JP3540922B2 - 電子写真トナー用バインダー樹脂および静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などにおける静電荷像を現像するために用いるトナーに関し、特にそのバインダー樹脂の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
加熱ローラの定着機構を備えた複写装置に使用される現像用トナーは、加熱ローラ表面とトナー像が溶融状態で加圧下で接触するため、トナー像の一部がローラ表面を介しペーパーオフセット現象を生じさせる。
【0003】
オフセット現象の生じないトナーを得ることは、定着器に多くの電力を使わず、しかもヒートロールを使用した高速な複写機、いわゆる省力高速複写機への適用を考えるときより困難な問題にあう。即ち、オフセット現象が起こらないためには、トナーに使うバインダーポリマーはできるだけ強靭であり、かつ十分な溶融流動性が要求される。しかし、溶融流動性を持たせるためには相当高温までトナーを加熱しなければならず、このことは省力という要請を満たさないことになる。したがって、省力であるためには、低温で定着することが要求され、ガラス転移点及び分子量の低い樹脂を使用することが好ましい。しかし、分子量の低い樹脂は当然強靭性がなく、オフセット現象を生じやすくなり、耐オフセット性と同時に定着性までも満足するものは得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以下の諸点を目的とするものである。
【0005】
(1)熱ロール定着方式に適し、低温定着性及び耐ホットオフセット性に優れたトナー用バインダー樹脂、及びこの樹脂からなるトナーを提供すること。
【0006】
(2)保存性のよいトナーを提供すること。
【0007】
(3)トナー製造時における粉砕性をあげ生産性のよいトナーを提供すること。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成よりなる。
【0009】
(1)電子写真トナー用バインダー樹脂において、THF不溶分を10〜30%含有し、そのレオロジー特性が周波数0.01rad/sec、温度150℃で周波数掃引したときの貯蔵弾性率(G’)が1×103〜1×105dyne/cm2であり、かつ、GPCによる分子量分布において、2000〜5000の領域にメインピークを有していることを特徴とする電子写真トナー用バインダー樹脂。
【0010】
(2)トナー用バインダー樹脂がポリエステル樹脂から構成されていることを特徴とする前記(1)記載の電子写真トナー用バインダー樹脂。
【0011】
(3)バインダー樹脂のガラス転移点が55〜65℃であることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の電子写真トナー用バインダー樹脂。
【0012】
(4)前記(1)ないし(3)のいずれかに記載のバインダー樹脂と、少なくとも着色剤、帯電制御剤を溶融混練することにより得られることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【0013】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0014】
まず請求項1において規定したレオロジー特性に関する説明をする。
【0015】
トナー用バインダー樹脂は典型的な粘性と弾性、双方の性質をもつ粘弾性体であり、この粘弾特性の定量的な解析が必要である。バインダー樹脂のレオロジー特性において、貯蔵弾性率(G´)は組成物の凝集力に関するものであり、一方損失弾性率(G'')は組成物の粘性に関するものである。バインダー樹脂のレオロジー特性は、この樹脂と着色剤及び帯電制御剤、必要であれば離型剤その他添加剤とともに溶融混練して得られる、トナー組成物の定着性、耐ホットオフセット性に密接な関係がある。
【0016】
一般的に高分子樹脂のレオロジー特性は、ガラス状領域、転移領域、ゴム状領域、流動域の4つの領域を示す。
【0017】
樹脂中のTHF不溶分は架橋による網目構造を有し、これは1rad/sec以下の低周波数側の長いタイムスケールにおいてもある一定のレベルの貯蔵弾性率(G´)が保たれる。
【0018】
このときのG´の高さは樹脂の架橋の構造により決定されるものであり、その架橋構造は該バインダー樹脂を溶融混練したときのトナーの凝集力に大きくかかわる。
【0019】
そこで本発明者はバインダー樹脂のレオロジー特性と該バインダー樹脂を溶融混練して得られるトナー組成物の定着性、耐ホットオフセット性との相関性について研究した結果、以下の新事実を発見した。
【0020】
定着性と耐ホットオフセット性に優れたトナー用バインダー樹脂を得るためには、THF不溶分を10〜30%含有し、そのレオロジー特性が周波数0.01〜1rad/sec、130〜160℃の範囲で周波数掃引したときの貯蔵弾性率(G´)が1×103〜1×105dyne/cm2の範囲であることがよい。
【0021】
130〜160℃の範囲で周波数掃引したときのバインダー樹脂の貯蔵弾性率(G´)が1×103dyne/cm2未満になると、溶融混練時の分子切断によりトナーの凝集力が急激に低下し、耐ホットオフセット性が悪くなる。(G´)が1×105dyne/cm2より大きくなるとトナーの耐ホットオフセット性はよくなるが凝集力が増大して定着性が悪くなり、さらには他材料との溶融混練時に機械への負荷が大きくなるため材料の供給量を少なくしなければならないという問題が生じる。また、バインダー樹脂のTHF不溶分は10〜30%含有することがよい。10%未満であれば(G´)が1×103dyne/cm2未満になり、また30%を越えると(G´)が1×105dyne/cm2より大きくなってしまう。
【0022】
以下にトナーの動的粘弾性を測定する方法を示す。
【0023】
トナーを熱プレスにて、20mm×20mm四方で厚みが2mmのシートに成形して試料を作製する。(株)レオロジ製のDVE型レオスペクトラーを測定装置として使用し、前記試料を所定の温度に維持して、強制振動非共振法により剪断方向に正弦振動(測定周波数0.01〜1rad/sec)を加え、超微小変位下での応力レスポンスを測定し、その動力と動歪とから、公知の算出法で貯蔵弾性率(G´)、損失弾性率(G'')、及び正接損失(tanδ)を求める。
【0024】
次にTHF不溶分の測定法を下記に示す。
【0025】
樹脂約1.0gを秤量し、これにTHF約50gを加えて20℃で24時間静置する。これをまず遠心分離で分け、JIS規格(P3801)5種Cの定量瀘紙を用いて常温瀘過する。続いて瀘紙残渣が不溶分であり、用いた瀘紙と瀘紙残渣の比率(重量%)で表す。
【0026】
本発明においてはポリエステル樹脂から構成されていることが好ましい。
【0027】
また、本発明のトナー用バインダー樹脂のガラス転移点は55〜65℃であることがよい。55℃以下では本バインダー樹脂を使用した時のトナーの保存性が悪化し、65℃以上では定着性が悪くなるからである。
【0028】
さらに本発明のバインダー樹脂を使用した時のトナーの定着性、及びトナー製造時における粉砕性を向上するためには、バインダー樹脂のTHF可溶分の分子量分布を規定することが望ましい。つまり樹脂をTHFに溶解させ、その溶解成分をGPCで測定した時の分子量が、2000〜5000の領域にメインピークを有することにより、トナーの定着性、粉砕性が向上する。
【0029】
ここで、GPCによる測定法を説明しておけば次のとおりである。すなわち、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えばPressure Chemical Co.あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0030】
本発明において、バインダーとして用いるポリエステル樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合によって得られるが、用いられるアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等のジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、及びビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、その他の二価のアルコール単量体を挙げることができる。
【0031】
また、カルボン酸成分としては、例えばマレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらの酸無水物又は低級アルキルエステル、リノレイン酸の二量体、その他の二価の有機酸単量体を挙げることができる。
【0032】
本発明において用いるポリエステル樹脂は、以上の二官能性単量体のみならず、三官能以上の多官能性単量体によるカルボン酸成分として三価以上の多価カルボン酸単量体又はその酸無水物を含有する重合体である。かかる多官能性単量体である三価以上の多価カルボン酸単量体としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシルプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンボール三量体酸及びこれらの酸無水物、その他を挙げることができる。
【0033】
本発明に使用される三価以上の多価アルコールは一般に三価以上の多価アルコールとして知られているものであればよい。例えばグリセリン、1,1,1−トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール、1,1,2,2−テトラメチロールエタン、1,3,3,3−テトラメチロールプロパン、ソルビトール、及びポリビニルアルコール等が挙げられる。これらは1種もしくは2種以上の混合系で使用される。
【0034】
本発明のポリエステルを得るための製造方法は特に限定されるものではなく、エステル化反応は公知の方法によって行うことができる。エステル交換反応は公知の方法によって行うことができ、この際公知のエステル交換触媒を使用することができる。例えば、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸カルシウム、酢酸スズ、酢酸鉛、チタンテトラブトキシサイド等が挙げられる。
【0035】
重縮合反応は公知の方法によって行うことができ、この際公知の重合触媒を使用できる。具体例としては、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等が挙げられる。
【0036】
本発明によって用いるその他の結着樹脂としては、公知のものがすべて使用できる。例えば、ポリスチレン、ポリ−p−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル教共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂脂肪族又は脂肪族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が単独あるいは混合して使用できる。その中でも更に定着温度領域を広げるためには、ポリエステル樹脂を用いることが有効である。
【0037】
以上のような結着樹脂、着色剤及び/又は磁性粉、並びに必要に応じて帯電制御剤、その他の添加剤と適宜溶融混合して静電荷像現像用トナーとすることができる。
【0038】
着色剤としては、カーボンブラック、酸化鉄顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ローダミン6Gケーキ、ウォッチングレッドストロンチウム等、従来公知のものを使用することができる。トナー中に含まれる着色剤の量は、1〜60重量%の範囲で適宜選択して使用する。
【0039】
帯電制御剤としては、ニグロシン染料、脂肪酸変性ニグロシン染料、含金属ニグロシン染料、含金属脂肪酸変性ニグロシン染料、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体等を使用することができ、通常、トナー中に0〜20重量%使用する。
【0040】
離型剤としては、融点が70℃〜170℃にあるワックスが用いられる。離型剤の具体例としては、カルナバワックス、モンタンワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、エチレン−酢ビ共重合体等が挙げられる。これらは、トナー中に1〜10重量%の範囲で加えられる。
【0041】
その他の添加剤としては、シリカ粉末、疎水性シリカ粉末、ポリオレフィン、パラフィンワックス、フルオロカーボン化合物、脂肪酸エステル、部分ケン化脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩等を使用することができ、これらは通常トナー中に0.1〜5重量%使用される。
【0042】
本発明のトナーは乾式一成分系現像剤及び二成分系現像剤のいずれにも使用できる。一成分系現像剤の場合の磁性体としては、フェライト、マグネタイト等をはじめとする鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す元素を含む合金、あるいは化合物又は強磁性元素を含まないが適当に熱処理することによって強磁性を示すようになった合金、例えばマンガン−銅−アルミニウムあるいはマンガン−銅−スズ等のマンガンと銅とを含むホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、又は、二酸化クロム等を挙げることができる。磁性体は平均粒径0.3〜30μmの微粉末の形でバインダー樹脂中に均一に分散される。磁性体粒子の含有量は、トナー中20〜70重量%、好ましくは40〜70重量%が望ましい。
【0043】
二成分系現像剤におけるトナーとしては、一般に用いられているのと同様に着色剤、結着樹脂及び荷電制御剤を主成分としたもので構成される。
【0044】
本発明に係るトナー組成物は任意の周知のトナー混合法及び粉砕法によって作られる。例えば、全ての成分をそれぞれ所定量で配合し、混合し、かつ粉砕することによって全成分を十分に混合し、次いで得られた混合物を微粉化する。トナー粉末を形成する他の周知の方法においては着色剤、樹脂及び溶媒をボールミルにかけ、そのトナー調合品混合物を噴霧乾燥させる。
【0045】
本発明に係るトナー組成物をカスケード現像法、磁気ブラシ現像法、O−シェル現像法によって使用するためには、該組成物は重量百分率で表わした平均粒度が約30μm以下でなければならず、最適結果を生むためにはこの平均粒度が約4〜20μmの間にあることが望ましい。粉末現像法において使用するためには1μmよりも僅かばかり小さい粒径のものが望ましい。
【0046】
カスケード現像法、磁気ブラシ現像法で使用される被覆されたキャリア及び被覆されていないキャリアは周知であるが、トナー粉末がキャリア粒子に付着してそれらを包囲するようにキャリア粒子がトナー粉末と密接に接触させられる時に、トナー粉末がキャリア粒子の電荷とは反対極性の電荷を獲得するものであればキャリア粒子は任意の適当な材料で形成されてもよい。したがって、本発明に係るトナー組成物は、従来の光導電性表面を含んだ任意の適当な静電潜像を帯びた表面上で静電潜像を現像するために通常のキャリアと混合して使用される。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
【0048】
なお、本発明はこれら実施例及び比較例に限定されるものではない。
【0049】
◎ポリエステル樹脂A−1、A−2、A−3を次のように合成した。表1処方の各材料をガラス製3Lの4つ口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及びチッ素導入管を取り付け、マントルヒータ中でチッ素気流下にて所定温度で6時間反応した結果、増粘し、撹拌トルクが所定のトルクに到達した時点で反応温度を下げ反応を終了し、A−1〜A−3を得た。
【0050】
【表1】
【0051】
◎ビニル系樹脂C−1、C−2、C−3の合成
冷却管、撹拌器、ガス導入管及び温度計を取り付けた3Lのフラスコにイオン交換水及びモノマーを仕込む。その処方例は表2に実施例C−1、C−2、C−3として記す。液は撹拌しながら加熱し、規定の反応温度まで昇温し反応する時間は全て12時間とした。得られた重合物は水洗いし、常温10トールにて乾燥し、揮発分1%以下の粉状粉体を得た。
【0052】
【表2】
【0053】
以下にバインダー樹脂A−1〜3、C−1〜3の物性を示す。
【0054】
【表3】
【0055】
◎トナー実施例T−1〜3及び比較例T−4〜9の調製及び評価
表4に示す処方量を2本ロールミルで150℃、20分間加熱混練した。これをハンマーミルで粗粉砕し、ジェット式エアーミルで微粉砕した。これを分級し粒径10〜11μmにそろえた。次に、トナー50gとEFV200/300(日本鉄粉製)950gとを混合し、十分振り混ぜて現像剤とした。複写機(リコー製、FT7500)において現像剤の評価を実施した。
【0056】
(定着性試験)
定着ローラーの設定温度を100〜150℃まで5℃ずつ段階的に上昇させて、所定の箇所のマクベス濃度計による画像濃度が1.2となる複写画像を形成した。次に、これらの各温度の複写画像について、砂消しゴムを装着したクロックメーターを10回擦り、その前後の画像濃度を測定し、以下の式による定着率が70%を越えたときの定着ローラーの最低設定温度を定着下限温度とした。
【0057】
定着率(%)=(砂消しゴム10回後の画像濃度/前の画像濃度)×100
(耐オフセット試験)
定着ローラーの設定温度を160〜240℃まで5℃ずつ段階的に上昇させることによりホットオフセットは発生温度を測定した。オフセット現象の有無は、各設定温度において、複写画像の形成直後に白紙の普通紙を通紙し、この普通紙にトナー汚れが生ずるか否かを目視により判断した。
【0058】
また、これらの実施例及び比較例のトナーについて、以下の各種評価を行った。
【0059】
(耐熱保存性試験)
ガラス容器にトナーを充填し、60℃の恒温槽にて4時間放置後、24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2 235−1991)にて針入度を測定した。 針入度が大きいほど、熱に対する保存性が優れている。
【0060】
(粉砕性試験)
ジェット粉砕機を用い、混練物を粉砕する際の混練物の供給量を2.0kg/Hに固定し、体積平均粒径10.0μmとなるような粉砕圧力を求めた。
【0061】
粉砕圧力が小さいほど、粉砕性が良好であり、トナーの生産性が向上する。
【0062】
(混練供給性試験)
二本ロールミルを用い、原材料混合物(表4のトナー処方混合物)を供給、混練し、二本ロールの出口から吐出される混練物の粘度が105poiseになるときの原材料の供給量を求めた。供給量が多いほど、トナーの生産性が向上する。このときの結果を表4に示した。
【0063】
【表4】
【0064】
【発明の効果】
本発明の効果を列記すると次のとおりである。
【0065】
1.請求項1に記載したバインダー樹脂を使用することにより、定着性と共にトナーの製造時の粉砕性を向上し、かつ、トナーの耐ホットオフセット性が良好なトナーが得られる。
【0066】
2.請求項2に記載したバインダー樹脂を使用することにより、耐ホットオフセット性に優れさらに低温定着性が良好なトナーを得ることができる。
【0067】
3.請求項3に記載したバインダー樹脂を使用することにより、さらにトナーの保存性を良好にすることができる。
【0068】
4.請求項4に記載したトナーは定着性、耐ホットオフセット性、保存性のバランスに優れ、さらに製造時の粉砕性が向上するという極めてすぐれた効果を有する。
Claims (4)
- 電子写真トナー用バインダー樹脂において、THF不溶分を10〜30%含有し、そのレオロジー特性が周波数0.01rad/sec、温度150℃で周波数掃引したときの貯蔵弾性率(G’)が1×103〜1×105dyne/cm2であり、かつ、GPCによる分子量分布において、2000〜5000の領域にメインピークを有していることを特徴とする電子写真トナー用バインダー樹脂。
- トナー用バインダー樹脂がポリエステル樹脂から構成されていることを特徴とする請求項1記載の電子写真トナー用バインダー樹脂。
- バインダー樹脂のガラス転移点が55〜65℃であることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真トナー用バインダー樹脂。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載のバインダー樹脂と、少なくとも着色剤、帯電制御剤を溶融混練することにより得られることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
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