JP3543994B2 - 酵素の固定化方法ならびに固定化酵素 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、非常に簡単な方法で非水系溶媒中でも高い触媒作用を発現し、且つ容易に回収、再利用し得る固定化酵素の調製法に関するものであり、本固定化酵素は医薬品工業、食品工業、農水産業分野、化粧品工業、有機化学工業分野などにおいて有用な有機系化学薬品、例えば、アルコール類、カルボン酸類、エステル類、ペプチド類の製造法において大きな進歩をもたらすものである。
【0002】
【従来の技術】
酵素の反応特異性を応用して、生理活性物質や化成品等の有機化合物を製造する試みは古くから行われていた。
【0003】
しかしながら、一般的に酵素は水溶液に可溶であり、且つpH調製された水溶液にてのみ安定に存在しうるものである。
【0004】
それ故、酵素の触媒作用を有機合成に応用するには、該反応は水溶液中で行うのが好ましく、もし非水系溶媒中にて行った場合、溶媒と酵素の相互作用により酵素自身の高次構造が壊れてしまい、触媒としての能力を急速に失ってしまう(失活)のがほとんどである。
【0005】
酵素の触媒作用を有機合成反応に応用する場合、基質および反応物が水溶性である場合には、比較的問題はすくない。
【0006】
しかしながら有機合成に於いては、基質が非水系溶媒にしか溶解せず、非水系溶媒中でしか反応ができない場合がほとんどであり、あえて酵素をそのままの形で非水系溶媒中にて使用すると、非常に高価な酵素がたちまちに失活したり、全く触媒作用を示さないのがほとんどである。
【0007】
上記問題を克服し、非水系溶媒中にて酵素を利用する試みは以前から行われており、その手段としては酵素修飾、坦体への固定化等が知られている。
【0008】
しかし、これらの技術は、非常に手間のかかる高度な科学技術を必要とする難しいものであり、かつ、どのような酵素にも一般的に適用可能な手法とはなっていない。
【0009】
またそれらの方法により酵素を非水系溶媒中にても安定に存在し得るよう修飾できたとしても、酵素本来の活性が著しく低下してしまう可能性も非常に高い。
【0010】
非水系溶媒中にて酵素を使用する試みの一つに、脂質分子により表面を保護した酵素を使用するという発明が、特開昭64―80282に述べられている。
【0011】
該発明は、pH緩衝水溶液に酵素を溶解し、それに脂質を直接、分散させることによって、粉末状の酵素―脂質複合体を形成せしめるものである。
【0012】
該複合体粉末は、非水系溶媒に易溶であり、かつ非水系溶媒中にて酵素特有の反応触媒作用を発揮するものである。
【0013】
しかしながら、該複合体は非水系溶媒に易溶であり、その易溶さ故、触媒反応終了後に該複合体を回収することは困難となる。
【0014】
通常、酵素の触媒作用を応用した有機合成反応は選択性が高く、副生成物は少ない。そのため反応系中から使用後の酵素を簡単な方法で効率よく回収できれば、反応液から生成物を分離することは容易である。
【0015】
しかしながら、非水系溶媒に溶解している酵素を除くためには、溶解度を利用して酵素を再析出させてから分離するか、分離カラムを使用するしか方法は無い。
【0016】
ただし、通常、析出法は温度変化に伴う溶解度の差を利用するだけにロスが大きく、またカラムは労力、コストが高くなってしまい、場合に依っては分離操作中に著しく活性が低下してしまう。
【0017】
このように、酵素―脂質複合体は、より簡単な方法で酵素を非水系溶媒中で使用できるという特徴はあるものの、残念ながら非常に高価な酵素を再利用すると言う点においては、いまだ不十分なものである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、非水系溶媒中でも触媒作用を示し、反応後は容易に回収でき、且つ調製が容易な酵素の固定化法を見いだすべく、鋭意検討を行った結果、上記酵素―脂質複合体のもつ問題点を克服する新規な発明を見いだすに至った。
【0019】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、酵素を水溶性ポリマーで被覆固定化することを特徴とする、非水系溶媒中にても活性を有し、かつ回収、再使用が可能な固定化酵素に関するものである。
【0020】
本発明によるところの固定化酵素は、粉末粒状であり、非水溶媒中にても高い触媒作用をしめす。
【0021】
そして粉末状で、かつ非水系溶媒には不溶であるため、反応後の酵素の回収が非常に容易で、ほとんど定量的に回収され、何度でも繰り返し再使用が可能である。
【0022】
また本発明は、界面活性剤被覆酵素を含む非親水性有機溶媒と、水溶性ポリマー水溶液によりO/Wエマルションを調整ののち、該O/Wエマルションと非親水性有機溶媒により得られるO/W/Oエマルションを乾燥させることにより、界面活性剤被覆酵素を水溶性ポリマー粒子中に包括させることを特徴とする、非水系溶媒中にても活性を有する固定化酵素調整方法に関するものである。
【0023】
本発明に使用される界面活性剤被覆酵素は、界面活性剤分子によって酵素分子表面が保護された酵素であり、例えば、特開昭64―80282に示される方法にて調製される。
【0024】
すなわち、pH緩衝水溶液に酵素を溶解し、それに界面活性剤を直接、分散させることにより、界面活性剤分子によって酵素分子表面が保護された、粉末状の界面活性剤被覆酵素を形成せしめ、分離後乾燥させることにより調製される。
【0025】
本発明に使用できる酵素としては、まず加水分解酵素が挙げられる。加水分解酵素であるエステラーゼとしては動物、微生物由来のリパーゼが、ペプチドやアミド基を加水分解するペプチダーゼやアミダーゼとしては、ペプシン、α―キモトリプシン、サーモライシン、プロメリン、アミノペプチダーゼ、アルギナーゼ、ウレアーゼ、ペニシリナーゼなどが代表的なものとして挙げられる。
【0026】
また糖に作用するグルコシダーゼとしてはα―およびβ―グルコシダーゼ、α―およびβ―アミラーゼのようなオリゴサッカラーゼ、ポリサッカラーゼなどが挙げられる。
【0027】
他には、ステレオイソメラーゼ、ストラクチュアルイソメラーゼなどの異性化酵素、トランスアミナーゼ、トランスグルコシダーゼなどの転移酵素や酸化還元酵素、脱水素酵素等が挙げられる。
【0028】
本発明に使用される界面活性剤としては、分子中にアルキル基等に代表される疎水基と、各種極性基に代表される親水基が共存する構造の化合物がすべて含まれる。
【0029】
具体的にはソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエステル、ポリオキシグリコールアルキルエーテル、およびジアルキルグルタメートグルコンアミドなどのような水酸基やエチレングリコール骨格を有する非イオン性界面活性剤や、天然産の脂質、例えばグリセロ糖脂質、スフィンゴ糖脂質、ステロイド配糖体などが使用できる。
【0030】
また使用酵素の静電気的な特性、および酵素の安定性を考慮して、アルキルおよびジアルキルアンモニウム塩のようなカチオン系界面活性剤、脂肪酸、アルキルスルフォン酸、ジアルキルスルフォコハク酸、ジアルキルリン酸塩などのアニオン系界面活性剤、スルファチジルコリン、ホスファチジルセリンのような両性界面活性剤も単独、または上記、非イオン性界面活性剤と混合して使用できる。
【0031】
界面活性剤被覆酵素を得る具体的方法としては、0.1g〜50g/lの濃度で酵素を溶解した緩衝液に、上記界面活性剤を単独または混合にて1〜500g/lになるよう添加し、攪拌または超音波照射を行うことによって生じる析出物を濾過、乾燥することによって得ることができる。
【0032】
また酵素を溶解したpH緩衝水溶液と、界面活性剤を含む非親水性有機溶媒によりW/Oエマルションを形成させ、それを乾燥することによっても得られる。
【0033】
またその他には、酵素を溶解したpH緩衝水溶液と、上記界面活性剤を溶解した非親水性溶液を接触させ、水溶液中の酵素を非親水性溶液相中に界面活性剤により形成される逆相ミセルに取り込ませることによって調整する方法もあり、この有機相を乾燥後に次のO/Wエマルション調整プロセスで使用する、または有機相をそのまま次のO/Wエマルション調整に使用することも可能である。
【0034】
ただし、界面活性剤被覆酵素の調整法はこれらの方法に限定されるものではないが、固定化の為に使用される界面活性剤被覆酵素の酵素と界面活性剤の重量比は、酵素の種類、および使用する界面活性剤の種類によって異なり、通常1:3〜1:100の範囲にある。
【0035】
こうして得られた界面活性剤被覆酵素を非親水性有機溶媒に0.1〜50g/lの濃度になるよう溶解した溶液10部に対し、水溶性ポリマーを5〜50%程度になるよう溶解した水溶液を5〜100部を混合し攪拌、必要によっては超音波照射を行うことによりO/Wエマルションを調整する(図1)。
【0036】
O/Wエマルションの調整に使用される非親水性有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタンの様な炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素系、およびメチルイソブチルケトンの様な非親水系ケトン類、酢酸エチルのようなエステル系、ジクロロメタン、クロロホルムのようなハロゲン系溶媒の使用が可能である。
【0037】
水溶性ポリマーとしては、ポリエチレングリコール、エチレンオキシド―プロピレンオキシドコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸またはその塩、アクリルアミド―アクリル酸またその塩のコポリマー、塩化トリチルアミノエチル(メタ)アクリレートポリマーおよびアクリルアミドとのコポリマー、ポリビニルアミンおよびその塩、ポリサッカライド、CMCポリマーなどが代表として挙げられる。
【0038】
水溶性ポリマーの分子量は1000以上のものであれば使用可能であるが、固定化酵素として使用する際のベタつき等の面のハンドリングを考慮すると、好ましくは分子量5000以上のものを使用することが好ましく、水溶性である限り、分子量はいくら高くても構わない。
【0039】
またO/Wエマルション調整の際、必要によっては前述の界面活性剤を、非親水性有機溶媒の重量に対し、0.1〜10重量%の範囲で添加しても構わない。
【0040】
得られたO/Wエマルション10部と、前述の界面活性剤を0.1〜20重量%の濃度で溶解してある非親水性有機溶媒5〜300部を攪拌混合、必要によってはホモジナイザー、超音波照射により混合することによって、O/W/Oエマルションを調整する。これによってエマルション最内相には界面活性剤被覆酵素を含む非親水性有機溶媒が、その外側を水溶性ポリマー水溶液が、またその外側は非親水性有機溶媒が連続相として存在するという形状になる(図2、および3)。
【0041】
この様にして得られたO/W/Oエマルションを、自然乾燥、減圧乾燥、または凍結乾燥することによって多孔質粉末状の水溶性ポリマーに界面活性剤被覆酵素が包括された固定化酵素が調整される。
【0042】
また本発明は、請求項2に示す方法によって得られる、ポリエチレングリコールと酵素の重量比が100,000:1〜100:1となる組成を有する、非水系溶媒中にても活性を有する固定化酵素に関するものである。
【0043】
本発明によるところの方法によって得られる固定化酵素で、水溶性ポリマーとしてポリエチレングリコールを使用した物は、ポリエチレングリコールと酵素自身の重量比で100,000:1〜100:1であり、ポリエチレングリコールの比が100,000を越えると酵素の触媒活性が低く、また100未満では、酵素固定化効率が悪く、触媒として使用している内に、ポリエチレングリコール粒子より界面活性剤被覆酵素の非水系溶媒中への漏出が生じ、酵素自身の損失が多くなり、回収率も著しく低下する。
【0044】
本発明によるところの固定化酵素は、O/W/Oエマルションを応用することによって得られる、多孔質水溶性ポリマー粒子中に、界面活性剤被覆酵素を物理的に封じ込めたものであり、化学結合を利用した酵素修飾法および固定化法とは異なり、酵素自身の触媒活性を損なうことは無い。
【0045】
また試みに、O/W/Oエマルションとはせず、O/Wエマルションのまま乾燥して得られる粉末の触媒活性を調べてみたが、活性は全く見られなかった。
【0046】
この原因としては、乾燥中にO/Wエマルションが破壊されてポリエチレングリコール粒子中に包括されなかったか、または包括されていてもポリエチレングリコール粒子の多孔質性が乏しいため、基質と酵素の接触が極端に少ないためと思われる。
【0047】
この点からも本発明の方法においては、W/O/Wエマルションにした後に乾燥することが必要不可欠なものであることが確認された。
【0048】
本発明による固定化酵素は非水系有機溶媒中にて触媒作用を発現するが、非水系溶媒としては非親水性有機溶媒が好ましく、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタンの様な炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素系、およびメチルイソブチルケトンの様な非親水系ケトン類、酢酸エチルのようなエステル系、ジクロロメタン、クロロホルムのようなハロゲン系溶媒の使用が可能である。
【0049】
また必要によっては親水性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、アセトンを少量添加しても構わない。
【0050】
本発明の固定化酵素は、例えばエステル化の触媒として使用される際は、次のようにして使用される。
【0051】
すなわち、エステル化の原料であるアルコール、カルボン酸を非水系溶媒に溶解し、それに本発明によるところの粉末状固定化酵素を添加し、保温、攪拌を行う。
【0052】
反応終了後は、デカンテーション、または濾別することによって、簡単に反応液より回収できる。また回収された固定化酵素は何度でも繰り返し使用が可能である。
【0053】
また上記のようなバッチ式の方法ではなく、例えば管型反応装置に本発明によるところの固定化酵素を充填し原料を溶解した非水系溶媒を通過させる事によって反応させる、連続タイプでの反応にも応用可能である。
【0054】
本発明によるところの固定化酵素、並びに酵素固定化法は、医薬、農薬、食品化学、臨床薬の合成、ならびに酵素反応を応用した分析機器等の分野に大きな進歩を与えるものである。
【0055】
【実施例1】
Pseudomonas sp.起源リパーゼ3gをpH7のリン酸緩衝液500mlに溶解し、それに2C18Δ9GE(式1)12.39gを溶解し、超音波を20分間照射した。
【0056】
そして水溶液中に析出した粉末を遠心分離機により分離し、真空乾燥した結果、含水率0.79%の白色粉末状の界面活性剤被覆リパーゼ2.78gを得ることができた。
【0057】
複合体中のリパーゼ重量%はUVスペクトルにより20.6%であることが確認された。
【0058】
得られた界面活性剤被覆酵素を1.0g/lの濃度でトルエンに溶解した。また分子量20000のポリエチレングリコールをpH7の緩衝液に10%の濃度で溶解した。
【0059】
上記トルエン溶液3mlと、上記ポリエチレングリコール水溶液15mlを混合し、ホモジナイザーを使用し6000rpm、2分間攪拌混合し、O/Wエマルションを調整した。
【0060】
続いて、O/Wエマルションを2C18Δ9GEを10mol/m3の濃度で溶解させたトルエン溶液100mlに混合し、同様に6000rpm、2分間攪拌し、O/W/Oエマルションを調整した。そして調整されたO/W/Oエマルションをエバポレーターにて濃縮、乾燥することにより、本発明によるところのポリエチレングリコール粉末に固定化された酵素を得た。
【0061】
【実施例2】
6mol/m3の濃度で溶解したラウリン酸のイソオクタン溶液5mlと、6mol/m3の濃度で溶解したベンジルアルコールのイソオクタン溶液5ml混合し、それに実施例1にて作成した固定化酵素0.42gを添加し(反応液中の実質酵素濃度0.054g/l)30℃で、1時間保った後、ガスクロマトグラフィーにより生成物であるラウリン酸ベンジルの定量を行った。
【0062】
また反応後は、濾過に依って固定化酵素を99%以上回収できた。また回収された固定化酵素はイソオクタンで洗浄の後、繰り返し反応に使用した。
【0063】
各反応における、開始1時間目のエステル生成収率(X)は、図4に示した通りであり、繰り返し3回の使用においても固定化酵素の回収率は99%以上と、ほとんど定量的であり、かつ酵素の活性低下は見られなかった。
【0064】
【実施例3】
ポリエチレングリコールの分子量が1000、2000、6000のものを使用し、実施例1に示した方法により、固定化酵素を調整し、実施例2に示した方法により、各固定化酵素を反応に用いた。
【0065】
結果、図4に示すように各分子量のポリエチレングリコールを使用した固定化酵素を繰り返し使用しても、単に濾別することにより固定化酵素の回収は定量的に行われ、また活性の低下も殆ど見られなかった。
【0066】
【比較例1】
6mol/m3の濃度で溶解したラウリン酸のイソオクタン溶液50mlと、6mol/m3の濃度で溶解したべンジルアルコールのイソオクタン溶液50ml混合し、それに実施例1にて調製された界面活性剤被覆リパーゼ27mgを添加し(反応液中の実質酵素濃度0.054g/l)30℃で、1時間保った後、ガスクロマトグラフィーにより生成物であるラウリン酸ベンジルの定量を行った。
【0067】
結果、70%の収率でラウリン酸ベンジルの生成が認められた。
【0068】
また、反応液を0℃で2日間放置の後、析出物を分離した結果、10mgの界面活性剤被覆リパーゼを回収した。回収率は37%であった。
【0069】
【比較例2】
実施例1にて調製された界面活性剤被覆酵素を1.0g/lの濃度でトルエンに溶解した。また分子量20000のポリエチレングリコールをpH7の緩衝液に10%の濃度で溶解した。
【0070】
上記トルエン溶液3mlと、上記ポリエチレングリコール水溶液15mlを混合し、ホモジナイザーを使用し6000rpm、2分間攪拌混合し、O/Wエマルションを調整した。
【0071】
続いて、O/Wエマルションを、実施例1のようにO/W/Oエマルションにせずにそのまま乾燥した。乾燥した粉末を、実施例2と同様に反応に使用した。
【0072】
その結果、本粉末は触媒活性を示さないことを確認し、酵素の触媒活性を示すためには本発明のようにO/W/Oエマルションにすることが必要不可欠であることを確認した。
【0073】
【化1】
【0074】
【発明の効果】
上記したように本発明は、非水系溶媒中でも高い触媒作用を発現する。又、容易に回収、再利用し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】O/Wエマルションの模式図。
【図2】O/W/Oエマルションの模式図。
【図3】O/W/Oエマルションの模式図。
【図4】PEGの分子量の影響。
【符号の説明】
1 被覆酵素
2 ポリマー
3 水溶液
4 ポリマー溶液
5 有機溶媒
6 O/Wエマルション
7 内有機相
8 水溶性ポリマーを含む水相
9 界面活性剤被覆酵素
10 外有機相
11 界面活性剤
Claims (2)
- 界面活性剤被覆酵素を含む非親水性有機溶媒と、ポリエチレングリコール水溶液によりO/Wエマルションを調整ののち、該O/Wエマルションと非親水性有機溶媒により得られるO/W/Oエマルションを乾燥させることにより、界面活性剤被覆酵素を水溶性ポリマー粒子中に包括させることを特徴とする、非水系溶媒中にても活性を有する固定化酵素調製方法。
- 請求項1に示す方法で得られ、ポリエチレングリコールと酵素の重量比が100,000:1〜100:1となる組成を有する、非水系溶媒中にても活性を有する固定化酵素。
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