JP3561142B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の制御装置に関し、特に始動直後の点火時期と燃料供給の制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、内燃機関の排気系に介装した排気浄化触媒を機関始動後早期から活性化させるようにして、始動後早期から大気中への排気有害成分(NOx,CO,HC等)の排出量を低減することが望まれる。
このため、例えば、機関始動後所定期間内、点火時期を遅角させて排気温度を上昇させ、これにより排気浄化触媒の早期活性化を図るようにしたものがある。
【0003】
また、この点火時期を遅角する際に、点火時期の遅角による燃焼悪化と始動後燃料増量の漸減との影響で機関安定性が低下することを抑制するべく、特開平7−286540号公報に開示されるものでは、点火時期の遅角量に応じて燃料供給量を増量補正するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の特開平7−286540号公報に開示されるものでは、点火時期の遅角量(リタード量)によって燃料供給量を増量補正するが、この点火時期の遅角によって生じる負荷変化に起因する壁流量変化(吸気通路の内壁面等に付着する燃料量の変化)を考慮していなかったため、該壁流量変化に良好に追従することができず、以って空燃比がリッチ化し過ぎる惧れがあり、延いては排気性能等に悪影響を及ぼす惧れがあった。
【0005】
本発明は、かかる従来の実情に鑑みなされたもので、排気浄化触媒の始動後早期活性化のための点火時期制御を行っても、機関安定性を良好に維持できると共に、排気性能等も良好に維持できるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に記載の発明に係る内燃機関の制御装置は、図1に示すように、
機関負荷を検出する機関負荷検出手段と、
機関排気系に介装された排気浄化触媒の活性度合いを検出する触媒活性度合い検出手段と、
前記排気浄化触媒が不活性状態にあるときに、排気温度の上昇による活性化促進のために点火時期を遅角制御する点火時期制御手段と、
前記機関負荷検出手段により検出された機関負荷の現在までの所定回数分の平均値を算出する機関負荷平均値算出手段と、
前記算出された機関負荷平均値と、現在の機関負荷と、の比或いは偏差に基づいて、燃料増量補正値を設定する燃料増量補正値設定手段と、
前記点火時期制御手段による点火時期の遅角制御中に、前記燃料増量補正値設定手段により設定された燃料増量補正値に基づいて、運転状態に応じて設定される燃料供給量を補正し、該補正された燃料供給量で機関に燃料を供給制御する燃料供給制御手段と、
を含んで構成した。
【0007】
かかる構成によれば、排気浄化触媒の早期活性化のための点火時期遅角制御時に、現在までの所定回数分の機関負荷の平均値と、機関負荷の検出値と、の比或いは偏差に基づいて燃料増量補正値を設定し、該燃料増量補正値に基づいて、最終的な燃料供給量を設定するようにしたので、点火時期の遅角による負荷変化で生じる壁流燃料量(延いては空燃比)の変化があっても、該壁流燃料量変化に良好に追従した燃料供給が行えるので、空燃比を良好に目標に制御することができ、以って機関安定性を良好に維持できると共に、燃費・排気性能等をも良好なものとすることができることとなる。
【0008】
即ち、吸気通路(例えば、吸気ポート等)の内壁等に付着する壁流燃料は、機関負荷(吸気圧PB,吸入空気量Q等、換言すれば、実シリンダ内空気量)の変化量、及びその変化度合い等により変化するが、本発明によれば、これらのファクターを加味して、燃料増量補正値を設定できることになるので、壁流燃料量の変化に良好に追従した燃料供給延いては空燃比制御を行えるため、排気浄化触媒の始動後早期活性化のための点火時期リタード制御を行っても、機関安定性を良好に維持できると共に、燃費・排気性能等も良好に維持することができることとなる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、始動後所定期間経過後のアイドル運転中に、前記点火時期制御手段による点火時期の遅角制御の実行が許可される構成とした。
かかる構成とすれば、始動直後の機関運転が不安定な状態では、点火時期の遅角制御の実行が禁止されるので、車両運転性、機関安定性等を良好に維持することができることとなる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、排気浄化触媒の活性度合いが加味されて前記燃料増量補正値が設定される構成とした。
かかる構成とすれば、例えば排気浄化触媒の活性度合い延いては機関温度が低いときに、燃料増量補正値を大きく設定することができることになるから、燃料増量に伴う機関安定性の向上と、燃料増量に伴う排気温度上昇による排気浄化触媒の活性化促進と、を同時に図ることができる。
【0011】
また、吸気通路(例えば、吸気ポート等)の内壁等に付着する壁流燃料は、▲1▼機関負荷の変化量、及び▲2▼その変化度合い、▲3▼排気浄化触媒の活性度合い延いては機関温度により変化するが、かかる構成とすれば、これらのファクターを全て加味して、燃料増量補正値を設定できることになるので、一層良好に、壁流燃料量の変化に追従した燃料供給延いては空燃比制御を行えるようになるため、排気浄化触媒の始動後早期活性化のための点火時期リタード制御を行っても、なお一層、機関安定性を良好に維持できると共に、燃費・排気性能等も良好に維持することができることとなる。
【0012】
請求項4に記載の発明では、排気浄化触媒の活性度合いが、機関の冷却水温で代替される構成とした。
かかる構成とすれば、機関の冷却水温を検出するという簡単な構成で、排気浄化触媒の活性度合い延いては機関温度を検出できることになる。
請求項5に記載の発明では、前記燃料増量補正値設定手段を、前記算出された機関負荷平均値と、現在の機関負荷と、の比或いは偏差が大きいほど、前記燃料増量補正値を大きな値に設定する構成とした。
【0013】
かかる構成とすれば、排気浄化触媒の早期活性化のための点火時期の遅角による負荷変化で生じる壁流燃料量(延いては空燃比)の変化の特性に合った燃料供給を行えるので、前記点火時期の遅角制御を行っても、空燃比を良好に目標に制御することができ、以って機関安定性を良好に維持できると共に、燃費・排気性能等をも良好なものとすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施の形態を、添付の図面に基づいて説明する。
本発明の一実施の形態に係る全体構成を示す図2において、エンジン(内燃機関)1の吸気通路4には、アクセルペダルと連動して吸入空気流量Qを制御するスロットル弁3及びエアクリーナ2を介して吸入される吸気の圧力PB(機関負荷)を検出する機関負荷検出手段である吸気圧センサ11が介装されると共に、下流側の吸気ポート部分には、後述するコントロールユニット10から運転状態等に応じた所定時期に送信されてくる駆動パルス信号によって通電されて開弁され、気筒毎に燃料を噴射供給する燃料供給装置としての電磁式の燃料噴射弁5が設けられている。
【0015】
そして、エンジン1の各燃焼室には点火栓6が設けられており、当該点火栓6は、コントロールユニット10において運転状態等に応じて設定される所定点火時期に点火駆動され、これにより燃焼室に吸入された混合気を火花点火して着火燃焼させるようになっている。
なお、エンジン1からの排気は、排気マニホールド7を介して排気浄化触媒8(例えば、三元触媒,酸化触媒,リーンNOx触媒であって良い)に導入されるが、この排気浄化触媒8の持つ浄化作用により排気中の有害成分は浄化されることとなる。
【0016】
コントロールユニット10は、CPU,ROM,RAM,入・出力I/F,A/D変換器等を備えたマイクロコンピュータからなり、各種センサからの信号が入力されるようになっている。
各種センサとしては、前述した吸気圧センサ11の他に、クランク角センサ12や前記スロットル弁3の開度TVOを検出するスロットルセンサ13(スロットル弁3の全閉状態でON信号を発生する「アイドルスイッチIDLE SW」を内蔵させても良い)が設けられる。
【0017】
前記クランク角センサ12は、例えば、4気筒機関の場合には、クランク角180 °毎の基準信号REFやクランク角1〜2°毎の単位角信号POSを出力する。なお、コントロールユニット10では、該クランク角センサ12から入力されるクランク単位角信号POSを一定時間カウントして、或いは、基準信号REFの周期を計測してエンジン回転速度Neを検出することができるようになっている。
【0018】
また、エンジン1のウォータージャケット等に臨んでエンジン水温(水温に限らず、他の部分のエンジン温度を検出してもよい)Twを検出する水温センサ14も設けられている。なお、該水温センサ14が、本発明に係る触媒活性度合い検出手段として機能することになる。
更に、排気マニホールド7に臨んで空燃比センサ15が設けられており、この空燃比センサ15は排気中の特定成分(例えば酸素)濃度を検出し、コントロールユニット10ではこれに基づいて空燃比(或いは所定空燃比に対するリッチ・リーン)を検出できるようになっている。
【0019】
また、キースイッチ16からは、クランキング開始(始動開始)を検出するための信号としてスターターモータON信号や、クランキング終了(即ち、始動完了)を検出するための信号としてスターターモータOFF信号などが、コントロールユニット10に入力されるようになっている。
ところで、コントロールユニット10では、前記各種センサからの入力信号に基づき運転状態を検出し、これに対応して、燃料噴射弁5による燃料供給を制御すると共に、点火栓6による点火時期を制御する。
【0020】
ここで、本実施形態におけるコントロールユニット10が行なう始動時及び始動後における点火時期制御について、図3のフローチャートを参照して説明する。
なお、以下に説明するように、本発明に係る触媒活性度合い検出手段、点火時期制御手段の機能は、コントロールユニット10がソフトウェア的に備えるものである。
【0021】
図3のフローチャートにおいて、
ステップ(図では、Sとしてある。以下同様)1では、各種センサからの信号を受け、エンジン水温Tw,エンジン回転速度Ne,吸気圧PB等を検出する。
ステップ2では、始動中か否かを判断する。当該判断は、従来同様、例えばキースイッチ16からのスターターモータON信号の入力中であるか否か、言い換えればスターターモータ(図示せず)によるクランキング中であるか否か等に基づいて判断することができる。
【0022】
YESであれば、始動中であるので、ステップ9へ進み、始動時に見合った点火時期を達成するべく、始動時点火時期補正を行う。
例えば、始動性に適した点火時期とするべく、
点火時期ADV=BTDC10°(クランクアングル)として、リターンし、当該点火時期で点火栓6による点火を行わせるようにする。
【0023】
一方、ステップ2でNO(始動完了)と判断された場合は、ステップ3へ進む。
ステップ3では、アイドル運転中か否かを判断する。当該判断は、例えばエンジン回転速度Neやスロットル弁開度TVO(アイドルスイッチ「IDLE SW」)等に基づいて行なうことができる。
【0024】
NO(非アイドル運転中)であれば、ステップ4へ進む。YES(アイドル運転中)であれば、ステップ5へ進む。
ステップ4では、通常運転中と判断できるので、図3(S4)中に示すようなマップを参照し、エンジン回転速度速度Ne、吸気圧PB等に基づき通常運転時に見合った点火時期ADV(通常点火時期)を算出した後、リターンし、当該算出された点火時期ADV(通常点火時期)で点火栓6による点火を行わせるようにする。
【0025】
一方、ステップ5では、アイドル運転中の基本点火時期GOVを算出する。該基本点火時期GOVは、例えば、図3(S5)中に示したように、エンジン回転速度Neに基づく制御値(マップデータ)と、エンジン水温Twに基づく制御値(マップデータ)と、に基づいて算出することができる。
つづくステップ6では、点火時期のリタード条件が成立したか否かを判断する。
【0026】
当該判断は、▲1▼車速<所定値であること、▲2▼エンジン回転速度Ne≧所定値であること、▲3▼始動後所定期間(例えば2秒以上)経過しており、かつ始動後あまり長い時間経過していないこと、▲4▼エンジン水温Tw<所定値であること、等に基づいて判断することができる。
即ち、冷機状態(触媒不活性状態)であって、排気浄化触媒8の早期活性化のために点火時期をリタード(遅角)させても、車両運転性、機関安定性等に影響の少ない状態であるか否か等を判断するものである。
【0027】
YESであれば、触媒早期活性化のための点火時期リタードを実行すべく、ステップ7へ進む。
一方、NOであれば、点火時期リタード条件が非成立であるので、ステップ5で設定した基本点火時期GOVで点火栓6による点火を行わせるべく、リターンする。
【0028】
ステップ7では、触媒早期活性化のための点火時期リタードを実行すべく、触媒早期活性化のための点火時期のリタード補正量(ART)を算出する。
例えば、図3(S7)中に示したようなテーブルを参照して、エンジン水温Twに応じて設定された目標リタード補正量(TGART)を求める。
なお、目標リタード補正量(TGART)は、低温域(例えばTw≦−10°C)では、運転性、機関安定性等の観点から比較的小さな値(0を含む)に設定される一方、高温域(例えばTw≧30°C)では排気浄化触媒8の活性化が近い(或いは活性化した)ので、排気性能、燃費改善等の観点から比較的小さな値(0を含む)に設定されるようになっている。
【0029】
そして、点火時期リタードを開始してから所定時間で(所定回数ルーチンが実行されたときに)、目標リタード補正量(TGART)となるように、ルーチン実行毎に(経時と共に)リタード補正量(ART)は所定量づつ増加されるようになっている。
次のステップ8では、アイドル時点火時期を、下式に従って算出する。
【0030】
アイドル時点火時期ADV=GOV−ART
そして、本フローをリターンし、当該アイドル時点火時期ADVで点火栓6による点火を行わせるようにする。
即ち、始動が完了した後、点火時期をリタードさせて排気浄化触媒8の早期活性化を促進すべき条件が整っている期間、アイドル時の基本点火時期GOVから、経時と共に徐々に増加されるARTだけ点火時期が遅らせられて、点火栓6による点火が行われ、これにより排気温度が上昇され、以って排気浄化触媒8の早期活性化が促進されることになる。
【0031】
ところで、点火時期をリタードすると、機関安定性が低下するため、本実施形態においても燃料の増量補正を行うが、本実施形態では、点火時期リタードに伴う負荷変化に起因する壁流量変化分をも考慮して燃料増量を行うようになっている。
ここで、本実施形態におけるコントロールユニット10が行なう始動時及び始動後における燃料供給制御について、図4のフローチャートを参照して説明することにする。
【0032】
なお、以下に説明するように、本発明に係る機関負荷平均値算出手段、燃料増量補正値設定手段、燃料供給制御手段としての各機能は、コントロールユニット10がソフトウェア的に備えるものである。
図4のフローチャートにおいて、
ステップ11では、各種センサからの信号を受け、エンジン水温Tw,エンジン回転速度Ne,吸気圧PB等を検出する。
【0033】
ステップ12では、図3のフローチャートにおけるステップ2と同様にして、始動中か否かを判断する。
YESであれば、始動中であるので、ステップ17へ進み、始動時に見合った燃料噴射量(燃料供給量)を達成するべく、始動時燃料噴射量Tiを設定する。
該始動時燃料噴射量Tiは、例えば、図4(S17)中に示したように、エンジン水温Twに基づく制御値(マップデータ)と、エンジン回転速度Neに基づく制御値(マップデータ)と、バッテリ電圧VBに基づく制御値(マップデータ)と、に基づいて算出することができる。
【0034】
そして、始動時燃料噴射量Tiを設定したら、リターンし、当該始動時燃料噴射量(噴射パルス幅に相当)Tiを達成できるように燃料噴射弁5を駆動制御する。
一方、ステップ12でNO(始動完了)と判断された場合は、ステップ13へ進む。
【0035】
ステップ13では、吸気圧PB、吸気温度TA等に基づいて燃料噴射量(噴射パルス幅)Tiを演算する。
即ち、
基本燃料噴射量Tp=KCOND×(PB −PIEGR)×KTAHOS・・・
有効燃料噴射量Te=Tp×(1.0+LAMBDA+COEF+・・・・)
を算出する。
【0036】
なお、KCONDは定数、PIEGR は内部EGR補正値、KTAHOSは吸気温度補正係数、LAMBDAは空燃比フィードバック補正係数である。
また、COEF{=Kst ×( KTw +Kas +・・・・) }は各種補正係数であり、Kst は始動時増量補正値、KTw は水温増量補正係数、Kas は始動後増量補正係数である。
【0037】
そして、有効燃料噴射量Teと、バッテリ電圧補正分Tsと、に基づいて、下式により最終的な燃料噴射量Tiを算出する。
Ti=2×Te+Ts
つづくステップ14では、図3のフローチャートにおけるステップ6と同様にして、点火時期のリタード条件が成立したか否かを判断する。なお、図3のフローチャートにおいて点火時期のリタード条件が成立したことを示すフラグ等から判断するようにしても良い。
【0038】
NOであれば、点火時期リタード制御は行われないので、点火時期リタードにより生じる悪影響を抑制するための燃料補正を行う必要はないので、リターンし、前記ステップ13において設定した最終的な燃料噴射量Tiを達成できるように燃料噴射弁5を駆動制御する。
一方、YESであれば、点火時期リタードにより生じる悪影響を抑制するための燃料補正を行う必要があるので、ステップ15へ進む。
【0039】
ステップ15では、点火時期リタード時のための燃料増量補正量KFRを演算する。なお、該燃料増量補正量KFRが、本発明に係る燃料増量補正値に相当する。
当該燃料増量補正量KFRは、例えば、以下のようにして演算することができる。
【0040】
KFR=基本増量率(%)×(1−AVPB/PB)
なお、基本増量率(%)は、当該図4(S15)中に示すテーブル参照等によりエンジン水温Twに応じて設定されるが、低温域(例えばTw≦−10°C)では、運転性、機関安定性等の観点からリタード補正量が比較的小さな値(0を含む)に設定されるため、これに応じて比較的小さな値(0を含む)に設定される一方、高温域(例えばTw≧30°C)では排気浄化触媒8の活性化が近い(或いは活性化した)ので、排気性能、燃費改善等の観点からリタード補正量が比較的小さな値(0を含む)に設定されため、これに応じて比較的小さな値(0を含む)に設定されるようになっている。
【0041】
また、AVPBは、吸気圧PBの加重平均値であり、次式に従って演算される。
AVPB={(2X −1)×AVPBn−1 +PB}/2X
ここで、Xは重み付け係数であり、n−1は前回ルーチン時の加重平均値AVPBである。
【0042】
次のステップ16では、次式に従って、燃料噴射量(噴射パルス幅)Tiを演算する。
COEF=Kst ×( KTw +KFR+・・・・)
有効燃料噴射量Te=Tp×(1.0+LAMBDA+COEF+・・・・)
基本燃料噴射量Tp=KCOND×(PB −PIEGR)×KTAHOS・・・
そして、有効燃料噴射量Teと、バッテリ電圧補正分Tsと、に基づいて、下式により最終的な燃料噴射量Tiを算出する。
【0043】
Ti=2×Te+Ts
その後、本フローをリターンし、該ステップ16で算出した最終的な燃料噴射量Tiを達成できるように燃料噴射弁5を駆動制御する。
このように、本実施形態においては、排気浄化触媒8の早期活性化のための点火時期リタード時における燃料増量補正量KFRを、エンジン水温Twに応じて設定される基本値{基本増量率(%)}と、吸気圧PB(エンジン負荷)の変化度合いの補正値(=1−AVPB/PB){即ち、吸気圧PBの生値(1検出サイクル中の平均値であっても良い)と、吸気圧PBの加重平均値AVPBと、の比に基づいて設定される補正値}と、に基づいて算出し、該KFRに基づいて、最終的な燃料噴射量Tiを算出するようにしたので、点火時期リタードによる負荷変化で生じる壁流(延いては空燃比)変化があっても、該壁流量変化に良好に追従した燃料供給が行えるので、空燃比を良好に目標に制御することができ、以って機関安定性を良好に維持できると共に、燃費・排気性能等をも良好なものとすることができる(図5のタイミングチャート参照)。
【0044】
即ち、吸気通路4(例えば、吸気ポート等)の内壁に付着する壁流燃料は、▲1▼エンジン負荷(吸気圧PB,吸入空気量Q等、換言すれば、実シリンダ内空気量)の変化量、及び▲2▼その変化度合い、▲3▼エンジン温度(エンジン水温等)により変化するが、本実施形態によれば、これら▲1▼〜▲3▼のファクターを全て加味して(含んで)、燃料増量補正量KFRを設定できることになるので、該壁流変化に良好に追従した燃料供給延いては空燃比制御を行えるため、排気浄化触媒8の始動後早期活性化のための点火時期リタード制御を行っても、機関安定性を良好に維持できると共に、燃費・排気性能等も良好に維持することができる(図5のタイミングチャート参照)。
【0045】
なお、上記実施形態では、機関負荷として吸気圧PBを用いて説明したが、これに限らず、例えば図2に破線で示すように、エアフローメータ11’を吸気通路4に介装し、該エアフローメータ11’により検出した吸入空気流量Qを用いることもできるものである。また、燃料噴射量Tp等の演算においても、吸気圧PBの代わりに、吸入空気流量Qを用いることができるものである。
【0046】
また、上記実施形態では、機関負荷(例えば吸気圧PB)の加重平均値を求める構成として説明したが、これに限定されるものではなく、機関負荷の平均値としては、移動平均値、相加平均値等であっても良いものである。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明にかかる内燃機関の制御装置によれば、排気浄化触媒の早期活性化のための点火時期遅角制御時に、機関負荷の平均値と、機関負荷の生値と、の比或いは偏差に基づいて燃料増量補正値を設定し、該燃料増量補正値に基づいて、最終的な燃料供給量を設定するようにしたので、点火時期の遅角による負荷変化で生じる壁流燃料量(延いては空燃比)の変化があっても、該壁流燃料量変化に良好に追従した燃料供給が行えるので、空燃比を良好に目標に制御することができ、以って機関安定性を良好に維持できると共に、燃費・排気性能等をも良好なものとすることができる。
【0048】
即ち、吸気通路の内壁等に付着する壁流燃料は、機関負荷の変化量、及びその変化度合い等により変化するが、本発明によれば、これらのファクターを加味して燃料増量補正値を設定できることになるので、壁流燃料量の変化に良好に追従した燃料供給延いては空燃比制御を行えるため、排気浄化触媒の始動後早期活性化のための点火時期リタード制御を行っても、機関安定性を良好に維持できると共に、燃費・排気性能等も良好に維持することができる。
【0049】
請求項2に記載の発明によれば、始動直後の機関運転が不安定な状態では、点火時期の遅角制御の実行が禁止されるので、車両運転性、機関安定性等を良好に維持することができる。
請求項3に記載の発明によれば、例えば排気浄化触媒の活性度合い延いては機関温度が低いときに、燃料増量補正値を大きく設定することができることになるから、燃料増量に伴う機関安定性の向上と、燃料増量に伴う排気温度上昇による排気浄化触媒の活性化促進と、を同時に図ることができる。
【0050】
また、吸気通路の内壁等に付着する壁流燃料は、機関負荷の変化量、及びその変化度合い、排気浄化触媒の活性度合い延いては機関温度により変化するが、かかる構成とすれば、これらのファクターを全て加味して、燃料増量補正値を設定できることになるので、一層良好に、壁流燃料量の変化に追従した燃料供給延いては空燃比制御を行えるようになるため、排気浄化触媒の始動後早期活性化のための点火時期リタード制御を行っても、なお一層、機関安定性を良好に維持できると共に、燃費・排気性能等も良好に維持することができる。
【0051】
請求項4に記載の発明によれば、簡単な構成で、排気浄化触媒の活性度合い延いては機関温度を比較的高精度に検出できる。
請求項5に記載の発明によれば、排気浄化触媒の早期活性化のための点火時期の遅角による負荷変化で生じる壁流燃料量(延いては空燃比)の変化の特性に合った燃料供給を行えるので、前記点火時期の遅角制御を行っても、空燃比を良好に目標に制御することができ、以って機関安定性を良好に維持できると共に、燃費・排気性能等をも良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施形態に係るシステム図。
【図3】同上実施形態における点火時期制御を説明するフローチャート。
【図4】同上実施形態における燃料供給制御を説明するフローチャート。
【図5】本発明に係る制御と従来制御とを比較したタイミングチャート。
【符号の説明】
1 内燃機関(エンジン)
4 吸気通路
5 燃料噴射弁
6 点火栓
8 排気浄化触媒
10 コントロールユニット
11 吸気圧センサ
11’ エアフローメータ
12 クランク角センサ
14 水温センサ
Claims (5)
- 機関負荷を検出する機関負荷検出手段と、
機関排気系に介装された排気浄化触媒の活性度合いを検出する触媒活性度合い検出手段と、
前記排気浄化触媒が不活性状態にあるときに、排気温度の上昇による活性化促進のために点火時期を遅角制御する点火時期制御手段と、
前記機関負荷検出手段により検出された機関負荷の現在までの所定回数分の平均値を算出する機関負荷平均値算出手段と、
前記算出された機関負荷平均値と、現在の機関負荷と、の比或いは偏差に基づいて、燃料増量補正値を設定する燃料増量補正値設定手段と、
前記点火時期制御手段による点火時期の遅角制御中に、前記燃料増量補正値設定手段により設定された燃料増量補正値に基づいて、運転状態に応じて設定される燃料供給量を補正し、該補正された燃料供給量で機関に燃料を供給制御する燃料供給制御手段と、
を含んで構成したことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 始動後所定期間経過後のアイドル運転中に、前記点火時期制御手段による点火時期の遅角制御の実行が許可されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 排気浄化触媒の活性度合いが加味されて前記燃料増量補正値が設定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
- 排気浄化触媒の活性度合いが、機関の冷却水温で代替されることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1つの記載の内燃機関の制御装置。
- 前記燃料増量補正値設定手段が、前記算出された機関負荷平均値と、現在の機関負荷と、の比或いは偏差が大きいほど、前記燃料増量補正値を大きな値に設定することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の内燃機関の制御装置。
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