JP3531685B2 - トルク変動吸収ダンパ - Google Patents
トルク変動吸収ダンパInfo
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Description
ャフトの動力を各種補器へ伝達すると共に、エンジンの
各行程による前記クランクシャフトの伝達トルクの変動
を吸収絶縁するトルク変動吸収ダンパに関する。
な従来例が、例えば実開昭63−68540号公報に開
示されている。このトルク変動吸収ダンパは、図4に示
すように、エンジンのクランクシャフトの先端に取り付
けられるハブ101の外周に、ベアリング102aを介
して捩り変位(軸周り方向の変位)自在に同心配置され
たプーリ102bを、エラストマ製のカップリングブッ
シュ102cを介して連結した構造のカップリング部1
02を有する。すなわちクランクシャフトの動力の一部
は、プーリ102bに巻架された図示されていない無端
ベルトを介して例えばオルタネータやコンプレッサ等の
各種補器に与えられるが、クランクシャフトはエンジン
の各行程によるトルク変動を伴って回転されるため、カ
ップリング部102は、このトルク変動をプーリとの間
でカップリングブッシュ102cの捩り変形作用によっ
て吸収絶縁し、プーリ102bからの伝達トルクの平滑
化を図るものである。また、前記ハブ101の外周に
は、エラストマ製のダンパブッシュ103aを介して環
状質量体103bを弾性的に連結した構造のトーショナ
ルダンパ部103が並設されている。このトーショナル
ダンパ部103は、所定の振動数域においてクランクシ
ャフトの捩り振動を打ち消すように共振し、クランクシ
ャフトの捩り振動自体を低減する制振機能を発揮するも
のである。
吸収ダンパにおいては、ベアリング102aとして無潤
滑の低摩擦材料からなるドライベアリングが用いられて
いるため、次のような問題が指摘される。 (1) ベアリング102aがハブ101とプーリ102b
の間から脱落するのを防止するための抜け止め機構が必
要である(図示の従来例の場合はベアリング102aを
断面略L字形とすることによって抜け止めを図ってい
る)。 (2) ベアリング102aの材質にもよるが、プーリ10
2bに掛け渡されるベルトの張力によるラジアル荷重を
受けることによって、プーリ102bあるいはハブ10
1との摺動面が線接触になりやすく、このため摺動面圧
が上昇し、摩耗が早期に進行して信頼性が低下する。 (3) ベアリング102aとハブ101及びプーリ102
aとの摺動面に高精度の仕上げが要求されるので、コス
ト高になる。
アリング102aとして、潤滑油によって潤滑されるメ
タルベアリングを用いることが有効であるが、この場合
は、潤滑油に対するシール機構が必要となり、しかも、
より高精度の仕上げが要求されるため、一層の大幅なコ
スト高になることが避けられない。
れたもので、その主な技術的課題とするところは、ベア
リングの抜け止め機構を不要にし、ベアリングの早期摩
耗を防止して信頼性を向上させ、コストの低減を図るこ
とにある。
本発明によって有効に解決することができる。すなわち
本発明に係るトルク変動吸収ダンパは、ハブの外周にエ
ラストマ製のカップリングブッシュを介してプーリを捩
り変位自在に連結したカップリング部と、前記ハブの外
周に環状質量体をこの環状質量体と一体成形されたエラ
ストマ製ダンパブッシュを介して捩り変位自在に連結し
た構造のトーショナルダンパ部と、前記プーリをその内
周側の前記環状質量体に対して捩り変位自在に支持する
エラストマ製ベアリングと、を備え、前記エラストマ製
ベアリングは、前記環状質量体に一体成形されると共に
前記プーリとの間が潤滑油で潤滑され、軸方向両端に前
記潤滑油を密封するシール部が一体に形成され、前記プ
ーリとの摺動面に潤滑溝が形成されている。本発明にお
いて、一層好ましくは、エラストマ製ベアリングの摺動
面及びシール部が、プーリに嵌着された摺動部材と摺接
される。
ーリはその内周側のトーショナルダンパ部の環状質量体
にエラストマ製ベアリングを介して捩り変位自在に支持
される。プーリにはベルトが掛けられるため、ベルトテ
ンションによるラジアル荷重が作用するが、このプーリ
を支持するエラストマ製ベアリングは前記ラジアル荷重
によって変形されるので、その摺動面が線接触になるこ
とはなく、摺動面圧の上昇が抑えられ、しかも前記エラ
ストマ製ベアリングの摺動面は、その両端のシール部に
よってシールされ潤滑溝を通じて介入された潤滑油によ
って潤滑されているため、低摩擦となり、したがって摩
耗が有効に抑えられる。
の一実施例を、その軸心を通る平面で切断して示すもの
で、参照符号1はエンジンのクランクシャフトの軸端に
取り付けられるハブである。このハブ1の外周には、エ
ラストマ製カップリングブッシュ21を介してプーリ2
2を捩り変位自在に連結したカップリング部2と、エラ
ストマ製ダンパブッシュ31を介して環状質量体32を
捩り変位自在に連結した構造のトーショナルダンパ部3
が設けられている。
フトへの取付部である径方向部11及びその外径から延
在された外径筒状部12を有する断面略L字形を呈す
る。プーリ22の外周面にはVプーリ溝22a,22b
が形成されており、カップリングブッシュ21は、ハブ
1の外径筒状部12における径方向部11寄りの外周面
に嵌着されたスリーブ23と、プーリ22の一方のVプ
ーリ溝22a側の内周面に嵌着されたスリーブ24との
間に一体に加硫成形されている。環状質量体32は、プ
ーリ22の他方のVプーリ溝22b側の内周に配置され
ており、ダンパブッシュ31は、ハブ1の外径筒状部1
2における径方向部11と反対側の端部寄りの外周面に
嵌着されたスリーブ33と、環状質量体32との間に一
体に加硫成形されている。また、プーリ22と、そのV
プーリ溝22bの内周側にあるトーショナルダンパ部3
の環状質量体32との間には、ベアリング4,5が介在
されている。
内周部が環状質量体32の軸方向内側外周部に形成され
た凹部32aと摺動自在に嵌合されており、プーリ22
を環状質量体32に対して捩り変位自在に同心支持する
と共に、軸方向の挙動を規制するものである。
て、図2の拡大図に一層明瞭に示すように、プーリ22
の内周側の部材である環状質量体32の外周部に形成さ
れた段差面、すなわち合成樹脂製ベアリング4と背反す
る大径側径方向面32bと、その内周端部から延在され
た円筒面32cと、更にこの円筒面32cの外側端部か
ら延在された小径側径方向面32dに連続的に加硫成形
・接着されている。このエラストマ製ベアリング5の軸
方向両端であって前記大径側径方向面32bに接着され
た内側端部5a及び前記小径側径方向面32dに接着さ
れた外側端部5bには、シールリップ51,52が一体
形成されており、前記円筒面32cに接着されたベアリ
ング本体部分5cの外周摺動面53には、図2における
A−A’で切断した断面図である図3にも示すように、
軸方向に延びる複数の潤滑溝54が形成されている。
には、エラストマ製ベアリング5が接着された環状質量
体32の外周段差面と略対応する段差形状を呈する摺動
部材6が圧入嵌着されている。すなわちこの摺動部材6
は、板金スリーブをプレス成形したものであって、エラ
ストマ製ベアリング5の内側端部5aと離間対向すると
共にシールリップ51が密封的に摺接される外周鍔部6
1と、エラストマ製ベアリング5の外側端部5bと離間
対向すると共にシールリップ52が密封的に摺接される
内周鍔部62と、エラストマ製ベアリング5のベアリン
グ本体部分5cの外周摺動面53と摺接する円筒部63
とからなる。エラストマ製ベアリング5と摺動部材6の
間には潤滑油7が封入され、前記シールリップ51,5
2で密封されている。
においては、カップリング部2とトーショナルダンパ部
3は異なる固有振動数が与えられており、このため、回
転時の捩り振動の入力によって、プーリ22と環状質量
体32は、円周方向へ反復的に相対変位され、環状質量
体32の外周に加硫接着されたエラストマ製ベアリング
5のベアリング本体部分5cの外周摺動面53と、プー
リ22の内周に嵌着された摺動部材6の円筒部63の内
周面が円周方向へ反復的に相対摺動される。また、エラ
ストマ製ベアリング5の内側端部5a及び外側端部5b
とこれに離間対向する摺動部材6の外周鍔部61及び内
周鍔部62との間に形成された油溜め空間内の潤滑油7
は、エラストマ製ベアリング5の外周摺動面53と摺動
部材6の円筒部63の内周面との間に、潤滑溝54を通
じて介入される。
には図示されていないベルトが掛けられ、エンジンの駆
動力が各種補器に与えられる。このためエラストマ製ベ
アリング5は、プーリ22及び摺動部材6を介して前記
ベルトの張力によるラジアル方向の荷重を受けるが、こ
のエラストマ製ベアリング5は前記ラジアル荷重によっ
て径方向に圧縮変形されるので、摺動面53は摺動部材
6の円筒部63の内周面に対して常に面接触状態とな
り、摺動面圧の上昇が抑えられる。しかも、先に述べた
ように、前記摺動面53は潤滑油7の介入によって十分
に潤滑されているので低摩擦であり、したがって摺動に
よる摩耗が有効に抑えられる。なお、回転軸を軸支する
一般のベアリングと異なり、エラストマ製ベアリング5
は反復的に捩り変位される部材間の軸受機能を奏するも
のであって発熱量が少ないから、エラストマ製であって
も十分な耐久性を期待することができる。
ストマ製ベアリング5が環状質量体32に一体的に加硫
成形・接着されたものであるため、ベアリングに対する
抜け止めを施す必要はない。しかもこのエラストマ製ベ
アリング5の加硫成形・接着は、前記環状質量体32と
スリーブ33との間へのダンパブッシュ31の加硫成形
・接着と同時に行うことができるので、製造工程の増大
を来さない。また、エラストマ製ベアリング5の摺動面
53は摺動部材6と容易に馴染むため、摺動部材6を高
精度に仕上げ加工する必要がなく、プレス成形によって
得られる加工精度で十分であるため、加工コストを低減
することができる。
と、次の効果が実現される。 (1) ダンパブッシュ及びベアリングの双方がエラストマ
からなり、トーショナルダンパ部の環状質量体と一体成
形されているため、ダンパブッシュ及びベアリングを同
時に一体成形することができ、ベアリングの脱落を防止
する機構が不要である。 (2) ベルトテンションによるラジアル荷重を受けても、
ベアリングの摺動面が線接触にならないため、摩耗が抑
制される。 (3) エラストマ製ベアリングと摺接する相手摺動面に高
精度の仕上げが不要であるので、コストを低減すること
ができる。
を、その軸心を通る平面で切断して示す半断面図であ
る。
る。
る。
の軸心を通る平面で切断して示す半断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ハブ(1)の外周にエラストマ製のカッ
プリングブッシュ(21)を介してプーリ(22)を捩
り変位自在に連結したカップリング部(2)と、前記ハブ(1)の外周に環状質量体(32)をこの環状
質量体(32)と一体成形されたエラストマ製ダンパブ
ッシュ(31)を介して捩り変位自在に連結した構造の
トーショナルダンパ部(3)と、 前記プーリ(22)をその内周側の前記環状質量体(3
2)に対して捩り変位自在に支持するエラストマ製ベア
リング(5)と、 を備え、 前記エラストマ製ベアリング(5)は、前記環状質量体
(32)に一体成形されると共に前記プーリ(22)と
の間が潤滑油(7)で潤滑され、軸方向両端に前記潤滑
油(7)を密封するシール部(51)(52)が一体に
形成され、前記プーリ(22)との摺動面(53)に潤
滑溝(54)が形成されたことを特徴とするトルク変動
吸収ダンパ。 - 【請求項2】 エラストマ製ベアリング(5)の摺動面
(53)及びシール部(51)(52)が、プーリ(2
2)に嵌着された摺動部材(6)と摺接されたことを特
徴とする請求項1に記載のトルク変動吸収ダンパ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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ID=16272854
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP19133594A Expired - Fee Related JP3531685B2 (ja) | 1994-07-22 | 1994-07-22 | トルク変動吸収ダンパ |
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-
1994
- 1994-07-22 JP JP19133594A patent/JP3531685B2/ja not_active Expired - Fee Related
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