JP3538180B2 - 排尿のための使い捨て補助具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本発明は、請求項１の前提部に記載した排
尿のための使い捨て補助具に関する。

【０００２】ＵＳ−Ａ−５７２２１３６によって公知で
ある、男性利用者のために考えられた上記の種類の補助
具は複数の導出部材を包含しており、これらの導出部材
はそれぞれ１つのスリーブ状流入部と、便器の貯留水中
に浸漬することを目的とする流出部とを有している。導
出部材はそれぞれ２層の紙からなり、紙の幅はトイレッ
トペーパーのロール幅にほぼ相応している。これらの紙
層はそれらの両縁部で互いに結合されていて、導出管路
を限定している。この導出管路は全長に防水被覆を備え
ている。

【０００３】公知の導出部材は、いずれも長さが比較的
大きい。場合によっては１つ以上の長さ部分を切断して
その都度患者の身体の大きさに合わせて、尿を便器の貯
留水中に直接導出できるようにする。この導出部材を利
用後に貯留水中に落とすと、全長にわたって被覆された
比較的面積の大きい紙層が便器を詰まらせる危険があ
る。なぜならば、この被覆によって紙材料の軟化もしく
は溶解が遅らされ、ひいては導出部材のスムーズな排出
が妨げられる恐れがあるからである。

【０００４】本発明の課題は、この点を改善し、より簡
単に操作できる、冒頭に記載した種類の補助具を提供す
ることである。

【０００５】この課題は、請求項１に記載された特徴に
よって解決される。

【０００６】本発明に従って形成された補助具は、従来
の構成に比べて改善された、構成の単純な導出部材を有
している。この構成は、利用時に衛生上不都合のなく取
り扱うことができ、さらにその都度利用した導出部材
が、従来の構成よりも迅速に軟化および／または溶解す
ることを保証する。

【０００７】本発明の好適な構成が従属請求項に記載さ
れている。

【０００８】以下に、本発明を図面に基づいて詳細に説
明する。

【０００９】図１〜図３に示す補助具は、複数のフレキ
シブルなチューブ状の導出部材１を有しているが、その
うち１つだけ図示する。導出部材１は、その都度の利用
者が立位で排尿するのを容易にし、かつ図示されていな
い便器内に尿を導出するように働く。この補助具は、特
に自宅のトイレやその他のトイレ設備、たとえば公衆便
所のない交通手段のトイレ設備に使用するのに適してい
る。

【００１０】導出部材１は、水中で軟化および／または
溶解し得る材料からなる、互いに扁平に当接可能な壁２
および３によって形成されている。これらの壁２および
３は、尿が貫流できる導出管路４を限定している。導出
部材１は、その都度利用者の身体に当ててペニスを受容
するように形成された流入部５を備える第１の末端部分
Ａと、尿を導出するために便器に向けることのできる流
出部６を備える第２の末端部分Ｂとを有している。

【００１１】導出部材１は、第１の末端部分Ａに、導出
管路４の領域から側方に張り出して配置された把持部７
を備えて形成されている。この把持部７はピストルの握
りのように形成されている。これに応じて補助具の簡便
で、しかも衛生的に好都合な取り扱いが保証されてい
る。図１に示すように、第１の末端部分Ａは、たとえば
トイレットペーパーのロール幅に等しい幅Ｃで形成され
ており、第２の末端部分Ｂは、幅Ｃの分数、図示の例で
は３分の１に相応する幅Ｄを有している。それゆえ、導
出部材１は紙材料の比較的面積の小さい部分からなる。
この紙材料は軟化および／または溶解するので、利用済
みの導出部材１が便器の水中に滞留する時間が短い点が
有利である。

【００１２】特に図３から明らかなように、内部を開い
て示した導出部材１の壁２および壁３は、長手方向に向
けることのできる長手方向折り目１０を備えていて、こ
の折り目１０を中心に対称的に形成されている。壁２お
よび壁３は、第１の末端部分Ａでは２つの第１の壁部分
２ａおよび３ａによって形成され、第２の末端部分Ｂで
は第２の壁部分２ｂおよび３ｂによって形成されてい
る。第１の壁部分２ａおよび３ａでは舌片状突出部１２
が形成されていて、それぞれ把持部７の半分をなしてい
る。

【００１３】末端部分ＡおよびＢは、一体的な壁部材の
セグメントか、または図示されているように、第１の壁
部材８のセグメントと、当該壁部材と接続箇所１１、た
とえば接着縁部を介して結合されている第２の壁部材９
のセグメントとによって形成され得る。壁部分２ａと３
ａもしくは２ｂと３ｂは縦折り目１０を中心に折ること
ができ、導出管路４を形成するためにこの縦折り目１０
から間隔を置いて、合わせることの可能な側方の縁領域
１２ａと１３ａもしくは１２ｂと１３ｂを介して互いに
結合できる。これは図面では破線で示した境界線によっ
て略示されている。

【００１４】合わせることの可能な縁領域は、それぞれ
機械的な構成、たとえば互いにかみ合う型押し部によっ
て、あるいは図示の例で採用されているように、水中で
迅速に溶解可能な接着剤によって互いに結合できる。縁
領域１２ａおよび１３ａは、それぞれ舌片状の突出部１
２の一方にわたって延びていて、縦折り目１０と共に、
第１の末端部分Ａを越えて流入部５に向かって広がるよ
うに延びて導出管路４の内側を形成する、壁部分２ａお
よび３ａの２つの部分セグメント２ｃおよび３ｃを限定
している。部分セグメント２ｃおよび３ｃは、一時的に
有効な濡れ防止被覆１８を備えている。この被覆は、図
面では破線でハッチングされた面で表されている。

【００１５】被覆１８は、末端部分Ａのほぼ全体にわた
って延びるか、または図示のように、流入部５の領域に
設けた、濡れ防止手段のない拭い取り縁部１９によって
限定できる。相応に吸収性に形成されたこの拭い取り縁
部１９により、それぞれ導出部材１が濡れた後で、場合
によって存在する残りの尿を衛生上好都合な仕方で拭い
取って除去することができる。

【００１６】被覆１８は、環境に優しく廃棄でき、水と
接触すると迅速に溶解および／または溶解可能な材料、
たとえば石鹸、脂などを含浸させることによって形成で
きる。さらに被覆１８は医療検査手段、たとえばその都
度の利用者の尿の酸性状態またはアルカリ性状態に反応
する指示薬を含むことができる。それゆえ、このように
形成された導出部材１は、同時に相応の、たとえば毎日
必要な医療検査機能のための単純な手段として用いるこ
とができる。

【００１７】第２の壁部分２ｂおよび３ｂの縁領域１２
ｂおよび１３ｂは、第２の末端部分Ｂで縦折り目１０と
共に、濡れ防止手段を備えていない導出管路４の内側壁
部分を限定している。これにより導出管路４は、把持部
７を包含している第１の末端部分Ａのみ、したがって濡
れ防止材料を備えた導出部材１の長さの分数、図示の例
では最初のほぼ３分の１の部分で被覆されている。これ
に対して、把持部７と、第２の末端部分Ｂを形成してい
る壁部分２ｂおよび３ｂとは被覆されておらず、したが
って両側が吸収可能に形成されている。それゆえ、その
都度利用された導出部材１の紙材料の極めて大きい部分
が、便器の水中で有利に短い時間内に軟化および／また
は溶解できる。

【００１８】さらに、比較的細いチューブの形で形成さ
れた第２の末端部分Ｂは、それぞれ当該末端部分Ｂを貫
流する尿によってすでに内側から比較的強く軟化され得
る。末端部分Ｂの自重も相応に増えるので、末端部分Ｂ
は急速に垂直の排出姿勢を取り、それによって尿の制御
可能な方向づけられた流出を可能にする。これと同時に
浸潤した末端部分Ｂは、尿が残余の自由落下に移行する
前にその流れを減速させる。このようにすることによっ
て導出部材１は比較的小さい、たとえば４０〜５０ｃｍ
の長さで形成できる。なぜならば、末端部分Ｂの流出部
６が通常の型式の便器の上側縁部で貯留水から距離を置
いて位置決めされた場合でも、尿の衛生上不都合のない
導出が達成され得るからである。

【００１９】さらに上記の構成では、第２の末端部分Ｂ
の溶解プロセスが第１の末端部分Ａの溶解プロセスに比
べて時間的に早められているので、使用済み導出部材１
を落とした際にその都度相応に少ない量の比較的乾燥し
た紙材料しか便器の水に達しない。それにより従来の構
成に対して、導出部材１のはるかに改善された溶解が達
成可能である。

【００２０】特に図２に明らかなように、壁２および３
はそれぞれ導出部材１の長手方向延在に対して横断方向
に延びている、少なくともほぼ形状安定な湾曲部１４を
備えて形成され得る。そうすることによって、扁平に折
られた導出部材１はわずかな労力で拡張でき、ひいては
その濡れを簡単にすることができる。図に従い、湾曲部
１４はそれぞれ壁部分２ａと２ｂもしくは３ａと３ｂに
わたって延びている２つの縦折り目１５によって形成さ
れ得る。さらに、導出部材１は長手方向延在に対して横
断方向に壁２および３にわたって延びている横折り目１
６を備えることができ、これを中心にして折れるように
形成できる。したがって導出部材１は折られた状態で積
み重ねることができ、それぞれ対応する横折り目１６を
中心に折られた別の導出部材１と一緒に、図示されない
貯蔵用パッケージに収納できる。貯蔵用パッケージにお
いて、導出部材１はそれぞれ後続の１つの導出部材１と
一緒に、当該横折り目１６を中心に折り合わせて互いに
固定するように結合してゆるく結び付いたパイルを形成
し、１つずつ取り出せるように用意できる。

【００２１】図１および図４では、互いに対応する部材
は同じ参照符号を付けている。図４に示す補助具は、そ
の構成が図１〜図３に示す構成にほぼ対応しており、複
数のフレキシブルなチューブ状の導出部材２１を有して
いる。これらの導出部材２１は互いに分離可能に結合さ
れて、図示されない貯蔵パッケージ、たとえば貯蔵ロー
ル上に、１つずつ取り出せるように用意できる。図４
は、導出部材２１の１つを一部開いた全体側面図で示
し、隣接する２つの導出部材２１を部分側面図で示して
いる。図１〜図３に示す構成とは異なり、各々の導出部
材２１の第１の壁部分２ａおよび３ａと第２の壁部分２
ｂおよび３ｂとは、唯一の一体的な壁部材２２に形成さ
れている。壁部材２２は、吸収性の衛生紙からなる一体
的なウエブの分離可能な長さ部分にわたって延びてい
る。ウエブはこのような長さ部分を多数含んでいる。

【００２２】導出部材２１の第１の壁部分２ａおよび３
ａは、それぞれ流入部５の領域に設けられた引き裂き可
能な接続箇所２３、図面では破線で略示された穴を介し
て、それぞれ隣接する導出部材２１の第２の壁部分２ｂ
もしくは３ｂと結合されている。したがって貯蔵ロール
上に巻き取られた導出部材２１はそれぞれ１つずつ後続
の導出部材２１から切り離すことができる。言うまでも
なく導出部材２１も、図１および図２に示すように、そ
れぞれ流入部５に沿って延びている吸収性の拭い取り縁
部１９を備えて構成できる。導出部材２１は、それぞれ
少なくとも１つの横折り目１６を備えることもでき、こ
れを中心に折って、たとえば、図示されない容器内に１
つずつ取り出せるように積み重ねることができる。

【００２３】第２の壁部分２ｂもしくは３ｂの縁部領域
１２ｂおよび１３ｂは、図に示すように少なくともほぼ
波形に形成された接続箇所に沿って互いに結合されて、
第２の末端部分Ｂの相応に輪郭形成された壁体をなして
いる。そうすることによって末端部分Ｂ内で達成可能
な、導出されるべき尿の減速を強化でき、それと同時に
第２の末端部分Ｂのより迅速な浸潤を達成できる。

【００２４】図示されない別の実施形態に従い、導出部
材１および／または２１は、両側縁部で互いに結合され
た２層構成の壁によって形成することもできる。さら
に、導出部材１は接続箇所２３を介して隣接する導出部
材１と結合することもできる。 ［図面の簡単な説明］

【図１】本発明によって形成された、男性利用者用の排
尿のための使い捨て補助具を示す側面図である。

【図２】図１に示した補助具の平面図である。

【図３】図１に示した補助具を図示の平面に開いた内面
図である。

【図４】他の構成形態に従う本発明による補助具の側面
図である。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−208162（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−200470（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−208153（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−231801（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−63456（ＪＰ，Ａ) 米国特許5722136（ＵＳ，Ａ) 米国特許4296502（ＵＳ，Ａ) 米国特許4937890（ＵＳ，Ａ) 欧州特許出願公開662310（ＥＰ，Ａ ２) 西独国特許出願公開4343789（ＤＥ, Ａ１) 西独国特許出願公開3722863（ＤＥ, Ａ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61F 5/451 - 5/455 A61F 5/44

Claims (8)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 排尿のための使い捨て補助具であって、 少なくとも１つのチューブ状の導出部材（１；２１）を
   有しており、この導出部材（１；２１）が水中で軟化お
   よび／または溶解可能な材料からなる、互いに扁平に当
   接可能な壁（２、３）によって形成されていて、これら
   の壁（２、３）が濡れ防止被覆（１８）を備えた導出管
   路（４）を限定しており、この導出管路（４）が、その
   都度の利用者の身体に位置決め可能な流入部（５）を備
   えた第１の末端部分（Ａ）と、尿を便器などに導出する
   ための流出部（６）を備えた第２の末端部分（Ｂ）とを
   有しており、 導出部材（１；２１）が第１の末端部分（Ａ）に側方に
   張り出して配置された把持部（７）を付けて形成されて
   おり、前記被覆（１８）が第１の末端部分（Ａ）を形成
   する第１の壁部分（２ａ、３ａ）の内側に設けられてお
   り、さらに第２の末端部分（Ｂ）が濡れ防止手段を備え
   ていない第２の壁部分（２ｂ、３ｂ）によって形成され
   ていることを特徴とする補助具。
2. 【請求項２】 第１の壁部分（２ａ、３ａ）が流入部
   （５）に沿って延びている、濡れ防止手段を有していな
   い拭い取り縁部（１９）を備えて形成されていることを
   特徴とする請求項１記載の補助具。
3. 【請求項３】 第１の壁部分（２ａ、３ａ）と第２の壁
   部分（２ｂ、３ｂ）とが吸収可能な衛生紙によって形成
   されていることを特徴とする請求項１または２記載の補
   助具。
4. 【請求項４】 把持部（７）がピストルの握りのように
   構成されていて、第１の壁部分（２ａ、３ａ）の舌片状
   突出部（１２）によって形成されていることを特徴とす
   る請求項１から３のいずれか１項記載の補助具。
5. 【請求項５】 前記壁部分（２ａ、３ａもしくは２ｂ、
   ３ｂ）が少なくとも１つの一体的な壁部材（７、８；２
   ２）のセグメントによって形成されており、これらのセ
   グメントが導出部材（１；２１）の長手方向に向けるこ
   とのできる縦折り目（１０）を中心に折りたたみ可能に
   構成されていて、それぞれ縦折り目（１０）から間隔を
   置いて延びている、壁部材（７、８；２２）の縁領域
   （１２ａ、１３ａもしくは１２ｂ、１３ｂ）を介して互
   いに結合されていることを特徴とする請求項１から４の
   いずれか１項記載の補助具。
6. 【請求項６】 第２の壁部分（２ｂ、３ｂ）の縁領域
   （１２ｂ、１３ｂ）が、少なくともほぼ波形に形成され
   ている接続箇所に沿って互いに結合されて、導出部材
   （２１）の相応に輪郭形成された壁体部分をなしている
   ことを特徴とする請求項５記載の補助具。
7. 【請求項７】 第１の壁部分（２ａ、３ａ）と第２の壁
   部分（２ｂ、３ｂ）とが、それぞれ導出部材（１、２
   １）の長手方向延在に対して横断方向に延びている、少
   なくともほぼ形状安定の湾曲部（１４）を備えて形成さ
   れていることを特徴とする請求項１から６のいずれか１
   項記載の補助具。
8. 【請求項８】 第１の壁部分（２ａ、３ａ）の被覆（１
   ８）が、その都度の利用者の尿の特定の性状に反応する
   医療検査手段を含んでいることを特徴とする請求項１か
   ら７のいずれか１項記載の補助具。