JP3547604B2 - 液体封入式防振マウントの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車のエンジンやサスペンションアームなどを車体にマウントする部分に設けられる流体封入式防振マウントの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のエンジンやサスペンションアームを車体にマウントする場合、車体への振動伝達を防止するために、略円筒状をなす防振マウントが介装されている。近年、この種の防振マウントには、防振性能を向上させるために、内筒と外筒との間に挿填されたゴム弾性体の内部に複数の液室を成形するとともに、各液室をオリフィス通路によって連通し、その内部に封入した液体の共振作用を利用して振動伝達を低減するようにしたものが提案されている。
【0003】
例えば、特開平6−280927号公報に示す防振マウントでは、外筒の一部に形成した窓部にダイヤフラムを架設し、このダイヤフラムを液室の一つに臨ませることで、振動入力時に液体がオリフィス通路を通って液室間を流動するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような流体封入式防振マウントの製造に際しては、液中で各部材の組立を行い、内部に確実に液体を充満させる方法が採用されている。つまり、防振マウントの内部には一定量の液体が封入されているため、エンジン搭載時の荷重によって内筒が外筒に対し変位すると、ダイヤフラムが外側に膨張して、外筒に装着したブラケットと干渉し易くなり、ダイヤフラムの耐久性が低下してしまう。また、エンジン搭載時にはダイヤフラムが中立位置から外れてしまうため、設計通りの振動減衰特性が得られなくなるという欠点もある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑み、車体搭載時のダイヤフラムの膨張を防止できる液体封入式防振マウントの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、内筒および外筒と、これら内筒と外筒との間に設けられて軸心方向両端部が前記外筒に結合される中間筒と、前記内筒と中間筒との間に介装されて両者を相互に連結するゴム体と、このゴム体と前記外筒とで囲まれた領域内に形成された複数の液室と、前記外筒と中間筒との間に形成されて前記液室を相互に連通させるオリフィス通路と、前記液室に臨むダイヤフラムとを備えてなる液体封入式防振マウントの製造方法において、まず、前記外筒に内筒アッセンブリを液中で挿入し、次いで、前記内筒に車体搭載時と同様の荷重を付与しながら前記ダイヤフラムの膨張を抑え、この状態で前記外筒をかしめて中間筒に結合させると共に、前記外筒をかしめるチャックの内面に突起を設け、この突起で前記ダイヤフラムの膨張を抑えることを特徴とする。
【0008】
前記ゴム体を軸心方向に貫く空隙部に、スペーサーを差し込んで前記内筒を変位させるようにしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施に使用する液体封入式防振マウントを示している。この防振マウントは、偏心配置した内筒1と外筒2との間に中間筒3が配設されているとともに、内筒1と中間筒3との間にはゴム体4が介装されており、このゴム体4によって内筒1と中間筒3とが相互に連結されている。前記外筒2には、連設部5をはさんでその両側に窓部6,6が開口形成されており、これらの窓部6,6には薄膜状のダイヤフラム7が内側に向かって袋状に膨出するように予め一体に形成されている一方、ゴム体4のダイヤフラム7に対向する箇所には、ダイヤフラム7側に向かって開口する凹状の空間部8が形成されている。
【0011】
前記中間筒3には、図4に示すように円筒状の一般部3aの軸心方向両端部を外側に折り返すことによって、前記外筒2との結合部となる外フランジ部9がその全周に沿って形成されている一方、前記一般部3aのうち、ゴム体4側の空間部8に対応する部分に窓部3bが開口形成されることによって、その残された一般部3aの一部が内フランジ部10としてウェブ11を介して前記外フランジ部9に連続しており、結果的に中間筒3はその軸心方向両端部が外フランジ部9とウェブ11ならびに一般部3aもしくは内フランジ部10とによって互いに向き合うように断面コ字状に形成されている。
【0012】
そして、外筒2をかしめ加工によって縮径させ、その軸心方向の両端部を中間筒3の外フランジ9に結合させて液室を密封し、さらに外筒2の軸心方向の両端をかしめて折曲部12を形成している。
【0013】
一方、前記ゴム体4の空間部8には、その開口部側から仕切板13が嵌合されてその空間部8の開口縁部に弾接しており、これによって前記空間部8がゴム体4側の第1の液室14と外筒2側の第2の液室15とに仕切られている。この仕切板13は金属板により断面略ハット状に曲折形成してなるもので、そのフランジ部16と切欠部17とを空間部8の開口縁部に弾接させることにより、前記第1の液室14と第2の液室15とをシールしている。なお、仕切板13のフランジ部16は、前記ゴム体4と外筒2との間に圧締されている。
【0014】
また、前記ゴム体4の外周面のうち、内筒1をはさんで前記空間部8と反対側には、その円周方向に沿って略半円状をなす樹脂製のオリフィススリーブ18がはめ合わされている。そして、このオリフィススリーブ18には、ゴム体4の軸心方向に沿って蛇行する単一もしくは複数のオリフィス通路19が形成されており、これによって第1の液室14と第2の液室15とが互いに連通されているとともに、オリフィス通路19を含む第1,第2の液室14,15には例えば不凍液、シリコーンオイル等の非圧縮性の液体が封入されている。
【0015】
したがって、前記内筒1と外筒2との間にその両者を径方向に相対変位させるように、例えば図1の上下方向の振動入力が加わると、ゴム体4が弾性変形する一方で、第1の液室14と第2の液室15との間でオリフィス通路19を通じて液体が繰り返し流動し、それに応じてダイヤフラム7が弾性変形することで振動入力を減衰させることになる。
【0016】
なお、前記ゴム体4には内筒1の軸心方向に貫通する空隙部20が形成されているほか、突起部21,22とが一体に形成されており(図2参照)、突起部21と仕切板13との当接、ならびに突起部22と着座面23との当接により、内筒1と外筒2(中間筒3)との間における上下方向の過大入力を阻止するようになっている。なお、この防振マウントは特開平6−280927号公報のものと同じ構造である。
【0017】
次に、この防振マウントの製造方法について説明する。
【0018】
まず、図5に示すようにダイヤフラム7を一体成形した外筒2と、内筒アッセンブリ(内筒1,中間筒3,ゴム体4,仕切板13及びオリフィススリーブ18を一体に組み立てたもの)とを液槽30内のロッド31上端に設けたテーブル32上で外筒2に内筒アッセンブリを挿入し、ワークWとする。
【0019】
次いで、図6に示すように押圧治具33を降下させて、その下端に突出したスペーサー38をワークWの空隙部20に差し込んで内筒1を外筒2とほぼ同心になるように変位させる。この内筒1の変位は、エンジン搭載時の荷重に対応したものとする。その後も押圧治具33はロッド31を押し下げながら降下し、やがて図7に示すように押圧治具33の下端がチャック35の上端に当たりこれを押し下げ、同時に筒状部材34も押圧治具33により押し下げられていく。
【0020】
チャック35がガイド部材36に案内されながら降下していくと、チャック35がガイド部材36内に喰い込んで縮径していくので、その内面の突起37,37がダイヤフラム7,7を押し付けてワークW内の液体を排出する。チャック35がさらにガイド部材36に喰い込むと、チャック35は外筒1をかしめて中間筒3に結合させ、第1,第2の液室14,15を密封する(図1参照)。外筒2のかしめが完了すると、押圧治具33は液槽30の上方まで上昇し、テーブル32も元の位置に復帰する。このとき、ワークWはスペーサー38についたまま上昇するので、そこから取り外し、最後に外筒2の両端をかしめて折曲部12,12を形成すればよい。
【0021】
本実施例では、内筒1をエンジン搭載時と同様の荷重付与によって変位させながら、ダイヤフラム7,7の膨張をチャック35の突起37,37で抑え、この状態で外筒2をかしめて液室14,15を密封しているので、内筒1への荷重を除去すると、ダイヤフラム7,7が図2に示すように内側に引き込まれた状態になる。ところが、図3に示すように内筒1にエンジン搭載時の荷重Fを再度付与すると、ダイヤフラム7,7は中立位置に復帰する。つまり、エンジン搭載時の内筒1の変位を見込んだ適正量の液体が封入されるので、エンジン搭載時にはダイヤフラム7,7が中立位置に保たれることになる。したがって、ダイヤフラム7,7が外筒2に装着されるブラケットと干渉しにくくなり、ダイヤフラム7,7の耐久性が向上するとともに、設計通りの振動減衰特性を発揮させることができる。
【0022】
なお、本実施例では、ダイヤフラム7,7が外筒2に形成された窓部6,6に面した防振マウントを使用したが、ダイヤフラムが空隙部20に面するようなタイプの防振マウントについても、本発明の適用は可能である。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、車体搭載時の内筒変位を見込んだ適正量の液体が封入されるので、車体搭載時にはダイヤフラムが中立位置に保たれて、外筒に装着されるブラケットと干渉しにくくなり、ダイヤフラムの耐久性が向上するとともに、設計通りの振動減衰特性を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に使用する防振マウントを示す図で、図7のB−B線断面図。
【図2】図1の防振マウントの内筒荷重を除去した状態を示す図。
【図3】図2の防振マウントに内筒荷重を付与した状態を示す図。
【図4】図2のA−A線断面図。
【図5】同防振マウントの製造方法を説明する図。
【図6】同防振マウントの製造方法を説明する図。
【図7】同防振マウントの製造方法を説明する図。
【符号の説明】
1…内筒
2…外筒
3…中間筒
4…ゴム体
6…窓部
7…ダイヤフラム
14…液室
15…液室
19…オリフィス通路
35…チャック
37…突起
38…スペーサー
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車のエンジンやサスペンションアームなどを車体にマウントする部分に設けられる流体封入式防振マウントの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のエンジンやサスペンションアームを車体にマウントする場合、車体への振動伝達を防止するために、略円筒状をなす防振マウントが介装されている。近年、この種の防振マウントには、防振性能を向上させるために、内筒と外筒との間に挿填されたゴム弾性体の内部に複数の液室を成形するとともに、各液室をオリフィス通路によって連通し、その内部に封入した液体の共振作用を利用して振動伝達を低減するようにしたものが提案されている。
【0003】
例えば、特開平6−280927号公報に示す防振マウントでは、外筒の一部に形成した窓部にダイヤフラムを架設し、このダイヤフラムを液室の一つに臨ませることで、振動入力時に液体がオリフィス通路を通って液室間を流動するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような流体封入式防振マウントの製造に際しては、液中で各部材の組立を行い、内部に確実に液体を充満させる方法が採用されている。つまり、防振マウントの内部には一定量の液体が封入されているため、エンジン搭載時の荷重によって内筒が外筒に対し変位すると、ダイヤフラムが外側に膨張して、外筒に装着したブラケットと干渉し易くなり、ダイヤフラムの耐久性が低下してしまう。また、エンジン搭載時にはダイヤフラムが中立位置から外れてしまうため、設計通りの振動減衰特性が得られなくなるという欠点もある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑み、車体搭載時のダイヤフラムの膨張を防止できる液体封入式防振マウントの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、内筒および外筒と、これら内筒と外筒との間に設けられて軸心方向両端部が前記外筒に結合される中間筒と、前記内筒と中間筒との間に介装されて両者を相互に連結するゴム体と、このゴム体と前記外筒とで囲まれた領域内に形成された複数の液室と、前記外筒と中間筒との間に形成されて前記液室を相互に連通させるオリフィス通路と、前記液室に臨むダイヤフラムとを備えてなる液体封入式防振マウントの製造方法において、まず、前記外筒に内筒アッセンブリを液中で挿入し、次いで、前記内筒に車体搭載時と同様の荷重を付与しながら前記ダイヤフラムの膨張を抑え、この状態で前記外筒をかしめて中間筒に結合させると共に、前記外筒をかしめるチャックの内面に突起を設け、この突起で前記ダイヤフラムの膨張を抑えることを特徴とする。
【0008】
前記ゴム体を軸心方向に貫く空隙部に、スペーサーを差し込んで前記内筒を変位させるようにしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施に使用する液体封入式防振マウントを示している。この防振マウントは、偏心配置した内筒1と外筒2との間に中間筒3が配設されているとともに、内筒1と中間筒3との間にはゴム体4が介装されており、このゴム体4によって内筒1と中間筒3とが相互に連結されている。前記外筒2には、連設部5をはさんでその両側に窓部6,6が開口形成されており、これらの窓部6,6には薄膜状のダイヤフラム7が内側に向かって袋状に膨出するように予め一体に形成されている一方、ゴム体4のダイヤフラム7に対向する箇所には、ダイヤフラム7側に向かって開口する凹状の空間部8が形成されている。
【0011】
前記中間筒3には、図4に示すように円筒状の一般部3aの軸心方向両端部を外側に折り返すことによって、前記外筒2との結合部となる外フランジ部9がその全周に沿って形成されている一方、前記一般部3aのうち、ゴム体4側の空間部8に対応する部分に窓部3bが開口形成されることによって、その残された一般部3aの一部が内フランジ部10としてウェブ11を介して前記外フランジ部9に連続しており、結果的に中間筒3はその軸心方向両端部が外フランジ部9とウェブ11ならびに一般部3aもしくは内フランジ部10とによって互いに向き合うように断面コ字状に形成されている。
【0012】
そして、外筒2をかしめ加工によって縮径させ、その軸心方向の両端部を中間筒3の外フランジ9に結合させて液室を密封し、さらに外筒2の軸心方向の両端をかしめて折曲部12を形成している。
【0013】
一方、前記ゴム体4の空間部8には、その開口部側から仕切板13が嵌合されてその空間部8の開口縁部に弾接しており、これによって前記空間部8がゴム体4側の第1の液室14と外筒2側の第2の液室15とに仕切られている。この仕切板13は金属板により断面略ハット状に曲折形成してなるもので、そのフランジ部16と切欠部17とを空間部8の開口縁部に弾接させることにより、前記第1の液室14と第2の液室15とをシールしている。なお、仕切板13のフランジ部16は、前記ゴム体4と外筒2との間に圧締されている。
【0014】
また、前記ゴム体4の外周面のうち、内筒1をはさんで前記空間部8と反対側には、その円周方向に沿って略半円状をなす樹脂製のオリフィススリーブ18がはめ合わされている。そして、このオリフィススリーブ18には、ゴム体4の軸心方向に沿って蛇行する単一もしくは複数のオリフィス通路19が形成されており、これによって第1の液室14と第2の液室15とが互いに連通されているとともに、オリフィス通路19を含む第1,第2の液室14,15には例えば不凍液、シリコーンオイル等の非圧縮性の液体が封入されている。
【0015】
したがって、前記内筒1と外筒2との間にその両者を径方向に相対変位させるように、例えば図1の上下方向の振動入力が加わると、ゴム体4が弾性変形する一方で、第1の液室14と第2の液室15との間でオリフィス通路19を通じて液体が繰り返し流動し、それに応じてダイヤフラム7が弾性変形することで振動入力を減衰させることになる。
【0016】
なお、前記ゴム体4には内筒1の軸心方向に貫通する空隙部20が形成されているほか、突起部21,22とが一体に形成されており(図2参照)、突起部21と仕切板13との当接、ならびに突起部22と着座面23との当接により、内筒1と外筒2(中間筒3)との間における上下方向の過大入力を阻止するようになっている。なお、この防振マウントは特開平6−280927号公報のものと同じ構造である。
【0017】
次に、この防振マウントの製造方法について説明する。
【0018】
まず、図5に示すようにダイヤフラム7を一体成形した外筒2と、内筒アッセンブリ(内筒1,中間筒3,ゴム体4,仕切板13及びオリフィススリーブ18を一体に組み立てたもの)とを液槽30内のロッド31上端に設けたテーブル32上で外筒2に内筒アッセンブリを挿入し、ワークWとする。
【0019】
次いで、図6に示すように押圧治具33を降下させて、その下端に突出したスペーサー38をワークWの空隙部20に差し込んで内筒1を外筒2とほぼ同心になるように変位させる。この内筒1の変位は、エンジン搭載時の荷重に対応したものとする。その後も押圧治具33はロッド31を押し下げながら降下し、やがて図7に示すように押圧治具33の下端がチャック35の上端に当たりこれを押し下げ、同時に筒状部材34も押圧治具33により押し下げられていく。
【0020】
チャック35がガイド部材36に案内されながら降下していくと、チャック35がガイド部材36内に喰い込んで縮径していくので、その内面の突起37,37がダイヤフラム7,7を押し付けてワークW内の液体を排出する。チャック35がさらにガイド部材36に喰い込むと、チャック35は外筒1をかしめて中間筒3に結合させ、第1,第2の液室14,15を密封する(図1参照)。外筒2のかしめが完了すると、押圧治具33は液槽30の上方まで上昇し、テーブル32も元の位置に復帰する。このとき、ワークWはスペーサー38についたまま上昇するので、そこから取り外し、最後に外筒2の両端をかしめて折曲部12,12を形成すればよい。
【0021】
本実施例では、内筒1をエンジン搭載時と同様の荷重付与によって変位させながら、ダイヤフラム7,7の膨張をチャック35の突起37,37で抑え、この状態で外筒2をかしめて液室14,15を密封しているので、内筒1への荷重を除去すると、ダイヤフラム7,7が図2に示すように内側に引き込まれた状態になる。ところが、図3に示すように内筒1にエンジン搭載時の荷重Fを再度付与すると、ダイヤフラム7,7は中立位置に復帰する。つまり、エンジン搭載時の内筒1の変位を見込んだ適正量の液体が封入されるので、エンジン搭載時にはダイヤフラム7,7が中立位置に保たれることになる。したがって、ダイヤフラム7,7が外筒2に装着されるブラケットと干渉しにくくなり、ダイヤフラム7,7の耐久性が向上するとともに、設計通りの振動減衰特性を発揮させることができる。
【0022】
なお、本実施例では、ダイヤフラム7,7が外筒2に形成された窓部6,6に面した防振マウントを使用したが、ダイヤフラムが空隙部20に面するようなタイプの防振マウントについても、本発明の適用は可能である。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、車体搭載時の内筒変位を見込んだ適正量の液体が封入されるので、車体搭載時にはダイヤフラムが中立位置に保たれて、外筒に装着されるブラケットと干渉しにくくなり、ダイヤフラムの耐久性が向上するとともに、設計通りの振動減衰特性を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に使用する防振マウントを示す図で、図7のB−B線断面図。
【図2】図1の防振マウントの内筒荷重を除去した状態を示す図。
【図3】図2の防振マウントに内筒荷重を付与した状態を示す図。
【図4】図2のA−A線断面図。
【図5】同防振マウントの製造方法を説明する図。
【図6】同防振マウントの製造方法を説明する図。
【図7】同防振マウントの製造方法を説明する図。
【符号の説明】
1…内筒
2…外筒
3…中間筒
4…ゴム体
6…窓部
7…ダイヤフラム
14…液室
15…液室
19…オリフィス通路
35…チャック
37…突起
38…スペーサー
Claims (2)
- 内筒および外筒と、これら内筒と外筒との間に設けられて軸心方向両端部が前記外筒に結合される中間筒と、前記内筒と中間筒との間に介装されて両者を相互に連結するゴム体と、このゴム体と前記外筒とで囲まれた領域内に形成された複数の液室と、前記外筒と中間筒との間に形成されて前記液室を相互に連通させるオリフィス通路と、前記液室に臨むダイヤフラムとを備えてなる液体封入式防振マウントの製造方法において、
まず、前記外筒に内筒アッセンブリを液中で挿入し、次いで、前記内筒に車体搭載時と同様の荷重を付与しながら前記ダイヤフラムの膨張を抑え、この状態で前記外筒をかしめて中間筒に結合させると共に、前記外筒をかしめるチャックの内面に突起を設け、この突起で前記ダイヤフラムの膨張を抑えることを特徴とする液体封入式防振マウントの製造方法。 - 前記ゴム体を軸心方向に貫く空隙部に、スペーサーを差し込んで前記内筒を変位させることを特徴とする請求項1に記載の液体封入式防振マウントの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP815698A JP3547604B2 (ja) | 1998-01-20 | 1998-01-20 | 液体封入式防振マウントの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP815698A JP3547604B2 (ja) | 1998-01-20 | 1998-01-20 | 液体封入式防振マウントの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11210811A JPH11210811A (ja) | 1999-08-03 |
JP3547604B2 true JP3547604B2 (ja) | 2004-07-28 |
Family
ID=11685475
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JP815698A Expired - Fee Related JP3547604B2 (ja) | 1998-01-20 | 1998-01-20 | 液体封入式防振マウントの製造方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2009108974A (ja) * | 2007-10-31 | 2009-05-21 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 車両用軸ばね |
-
1998
- 1998-01-20 JP JP815698A patent/JP3547604B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11210811A (ja) | 1999-08-03 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A521 | Written amendment |
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