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JP3510249B2 - C型肝炎ウイルスに特異的な細胞障害性t細胞を刺激するためのペプチド - Google Patents

C型肝炎ウイルスに特異的な細胞障害性t細胞を刺激するためのペプチド

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JP3510249B2
JP3510249B2 JP50165694A JP50165694A JP3510249B2 JP 3510249 B2 JP3510249 B2 JP 3510249B2 JP 50165694 A JP50165694 A JP 50165694A JP 50165694 A JP50165694 A JP 50165694A JP 3510249 B2 JP3510249 B2 JP 3510249B2
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peptide
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hcv
peptides
ctl
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睦訓 白井
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 C型肝炎ウイルス(HCV)は、非経口的に伝播する非
A非B(NANB)型肝炎の最近認識された原因物質であ
る。実験的に感染させたチンパンジーの血漿からウイル
スのRNAゲノムを分子クローニングした(明細書末尾の
番号付き文献リストの文献番号8を参照されたい)。ゲ
ノムの配列の分析によれば、このゲノムは長さ約9500ヌ
クレオチドの一本鎖のプラスセンスRNAであることが判
明した。3011個のアミノ酸残基から成るポリタンパク質
をコードする9033ヌクレオチドの長い単一読み取り枠が
知見された。これらのゲノムの特徴及び配列比較と大き
さ及び脂質溶媒に対する不安定性に関する知識との総合
的な考察から、ウイルスがフラビウイルス科(6,22)の
一員である可能性が示唆された。しかしながら、このウ
イルスは典型的なフラビウイルスよりもペスチウイルス
属のほうに近縁であるとも考えられる(27,60)。
ゲノムと予測されたポリタンパク質との配列類似性、
並びにポリタンパク質の疎水性プロフィール及び酸性/
塩基性アミノ酸含量などのいくつかの特徴に基づいて考
察すると、HCVのタンパク質はフラビウイルスに関して
決定されたゲノムの普遍領域と同じ領域にコードされて
いると推測される。フラビウイルス及び近縁ペスチウイ
ルスにおいては、ポリタンパク質のアミノ末端の約1/3
がウイルスの構造タンパク質を構成している。これら
は、“C"と呼ばれる高塩基性ヌクレオキャプシドタンパ
ク質と、“M"と呼ばれるエンベロープ関連糖タンパク質
と、第二のエンベロープ糖タンパク質“E"とから成る。
非構造タンパク質はNS1〜NS5と命名されているが、NS3
とNS5との機能だけが確実に判明している。NS3はウイル
スプロテアーゼであり、恐らくはヘリカーゼである。NS
5はウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼである。
ウイルスプロテアーゼと宿主シグナラーゼとを併用し
た一連のタンパク質分解性消化によってHCVポリタンパ
ク質はプロセシングを受ける。ペスチウイルスポリタン
パク質のプロセシングとフラビウイルスポリタンパク質
のプロセシングとは細部に違いを有しているがその様式
の概要は同じである。HCVのタンパク質も、おおむねフ
ラビウイルスタンパク質との類似性によって決定された
が、ペスチウイルスと同様に大きさ、数及びプロセシン
グなどの細部ではフラビウイルスとの違いを有してい
る。これらの前提に基づいて、研究中の非構造領域、即
ちフラビウイルスNS5領域RNAポリメラーゼに類似の非構
造領域を、以後の記載ではHCVの「NS5領域」または「NS
5タンパク質」と呼ぶ。但し、これは便宜上の命名であ
り、機能及びプロセシングが同一であることを意味しな
い。
発現したウイルス抗原に基づく診断検査が開発され、
これらのアッセイを使用して血清疫学の分野における様
々な研究が遂行されている(33)。HCV感染症に対する
免疫応答に関する研究は未だ発展途上段階にある。市販
の抗体アッセイは、組換えDNA手法によって酵母内で発
現されたHCV抗原に対する抗体を測定する。「C100−
3」と呼ばれるこの抗原は、ウイルスゲノムの非構造タ
ンパク質のコーディング領域に由来しており、恐らくは
NS4の一部分を表している(33)。アッセイのより新し
い変法では、NS3(プロテアーゼ/ヘリカーゼ)由来の
抗原と内部ヌクレオキャプシドタンパク質Cとを使用す
る(64)。これらの抗体はいずれも防御性であるとは考
えられないが、各々が慢性感染個体中に共通に検出され
る。
HCVは、非経口的に感染する非B型肝炎の多くの症例
の原因であるだけでなく、散発的に集団感染する急性ウ
イルス性肝炎、未解明起原の慢性肝炎、特発性肝硬変、
及び、恐らくは肝細胞性癌の大部分の原因である(2,1
6,31,50)。このウイルスは慢性感染症及び慢性肝臓病
を発症させる傾向を有し、このため医学的に重要な問題
となっている。α−インターフェロン療法による慢性HC
V肝臓病の治療は、米国食品医薬省(FDA、Food and Dru
g Administration)によって最近認可された。しかしな
がら、この療法に対する応答患者の数は過半数を割り、
応答患者の約50%が治療中止後に再発する(16)。
従って、このウイルスの感染を防御するワクチンの必
要性は大きい。現行の診断検査は、発現したウイルスタ
ンパク質に対する血清抗体の検出に基づいて行われてい
るが、今日まで、かかる抗体によって認識されたすべて
のタンパク質は、非構造ウイルスタンパク質を示すかま
たはウイルス粒子の内部成分を示していた。HCVに対す
る有効な中和抗体がウイルス感染個体によって共通に産
生されるか否かは明らかでない。
細胞障害性Tリンパ球(CTL)がある種のウイルス感
染に対するin vivo防御を媒介することは知見されてい
た(17,47,48)。B型肝炎感染の場合、CTLは、慢性B
型肝炎の病理発生の主因であり、感染細胞上で発現した
ウイルス抗原を認識することによってB型肝炎ウイルス
に感染した肝細胞を溶解させると考えられる(39,4
2)。HCVの場合、ウイルス感染症の病理発生に関する情
報は全く存在しない。HCV感染症の慢性化傾向及び組織
病理学的所見からは、ウイルスが肝細胞中で直接細胞変
性(または細胞溶解性)を生起させるのではないと考え
られる。HCV感染症関連の慢性肝臓病は免疫媒介される
という可能性も考えられる。
これらの観察は、HCV特異的CTLがHCV関連疾患の病理
発生の因果関係に関与すること、または、感染防御のた
めもしくは回復のためには細胞性免疫が重要であること
を信じるさせるだけの十分な理由となる。従来の研究で
はCD8+CTLが慢性NANB肝炎患者の肝細胞を認識すると報
告されている(28)。しかしながら今日まで、いかなる
HCVタンパク質中でも、T細胞によって認識されるHCVの
エピトープが同定されたことはない。
従って、T細胞によって認識されるHCVのエピトープ
を同定する必要がある。このようなエピトープを含むペ
プチドは、HCV感染及び病理発生におけるHCV中のCTLの
役割を決定するために使用できる。かかるペプチドは、
防御作用を増進するかまたは発病作用を阻害することに
よって、肝炎またはその他のHCV関連疾患治療中のHCV特
異的CTL応答を変調するために使用し得る。更に、この
種のペプチドは、防御性CTL応答を刺激することによっ
て、感染を阻止するワクチンに使用し得る。
別のウイルスモデルにおいては、内部タンパク質がCT
L応答の主要標的である(3,30,49,62,69)。本発明者及
び他の研究者らによる従来の研究においては、HIVの内
部タンパク質、逆転写酵素、並びにエンベロープ糖タン
パク質及びgag及びnefタンパク質に由来のペプチドがマ
ウス及びヒトのCTLによって認識された(10,14,24,32,4
3,57,65)。HCVの場合においては、エンベロープの配列
が比較的高度な可変性を有するので(27)、エンベロー
プタンパク質による免疫感作は実施できないであろう。
従って、CTLクローンは、HIV−1の研究で判明したよう
に(41,58,59)、HCVの種々の単離物を識別するであろ
う。
HCVの予測エンベロープ糖タンパク質(“E1"及び“E2
/NS1"と命名)中にはかなりのアミノ酸配列変異が存在
するのと対照的に、内部ヌクレオキャプシドタンパク質
C、非構造(NS)領域3、NS4及びNS5タンパク質はいず
れも、HCV単離物群中でもより高い配列保存性を示す(2
7)。ゲノム内の位置及びその配列相似性の双方がフラ
ビウイルスのNS5に類似したHCVゲノムのコーディング領
域はウイルスレプリカーゼを示すと考えられる。
発明の概要 従って本発明の目的は、HCVに特異的な細胞障害性T
細胞を誘発するペプチドを提供することである。本発明
の別の目的は、C型肝炎ウイルスのNS5タンパク質のエ
ピトープを認識する細胞障害性Tリンパ球の検出方法を
提供することである。本発明の更に別の目的は、哺乳動
物中でC型肝炎ウイルスのNS5タンパク質に対する免疫
応答を誘発する方法を提供することである。本発明の最
後の目的は、C型肝炎ウイルスによる感染を防御するワ
クチンを提供することである。
これらの目的を達成するために、本発明の1つの目的
に従って、C型肝炎ウイルスNS5タンパク質を発現する
細胞に対して哺乳動物のリンパ球中で細胞障害性T細胞
応答を誘発するT細胞エピトープを示す精製ペプチドが
提供される。該ペプチドは、MSYSWTGALVTPCAAE〔SEQ ID
NO:1〕、MSYTWTGALVTPCAAE〔SEQ ID NO:2〕、MSYTWTGA
LITPCAAE〔SEQ ID NO:3〕及びその免疫学的に等価の配
列から成るグループから選択されたアミノ酸配列の少な
くとも約8個の連続残基から成る。本発明の目的を果た
す種々の実施態様によれば、ペプチドは更に、細胞障害
性T細胞もしくはヘルパーT細胞に対する付加的なT細
胞エピトープまたはB細胞エピトープ(抗原認識部位)
を示す。
本発明の別の目的に従って、C型肝炎ウイルスのNS5
タンパク質のT細胞エピトープに応答する細胞障害性T
細胞を哺乳動物のリンパ球中で検出する方法が提供され
る。この方法は、(a)細胞障害性T細胞の試験対象リ
ンパ球にMHC適合性の標的細胞を請求項1のペプチドと
接触させ、(b)細胞障害性T細胞の試験対象リンパ球
を請求項1のペプチドと共にインキュベートし、(c)
該標的細胞に対する該リンパ球の細胞障害作用の有無を
決定し、これにより、C型肝炎ウイルスのNS5タンパク
質のT細胞エピトープを認識するリンパ球の存在を示す
段階から成る。
本発明の更に別の目的に従って、C型肝炎ウイルスの
NS5タンパク質に対する免疫応答を哺乳動物中で誘発す
る方法が提供される。この方法は、C型肝炎ウイルスの
NS5タンパク質を発現する細胞に対する細胞障害性T細
胞の応答を誘発するために有効な量の請求項1のペプチ
ドを哺乳動物に投与する段階を含む。
本発明の最後の目的によれば、C型肝炎ウイルスの感
染を防御するかまたはC型肝炎ウイルスの発病作用を軽
減するワクチンが提供される。このワクチンは本発明の
ペプチドから成る。
本発明のその他の目的及び利点は、ある程度は以下の
記載に開示されており、ある程度は以下の記載から理解
されるかまたは本発明の実施によって判明するであろ
う。本発明の目的及び利点は、添付の請求の範囲に詳細
に説明した物質組成物及び方法によって実現及び達成さ
れる。
図面の簡単な説明 図1Aは、HCV NS5領域に由来のT細胞エピトープの候
補として両親媒性アルゴリズムによって選択した28個の
ペプチド群の配列(SEQ ID NOS.4−17,1−3及び18−3
1)を示す。合成ペプチドの配列はU.S.A.で作製されたC
hiron Corporation(26)の単離物に基づくが、例外と
してp17の2つの変異体、p17FDAはU.S.FDAで作製された
単離物に基づき、P17JPNは別々の日本の研究所で別々に
得られた2つの単離物に基づく。FDA単離物とChiron配
列とで違っている残基は原配列に下線を付けて示す。ペ
プチドの両親媒性スコア(35)も示す。
図1Bは、BALB/c及びBALB.BマウスにおけるHCV NS5由
来のペプチドに対する細胞障害性Tリンパ球の応答を示
す。HCV NS5領域(vHCV)を発現する組換えワクシニア
ウイルスを107プラーク形成単位の量で静注してマウス
を初回抗原刺激する。Con A(IL−2含有)で刺激した
リンパ球の上清の存在下に免疫脾細胞を4μMのペプチ
ド(各培養物毎に3種類の異なるペプチド)でin vitro
再刺激し、また対照としては、細胞をペプチド非含有の
IL−2で処理した。BALB/c中ではneo耐性遺伝子(18Ne
o、H−2dクラスI陽性、クラスII陰性)で、また、BAL
B.B中ではEL−4(H−2b)でトランスフェクトした3T3
線維芽細胞に対するCTL活性を測定した。標的を10μM
の各ペプチド添加またはペプチド非添加で6時間感作し
た。三重実験を実施した。エフェクター:標的(E:T)
比=100:1とし、5000標的細胞/ウエルを使用した。ペ
プチド非存在下の溶解はBALB/cで2.2〜7.7%(P17刺激
免疫細胞では4.2%)、BALB.Bでは2%未満であった。
概して、三重実験の標準誤差は値の<5%であり、反復
実験で同等の結果が得られた。
図2は、P17及びP17FDAに特異的なCTL系が各特異的ペ
プチド及びその他のP17変異体に対して示す細胞障害性
を示す。1つのアミノ酸の突然変異が変異エピトープの
認識に与える効果を試験した。5×103個の51Cr標識し
た標的細胞(18Neo)を長期CTL系に由来のエフェクター
細胞と共に培養し、各特異的ペプチド、その他のP17変
異体、P18 III B(陰性対照ペプチド)の存在下または
ペプチド非存在下に特異的ペプチドで反復的に刺激し
た。E:Tはエフェクター:標的比である。ペプチド非存
在下の溶解は<1%であった。三重実験の標準誤差は概
して値の<5%であり、独立した3つの試験で同等の結
果が得られた。
図3は、H−2dによって制限されたP17及びP17FDAに
特異的なCTL系について、NS5を発現するvHCVワクシニア
ウイルスに感染させた(1時間、37℃、感染多重度10:
1、使用以前に3回洗浄)18Neo細胞(BALB/c 3T3線維芽
細胞)と特異的ペプチド(10μM)の各々でパルスした
18Neoとに対する細胞障害性試験の結果を示す。陰性対
照標的としては、対照vSC8ワクシニアウイルスに感染さ
せた18Neo(neo遺伝子をトランスフェクトしたBALB/C 3
T3)並びにP18 III B(1μM)でパルスした18Neo及び
非パルスの18Neoを使用した。三重試験の標準誤差は概
して値の<5%であり、独立した3つの試験で同等の結
果が得られた。
図4は、P17に特異的なH−2dCTL系の表現型の分析を
示す。図2に記載したようなCTLアッセイを、指示した
希釈度の抗L3T4(GK1.5)(抗CD4)モノクローナル抗体
または抗Lyt 2.2(2.43)(抗CD8)モノクローナル抗体
の存在下または抗体非存在下に6時間行った。18NeoをP
17(10μM)で一夜パルスし、3回洗浄した。三重試験
の標準誤差は概して値の<5%であり、独立した3つの
試験で同等の結果が得られた。
図5は、H−2d株中のCTLにP17を提示する役割を果た
すMHCクラスI分子の同定を示す。標的細胞をP17(10μ
M)で一夜パルスし、3回洗浄した。エフェクター:標
的比=10:1とした。TM:Dd分子のトランスメンブラン部
分。各トランスフェクタントに対するα1α2α3TMの
起原は、DdDdDdDd,T4.8.3;LdLdLdLd,T1.1.1;−DdDdDd,D
MT26.5S1;DdDdLdLd,T37.2.1;LdLdDdDd,T37.1.3;DdLdLdL
d,T9.10.3;及びLdDdDdDd,DMT34.5である。三重試験の標
準誤差は概して値の<5%であり、独立した2つの試験
で同等の結果が得られた。
L28:pSV2neo遺伝子単独でトランスフェクトされたDAP3
L細胞(H−2k); 18Neo:PSV2NEO単独でトランスフェクトされたBALB/c 3T
3線維芽細胞(H−2d)。
特定実施態様の詳細な説明 前述のごとく、ある種のウイルス感染症に対するin v
ivo防御をCTLが媒介することは従来から知られていた
が、いかなるHCVタンパク質中でもCTLエピトープが確定
されたことはない。しかしながら、RNAポリメラーゼに
相同性を有するフラビウイルス遺伝子に対応するHCVの
非構造タンパク質(NS5)が比較的保存されたCTLの標的
タンパク質であり、実際にリンパ球中の細胞障害性T細
胞応答を誘発するエピトープを提供することは知見され
ていた。
HCV NS5タンパク質に特異的なCTLのエピトープ特異性
を研究するために、このタンパク質に由来の28ペプチド
をマウスのCTL中で試験した。HCV NS5遺伝子を発現する
組換えワクシニアウイルスによってマウスを免疫感作
し、初回抗原刺激した脾細胞をペプチドによってin vit
roで再刺激した。H−2dマウスに由来のCTLは16残基か
ら成る1つの合成ペプチドに応答した。このペプチドは
本明細書でP17として同定され、HCV読み取り枠の残基24
22〜2437に対応する。この比較的保存されたエピトープ
はH−2dクラスI主要組織適合性複合体(MHC)分子に
よって定型のCD4-CD8+CTLには提示されたが、H−2b
制限されたCTLによって認識されなかった。更に、組換
えDd/Ld及びKdを発現する複数のトランスフェクタント
を用いるエキソン−シャッフル実験は、このペプチドが
DdクラスI MHC分子のα1及びα2ドメインと関連して
認識されることを示した。
P17ペプチドのアミノ酸配列は、別の3つのHCV単離物
のこの非構造領域の相同セグメントに比べて1残基の違
いを有している。標的感作能に対する各残基の効果を試
験するために1個のアミノ酸が置換された変異ペプチド
を作製した。どの置換も認識に全く影響しなかった。従
って、これらの保存性突然変異は、ペプチドとDdクラス
I MHC分子との相互作用に対してもT細胞受容体との相
互作用に対しても全く影響しなかった。
マウスのCTLは、米国及び日本で作製された4つの配
列決定されたHCV単離物全部を表すペプチドと交差反応
する。従って、ヒトCTLが同様の交差反応性を示すなら
ば、本発明のペプチドはHCV診断及びワクチン開発に有
効なはずである。その場合、本発明のペプチドは、ウイ
ルス感染を予防または治療するためのHCVワクチンの成
分の候補になり得る。更に、これらのペプチドは、細胞
性免疫系がHCVのNS5タンパク質に対する応答を示すか否
かの判定に基づく診断方法または予防方法の開発に有用
であろう。本発明のペプチドの詳細及びその他の特徴を
以下に記載する。
A.定義 本明細書で使用したいくつかの用語を以下のごとく定
義する。
アミノ酸残基:本文中で同定されたアミノ酸残基は天
然のL立体配置である。アミノ酸残基に関しては以下の
略号を使用する。
本文中ですべてのアミノ酸配列は、定型のアミノ末端
からカルボキシ末端の方向を左から右の方向で示す式に
よって示されている。
ペプチド:本文中で使用されたペプチドなる用語は、
隣り合う残基のα−アミノ基とカルボキシ基との間のペ
プチド結合によって1つずつ連結されたアミノ酸残基の
直鎖系列を示す。本文中で使用されたペプチドなる用語
は、HCVのNS5のような天然発生タンパク質を包含しな
い。
抗体:本文中で種々の文法的形態で使用された抗体な
る用語は、免疫グロブリン分子の集団を示すか、また
は、免疫グロブリン分子、即ち「抗原結合部位」もしく
はパラトープを含む分子の免疫学的活性部分を示す集合
名詞である。抗原結合部位なる用語は、抗原のB細胞エ
ピトープに特異的に結合する抗体分子の構造部分を意味
する。
B.ペプチド 哺乳動物のリンパ球中で特定タンパク質を発現する細
胞に対する細胞障害性T細胞応答を誘発するT細胞エピ
トープを示すペプチドを構築するためには、T細胞エピ
トープの候補を含む一連のペプチドを実験的に試験する
必要がある。このような候補は、両親媒性螺旋を形成す
る傾向を示すアミノ酸配列の両親媒性スコア(35)によ
って同定される。クラスII制限されたT細胞エピトープ
と両親媒性スコア>4の領域との間の相関関係は、1991
年に92個の公知のエピトープに関して評価したときでさ
えも統計的に高度に有意であり(12,13)(p<0.000
3)、本発明で研究したより小さいセットのCTLエピトー
プに関しても有意である。しかしながら、この閾値を上
回る桁のスコアと1つの部位がT細胞によって認識され
る確率との間の相関関係は知見されていない。
上述の方法によって、MSYSWTGALVTPCAAE〔SEQ ID NO:
1〕,MSYTWTGALVTPCAAE〔SEQ ID NO:2〕及びMSYTWTGALIT
PCAAE〔SEQ ID NO:3〕から成るグループから選択された
アミノ酸配列を有するペプチドが哺乳類リンパ球中でC
型肝炎ウイルスNS5タンパク質を発現する細胞に対する
細胞障害性T細胞応答を誘発することが知見された。従
って、哺乳動物のリンパ球中でC型肝炎ウイルスNS5タ
ンパク質を発現する細胞に対する細胞障害性T細胞応答
を誘発するT細胞エピトープを示すペプチドを本発明に
よって合成し得る。本発明のペプチドは、上記の例示ア
ミノ酸配列または例示配列の免疫学的等価物の全部また
は一部を含み得る。特に、本発明のペプチドは、HCVポ
リタンパク質のNS5領域に含まれているHCVポリタンパク
質アミノ酸残基2422〜2437の配列、またはHCVポリタン
パク質アミノ酸残基2422〜2437の免疫学的等価物を含み
得る。
「免疫学的に等価」なる表現は、HCVポリタンパク質
の残基2422〜2437から成る天然アミノ酸配列を有する免
疫原性ペプチド中にはいくつかのアミノ酸置換または欠
失が生じ得るが、置換または欠失を有するペプチドが出
発免疫原性ペプチドと実質的に等価の免疫応答を誘発す
ることを意味する。このような置換または欠失は複数の
確定した理論に基づいて生じ得る。これらのいくつかに
関しては後述する。
この観点から、HCVポリタンパク質の残基2422〜2437
を発現する細胞に対する細胞障害性T細胞応答を誘発す
る能力を有するペプチドは、本発明のペプチドの免疫学
的等価物であると考えられる。より詳細には、HCVポリ
タンパク質の残基2422〜2437の免疫学的等価物であるた
めには、ペプチドが、(1)HCV NS5タンパク質の主要
部を提示するMHC分子を有する標的細胞によって提供さ
れることが可能であり、(2)このようなMHC分子の存
在下に、C型肝炎ウイルスのNS5タンパク質によって初
回抗原刺激された細胞障害性Tリンパ球によって認識さ
れることが可能でなければならない。
即ち、「免疫学的に等価」であるためには、天然HCV
エピトープ配列またはそのフラグメントの各残基が免疫
学的に等価の残基で置換される必要はなく、ペプチドが
全体として実質的に等価の免疫応答を誘発すればよい。
従って、保存性または非保存性にかかわりなく、1つの
アミノ酸を別のアミノ酸で置換し、この変化が使用中に
何らかの利点を与えるものであるならば、本発明を実施
する際にこのような置換を計画してもよい。保存性置換
とは、1つのアミノ酸残基が生物学的に同様の別の残基
によって置換されることを意味する。保存性置換の例と
しては、イソロイシン、バリン、ロイシンまたはメチオ
ニンのような1つの疎水性残基による別の残基の置換、
または、アルギニンとリシンとの間、グルタミン酸とア
スパラギン酸との間、もしくはグルタミンとアスパラギ
ンとの間で行われるような1つの極性残基による別の残
基の置換がある。保存性置換はまた、ペプチドが必要な
結合活性を示すことができるという条件で、未置換の親
アミノ酸の代わりに置換アミノ酸を使用する場合も包含
する。
特異的MHCタンパク質に結合するために必要な直鎖状
アミノ酸配列の残基を決定する系統的な方法は公知であ
る。例えば、Allen,P.M.ら,Nature 327:713−717(198
7);Sette,A.ら,Nature 328:395−399(1987);Takahas
hi,H.ら,J.Exp.Med.170:2023−2035(1989);Maryansk
i,J.L.ら,Cell 60:63−72(1990)を参照するとよい。
同様にして、特異的抗体に結合するために直鎖状アミ
ノ酸配列のどの残基が必要であるかを決定する系統的方
法も公知であり、T細胞受容体によって認識されるには
配列のどの残基が必要であるかを決定するためにも本質
的に同じ方法を応用し得る。例えば、H.M.GeysenのPCT
出願WO8403564,「タンパク質中の活性配列を検出するた
めのアミノ酸配列抗原性の決定(Determination of ami
no acid sequence antigenicity for location of acti
ve sequence in a protein)」を参照するとよい。該特
許出願の全記載内容が本明細書に含まれるものとする。
該出願は、タンパク質またはタンパク質の一部分の既知
のアミノ酸配列内部の抗原的活性アミノ酸配列を決定す
る方法を開示しており、(1)既知のアミノ酸配列内部
の1つの配列に対応する1つの配列を各々が含む複数の
オーバーラップアミノ酸配列を有するペプチドを合成
し、(2)当該タンパク質またはその一部分に対する抗
体とペプチドとを接触させ、(3)各ペプチドと抗体と
の間の抗原抗体反応の有無を検出または決定することに
よってペプチドの抗原活性の有無の指標とする段階から
成る。
ChironのHCV1ポリタンパク質配列の残基2422−2437か
ら成るペプチドによって例示される本発明のペプチドの
配列の免疫学的等価物を同定するためにこの方法を応用
する場合は、当該タンパク質に対する抗体の代わりにHC
V NS5タンパク質を発現する標的細胞に特異的な細胞障
害性T細胞を用いる必要がある。この目的に適した細胞
障害性T細胞の例としては、HCV感染した哺乳動物もし
くはHCV NS5タンパク質を発現する組換えワクシニアウ
イルスで免疫感作した哺乳動物のリンパ球、または、実
施例2において後述するように本発明のペプチドで反復
刺激することによってかかる免疫細胞から誘導した細胞
障害性T細胞クローンがある。例示配列の内部でHCV NS
5タンパク質の機能性T細胞エピトープの提示に必要な
残基を更に限定することによって本発明の例示ペプチド
の免疫学的等価物を同定するために細胞障害性T細胞を
使用することができ、このために前出のGeysenの方法
を、例えば1つの抗体をT細胞で置換することによって
修正した方法またはTakahashi,H.ら、J.Exp.Med.170:20
23−2035(1989a),Science 246:118−121(1989b)及
びScience 255:333−336(1992)の記載に従って修正し
た方法を使用し得る。
また、これらの方法を応用することによって、T細胞
エピトープ活性に必要な本発明のHCVポリタンパク質の
残基2422−2437の配列の直鎖状サブセットを同定するこ
とも期待できる。MHC分子によって提示されT細胞受容
体によって認識され得る機能性T細胞エピトープは、通
常は9個のアミノ酸の直鎖状配列から構成されるが、8
個または10個のアミノ酸から成る直鎖状エピトープもい
くつか知られている。例えばFalk,K.ら,Nature,351:290
(1991);Jardetzky,T.F.ら,Nature 353:326−329(199
1);Hunt,D.F.ら,Science 255:1261−1263(1992);及
びRomero,P.ら,J.Exp.Med.174:603−612(1991)を参照
するとよい。
従って、本発明の例示ペプチド配列に免疫学的に等価
の配列は、少なくとも8個のアミノ酸、例えば上述のT
細胞エピトープ機能に必要であることが判明している16
個の例示アミノ酸中の8個の連続残基を必要とすると考
えられている。しかしながら、8個未満のアミノ酸から
成るペプチド、例えば7個または6個のアミノ酸から成
るペプチドも上述の方法によって本発明の例示ペプチド
に免疫学的に等価であることが証明されており、かかる
ペプチドも本発明の範囲内に包含される。要するに、本
発明のペプチドは少なくとも約8個のアミノ酸から成
り、これは最小6個のアミノ酸をも含んでいることを意
味する。
本発明のペプチドの長さは、例えば免疫感作に使用さ
れるキャリアの種類次第で、機能性T細胞エピトープの
最小所要残基数以上に可変である。ペプチドの長さは通
常は、エピトープ間の干渉の機会が最小になるように、
所望エピトープ以外のエピトープの数を最小限に抑えた
長さが好ましい。更に、化学合成によってペプチドを調
製するとき、付加的な残基はペプチド調製の所要時間を
延長し経費を増加させ最終産物の純度及び収率を低下さ
せるであろう。従って、合成ペプチドは好ましくは50残
基未満、より好ましくは30残基未満である。しかしなが
ら、HCV P17エピトープのペプチドに加えていくつかの
エピトープを提示するペプチドも勿論本発明の範囲内に
包含される。かかるペプチドの最適長さは慣用の実験方
法によって得られるであろう。
本発明の目的に適うペプチドの例としては、C型肝炎
ウイルスNS5タンパク質を発現する細胞に対する細胞障
害性T細胞応答を哺乳動物のリンパ球中で誘発するT細
胞エピトープを示す16残基のペプチドがあり、このペプ
チドはアミノ酸配列MSYTWTGALVTPCAAE〔SEQ ID NO:2〕
を有している。この配列は、U.S.FDAによって得られたH
CV単離物のNS5タンパク質の残基2422−2437に由来し、
従って、“P17FDA"と命名された。P17FDA配列は、別の
U.S.単離物の対応するNS5配列、即ちP17と命名されたCH
ironのHCV1配列MSYSWTGALVTPCAAE〔SEQ ID NO:1〕(2
6)に比べて1残基の違いを有している。P17FDA配列は
また、P17JPNと命名された2つの異なる日本の単離物の
この部位に保存された配列MSYTWTGALITPCAAE〔SEQ ID N
O:3〕(26,60)に比べて別の1残基の違いを有してい
る。従って、ペプチドP17、P17FDA及びP17JPNはChiron
のHCV1ポリタンパク質の残基2422−2437に対応するHCV
NS5タンパク質部分の3つの天然変異体を示し、各々
が、C型肝炎ウイルスNS5タンパク質を発現する細胞に
対する細胞障害性T細胞応答を哺乳動物のリンパ球中で
誘発するT細胞エピトープを示す。
本発明のペプチドは更に、別のHCV単離物のNS5タンパ
ク質中のChironのHCV1単離物のP17配列に対応する部分
から成る天然配列を含み得る。このような追加の天然NS
5配列は実施例2において後述する方法で決定され得
る。即ち、HCVのウイルスRNAを感染組織から抽出する
(19)。RNAを逆転写し、従来技術の特異的HCVプライマ
ーを用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅
する(9)。次に、PCR産物をNS5 DNAの増幅及び配列決
定用の適当なクローニングベクターに結合する。
HCVの種々の単離物に由来のポリタンパク質がChiron
のHCV1単離物の3011個前後のアミノ酸を含み得ることは
当業界で公知である。例えば、P17JPNと呼ばれる配列を
含み日本単離物のポリタンパク質は、3010残基だけを含
み、そのP17JPN配列は残基2421−2436から成る。従っ
て、本発明のP17配列(ChironのHCV1配列の残基2422−2
437)に構造的に対応する配列を見出すためには、新し
く決定したNS5配列を既知のNS5配列例えばChironのHCV1
配列の相同部分に位置合わせし、新しい配列の残基のう
ちで既知のHCVポリタンパク質の残基2422−2437に対応
する残基を同定する。次に、クローン化したPCR産物の
解析によってP17配列に対応する配列を有することが決
定されたペプチドを作製し、実施例2で後述する方法で
T細胞エピトープ機能を試験する。
上記方法を使用すると、T細胞エピトープ活性に必要
なNS5タンパク質の直鎖状配列中の残基を同定すること
もでき、また、T細胞エピトープを示すために必要な位
置のアミノ酸置換の許容範囲を限定することもできる。
従って本発明のペプチドは、天然のHCV NS5アミノ酸配
列に加えて、HCV NS5タンパク質と実質的に同じ機能性
エピトープを提供する別のアミノ酸配列も含み得る。こ
れらの非天然アミノ酸配列は、天然配列中のT細胞エピ
トープ機能に必要なNS5の残基のアミノ酸配列を種々の
アミノ酸残基によって置換し、得られた配列の機能保持
を実施例2に記載された方法で試験することによって同
定できる。
例えばPCT出願WO8606487は、例えばタンパク質上のエ
ピトープを模倣する「ミモトープ」の開発方法を開示し
ている。文献(71)参照。この方法では、特定の対象受
容体(例えば抗体)に相補的なリガンド(例えばエピト
ープ)の局所的等価物であるモノマーの配列を検出また
は決定する。この方法では、(a)式D2−D1のカタマー
を合成する〔式中、D1は第一セットのモノマーから選択
された(天然L−アミノ酸または合成D−形またはその
他の修飾アミノ酸のような)指定モノマーを示し、D2は
第一セットと同じでもよい第二セットのモノマーから選
択された指定モノマーを示す〕。これらのカタマーの内
部では、指定モノマーの各々が夫々のモノマーセットか
ら選択されたモノマーを含むように系統的に変異してい
る。方法は更に、(b)各カタマーを対象受容体と接触
させ、(c)各カタマーと受容体との結合の有無を検出
または判定する段階を含む。前出のPCT出願No.WO860099
1及び文献(71)は更に、部分的に規定された構造のカ
タマーの抗体結合を試験することによってエピトープ
(即ちミモトープ)に局所的に等価のアミノ酸配列を同
定する詳細な方法を開示している。
従って、当業者は、本発明の細胞障害性Tリンパ球及
びそれらの受容体と上記のミモトープ開発方法とを使用
することによって、本文中に開示した例示ペプチドによ
って提供されるHCV NS5 T細胞エピトープに免疫学的に
等価のエピトープを提供する本発明のペプチドを開発し
得るであろう。これらの免疫学的に等価の「ペプチド」
のミモトープは、HCVの天然アミノ酸配列を含む必要は
なく、実際、いかなる天然アミノ酸配列も含む必要は全
くない。
HCV NS5のT細胞エピトープの天然配列に部分的に等
しい配列(1つまたは複数の保存性または非保存性置換
または欠失がある配列)を有する本発明のペプチドは、
通常はNS5のT細胞エピトープの全部または一部を含む
アミノ酸残基の数の約30%以下、好ましくは約20%以
下、より好ましくは約10%以下が置換または欠失してい
るが、必ずしもそうでもない。例えば本発明のペプチド
をラベル、固体マトリックスまたは担体のような別の物
質に適切に固定する「リンカー」として作用する追加の
残基を各末端に付加した場合には上記の割合にならな
い。
更に、本発明のペプチドのアミノ酸配列は、末端−NH
2アシル化、例えばアセチル化により修飾されることに
よってHCV NS5エピトープの天然配列とは違うものにな
る。このようなアシル化は、当業界でよく知られた理論
に従って合成ペプチドの電荷を減少させるために使用さ
れる。
本発明のペプチドは、組換えDNA手法を含むペプチド
業界の業者に公知の手法のいずれかによって合成され得
る。純度、抗原特異性、不要な副生物の不在、生成容易
性、などの理由から固相メリフィールド型合成のような
合成化学技術が好ましい。利用可能な多くの技術の優れ
た要約が、J.M.Steward & J.D.Young,SOLID PHASE PEP
TIDE SYNTHESIS,W.H.Freeman Co.,San Francisco,(196
9);M.Bodanszkyら,PEPTIDE SYSTHESIS,John Wiley &
Sons,Second Edition,(1976)、などの文献に記載され
ており、固相ペプチド合成に関してはJ.Meienhofer,HOR
MONAL PROTEINS AND PEPTIDES,Vol.2,p.46,Academic Pr
ess,New York(1983)、従来の溶液合成に関してはE.Sc
hroder & K.Kubke,1 THE PEPTIDES,Academic Press,Ne
w York(1965)、に記載されている。これらの各文献の
全記載内容が本明細書に含まれるものとする。かかる合
成に使用可能な適当な保護基は、上記の文献及びJ.F.W.
McOmie,PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC CHEMISTRY,Plen
um Press,New York(1973)に記載されている。この文
献の全記載内容も本明細書に含まれるものとする。
考察された固相合成法は概して、1つまたは複数のア
ミノ酸残基または適正に保護されたアミノ酸残基を伸長
ペプチド鎖に順次付加する段階から成る。通常は、第一
アミノ酸残基のアミノ基またはカルボキシル基を選択的
除去可能な適当な保護基によって保護する。リシンのよ
うな反応性側基を含むアミノ酸には選択的に除去できる
別の保護基を使用する。
例えば典型的な固相合成方法によれば、保護または誘
導体化されたアミノ酸をその非保護カルボキシル基また
はアミノ基を介して不活性固体支持体に固定する。次に
アミノ基またはカルボキシル基の保護基を選択的に除去
し、適正に保護された相補性(アミノまたはカルボキシ
ル)基を有する配列中の次のアミノ酸を付加し、固体支
持体に既に固定された残基とのアミド結合を形成するた
めに適当な条件下に反応させる。次に、この新しく付加
されたアミノ酸残基からアミノ基またはカルボキシル基
の保護基を除去し、次いで(適正に保護された)次のア
ミノ酸を付加し、以後同様に処理する。所望のアミノ酸
全部が適正配列に結合されると、残存する末端基及び側
基の保護基(及び固体支持体)を順次または同時に除去
して最終ペプチドを得る。
より簡単な小規模のペプチドの固相合成方法も公知で
ある。例えば、Houghten,R.A.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.
S.A.82:5131−5135(1985);及びHoughton,M.,Q.−L.C
hoo,& G.Kuo,European Patent Application 88310922
(1988)を参照するとよい。
C.アッセイ及び診断方法 本発明の目的は、哺乳動物のリンパ球中でC型肝炎ウ
イルスのNS5タンパク質のT細胞エピトープに応答する
細胞障害性T細胞を検出するための種々のアッセイ方法
を開発することである。
好ましい実施態様によれば、このアッセイは、標的細
胞を本発明のペプチドと接触させる第1段階(a)を含
む。これらの標的細胞は、HCV特異的細胞障害性T細胞
の試験対象リンパ球にMHC適合性であることがわかって
いるのが好ましい。第二段階(b)では、HSV NS5特異
的CTLが適正な標的細胞に応答するように、細胞障害性
T細胞の試験対象リンパ球を再刺激するに十分なin vit
ro条件下に本発明のペプチドと共にインキュベートする
必要がある。第三段階(c)では、試験リンパ球が標的
細胞に作用させた細胞障害効果を判定し、これを、C型
肝炎ウイルスのNS5タンパク質のT細胞エピトープを認
識するCTLの存在の指標とする。
本文中では、例示アッセイ方法をマウスのリンパ球を
用いて記載しているが、本発明はこれに限定されない。
例えば、本発明によれば、別のヒトCTLを検出する公知
方法を適当に応用することによって、例えばHCV感染が
判明した患者または感染の疑いがある患者の血液または
その他の組織中でヒトCTLを検出することも考えられ
る。例えば、Clerici,M.,ら,J.Imm.146:2214−2219(19
91)参照。
本発明のアッセイは、哺乳動物の免疫系がHCVのNS5タ
ンパク質によって誘発されたか否かを判定し、次いで、
かかる応答の発生及び量がHCV感染の発生(例えば診断
用)またはウイルスの発病作用の軽重(例えば予後の指
標として)と相関し得るか否かを決定するために有用で
ある。
D.ワクチン及び治療用組成物 本発明のペプチドは、HCV感染予防ワクチン用またはH
CV感染個体の治療目的用に有用であると考えられる。例
えば、ペプチドを単独で使用してもよく、または、キャ
リアタンパク質に結合した結合ペプチドを含む複合体に
対する免疫応答を誘発する物質にペプチドを接合した免
疫原性結合体を調製するために当業界で公知の方法で使
用してもよい。例えば、M.F.Good,Science 235:1059−1
062(1987);Palker,T.J.,J.Imm.142:3612−3619(198
9)を参照するとよい。免疫応答を誘発するためにペプ
チドに接合され得る物質は、ジフテリアトキソイドまた
は破傷風トキソイドのような、(免疫感作したヒトの)
身体によって共通に認識され免疫系によって除去される
トキソイドを含む。または、ペプチドをコードする遺伝
子配列を組換え遺伝子に組み込んでベクターの一部とし
て発現させてもよい。ベクターの例としては、Chakraba
rti,S.ら,Nature,320:535−537(1986)の方法によって
作製されたワクシニアウイルスのような組換えウイルス
がある。
本発明のペプチドはまた、別のT細胞エピトープまた
はB細胞エピトープのような付加的エピトープを含むも
っと大きいペプチドに組み込まれてもよい。従って、HC
Vの多数エピトープまたはHCVと別のウイルスとの多数エ
ピトープに対して細胞障害性T細胞応答を誘発する多価
ワクチンの一部としてペプチドを使用してもよい。更
に、抗体応答と細胞障害性T細胞応答との双方を誘発す
るように、多価ワクチンのペプチドがHCVまたは別のウ
イルスのヘルパーT細胞エピトープ及びB細胞エピトー
プを含んでいてもよい。
例えば、CTL応答をT細胞で支援するために、Cease
K.B.,ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:4249−4253(198
7)に記載されているようなHIV由来のヘルパーT細胞エ
ピトープを結合してもよい。Berzofsky,J.A.,ら,J.Cli
n.Invest.88:876−884(1991);抗ウイルス性細胞障害
性Tリンパ球を生成するペプチドに関してはHart,M.K.,
ら,Proc Natl Acad Sci USA 88:9448−9452(1991);
抗体応答を誘発するペプチドに関してはHart M.K.,ら,
J.Immunol.145:2677−2685(1990)を参照するとよい。
医薬用の上記ペプチド及び結合体と許容された医薬担
体とを含む組成物の調製方法は、医薬組成物の製剤業者
に明らかであろう。
ワクチンの理論的根拠 HCVは恐らくは、黄熱病ウイルスのような典型的なフ
ラビウイルスとウシウイルス性下痢ウイルスのような動
物のペスチウイルスとの双方を含むフラビウイルス科の
一員であろう(11)。典型的なフラビウイルスは、節足
動物ベクターを有し、急性疾患だけを発症させる。他
方、ペスチウイルスは既知の節足動物ベクターは無く、
慢性感染症と急性疾患との双方を発症させる。HCVは急
性の自己限定性感染症であるが、ペスチウイルスと同様
に慢性感染症並びに慢性活動性肝炎、肝硬変及び恐らく
は肝細胞癌などの肝臓病を発症させる。慢性肝臓病の慢
性化及び病理発生のメカニズムは解明されていない。慢
性ウイルス感染が直接に細胞変性を生じさせるとは考え
難い。その場合にはいっそう重大な肝臓破壊が生じるは
ずである。従って、B型肝炎感染症の場合のように、免
疫メカニズムが考えられるわけである。
多くのフラビウイルスに対する中和抗体は、エンベロ
ープ糖タンパク質中のエピトープに対する抗体である。
このような抗体はHCV感染個体によって普通には生成さ
れないか、または、これらを検出し得る利用可能なアッ
セイがまだ存在していない。HCVの2つの推定エンベロ
ープ糖タンパク質の配列解析の結果から、かなりの菌株
可変性が判明し(23,27,67)、このことは、広い反応性
を有する中和抗体を誘発する抗原を産生させる研究を更
に錯綜させることになる。
より特定的には、文献(27)に概説されているよう
に、HCV配列多様性に関する最近の報告に基づいて、複
数の単離物を比較し得る(9,23,37,44,67)。E1及びE2/
NS1遺伝子によってコードされている推定エンベロープ
糖タンパク質の超可変性及びNS2のより大きい不均質性
と対照的に、HCVのC、NS3、NS4及びNS5領域はより大き
い配列保存性を示すことは注目に値する。このようなHC
Vエンベロープタンパク質の超可変性は、HIV−1エンベ
ロープタンパク質V3ループの場合に示唆されたように、
この領域が防御性B細胞またはT細胞エピトープの変異
に対して選択的圧力下にあるらしいことを示唆する。V3
ループというのはヒト及びマウスの双方においてCTLに
対する主要中和ドメイン及び免疫優性決定基である(1
0,21,46,53,57)。
超可変性は、このウイルスが速やかな突然変異によっ
て免疫系から逃れる能力があることを示唆する。報告さ
れたすべてのHCV配列の比較によって大まかに再分割さ
れた単離物のグループ内で、NS5は95%−100%の相同性
を示す(27)。可変性はまた、種々のHCV単離物による
多重感染の問題にも関連する。劇症肝炎に由来のHBVゲ
ノムに関する最も新しい配列解析の多くは、天然発生の
ウイルス突然変異が感染宿主のより重症の肝臓障害の原
因となり得ることを示唆している(34,45)。従って、
抗体による変異体の交差中和及びT細胞による変異体の
交差認識は、免疫系から逃れる突然変異体の増加を防止
するワクチンの開発において重要な問題である。
これらの理由から、本発明者らは、HCVのT細胞エピ
トープ、特に比較的保存されたNS5タンパク質によって
示されるT細胞エピトープが病理発生または感染防御に
おいて重要であるか否かを決定できるような研究に着手
した。従来の研究では、CD8+CTLが慢性NANB型肝炎患者
の肝細胞をMHC非制限的に認識することが証明されてい
た(28)。ウイルス感染細胞に対するCTLは多くの場
合、感染細胞上で発現したウイルスのヌクレオチドタン
パク質を認識して細胞を溶解させると考えられていた
(52)。例えば、B型肝炎感染の場合には、CTLは慢性
B型肝炎の病理発生の原因であり、肝炎B型ウイルスに
感染した肝細胞を感染細胞中で発現されたウイルス抗原
を認識することによって溶解させると考えられていた
(39,42)。
クラスI及びクラスIIのMHC分子は、外来抗原のプロ
セシング後にタンパク質のポリペプチドフラグメントを
T細胞に認識させ得る(4,51,55,61,70)。従って、プ
ロセシング後のタンパク質のフラグメント上に存在する
エピトープと同様のT細胞エピトープを示すペプチドを
開発しなければならない。かかるエピトープを含む合成
ペプチドワクチンは、全タンパク質または弱毒もしくは
致死ウイルスよりも害の少ない免疫応答を誘発するであ
ろう(5)。
ヒト免疫系のモデルとしてマウスを用いた研究に基づ
く本文中に記載の実験結果は、CTLがクラスI MHC分子と
協調してウイルス感染細胞上で、HCV RNAポリメラーゼ
遺伝子の産物、非構造領域を認識するらしいことを示し
ている。マウスの細胞はHCV感染できないので、この推
測をHCV感染マウスで直接試験することはできない。
しかしながら、この結果は、本発明のペプチドが哺乳
動物においてHCV NS5感染細胞に対する細胞障害性T細
胞応答をin vivo誘発するでろうと推測させる妥当な根
拠になり得る。従って、ペプチドは、HCV NS5を発現す
る同系標的細胞及びペプチドP17(HCV NS5内部の残基24
22−2437)でパルスした標的細胞を致死させる能力を有
するマウスのCTL系を産生した。
ペプチドは、H−2dマウスのCTL応答リンパ球を誘発
したが、H−2bマウスのは誘発しなかった。これは、H
−2dがP17に対する免疫応答(Ir)遺伝子レスポンダハ
プロタイプであるがH−2bはレスポンダでないことを示
す。更に、DdとLdとの間で種々にエキソンシャッフルし
た8つのL細胞(H−2k)トランスフェクタントの応答
によって示されるように、HCV NS5のP17に対する応答
は、DdクラスI分子のα1及びα2ドメインの双方に依
存する。HIV−1 gp160に由来のペプチドP18(58)及びH
P53(56)の有効な提示に関しても同様の結果が得られ
た。ワクチン開発の場合に、いずれも同じDdクラスIの
MHC分子によって提示されるP17とHIV−1gp160のペプチ
ドP18及びHP53とが、各々を高度に両親媒性の短いα螺
旋として折り畳んだときに両親媒性疎水性プロフィルに
類似性を有する以外は、配列の顕著な類似性を共有しな
いことに注目すべきである。Dd結合の明白な動機を定義
するためには不十分な相同性が存在しているが、各ペプ
チドのDdに関与する残基の解析(58)は、Dd特異性に関
する構造的要件の解明の助けとなるであろう。
最大溶解を達成すべく二次的にCTLをin vitro刺激す
るためまたは標的を感作するために必要なペプチド濃度
はP17に関しては極めて低い(0.1−1μM)値が観察さ
れた。この結果は、P17が比較的高い親和性でH−2d
のクラスI MHC分子に結合することを示し、このこと
は、実用化の見地から、例えば投与量あたりの経費を最
小に削減できるのでペプチド免疫原の重要な特徴であ
る。また、P17はCTLのin vivo刺激または使用中の活性
に影響を与えるような毒性を全く示さなかった。
Dd分子によるペプチド提示及びCTL認識に対して天然
発生ウイルス突然変異が与える影響を明らかにするため
に、この比較的保存されたエピトープ(26,29,60)のHC
V変異体(米国及び日本)の異なる3つの配列が入手可
能であったため、各々がChiron単離物(26)のP17配列
に比べて1残基または2残基の違いを有する本発明の2
つの変異ペプチドを合成することができたのである。24
24位の1つのアミノ酸置換(T→S)及び2431位の1つ
のアミノ酸置換(V→I)はBALB/cマウス中のペプチド
P17のCTL認識を低下させなかった。従って、米国及び日
本で得られた4つのクローン化HCV単離物全部において
異なっているこれらの点変異は、DdクラスI MHC分子と
ペプチドとの相互作用にもT細胞受容体とペプチドとの
相互作用にも全く影響しないと考えられる。ヒトCTLが
この部位に対して同様の交差反応性を示すならば、この
ペプチドは、現実に見出される保存性置換が少ないにも
かかわらずワクチン開発用CTLエピトープとして有用で
あろう。
このようなワクチンの予想効果に関しては、前以て感
染していた細胞中のウイルスの増殖をCTLが阻止し得る
ことが多数の論文において証明されている(17,28,39,4
2,47,48,63,66)。同様に、HCV特異的CTLを誘発するワ
クチンはHCV防御性であろうと考えられている。本発明
では、HCV NS5領域に由来のP17がクラスI MHC分子によ
ってCD8+CD4-CTLに提示された。ペプチドP17の高い保存
性及び交差反応性は、このペプチドがヒトCTLによって
見出されることができれば、広範囲に有効なHCV用ワク
チンの一成分として役割を果たし得ることを示唆する。
HIV−1タンパク質gp160及び逆転写酵素に関するこれ
までの研究において、マウスCTLによって見出されるエ
ピトープはヒトCTLによっても見出された(10,24,5
7)。慢性感染した一匹のチンパンジー中でP17刺激に応
答してT細胞増殖が観察されたが細胞障害性は観察され
なかった。この霊長類はHCVによって発症する肝炎の唯
一の確認された動物モデルである。
P17部位が多様なヒトクラスI MHC対立遺伝子によって
提示されるか否か、及びP17がクラスII MHC分子によっ
てCD4+CTL細胞にも提示されるか否かは、当業界で公知
の方法に従って判断されるであろう。例えば、Clerici,
M.J.,Imm 146:2214−2219(1991);Clericiら,Nature 3
39:383−385(1989)を参照するとよい。この情報は、
ワクチン開発のためだけでなく、MHC分子結合に対する
ウイルスペプチドの適応性を分析するためにも有用であ
ろう。MHC及びT細胞受容体に結合するためのペプチド
中の必須アミノ酸の同定によって、免疫を逃れるHCV突
然変異の分子基盤及びHCV感染の慢性性に関する新しい
情報が得られるであろう。
以下の実施例は例示目的でのみ与えられており、本発
明を少しも限定するものではない。
実施例1 C型肝炎ウイルスNS5タンパク質のT細胞エピトープの
候補を含むペプチドの設計及び合成 ペプチド設計 本文中で、以後「ChironのHIV1配列」と呼ぶChiron C
orporationの研究者によって公表されたHCVの単離物のN
S5領域の配列に基づいて(26)、一連の28個のペプチド
群を合成した。これらのペプチドはいくつかのオーバー
ラップペプチドを含み、NS5様領域によってコードされ
たHCVの推定RNAポリメラーゼ配列の大部分を包含する。
両親媒性に基づいて(12,13,15,35)、ペプチド配列を
潜在的T細胞エピトープとして選択した。
その後に、組換えワクシニアウイルスを構築するため
に使用したFDA中で単離されたHCVのNS5の全領域を配列
決定すると、28ペプチドのうちの13ペプチドが公表され
たChironのHCV1配列に比べて3残基以下の突然変異を有
していることが判明した(図1A、SEQ ID NOS.8,9,10,1
4,15,20,21,23,26,27,28及び31)。
ペプチド合成及び精製 HCV NS5ペプチドを、文献(25)に記載されているよ
うなポリプロピレンメッシュ「ティーバッグ」中で同時
に多数のペプチドを合成する固相ペプチド合成法によっ
て調製した。C18 Sep−Pakカラム(Waters Associates,
Milford,MA)を用いた逆相クロマトグラフィーによって
ペプチドを脱塩し、HPLCで分析した。いくつかのペプチ
ドはt−Boc技法を用いる全自動ペプチドシンセサイザ
ー(430A型;Applied Biosystems,Inc.,Foster City,C
A)によって調製し、HPLCによって調製した。ペプチドH
IV P18はPeninsula Labs(Belmont,CA)によってGMP条
件下に調製した。
実施例2 C型肝炎ウイルスNS5タンパク質を発現する細胞に対す
る細胞障害性T細胞応答を誘発するペプチドの同定 概論 C型肝炎ウイルスNS5タンパク質の予想されるT細胞
エピトープを同定するために、BALB/c及びBALB.Bマウス
中で実施例1のペプチドのHCV NS5領域に特異的なCTLを
産生する能力を試験した。4週前にNS5発現性組換えワ
クシニアウイルス(vHCV)(107PFU静注)で免疫感作し
たマウスの脾細胞をIL−2の存在下に4μMのペプチド
でin vitro刺激した(培地はConAで刺激した培養ラット
リンパ球の10%上清を含む)。
vHCVで免疫感作したBALB/cマウスは、ペプチドP17に
対してはCTL応答を発現したが、他のペプチドのいずれ
に対しても免疫応答を発現しなかった(図1B)。ワクシ
ニアにクローニングされたHCV領域に特異的な抗体は入
手可能でないため、P17のカルボキシ末端側のタンパク
質配列の発現を直接証明することはできない。これらの
配列が発現しないという証拠は存在しないが、P17のカ
ルボキシ末端配列の発現の欠如が、P17に準じるペプチ
ドに対する応答の欠如の原因である可能性も残ってい
る。
また、公表された配列とワクシニアにクローニングさ
れたHCV単離物の配列との間に11ペプチドの違いがある
ことが陰性応答の原因である可能性もある。陰性応答は
このように様々の理由から生じ得るので、NS5タンパク
質の特定部分がNS5タンパク質に対するCTL応答を誘発し
得るT細胞エピトープを含むと決定するためには陽性応
答のみが有意である。
BALB.B(H−2b)マウスは、試験したいかなるペプチ
ドにも応答を全く示さなかった。しかしながら、組換え
ワクシニアウイルスによって免疫感作したマウスの脾細
胞を同じ組換えワクシニウイルスを使用して刺激する
と、ワクシニア感染標的を使用したときの挿入遺伝子産
物に対する応答を圧倒するようなワクシニアウイルス特
異的応答が活性化される。従って、全NS5タンパク質を
発現するvHCVに感染したBALB.B細胞は、BALB.Bマウスが
本発明のペプチドで試験しなかったHCVの別のエピトー
プに応答するか否かを判断するために使用することはで
きない。
マウス BALB/cマウスは、Charles River Laboratoriesから購
入し、BALB.Bマウスは、Dr.F.Lilly(Albert Einstein
College of Medicine,New York)の好意によって提供さ
れた種畜を当方のコロニーで飼育した。8週齢のマウス
を使用した。
NS5タンパク質を発現する組換えワクシニアウイルス フラビノウイルスとの類似性に基づくNS5領域の大部
分を示すアミノ酸1959−2872をコードするHCVゲノムの
領域を、Chakrabartiらによって記載された方法(7)
でP7.5プロモーター下にワクシニアウイルスにクローニ
ングした。得られた組換えワクシニアウイルスをvHCV#
3と命名した。HCVのH株(HCV/HのFDA単離物(19))
に急性感染したチンパンジーの肝生検からHCVウイルスR
NAを抽出した。RNAを逆転写し、文献(9)に記載され
ているような特異的HCVプライマーを用いたポリメラー
ゼ連鎖反応によって増幅した。5'プライマーは、その5'
末端にATG配列を含んでいた。このPCR産物をpSC11ssト
ランスファーベクターのStu I部位に結合し、次いで相
同組換えによってワクシニアウイルスに挿入した。ワク
シニアをBS−C−1細胞中で増殖させ、これを用いて、
HCV NS5特異的CTLを生成させるべくマウスを免疫感作し
た。
Dr.Bernard Moss,NIAID,NIHから得られたvSC8(大腸
菌lacZ遺伝子を含む組換えワクシニアウイルス)及びvS
C25(HIV−1 III B gp160エンベロープ糖タンパク質を
発現しHIVの他の構造タンパク質または調節タンパク質
を発現しない組換えワクシニアウイルス)は文献(7)
に記載されており、マウスを免疫感作するための対照ワ
クシニアとして使用した。
CTL生成 107PFUの組換えワクシニアウイルスの静注によってマ
ウスを免疫感作した。4−6週後に、免疫脾細胞(24ウ
エルの培養プレートで完全T細胞培地中に5×106/ml
(完全T細胞培地CTMは、10%のFCSと2mMのL−グルタ
ミンと100U/mlのペニシリンと100μg/mlのストレプトマ
イシンと5×10-5Mの2−MEとを含有するRPMI 1640培地
とEHAA培地との1:1混合物))を、ペプチドと10%ConA
上清とを含有する培地(ラットT細胞モノクローン;Col
laborative Research,Inc.,Bedford,MA)によって6日
間in vitro再刺激した。
リンパ球の再刺激には、免疫感作に使用した組換えワ
クシニアウイルスでなくペプチドを用いた。その理由
は、別の抗原に関する経験から、組換えワクシニアで免
疫感作した脾細胞をワクシニアウイルスによって再刺激
した場合、ワクシニアに対する応答が優勢になり、挿入
した組換え遺伝子に由来のペプチドに対する微弱なCTL
応答の検出が難しいことが分かっていたからである。し
かしながら、(以下の)表1に示すように、P17に関し
てはこの問題は生じなかった。
個々のエフェクター集団を刺激するために28個のペプ
チド全部を使用する実験を行うことは論理的に実行可能
ではない。従って、個別のリンパ球集団を刺激するため
に、各4μMの3ペプチドの混合物を使用した。得られ
たエフェクター細胞集団の各々を、対応する混合物中の
3ペプチドについて個々に試験した。しかしながら、MH
Cに対する結合に関して互いに競合する部位(20)の見
落としを防止するために、T細胞エピトープペプチドの
全候補の混合物で刺激することはしなかった。
実験によれば、所与のクラスI分子に対するペプチド
結合の頻度が十分に低く、4μMという低濃度で競合し
得るペプチドの検出頻度が十分に低いので、4μMの3
ペプチドの混合物中の2つのペプチド間の競合のために
陽性応答が見落とされることは生じ難い。しかしなが
ら、このような競合がいくつかのペプチドの陰性結果の
多くの理由の1つである可能性をはっきりと除外するこ
とはできない。
0.5−1μMのペプチドと、10μMのペプチドで4時
間パルスし次いで照射した同系脾細胞(2.5×106細胞/m
l)とを併用してラットIL−2含有培地中の免疫細胞を
反復刺激すると長期CTL系が生成した。
CTLアッセイ in vitro二次CTLまたはCTL系の細胞溶解活性を、51Cr
標識した標的に関する6時間アッセイを用いて文献(5
7,62)に記載されている方法で測定した。CTLのペプチ
ド特異性を試験するために、エフェクターと51Cr標識し
た標的とを種々の濃度のペプチドと混合するか、また
は、ペプチドパルスした標的とエフェクターとを共生培
養した。特異的51Crの放出パーセントを、100×〔(実
験放出−自発放出)/(最大放出−自発放出)〕によっ
て算出した。最大放出は、5%トリトン−X100の添加に
よって溶解した細胞の上清から決定した。自発放出は、
エフェクター細胞非添加でインキュベートした標的細胞
から決定した。18Neo(H−2d;クラスI MHC+,クラスII
MHC-ネオマイシン耐性遺伝子トランスフェクト3T3線
維芽細胞(57))と、L細胞(L28;H−2k)と、EL4胸腺
腫細胞(H−2b)とを標的として使用した。
実施例3 C型肝炎ウイルスNS5タンパク質を発現する細胞に対す
る細胞障害性T細胞応答を誘発するT細胞エピトープの
特異性 ペプチド17を提示するMHC分子のクラスの同定 CTLを検出するためにクラスII陰性線維芽細胞を標的
として使用し、MHC結合対照下に溶解を制限したので、N
S5タンパク質を発現するワクシニアウイルスによって免
疫感作したH−2dマウスから採取したリンパ球の場合、
P17がクラスI MHC分子によってCTLに提示されたと推測
できる。BALB.B(H−2d)マウスが試験したいかなるペ
プチドにも応答しなかったことは、H−2bクラスI MHC
分子がこのペプチドを提示できないことを示唆する。
NS5 T細胞エピトープの天然配列変異体の交差反応性 ワクシニア組換えvHCVを作製するために使用したHCV
のFDA単離物(SEQ ID NO:2)はChironのHCV1配列(26)
に由来のP17配列(SEQ ID NO:1)に比べて1残基の違い
を有しており、個別の2つの日本の単離物(29,60)中
のこの部位に保存された日本配列(SEQ ID NO:3)に比
べて別の1残基の違いを有している(図1A SEQ ID NOS.
1−3)。FDA配列を発現するvHCVによってマウスを免疫
感作したが、Chiron配列に従って作製したP17ペプチド
によってCTLを再刺激しかつこのペプチドでパルスした
標的に関して試験したので、CTLはHCVのこれらの2つの
変異体と交差反応すると予想された。
この交差反応性を直接証明するために、2つのP17ペ
プチド変異体、即ち、2425位及び/または2431位にアミ
ノ酸置換を有するFDAに対応するP17ペプチド変異体(P1
7FDA SEQ ID NO:2)と日本単離物に対応するP17ペプチ
ド変異体(P17JPN SEQ ID NO:3)とを調製した(図1A
SEQ ID NOS.2及び3)。1残基または2残基の違いを
有するこのような変異ペプチドに対する応答は、H−2d
クラスI MHC分子によるペプチド提示及びNS5特異的細胞
のT細胞受容体による認識に対する天然発生ウイルス突
然変異の影響を明らかにするであろう。
NS5に対するCTLの特異性は、CTLアッセイ中に、in vi
voのリンパ球初回抗原刺激、in vitroの再刺激及び標的
細胞上での発現によって証明された(以下の表1)。NS
5遺伝子を発現する組換えワクシニアウイルス(vHCV)
だけがP17またはP17変異体に特異的なCTLを増殖するよ
うにマウスを活性化したが、対照ワクシニアウイルス
(vSC8、vSC25)は活性化しなかった(以下の表1)。
より詳細には、挿入したウイルス遺伝子の産物に特異
的なCTLを活性化し刺激する組換えワクシニアウイルス
の能力を使用して、BALB/c(H−2d)マウス中でHCV NS
5に特異的なCTLを生成させた。非免疫及び免疫脾細胞を
10μMのP17またはP17変異体(または表1に示す濃度;
0.1μMまたは1μMのP17)、0.1μMのP18 III Bまた
はワクシニア(vHCV、vSC8またはvSC25)で再刺激し、
ワクシニアウイルスに感染させた18Neo、1μMのP18 I
II Bでパルスした18Neo(HIV−1 gp160 III B単離物の
免疫優性CTL部位315−329)、非パルスの18Neoに対し
て、P17、P17変異体ペプチド(10μM)の存在下または
ペプチド非存在下に、E:T比100:1で試験した。ペプチド
非存在下の溶解は<4%であった。標的に対するペプチ
ドの毒性は全く観察されなかった。自発放出は最大放出
の20%未満であった。表1の略号は以下を示す: vHCV:HCVのNS5を発現する組換えワクシニアウイルス; vSC8及びvSC25:対照ワクシニアウイルス及びHIV−1 gp1
60を夫々発現する組換えワクシニアウイルス; 18Neo:BALB/c 3T3線維芽細胞H−2d
免疫感作した脾細胞の刺激に使用したペプチド濃度の
滴定によって、P17に特異的な溶解が0.1μMの低濃度の
ペプチドで誘発されることが判明した(表1)。H−2
適合ペプチドでパルスした標的細胞に対して最高レベル
の溶解を誘発するためには、P17で免疫脾細胞を刺激し
た場合には約1−10μMのペプチドが必要であった。P1
7、P17FDA及びP17JPNはCTLの刺激に関しても標的の感作
に関してもほぼ同等であった(表1)。独立の2つの実
験で同様の結果が得られた。即ち、これらの変異体の間
では完全な交差反応性が観察された。
vHCVで免疫感作したマウスの脾細胞を、ペプチドでパ
ルスし照射した同系脾細胞及びIL−2(ConA上清)(図
2)で反復刺激することによってP17及びP17FDAに特異
的な長期CTL系を樹立した。P17またはP17FDA(2425位、
S→T)によって刺激したCTL系は、各ペプチドによっ
て高度に特異的に標的を溶解した。滴定試験では、CTL
系による溶解を得るために同様のレベル(0.01〜10μM;
図2)のP17及びP17変異体で標的細胞を感作した。
0.1μM以上の濃度の各ペプチドの存在下に溶解の程
度がプラトーに到達した。P17及びP17FDAに特異的な2
つの異なる系を用いた場合、同様のペプチド濃度ではP1
7によって達成され得る最大溶解は別の2つのP17変異体
によって達成され得る最大溶解と同等であった。従っ
て、これらの突然変異残基は応答の量または濃度依存性
には影響を与えず、ペプチドは完全に交差反応性であっ
た。P17ペプチドの3つの変異体のいずれかによってin
vitro刺激したCTLは3つのP17ペプチド変異体全部の存
在下に同様に十分に標的を溶解させた(表1)。
従って、米国及び日本で単離されたHCVの4つのクロ
ーンのP17配列中で異なっている保存性点変異はH−2d
クラスI MHC分子とのペプチド交差反応にもT細胞受容
体による認識にも影響を与えていなかった。
ペプチドで誘発されたCTLによるプロセスされたNS5タン
パク質の認識 ペプチドによるin vitro刺激の反復によって生成され
たCTL系は、ペプチドだけでなく、内在的に合成されたN
S5タンパク質のプロセスシング産物を有する標的細胞を
認識することが判明した。即ち、H−2d(BALB/c)によ
って制限されたCTL系は、NS5を内在的に発現するvHCV感
染した同系標的細胞(18Neo細胞、ネオマイシン耐性遺
伝子でトランスフェクトされたBALB/c 3T3線維芽細胞)
及びP17またはP17FDAによってパルスされた18Neo細胞を
壊死させることはできたが、非パルスの対照標的または
P18 III Bでパルスした18Neoを壊死させることはできな
かった(図3)。
従って、本発明のペプチドによって生成されたCTL応
答は、外因性ペプチドだけでなく内在的に合成されたNS
5のプロセスド産物を有する標的細胞に特異的である。
CTL応答の抗体阻害によるT細胞型の同定 P17に特異的なCTL細胞系を抗CD8モノクローナル抗体
によって処理すると、標的細胞に対する細胞障害活性が
減少または阻害されたが、抗CD4抗体によって処理して
も同様の結果は生じなかった(図4)。抗L3T4抗体(抗
CD4、IgG2b(68))または抗Lyt2.2抗体(抗CD8(5
4))を夫々含むハイブリドーマGK1.5または2.43の培養
上清をCTLアッセイの96ウエルプレートに指定濃度で添
加した。
これらの結果は、P17を認識するエフェクター細胞が
定型的なCD8+CD4-(Lyt2+L3T4-)CTLであることを示
す。BALB/c中のH−2d制限されたペプチド特異的CTL系
に対しては、クラスI MHC遺伝子産物を発現するがクラ
スII MHC遺伝子産物を発現しない18Neo細胞を標的とし
て使用した。従って、これらのH−2d制限CTL系は、Lyt
2+CD8+エフェクターT細胞で予想されたようにクラスI
MHC制限されていると推測される。P17FDA特異的系も同
様の結果を示した。
エキソンシャッフルした野生型クラスIトランスフェク
タントを用いたMHC分子の相互作用ドメインの同定 Kd、DdまたはLd分子を発現するトランスフェクタント
を使用し、H−2d関係でP17の提示に特異的に必要なMHC
分子を決定した。Dd、Ldまたは両者間のエキソンシャッ
フルを含むマウスL細胞トランスフェクタントは従来文
献に記載されており(18,36,38,40)、Dr.David Margul
ies,NIAIDから得られた。Kdを発現するトランスフェク
タントはAbastadoらによって開発され(1)、Dr.Keiko
Ozato(NICHD)から得られた。ここで報告した機能性
研究を行う前にそれらの発現された表現型を確認するた
めに、すべてのトランスフェクタント細胞系を抗H−2D
d、抗H−2Kd及び抗H−2LdmAbsの適当なパネルを用い
たFACS分析によって試験した。
標的を指定ペプチドでパルスし同時に51Crで標識し
た。T37.2.1(Ddのα1α2)及びT4.8.3(Dd)は3つ
のH−2dのクラスI MHC分子全部を発現する陽性対照細
胞(18Neo BALB/c 3T3線維芽細胞)とほぼ同様にP17を
提示することが知見された(図5)。Kd及びLd及びその
他のDd/LdエキソンシャッフルしたクラスI MHC分子はい
ずれもCTLにP17を提示しなかった。
従って、本発明のペプチドを提示するためには、α1
及びα2の双方のドメインが必要であり、双方の存在で
十分であった。BALB/c中のP17FDAを認識するCTLに関し
ても同様の制限が知見された。
実施例4 C型肝炎ウイルスNS5タンパク質に由来のペプチドを哺
乳動物に投与することによって行うC型肝炎ウイルスの
NS5タンパク質に対する免疫応答の誘発 ワクチンの調製及び免疫感作手順 CD8+CTLを誘発するための合成ペプチドによるペプチ
ド免疫感作は、Aichele,P.,ら,J.Exp.Med.171:1815−18
20(1990)またはKast,W.K.,ら,Proc Natl Acad Sci US
A 88:2283−2287(1991)の方法に従って完全または不
完全フロインドアジュバント中の50−100μgのペプチ
ドを用いて行ってもよく、あるいは、Harty,J.T.,ら,J.
Exp.Med.175:1531−1538(1992)の方法によって脾細胞
に対して行ってもよい。これらの免疫感作手順のいずれ
かを用いて誘発されたCTLによってウイルスまたは細菌
感染に対する防御が得られる。
本発明の物質組成物及び方法に対する種々の修正及び
変更が可能であることは当業者に明らかであろう。従っ
て、本発明は、請求の範囲及びその等価の範囲内に含ま
れている限りその修正及び変更を包含すると理解された
い。
発明の背景に関する記載及び本明細書の開示を完全な
ものにするために、明細書中で言及した発表論文、特許
及び特許出願の各々は本明細書で参照したことによって
その記載内容全体が本発明に含まれるものとする。
以下の参考文献に関しては、以下に示す参照番号を括
弧内に挿入した場所でこれらの文献を本明細書中で引用
したと理解されたい。
本明細書中で引用した参考文献を以下に記載する。
配列表 (2)SEQ ID NO:1に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:16アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:1 (2)SEQ ID NO:2に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:16アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:2 (2)SEQ ID NO:3に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:16アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:3 (2)SEQ ID NO:4に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:20アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:4 (2)SEQ ID NO:5に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:20アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:5 (2)SEQ ID NO:6に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:20アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:6 (2)SEQ ID NO:7に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:20アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:7 (2)SEQ ID NO:8に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:20アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ix)特徴: (A)名称/キー:改変部位 (B)位置:12 (C)他の情報:/注=“12位のX aaはGlnまたはArg
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でもよい” (xi)配列:SEQ ID NO:9 (2)SEQ ID NO:10に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:20アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ix)特徴: (A)名称/キー:改変部位 (B)位置:4 (C)他の情報:/注=“4位のX aaはValまたはIle
でもよい” (xi)配列:SEQ ID NO:10 (2)SEQ ID NO:11に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:20アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:11 (2)SEQ ID NO:12に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:16アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:12 (2)SEQ ID NO:13に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:15アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:13 (2)SEQ ID NO:14に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:20アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ix)特徴: (A)名称/キー:改変部位 (B)位置:3 (C)他の情報:/注=“3位のX aaはAlaまたはGlu
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でもよい” (xi)配列:SEQ ID NO:15 (2)SEQ ID NO:16に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:20アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:16 (2)SEQ ID NO:17に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:15アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:17 (2)SEQ ID NO:18に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:18アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:18 (2)SEQ ID NO:19に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:21アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:19 (2)SEQ ID NO:20に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:20アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ix)特徴: (A)名称/キー:改変部位 (B)位置:2 (C)他の情報:/注=“2位のX aaはAlaまたはVal
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でもよい” (xi)配列:SEQ ID NO:23 (2)SEQ ID NO:24に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:16アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:24 (2)SEQ ID NO:25に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:19アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:25 (2)SEQ ID NO:26に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:16アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ix)特徴: (A)名称/キー:改変部位 (B)位置:3 (C)他の情報:/注=“3位のX aaはCysまたはArg
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でもよい” (ix)特徴: (A)名称/キー:改変部位 (B)位置:20 (C)他の情報:/注=“20位のX aaはAlaまたはVal
でもよい” (xi)配列:SEQ ID NO:27 (2)SEQ ID NO:28に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:20アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ix)特徴: (A)名称/キー:改変部位 (B)位置:12 (C)他の情報:/注=“12位のX aaはAlaまたはVal
でもよい” (xi)配列:SEQ ID NO:28 (2)SEQ ID NO:29に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:13アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:29 (2)SEQ ID NO:30に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:15アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ix)特徴: (A)名称/キー:改変部位 (B)位置:4 (C)他の情報:/注=“4位のX aaはGlyまたはAla
でもよい” (ix)特徴: (A)名称/キー:改変部位 (B)位置:12 (C)他の情報:/注=“12位のX aaはLeuまたはVal
でもよい” (xi)配列:SEQ ID NO:30
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/569 G01N 33/569 L 33/576 33/576 Z (72)発明者 白井 睦訓 香川県木田郡三木町池戸1239−2 医大 池戸宿舎A202 (72)発明者 アカツカ,トシタカ アメリカ合衆国、メリーランド・20815、 チエビー・チエイス、サウス・パーク・ アベニユー・4450、アパートメント・ 1718 (72)発明者 フエインストーン,ステイーブン・エム アメリカ合衆国、ワシントン・デイー・ シー・20008、ノース・ウエスト、キヤ セドラル・アベニユー・3021 (56)参考文献 国際公開90/011089(WO,A1) J.Immunol.,Vol.148, No.6(1992.Mar.)p.1657− 1667 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) REGISTRY(STN) BIOSIS/WPI(DIALOG) PubMed

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】MSYSWTGALVTPCAAE(SEQ ID NO:1)、MSYTW
    TGALVTPCAAE(SEQ ID NO:2)及びMSYTWTGALITPCAAE(SE
    Q ID NO:3)から成るグループから選択された配列の8
    個以上の連続残基から成る第一セグメントを含むペプチ
    ドであって、前記セグメントがC型肝炎ウイルスのNS5
    タンパク質を発現する細胞に対して哺乳動物のリンパ球
    中に細胞障害性T細胞応答を誘発するT細胞エピトープ
    であり、前記ペプチドの長さが8残基以上で30残基未満
    であることを特徴とするペプチド。
  2. 【請求項2】更に、別のT細胞エピトープである第二セ
    グメントを含むことを特徴とする請求項1に記載のペプ
    チド。
  3. 【請求項3】更に、B細胞エピトープである第二セグメ
    ントを含むことを特徴とする請求項1に記載のペプチ
    ド。
  4. 【請求項4】更に、前記ペプチドの末端にリンカーを含
    み、ラベル、固体マトリックス及び担体から成るグルー
    プから選択された物質が前記リンカーに結合されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のペプチド。
  5. 【請求項5】更に、免疫応答を誘発する物質が前記ペプ
    チドに結合していることを特徴とする請求項1に記載の
    ペプチド。
  6. 【請求項6】C型肝炎ウイルスのNS5タンパク質のT細
    胞エピトープに応答する細胞障害性T細胞を哺乳動物の
    リンパ球中で検出する方法であって、 (a)前記細胞障害性T細胞の試験対象リンパ球にMHC
    適合性の標的細胞を請求項1のペプチドと接触させる段
    階と、 (b)前記細胞障害性T細胞の試験対象リンパ球を請求
    項1のペプチドと接触させる段階と、 (c)前記リンパ球が前記標的細胞に細胞障害効果を作
    用させたか否かを判定し、C型肝炎ウイルスのNS5タン
    パク質のT細胞エピトープを認識する前記リンパ球の存
    在の指標とする段階とを含むことを特徴とする方法。
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