JP3551785B2 - 内燃機関 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より内燃機関、例えばディーゼル機関においてはNOx の発生を抑制するために機関排気通路と機関吸気通路とを排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路により連結し、このEGR通路を介して排気ガス、即ちEGRガスを機関吸気通路内に再循環させるようにしている。この場合、EGRガスは比較的比熱が高く、従って多量の熱を吸収することができるので、EGRガス量を増大するほど、即ちEGR率(EGRガス量/(EGRガス量+吸入空気量))を増大するほど燃焼室内における燃焼温度が低下する。燃焼温度が低下するとNOx の発生量が低下し、従ってEGR率を増大すればするほどNOx の発生量は低下することになる。
【0003】
このように従来よりEGR率を増大すればNOx の発生量を低下しうることはわかっている。しかしながらEGR率を増大させていくとEGR率が或る限度を越えたときに煤の発生量、即ちスモークが急激に増大し始める。この点に関し従来より、それ以上EGR率を増大すればスモークが限りなく増大していくものと考えられており、従ってスモークが急激に増大し始めるEGR率がEGR率の最大許容限界であると考えられている。
【0004】
従って従来よりEGR率はこの最大許容限界を越えない範囲内に定められている。このEGR率の最大許容限界は機関の形式や燃料によってかなり異なるがおおよそ30パーセントから50パーセントである。従って従来のディーゼル機関ではEGR率は最大でも30パーセントから50パーセント程度に抑えられている。
【0005】
このように従来ではEGR率に対して最大許容限界が存在すると考えられていたので従来よりEGR率はこの最大許容限界を越えない範囲内においてNOx およびスモークの発生量ができるだけ少なくなるように定められていた。しかしながらこのようにしてEGR率をNOx およびスモークの発生量ができるだけ少なくなるように定めてもNOx およびスモークの発生量の低下には限度があり、実際には依然としてかなりの量のNOx およびスモークが発生してしまうのが現状である。
【0006】
ところがディーゼル機関の燃焼の研究の過程においてEGR率を最大許容限界よりも大きくすれば上述の如くスモークが急激に増大するがこのスモークの発生量にはピークが存在し、このピークを越えてEGR率を更に大きくすると今度はスモークが急激に減少しはじめ、アイドリング運転時においてEGR率を70パーセント以上にすると、またEGRガスを強力に冷却した場合にはEGR率をほぼ55パーセント以上にするとスモークがほとんど零になる、即ち煤がほとんど発生しないことが見い出されたのである。また、このときにはNOx の発生量が極めて少量となることも判明している。この後この知見に基づいて煤が発生しない理由について検討が進められ、その結果これまでにない煤およびNOx の同時低減が可能な新たな燃焼システムが構築されるに至ったのである。この新たな燃焼システムについては後に詳細に説明するが簡単に言うと炭化水素が煤に成長するまでの途中の段階において炭化水素の成長を停止させることを基本としている。
【0007】
即ち、実験研究を重ねた結果判明したことは燃焼室内における燃焼時の燃料およびその周囲のガス温度が或る温度以下のときには炭化水素の成長が煤に至る前の途中の段階で停止し、燃料およびその周囲のガス温度が或る温度以上になると炭化水素は一気に煤まで成長してしまうということである。この場合、燃料およびその周囲のガス温度は燃料が燃焼した際の燃料周りのガスの吸熱作用が大きく影響しており、燃料燃焼時の発熱量に応じて燃料周りのガスの吸熱量を調整することによって燃料およびその周囲のガス温度を制御することができる。
【0008】
従って、燃焼室内における燃焼時の燃料およびその周囲のガス温度を炭化水素の成長が途中で停止する温度以下に抑制すれば煤が発生しなくなり、燃焼室内における燃焼時の燃料およびその周囲のガス温度を炭化水素の成長が途中で停止する温度以下に抑制することは燃料周りのガスの吸熱量を調整することによって可能となる。一方、煤に至る前に成長が途中で停止した炭化水素は酸化触媒等を用いた後処理によって容易に浄化することができる。これが新たな燃焼システムの基本的な考え方である。この新たな燃焼システムを採用した内燃機関については本出願人により既に出願されている(特願平9−305850号)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこの新たな燃焼システムではEGR率をほぼ55パーセント以上にする必要があり、EGR率をほぼ55パーセント以上にすることが可能なのは吸入空気量が比較的少ないときである。即ち、吸入空気量が一定量を越えるとこの新たな燃焼を行うことはできず、従って吸入空気量が一定量を越えたときには従来より行われている燃焼に切換えられる。この場合、新たな燃焼のもとではNOx および煤がほとんど発生せず、従ってできるだけ広い運転領域において新たな燃焼を行うことが好ましい。
【0010】
ところで新たな燃焼のもとでは空燃比が大きくなると、即ち燃料周りの空気量が増大すると燃焼が活発となり、その結果燃焼温度が高くなる。これに対して空燃比を小さくすると、即ち燃料周りの空気量が減少すると燃焼が活発でなくなり、その結果燃焼温度が低くなる。従って空燃比が小さくなるほど燃料噴射量を増大してもNOx および煤の発生しない新たな燃焼を行うことができることになる。云い換えると空燃比が小さくなるほど新たな燃焼を行いうる運転領域を高負荷側に広げることができることになる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで1番目の発明では、燃焼室内の不活性ガス量を増大していくと煤の発生量が次第に増大してピークに達し、燃焼室内の不活性ガス量を更に増大していくと燃焼室内における燃焼時の燃料およびその周囲のガス温が煤の生成温度よりも低くなって煤がほとんど発生しなくなる内燃機関において、煤の発生量がピークとなる不活性ガス量よりも燃焼室内の不活性ガス量が多く煤がほとんど発生しない第1の燃焼と、煤の発生量がピークとなる不活性ガス量よりも燃焼室内の不活性ガス量が少ない第2の燃焼とを選択的に切換える切換手段を具備し、機関の運転領域が第1の燃焼を行いうる低負荷側の第1の運転領域と第2の燃焼が行われる高負荷側の第2の運転領域とに分割され、空燃比が小さくなるにつれて第1の運転領域が高負荷側に移動せしめられる。
【0012】
2番目の発明では1番目の発明において、空燃比が小さくなるにつれて第1の運転領域の高負荷側限界と低負荷側限界が高負荷側に移動せしめられる。
3番目の発明では2番目の発明において、空燃比がリーンであるときには第1の運転領域の低負荷側限界が存在せず、空燃比がリッチであるときには第1の運転領域の低負荷側限界が現われる。
【0013】
4番目の発明では1番目の発明において、第1の運転領域を制御するための制御手段を具備し、この制御手段は目標空燃比に応じて第1の運転領域を制御するようにしている。
5番目の発明では1番目の発明において、第1の燃焼時における燃料およびその周囲のガス温度が低下するにつれて第1の運転領域が高負荷側に移動せしめられる。
【0014】
6番目の発明では5番目の発明において、空燃比がリッチのもとで第1の燃焼が行われているときには燃焼時における燃料およびその周囲のガス温度が低下するにつれて第1の運転領域の高負荷側限界および低負荷側限界が高負荷側に移動せしめられる。
7番目の発明では5番目の発明において、第1の燃焼時における燃料およびその周囲のガス温度に変化を与えるパラメータの値に基づいて第1の運転領域を制御する制御手段を具備し、この制御手段はパラメータの値から第1の燃焼時における燃料およびその周囲のガス温度が低下すると判断されたときには第1の運転領域を高負荷側に移動せしめるようにしている。
【0015】
8番目の発明では7番目の発明において、パラメータが燃焼室内に流入するガスの温度、機関冷却水の温度、機関吸気通路内の圧力又は吸入空気の湿度の少くとも一つからなる。
9番目の発明では1番目の発明において、燃焼室から排出された排気ガスを機関吸気通路内に再循環させる排気ガス再循環装置を具備し、不活性ガスが再循環排気ガスからなる。
【0016】
10番目の発明では9番目の発明において、第1の燃焼が行われているときの排気ガス再循環率がほぼ55パーセント以上である。
11番目の発明では1番目の発明において、機関排気通路内に酸化機能を有する触媒を配置している。
12番目の発明では11番目の発明において、触媒が酸化触媒又は三元触媒からなる。
【0017】
13番目の発明では11番目の発明において、触媒が、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中に含まれるNOx を吸収しかつ流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチになると吸収したNOx を放出するNOx 吸収剤からなる。
14番目の発明では13番目の発明において、機関の運転状態が空燃比がリッチであるときの第1の運転領域にあるときにNOx 吸収剤からNOx を放出すべく空燃比がリッチとされる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を4ストローク圧縮着火式内燃機関に適用した場合を示している。
図1を参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は電気制御式燃料噴射弁、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートを夫々示す。吸気ポート8は対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、サージタンク12は吸気ダクト13およびインタークーラ14を介して過給機、例えば排気ターボチャージャ15のコンプレッサ16の出口部に連結される。コンプレッサ16の入口部は空気吸込管17を介してエアクリーナ18に連結され、空気吸込管17内にはステップモータ19により駆動されるスロットル弁20が配置される。
【0019】
一方、排気ポート10は排気マニホルド21および排気管22を介して排気ターボチャージャ15の排気タービン23の入口部に連結され、排気タービン23の出口部は排気管24を介して酸化機能を有する触媒25を内蔵した触媒コンバータ26に連結される。
触媒コンバータ26の出口部に連結された排気管28とスロットル弁20下流の空気吸込管17とはEGR通路29を介して互いに連結され、EGR通路29内にはステップモータ30により駆動されるEGR制御弁31が配置される。また、EGR通路29内にはEGR通路29内を流れるEGRガスを冷却するためのインタークーラ32が配置される。図1に示される実施例では機関冷却水がインタークーラ32内に導びかれ、機関冷却水によってEGRガスが冷却される。
【0020】
一方、燃料噴射弁6は燃料供給管33を介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール34に連結される。このコモンレール34内へは電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ35から燃料が供給され、コモンレール34内に供給された燃料は各燃料供給管33を介して燃料噴射弁6に供給される。コモンレール34にはコモンレール34内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ36が取付けられ、燃料圧センサ36の出力信号に基づいてコモンレール34内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプ35の吐出量が制御される。
【0021】
電子制御ユニット40はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス41によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ランダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッサ)44、入力ポート45および出力ポート46を具備する。機関本体1には機関冷却水温を検出するための水温センサ60が配置され、この水温センサ60の出力信号は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。サージタンク12にはサージタンク12内の絶対圧を検出するための圧力センサ61と、吸入空気とEGRガスとの混合ガス温を検出するための温度センサ62が配置され、これら圧力センサ61と温度センサ62の出力信号は夫々対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。
【0022】
一方、スロットル弁20上流の空気吸込管17内には吸入空気の湿度を検出するための湿度センサ63が配置され、この湿度センサ63の出力信号は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。また、燃料圧センサ36の出力信号も対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。アクセルペダル50にはアクセルペダル50の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ51が接続され、負荷センサ51の出力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。また、入力ポート45にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ52が接続される。一方、出力ポート46は対応する駆動回路48を介して燃料噴射弁6、スロットル弁制御用ステップモータ19、EGR制御弁制御用ステップモータ30および燃料ポンプ35に接続される。
【0023】
図2は機関低負荷運転時にスロットル弁20の開度およびEGR率を変化させることにより空燃比A/F(図2の横軸)を変化させたときの出力トルクの変化、およびスモーク、HC,CO,NOx の排出量の変化を示す実験例を表している。図2からわかるようにこの実験例では空燃比A/Fが小さくなるほどEGR率が大きくなり、理論空燃比(≒14.6)以下のときにはEGR率は65パーセント以上となっている。
【0024】
図2に示されるようにEGR率を増大することにより空燃比A/Fを小さくしていくとEGR率が40パーセント付近となり空燃比A/Fが30程度になったときにスモークの発生量が増大を開始する。次いで、更にEGR率を高め、空燃比A/Fを小さくするとスモークの発生量が急激に増大してピークに達する。次いで更にEGR率を高め、空燃比A/Fを小さくすると今度はスモークが急激に低下し、EGR率を65パーセント以上とし、空燃比A/Fが15.0付近になるとスモークがほぼ零となる。即ち、煤がほとんど発生しなくなる。このとき機関の出力トルクは若干低下し、またNOx の発生量がかなり低くなる。一方、このときHC,COの発生量は増大し始める。
【0025】
図3(A)は空燃比A/Fが21付近でスモークの発生量が最も多いときの燃焼室5内の燃焼圧変化を示しており、図3(B)は空燃比A/Fが18付近でスモークの発生量がほぼ零のときの燃焼室5内の燃焼圧の変化を示している。図3(A)と図3(B)とを比較すればわかるようにスモークの発生量がほぼ零である図3(B)に示す場合はスモークの発生量が多い図3(A)に示す場合に比べて燃焼圧が低いことがわかる。
【0026】
図2および図3に示される実験結果から次のことが言える。即ち、まず第1に空燃比A/Fが15.0以下でスモークの発生量がほぼ零のときには図2に示されるようにNOx の発生量がかなり低下する。NOx の発生量が低下したということは燃焼室5内の燃焼温度が低下していることを意味しており、従って煤がほとんど発生しないときには燃焼室5内の燃焼温度が低くなっていると言える。同じことが図3からも言える。即ち、煤がほとんど発生していない図3(B)に示す状態では燃焼圧が低くなっており、従ってこのとき燃焼室5内の燃焼温度は低くなっていることになる。
【0027】
第2にスモークの発生量、即ち煤の発生量がほぼ零になると図2に示されるようにHCおよびCOの排出量が増大する。このことは炭化水素が煤まで成長せずに排出されることを意味している。即ち、燃料中に含まれる図4に示されるような直鎖状炭化水素や芳香族炭化水素は酸素不足の状態で温度上昇せしめられると熱分解して煤の前駆体が形成され、次いで主に炭素原子が集合した固体からなる煤が生成される。この場合、実際の煤の生成過程は複雑であり、煤の前駆体がどのような形態をとるかは明確ではないがいずれにしても図4に示されるような炭化水素は煤の前駆体を経て煤まで成長することになる。従って、上述したように煤の発生量がほぼ零になると図2に示される如くHCおよびCOの排出量が増大するがこのときのHCは煤の前駆体又はその前の状態の炭化水素である。
【0028】
図2および図3に示される実験結果に基づくこれらの考察をまとめると燃焼室5内の燃焼温度が低いときには煤の発生量がほぼ零になり、このとき煤の前駆体又はその前の状態の炭化水素が燃焼室5から排出されることになる。このことについて更に詳細に実験研究を重ねた結果、燃焼室5内における燃料およびその周囲のガス温度が或る温度以下である場合には煤の成長過程が途中で停止してしまい、即ち煤が全く発生せず、燃焼室5内における燃料およびその周囲の温度が或る温度以上になると煤が生成されることが判明したのである。
【0029】
ところで煤の前駆体の状態で炭化水素の生成過程が停止するときの燃料およびその周囲の温度、即ち上述の或る温度は燃料の種類や空燃比や圧縮比等の種々の要因によって変化するので何度であるかということは言えないがこの或る温度はNOx の発生量と深い関係を有しており、従ってこの或る温度はNOx の発生量から或る程度規定することができる。即ち、EGR率が増大するほど燃焼時の燃料およびその周囲のガス温度は低下し、NOx の発生量が低下する。このときNOx の発生量が10p.p.m 前後又はそれ以下になったときに煤がほとんど発生しなくなる。従って上述の或る温度はNOx の発生量が10p.p.m 前後又はそれ以下になったときの温度にほぼ一致する。
【0030】
一旦、煤が生成されるとこの煤は酸化機能を有する触媒を用いた後処理でもって浄化することはできない。これに対して煤の前駆体又はその前の状態の炭化水素は酸化機能を有する触媒を用いた後処理でもって容易に浄化することができる。このように酸化機能を有する触媒による後処理を考えると炭化水素を煤の前駆体又はその前の状態で燃焼室5から排出させるか、或いは煤の形で燃焼室5から排出させるかについては極めて大きな差がある。本発明において採用されている新たな燃焼システムは燃焼室5内において煤を生成させることなく炭化水素を煤の前駆体又はその前の状態の形でもって燃焼室5から排出させ、この炭化水素を酸化機能を有する触媒により酸化せしめることを核としている。
【0031】
さて、煤が生成される前の状態で炭化水素の成長を停止させるには燃焼室5内における燃焼時の燃料およびその周囲のガス温度を煤が生成される温度よりも低い温度に抑制する必要がある。この場合、燃料およびその周囲のガス温度を抑制するには燃料が燃焼した際の燃料周りのガスの吸熱作用が極めて大きく影響することが判明している。
【0032】
即ち、燃料周りに空気しか存在しないと蒸発した燃料はただちに空気中の酸素と反応して燃焼する。この場合、燃料から離れている空気の温度はさほど上昇せず、燃料周りの温度のみが局所的に極めて高くなる。即ち、このときには燃料から離れている空気は燃料の燃焼熱の吸熱作用をほとんど行わない。この場合には燃焼温度が局所的に極めて高くなるために、この燃焼熱を受けた未燃炭化水素は煤を生成することになる。
【0033】
一方、多量の不活性ガスと少量の空気の混合ガス中に燃料が存在する場合には若干状況が異なる。この場合には蒸発燃料は周囲に拡散して不活性ガス中に混在する酸素と反応し、燃焼することになる。この場合には燃焼熱は周りの不活性ガスに吸収されるために燃焼温度はさほど上昇しなくなる。即ち、燃焼温度を低く抑えることができることになる。即ち、燃焼温度を抑制するには不活性ガスの存在が重要な役割を果しており、不活性ガスの吸熱作用によって燃焼温度を低く抑えることができることになる。
【0034】
この場合、燃料およびその周囲のガス温度を煤が生成される温度よりも低い温度に抑制するにはそうするのに十分な熱量を吸収しうるだけの不活性ガス量が必要となる。従って燃料量が増大すれば必要となる不活性ガス量はそれに伴なって増大することになる。なお、この場合、不活性ガスの比熱が大きいほど吸熱作用が強力となり、従って不活性ガスは比熱の大きなガスが好ましいことになる。この点、CO2 やEGRガスは比較的比熱が大きいので不活性ガスとしてEGRガスを用いることは好ましいと言える。
【0035】
図5は不活性ガスとしてEGRガスを用い、EGRガスの冷却度合を変えたときのEGR率とスモークとの関係を示している。即ち、図5において曲線AはEGRガスを強力に冷却してEGRガス温をほぼ90℃に維持した場合を示しており、曲線Bは小型の冷却装置でEGRガスを冷却した場合を示しており、曲線CはEGRガスを強制的に冷却していない場合を示している。
【0036】
図5の曲線Aで示されるようにEGRガスを強力に冷却した場合にはEGR率が50パーセントよりも少し低いところで煤の発生量がピークとなり、この場合にはEGR率をほぼ55パーセント以上にすれば煤がほとんど発生しなくなる。一方、図5の曲線Bで示されるようにEGRガスを少し冷却した場合にはEGR率が50パーセントよりも少し高いところで煤の発生量がピークとなり、この場合にはEGR率をほぼ65パーセント以上にすれば煤がほとんど発生しなくなる。
【0037】
また、図5の曲線Cで示されるようにEGRガスを強制的に冷却していない場合にはEGR率が55パーセントの付近で煤の発生量がピークとなり、この場合にはEGR率をほぼ70パーセント以上にすれば煤がほとんど発生しなくなる。なお、図5は機関負荷が比較的高いときのスモークの発生量を示しており、機関負荷が小さくなると煤の発生量がピークとなるEGR率は若干低下し、煤がほとんど発生しなくなるEGR率の下限も若干低下する。このように煤がほとんど発生しなくなるEGR率の下限はEGRガスの冷却度合や機関負荷に応じて変化する。
【0038】
図6は不活性ガスとしてEGRガスを用いた場合において燃焼時の燃料およびその周囲のガス温度を煤が生成される温度よりも低い温度にするために必要なEGRガスと空気の混合ガス量、およびこの混合ガス量中の空気の割合、およびこの混合ガス中のEGRガスの割合を示している。なお、図6において縦軸は燃焼室5内に吸入される全吸入ガス量を示しており、鎖線Yは過給が行われないときに燃焼室5内に吸入しうる全吸入ガス量を示している。また、横軸は要求負荷を示している。
【0039】
図6を参照すると空気の割合、即ち混合ガス中の空気量は噴射された燃料を完全に燃焼せしめるのに必要な空気量を示している。即ち、図6に示される場合では空気量と噴射燃料量との比は理論空燃比となっている。一方、図6においてEGRガスの割合、即ち混合ガス中のEGRガス量は噴射燃料が燃焼せしめられたときに燃料およびその周囲のガス温度を煤が形成される温度よりも低い温度にするのに必要最低限のEGRガス量を示している。このEGRガス量はEGR率で表すとほぼ55パーセント以上であり、図6に示す実施例では70パーセント以上である。即ち、燃焼室5内に吸入された全吸入ガス量を図6において実線Xとし、この全吸入ガス量Xのうちの空気量とEGRガス量との割合を図6に示すような割合にすると燃料およびその周囲のガス温度は煤が生成される温度よりも低い温度となり、斯くして煤が全く発生しなくなる。また、このときのNOx 発生量は10p.p.m 前後、又はそれ以下であり、従ってNOx の発生量は極めて少量となる。
【0040】
燃料噴射量が増大すれば燃料が燃焼した際の発熱量が増大するので燃料およびその周囲のガス温度を煤が生成される温度よりも低い温度に維持するためにはEGRガスによる熱の吸収量を増大しなければならない。従って図6に示されるようにEGRガス量は噴射燃料量が増大するにつれて増大せしめなければならない。即ち、EGRガス量は要求負荷が高くなるにつれて増大する必要がある。
【0041】
ところで過給が行われていない場合には燃焼室5内に吸入される全吸入ガス量Xの上限はYであり、従って図6において要求負荷がLo よりも大きい領域では要求負荷が大きくなるにつれてEGRガス割合を低下させない限り空燃比を理論空燃比に維持することができない。云い換えると過給が行われていない場合に要求負荷がLo よりも大きい領域において空燃比を理論空燃比に維持しようとした場合には要求負荷が高くなるにつれてEGR率が低下し、斯くして要求負荷がLo よりも大きい領域では燃料およびその周囲のガス温度を煤が生成される温度よりも低い温度に維持しえなくなる。
【0042】
ところが図1に示されるようにEGR通路29を介して過給機の入口側即ち排気ターボチャージャ15の空気吸込管17内にEGRガスを再循環させると要求負荷がLo よりも大きい領域においてEGR率を55パーセント以上、例えば70パーセントに維持することができ、斯くして燃料およびその周囲のガス温度を煤が生成される温度よりも低い温度に維持することができる。即ち、空気吸込管17内におけるEGR率が例えば70パーセントになるようにEGRガスを再循環させれば排気ターボチャージャ15のコンプレッサ16により昇圧された吸入ガスのEGR率も70パーセントとなり、斯くしてコンプレッサ16により昇圧しうる限度まで燃料およびその周囲のガス温度を煤が生成される温度よりも低い温度に維持することができる。従って、低温燃焼を生じさせることのできる機関の運転領域を拡大することができることになる。
【0043】
なお、この場合、要求負荷がLo よりも大きい領域でEGR率を55パーセント以上にする際にはEGR制御弁31が全開せしめられ、スロットル弁20が若干閉弁せしめられる。
前述したように図6は燃料を理論空燃比のもとで燃焼させる場合を示しているが空気量を図6に示される空気量よりも少くしても、即ち空燃比をリッチにしても煤の発生を阻止しつつNOx の発生量を10p.p.m 前後又はそれ以下にすることができ、また空気量を図6に示される空気量よりも多くしても、即ち空燃比の平均値を17から18のリーンにしても煤の発生を阻止しつつNOx の発生量を10p.p.m 前後又はそれ以下にすることができる。
【0044】
即ち、空燃比がリッチにされると燃料が過剰となるが燃焼温度が低い温度に抑制されているために過剰な燃料は煤まで成長せず、斯くして煤が生成されることがない。また、このときNOx も極めて少量しか発生しない。一方、平均空燃比がリーンのとき、或いは空燃比が理論空燃比のときでも燃焼温度が高くなれば少量の煤が生成されるが本発明では燃焼温度が低い温度に抑制されているので煤は全く生成されない。更に、NOx も極めて少量しか発生しない。
【0045】
このように、低温燃焼が行われているときには空燃比にかかわらずに、即ち空燃比がリッチであろうと、理論空燃比であろうと、或いは平均空燃比がリーンであろうと煤が発生されず、NOx の発生量が極めて少量となる。従って燃料消費率の向上を考えるとこのとき平均空燃比をリーンにすることが好ましいと言える。
【0046】
ところで燃焼室内における燃焼時の燃料およびその周囲のガス温度を炭化水素の成長が途中で停止する温度以下に抑制しうるのは燃焼による発熱量が比較的少ない機関中低負荷運転時に限られる。従って本発明による実施例では機関中低負荷運転時には燃焼時の燃料およびその周囲のガス温度を炭化水素の成長が途中で停止する温度以下に抑制して第1の燃焼、即ち低温燃焼を行うようにし、機関高負荷運転時には第2の燃焼、即ち従来より普通に行われている燃焼を行うようにしている。なお、ここで第1の燃焼、即ち低温燃焼とはこれまでの説明から明らかなように煤の発生量がピークとなる不活性ガス量よりも燃焼室内の不活性ガス量が多く煤がほとんど発生しない燃焼のことを言い、第2の燃焼、即ち従来より普通に行われている燃焼とは煤の発生量がピークとなる不活性ガス量よりも燃焼室内の不活性ガス量が少い燃焼のことを言う。
【0047】
次に図7(A)および(B)を参照しつつ第1の燃焼、即ち低温燃焼を行いうる機関の運転領域について説明する。なお、図7(A)および(B)において縦軸TQは要求トルクを示しており、横軸Nは機関回転数を示している。
まず初めに図17(B)を参照すると、図17(B)には空燃比がほぼ理論空燃比又はリーンのもとで低温燃焼を行うことのできる第1の運転領域Iと、空燃比がほぼ理論空燃比又はリーンのもとでは低温燃焼を行うことができず、従来より行われている燃焼を行わざるを得ない第2の運転領域IIとが示されている。
【0048】
なお、図7(B)においてX(N)は空燃比がほぼ理論空燃比又はリーンのもとで低温燃焼を行うことのできる第1の運転領域Iと、空燃比がほぼ理論空燃比又はリーンのもとでは従来より行われている燃焼を行わざるを得ない第2の運転領域IIとの第1の境界を示しており、Y(N)はこれら第1の運転領域Iと第2の運転領域IIとの第2の境界を示している。第1の運転領域Iから第2の運転領域IIへの運転領域の変化判断は第1の境界X(N)に基づいて行われ、第2の運転領域IIから第1の運転領域Iへの運転領域の変化判断は第2の境界Y(N)に基づいて行われる。
【0049】
即ち、本発明による実施例では機関の運転状態が図7(B)に示す第1の運転領域Iにあるときには低温燃焼が行われる。このとき要求トルクTQが機関回転数Nの関数である第1の境界X(N)を越えると運転領域が第2の運転領域IIに移ったと判断され、従来の燃焼方法による燃焼が行われる。次いで要求トルクTQが機関回転数Nの関数である第2の境界Y(N)よりも低くなると運転領域が第1の運転領域Iに移ったと判断され、再び低温燃焼が行われる。
このように第1の境界X(N)と第1の境界X(N)よりも低トルク側の第2の境界Y(N)との二つの境界を設けたのは次の二つの理由による。第1の理由は、第2の運転領域IIの高トルク側では比較的燃焼温度が高く、このとき要求トルクTQが第1の境界X(N)より低くなったとしてもただちに低温燃焼を行えないからである。即ち、要求トルクTQがかなり低くなったとき、即ち第2の境界Y(N)よりも低くなったときでなければただちに低温燃焼が開始されないからである。第2の理由は第1の運転領域Iと第2の運転領域II間の運転領域の変化に対してヒステリシスを設けるためである。
【0050】
一方、図7(A)には図7(B)に示される第1の境界X(N)に加え、空燃比がかなりリッチにされたとき、例えば空燃比がほぼ13.5よりも小さくされたときに良好な低温燃焼を行うことのできる第1の運転領域Zと、この第1の運転領域Zの高負荷側限界Z1(N)および低負荷側限界Z2(N)が示されている。図7(A)からわかるようにこれら限界Z1(N)およびZ2(N)は機関回転数Nの関数である。
【0051】
図7(B)からわかるように空燃比がほぼ理論空燃比又はリーンのときに低温燃焼を行うことのできる第1の運転領域Iには低負荷側の限界が存在しない。これに対して空燃比がかなりリッチのときに低温燃焼しうる第1の運転領域Zの低負荷側限界Z2(N)は要求トルクTQが負のところで表われる。従って空燃比が小さくなるほど低温燃焼しうる第1の運転領域の低負荷側限界が高負荷側に移動することがわかる。
【0052】
また、図7(A)に示されるように空燃比がかなりリッチのときに低温燃焼を行うことのできる第1の運転領域Zの高負荷側限界Z1(N)は、空燃比がほぼ理論空燃比又はリーンのときに低温燃焼しうる第1の運転領域Iの高負荷側限界X(N)よりも高負荷側となる。従って空燃比が小さくなるほど低温燃焼しうる第1の運転領域は高負荷側に移動することがわかる。
【0053】
即ち、前述したように空燃比がリッチであろうとリーンであろうと低温燃焼を行うことができる。しかしながら燃料噴射量が極度に少ないときには空燃比をかなりリッチにすると失火を生じ、斯くして良好な低温燃焼が行われなくなる。即ち、燃料噴射量が極度に少ないときであっても空燃比がリーンであれば燃料粒子周りに十分な空気が存在するために燃料が活発に燃焼せしめられる。これに対し、空燃比がかなりリッチにされると燃料粒子周りに十分な空気が存在しないために燃料粒子の燃焼はあまり活発に行われない。このとき、燃料噴射量が極度に少ないと燃焼温および燃焼圧が十分に上昇せず、斯くして失火を生ずることになる。
【0054】
図7(A)において要求トルクTQが負の領域は減速運転時を示しており、このとき燃料噴射量は極めて少なくなる。従って要求トルクTQが負の領域において第1の運転領域Zの低負荷側限界Z2(N)が現われることになる。
一方、第1の境界X(N)付近において低温燃焼が行われているときに空燃比がリッチにされると燃料増量分だけトルクが増大し、従ってZ1(N)はX(N)に比べて高負荷側となる。
【0055】
ところで機関の運転状態が第1の運転領域I又はZにあって低温燃焼が行われているときには煤はほとんど発生せず、その代り未燃炭化水素が煤の前駆体又はその前の状態の形でもって燃焼室5から排出される。このとき燃焼室5から排出された未燃炭化水素は酸化機能を有する触媒25により良好に酸化せしめられる。
【0056】
触媒25としては酸化触媒、三元触媒、又はNOx 吸収剤を用いることができる。NOx 吸収剤は燃焼室5内における平均空燃比がリーンのときにNOx を吸収し、燃焼室5内における平均空燃比がリッチになるとNOx を放出する機能を有する。
このNOx 吸収剤は例えばアルミナを担体とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少くとも一つと、白金Ptのような貴金属とが担持されている。
【0057】
酸化触媒はもとより、三元触媒およびNOx 吸収剤も酸化機能を有しており、従って上述した如く三元触媒およびNOx 吸収剤を触媒25として用いることができる。
次に図8を参照しつつ空燃比がほぼ理論空燃比又はリーンのもとで低温燃焼を行うようにした場合の第1の運転領域Iおよび第2の運転領域IIにおける運転制御について概略的に説明する。
【0058】
図8は要求トルクTQに対するスロットル弁20の開度、EGR制御弁31の開度、EGR率、空燃比、噴射時期および噴射量を示している。図8に示されるように要求トルクTQの低い第1の運転領域Iではスロットル弁20の開度は要求負荷Lが高くなるにつれて全閉近くから2/3開度程度まで徐々に増大せしめられ、EGR制御弁31の開度は要求負荷Lが高くなるにつれて全閉近くから全開まで徐々に増大せしめられる。また、図8に示される例では第1の運転領域IではEGR率がほぼ70パーセントとされており、空燃比はわずかばかりリーンなリーン空燃比とされている。
【0059】
言い換えると第1の運転領域IではEGR率がほぼ70パーセントとなり、空燃比がわずかばかりリーンなリーン空燃比となるようにスロットル弁20の開度およびEGR制御弁31の開度が制御される。なお、第1の運転領域Iでは圧縮上死点TDC前に燃料噴射が行われる。この場合、噴射開始時期θSは要求負荷Lが高くなるにつれて遅くなり、噴射完了時期θEも噴射開始時期θSが遅くなるにつれて遅くなる。
【0060】
なお、アイドリング運転時にはスロットル弁20は全閉近くまで閉弁され、このときEGR制御弁31も全閉近くまで閉弁せしめられる。スロットル弁20を全閉近くまで閉弁すると圧縮始めの燃焼室5内の圧力が低くなるために圧縮圧力が小さくなる。圧縮圧力が小さくなるとピストン4による圧縮仕事が小さくなるために機関本体1の振動が小さくなる。即ち、アイドリング運転時には機関本体1の振動を抑制するためにスロットル弁20が全閉近くまで閉弁せしめられる。
【0061】
一方、機関の運転領域が第1の運転領域Iから第2の運転領域IIに変わるとスロットル弁20の開度が2/3開度程度から全開方向へステップ状に増大せしめられる。このとき図8に示す例ではEGR率がほぼ70パーセントから40パーセント以下までステップ状に減少せしめられ、空燃比がステップ状に大きくされる。即ち、EGR率が多量のスモークを発生するEGR率範囲(図5)を飛び越えるので機関の運転領域が第1の運転領域Iから第2の運転領域IIに変わるときに多量のスモークが発生することがない。
【0062】
第2の運転領域IIでは第2の燃焼、即ち従来から行われている燃焼が行われる。この燃焼方法では煤およびNOx が若干発生するが低温燃焼に比べて熱効率は高く、従って機関の運転領域が第1の運転領域Iから第2の運転領域IIに変わると図8に示されるように噴射量がステップ状に低減せしめられる。この第2の運転領域IIではスロットル弁20は一部を除いて全開状態に保持され、EGR制御弁31の開度は要求トルクTQが高くなると次第に小さくされる。また、この運転領域IIではEGR率は要求トルクTQが高くなるほど低くなり、空燃比は要求トルクTQが高くなるほど小さくなる。ただし、空燃比は要求トルクTQが高くなってもリーン空燃比とされる。また、第2の運転領域IIでは噴射開始時期θSは圧縮上死点TDC付近とされる。
【0063】
図9(A)は要求トルクTQと、アクセルペダル50の踏込み量Lと、機関回転数Nとの関係を示している。なお、図9(A)において各曲線は等トルク曲線を表しており、TQ=0で示される曲線はトルクが零であることを示しており、残りの曲線はTQ=a,TQ=b,TQ=c,TQ=dの順に次第に要求トルクが高くなる。また、TQ=−f,TQ=−gは要求トルクが負の場合、即ち減速運転時を示しており、この場合TQ=−gのほうがTQ=−fよりも要求トルクが小さい。図9(A)に示される要求トルクTQは図9(B)に示されるようにアクセルペダル50の踏込み量Lと機関回転数Nの関数としてマップの形で予めROM42内に記憶されている。本発明による実施例では図9(B)に示すマップからアクセルペダル50の踏込み量Lおよび機関回転数Nに応じた要求トルクTQがまず初めに算出され、この要求トルクTQに基づいて目標空燃比等が算出される。
【0064】
ところで低温燃焼しうる第1の運転領域Iの高負荷側限界は圧縮始めにおける燃焼室5内のガス温やシリンダ内壁面温度等に応じて変化する。即ち、要求トルクTQが高くなって燃焼による発熱量が増大すると、燃焼時における燃料およびその周囲のガス温が高くなり、斯くして低温燃焼を行うことができなくなる。一方、圧縮始めの燃焼室5内のガス温TGが低くなると燃焼が開始される直前の燃焼室5内のガス温が低くなるので燃焼時における燃料およびその周囲のガス温が低くなる。従って圧縮始めの燃焼室5内のガス温TGが低くなれば燃焼による発熱量が増大しても、即ち要求トルクTQが高くなっても燃焼時における燃料およびその周囲のガス温は高くならず、斯くして低温燃焼が行われることになる。云い換えると圧縮始めの燃焼室5内のガス温TGが低くなればなるほど低温燃焼しうる第1の運転領域Iが高負荷側に拡大することになる。
【0065】
また、シリンダ内壁面温度TWと圧縮始めの燃焼室5内のガス温TGとの温度差(TW−TG)が小さいほど圧縮行程中にシリンダ内壁面を介して逃げる熱量が増大する。従ってこの温度差(TW−TG)が小さくなるほど圧縮工程中における燃焼室5内のガスの温度上昇量が少なくなり、斯くして燃焼時における燃料およびその周囲のガス温が低くなる。従って温度差(TW−TG)が小さいほど低温燃焼しうる第1の運転領域Iが高負荷側に拡大することになる。
【0066】
一方、吸気通路内、例えばサージタンク12内の圧力が低くなるほど燃焼室5内における圧縮圧力が低くなり、斯くして燃焼時における燃料およびその周囲のガス温が低くなる。従ってサージタンク12内の圧力が低くなるほど低温燃焼しうる第1の運転領域Iが高負荷側に拡大することになる。また、吸入空気中の湿度が高くなるほど吸入空気中に含まれる水分による吸熱量が大きくなり、斯くして燃焼時における燃料およびその周囲のガス温が低くなる。従って吸入空気中の湿度が高くなるほど低温燃焼しうる第1の運転領域Iが高負荷側に拡大することになる。
【0067】
本発明による実施例では圧縮始めにおける燃焼室5内のガス温TGが低くなると図10に示されるように第1の境界がXo (N)からX(N)に移動せしめられ、温度差(TW−TG)が小さくなると図10に示されるように第1の境界がXo (N)からX(N)に移動せしめられる。更に、本発明による実施例ではサージタンク12内の圧力PMが低くなると図10に示されるように第1の境界がXo (N)からX(N)に移動せしめられ、吸入空気中の湿度DFが高くなると図10に示されるように第1の境界がXo (N)からX(N)に移動せしめられる。なお、ここでXo (N)は基準となる第1の境界を示している。基準となる第1の境界Xo (N)は機関回転数Nの関数であり、X(N)はこのXo (N)を用いて次式に基づいて算出される。
【0068】
X(N)=Xo (N)+C1・K(T)・K(N)
K(T)=K(T)1 +K(T)2 +K(T)3 +K(T)4
ここでC1は定数、K(T)1 は図11(A)に示されるように圧縮始めにおける燃焼室5内のガス温TGの関数であり、このK(T)1 の値は圧縮始めにおける燃焼室5内のガス温TGが低くなるほど大きくなる。また、K(T)2 は図11(B)に示されるように温度差(TW−TG)の関数であり、このK(T)2 の値は温度差(TW−TG)が小さくなるほど大きくなる。また、K(T)3 は図11(C)に示されるようにサージタンク12内の圧力PMの関数であり、このK(T)3 の値はサージタンク12内の圧力PMが低くなるほど大きくなる。また、K(T)4 は図11(D)に示されるように湿度DFの関数であり、このK(T)4 の値は湿度DFが高くなるほど大きくなる。なお、図11(A)から図11(D)においてT1 は基準温度、T2 は基準温度差、PM3 は基準圧力、DF4 は基準湿度であり、TG=T1 、(TW−TG)=T2 、PM=PM3 かつDF=DF4 のときに第1の境界が図10のXo (N)となる。
【0069】
一方、K(N)は図11(E)に示されるように機関回転数Nの関数であり、K(N)の値は機関回転数Nが高くなるほど小さくなる。即ち、圧縮始めにおける燃焼室5内のガス温TGが基準温度T1 よりも低くなると圧縮始めにおける燃焼室5内のガス温TGが低くなるほど第1の境界X(N)はXo (N)に対して高負荷側に移動し、温度差(TW−TG)が基準温度差T2 よりも低くなると温度差(TW−TG)が小さくなるほど第1の境界X(N)はXo (N)に対して高負荷側に移動する。また、サージタンク12内の圧力PMが基準圧力PM3 よりも低くなるとサージタンク12内の圧力PMが低くなるほど第1の境界X(N)はXo (N)に対して高負荷側に移動し、湿度DFが基準湿度DF4 よりも大きくなると湿度DFが高くなるほど第1の境界X(N)はXo (N)に対して高負荷側に移動する。また、Xo (N)に対するX(N)の移動量は機関回転数Nが高くなるほど少なくなる。
【0070】
図12(A)は第1の境界が基準となる第1の境界Xo (N)であるときの第1の運転領域Iにおける空燃比A/Fを示している。図12(A)において、A/F=15,A/F=16,A/F=17,A/F=18で示される各曲線は夫々空燃比が15,16,17,18であるときを示しており、各曲線間の空燃比は比例配分により定められる。図12(A)に示されるように第1の運転領域Iでは空燃比がリーンとなっており、更に第1の運転領域Iでは要求負荷Lが低くなるほど空燃比A/Fがリーンとされる。
【0071】
即ち、要求負荷Lが低くなるほど燃焼による発熱量が少なくなる。従って要求負荷Lが低くなるほどEGR率を低下させても低温燃焼を行うことができる。EGR率を低下させると空燃比は大きくなり、従って図12(A)に示されるように要求負荷Lが低くなるにつれて空燃比A/Fが大きくされる。空燃比A/Fが大きくなるほど燃料消費率は向上し、従ってできる限り空燃比をリーンにするために本発明による実施例では要求負荷Lが低くなるにつれて空燃比A/Fが大きくされる。
【0072】
図12(B)は第1の境界が図10に示されるX(N)のときの第1の運転領域Iにおける空燃比A/Fを示している。図12(A)および(B)を比較するとわかるように第1の境界X(N)がXo (N)に対して高負荷側に移動するとそれに追従して各空燃比を示すA/F=15,A/F=16,A/F=17,A/F=18の曲線も高負荷側に移動する。従って第1の境界X(N)がXo (N)に対して高負荷側に移動すると同一要求負荷Lおよび同一機関回転数Nにおける空燃比A/Fが大きくなることがわかる。即ち、第1の運転領域Iが高負荷側に拡大せしめられると煤およびNOx のほとんど発生しない運転領域が拡大されるばかりでなく、燃料消費率が向上せしめられることになる。
【0073】
本発明による実施例では第1の境界X(N)が種々に変化したときの第1の運転領域Iにおける目標空燃比、即ち種々のK(T)の値に対する第1の運転領域Iにおける目標空燃比が図13(A)から図13(D)に示されるように要求トルクTQおよび機関回転数Nの関数としてマップの形で予めROM42内に記憶されている。即ち、図13(A)はK(T)の値がKT1のときの目標空燃比AFKT1を示しており、図13(B)はK(T)の値がKT2のときの目標空燃比AFKT2を示しており、図13(C)はK(T)の値がKT3のときの目標空燃比AFKT3を示しており、図13(D)はK(T)の値がKT4のときの目標空燃比AFKT4を示している。
【0074】
一方、空燃比を目標空燃比とするのに必要なスロットル弁20の目標開度が図14(A)から図14(D)に示されるように要求トルクTQおよび機関回転数Nの関数としてマップの形で予めROM42内に記憶されており、また空燃比を目標空燃比とするのに必要なEGR制御弁31の目標開度が図15(A)から図15(D)に示されるように要求トルクTQおよび機関回転数Nの関数としてマップの形で予めROM42内に記憶されている。
【0075】
即ち、図14(A)は空燃比が15のときのスロットル弁20の目標開度ST15を示しており、図15(A)は空燃比が15のときのEGR制御弁31の目標開度SE15を示している。
また、図14(B)は空燃比が16のときのスロットル弁20の目標開度ST16を示しており、図15(B)は空燃比が16のときのEGR制御弁31の目標開度SE16を示している。
【0076】
また、図14(C)は空燃比が17のときのスロットル弁20の目標開度ST17を示しており、図15(B)は空燃比が17のときのEGR制御弁31の目標開度SE17を示している。
また、図14(D)は空燃比が18のときのスロットル弁20の目標開度ST18を示しており、図15(B)は空燃比が18のときのEGR制御弁31の目標開度SE18を示している。
【0077】
図16は第2の燃焼、即ち従来の燃焼方法による普通の燃焼が行われるときの目標空燃比を示している。なお、図16においてA/F=24,A/F=35,A/F=45,A/F=60で示される各曲線は夫々目標空燃比24,35,45,60を示している。空燃比をこの目標空燃比とするのに必要なスロットル弁20の目標開度STが図17(A)に示されるように要求トルクTQおよび機関回転数Nの関数としてマップの形で予めROM42内に記憶されており、空燃比をこの目標空燃比とするのに必要なEGR制御弁31の目標開度SEが図17(B)に示されるように要求トルクTQおよび機関回転数Nの関数としてマップの形で予めROM42内に記憶されている。
【0078】
一方、空燃比がかなりリッチであるときに低温燃焼しうる第1の運転領域Zも圧縮始めにおける燃焼室5内のガス温TG、シリンダ内壁面温度TWとガス温TGとの温度差(TW−TG)、サージタンク12内の圧力PMおよび吸入空気中の湿度DFにより変化する。この場合、この第1の運転領域Zも前述した第1の運転領域Iと同様に燃焼時における燃料およびその周囲のガス温度が低くなるほど高負荷側に移動せしめられる。
【0079】
即ち、図18においてZo を基準となる第1の運転領域とし、Z1o (N)を基準となる高負荷側限界とし、Z2o (N)を基準となる低負荷側限界とするとこれら基準のときに比べて燃焼時における燃料およびその周囲のガス温度が低くなるときには高負荷側限界Z1(N)および低負荷側限界Z2(N)が共に高負荷側に移動せしめられ、従って第1の運転領域Zも高負荷側に移動せしめられる。
【0080】
このときの高負荷側限界Z1 (N)および低負荷側限界Z2(N)も図11に示される各値K(T)1 ,K(T)2 ,K(T)3 ,K(T)4 ,K(N)を用いて次式から算出される。
Z1(N)=Z1o (N)+C2・K(T)・K(N)
Z2(N)=Z2o (N)+C3・K(T)・K(N)
K(T)=K(T)1 +K(T)2 +K(T)3 +K(T)4
ここでC2,C3は定数である。
【0081】
従って、圧縮始めにおける燃焼室5内のガス温TGが基準温度T1 (図11)よりも低くなると圧縮始めにおける燃焼室5内のガス温TGが低くなるほどZ1(N)およびZ2(N)は夫々Z1o (N)およびZ2o (N)に対して高負荷側に移動し、温度差(TW−TG)が基準温度差T2 (図11)よりも低くなると温度差(TW−TG)が小さくなるほどZ1(N)およびZ2(N)は夫々Z1o (N)およびZ2o (N)に対して高負荷側に移動する。また、サージタンク12内の圧力PMが基準圧力PM3 (図11)よりも低くなるとサージタンク12内の圧力PMが低くなるほどZ1(N)およびZ2(N)は夫々Z1o (N)およびZ2o (N)に対して高負荷側に移動し、湿度DFが基準湿度DF4 (図11)よりも大きくなると湿度DFが高くなるほどZ1(N)およびZ2(N)は夫々Z1o (N)およびZ2o (N)に対して高負荷側に移動する。
【0082】
前述したように触媒25としては酸化触媒、三元触媒又はNOx 吸収剤を用いることができるが、以下触媒25としてNOx 吸収剤を用いた場合について説明する。
機関吸気通路、燃焼室5およびNOx 吸収剤25上流の排気通路内に供給された空気および燃料(炭化水素)の比をNOx 吸収剤25への流入排気ガスの空燃比と称するとこのNOx 吸収剤25は流入排気ガスの空燃比がリーンのときにはNOx を吸収し、流入排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチになると吸収したNOx を放出するNOx の吸放出作用を行う。
【0083】
このNOx 吸収剤25を機関排気通路内に配置すればNOx 吸収剤25は実際にNOx の吸放出作用を行うがこの吸放出作用の詳細なメカニズムについては明らかでない部分もある。しかしながらこの吸放出作用は図19に示すようなメカニズムで行われているものと考えられる。次にこのメカニズムについて担体上に白金PtおよびバリウムBaを担持させた場合を例にとって説明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類、希土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0084】
図1に示される圧縮着火式内燃機関では通常燃焼室5における空燃比がリーンの状態で燃焼が行われる。このように空燃比がリーンの状態で燃焼が行われている場合には排気ガス中の酸素濃度は高く、このときには図19(A)に示されるようにこれら酸素O2 がO2 − 又はO2−の形で白金Ptの表面に付着する。一方、流入排気ガス中のNOは白金Ptの表面上でO2 − 又はO2−と反応し、NO2 となる(2NO+O2 →2NO2 )。次いで生成されたNO2 の一部は白金Pt上で酸化されつつ吸収剤内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら図19(A)に示されるように硝酸イオンNO3 − の形で吸収剤内に拡散する。このようにしてNOx がNOx 吸収剤25内に吸収される。流入排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金Ptの表面でNO2 が生成され、吸収剤のNOx 吸収能力が飽和しない限りNO2 が吸収剤内に吸収されて硝酸イオンNO3 − が生成される。
【0085】
一方、流入排気ガスの空燃比がリッチにされると流入排気ガス中の酸素濃度が低下し、その結果白金Ptの表面でのNO2 の生成量が低下する。NO2 の生成量が低下すると反応が逆方向(NO3 − →NO2 )に進み、斯くして吸収剤内の硝酸イオンNO3 − がNO2 の形で吸収剤から放出される。このときNOx 吸収剤25から放出されたNOx は図19(B)に示されるように流入排気ガス中に含まれる多量の未燃HC,COと反応して還元せしめられる。このようにして白金Ptの表面上にNO2 が存在しなくなると吸収剤から次から次へとNO2 が放出される。従って流入排気ガスの空燃比がリッチにされると短時間のうちにNOx 吸収剤25からNOx が放出され、しかもこの放出されたNOx が還元されるために大気中にNOx が排出されることはない。
【0086】
なお、この場合、流入排気ガスの空燃比を理論空燃比にしてもNOx 吸収剤25からNOx が放出される。しかしながら流入排気ガスの空燃比を理論空燃比にした場合にはNOx 吸収剤25からNOx が徐々にしか放出されないためにNOx 吸収剤25に吸収されている全NOx を放出させるには若干長い時間を要する。
【0087】
ところでNOx 吸収剤25のNOx 吸収能力には限度があり、NOx 吸収剤25のNOx 吸収能力が飽和する前にNOx 吸収剤25からNOx を放出させる必要がある。そのためにはNOx 吸収剤25に吸収されているNOx 量を推定する必要がある。そこで本発明による実施例では第1の燃焼が行われているときの単位時間当りのNOx 吸収量Aを要求トルクTQおよび機関回転数Nの関数として図20(A)に示すようなマップの形で予め求めておき、第2の燃焼が行われているときの単位時間当りのNOx 吸収量Bを要求トルクTQおよび機関回転数Nの関数として図20(B)に示すようなマップの形で予め求めておき、これら単位時間当りのNOx 吸収量A,Bを積算することによってNOx 吸収剤25に吸収されているNOx 量ΣNOXを推定するようにしている。
【0088】
本発明による実施例ではこのNOx 吸収量ΣNOXが予め定められた許容最大値を越えたときにNOx 吸収剤25からNOx を放出させるようにしている。次にこのことについて図21を参照しつつ説明する。
図21を参照すると本発明による実施例では二つの許容最大値、即ち許容最大値MAX1と許容最大値MAX2とが設定されている。許容最大値MAX1はNOx 吸収剤25が吸収しうる最大NOx 吸収量の30パーセント程度とされており、許容最大値MAX2はNOx 吸収剤25が吸収しうる最大吸収量の80パーセント程度とされている。第1の燃焼が行われているときにNOx 吸収量ΣNOXが許容最大値MAX1を越えたときにはNOx 吸収剤25からNOx を放出すべく空燃比がリッチとされ、第2の燃焼が行われているときにNOx 吸収量ΣNOXが許容最大値MAX1を越えたときには第2の燃焼から第1の燃焼に切換えられたとき、例えば減速運転時にNOx 吸収剤25からNOx を放出すべく空燃比がリッチとされ、第2の燃焼が行われているときにNOx 吸収量ΣNOXが許容最大値MAX2を越えたときにはNOx 吸収剤25からNOx を放出すべく膨張行程の後半又は排気行程中に追加の燃料が噴射される。
【0089】
即ち、図21において期間Xは要求トルクTQが第1の境界X(N)よりも低く、第1の燃焼が行われている場合を示しており、このとき空燃比は理論空燃比よりもわずかばかりリーンなリーン空燃比となっている。第1の燃焼が行われているときにはNOx の発生量が極めて少く、従ってこのときには図21に示されるようにNOx 吸収量ΣNOXは極めてゆっくりと上昇する。第1の燃焼が行われているときにNOx 吸収量ΣNOXが許容最大値MAX1を越えると空燃比A/Fは一時的にリッチとされ、それによってNOx 吸収剤25からNOx が放出される。このときNOx 吸収量ΣNOXは零とされる。
【0090】
前述したように第1の燃焼が行われているときには空燃比がリーンであろうと、理論空燃比であろうと、リッチであろうと煤は発生せず、従って第1の燃焼が行われているときにNOx 吸収剤25からNOx を放出すべく空燃比A/Fがリッチとされてもこのとき煤が発生することはない。
次いで時刻t1 において要求トルクTQが第1の境界X(N)を越えると第1の燃焼から第2の燃焼に切換えられる。図21に示されるように第2の燃焼が行われているときには空燃比A/Fはかなりリーンとなる。第2の燃焼が行われているときには第1の燃焼が行われている場合に比べてNOx の発生量が多く、従って第2の燃焼が行われているときにはNOx 量ΣNOXは比較的急速に上昇する。
【0091】
第2の燃焼が行われているときに空燃比A/Fをリッチにすると多量の煤が発生し、従って第2の燃焼が行われているときに空燃比A/Fをリッチにすることはできない。従って図21に示されるように第2の燃焼が行われているときにNOx 吸収量ΣNOXが許容最大値MAX1を越えたとしてもNOx 吸収剤25からNOx を放出すべく空燃比A/Fがリッチとされない。この場合には要求トルクTQが第2の境界Y(N)よりも低くなって第2の燃焼から第1の燃焼に切換えられた後にNOx 吸収剤25からNOx を放出すべく空燃比A/Fが一時的にリッチにされる。
【0092】
ところで図21の時刻t2 は減速運転が行われ、それによって第2の燃焼から第1の燃焼に切換えられた場合を示している。減速運転が行われると要求トルクTQが負となり、その結果図18からわかるように第1の運転領域Zの低負荷側限界Z2(N)の位置によって空燃比をリッチにしうる場合と、空燃比をリッチにしえない場合とがある。
【0093】
そこで本発明による実施例では空燃比をリッチにすべきときには機関の運転状態が第1の運転領域Z内にあるか否かを判断し、機関の運転状態が第1の運転領域Z内にあるときには図21の時刻t2 に示されるように第2の燃焼から第1の燃焼に切換えられたときにNOx 吸収剤25からNOx を放出すべく空燃比A/Fが一時的にリッチにされる。
【0094】
次いで図21の時刻t3 において第1の燃焼から第2の燃焼に切換えられ、暫らくの間第2の燃焼が継続したとする。このときNOx 吸収量ΣNOXが許容最大値MAX1を越え、次いで時刻t4 において許容最大値MAX2を越えたとするとこのときにはNOx 吸収剤25からNOx を放出すべく膨張行程の後半又は排気行程中に追加の燃料が噴射され、NOx 吸収剤25に流入する排気ガスの空燃比がリッチとされる。
【0095】
膨張行程の後半又は排気行程中に噴射される追加の燃料は機関出力の発生には寄与せず、従って追加の燃料を噴射する機会はできるだけ少くすることが好ましい。従って第2の燃焼が行われたときにNOx 吸収量ΣNOXが許容最大値MAX1を越えたときには第2の燃焼から第1の燃焼に切換えられたときに空燃比A/Fを一時的にリッチにし、NOx 吸収量ΣNOXが許容最大値MAX2を越えた特別の場合に限って追加の燃料を噴射するようにしている。
【0096】
図22はNOx 吸収剤25からNOx を放出すべきときにセットされるNOx 放出フラグの処理ルーチンを示しており、このルーチンは一定時間毎の割込みによって実行される。
図22を参照するとまず初めにステップ100において機関の運転領域が第1の運転領域Iであることを示すフラグIがセットされているか否かが判別される。フラグIがセットされているとき、即ち機関の運転領域が第1の運転領域Iであるときにはステップ101に進んで図20(A)に示すマップから単位時間当りのNOx 吸収量Aが算出される。次いでステップ102ではNOx 吸収量ΣNOXにAが加算される。次いでステップ103ではNOx 吸収量ΣNOXが許容最大値MAX1を越えたか否かが判別される。ΣNOX>MAX1になるとステップ104に進み、第1の燃焼が行われているときにNOx を放出すべきことを示すNOx 放出フラグ1がセットされる。
【0097】
一方、ステップ100においてフラグIがリセットされていると判断されたとき、即ち機関の運転領域が第2の運転領域IIであるときにはステップ106に進んで図20(B)に示すマップから単位時間当りのNOx 吸収量Bが算出される。次いでステップ107ではNOx 吸収量ΣNOXがBに加算される。次いでステップ108ではNOx 吸収量ΣNOXが許容最大値MAX1を越えたか否かが判別される。ΣNOX>MAX1になるとステップ109に進み、第1の燃焼が行われているときにNOx を放出すべきことを示すNOx 放出フラグ1がセットされる。
【0098】
一方、ステップ110では、NOx 吸収量ΣNOXが許容最大値MAX2を越えたか否かが判別される。ΣNOX>MAX2になるとステップ111に進み、膨張行程の後半又は排気行程中にNOx を放出すべきことを示すNOx 放出フラグ2がセットされる。
図23は低温燃焼領域、即ち第1の運転領域IおよびZを制御するためのルーチンを示している。
【0099】
図23を参照すると、まず初めにステップ200において圧縮始めにおける燃焼室5内のガス温TG、シリンダ内壁面温度TW、サージタンク12内の圧力PMおよび吸入空気中の湿度DFが算出される。この実施例では温度センサ62により検出された吸入空気とEGRガスの混合ガス温が圧縮始めにおける燃焼室5内のガス温TGとされ、温度センサ60により検出された機関冷却水温がシリンダ内壁面温度TWとされる。また、サージタンク12内の圧力PMは圧力センサ61により検出され、湿度DFは湿度センサ63により検出される。次いでステップ201では図11(A)から図11(D)に示す関係からK(T)1 ,K(T)2 ,K(T)3 ,K(T)4 が求められ、これらK(T)1 からK(T)4 を加算することによってK(T)(=K(T)1 +K(T)2 +K(T)3 +K(T)4 )が算出される。
【0100】
次いでステップ202では機関回転数Nに基づいて図11(E)に示す関係からK(N)が算出される。次いでステップ203では予め記憶されている第1の境界Xo (N)の値を用いて次式に基づき第1の境界X(N)の値が算出される。
X(N)=Xo (N)+C1・K(T)・K(N)
次いでステップ204では機関回転数Nに応じて変化するX(N)とY(N)との差ΔL(N)が算出される。次いでステップ205ではX(N)からΔL(N)を減算することによって第2の境界Y(N)の値(=X(N)−ΔL(N))が算出される。次いでステップ206では予め記憶されている高負荷側限界Z1o (N)の値を用いて次式から高負荷側限界Z1(N)が算出される。
【0101】
Z1(N)=Z1o (N)+C2・K(T)・K(N)
次いでステップ207では予め記憶されている低負荷側限界Z2o (N)の値を用いて次式から低負荷側限界Z2(N)が算出される。
Z2(N)=Z2o (N)+C3・K(T)・K(N)
次に図24を参照しつつ運転制御について説明する。
【0102】
図24を参照すると、まず初めにステップ300において機関の運転状態が第1の運転領域Iであることを示すフラグIがセットされているか否かが判別される。フラグIがセットされているとき、即ち機関の運転状態が第1の運転領域Iであるときにはステップ301に進んで要求負荷Lが第1の境界X1(N)よりも大きくなったか否かが判別される。L≦X1(N)のときにはステップ303に進んで低温燃焼が行われる。
即ち、ステップ303では図14(A)から図14(D)に示すマップからスロットル弁20の目標開度STが算出され、スロットル弁20の開度がこの目標開度STとされる。次いでステップ304では図15(A)から図15(D)に示すマップからEGR制御弁31の目標開度SEが算出され、EGR制御弁31の開度がこの目標開度SEとされる。次いでステップ305ではNOx 放出フラグ1がセットされているか否かが判別される。NOx 放出フラグ1がセットされていないときにはステップ307に進んで燃料噴射が行われる。このときリーン空燃比のもとで低温燃焼が行われる。
【0103】
一方、ステップ305においてNOx 放出フラグ1がセットされていると判別されたときにはステップ306に進んで機関の運転状態が第1の運転領域Zであるか否かが判別される。機関の運転状態が第1の運転領域Zでないときにはステップ307に進み、リーン空燃比のもとで低温燃焼が行われる。これに対し、機関の運転状態が第1の運転領域Zであるときにはステップ308に進み、予め定められた期間空燃比がリッチとされる。この間にNOx 吸収剤25からNOx が放出される。次いでNOx 放出フラグ1がリセットされ、ΣNOXがクリアされる。
【0104】
一方、ステップ301においてL>X(N)になったと判別されたときにはステップ302に進んでフラグIがリセットされ、次いでステップ311に進んで第2の燃焼が行われる。
即ち、ステップ311では図17(A)に示すマップからスロットル弁20の目標開度STが算出され、スロットル弁20の開度がこの目標開度STとされる。次いでステップ312では図17(B)に示すマップからEGR制御弁31の目標開度SEが算出され、EGR制御弁31の開度がこの目標開度SEとされる。次いでステップ313ではNOx 放出フラグ2がセットされているか否かが判別される。NOx 放出フラグ2がセットされていないときにはステップ314に進んで図16に示される空燃比となるように燃料噴射が行われる。このときリーン空燃比のもとで第2の燃焼が行われる。
【0105】
一方、ステップ313においてNOx 放出フラグ2がセットされていると判別されたときにはステップ315に進んで予め定められた期間、膨張行程後半又は排気行程中に追加の燃料が噴射される。このときNOx 吸収剤25に流入する排気ガスの空燃比がリッチとなり、この間にNOx 吸収剤25からNOx が放出される。次いでNOx 放出フラグ1および2がリセットされ、ΣNOXがクリアされる。
【0106】
【発明の効果】
空燃比に応じ低温燃焼しうる領域を変えることによって空燃比に応じた安定した低温燃焼を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧縮着火式内燃機関の全体図である。
【図2】スモークおよびNOx の発生量等を示す図である。
【図3】燃焼圧を示す図である。
【図4】燃料分子を示す図である。
【図5】スモークの発生量とEGR率との関係を示す図である。
【図6】噴射燃料量と混合ガス量との関係を示す図である。
【図7】第1の運転領域I,Zおよび第2の運転領域IIを示す図である。
【図8】スロットル弁の開度等を示す図である。
【図9】要求トルクを示す図である。
【図10】第1の境界Z(N)を示す図である。
【図11】K(T)1 からK(T)4 およびK(N)を示す図である。
【図12】第1の運転領域Iにおける目標空燃比を示す図である。
【図13】目標空燃比のマップを示す図である。
【図14】スロットル弁の目標開度のマップを示す図である。
【図15】EGR制御弁の目標開度のマップを示す図である。
【図16】第2の燃焼における空燃比を示す図である。
【図17】スロットル弁等の目標開度を示す図である。
【図18】第1の運転領域Zを示す図である。
【図19】NOx の放出作用を説明するための図である。
【図20】単位時間当りのNOx 吸収量のマップを示す図である。
【図21】NOx 放出制御を説明するための図である。
【図22】NOx 放出フラグを処理するためのフローチャートである。
【図23】低温燃焼領域を制御するためのフローチャートである。
【図24】機関の運転を制御するためのフローチャートである。
【符号の説明】
6…燃料噴射弁
20…スロットル弁
31…EGR制御弁
Claims (14)
- 燃焼室内の不活性ガス量を増大していくと煤の発生量が次第に増大してピークに達し、燃焼室内の不活性ガス量を更に増大していくと燃焼室内における燃焼時の燃料およびその周囲のガス温が煤の生成温度よりも低くなって煤がほとんど発生しなくなる内燃機関において、煤の発生量がピークとなる不活性ガス量よりも燃焼室内の不活性ガス量が多く煤がほとんど発生しない第1の燃焼と、煤の発生量がピークとなる不活性ガス量よりも燃焼室内の不活性ガス量が少ない第2の燃焼とを選択的に切換える切換手段を具備し、機関の運転領域が第1の燃焼を行いうる低負荷側の第1の運転領域と第2の燃焼が行われる高負荷側の第2の運転領域とに分割され、空燃比が小さくなるにつれて第1の運転領域が高負荷側に移動せしめられる内燃機関。
- 空燃比が小さくなるにつれて第1の運転領域の高負荷側限界と低負荷側限界が高負荷側に移動せしめられる請求項1に記載の内燃機関。
- 空燃比がリーンであるときには第1の運転領域の低負荷側限界が存在せず、空燃比がリッチであるときには第1の運転領域の低負荷側限界が現われる請求項2に記載の内燃機関。
- 第1の運転領域を制御するための制御手段を具備し、該制御手段は目標空燃比に応じて第1の運転領域を制御する請求項1に記載の内燃機関。
- 第1の燃焼時における燃料およびその周囲のガス温度が低下するにつれて第1の運転領域が高負荷側に移動せしめられる請求項1に記載の内燃機関。
- 空燃比がリッチのもとで第1の燃焼が行われているときには燃焼時における燃料およびその周囲のガス温度が低下するにつれて第1の運転領域の高負荷側限界および低負荷側限界が高負荷側に移動せしめられる請求項5に記載の内燃機関。
- 第1の燃焼時における燃料およびその周囲のガス温度に変化を与えるパラメータの値に基づいて第1の運転領域を制御する制御手段を具備し、該制御手段はパラメータの値から第1の燃焼時における燃料およびその周囲のガス温度が低下すると判断されたときには第1の運転領域を高負荷側に移動せしめる請求項5に記載の内燃機関。
- 該パラメータが燃焼室内に流入するガスの温度、機関冷却水の温度、機関吸気通路内の圧力又は吸入空気の湿度の少くとも一つからなる請求項7に記載の内燃機関。
- 燃焼室から排出された排気ガスを機関吸気通路内に再循環させる排気ガス再循環装置を具備し、上記不活性ガスが再循環排気ガスからなる請求項1に記載の内燃機関。
- 上記第1の燃焼が行われているときの排気ガス再循環率がほぼ55パーセント以上である請求項9に記載の内燃機関。
- 機関排気通路内に酸化機能を有する触媒を配置した請求項1に記載の内燃機関。
- 該触媒が酸化触媒又は三元触媒からなる請求項11に記載の内燃機関。
- 上記触媒が、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中に含まれるNOx を吸収しかつ流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチになると吸収したNOx を放出するNOx 吸収剤からなる請求項11に記載の内燃機関。
- 機関の運転状態が空燃比がリッチであるときの第1の運転領域にあるときにNOx 吸収剤からNOx を放出すべく空燃比がリッチとされる請求項13に記載の内燃機関。
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