JP3551453B2 - シート - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、支持面の形状を可変制御することができるシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のシートS1 として、図24に示すものが実開平4−28130号公報に開示されている。
【0003】
このシートS1 は<サイドサポート・ホールドモード>を得るためのもので、シートクッション101及びシートバック103の内部にはエアマットM1 が設けられている。エアマットM1 は、左右のサイドサポート部101L,101R,103L,103R内の空気室105L,105R,107L,107Rを備えている。各空気室105L,105R,107L,107Rは管路109を通じてエアポンプ111に接続され、管路109の集合部分には供給用電磁バルブ113と排出用電磁バルブ115が介装されている。管路109の集合部分の下流側にはダイヤフラム式のリレー117が設けられている。
【0004】
コントローラ119には、乗員に加わる横加速度に関する情報を検出する横Gセンサ121が接続されている。コントローラ121は、横Gセンサ121からの検出値が所定値以上となったときに、エアポンプ111を作動させるとともに排出用電磁バルブ115を閉鎖したまま供給用電磁バルブ113を開放する。これにより空気室105L,105R,107L,107R内の空気圧が上昇し、サイドサポート部101L,101R,103L,103Rが突出し始める。空気室105L,105R,107L,107R内が所定圧以上になると、リレー117からコントローラ119に供給用電磁バルブ113を閉鎖させるリレー信号が出力され、サイドサポート部が所定量突出した状態で維持されて、<サイドサポート・ホールドモード>となる。また横Gセンサ121の検出値が所定値以下になると、コントローラ119はエアポンプ111を停止して電磁バルブ113,115を開放する。
【0005】
かかるシートS1 によれば、乗員に所定値以上の横加速度が作用した場合、突出したサイドサポート部101L,101R,103L,103Rによって乗員を横方向から強くサポートする<サイドサポート・ホールドモード>を得ることができ、走行中における乗員の姿勢が安定する。
【0006】
また他のシートS2 として、図25に示すものが特開平3−200439号公報に開示されてる。
【0007】
このシートS2 は<疲労低減モード>を得るためのもので、シートクッション101内及びシートバック103内には、エアマットM2 が設けられている。エアマットM2 は、着座者の尻部、大腿部、腰椎部、及び上肢部をそれぞれ支持するヒップサポートエアマット123L,123R、サイサポートエアマット125L,125R、ランバーサポートエアマット127L,127R、バックサポートエアマット129L,129Rから構成され、それぞれ中心線CLの左右両側の略対称位置に設けられている。各エアマットM2 にはコンプレッサ131からの管路133が接続され、各管路133には電磁バルブ135及び圧力センサ137が介装されている。電磁バルブ135及び圧力センサ137はマイクロコンピュータ139に接続され、マイクロコンピュータ139は、駆動信号を出力してコンプレッサ131を駆動し、各エアマットM2 の空気圧をそれぞれ圧力センサ137で検出し、この検出値に基づいて各電磁バルブ135を開閉制御して各エアマットM2 を膨脹及び収縮させて、シート面形状を変更する。
【0008】
マイクロコンピュータ139には、イグニッションスイッチ141、車速センサ143、タイマ145,147、及びマニュアルモード選択スイッチ149が接続されている。マイクロコンピュータ139は、車速センサ143により車両の走行状態を判断し、これに応じてタイマ145,147を適宜使用して、車両走行状態に適合した時間毎にシート面形状を変更する。シート面形状の変更は、<疲労低減モード>に従う。すなわち、中心線CLに対して右側のヒップサポートエアマット123Rと左側のランバーサポートエアマット127Lを高圧とし、左側のヒップサポートエアマット123Lと右側のランバーサポートエアマット127Rを低圧とするモードAと、モードAの高圧と低圧を反対にしたモードBとを繰返す。これにより、乗員の体がシート側から積極的にねじられ、腰椎及びその周辺の筋肉疲労が低減される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図24の従来のシートS1 は、横加速度に対するサポート強化を目的とした可変モードである<サイドサポート・ホールドモード>のみを考慮した構成となっているため、同じサポート部101L,101R,103L,103Rに対して、例えば乗降性向上などを目的とした<乗降性モード>が要求されても、これに良好に対応できないおそれがあった。
【0010】
すなわち、目的の相違する複数の可変モードを設けた場合、各可変モードに対応した車両状態の検出方法が必要となるが、従来のシートS1 では乗員が望む可変モードを総合的に選択判断することを考慮したものではない。また、例えば<サイドサポート・ホールドモード>の場合はシート面を比較的小さく変化させれば良いのに対し、<乗降性モード>の場合は大きく変形させる必要があるというように、シート面の変形量は可変モードによって相違するので、サイドサポート部101L,101R,103L,103Rを一律に突出変形させるだけでは、複数種の可変モードに対応したシート面形状を得ることはできない。この場合、エアマットM1 の各空気室105L,105R,107L,107Rの内圧を段階的に設定可能とし、内圧調整によってシート面の変更量を調節する方法も考えられるが、この方法では、エアマットM1 内の圧力が低い部位ではシート面形状を所望の形状に維持させることができない。
【0011】
このように、従来のシートS1 では、同じサイドサポート部101L,101R,103L,103Rに、乗降性の向上や乗員拘束性の向上といった複数の機能を合せ持たせることができず、複数の可変モードに総合的に対応することが困難であった。
【0012】
また、これと同様の不都合は、図25のシートS2 においても生じ得る。
【0013】
すなわち、例えば、車両後退時の運転者の後視動作に対応した<後退モード>やシートベルト装着時の乗員のウエビングの引出し動作に対応した<シートベルト装着モード>では、着座者は身体を大きくねじる必要があるため、ヒップサポートエアマット123L,123R及びランバーサポートエアマット127L,127Rによるシート面の変形量を<疲労低減モード>よりも大きくする必要があり、従来のシートS2 では、これら<後退モード>や<シートベルト装着モード>に良好に対応できないおそれがあった。
【0014】
そこで、本発明は、上記不都合を解決するため、目的及び形状が異なる複数の可変モードに対応可能で、シート面を総合的に可変制御することができる多機能性シートの提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明にかかるシートは、着座者の臀部を座面で支持するシートクッションと、着座者の背部を支持面で支持するシートバックと、変更量が大きい大可変部と小さい小可変部を含む複数の可変部を有し、該可変部によって前記座面又は支持面の少なくとも一方のシート面形状を変更するアクチュエータと、車両状態に関する情報及び運転者の操作情報のうち少なくとも一つの情報を検出する検出手段と、乗員が重視すると予測されるシート面の状態を、前記検出手段の検出した情報に基づき、あらかじめ設定された複数のモードの中から事前に判定する予測手段と、前記予測手段の判定に基づき、前記アクチュエータの可変部の少なくとも一つを制御して、前記シート面を乗員が重視すると予測される状態に変更する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のシートであって、前記複数のモードの中から少なくとも一つのモードが乗員によって選択されるモード選択手段CL7を備え、前記予測手段CL5は、前記検出手段CL4の検出した情報に基づき、前記モード選択手段CL3により選択されたモードの中から、乗員が重視すると予測されるシート面の状態に応じた最適モードを判定することを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のシートであって、前記モード選択手段CL7には、前記複数のモードのうち少なくとも一つのモードからなるモードパターンが複数設定され、乗員によって前記モードパターンの中から一つのモードパターンが選択され、前記予測手段CL5は、前記検出手段CL4の検出した情報に基づき、前記モード選択手段CL3により選択されたモードパターンを構成するモードの中から、乗員が重視すると予測されるシート面の状態に応じた最適モードを判定することを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のシートであって、前記モード選択手段CL7は、乗員による任意のモードパターンの設定及び記憶が可能であることを特徴とする。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1〜請求項4記載のシートであって、前記アクチュエータCL3の少なくとも一つの大可変部と小可変部は、前記シート面のほぼ同じ部位を変更する多段可変部であることを特徴とする。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のシートであって、前記多段可変部は、積層した複数のエアマットからなり、前記エアマットの少なくとも一つは前記大可変部であり、前記エアマットの少なくとも他の一つは前記小可変部であることを特徴とする。
【0023】
請求項7記載の発明は、請求項1〜請求項4記載のシートであって、前記シートクッションはドアの内側に配設され、前記シートクッションの少なくとも前記ドア側の側部に、前記ドア側に倒れた位置から起立した位置まで回動自在で、前記座面形状を大きく変更するサイドサポート部材を設け、前記ドアに対向する車体側に、車幅方向外側に付勢され、前記ドアの閉止時に前記ドアに押圧されて車幅方向内側に移動するレバーを設け、前記サイドサポート部材とレバーを連結部材で連結し、前記連結部材は、前記レバーの車幅方向内側への移動により前記サイドサポート部材を前記起立した位置まで回動し、前記レバーの車幅方向外側への移動により前記サイドサポート部材を前記倒れた位置まで回動することを特徴とする。
【0024】
請求項8記載の発明は、請求項7記載のシートであって、前記サイドサポート部材に前記小可変部を設けたことを特徴とする。
【請求項10】
請求項9記載のシートであって、
前記サイドサポート部材に前記小可変部を設けたことを特徴とする。
【0026】
【作用】
請求項1記載のシートでは、検出手段CL4が車両状態に関する情報及び運転者の操作情報のうち少なくとも一つの情報を検出し、予測手段CL5が、検出手段CL4の検出した情報に基づき、あらかじめ設定された複数のモードの中から、乗員が重視すると予測されるシート面の状態を事前に判定し、制御手段CL6が予測手段CL5の判定に基づき、アクチュエータCL3の可変部の少なくとも一つを制御して、シート面を乗員が重視すると予測される状態に変更する。かかるアクチュエータCL3は、変更量が大きい大可変部と小さい小可変部を含む複数の可変部を有しているので、変更量の多少によらず自由にモードを設定変更することができ、乗員が重視すると予測されるシート面の状態に適合したモードを設定することができる。
【0027】
請求項2記載のシートによれば、検出手段CL4が、車両状態に関する情報及び運転者の操作情報のうち少なくとも一つの情報を検出し、モード選択手段CL7には、複数のモードの中から少なくとも一つのモードが乗員によって選択され、予測手段CL5が、検出手段CL4の検出した情報に基づき、モード選択手段CL7により選択されたモードの中から、乗員が重視すると予測されるシート面の状態に応じた最適モードを事前に判定し、制御手段CL6が、予測手段CL5の判定に基づき、アクチュエータCL3の可変部の少なくとも一つを制御して、シート面を最適モードに変更するので、乗員は、自分にとって必要なモードを一つ又は複数自由に選択でき、乗員の意思に応じた総合的な形状変更を行うことができる。
【0028】
請求項3記載のシートでは、モード選択手段CL7には、複数のモードのうち少なくとも一つのモードからなるモードパターンが複数設定され、乗員によってモードパターンの中から一つのモードパターンが選択され、予測手段CL5は、検出手段CL4の検出した情報に基づき、モード選択手段CL7により選択されたモードパターンを構成するモードの中から、乗員が重視すると予測されるシート面の状態に応じた最適モードを判定するので、モードパターンを選択するという簡単な操作で、乗員の意思に応じた総合的な形状変更を行うことができる。
【0029】
請求項4記載のシートでは、モード選択手段CL7は、乗員による任意のモードパターンの設定及び記憶が可能であるので、乗員がモードパターンを自由に設定しておくことができ、簡単な操作で、シート面形状を乗員の意思及び多様な要求に応じた総合的な形状変更を行うことができる。
【0030】
請求項5記載のシートでは、アクチュエータCL3の少なくとも一つの大可変部と小可変部は、シート面のほぼ同じ部位を変更する多段可変部であるので、シート面のほぼ同じ部位を段階的に突出させることができ、シート面をより多様な形状に設定可能となり、シート面形状の設定自由度が向上する。
【0031】
請求項6記載のシートでは、多段可変部は、積層した複数のエアマットからなり、エアマットの少なくとも一つは大可変部であり、エアマットの少なくとも他の一つは小可変部であるので、簡単な構成によりシート面形状の設定自由度を向上させることができる。
【0033】
請求項7記載のシートでは、乗降性の向上を目的とする場合には、乗員の乗降動作よりも前に、乗降性を目的とした座面に確実に変更することができ、他の目的の場合には、シート面形状を変更量の多少によらず自由な形状に変更できる。
【0034】
請求項8記載のシートでは、乗降性の向上を目的とする場合には、乗員の乗降動作よりも前に、乗降性を目的とした座面に確実に変更することができ、また、乗員を横方向から支持する乗員拘束性を目的とする場合には、サイドサポート部材に設けた小可変部を制御することによってその目的を達成することができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の第1実施例を図面に基づいて説明する。この実施例は、請求項1、請求項5、請求項6記載のシートにかかるもので、図3は、本発明の第1実施例に係る車両用のシートSの全体構成図である。
【0036】
シートSは、車両乗員である着座者の臀部を座面1aで支持するシートクッション1(CL1)と、着座者の背部を支持面3aで支持するシートバック3(CL2)とを備えている。シートクッション1の両側部にはクッションサイドサポート部5L,5Rが設けられ、シートバック3の両側部にはバックサイドサポート部7L,7Rが設けられている。シートクッション1及びシートバック3内には、本実施例におけるアクチュエータ(CL3)の可変部を構成するエアマットMが、シートSの車幅方向中心線CLの左右両側で略対称位置に複数配設されている。なお以下において、代表例として運転席用のシートSについて説明するが、本実施例は、車両の運転操作性のみに関するものを除き、特に運転席に限定されるものではない。
【0037】
前記エアマットMは、シートクッション1内に配設され着座者の臀部及び大腿部を各々支持する前方及び後方のヒップサポートエアマット11L,11R,13L,13R並びに大腿部の膝側端部を支持するサイサポートエアマット15と、シートバック3内に配設され着座者の腰椎部及び上肢部を支持するランバーサポートエアマット17L,17R及びバックサポートエアマット19L,19Rと、クッションサイドサポート部5L,5R内に配設され下肢体サイド部を支持するクッションサイドサポートエアマット21L,21Rと、バックサイドサポート部7L,7R内に配設され着座者の上肢体サイド部を支持するバックサイドサポートエアマット23L,23Rから構成されている。なお、中心線CLの左側に位置するエアマット11L,13L,17L,19Lを以下左側エアマットML と称し、中心線CLの右側に位置するエアマット11R,13R,17R,19Rを以下右側エアマットMR と称する。
【0038】
さらに、後方のヒップサポートエアマット13L,13R、ランバーサポートエアマット17L,17R、及びクッションサイドサポートエアマット21L,21Rは、それぞれ座面1a又は支持面3a(以下両者をシート面Saと総称する)に対して上下方向に積層された上部エアマット13L1 ,13R1 ,17L1 ,17R1 ,21L1 ,21R1 及び下部エアマット13L2 ,13R2 ,17L2 ,17R2 ,21L2 ,21R2 から構成されている。
【0039】
これらエアマットMのうち、前方のヒップサポートエアマット11L,11R、後方のヒップサポート上下部エアマット13L1 ,13L2 ,13R1 ,13R2 、ランバーサポート上下部エアマット17L1 ,17L2 ,17R1 ,17R2 、バックサポートエアマット19L,19R、及びクッションサイドサポート下部エアマット21L2 ,21R2 は大可変部を構成し、後方のヒップサポート上部エアマット13L1 ,13R1 、ランバーサポート上部エアマット17L1 ,17R1 、サイサポートエアマット15、クッションサイドサポート上部エアマット21L1 ,21R1 、及びバックサイドサポートエアマット23L,23Rは小可変部を構成している。そして、各上部エアマットと下部エアマット(13L1 と13L2 、13R1 と13R2 、17L1 と17L2 、17R1 と17R2 、21L1 と21L2 ,及び21R1 と21R2 )はそれぞれ多段可変部を構成している。
【0040】
上記エアマットMは、それぞれ膨脹収縮されることにより、その箇所でのシート面Saを突出変形させる。シートSは、シート面Saの形状を左右相互で突出変形自在であり、通常の車両走行時等に設定される<通常モード>から複数の可変モードに適宜変更可能となっている。本実施例の可変モードは、乗降性を良くするための<乗降性モード>、シートベルト装着時の作業性を良くするための<シートベルト装着モード>、横Gに対する着座者のホールド性を良くするための<サイドサポート・ホールドモード>、加速Gに対する着座者のホールド性を良くするための<サイサポートモード>、着座者の疲労を低減するための<疲労低減モード>、及び後退時の車両操作性を良くするための<後退(内側)モード>と<後退(外側)モード>の7モードである。すなわち、本実施例で設定されるモードは、<通常モード>の1モードと可変モードの7モードの計8モードである。
【0041】
これらの可変モードのうち、乗降やシートベルトの装着などのように、乗員の積極的な動作や操作の際の姿勢に合わせてシート面Saの形状を変更する場合には、前記大可変部を膨脹収縮してシート面Saの形状を比較的大きく変更するモード(大可変モード)とする必要がある。一方、乗員に快適な座り心地を与えたり、姿勢を保持させたり、疲労感を緩和するなどのように、乗員の積極的な動作や操作を伴わない形状変更の場合には、シート面Saの形状変化が乗員に与える違和感を少なくする等の理由から、前記小可変部を膨脹収縮してシート面Saの形状を比較的小さく変更するモード(小可変モード)とする必要がある。本実施例に係る可変モードを両者に大別すると、<乗降性モード>、<シートベルト装着モード>、<後退(内側)モード>、<後退(外側)モード>の4モードが大可変モードであり、<サイドサポート・ホールドモード>、<サイサポートモード>、<疲労低減モード>の3モードが小可変モードである。
【0042】
なお、かかる大可変モードでは、シート面Saの形状変更量が比較的大きく、また乗員の動作や操作に間に合うようにシート面Saを所定の形状に変更させなければならないため、シート面Saの変更を出来るだけ早期から開始しておく必要がある。
【0043】
各エアマットMは、コンプレッサ25(又はポンプ)の吹出口から分岐された管路27にそれぞれ接続されており、各管路27には、それぞれ電磁バルブ29と圧力センサ31が介装されている(図3では、代表として一つの管路27、電磁バルブ29、圧力センサ31を記載してある)。
【0044】
前記コンプレッサ25、電磁バルブ29、及び圧力センサ31は、予測手段CL5及び制御手段CL6としてのマイクロコンピュータ33に接続されている。このマイクロコンピュータ33には、検出手段CL4としての情報検出部Nによって検出された車両状態に関する情報又は乗員からの操作に関する情報が入力される。前記情報検出部Nは、図6に示すように、各種センサ、スイッチ、タイマなどにより各可変モードに対応して構成されており、その詳細については後述する。
【0045】
マイクロコンピュータ33には、<基本モード>及び各可変モード(計7モード)の状態があらかじめ設定され記憶されている。マイクロコンピュータ33は、情報検出部Nからの情報に基づき乗員が重視すると予測されるシート面Saの状態を判定し、かかる状態にシート面Saを変更する。具体的には、情報検出部Nからの情報に基づき、前記7モードの中から最適モードを判定し、シート面Saを最適モードに設定変更する。
【0046】
ここで、前記大可変モードに設定変更する場合には、前述の如く乗員の動作や操作に間に合うようにシート面Saを変更させる必要がある。従って、大可変モードの場合は、マイクロコンピュータ33は、乗員が重視すると予測されるシート面Saの状態を出来るだけ早期に判定し、シートSを最適なモードに設定変更する。なお、このようにシート面Saの形状は、内部のエアマットMの伸縮により大きく変わるため、座面1a及び支持面3aの表皮は、伸縮性のある素材で構成されている。
【0047】
図7〜図13は、本実施例の可変モードを模式的に示したもので、各図において(a)はモード設定時の可変状態を示し、(b)はモード解除時の可変状態を示している。
【0048】
<乗降性モード>は、大可変モードであり、図7(a)のように<通常モード>から右側(ドア側)のクッションサイドサポート下部エアマット21R2 を収縮する。これにより、ドア側のサイドサポート部5Rが大きく凹んだ状態となるので、乗員が乗降し易くなる。<乗降性モード>が解除されると、図7(b)のように前記下部エアマット21R2 が膨脹して<通常モード>に戻る。
【0049】
<シートベルト装着モード>は、大可変モードであり、図8(a)のように<通常モード>から左側エアマットML (11L,13L1 ,13L2 ,17L1 ,17L2 ,19L)を膨脹する。これにより、シート面Saの左側が大きく突出した状態となるので、乗員のシートベルト装着操作が容易となる。<シートベルト装着モード>が解除されると、図8(b)のように前記左側エアマットML が収縮して<通常モード>に戻る。
【0050】
<サイドサポート・ホールドモード>は、小可変モードであり、図9(a)のように<通常モード>からクッションサイドサポート上部エアマット21L1 ,21R1 及びバックサイドサポートエアマット23L,23Rを膨脹する。これにより、シート面Saの左右側縁が小さく突出した状態となるので、乗員の身体が左右両側の横方向から支持され、車両の幅方向への力に対抗して乗員の着座姿勢が保持される。<サイドサポート・ホールドモード>が解除されると、図9(b)のように前記上部エアマット21L1 ,21R1 及びバックサイドサポートエアマット23L,23Rが収縮して<通常モード>に戻る。
【0051】
<サイサポート>は、小可変モードであり、図10(a)のように<通常モード>からサイサポートエアマット15を膨脹する。これにより、シートクッション1の座面1aの前端縁が小さく突出した状態となるので、乗員の車両前方への移動が阻止され、車両前方向への力に対抗して乗員の着座姿勢が保持される。<サイサポートモード>が解除されると、図10(b)のように前記サイサポートエアマット15が収縮して<通常モード>に戻る。
【0052】
<疲労低減モード>は、小可変モードであり、図11(a)のように<通常モード>からランバーサポート上部エアマット17L1 ,17R1 を左右交互に周期的に膨脹収縮する。これにより、乗員の腰部に接する支持面3aの左右が周期的に突出するので、乗員の身体が小さくねじられて、長時間運転に伴う乗員の腰椎及びその周辺の筋肉のねじり方向における疲労が緩和される。<疲労低減モード>が解除されると、図11(b)のように前記上部エアマット17L1 ,17R1 が膨脹収縮を終了して<通常モード>に戻る。
【0053】
なお、特に図示していないが、ヒップサポート上部エアマット13L1 ,13R1 及びランバーサポート上部エアマット17L1 ,17R1 を周期的に膨脹収縮しても良い。この場合、全エアマット13L1 ,13R1 ,17L1 ,17R1 を同時に膨脹収縮させれば、乗員の身体が屈伸され、腰椎の曲げ方向における筋肉の疲労を緩和することができる。また、左側のヒップサポート上部エアマット13L1 及び右側のランバーサポート上部エアマット17R1 と、右側のヒップサポート上部エアマット13R1 及び左側のランバーサポート上部エアマット17L1 とを交互に膨脹収縮させれば、乗員の身体をより大きくねじることができ、腰椎のねじり方向における疲労緩和効果が増大する。すなわち、腰椎の曲げ方向及びねじり方向の両方の疲労の緩和を図ることができる。
【0054】
<後退(内側)モード>は、大可変モードであり、図12(a)のように<通常モード>から右側のエアマットMR の大可変部(11R,13R1 ,13R2 ,17R1 ,17R2 ,19R)を膨脹する。これにより、乗員(運転者)の身体が内側にねじられて後方確認の姿勢が無理なく維持される。<後退(内側)モード>が解除されると、図12(b)のように前記エアマット11R,13R1 ,13R2 ,17R1 ,17R2 ,19Rが収縮して<通常モード>に戻る。
【0055】
<後退(外側)モード>は、大可変モードであり、図13(a)のように<通常モード>から左側のエアマットML の大可変部(11L,13L1 ,13L2 ,17L1 ,17L2 ,19L)を膨脹する。これにより、乗員(運転者)の身体が外側にねじられて後方確認の姿勢が無理なく維持される。<後退(外側)モード>が解除されると、図13(b)のように前記エアマット11L,13L1 ,13L2 ,17L1 ,17L2 ,19Lが収縮して<通常モード>に戻る。
【0056】
次に、前記クッションサイドサポートエアマット21L,21Rについて詳細に説明する。
【0057】
図4は、図3のドア側(右側)のクッションサイドサポートエアマット21RのA−A矢視断面を示す構成図であり、内側(左側)のクッションサイドエアマット21Lもほぼ同一の構成である。このクッションサイドサポートエアマット21Rは、前記可変モードのうち、大可変モードである<乗降性モード>と、小可変モードである<サイドサポート・ホールドモード>という大小二つの可変モードに対応して膨脹収縮される。なお、これら二つの可変モード以外のモード(<通常モード>、<疲労低減モード>、<サイサポートモード>、<後退モード>)を以下<基本モード>と総称する。
【0058】
ドア側のクッションサイドサポートエアマット21Rは、前述のように積層された上部エアマット21R1 と下部エアマット21R2 により構成されている。上部エアマット21R1 は比較的容量が小さく形成されており、小可変部を構成している。一方、下部エアマット21R2 は比較的容量が大きく形成されており、大可変部を構成している。両エアマット21R1 ,21R2 同士は、膨脹圧縮を繰返すことによって位置づれが生じないように、当接面21aで接着され又はマジックテープ等で接合されている。両エアマット21R1 ,21R2 にはそれぞれコンプレッサ25からの管路27が接続され、各管路27には電磁バルブ29及び圧力センサ31が介装されている。
【0059】
<基本モード>では、図4(a)のように上部エアマット21R1 は収縮状態(空気が抜けた状態)とされ、下部エアマット21R2 は膨脹状態(空気が入った状態)とされる。大可変モードである<乗降性モード>では、図4(b)のように上部エアマット21R1 及び下部エアマット21R2 の両方が収縮した状態とされ、小可変モードである<サイドサポート・ホールドモード>では、図4(c)のように上部エアマット21R1 及び下部エアマット21R2 の両方が膨脹した状態とされる。すなわち、<基本モード>では、クッションサイドサポート部5Rが座面1a中央部よりも大きく突出し、<乗降性モード>では、クッションサイドサポート部5Rが<基本モード>よりも大きく凹んで座面1a中央部とほぼ同じ高さとなる。また、<サイドサポート・ホールドモード>では、クッションサイドサポート部5Rが<基本モード>よりもさらに突出する。
【0060】
このように、同じクッションサイドサポート部5Rに二つのエアマット(上部エアマット21R1 と下部エアマット21R2 )を設けているのは、クッションサイドサポート部5Rにおいて、<乗降性モード>と<サイドサポート・ホールドモード>のように形状変更の目的が相違し変形量も異なる複数の可変モードに対応可能とするためである。すなわち、二つのエアマット21R1 ,21R2 を使い分けることで各々の目的に応じた変形量を設定でき、複数の可変モードへの対応が可能となる。
【0061】
マイクロコンピュータ33には、前述のように情報検出部Nからの情報が入力される。これら情報のうち、<乗降性モード>の設定・解除に用いられるもの、及び<サイドサポート・ホールドモード>の設定・解除に用いられるものを、それぞれ乗降性モード情報、及びホールドモード情報と称する。乗降性モード情報は乗降性モード情報検出部N1 から入力され、ホールドモード情報はホールドモード情報検出部N2 から入力される。
【0062】
乗降性モード情報検出部N1 は、シートSに隣接するドア(図示外)の開閉を検知するドアスイッチ35と、ドア開放から所定時間が経過したかどうかを検知するタイマ37と、シートクッション1等に設けられシートSのたわみにより乗員が着座しているかどうかを検知するたわみセンサ39と、サイドブレーキ(図示外)等に設けられサイドブレーキのON/OFFを検知するサイドブレーキスイッチ41と、バックル(図示外)等に設けられシートベルト(図示外)が装着されたかどうかを検知するシートベルト装着スイッチ43と、アクセサリーのON/OFFを検知するイグニッションスイッチ61により構成されている。
【0063】
ホールドモード情報検出部N2 は、アクセル開度のON/OFFを検知するアクセルスイッチ45と、車両走行速度を検出する車速センサ47と、車両前後方向における加速度(加速G)情報を検出する加速Gセンサ49と、車幅方向における加速度(横G)情報を検出する横Gセンサ51により構成されている。
【0064】
マイクロコンピュータ33は、前記乗降性モード情報及びホールドモード情報に基づき、乗員が重視すると予測される状態すなわち乗員に最適であると予測されるクッションサイドサポート部5Rの状態を判定し、クッションサイドサポートエアマット21Rを<基本モード>、<乗降性モード>、又は<サイドサポート・ホールドモード>の一つに適宜設定する。
【0065】
例えば、クッションサイドサポートエアマット21Rが<基本モード>に設定されている停車中の車両において、運転席側のドアが開けられると、ドアスイッチ35がドアの開放を検知し、マイクロコンピュータ33にドア開放の情報が入力される。前記ドア開放の情報入力を受けると乗員が乗降すると判断することができ、マイクロコンピュータ33は、ドア側のクッションサイドサポート部5Rを大きく凹ませた状態が乗員が重視する状態と予測して、<乗降性モード>を最適モードと判断し、<乗降性モード>への変更を決定する。そして、コンプレッサ25が駆動され、電磁バルブ29が開放されて下部エアマット21R2 の空気が抜かれ、クッションサイドサポート部5Rが<乗降性モード>となる。これにより、クッションサイドサポート部5Rが座面1a中央部とほぼ同じ高さになり、乗員はシートSに楽に着座でき乗降性が良くなる。なお、ドアの閉止等が検出されて乗員の乗降動作が終了したと判断された場合には<基本モード>に戻る。
【0066】
また、車両走行中において、車両が高速でコーナーを走行している場合、乗員には車両後方向の加速度(加速G)に加えて車幅方向の横加速度(横G)が作用し、これらに関する情報は、加速Gセンサ49及び横Gセンサ51からマイクロコンピュータ33に入力される。マイクロコンピュータ33は、加速Gセンサ49からの情報値及び横Gセンサ51からの情報値が所定値以上かどうかを求め、これらの値が共に所定値以上となったとき、着座者の身体が横方向に振られる可能性があり、着座者を車幅方向から拘束する必要があると判断する。特に運転者にあっては、運転姿勢の急激な変化に伴う視点の変動を抑制する必要があるため、着座者を拘束する必要性が高い。従って、高速コーナーリング走行時等のように車両の加速度G及び横Gが大きい場合には、着座者を車幅方向から拘束するシート面形状Saを乗員が重視する状態と予測し、<サイドサポート・ホールドモード>を最適モードと判定し、<サイドサポート・ホールドモード>への変更を決定する。そして、コンプレッサ25及び電磁バルブ29を制御して、ドア側及び内側の両クッションサイドサポート部5L,5Rを<サイドサポート・ホールドモード>とする。これにより、高速コーナーリング走行時の着座者の姿勢を安定させることができる。なお、加速Gセンサ49からの情報値又は横Gセンサ51からの情報値が所定値以下となり、着座者の身体が横方向に振られる可能性がないと判断された場合は、<基本モード>に戻る。
【0067】
このように、マイクロコンピュータ33は、乗降性モード情報及びホールドモード情報に基づき、乗員が重視すると予測されるクッションサイドサポート部5L,5Rの状態を判定し、クッションサイドサポートエアマット21L,21Rを、<基本モード>から大きく変形させる<乗降性モード>と、小さく変形させる<サイドサポート・ホールドモード>に適宜変更して設定するので、乗降性の向上及び着座姿勢の安定化を両立して図ることができる。
【0068】
次に、前記ヒップサポートエアマット11L,11R,13L,13R、ランバーサポートエアマット17L,17R、及びバックサポートエアマット19L,19Rについて、図5に基づき詳細に説明する。
【0069】
これらエアマットMのうち後方のヒップサポートエアマット13L,13R及びランバーサポートエアマット17L,17Rは、大可変モードである<シートベルト装着モード>、<後退(内側)モード>、及び<後退(外側)モード>と、小可変モードである<疲労低減モード>という大小の4可変モードに対応して膨脹収縮される。なお、シート面Saのうち、後方のヒップサポートエアマット13L,13R及びランバーサポートエアマット17L,17Rによって形状変更される部分を以下シート面Saの主支持部Sbと称する。また、前記三つの可変モード以外のモード(<通常モード>、<乗降性モード>、<サイドサポート・ホールドモード>、<サイサポートホールドモード>)を以下<基礎モード>と称する。
【0070】
後方のヒップサポートエアマット13L,13R及びランバーサポートエアマット17L,17Rは、前述したように上部エアマット13L1 ,13R1 ,17L1 ,17R1 と下部エアマット13L2 ,13R2 ,17L2 ,17R2 が積層状態で設けられている。各上部エアマット13L1 ,13R1 ,17L1 ,17R1 と下部エアマット13L2 ,13R2 ,17L2 ,17R2 はほぼ同容量であり、上部エアマット13L1 ,13R1 ,17L1 ,17R1 及び下部エアマット13L2 ,13R2 ,17L2 ,17R2 が大可変部を構成し、上部エアマット13L1 ,13R1 ,17L1 ,17R1 が小可変部を構成している。両エアマットM同士は、膨脹圧縮を繰返すことによって位置づれが生じないように、それぞれの当接面で接着され又はマジックテープ等で接合されている。各エアマットMにはそれぞれコンプレッサ25からの管路27が接続され、各管路27には電磁バルブ29及び圧力センサ31が介装されている。
【0071】
また、前方のヒップサポートエアマット11L,11Rとバックサポートエアマット19L,19Rは、大可変モードに対応する大可変部を構成している。
【0072】
<基礎モード>では、前後のヒップサポートエアマット11L,11R,13L,13R、ランバーサポートエアマット17L,17R及びバックサポートエアマット19L,19Rの全てが収縮した状態、すなわち、上下のエアマット13L1 ,13L2 ,13R1 ,13R2 ,17L1 ,17L2 ,17R1 ,17R2 が共に収縮した状態とされる。
【0073】
大可変モードである<シートベルト装着モード>、<後退(内側)モード>、<後退(外側)モード>では、左側エアマットML 又は右側エアマットMR のうち一方が大きく膨脹した状態、すなわち、左右のどちらか一方において、上部エアマット13L1 ,13R1 ,17L1 ,17R1 及び下部エアマット13L2 ,13R2 ,17L2 ,17R2 が膨脹した状態とされる。
【0074】
小可変モードである<疲労低減モード>では、後方のヒップサポートエアマット13L,13R又はランバーサポートエアマット17L,17Rの少なくとも一つにおいて、下部エアマット13L2 ,13R2 ,17L2 ,17R2 が収縮した状態で上部エアマット13L1 ,13R1 ,17L1 ,17R1 のみが周期的に膨脹収縮される。
【0075】
すなわち、<シートベルト装着モード>及び<後退モード>では、<基本モード>から左側又は右側のどちらか一方のシート面Saが大きく突出した状態とされ、<疲労低減モード>では、<基本モード>からシート面Saの主支持部Sbが周期的に小さく変動する状態とされる。
【0076】
マイクロコンピュータ33には、情報検出部Nからの情報が入力される。これら情報のうち、<疲労低減モード>の設定・解除に用いられるものは、疲労低減モード情報検出部N3 からの疲労低減モード情報であり、<後退モード>の設定・解除に用いられるものは、後退モード情報検出部N4 からの後退モード情報であり、<シートベルト装着モード>の設定・解除に用いられるものは、シートベルト装着モード情報検出部N5 からのシートベルト装着モード情報である。
【0077】
疲労低減モード情報検出部N3 は、アクセサリーONから所定時間が経過したかどうかを検知するタイマ53と、前記車速センサ47と、乗員からの操作により疲労低減モードへの選択入力を受ける疲労低減モード入力スイッチ55と、疲労低減モードから所定時間が経過したかどうかを検知するタイマ57と、乗員からの操作により疲労低減モードの解除入力を受ける疲労低減モード解除スイッチ59と、イグニッションスイッチ61により構成されている。
【0078】
後退モード情報検出部N4 は、前記ドアスイッチ35と、前記シートベルト装着スイッチ43と、運転席側ウインドウが所定量開放されたことを検知するウインドウセンサ63と、シートベルトの引出量を検出するシートベルト引出量センサ65と、シフトポジションを検出するシフトポジションセンサ67と、後退モードから所定時間が経過したかどうかを検知するタイマ68により構成されている。
【0079】
シートベルト装着モード情報検出部N5 は、前記ドアスイッチ35と、前記シートベルト装着スイッチ43と、前記ドア開閉からのタイマ37と、シートベルト装着モードから所定時間が経過したかどうかを検知するタイマ69により構成されている。
【0080】
マイクロコンピュータ33は、前記疲労低減モード情報、後退モード情報、及びシートベルト装着モード情報に基づき、乗員が重視すると予測されるシート面Saの状態を判定し、シート面Saを<基本モード>、<疲労低減モード>、<後退(内側)モード>、<後退(外側)モード>、<シートベルト装着モード>のうち一つに設定する。
【0081】
例えば、停車中の車両の運転席に乗員が着座した場合、マイクロコンピュータ33はシートベルト装着スイッチ43からの情報に基づき、乗員がすでにシートベルトを装着しているかどうかを判断する。シートベルトが未装着であれば、マイクロコンピュータ33は、シート面Saの左側を大きく突出させた状態を乗員が重視する状態と予測し、<シートベルト装着モード>を最適モードと判定し、<シートベルト装着モード>への変更を決定し、コンプレッサ25及び電磁バルブ29を制御して、シート面Saの主支持部Sbを<シートベルト装着モード>とする。これにより、シート面Saの主支持部Sb左側が大きく突出するので、運転者は自己の右後側にあるシートベルトを楽な姿勢で取ることができ、シートベルトの装着作業を楽に行うことができる。
【0082】
また、運転者がシフトポジションを後退ポジションに切換えた場合、マイクロコンピュータ33は、シフトポジションセンサ67からの情報に基づき車両が後退する可能性があると判断する。そして、シートベルト引出量センサ65、ドアスイッチ35、ウインドウセンサ63、及びシートベルト装着スイッチ43から情報入力に基づき、乗員が内側に身体をねじって後方を確認しようとしているのか、又は外側にねじって後方を確認しようとしているのかを判断する。例えば、右ハンドル車では装着されたシートベルトは運転者の右肩から左下方へ伸びているので、シートベルトの引出量が所定量以上増大した場合には、乗員が内側に身体をねじって後方を確認し車両を後退させようとしていると判断することができる。したがって、マイクロコンピュータ33は、シート面Saの右側を大きく突出させた状態を乗員が重視する状態と予測し、<後退(内側)モード>を最適モードと判断し、<後退(内側)モード>への変更を決定し、コンプレッサ25及び電磁バルブ29を制御して、シート面Saの主支持部Sbを<後退(内側)モード>とする。これにより、シート面Saの主支持部Sb右側が大きく突出するので、運転者は後方確認をする際のねじり動作がしやすくなり、後方確認時の姿勢を無理なく維持することができ、後退運転を楽に行うことができる。
【0083】
一方、運転者が疲労低減モード入力スイッチ55を操作した場合、マイクロコンピュータ33は、アクセサリーONからのタイマ53からの情報に基づき、運転開始から所定時間経過したときに運転者の疲労が大きくなり、疲労の緩和が必要であると判断し、シート面Saの周期的な形状変更を乗員が重視する状態と予測する。そして、車両停車中に<疲労低減モード>を最適モードと判定し、<疲労低減モード>への変更を決定し、コンプレッサ33及び電磁バルブ29を制御して、シート面Saの主支持部Sbを<疲労低減モード>とする。これにより、運転者の腰部や尻部が周期的に押圧され、運転者の身体が小さくねじられるので、運転者の腰椎及びその周辺の筋肉疲労を緩和することができる。
【0084】
このように、マイクロコンピュータ33は、シートベルト装着モード情報、後退モード情報、及び疲労低減モード情報に基づき、乗員に重視すると予測されるシート面Saの主支持部Sbの状態を判定し、後方のクッションサポートエアマット13L1 ,13L2 ,13R1 ,13R2 及びバックサポートエアマット17L1 ,17L2 ,17R1 ,17R2 を、<基礎モード>から大変形させる<シートベルト装着モード>、<後退(内側)モード>、又は<後退(外側)モード>と、小変形させる<疲労低減モード>に適宜変更して設定するので、シートベルトの装着性の向上、車両後退時の運転性の向上、及び乗員の疲労緩和を両立して図ることができる。
【0085】
なお、アクチュエータCL3の可変部については、エアマットMに代えて電磁式に駆動するものやバイブレータ等によって構成することもでき、これらを任意に組合わせることもできる。
【0086】
また、各多段可変部については、上部エアマット13L1 ,13R1 ,17L1 ,17R1 ,21L1 ,21R1 と下部エアマット13L2 ,13R2 ,17L2 ,17R2 ,21L2 ,21R2 の二層構造としたが、これを三層以上の多層構造とすることもできる。このような多層構造とした場合には、任意のエアマットを組合わせて膨脹収縮させることにより、前記大可変部及び小可変部の他、中可変部、微小可変部等のように同一部位における可変量を多段階に設定することができ、シートSの機能の多様化を図ることができる。また、多段可変部を設ける場所についても、本実施例の6箇所に限定されるものではない。
【0087】
さらに、可変モードについては、前記7モードに限られるものではなく、任意のモードを設定し記憶させることができる。例えば運転席については、グローブボックスの開閉を容易とする<グローブボックス開閉モード>や、運転席側からの助手席ドアの開閉を容易とする<助手席ドア開閉モード>や、ルームランプをつける操作を容易とする<ルームランプ点灯モード>などが考えられる。これら<グローブボックス開閉モード>、<助手席ドア開閉モード>、<ルームランプ点灯モード>は共に大可変モードに対応し、右側の前方ヒップサポートエアマット11Rと後方ヒップサポート下部エアマット13R2 を膨脹させれば良い。
【0088】
図6は、本実施例の可変モードと情報検出部Nとの対応関係をまとめて示したものである。なお、各符号は図3及び図5中の符号を示す。
【0089】
同図のように、<乗降性モード>の設定・解除に使用される情報検出部N1 は、ドアスイッチ35、ドア開閉からのタイマ37、シートのたわみセンサ39、イグニッションスイッチ61、サイドブレーキスイッチ41、及びシートベルト装着スイッチ43によって構成されている。このうちドアスイッチ35、イグニッションスイッチ61、サイドブレーキスイッチ41、又はシートベルト装着スイッチ43からの情報の少なくとも一つに基づき<乗降性モード>の設定が決定され、ドアスイッチ35、ドア開閉からのタイマ37、シートのたわみセンサ39、イグニッションスイッチ61、又はサイドブレーキスイッチ41からの情報の少なくとも一つに基づき<乗降性モード>の解除が決定される。
【0090】
<シートベルト装着モード>の設定・解除に使用される情報検出部N5 は、ドアスイッチ35、ドア開閉からのタイマ37、シートベルト装着スイッチ43、及びシートベルト装着モードからのタイマ69によって構成されている。このうちドアスイッチ35、ドア開閉からのタイマ37、又はシートベルト装着スイッチ43からの情報の少なくとも一つに基づき<シートベルト装着モード>への設定が決定され、シートベルト装着スイッチ43又はシートベルト装着モードからのタイマ69からの情報の少なくとも一つに基づき<シートベルト装着モード>の解除が決定される。
【0091】
<サイドサポート・ホールドモード>の設定・解除に使用される情報検出部N2 及び<サイサポートモード>の設定解除に使用される情報検出部は、アクセルスイッチ45、ブレーキスイッチ、車速センサ47、加速Gセンサ49、及び横Gセンサ51によって構成されている。このうちアクセルスイッチ45、ブレーキスイッチ、車速センサ47、加速Gセンサ49、又は横Gセンサ51からの情報の少なくとも一つに基づき<サイドサポート・ホールドモード>又は<サイサポートモード>への設定が決定され、加速Gセンサ49又は横Gセンサ51からの情報の少なくとも一方に基づき<サイドサポート・ホールドモード>又は<サイサポートモード>の解除が決定される。
【0092】
<疲労低減モード>の設定・解除に使用される情報検出部N3 は、アクセサリーONからのタイマ53、車速センサ47、イグニッションスイッチ61、疲労低減モード入力スイッチ55、疲労低減モードからのタイマ57、及び疲労低減モード解除スイッチ59によって構成されている。このうちアクセサリーONからのタイマ53、車速センサ47、イグニッションスイッチ61、又は疲労低減モード入力スイッチ55からの情報の少なくとも一つに基づき<疲労低減モード>への設定が決定され、疲労低減モードからのタイマ57又は疲労低減モード解除スイッチ59からの情報の少なくとも一方に基づき<疲労低減モード>の解除が決定される。
【0093】
<後退モード>の設定・解除に使用される情報検出部N4 は、ドアスイッチ35、運転席側ウインドウセンサ63、シートベルト装着スイッチ43、シートベルト引出量センサ65、シフトポジションセンサ67、イグニッションスイッチ61、及び後退モードからのタイマ68によって構成されている。このうちドアスイッチ35、運転席側ウインドウセンサ63、シートベルト装着スイッチ43、シートベルト引出量センサ65、シフトポジションセンサ67、又はイグニッションスイッチ61からの情報の少なくとも一つに基づき<後退モード>への設定が決定され、シフトポジションセンサ67又は後退モードからのタイマ68からの情報の少なくとも一方に基づき<後退モード>の解除が決定される。
【0094】
なお、車両状態及び乗員からの操作を検出する各モードの情報検出部Nは、図6に示したすべてを備えている必要はなく、各モードについて少なくとも1つを備えていれば良い。
【0095】
次に、本実施例の制御作用を図14に示すフローチャートに従って説明する。
【0096】
このフローチャートはドアの開放によって開始される。
【0097】
ステップS1では、乗車時の乗降性モード制御が実行される。乗降性モード制御(乗車時)では、乗員が乗車しようとしているかどうかが判断され、乗員が乗車しようとしていると判断したときは、乗員が楽な姿勢で乗車できるようにシートSが<乗降性モード>とされる。乗員の着座状態が確認されたときは、シートSを<通常モード>としてステップS2に進む。
【0098】
ステップS2では、シートベルト装着モード制御が実行される。シートベルト装着モード制御では、乗員がシートベルトを装着しようとしているかどうかが判断され、乗員がシートベルトを装着しようとしていると判断したときは、シートベルトを装着し易いようにシートSが<シートベルト装着モード>とされる。シートベルトの装着が確認され、又はシートベルトの装着を要しないと判断されたときは、シートSを<通常モード>としてステップS3に進む。
【0099】
ステップS3では、乗員拘束制御が実行される。乗員拘束制御では、通常シートSが<通常モード>に維持され、必要に応じて<通常モード>から<サイドサポート・ホールドモード>又は<サイサポートモード>に適宜変更される。すなわち、乗員に大きな加速G及び横Gが作用すると判断したときは、乗員が横方向に振られる可能性があるので乗員を横方向から支持するようにシートSが<サイドサポート・ホールドモード>とされ、乗員に大きな減速Gが作用する判断したときは、乗員の前方への移動を阻止するように<サイサポートモード>とされる。また、乗員拘束制御実行中に車両の停車が確認されたときはステップS4に進む。
【0100】
ステップS4では、疲労低減モード制御が実行される。疲労低減モード制御では、乗員が<疲労低減モード>の設定を選択しており、運転時間が所定時間以上経過したときに、乗員の疲労が過大となったと判断して、シートSを<疲労低減モード>とする。<疲労低減モード>が所定時間実行され、又は疲労低減モードの設定が解除されたときは、<通常モード>としてステップS5に進む。
【0101】
ステップS5では、後退モード制御が実行される。後退制御モードでは、乗員が車両を後退させようとしているかどうかが判断され、車両を後退しようとしていると判断したときは、シートSが<後退モード>とされる。この場合、運転者が身体を内側にねじって後方確認をする場合と、外側(ドア側)にねじって後方を確認する場合があるので、運転者がどちら側に身体をねじっているかを判断し、内側にねじっているときは<後退(内側)モード>とされ、外側にねじっているときは<後退(外側)モード>とされる。車両の後退が終了したと判断されたときは、シートSを<通常モード>としてステップS6に進む。
【0102】
ステップS6では、降車時の乗降性モード制御が実行される。乗降性モード制御(降車時)では、乗員が降車しようとしているかどうかが判断され、乗員が降車しようとしていると判断したときは、乗員が楽な姿勢で降車できるようにシートSが<乗降性モード>とされる。乗員の降車が確認されたとき、又は降車せずに運転を続行すると判断されたときは、シートSを<通常モード>としてステップS2に戻り、ステップS2〜ステップS6を繰り返す。
【0103】
次に、前記ステップS1〜ステップS6の各制御について、図15〜図19に基づき説明する。図15は乗車時の乗降性モード制御(ステップS1)を、図16はシートベルト装着モード制御(ステップS2)を、図17は車両走行制御(ステップS3)及び疲労低減モード制御(ステップS4)を、図18は後退モード制御(ステップS5)を、図19は降車時の乗降性モード制御(ステップS6)をそれぞれ示している。なお、以下の説明中における各構成については、図4又は図5の符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0104】
最初に、図15に基づき乗降性モード制御(乗車時)について説明する。
【0105】
このフローチャートは、ステップS11でドアの開放が確認されることにより開始される。またドアが開いたかどうかによって、<乗降性モード>とすべきか否かの判断も同時に行っている。ドアが開けられた場合、乗員が乗車する可能性が高いので、ステップS12に進んでシートSを<乗降性モード>とする。ドアが開いたか否かは、ドアスイッチ35からの情報によって判断される。<乗降性モード>では、ドア側のクッションサイドサポート部5が大きく凹んだ状態となるので、乗員は楽な姿勢で乗車できる。
【0106】
<乗降性モード>の設定後は、ステップS13〜ステップS17に進んで、<乗降性モード>を解除しても良いかどうかの判断を行う。
【0107】
ステップS13では、シートSのたわみがあるかどうかが判断され、たわみがある場合すでに乗員がシートSに着座しているので、ステップS18に進んで<乗降性モード>を解除し、シートSを<通常モード>とする。シートSのたわみの有無は、シートのたわみセンサ37からの情報によって判断される。
【0108】
ステップS13でシートSのたわみが確認されなかったときは、ステップS14に進んでドアが閉まっているかどうかが判断される。ドアが閉まっていれば、乗員がすでに乗車しているか、又はドアを開放後に乗車するのを止めたかのいずれかであるので、ステップS18に進んで<乗降性モード>を解除し、シートSを<通常モード>とする。ドアが閉まっているか否かは、前記ドアスイッチ35からの情報によって判断される。
【0109】
ステップS14でドアの閉状態が確認されなかったときは、ステップS15に進んでドア開から所定時間が経過したかどうかが判断される。ドア開から所定時間が経過する前では乗員が直ぐに降車する可能性があるので、所定時間は<乗降性モード>を維持し、反対に所定時間が経過していれば、乗降の可能性は少ないと考えられるので、ステップS18に進んで<乗降性モード>を解除し、シートSを<通常モード>とする。ドア開から所定時間が経過したかどうかは、ドア開閉からのタイマ37がドア開の検知から所定時間以上となったかどうかによって判断される。
【0110】
ステップS15でドア開からまだ所定時間が経過していないと判断されたときは、ステップS16に進んでアクセサリーがON状態かどうかが判断される。アクセサリーがON状態であれば、車両はすでに走行中か又は走行直前であり、直ぐに乗降が行われる可能性は低いと判断し、ステップS18に進んで<乗降性モード>を解除し、シートSを<通常モード>とする。アクセサリーのON状態の確認は、イグニッションスイッチ61からの情報によって判断される。
【0111】
ステップS16でアクセサリーのON状態が確認されなかったときは、ステップS17に進んでサイドブレーキが解除されたかどうかが判断される。サイドブレーキが解除状態であれば、車両はすでに走行中か又は走行直前であり、直ぐに乗降が行われる可能性は低いと判断し、ステップS18に進んで<乗降性モード>を解除し、シートSを<通常モード>とする。サイドブレーキが解除されたか否かは、サイドブレーキスイッチ41からの情報に基づいて判断される。
【0112】
ステップS17でサイドブレーキの解除が確認されなかったときは、ステップS13に戻る。
【0113】
一方ステップS18で<乗降性モード>を解除した後は、この乗降性モード制御を終了して、シートベルト装着モード制御に進む。
【0114】
次に、図16に基づきシートベルト装着モード制御について説明する。
【0115】
シートベルト装着モード制御では、ステップS21〜ステップS23で、<シートベルト装着モード>とすべきか否かの判断を行う。
【0116】
ステップS21及びステップS22では、ドアが閉状態か、及びドア開から所定時間以上経過したかどうかが再度判断される。すなわち、前記ステップS16又はステップS17で、アクセサリーがON状態と判断され又はサイドブレーキが解除状態と判断された場合は、ドアが閉状態か又はドア開から所定時間以上経過した場合に限り、ステップS23に進んで以後のシートベルト装着モード制御を実行する。上記判断は、ドアスイッチ35及びドア開閉からのタイマ37からの情報に基づき判断される。
【0117】
ステップS23では、シートベルトを締めているかどうかが判断される。シートベルトをまだ締めていないと判断されたときは、ステップS24に進んで<シートベルト装着モード>とする。<シートベルト装着モード>では、シートSの左側が大きく突出した状態となるので、乗員は容易にシートベルトを装着することができる。シートベルトを締めているかどうかは、シートベルト装着スイッチ43からの情報に基づき判断される。
【0118】
<シートベルト装着モード>の設定後は、ステップS25に進んで、<シートベルト装着モード>を解除しても良いかどうかの判断を行う。すなわち、ステップS25では、シートベルト装着モードからのタイマ37が所定時間以上となったかどうかが判断され、所定時間が経過するまでステップS23に戻り<シートベルト装着モード>を維持する。
【0119】
ステップS25でタイマ37が所定時間以上となった場合、又はステップS23でシートベルトの装着が確認されたときは、ステップS26に進んで、<シートベルト装着モード>を解除し、シートSを<通常モード>とし、このシートベルト装着モード制御を終了して、図17の乗員拘束制御又は疲労低減モード制御に進む。
【0120】
次に、図17に基づき乗員拘束制御及び疲労低減モード制御について説明する。
【0121】
ステップS31では、乗員拘束制御又は疲労低減モード制御のどちらを実行すべきかの判断を行う。このステップS31では、停車状態かどうかが判断され、停車状態ではないとき、すなわち車両走行中であればステップS32以降に進んで乗員拘束制御を実行し、停車状態であればステップS40以降に進んで疲労低減制御を実行する。車両が停車状態か否かは、車速センサ47からの情報に基づき判断される。
【0122】
ステップS32及びステップS33では、<サイドサポート・ホールドモード>とすべきか否かの判断を行う。
【0123】
ステップS32では、アクセルスイッチ45からの情報に基づきアクセル開度がONかどうかが判断される。アクセル開度がONである場合は、車両が加速中であるので、ステップS33に進んで、加速Gセンサ49及び横Gセンサ51からの情報がともに所定値以上かどうかが判断される。アクセル開度がONであり、加速G及び横Gが所定値以上であれば、車両が高速コーナーリング走行中であり、乗員の身体が横方向に振られる可能性が高いと判断され、ステップS34に進んで<サイドサポート・ホールドモード>とする。<サイドサポート・ホールドモード>では、クッションサイドサポート部5及びクッションサイドサポート部7が<通常モード>よりもさらに突出した状態となるので、乗員の身体が横方向から確実に支持され、乗員の着座姿勢を安定させることができる。なお、<サイドサポート・ホールドモード>は小可変モードであるので、かかるモード変更の際において、シート面Saの形状変更に伴い乗員に違和感を与えるおそれがない。
【0124】
<サイドサポート・ホールドモード>の設定後は、ステップS33に戻り、逐次<サイドサポート・ホールドモード>を解除しても良いかどうかの判断を行う。加速G又は横Gの一方が所定値未満となったときは、乗員の身体が横方向に振られる可能性が低いので、ステップS35に進んで、<サイドサポート・ホールドモード>を解除し、シートSを<通常モード>に戻して、ステップS31に戻る。
【0125】
一方、ステップS32、ステップS36、及びステップS37では、<サイサポートモード>とすべきか否かの判断を行う。
【0126】
ステップS32でアクセル開度がOFFであると判断されたときは、車両が減速中である可能性があるので、ステップS36に進んで、ブレーキが踏まれているかどうかが判断される。ブレーキが踏まれているかどうかは、ブレーキスイッチからの情報に基づき判断される。ブレーキが踏まれている場合は、車両が減速中であるので、ステップS37に進んで、加速Gセンサ49からの情報が所定値以下(減速Gに関する情報が所定値以上)かどうかが判断される。ブレーキが踏まれており、減速Gが所定値以上であれば、車両が急減速中であり、乗員の身体が前方に移動する可能性が高いと判断され、ステップS38に進んで<サイサポートモード>とする。<サイサポートモード>では、シートクッション1の前端縁が<通常モード>よりもさらに突出した状態となるので、乗員の身体の前方への移動が阻止され、乗員の着座姿勢を安定させることができる。なお、<サイサポートモード>は小可変モードであるので、かかるモード変更の際において、シート面Saの形状変更に伴い乗員に違和感を与えるおそれがない。
【0127】
<サイサポートモード>の設定後は、ステップS37に戻り、逐次<サイサポートモード>を解除しても良いかどうかの判断を行う。減速Gが所定値未満となったときは、乗員の身体が前方に移動する可能性が低いので、ステップS39に進んで、<サイサポートモード>を解除し、シートSを<通常モード>に戻して、ステップS31に戻る。
【0128】
次に、ステップS31で車両が停車中と判断された場合、すなわちステップS40以降の疲労低減モード制御を実行する場合について説明する。
【0129】
ステップS40及びステップS41では、<疲労低減モード>とすべきか否かの判断を行う。
【0130】
ステップS40では、疲労低減モード入力スイッチ55からの情報に基づき、<疲労低減モード>が乗員によって選択されているかどうかが判断される。<疲労低減モード>は、乗員の疲労感の低減を目的とするが、かかる疲労感には個人差があるので、一律に<疲労低減モード>とするのは必ずしも乗員の要求に合致せず、乗員の意思によって選択された場合に限り<疲労低減モード>を実行する方が好ましいからである。<疲労低減モード>が選択されている場合は、ステップS41に進んで、アクセサリーONからのタイマ53が所定時間以上となったかどうかが判断され、所定時間が経過している場合には、乗員の疲労が大きくこれを緩和する必要があると判断され、ステップS42に進んで<疲労低減モード>とする。<疲労低減モード>では、シート面Saの主支持部Sbが周期的に小さく変動し、乗員の身体が適度にねじられ、腰部及びその周辺の筋肉の疲労緩和が図られる。一方、アクセサリーONからまだ所定時間が経過していない場合は、乗員の疲労が小さくこれを緩和する必要がないとみなして、ステップS40に戻る。
【0131】
<疲労低減モード>の設定後は、ステップS43及びステップS44に進み、<疲労低減モード>を解除しても良いかどうかの判断を行う。
【0132】
ステップS43では、疲労低減モードからのタイマ57が所定時間以上となったかどうかが判断され、<疲労低減モード>の開始から所定時間が経過している場合には、乗員の疲労が十分に緩和されたとみなし、ステップS45に進んで<疲労低減モード>を解除する。また、<疲労低減モード>の開始から所定時間が経過していない場合でも、実際にはすでに疲労が十分に緩和されている場合もあるので、ステップS44では、疲労低減モード解除スイッチ59がONされたかどうかが判断される。すなわち、疲労低減モード解除スイッチ59がONされていれば、すでに乗員の疲労が緩和されたと判断できるので、ステップS45に進んで<疲労低減モード>を解除し、シートSを<通常モード>に戻す。
【0133】
また、<疲労低減モード>の開始から所定時間が経過しておらず、疲労低減モード解除スイッチ59がOFFであれば、乗員の疲労を継続して緩和する必要があるので、ステップS42に戻り<疲労低減モード>を継続する。
【0134】
ステップS45で<疲労低減モード>を解除した場合、又はステップS40で<疲労低減モード>が選択されていない場合は、この疲労低減モード制御を終了して、図18の後退モード制御に進む。
【0135】
次に、図18に基づき後退モード制御について説明する。
【0136】
後退モード制御では、ステップS51で後退モード制御を実行すべか否かの判断を行う。このステップS51では、シフトポジションがリバースポジションかどうかが判断され、リバースポジションであればステップS52以降に進んで後退モード制御を実行する。リバースポジションか否かは、シフトポジションセンサ67からの情報に基づき判断される。
【0137】
ステップS52では、<後退(内側)モード>とすべきか否かの判断を行う。このステップS52では、シートベルト引出量センサ65からの情報に基づき、シートベルトの引出量が所定量以上増えたかどうかが判断される。シートベルトの引出量が増えていれば、運転者は身体を内側にねじって後方確認をしようとしていると判断できるので、ステップS53に進んで<後退(内側)モード>とする。<後退(内側)モード>では、シート面Saの主支持部Sb右側が大きく突出するので、運転者は後方確認をする際のねじり動作がしやすくなり、後方確認時の姿勢を無理なく維持することができ、後退運転を楽に行うことができる。
【0138】
<後退(内側)モード>の設定後は、ステップS54及びステップS55に進み、<後退(内側)モード>を解除しても良いかどうかの判断を行う。
【0139】
ステップS54では、後退モードからのタイマ68が所定時間以上となったかどうかが判断され、<後退(内側)モード>の開始から所定時間が経過している場合には、車両の後退運転が終了又は中断したとみなし、ステップS56に進んで<後退(内側)モード>を解除する。また、<後退(内側)モード>の開始から所定時間が経過していない場合でも、実際には後退運転が終了している場合もあるので、ステップS55では、シフトポジションセンサ67からの情報に基づきリバースポジションが解除されたかどうかが判断される。すなわち、リバースポジションが解除されていれば、実際に後退運転が終了したと判断できるので、ステップS56に進んで<後退(内側)モード>を解除し、シートSを<通常モード>に戻す。
【0140】
一方、ステップS52〜ステップS59では、<後退(外側)モード>とすべきか否かの判断を行う。ステップS52で、シートベルトの引出量が所定量以上増えていない場合は、運転者が内側に身体をねじって後方を確認しようとしている可能性が極めて低いので、ステップS57に進んで運転者側のドアが開いているかどうかが判断される。運転者側のドアが開いていれば、運転者は身体を外側にねじって開いたドアから後方を確認しようとしていると判断できるので、ステップS60に進んで<後退(外側)モード>とする。ドアが開いているか否かは、ドアスイッチ35からの情報に基づいて判断される。
【0141】
運転者側のドアが閉まっている場合は、ステップS58に進んで運転席側の窓が開いているかどうかが判断される。運転席側の窓が開いていれば、運転者は身体を外側にねじって開いた窓から後方を確認しようとしていると判断できるので、ステップS60に進んで<後退(外側)モード>とする。窓が開いているか否かは、運転席側ウインドウセンサ63からの情報に基づいて判断される。
【0142】
運転者側の窓が閉まっている場合は、ステップS59に進んでシートベルトが解除されているかどうかが判断される。シートベルトが解除されていれば、運転者は身体を外側にねじって後方を確認しようとしていると判断できるので、ステップS60に進んで<後退(外側)モード>とする。シートベルトが解除されているか否かは、シートベルト装着スイッチ43からの情報に基づいて判断される。
【0143】
<後退(外側)モード>では、シート面Saの主支持部Sb左側が大きく突出するので、<後退(内側)モード>場合と同様に、運転者は後方確認をする際のねじり動作がしやすくなり、後方確認時の姿勢を無理なく維持することができ、後退運転を楽に行うことができる。
【0144】
<後退(外側)モード>の設定後は、ステップS61及びステップS62に進み、<後退(外側)モード>を解除しても良いかどうかの判断を行う。
【0145】
ステップS61では、後退モードからのタイマ68が所定時間以上となったかどうかが判断され、<後退(外側)モード>の開始から所定時間が経過している場合には、車両の後退運転が終了又は中断したとみなし、ステップS63に進んで<後退(外側)モード>を解除する。また、<後退(外側)モード>の開始から所定時間が経過していない場合でも、実際にはすでに後退運転が終了している場合もあるので、ステップS62では、シフトポジションセンサ67からの情報に基づきリバースポジションが解除されたかどうかが判断される。すなわち、リバースポジションが解除されていれば、すでに後退運転が終了したと判断できるので、ステップS63に進んで<後退(外側)モード>を解除し、シートSを<通常モード>に戻す。
【0146】
ステップS56及びステップS63で<後退モード>を解除した場合、又はステップS51でリバースポジションではないと判断した場合は、この後退モード制御を終了して、図19の乗降性モード制御(降車時)に進む。
【0147】
最後に、図19に基づき乗降性モード制御(降車時)について説明する。
【0148】
乗降性モード制御(降車時)では、ステップS71〜ステップS74で、<乗降性モード>とすべき否かの判断を行う。
【0149】
ステップS71〜ステップS74では、アクセサリーOFF状態かどうか、ドアが開いているかどうか、サイドブレーキがON状態かどうか、又はシートベルトが解除されたかどうかが判断される。すなわち、アクセサリーOFF(ステップS71)、ドア開(ステップS72)、サイドブレーキON(ステップS73)、又はシートベルト解除(ステップS74)のうち少なくとも一つが確認された場合には、乗員が車両から降車する可能性が高いので、ステップS75に進んでシートSを<乗降性モード>とする。アクセサリーOFFはイグニッションスイッチ61からの情報、ドアの開閉はドアスイッチ35からの情報、サイドブレーキONはサイドブレーキスイッチ41からの情報、シートベルト解除はシートベルト装着スイッチ43からの情報によってそれぞれ判断される。<乗降性モード>では、ドア側のクッションサイドサポート部5が大きく凹んだ状態となるので、乗員は楽な姿勢で乗車できる。
【0150】
<乗降性モード>の設定後は、図15のステップS13に戻る。例えば、乗員がドアを開けたが降車しなかった場合や、ドアを開けて一度降車したがそのままもう一度乗車した場合等には、ステップ18に進んで<乗降性モード>を解除し、これ以後の制御を繰り返す。
【0151】
一方、ステップS71〜ステップS74で、アクセサリーON(ステップS71)、ドア閉(ステップS72)、サイドブレーキOFF(ステップS73)、及びシートベルト装着(ステップS74)のすべてが確認された場合には、例えば車両が信号で一時的に停車した状態等であって、乗員が車両から降車する可能性が低いので、<乗降性モード>とすることなく図17のステップS31に戻り、これ以後の制御を繰り返す。
【0152】
以上のように、本実施例によれば、シート面Saの主支持部Sbとクッションサイドサポート部5に、小可変部としての上部エアマット13L1 ,13R1 ,17L1 ,17R1 ,21L1 ,21R1 と、大可変部としての下部エアマット13L2 ,13R2 ,17L2 ,17R2 ,21L2 ,21R2 とを積層状態で設けたので、簡単な構成によって、主支持部Sb及びクッションサイドサポート部5の形状を大きく変更させることも小さく変更させることも可能となる。
【0153】
これにより、シートSの可変モードを、乗員の積極的な動作等を楽な姿勢で行わせることを目的としてシート面Saを比較的大きく変更させる大可変モードと、乗員の着座姿勢の安定や疲労緩和等を目的としてシート面Saを比較的小さく変更させる小可変モードとに大別して設定することができる。
【0154】
また、情報検出部Nからの情報に基づいて乗員が重視すると予測されるシート面Saの状態を判定し、これに合わせて最適な可変モードを決定して、大可変モード又は小可変モードによりシート面Saを適宜変更するようにしたので、シート面Saの形状を乗員の要求や動作等に合わせて最適時期に最適量変更することができ、シートSの快適性、機能性が向上する。
【0155】
次に、本発明の第2実施例について図20に基づき説明する。
【0156】
この実施例は、請求項2〜請求項6記載のシートにかかるもので、乗員が望むモードパターンをあらかじめ選択できるモード選択手段CL7としてのモード設定スイッチ71を設けたものである。なお、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0157】
本実施例は、クッションサイドサポート部5Rを対象としたものであり、<基本モード>と、<乗降性モード>及び<サイドサポート・ホールドモード>の2つの可変モードからモードパターンが設定される。図20のようにモード設定スイッチ71の内部には、両可変モードに対応してシート面Saを変更する第1の接点▲1▼と、<乗降性モード>にのみ対応してシート面Saを変更する第2の接点▲2▼と、<ホールドモード>にのみ対応してシート面Saを変更する第3の接点▲3▼と、どちらの可変モードにも対応しない第4の接点▲4▼が設けられている。すなわち、第1の接点▲1▼が選択された場合には<基本モード>と<乗降性モード>と<サイドサポート・ホールドモード>からなる第1のモードパターンに設定され、第2の接点▲2▼が選択された場合には<基本モード>と<乗降性モード>からなる第2のモードパターンに設定され、第3の接点▲3▼が選択された場合には<基本モード>と<サイドサポート・ホールドモード>からなる第3のモードパターンに設定され、第4の接点▲4▼が選択された場合には<基本モード>のみからなる第4のモードパターンに設定される。
【0158】
モード設定スイッチ71の操作部(図示外)は、車室内のインストルメントパネル等(図示外)に設けられており、乗員が操作部を操作すると、これに応じて接点▲1▼〜▲4▼が切換わり、モードパターンの切換えが行われる。第1のモードパターンでは、乗降性モード情報検出部N1 とホールドモード情報検出部N2 からの情報の双方がマイクロコンピュータ33に入力され、第2のモードパターンでは、乗降性モード情報検出部N1 からの情報は入力されるが、ホールドモード情報検出部N2 からの情報は入力されず、第3のモードパターンでは、ホールドモード情報検出部N2 からの情報は入力されるが、乗降性モード情報検出部N1 からの情報は入力されず、第4のモードパターンでは、乗降性モード情報検出部N1 とホールドモード情報検出部N2 からの情報の双方が入力されない。
【0159】
次に、本実施例の作用を説明する。
【0160】
例えば、乗員が第2のモードパターンを選択した場合、乗員が車両から降車しようとすると、乗降性モード情報検出部N1 からの情報がマイクロコンピュータに入力され、シートSが<乗降性モード>に変更される。ところが、車両走行中に加速G及び横Gが所定値以上になっても、ホールドモード情報検出部N2 からの情報はマイクロコンピュータに入力されないので、シートSは<サイドサポート・ホールドモード>にはならない。すなわち、乗員が自己の意思により<サイドサポート・ホールドモード>への変更を不要と判断したときは、第2のモードパターンを選択すれば、シートSを<乗降性モード>にのみ適宜変更させることができる。
【0161】
また、乗員が第3のモードパターンを選択した場合、車両走行中に加速G及び横Gが所定値以上になると、ホールドモード情報検出部N2 からの情報はマイクロコンピュータに入力され、シートSは<サイドサポート・ホールドモード>に変更される。ところが、乗員が車両を停車して降車しようとしても、乗降性モード情報検出部N1 からの情報はマイクロコンピュータに入力されないので、<乗降性モード>にはならない。すなわち、乗員が自己の意思により<乗降性モード>への変更を不要と判断したときは、第3のモードパターンを選択すれば、シートSを<サイドサポートホールドモード>にのみ変更させることができる。
【0162】
なお、乗員が第1のモードパターンを選択した場合は、前記第1実施例と同様に、<乗降性モード>又は<サイドサポート・ホールドモード>に適宜変更される。また、乗員が第4のモードパターンを選択した場合は、常に<基本モード>に維持される。
【0163】
このように本実施例によれば、乗員が自由にモードパターンを選択できるようにしたので、クッションサイドサポート部5Rに対する乗員の多様な要求を満たすことができる。
【0164】
なお、本実施例はクッションサイドサポート部5Rに関する一例であり、前記第1実施例における各可変モード(<シートベルト装着モード>、<サイサポートモード>、<疲労低減モード>、<後退モード>)を含めた全モードについて、これらを組合わせたモードパターンを設定しておくこともできる。すなわち、各情報検出部N1 〜N5 からマイクロコンピュータ33への情報入力を、モード設定スイッチ71によって取捨選択可能とすることにより、乗員が要求するモードパターンにしたがってシートSを変更させることができ、シートSに対する乗員の多様な要求を満たすことができる。
【0165】
そして、このようなモードパターンは、例えば車の種類や、分類(スポーツカー、ファミリーカーなどの別)などを基準としてあらかじめ設定しておくことができる。
【0166】
また、かかるモードパターンは、上述のようにあらかじめ設定しておいてもよいが、乗員の操作により任意に設定自在とすることもできる。例えば、モード選択スイッチ71に、各可変モードに対応した可変モード選択ボタン(図示外)を設け、乗員が可変モード選択ボタンを選択操作することで、モードパターンの設定を自由に行うようにすることもできる。
【0167】
さらに、モードパターン記憶部(図示外)を設け、乗員が可変モード選択ボタンにより設定したモードパターンを記憶させ、この記憶したモードパターンに適宜切換え自在とすることもできる。
【0168】
これにより、乗員の個人的な要求に対して柔軟に対応でき、その要求を十分に満たすことができる。
【0169】
次に、本発明の第3実施例について図21〜図23に基づき説明する。
【0170】
この実施例は、請求項7〜請求項8記載のシートにかかるもので、大可変モードである<乗降性モード>において、図4の下部エアマット21R2 によるシート面の形状変化を機械的構成要素に置き換えることにより、応答性を良くしようとしたものである。すなわち、図4に示す第1実施例では、<基本モード>から<乗降性モード>又は<サイドサポート・ホールドモード>に変更する場合に、上部又は下部のエアマット21R1 ,21R2 の伸縮によりクッションサイドサポート部5Rの形状を変更したが、比較的大きな形状変化を必要とする<乗降性モード>においては、形状変更量及びコンプレッサの能力等にもよるが、多くの場合瞬時に下部エアマット21R2 を伸縮させるのは難しく、伸縮の開始時期を早めるにも限界がある。一方、かかる<乗降性モード>では、ドアの開放により乗員の乗車意思を検知してから、乗員のドア開放動作中という短い時間内に形状変更を完了しなければならず、他のモードに比し変更に要する時間の短縮が要求される。
【0171】
そこで、本実施例では、応答性の向上が要求される<乗降性モード>ついて、第1又は第2実施例のように、マイクロコンピュータ33によってドアの開閉情報から<乗降性モード>への設定・解除の判定を行い、かかる判定に従って下部エアマット21R2 を伸縮させるという構成を用いず、ドアの開閉により直接作動する機械的構成要素を用いて<乗降性モード>への設定・解除を行い、<乗降性モード>への応答性の向上を図っている。なお、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0172】
図22のように、シートSはドア91の側方内側に配設され、シートクッション1のドア91側のクッションサイドサポート部5Rには、シートクッション1の一部を構成するサイドサポート部材75が、車両前後方向に沿ってシートクッション1とは別体に設けられている。サイドサポート部材75の内部には、車両前後方向に突出する支持軸77を一側79aに備えた支持プレート79が取付けられ、支持軸77はシートバック3に軸支されている。支持プレート79は支持軸77を中心に回動自在であり、支持プレート79と一体となってサイドサポート部材75が回動する。シートクッション1の側部には凹部80が形成されており、サイドサポート部材75は、ドア91側に倒れた状態で凹部80に収容される。
【0173】
シートSを車体側のフロアパネル87に固定支持するシート固定部89には、リンク83が回動自在に取付けられている。リンク83は略く字状に形成され、ほぼ中央の屈曲部分で支持ピン81によりシート固定部89に軸支されている。リンク83の上側一端83aは、リンク83の回動に伴って略上下方向(図中矢印Z方向)に動き、この一端83aと前記支持プレート79の他側79bとは、第1の連結棒85によって連結されている。一方、リンク83の下方他端83bは、リンク83の回動に伴って車幅方向(図中矢印X方向)に動き、この下方他端83bには第2の連結棒86が接続されている。この第2の連結棒86の反リンク側はドア側に臨んでおり、リンク83の回動に伴って車幅方向に動く。
【0174】
ドア91に対向する車体側のサイドシル97の上部及びフロアパネル87の上面には、キッキングプレート93が設けられている。キッキングプレート93は、ドア91閉止時にドア側端部93bがドアインナパネル92に近接する位置にビス94等によって固定され、その内部には、ドア側端部93b側が開口するレバー収容孔96が車幅方向(図中矢印X方向)に沿って形成されている。
【0175】
図23のように、キッキングプレート93には、レバー収容孔96内に収容自在で、車幅方向に移動してドア側端部93bから突出可能なレバー95が設けられている。キッキングプレート93の車室側端部93aには、レバー収容孔96に連通し、前記第2の連結棒86が挿通される貫通孔98が車幅方向に沿って形成され、レバー95は、貫通孔98を挿通する第2の連結棒86を介して前記リンク83の下側他端83bに連結されている。また、レバー収容孔96内には、常にレバー95をドア側に付勢させておくスプリング99が設けられている。
【0176】
ドア91が閉止した状態では、図22の実線示のように、レバー95はドアインナパネル92に押圧され、スプリング99の付勢力に抗してレバー収容孔96内に収容された状態となる。このとき、第2の連結棒86を介してリンク83の下方他端83bが最も車室内側に移動し、これにより第1の連結棒85を介して支持プレート79の他側79bが最上方に押し上げられた状態に維持される。かかる状態で、サイドサポート部材75は起立し、ドア側のクッションサイドサポート部5Rが座面1a中央部から大きく突出した<基本モード>となる。
【0177】
反対に、ドア91が開放した状態では、図22の点線示のように、レバー95はスプリング99の付勢力によりレバー収容孔96外に突出した状態となる。このとき、第2の連結棒86を介してリンク83の下方他端83bが最もドア側に移動し、これにより第1の連結棒85を介して支持プレート79の他側79bが最下方に引き下げられた状態に維持される。かかる状態で、サイドサポート部材75はドア91側に倒れて凹部80に収容され、ドア側のクッションサイドサポート部5Rが座面1a中央部とほぼ同じ高さの<乗降性モード>となる。
【0178】
すなわち、前記リンク83は、レバー95と第2の連結棒86の車幅方向に沿った運動を、車両上下方向に沿った運動に変換して、第1の連結棒85を上下移動させ、支持プレート79を介してサイドサポート部材75を回動させる機能を果たしている。かかる機能とスプリング99の付勢力により、サイドサポート部材75は、ドア91の開閉移動に連動して回動自在となり、ドア91の閉止に伴い座面1a中央部から大きく突出した起立位置に回動して維持され、ドア91の開放に伴い凹部80内に収容される倒れ位置に回動して維持される。このように、支持プレート79、リンク83、及び第1,第2の連結棒85,86、及びスプリング99が、本実施例における連結部材を構成している。
【0179】
次に、本実施例の作用を説明する。
【0180】
乗員が乗車すべくドア91を開けると、レバー95はスプリング99の付勢力により外側に押出され、第2の連結棒86、リンク83、第1の連結棒85、支持プレート79をそれぞれ介して、サイドサポート部材75が倒されて、シートSは<乗降性モード>となるので、乗員は楽に乗車することができる。
【0181】
また、乗員がドアが閉まると、レバー95がキッキングプレート93内に押込まれ、第2の連結棒86、リンク83、第1の連結棒85、支持プレート79をそれぞれ介して、サイドサポート部材75が起立して、シートSは<基本モード>となる。
【0182】
このように本実施例によれば、レバー95及び連結部材という機械的構成を設け、クッションサイドサポート部5Rの大可変をドア91の開閉に直接連動させたので、<乗降性モード>への設定・解除をドア91の開閉に伴い瞬時に行うことができ、応答性が向上する。
【0183】
また、サイドサポート部材内に、小可変部としてのエアマット21R1 を設けることにより、第1実施例と同様に<サイドサポート・ホールドモード>への設定も可能となる。すなわち、<乗降性モード>以外のモードについては、第1実施例及び第2実施例と同様の構成とすることにより設定が可能であり、第1実施例及び第2実施例と同様の効果を得ることができる。
【0185】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1記載の発明によれば、乗員の積極的な動作や操作の際の姿勢に合わせてシート面形状を変更する等の場合には大可変部を制御して変更量を比較的大きくし、乗員に快適な座り心地を与える等の場合には小可変部を制御して変更量を比較的小さくすることにより、シート面形状を変更量の多少によらず自由な形状に変更することができ、また、車両の状態及び運転操作状態のうち少なくとも一つの状態に応じて、乗員が重視すると予測される事前に判定したシート面の状態に適合したモードを設定することができ、乗員の多様な要求に対応可能な多機能性シートを提供することができる。
【0186】
請求項2記載の発明によれば、乗員は必要なモードを一つ又は複数自由に選択できるので、乗員の意思に応じた総合的な形状変更が可能で、乗員の多様な要求に対応可能な多機能性シートを提供することができる。
【0187】
請求項3記載の発明によれば、モードパターンを選択するという簡単な操作により、乗員の意思に応じた総合的な形状変更が可能で、乗員の多様な要求に対応可能な多機能性シートを提供することができる。
【0188】
請求項4記載の発明によれば、乗員がモードパターンを自由に設定しておくことができ、簡単な操作で、シート面形状を乗員の意思及び多様な要求に応じた総合的な形状変更が可能で、乗員の多様な要求に対応可能な多機能性シートを提供することができる。
【0189】
請求項5記載の発明によれば、シート面のほぼ同じ部位を段階的に突出させることができ、シート面をより多様な形状に設定可能となるので、乗員の多様な要求に的確に対応可能な多機能性シートを提供することができる。
【0190】
請求項6記載の発明によれば、簡単な構成により、シート面を細かい形状に設定可能となるので、乗員の多様な要求に的確に対応可能な多機能性シートを提供することができる。
【0192】
請求項7記載の発明によれば、乗降性を目的とする場合の応答性が向上し、かつ乗員の多様な要求に的確に対応可能な多機能性シートを提供することができる。
【0193】
請求項8記載の発明によれば、乗降性を目的とする場合の応答性が向上し、横方向からの乗員拘束性も良く、かつ乗員の多様な要求に的確に対応可能な多機能性シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に係るシートのクレーム対応図である。
【図2】本発明の請求項2に係るシートのクレーム対応図である。
【図3】本発明の第1実施例に係るシートの全体構成図である。
【図4】本発明の第1実施例に係るシートの要部構成図である。
【図5】本発明の第1実施例に係るシートの要部構成図である。
【図6】本発明の第1実施例の可変モードと情報検出部との対応関係図である。
【図7】本発明の第1実施例の可変モードを示す模式図である。
【図8】本発明の第1実施例の可変モードを示す模式図である。
【図9】本発明の第1実施例の可変モードを示す模式図である。
【図10】本発明の第1実施例の可変モードを示す模式図である。
【図11】本発明の第1実施例の可変モードを示す模式図である。
【図12】本発明の第1実施例の可変モードを示す模式図である。
【図13】本発明の第1実施例の可変モードを示す模式図である。
【図14】本発明の第1実施例のフローチャートである。
【図15】本発明の第1実施例のフローチャートである。
【図16】本発明の第1実施例のフローチャートである。
【図17】本発明の第1実施例のフローチャートである。
【図18】本発明の第1実施例のフローチャートである。
【図19】本発明の第1実施例のフローチャートである。
【図20】本発明の第2実施例に係るシートの要部構成図である。
【図21】本発明の第3実施例に係るシートの全体構成図である。
【図22】本発明の第3実施例に係るシートの要部構成図である。
【図23】本発明の第3実施例に係るシートの要部拡大斜視図である。
【図24】従来の座圧装置の全体図である。
【図25】従来の座圧装置の全体図である。
【符号の説明】
CL1 シートクッション
CL2 シートバック
CL3 アクチュエータ
CL4 検出手段
CL5 予測手段
CL6 制御手段
CL7 モード選択手段
Claims (8)
- 着座者の臀部を座面で支持するシートクッションと、
着座者の背部を支持面で支持するシートバックと、
変更量が大きい大可変部と小さい小可変部を含む複数の可変部を有し、該可変部によって前記座面又は支持面の少なくとも一方のシート面形状を変更するアクチュエータと、
車両状態に関する情報及び運転者の操作情報のうち少なくとも一つの情報を検出する検出手段と、
乗員が重視すると予測されるシート面の状態を、前記検出手段の検出した情報に基づき、あらかじめ設定された複数のモードの中から事前に判定する予測手段と、
前記予測手段の判定に基づき、前記アクチュエータの可変部の少なくとも一つを制御して、前記シート面を乗員が重視すると予測される状態に変更する制御手段を備えたことを特徴とするシート。 - 請求項1記載のシートであって、
前記複数のモードの中から少なくとも一つのモードが乗員によって選択されるモード選択手段を備え、
前記予測手段は、前記検出手段の検出した情報に基づき、前記モード選択手段により選択されたモードの中から、乗員が重視すると予測されるシート面の状態に応じた最適モードを判定することを特徴とするシート。 - 請求項1又は請求項2記載のシートであって、
前記モード選択手段には、前記複数のモードのうち少なくとも一つのモードからなるモードパターンが複数設定され、乗員によって前記モードパターンの中から一つのモードパターンが選択され、
前記予測手段は、前記検出手段の検出した情報に基づき、前記モード選択手段により選択されたモードパターンを構成するモードの中から、乗員が重視すると予測されるシート面の状態に応じた最適モードを判定することを特徴とするシート。 - 請求項3記載のシートであって、
前記モード選択手段は、乗員による任意のモードパターンの設定及び記憶が可能であることを特徴とするシート。 - 請求項1〜請求項4記載のシートであって、
前記アクチュエータは、前記シート面のほぼ同じ部位を変更する大可変部と小可変部を有する多段可変部を備えたことを特徴とするシート。 - 請求項5記載のシートであって、
前記多段可変部は、積層した複数のエアマットからなり、
前記エアマットの少なくとも一つは前記小可変部を構成し、前記エアマットの少なくとも他の一つは前記大可変部を構成することを特徴とするシート。 - 請求項1〜請求項4記載のシートであって、
前記シートクッションはドアの内側に配設され、
前記シートクッションの少なくとも前記ドア側の側部に、前記ドア側に倒れた位置から起立した位置まで回動自在で、前記座面形状を大きく変更するサイドサポート部材を設け、
前記ドアに対向する車体側に、車幅方向外側に付勢され、前記ドアの閉止時に前記ドアに押圧されて車幅方向内側に移動するレバーを設け、
前記サイドサポート部材とレバーを連結部材で連結し、
前記連結部材は、前記レバーの車幅方向内側への移動により前記サイドサポート部材を前記起立した位置まで回動し、前記レバーの車幅方向外側への移動により前記サイドサポート部材を前記倒れた位置まで回動することを特徴とするシート。 - 請求項7記載のシートであって、
前記サイドサポート部材に前記小可変部を設けたことを特徴とするシート。
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