JP3551860B2 - Dna検査方法及びdna検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はDNAを蛍光検出により検査する装置に関する。特に多数の生体のDNAを高速に検査するDNA検査方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のDNAチップの検査では、DNAチップ上に励起光のスポットを1点照射し、この照射した励起光により発生する蛍光を共焦点検出することを、DNAチップと検出スポットとの相対位置を変化させてチップ上の照射位置を順次変化させることにより、チップ上の所望の場所を順次検出する方法により行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
DNAの検査を、従来の血液検査のような生体検査に適用しようとすると、多数の生検体に対し、高速に行うことが不可欠になる。しかるに、従来の技術では、DNAチップの必要な検査分解能に対し、この分解能相当の励起光スポットを1点照射し、得られる蛍光を順次検出していると、検査時間が大幅にかかる。これは、この1点の検出当たりに必要な時間が無制限に短くできないことに関係している。即ち、励起光を照射したのち、蛍光が発生し終わるまでの時間ΔtLがおおよそ10n秒程度かかるためである。蛍光が終わるのを待たず次に検出点に移ってしまうと検出できなくなる。
【0004】
また、上記の必要な検出分解能相当のスポット光サイズ中に、数個の蛍光分子があるような状態まで高感度に検出することが必要である。しかし、発生した蛍光が総て検出されるわけではない。即ち、検出光学系の光利用効率や光検出に用いられる光電子倍増管量子効率が、100%ではない。更に、励起光が蛍光物体で吸収される効率や、吸収された励起光が蛍光に変わる確率が小さい。このため、ΔtLの少なくとも数十倍から数百倍の時間をかけて検出する必要があり、更にこの時間を長くするほど、フォトンカウントに近い微弱光に対する検出精度が高くなる。
【0005】
また、このような高速性を実用レベルで達成するには、DNAチップに混入する各種タンパク質からなる異物の影響を除去或いは低減したり、蛍光体を付加したターゲットをハイブリダイゼーションした検査面に、検出系の焦点を常時合わせる必要がある。また、複数の蛍光に対して、高速に検査することが必要になる場合もある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では以下に示す様な手段を施している。
【0007】
各セルの寸法D以下のスポット径dからなり複数Mの励起光を互いに異なる位置に蛍光減衰時間以上の時間Δtに亘り対物レンズを用いて同時に照射し、得られる蛍光を蛍光検出光路に導き、DNAチップの照射スポットと共役な関係にある 結像面で検出し、蛍光の位置と強度から被検査DNAチップの検査を行う。このとき上記スポット径は上記セル寸法の整数Nに対しほぼ1/Nにする。更に上記照射スポット位置とDNAチップの相対位置を順次j回に亘り異ならしめ全検査対象位置LN2=Mjを検査する。またNを2以上にしセルを複数の部分に分割し、1セル内にあるN2個のデータの内有意なデータのみを選択し、処理することにより正確な検査を行う。このようにすることにより、DNAチップの全検査対象サンプル点数LN2に対し、LN2/(6×105)秒以内の時間で蛍光検出する。
【0008】
上記DNAチップへの複数MのDNAチップへの照射スポットと共役な関係にある 結像面で照射スポット像とほぼ同程度の有効径を有するM個の受光開口を有し、当該受光開口外は遮光し、当該受光開口を透過した各々の光を検出することにより、照射スポット或いは照射スポット面以外からの雑音光を除去し信号対雑音比の高い検査を行っている。また上記照射スポット像とほぼ同程度の有効径を有するM個の受光開口は光ファイバ受光端であり、該ファイバの出射端より出射する光を検出することにより更に信号対雑音比の大きな検出を行っている。
【0009】
上記DNAチップへの複数Mの照射スポットはスポット径d、整数kに対しほぼkdの間隔を持って直線上に配列し、このスポットアレイを上記Δt時間照射後、ほぼdだけアレイ方向に移動し、Δt時間照射する。この動作を順次k回繰り返すことにより、アレイ方向にkM個のスポット位置に亘り検査を行い、かつDNAチップと検査装置を少なくともアレイと直角方向に、相対的に移動することによりDNAチップの所望の2次元領域を検査する。また上記スポットアレイの移動は音響光偏向器を用いて行うことを特徴とする。
また整数kは2以上であることが望ましく、さらにkは5以上であると信号耐対音比の上で更に有利である。
【0010】
上記スポットアレイはマイクロレンズアレイで形成する。また上記スポットアレイはホログラムで形成することもできる。上記スポットアレイのアレイ方向の移動と同期させ、励起光により生じた蛍光が上記受光開口上のほぼ同一箇所に来るように蛍光検出光路内に蛍光検出偏向手段を設ける。この際上記蛍光検出偏向手段は圧電素子を用いた偏向手段を用いる。また上記蛍光検出偏向手段は励起光を透過させ、蛍光を反射させる波長選択ビームスプリッタで構成さすることにより効率よく検出できる。また励起光との分離を良くするため励起光路から分離された蛍光検出光路内に蛍光のみを透過し、励起光を遮光するフィルタを用いる。
【0011】
上記M個のマルチ励起スポット光が上記対物レンズの瞳上でほぼ同一位置Aを通過するようにし、DNAチップで正反射した当該励起光が対物レンズの瞳上の位置B’に達するように構成する。このようにして、対物レンズの瞳上にあるB′の位置、もしくは蛍光検出光路内にあり上記対物レンズの瞳と共役な面上のB’の像位置、に反射励起光を遮光する手段を施すことにより雑音成分となる励起光を蛍光検出信号から除去する。
【0012】
また上記M個のマルチ励起スポット光が上記対物レンズの瞳上でほぼ同一位置Aを通過し、DNAチップで正反射した当該励起光が対物レンズの瞳上の上記Aとは異なる位置Bを通過するように構成する。このようにして対物レンズの瞳もしくは、蛍光検出光路内で対物レンズの瞳と共役な位置にBを中心に所望の径の反射励起光を遮光する部材を配置する。このようにして雑音成分となる励起光を蛍光検出信号から除去する。
【0013】
更に上記遮光する反射励起光を正反射励起光にし、DNAチップ内の異物から散乱した励起光が上記遮光手段又は遮光部材外から透過するようにして取り出し、取り出された散乱光を上記蛍光検出光路から分岐し、DNAチップの照射スポットと共役な位置で撮像して、検出する。検出した散乱光の像の撮像情報を用いて、上記蛍光検出手段で検出した蛍光情報を補正する。このようにすることによりDNAチップ内に存在する異物からの散乱光の影響を排除して正確な検出が可能になる。
【0014】
上記M個のマルチ励起スポット光をレーザ光源で形成する。このようにすることにより微小なスポットに強度の大きい励起照射が実現する。またM個のマルチ励起スポット光を複数の半導体レーザ光源により形成することにより、小さな実装体積でより大きな励起照射が実現する。この際上記複数の半導体レーザ光源より出射した光を光ファイバに導入し、M個の所望のピッチで整列した当該光ファイバの出射端から出射する構成にする。このようにすることにより所望のピッチ配列であるM個のマルチ励起スポット光を得ることが可能になる。
【0015】
光信号蓄積型撮像手段として超高感度のNx×Ny画素数からなる2次元撮像装置を用い、nx、nyを整数とし、スポット径dの励起光をx方向にnxd、y方向にnydのピッチでNx×Nyスポット同時に照射する。このようにして得られるNx×Nyからなる蛍光スポット像を超高感度2次元撮像装置で検出し、かつ検出装置とDNAチップとの相対位置をピッチdでxy方向にnx×nyステップ移動する。このようにすることによりDNAチップの所望の領域を検出することが可能になる。
【0016】
また上記励起光は複数の異なる波長からなり、複数の蛍光体を付加した異なるターゲットを分離して検出する。更に上記複数の波長からなる励起光を同時に照射し、複数の蛍光体を付加した異なるターゲットを分離して同時に検出する。このようにすることにより多様な検出対象を高速に行うことが可能になる。
【0017】
上記被検査DNAチップの所望の蛍光体を付加したターゲットをハイブリダイゼーションした検査面上に、上記励起スポット光の近傍に第2の光を斜め入射させ、該検査面で反射した光の位置を検出することにより焦点検出する。この検出情報に基づき検査面と上記対物レンズの相対距離を制御することにより焦点合わせを行うことが可能になる。また、上記第2の斜め入射させる光が対物レンズを通過するように構成することにより、簡単な構成で焦点検出、制御が可能になる。
【0018】
上記第2の斜め入射させる光を検出面にたいしS偏光にする。このようにすることにより、蛍光検出面での反射率を高め、正しい焦点検出が可能になる。更に上記第2の斜め入射させる光は上記蛍光体を励起しない波長を用いる。このようにすることにより、蛍光検出信号に雑音を重畳させずに正確な検出が可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態を示す図である。1は蛍光検出のために、マルチスポット励起光形成し、DNAチップ2に照射するマルチスポット励起光照射系であり、3はマルチスポット励起光で発生した蛍光を検出する蛍光検出系である。11は励起光光源と励起光のビーム成形光学系を含む励起光源である。He−Neレーザ光を焦点距離の異なる2個のシリンドリカルレンズで所望の縦横ビーム径比に成形し、ミラー1000を経由しAO偏向器に入射させる。AO偏向器には水晶振動子に印加する周波数ωの高周波電圧端子とこの周波数より低い振幅信号ωVの入力端子がある。
【0020】
制御回路4から送られる周波数ωの信号はω±ω0の範囲の周波数帯を持っている。周波数が変わるとAO偏向器に入射する励起光の回折角が変わる。また制御回路4から振幅信号ωVを入力すると回折効率が変わるので、回折光の強度を制御することができる。AO偏向器を通った回折光は0次光(図示せず)と分離され(0次光は遮光される)、焦点距離f1とf2の2つのレンズ131と132からなるレンズ系13により所望のビーム系でマイクロレンズアレー14を照射する。AO偏光器の周波数を変化させると、マイクロレンズアレー14に入射する励起光の位置は変わらずに角度が変化する。
【0021】
図4はマイクロレンズアレー14の拡大詳細図である。ガラスでできた微小マイクロレンズが1次元状に32〜256個、多数並んでおり、ここに入射した光は、例えば実線で示す1010はマイクロレンズを透過し、各マイクロレンズ141,142……を透過し、焦点面Σ上の直線Lの上に微小スポット111,112……11Mを結ぶ。AO偏向器の周波数を変えると図4の点線で示すようにマイクロレンズに入射する励起光の角度が変化し、直線L上の微小スポットの位置が1j21、1j22……1j2Mの様に変化する。
【0022】
マイクロレンズアレー14の焦点面Σ上にできた微小スポットアレー111,112……11Mは図1に示すようにレンズ15と対物レンズ16によりDNAチップ2のハイブリダイゼーションされたターゲットに付加した蛍光体を照射し、励起する。このターゲットが付いているガラス面Σ1又はΣ2(詳しくは図33参照)上で最小のビーム径となるように対物レンズ16のフォーカスがなされる。
【0023】
図2はDNAチップ2の面構造の詳細を示したものである。縦横の細い線で示した正方形の最小単位201,211,202,212等は検出絵素を表す。図では5×5の絵素(太い線で示す)分がセル20である。1つのセルには同一のDNA情報の断片が植えられている。従ってこのセルには同じDNA断片構造を持つターゲットがハイブリダイズされる。
【0024】
このように1つのセルを複数の絵素で分割する理由は1つのセル内に異物であるタンパク質等が混入していたとき、このタンパク質に入射した励起光により、大きな強度の蛍光が発生するようなことが生じる。通常このような異物の寸法はせいぜい数μmであるので、絵素寸法が数μmであり、セルの寸法が例えば10μmならば、10μmのセル内の異物位置が後述するような方法で検出、分離できれば、異物部分以外の情報により蛍光の大きさを正確に求めることが可能になる。
【0025】
図3はDNAチップの側面図である。この絵ではハイブリダイズされているターゲットがガラス基板の上に裸で乗っている構造になっている。このような場合もあるし、後述するようにガラス基板の間に挟まれている場合もある。いずれにしてもターゲットのある面に微小励起光スポットが集光される。この集光径は図2で示した正方形最小単位である検出の絵素の寸法にほぼ等しい。
【0026】
AO偏向器の初期の周波数では図1の実線で示す回折光が得られており、このときには図3に示すようにDNAチップに101,102,103……の様に励起光スポットアレイがDNAチップ上の絵素201,202,203……20Mに照射され、後述するように各絵素の蛍光が検出される。この励起光の照射時間は蛍光減衰時間以上の時間Δt(数〜数百μs)で、本実施形態例では60μsである。
【0027】
60μs経過後、AO偏向器の周波数が変えられると励起光の回折角が変わり、図1および図4で示すように、マイクロレンズアレーには点線で示す10j20の光が入射し、図3のDNAチップには111,112,113……11Mの様に励起光スポットアレイが照射され、211,212,213……21Mの絵素の蛍光が検出される。このようにしてM個のマルチスポットが絵素ピッチずつずれて順次照射され、j絵素分ずれるとjM絵素分が総て検出されることになる。
【0028】
次に蛍光検出の実施形態を図1で説明する。レンズ15と対物レンズ16の間にあるビームスプリッタ30は波長分離ビームスプリッタである。本実施形態で用いている励起光源HE−Neレーザの波長は633nmであり、チップ上のターゲットに付加されている蛍光体はCy5である。検出する蛍光の波長は670nm近辺である。
【0029】
波長分離ビームスプリッタ30は633nmでは45度入射光をほぼ100%透過し、670nmの蛍光は45度入射でほぼ100%反射である。しかし633nmもごくわずか反射する。このごくわずかの反射でも、蛍光が非常に微弱であるので問題となる。そこで図1の実施形態では670nmに中心波長特性を持ち、反値幅が約15nmの干渉フィルタ34を蛍光検出系3に挿入し、励起光の漏れをこの干渉フィルタで遮光している。なお34は干渉フィルタに限定されるものではなく、ある波長以上は透過し、以下は遮光するいわゆる色フィルタを用いても良い。また色フィルタと干渉フィルタを組み合わせて用いても良い。以降の実施形態の説明では説明の簡潔のため干渉フィルタのみで説明する。
【0030】
次にAO偏向器を用いてマルチスポット励起光のDNAチップ上の位置を変化させるときの、検出蛍光像の位置の変化と、固定の検出器で検出するために行う必要のある、前記位置変化の補正について説明する。図1の波長分離ビームスプリッタ30はこの位置変化の補正も行っている。図5は図1の主要な部分を示しており図1と同一番号は同一物を表している。波長分離ビームスプリッタ30は5〜10kHzの高い共振周波数特性を持つピエゾ素子301で駆動され、y軸を中心に微小回転する構造になっている。
【0031】
図6、図7はこの微小回転の役割を示した図であり、図1と同一番号は同一物を表している。制御回路4からAO偏向器12に入力される偏向信号により、図6(C)のDNAチップ2上のマルチ励起微小スポット1011、1021、………、10M1のそれぞれの位置が1絵素ずつ1012、1022、………、10M2と順次変化させていく。このとき図6(D)に示すように波長分離ビームスプリッタ30が回転しないとすると、DNAチップと共役な位置にある蛍光検出面ΣPH上のマルチ蛍光点1211、1221、………、12M1はやはり1絵素ずつ1212,1222、………、12M2へ変化する。
【0032】
蛍光検出面上の蛍光スポット像1212は、図に示すように、蛍光検出用マイクロレンズアレー321により1212点が光ファイバ束322の1本のファイバ端に結像し、ファイバに入射する。1本の光ファイバは光が通る芯3221とそれを保護する部分3222から成り立っている。光が通る芯の径は、蛍光検出面ΣPH上の(マルチ)蛍光点1211よりやや大きい。しかし、波長分離ビームスプリッタ30が回転しないと、1211点がAO偏向器の駆動により1212,1213,1214、………と移動し、ファイバ入射端からずれていき、検出できなくなってしまう。そこ高い共振周波数特性を持つピエゾ素子301で図7に示すように波長分離ビームスプリッタ30を微小回転駆動する。
【0033】
すなわち微小回転しない場合の図6では、蛍光微小スポット像1211が異なる場所1212,1213,1214に移動したのに対し、微小回転することにより、図7の点線の枠内に示すようにΣPH上のほぼ同一位置にスポットがくる。
【0034】
図8は、以上説明したAO偏向器12のON−OFFあるいは強度変調信号SA12、同じくAO偏向器の偏向信号SB12、波長分離ビームスプリッタ30を偏向駆動するピエゾ素子301の駆動信号S30、ファイバ32を介してk番目の1つのフォトマル33で検出する蛍光検出信号S33k、この蛍光検出信号の絵素ごとの画像蓄積(積分)信号S′33k、およびこの画像蓄積の各絵素毎の最終結果(画像蓄積していき、励起スポット光が次の絵素の励起に移る前の時刻でS′33kをサンプルホルドした値)S″33kについて各信号の相対的な時間変化を表している。このグラフの実施例ではマルチスポット励起光をAO偏向器により順次1絵素ずつずらして行き、このようにして1つのスポットを10絵素まで順次ずらしている。
【0035】
このずらす数は、各絵素の検出のSNを向上させるため2以上必要であり、大きいほどSN向上を図る上で望ましいが、装置の構成部品上の制限等により自ずと上限がある。しかし5以上にすると隣接するスポット励起光による光路途中の異物照射に伴う散乱光、あるいは蛍光の影響等が大幅に少なくなる。
【0036】
図8に示すようにAO偏向器12の周波数(超音波水晶振動子に与える超音波の周波数、すなわち偏光器の偏向角度)信号SB12を順次ステップ的に変え、この間この変化に応じて波長分離ビームスプリッタ30を偏向駆動するピエゾ素子301の駆動信号S30、を線形に変化させる。AO偏向器12が超音波の伝播による透明媒体の屈折率のごくわずかな変化により、光を回折させているのに対し、ピエゾ素子301はビームスプリッタ全体を駆動させるため、周波数応答性が異なるため早いAO偏向器の信号SB12はステップ、遅いピエゾ素子の駆動信号S30は線形にしている。
【0037】
図9はこの2つの信号により蛍光検出面ΣPH上できる蛍光スポット像の位置を示した図である。この図の上から下への変化は時間tの経過を表している。左の2つのグラフはSB12、とS30の変化であり、図8ではステップ数が10であったが、この図ではステップ数が5である。図9のグラフの右側にある実線の丸○、3211′、3221′、3231′………は蛍光検出マルチスポット像が図6で説明したようにピエゾ素子による位置補正をおこなわない場合の像の位置ずれを示している。なお、図の右方向(横方向)はスポットアレイの配列方向xAを表しており実線の丸○、3212′、3222′、3232′………は隣接する蛍光スポット像の位置ずれを示している。点線の丸○はピエゾ素子により位置補正を行った結果である。
【0038】
すなわち、AO偏向器でステップ移動し、励起光が停止していても、ピエゾ素子は線形に偏向を駆動しているため励起光が停止している間に蛍光検出面ΣPH上できる蛍光スポット像の位置は3211−、3211,3211+とわずかではあるが動いてしまう(隣の蛍光スポット像の位置では3212−、3212,3212+とわずかではあるが動いてしまう)。
【0039】
励起光がDNAチップ上の次の照射位置にステップ移動し停止している間には、蛍光スポット像の位置は、3221−、3221,3221+とわずかではあるが動いてしまう(隣の蛍光スポット像の位置では3222−、3222,3222+とわずかではあるが動いてしまう)。この蛍光スポット像のわずかな動きをカバーして検出するには図9の下の図10に示すように蛍光検出受光面(あるいは受光面と共役な面)320にアレイ方向xAに長い長円開口の配列3201,3202………320Mを設ける。上記のファイバでの検出の場合にはファイバの入射端面がこの長円を含めば良い。
【0040】
図11は、本発明の実施形態を示す図である。図1と同一番号は同一物もしくは同一機能を有するものを表す。本図では図1の全体装置のうちマルチスポット励起光発生に関わる部分のみを示している。それ以外の構成は基本的には図1と同じである。14′はマルチスポット発生ホログラムである。
【0041】
図12は、このマルチスポット発生ホログラムの作成方法を示す図である。図12に示すように、マルチスポット励起光の寸法に対応したホール径を有するピンホールアレイ1j11′、1j12′………1j1M′開口を有するマスク18にレーザ子を照射し、透過光をフーリェー変換レンズ15でホログラム記録媒体上に集光する。この集光位置に参照光1000を入射角φ=φ0で若干斜めから重ねて照射し、上記の集光位置にフーリェ変換ホログラムを作る。
【0042】
光の利用効率を向上するため、位相変調型の記録媒体を用いる。またフーリェ変換面上の中心位置での0次光(空間周波数が0の位置)の強度が桁違いに大きくなりなり、できたホログラムのSN,回折効率等が悪くなるのを避けるため各開口には互いの位置に無関係なランダムな位相を付加しておく。
【0043】
このようにして作られたホログラムを図11のDNA検査装置のマルチスポット励起光発生系に用いる。
【0044】
図11のAO偏向器12に入射したレーザ光は、レンズ系13を通った後、上記の方法で作られたホログラム14′を入射角φ0照射する。AO偏向器の駆動周波数の中心(偏向角度の中心)ではホログラムに入射するレーザ光の入射角φはφ0となり、図12の方法でホログラムを作成する時の参照光1000のホログラム面に対する入射角度φ0に等しくなるようにしておく。このようにしてホログラムにレーザ光を照射すると、図11に示すように1j11、1j12………1j1Mに図12のホログラム作製時のピンホールアレーと同一のスポットアレイを再生する。
【0045】
次にAO偏向器の周波数を変化させると、ホログラムへの入射角度がわずかに変わるので、マルチスポット再生光の角度もわずかに変わる。この結果、隣の絵素に相当する位置を励起照明することになる。AO偏向器を順次駆動していけばステップ的にDNAチップを1絵素ピッチで順次位置を変えてマルチスポット励起照明することができる。
【0046】
図13は、本発明のDNA検査装置の実施形態を示す図である。図1と同一番号は同一物を表している。本実施形態では、図1の実施形態と異なり、同時に2次元的な検出を行っている。すなわち、励起照明光は2次元的に広い範囲を同時に照明可能な照明系レンズ13′を通し、波長選択ビームスプリッタ30′で反射し、2次元マルチレンズアレー14′を照明する。14′の2次元マイクロレンズアレイは、すでに図1〜4を用いて1次元のマイクロレンズアレイを説明したと同じ機能を有し、2次元的なアレイ配列のみが異なっている。従って図14に示すようにマイクロレンズ141′の焦点位置に2次元微小スポット1410′を形成する。
【0047】
本実施形態の場合には、この1410′の位置を中心にピンホール開口が明けられている。このようにピンホール開口のみを通過する光がDNAチップを照射する。微小マルチスポット光のスポット1410′の径dとスポットの配列ピッチpの比は2以上の整数で、5以上が望ましい。図13に示すようにピンホール開口を透過した2次元マルチスポット光は高解像レンズ16′によりDNAチップを同時に励起照射する。励起照射される絵素2x11y11、2x12y11,2x11y21、2x21y21、……は4絵素とばして等ピッチ間隔である。
【0048】
同時に励起照射された上記絵素から発生する蛍光は上記高解像レンズ16′を通り、マイクロレンズアレイ下面の各ピンホール1410′を通過する。ピンポールを通過した光はマイクロレンズを通過することにより、各マイクロレンズ上面(凸面)の大きさに広がる。このマイクロレンズ上面の蛍光強度が波長選択ビームスプリッタ30′と 結像レンズ31′を介して画像蓄積型高感度2次元センサ32′に 結像される。本図では干渉フィルタが描かれていないが、波長分離ビームスプリッタ30′と2次元センサ32′の間に干渉フィルタ、または蛍光より長い波長を透過する色フィルタを設置する。
【0049】
図4及び図14に示した1次元及び2次元のマイクロレンズアレイでは、各マイクロレンズの隣接するマイクロレンズの中間の領域に入射する光は散乱光になりノイズ光となる危険性がある。そこでこの中間の領域を酸化クロム等の材質からなる遮光部で覆うマスキングを行えば(図示せず)このようなノイズを除去することができる。
【0050】
以上の実施形態、図1,5,7,及び13に用いている波長分離ビームスプリッタ30,30′と干渉フィルタ34の分光反射特性と分光透過特性をそれぞれ図15及び図16に示す。両方を用いることにより励起光の影響を少なくでき、正確な検出ができるようになる。図でλは励起光の波長であり、通常スポット照射の単位面積当たりの強度を大きくするためレーザ光を用いるため励起波長バンド幅は狭い。λLは検出しようとする蛍光の中心波長である。
【0051】
ハイブリダイゼーションしようとするDNA断片に付加される蛍光体には、何種類かの蛍光物質が用いられる。例えば、良く用いられるCy5(Cyanine5)では、蛍光体の吸収のピーク波長は649nm、蛍光のピーク波長は670nmである。また、更に短波長側では、Cy3(Cyanine3)では蛍光体の吸収のピーク波長は550nm、蛍光のピーク波長は570nmである。吸収体の分光吸収特性はバンド幅を有するため、吸収のピーク波長と励起レーザ光の波長は必ずしも一致させる必要はなく、吸収ピーク波長に近いレーザ光が用いられる。
【0052】
Cy5ではHe−Neレーザの赤の光633nmや波長635nmの半導体レーザ光を、Cy3ではHe−Neレーザの緑の光544nm等を用いる。蛍光のみを取り出す干渉フィルタ、及び波長分離ビームスプリッタは、蛍光のピーク波長に近く、励起光を分離しやすい波長を中心波長に選ぶ。
【0053】
上述した蛍光検出に際し、励起光を完全に遮光することが特に蛍光が微弱な場合に非常に重要となる。
【0054】
図17は、このような励起光の遮光をより完全に行うための本発明の実施形態図である。即ち、上述の干渉フィルタや波長選択ビームスプリッタのみでは不十分な場合、或いは、蛍光検出光強度を大きくするため、干渉フィルタのバンド半値幅を大きくしようとする場合に実施する。図17で図1と同一番号は同一物もしくは同一機能を有するものである。
【0055】
マイクロレンズアレイやホログラムでΣf面上に形成されたマルチスポットアレイ111,……、11Mは、レンズ15及び対物レンズ16によりDNAチップ上に励起光として結像される。この際各マルチスポット光が対物レンズの入射瞳EP0の中心にほぼ半径RNAσ′の広がりで通過する。対物レンズの開口数をNA,焦点距離をfとすると励起光のDNAチップ上のスポット径Dsは次式で与えられる。
【0056】
Ds=2k1fλ/RNAσ′ (但し k1=0.6)
DNAチップ検出の絵素分解能(絵素ピッチ)をpとすると、この値はほぼDsに等しい。pを2μm,励起光波長λを633nmとすると、RNAσ′/fは0.19となる。RNAσ′/fは2μmのスポットを照射するための照明のNA(2μmスポットを 結像するために必要な対物レンズの最低限のNA)でこれをNA′とすると、
NA′=sin(tan−1(RNAσ′/f))≒RNAσ′/f=0.19
となる。対物レンズ16のNAは微弱な蛍光を検出するため0.7以上0.9以下である。
対物レンズの入射瞳を上記のスポット径で通過した各励起スポット光は、対物レンズによりDNAチップ上に約2μmの励起スポット光を照射する。この対物レンズは両テレセントリックであるため、DNAチップに垂直に入射した励起光はチップ表面で約4〜8%の励起光が正反射し、対物レンズに戻ってくる。この正反射光は波長分離ビームスプリッタにより、励起光は透過されるが、わずかに反射し蛍光検出系3に向かう。
【0057】
蛍光検出系には干渉フィルタ34があり、励起光は遮光されるが、完全な遮光が難しい。即ち、干渉フィルタのバンド幅を広くして蛍光をできるだけ多く検出しようとすると、励起光がわずかに漏れる。そこで蛍光スポット光を蛍光検出面(或いはそれと共役な面)に結像検出するレンズ系31′を図のようにレンズ系311と312で構成し、対物レンズの瞳が311と312の間の位置に結像するようにする。この瞳と共役な位置に空間フィルタ35を配置する。空間フィルタ35は図18に示すような構造を持っている。
【0058】
レンズ径311による対物レンズ瞳面の空間フィルタ35への 結像倍率を1倍とする。空間フィルタは、遮光部353の光軸中心から対物レンズの瞳半径と等しいRNAの半径を有する開口の中心部に、半径RNAσの円形の遮光部351を有する。DNAチップで正反射したマルチスポット励起光はこの空間フィルタ上でビーム径RNAσ′になっている。従ってRNAσ>RNAσ′であれば正反射光はこの遮光部351で遮光される。
【0059】
一方マルチスポット励起光で励起され発生する蛍光は、ほぼ無指向で対物レンズに入射し、この空間フィルタに入射してくる。遮光部351により、蛍光も遮光されるが、遮光される蛍光の空間フィルタ入射蛍光に対する比率は(NA′/NA)2となり、上記値を入れると7(NA=0.7の時)〜4(NA=0.9の時)%になり、このロスは無視できる程度である。
【0060】
このように、検出すべき蛍光の光量を落とさずに不必要な励起光を大幅に低減しすることができる。空間フィルタを透過した蛍光検出光は、レンズ34と干渉フィルタ34を通り、検出面であるファイバの入射端にDNAチップのスポット像を結像し、蛍光検出される。
【0061】
図19は、本発明の実施形態を表す図である。励起光を蛍光検出光路に導かないようにする方法を示す。図1と同一番号は同一物を表す。励起光路と蛍光検出光路を分岐するビームスプリッタは本実施形態では偏光ビームスプリッタ30″を用いている。即ち励起光をこの偏向ビームスプリッタのスプリット面にたいしP偏光で照射する。DNAチップ表面で反射し戻ってくる励起光はP偏光を保っているので、偏光ビームスプリッタを通過し、蛍光検出光路には入らない。他方発生する蛍光の偏光は励起光とはずれているので偏光ビームスプリッタ30″でS偏光は反射し蛍光検出光路に導かれる。このようにすれば励起光の蛍光検出光路への入射を防ぐことができる。
【0062】
図20は、本発明の実施形態を示す図であり、蛍光検出を光ファイバとマルチチャンネル光電子倍増管を用いて行うものである。図1,5,7,17,及び19に示した実施形態における蛍光マルチスポット像の検出具体内容を示している。マルチスポット数がM以上の数からなるファイバ系32の入射端は図21に示すようにM個の1次元配列したマルチレンズアレイ321である。
【0063】
図7で説明したように、蛍光マルチスポット像は、各マイクロレンズによりファイバの光を伝搬する芯(コア)に入射される。マルチチャンネル光電子倍増管33が図20に示すように2次元の受光開口配列の場合には、ファイバの出射端が2次元配列になるようにする。各出射端から出てきた蛍光は、図20の実施形態の場合には 結像レンズ324により、ファイバ出射端323が光電子倍増管33の各受光開口331に対応して結像するようにする。
【0064】
図21の実施形態の場合には、ファイバの出射端に2次元レンズアレイ3241が対応して設置されており、各ファイバから出射した蛍光は各レンズを通り、直接マルチチャンネル光電子倍増管の2次元受光開口(光電面)3311に集光するようにしている。図20,21に示した実施形態では、2次元のマルチチャンネル光電子倍増管であったが、1次元のマルチチャンネル光電子倍増管でも、出射端を1次元配列にすることにより、同じ方法で実現できる。
【0065】
図22は、本発明の実施形態を示す図である。本実施形態では、励起光として複数の波長を用いている。光源系11A、11B、及び11Cは、異なる波長λA,λB,及びλCの励起光源からの光を成形し、ファイバ束に入射させ、出射端にマルチレンズアレイを配列し、出射後のほぼ集光する位置にピンホールアレイを設けている。ピンホールアレイを出射した励起光は、波長分離ビームスプリッタ30A,30B、30Cを通るように構成されている。図22に示されているように、11Aが蛍光検出の励起光に選ばれている時には、λAの励起光がレンズ15を通過して、偏向ミラー300で反射され、対物レンズ16を通り、DNAチップ2をマルチスポット励起照射する。各スポットから発生する蛍光は、対物レンズ16、偏向ミラー300、レンズ15(31)を通り、波長選択ビームスプリッタ30Aで反射し、干渉フィルタ34Aを通り、図20及び21で説明したような方法で各スポットの蛍光をマルチチャンネル光電子倍増管検出する。
【0066】
検出する蛍光が異なるタイプの場合には、制御装置4′から図示していない駆動機構により実線矢印の方向に光源系全体を移動し、異なる波長λB,及びλCのいずれかを選択し、この波長で蛍光検出を行う。1つのDNAチップに複数の蛍光を用いている場合には、光源系を順次移動させて、次々に異なる励起光で検出していく。
【0067】
図26は、上記の複数の蛍光を用いる場合の異なる実施形態である。図22と異なり、複数の励起光を同時に照射し、検査時間の短縮を図ったものである。図26では複数の波長λA′,λB′,及びλC′が例えば赤、緑、青の3色の光源系11A′、11B′、及び11C′から出射した光は波長選択合成ミラー51,52により、1つの光路に効率よく合成される。即ち波長選択合成ミラー51は青を透過し、緑を反射する。また波長選択合成ミラー52は赤を透過し、緑と青を反射する。
【0068】
合成された3色は、ビームスプリッタ30′を透過し、レンズ15、偏向ミラー300、対物レンズ16を通過し、DNAチップ上に3色同時にスポット励起照明する。各波長でそれぞれの蛍光体が励起され、それぞれの蛍光色で発光するが、概ね、励起光よりわずかに長い波長の蛍光であるので、これら3波長の光で励起された3波長の蛍光を、波長分離ビームスプリッタ53,54で波長分離することができる。即ち波長分離ビームスプリッタ53は青の蛍光を反射し、緑と赤を透過し、波長分離ビームスプリッタ54は緑を反射し、赤を透過する。
【0069】
このように各3色に分離された光路に、それそれの蛍光のみを純度高く透過させる干渉フィルタ34C、34B、及び34Aを配置し、各蛍光の微小スポット像を上述の方法によりファイバを介して、マルチチャンネル光電子倍増管33C′、33B′、及び33A′で同時に検出する。
【0070】
図22及び図26の実施形態では、励起マルチスポット光のアレイ方向の走査を偏向ミラー300で行う。偏向ミラーはピエゾ駆動方式もしくはガルバノミラータイプのものを用いる。この場合、図1で説明した実施形態とは異なり、マルチスポットはステップ移動ではなく、連続(線形)走査になる。DNAチップ上でのマルチスポットは走査になるが、検出光路にも同じ(同一の)偏向ミラーが使われているため、蛍光検出のファイバー端には動かないマルチスポットが結像している。このため偏向ミラーの偏向角に基づき画素番地が決定されることになる。
【0071】
このような画素番地と偏向角の関係に基づき、マルチチャンネル光電子倍増管から並列的に得られる複数の蛍光検出信号は制御回路4′(図22)や4″(図26)により整理され、保存される。勿論このようなデータ処理には予め計測、検出の条件を入力しておく必要があり、これら入力情報は端末41′から入力されるか、或いは上位のコンピュータ40からこれら情報が入力され、必要に応じて、計測・検査結果のデータがコンピュータに送られる。
【0072】
図26の実施形態で、複数の波長の異なる励起光を同時に照射する例を説明したが、例えば、複数の励起光とそれぞれの狙っている蛍光の波長帯が重複しているような場合には、重複するものについては光源に近いところにある図示しないシャッタを用いたり、光源そのもののON−OFFにより、時間をずらして蛍光検出することによりこのような問題を回避する。
【0073】
図23は、励起光源に複数のほぼ同一波長の半導体レーザ111A2,111A2……を用いた実施形態である。半導体レーザは容積が小さく比較的高出力で、安価であるため、図に示すように多数の半導体レーザを用いて、マルチスポット光源を作ることにより、強いマルチスポット励起光をDNAチップに照射することが可能になり、高速検出が実現する。各半導体レーザから出射した光をレンズ112A1、112A2……によりファイバ120A1,120A2……の入射端に取り込む。
【0074】
出射端から出射するレーザ光を図24に示すようにマイクロレンズアレイを介してピンホール配列111,112……に集光させ、この透過光をマルチスポット励起光として用いる。
【0075】
励起光として半導体レーザを用いることができない場合には、半導体レーザ励起の高出力固体レーザや、高出力ガスレーザを用いる。このようなレーザ光源では出射ビームを図25に示すような方法で分割して用いると、ほぼ等しい強度で、ほぼ等しいビーム形状を有するマルチスポット励起光を形成することが可能になる。
【0076】
即ち、レーザ光源111A′から出射したビームをマルチ分割ビームスプリッタ1110A′,1120A′……で分割する。分割する数をkとすると、分割の初段から2段、3段……k段目までのビームスプリットの反射率をr1,r2,…rj…rkとする。rkは1であること、各ビームスプリット光は強度が等しいので、1≦j≦kの任意のjに対し、
rj=1/(k−j+1)
を満たすようにすればよい。即ち1110A′ではkが4、即ち4分割であるので、r1は1/4、r2は1/3、r3は1/2、r4は1となる。同様に1120A′は3分割であるのでr1は1/3、r2は1/2、r3は1となる。 このように等しいビーム強度で、等しいビーム形状のレーザ光がレンズアレイ112A1′に入射し、ファイバの芯に入射する。
【0077】
図23の実施形態では、複数の半導体レーザをマルチビームスポット発生の光源として用いているが、半導体レーザ以外のガスレーザや第2高調波によるレーザなどを複数用いてマルチスポット励起光を形成することも、入手できるレーザ光のパワーが不足する場合には必要になる。このような場合には図25に示す系を複数用いて、この複数の系から取り出されるファイバ出射端を1次元上或いは2次元上に配列することにより、励起強度の大きいマルチスポット光を得ることができる。
【0078】
上記の複数の励起光を用いる場合、励起波長によっては半導体レーザ、ガスレーザ及び半導体励起の第2高調波を用いる固体レーザ等各種タイプの異なるレーザを用いる必要が生じる。このような場合に上記の図23や図25の方法でマルチスポット励起光を形成すればよい。
【0079】
図27は本発明の実施形態を示す図であり、励起マルチスポット光がDNAチップに混入した異物からの蛍光や散乱光、或いは検出光学系の異物からの散乱光の影響を除去し、精度の高い蛍光検出を実現するものである。11′は励起光源でファイバを介してピンホール開口アレイ14′を透過して励起マルチスポット光を作る。マルチスポット光はレンズ15と対物レンズ16によりDNAチップ上に結像する。対物レンズの入射瞳の位置には空間フィルタ161がある。
【0080】
励起マルチスポット光はこの瞳の中心からずれた163の位置を通過するように設定されている。即ち各マルチスポット光は図29、図30に示すように対物レンズの光軸から外れた部分を通り,図30に斜め斜線で示すIiの光束となって、DNAチップ2に斜め方向θiの入射角で照射する。この照射収束光の収束角θIは、先にスポット径とNA′の関係を説明したように、sin(NA′)=θI/2となる。
【0081】
また、DNAチップで正反射した励起光は、対物レンズを通過し、瞳161上で163とはレンズ光軸を対称の中心として対称な位置(図の162に相当する位置)を通る。
【0082】
そこで、図28に示すように、ここに正反射光を遮光する部材162を形成しておけば、励起正反射光はこの162で遮光される。このように瞳の中心から外れた位置を励起光の主光線の光路にし、この主光線の入射角θiに対し、θi>θI/2の条件を満たすようにすれば、励起光を瞳上で遮ることなく、励起正反射光を瞳上で遮光することができる。本実施形態は図17の実施形態で説明した励起光による雑音除去の効果を有することは云うまでもない。
【0083】
この効果に加え、図27の実施形態では、DNAチップ上或いは中に混入している異物の影響を、以下の様にして取る。即ち、DNAサンプル作成時に混入した各種蛋白質等の異物があると、これに励起光が照射すると、このような異物の寸法が数μmと小さいため、励起光が散乱する。また上記の有機物の様な異物の場合には異物から強い蛍光が発せられ、検出すべきDNAに付加している蛍光体より強い蛍光となる。
【0084】
図30に示すように、散乱励起光は点で塗った対物レンズのNAで決まる領域L+Sを透過し、対物レンズを通過後、空間フィルタの遮光部163以外の部分を通り、蛍光検出系に漏れてくる。この漏れを波長分離ビームスプリッタ61で励起光だけ取り出し、像検出する。波長分離ビームスプリッタは蛍光を透過し、励起光を反射する。波長分離ビームスプリッタの挿入位置は図29では波長分離ビームスプリッタ30″の後ろの光路にあるが、前に置いても良い。このようにすることにより、異物で散乱した励起光が蛍光の画像がマルチチャンネル光電子倍増管等の検出器33′で撮られるのと同様に、励起光散乱像S100が検出器62により画像として検出される。
【0085】
図31は、このように検出された蛍光像信号DLと励起光像信号DSを、各絵素毎の信号レベルで表している。即ち1,2,……、25は検出絵素番地を表し、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)は同じDNA配列が付いているセルの番地である。即ち例えば1,2,3,4,5番地の絵素は(1)のセルに属する。実際にはセル内の絵素は2次元であり、例えば5×5絵素あるが、図を用いた説明を分かりやすくするため1次元にしている。異物がある絵素にかかっていればその絵素の散乱励起光は閾値DSTを越える。
【0086】
図31で、励起光像信号DSは絵素番地9,10,11及び16,17,18,19,20で閾値DSTを越えている。従って、蛍光像検出信号DLの該当する番地の情報は異物の影響を強く受けているため、この番地の情報を除去して各セルの蛍光の平均値を求める。すなわち、セル番号(2)については絵素9,10番地の情報は用いないで残りの6,7,8番地の情報のみを用いて平均値を算出する。同様にセル(3)については13,14,15のみの情報を用いて平均値を求める。セル(4)は総ての絵素が異物で散乱しているためこのセルは無効とする。このようにして図31の下のグラフに示すようにセル内の平均強度を求めることにより、異物の影響を大幅に低減し、正確な蛍光検出ができるようになった。
【0087】
なお、図27から30を用いて説明した異物の影響を除去する実施形態の光学系では、励起光が対物レンズを通ってDNAチップを照明する光学系になっているが、対物レンズを通らずに対物レンズとDNAチップの間から斜めに照射し、散乱光を検出する構成でも良い。この場合には、正反射光が対物レンズに入射しないため、空間フィルタ(161に相当する)が不要になる。
【0088】
図32は、本発明の実施形態を示す図である。1は既に詳細な実施形態を説明したマルチスポット励起光照射系であり、3は同じく詳細を説明したマルチスポット励起光で発生した蛍光を検出する蛍光検出系である。DNAチップ2の上にハイブリダイゼイションされているDNAに付いている蛍光に数μmの微小スポット励起光を対物レンズ16により照射するには、スポットサイズが一定に保たれるよう対物レンズと蛍光面を焦点深度内の一定の間隔に常時維持していなければならない。このため剛性上対物レンズ16と構造的に一体になった焦点検出系7を用いる。焦点検出系7は斜めビームスポット照射系71とスポット位置検出系72から構成されている。斜めビームスポット照射系71はDNAチップ上の蛍光面に斜めから微小スポットを照射する。
【0089】
図33はDNAチップの断面構造の1例である。この実施形態図において蛍光面はΣ2面である。即ちガラス等の平坦な基板23上に蛍光面Σ2があり、この面とガラス基板21上の面Σ1の間には蛍光が付加された被検査DNAを含んだ液体を流し、ハイブリダイゼションさせるための間隙22がある。DNA検査の段階ではこの間隙に液体を満たしておく。しかし場合によってはこの間隙を空にしておくこともある。また蛍光面をΣ1にし、基板23は不透明な材質や光を吸収する材料にしておくこともある。
【0090】
斜めスポット照射系71から蛍光面で収束するように斜めから照射される光ビームf0は上部基板21の上面Σ3と下面Σ1、及び下部基板23の上面Σ2と下面Σ4の4面で正反射する。斜め照射ビームf0の主光線f0Mが正反射した光線l3,l1,l2,l4は、 結像レンズ721によりポジションセンサ722の受光面に等しい面上のP3,P1,P2,及びP4の位置にそれそれ像を結ぶ。蛍光面の位置は予め決まっているので、各面Σ3、Σ1、Σ2とΣ4がある程度離れていれば、検出したい面(この実施形態図ではΣ2)のスポット像位置のみを受光し、それ以外のスポット像は受光開口外となるように受光ポジションセンサ722の寸法と、レンズ721の 結像倍率を決めておけば、所望の検出面のみの高さ検出ができる。
【0091】
即ち、この実施形態では、Σ2面からの正反射光のみをポジションセンサで捕らえ、ポジションセンサ上のスポット位置即ちΣ2面の高さ位置を検出することができる。制御回路4により、この検出情報に基づき対物レンズ、及び対物レンズと一体になった焦点検出系7を、駆動装置73により上下に微動することにより常時合焦点状態で蛍光検出することが可能になる。
【0092】
図33の斜め入射フォーカス検出光の入射角がブリュースター角に近いと、P偏向で入射させると表面での反射が非常に小さくなり、検出困難になる。従ってS偏向を用いる。S偏向にするとどのような入射角でもP偏向に比べ表面での反射率が高くなり有利である。
【0093】
図34は本発明の実施形態図であり、対物レンズ16を通して焦点検出するものである。ファイバ74で図示しない近赤外半導体レーザ光源から導かれてきたレーザ光はファイバ出射後ビームスプリッタ76を通りレンズ77、波長分離ビームスプリッタ300″、対物レンズ16を通り、DNAチップ2の蛍光面に斜めから集光照射する。この照射光の入射角度θは対物レンズの開口NAに相当する(sinθ=NA≒0.8よりやや小さい入射角)大きさである。正反射した光は再び対物レンズを通り、ポジションセンサ73′上にチップ上の集光点に対応した位置に結像する。このようにすれば、図33の実施形態同様にして、チップの蛍光面のフォーカス位置を検出できる。本実施形態のように焦点検出に用いる光として、検出蛍光より波長の長い光を用いれば蛍光体を励起することなく、即ち、検出雑音を発生することなく、正確に焦点検出できる。
【0094】
なお図34の波長分離ビームスプリッタ300″は近赤外光を透過し、蛍光検出に用いる励起光及び蛍光は反射する。1次元励起光照射光学系1で形成された1次元励起光スポットアレイがレンズ15、波長選択ビームスプリッタ300″及び対物レンズ16を介してDNAチップ2の蛍光面に照射される。発生した蛍光は蛍光検出光学系3により検出される。励起光スポットアレイ照射位置のアレイ方向の移動は波長選択ビームスプリッタを微回転することにより行う。
【0095】
以上、実施形態の各例を用いて説明したDNAチップの蛍光検出をDNAチップの全セルに亘り行う方法を、以下に図35から40を用いて説明する。
【0096】
図35はDNAチップの全体の構造を表している。204はDNAチップを実装している全体ケースである。DNAチップはこのケースにある窓200の内側のガラス基板であり、ケース204に固定されている。窓内側の領域202に蛍光物体を添付したDNA断片がハイブリダイゼションされている。この202の領域の外で窓200の内側に、位置決め用のアライメントマーク201が描画されている。
【0097】
図2で説明したN×N(図5では5×5)の絵素(太い線で示す)分が同一のDNA情報の断片が植えられている(プロービングされている)セル20と、このアライメントマーク201の相対的な位置が10分の数μmの精度で設計、製作されている。
【0098】
DNAチップを検査装置に搭載し、既にその実施形態を説明したDNA検査装置内に実装している(図示せず)アライメント検出光学系で少なくとも2つのアライメントマーク201の位置をマーク位置検出2次元CCD等でCCD上の位置として検出する。またこのマーク検出を行ったときのDNAチップの位置は、例えば図32に示すように、DNAチップが搭載されているチャックに設置されているx及びy方向の位置検出用測長器81及び82で検出する。
【0099】
上記のCCD検出光学系の光軸と、前述の各種蛍光検出光学系における検出光軸との間隔は一定であるので、この間隔と、上記CCDのアライメントマーク検出位置と、測長器の検出位置から、DNAチップの各セルを更に細かくセル内を分割した絵素を正しい位置で検出することが可能になる。この際、2つ以上のアライメントマークの位置検出でDNAチップが回転していることが分かったなら、図示しない回転機構でこの回転を補正する。なお、この回転補正後の正しい位置検出は必要に応じて行う。またこの回転の補正を行わなくても回転量が小さければこの回転量を上記方法で検出し、この回転検出量に基づきxy座標を補正していっても良い。また上記のマルチスポット光の方を光学系の微小回転により補正して検出することも可能である。
【0100】
以上説明したように、DNAチップ上のセル内の絵素を正確な位置決め精度で検出することが、アライメントマーク検出と、DNAチャックの測長によりできるので、以下に示す方法でチップ内の全絵素を順次光速に隈無く蛍光検出することができる。図35の2AはM個のマルチスポットアレイ励起光を照射し、スポットアレイ方向にN絵素分順次走査し、元の操作位置に戻るという動作を繰り返すと共に、チャックをy方向に走査することにより、チャックの1走査で検出される領域を表す。即ち、図36に示すようDNAチップ上の絵素2A101,2A102,……,2A10Mが先ず同時に励起照明され、次に前述の方法により1絵素ピッチΔP分マルチスポットが移動し、これを順次続ける。
【0101】
このようにしてN(k)絵素分移動すれば、合計MN(k)絵素分、即ちNMΔPの幅に亘り、1次元アレイ状に検出される。N(k)絵素分の走査が終われば、マルチスポットアレイを初めの位置に戻す。この間DNAチップは図39のystの時間t0からt1の間のようにy方向に1絵素分移動しているので、上記の動作をy方向の絵素数分時間t0からt1の間繰り返せば、領域2Aの全絵素に亘る蛍光検出が終了する。
【0102】
上記の動作を図1の実施形態のDNA検査装置で行う場合、AO偏光器によるマルチスポット励起光の駆動信号、或いはスポットの移動位置は図38のSpxに示すように変化する。更に詳細に見れば図8のSB12のようにステップ移動している。また波長選択ビームスプリッタの偏向信号も図38のSpx同様に変化させる。時間t0からt1までこのような変化を繰り返せば、領域2Aの全域を検出できる。
【0103】
領域2Aの下の端まで検出されると(時間t1)図40のxstに示すようにDNAチップのチャックをx方向にNMΔPだけステップ移動する。ステップ移動後、図39の時間t1後のystに示すようにチャックをyの逆方向に走査する。これと同時に図38の時間t1後のSpxようにAO偏光器12及び波長選択偏向ビームスプリッタ30の偏向信号を領域2A検出時(時間t0〜t1)とは逆方向に走査する。このようにすれば図37に示すように領域2Bを領域2Aの検出に引き続き継続的に検出できる。以上の動作をDNAチップのy方向について−方向と+方向に交互に繰り返せばDNAチップの2Aから2Jまで全チップを高速に検出することができる。
【0104】
本実施形態でDNAチップを総て検出するのに要する時間を説明する。チップ内のセル数L、各セルをN×N分割することにより、異物等の影響を回避することにする。このようにするとチップ内の全検出絵素数はLN2になる。マルチスポット励起光の同時照射スポット数をMとするとし、同時にマルチスポットで検出する時間をΔtとすると、スポットの移動や、チャックのx方向の移動による時間が蛍光検出する時間に比べ短いとして無視すると、全蛍光検出時間Tは次式で与えられる。
【0105】
マルチスポットのスキャン数kに対し、波長分離ビームスプリッタ30の応答時間tpはkΔt以上である必要がある。また光源のパワーはβM/Δt以上必要である。また励起マルチスポット光の間隔は5以上がSNの上で望ましい。
【0106】
蛍光検出に用いる光電子倍増管の量子効率は、蛍光波長が長い670nmでは5〜10%と低くなる。また、励起に用いるレーザ光の出力の限界もある。このような条件を考慮し、できるだけ高速に検出するには、例えばk(=N)=10、M=50、Δt=50μsとなり、セル数L=1000×1000、セル内分割絵素数N=5として、T=25sとなる。即ちLN2/(6×105)秒以下の条件を満たす。ちなみに上記のLとNの値をこの条件に入れれば42秒になり、蛍光検出以外のサンプルチップの装着脱、検査条件の入力、結果の出力を含めて1分以内に検出するという条件を満足する。
【0107】
1分で検出可能になれば、多くの検体を検査する場合効果を発揮する。例えば従来5分かかっていた検査が1分で済むため、前処理に少々時間がかかっても、検体数が百近くになると、前処理が通常多数の検体に対し平行してできるようにするため、5,6時間の時間短縮が図れる。
【0108】
本発明によりこのような高速・高精度の検出が可能になるのはマルチスポットを同時に励起光に用いているためであり、しかも各スポットの励起光による蛍光検出に際し他の励起スポット光の影響を極力受けないようにスポット間隔を開けて検出しているからである。
【0109】
【発明の効果】
以上説明した本発明により、DNAチップ上の多種、多数のDNAプローブにハイブリダイゼーションされた被検査対象DNAを高速にかつ正確に蛍光検出することが可能になった。この結果、感染症の診断、遺伝子検査等を多数の検体に対し、高速・高精度に行うことが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を表す図。
【図2】本発明の実施形態図で、マルチスポット照射を表す。
【図3】本発明の実施形態図で、マルチスポット照射の移動を表す。
【図4】本発明の実施形態図で、マイクロレンズアレイによるマルチスポット発生を表す。
【図5】本発明の実施形態図で、図1の実施形態を説明する図。
【図6】波長選択ビームスプリッタ固定時のスポット蛍光像の動きを説明する図。
【図7】波長選択ビームスプリッタ偏向時のスポット蛍光像の動きを説明する図
【図8】本発明の実施形態し、図1の各部品の動作、検出信号等を表す図。
【図9】図1の実施形態で、蛍光像検出面の像の動きを表す図。
【図10】図1の実施形態で蛍光検出面の受光開口を表す図。
【図11】本発明の実施形態図で、マルチスポットをホログラムで形成する図。
【図12】上記のホログラムを作成する方法を示す図。
【図13】本発明の実施形態を示す図。
【図14】図13の実施形態で用いる2次元マルチスポット発生用マイクロレンズアレ。
【図15】本発明の実施形態で波長分離ビームスプリッタの特性を示す図。
【図16】本発明の実施形態で干渉フィルタの特性を示す図。
【図17】本発明の実施形態図で、励起光を空間フィルタで遮光する図。
【図18】上記空間フィルタの図。
【図19】本発明の実施形態図で、偏向を利用する励起光遮光法を示す図。
【図20】本発明の実施形態図で、1次元スポットアレイを2次元マルチチャンネルフォトマルで検出する図。
【図21】上記図20の実施形態でファイバの入出射端とスポット像取り込みを示す図。
【図22】本発明の実施形態図で、励起光を複数の波長にして検出する図。
【図23】本発明の実施形態図で、複数の半導体レーザを励起光に用いる図。
【図24】本発明の実施形態図で、ファイバの出射端からマルチスポット光を得る図。
【図25】本発明の実施形態図で、1本のレーザビームからマルチスポットを得る図。
【図26】本発明の実施形態図で、励起光を複数の波長にして同時に検出する図。
【図27】本発明の実施形態図で、マルチスポット光を斜め照射し、正反射励起光を瞳上で遮光する図。
【図28】上記図27の瞳上の遮光部を示す図。
【図29】本発明の実施形態図で、励起散乱光を検出し異物位置を求め、蛍光検出結果を補正する方法を示す図。
【図30】上記図29の対物レンズとDNAチップの間の励起正反射光と散乱励起光を示す図。
【図31】図29の異物散乱光の検出信号による補正の方法を示す図。
【図32】本発明の実施形態図で、フォーカス検出と、制御を示す図。
【図33】図32のフォーカス検出で、DNAチップの反射呼応を示す図。
【図34】本発明の実施形態図で、対物レンズを通してフォーカス検出する図。
【図35】本発明の実施形態で、DNAチップの全検査対象域を検出する方法を示す図。
【図36】図35の実施形態の拡大説明図
【図37】図35の実施形態の拡大説明図
【図38】図35の実施形態でマルチスポットの動きを示す図。
【図39】図35の実施形態でDNAチップチャックのx方向の動きを示す図。
【図40】図35の実施形態でDNAチップチャックのy方向の動きを示す図。
【符号の説明】
1・・・・励起光照射光学系、10・・・・マルチスポット形成光学系、11・・・・光源系、12・・・・AO偏向器、14・・・・マイクロレンズアレイ、16・・・・対物レンズ、14′・・・・マルチスポット発生ホログラム、2・・・・DNAチップ、20・・・・セル、201,202,212・・・・蛍光検出絵素、30・・・・波長選択ビームスプリッタ偏向器、300・・・・ミラー偏向器、32・・・・光ファイバ、33・・・・光電子倍増管、4、4′・・・・制御回路、41′・・・・入力端末、51,52,53,54・・・・波長選択ビームスプリッタ、7・・・・フォーカス検出系、73・・・・は対物レンズとフォーカス系の微動機構、80・・・・DNAチップチャック、81,82・・・・DNAチップチャック位置測長器、83・・・・DNAチップチャック駆動機構である。
Claims (29)
- 複数の種類からなる所望のDNA断片を予め決められた一定の規則に基づき配列した微小エリアである複数Lのセルから構成されているDNAチップに、検査対象であるDNAから前処理により作成したDNA断片に所望の蛍光体を付加したターゲットをハイブリダイゼーションした被検査DNAチップに所望の波長からなる励起光を照射し、得られる蛍光を分析するDNA検査方法であって、上記各セルの寸法D以下のスポット径dである複数Mのマルチスポット励起光を互いに異なる位置に蛍光減衰時間以上の時間Δtに亘り対物レンズを介して同時に照射することを上記複数のマルチスポット励起光とDNAチップの相対位置を上記各セルの寸法Dよりも小さいピッチで順次変化させながら行い、該照射により前記被検査DNAチップから発生した蛍光を前記マルチスポット励起光の反射光と分離して検出し、該検出した蛍光が発生した位置と蛍光強度の情報を用いて被検査DNAチップの検査を行うことを特徴とするDNA検査方法。
- 複数Mの励起光スポットは、1次元もしくは2次元状に一定ピッチで直線上に配列されていることを特徴とする請求項1記載のDNA検査方法。
- 上記マルチスポット励起光は、スポット径dに対してほぼkd(kは2以上の整数)の間隔を持って直線状に上記DNAチップの複数Mの点を同時に照射し、該マルチスポット励起光を上記Δt時間照射後、上記DNAチップ上でほぼdだけ上記直線方向に移動した位置を、Δt時間照射することを順次繰り返すことと、上記DNAチップと対物レンズを上記直線方向と直角な方向に相対的に移動することにより、上記DNAチップの所望の2次元領域を検査することを特徴とする請求項1記載のDNA検査方法。
- 上記照射により上記被検査DNAチップから発生した蛍光を上記マルチスポット励起光の反射光と分離することを、波長分離ビームスプリッタを用いて行うことを特徴とする請求項1記載のDNA検査方法。
- 上記照射により上記被検査DNAチップから発生した蛍光を上記マルチスポット励起光の反射光と分離することを、波長分離ビームスプリッタと、光干渉フィルタ及び/又は色フィルタを組合わせて行うことを特徴とする請求項1記載のDNA検査方法。
- 所定のピッチで配列した複数のセルのそれぞれに配置したDNA断片に所望の蛍光体を付加したターゲットをハイブリダイゼーションすることにより形成された被検査DNAチップに励起光を照射して得られる蛍光を分析するDNA検査方法であって、光源から発射されたレーザビームを分岐させて直線状に並んだ複数のレーザビームを形成し、該直線状に並んだ複数のレーザビームを上記被検査DNAチップ上の所定のピッチの2倍以上離れた複数のセルに同時に照射し、該照射により上記被検査DNAチップ上の所定のピッチの2倍以上離れた複数のセルから発生する蛍光を該被検査DNAチップからの反射光から分離して同時に検出することを上記被検査DNAチップ上の上記レーザビームの照射位置を該レーザビームの直線状の並びの方向に所定のピッチ順次変化させながら行い、該レーザビームの照射照射位置を順次変化させて検出した蛍光の情報を用いて上記被検査DNAチップを検査することを特徴とするDNA検査方法。
- 上記照射により上記被検査DNAチップから発生した蛍光を上記複数のレーザビームの反射光から分離することを、波長分離ビームスプリッタを用いて行うことを特徴とする請求項6記載のDNA検査方法。
- 上記照射により上記被検査DNAチップから発生した蛍光を上記複数のレーザビームの反射光から分離することを、波長分離ビームスプリッタと、光干渉フィルタ及び/又は色 フィルタを組合わせて行うことを特徴とする請求項6記載のDNA検査方法。
- 上記照射により上記被検査DNAチップから発生した蛍光を上記複数のレーザビームの反射光から分離することを、上記反射光を空間フィルタを用いて上記複数のレーザビームの反射光を遮光することにより行うことを特徴とする請求項6記載のDNA検査方法。
- 上記被検査DNAチップからの反射光から分離された蛍光を、マルチチャンネル型の光電子増倍管を用いて検出することを特徴とする請求項6記載のDNA検査方法。
- 上記被検査DNAチップ上の上記複数のレーザビームの照射位置を該複数のレーザビームの直線状の並びの方向に所定のピッチ順次変化させた後、上記複数のレーザビームの直線状の並びの方向と直角な方向に上記被検査DNAチップと上記複数のレーザビームの相対的な位置を変化させることを特徴とする請求項6記載のDNA検査方法。
- 上記励起光は複数の異なる波長を含み、複数の蛍光体を付加した異なるターゲットを分離して検出することを特徴とする請求項1又は6に記載のDNA検査方法。
- 所定のピッチで配列した複数Lのセルのそれぞれに配置したDNA断片に所望の蛍光体を付加したターゲットをハイブリダイゼーションすることにより形成された被検査DNAチップを検査するDNA検査装置であって、上記被検査DNAチップ上のセルの寸法D以下のスポット径dを有する複数Mの励起光を同時に発生せしめるマルチスポット励起光発生手段と、該マルチスポット励起光発生手段で発生させたマルチスポット励起光を上記被検査DNAチップ上の上記セルの複数Mの箇所に同時に照射せしめる照射手段と、該照射手段を介してマルチスポット励起光が照射された上記被検査DNAチップから発生した蛍光を上記マルチスポット励起光の反射光から分離して検出する蛍光検出手段と、上記マルチスポット励起光の照射位置とDNAチップの位置とをセルの寸法D以下のピッチで相対的に変化せしめる駆動手段と、該駆動手段並びに蛍光検出手段により検出されたDNAチップの所望領域の蛍光強度と蛍光位置から被検査DNAチップのDNA情報を求る制御手段とを備えたことを特徴とするDNA検査装置。
- 上記マルチスポット励起光発生手段は、一定ピッチで1次元もしくは2次元状に配列された複数Mの励起光を同時に発生することを特徴とする請求項13記載のDNA検査装置。
- 上記蛍光検出手段は、上記被検査DNAチップへの複数Mの照射スポットと共役な関係にある面上に形成されるスポット像の径とほぼ同程度の有効径を有するM個の受光開口を有することを特徴とする請求項13記載のDNA検査装置。
- 上記受光開口は光ファイバ受光端であり、上記蛍光検出手段は、上記光ファイバの受光端と反対側にある出射端より出射する光を分離して検出することを特徴とする請求項15記載のDNA検査装置。
- 上記照射手段は、上記DNAチップへの複数Mの照射スポットをスポット径d、整数kに対しほぼkdの間隔を持って直線上に配列し、上記制御手段は、上記スポットアレイを上記Δt時間照射後、ほぼdだけアレイ方向に移動し、Δt時間照射することを順次k回繰り返すことにより、アレイ方向にkM個のスポット位置に亘り検査を行い、かつDNAチップと上記対物レンズを少なくともアレイと直角方向に、相対的に移動することによりDNAチップの所望の2次元領域を検査するように制御することを特徴とする請求項13記載のDNA検査装置。
- 上記スポットアレイの移動は音響光偏向器を用いて行うことを特徴とする請求項17記載のDNA検査装置。
- 上記蛍光検出手段は、上記照射により上記被検査DNAチップから発生した蛍光を上記マルチスポット光の反射光から分離することを、波長分離ビームスプリッタを用いて行うことを特徴とする請求項13記載のDNA検査装置。
- 上記蛍光検出手段は、上記照射により上記被検査DNAチップから発生した蛍光を上記マルチスポット光の反射光から分離することを、波長分離ビームスプリッタと、光干渉フィルタ及び/又は色フィルタを組合わせて行うことを特徴とする請求項13記載のDNA検査装置。
- 上記蛍光検出手段は、上記照射により上記被検査DNAチップから発生した蛍光を上記マルチスポット光の反射光から分離することを、上記反射光を空間フィルタを用いて上記マルチスポット光の反射光を遮光することにより行うことを特徴とする請求項13記載のDNA検査装置。
- 上記蛍光検出手段は、上記被検査DNAチップからの反射光から分離された蛍光を、マルチチャンネル型の光電子増倍管を用いて検出することを特徴とする請求項13記載のDNA検査装置。
- 所定のピッチで配列した複数のセルのそれぞれに配置したDNA断片に所望の蛍光体を付加したターゲットをハイブリダイゼーションすることにより形成された被検査DNAチップに励起光を照射して得られる蛍光を分析するDNA検査装置であって、レーザビームを発射する光源手段と、該光源手段から発射されたレーザビームを分岐させて直線状に並んだ複数のレーザビームを形成するマルチビーム形成手段と、該マルチビーム形成手段により形成された直線状に並んだ複数のレーザビームを上記被検査DNAチップ上の所定のピッチの2倍以上離れた複数のセルに同時に照射する照射手段と、該照射手段により照射されて上記被検査DNAチップ上の所定のピッチの2倍以上離れた複数のセルから発生する蛍光を上記照射による上記被検査DNAチップからの反射光から分離する分離手段と、該分離手段で反射光と分離された上記被検査DNAチップ上の所定のピッチの2倍以上離れた複数のセルから発生した蛍光を同時に検出する検出手段と、上記被検査DNAチップ上の上記複数のレーザビームの照射位置を該複数のレーザビームの直線状の並びの方向に所定のピッチづつ順次変化させる照射位置変化手段と、該照射位置変化手段により上記複数のレーザビームの照射位置を順次変化させて検出した蛍光の情報を用いて上記被検査DNAチップを検査する検査手段とを備えたことを特徴とするDNA検査装置。
- 上記分離手段は、波長分離ビームスプリッタを用いて上記照射により上記被検査DNAチップから発生した蛍光を上記複数のレーザビームの反射光から分離することを特徴とする請求項23記載のDNA検査装置。
- 上記分離手段は、波長分離ビームスプリッタと、光干渉フィルタ及び/又は色フィルタを組合わせて上記照射により上記被検査DNAチップから発生した蛍光を上記複数のレーザビームの反射光から分離することを特徴とする請求項23記載のDNA検査装置。
- 上記分離手段は、空間フィルタを用いて上記複数のレーザビームの反射光を遮光することにより上記照射により上記被検査DNAチップから発生した蛍光を上記反射光から分離することを特徴とする請求項23記載のDNA検査装置。
- 上記検出手段は、上記分離手段で上記被検査DNAチップからの反射光から分離された 蛍光を、マルチチャンネル型の光電子増倍管を用いて検出することを特徴とする請求項23記載のDNA検査装置。
- 上記照射位置変化手段は、上記被検査DNAチップ上の上記複数のレーザビームの照射位置を上記被検査DNAチップのセルの寸法よりも小さいピッチで順次変化させることを特徴とする請求項23記載のDNA検査装置。
- 上記被検査DNAチップを上記複数のレーザビームの直線状の並びの方向と直角な方向に移動させる移動手段を更に備えたことを特徴とする請求項23記載のDNA検査装置。
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