JP3519831B2 - 便潜血判定装置 - Google Patents
便潜血判定装置Info
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- JP3519831B2 JP3519831B2 JP22630895A JP22630895A JP3519831B2 JP 3519831 B2 JP3519831 B2 JP 3519831B2 JP 22630895 A JP22630895 A JP 22630895A JP 22630895 A JP22630895 A JP 22630895A JP 3519831 B2 JP3519831 B2 JP 3519831B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、便潜血の有無を判
定するための、免疫反応に基づく簡易的な便潜血判定装
置に関する。
定するための、免疫反応に基づく簡易的な便潜血判定装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】便潜血は消化器系疾患により、消化管内
の便中に血液が混入することにより発現する。便潜血は
特に大腸癌などの疾患との相関が確認されており、便潜
血検査は我国で益々増えつつある大腸癌の早期診断の指
標として、非常に重要でかつ汎用されている検査であ
る。
の便中に血液が混入することにより発現する。便潜血は
特に大腸癌などの疾患との相関が確認されており、便潜
血検査は我国で益々増えつつある大腸癌の早期診断の指
標として、非常に重要でかつ汎用されている検査であ
る。
【0003】現在用いられている便潜血検査方法には、
大別して2種の方法がある。第1の方法は従来から行わ
れている化学的潜血反応(以下、「化学法」と記す)と
呼ばれるもので、ヘモグロビン(以下、Hbと記す)の
有するパーオキシダーゼ様活性を検出する非特異反応で
ある。この方法は、色源体(グアヤク脂あるいはオルト
トリジンなど)が、パーオキシダーゼ様活性保持物質及
び過酸化水素水存在下で酸化されて発色する機構に基づ
く。従って、本法では、パーオキシダーゼ様活性保持物
質である薬物あるいはHbを含む食物などによって陽性
を示すため、投薬及び食餌制限を必要とした。
大別して2種の方法がある。第1の方法は従来から行わ
れている化学的潜血反応(以下、「化学法」と記す)と
呼ばれるもので、ヘモグロビン(以下、Hbと記す)の
有するパーオキシダーゼ様活性を検出する非特異反応で
ある。この方法は、色源体(グアヤク脂あるいはオルト
トリジンなど)が、パーオキシダーゼ様活性保持物質及
び過酸化水素水存在下で酸化されて発色する機構に基づ
く。従って、本法では、パーオキシダーゼ様活性保持物
質である薬物あるいはHbを含む食物などによって陽性
を示すため、投薬及び食餌制限を必要とした。
【0004】本化学法に基づく検査装置として、簡便な
測定システムが開示されており、その幾つかは汎用され
ている。例えば特公平2−45826号公報、特開昭5
9−168370号公報、特開昭62−266463号
公報、及び実開昭62−153573号公報では、グア
ヤク脂等を含浸させた試験紙を含むカードに少量の便試
料を塗布した後、過酸化水素水を滴下して呈色具合を見
るシステムが開示されている。これらのシステムでは、
カード式の本体に付属したグアヤク脂上の一部に便試料
を適量塗布し、さらに塗布部の裏側の部位に過酸化水素
水を滴下することによって、滴下部のグアヤク脂が発色
するか否かで判定する。便試料塗布部を開放せずに行う
ことができ、衛生的に扱えることや、簡便な構成である
ことが利点であるが、上記のような測定原理に由来する
欠点は解決されていない。
測定システムが開示されており、その幾つかは汎用され
ている。例えば特公平2−45826号公報、特開昭5
9−168370号公報、特開昭62−266463号
公報、及び実開昭62−153573号公報では、グア
ヤク脂等を含浸させた試験紙を含むカードに少量の便試
料を塗布した後、過酸化水素水を滴下して呈色具合を見
るシステムが開示されている。これらのシステムでは、
カード式の本体に付属したグアヤク脂上の一部に便試料
を適量塗布し、さらに塗布部の裏側の部位に過酸化水素
水を滴下することによって、滴下部のグアヤク脂が発色
するか否かで判定する。便試料塗布部を開放せずに行う
ことができ、衛生的に扱えることや、簡便な構成である
ことが利点であるが、上記のような測定原理に由来する
欠点は解決されていない。
【0005】第2の方法は、上記の化学法の欠点を解決
するために近年開発されたものであり、免疫反応に基づ
く方法(以下、「免疫法」と記す)である。本法は抗ヒ
トHb抗体を用いた抗原−抗体反応に基づく方法である
ため特異性が高く、化学法のような食事制限等を必要と
しない。判定は、ラテックス凝集法、酵素標識免疫法等
の一般的な免疫血清学的検査法により行われるが、現在
もっとも汎用されている方法はラテックス凝集法であ
る。
するために近年開発されたものであり、免疫反応に基づ
く方法(以下、「免疫法」と記す)である。本法は抗ヒ
トHb抗体を用いた抗原−抗体反応に基づく方法である
ため特異性が高く、化学法のような食事制限等を必要と
しない。判定は、ラテックス凝集法、酵素標識免疫法等
の一般的な免疫血清学的検査法により行われるが、現在
もっとも汎用されている方法はラテックス凝集法であ
る。
【0006】ラテックス凝集法では、判定板上に便試料
溶解液およびラテックス試薬を滴下して混合し、凝集像
の有無により判定が行われる。化学法に比較して原理的
に特異性は高いが、凝集法の判定には熟練を要する。ま
た該免疫法に基づく検査システムは、判定板、ラテック
ス試薬、攪拌棒、採便器具、溶解液などを含むキットと
して提供されているが、構成が複雑であり、上記化学法
のような簡便なシステムは開発されていない。
溶解液およびラテックス試薬を滴下して混合し、凝集像
の有無により判定が行われる。化学法に比較して原理的
に特異性は高いが、凝集法の判定には熟練を要する。ま
た該免疫法に基づく検査システムは、判定板、ラテック
ス試薬、攪拌棒、採便器具、溶解液などを含むキットと
して提供されているが、構成が複雑であり、上記化学法
のような簡便なシステムは開発されていない。
【0007】これらの免疫法における簡便化は、化学法
にはない免疫法特有の工程、つまり便試料を緩衝液等に
溶解する工程および溶解後の溶解液中の非溶解固形分を
濾過により除去する工程について行われている。すなわ
ち、これらの操作については、比較的定量的にかつ衛生
的な取り扱いが可能な採便器具が開示されており、例え
ば実開平3−44663号公報、実公平2−13977
号公報、実開平1−66071号公報、実開平1−85
668号公報および実開昭64−42454号公報など
では、緩衝液を含む容器の蓋部に採便のための採取棒が
付属されており、採便後に該蓋部を緩衝液容器にセット
することにより、採取棒先端の便が緩衝液中に分散され
る。また、よく振盪後、滴下部より判定板上に滴下する
に際し、滴下部にはフィルタ機構が設置されており、非
溶解性固形分が除去されるように構成されている。判定
板上に滴下した後は上述のラテックス凝集法の常法に従
って操作される。
にはない免疫法特有の工程、つまり便試料を緩衝液等に
溶解する工程および溶解後の溶解液中の非溶解固形分を
濾過により除去する工程について行われている。すなわ
ち、これらの操作については、比較的定量的にかつ衛生
的な取り扱いが可能な採便器具が開示されており、例え
ば実開平3−44663号公報、実公平2−13977
号公報、実開平1−66071号公報、実開平1−85
668号公報および実開昭64−42454号公報など
では、緩衝液を含む容器の蓋部に採便のための採取棒が
付属されており、採便後に該蓋部を緩衝液容器にセット
することにより、採取棒先端の便が緩衝液中に分散され
る。また、よく振盪後、滴下部より判定板上に滴下する
に際し、滴下部にはフィルタ機構が設置されており、非
溶解性固形分が除去されるように構成されている。判定
板上に滴下した後は上述のラテックス凝集法の常法に従
って操作される。
【0008】免疫法による便潜血測定システムの簡便化
は、上記工程と抗原抗体反応の一体化により果たされる
と思われるが、当該技術は現在までのところ実現されて
いない。
は、上記工程と抗原抗体反応の一体化により果たされる
と思われるが、当該技術は現在までのところ実現されて
いない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、セルフケアとい
う概念の拡がりと共に、免疫反応に基づく簡易検査シス
テムが一般検査薬として薬局等で入手できるようになっ
た。例えば妊娠診断薬では、免疫クロマトグラフィー法
を利用した簡便な検査システムが確立している。該免疫
クロマトグラフィー法を便潜血検査に利用する際の最も
大きな問題は、上記の便試料の溶解及び濾過工程がシス
テム中に組み込みにくい点である。
う概念の拡がりと共に、免疫反応に基づく簡易検査シス
テムが一般検査薬として薬局等で入手できるようになっ
た。例えば妊娠診断薬では、免疫クロマトグラフィー法
を利用した簡便な検査システムが確立している。該免疫
クロマトグラフィー法を便潜血検査に利用する際の最も
大きな問題は、上記の便試料の溶解及び濾過工程がシス
テム中に組み込みにくい点である。
【0010】本発明の目的は、免疫反応を利用した便潜
血検査装置であって、比較的簡単な構成からなりなが
ら、便潜血判定操作の全工程に渡り操作が簡略化されて
おり、非熟練者においても容易にかつ正確に便潜血の有
無を判定し得る便潜血判定装置を提供することにある。
血検査装置であって、比較的簡単な構成からなりなが
ら、便潜血判定操作の全工程に渡り操作が簡略化されて
おり、非熟練者においても容易にかつ正確に便潜血の有
無を判定し得る便潜血判定装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1,2に記載の発
明は、上記課題を達成するために成されたものであり、
緩衝液が収納された緩衝液容器と、前記緩衝液容器を閉
成するように該緩衝液容器に取り付けられる蓋体及び前
記蓋体に連結された採便棒を有する採便器具とからな
り、前記蓋体には、該蓋体を貫通する判定具導入孔と、
前記判定具導入孔の緩衝液容器面側に封止材とが設けら
れており、更に、前記蓋体に取り付け自在に設けられ、
前記封止材を開放し得るように構成された判定具を備え
た便潜血判定装置であって、更に、下記の構成を備える
ことを特徴とする。
明は、上記課題を達成するために成されたものであり、
緩衝液が収納された緩衝液容器と、前記緩衝液容器を閉
成するように該緩衝液容器に取り付けられる蓋体及び前
記蓋体に連結された採便棒を有する採便器具とからな
り、前記蓋体には、該蓋体を貫通する判定具導入孔と、
前記判定具導入孔の緩衝液容器面側に封止材とが設けら
れており、更に、前記蓋体に取り付け自在に設けられ、
前記封止材を開放し得るように構成された判定具を備え
た便潜血判定装置であって、更に、下記の構成を備える
ことを特徴とする。
【0012】前記判定具は、該判定具によって前記封止
材が開放されることにより流入してきた便試料が溶解さ
れた緩衝液中の固形分を除去するために、分離フィルタ
と、前記分離フィルタで固形分が除去された便試料溶解
液が供給されるように配置されており、かつ抗ヘモグロ
ビン抗体感作担体が設置されておりかつ抗ヘモグロビン
抗体が固定化された展開層とを有している。
材が開放されることにより流入してきた便試料が溶解さ
れた緩衝液中の固形分を除去するために、分離フィルタ
と、前記分離フィルタで固形分が除去された便試料溶解
液が供給されるように配置されており、かつ抗ヘモグロ
ビン抗体感作担体が設置されておりかつ抗ヘモグロビン
抗体が固定化された展開層とを有している。
【0013】また、更に、前記判定具の外表面から便潜
血の有無及び判定の終了を観察するために、判定具本体
の側壁には展開層を部分的に観察し得るように、判定窓
及び終了窓が形成されている。
血の有無及び判定の終了を観察するために、判定具本体
の側壁には展開層を部分的に観察し得るように、判定窓
及び終了窓が形成されている。
【0014】請求項2に記載の発明では、上記の構成の
他に、更に、前記蓋体の側面から内部に向かって、該蓋
体の判定具導入孔を開いた状態と閉じた状態とをとり得
るように構成された連通部材が取り付けられた便潜血判
定装置である。
他に、更に、前記蓋体の側面から内部に向かって、該蓋
体の判定具導入孔を開いた状態と閉じた状態とをとり得
るように構成された連通部材が取り付けられた便潜血判
定装置である。
【0015】また、請求項1,2に記載の発明におい
て、前記封止材は、該蓋体を貫通する判定具導入孔を封
止し得るものであり、かつ前記判定具から加えられる力
によって開放され得るものであれば、特に限定されず、
例えば、後述の第一の実施例によって示されるような適
宜の膜厚の合成樹脂フイルム、第二の実施例によって示
されるような栓体などが挙げられる。
て、前記封止材は、該蓋体を貫通する判定具導入孔を封
止し得るものであり、かつ前記判定具から加えられる力
によって開放され得るものであれば、特に限定されず、
例えば、後述の第一の実施例によって示されるような適
宜の膜厚の合成樹脂フイルム、第二の実施例によって示
されるような栓体などが挙げられる。
【0016】(作用)請求項1、2に記載の発明に係る
便潜血判定装置を使用して便潜血を判定するにあたって
は、まず、採便器具の採便棒部分を便試料に突き刺し、
引き抜くことにより、便試料を採取する。しかる後、採
便棒を緩衝液容器内に挿入し、採便器具を緩衝液容器に
取り付ける。その結果、便試料が緩衝液容器内の緩衝液
に溶解され、便試料が溶解された緩衝液が作成される。
便潜血判定装置を使用して便潜血を判定するにあたって
は、まず、採便器具の採便棒部分を便試料に突き刺し、
引き抜くことにより、便試料を採取する。しかる後、採
便棒を緩衝液容器内に挿入し、採便器具を緩衝液容器に
取り付ける。その結果、便試料が緩衝液容器内の緩衝液
に溶解され、便試料が溶解された緩衝液が作成される。
【0017】請求項1,2に記載の発明では、採便器具
とは別に設けられた判定具を蓋体に設けられた判定具導
入孔に入れ、判定具の先端部で封止材を突き破ったり、
栓体からなる封止材の場合であれば、判定具の先端部で
栓体を外すことにより、封止材を開放した後、判定具を
便試料が溶解された緩衝液に接触させる。しかる後、便
試料が溶解された緩衝液は、判定具内において分離フィ
ルタにより濾過され、固形分が除去される。次に、便試
料が溶解され、かつ固形分が除去された緩衝液が、展開
層に供給される。しかる後、展開層において、後述の実
施例の説明から明らかなように、免疫クロマトグラフィ
ー法に従って便潜血の有無が判定される。
とは別に設けられた判定具を蓋体に設けられた判定具導
入孔に入れ、判定具の先端部で封止材を突き破ったり、
栓体からなる封止材の場合であれば、判定具の先端部で
栓体を外すことにより、封止材を開放した後、判定具を
便試料が溶解された緩衝液に接触させる。しかる後、便
試料が溶解された緩衝液は、判定具内において分離フィ
ルタにより濾過され、固形分が除去される。次に、便試
料が溶解され、かつ固形分が除去された緩衝液が、展開
層に供給される。しかる後、展開層において、後述の実
施例の説明から明らかなように、免疫クロマトグラフィ
ー法に従って便潜血の有無が判定される。
【0018】また、請求項1,2に記載の発明では、判
定具に判定窓及び終了窓が形成されているため、外部か
ら容易に判定を行うことができ、かつ判定の終了を確認
することができる。
定具に判定窓及び終了窓が形成されているため、外部か
ら容易に判定を行うことができ、かつ判定の終了を確認
することができる。
【0019】上記のように、請求項1,2に記載の発明
では、採便器具を用いて便試料を採取し、緩衝液容器に
採便器具を取り付けた後には、判定具導入孔に判定具を
挿入して封止材を開放し、判定具に便試料溶解液を供給
することにより便潜血の有無を容易に判定することがで
きる。すなわち、本発明の便潜血判定装置は、採便器
具、緩衝液容器及び判定具がそれぞれ前記のような構成
を有しているので、比較的簡単な構成を有しながら、便
試料の採取から便潜血の判定までを確実にかつ容易に実
施することができる。
では、採便器具を用いて便試料を採取し、緩衝液容器に
採便器具を取り付けた後には、判定具導入孔に判定具を
挿入して封止材を開放し、判定具に便試料溶解液を供給
することにより便潜血の有無を容易に判定することがで
きる。すなわち、本発明の便潜血判定装置は、採便器
具、緩衝液容器及び判定具がそれぞれ前記のような構成
を有しているので、比較的簡単な構成を有しながら、便
試料の採取から便潜血の判定までを確実にかつ容易に実
施することができる。
【0020】請求項2に記載の発明では、請求項1の構
成に加えて、更に、前記蓋体の側面から内部に向かっ
て、該蓋体の判定具導入孔を開いた状態と閉じた状態と
をとり得るように構成された連通部材が取り付けられた
便潜血判定装置であり、連通部材によって判定具導入孔
を開いた状態と、閉じた状態とをとり得るようにされる
ので、後述の実施例で示されるように使用時の各操作が
確実に行える。
成に加えて、更に、前記蓋体の側面から内部に向かっ
て、該蓋体の判定具導入孔を開いた状態と閉じた状態と
をとり得るように構成された連通部材が取り付けられた
便潜血判定装置であり、連通部材によって判定具導入孔
を開いた状態と、閉じた状態とをとり得るようにされる
ので、後述の実施例で示されるように使用時の各操作が
確実に行える。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
非限定的な実施例を説明することにより、本発明を明ら
かにする。
非限定的な実施例を説明することにより、本発明を明ら
かにする。
【0022】第1の実施例
図1は、請求項1に記載の発明に係る実施例の便潜血判
定装置を説明するための縦断面図である。ただし、図1
中の判定具4については、正面図を示している。本実施
例の便潜血判定装置1は、採便器具2と、緩衝液容器3
と判定具4により構成されている。以下、各部材を詳細
に説明する。
定装置を説明するための縦断面図である。ただし、図1
中の判定具4については、正面図を示している。本実施
例の便潜血判定装置1は、採便器具2と、緩衝液容器3
と判定具4により構成されている。以下、各部材を詳細
に説明する。
【0023】採便器具2は、蓋体5と、蓋体5に連結さ
れた採便棒6とを有する。本実施例では、蓋体5と採便
棒6とが、合成樹脂により一体に形成されているが、蓋
体5と採便棒6とは別部材で構成された後、接着剤等に
より固着されたものであってもよい。
れた採便棒6とを有する。本実施例では、蓋体5と採便
棒6とが、合成樹脂により一体に形成されているが、蓋
体5と採便棒6とは別部材で構成された後、接着剤等に
より固着されたものであってもよい。
【0024】蓋体5は、天板部の厚みが厚くされた、下
方に開いた円筒状部材よりなり、円筒側壁内周面に雌ね
じ5aが形成されている。他方、採便棒6は、蓋体5の
天板の下面に連結されており、細長い円柱状の部材によ
り構成されている。採便棒6の先端には、採便部6aが
構成されている。
方に開いた円筒状部材よりなり、円筒側壁内周面に雌ね
じ5aが形成されている。他方、採便棒6は、蓋体5の
天板の下面に連結されており、細長い円柱状の部材によ
り構成されている。採便棒6の先端には、採便部6aが
構成されている。
【0025】採便部6aは、表面に凹凸を付与すること
により構成されている。この凹凸は、便試料に突き刺さ
れ、かつ引き抜かれた際に、便試料を半定量的に採取す
るために設けられている。採便部6aは、便試料を半定
量的に採取し得る限り、任意の形状に構成することがで
き、種々の形状のくぼみを設けたり、突起を設けたり、
あるいは穴を形成することにより構成することができ
る。緩衝液容器3は、円筒状の容器本体7と、容器本体
7の上端に設けられており、かつ上方に開口を有する円
筒状取付け部8とを有する。円筒状取付け部8の外周面
には、雄ねじ8aが形成されており、該雄ねじ8aは、
蓋体5の雌ねじ5aと噛み合うように形成されている。
により構成されている。この凹凸は、便試料に突き刺さ
れ、かつ引き抜かれた際に、便試料を半定量的に採取す
るために設けられている。採便部6aは、便試料を半定
量的に採取し得る限り、任意の形状に構成することがで
き、種々の形状のくぼみを設けたり、突起を設けたり、
あるいは穴を形成することにより構成することができ
る。緩衝液容器3は、円筒状の容器本体7と、容器本体
7の上端に設けられており、かつ上方に開口を有する円
筒状取付け部8とを有する。円筒状取付け部8の外周面
には、雄ねじ8aが形成されており、該雄ねじ8aは、
蓋体5の雌ねじ5aと噛み合うように形成されている。
【0026】また、円筒状取付け部8の上面から中央に
向かって、余剰便除去部材9が取付けられている。余剰
便除去部材9は、中央側が下方に至るように設けられた
略円錐状の形状を有し、下端に貫通孔9aが形成されて
いる。また、余剰便除去部材9は、後述の封止材が位置
する部分が開口する他は、緩衝液容器3の開口部のほぼ
全面を覆うように形成されている。但し、余剰便除去部
材9が緩衝液容器3の開口部を覆う面積はこれに限らず
もっと小さくされてもよい。また、余剰便除去部材9
は、弾性を有するように適宜の厚みの合成樹脂もしくは
金属等により構成されており、かつ貫通孔9aの周囲に
はスリットが形成されている。従って、採便棒6を貫通
孔9aから挿入した際、余剰便除去部材9の貫通孔9a
に臨む周縁部が採便部6aの外表面に当接されることに
なる。よって、採便部6aに付着していた便試料のうち
余剰分の便試料が、該周縁部で除去されることになり、
採便部6で採取された便試料のうち、所定の量の便試料
のみが緩衝液容器3内に挿入されることになる。
向かって、余剰便除去部材9が取付けられている。余剰
便除去部材9は、中央側が下方に至るように設けられた
略円錐状の形状を有し、下端に貫通孔9aが形成されて
いる。また、余剰便除去部材9は、後述の封止材が位置
する部分が開口する他は、緩衝液容器3の開口部のほぼ
全面を覆うように形成されている。但し、余剰便除去部
材9が緩衝液容器3の開口部を覆う面積はこれに限らず
もっと小さくされてもよい。また、余剰便除去部材9
は、弾性を有するように適宜の厚みの合成樹脂もしくは
金属等により構成されており、かつ貫通孔9aの周囲に
はスリットが形成されている。従って、採便棒6を貫通
孔9aから挿入した際、余剰便除去部材9の貫通孔9a
に臨む周縁部が採便部6aの外表面に当接されることに
なる。よって、採便部6aに付着していた便試料のうち
余剰分の便試料が、該周縁部で除去されることになり、
採便部6で採取された便試料のうち、所定の量の便試料
のみが緩衝液容器3内に挿入されることになる。
【0027】緩衝液容器3の内部には、緩衝液10が貯
留されている。緩衝液10としては、例えばアンモニア
緩衝液、グリシン緩衝液、リン酸緩衝液、トリス緩衝液
などの中性付近の塩溶液が好ましく、特に好ましくは、
pH=6.5〜8.5の範囲の上記緩衝液が挙げられ
る。また、緩衝液量は採取される便試料の量にもよる
が、0.5〜10ml程度とすることが好ましい。
留されている。緩衝液10としては、例えばアンモニア
緩衝液、グリシン緩衝液、リン酸緩衝液、トリス緩衝液
などの中性付近の塩溶液が好ましく、特に好ましくは、
pH=6.5〜8.5の範囲の上記緩衝液が挙げられ
る。また、緩衝液量は採取される便試料の量にもよる
が、0.5〜10ml程度とすることが好ましい。
【0028】蓋体5には、該蓋体5を貫通する断面円形
の判定具導入孔11と、該判定具導入孔11の緩衝液容
器面側に判定具導入孔11を封止する封止材12が設け
られている。封止材12は、判定具4の後述する判定具
本体15の下端部に設けられた封止材開放部15bによ
り突き破られ得るような材料で構成される。このような
材料としては、適宜の膜厚の合成樹脂フイルム、ホット
メルトヒートシールなどが用いられる。判定具導入孔1
1の上部には、判定具4の後述の雄ネジ15aと噛み合
う雌ネジ11aが形成されており、雌ネジ11aの下部
にドーナツ状の弾性パッキング13が固定されている。
弾性パッキング13の内径は、判定具4の判定具本体1
5の外径よりも僅かに小さくされ、判定具本体15を判
定具導入孔11内の所望の位置で固定し得るようにされ
ている。該弾性パッキング13は、例えば、合成ゴム、
弾性を有する合成樹脂フィルムなどが用いられる。
の判定具導入孔11と、該判定具導入孔11の緩衝液容
器面側に判定具導入孔11を封止する封止材12が設け
られている。封止材12は、判定具4の後述する判定具
本体15の下端部に設けられた封止材開放部15bによ
り突き破られ得るような材料で構成される。このような
材料としては、適宜の膜厚の合成樹脂フイルム、ホット
メルトヒートシールなどが用いられる。判定具導入孔1
1の上部には、判定具4の後述の雄ネジ15aと噛み合
う雌ネジ11aが形成されており、雌ネジ11aの下部
にドーナツ状の弾性パッキング13が固定されている。
弾性パッキング13の内径は、判定具4の判定具本体1
5の外径よりも僅かに小さくされ、判定具本体15を判
定具導入孔11内の所望の位置で固定し得るようにされ
ている。該弾性パッキング13は、例えば、合成ゴム、
弾性を有する合成樹脂フィルムなどが用いられる。
【0029】判定具4は、判定具本体15と操作部16
とからなる。判定具本体15は、その外径が前記判定具
導入口11の径よりも僅かに小さくされた、中空の円筒
体からなり、前記操作部16側に雄ネジ15aが形成さ
れ、判定具本体15の下端部には先端が外側に突出した
針状とされた封止材開放部15bが形成されている。判
定具4を形成する材料としては、例えば、比較的固い合
成樹脂や金属などが用いられる。判定具4は、後述のよ
うに、判定具導入口11に挿入され、封止材開放部15
bで封止材12を開放し、その先端近傍が緩衝液容器本
体7内に導入され便溶解液と接触されて使用される。封
止材開放部15bで封止材12を開放する際には、上記
操作部16をつまみとして使用し、判定具4を回転さ
せ、雄ネジ15aを雌ネジ11aに噛み合わせてゆくこ
とにより、封止材開放部15bで封止材12を突き破
る。
とからなる。判定具本体15は、その外径が前記判定具
導入口11の径よりも僅かに小さくされた、中空の円筒
体からなり、前記操作部16側に雄ネジ15aが形成さ
れ、判定具本体15の下端部には先端が外側に突出した
針状とされた封止材開放部15bが形成されている。判
定具4を形成する材料としては、例えば、比較的固い合
成樹脂や金属などが用いられる。判定具4は、後述のよ
うに、判定具導入口11に挿入され、封止材開放部15
bで封止材12を開放し、その先端近傍が緩衝液容器本
体7内に導入され便溶解液と接触されて使用される。封
止材開放部15bで封止材12を開放する際には、上記
操作部16をつまみとして使用し、判定具4を回転さ
せ、雄ネジ15aを雌ネジ11aに噛み合わせてゆくこ
とにより、封止材開放部15bで封止材12を突き破
る。
【0030】判定具本体15の下部の封止材開放部15
b近傍には、試料導入孔17が設けられ、該導入孔17
には分離フィルタ18が設けられている。分離フィルタ
18は、便試料が溶解された緩衝液中の固形分を除去す
るために設けられており、例えば、公知の濾紙、ニトロ
セルロースなどの分離膜またはフィルタ材料により構成
され得る。また、分離フィルタ18は、セルロース系材
料や合成高分子材料からなる多孔質材料により構成され
ていてもよい。
b近傍には、試料導入孔17が設けられ、該導入孔17
には分離フィルタ18が設けられている。分離フィルタ
18は、便試料が溶解された緩衝液中の固形分を除去す
るために設けられており、例えば、公知の濾紙、ニトロ
セルロースなどの分離膜またはフィルタ材料により構成
され得る。また、分離フィルタ18は、セルロース系材
料や合成高分子材料からなる多孔質材料により構成され
ていてもよい。
【0031】判定具本体15内には、便試料中の便潜血
の有無を免疫クロマトグラフィーの原理に基づいて判定
するための展開層19が配設されている。展開層19の
形状は、判定具4を鉛直状態に立てたときに展開層19
の下端部が、前記分離フイルター18を通過して試料導
入孔17から供給される便試料溶解液と接触できるよう
にさえされていれば、特に限定されず、例えば、円柱
状、短冊状などが挙げられる。また、展開層19は判定
具本体15内の側壁に必ずしも固着している必要はな
い。
の有無を免疫クロマトグラフィーの原理に基づいて判定
するための展開層19が配設されている。展開層19の
形状は、判定具4を鉛直状態に立てたときに展開層19
の下端部が、前記分離フイルター18を通過して試料導
入孔17から供給される便試料溶解液と接触できるよう
にさえされていれば、特に限定されず、例えば、円柱
状、短冊状などが挙げられる。また、展開層19は判定
具本体15内の側壁に必ずしも固着している必要はな
い。
【0032】また、判定具本体15の側壁には、展開層
19を部分的に観察することを可能とするために、判定
窓20及び終了窓21が形成されている。終了窓21
は、判定窓20より上方に形成されている。また、判定
窓20及び終了窓21は、それぞれ、透明なフィルムに
より閉成されている。このようなフィルムとしては、ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの適
宜の合成高分子フィルムを用いることができる。
19を部分的に観察することを可能とするために、判定
窓20及び終了窓21が形成されている。終了窓21
は、判定窓20より上方に形成されている。また、判定
窓20及び終了窓21は、それぞれ、透明なフィルムに
より閉成されている。このようなフィルムとしては、ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの適
宜の合成高分子フィルムを用いることができる。
【0033】展開層19は、前述のように、公知の免疫
クロマトグラフィー法を実施するために設けられてお
り、多孔質材料を用いて構成されている。すなわち、開
始端19aに被験物質に対する抗体(以下、第1抗体と
略す)を感作した担体が設置されている。また、第1抗
体感作担体の設置部位から一定距離を隔てた位置に、第
1抗体と異なるエピトープを認識する第2抗体が固定化
されている。
クロマトグラフィー法を実施するために設けられてお
り、多孔質材料を用いて構成されている。すなわち、開
始端19aに被験物質に対する抗体(以下、第1抗体と
略す)を感作した担体が設置されている。また、第1抗
体感作担体の設置部位から一定距離を隔てた位置に、第
1抗体と異なるエピトープを認識する第2抗体が固定化
されている。
【0034】展開層の開始端19aから被験物質含有液
体試料を展開すると、試料が展開層19の上を移動し、
かつ被験物質は第1抗体と抗原抗体反応を起こす。被験
物質−第1抗体感作担体複合体は、展開層をさらに移動
し、第2抗体固定化部位に到達する。その結果、被験物
質と第2抗体との抗原抗体反応により、被験物質−第1
抗体感作担体複合体が上記第2抗体固定化部位にトラッ
プされる。従って、担体が、展開層19と明確なコント
ラストを有する色調を有していれば、担体の存在、すな
わち被験物質の存在を目視により容易に確認することが
できる。
体試料を展開すると、試料が展開層19の上を移動し、
かつ被験物質は第1抗体と抗原抗体反応を起こす。被験
物質−第1抗体感作担体複合体は、展開層をさらに移動
し、第2抗体固定化部位に到達する。その結果、被験物
質と第2抗体との抗原抗体反応により、被験物質−第1
抗体感作担体複合体が上記第2抗体固定化部位にトラッ
プされる。従って、担体が、展開層19と明確なコント
ラストを有する色調を有していれば、担体の存在、すな
わち被験物質の存在を目視により容易に確認することが
できる。
【0035】本実施例では、上記被験物質が便潜血を判
定する指標であるヒトヘモグロビンであり、被験物質含
有液体試料は、上述した便溶解液である。なお、展開層
19を構成する材料としては、例えば、ニトロセルロー
ス、酢酸セルロースなどのセルロース系材料、ナイロ
ン、フッ化エチレン樹脂、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル樹脂などの合成高分子系材料などの従来よりメンブ
ランフィルタ材料として用いられている種々の材料を用
いることができる。
定する指標であるヒトヘモグロビンであり、被験物質含
有液体試料は、上述した便溶解液である。なお、展開層
19を構成する材料としては、例えば、ニトロセルロー
ス、酢酸セルロースなどのセルロース系材料、ナイロ
ン、フッ化エチレン樹脂、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル樹脂などの合成高分子系材料などの従来よりメンブ
ランフィルタ材料として用いられている種々の材料を用
いることができる。
【0036】また、展開層19は、担体の色調と明確な
コントラストを発揮する機能を有することが必要であ
る。従って、展開層19が黒色系である場合には、白色
の担体が、展開層19が白色系である場合には、着色担
体を用いることが好ましい。また、上記担体としてもっ
とも好ましいものはラテックス粒子であるが、ラテック
ス粒子は通常白色であるため、背景が白色の場合には、
例えば、(1)スチレン、ビニルトルエン等を乳化重合
して得られたラテックス粒子を、水及び水と相溶性を有
する有機溶媒とを含む反応媒体中で、該反応媒体中に溶
解された水難溶性着色剤と接触させて着色する方法や、
(2)乳化重合により得られかつアニオン性官能基を有
するラテックス粒子、例えば、(メタ)アクリル酸等の
アニオン性官能基を有するモノマーを含む共重合体より
なるラテックス粒子を、水系反応媒体中において、該反
応媒体中に溶解された両性電解質である着色剤と接触さ
せて着色する方法等により得られる着色ラテックス粒子
を用いることが好ましい。
コントラストを発揮する機能を有することが必要であ
る。従って、展開層19が黒色系である場合には、白色
の担体が、展開層19が白色系である場合には、着色担
体を用いることが好ましい。また、上記担体としてもっ
とも好ましいものはラテックス粒子であるが、ラテック
ス粒子は通常白色であるため、背景が白色の場合には、
例えば、(1)スチレン、ビニルトルエン等を乳化重合
して得られたラテックス粒子を、水及び水と相溶性を有
する有機溶媒とを含む反応媒体中で、該反応媒体中に溶
解された水難溶性着色剤と接触させて着色する方法や、
(2)乳化重合により得られかつアニオン性官能基を有
するラテックス粒子、例えば、(メタ)アクリル酸等の
アニオン性官能基を有するモノマーを含む共重合体より
なるラテックス粒子を、水系反応媒体中において、該反
応媒体中に溶解された両性電解質である着色剤と接触さ
せて着色する方法等により得られる着色ラテックス粒子
を用いることが好ましい。
【0037】本発明に用いられる抗ヒトHb抗体(第1
抗体)は、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、モルモット等
にヒトHbを免疫して得られた抗血清を、アフィニティ
クロマトグラフィー等により精製することにより得られ
る。また免疫したマウス脾臓細胞を用いた公知の細胞融
合法により、モノクローナル抗体を製造することも可能
である。いずれにせよ用いられる抗ヒトHb抗体は充分
精製されたものであることが望ましい。
抗体)は、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、モルモット等
にヒトHbを免疫して得られた抗血清を、アフィニティ
クロマトグラフィー等により精製することにより得られ
る。また免疫したマウス脾臓細胞を用いた公知の細胞融
合法により、モノクローナル抗体を製造することも可能
である。いずれにせよ用いられる抗ヒトHb抗体は充分
精製されたものであることが望ましい。
【0038】抗ヒトHb抗体の担体への感作方法は、物
理吸着法または化学結合法など公知の手法により行うこ
とができる。例えばラテックスに抗ヒトHb抗体の緩衝
液溶液を添加し、30〜120分間攪拌しながら37℃
に加温することにより,抗体をラテックス表面に物理的
に吸着させることができる。またカルボキシル基を有す
るラテックスを用いれば、水溶性カルボジイミド等を介
して、共有結合で抗体をラテックスに結合させることも
できる。必要に応じてウシ血清アルブミン(以下、「B
SA」と記す。)等を添加してもよい。
理吸着法または化学結合法など公知の手法により行うこ
とができる。例えばラテックスに抗ヒトHb抗体の緩衝
液溶液を添加し、30〜120分間攪拌しながら37℃
に加温することにより,抗体をラテックス表面に物理的
に吸着させることができる。またカルボキシル基を有す
るラテックスを用いれば、水溶性カルボジイミド等を介
して、共有結合で抗体をラテックスに結合させることも
できる。必要に応じてウシ血清アルブミン(以下、「B
SA」と記す。)等を添加してもよい。
【0039】得られた第1抗体感作担体の展開層19上
への設置は、例えば該抗体感作担体の0.01〜10重
量%分散液を0.05〜1ml程度の量を所定の位置に
滴下し、室温にて12時間以上乾燥させることにより行
い得る。
への設置は、例えば該抗体感作担体の0.01〜10重
量%分散液を0.05〜1ml程度の量を所定の位置に
滴下し、室温にて12時間以上乾燥させることにより行
い得る。
【0040】さらに展開層19上において、判定窓20
により観察される部位19bに、第2抗体が固定化され
ている。第2抗体としては、第1抗体と認識するエピト
ープの異なる抗ヒトヘモグロビン抗体が用いられ得る。
固定化法としては、1〜5mg/mlの第2抗体0.1
〜10μlを所定の位置に滴下し、室温で12時間以上
放置し、さらに必要に応じBSA等を同位置に滴下して
乾燥させる方法が例示される。
により観察される部位19bに、第2抗体が固定化され
ている。第2抗体としては、第1抗体と認識するエピト
ープの異なる抗ヒトヘモグロビン抗体が用いられ得る。
固定化法としては、1〜5mg/mlの第2抗体0.1
〜10μlを所定の位置に滴下し、室温で12時間以上
放置し、さらに必要に応じBSA等を同位置に滴下して
乾燥させる方法が例示される。
【0041】なお、本実施例の便潜血判定装置におい
て、上述した採便器具2は、全体が合成樹脂材料で構成
されていたが、金属などの他の材料で構成されていても
よい。また、緩衝液容器3の内容量は特に制限されるも
のではないが、1〜10ml程度とすることが、装置の
小型化の点で望ましい。
て、上述した採便器具2は、全体が合成樹脂材料で構成
されていたが、金属などの他の材料で構成されていても
よい。また、緩衝液容器3の内容量は特に制限されるも
のではないが、1〜10ml程度とすることが、装置の
小型化の点で望ましい。
【0042】また、緩衝液容器3は、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、または塩化ビニル樹脂等の合成樹脂によ
り構成することができるが、金属などの他の材料で構成
されていてもよい。
リプロピレン、または塩化ビニル樹脂等の合成樹脂によ
り構成することができるが、金属などの他の材料で構成
されていてもよい。
【0043】次に、図1に示した便潜血判定装置の使用
方法を、図1及び図2を参照して説明する。なお、図2
は、便潜血判定装置の使用方法を説明するために、その
要部のみを模式的に示した図であり、例えば、本来、外
部から見えない部分も実線で示しており、製図法に従っ
て描かれた図面ではない。
方法を、図1及び図2を参照して説明する。なお、図2
は、便潜血判定装置の使用方法を説明するために、その
要部のみを模式的に示した図であり、例えば、本来、外
部から見えない部分も実線で示しており、製図法に従っ
て描かれた図面ではない。
【0044】まず、図1に示したように組み立てられて
いる便潜血判定装置1において、採便器具2を緩衝液容
器3から取り外す。次に、採便器具2の採便棒6を便試
料Aに突き刺し、引き抜くことにより、採便部6aに便
試料を採取する(図2(a)参照)。
いる便潜血判定装置1において、採便器具2を緩衝液容
器3から取り外す。次に、採便器具2の採便棒6を便試
料Aに突き刺し、引き抜くことにより、採便部6aに便
試料を採取する(図2(a)参照)。
【0045】次に、便試料を採取した後、採便器具2を
再度緩衝液容器3に取り付ける(図2(b)参照)。こ
の取付けに際し、図1に示されている余剰便除去部材9
により、余分な量の便試料が除去され、所定量の便試料
が採便部6aに保持された状態で緩衝液10内に浸漬さ
れる。また、蓋体5の雌ねじ5aを緩衝液容器3の雄ネ
ジ8aに噛み合わせることにより、緩衝液10の外部へ
の漏洩が防止される。この状態において、図2(b)に
矢印で示すように便潜血判定装置1全体を旋回させる。
旋回により、採便部6aに保持されていた便試料が緩衝
液10に溶解される。しかる後、図2(c)に示すよう
に、判定具4を判定具導入孔11に挿入し、操作部16
をつまみとして使用し、判定具4を回転させ、雄ネジ1
5aを雌ネジ11aに噛み合わせてゆくことにより、封
止材開放部15bで封止材12を突き破り、さらに判定
具4を下降させ試料導入孔17を緩衝液10内に突っ込
む。
再度緩衝液容器3に取り付ける(図2(b)参照)。こ
の取付けに際し、図1に示されている余剰便除去部材9
により、余分な量の便試料が除去され、所定量の便試料
が採便部6aに保持された状態で緩衝液10内に浸漬さ
れる。また、蓋体5の雌ねじ5aを緩衝液容器3の雄ネ
ジ8aに噛み合わせることにより、緩衝液10の外部へ
の漏洩が防止される。この状態において、図2(b)に
矢印で示すように便潜血判定装置1全体を旋回させる。
旋回により、採便部6aに保持されていた便試料が緩衝
液10に溶解される。しかる後、図2(c)に示すよう
に、判定具4を判定具導入孔11に挿入し、操作部16
をつまみとして使用し、判定具4を回転させ、雄ネジ1
5aを雌ネジ11aに噛み合わせてゆくことにより、封
止材開放部15bで封止材12を突き破り、さらに判定
具4を下降させ試料導入孔17を緩衝液10内に突っ込
む。
【0046】しかる後、便試料溶解液中の固形分が、試
料導入孔17の分離フィルタ18で除去され、固形分が
除去された便試料溶解液が展開層19の開始端19aに
供給される。
料導入孔17の分離フィルタ18で除去され、固形分が
除去された便試料溶解液が展開層19の開始端19aに
供給される。
【0047】次に、図2(d)に示すように、判定具4
を判定具導入孔11中を引き上げ、所望の任意の位置
で、前記弾性パッキング13によって止める。展開層1
9内においては免疫クロマトグラフィーが開始され、便
試料が溶解された緩衝液が毛細管現象により展開層19
上を拡散し、第1抗体感作担体を伴って終了窓21側に
向かって移動する。このとき、便試料が溶解された緩衝
液中にヒトヘモグロビンが含まれている場合には、担体
上の第1抗体との間で抗原抗体反応が起こる。そして、
第2抗体が位置する部位では、ヒトヘモグロビン吸着担
体のみが第2抗体と抗原抗体反応を起こし、トラップさ
れる(サンドイッチ法)。他方、便試料が溶解された緩
衝液中にヒトヘモグロビンが含まれていなかった場合に
は、第1抗体感作担体が第2抗体にトラップされない。
すなわち、第1抗体感作担体は緩衝液に伴われて展開層
19の終了窓21に臨む部分にすべて移動する。従っ
て、判定窓20から観察した場合、便試料溶解液中にヒ
トヘモグロビンが含まれている場合には担体の色調が観
察されることになり(陽性)、含まれていなかった場合
には展開層19の色が観察されるだけとなる(陰性)。
従って、判定窓20から目で観察することにより、容易
に便潜血の有無を判定することができる。
を判定具導入孔11中を引き上げ、所望の任意の位置
で、前記弾性パッキング13によって止める。展開層1
9内においては免疫クロマトグラフィーが開始され、便
試料が溶解された緩衝液が毛細管現象により展開層19
上を拡散し、第1抗体感作担体を伴って終了窓21側に
向かって移動する。このとき、便試料が溶解された緩衝
液中にヒトヘモグロビンが含まれている場合には、担体
上の第1抗体との間で抗原抗体反応が起こる。そして、
第2抗体が位置する部位では、ヒトヘモグロビン吸着担
体のみが第2抗体と抗原抗体反応を起こし、トラップさ
れる(サンドイッチ法)。他方、便試料が溶解された緩
衝液中にヒトヘモグロビンが含まれていなかった場合に
は、第1抗体感作担体が第2抗体にトラップされない。
すなわち、第1抗体感作担体は緩衝液に伴われて展開層
19の終了窓21に臨む部分にすべて移動する。従っ
て、判定窓20から観察した場合、便試料溶解液中にヒ
トヘモグロビンが含まれている場合には担体の色調が観
察されることになり(陽性)、含まれていなかった場合
には展開層19の色が観察されるだけとなる(陰性)。
従って、判定窓20から目で観察することにより、容易
に便潜血の有無を判定することができる。
【0048】なお、判定窓20は、上記の判定を明瞭に
観察し得る位置に設置されておりさえすればよく、その
形状や大きさは特に制限されるものではない。判定の終
了は、終了窓21から展開層19を観察し、緩衝液がこ
の部分の展開層に達したことを確認することにより行わ
れる。
観察し得る位置に設置されておりさえすればよく、その
形状や大きさは特に制限されるものではない。判定の終
了は、終了窓21から展開層19を観察し、緩衝液がこ
の部分の展開層に達したことを確認することにより行わ
れる。
【0049】判定終了後は、図2(e)に示すように、
判定具4を判定具導入孔11に十分に差し込み、雌ネジ
11aと雄ネジ15aを噛み合わせて、便試料溶解液が
便潜血判定装置1の外部に洩れ出ないようにして廃棄処
理に付される。
判定具4を判定具導入孔11に十分に差し込み、雌ネジ
11aと雄ネジ15aを噛み合わせて、便試料溶解液が
便潜血判定装置1の外部に洩れ出ないようにして廃棄処
理に付される。
【0050】第2の実施例
図3は、請求項2に記載の発明に係る実施例の便潜血判
定装置を説明するための縦断面図である。但し、図3中
の判定具24については、正面図を示している。
定装置を説明するための縦断面図である。但し、図3中
の判定具24については、正面図を示している。
【0051】便潜血判定装置31は、採便器具22と緩
衝液容器23と判定具24により構成されている。使用
前には、図3に示すように採便器具22が緩衝液容器2
3に取り付けられている。以下、各部材の詳細を説明す
る。
衝液容器23と判定具24により構成されている。使用
前には、図3に示すように採便器具22が緩衝液容器2
3に取り付けられている。以下、各部材の詳細を説明す
る。
【0052】採便器具22については、以下詳述する連
通部材が取り付けられていること、判定具導入孔に雌ネ
ジが形成されず弾性パッキングも存在しないこと、封止
具の形状及び採便部の形状などの点において第1の実施
例の採便器具2と異なることを除いては、第1の実施例
の採便器具2と同様に構成されている。従って、同一部
分については、同一の参照番号を付することにより、そ
の説明は省略する。
通部材が取り付けられていること、判定具導入孔に雌ネ
ジが形成されず弾性パッキングも存在しないこと、封止
具の形状及び採便部の形状などの点において第1の実施
例の採便器具2と異なることを除いては、第1の実施例
の採便器具2と同様に構成されている。従って、同一部
分については、同一の参照番号を付することにより、そ
の説明は省略する。
【0053】また、緩衝液容器23については、上記の
実施例で示した緩衝液容器3と同様に構成されている。
従って、緩衝液容器23については、各部分を第1の実
施例の緩衝液容器3の各部分と同じ参照番号を付するこ
とにより、その説明は省略する。
実施例で示した緩衝液容器3と同様に構成されている。
従って、緩衝液容器23については、各部分を第1の実
施例の緩衝液容器3の各部分と同じ参照番号を付するこ
とにより、その説明は省略する。
【0054】また、判定具24については、以下詳述す
る操作部の形状、封止材開放部の形状及び雄ネジを有さ
ないことを除いては、第1の実施例の判定具4と同様に
構成されている。従って、同一部分については、同一の
参照番号を付することにより、その説明は省略する。
る操作部の形状、封止材開放部の形状及び雄ネジを有さ
ないことを除いては、第1の実施例の判定具4と同様に
構成されている。従って、同一部分については、同一の
参照番号を付することにより、その説明は省略する。
【0055】本実施例では、採便器具22の採便部6a
は、第1の実施例のものとは異なり、図3に示すような
形状のくぼみが設けられたものである。採便部6aに付
着していた便試料のうち余剰分の便試料は、第1の実施
例と同様に、余剰便除去部材9の貫通孔9aに臨む周縁
部で除去され、採便部6aで採取された便試料のうち、
所定の量の便試料のみが緩衝液容器23内に挿入される
ことになる。
は、第1の実施例のものとは異なり、図3に示すような
形状のくぼみが設けられたものである。採便部6aに付
着していた便試料のうち余剰分の便試料は、第1の実施
例と同様に、余剰便除去部材9の貫通孔9aに臨む周縁
部で除去され、採便部6aで採取された便試料のうち、
所定の量の便試料のみが緩衝液容器23内に挿入される
ことになる。
【0056】蓋体5には、該蓋体5を貫通する断面円形
の判定具導入孔11と、該判定具導入孔11の緩衝液容
器面側に判定具導入孔11を封止する封止材12が設け
られている。封止材12は、第1の実施例のものとは異
なり、判定具導入孔11を閉塞する栓体である。この栓
体は、判定具24の判定具本体15の下端部に設けられ
た封止材開放部15bにより押圧された際に、下方に落
下するように構成されている。
の判定具導入孔11と、該判定具導入孔11の緩衝液容
器面側に判定具導入孔11を封止する封止材12が設け
られている。封止材12は、第1の実施例のものとは異
なり、判定具導入孔11を閉塞する栓体である。この栓
体は、判定具24の判定具本体15の下端部に設けられ
た封止材開放部15bにより押圧された際に、下方に落
下するように構成されている。
【0057】蓋体5の側面から内部に向かって連通部材
導入穴25が形成されている。該連通部材導入穴25
は、円筒体状の穴でありその穴の内部のほぼ中央部の位
置において、前記判定具導入孔11と交差している。該
連通部材導入穴25には、連通部材26が嵌入されてい
る。連通部材26は、判定具導入孔11を封止材12の
方向に開いた状態と閉じた状態とをとり得るように構成
されている。すなわち、連通部材26は操作部27と円
柱状の棒状体28とからなり、棒状体28の長手方向の
ほぼ中央部に判定具24の判定具本体15が挿入可能な
孔28aが開けられており、棒状体28が連通部材導入
穴25の奥側に押圧されると、判定具導入孔11と孔2
8aが連通され、判定具導入孔11が封止材12の方向
に開いた状態とされ、棒状体28が連通部材導入穴25
の奥の方から手前の方に引かれると、判定具導入孔11
と孔28aの連通が遮断され、判定具導入孔11が封止
材12の方向に閉じた状態とされる。
導入穴25が形成されている。該連通部材導入穴25
は、円筒体状の穴でありその穴の内部のほぼ中央部の位
置において、前記判定具導入孔11と交差している。該
連通部材導入穴25には、連通部材26が嵌入されてい
る。連通部材26は、判定具導入孔11を封止材12の
方向に開いた状態と閉じた状態とをとり得るように構成
されている。すなわち、連通部材26は操作部27と円
柱状の棒状体28とからなり、棒状体28の長手方向の
ほぼ中央部に判定具24の判定具本体15が挿入可能な
孔28aが開けられており、棒状体28が連通部材導入
穴25の奥側に押圧されると、判定具導入孔11と孔2
8aが連通され、判定具導入孔11が封止材12の方向
に開いた状態とされ、棒状体28が連通部材導入穴25
の奥の方から手前の方に引かれると、判定具導入孔11
と孔28aの連通が遮断され、判定具導入孔11が封止
材12の方向に閉じた状態とされる。
【0058】前記棒状体28は、例えば、ゴム等の材料
で構成され、連通部材26が奥側に押圧されて、判定具
導入孔11が封止材12の方向に開いた状態とされた際
に、連通部材導入穴25が棒状体28の基部28bで密
栓されるように構成されている。なお、連通部材導入穴
25の形状は円筒体状、棒状体28の形状は円柱状に限
定されるわけでなく、連通部材26によって、判定具導
入孔11を封止材12の方向に開いた状態と、閉じた状
態とをとり得るようにさえ構成できれば、どのような形
状でもよく、例えば、連通部材導入穴25及び棒状体2
8の形状をそれぞれ断面角状としてもよい。また、必要
に応じて、判定具導入孔11を封止材12の方向に閉じ
た状態に保持するために、操作部27と蓋体5の間に取
り外し自在のストッパー29を挿入しておいてもよい。
ストッパー29としては、例えば、一部に切れ目を有す
るゴム製のリングが挙げられる。
で構成され、連通部材26が奥側に押圧されて、判定具
導入孔11が封止材12の方向に開いた状態とされた際
に、連通部材導入穴25が棒状体28の基部28bで密
栓されるように構成されている。なお、連通部材導入穴
25の形状は円筒体状、棒状体28の形状は円柱状に限
定されるわけでなく、連通部材26によって、判定具導
入孔11を封止材12の方向に開いた状態と、閉じた状
態とをとり得るようにさえ構成できれば、どのような形
状でもよく、例えば、連通部材導入穴25及び棒状体2
8の形状をそれぞれ断面角状としてもよい。また、必要
に応じて、判定具導入孔11を封止材12の方向に閉じ
た状態に保持するために、操作部27と蓋体5の間に取
り外し自在のストッパー29を挿入しておいてもよい。
ストッパー29としては、例えば、一部に切れ目を有す
るゴム製のリングが挙げられる。
【0059】
【0060】判定具24の操作部16は径が判定具導入
孔の径よりも大きい球状体とされ、操作部16と判定具
本体15の間は縮径されており、判定終了後、この縮径
部を手で折ることにより判定具本体15を緩衝液容器2
3内に落下させ得るようにされている。
孔の径よりも大きい球状体とされ、操作部16と判定具
本体15の間は縮径されており、判定終了後、この縮径
部を手で折ることにより判定具本体15を緩衝液容器2
3内に落下させ得るようにされている。
【0061】判定具本体15の下端部には先端が外側に
突出した形状とされた封止材開放部15bが形成されて
いる。判定具本体15および操作部16を形成する材料
としては、例えば、比較的固い合成樹脂や金属などが用
いられる。判定具24は、判定具導入孔11に挿入さ
れ、連通部材26によって、判定具導入孔11が封止材
12の方向に開いた状態とされた後、外部から力を加え
られることにより封止材開放部15bで封止材12を押
圧し、封止材12を緩衝液容器本体7内に落下せしめた
後、判定具24の先端近傍が緩衝液容器本体7内に導入
され便溶解液と接触されて使用される。
突出した形状とされた封止材開放部15bが形成されて
いる。判定具本体15および操作部16を形成する材料
としては、例えば、比較的固い合成樹脂や金属などが用
いられる。判定具24は、判定具導入孔11に挿入さ
れ、連通部材26によって、判定具導入孔11が封止材
12の方向に開いた状態とされた後、外部から力を加え
られることにより封止材開放部15bで封止材12を押
圧し、封止材12を緩衝液容器本体7内に落下せしめた
後、判定具24の先端近傍が緩衝液容器本体7内に導入
され便溶解液と接触されて使用される。
【0062】判定具本体15の下部の封止材開放部15
b近傍には、試料導入孔17が設けられ、該導入孔17
には分離フィルタ18が設けられていること、及び判定
具本体15内には、第一の実施例と同様の構成の展開層
19が存在していることは、第一の実施例と同様である
ので、第一の実施例と同様にして便潜血の判定が行われ
る。
b近傍には、試料導入孔17が設けられ、該導入孔17
には分離フィルタ18が設けられていること、及び判定
具本体15内には、第一の実施例と同様の構成の展開層
19が存在していることは、第一の実施例と同様である
ので、第一の実施例と同様にして便潜血の判定が行われ
る。
【0063】次に、図3に示した便潜血判定装置の使用
方法を、図3及び図4を参照して説明する。なお、図4
は、便潜血判定装置の使用方法を説明するために、その
要部のみを模式的に示した図であり、例えば、本来、外
部から見えない部分も実線で示しており、製図法に従っ
て描かれた図面ではない。
方法を、図3及び図4を参照して説明する。なお、図4
は、便潜血判定装置の使用方法を説明するために、その
要部のみを模式的に示した図であり、例えば、本来、外
部から見えない部分も実線で示しており、製図法に従っ
て描かれた図面ではない。
【0064】まず、図3に示したように組み立てられて
いる便潜血判定装置31において、採便器具22を緩衝
液容器23から取り外す。次に、採便器具22の採便棒
6を便試料Aに突き刺し、引き抜くことにより、採便部
6aに便試料を採取する(図4(a)参照)。
いる便潜血判定装置31において、採便器具22を緩衝
液容器23から取り外す。次に、採便器具22の採便棒
6を便試料Aに突き刺し、引き抜くことにより、採便部
6aに便試料を採取する(図4(a)参照)。
【0065】次に、便試料を採取した後、採便器具22
を再度緩衝液容器23に取り付ける(図4(b)参
照)。この取付けに際し、図3に示されている余剰便除
去部材9により、余分な量の便試料が除去され、所定量
の便試料が採便部6aに保持された状態で緩衝液10内
に浸漬される。また、蓋体5の雌ねじ5aを緩衝液容器
23の雄ネジ8aに噛み合わせることにより、緩衝液1
0の外部への漏洩が防止される。この状態において、図
4(b)に矢印で示すように便潜血判定装置31全体を
旋回させる。旋回により、採便部6aに保持されていた
便試料が緩衝液10に溶解される。しかる後、図4
(c)に示すように、連通部材26を奥に押し込み判定
具導入孔11と孔28aを連通し、判定具導入孔11が
封止材12の方向に開いた状態とする。
を再度緩衝液容器23に取り付ける(図4(b)参
照)。この取付けに際し、図3に示されている余剰便除
去部材9により、余分な量の便試料が除去され、所定量
の便試料が採便部6aに保持された状態で緩衝液10内
に浸漬される。また、蓋体5の雌ねじ5aを緩衝液容器
23の雄ネジ8aに噛み合わせることにより、緩衝液1
0の外部への漏洩が防止される。この状態において、図
4(b)に矢印で示すように便潜血判定装置31全体を
旋回させる。旋回により、採便部6aに保持されていた
便試料が緩衝液10に溶解される。しかる後、図4
(c)に示すように、連通部材26を奥に押し込み判定
具導入孔11と孔28aを連通し、判定具導入孔11が
封止材12の方向に開いた状態とする。
【0066】次に、図4(d)に示すように、判定具2
4を判定具導入孔11に挿入し、矢印Bで示すように押
圧し、封止材開放部15bの先端により封止材(栓体)
12を押して、封止材(栓体)12を緩衝液10中に落
下せしめた後、判定具24を更に下降させ試料導入孔1
7を緩衝液10内に突っ込む。しかる後、便試料溶解液
中の固形分が、試料導入孔17の分離フィルタ18で除
去され、固形分が除去された便試料溶解液が展開層19
の開始端19aに供給される。
4を判定具導入孔11に挿入し、矢印Bで示すように押
圧し、封止材開放部15bの先端により封止材(栓体)
12を押して、封止材(栓体)12を緩衝液10中に落
下せしめた後、判定具24を更に下降させ試料導入孔1
7を緩衝液10内に突っ込む。しかる後、便試料溶解液
中の固形分が、試料導入孔17の分離フィルタ18で除
去され、固形分が除去された便試料溶解液が展開層19
の開始端19aに供給される。
【0067】次に、図4(e)に示すように、判定具2
4を判定具導入孔11中を引き上げ、同時に、連通部材
26を奥の方から手前の方に引き、判定具導入孔11と
孔28aの連通を遮断し、連通部材26の棒状体28の
上に判定具24の判定具本体15を載せる。
4を判定具導入孔11中を引き上げ、同時に、連通部材
26を奥の方から手前の方に引き、判定具導入孔11と
孔28aの連通を遮断し、連通部材26の棒状体28の
上に判定具24の判定具本体15を載せる。
【0068】そして、展開層19内においては、第一の
実施例と同様にして免疫クロマトグラフィーが行われ、
便試料溶解液中のヒトヘモグロビンの有無が判定され
る。
実施例と同様にして免疫クロマトグラフィーが行われ、
便試料溶解液中のヒトヘモグロビンの有無が判定され
る。
【0069】判定終了後は、判定具24の操作部16と
判定具本体15の間の縮径部を手で折り、図4(f)に
示すように、連通部材26を奥に押し込み判定具導入孔
11と孔28aとを連通させ、判定具本体15を緩衝液
容器23内に落下させる。
判定具本体15の間の縮径部を手で折り、図4(f)に
示すように、連通部材26を奥に押し込み判定具導入孔
11と孔28aとを連通させ、判定具本体15を緩衝液
容器23内に落下させる。
【0070】その後、連通部材26を奥の方から手前の
方に引き、判定具導入孔11と孔28aの連通を遮断す
る。次いで、連通部材26の操作部27と蓋体5の間に
ストッパー29を挿入して、判定具導入孔11と孔28
aの連通がより確実に遮断されるようにし、便試料溶解
液が便潜血判定装置31の外部に洩れ出ないようにして
廃棄処理に付す。
方に引き、判定具導入孔11と孔28aの連通を遮断す
る。次いで、連通部材26の操作部27と蓋体5の間に
ストッパー29を挿入して、判定具導入孔11と孔28
aの連通がより確実に遮断されるようにし、便試料溶解
液が便潜血判定装置31の外部に洩れ出ないようにして
廃棄処理に付す。
【0071】
【発明の効果】以上のように、請求項1,2に記載の発
明では、採便器具の採便棒に便試料を採取した後、採便
棒を緩衝液容器内に挿入し、採便器具を緩衝液容器に取
り付けた後、便潜血判定装置全体を旋回もしくは振動
し、便試料を緩衝液に溶解させ、しかる後、判定具を外
部から操作して便試料溶解液に接触させることにより、
便試料が溶解され固形分を含まない緩衝液を判定具の展
開層内に導入する一連の操作を行うだけで、免疫クロマ
トグラフィーに基づいて便潜血の有無が判定され、しか
も、便潜血の有無は、判定窓を通して外部から容易に観
察することができる。
明では、採便器具の採便棒に便試料を採取した後、採便
棒を緩衝液容器内に挿入し、採便器具を緩衝液容器に取
り付けた後、便潜血判定装置全体を旋回もしくは振動
し、便試料を緩衝液に溶解させ、しかる後、判定具を外
部から操作して便試料溶解液に接触させることにより、
便試料が溶解され固形分を含まない緩衝液を判定具の展
開層内に導入する一連の操作を行うだけで、免疫クロマ
トグラフィーに基づいて便潜血の有無が判定され、しか
も、便潜血の有無は、判定窓を通して外部から容易に観
察することができる。
【0072】よって、請求項1,2に記載の発明によれ
ば、極めて簡単な操作で、かつさほどの熟練を要するこ
となく、便潜血の有無を確実に判定することが可能とな
る。
ば、極めて簡単な操作で、かつさほどの熟練を要するこ
となく、便潜血の有無を確実に判定することが可能とな
る。
【0073】請求項2に記載の発明では、更に、連通部
材によって判定具導入孔を開いた状態と、閉じた状態と
をとり得るようにされるので、使用時の各操作がより確
実に行える。
材によって判定具導入孔を開いた状態と、閉じた状態と
をとり得るようにされるので、使用時の各操作がより確
実に行える。
【図1】第1の実施例の便潜血判定装置の縦断面図。但
し、判定具4については、正面図である。
し、判定具4については、正面図である。
【図2】(a)〜(e)は、第1の実施例の便潜血判定
装置の使用方法を説明するために、要部のみを模式的に
示した説明図である。
装置の使用方法を説明するために、要部のみを模式的に
示した説明図である。
【図3】第2の実施例の便潜血判定装置の縦断面図。但
し、判定具24については、正面図である。
し、判定具24については、正面図である。
【図4】(a)〜(f)は、第2の実施例の便潜血判定
装置の使用方法を説明するために、要部のみを模式的に
示した説明図である。
装置の使用方法を説明するために、要部のみを模式的に
示した説明図である。
1、31 便潜血判定装置
2、22 採便器具
3、23 緩衝液容器
4、24 判定具
5 蓋体
6 採便棒
7 容器本体
10 緩衝液
11 判定具導入孔
12 封止材
15b 封止材開放部
17 試料導入孔
18 分離フィルタ
19 展開層
19a 開始端(抗ヘモグロビン抗体感作担体設置部
位) 19b 抗ヘモグロビン抗体固定化部位 20 判定窓 21 終了窓 26 連通部材 28 棒状体 28a 孔 29 ストッパー
位) 19b 抗ヘモグロビン抗体固定化部位 20 判定窓 21 終了窓 26 連通部材 28 棒状体 28a 孔 29 ストッパー
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G01N 33/53
G01N 33/50
G01N 33/543
Claims (2)
- 【請求項1】 緩衝液が収納された緩衝液容器と、 前記緩衝液容器を閉成するように該緩衝液容器に取り付
けられる蓋体及び前記蓋体に連結された採便棒を有する
採便器具とからなり、 前記蓋体に、該蓋体を貫通する判定具導入孔と、前記判
定具導入孔の緩衝液容器面側に封止材とが設けられ、 更に、前記蓋体に取り付け自在に設けられ、前記封止材
を開放し得るように構成された判定具を備えた便潜血判
定装置であって、 前記判定具は、該判定具によって前記封止材が開放され
ることにより流入してきた便試料が溶解された緩衝液中
の固形分を除去するために、分離フィルタと、 前記分離フィルタで固形分が除去された便試料溶解液が
供給されるように配置されており、かつ抗ヘモグロビン
抗体感作担体が設置されておりかつ抗ヘモグロビン抗体
が固定化された展開層とを有し、 前記判定具の外表面から便潜血の有無及び判定の終了を
観察するために、判定具本体の側壁には展開層を部分的
に観察し得るように、判定窓及び終了窓が形成されてい
ることを特徴とする便潜血判定装置。 - 【請求項2】 更に、前記蓋体の側面から内部に向かっ
て、該蓋体の判定具導入孔を開いた状態と閉じた状態と
をとり得るように構成された連通部材が取り付けられた
ことを特徴とする請求項1記載の便潜血判定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22630895A JP3519831B2 (ja) | 1995-09-04 | 1995-09-04 | 便潜血判定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22630895A JP3519831B2 (ja) | 1995-09-04 | 1995-09-04 | 便潜血判定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0972903A JPH0972903A (ja) | 1997-03-18 |
JP3519831B2 true JP3519831B2 (ja) | 2004-04-19 |
Family
ID=16843175
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22630895A Expired - Fee Related JP3519831B2 (ja) | 1995-09-04 | 1995-09-04 | 便潜血判定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3519831B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002055994A1 (fr) * | 2001-01-16 | 2002-07-18 | International Reagents Corporation | Dispositif et procede d'echantillonnage de matieres fecales |
JP2007187650A (ja) * | 2005-12-16 | 2007-07-26 | Horiba Ltd | 免疫測定法を用いたフィプロニルの測定キット |
JP6213109B2 (ja) * | 2013-07-09 | 2017-10-18 | ニプロ株式会社 | 感染症検査用キット |
JPWO2017051448A1 (ja) * | 2015-09-24 | 2018-07-26 | オリンパス株式会社 | 生検試料容器 |
-
1995
- 1995-09-04 JP JP22630895A patent/JP3519831B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0972903A (ja) | 1997-03-18 |
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