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JP3531657B2 - 成形用シ−ト及びその製造方法並びにその成形用シ−トを用いた成形物 - Google Patents

成形用シ−ト及びその製造方法並びにその成形用シ−トを用いた成形物

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JP3531657B2
JP3531657B2 JP09192195A JP9192195A JP3531657B2 JP 3531657 B2 JP3531657 B2 JP 3531657B2 JP 09192195 A JP09192195 A JP 09192195A JP 9192195 A JP9192195 A JP 9192195A JP 3531657 B2 JP3531657 B2 JP 3531657B2
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JP
Japan
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weight
thermoplastic resin
melting point
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less
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藤 芳 廣 斉
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Hokuetsu Paper Mills Ltd
Original Assignee
Hokuetsu Paper Mills Ltd
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Publication date
Application filed by Hokuetsu Paper Mills Ltd filed Critical Hokuetsu Paper Mills Ltd
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形用シ−ト及びその製
造方法並びにその成形用シ−トを用いた成形物に関し、
更に詳しくは特定の熱可塑性樹脂を特定含有率範囲で含
有するプラスチック含有廃材を用いた成形用シ−ト及び
その製造方法並びにその成形用シ−トを用いた成形物に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカ−ペット材、フェルト材、イン
シュレ−タ−材、クッション材等の自動車内装材等はポ
リオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂などの熱可塑性樹脂を含有していることが多く、
熱圧プレス成形、予熱−コ−ルドプレス成形、押出成
形、射出成形、表皮材との一体成形等により得られる。
しかし、これらの製造工程において成形不良材、外観不
良材あるいはトリミング屑等のプラスチック含有廃材が
常時発生する。また、近年、リサイクルの推進により、
廃車からも多量のプラスチック含有廃材が回収される。
【0003】斯かるプラスチック含有廃材の有効利用法
として、熱可塑性樹脂を高含有する成形芯材用ボ−ドの
トリミング屑を粉砕あるいは細かく切断し、乾式押出成
形による当該芯材用ボ−ドの原料の一部として利用する
方法、あるいは廃材を粉砕し、該粉砕物を繊維リツチ部
分と合成樹脂リッチ部分とに分別し、繊維リッチ部分は
クッション材やインシュレ−タ−材に用い、樹脂リッチ
部分を乾式押出成形シ−ト材原料の一部として使用する
方法などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際には、斯
かるプラスチック含有廃材が各種表皮材と貼合されてい
ることが多いこと、あるいは各種工程から発生する多様
な組成を有する廃材を分別管理することが困難なこと、
また斯かる多様な廃材を粉砕し所望組成別に分別するこ
とは大変手間がかかることなどのため、現実的には、斯
かるプラスチック含有廃材を単に廃棄したり、焼却した
りすることも多いのが現状である。
【0005】そこで、本発明者はいち早く、湿式抄紙技
術により斯かるプラスチック含有廃材を有効利用すべく
検討した。その結果、ポリオレフィン系樹脂等の融点が
200℃以下の熱可塑性樹脂を固形分で60重量%以上
含有しているプラスチック含有廃材であれば通常の粉砕
処理を施し、セルロ−ス繊維と混合し、必要に応じて別
途に融点200℃以下の熱可塑性樹脂を加えてスラリ−
とし、該スラリ−を湿式抄紙することにより、十分有用
な成形用シ−トを得ることができることをつきとめた。
【0006】しかし、前述したように、実際のプラスチ
ック含有廃材は、表皮材が貼合されていたり、他の融点
が200℃を超える熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂
もしくは他の構成材等が混在しているのが一般的であ
り、斯かるプラスチック含有廃材中に融点が200℃以
下の熱可塑性樹脂を固形分で60重量%以上も高含有さ
れるのはまれである。多くの場合、斯かるプラスチック
含有廃材中の融点200℃以下の熱可塑性樹脂の含有率
はせいぜい固形分で20〜50重量%程度であるのが普
通である。
【0007】このような融点が200℃以下の熱可塑性
樹脂の含有率の低いプラスチック含有廃材の場合、通常
の粉砕処理を施して湿式抄紙用原料の一部に使用しても
得られるシ−トの強度が低下する、成形後の強度が不足
する、形状保持性が低下するなどの難点が発生し、使用
不可能であった。
【0008】そこで、本発明者は、斯かる融点200℃
以下の熱可塑性樹脂の含有率の低いプラスチック含有廃
材を廃棄したり、焼却したりせず成形用シ−トまたは成
形物の構成材料として有効利用することが、環境保全あ
るいは経済性等の観点から我が国の現状に最も適すると
判断し、更に検討を重ねることとした。即ち、本発明は
前記した融点200℃以下の熱可塑性樹脂の含有率の低
いプラスチック含有廃材を成形用シ−トまたは成形物の
構成材料として実用化することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る成形用シ−
トは、融点200℃以下の熱可塑性樹脂を固形分で20
〜50重量%と繊維質成分を含有するプラスチック含有
廃材のメディアン径が25〜250μmで、かつ150
メッシュ標準ふるい通過率が30重量%以上である微粉
末を固形分で10〜50重量%と,融点200℃以下の
熱可塑性樹脂を固形分で10〜60重量%と,セルロ−
ス繊維を固形分で10〜30重量%とを含有するスラリ
−から得られた抄造シ−トであって、該抄造シ−ト中の
微粉末は前記セルロ−ス繊維に、架橋吸着作用により定
着せしめる高分子系凝集剤にて定着せしめられ、かつ該
抄造シ−トは融点200℃以下の熱可塑性樹脂を固形分
で40重量%以上含有しているものである。
【0010】本発明に係る成形用シ−トの製造方法は、
融点200℃以下の熱可塑性樹脂を固形分で20〜50
重量%と繊維質成分を含有するプラスチック含有廃材を
メディアン径が25〜250μmで、かつ150メッシ
ュ標準ふるい通過率が30重量%以上となるように微粉
砕して得た微粉末を固形分で10〜50重量%と,融点
200℃以下の熱可塑性樹脂を固形分で10〜60重量
%と,セルロ−ス繊維を固形分で10〜30重量%とを
含有するスラリ−を得た後、該スラリ−に高分子系凝集
剤を添加し、前記した微粉末を前記したセルロ−ス繊維
、架橋吸着作用により定着せしめる高分子系凝集剤に
定着せしめた状態で湿式抄造して融点200℃以下の
熱可塑性樹脂を固形分で40重量%以上含有せしめたシ
−トを得るようにしたものである。
【0011】また本発明に係る成形物は、融点200℃
以下の熱可塑性樹脂を固形分で20〜50重量%と繊維
質成分を含有するプラスチック含有廃材のメディアン径
が25〜250μmで、かつ150メッシュ標準ふるい
通過率が30重量%以上である微粉末を固形分で10〜
50重量%と,融点200℃以下の熱可塑性樹脂を固形
分で10〜60重量%と,セルロ−ス繊維を固形分で1
0〜30重量%とを含有するスラリ−から得られた融点
200℃以下の熱可塑性樹脂を固形分で40重量%以上
含有する抄造シ−トであって、該抄造シ−ト中の微粉末
は前記セルロ−ス繊維に、架橋吸着作用により定着せし
める高分子系凝集剤にて定着せしめられ、かつ該抄造シ
−トを熱成形してなるものである。
【0012】本発明で使用するプラスチック含有廃材と
しては、カ−ペット材、フェルト材、インシュレ−タ−
材、クッション材等の自動車内装材の成形不良あるいは
外観不良による廃材、トリミング屑もしくは廃車からの
回収廃材等を用いることができ、融点200℃以下の熱
可塑性樹脂の含有率が固形分で20〜50重量%でなけ
ればならない。20重量%未満では成形用シ−ト中の融
点200℃以下の熱可塑性樹脂の含有量が不足し、その
結果、十分な成形性が得られず、成形物の強度も不十分
となる。逆に、50重量%を超える場合は、成形用シ−
トの成形性及び成形物の強度を確保するに当ってはむし
ろ好ましいが、実際に斯かる融点200℃以下の熱可塑
性樹脂を高含有するプラスチック含有廃材を安定的に必
要量を確保するのは困難であり、あえてこれを実行する
には分別、選別等の前処理が必要となり不適である。
【0013】また、本発明で使用するプラスチック含有
廃材は繊維質成分を含有していなければならない。繊維
質成分を含有していないと、熱成形前のシ−ト強度が低
下する場合がある。該繊維質成分の種類は各種合成繊
維、天然繊維、化学繊維、無機繊維あるいは木材繊維等
任意のものでよく、含有率も特に規定しないが、固形分
で5〜60重量%が好ましい。また該繊維質成分はプラ
スチック含有廃材中において表皮材の構成要素などとし
て含有されていてもよいし、成形芯材中に、たとえば熱
可塑性樹脂成形体もしくは熱硬化性樹脂成形体などの強
化繊維として含有されていてもよい。
【0014】さらに、本発明で使用するプラスチック含
有廃材はメディアン径が25〜250μmで、かつ15
0メッシュ標準ふるい通過率が30重量%以上となるよ
うに微粉化処理しなければならない。メディアン径が2
50μmより大きい場合、もしくは150メッシュ標準
ふるい通過率が30重量%に満たない場合、成形用シ−
ト及び成形物の強度が不十分となる。メディアン径を2
5μmより小さくするには、微粉化処理費用がかさみ経
済性の点及び処理能力の点で不適となる。また、あまり
細かくすると、湿式抄紙時の歩留も悪化傾向となる。
【0015】一般に、微粉砕処理では発熱を伴いやすい
ため、本発明で使用する融点200℃以下の熱可塑性樹
脂を固形分で20〜50重量%含有するプラスチック含
有廃材を微粉砕する場合、斯かる発熱により砕製物が溶
融して融着しやすい。従って、できるだけ発熱の少ない
粉砕方式、すなわち、カッターミル等を使用するか湿式
微粉砕方式もしくは各種低温微粉砕方式によるのが好ま
しい。斯かるメディアン径が25〜250μmで、かつ
150メッシュ標準ふるい通過率が30重量%以上であ
るプラスチック含有廃材の微粉末を所定量配合して成型
用シートを製造する場合、乾式成形では結束物を生じや
すく良好な成形用シートを得るのが難しく、湿式抄紙に
よるものが好ましい。
【0016】ところで、通常の抄紙機で用いられる抄紙
網は約50〜150メッシュ(目開きは、約300〜1
00μm)であり、本発明で特定するメディアン径が2
5〜250μmで、かつ150メッシュ標準ふるい目開
きは約100μm通過率が30重量%以上という要件は
通常の抄紙網の目開きよりもかなり小さい微粉末が30
重量%以上となるように微粉化することになる。常識的
には、抄紙網の目開きよりも小さく微粉化することは湿
式抄紙時に斯かる微粉末が抄紙網を通り抜けやすく歩留
が低下するとともに、後述するように、本発明で使用す
るプラスチック含有廃材には一般に合成繊維、化学繊維
等の繊維質成分が含有されるため、斯かる繊維質成分の
微粉砕物による抄紙網の目詰まりも発生しやすいなどの
難点を生じやすく好ましくない。
【0017】しかし、多数次の検討により、あえて当業
者の常識に反して本発明で特定したプラスチック含有廃
材をメディアン径が25〜250μmで、かつ150メ
ッシュ標準ふるい通過率が30重量%以上に微粉砕し、
セルロース繊維と別途の融点200℃以下の熱可塑性樹
脂と特定配合率範囲にて配合して湿式抄造することによ
り、熱成形前のシート強度、成形性及び熱成形後の成形
物の強度を向上せしめることができ、前記したプラスチ
ック含有廃材を成形用シート及び成形物の構成材料とし
て利用できることをつきとめたものである。
【0018】本発明で用いる融点200℃以下の熱可塑
性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂などのポリオレフィン系樹脂の中から1種類あるいは
2種類以上を選択するのが最も好ましいが、融点200
℃以下の熱可塑性樹脂であればポリウレタン系樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂などの他の樹脂
も使用可能である。また、該熱可塑性樹脂の形状は繊維
状もの、エマルジョン状のものもしくは粒状のものなど
を適宜用いることができる。本発明で使用するセルロ−
ス繊維としては木材パルプ、麻パルプ、綿パルプ、各種
古紙、その他の木質繊維等の中から適宜選択される。
【0019】本発明の成形用シ−トを湿式抄造する際の
スラリ−中の融点200℃以下の熱可塑性樹脂を固形分
で20〜50重量%含有するプラスチック含有廃材のメ
ディアン径が25〜250μmで、かつ150メッシュ
標準ふるい通過率が30重量%以上である微粉末の含有
率は固形分で10〜50重量%、好ましくは20〜45
重量%でなければならない。10重量%未満では配合量
が少なすぎて該プラスチック含有廃材の有効利用という
目的が十分に達せられない。50重量%を超えると、
述した通り、成形用シ−トの成形性及び成形物の強度を
確保するに当ってはむしろ好ましいが、実際に斯かる融
点200℃以下の熱可塑性樹脂を高含有するプラスチッ
ク含有廃材を安定的に必要量を確保するのは困難であ
り、あえてこれを実行するには分別、選別等の前処理が
必要となり不適である。
【0020】本発明の成形用シ−トを湿式抄造する際の
スラリ−中の別途配合する融点200℃以下の熱可塑性
樹脂の含有率は固形分で10〜60重量%、好ましくは
30〜50重量%である。10重量%未満では成形用シ
−ト中の融点200℃以下の熱可塑性樹脂の含有率が不
足し、その結果、十分な成形性が得られず、成形物の強
度も不十分となる。60重量%を超える場合、本発明の
成形用シ−トの他の構成要素であるプラスチック含有廃
材あるいはセルロ−ス繊維に比べ、別途加える熱可塑性
樹脂はきわめて高価であり経済性の面で劣ることにな
る。
【0021】本発明の成形用シ−トを湿式抄造する際の
スラリ−中のセルロ−ス繊維の含有率は、固形分で10
〜30重量%である。10重量%未満では、スラリ−中
のセルロ−ス繊維の過少により抄紙性が悪化するととも
に得られた成形用シ−トの熱処理前の強度が不足し、ハ
ンドリング性の悪化を来たす。30重量%を超える場
合、セルロ−ス繊維の過多により、スラリ−中に融点2
00℃以下の熱可塑性樹脂を必要量確保し、かつ本発明
で特定したプラスチック含有廃材を十分に配合せしめる
ことが困難になるとともに、得られる成形用シ−ト中の
セルロ−ス繊維の過多により、成形性の悪化及び成形後
の成形物の形状保持性の低下などを招き不適である。
【0022】さらに、スラリ−中には、成形物の強度向
上等のためのガラス繊維あるいはロックウ−ル繊維など
の各種無機繊維、プラスチック含有廃材の微粉末等の抄
造歩留向上剤、着色のための合成染料あるいは色顔料、
抄造条件を安定化させるための濾水性向上剤等を含有せ
しめてもよい。また、用途によっては、乾燥または湿潤
紙力増強剤、サイズ剤、耐水化剤、撥水剤等を含有せし
めるべきことは言うまでもない。
【0023】こうして得たスラリ−を用いて本発明に係
る成形用シ−ト及び成形物を製造するには、通常の抄紙
法及び熱成形法によればよい。すなわち、抄造について
は長網、円網あるいは傾斜網等の抄造網上に前記スラリ
−を供給し、濾過、脱水した後、圧搾、乾燥すればよ
い。また、必要により各種コンビネ−ション網や多槽円
網もしくは各種ラミネ−タ−などにより紙層を2以上重
ね合わせてもよい。
【0024】また、本発明に係るスラリ−に高分子系凝
集剤を添加し、スラリ−中の微粉末をセルロ−ス繊維に
定着せしめた状態で抄紙すると歩留低下、慮水性悪化を
ほとんど生ずることなく抄造でき、かつより均一なスラ
リ−が得られるので、熱成形前のシ−ト強度、成形性及
び熱成形後の成形物の強度をさらに向上できるという点
でより好ましい。この際に使用する高分子系凝集剤とし
ては、架橋吸着作用によりスラリ−中の微粉末をセルロ
−ス繊維に定着せしめる機能を発現するものであれば、
その種類は特に限定されず、ポリアクリルアミド系、ポ
リアクリル酸ソ−ダ系、ポリアミン系、ポリメタクリル
酸エステル系、ジシアンジアミド系、ポリエチレンイミ
ン系、キトサン系、カチオン化デンプン系などの任意の
ものを使用できる。また斯かる高分子系凝集剤の添加量
はその種類により適宜決定すべきことはいうまでもない
が本発明の場合、スラリ−中の微粉末をよりセルロ−ス
繊維に定着せしめるために、スラリ−中の全固形分10
0重量部に対して前記高分子系凝集剤を固形分で0.0
05〜0.5重量部程度添加するのが好ましい。熱成形
については従来慣用の熱圧プレス成形、予熱−コ−ルド
プレス成形、高周波加熱成形などを単独で、あるいは2
種以上組み合せて適用すればよい。
【0025】本発明の成形用シ−ト中には、融点200
℃以下の熱可塑性樹脂が固形分で40重量%以上含有さ
れていなければならない。40重量%未満では十分な成
形性が得られず、得られる成形物の強度も不十分とな
る。また、本発明の成形用シ−トに固形分で40重量%
以上含有されるべき熱可塑性樹脂の融点は200℃以下
でなければならない。本発明の成形物は本発明の成形用
シ−トを予熱−コ−ルドプレス成形などの従来慣用の熱
成形にて、シ−ト中に含有される熱可塑性樹脂を溶融せ
しめ、シ−トを流動化させ、賦形し再固化せしめること
によって得られる。
【0026】この際、熱成形温度としては前記した熱可
塑性樹脂の融点以上とする必要があり、好ましくは該融
点よりも20〜40℃以上高い温度にした方が成形効率
及び賦形自由度等の点で有利となることが多い。しかる
に本発明の成形用シ−トにはセルロ−ス繊維が所定量含
有されているため、成形温度としては220〜250℃
程度が限度であり、これ以上の高温ではセルロ−ス繊維
の熱劣化を発生しやすい。従って、本発明の成形用シ−
ト中に固形分で40重量%以上含有されるべき熱可塑性
樹脂の融点を200℃以下とした。
【0027】
【作用】本発明の成形用シ−ト及び成形物に使用される
プラスチック含有廃材は、融点200℃以下の熱可塑性
樹脂を固形分で20〜50重量%と繊維質成分を含有
し、該繊維質成分及び他の構成材は特に限定しないが、
一般にポリアミド系あるいはポリエステル系等の合成繊
維、ウレタン系等の発泡樹脂、コットンあるいはウ−ル
等の天然繊維及び化学繊維等が含有されることが多い。
従って、端的に言えば、熱成形前の本発明の成形用シ−
トの強度は、主としてセルロ−ス繊維により発揮され、
成形用シ−トの成形性及び熱成形後の成形物の強度は主
として融点200℃以下の熱可塑性樹脂により発揮され
る。
【0028】さて、本発明で融点200℃以下の熱可塑
性樹脂を固形分で20〜50重量%含有するプラスチッ
ク含有廃材を微粉化することによる作用は次のように予
想される。すなわち、熱成形前の成形用シ−トの強度に
対しては、微粉化により抄紙原料中にかなり多量に該廃
材が配合されても湿式抄造過程において斯かる廃材に起
因するセルロ−ス繊維間結合の阻害の程度が軽減され、
得られる成形用シ−ト中のセルロ−ス繊維間結合が強化
されるというシ−ト強度向上要因と、微粉化により廃材
中の各種繊維質分が繊維としての形態を失い、単なる粉
状物となることにより、あたかも高填料配合紙と同様な
状況に至ることによるシ−ト強度低下要因とが考えられ
る。
【0029】また、熱成形後の成形物の強度に対して
は、微粉砕により廃材中に含有される融点200℃以下
の熱可塑性樹脂が細かくなり、熱成形時の受熱効率が増
大するとともにシ−ト中の他の構成物との接触点も増大
し、溶融・再固化による成形性及び強度の発現がより効
果的に行われることによる強度向上要因と、微粉化によ
り、廃材中の大半を占めるところの融点200℃以下の
熱可塑性樹脂以外の構成物、すなわち、熱成形時に融点
200℃以下の熱可塑性樹脂の溶融・再固化機能により
結合されるべき対象物も微粉化されてしまうため、斯か
る廃材の微粉末を用いて得られた成形用シ−トを熱成形
する際に、該微粉状物同志及び該微粉状物と成形用シ−
ト中の他の構成物との接触点が増大し、係る接触点に融
点200℃以下の熱可塑性樹脂が十分に供給されないこ
とによる強度低下要因とが考えられる。
【0030】実際、本発明では、後述の実施例及び比較
例からわかるように、熱成形前の成形用シ−トの強度と
熱成形後の成形物の強度が共に大きく向上している。こ
れは、融点200℃以下の熱可塑性樹脂が固形分で20
〜50重量%しか含有されないプラスチック含有廃材で
あっても、該廃材を本発明で特定したメディアン径25
〜250μmで、かつ150メッシュ標準ふるい通過率
が30重量%以上となるように微粉化し、セルロ−ス繊
維及び別途の融点200℃以下の熱可塑性樹脂と特定配
合率範囲にて配合して湿式抄造した後、得られたシ−ト
を熱成形することにより、前記した熱成形前後の強度に
対するそれぞれ相反する2組の要因のうち、熱成形前の
成形用シ−トと熱成形後の成形物のいずれにおいても強
度向上要因の方が強度低下要因に打勝って強く作用した
結果であると考えられる。
【0031】この点についてさらに若干の考察を加え
る。本発明で用いるプラスチック廃材とその微粉末につ
いての観察から、本発明で特定したメディアン径25〜
250μmで、かつ150メッシュ標準ふるい通過率が
30重量%以上となるように微粉砕した微粉砕物は15
0メッシュ標準ふるいを通過する微粉末組成物とこれよ
り比較的大きいサイズを有する組成物との混合物からな
っており前者が主として融点200℃以下の熱可塑性樹
脂の砕製物であり、後者は主としてプラスチック含有廃
材中の他の構成物である合成繊維、天然繊維あるいは化
学繊維等の砕製物であると推定される。そして、本発明
に使用するプラスチック含有廃材中の融点200℃以下
の熱可塑性樹脂の全量あるいは大半が150メッシュ標
準ふるいを通過する大きさ以下に微粉化されることによ
り、本発明の熱成形前の成形用スラリ−において斯かる
廃材微粉末によるセルロ−ス繊維間結合の阻害が最小限
に押えられるとともに、熱成形時における該廃材からの
熱可塑性樹脂の受熱効率が増大し、かつシ−ト中の他の
構成物との接触点も増大し溶融・再固化による成形性及
び成形物の強度発現機能が最大限に引き出されたものと
考えられる。
【0032】一方、廃材中の各種繊維質分の全部あるい
は大半がまだ比較的大きいサイズすなわち、繊維として
の形態を維持しているため斯かる繊維質分が熱成形前の
成形用シ−トの強度の保持・向上に寄与するとともに、
斯かる繊維質分同志あるいは該繊維質分とシ−ト中の他
の構成物との接触点はさほど増大せず、熱成形時に融点
200℃以下の熱可塑性樹脂の溶融・再固化による成形
性及び成形物の強度発現機能が十分に活かされるものと
考えられる。
【0033】
【実施例】次に本発明を以下の実施例に基いてさらに具
体的に説明する。本実施例中の各項目の測定は次の方法
によった。 厚さ及び密度:JIS P−8118による。 曲げ強度 :JIS A−5907による。 メディアン径及び150メッシュ標準ふるい通過率:
14、32、60、100、150、200、325メ
ッシュの計7段のふるいでふるい分けを行い、ふるい通
過率曲線を書き、通過率50%となる値をもってメディ
アン径とした。また、325メッシュ通過量と325メ
ッシュふるい上残量と200メッシュふるい上残量の合
計より150メッシュ標準ふるい通過率を求めた。
【0034】実施例1 ポリプロピレン樹脂(融点約160℃)を約30重量%
含有し、他に、ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂(融点
約250℃)約50重量%と天然繊維(コットン及びウ
−ル)約20重量%とで構成される自動車トランク内装
材の廃材をカッターミルで微粉砕しメディアン径が14
0μmで、かつ150メッシュ標準ふるい通過率が43
重量%である微粉末を得た。得られた微粉末をクラフト
古紙、メカニカルウッドファイバ−及び繊維状ポリエチ
レン樹脂(融点約130℃である。以下同じ)と離解機
にて混合離解(配合率はプラスチック含有廃材の微粉末
が固形分で35重量%、クラフト古紙が固形分で10重
量%、メカニカルウッドファイバ−が固形分で10重量
%、繊維状ポリエチレン樹脂が固形分で45重量%であ
る。)してスラリ−とした。
【0035】次いで、得られたスラリ−の全固形分10
0重量部に対して、硫酸バンドを3重量部、ポリアクリ
ルアミド系凝集剤を固形分で0.04重量部添加して、
スラリ−中の微粉末をセルロ−ス繊維に、架橋吸着作用
により定着せしめる高分子系凝集剤にて定着させた状態
で角型テスト抄紙機にて100メッシュ手抄網を用いて
抄造し、圧搾、乾燥して成形用シ−トAを得た。成形用
シ−トAについて、厚さ、密度及び曲げ強度をそれぞれ
測定し、その結果をスラリ−中の各成分の含有率及び成
形用シ−ト中の融点200℃以下の熱可塑性樹脂の含有
率とともに表1に示した。次に、成形用シ−トAを20
0℃、1分間予熱した後、コ−ルドプレス(面圧10k
g/cm2 、時間1分)して成形物Aを得た。成形物A
について厚さ、密度及び曲げ強度をそれぞれ測定し、そ
の結果を表1に併せて示した。
【0036】実施例2 実施例1においてプラスチック含有廃材の微粉砕条件を
変え、メディアン径が50μmで、かつ150メッシュ
標準ふるい通過率が64重量%である微粉末を用いた以
外は実施例1と同様にして成形用シ−トB及び成形物B
を得た。成形用シ−トB及び成形物Bについて、厚さ、
密度及び曲げ強度をそれぞれ測定し、スラリ−中の各成
分の含有率及び成形用シ−ト中の融点200℃以下の熱
可塑性樹脂の含有率とともに表1に示した。
【0037】実施例3 実施例1において混合離解における配合率をプラスチッ
ク含有廃材が固形分で45重量%、クラフト古紙が固形
分で10重量%、メカニカルウッドファイバ−が固形分
で10重量%、繊維状ポリエチレン樹脂が固形分で35
重量%となるようにした以外は実施例1と同様にして成
形用シ−トC及び成形物Cを得た。成形用シ−トC及び
成形物Cについて、厚さ、密度及び曲げ強度をそれぞれ
測定し、スラリ−中の各成分の含有率及び成形用シ−ト
中の融点200℃以下の熱可塑性樹脂の含有率とともに
表1に示した。
【0038】実施例4 実施例2において混合離解における配合率をプラスチッ
ク含有廃材が固形分で45重量%、クラフト古紙が固形
分で10重量%、メカニカルウッドファイバ−が固形分
で10重量%、繊維状ポリエチレン樹脂が固形分で35
重量%となるようにした以外は実施例1と同様にして成
形用シ−トD及び成形物Dを得た。成形用シ−トD及び
成形物Dについて、厚さ、密度及び曲げ強度をそれぞれ
測定し、スラリ−中の各成分の含有率及び成形用シ−ト
中の融点200℃以下の熱可塑性樹脂の含有率とともに
表1に示した。
【0039】実施例5 ポリプロピレン樹脂(融点約160℃)を約45重量%
と天然繊維(コットン及びウール)約20%を含有する
自動車内装カ−ペット材の廃材を微粉砕機にて微粉砕
し、メディアン径が230μmで、かつ150メッシュ
標準ふるい通過率が42重量%である微粉末を得た。得
られた微粉末をクラフト古紙、メカニカルウッドファイ
バ−及び粉末状ポリプロピレン樹脂(融点約160℃で
ある。以下同じ)と離解機にて混合離解(配合率はプラ
スチック含有廃材の微粉末が固形分で25重量%、クラ
フト古紙が固形分で12.5重量%、メカニカルウッド
ファイバ−が固形分で12.5重量%、粉末状ポリプロ
ピレン樹脂が固形分で50重量%である。)してスラリ
−とした。
【0040】次いで得られたスラリ−の固形分100重
量部に対して硫酸バンドを3重量部、ポリアクリルアミ
ド系凝集剤の固形分で0.04重量部添加してスラリー
中の微粉末をセルロース繊維に強固に定着させた状態で
角型テスト抄紙機にて100メッシュ手抄網を用いて抄
造し、圧搾、乾燥して成形用シ−トEを得た。次に成形
用シ−トEを実施例1と同様の条件で予熱−コ−ルドプ
レス成形して成形物Eを得た。成形用シ−トE及び成形
物Eについて、厚さ、密度及び曲げ強度をそれぞれ測定
し、スラリ−中の各成分の含有率及び成形用シ−ト中の
融点200℃以下の熱可塑性樹脂の含有率とともに表1
に示した。
【0041】比較例1 実施例1において、実施例1で用いたものと同じ自動車
トランク内装材の廃材を粉砕機(ロ−タリ−カッタ−)
にて粉砕し、メディアン径が830μmでかつ150メ
ッシュ標準ふるい通過率が13重量%である粉砕物を用
いた以外は実施例1と同様にして成形用シ−トF及び成
形物Fを得た。成形用シ−トF及び成形物Fについて、
厚さ、密度及び曲げ強度をそれぞれ測定し、スラリ−中
の各成分の含有率及び成形用シ−ト中の融点200℃以
下の熱可塑性樹脂の含有率とともに表1に示した。
【0042】比較例2 実施例1において、ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂
(融点約250℃)を主成分とし、融点200℃以下の
熱可塑性樹脂を含有しない自動車内装カ−ペット材の廃
材を粉砕機(ロ−タリ−カッタ−)にて粉砕し、メディ
アン径が740μmでかつ150メッシュ標準ふるい通
過率が15重量%である粉砕物を用いた以外は実施例1
と同様にして成形用シ−トG及び成形物Gを得た。成形
用シ−トG及び成形物Gについて、厚さ、密度及び曲げ
強度をそれぞれ測定し、スラリ−中の各成分の含有率及
び成形用シ−ト中の融点200℃以下の熱可塑性樹脂の
含有率とともに表1に示した。
【0043】比較例3 実施例1において、ポリアミド樹脂(融点約230℃)
を主成分とし、融点200℃以下の熱可塑性樹脂を含有
しない自動車内装カ−ペット材の廃材を粉砕機(ロ−タ
リ−カッタ−)にて粉砕し、メディアン径が220μm
でかつ150メッシュ標準ふるい通過率が41重量%で
ある微粉末を用いた以外は実施例1と同様にして成形用
シ−トH及び成形物Hを得た。成形用シ−トH及び成形
物Hについて、厚さ、密度及び曲げ強度をそれぞれ測定
し、スラリ−中の各成分の含有率及び成形用シ−ト中の
融点200℃以下の熱可塑性樹脂の含有率とともに表1
に示した。
【0044】比較例4 比較例1において、混合離解における配合率をプラスチ
ック含有廃材が固形分で45重量%、クラフト古紙が固
形分で10重量%、メカニカルウッドファイバ−が固形
分で10重量%、繊維状ポリエチレン樹脂が固形分で3
5重量%となるようにした以外は比較例1と同様にして
成形用シ−トI及び成形物Iを得た。成形用シ−トI及
び成形物Iについて、厚さ、密度及び曲げ強度をそれぞ
れ測定し、スラリ−中の各成分の含有率及び成形用シ−
ト中の融点200℃以下の熱可塑性樹脂の含有率ととも
に表1に示した。
【0045】比較例5 比較例2において、混合離解における配合率をプラスチ
ック含有廃材が固形分で45重量%、クラフト古紙が固
形分で10重量%、メカニカルウッドファイバ−が固形
分で10重量%、繊維状ポリエチレン樹脂が固形分で3
5重量%となるようにした以外は比較例2と同様にして
成形用シ−トJ及び成形物Jを得た。成形用シ−トJ及
び成形物Jについて、厚さ、密度及び曲げ強度をそれぞ
れ測定し、スラリ−中の各成分の含有率及び成形用シ−
ト中の融点200℃以下の熱可塑性樹脂の含有率ととも
に表1に示した。
【0046】比較例6 実施例1において、混合離解における配合率をプラスチ
ック含有廃材が固形分で65重量%、クラフト古紙が固
形分で10重量%、メカニカルウッドファイバ−が固形
分で10重量%、繊維状ポリエチレン樹脂が固形分で1
5重量%となるようにした以外は実施例1と同様にして
成形用シ−トK及び成形物Kを得た。成形用シ−トK及
び成形物Kについて、厚さ、密度及び曲げ強度をそれぞ
れ測定し、スラリ−中の各成分の含有率及び成形用シ−
ト中の融点200℃以下の熱可塑性樹脂の含有率ととも
に表1に示した。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】上記した実施例1〜5及び比較例1〜6
からわかるように、本発明は融点200℃以下の熱可塑
性樹脂を固形分で20〜50重量%という低含有率でし
か含有しないプラスチック含有廃材であろうとも、斯か
るプラスチック含有廃材を原料の一部として有効に活用
でき、優れた成形性と強度を有し、十分に実用に供し得
る成形用シ−ト及び成形物を得ることができるとともに
それらの製造方法も簡便に得られる。
【0049】たとえば、実施例1、2と比較例1、2、
3を、また実施例3、4と比較例4、5をそれぞれ比較
すると、本発明における実施例では、比較的容易に必要
量を確保できる融点200℃以下の熱可塑性樹脂の含有
率が固形分で20〜50重量%であるプラスチック含有
廃材は、本発明で特定したメディアン径範囲かつ150
メッシュ標準ふるい通過率範囲の微粉末を使用し、かつ
該微粉末とセルロ−ス繊維及び別途の融点200℃以下
の熱可塑性樹脂とを本発明で特定した配合率範囲のスラ
リ−を抄造して得た成形用シ−トを熱成形することか
ら、比較例に比べ、熱成形前の成形用シ−トの強度が
1.3〜2.1倍に、熱成形後の成形物の強度が1.2
〜1.9倍にそれぞれ向上していることがわかる。
【0050】すなわち、本発明は今まで実用化が困難で
あった融点200℃以下の熱可塑性樹脂の含有率の低い
プラスチック含有廃材中の融点200℃以下の熱可塑性
樹脂に内在する成形性及び強度の発現機能を最大限に引
き出すとともに、該廃材中の他の構成物に起因する弊害
を最小限に押えるというきわめて有効かつ合理的な利用
方法を提供し、斯かるプラスチック含有廃材の成形用シ
−ト及び成形物の構成材料としての実用化を可能ならし
めるものである。特に、熱成形前の成形用シ−トの強度
に対しては、微粉化により抄紙原料中にかなり多量に該
廃材が配合されても湿式抄造過程において斯かる廃材に
起因するセルロ−ス繊維間結合の阻害の程度が軽減さ
れ、得られる成形用シ−ト中のセルロ−ス繊維間結合が
強化される。また、熱成形後の成形物の強度に対して
は、微粉砕により廃材中に含有される融点200℃以下
の熱可塑性樹脂が細かくなり、熱成形時の受熱効率が増
大するとともにシ−ト中の他の構成物との接触点も増大
し、溶融・再固化による成形性及び強度の発現がより効
果的に行われる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29K 105:26 B29K 105:26 201:00 201:00 C08L 1:00 C08L 1:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/04 - 5/10,5/24 B29B 11/16,15/08 - 15/14

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点200℃以下の熱可塑性樹脂を固形
    分で20〜50重量%と繊維質成分を含有するプラスチ
    ック含有廃材のメディアン径が25〜250μmで、か
    つ150メッシュ標準ふるい通過率が30重量%以上で
    ある微粉末を固形分で10〜50重量%と,融点200
    ℃以下の熱可塑性樹脂を固形分で10〜60重量%と,
    セルロ−ス繊維を固形分で10〜30重量%とを含有す
    るスラリ−から得られた抄造シ−トであって、該抄造シ
    −ト中の微粉末は前記セルロ−ス繊維に、架橋吸着作用
    により定着せしめる高分子系凝集剤にて定着せしめら
    、かつ該抄造シ−トは融点200℃以下の熱可塑性樹
    脂を固形分で40重量%以上含有していることを特徴と
    する成形用シ−ト。
  2. 【請求項2】 融点200℃以下の熱可塑性樹脂を固形
    分で20〜50重量%と繊維質成分を含有するプラスチ
    ック含有廃材をメディアン径が25〜250μmで、か
    つ150メッシュ標準ふるい通過率が30重量%以上と
    なるように微粉砕して得た微粉末を固形分で10〜50
    重量%と,融点200℃以下の熱可塑性樹脂を固形分で
    10〜60重量%と,セルロ−ス繊維を固形分で10〜
    30重量%とを含有するスラリ−を得た後、該スラリ−
    に高分子系凝集剤を添加し、前記した微粉末を前記した
    セルロ−ス繊維に、架橋吸着作用により定着せしめる高
    分子系凝集剤にて定着せしめた状態で湿式抄造して融点
    200℃以下の熱可塑性樹脂を固形分で40重量%以上
    含有せしめたシ−トを得ることを特徴とする成形用シ−
    トの製造方法。
  3. 【請求項3】 融点200℃以下の熱可塑性樹脂を固形
    分で20〜50重量%と繊維質成分を含有するプラスチ
    ック含有廃材のメディアン径が25〜250μmで、か
    つ150メッシュ標準ふるい通過率が30重量%以上で
    ある微粉末を固形分で10〜50重量%と,融点200
    ℃以下の熱可塑性樹脂を固形分で10〜60重量%と,
    セルロ−ス繊維を固形分で10〜30重量%とを含有す
    るスラリ−から得られた融点200℃以下の熱可塑性樹
    脂を固形分で40重量%以上含有する抄造シ−トであっ
    て、該抄造シ−ト中の微粉末は前記セルロ−ス繊維に
    架橋吸着作用により定着せしめる高分子系凝集剤にて定
    着せしめられ、かつ該抄造シ−トを熱成形してなること
    を特徴とする成形物。
  4. 【請求項4】 融点200℃以下の熱可塑性樹脂がポリ
    オレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載
    の成形用シ−ト。
  5. 【請求項5】 融点200℃以下の熱可塑性樹脂がポリ
    オレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項3記載
    の成形物。
  6. 【請求項6】 プラスチック含有廃材が自動車内装材の
    廃材であることを特徴とする請求項1又は4記載の成形
    用シ−ト。
  7. 【請求項7】 プラスチック含有廃材が自動車内装材の
    廃材であることを特徴とする請求項3又は5記載の成形
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