JP3506053B2 - 電気角計測装置、および電気角計測方法 - Google Patents
電気角計測装置、および電気角計測方法Info
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Description
て回転子の回転角度たる電気角を計測する技術に関す
る。
等の動力源として、電動モータが広く使用されている。
近年では、交流モータもこれら動力源として広く使用さ
れるようになった。交流モータは構造が簡単で信頼性が
高く保守も容易であるという利点を有する反面、回転速
度や発生トルクを精度良く制御することが困難であると
いう欠点があったが、近年の半導体技術の発達によって
これら欠点が克服され、現在では信頼性の高い動力源と
して広く使用されるようになっている。また、半導体技
術の進歩によって、整流子とブラシを使用しないいわゆ
るブラシレス直流モータも実用化され、動力源として広
く使用されている。
ば永久磁石を貼付した回転子と、Y結線あるいはデルタ
結線した多相のコイルが巻回された固定子とからなり、
各相コイルに印加する電圧を切り換えるインバータを介
して駆動されている。かかる電動モータは、モータの回
転子の電気的な回転位置(電気角)を検出し、該電気角
に応じて各相コイルに印加する電圧を次々と切り換える
ことによって回転磁界を発生させ、回転磁界と回転子と
の電磁気的な相互作用によってトルクを発生させる。電
気角は、ホール素子を使用して検出することもできる
が、ホール素子等の専用のセンサを使用せずに電気角を
算出する、いわゆるセンサレス方式も提案されている
(例えば、特開平7−177788)。センサレス方式
によって電気角を検出すれば、センサを使用しない分だ
け故障に対する信頼性が増し、電動モータの耐久性が更
に向上するという利点がある。
原理の概要は、次のようなものである。電動モータのコ
イルにステップ状の電圧を印加すると、コイル内には時
間とともに変化する電流が発生し、この電流の変化は、
印加する電圧値とコイル側のインピーダンスおよびイン
ダクタンスとによって定まる。ここで、電動モータにお
いては、インダクタンスと電気角とは一定の対応関係が
成り立つことが知られている。そこで、電流の変化量を
解析して各相コイルのインダクタンスを求め、インダク
タンスと電気角の対応関係を利用して、インダクタンス
から電気角を算出するのである。
運転するためには、各コイルに印加する電圧を、検出し
た電気角に応じて次々と切り換えていく必要がある。こ
のため電気角は正確にかつ迅速に算出する必要がある。
式では、次のような方法によって電気角を算出してい
る。先ず、所定の電圧値と時間幅とを有する基準のパル
ス電圧を1つ定め、コイルには常にこの基準パルス電圧
を印加する。また、コイルに発生する電流値は、パルス
を印加してから所定時間経過した時の電流値を計測す
る。このように印加するパルス電圧値と計測タイミング
を一定としておけば、電流の計測値の違いはすなわちイ
ンダクタンスの違いとなるので、予め求めておいた電流
値とインダクタンスとの対応表等を参照することによ
り、迅速にかつ精度良く電気角を算出することができ
る。印加する基準のパルス電圧は、電源から供給される
電圧値を検出し、PWM制御等の周知の手法を用いて電
源電圧を所定比率で降圧することにより、正確な基準パ
ルス電圧を発生させる。
レス方式には、電源電圧が低くなった場合に正確な電圧
値のパルスを発生させることができず、かかる場合の電
気角検出精度が低下するという問題がある。
となるので、モータの更なる高回転化や制御の更なる高
精度化を図ることが困難であるという問題がある。
なされたものであり、電源電圧が低下した場合でも電気
角をセンサレスで正確に計測するとともに、電気角計測
に要する時間を更に短縮することが可能な技術を提供す
ることを目的とする。
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の電
気角計測装置は、次の構成を採用した。すなわち、電動
モータの回転子と固定子との間の電気角を計測する電気
角計測装置であって、前記電動モータのコイルにパルス
電圧を印加するパルス電圧印加手段と、該パルス電圧に
よって前記コイルに発生した前記電流変化量を計測する
実電流変化量計測手段と、前記印加したパルス電圧の電
圧値に基づいて前記電流変化量を補償し、基準電圧値の
パルス電圧の印加に対応した基準電流変化量を推定する
基準電流変化量推定手段と、該推定された基準電流変化
量に基づいて前記電気角を決定する電気角決定手段とを
備えることを要旨とする。
発明の電気角計測方法は、電動モータの回転子と固定子
との間の電気角を計測する電気角計測方法であって、前
記電動モータのコイルにパルス電圧を印加し、該パルス
電圧の印加によって前記コイルに生じる電流変化量を計
測し、前記印加したパルス電圧に基づいて前記電流変化
量を補償することによって、基準電圧値のパルス電圧の
印加に対応した基準電流変化量を推定し、該推定した基
準電流変化量に基づいて、前記電気角を計測することを
要旨とする。
法においては、電動モータのコイルに印加したパルス電
圧の電圧値と、パルス電圧の印加によりじた電流変化量
とから、基準電圧値のパルス電圧の印加により生じる基
準電流変化量を推定し、推定した基準電流変化量に基づ
いて電気角を計測する。従って、基準電圧のパルスを発
生させる必要がないので、その手間が省ける分だけ迅速
に電気角を計測することができる。また、基準電圧値と
異なる電圧値のパルス電圧を印加しても基準電流変化量
を推定することができるので、基準電圧を発生させるこ
とが困難な条件においても、精度よく電気角を検出する
ことができる。
に印加されるパルス電圧の値と、計測された電流変化量
を基準電流変化量に変換するための補償量との対応関係
を、予め記憶しておき、この対応関係に基づいて、計測
された電流変化量から基準電流変化量を推定しても良
い。
づいて、電流変化量の補償量を求めれば、計測された電
流変化量から基準電流変化量を精度良く推定することが
できる。延いては、電気角を精度良く計測することがで
きるので好適である。
ら供給される直流電圧とともに増減する電圧値のパルス
電圧を印加することとし、電源から供給される前記直流
電圧の値を計測することによって、コイルに印加された
パルス電圧の電圧値を求めても良い。
に求めることができる。そのため、電気角計測精度が向
上するので好適である。更に、電源から供給される直流
電圧値は比較的容易に計測することができるので、印加
されるパルス電圧を容易に求めることができる。その分
だけ電気角の計測も容易になるので好適である。
タの電気角を計測する電気角検出装置としてもよい。同
期モータの制御は回転子の電気角に基づいて行われるの
で、本発明の電気角計測装置を用いて電気角を計測すれ
ば、迅速かつ精度よく同期モータを制御することが可能
となり好適である。
電気角を計測してもよい。電源から供給される直流電圧
値を計測して、該直流電圧値が所定値以上の場合には基
準電圧値のパルス電圧を印加し、このパルス電圧により
発生した基準電流変化量を計測する。前記直流電圧値が
所定値以下の場合には該直流電圧値に比例する電圧値の
パルス電圧を印加してコイルに発生した電流変化量を計
測し、印加したパルス電圧の電圧値と計測した電流変化
量とに基づいて基準電流変化量を推定する。このように
して、電源が充分な電圧値の直流電圧を供給する場合に
は基準電流変化量を計測し、充分な電圧値の直流電圧を
供給しない場合には基準電流変化量を推定して、計測さ
れた基準電流変化量あるいは推定された基準電流変化量
に基づいて電気角を求めても良い。
から供給される直流電圧の電圧値に関わらず、精度良く
電気角を計測することができるので好適である。
供給する直流電圧値が基準電圧値より大きい場合には、
基準電圧値のパルス電圧を印加し、直流電圧値が基準電
圧値より小さい場合には、直流電圧値と等しい電圧のパ
ルス電圧を印加するようにしてもよい。
の電圧値が低い場合には、供給される直流電圧を降圧す
ることなくコイルに印加することになる。直流電圧を降
圧してからコイルに印加すると、コイルに発生する電流
変化量も小さくなってしまうが、降圧することなく印加
すれば、電流変化量が大きな値となる分だけ検出精度を
向上させることができ、延いては電気角の計測精度も向
上させることが可能になるので好ましい。
て電動モータを制御する制御装置、あるいは制御方法と
しても態様を取ることも可能である。すなわち、本発明
の電動モータ制御装置は、電動モータの回転子と固定子
との間の電気角を計測し、該計測した電気角に基づいて
前記電動モータの制御を行う電動モータ制御装置であっ
て、前記電動モータのコイルにパルス電圧を印加するパ
ルス電圧印加手段と、該パルス電圧によって前記コイル
に発生した前記電流変化量を計測する実電流変化量計測
手段と、前記印加したパルス電圧の電圧値に基づいて前
記電流変化量を補償し、基準電圧値のパルス電圧の印加
に対応した基準電流変化量を推定する基準電流変化量推
定手段と、該推定された基準電流変化量に基づいて前記
電気角を決定する電気角決定手段と、該決定された電気
角に基づいて、前記コイルに通電する電流の制御を行う
電流制御手段とを備えることを要旨とする。
応する本発明の電動モータの制御方法は、電動モータの
回転子と固定子との間の電気角を計測し、該計測した電
気角に基づいて前記電動モータを制御する方法であっ
て、前記電動モータのコイルにパルス電圧を印加し、該
パルス電圧の印加によって前記コイルに生じる電流変化
量を計測し、前記印加したパルス電圧に基づいて前記電
流変化量を補償することによって、基準電圧値のパルス
電圧の印加に対応した基準電流変化量を推定し、該推定
した基準電流変化量に基づいて、前記電気角を決定し
し、該決定した電気角に基づいて、前記コイルに通電す
る電流の制御を行うことを要旨とする。
タ制御方法においては、コイルに印加したパルス電圧の
電圧値に基づいて基準電流変化量を推定し、該推定した
基準電流変化量に基づいて電気角を計測して、電動モー
タを制御する。従って、電気角を迅速かつ正確に計測す
ることができる。このため、電動モータの更なる高回転
化、あるいは制御の高精度化を図ることが可能となるの
で好適である。
用を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態
を実施例に基づき説明する。
しての電気角検出装置を含んだモータ制御装置10の概
略構成を示す機能ブロック図である。モータ制御装置1
0における本実施例の電気角検出装置の役割の概要を説
明するために、先ず、図1のモータ制御装置10がモー
タの回転を制御する概要について簡単に説明する。
相同期モータ60と,三相同期モータ60の各相コイル
に流れる電流を切り替える働きをするインバータ30
と,インバータ30に電力を供給する電源80と,イン
バータ30を制御する制御部20と,同期モータ60の
電気角を検出する電気角検出部40と,同期モータ60
が発生しているトルクを検出するトルク検出部50等か
ら構成されている。
回転子の回りに3つのコイルを配置した構造を有し、電
気的には各コイルをY結線した等価回路に置き換えて考
えることができる。仮に、U相のコイルにつながってい
るu相端子を電源のマイナス端子に接続し、V相のコイ
ルにつながっているv相端子とW相のコイルにつながっ
ているw相端子とをプラス端子に接続すると、各コイル
には図1に示す方向の磁界が形成される。3つのコイル
の中心位置では、各コイルの磁界が合成して、紙面上で
上下方向に向かう磁界が形成される。次に、u相端子と
w相端子をマイナス端子に接続し、v相端子をプラス端
子に接続する。すると、U相コイルとV相コイルの磁界
の向きが逆転し、その結果、3相コイルの中心位置での
磁界の向きは、紙面上で時計方向に60度回転する。続
けて、u相端子とv相端子をマイナス端子に接続し、w
相端子をプラス端子に接続すると、磁界の向きは時計方
向に更に60度回転する。このようにu・v・wの各相
の端子に印加する電圧を次々に切り替えていくことによ
って、3相コイルの中心位置に存在している回転子に回
転磁界を作用させることができる。回転子に永久磁石を
貼付しておけば、回転子は磁界の動きとともに回転す
る。
あって、インバータ30は各相コイルの端子に印加する
電圧を次々と切り換える機能を果たしている。制御部2
0はインバータ30を制御している。電気角検出部40
とトルク検出部50は、電流検出器12,14が検出し
た各相コイルの電流値から、電気角とモータの発生トル
クとをそれぞれ検出し、制御部20に出力する。制御部
20は、電気角検出部40から受け取った電気角に基づ
いて各相コイルに印加する電圧の切り替え時期を制御す
るとともに、トルク検出部50から受け取った発生トル
クがトルク指令値に一致するように発生トルクのフィー
ドバック制御を行う。
に各相コイルに印加する電圧をスムーズに切り替えてや
る必要があり、本実施例の電気角検出装置は回転子62
の電気的な回転位置(電気角)を検出して制御部に供給
する役割を果たしている。
したモータ制御装置10のハードウェア構成の概要を示
した説明図である。モータ制御装置10は三相同期モー
タ60を駆動する装置であり、制御を行うための各種演
算を司る電子制御ユニット(以下、ECUと呼ぶ)20
0と、電力を供給する電源80と、ECU200の制御
の下で三相同期モータ60に印加する電圧を切り替える
インバータ30と、モータのコイルに流れる電流を検出
する電流検出器12,14と、検出した電流から不要な
周波数成分を取り除くフィルタ102,104と、フィ
ルタ後の電流値をデジタルデータに変換するアナログデ
ジタル変換器(以下、ADCと呼ぶ)等から構成されて
いる。
204と、RAM206と、外部からデータを受け取る
入力ポート208と、外部にデータを出力する出力ポー
ト210等を備えた周知の算術論理演算回路として構成
されており、ECU200内のCPU202等は互いに
バス212で接続され、データをやり取りすることが可
能となっている。
ンジスタやダイオードなどの電力制御用半導体で構成さ
れた、いわゆるパワートランジスタ式インバータであ
る。もちろん、サイリスタ等を使用した他の方式のイン
バータを適用することもできる。ECU200からの制
御信号に基づいて、トランジスタのスイッチング動作を
制御することによって、三相同期モータ60の3つの端
子に印加する電圧を適切なタイミングで切り替えてい
る。
利用して、モータのU相コイルおよびV相コイルに流れ
る電流をそれぞれ検出する。検出した電流は、電気角の
検出(詳細は後述)やモータが発生するトルクの検出
(後述)等に使用される。モータの各相コイルを流れる
電流は時間とともに変動しており、変動する電流の所定
範囲の周波数成分を取り出して、電気角やトルクの検出
に使用する。フィルタ102,104は電流検出器1
2,14で検出された電流から不要な周波数成分を取り
除くために設けられている。ADC106,108は、
フィルタ102,104のアナログ出力をコンピュータ
が取り扱うことのできるデジタルデータに変換する。A
DC106,108の出力は、入力ポート208を経由
してECU200に取り込まれる。図2に示すモータ制
御装置10に電力を供給する電源80は、複数のバッテ
リを接続した直流電源を使用している。もちろん、これ
に限定されるものではなく、例えば商用の交流電源から
直流電圧を発生させるコンバータを用いても良く、ある
いは燃料電池を利用して直流電圧を発生させる電源装置
を用いても良い。
御に使用されるECU200や、インバータ30、電流
検出器12,14、フィルタ102,104、ADC1
06,108の機能を利用して行われる。すなわち、本
実施例の電気角検出装置100は、モータ制御装置10
に内包される形態で存在している。
図4は、本実施例で使用されている三相同期モータ60
の構造概要を示す説明図である。図3はモータの回転軸
を含む断面における断面図であり、図4は回転軸に直交
する断面における断面図である。図3に示すとおり、三
相同期モータ60は、固定子61と回転子62と、これ
らを収納するケース63とから構成される。回転子62
は、外周に永久磁石64aないし64dが貼付されてお
り、その回転軸65をケース63に設けられた軸受66
a,66bによって回転自在に保持されている。
した板状回転子67を複数枚積層したものである。板状
回転子67は、図4に示すように、直交する位置に4つ
の突極68aないし68dを備えている。回転子62の
外周面であって突極68aないし68dの中間位置に
は、永久磁石64aないし64dが回転軸方向にそって
貼付されている。永久磁石64aないし64dは、回転
子62の半径方向に磁化されており、その極性は隣り合
う磁石同士が互いに異なる磁極となっている。例えば、
永久磁石64aは外周面がN極であり、その隣の永久磁
石64bは外周面がS極となっている。この永久磁石6
4a,64bは、回転子62に組み付けた状態では、板
状回転子67および板状固定子69を貫く磁路Mdを形
成する(図4参照)。
て形成した板状固定子69を積層して形成されている。
板状回転子67は、図4に示すように12個のティース
70を備えている。ティース70間に形成されたスロッ
ト71には、固定子61に回転磁界を発生させるコイル
72が巻回されている。尚、板状固定子69の外縁部に
は固定用のボルト73を通すボルト孔が設けられている
が、図4では図示を省略してある。
ト孔に固定用のボルト73を通し、これを締め付けて全
体を固定する。こうして形成した固定子61の中に、回
転子62を軸受66a,66bで回転自在に組み付ける
ことによって、三相同期モータ60が完成する。
図4に示すように、隣接する突極および板状回転子67
と板状固定子69とを貫く磁路Mqが形成される。尚、
上述した永久磁石64aにより形成される磁束が、回転
子62をその回転軸中心を通って径方向に貫く軸をd軸
と呼び、回転子62の回転面内において前記d軸に電気
的に直交する軸をq軸と呼ぶ。つまり、d軸およびq軸
は回転子62の回転に伴って回転する軸である。本実施
例の三相同期モータ60では、回転子62に貼付された
永久磁石64aおよび永久磁石64cは外周面がN極と
なっており、永久磁石64bおよび永久磁石64dは外
周面がS極となっていることから、図4に示すように、
幾何学的にはd軸と45度方向にある軸がq軸となる。
施例のモータ制御装置10が三相同期モータ60の運転
を制御する処理の流れを示したフローチャートである。
電気角検出処理は、図5に示したモータ制御処理の一部
として、ECU200内のCPU202によって実施さ
れる。電気角の検出について説明する準備として、モー
タ制御処理の概要を、図5のフローチャートに従って以
下に説明する。
ると初めに電気角検出処理を行う(ステップS10
0)。前述したように、三相同期モータ60の制御では
回転子62の回転に合わせて、U・V・W相の各端子に
印加する電圧を次々と切り替えながらモータを運転して
いるので、モータ制御処理の基本となる変数である電気
角を初めに検出するのである。電気角検出処理の詳細に
ついては後述する。
した電気角から、固定子61内に形成する回転磁界の向
きを決定し、決定した向きの磁界が形成されるよう、U
・V・W相の各端子の電圧状態、すなわち電源80から
供給される電圧の高電圧側に接続するのかあるいは低電
圧側に接続するのかを決定する。この処理が、端子電圧
決定処理である(ステップS102)。
02はトルク制御処理を開始する(ステップS10
4)。モータの発生するトルクは各相のコイルに流れる
電流と比例するので、各相のコイルに流れる電流を電流
検出器12,14で検出すれば、モータの発生トルクを
検出することができる。この発生トルクとトルク指令値
とを比較し、発生トルクが小さければコイルに流す電流
を増加させ、発生トルクが少なければ電流を減少させ
る。こうして、モータが発生するトルクがトルク指令値
と一致するように制御する処理がトルク制御処理(ステ
ップS104)である。本実施例では、いわゆるPWM
制御を行うことによってコイルに流れる電流値を制御し
ている。尚、各相コイルを流れる電流値の総和は常に値
ゼロとなる関係がある。そこで、本実施例ではU相コイ
ルとV相コイルの2つのコイルに流れる電流Iu,Iv
のみを検出し、W相コイルに流れる電流Iwはこの関係
を利用して計算によって求めている。もちろん、電流検
出器を3つ設け、U・V・Wの各相コイルに流れる電流
を直接検出してもよい。
トルク制御処理S104を終了すると、再びステップS
100の処理に戻って電気角を検出し、新たに検出した
電気角に基づいて、以降の一連の処理を繰り返す。すな
わち、本実施例で用いられるモータ制御装置10は、図
5に示すモータ制御処理をメインルーチンとして絶えず
実行しており、他の処理を行う場合には割り込みを発生
させて必要な処理を行い、その後、再びメインルーチン
に復帰してモータの制御を継続する。本実施例のモータ
制御装置10では、メインルーチンが1回まわるための
時間は平均して200μsec前後である。
くなると、モータを高速回転させた場合になめらかな制
御ができなくなるおそれがある。このため、メインルー
チンの処理時間はできるだけ短いことが望ましい。その
ためには、電気角検出処理もできるだけ短い時間で電気
角を検出する必要がある。そこで、本実施例の電気角検
出装置100では次のようにして電気角を検出してい
る。
に高電圧を印加し、v相端子とw相端子に低電圧を印加
すると、U相コイルを電流が流れる。この時のU相−V
W相間の回路のインダクタンスLは、回転子62のd軸
が回転磁界のq軸と電気的になす角度(電気角)によっ
て変化することが知られている。図6は、電気角によっ
て各相間のインダクタンスLが変化する様子を示した説
明図である。図6中にL1とあるのは、U相−VW相間
の回路のインダクタンスを示し、L2とあるのはV相−
WU相間の回路のインダクタンスを示す。図6に示され
ているように、インダクタンスL1とインダクタンスL
2とは、位相が120度異なっている。この関係は、次
のように考えると理解しやすい。U相コイルとV相コイ
ルとはコイルの向きが120度異なっているので、磁界
がある方向を向いた瞬間のV相コイルの状態と、その瞬
間から電気角が120度進んだU相コイルの状態とが同
じになる。従って、V相−WU相間のインダクタンスL
2は、U相−VW相間のインダクタンスL1に対して電
気角120度分だけ位相が進んだ関係となるのである。
ンスL1およびL2から電気角を求めることができる。
すなわち、インダクタンスL1の値が求まると、そのよ
うなインダクタンスとなる電気角は図6中に示したα1
ないしα4のいずれかであることがわかる。インダクタ
ンスL1のみからは、4つのうちのいずれであるかは判
断できないが、更にインダクタンスL2を求めれば、L
2との関係から、電気角がα1ないしα4のいずれであ
るかを決定することができる。
の電圧を印加したときの過渡的な電流変化から、次のよ
うにして求めることができる。回路のインピーダンスを
R、インダクタンスをLとして、印加するステップ状の
電圧の電圧値をE1とすると、電流値I(t)は次式に
よって求められる。 I(t)={1−exp(−Rt/L)}E1/R … (1) ここで、exp()は指数関数を表す。
I(t)の変化を示す説明図である。図7(a)と図7
(b)とは電圧値E1の値を変えた場合を比較したもの
である。電流値は、電圧の印加直後は直線的に増加する
が、しばらくすると増加割合が鈍くなり、やがては定常
的に電圧E1を印加したときの電流値E1/Rに安定す
るという変化を示す。また、インダクタンスが特に小さ
な値をとる場合には、図7に示すように、電圧の印加直
後は若干振動し、やがて定常値に安定する波形を示す。
図7から明らかなように、印加する電圧値を固定してお
けば、電圧印加から所定時間t0だけ経過したときの電
流値I(t0)は、インダクタンスLの値によって決定
される(上述の(1)式を参照)。このことから、印加
電圧E1と時間t0を一定値とし、その条件での電流値
I(t0)とインダクタンスLとの関係を(1)式から
予め求めておけば、電流値を計測するだけで即座にイン
ダクタンスLを求めることができるのである。
きるだけ短い時間で電気角を計測する必要がある。そこ
で、電流を計測するタイミングt0、および印加する電
圧E1を一定値とし、その条件での電流値とインダクタ
ンスの対応表を予め算出しておくことによって、電流の
検出値から対応表を参照して即座にインダクタンスを求
める方法が採用されてきた。しかし後述するように、本
実施例の電気角検出処理では、従来の方法よりも更に短
い時間で電気角を計測するために、印加する電圧を可変
としている。本実施例の電気角検出方法の中にも種々の
態様が存在しており、それら態様について以下に説明す
る。
様):本実施例の第1の態様の電気角検出処理について
説明する。初めに、本処理の具体的な処理内容について
説明し、その後、第1の実施態様の電気角検出処理を採
用することにより得られる効果を、従来より行われてき
た電気角検出処理との比較において説明する。
る電気角検出処理の流れを示すフローチャートである。
この処理は、ECU200のCPU202が、図5に示
すメインルーチンの中で実行する処理である。
ると、まず初期電流値I0を検出する(ステップS20
0)。すなわち、パルス電圧を印加する前にコイルに流
れている電流値を、電流検出器12を用いて初期電流値
I0として検出しておくのである。
と、インバータ30を制御することによってコイルにパ
ルス電圧を印加する(ステップS202)。印加する電
圧は、電源80から供給される電圧を所定割合で降圧し
て発生させる。本実施例では、電源80は通常400V
前後の電圧を供給しており、この電圧を250V程度に
降圧して印加しているので約60%程度に降圧している
ことになる。降圧方法としては、周知の各種方法を適用
することができる。例えば、電源80に対して2つの抵
抗を直列に接続し、抵抗の中間位置の電圧を使用すれ
ば、2つの抵抗値の比率によって決まる割合に降圧され
た電圧を得ることができる。また、DCチョッパと呼ば
れる回路を使用したり、あるいはPWM制御等の手法を
利用すれば、電圧の減少比率を自由に変更することが可
能である。本実施例では、DCチョッパを用いて降圧し
ている。
いる所定時間t0が経過するのを待ち(ステップS20
4)、所定時間t0経過後のコイルの電流値I1を検出
する(ステップS206)。電流値の検出には、電流検
出器12,14を使用する。
検出後、すぐに実パルス電圧を検出する(ステップS2
08)。ここで実パルス電圧とは、コイルに実際に印加
されたパルス電圧値のことである。本実施例では、前述
したように電源80の電圧を所定比率で降圧してパルス
電圧を作っているので、電源80の供給電圧を検出し、
検出した電圧に所定係数(1より小さい値)を乗算する
ことによって実パルス電圧を算出した。電源80が供給
する電圧は、モータ制御装置10に内蔵されている図示
しない電圧センサを用いて検出した。尚、ここでは実パ
ルス電圧は算出により求めるものとして説明したが、も
ちろん、電圧センサを用いる等の周知の方法により、コ
イルに印加されたパルス電圧値を直接計測しても構わな
い。
印加あるいは電流値の検出タイミングにできるだけ近い
時期が望ましい。その意味からは、パルス電圧印加(ス
テップS202)の直後に実パルス電圧を検出しておく
ことが望ましいが、本実施例ではパルス電圧の印加から
電流検出までの時間が短い(一例としては数十μse
c)ので、電流値I1を検出した後に実パルス電圧を検
出している。もちろん、パルス電圧印加直前に実パルス
電圧を検出しても良く、また、電圧センサを用いて実パ
ルス電圧を直接計測する場合は、パルス電圧の最大値を
保持しておくようにしても良い。
と実電流変化量を算出する(ステップS210)。パル
ス電圧を印加することによってコイルに実際に生じた電
流変化量(実電流変化量)は、ステップS206で検出
した電流値I1から初期電流値I0を減算することによ
って算出する。
08において検出した実パルス電圧と、ステップS21
0で算出した実電流変化量とから、基準電流変化量を推
定する(ステップS212)。基準電流変化量とは、基
準電圧(本実施例では250V)のパルス電圧を印加す
ることによってコイルに発生する電流であって、パルス
電圧印加から所定時間t0経過時点でコイルを流れる仮
想的な電流値をいう。基準電流変化量は、以下に説明す
る原理を利用して推定する。
念的に示した説明図である。前述したように、パルス電
圧を印加したときの電流変化量と回路のインダクタンス
Lには、(1)式に示すような対応関係があり、またイ
ンダクタンスLと電気角とは、図6に示したような対応
関係があることが知られている。従って、パルス電圧一
定の下では、電気角と電流変化量との間にはインダクタ
ンスLを介して一定の対応関係が存在する。図9の太い
実線は、基準電圧(250V)のパルス電圧を印加した
ときに得られる電流変化量と電気角との関係を概念的に
示したものである。また、図9中に示されているそれぞ
れの破線は、基準電圧からそれぞれ異なる値だけオフセ
ットした電圧のパルスを印加したときの、電流変化量と
電気角との関係を示している。
するパルス電圧の値が基準電圧からオフセットするにつ
れて、電流変化量の値もオフセットしていく。すなわ
ち、ある電気角での電流変化量を示す曲線は、印加する
電圧の増減にともなって図9上を上下に平行移動してい
る。例えば、印加電圧が基準電圧より大きい場合は、電
流変化量を示す曲線が上方にオフセットする。逆に印加
電圧が基準電圧より小さい場合は、電流変化量を示す曲
線が下方にオフセットする。従って、基準電圧より小さ
な電圧のパルスを印加した場合でも、電流変化量のオフ
セット量が分かれば、基準電圧のパルスを印加したとき
の電流変化量を推定することが可能である。図9に示し
たように、電流変化量のオフセット量は印加電圧のオフ
セット量とともに増減するから、電流変化量のオフセッ
ト量を知るためには、コイルに実際に印加した電圧(実
パルス電圧)と基準電圧との電圧差dV(以下、電圧オ
フセット量という)と、電流変化量のオフセット量dI
(以下、電流オフセット量という)との関係が分かれば
よい。
オフセット量dIとの関係を求めるために、各種値のパ
ルス電圧を印加して、電流変化量の平均値を調べた結果
を示したものである。電流変化量の平均値とは、電流変
化量を電気角0度から360度の範囲での平均した値で
ある。電流変化量の平均値のオフセットは、電流変化量
自体のオフセット、すなわち電流オフセット量dIと一
致する(図9参照)。図10に示すように、電圧オフセ
ット量dVに対して、電流オフセット量dIはほぼ比例
関係が成り立っているので、電圧オフセット量dVに所
定の係数を乗算して電流オフセット量dIを得ることが
できる。もちろん、図10の結果から、電圧オフセット
量dVと電流オフセット量dIとの対応表を作成してお
き、対応表を参照して、電圧オフセット量dVに対する
電流オフセット量dIを求めるようにしてもよい。一例
として、dVとdIとの対応表の一例を、図11に概念
的に示した。図11に示すような対応表を用いて基準電
流変化量を推定すれば、dVとdIとの関係が非線形で
あってもdIの算出精度を向上させることが可能であ
り、基準電流変化量の推定精度を向上させることができ
る。
す電気角検出処理のステップS212では、次のように
して基準電流変化量を推定する。先ず、ステップS20
8で検出した実パルス電圧と基準電圧との電圧差dVを
求め、この印加電圧のオフセット量dVに所定係数を乗
算して電流オフセット量dIを算出する。あるいは図1
1に示す対応表を参照して、電流オフセット量dIを算
出する。次いで、ステップS210で検出しておいた実
電流変化量に電流オフセット量dIを加算することによ
って基準電流変化量を推定する。
この推定値を用いて従来と同様の方法により電気角を算
出する(ステップS214)。図9を用いて簡単に説明
すれば、推定した基準電流変化量Irに対して、可能性
のある電気角としてβ1ないしβ4の4つの電気角が求
まる。U相コイルに流れる電流のみからは4つの電気角
のいずれであるかを特定することはできないが、他相
(V相)のコイルに流れる電流についても同様の方法に
より電気角を算出すれば、U相コイル・V相コイルのい
ずれの条件も満たす電気角に特定することができる。
ると、図5に示したモータ制御処理に戻って、端子電圧
決定処理S102以降の処理を実行する。
は、電気角の算出を迅速化するだけでなく算出精度を向
上させる効果がある。以下、第1の実施態様の電気角検
出処理により、その様な効果が得られる理由を、従来よ
り行われてきた電気角検出処理との比較において説明す
る。
出処理の流れを示すフローチャートである。図8に示し
た第1の実施態様の電気角検出処理と比較しながら、図
12に示す従来の電気角検出処理について簡単に説明す
る。従来より行われてきた電気角検出処理では、初めに
電源電圧Vbを検出し、検出した電源電圧に基づいて電
圧補正係数Kを算出する(ステップS300,S30
2)。電圧補正係数Kは(2)式によって求められる。 K = α×Vs/Vb … (2) ここで、Vsはコイルに印加する基準電圧である。ま
た、αは演算処理の都合上、電圧補正係数Kの分解能を
確保するために使用される係数である。つまり、モータ
制御に使用されるCPUでは、あまり小さな数を扱うこ
とができないので、所定の係数αを乗算することにより
電圧補正係数Kの分解能を確保している。基準電圧Vs
は、電源電圧Vbより低い値に設定されているから、電
圧補正係数Kはαより小さな値をとる。(2)式から明
らかなように、電圧補正係数Kとは、電源から供給され
る電圧をどの程度の割合で降圧すれば、基準電圧Vsが
得られるかを示す値である。
に流れている初期電流値I0を検出してから、基準電圧
Vsのパルス電圧を印加する(ステップS304,S3
06)。基準電圧のパルスは、ステップS302で求め
た電圧補正係数Kに従って、電源電圧を降圧することに
よって発生させる。
時間経過後に、コイルに流れている電流値I1を検出
し、初期電流値I0との差を取ることによって基準電流
変化量を算出する(ステップS308,S310,S3
12)。こうして求めた基準電流変化量から電気角を算
出する(ステップS314)。
図8に示した第1の実施態様の電気角検出処理とを比較
すると、両者は次の点が異なっている。従来の方法では
基準電圧のパルスをコイルに印加し、その時の電流変化
量を検出した。そのため、コイルにパルスを印加する前
に電源電圧を検出し、(2)式を用いて電圧補正係数K
を求めてから、電源電圧を降圧する必要があった。これ
に対して、第1の実施態様の電気角検出処理では、電源
電圧を一定比率で降圧させてコイルに印加し、検出した
電流変化量を補正して基準電流変化量を推定している。
基準電流変化量は、実際に検出した電流変化量に電流オ
フセット量dIを加えることで推定することができ、電
流オフセット量dIは電圧オフセット量dVに所定の係
数を乗算することによって求めるか、あるいは電圧オフ
セット量dVと電流のオフセット量dIとの対応表を参
照することによって求めることができる(図10および
図11を参照)。
1の実施態様における電気角検出処理は、従来より行わ
れてきた処理方法よりも迅速な処理が可能となる。この
理由について以下に説明する。
圧補正係数Kを算出する必要があり、電圧補正係数Kの
算出に使用する(2)式は、分母に電源電圧Vbが含ま
れている。電源電圧Vbは測定値であり通常は単純な値
とならないので、(2)式のような除算には長い計算時
間が必要となる。その結果、電圧補正係数Kの算出に時
間がかかってしまう。
電圧オフセット量dVを求め、これに所定の係数を乗算
して電流オフセット量dIを算出し、この電流オフセッ
ト量dIを検出した電流変化量に加算して基準電流変化
量としている。つまり、減算と乗算と加算の演算しか含
まれていないので、迅速な計算が可能である。従って、
第1の実施態様の電気角検出処理は、従来より行われて
きた電気角検出処理に比べて迅速な処理が可能となるの
である。
いるように、従来の電気角検出処理は、処理の初めに電
圧補正係数Kを算出して電源の電圧を補正している(図
12のステップS302)。この補正に誤差があった場
合には、以降の処理が進むにつれて誤差が累積していく
可能性がある。これに対して第1の実施態様の電気角検
出方法では、処理の終わりに電流変化量を補正している
(図8のS212)。従って、補正に誤差が含まれてい
ても処理が進むにつれて誤差が累積することがないの
で、電気角を精度良く検出することができる。
電圧が大きく低下しても、従来の電気角検出方法のよう
に、検出精度が低下しないという利点もある。すなわ
ち、従来より行われている電気角検出方法は、予め設定
されている基準電圧のパルスを印加するために、電源か
ら供給される電圧を適切な割合で降圧してからコイルに
印加している。従って、電源電圧が基準電圧より低くな
った場合には、設定されている基準電圧のパルスを印加
できなくなるので、電気角検出精度が低下してしまう。
また、降圧する比率(電圧補正係数K)は、CPUによ
って(2)式を用いて算出され、1バイトあるいは2バ
イトの情報として記憶されている。従って、電源電圧が
あまり小さな値となると、電圧補正係数Kが1バイトあ
るいは2バイトで表現可能な上限値を超えてその上限値
に貼り付いて、いわゆるオーバーフローが発生する。オ
ーバーフローが発生すると、設定されている基準電圧の
パルスを発生できないので、電気角検出精度が低下して
しまう。
出処理においては、コイルに印加した電圧を検出し(図
8のステップS208)、パルス電圧により生じた電流
変化量を補正して電気角を検出する。従って、電源電圧
が大きく低下しても電気角の検出精度が低下することは
ない。また、電流変化量の補正に使用する電流オフセッ
ト量dIは、電圧オフセット量dVに所定の係数をかけ
て算出するか、あるいは図11のような電圧オフセット
量dVと電流オフセット量dIの対応表に基づいて算出
する。従って、電流変化量を補正する際にオーバーフロ
ーが発生するおそれはなく、オーバーフローによって検
出が精度低下するおそれもない。
電気角検出処理によれば、電気角を迅速に検出すること
が可能となるとともに、検出精度も向上させることがで
きるのである。
様):上述した第1の実施態様の電気角検出処理では、
電源から供給される電圧値に関わらず、所定の比率で降
圧したパルス電圧を印加している。このため、電気角検
出方法で検出精度が低下しやすい電源電圧の低い領域に
おいても、精度良く電気角を検出することが可能となっ
ている。もっとも、電気角の検出精度を向上させるため
には、電源電圧が低い条件での検出方法を改善するだけ
でも、検出精度を向上させることができる。すなわち、
予め閾値電圧を設定しておき、電源電圧が閾値電圧より
低くなったときにだけ、上述の第1の実施態様に準じて
電気角を検出するようにしてもよい。本実施例の第2の
態様における電気角検出処理は、このような考え方に基
づいて電気角を検出する。
ける電気角検出処理の流れを示すフローチャートであ
る。この処理は、ECU200のCPU202が、図5
のメインルーチンの中で実行する。以下、図13に従っ
て、第2の実施態様における電気角検出処理の内容につ
いて説明する。
ると、初めにCPU202は、コイルに流れる初期電流
I0と電源電圧Vbとを検出する(ステップS400,
S402)。次いで、検出した電源電圧Vbと所定の閾
値電圧Vthとを比較する(ステップS404)。閾値
電圧Vthの値は、基準電圧のパルスを精度良く発生可
能な、ほぼ下限の電圧値を選定しておく。
場合は、従来からの方法(詳細は図12参照)と同様な
方法により電気角を検出する。すなわち、(2)式によ
り電圧補正係数Kを算出し(ステップS406)、得ら
れた電圧補正係数Kに従って電源電圧を降圧して基準電
圧のパルスを印加し(ステップS408)、コイルに発
生している電流値I1を所定のタイミングで検出する
(ステップS410,S412)。検出した電流値I1
から初期電流値I0を減算することによって、基準電流
変化量を算出し(ステップS414)、図9を用いて説
明したように基準電流変化量と電気角との対応関係を利
用して電気角を算出する(ステップS416)。
小さい場合は、前述した第1の実施態様と同様な方法を
用いて電気角を検出する。すなわち、電圧補正係数Kの
値をKlmtに固定し(ステップS418)、固定した
電圧補正係数Klmtに従って電源電圧を降圧して発生
させた電圧のパルスを印加する(ステップS420)。
Klmtの値は、電源電圧Vbが閾値電圧Vthと等し
い場合にステップS406で算出される電圧補正係数K
の値である。Klmtをこのような値としているので、
電源電圧の値Vbが閾値電圧Vthの近傍で変動して
も、電気角検出方法をなめらかに違和感なく切り換える
ことができる。また、Klmtは電源電圧の降圧比率が
もっとも小さな場合に相当するので、このような値に電
圧補正係数Kを固定すれば、印加するパルス電圧を安定
して印加し得るもっとも高い電圧値とすることができ
る。印加する電圧が高くなればコイルに発生する電流の
変化量も大きくなるので電流変化量の検出精度が向上
し、延いては電気角検出精度を向上させることができ
る。尚、図13に示した例では、検出した電源電圧の値
から実際にコイルに印加されるパルス電圧の値を算出し
ているが、コイルに印加されるパルス電圧を直接検出し
てもよい。
テップS422)、コイルの電流値I1を検出し(ステ
ップS424)、検出した電流値I1から初期電流値I
0を減算して実電流変化量を算出する(ステップS42
6)。
うにして基準電流変化量を推定する(ステップS42
8)。先ず、コイルに印加したパルスの実際の電圧と基
準電圧との差を求め、この電圧オフセット量dVに基づ
いて電流オフセット量dIを算出する。電圧オフセット
量dVは、ステップS402で検出した電源電圧Vbと
閾値電圧Vthとの電圧差を、Klmtで決まる割合で
降圧した値として求めることができる。こうして求めた
電圧オフセット量dVに対して、図11に示した対応表
を参照することにより電流オフセット量dIを求めるこ
とができる。あるいは、電圧オフセット量dVと電流オ
フセット量dIとがほぼ比例関係にあることを利用して
電流オフセット量dIを算出することも可能である。
理では、ステップS424で検出しておいた電流変化量
に、上述の方法で求めた電流オフセット量dIを加算す
ることによって基準電流変化量を推定している。こうし
て推定した基準電流変化量と電気角との対応関係に基づ
いて、電気角を検出する(ステップS416)。
角検出処理における、電源電圧Vbと、電圧補正係数K
および印加するパルス電圧との関係を示した説明図であ
る。図示するように、電源電圧Vbが高い領域(図14
中の領域B)では、電源電圧Vbの減少にともなって電
圧補正係数Kの値が増加し、その結果、コイルに印加さ
れるパルス電圧の値は基準電圧Vsに保たれている。電
源電圧Vbが閾値電圧Vthより低い領域(図中の領域
A)では、電圧補正係数Kは一定値Klmtを保つの
で、電源電圧Vbの減少にともなってパルス電圧値も減
少する。従来より行われてきた電気角検出処理によれ
ば、領域Aでは基準電圧Vsのパルスを印加することが
できないために電気角の検出精度が低下していた。これ
に対し、上述した第2の実施態様の電気角検出処理によ
れば、領域Aで電気角を検出する場合には電流変化量の
検出値から基準電流変化量を推定するので、領域Aでも
精度良く電気角を検出することが可能である。また、領
域Aでは電圧補正係数を算出する必要がないので、この
領域での電気角計測時間を短縮化することができる。従
って、本実施例の第2の態様の電気角検出処理を用いれ
ば、電源電圧の値によらず、電気角を精度良く検出する
とともに、電気角算出時間を短くすることも可能とな
る。
が、本発明は上記すべての実施例に限られるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実
施することができる。例えば、以上の説明においては、
モータは交流同期モータであるとしたが、これに限られ
ず、例えばブラシレス直流モータなどの他のモータに適
用することができる。また、電気角検出装置はモータ制
御に使用されている場合を説明したが、電気角を検出す
るものであればモータ制御に限らず他の用途に使用され
るものであっても構わない。
ータ制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
ータ制御装置の装置構成を示す説明図である。
る三相同期モータの構造を示す縦断面図である。
る三相同期モータの構造を示す横断面図である。
モータ制御処理の流れを示すフローチャートである。
とが所定の対応関係にあることを説明する説明図であ
る。
渡的な電流変動が生じる様子を示す説明図である。
フローチャートである。
がオフセットする様子を概念的に示す説明図である。
念的に示す説明図である。
係を示す対応表を概念的に説明する説明図である。
れを示すフローチャートである。
すフローチャートである。
きの電圧補正係数とパルス電圧の変化を示す説明図であ
る。
Claims (9)
- 【請求項1】 電動モータの回転子と固定子との間の電
気角を計測する電気角計測装置であって、 前記電動モータのコイルにパルス電圧を印加するパルス
電圧印加手段と、 該パルス電圧によって前記コイルに発生した前記電流変
化量を計測する実電流変化量計測手段と、 前記印加したパルス電圧の電圧値に基づいて前記電流変
化量を補償し、基準電圧値のパルス電圧の印加に対応し
た基準電流変化量を推定する基準電流変化量推定手段
と、 該推定された基準電流変化量に基づいて前記電気角を決
定する電気角決定手段とを備える電気角計測装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の電気角計測装置であっ
て、 前記コイルに印加されるパルス電圧の電圧値と、前記計
測された電流変化量を前記基準電流変化量に変換するた
めの補償量との対応関係を記憶した補償量記憶手段を備
え、 前記基準電流変化量推定手段は、前記印加されるパルス
電圧の電圧値に基づいて、前記記憶された対応関係を参
照して前記補償量を求め、該補償量を用いて前記電流変
化量を補償することにより、前記基準電流変化量を推定
する手段である電気角計測装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の電気角計測装置であっ
て、 前記パルス電圧印加手段は、電源から供給される直流電
圧とともに増減する電圧値の前記パルス電圧を印加する
手段であり、 前記直流電圧値を計測することによって、前記印加され
たパルス電圧の電圧値を求めるパルス電圧測定手段を備
える電気角計測装置。 - 【請求項4】 前記電動モータは同期モータである請求
項1記載の電気角計測装置。 - 【請求項5】 請求項1記載の電気角計測装置であっ
て、 電源から供給される直流電圧値を計測する電源電圧計測
手段を備えるとともに、 前記パルス電圧印加手段は、前記計測された直流電圧値
が所定値以上の場合には所定の基準電圧値のパルス電圧
をコイルに印加し、前記直流電圧値が所定値以下の場合
には該直流電圧値に比例する電圧値のパルス電圧を印加
する手段であり、 前記補償量記憶手段、前記基準電流変化量推定手段は、
前記計測された直流電圧値が前記所定値以下の場合に、
それぞれの機能を実行する手段であり、 前記電気角決定手段は、前記直流電圧値が前記所定値以
下の場合に推定された基準電流変化量、あるいは前記直
流電圧値が前記所定値以上の場合に計測された基準電流
変化量に基づいて、前記電気角を決定する手段である電
気角計測装置。 - 【請求項6】 請求項5記載の電気角計測装置であっ
て、 前記パルス電圧印加手段は、前記直流電圧値が前記基準
電圧値以上の場合に該基準電圧値のパルス電圧を印加
し、前記直流電圧値が該基準電圧値以下の場合に、該直
流電圧値のパルス電圧を印加する手段である電気角計測
装置。 - 【請求項7】 電動モータの回転子と固定子との間の電
気角を計測し、該計測した電気角に基づいて前記電動モ
ータの制御を行う電動モータ制御装置であって、 前記電動モータのコイルにパルス電圧を印加するパルス
電圧印加手段と、 該パルス電圧によって前記コイルに発生した前記電流変
化量を計測する実電流変化量計測手段と、 前記印加したパルス電圧の電圧値に基づいて前記電流変
化量を補償し、基準電圧値のパルス電圧の印加に対応し
た基準電流変化量を推定する基準電流変化量推定手段
と、 該推定された基準電流変化量に基づいて前記電気角を決
定する電気角決定手段と、 該決定された電気角に基づいて、前記コイルに通電する
電流の制御を行う電流制御手段とを備える電動モータ制
御装置。 - 【請求項8】 電動モータの回転子と固定子との間の電
気角を計測する電気角計測方法であって、 前記電動モータのコイルにパルス電圧を印加し、 該パルス電圧の印加によって前記コイルに生じる電流変
化量を計測し、 前記印加したパルス電圧に基づいて前記電流変化量を補
償することによって、基準電圧値のパルス電圧の印加に
対応した基準電流変化量を推定し、 該推定した基準電流変化量に基づいて、前記電気角を計
測する電気角計測方法。 - 【請求項9】 電動モータの回転子と固定子との間の電
気角を計測し、該計測した電気角に基づいて前記電動モ
ータを制御する方法であって、 前記電動モータのコイルにパルス電圧を印加し、 該パルス電圧の印加によって前記コイルに生じる電流変
化量を計測し、 前記印加したパルス電圧に基づいて前記電流変化量を補
償することによって、基準電圧値のパルス電圧の印加に
対応した基準電流変化量を推定し、 該推定した基準電流変化量に基づいて、前記電気角を決
定し、 該決定した電気角に基づいて、前記コイルに通電する電
流の制御を行う電動モータの制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20435799A JP3506053B2 (ja) | 1999-07-19 | 1999-07-19 | 電気角計測装置、および電気角計測方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20435799A JP3506053B2 (ja) | 1999-07-19 | 1999-07-19 | 電気角計測装置、および電気角計測方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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