JP3560774B2 - 偶高調波ミクサ、直交ミクサ、イメージリジェクションミクサ、受信装置及び位相同期発振器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、無線通信システムに用いられる偶高調波ミクサ、直交ミクサ、イメージリジェクションミクサと、これらのミクサを適用した受信装置、位相同期発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高周波における周波数混合の手段の1つに、アンチパラレルダイオードペア(APDP)を用いてダイオードリングを構成した偶高調波ミクサがある。偶高調波ミクサの原理的な提案は、IEEEより1975年に発行されたアイイーイーイー トランス オン マイクロウェーブ セオリー アンド テクニシーズ,ボル1.エムティティ−23巻8号667頁から673頁のハーモニック ミキシング ウィズ アン アンティパラレル ダイオード ペア(IEEE Trans.on Microwave theory and technices,vo1.MTT−23、No.8,p667〜673の“Harmonicmixing with an antiparallel diode pair”)に記載されている。まず、この偶高調波ミクサの構成と動作の説明を行う。
【0003】
図29は偶高調波ミクサの一般的な構成図である。図において、1a、1bはミクサダイオード、2はアンチパラレルダイオードペア(APDP)、3は分波回路である。APDP2は逆極性のミクサダイオード1a、1bを並列接続した構成である。受信機の場合、このAPDP2に分波回路3を介し、入力信号である高周波信号RFと局部発振波信号LOとを加え、中間周波信号IFを取り出す。送信機の場合、このAPDP2に分波回路3を介しIFとLOとを加えRFを取り出す。
【0004】
この偶高調波ミクサに局部発振波信号LOを加えると、図30に示すように半周期ごとにミクサダイオード1a、1bを交互にONし電流が流れる。その結果、図31に示すようなLO電流が流れ、半周期ごとにコンダクタンスが高まる動作をする。そのため、LOの高調波は奇数次、コンダクタンスの高調波は偶数次しか存在しない。従って、受信用に適用した偶高調波ミクサでは、図32に示すように入力したRF(fin)とLO(fp)の2倍波(2fp)との混合が可能である。またRFに近接するスプリアスである2LO波(2fp)はAPDP2内部で抑制される。この抑制量は、2つのダイオード1a、1bのバランスによって決まり、特性の差が小さいほど、LOの偶数次、コンダクタンスの奇数次の高調波を抑制できる。そのため、通常の平衡形のミクサと比較し、はるかに高い抑制が可能である。ちなみにマイクロ波において、通常の基本波動作のミクサでは25dB程度の抑制であるが、偶高調波ミクサでは50dBから60dBの抑制が可能である。
【0005】
この偶高調波ミクサの出力信号である中間周波信号の周波数foutを式で表すと、
fout=|m・fin±n・fp| (1)
となる。ここでm,nは整数でかつ|m±n|は奇数であり、finは入力信号周波数、fpは局部発振周波数である。
【0006】
この偶高調波ミクサを通常の送受信機に使用する場合、
fout=|fin±2fp| (2)
となる。従って基本波動作のミクサに比べて半分のfpで動作させることができるため、引例文献をはじめ大半が、この偶高調波ミクサをマイクロ波、とりわけミリ波での送受信機に適用している。
【0007】
そして偶高調波ミクサは以下の特徴があり、無線通信機器などに用いられている。
(1)特に送信機に適用した場合に低スプリアスとなる。
(2)LO周波数fpが基本波動作のミクサに比べて半分とできるため、ミリ波など高周波動作に適する。また低価格化の効果も期待できる。
【0008】
偶高調波ミクサの構成は、かねてより色々報告されている。図33は従来の偶高調波ミクサの構成図である。図に示すように、分波回路3は一般的にRF用帯域通過フィルタ(BPF)、LO用高域通過フィルタ(HPF)及びIF用低域通過フィルタ(LPF)により構成されている。しかしこのような構成は大形となり、小形化が求められる移動体無線通信機器などへの搭載には適さない。
【0009】
そこで発明者らは分波回路3の小形化の検討を行っている。図34は1991年6月にBostonで開催されたIEEE主催、インターナショナル マイクロウェーブ シンポジウムの1991エムティティ−エス ダイジェスト(Intenational Microwave Symposium,1991MTT−S Digest)の879ぺージから882ページに記載された偶高調波ミクサである。図において、32はRF端子、33はLO端子、34はIF端子、35は先端開放スタブ、36は先端短絡スタブ、37はDCカット用コンデンサ、38はRFチョークである。先端開放スタブ35と先端短絡スタブ36とを用いてfpとfin(2fp)とを分波する構成である。
【0010】
次に図34の動作について説明する。先端開放スタブ35と先端短絡スタブ36とはfpにおいて概略4分の1波長、従ってfinでは概略2分の1波長となるよう設計される。このときの、APDP2からみた先端開放スタブ35と先端短絡スタブ36とのインピーダンスは図35および図36となる。先端開放スタブ35はRF端子32とIF端子34側なので、図35のようにfout近傍とfin近傍は高インピーダンスとなり、APDP2はそれぞれの端子に接続される。一方、fp近傍は低インピーダンスとなりAPDP2は接地される。逆に、先端短絡スタブ36はLO端子33側なので、図36のようにfout近傍とfin近傍は低インピーダンスとなり、APDP2は接地される。一方、fp近傍は高インピーダンスとなりAPDP2はLO端子33に接続される。
【0011】
図37は従来の偶高調波ミクサの他の例であり、1993年電子情報通信学会秋季全国大会C−47に報告されたものと同じように、スロット線路とコプレナ線路とのモードの違いを用いた構成である。図において、80はRFを入力するスロット線路、81はLOを入力するコプレナ線路、82はコプレナ線路に励振される平衡モードを抑制するためのワイヤである。IFは導体パターンに一端を接続されたRFチョーク38a、38bを介して、IF端子34a、34bより出力される。この偶高調波ミクサは、スロット線路80とコプレナ線路81とのつきあわせたところの各導体パターンに、リング状に接続されたAPDP2を接続したもので、励振位相によりスロット線路80とコプレナ線路81は互いにアイソレーションが得られる。そのため広帯域に分波ができる利点がある。
【0012】
図38に偶高調波ミクサの各APDP2のRF、LOおよびIFの位相関係を示す。図中、a、b、cおよびdはAPDP2相互の接続点を意味し、図37と対応する。RFとIFは同じ位相関係にあり、LOとRF/IFは互いにブリッジの中点となる位置関係に接続されているため、広帯域にアイソレーションが得られる。この構成で、出力信号IFは差動出力であり、端子34aと34bとに逆相で出力される。
【0013】
このような差動出力では以下の利点がある。
(1)一般に市販されている差動入力のIC(演算増幅器など)との接続性が良好となる。
(2)EMIなどにより生じる同位相のモードの雑音が除去できる効果がある。このような動作はリング状に接続したAPDP2を用いたダイオードリングの場合に限らず、図39と図40に示したようなリング状に接続したダイオードリングであっても同様であり、発明者は特開平4−21204号公報〈名称ミクサ)で原理を示している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
図34における偶高調波ミクサについては、この構成は簡易であるが、スタブを用いているため適用周波数範囲は狭帯域であり、これを比較的低周波で実現しようとした場合、先端開放スタブ35と先端短絡スタブ36は長くなり、大形化する課題があった。
【0015】
さらに図37や図39における偶高調波ミクサについては、スロット線路80を集積化するのは地導体の接続を考えると困難である。またこれを比較的低周波で実現しようとした場合、スロット線路80が大形化するという課題があった。また、APDP2からLO端子への高調波などのスプリアス成分が逆流し、スプリアスとなる課題があった。さらにLO側の局部発振波を出力している回路のインピーダンスが変動すると、APDP2の駆動インピーダンスの変動が生じ、動作が不安定となる課題もあった。
【0016】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、小型で低スプリアスかつ動作の安定な偶高調波ミクサ、直交ミクサ及びイメージリジェクションミクサと、これらのミクサを適用した受信装置、位相同期発振器を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明に係る偶高調波ミクサは、リング状に接続された複数個のダイオードにより形成され、局部発振波信号を入力する第1の端子、高周波的に地導体に接続され上記第1の端子と対角となる第2の端子、互いに逆位相の高周波信号を入力すると共に上記高周波信号と上記局部発振波信号に対応した互いに逆位相の中間周波信号を出力する第3の端子及び第4の端子を有するダイオードリングを備えたものにおいて、高周波信号を入力する第1の端子、互いに逆位相の高周波信号を出力する第2の端子及び第3の端子を有する能動素子により構成されたアクティブバランと、上記能動素子の第2の端子と上記ダイオードリングの第3の端子の間に接続され上記アクティブバランの出力インピーダンスのばらつきによる不平衡成分を抑制する第1の緩衝増幅器と、上記能動素子の第3の端子と上記ダイオードリングの第4の端子の間に接続され上記アクティブバランの出力インピーダンスのばらつきによる不平衡成分を抑制する第2の緩衝増幅器とを備えたものである。
【0018】
請求項2記載の発明に係る偶高調波ミクサは、ダイオードリングとして、逆極性の2つのダイオードを並列接続したアンチパラレルダイオードペアを4つリング状に接続するものである。
【0019】
請求項3記載の発明に係る偶高調波ミクサは、ダイオードリングとして、ダイオードを4つリング状に接続するものである。
【0020】
請求項4記載の発明に係る偶高調波ミクサは、能動素子の第1の端子に接続され、高周波信号を出力している側の出力インピーダンスと上記能動素子の第1の端子の入力インピーダンスとを整合する整合回路を備えたものである。
【0022】
請求項5記載の発明に係る偶高調波ミクサは、局部発振波信号を入力してダイオードリングの第1の端子に出力すると共に変換利得の周波数リップルを抑制する第3の緩衝増幅器を備えたものである。
【0023】
請求項6記載の発明に係る偶高調波ミクサは、ダイオードリングの第3の端子からの中間周波信号を入力して出力すると共に前後の回路との間の多重反射を防ぐ第4の緩衝増幅器と、ダイオードリングの第4の端子からの中間周波信号を入力して出力すると共に前後の回路との間の多重反射を防ぐ第5の緩衝増幅器とを備えたものである。
【0025】
請求項7記載の発明に係る偶高調波ミクサは、ダイオードリングの第3の端子及び第4の端子を接続する高抵抗の負荷抵抗と、この負荷抵抗の両端からの中間周波信号を入力して出力する演算増幅器とを備えたものである。
【0026】
請求項8記載の発明に係る偶高調波ミクサは、局部発振波信号を入力してダイオードリングの第1の端子に出力すると共に上記局部発振波信号の電力変動を抑制するリミタを備えたものである。
【0027】
請求項9記載の発明に係る偶高調波ミクサは、局部発振波信号を入力してダイオードリングの第1の端子に出力すると共に上記局部発振波信号の高調波を抑制するフィルタを備えたものである。
【0028】
請求項10記載の発明に係る偶高調波ミクサは、局部発振波信号を入力し周波数を分周してダイオードリングの第1の端子に出力する分周器を備えたものである。
【0029】
請求項11記載の発明に係る偶高調波ミクサは、モノリシック集積化したものである。
【0030】
請求項12記載の発明に係る直交ミクサは、高周波信号を入力し、互いに90度位相の異なる高周波信号を出力する第1及び第2の出力端子を有する90度分配回路と、局部発振波信号を入力し、互いに同相の局部発振波信号を出力する第3及び第4の出力端子を有する同相分配回路と、上記第1の出力端子より出力された高周波信号と、上記第3の出力端子より出力された局部発振波信号を入力し、第1の中間周波信号を出力する請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサと、上記第2の出力端子より出力された高周波信号と、上記第4の出力端子より出力された局部発振波信号を入力し、上記第1の中間周波信号と位相が90度異なる第2の中間周波信号を出力する請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載偶高調波ミクサとを備えたものである。
【0031】
請求項13記載の発明に係る直交ミクサは、高周波信号を入力し、互いに同相又は逆位相の高周波信号を出力する第1及び第2の出力端子を有する分配回路と、局部発振波信号を入力し、互いに45度位相の異なる局部発振波信号を出力する第3及び第4の出力端子を有する45度分配回路と、上記第1の出力端子より出力された高周波信号と、上記第3の出力端子より出力された局部発振波信号を入力し、第1の中間周波信号を出力する請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサと、上記第2の出力端子より出力された高周波信号と、上記第4の出力端子より出力された局部発振波信号を入力し、第2の中間周波信号を出力する請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサとを備えたものである。
【0032】
請求項14記載の発明に係る直交ミクサは、モノリシック集積化したものである。
【0033】
請求項15記載の発明に係るイメージリジェクションミクサは、請求項12又は請求項13記載の直交ミクサの第1の中間周波信号を増幅する第1の演算増幅器と、請求項12又は請求項13記載の直交ミクサの第2の中間周波信号を増幅する第2の演算増幅器と、上記第1及び第2の演算増幅器より出力された第1及び第2の中間周波信号を入力し、位相を90度移相して出力する90度移相回路とを備えたものである。
【0034】
請求項16記載の発明に係るイメージリジェクションミクサは、モノリシック集積化したものである。
【0035】
請求項17記載の発明に係る受信装置は、受信した高周波信号を中間周波信号に変換して所望の信号を検出するものにおいて、請求項1から請求項11のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサ、請求項12から請求項14のうちのいずれか1項記載の直交ミクサ、又は請求項15若しくは請求項16記載のイメージリジェクションミクサを備えたものである。
【0036】
請求項18記載の発明に係る位相同期発振器は、基準発振器の出力信号に電圧制御発振器の出力信号を位相同期させるものにおいて、請求項1から請求項11のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサを位相検波器として用いたものである。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における偶高調波ミクサの構成図である。図1において、101はダイオードリングとしてAPDP2を4つ用いたAPDPリング、102はFETを用い構成したアクティブバランであり、図29や図37に示した従来例と同一ないしは相当部分には同一符号を付している。この構成で、出力信号(IF)は差動出力であり、端子34aと34bとに逆相で出力される。
【0038】
次に図2にアクティブバランの1構成例を示す。図2において、104は能動素子としての電界効果トランジスタ(以下、FET)、105a、105bは抵抗、106a、106b、107及び108はDCカット用コンデンサ、109はRFチョーク用インダクタ、115a、115bはアクティブバランの出力端子である。また図3にその高周波的な等価回路を示す。図において、(a)は電流源で表示した等価回路で、(b)は(a)を等価変換し電圧源で表示した等価回路であり、110はゲートソース間容量Cgs、111はドレイン抵抗Rds、112は電流源、113a、113bは負荷抵抗RL、114は電源の内部抵抗Rgen、117は電圧源である。
【0039】
次に図1から図3を用いてこの実施の形態の動作について説明する。図37のスロット線路80の代わりにアクティブバラン102を用いている点が従来と異なる。RF端子32に入力信号波である高周波信号を加えると、FET104のゲートと地導体間に電圧Vsが加わる。するとVsは分圧され、FET104のゲートソース間容量Cgs110に電圧Vs’が加わる。その結果、ドレインソース間の電流源112にgmVs’が励振される。その結果、図3(b)に示すようにドレインソース端子間の内部抵抗Rds111の電圧源gm・Vs’・Rdsと等価となる。従って、負荷抵抗RL113a、113bに入力信号電流(RF電流)が流れ、図3(b)に示すようにアクティブバランの出力端子115a、115bに、地導体に対し逆位相のRF電圧RF1及びRF2が生じる。
【0040】
この逆位相のRF電圧は、図37に示した従来例でのスロット線路80とAPDP2との2つの接点での電界と同様である。従って、図1に示した偶高調波ミクサとしては、従来と同様に動作する。図1のAPDP2の接点に記入したa、b、cおよびdと図37のa、b、cおよびdとは対応している。従って、RF端子32に入力信号波である高周波信号、LO端子33に局部発振波信号を加えると、高周波信号と局部発振波信号の2倍波とが周波数混合され、RFチョーク38a、38bとを介し、IF端子34a、34bに逆位相(いわゆる差動出力)の中間周波信号が出力され、ダウンコンバータとして動作する。
【0041】
以上の説明では、アクティブバラン102用の能動素子としてFETを使用しているが、トランジスタであっても良い。
【0042】
以上の説明では、アクティブバラン102のゲートをRF端子32に接続したが、図4に示すように、入力信号波である高周波信号を出力している回路のインピーダンスとFETゲート側の入力インピーダンスを整合する整合回路116を設けても良く、より低いRF電力で動作することができる。
【0043】
以上のように、この実施の形態1によれば、アクティブバラン102により、以下の効果が得られる。
(1)スロット線路を用いないため小形化が容易。従って半導体基板上に偶高調波ミクサのモノリシック集積化が可能となる。
(2)アクティブバラン102に使用しているFETやトランジスタなどの能動素子の方向性により、APDPリング101からRF端子32への高調波などのスプリアス成分の逆流が抑制され、低スプリアスとなる。
(3)アクティブバラン102に使用しているFETやトランジスタなどの能動素子の方向性により、入力信号波である高周波信号を出力している回路のインピーダンスの変動によるAPDPリング101の終端インピーダンスの変動が生じない。従って動作が安定化される。
【0044】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2における偶高調波ミクサの構成図である。この実施の形態は、実施の形態1のダイオードリングとしてのAPDPリング101を、4つのダイオード1a〜1bからなるダイオードリング120におきかえて構成したものであり、図1に示した実施の形態1と同一ないしは相当部分には同一符号を付している。図39の従来例でも述べたように、図5のように4つのダイオードからなるダイオードリングの場合であっても、偶高調波ミクサとして動作する。従って、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0045】
実施の形態3.
アクティブバラン102では、図3の等価回路からも明らかなように、ドレインとソースは非対称である。そのため端子115aと115bとに逆位相で分配される一方、そのインピーダンスが同一とならない。つまり、APDPリング101やダイオードリング120の接続点aからみたアクティブバラン102のインピーダンスと、接続点bからみたアクティブバラン102のインピーダンスは異なる。そのため、RFの入力信号波の励振位相にばらつきを生じる。その結果、不平衡成分が生じ、LO側とRF/IF側とのアイソレーションが劣化する問題がある。
【0046】
また、APDPリング101やダイオードリング120などを用いたダイオードミクサの欠点に、端子間インピーダンスの局部発振電力依存性がある。すなわち局部発振電力の大きさによりダイオードリングの端子間インピーダンスが変化する。これは局部発振電力によりダイオードミクサがON/OFFされるデューティー比が変動するためである。
【0047】
このような、アイソレーションの劣化や、インピーダンスの変動が生じると、LO端子33を介して、この偶高調波ミクサの前後に接続される増幅器やフィルタとの間で多重反射を生じる。その結果、図6のような変換利得のリップルを生じ、通信の品質を劣化させる。
【0048】
この発明の実施の形態3はこのようなアクティブバラン102の問題点を解消するためになされたものである。図7は実施の形態3における偶高調波ミクサの構成図である。図において、122a、122bはアクティブバラン102とAPDPリング101との間に設けた緩衝増幅器であり、図1に示した実施の形態1と同一ないしは相当部分には同一符号を付している。また図8には緩衝増幅器122の一例としてソース接地FET123を示している。また図7の接点A、Bと図8の接点A、Bとは対応している。
【0049】
次に動作について説明する。
アクティブバラン102とAPDPリング101との間に、緩衝増幅器122a、122bの一例として、ソース接地FET123を設ける。ソース接地FET123はゲートドレイン間が高アイソレーションであり、APDPリング101からはソース接地FET123の出力インピーダンスしか見えない。従って、APDPリング101からはアクティブバラン102の出力インピーダンスのばらつきは見えない。またソース接地FET123の入力インピーダンスは高くほぼ開放であるため、アクティブバラン102の出力インピーダンスのばらつきによる、緩衝増幅器122a、122bの入力電圧のばらつきはわずかである。
【0050】
以上の説明では、緩衝増幅器122a、122bとしてソース接地FET123で説明したが、エミッタ接地トランジスタであっても、その他の増幅回路であっても良い。
【0051】
また以上の説明では、実施の形態1に緩衝増幅器122a、122bを設けた場合について示したが、実施の形態2に緩衝増幅器122a、122bを設けても良い。
【0052】
以上のように、この実施の形態3によれば、実施の形態1で示した効果の他に次のような効果がある。すなわちアクティブバラン102とAPDPリング101との間に緩衝増幅器122a、122bを設けることにより、アクティブバラン102の出力インピーダンスのばらつきによる不平衡成分を抑制できる。その結果、RF側とLO側とのアイソレーションを高めることができる効果が得られる。また局部発振電力などの変動によるAPDPリング101のインピーダンスの変動があっても、緩衝増幅器122によりRF端子32のインピーダンス変動が抑制でき、この偶高調波ミクサの前後に接続される増幅器やフィルタとの間で多重反射を生じないという効果が得られる。
【0053】
実施の形態4.
APDPリング101やダイオードリング120などを用いたダイオードミクサの欠点に、端子間インピーダンスの局部発振電力依存性がある。これは局部発振電力によりダイオードミクサがON/OFFされるデューティー比が変動するためである。このような、インピーダンス変動が生じると、この偶高調波ミクサの前後に接続される増幅器やフィル夕との間で多重反射を生じる。その結果、周波数によってAPDPリング101やダイオードリング120などにかかるLO電圧に変動が生じ、利得が変動する問題が生じる。
【0054】
この発明の実施の形態4ではこのような問題を解消するためになされたものである。図9は実施の形態4における偶高調波ミクサの構成図である。図において、124はLO端子33とAPDPリング101との間に設けたLO用緩衝増幅器であり、図1に示した実施の形態1と同一ないしは相当部分には同一符号を付している。また図10には緩衝増幅器124の一例としてゲート接地FET125を示している。ここで図9の接点A、Bと図12の接点A、Bとは対応している。
【0055】
次に動作について説明する。
ゲート接地FET125は入力インピーダンスが低く、50オームや75オームに近い。そのため、外部の回路との電気的な接続性が良好である。また入出力端子間にはアイソレーション特性があるため、LO端子33からはAPDPリング101のインピーダンスが見えない。従って、局部発振電力の変動によりAPDPリングの端子間インピーダンスが変動しても、偶高調波ミクサの各端子間インピーダンスは変化せず、この偶高調波ミクサの前後に接続される増幅器やフィルタとの間で多重反射を生じない。
【0056】
以上の説明では、LO用緩衝増幅器124としてゲート接地FET125で説明したが、ベース接地トランジスタやその他の増幅回路であっても良い。
【0057】
また以上の説明では、実施の形態1にLO用緩衝増幅器124を設けているが、実施の形態2に緩衝増幅器124を設けても良い。
【0058】
以上のように、この実施の形態4によれば、実施の形態1で示した効果の他に次のような効果がある。すなわちLO用緩衝増幅器124により利得の周波数リップルを抑制でき、伝送特性が向上する効果が得られる。また、LO用緩衝増幅器124のアイソレーション特性により、高周波信号や中間周波信号などのLO端子33への漏洩を抑制でき、低スプリアスとなる効果が得られる。
【0059】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5は、実施の形態4と同様、局部発振電力などの変動によるAPDPリング101やタイオードリング120のインピーダンス変動などの問題点を解消するためになされたものである。図11は実施の形態5における偶高調波ミクサの構成図である。図において、126a、126bはIF端子34a、34bとAPDPリング101との間に設けた出力信号用緩衝増幅器であり、図1に示した実施の形態1と同一ないしは相当部分には同一符号を付している。また図12には緩衝増幅器126a、126bの一例としてFET104と抵抗127とからなるソースフロア128を示している。ここで図11の接点A、Bと図12の接点A、Bとは対応している。
【0060】
次に動作について説明する。
ソースフロア128は出力インピーダンスが低く、50オームや75オームに近い。そのため、外部の回路との電気的な接続性が良好である。また入出力端子間にはアイソレーション特性があるため、出力端子からはAPDPリング101のインピーダンスが見えない。従って、局部発振電力の変動によりAPDPリング101の端子間インピーダンスが変動しても、この偶高調波ミクサの前後に接続される増幅器やフィルタとの間で多重反射を生じない。
【0061】
以上の説明では、出力信号用緩衝増幅器126a、126bとしてソースフロア128で説明したが、トランジスタによるエミッタフロアや、その他の増幅回路であっても良い。
【0062】
また以上の説明では、実施の形態1に出力信号用緩衝増幅器126a、126bを設けた場合について示したが、実施の形態2に緩衝増幅器126a、126bを設けた場合であっても良い。
【0063】
以上のように、この実施の形態5によれば、実施の形態1で示した効果の他に次のような効果がある。すなわち局部発振電力の変動によりAPDPリング101の端子間インピーダンスが変動しても、この偶高調波ミクサの前後に接続される増幅器やフィルタとの間で多重反射を生じないという効果が得られる。
【0064】
実施の形態6.
この発明の実施の形態6は、実施の形態7と同様、局部発振電力などの変動によるAPDPリング101やダイオードリング120のインピーダンス変動などの問題点を解消するためになされたものである。図13は実施の形態6における偶高調波ミクサの構成図である。図において、アクティブバラン102とAPDPリング101との間に入力信号用緩衝増幅器122a、122bを、またIF端子34a、34bとAPDPリング101との間に出力信号用緩衝増幅器126a、126bとを設けたものであり、実施の形態3と実施の形態5を同時に実現した構成である。ここで、入力信号用緩衝増幅器122a、122bの一例としてはソース接地FETなどが、出力信号用緩衝増幅器126a、126bの一例としてはソースフロアなどが挙げられる。また図13において、図1に示した実施の形態1と同一ないしは相当部分には同一符号を付している。
【0065】
次に動作について説明する。
この実施の形態6は、実施の形態3と実施の形態5で説明した動作を同時に実現する。以上のように、外部の回路との電気的な接続性が良好であると共に、入出力端子間にはアイソレーション特性があるため、IF端子34a、34bやRF端子32からはAPDPリング101のインピーダンスが見えない。従って、局部発振電力の変動によりAPDPリング101の端子間インピーダンスが変動しても、この偶高調波ミクサの前後に接続される増幅器やフィルタとの間で多重反射を生じない。
【0066】
以上の説明では、緩衝増幅器122a、122b、126a、126bとしてFET回路で説明したが、トランジスタ回路であっても、その他の増幅回路であっても良い。
【0067】
また以上の説明では、実施の形態1に緩衝増幅器122a、122b、126a、126b設けた場合について示したが、実施の形態2に緩衝増幅器を設けた場合であっても良い。
【0068】
以上のように、この実施の形態6によれば、実施の形態1で示した効果の他に次のような効果がある。すなわち局部発振電力の変動によりAPDPリング101の端子間インピーダンスが変動しても、この偶高調波ミクサの前後に接続される増幅器やフィルタとの間で多重反射を生じないという効果が得られる。
【0069】
実施の形態7.
APDPリング101やダイオードリング120などを用いたダイオードミクサのその他の欠点に、変換効率が低く高損失となる点がある。この発明の実施の形態7ではこのようなAPDPリング101やダイオードリング120などの問題点を解消するためになされたものである。図14は実施の形態7における偶高調波ミクサの構成図である。図において、129は差動対のIF端子34a、34bの間に接続された出力負荷抵抗Rout、130は演算増幅器であり、図1に示した実施の形態1と同一ないしは相当部分には同一符号を付している。
【0070】
一般にミクサ、特にダイオードミクサでは、50オームの出力負荷を規定している。しかし、例えばIF回路として演算増幅器の利用を想定する。演算増幅器は電力伝送でなく電圧伝送系を想定しているため、50オームの終端抵抗は意味をなさない。また、偶高調波ミクサは通常のミクサと比較して、2次の混合を用いる理由で変換損が1から3dB程度高い。そこで、この実施の形態による偶高調波ミクサでは、出力負荷抵抗129を50オームより高いインピーダンスとし、出力電圧の向上をねらっている。
【0071】
次に動作について説明する。
この出力負荷抵抗Rout129の両端の電圧Voutを、入力インピーダンスがほぼ開放とみなせる演算増幅器130で増幅する。この出力負荷抵抗129両端の電圧Voutは、図15に示すように、出力負荷抵抗Rout129を高めるほど高電圧となり、開放に近づくにつれ一定の値に収束する。また演算増幅器130は、端子間の電圧を増幅する機能を有する。したがって、出力負荷抵抗Rout129を高める程、ミクサの利得が高まることが分かる。ここで、これはエネルギー的な利得の高まりを意味するのではなく、電圧利得が高まることのみを意味している点に注意を要する。
【0072】
以上の説明では、実施の形態1に、出力負荷抵抗129と演算増幅器130を設けた場合について示したが、実施の形態2に出力負荷抵抗129と演算増幅器130を設けた場合であっても良い。
【0073】
以上のように、この実施の形態7によれば、実施の形態1で示した効果の他に、偶高調波ミクサの利得が高まり、例えば受信機の感度が改善されるなどの効果が得られる。
【0074】
実施の形態8.
図16に偶高調波ミクサの局部発振電力に対する変換利得を示す。通常の基本波ミクサは飽和特性を呈し局部発振電力に対し安定した変換利得が得られるが、偶高調波ミクサは局部発振電力に対し、図16に示すように単峰特性を呈し安定しない。これはAPDP2では局部発振電力を高めると、APDP2を構成するミクサダイオード1a、1bの双方がONされる時間が長くなり、ついにはミクサダイオード1a、1bの双方がONされ、非線形性を失うため生じる現象である。そのため、温度などで局部発振電力が変動すると、変換利得が変動する問題がある。この発明の実施の形態8ではこのようなAPDPリング101やダイオードリング120を用いた偶高調波ミクサの問題点を解消するためになされたものである。
【0075】
図17は実施の形態8における偶高調波ミクサの構成図である。図において、131はLO端子33とAPDPリング101の間に設けられたリミタであり、図1に示した実施の形態1と同一ないしは相当部分には同一符号を付している。
【0076】
次に動作について説明する。
リミタ131は図18に示すような入出力特性を有しており、あるレベル以上の入力電力に対し、リミタ効果により出力を一定にしている。その結果、リミタ131の効果で、温度などの要因で局部発振電力が変動しても、図19に示すように安定した変換利得が得られる。
【0077】
また、リミタ131からは多数の高調波が発生するため、スプリアス成分となる。そこでリミタ131の出力に、スプリアス成分を抑制する高調波抑制用フィルタを設けても良い。
【0078】
以上の説明では、実施の形態1にリミタ131を設けた場合について示したが、実施の形態2にリミタ131を設けても良い。
【0079】
以上のように、この実施の形態8によれば、実施の形態1で示した効果の他に、LO端子33とAPDPリング101の間に設けられたリミタ131により、安定した変換利得が得られるという効果がある。
【0080】
実施の形態9.
ミクサに供給される局部発振波信号fpには、通常高調波成分が含まれる。この高調波成分のうち、第2高調波2fpは図20に示すようにRF波finに近接し、妨害波となる。とりわけダイレクトコンバージョン受信機のようにIFが低周波となり、finと2fpが近接する場合に問題となる。この発明の実施の形態9ではこのような偶高調波ミクサの問題点を解消するためになされたものである。
【0081】
図21は実施の形態9における偶高調波ミクサの構成図である。図において、132はLO端子33とAPDPリング101との間に設けられたフィルタであり、図1に示した実施の形態1と同一ないしは相当部分には同一符号を付している。
【0082】
次に動作について説明する。
フィルタ132は局部発振波fpの高調波2fpを抑制する。その結果、偶高調波ミクサから出力されるスプリアスが低レベルとなる。
【0083】
以上の説明では、実施の形態1にフィルタ132を設けた場合について示したが、実施の形態2にフィルタ132を設けても良い。
【0084】
以上のように、この実施の形態9によれば、実施の形態1で示した効果の他に、LO端子33とAPDPリング101との間に設けられたフィルタ132により、偶高調波ミクサから出力されるスプリアスが低レベルとなるという効果が得られる。
【0085】
実施の形態10.
偶高調波ミクサでは、局部発振波がAPDP2で2逓倍される。従って、局部発振周波数として基本波動作のミクサの半分の周波数となる。また局部発振器としてシンセサイザを用いる場合、チャネル間隔も逓倍により2倍となる。そのため、あらかじめ半分のチヤネル間隔のシンセサイザが必要となる。通常シンセサイザとしてPLL構成のものが用いられ、チャネル間隔がPLLの基準周波数となる。そのため、偶高調波ミクサを用いるとPLLの基準周波数が半分となる。しかしながら、PLLの収束時間や雑音特性は基準周波数が高いほど良好であり、そのため偶高調波ミクサを用いるとPLLの特性が劣化する問題がある。この発明の実施の形態10ではこのような偶高調波ミクサの問題点を解消するためになされたものである。
【0086】
図22は実施の形態10における偶高調波ミクサの構成図である。図において、133はLO端子33とADPDリング101との間に設けられた分周器であり、図29や図37に示した従来例、図1に示した実施の形態1と同一ないしは相当部分には同一符号を付している。
【0087】
次に動作について説明する。
LO端子33には、局部発振周波数として2fpが入力される。そして分周器133は入力した局部発振波2fpを2分周してfpとし、このfpをADPDリング101に入力することにより、ミクサ内部での2逓倍の効果を相殺している。従って、外部からみて、あたかも基本波動作のミクサと同じように動作する。このような構成にすると、基本波動作のミクサと同様の局部発振器やシンセサイザを用いることができ、PLLの特性劣化を抑制できる。
【0088】
以上の説明では、実施の形態1に分周器133を設けた場合について示したが、実施の形態2に分周器133をを設けても良い。
【0089】
また分周器133からは多数高調波が発生するため、これがスプリアス成分となる。そこで分周器133の出力にスプリアス成分を抑制する高調波抑制用フィルタを設けても良い。
【0090】
以上のように、この実施の形態10によれば、実施の形態1で示した効果の他に、LO端子33とADPDリング101との間に設けられた分周器133により、PLL構成の局部発振器やシンセサイザの基準周波数を高くすることができ、PLLの特性劣化を抑制できるという効果が得られる。
【0091】
実施の形態11.
この発明の実施の形態11は、実施の形態1から10の偶高調波ミクサのいずれか2つを用い、直交ミクサを構成したものである。図23は実施の形態11における直交ミクサの構成図である。図において、134は90度分配回路、135は同相分配回路、300a、300bは偶高調波ミクサであり、2つの偶高調波ミクサ300a、300bのRF端子32a、32bを90度分配回路134に接続し、LO端子33a、33bを同相分配回路135に接続している。また図1に示した実施の形態1と同一ないしは相当部分には同一符号を付している。
【0092】
次に動作について説明する。
このミクサは例えば、RF端子32cにQPSKなどの変調波(周波数2fp)を入力し、LO端子33cに搬送波成分(周波数fp)を入力すると、2つのIF端子34a、34bにQPSKの複素包絡線成分が出力され、直交復調器として動作する。RF端子32cに入力された入力信号波は、90度分配回路134により、2つの偶高調波ミクサ300a、300bのRF端子32a、32bに、互いに90度の位相差をもって出力される。またLO端子に入力された局部発振波は、同相分配回路135により、2つの偶高調波ミクサ300a、300bのLO端子33a、33bに、互いに同相で出力される。2つの偶高調波ミクサ300a、300bは、実施の形態1と同様に動作するが、中間周波信号の出力端子34a、34bには、互いに90度の位相差をもって中間周波信号が出力される。
【0093】
また以上の説明では、LO端子33a、33bに同相分配回路135を接続したものであるが、直接接続したり、アクティブバランやウィルキンソン分配器など同位相あるいは逆位相の分配回路を用いても良い。
【0094】
以上のように、この実施の形態11によれば、実施の形態1で示した効果の他に、実施の形態1から10の偶高調波ミクサのいずれか2つをを用いているため、直交ミクサとして小形に構成できるという効果が得られる。
【0095】
実施の形態12.
この発明の実施の形態12は、実施の形態11と同様に、実施の形態1から10の偶高調波ミクサのいずれか2つを用い、直交ミクサを構成したものである。実施の形態11との違いはLO側で45度の位相差の分配を行い、RF端子で同位相あるいは逆位相の分配回路135を用いている点である。45度の位相差の局部発振波は偶高調波ミクサでの2逓倍により90度の位相差となる。図24は実施の形態12における直交ミクサの構成図である。図において、136は45度分配回路であり、図23に示したものと同一ないしは相当部分には同一符号を付している。2つの偶高調波ミクサのLO端子33a、33bを45度分配回路136に接続し、RF端子32a、32bを同位相あるいは逆位相の分配回路135で接続している。
【0096】
次に動作について説明する。
このミクサは例えば、RF端子32cにQPSKなどの変調波(周波数2fp)を入力し、LO端子33cに搬送波成分(周波数fp)を入力すると、2つのIF端子34a、34bにQPSKの複素包絡線成分が出力され、直交復調器として動作する。RF端子32cに入力された入力信号波は、同位相あるいは逆位相の分配回路135により、2つの偶高調波ミクサ300a、300bのRF端子32a、32bに、互いに同相又は逆位相で出力される。またLO端子に入力された局部発振波は、45度分配回路136により、2つの偶高調波ミクサ300a、300bのLO端子33a、33bに、互いに45度の位相差をもって出力される。2つの偶高調波ミクサ300a、300bは、実施の形態1から10と同様に動作するが、45度の位相差の局部発振波は偶高調波ミクサでの2逓倍により90度の位相差となり、中間周波信号の出力端子34a、34bには、互いに90度の位相差をもって中間周波信号が出力される。
【0097】
以上のように、この実施の形態12によれば、実施の形態1で示した効果の他に、実施の形態1から10の偶高調波ミクサのいずれか2つをを用いているため、直交ミクサとして小形に構成できるという効果が得られる。
【0098】
実施の形態13.
この発明の実施の形態13は、実施の形態11または12の直交ミクサにIFの90度移相回路を接続したイメージリジェクションミクサに関するものである。図25は実施の形態13におけるイメージリジェクションミクサの構成図である。図において、137はIFの90度移相回路、301は直交ミクサであり、直交ミクサ301の2つのIF端子34a、34bとIFの90度移相回路137を演算増幅器130a、130bを介して接続されている。また図において、図23や図24に示したものと同一ないしは相当部分には同一符号を付している。
【0099】
次に動作について説明する。
演算増幅器130a、130bは偶高調波ミクサ300a、300bの出力の差動対を合成する。そして90度移相回路137は、端子X,Yに入力された互いに90度の位相差のある中間周波信号を、90度移相させて同相に戻して端子34に出力する。また中間周波信号のイメージ信号は、この90度移相回路137の移相動作によりキャンセルされる。
【0100】
以上にように、この実施の形態13によれば、実施の形態1で示した効果の他に次のような効果がある。すなわち実施の形態11又は12の直交ミクサを用いているため、イメージリジェクションミクサとして小形に構成できる効果が得られる。また小形に構成できるため、接続部での位相の回転を抑制でき、イメージ抑圧比を高める効果もある。
【0101】
実施の形態14.
以上述べた実施の形態1から13までの偶高調波ミクサ、直交ミクサおよびイメージリジェクションミクサは半導体基板上にモノリシック集積化しても良く、実施の形態1から13と同様の効果が得られる。さらにAPDPリング101やダイオードリング120の特性を揃えることができ、アクティブバラン102とAPDPリング101やダイオードリング120との接続長のばらつきを抑えることができ、製造精度を向上させることが可能となる。従って、偶高調波ミクサではLO端子とRF/IF端子とのアイソレーションを高めることができる効果がある。また直交ミクサでは復調精度を高めることができる効果がある。さらにイメージリジェクションミクサではイメージ抑圧比を高める効果がある。
【0102】
実施の形態15.
この発明の実施の形態15は、実施の形態1から14に記載のミクサを適用した受信装置であり、図26に直交ミクサを適用した受信装置の構成例を示す。図において、200はアンテナ、201は低雑音増幅器(LNA)、202は帯域通過フィルタ(BPF)、203は実施の形態11または12の直交ミクサ、204は局部発振器、205a、205bは低域通過フィルタ、206a、206bはベースバンド増幅器である。実施の形態1から14に記載のミクサを適用しているため、実施の形態1から14と同様の効果が得られ、さらに受信装置全体を小形化できる効果が得られる。
【0103】
実施の形態16.
この発明の実施の形態16は、実施の形態1から10に記載のミクサを位相検波器として適用した位相同期発振器であり、図27と図28にその構成例を示す。図において、208は電圧制御発振器(VCO)、209は分周器、210は位相比較器として用いた偶高調波ミクサ、211は基準発振器、212はループフィルタ、213はカプラであり、基準発振器211の出力信号に電圧制御発振器(VCO)208の出力信号を位相同期させている。
【0104】
アナログの位相比較器の特徴の1つに、ディジタルの位相比較器を用いるものと比較して、搬送波近傍の位相雑音が低レベルとなる点にある。一方、アナログの位相比較器の欠点の1つに直流成分の漏れがある。これは、ミクサの不平衡成分であり、温度などによりこの直流成分は変動する。そのため、検波感度の変動や同期はずれの原因となっている。偶高調波ミクサ210では、式(1)より直流成分は抑制され出力されない。従って、偶高調波ミクサ210をPLLに適用すると動作が安定化する効果がある。また実施の形態1から10に記載のミクサを適用しているため、実施の形態1から14と同様の効果が得られ、さらに位相同期発振器全体を小形化できる効果がある。
【0105】
【発明の効果】
以上のように、請求項1から請求項3記載の発明によれば、アクティブバランを使用しているので、小形化が容易となり、ダイオードリングから高周波信号の入力端子への高調波などのスプリアス成分の逆流が抑制されて低スプリアスとなり、高周波信号波を出力している回路のインピーダンスの変動によるダイオードリングの終端インピーダンスの変動が生じないため動作が安定となる効果がある。また、アクティブバランとダイオードリングとの間に緩衝増幅器を設けているので、アクティブバランの出力インピーダンスのばらつきによる不平衡成分を抑制でき、高周波信号側と局部発振波信号側とのアイソレーションを高めることができる効果があり、局部発振電力などの変動によるダイオードリングのインピーダンスの変動があっても、高周波信号の入力端子のインピーダンス変動を抑制でき、この偶高調波ミクサの前後に接続される増幅器やフィルタとの間で多重反射を生じない効果がある。
【0106】
請求項4記載の発明によれば、上記高周波信号を整合回路を介し入力しているので、よりレベルの低い高周波信号でも動作することができる効果がある。
【0108】
請求項5記載の発明によれば、ダイオードリングへの局部発振波信号の入力を緩衝増幅器を介して行っているので、請求項1から請求項3記載の発明による効果に加えて、変換利得の周波数リップルを抑制でき、伝送特性が向上する効果がある。また、緩衝増幅器のアイソレーション特性により、高周波信号や中間周波信号の局部発振波信号側への漏洩を抑制でき、低スプリアスとなる効果がある。
【0109】
請求項6記載の発明によれば、ダイオードリングからの中間周波信号を、緩衝増幅器を介して出力しているので、請求項1から請求項3記載の発明による効果に加えて、局部発振電力の変動によりダイオードリングの端子間インピーダンスが変動しても、この偶高調波ミクサの前後に接続される増幅器やフィルタとの間で多重反射を生じない効果がある。
【0111】
請求項7記載の発明によれば、ダイオードリングの第3の端子及び第4の端子を高負荷抵抗で接続し、この高負荷抵抗の両端を演算増幅器の入力に接続し、この演算増幅器の出力より中間周波信号を出力しているので、請求項1から請求項3記載の発明による効果に加えて、偶高調波ミクサの利得が高まる効果がある。
【0112】
請求項8記載の発明によれば、局部発振波信号の入力を、局部発振波信号の電力変動を抑制するリミタを介して行っているので、請求項1から請求項3記載の発明による効果に加えて、局部発振電力が変動しても、リミタにより局部発振電力が安定化され、変換利得が変動せず安定化する効果がある。
【0113】
請求項9記載の発明によれば、局部発振波信号の入力を、局部発振波信号の高調波を抑制するフィルタを介して行っているので、請求項1から請求項3記載の発明による効果に加えて、偶高調波ミクサから出力されるスプリアスが低レベルとなる効果がある。
【0114】
請求項10記載の発明によれば、局部発振波信号の入力を、局部発振波信号の周波数を分周する分周器を介して行っているので、請求項1から請求項3記載の発明による効果に加えて、基本波動作のミクサと同様の局部発振器やシンセサイザを用いることができる効果がある。
【0115】
請求項11記載の発明によれば、偶高調波ミクサをモノリシック集積化しているので、ダイオードリングの特性を揃えることができ、アクティブバランとダイオードリングとの接続長のばらつきを抑えることができ、製造精度を向上させることが可能となる。従って、局部発振信号側と高周波信号/中間周波信号側とのアイソレーションを高めることができる効果がある。
【0116】
請求項12及び請求項13記載の発明によれば、請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサを用いて、直交ミクサを構成しているので、直交ミクサとして請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の発明の効果があると共に、直交ミクサとして小型にできる効果がある。
【0117】
請求項14記載の発明によれば、直交ミクサをモノリシック集積化しているので、ダイオードリングの特性を揃えることができ、アクティブバランとダイオードリングとの接続長のばらつきを抑えることができ、復調精度を高めることができる効果がある。
【0118】
請求項15記載の発明によれば、請求項12又は請求項13記載の直交ミクサを用いて、イメージリジェクションミクサを構成しているので、イメージリジェクションミクサとして請求項12又は請求項13記載の発明の効果があると共に、イメージリジェクションミクサとして小型に構成でき、イメージ抑圧比を高める効果がある。
【0119】
請求項16記載の発明によれば、イメージリジェクションミクサをモノリシック集積化しているので、ダイオードリングの特性を揃えることができ、アクティブバランとダイオードリングとの接続長のばらつきを抑えることができ、イメージ抑圧比を高める効果がある。
【0120】
請求項17記載の発明によれば、請求項1から請求項11のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサ、請求項12から請求項14のうちのいずれか1項記載の直交ミクサ、又は請求項15若しくは請求項16記載のイメージリジェクションミクサを用いて、受信装置を構成しているので、受信装置として請求項1から請求項16のうちのいずれか1項記載の発明の効果があると共に、受信装置全体を小型化できる効果がある。
【0121】
請求項18記載の発明によれば、請求項1から請求項11のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサを用いて、位相同期発振器を構成しているので、位相同期発振器として請求項1から請求項11のうちのいずれか1項記載の発明の効果があると共に、位相同期発振器全体を小型化できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による偶高調波ミクサを示す構成図である。
【図2】この発明のアクティブバランを示す構成図である。
【図3】この発明のアクティブバランの等価回路である。
【図4】この発明のアクティブバランを示す構成図である。
【図5】この発明の実施の形態2による偶高調波ミクサを示す構成図である。
【図6】周波数リップルの説明図である。
【図7】この発明の実施の形態3による偶高調波ミクサを示す構成図である。
【図8】この発明の実施の形態3による緩衝増幅器を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態4による偶高調波ミクサを示す構成図である。
【図10】この発明の実施の形態4による緩衝増幅器を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態5による偶高調波ミクサを示す構成図である。
【図12】この発明の実施の形態5による緩衝増幅器を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態6による偶高調波ミクサを示す構成図である。
【図14】この発明の実施の形態7による偶高調波ミクサを示す構成図である。
【図15】出力負荷抵抗に対する偶高調波ミクサの出力電圧の説明図である。
【図16】局部発振電力に対する偶高調波ミクサの変換利得の説明図である。
【図17】この発明の実施の形態8による偶高調波ミクサを示す構成図である。
【図18】リミタの特性の説明図である。
【図19】リミタ付き偶高調波ミクサの特性の説明図である。
【図20】偶高調波ミクサの出力スペクトラムの説明図である。
【図21】この発明の実施の形態9による偶高調波ミクサを示す構成図である。
【図22】この発明の実施の形態10による偶高調波ミクサを示す構成図である。
【図23】この発明の実施の形態11による直交ミクサを示す構成図である。
【図24】この発明の実施の形態12による直交ミクサを示す構成図である。
【図25】この発明の実施の形態13によるイメージリジェクションミクサを示す構成図である。
【図26】この発明の実施の形態15による受信装置を示す構成図である。
【図27】この発明の実施の形態16による位相同期発振器を示す構成図である。
【図28】この発明の実施の形態16による位相同期発振器を示す構成図である。
【図29】偶高調波ミクサの一般的な構成図である。
【図30】APDPのLO電流の説明図である。
【図31】APDPのLO電流の説明図である。
【図32】偶高調波ミクサの周波数の説明図である。
【図33】従来の偶高調波ミクサの構成図である。
【図34】従来の偶高調波ミクサの構成図である。
【図35】従来の偶高調波ミクサの分波回路の説明図である。
【図36】従来の偶高調波ミクサの分波回路の説明図である。
【図37】従来の偶高調波ミクサの構成図である。
【図38】APDPに加わる波の位相を説明する図である。
【図39】従来の偶高調波ミクサの構成図である。
【図40】ダイオードに加わる波の位相を説明する図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d ダイオード、2a,2b,2c,2d アンチパラレルダイオードペア、101 APDPリング(ダイオードリング)、102 アクティブバラン、116 整合回路、120 ダイオードリング、122a,122b,124,126a,126b 緩衝増幅器、130 演算増幅器、131 リミタ、132 フィルタ、133 分周器、134 90度分配回路、135 分配回路、136 45度分配回路、137 90度移相回路、203直交ミクサ、208 電圧制御発振器、210 偶高調波ミクサ、211 基準発振器。
Claims (18)
- リング状に接続された複数個のダイオードにより形成され、局部発振波信号を入力する第1の端子、高周波的に地導体に接続され上記第1の端子と対角となる第2の端子、互いに逆位相の高周波信号を入力すると共に上記高周波信号と上記局部発振波信号に対応した互いに逆位相の中間周波信号を出力する第3の端子及び第4の端子を有するダイオードリングを備えた偶高調波ミクサにおいて、
高周波信号を入力する第1の端子、互いに逆位相の高周波信号を出力する第2の端子及び第3の端子を有する能動素子により構成されたアクティブバランと、上記能動素子の第2の端子と上記ダイオードリングの第3の端子の間に接続され上記アクティブバランの出力インピーダンスのばらつきによる不平衡成分を抑制する第1の緩衝増幅器と、
上記能動素子の第3の端子と上記ダイオードリングの第4の端子の間に接続され上記アクティブバランの出力インピーダンスのばらつきによる不平衡成分を抑制する第2の緩衝増幅器とを備えたことを特徴とする偶高調波ミクサ。 - ダイオードリングは、逆極性の2つのダイオードを並列接続したアンチパラレルダイオードペアを4つリング状に接続することを特徴とする請求項1記載の偶高調波ミクサ。
- ダイオードリングは、ダイオードを4つリング状に接続することを特徴とする請求項1記載の偶高調波ミクサ。
- 能動素子の第1の端子に接続され、高周波信号を出力している側の出力インピーダンスと上記能動素子の第1の端子の入力インピーダンスとを整合する整合回路を備えたことを特徴とする請求項1記載の偶高調波ミクサ。
- 局部発振波信号を入力してダイオードリングの第1の端子に出力すると共に変換利得の周波数リップルを抑制する第3の緩衝増幅器を備えたことを特徴とする請求項1記載の偶高調波ミクサ。
- ダイオードリングの第3の端子からの中間周波信号を入力して出力すると共に前後の回路との間の多重反射を防ぐ第4の緩衝増幅器と、
ダイオードリングの第4の端子からの中間周波信号を入力して出力すると共に 前後の回路との間の多重反射を防ぐ第5の緩衝増幅器とを備えたことを特徴とする請求項1記載の偶高調波ミクサ。 - ダイオードリングの第3の端子及び第4の端子を接続する高抵抗の負荷抵抗と、
この負荷抵抗の両端からの中間周波信号を入力して出力する演算増幅器とを備えたことを特徴とする請求項1記載の偶高調波ミクサ。 - 局部発振波信号を入力してダイオードリングの第1の端子に出力すると共に上記局部発振波信号の電力変動を抑制するリミタを備えたことを特徴とする請求項1記載の偶高調波ミクサ。
- 局部発振波信号を入力してダイオードリングの第1の端子に出力すると共に上記局部発振波信号の高調波を抑制するフィルタを備えたことを特徴とする請求項1記載の偶高調波ミクサ。
- 局部発振波信号を入力し周波数を分周してダイオードリングの第1の端子に出力する分周器を備えたことを特徴とする請求項1記載の偶高調波ミクサ。
- モノリシック集積化したことを特徴とする請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサ。
- 高周波信号を入力し、互いに90度位相の異なる高周波信号を出力する第1及び第2の出力端子を有する90度分配回路と、
局部発振波信号を入力し、互いに同相の局部発振波信号を出力する第3及び第4の出力端子を有する同相分配回路と、
上記第1の出力端子より出力された高周波信号と、上記第3の出力端子より出力された局部発振波信号を入力し、第1の中間周波信号を出力する請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサと、
上記第2の出力端子より出力された高周波信号と、上記第4の出力端子より出力された局部発振波信号を入力し、上記第1の中間周波信号と位相が90度異なる第2の中間周波信号を出力する請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサとを備えたことを特徴とする直交ミクサ。 - 高周波信号を入力し、互いに同相又は逆位相の高周波信号を出力する第1及び第2の出力端子を有する分配回路と、
局部発振波信号を入力し、互いに45度位相の異なる局部発振波信号を出力する第3及び第4の出力端子を有する45度分配回路と、
上記第1の出力端子より出力された高周波信号と、上記第3の出力端子より出力された局部発振波信号を入力し、第1の中間周波信号を出力する請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサと、
上記第2の出力端子より出力された高周波信号と、上記第4の出力端子より出力された局部発振波信号を入力し、第2の中間周波信号を出力する請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサとを備えたことを特徴とする直交ミクサ。 - モノリシック集積化したことを特徴とする請求項12又は請求項13記載の直交ミクサ。
- 請求項12又は請求項13記載の直交ミクサの第1の中間周波信号を増幅する第1の演算増幅器と、
請求項12又は請求項13記載の直交ミクサの第2の中間周波信号を増幅する第2の演算増幅器と、
上記第1及び第2の演算増幅器より出力された第1及び第2の中間周波信号を入力し、位相を90度移相して出力する90度移相回路とを備えたことを特徴とするイメージリジェクションミクサ。 - モノリシック集積化したことを特徴とする請求項15記載のイメージリジェクションミクサ。
- 受信した高周波信号を中間周波信号に変換して所望の信号を検出する受信装置において、請求項1から請求項11のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサ、請求項12から請求項14のうちのいずれか1項記載の直交ミクサ、又は請求項15若しくは請求項16記載のイメージリジェクションミクサを備えたことを特徴とする受信装置。
- 基準発振器の出力信号に電圧制御発振器の出力信号を位相同期させる位相同期発振器において、請求項1から請求項11のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサを位相検波器として用いたことを特徴とする位相同期発振器。
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