピクチャと、Iピクチャに続いて現れるPピクチャを検出するストリームディテクタ50の構成およびその検出動作が複雑になるという問題点が生じる。以下にこの理由を説明する。
パケタイズ(多重化)されたMPEG2システムストリームは前記図15(A)に示されているが、パケタイズされる過程において、同図(C)に示すようにMPEG2ビデオストリームのD3の位置で分割されてパケット化されると、ピクチャ(V+2)におけるピクチャヘッダとピクチャコーディングエクステンションが2つのパケットに分割されることになる。これにより、ピクチャ(V+2)におけるピクチャヘッダとピクチャコーディングエクステンションが、図15(B)に示すように2つのビデオパケットに分割されて存在するようになる。
【0023】
このように、ピクチャヘッダとピクチャコーディングエクステンションが2つのビデオパケットに分割されていると、1つのビデオパケット内のフラグ情報を検出するだけではピクチャの判定を行うことができず、2つのビデオパケットに渡ってピクチャの各種情報を検出しなければならない。この場合、図15(A)に示すように2つのビデオパケット間には他のパケット(例えばオーディオパケット)が存在しているため、その検出を行うにはさらに複雑な処理を行う必要があり、このためストリームディテクタ50の構成および動作が複雑となる。
【0024】
また、MPEG2においては1画面が1フレームで表されるフレームストラクチャのビデオデータと、1画面が2フィールドで表されるフィールドストラクチャのビデオデータとを混在させることができるようにされている。そして、フィールドストラクチャの場合は、1フィールドのビデオデータ毎にピクチャヘッダが付加されるため、連続する2つのピクチャのピクチャヘッダとピクチャコーディングエクステンションを読み出すことにより、いずれのストラクチャとされているか判定する必要がある。
【0025】
そこで、ピクチャデータがフレームストラクチャとされているのか、あるいはフィールドストラクチャとされているのかを、前記したように▲1▼.Group of Header (GOPヘッダ)の存在、▲2▼.Picture header内のtemporal_reference(TR)、および、▲3▼.Picture coding extention内のpicture_structure 情報の3つの情報により、ピクチャデータがフレーム/フィールドストラクチャのいずれであるかを識別している。さらに、Iピクチャとその後に現れるPピクチャを検出しなければならない。
【0026】
次に、ピクチャデータがフレーム/フィールドストラクチャのいずれであるかを識別する方法について詳細に説明する。
図19(A)にフレームストラクチャの場合のビデオデータのフォ−マットを示し、フィールドストラクチャの場合のビデオデータのフォ−マットを同図(B)に示す。フィールドストラクチャの形式においては、ピクチャヘッダとピクチャコーディングエクステンションとが付加された1フィールド分のピクチャデータが2枚で1フレームの分のビデオデータとされている。また、フレームストラクチャの形式においては、ピクチャヘッダとピクチャコーディングエクステンションとが付加された1フレーム分の1枚のピクチャデータにより、1フレーム分のビデオデータとされている。
【0027】
また、フィールドストラクチャのビデオデータ内におけるペアのピクチャデータのそれぞれのピクチャヘッダに書き込まれているTR情報の数値は等しくされている。また、ピクチャコーディングエクステンションに書き込まれているpicture_structure の情報は、図20のテーブルに示すようにTop Field の場合が”01”、Bottom Fieldの場合が”10”とされている。
さらに、フレームストラクチャのピクチャコーディングエクステンションに書き込まれているpicture_structure の情報は、図20のテーブルに示すように”11”とされている。
【0028】
そこで、ピクチャデータがフレーム/フィールドストラクチャのいずれであるかを識別するには、GOPの開始位置に書き込まれているGOPヘッダを読み、次いで、ピクチャデータの先頭に書き込まれているピクチャコーディングエクステンション内のpicture_structure の情報を読みようにすれば、フレーム/フィールドストラクチャのいずれであるかを識別することができる。
しかしながら、これだけでは識別したフレームストラクチャのピクチャデータをロードすることができるが、ペアのピクチャデータで1フレーム分のビデオデータを構成するフィールドストラクチャのビデオデータは、ペアとされるピクチャデータの検出をしていないためロードすることができない。そこで、ピクチャヘッダ内のTR情報を読み、TRの数値が等しい場合にペアのピクチャデータであるとしてロードするようにしている。
なお、ペアとなるフィールドストラクチャのピクチャヘッダは、並び順がTop/Bottomの場合とBottom/Topの場合の2通りある。
【0029】
この様子を図21を参照しながら説明する。この図に示すように、GOPヘッダ(GOP H)の後にフレームストラクチャ形式のIピクチャ、その後にフィールドストラクチャ形式のBピクチャ、その後にフィールドストラクチャ形式のBピクチャとされ、さらに離れてGOPヘッダが記録され、その後に、フィールドストラクチャ形式のIピクチャ、次いでGOPヘッダ、その後にフィールドストラクチャ形式のIピクチャ・・・・が続いているものとする。
【0030】
ここで、IピクチャとIピクチャに続くPピクチャの計3枚ロードする場合に、先頭のGOPヘッダに続くフレームストラクチャ形式のIピクチャは、GOPヘッダを読み、次いで、ピクチャヘッダ内のpicture_coding_type を読み、さらに、ピクチャデータの先頭に書き込まれているピクチャコーディングエクステンション内のpicture_structure の情報(フレームストラクチャ形式の場合”11”)を読むことにより、フレームストラクチャ形式のIピクチャと検出でき、フレームストラクチャ形式のIピクチャをロードすることができる。
【0031】
また、ビットストリーム中にランダムアクセスされた場合に図示するランダムアクセス1の位置でアクセスされたとすると、フィールドストラクチャ形式のBピクチャのピクチャヘッダおよびピクチャコーディングエクステンションが読み出される。この時、”0”のTRが読み出される。次いで、2番目のフィールドストラクチャ形式のBピクチャのピクチャヘッダおよびピクチャコーディングエクステンションが読み出される。この時、”0”のTRが読み出される。従って、この2つのフィールドストラクチャ形式のBピクチャデータはペアであるとされる。
【0032】
また、ビットストリーム中の図示するランダムアクセス2の位置にアクセスされたとすると、最初のピクチャのピクチャヘッダおよびピクチャコーディングエクステンションが読み出され、”0”のTRが読み出される。続いて、ピクチャのピクチャヘッダおよびピクチャコーディングエクステンションが読み出され、”1”のTRが読み出される。この場合は、TRの数値が一致しないため、この2つのフィールドストラクチャ形式のピクチャデータはペアとは検出されない。さらに、ビットストリーム中の図示するランダムアクセス3の位置にアクセスされた場合は、ランダムアクセス1と同様に、2つのピクチャヘッダのTRの数値が一致(TR=1)するため、ペアのピクチャと検出される。なお、”01”あるいは”10”のピクチャコーディングエクステンション内のpicture_structure を検出した時に、フィールドストラクチャ形式と判定してペアのデータを検出するようにしている。
【0033】
さらにまた、ビットストリーム中の図示するランダムアクセス4の位置にアクセスされたとすると、最初のピクチャのピクチャヘッダおよびピクチャコーディングエクステンションが読み出され、”0”のTRが読み出される。この時、ピクチャヘッダ内のpicture_coding_type 、および、ピクチャコーディングエクステンション内のpicture_structure の情報により、フィールドストラクチャ形式のIピクチャとされる。
続いて、GOPヘッダが検出されてから、次のピクチャのピクチャヘッダおよびピクチャコーディングエクステンションが読み出され、”0”のTRが読み出される。この場合、2つの連続するピクチャのTRの数値は一致するが、その間にGOPヘッダがある場合は、例外的にペアでないとする。これは、GOPヘッダがあるとTRが”0”にリセットされること、および、GOPヘッダを挟んでペアのピクチャは存在しないためである。
【0034】
ストリームディテクタ50は、前記したようにGOPヘッダと、連続して読み出されたピクチャヘッダと、ピクチャコーディングエクステンションの複数のフラグ情報を見て、ピクチャの各種情報の検出処理をして、ピクチャデータのロードを行なうことなり、その処理手順および構成が非常に複雑なものになる。
次に、ストリームディテクタ50の処理手順を示すロード完了検出フローチャートを図22に示す。ただし、このフローチャートはランダムアクセスされた場合に、すぐに正常な画像を得られるようにIピクチャの直前に書き込まれたエントリセクタにランダムアクセスするものとしている。
ロード完了検出フローチャートが開始されると、ステップS10にてpicture_header内のpicture_start_codeのサーチ(SRCH)が開始され、picture_start_codeがステップS12において発見されるとステップS14に進む。発見されない場合は、発見されるまでステップS12の処理が循環して行われる。これにより、Iピクチャのpicture_headerが検出される。
【0035】
ステップS14にては、発見したpicture header内のtemporal_referenceを読んで、レジスタTR0にその数値を記憶する。次いで、ステップS16にてpicture_header内のpicture_start_codeのサーチ(SRCH)を再び開始し、ステップS18にて発見されるとステップS20に進む。発見されない場合は、発見されるまでステップS18の処理が循環して行われる。これにより、次のピクチャデータの存在が検出される。
そして、ステップS20にてpicture_start_codeのサーチ中にgroup_of_pictures_headerを発見したか否かが判定され、発見しない場合は「NO」と判定されてステップS22に進む。また、発見した場合は「YES」と判定されるが、この場合はペアのピクチャデータではないのでステップS26にジャンプする。
【0036】
ステップS22にては、発見したpicture header内のtemporal_referenceを読んで、レジスタTR1にその数値を記憶する。次いで、ステップS24にてレジスタTR0とレジスタTR1に記憶されているTRの数値が一致しているか否かが判定され、一致している場合は「YES」と判定されてステップS16に戻り、そのピクチャのデータを読み出すようにステップS16ないしステップS24の処理が再度実行される。すなわち、ペアとされる2枚のピクチャのpicture headerを検出したと判定される。
また、TRの数値が一致しない場合は「NO」と判定されてステップS26に進むが、この場合にはペアのピクチャデータの読み出しが終了して、次のピクチャのpicture headerが発見された場合となる。
【0037】
そして、ステップS26にてpicture header内のpicture_coding_type を読み込んでレジスタに記憶する。次いで、ステップS28にて記憶されたpicture_coding_type が”Bピクチャ”か否かが判定される。”Bピクチャ”と判定されると、Bピクチャは目的とするピクチャではないので、ステップS16に戻り次のピクチャを検出するように再度ステップS16ないしステップS28の処理が繰返し実行される。
このようにして、ステップS28にて”Bピクチャ”ではないと判定されると、発見したpicture headerは、Iピクチャの後に現れる最初のPピクチャのpicture headerとなり、ステップS30にて発見したpicture header内のtemporal_referenceを読んで、レジスタTR2にその数値を記憶する。次いで、ステップS32にてpicture_header内のpicture_start_codeのサーチ(SRCH)を再び開始し、ステップS34にて発見されるとステップS36に進む。発見されない場合は、発見されるまでステップS34の処理が循環して行われる。これにより、次のピクチャデータの存在が検出される。
【0038】
そして、ステップS36にてpicture_start_codeのサーチ中にgroup_of_pictures_headerを発見したか否かが判定され、発見しない場合は「NO」と判定されてステップS38に進む。また、発見した場合は「YES」と判定されるが、この場合はペアのピクチャデータではないのでステップS42にジャンプする。
ステップS38にては、発見したpicture header内のtemporal_referenceを読んで、レジスタTR3にその数値を記憶する。次いで、ステップS40にてレジスタTR2とレジスタTR3に記憶されているTRの数値が一致しているか否かが判定され、一致している場合は「YES」と判定されてステップS32に戻り、そのピクチャのデータを読み出すようにステップS32ないしステップS40の処理が再度実行される。すなわち、ペアのピクチャのpicture headerを検出したと判定される。
【0039】
また、TRの数値が一致しない場合は「NO」と判定されてステップS42に進むが、この場合にはペアのピクチャデータの読み出しが終了して、次のピクチャのpicture headerが発見された場合となる。すなわち、最初のPピクチャの読み出しが終了する。
そして、ステップ42にてpicture header内のpicture_coding_type を読み込んでレジスタに記憶する。次いで、ステップS44にて記憶されたpicture_coding_type が”Bピクチャ”か否かが判定される。”Bピクチャ”と判定されると、Bピクチャは目的とするピクチャではないので、ステップS32に戻り次のピクチャを検出するように再度ステップS32ないしステップS44の処理が繰返し実行される。
【0040】
このようにして、”Bピクチャ”ではないと判定されると、発見したpicture headerは、Iピクチャの後に現れる2番目のPピクチャのpicture headerとなり、ステップS46にて発見したpicture header内のtemporal_referenceを読んで、レジスタTR4にその数値を記憶する。次いで、ステップS48にてpicture_header内のpicture_start_codeのサーチ(SRCH)を再び開始し、ステップS50にて発見されるとステップS52に進む。発見されない場合は、発見されるまでステップS50の処理が循環して行われる。
【0041】
ステップS52にてpicture_start_codeのサーチ中にgroup_of_pictures_headerを発見したか否かが判定され、発見しない場合は「NO」と判定されてステップS54に進む。また、発見した場合は「YES」と判定されるが、この場合はペアのピクチャデータではないのでロード完了としてこの処理は終了する。
【0042】
ステップS54にては、発見したpicture header内のtemporal_referenceを読んで、レジスタTR5にその数値を記憶する。次いで、ステップS56にてレジスタTR4とレジスタTR5に記憶されているTRの数値が一致しているか判定され、一致している場合は「YES」と判定されてステップS48に戻り、そのピクチャのデータを読み出すようにステップS48ないしステップS56の処理が再度実行される。また、TRの数値が一致しない場合は「NO」と判定されてロード完了となりこの処理は終了する。
このような処理を行うことにより、Iピクチャと、このIピクチャに続く2枚のPピクチャまでのビットストリームをロードすることができる。
【0043】
前記したように、ストリームディテクタ50は複雑な処理を行わなければならないため、本発明はストリームディテクタのように複雑な構成および動作を行う手段を必要とすることなく、特殊再生を行えるように符号化された符号化データが記録されている記録媒体の製造方法を提供することを目的としている。
【0044】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のディスク状データ記録媒体の製造方法において、フレーム内符号化画像データ、及び複数フレームにわたって時間軸方向の相関を利用することにより得られた複数枚のフレーム間順方向予測符号化画像データを含むとともに、前記フレーム内符号化画像データから当該フレーム内符号化画像データに続く所定数のフレーム間順方向予測符号化画像データまでのデータの位置を示す位置情報を含む記録データを受け取り、前記受け取った記録データに基づいて、ピットからなるトラックが形成された第1のディスクを生成し、前記第1のディスクに基づいて、光学的に読み取り可能なデータが記録された第2のディスクを複製する、ことを特徴とする。
【0045】
また前記位置情報は、前記フレーム内符号化画像の前に配置されるものとする。
【0046】
また前記位置情報は、前記フレーム内符号化画像、及び当該フレーム内符号化画像に続く1つのフレーム間順方向予測符号化画像までの位置を表すものとする。
【0047】
また前記位置情報は、前記フレーム内符号化画像、及び当該フレーム内符号化画像に続く2つ目のフレーム間順方向予測符号化画像までの位置を表すものとする。
【0048】
本発明のディスク状データ記録媒体によれば、前記データとして位置情報を含むため、特殊再生時には位置情報に基づいて、フレーム内符号化画像データ(Iピクチャ)と、フレーム内符号化画像データ(Iピクチャ)に続く数枚のフレーム間順方向予測符号化画像データ(Pピクチャ)を選択的にデコードして表示することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態として、ディスク状データ記録媒体及びそれに対応するデータ符号化装置、データ復号化装置について説明していく。
図1にデータ符号化装置のブロック図を示す。
この図に示すデータ符号化装置において、オーディオエンコーダ102はオーディオ入力に入力されたオーディオ信号を圧縮符号化して多重化装置113に出力しており、また、ビデオエンコーダ101はビデオ入力に入力されたビデオ信号を圧縮符号化して多重化装置113に出力している。この場合、オーディオエンコーダ102から出力されるストリームは、MPEG2オーディオストリーム(オーディオレイヤー)とされ、ビデオエンコーダ101から出力されるストリームは、前記図15(C)に示すMPEG2ビデオストリーム(ビデオレイヤー)とされる。
【0050】
そして、多重化装置113は、入力されたMPEG2ビデオストリームとMPEG2オーディオストリームをパケット化して前記図15(A)に示すように時分割多重化(パケタイズ)している。
なお、図示されていないが、サブタイトルストリームを多重化装置113に入力して、ビデオストリーム、オーディオストリームと共に多重化してもよい。この場合、多重化装置113から出力されるMPEG2システムストリームは前記図15(A)に示すようになる。
【0051】
また、エントリポイントデータ記憶回路133Aの入力端子は、ビデオエンコーダ101またはエントリポイント検出回路131の出力端子に接続されており、そのいずれかよりエントリポイントの情報(Iピクチャの発生ポイントの情報)を受け取り記憶する。
TOC情報データ発生回路156は、エントリポイントデータ記憶回路133Aの記憶内容を見て、TOC(Table Of Contents )情報を発生するが、TOC情報にはディスクの名前、各チャプターの名前、各チャプターのディスク上の開始アドレス、ディスクの再生所要時間、各チャプターの再生所要時間、各エントリセクタの開始アドレス等が含まれている。
【0052】
また、多重化回路113から出力された多重化ストリームは一時記憶用のDSM(Digital Storage Media)110に一時記憶され、DSM110から読み出された多重化ストリームはTOC付加回路150に供給される。TOC付加回路150はTOCデータ発生回路156で発生されたTOC情報を多重化ストリームに付加して、ピクチャヘッダ検出およびPSMデータ発生および上書き回路155に供給する。
このピクチャヘッダ検出およびPSMデータ発生および上書き回路155においてピクチャヘッダを検出することにより、本発明の特徴であるエントリセクタの先頭から最初に現れるPピクチャの終了までのバイト数、およびエントリセクタの先頭から2番目に現れるPピクチャの終了までのバイト数の情報を含むPSMデータを発生して、このPSMデータが少なくともエントリセクタに書き込まれる。この場合、多重化装置113において多重化ストリーム中にPSMデータを書き込むエントリセクタ領域が確保されており、この領域に発生されたPSMデータが上書きされる。このPSMデータについては後述する。
【0053】
そして、ピクチャヘッダ検出およびPSMデータ発生および上書き回路155の出力は、セクタヘッダ付加回路151に供給されて、セクタヘッダ付加回路151においてセクタ毎に多重化ストリームが区切られて、そのセクタ毎にセクタヘッダが付加される。
セクタヘッダ付加回路151の出力はECCエンコーダ152に入力され、ECCエンコーダ152において誤り訂正できるようにエンコードされる。
【0054】
ECCエンコーダ152の出力が供給される変調回路153では、EFM(Eight to Fourteen Modulation)が施されて、その変調出力がカッテイングマシン154に供給される。
次いで、カッテイングマシン154において変調回路153から供給されたデータに応じてピットがディスク160に形成されることにより、多重化ストリームデータがディスク160に書き込まれる。このディスク160を元にしてプレス成型を行うことにより、例えばDVD用のディスクが作成される。
【0055】
このように、図1に示すデータ符号化装置において、入力されたオーディオ信号とビデオ信号はエンコードされた後、多重化装置113においてパケット化されて時分割多重化された多重化ストリームが作成される。さらに、PSMデータが、ピクチャヘッダ検出およびPSMデータ発生および上書き回路155において発生されて、多重化ストリーム中に書き込まれる。このような多重化ストリームがディスク160に書き込まれる。
【0056】
ここで、ピクチャヘッダ検出およびPSMデータ発生および上書き回路155から出力される多重化ストリーム、すなわちMPEG2システムストリームの一態様を図2に示す。ただし、この図においては、ビデオデータとオーディオデータだけが多重化されているものとして示されている。
この図に示すように、MPEG2システムストリームは再生時に音声が途切れないように所々に挿入されたオーディオデータと、オーディオデータ間に挿入された、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャのビデオデータからなっている。
【0057】
また、エントリポイントにはエントリセクタが書き込まれているが、このエントリセクタの書き込まれている位置をエントリセクタn、エントリセクタn+1、・・・として示している。なお、エントリセクタが書き込まれる位置は、Iピクチャの直前とされており、ピックアップがエントリセクタからデータを読み出した時に、すぐに完全な画像が表示されるようになされている。
従って、エントリセクタとIピクチャの間にはオーディオデータは存在してもよいが、Pピクチャ、Bピクチャのピクチャヘッダを含むビデオデータが存在することは禁止されている。
【0058】
このエントリセクタのレイアウトを図3に示す。この図に示すようにエントリセクタは、オプションの system_headerを備えるpack_header と、PSD(Program Stream directory)、PSM(Program Stream Map)、および他のパケットから構成されている。
さらに、PSMのシンタックスを図4に示す。この図に示すようにPSMは、ユニークコードを形成する24ビットのpacket_start_code_prefix、及び8ビットのmap_stream_id 、任意の数のglobal descriptor からなるprogram_steam_info、steam_typeおよび任意の数のelementary_stream_descriptorを含むelementary_stream_info等の情報が含まれている。
【0059】
さらに、Elementary Stream Descriptors のシンタックスを図5に示すが、elementary_stream_descriptors は、そのストリームがビデオデータの場合はdvd_video_descriptorとip_ipp_descriptor からなり、そのストリームがオーディオデータの場合はdvd_audio_descriptorと言語を示すISO_639_language_descriptor からなり、そのストリームがサブタイトルデータの場合はdvd_subtitle_descriptor と言語を示すISO_639_language_descriptor から構成されている。また、図5に示す他の情報も付加されている。
【0060】
elementary_stream_descriptorのうちのip_ipp_descriptor が本発明の特徴あるdescriptorであり、IP_IPP_descriptor の内容を図6に示す。
この図に示すようにip_ipp_descriptor は、ip,ipp のdescriptorであることを示す8ビットからなるdescriptor_tagと、descriptorの長さを示す8ビットからなるdescriptor_length と、現在のエントリーセクタの最初のバイトから、最初に現れるPピクチャの最終バイトまでのバイト数を示す32ビットからなるbytes_to_first_P_picと、現在のエントリーセクタの最初のバイトから、2番目に現れるPピクチャの最終バイトまでのバイト数を示す32ビットからなるbytes_to_second_P_pic とから構成されている。
【0061】
このようにbytes_to_first_P_picと、bytes_to_second_P_pic とはデータ長を示す情報であり、そのデータ長範囲は図2に示すようになる。このbytes_to_first_P_picとbytes_to_second_P_pic が示しているオフセットバイト数内には、図2に示すようにIピクチャおよびPピクチャだけでなく、Bピクチャやオーディオパケット等も含まれるものとされる。
なお、global descriptor の内容を図7に示す。
また、エントリセクタ内のPSDには、現在のエントリセクタからその前のエントリセクタ、その後のエントリセクタまでの距離情報や、1秒後、3秒後等のエントリセクタの距離情報が書き込まれている。これらの距離情報はオフセットアドレスとして記述されている。
【0062】
次に、データ復号化装置の構成を示すブロック図を図8に示す。図8において、図17と同一の部分を同符号として示す。
この図において、ディスク1は図示しないスピンドルモータにより所定の回転数で回転するよう回転制御されており、ピックアップ2からこの光ディスク1のトラックへレーザ光が照射されることにより、トラックに記録されているMPEG方式により圧縮処理されたディジタルデータが読み出される。このディジタルデータは、復調回路3によりEFM復調されて、さらにセクタ検出回路4に入力される。また、ピックアップ2の出力はフェイズ・ロックド・ループ(PLL)回路9に入力されてクロックが再生される。この再生クロックは、復調回路3、セクタ検出回路4に供給されている。
【0063】
そして、ディスク1へ記録されているディジタルデータは、固定長のセクタを単位として多重化ストリームが記録されているが、各セクタの先頭にはセクタシンク、セクタヘッダが付加されており、セクタ検出回路4において、このセクタシンクが検出されることによりセクタの区切りが検出されると共に、セクタヘッダからセクタアドレス等が検出されて制御回路6に供給される。
また、復調出力はセクタ検出回路4を介してECC(誤り訂正)回路33に入力され、誤りの検出・訂正が行われる。誤り訂正の行われたデータはECC回路33からリングバッファ5に供給され、制御回路6の制御に従ってリングバッファ5に書込まれる。
【0064】
また、ECC回路33の出力はPSM検出回路40に入力され、特殊再生時にこのPSM検出回路40により、ディスク1から読み出されたストリームデータからエントリセクタ内のPSM情報を検出して、そのPSM情報を制御回路6に供給している。制御回路6はこの情報を受けて、特殊再生時にはIP IPP descripter のオフセットバイト数情報からエントリセクタの直後に現れるIピクチャから、そのIピクチャの後に現れる2枚のPピクチャまでのストリームデータをリングバッファ5に書き込むように制御している。
【0065】
なお、ピックアップ2のフォーカスコントロールおよびトラッキングコントロールは、ピックアップ2から読み出された情報から得られるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号により、システムコントロールの制御に従ってトラッキングサーボ回路、フォーカスサーボ回路により行われている。
ここで制御回路6は、セクタ検出回路4により検出された各セクタのセクタアドレスに基づいてそのセクタをリングバッファ5へ書き込む書込みアドレスをライトポインタWPにて指定する。また、制御回路6は、後段のビデオコードバッファ10からのコードリクエスト信号に基づき、リングバッファ5に書込まれたデータの読み出しアドレスをリードポインタRPにより指定する。そして、リードポインタRPの位置からデータを読み出し、デマルチプレクサ32に供給する。
【0066】
このデマルチプレクサ32は、ディスク1に記録されているデータがビデオデータ、オーディオデータやサブタイトルデータ等が多重化された符号化データとされているため、ビデオデータ、オーディオデータ、サブタイトルデータとを分離してビデオデータをビデオデコーダ20に、オーディオデータをオーディオデコーダに、サブタイトルデータをサブタイトルデコーダに供給するための回路である。
これにより、リングバッファ5から読み出されたビデオデータはデマルチプレクサ32で分離されてビデオコードバッファ10に記憶されるようになる。なお、特殊再生時にIピクチャから、そのIピクチャの後に現れる2枚のPピクチャまでのストリームデータ内には、図2に示すようにビデオパケット以外のパケットも含まれており、デマルチプレクサ32においてビデオデータ以外の不要なデータは除去される。
【0067】
さらに、ビデオコードバッファ10に記憶されたデータは、ピクチャヘッダ検出器34に供給されてピクチャヘッダが検出されることにより、ピクチャのI,P,Bのタイプを示すタイプ情報、およびGOP内の画面順を示すテンポラルレファレンス(TR)の情報が検出される。そして、検出されたピクチャのタイプ情報はピクチャデータ選別回路35に供給されて、特殊再生時にピクチャ検出器34から出力されるピクチャタイプ情報により、IピクチャおよびPピクチャのみを選別して逆VLC回路11に供給している。
なお、通常再生時においてはピクチャデータ選別回路35はピクチャを選別することなく、すべてのピクチャを送出するよう制御される。この制御は図示されていないがシステムコントロールにより行われる。
【0068】
逆VLC回路11に供給されたデータは、この回路11により逆VLC処理が施される。そして、逆VLC処理が終了すると、そのデータを逆量子化回路12に供給すると共に、コードリクエスト信号をビデオコードバッファ10に送り、新たなデータがビデオコードバッファ10から転送されるようにしている。
さらに、逆VLC回路11は量子化ステップサイズを逆量子化回路12に出力すると共に、動きベクトル情報を動き補償回路15に出力する。また、逆量子化回路12においては、指示された量子化ステップサイズに従って、入力されたデータを逆量子化し、逆DCT回路13に出力する。逆DCT回路13は入力されたデータに逆DCT処理を施して加算回路14に供給する。
【0069】
加算回路14においては、逆DCT回路13の出力と動き補償回路15の出力とをピクチャのタイプ(I,P,B)に応じて加算し、フレームメモリバンク16に出力する。
そして、フレームメモリバンク16から図13(A)に示す元のフレーム順序となるよう制御されて読出されたデータは、ディジタル・アナログ変換器(D/A)17により、アナログの映像信号に変換されてディスプレイ18で表示される。
【0070】
ところで、制御回路6はビデオコードバッファ10よりのコードリクエスト信号に応じて、リングバッファ5に記憶されているデータをビデオコードバッファ10に供給するが、例えば単純な映像に関するデータ処理が続き、ビデオコードバッファ10から逆VLC回路11へのデータ転送量が少なくなると、リングバッファ5からビデオコードバッファ10へのデータ転送量も少なくなる。すると、リングバッファ5の記憶データ量が多くなり、ライトポインタWPがリードポインタRPを追い越してリングバッファ5がオーバフローするおそれが生じる。
【0071】
このため、制御回路6により制御されているライトポインタWPとリードポインタRPのアドレス位置により、リングバッファ5に現在記憶されているデータ量を算出し、そのデータ量が予め設定された所定の基準値を越えた場合、リングバッファ5がオーバフローするおそれがあるとトラックジャンプ判定回路7が判定して、トラッキングサーボ回路8にトラックジャンプ指令を出力するようにしている。
【0072】
なお、リングバッファ5からビデオコーダバッファ10へのデータ転送レートはECC回路33からリングバッファ5へのデータ転送レートと等しいか、またはそれより小さい値に設定されている。このようにすることにより、ビデオコードバッファ10からリングバッファ5へのデータ転送のコードリクエストは、トラックジャンプのタイミングにかかわらず、自由に送出することができるようになる。
このように図8に示したデータ再生装置は、リングバッファ5の記憶容量に対応してピックアップ2をトラックジャンプさせるようにしたので、ディスク1に記録された映像の複雑さまたは平坦さにかかわらず、ビデオコードバッファ10のオーバフローまたはアンダーフローを防止することができ、均一な画質の映像を連続的に再生することができる。
【0073】
ディスク1上に記録されているビデオデータを通常再生する場合において、ディスク1上には図14(B)に示す順序でI,P,BのピクチャデータI0 ,B−2,B−1,P0 ,B0 ,B1 ,・・・が記録されているものとする。この場合、1GOPは15フレームのピクチャから構成されており、Iピクチャが1フレーム、Pピクチャが4フレーム、Bピクチャが10フレーム、この1GOPに含まれている。
ここで、通常再生するには記録されている順に符号化データを読み出して順次デコードし、図14(A)に示す順序で表示すれば、通常再生することができる。
【0074】
すなわち、IピクチャI0 のデコード時には、このタイプのピクチャにはフレーム間予測が施されていないので、逆DCT回路13よりのデコード出力をそのままフレームメモリバンク16に送る。また、BピクチャB−2の場合は、その予測符号化時に参照した前回デコードしたPピクチャおよびIピクチャI0 がフレームメモリバンク16から動き補償回路15に送られ、逆VLC回路11より供給された動きベクトル情報によって、動き予測画像が生成され、加算回路14に供給される。そして、加算回路14において逆DCT回路13の出力と加算されることによりBピクチャB−2がデコードされ、フレームメモリバンク16に記憶される。
【0075】
さらに、BピクチャB−1の場合は、BピクチャB−2と同様にデコードされ、BピクチャB−2が記憶されているフレームメモリバンク16のフレームメモリ16a〜16cのいずれかに上書きされることにより、フレームメモリバンク16に記憶される。そして、PピクチャP0 の場合は、IピクチャI0 がフレームメモリバンク16から動き補償回路15に送られることにより、上記と同様の処理が行われてデコードされる。このデコードされたPピクチャP0 は、フレームメモリバンク16に記憶されているIピクチャおよびPピクチャのうち古いデータの方に上書きされることによりフレームメモリバンク16に記憶される。
このように順次ピクチャがデコードされて、図14(A)に示す表示順序でフレームメモリバンク16から読み出されてディスプレイ18に表示される。
【0076】
次に、図8に示すデータ復号化装置の行える特殊再生のうちの高速逆転(F.R)再生について説明を行う。
ところで、逆転再生時にはディスク1に記録された順と逆の順にデコードして表示しなければならない。例えば、図9(A)(B)に示すようにビデオデータがディスク1上に記録されているものとし(ただし、ビデオデータ以外は省略して示している。)、BピクチャB07をデコードするものとすると、BピクチャB07をデコードするには、符号化時に参照したPピクチャP08,P05を事前にデコードしておく必要がある。しかしながら、PピクチャP08をデコードするにはPピクチャP05が必要であり、PピクチャP05をデコードするにはIピクチャI02が必要である。
【0077】
また、B06,P08,B04,B03,P05,B01,B00のピクチャデータについても同様であり、このためGOPの先頭のIピクチャからデコードする必要がある。そして、1GOPのデコードが終了したら、その一つ前のGOPにジャンプしてデコードを続けるようにする。
しかしながら、このようにデコードする逆転再生を行うようにすると、GOPの先頭のIピクチャから順にデコードを何度も行なわなければならず、逆転再生時に表示画像の時間遅れが生じて不自然な表示画像となる。そこで、本発明においては通常再生と同様に1ピクチャにつき1度のデコードしか行わないようにして、通常再生時に必要とされる3枚のフレームメモリ16a,16b,16cだけを使用するだけで逆転再生を行えるようにしている。
【0078】
これを実現するために、本発明はエントリセクタの後に現れるIピクチャと2枚のPピクチャとの計3枚のピクチャだけをデコードすることにより、高速逆転再生を可能としている。
さらに、本発明は従来のように複雑な構成のストリームディテクタを使用することなく、簡素な構成のPSM検出回路40により高速逆転再生を行うことができる。
これは、PSM検出回路40がPSM内のIP IPP descripter に記述されているオフセットバイト数情報を検出することにより、エントリセクタの直後に現れるIピクチャから、そのIピクチャの後に現れる2枚のPピクチャまでのストリームデータをリングバッファ5に書き込むことができるからである。
【0079】
そこで、高速逆転(F.R)再生時の動作を図9を参照しながら説明する。
図9(A)(B)はディスク1上に記録されているビデオデータが順番に示されている。これらの図に示されているビデオデータは4GOP分とされており、F.R再生時にはビデオデータの下に示されている矢印の順にディスク1からピックアップ2が、ビデオデータを読み出すように制御回路6により制御される。すなわち、IピクチャI32から順次BピクチャB30,BピクチャB31,PピクチャP35,BピクチャB33,BピクチャB34,PピクチャP38まで読み出され、次いで1つ前のGOPにジャンプして、IピクチャI22から2番目のPピクチャP28まで読み出される。続いて、さらに1つ前のGOPにジャンプして、IピクチャI12から2番目のPピクチャP18まで読み出され、さらにまた1つ前のGOPにジャンプして、IピクチャI02から2番目のPピクチャP08まで読み出される。以降同様に、GOP内に最初に位置しているIピクチャと、このIピクチャの後に位置する2番目のPピクチャまでのビデオデータがピックアップ2により読み出されるようにされる。
【0080】
このように、読み出すことができるのは各GOPの先頭に前記したエントリセクタが書き込まれており、エントリセクタ内のIP IPP descripter をPSM検出回路40が検出して制御回路6に供給しているからである。この時、制御回路6は、IP IPP descripter に記述されているbytes_to_second_P_pic 情報により示されるバイト数分のデータを、エントリセクタの先頭から読み出すようにピックアップ2を制御することにより、図9に矢印で示す順序でビデオデータを読み出すことができるのである。
また、1つ前のGOPの先頭にアクセスするためには、エントリセクタ内のPSDにオフセットアドレスとして記述されている前のエントリセクタまでの距離情報を用いる。
【0081】
そして、GOP内に最初に位置しているIピクチャと、このIピクチャの後に位置する2番目のPピクチャまでの読み出されたビデオデータは、デマルチプレクサ32によりオーディオデータ等から分離されてビデオコードバッファ10に書き込まれる。次いで、ピクチャヘッダ検出回路34の検出情報を利用してBピクチャを捨てるようにして、IピクチャとPピクチャだけをデコードしてフレームメモリバンク16に書き込む。そして、逆転された画像表示順でフレームメモリバンク16から読み出されてディスプレイ18に表示される。
【0082】
F.R再生時に、このように制御されるフレームメモリバンク16への書き込み/読み出しタイミングを図10を参照しながら説明する。ただし、フレームメモリバンク16は図8に示されるように3枚のフレームメモリ16a,16b,16cを備えているものとする。
このタイミング図において、図9(B)に示す後のGOPにおける先頭のピクチャであるデコードされたIピクチャI32が、時点t0においてフレームメモリ16aに書き込まれ始め、1フレーム後の時点t1で書き込みが終了する。次に、時点t1でIピクチャI32を参照してデコードされたPピクチャP35がフレームメモリ16bに書き込まれ始め、1フレーム後の時点t2で書き込みが終了する。
【0083】
さらに、時点t2でPピクチャP35を参照してデコードされたPピクチャP38がフレームメモリ16cに書き込まれ始め、1フレーム後の時点t3で書き込みが終了する。この時、時点t2とt3の中間においてフレームメモリ16cからPピクチャP38が読み出され始めるが、この読み出しが開始される時点においては、フレームメモリ16cには既にPピクチャP38が1フィールド分書き込まれているので、読み出しタイミングを書き込みタイミングより1フィールド遅らせることにより、同一のフレームメモリにおいて、読み出しおよび書き込みを重複して行うことを可能とすることができる。
【0084】
そして、フレームメモリ16cからのPピクチャP38読み出しは、時点t3とt4との中間時点において終了するが、時点t3からフレームメモリ16cに一つ前のGOPのデコードされたIピクチャI22が書き込まれ始め、1フレーム後の時点t4で書き込みが終了する。
このように、フレームメモリ16cからピクチャデータを読み出しながら異なるピクチャのデータを書き込めるのは、1フィールド分書き込みタイミングが読み出しタイミングより遅れているためである。
【0085】
以下、図9に示すタイミングでデコードされたピクチャデータがフレームメモリ16a,16b,16cに書き込まれるが、そのピクチャの順序は、
I32,P35,P38,I22,P25,P28,I12,P15,P18,I02,P05・・・
とされ、一方フレームメモリ16a,16b,16cから読み出されるピクチャの順序は、次のようにピクチャに付された番号が古い(大きい)順とされる。
P38,P35,I32,P28,P25,I22,P18,P15,I12・・・
従って、図9(C)に示す画像表示順で高速逆転再生することができるようになる。
このように、1ピクチャを1度しかデコードしないで逆転再生を行う場合に、フレームメモリが3枚とされる場合は、1GOP当り3枚の画像を逆転再生することができ、フレームメモリの枚数を越えて逆転再生をすることはできない。
【0086】
なお、逆転再生時にフレームメモリバンク16からは、ピクチャに付された番号を検出して、この番号が古い順にピクチャを読み出すようにしているが、ピクチャの表示順を示す番号であるテンポラル・レファレンス(TR)はGOPの先頭でリセットされており、その値は0〜1023とされている。
【0087】
次に、図8に示すデータ復号化装置において、高速順方向(F.F)再生を行う場合を図11を参照しながら説明する。図11(A)(B)はディスク1上に記録されているビデオデータが4GOP分示されており、そのビデオデータの下に矢印で、F.F再生時にピックアップ2がディスク1上から読み出すビデオデータの順を示されている。
F.F再生時においても、F.R再生と同様に各GOPの先頭に書き込まれたエントリセクタ内のIP IPP descripter をPSM検出回路40が検出して制御回路6に供給している。これにより、制御回路6は、IP IPP descripter に記述されているbytes_to_second_P_pic 情報により示されるバイト数分のデータを、エントリセクタの先頭から読み出すようにピックアップ2を制御することにより、図11(C)に矢印で示す順序でビデオデータを読み出すことができる。
【0088】
このように読み出されたビデオデータのうち、Bピクチャはピクチャヘッダ検出回路34の検出情報により捨てられて、IピクチャとPピクチャだけがデコードされるようになる。デコードされたIピクチャとPピクチャはデコードされた順でフレームメモリバンク16から読み出されてディスプレイ18に表示される。この時の画像表示順は、図11(C)に示すように、
I02→P05→P08→I12→P15→P18→I22→P25→P28→I32→P35→P38
となり、F.F再生を行うことができる。
【0089】
以上の説明においては、フレームメモリバンク16のフレームメモリの枚数は3枚として説明したが、フレームメモリの枚数はこれに限らず任意の数とすることができる。この場合には、フレームメモリ数と同数のIピクチャおよびPピクチャによる高速逆転(F.R)再生が可能となる。
そこで、フレームメモリバンク16のフレームメモリ16a,16bの2枚とされた時のF.R再生の説明を図12および図13を参照しながら説明する。
図12(A)(B)はディスク1上に記録されているビデオデータが順番に示されている。これらの図に示されているビデオデータは4GOP分とされており、フレームメモリが2枚とされた場合におけるF.R再生時には、ビデオデータの下に示されている矢印の順にディスク1からピックアップ2が、ビデオデータを読み出すように制御回路6により制御される。
【0090】
すなわち、IピクチャI32から順次BピクチャB30,BピクチャB31,PピクチャP35まで読み出され、次いで1つ前のGOPにジャンプして、IピクチャI22から最初のPピクチャP25まで読み出される。続いて、さらに1つ前のGOPにジャンプして、IピクチャI12から最初のPピクチャP15まで読み出され、さらにまた1つ前のGOPにジャンプして、IピクチャI02から最初のPピクチャP05まで読み出される。以降同様に、GOP内に最初に位置しているIピクチャと、このIピクチャの後に位置する最初(1番目)のPピクチャまでのビデオデータがピックアップ2により読み出されるようにされる。
【0091】
これは、各GOPの先頭に書き込まれたエントリセクタ内のIP IPP descripter に記述されたbytes_to_first_P_picをPSM検出回路40が検出して制御回路6に供給しているからである。すなわち、制御回路6は、IP IPP descripter に記述されているbytes_to_first_P_pic情報により示されるバイト数分のデータを、エントリセクタの先頭から読み出すようにピックアップ2を制御することにより、図9に矢印で示す順序でビデオデータを読み出すことができるのである。
【0092】
そして、GOP内に最初に位置しているIピクチャと、このIピクチャの後に位置する最初のPピクチャまでの読み出されたビデオデータは、デマルチプレクサ32によりオーディオデータ等から分離されてビデオコードバッファ10に書き込まれる。次いで、ピクチャヘッダ検出回路34の検出情報を利用してBピクチャを捨てるようにして、IピクチャとPピクチャだけをデコードして2枚分の容量のフレームメモリバンク16に書き込む。そして、画像表示順でフレームメモリバンク16から読み出されてディスプレイ18に表示される。
【0093】
このように制御される2枚の容量のフレームメモリバンク16への書き込み/読み出しタイミングを図13に示す。
このタイミング図において、図12(B)に示す後のGOPにおける先頭のピクチャであるデコードされたIピクチャI32が、時点t0においてフレームメモリ16aに書き込まれ始め、1フレーム後の時点t1で書き込みが終了する。次に、時点t1でIピクチャI32を参照してデコードされたPピクチャP35がフレームメモリ16bに書き込まれ始め、1フレーム後の時点t2で書き込みが終了する。
【0094】
この時、時点t1と時点t2の中間においてフレームメモリ16bからPピクチャP35が読み出され始めるが、この読み出しが開始される時点においては、フレームメモリ16bには既にPピクチャP35が1フィールド分書き込まれているので、読み出しタイミングを書き込みタイミングより1フィールド分遅らせることにより、同一のフレームメモリ16bにおいて、読み出しおよび書き込みを重複して行うことを可能とすることができる。
【0095】
そして、フレームメモリ16bからのPピクチャP35の読み出しは、時点t2と時点t3との中間時点において終了するが、時点t2からフレームメモリ16bに一つ前のGOPのデコードされたIピクチャI22が書き込まれ始め、1フレーム後の時点t3で書き込みが終了する。
このように、フレームメモリ16bからピクチャデータを読み出しながら異なるピクチャのデータを書き込めるのは、1フィールド分書き込みタイミングが読み出しタイミングより遅れているためである。
【0096】
また、時点t2と時点t3の中間においてフレームメモリ16aからIピクチャI32が読み出され始め、この読み出し開始から1フィールド分遅れて、フレームメモリ16aにデコード済のPピクチャP25が書き込まれる。IピクチャI32は、時点t3と時点t4の中間までで1フレーム分読み出され、フレームメモリ16aからIピクチャI32に続いてPピクチャP25が1フレーム分読み出される。さらに、時点t4から時点t5までフレームメモリ16aに、さらに前のGOPのIピクチャI12が1フレーム分書き込まれる。
【0097】
以下、図11に示すタイミングでデコードされたピクチャデータがフレームメモリ16a,16bに書き込まれるが、そのピクチャの順序は、
I32,P35,I22,P25,I12,P15,I02,P05・・・
とされ、一方フレームメモリ16a,16bから読み出されるピクチャの順序は、次のようにピクチャに付された番号が古い(大きい)順とされる。
P35,I32,P25,I22,P15,I12,P05,I02・・・
従って、2枚のフレームメモリであっても図12(C)に示す画像表示順で高速逆転再生することができるようになる。
【0098】
なお、以上の例では特殊再生時に、1GOP当りIピクチャを1枚と、Pピクチャを2枚あるいは1枚表示するようにしたが、Iピクチャのみをデコードして表示するようにしてもよい。この場合、Iピクチャの終了までのバイト数はPSDにそれを検出するための情報を記録するようにする。具体的には、MPEG System (ISO13818−1)で定義されるProgram Stream Directory中に、そのPSDの直後のIピクチャに関する情報をreferenced access unitとして記録し、その情報のうち、PES_header_position_offset,reference_offset,bytes_to_read の3つの値を加算することによって、そのPSDの第1バイト以降、Iピクチャが終了するまでのバイト数を算出するようにする。
【0099】
さらに、フレームメモリの容量が3枚を越える時は、3枚を越えるピクチャをデコードして特殊再生してもよい。この場合は、Iピクチャの後に現れる3枚以上のPピクチャをアクセスすることができるようにPSMにそのデータ長情報を書いておくようにする。
また、特殊再生時に隣接するGOPへのジャンプを繰り返すようにしたが、離れたGOPにジャンプするようにして特殊再生を行うようにしてもよい。
【0100】
ところで、本発明においては特殊再生時にピックアップ2のジャンプを伴うが、ビデオデータはピクチャ種類や画像の性質により圧縮度が異なるため、そのレートが可変レートのデータとされている。このため、シーク時間は一定とならず、等倍速のF.F/F.R再生を行うことが困難になる場合がある。
そこで、シーク時間あるいは表示間隔をシステムコントローラが計測するようにし、計測された時間によって、次のシークの距離を変えるようにすることにより、速度制御をフィードバック制御で行うことができる。この場合、速度制御は、あるシークで時間がかかった場合には、次のシークでは少し遠くにGOP単位でジャンプさせて距離を稼ぐようにして行えばよい。
なお、本発明においては光記録媒体を用いた実施例を示したが、有線または無線によりデータが転送されるような場合においても、本発明の記録/再生方法及び装置を適用することができる。
【0101】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように本発明のディスク状データ記録媒体により、簡素化された構成により通常再生のために必要なフレームメモリのみで、特殊再生を可能とすることができ、データ復号化装置を安価に提供することができる。また、簡素化された構成により特殊再生を可能とすることができるよう符号化することのできるデータ符号化装置を提供することができる。
また、逆転再生等の特殊再生が最小限の回路規模で構成することができるため、基板や符号化データの特殊再生装置のサイズを小さくすることができ、消費電力が小さくなるため、発熱が最小限に抑えられ、放熱のための構成を最小限とすることができる。このため、ポータブルの再生装置においても逆転再生を可能とすることができるようになる。
【0102】
さらに、特殊再生時にIピクチャのみ再生、IピクチャとPピクチャ1枚を再生、IピクチャとPピクチャ2枚を再生の3つの再生態様をアクセス毎に切り換えて、アクセス当りにロードおよび表示されるピクチャ数を可変することにより、特殊再生のスピードを制御するようにしてもよい。
さらにまた、F.F再生時にIピクチャのみでなくPピクチャを1枚あるいは2枚再生することができるので、滑らかにシーンが表示されていくことになり、視覚上好ましい表示を行うことができる。なお、IピクチャのほかにPピクチャを2枚読み出すようにしても読み出し時間は、Iピクチャのみ読み出す場合の2倍弱程度でよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデータ符号化装置の実施の一形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のデータ符号化装置により符号化した多重ストリームの一例を示す図である。
【図3】本発明のエントリセクタのレイアウトを示す図である。
【図4】本発明のPSM Syntaxを示す図である。
【図5】本発明のElementary Descriptor Syntaxを示す図である。
【図6】本発明のIP IPP descriptor の内容を示す図である。
【図7】本発明のGlobal Descriptors Syntax を示す図である。
【図8】本発明のデータ復号化装置の実施の一形態の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明のデータ復号化装置の高速逆転再生時のピックアップが読み出すビデオデータの順序を示す図である。
【図10】本発明のデータ復号化装置の高速逆転再生時のフレームメモリの書き込み/読み出しタイミングを示す図である。
【図11】本発明のデータ復号化装置の高速順方向再生時のピックアップが読み出すビデオデータの順序を示す図である。
【図12】本発明のデータ復号化装置の高速逆転再生時のピックアップが読み出すビデオデータの順序の他の例を示す図である。
【図13】本発明のデータ復号化装置の高速逆転再生時の2枚のフレームメモリへの書き込み/読み出しタイミングを示す図である。
【図14】MPEG方式におけるフレーム間予測の構造および記録フレームの構造を示す図である。
【図15】従来のMPEGシステムストリームと、MPEGビデオストリームを示す図である。
【図16】MPEG方式におけるPicture Headerの内容を示す図である。
【図17】MPEG方式ににおけるPicture coding extentionの内容を示す図である。
【図18】従来のデータ復号化装置の構成を示すブロック図である。
【図19】フレームストラクチャのビデオデータとフィールドストラクチャのビデオデータの構成を示す図である。
【図20】picture_structure のテーブルを示す図である。
【図21】フィールド/フレームストラクチャのビデオデータの識別方法を説明するための図である。
【図22】フィールド/フレームストラクチャのビデオデータが混在する場合における、I,P,Pの3枚のピクチャデータのロードを行うストリームディテクタのフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
1 ディスク、2 ピックアップ、3 復調回路、4 セクタ検出回路、5 リングバッファ、6 制御回路、7 トラックジャンプ判定回路、8 トラッキングサーボ回路、9 PLL回路、10 ビデオコードバッファ、11 逆VLC回路、12 逆量子化回路、13 逆DCT回路、14 加算器、15 動き補償回路、16 フレームメモリバンク、17 D/A変換器、18 ディスプレイ、31 ユーザインターフェース、32 デマルチプレクサ、33 ECC回路、34 ピクチャヘッダ検出器、35 ピクチャデータ選別回路、40 PSM検出回路、50 ストリームディテクタ、101 ビデオエンコーダ、102 オーディオエンコーダ、110 DSM、113 多重化装置、113A エントリポイントデータ記憶回路、150 TOCデータ発生回路、151 セクタヘッダ付加回路、152 ECCエンコーダ、153 変調回路、154 カッティングマシン、155 ピクチャヘッダ検出およびPSMデータ発生および上書き回路、156 TOCデータ発生回路、160 ディスク
Claims (4)
- ディスク状データ記録媒体の製造方法において、
フレーム内符号化画像データ、及び複数フレームにわたって時間軸方向の相関を利用することにより得られた複数枚のフレーム間順方向予測符号化画像データを含むとともに、前記フレーム内符号化画像データから当該フレーム内符号化画像データに続く所定数のフレーム間順方向予測符号化画像データまでのデータの位置を示す位置情報を含む記録データを受け取り、
前記受け取った記録データに基づいて、ピットからなるトラックが形成された第1のディスクを生成し、
前記第1のディスクに基づいて、光学的に読み取り可能なデータが記録された第2のディスクを複製する
ことを特徴とするディスク状データ記録媒体の製造方法。 - 前記位置情報は、前記フレーム内符号化画像の前に配置されることを特徴とする請求項1に記載のディスク状データ記録媒体の製造方法。
- 前記位置情報は、前記フレーム内符号化画像、及び当該フレーム内符号化画像に続く1つのフレーム間順方向予測符号化画像までの位置を表すことを特徴とする請求項1に記載のディスク状データ記録媒体の製造方法。
- 前記位置情報が、前記フレーム内符号化画像、及び当該フレーム内符号化画像に続く2つ目のフレーム間順方向予測符号化画像までの位置を表すことを特徴とする請求項1に記載のディスク状データ記録媒体の製造方法。
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