JP3560624B2 - 画像信号読出方法および装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は画像信号読出方法および装置、とくに詳細には画像情報を担持する放射線を検出して画像信号に変換して出力する放射線検出器から画像信号を読み出す方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、医療診断を目的とする放射線撮影の医療用放射線撮影、物質の非破壊検査等を目的とする工業用放射線撮影等の種々の分野における放射線撮影において、増感紙と放射線写真フイルムとを組合せたいわゆる放射線写真法が利用されている。この方法によれば、被写体を透過したX線等の放射線が増感紙に入射すると,増感紙に含まれる蛍光体はこの放射線のエネルギーを吸収して蛍光(瞬時発光)を発する。この発光により、増感紙に密着させるように重ね合わされた放射線写真フイルムが感光し、放射線写真フイルム上には放射線画像が形成される。このようにして放射線画像は直接に放射線フイルム上に可視化された画像として得ることができる。
【0003】
一方、放射線写真フイルムに記録された放射線画像を光電的に読み取って画像信号を得、この画像信号に適切な画像処理を施した後、画像を再生記録することが種々の分野で行われている。たとえば、後の画像処理に適合するように設計されたガンマ値の低いフイルムを用いてX線画像を記録し、このX線画像が記録されたフイルムからX線画像を読み取って電気信号に変換し、この電気信号(画像信号)に画像処理を施した後コピー写真等に可視像として再生することにより、コントラスト,シャープネス,粒状性等の画質性能の良好な再生画像を得ることが行われている(特公昭61−5193 号公報参照)。
【0004】
また本願出願人により、放射線(X線,α線,β線,γ線,電子線,紫外線等)を照射するとこの放射線エネルギーの一部が蓄積され、その後可視光等の励起光を照射すると蓄積されたエネルギーに応じて輝尽発光を示す蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、人体等の被写体の放射線画像情報を一旦シート状の蓄積性蛍光体に記録し、この蓄積性蛍光体シートをレーザー光等の励起光で走査して輝尽発光光を生ぜしめ、得られた輝尽発光光を光電的に読み取って画像信号を得、この画像データに基づき被写体の放射線画像を写真感光材料等の記録材料、CRT等に可視像として出力させる放射線画像記録再生システムがすでに提案されている(特開昭55−12429号,同56−11395号,同55−163472 号,同56−104645 号,同55− 116340号等)。
【0005】
このシステムは、従来の銀塩写真を用いる放射線写真システムと比較して極めて広い放射線露出域にわたって画像を記録しうるという実用的な利点を有している。すなわち、蓄積性蛍光体においては、放射線露光量に対して蓄積後に励起によって輝尽発光する発光光の光量が極めて広い範囲にわたって比例することが認められており、従って種々の撮影条件により放射線露光量がかなり大幅に変動しても、蓄積性蛍光体シートより放射される輝尽発光光の光量を読取ゲインを適当な値に設定して光電変換手段により読み取って電気信号に変換し、この電気信号を用いて写真感光材料等の記録材料、CRT等の表示装置に放射線画像を可視像として出力させることによって、放射線露光量の変動に影響されない放射線画像を得ることができる。
【0006】
しかしながら、このような放射線写真システムにより放射線画像を得るためには、上述した放射線画像を直接可視化する際に、撮影に用いる放射線写真フイルムと増感紙との感度領域を一致させて撮影を行う必要がある。
【0007】
また、上述した放射線写真フイルム、蓄積性蛍光体シートを用いて光電的に放射線画像を読み取るシステムにおいては、上述したように放射線画像に画像処理をおこなって目的に応じた濃度およびコントラストを有するように調整したり、放射線画像を一旦電気信号に変換しなければならず、そのための画像読取装置を用いて読取り走査を行う必要があり、放射線画像を得るための操作が煩雑なものとなり、放射線画像を得るまでの時間がかかるものとなっている。
【0008】
そこで、従来のシステムにおける上記のような問題点を解決するために、放射線検出器が提案されている(例えば特開昭59−211263 号公報、特開平2−164067号公報、PCT国際公開番号WO92/06501号、Signal,noise,and read out considerations in the development of amorphous silicon photodiode arraysfor radiotherapy and diagnostic x−ray imaging ,L.E.Antonuk et.al , University of Michigan,R.A.Street Xerox,PARC,SPIE Vol.1443 Medical Imaging V;Image Physics(1991) ,p.108−119 )。
【0009】
この放射線検出器は、例えば厚さ3mm の石英ガラスからなる基板にアモルファス半導体膜を挟んで透明導電膜と導電膜とからなるマトリクス状に配された複数の固体光検出素子および互いに直交するようにマトリクス状にパターン形成される複数の信号線と走査線とから構成されている固体光検出器に放射線を可視光に変換するシンチレータを積層することにより構成されてなるものである。
【0010】
この放射線検出器をシンチレータが放射線入射側の面を向くように配置し、放射線検出器に被写体を透過した放射線を照射することにより、放射線がシンチレータに直接入射して可視光に変換され、この変換された可視光が各固体光検出素子の光電変換部により検出されて放射線画像情報を担持する画像信号に光電変換される。この画像信号は、放射線検出器の各固体光検出素子に設けられた転送部から所定の読み出し手段により読み出され、所定の画像処理がなされた後にCRT等の再生手段により再生される。このような放射線検出器を用いることにより、被写体の放射線画像を煩雑な操作を行うことなく直ちに再生することができ、直ちにリアルタイムで放射線画像を得ることができ、上述した放射線写真システムの欠点を解消することができる。
【0011】
一方、上述した放射線検出器において、シンチレータを除去し、直接放射線を検出するタイプのものも提案されている。例えば、
(i) 放射線の透過方向の厚さが通常のものより10倍程度厚く設定された固体光検出器(MATERIAL PARAMETERS IN THICK HYDROGENATED AMORPHOUS SILICON RADIATION DETECTORS,Lawrence Berkeley Laboratory.University of California,Berkeley.CA 94720 Xerox Parc.Palo Alto.CA 94304) 、
あるいは、
(ii)放射線の透過方向に、金属板を介して2つ以上積層された固体光検出器(Metal/Amorphous Silicon Multilayer Radiation Detectors,IEE TRANSACTIONS ON NUCLEAR SCIENCE.VOL.36.NO.2.APRIL 1989) 、あるいは、
(iii) CdTe等の半導体放射線検出器(特開平1−216290号公報)
等が提案されている。このような放射線検出器はシンチレータを介すことなく直接に放射線を検出して電気信号等に変換して出力するものであり、上述したシンチレータを用いた放射線検出器と同様に上述した従来のシステムの欠点を解消することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述した放射線検出器から出力された画像信号を再生する際に高画質の画像を得るためには、照射される放射線量をある程度大きくすることにより画像のダイナミックレンジを十分に確保する必要がある。しかしながら、上述した放射線検出器においては、光電変換部の容量の飽和特性や読出回路の飽和特性により、ある程度の線量の放射線を照射しても出力される画像信号の最大値が制限され、得られる画像信号のレンジが制限されてしまうものであった。したがって、得られた画像信号のダイナミックレンジを十分に確保することができなかった。
【0013】
本発明は上記事情に鑑み、放射線検出器により得られる画像信号のダイナミックレンジを十分に確保することができる放射線検出器からの画像信号の読出方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の画像信号読出方法は、画像情報を担持する放射線を検出して全体として該画像情報を担持する画像信号に変換して蓄積する、2次元状に配された多数の固体光検出素子からなる放射線検出器から前記画像信号を読み出すための画像信号読出方法において、
該放射線検出器により前記放射線が検出されている間に、複数回の前記画像信号の読出しを行うことを特徴とするものである。
【0015】
ここで、放射線検出器とは前述したような画像情報を担持する放射線を可視光に変換するシンチレータとシンチレータの各部により変換された可視光を検出して画像情報を担持する画像信号に光電変換して出力する固体光検出器とを積層させたもの、およびシンチレータを配することなく直接放射線を検出して画像信号を出力するもののいずれをも含むものである。
【0016】
また、固体光検出素子における「光」とは、シンチレータにより変換された可視光のみならず、素子に直接照射される放射線をも含むものである。
【0017】
さらに、「放射線検出器により放射線が検出されている」とあるが、放射線が検出されている状態とは、「放射線検出器に放射線が照射されている」状態をも含むものである。
【0018】
なお、本発明による第1の画像信号読出方法においては、前記画像信号を複数回読み出す読出し間隔を変化させ、前記複数回読み出して得られた複数の画像信号のうち、所定の読出し間隔で読み出した一つの画像信号と該所定の読出し間隔に対して所定の比率の短い間隔で読み出した他の画像信号について、該各画像信号のうち前記一つの画像信号が飽和状態にある場合、前記他の画像信号に対して前記所定の比率の逆数に対応する重み付けを行って該重み付けを行った画像信号を出力することが好ましい。
【0019】
ここで、画像信号が飽和するとは、光電変換部の容量の飽和特性や画像信号の読出回路の飽和特性によりある程度の線量の放射線を照射しても出力される画像信号の最大値が制限され、得られる画像信号のレンジが制限されてしまうことをいう。
【0020】
本発明による第2の画像信号読出方法は、被写体を透過して照射された放射線を検出して全体として前記被写体の放射線画像を担持する画像信号に変換して蓄積する、2次元状に配された多数の固体光検出素子からなる放射線検出器から前記画像信号を読み出すための画像信号読出方法において、
前記被写体に前記放射線を所定間隔で複数回照射し、該放射線の照射に同期させて複数回の前記画像信号の読出しを行うことを特徴とするものである。
【0021】
なお、本発明による第1および第2の画像信号読出方法においては、前記放射線検出器が、前記蓄積された画像信号を読み出すための転送手段を備え、該転送手段により前記複数回の画像信号の読出しを行うことが好ましい。
【0022】
また、前記読み出された複数の画像信号を前記各固体光検出素子毎に加算して出力するようにしてもよい。
【0023】
さらに、前記複数回の画像信号の読出しを、前記蓄積される画像信号が飽和する時間よりも短い読出し間隔にて行うことが好ましい。
【0024】
本発明による第1の画像信号読出装置は、画像情報を担持する放射線を検出して全体として該画像情報を担持する画像信号に変換して蓄積する、2次元状に配された多数の固体光検出素子からなる放射線検出器から前記画像信号を読み出すための画像信号読出装置において、
該放射線検出器により前記放射線が検出されている間に、複数回の前記画像信号の読出しを行う制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0025】
なお、本発明による第1の画像信号読出装置においては、前記制御手段は、前記画像信号を複数回読み出す読出し間隔を変化させ、前記複数回読み出して得られた複数の画像信号のうち、所定の読出し間隔で読み出した一つの画像信号と該所定の読出し間隔に対して所定の比率の短い間隔で読み出した他の画像信号について、該各画像信号のうち前記一つの画像信号が飽和状態にある場合、前記他の画像信号に対して前記所定の比率の逆数に対応する重み付けを行って該重み付けを行った画像信号を出力する手段であることが好ましい。
【0026】
本発明による第2の画像信号読出装置は、被写体を透過して照射された放射線を検出して全体として前記被写体の放射線画像を担持する画像信号に変換して蓄積する、2次元状に配された多数の固体光検出素子からなる放射線検出器から前記画像信号を読み出すための画像信号読出装置において、
前記被写体に前記放射線を所定間隔で複数回照射し、該放射線の照射に同期させて複数回の前記画像信号の読出しを行う制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0027】
なお、本発明による第1および第2の画像信号読出装置においては、前記放射線検出器が、前記蓄積された画像信号を読み出すための転送手段を備えてなることが好ましい。
【0028】
また、前記読み出された複数の画像信号を、前記各固体光検出素子毎に加算して出力する加算手段を備えることが好ましい。
【0029】
さらに、前記制御手段は、前記複数回の画像信号の読出しを、前記蓄積される画像信号が飽和する時間よりも短い読出し間隔にて行う手段であることが好ましい。
【0030】
【作用】
本発明による第1の画像信号読出方法および装置は、放射線検出器に放射線が検出されている間に転送手段より複数回の画像信号の読み出しを行うようにしたものである。このため、出力される画像信号の最大値が光電変換部の容量あるいは画像信号の読出回路の飽和特性により制限されてしまっても、複数回読み出された画像信号を加算することにより飽和した画像信号のレベル以上の画像信号を得ることができる。例えば、加算を2回行うことにより画像信号のレベルは2倍(0.3 桁向上)となり、加算を10回行うことにより画像信号のレベルは10倍(1桁向上)となる。したがって、得られる画像信号のダイナミックレンジを十分に確保することができる。
【0031】
また、画像信号を複数回読み出す読出し間隔を変化させ、得られた複数の画像信号のうち、所定の読出し間隔で読み出した一つの画像信号と所定の読出し間隔に対して所定の比率の短い間隔で読み出した他の画像信号について、各画像信号のうち一つの画像信号において光電変換部の容量が飽和状態にある場合、他の画像信号に対して所定の比率の逆数に対応する重み付けを行って、重み付けを行った画像信号を出力すれば、一つの画像信号が飽和し、画像信号のレベルの最大値が制限されている場合であっても、他の画像信号について所定倍の重み付けをすることにより、光電変換部あるいは読出回路の飽和特性を超えた画像信号を得ることができる。したがって、得られる画像信号のダイナミックレンジを十分に確保することができる。
【0032】
さらに、本発明による第2の画像信号読出方法および装置のように、被写体に放射線を所定間隔で複数回照射し、放射線の照射に同期させて複数回の画像信号の読出しを行うようにすれば、本発明による第1の画像信号読出方法および装置と同様に十分なダイナミックレンジの画像信号を得ることができる。
【0033】
【実施例】
以下図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0034】
図1は本発明による画像信号読出方法の第1実施例を実施するための放射線検出器を用いた画像信号読出システムを表す図である。図1に示すように、本発明による画像信号読出方法を実施するためのシステムは、照射された放射線を可視光に変換する図示しないシンチレータと、このシンチレータにより変換された可視光を検出し、この可視光を被写体の放射線画像を担持する画像信号に光電変換する光電変換部18およびこの光電変換部18に蓄積された画像信号を読み出す転送部19からなる固体光検出素子23を2次元状に複数配してなる固体光検出器2とを積層させて放射線検出器を構成しているものである。なお、各固体光検出素子23は図1に示すように走査線20a ,信号線20b により接続されており、走査線20a は図1の水平方向に延在して走査パルス発生器21および各固体光検出素子23の転送部19(トランジスタ)のゲートと接続されている。一方、信号線20b は図1の垂直方向に延在して転送レジスタ22および各転送部19のドレインと接続されている。
【0035】
ここで、固体光検出素子23の詳細について説明する。図2は固体光検出素子23の詳細を表す図である。図2に示すように固体光検出素子23は、樹脂シートからなる基板11の上にパターン成形した導電膜からなる信号線12A ,12B があり、アモルファスシリコン13と透明電極14とからなる光電変換部18としてのフォトダイオード15、アモルファスシリコン16およびアモルファスシリコン16内に設けられた転送電極16A(ゲート)からなる転送部19としての薄膜トランジスタ17により構成されてなるものである。ここで信号線12B はドレインであり、前述した信号線20b と接続されており、転送電極16A は走査線20a と接続されている。そしてこのように構成された固体光検出素子23を2次元状に複数配置することにより固体光検出器2が構成され、この固体光検出器2をGd2 O2 S,CsI等の蛍光体からなるシンチレータ3と積層させることにより放射線検出器が構成されているものである。
【0036】
次いで本発明による画像信号読出システムの動作について説明する。
【0037】
図3は本発明による画像信号読出方法を実施するためのシステムの動作を説明するための図である。
【0038】
図3に示すように、X線源4より発せられたX線5は被写体6に照射され、被写体6を透過する。被写体6を透過したX線5は放射線検出器1に照射される。放射線検出器1に照射されたX線5はシンチレータ3に照射され可視光に変換される。変換された可視光は固体光検出器2を構成する各固体光検出素子23の光電変換部18としてのフォトダイオード15により受光され、このフォトダイオード15において信号電荷が発生する。このようにして、各固体光検出素子23において可視光の発光輝度、すなわち入射した放射線の強度に比例した信号電荷が発生する。
【0039】
次いで、走査パルス発生器21から最上列の各固体光検出素子23に備えられた転送部19に転送パルスが送られ、最上列の各固体光検出素子23の転送部19のスイッチは「入」状態(固体光検出素子23の転送電極16A に電圧がかかり、信号線12A ,12B 間を電流が流れる状態)となる。すなわち、フォトダイオード15で発生した信号電荷は転送部19としての薄膜トランジスタ17を通じて転送される。これにより、最上列の各固体光検出素子23の信号電荷は転送レジスタ22に同時に送られる。転送レジスタ22の出力端子22a からは各固体光検出素子23毎の電気信号(画像信号)Sが時系列的に取り出される。
【0040】
このようにして、最上列から最下列へと順次、各列に走査パルス発生器21から転送パルスが送られ、各列の各固体光検出素子23からの画像信号Sが出力端子22a から時系列的に出力される。
【0041】
そしてこのような、走査パルス発生器21からパルスを送ることによる画像信号Sを出力させる処理を、被写体6にX線5が照射されている間に複数回行う。この複数回の画像信号Sを出力させる時間間隔は、転送部19が飽和状態になるまでの時間とし、数msから数十ms程度の間隔とするものである。
【0042】
このようにして出力された画像信号Sは、図3に示す画像処理手段7に入力され、各固体光検出素子23毎に加算される。そしてこのように加算された画像信号S′は再生手段8に入力され、可視像として再生される。
【0043】
このように被写体6を透過したX線5が照射されている間に複数回の画像信号Sの読出しを行い、この画像信号Sを各固体光検出素子23毎に加算することにより、固体光検出素子23の飽和レベルを越える画像信号Sを得ることができ、加算された画像信号Sはダイナミックレンジの広いものとなる。したがって、加算された画像信号Sを再生すれば、ダイナミックレンジが確保された高画質の画像を得ることができる。
【0044】
なお、再生手段8としては、CRT等の電子的に表示するもの、CRT等に表示された放射線画像をビデオプリンタ等に記録するものなど種々のものを採用することができる。また、被写体6の放射線画像は磁気テープ、光ディスク等に記録保存するようにしてもよい。
【0045】
次いで本発明の第2実施例について説明する。
【0046】
本発明による画像信号読出方法の第2実施例は、上述した本発明による画像信号読出方法の第1実施例における画像信号を読み出す間隔を変化させることを特徴とするものである。すなわち、図1に示す走査パルス発生器2からパルスを送る間隔を変化させるものである。例えば、画像信号の読出し間隔を10msと1msの間隔として、画像信号を2回読み出すこととし、10msの間隔で読み出した画像信号が飽和状態にある場合は、この画像信号を出力とするのではなく、1msの間隔で読み出した画像信号を10倍し、これを出力とするものである。
【0047】
このようにして画像信号を出力することにより、照射された放射線量が大きいために画像信号レベルが大きくなり、光電変換部あるいは読出回路の飽和特性により画像信号レベルが制限されている場合であっても、1msの間隔で読み出した画像信号を10倍することにより、本来得られるべきレベルの画像信号を得ることができるため、画像信号の最大レベルを向上させてダイナミックレンジを十分に確保することができる。
【0048】
すなわち、図4に示すように、読出し間隔を変化させることにより得られる蓄積間隔が10msと1msの画像信号S1,S2についてみると、画像信号S1の領域Aの部分については、光電変換部の蓄電容量は飽和していないため、この画像信号S1をそのまま出力する。ところが、領域Bの部分においては画像信号S1の蓄電容量は飽和してしまっているので、画像信号S2を10倍してかつA,B両領域の信号が直線性をもつように重み付けして、出力するものである。このように画像信号S2を10倍し、かつA,B両領域の信号が直線性をもつように重み付けして出力することにより、たとえ画像信号S2が飽和している場合であっても、図4に示すようにダイナミックレンジを1桁向上させることができる。
【0049】
次いで本発明の第3実施例について説明する。
【0050】
図5は本発明による画像信号読出方法の第3実施例を実施するための放射線検出器を用いた画像信号読出しシステムを表す図である。なお図5においては図1に示す画像信号読出しシステムと同一構成の部分については参照番号に「′」を付して示し、ここでは詳細な説明は省略する。
【0051】
図5に示すように、本発明による画像信号読出方法の第3実施例は、被写体6′にX線5′を所定間隔で複数回照射し、このX線5′の照射に同期させて、図1に示す固体光検出器2の転送部19から画像信号Sの読出しを行う同期手段9を設けたものである。
【0052】
すなわち、X線源4′からのX線5′を所定間隔でパルス状に繰り返し出射し、このX線5′が照射されている間は、放射線検出器1′を構成する固体光検出器2′にある走査パルス発生器21からはパルスを発生させず、これにより固体光検出素子23の転送部19には、入射X線量に対応した強度の画像信号が蓄電される。次いでX線5の照射が停止している間に同期手段9より固体光検出器2′の走査パルス発生器21に信号を送り、これにより各固体光検出素子23に走査パルス発生器21からパルスが送られ、これにより各固体光検出素子23に蓄電された画像信号Sが読み出される。そして読み出された画像信号Sは、画像処理手段7′に入力され、各固体光検出素子23毎に加算され、さらに加算された画像信号S′は再生手段8に入力されて可視像として再生される。
【0053】
このように被写体6′を透過したX線5′に同期させて画像信号Sの読出しを行い、この画像信号Sを各固体光検出素子23毎に加算することにより、固体光検出素子23の転送部19の蓄電容量を超える量の画像信号Sを得ることができ、加算された画像信号Sはダイナミックレンジの広いものとなる。したがって、加算された画像信号Sを再生すれば、ダイナミックレンジが確保された高画質の画像を得ることができる。
【0054】
なお、本発明の第3実施例において使用されるX線源としては、フラッシュX線源(’93春季応物予稿31aZK −9,10参照)を用いることができる。
【0055】
また、上述した実施例においては、シンチレータと固体光検出器との組み合わせからなる放射線検出器を用いているが、とくにこれに限定されるものではなく、例えば、前述した特開平1−216290号公報等に開示されているような、シンチレータを介することなく放射線を直接検出して画像信号に変換して出力するタイプの放射線検出器を用いてもよいものである。
【0056】
また、上述した実施例においては、固体光検出器の基板として樹脂シートを用いているが、これに限定されるものではなく、放射線画像を吸収しない数百ミクロン程度の厚さであれば、石英ガラス等の無機材料を用いるようにしてもよい。
【0057】
さらに、上述した実施例においては、半導体層としてアモルファスシリコン層を用いているが、これに限定されるものではなく、いかなる半導体層を用いるようにしてもよいものである。
【0058】
また、上述した第1および第2実施例においては、本発明による画像信号読出方法は、被写体を透過して照射された放射線を検出することによって被写体の放射線画像を得るために用いられているが、これに限定されるものではなく、例えば、被検体自身から発せられる放射線を検出することにより被検体の放射線画像を得るいわゆるオートラジオグラフィーにも適用できるものである。
【0059】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明による画像信号読出方法は、放射線検出器に画像情報を担持する放射線が照射されている間に画像信号を複数回読み出す、あるいは読み出す間隔を変化させて読み出す間隔が異なる一つの画像信号と他の画像信号とについて、一つの画像信号が飽和している場合は、他の画像信号について所定の比率の重み付けをして出力する、さらには、被写体に放射線を所定間隔で照射してこの所定間隔に同期させて画像信号の読み出すようにしたものである。このため、固体光検出器の飽和特性を越えたダイナミックレンジを有する画像信号を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像信号読出方法を実施するための放射線検出器の詳細を示す図
【図2】放射線検出器の詳細を表す断面図
【図3】本発明による画像信号読出方法の第1実施例を実施するための放射線検出器を用いた画像信号読出しシステムを示す図
【図4】本発明による画像信号読出方法の第2実施例により読み出される画像信号を表す図
【図5】本発明による画像信号読出方法の第3実施例を実施するための放射線検出器を用いた画像信号読出しシステムを示す図
【符号の説明】
1,1′ 放射線検出器
2,2′ 固体光検出器
3,3′ シンチレータ
4,4′ X線源
5,5′ X線
6,6′ 被写体
7,7′ 情報処理手段
8,8′ 再生手段
9 同期手段
11 基板
13 アモルファスシリコン層
18 光電変換部
19 転送部
23 固体光検出素子
S,S′ 画像信号
Claims (6)
- 画像情報を担持する放射線を検出して全体として該画像情報を担持する画像信号に変換して蓄積する、2次元状に配された多数の固体光検出素子からなる放射線検出器から前記画像信号を読み出すための画像信号読出方法において、
前記放射線検出器により前記放射線が検出されている間に、前記蓄積される画像信号が飽和する時間よりも短い読出し間隔にて、各読出し毎に前記固体光検出素子に蓄積される画像信号をすべて読み出しつつ複数回の前記画像信号の読出しを行い、該読み出された複数の画像信号を前記各固体光検出素子毎に加算して出力することを特徴とする画像信号読出方法。 - 被写体を透過して照射された放射線を検出して全体として前記被写体の放射線画像を担持する画像信号に変換して蓄積する、2次元状に配された多数の固体光検出素子からなる放射線検出器から前記画像信号を読み出すための画像信号読出方法において、
前記被写体に前記放射線を所定間隔で複数回照射し、前記蓄積される画像信号が飽和する時間よりも短い読出し時間にて、該放射線の照射に同期させて各読出し毎に前記固体光検出素子に蓄積される画像信号をすべて読み出しつつ複数回の前記画像信号の読出しを行い、該読み出された複数の画像信号を前記各固体光検出素子毎に加算して出力することを特徴とする画像信号読出方法。 - 前記放射線検出器が、前記蓄積された画像信号を読み出すための転送手段を備え、該転送手段により前記複数回の画像信号の読出しを行うことを特徴とする請求項2または3記載の画像信号読出方法。
- 画像情報を担持する放射線を検出して全体として該画像情報を担持する画像信号に変換して蓄積する、2次元状に配された多数の固体光検出素子からなる放射線検出器から前記画像信号を読み出すための画像信号読出装置において、
前記放射線検出器により前記放射線が検出されている間に、前記蓄積される画像信号が飽和する時間よりも短い読出し間隔にて、各読出し毎に前記固体光検出素子に蓄積される画像信号をすべて読み出しつつ複数回の前記画像信号の読出しを行う制御手段と、
該読み出された複数の画像信号を、前記各固体光検出素子毎に加算して出力する加算手段とを備えたことを特徴とする画像信号読出装置。 - 被写体を透過して照射された放射線を検出して全体として前記被写体の放射線画像を担持する画像信号に変換して蓄積する、2次元状に配された多数の固体光検出素子からなる放射線検出器から前記画像信号を読み出すための画像信号読出装置において、
前記被写体に前記放射線を所定間隔で複数回照射し、前記蓄積される画像信号が飽和する時間よりも短い読出し時間にて、該放射線の照射に同期させて各読出し毎に前記固体光検出素子に蓄積される画像信号をすべて読み出しつつ複数回の前記画像信号の読出しを行う制御手段と、
該読み出された複数の画像信号を、前記各固体光検出素子毎に加算して出力する加算手段とを備えたことを特徴とする画像信号読出装置。 - 前記放射線検出器が、前記蓄積された画像信号を読み出すための転送手段を備えてなることを特徴とする請求項4または5記載の画像信号読出装置。
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