JP3498198B2 - 圧延機の形状制御方法 - Google Patents
圧延機の形状制御方法Info
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- JP3498198B2 JP3498198B2 JP24167196A JP24167196A JP3498198B2 JP 3498198 B2 JP3498198 B2 JP 3498198B2 JP 24167196 A JP24167196 A JP 24167196A JP 24167196 A JP24167196 A JP 24167196A JP 3498198 B2 JP3498198 B2 JP 3498198B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧延機出側に配置
された多数の形状検出器により被圧延材の形状を検出
し、前記被圧延材の幅方向に配設された多数の冷却手段
から圧延ロールに冷却液を噴射してクーラント制御を行
なう圧延機の形状制御方法に係り、特に、圧延機の形状
制御に際し対象とすべき局部伸び形状不良及び全体伸び
形状不良を共に、比較的単純な制御系統でより安定し
て、より効果的に除去するよう制御することができる圧
延機の形状制御方法に関する。
された多数の形状検出器により被圧延材の形状を検出
し、前記被圧延材の幅方向に配設された多数の冷却手段
から圧延ロールに冷却液を噴射してクーラント制御を行
なう圧延機の形状制御方法に係り、特に、圧延機の形状
制御に際し対象とすべき局部伸び形状不良及び全体伸び
形状不良を共に、比較的単純な制御系統でより安定し
て、より効果的に除去するよう制御することができる圧
延機の形状制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、板圧延において板形状の精度を
向上させる手段として、ワークロールの幅方向に、所定
の間隔でロールクーラントノズルを配置して、各ノズル
から噴射するロールクーラント操作量をそれぞれ独立に
制御することにより、ワークロールのサーマルクラウン
を調整することが行われている。
向上させる手段として、ワークロールの幅方向に、所定
の間隔でロールクーラントノズルを配置して、各ノズル
から噴射するロールクーラント操作量をそれぞれ独立に
制御することにより、ワークロールのサーマルクラウン
を調整することが行われている。
【0003】この時、各クーラントノズルの操作量は特
開平2−247004のように圧延機出側に配置した形
状検出器の出力を基にファジイ推論演算を行い求める方
法が知られている。
開平2−247004のように圧延機出側に配置した形
状検出器の出力を基にファジイ推論演算を行い求める方
法が知られている。
【0004】又特開昭62−84811では、高低温2
種類のロールクーラントを使用し、圧延板材の局部形状
が目標形状から離れている場合には合流クーラントの噴
射量制御によりサーマルクラウンを制御し、圧延板材の
大域(全体)形状が目標形状から外れている場合には、
合流クーラントのホットクーラントとコールドクーラン
トの合流比を変えてクーラントの温度を調節することに
よりサーマルクラウンを制御するという技術が開示され
ている。この特開昭62−84811では、圧延板材の
形状歪みを迅速に修正することができ、高い形状精度を
得ることができる圧延板材の形状制御方法を提供するこ
とを目的としている。
種類のロールクーラントを使用し、圧延板材の局部形状
が目標形状から離れている場合には合流クーラントの噴
射量制御によりサーマルクラウンを制御し、圧延板材の
大域(全体)形状が目標形状から外れている場合には、
合流クーラントのホットクーラントとコールドクーラン
トの合流比を変えてクーラントの温度を調節することに
よりサーマルクラウンを制御するという技術が開示され
ている。この特開昭62−84811では、圧延板材の
形状歪みを迅速に修正することができ、高い形状精度を
得ることができる圧延板材の形状制御方法を提供するこ
とを目的としている。
【0005】又特開平4−127909では、出側にn
個の分割された形状検出器、及びn個のクーラント量調
節器を備えた圧延機において、目標形状との偏差量によ
りクーラント量を決定し、かつ調節部を選択して動作さ
せるという技術が開示されている。この特開平4−12
7909では、従来の画一的なクーラント制御方法に比
べ、圧延材の鋼種、板厚、圧延速度、クーラント油の種
類及び目標形状等の圧延条件の変化に対応し、クーラン
トの操作端及びクーラント量を選択することができるよ
うにしている。
個の分割された形状検出器、及びn個のクーラント量調
節器を備えた圧延機において、目標形状との偏差量によ
りクーラント量を決定し、かつ調節部を選択して動作さ
せるという技術が開示されている。この特開平4−12
7909では、従来の画一的なクーラント制御方法に比
べ、圧延材の鋼種、板厚、圧延速度、クーラント油の種
類及び目標形状等の圧延条件の変化に対応し、クーラン
トの操作端及びクーラント量を選択することができるよ
うにしている。
【0006】次に特公平6−61569では、平坦度検
出器によって求められた平坦度検出値と平坦度目標値と
の偏差に基づいてストリップの平坦度最不良箇所を検知
し、この平坦度最不良箇所に対する第1のクーラント噴
射指令を作成する第1のクーラント噴射判定手段をまず
有している。又前記平坦度の偏差に基づいてストリップ
の平坦度局所不良箇所を検知し、この平坦度局所不良箇
所に対する第2のクーラント噴射指令を作成する第2の
クーラント噴射判定手段を有する。更に、前記第1のク
ーラント噴射指令及び第2のクーラント噴射指令に基づ
いて、各クーラントノズルヘッダの開閉指令を作成する
第3のクーラント噴射判定手段を備え、この第3のクー
ラント噴射判定手段の判定結果に基づいて前記各クーラ
ントノズルヘッダを開閉操作する手段を備えている。こ
の特公平6−61569ではこれらの手段を備えること
で、平坦度偏差がストリップの幅方向全体にわたって閾
値を超えてしまった場合に生じてしまう、全ゾーンのロ
ールクーラントノズルヘッダから冷却水の噴射が行われ
ることにより、局所的な平坦度不良を改善することがで
きなくなることを防ぐようにしている。
出器によって求められた平坦度検出値と平坦度目標値と
の偏差に基づいてストリップの平坦度最不良箇所を検知
し、この平坦度最不良箇所に対する第1のクーラント噴
射指令を作成する第1のクーラント噴射判定手段をまず
有している。又前記平坦度の偏差に基づいてストリップ
の平坦度局所不良箇所を検知し、この平坦度局所不良箇
所に対する第2のクーラント噴射指令を作成する第2の
クーラント噴射判定手段を有する。更に、前記第1のク
ーラント噴射指令及び第2のクーラント噴射指令に基づ
いて、各クーラントノズルヘッダの開閉指令を作成する
第3のクーラント噴射判定手段を備え、この第3のクー
ラント噴射判定手段の判定結果に基づいて前記各クーラ
ントノズルヘッダを開閉操作する手段を備えている。こ
の特公平6−61569ではこれらの手段を備えること
で、平坦度偏差がストリップの幅方向全体にわたって閾
値を超えてしまった場合に生じてしまう、全ゾーンのロ
ールクーラントノズルヘッダから冷却水の噴射が行われ
ることにより、局所的な平坦度不良を改善することがで
きなくなることを防ぐようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の特開平
2−247004のような方法は、圧延ロールのサーマ
ルクラウンによる局部伸び形状不良の発生抑制を目的と
しており、局部伸び形状不良の評価が小さく、かつ、全
体の形状不良が大きい場合の制御出力が小さくなること
があった。例えばワークロールベンダ圧等の他の操作端
出力が限界にあり、かつ耳伸び又は腹伸び又はクォータ
伸び等の形状不良が発生している場合が考えられる。こ
れらのケースは前記特開平2−247004の方法にお
ける入力量の種類を増すことによって解決することもで
きるが、その方法ではファジイ推論の演算ルールが複雑
となり、制御調整が困難かつ制御装置の大形化につなが
る。
2−247004のような方法は、圧延ロールのサーマ
ルクラウンによる局部伸び形状不良の発生抑制を目的と
しており、局部伸び形状不良の評価が小さく、かつ、全
体の形状不良が大きい場合の制御出力が小さくなること
があった。例えばワークロールベンダ圧等の他の操作端
出力が限界にあり、かつ耳伸び又は腹伸び又はクォータ
伸び等の形状不良が発生している場合が考えられる。こ
れらのケースは前記特開平2−247004の方法にお
ける入力量の種類を増すことによって解決することもで
きるが、その方法ではファジイ推論の演算ルールが複雑
となり、制御調整が困難かつ制御装置の大形化につなが
る。
【0008】又前述の特開昭62−84811では、形
状偏差が大域偏差であるかあるいは局部偏差であるか区
別しながら制御を行っているものの、結果的には複合的
な制御となってしまっている。即ち偏差が大域偏差であ
る場合には、合流比演算部には冷却媒体総量を大域偏差
に対応する第1及び第2の冷却媒体の合流比に按分する
第1及び第2の流量制御装置のバルブの弁開度演算する
ようにし、一方、偏差が局部偏差である場合には、該局
部位置に対応する冷却媒体噴射ノズルの個別バルブ弁開
度を上記局部偏差に対応して制御するようにしている。
即ち、大域偏差については言わば温度制御を行い、局部
偏差については噴射量制御を行うようにしている。この
ような制御を行う特開昭62−84811では、制御系
全体が複雑となり、制御調整が困難となり、制御装置の
複雑化につながってしまう。
状偏差が大域偏差であるかあるいは局部偏差であるか区
別しながら制御を行っているものの、結果的には複合的
な制御となってしまっている。即ち偏差が大域偏差であ
る場合には、合流比演算部には冷却媒体総量を大域偏差
に対応する第1及び第2の冷却媒体の合流比に按分する
第1及び第2の流量制御装置のバルブの弁開度演算する
ようにし、一方、偏差が局部偏差である場合には、該局
部位置に対応する冷却媒体噴射ノズルの個別バルブ弁開
度を上記局部偏差に対応して制御するようにしている。
即ち、大域偏差については言わば温度制御を行い、局部
偏差については噴射量制御を行うようにしている。この
ような制御を行う特開昭62−84811では、制御系
全体が複雑となり、制御調整が困難となり、制御装置の
複雑化につながってしまう。
【0009】ここで前述の特開平4−127909につ
いては、噴射パターン選択に言及しているものの、具体
的な開示はなされていない。又、局部伸び形状不良や全
体伸び形状不良について言及されておらず、これらの不
良について効果的な形状制御を行うことについて言及さ
れていない。又前述の特公平6−61569について
も、このような局部伸び形状不良や全体伸び形状不良に
ついては言及されていない。
いては、噴射パターン選択に言及しているものの、具体
的な開示はなされていない。又、局部伸び形状不良や全
体伸び形状不良について言及されておらず、これらの不
良について効果的な形状制御を行うことについて言及さ
れていない。又前述の特公平6−61569について
も、このような局部伸び形状不良や全体伸び形状不良に
ついては言及されていない。
【0010】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、圧延機の形状制御に際し対象とすべ
き局部伸び形状不良及び全体伸び形状不良を共に、比較
的単純な制御系統でより安定して、より効果的に除去す
るよう制御することができる圧延機の形状制御方法を提
供することを目的とする。
くなされたもので、圧延機の形状制御に際し対象とすべ
き局部伸び形状不良及び全体伸び形状不良を共に、比較
的単純な制御系統でより安定して、より効果的に除去す
るよう制御することができる圧延機の形状制御方法を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧延機出側に
配置された多数の形状検出器により被圧延材の形状を検
出し、前記被圧延材の幅方向に配設された多数の冷却手
段から圧延ロールに冷却液を噴射してクーラント制御を
行なう圧延機の形状制御方法において、前記幅方向各々
のクーラント操作量を、前記形状検出器の出力から各々
算出して制御する局部伸び演算処理と、予め定めた幾つ
かのクーラント操作量パターンの中から1つのパターン
を選択して、一定時間その操作量を継続する全体伸び演
算処理と、これら局部伸び演算処理あるいは全体伸び演
算処理のいずれで制御するかを、前記形状検出器出力あ
るいは形状制御アクチュエータの制御量の、制御操作端
の量から選択する制御演算選択処理とを備えるようにし
たことにより、前記課題を解決したものである。
配置された多数の形状検出器により被圧延材の形状を検
出し、前記被圧延材の幅方向に配設された多数の冷却手
段から圧延ロールに冷却液を噴射してクーラント制御を
行なう圧延機の形状制御方法において、前記幅方向各々
のクーラント操作量を、前記形状検出器の出力から各々
算出して制御する局部伸び演算処理と、予め定めた幾つ
かのクーラント操作量パターンの中から1つのパターン
を選択して、一定時間その操作量を継続する全体伸び演
算処理と、これら局部伸び演算処理あるいは全体伸び演
算処理のいずれで制御するかを、前記形状検出器出力あ
るいは形状制御アクチュエータの制御量の、制御操作端
の量から選択する制御演算選択処理とを備えるようにし
たことにより、前記課題を解決したものである。
【0012】又上記の発明において、前記全体伸び演算
処理が選択された場合に、伸びが大の部分に対して集中
的にクーラント操作量を割り当てるようにしたことする
ことにより前記課題を解決すると共に、クーラントを用
いてより効果的に被圧延材の形状制御を行ったものであ
る。
処理が選択された場合に、伸びが大の部分に対して集中
的にクーラント操作量を割り当てるようにしたことする
ことにより前記課題を解決すると共に、クーラントを用
いてより効果的に被圧延材の形状制御を行ったものであ
る。
【0013】又前記発明において、前記局部伸び演算処
理及び前記全体伸び演算処理を共に行う必要がある場合
には、局部伸びと全体伸びとで伸びの度合いが大の方に
対応する処理をまず行い、この後に他方の処理を行うよ
うにしたことにより前記課題を解決すると共に、局部伸
びの形状不良と全体伸びの形状不良が共に存在する場合
にも、より効果的に形状不良を修正できるようにしたも
のである。
理及び前記全体伸び演算処理を共に行う必要がある場合
には、局部伸びと全体伸びとで伸びの度合いが大の方に
対応する処理をまず行い、この後に他方の処理を行うよ
うにしたことにより前記課題を解決すると共に、局部伸
びの形状不良と全体伸びの形状不良が共に存在する場合
にも、より効果的に形状不良を修正できるようにしたも
のである。
【0014】以下、本発明の作用について簡単に説明す
る。
る。
【0015】本発明は前記問題点を解決するために幅方
向各々のクーラント操作量を、前記形状検出器の出力か
ら各々算出して制御する演算処理と、予め定めたいくつ
かのクーラント操作量パターンの中から1つのクーラン
トパターンを選択して一定時間その操作量を継続する演
算処理との2つを備え、その2つの演算処理のいずれか
を、前記形状検出器回路出力、及びワークロールベンダ
量、中間ロールベンダ量、中間ロールシフト量等の制御
操作端の量から選択する演算処理を備えるようにしたも
のである。
向各々のクーラント操作量を、前記形状検出器の出力か
ら各々算出して制御する演算処理と、予め定めたいくつ
かのクーラント操作量パターンの中から1つのクーラン
トパターンを選択して一定時間その操作量を継続する演
算処理との2つを備え、その2つの演算処理のいずれか
を、前記形状検出器回路出力、及びワークロールベンダ
量、中間ロールベンダ量、中間ロールシフト量等の制御
操作端の量から選択する演算処理を備えるようにしたも
のである。
【0016】従って本発明によれば、このように選択し
ながら行うようにしたため、局部伸び形状不良でも、全
体伸び形状不良でも、圧延機出側板形状に最適なクーラ
ント操作量を設定でき、板形状をより目的と近いものに
することができる。さらに、上述の全体伸び形状修正目
的の演算と局部伸び形状修正目的の演算とを選択し独立
して行うことは、局部伸び形状修正目的のこの演算が幅
方向各々のノズルのクーラント操作量を求めることもあ
って演算量が多くなり得ることを考えると、制御系統の
構成をより単純とし全体の演算量を少なくすることがで
きる。又各演算の調整を別々に行い得ること自体も大き
な利点である。本発明はこのように制御系統が単純であ
り調整作業を能率良く行うことができ、調整作業負荷は
従来と変化しない。例えば本発明での調整作業負荷は、
局部伸び形状不良修正目的の制御、及び全体伸びの形状
不良修正目的の制御に、それぞれ本発明で用いる従来の
制御の調整作業負荷を総合した程度である。
ながら行うようにしたため、局部伸び形状不良でも、全
体伸び形状不良でも、圧延機出側板形状に最適なクーラ
ント操作量を設定でき、板形状をより目的と近いものに
することができる。さらに、上述の全体伸び形状修正目
的の演算と局部伸び形状修正目的の演算とを選択し独立
して行うことは、局部伸び形状修正目的のこの演算が幅
方向各々のノズルのクーラント操作量を求めることもあ
って演算量が多くなり得ることを考えると、制御系統の
構成をより単純とし全体の演算量を少なくすることがで
きる。又各演算の調整を別々に行い得ること自体も大き
な利点である。本発明はこのように制御系統が単純であ
り調整作業を能率良く行うことができ、調整作業負荷は
従来と変化しない。例えば本発明での調整作業負荷は、
局部伸び形状不良修正目的の制御、及び全体伸びの形状
不良修正目的の制御に、それぞれ本発明で用いる従来の
制御の調整作業負荷を総合した程度である。
【0017】従って本発明によれば、圧延機の形状制御
に際し対象とすべき局部伸び形状不良及び全体伸び形状
不良を共に、比較的単純な制御系統でより安定して、よ
り効果的に除去するよう制御することができる圧延機の
形状制御方法を提供することができるという優れた効果
を得ることができる。
に際し対象とすべき局部伸び形状不良及び全体伸び形状
不良を共に、比較的単純な制御系統でより安定して、よ
り効果的に除去するよう制御することができる圧延機の
形状制御方法を提供することができるという優れた効果
を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図を用いて本発明の実施の
形態を詳細に説明する。
形態を詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明が適用された圧延機の形状
制御装置の実施形態の構成を示すブロック図である。
制御装置の実施形態の構成を示すブロック図である。
【0020】本実施形態では、局部伸び形状不良修正を
目的とした演算部と全体伸びの形状不良修正を目的とし
た演算部を別々に持ち、かつそのいずれかの選択を形状
検出器出力及び形状制御操作端の量から求めるようにし
たので、圧延機出側板形状をより適切に制御できるよう
になっている。
目的とした演算部と全体伸びの形状不良修正を目的とし
た演算部を別々に持ち、かつそのいずれかの選択を形状
検出器出力及び形状制御操作端の量から求めるようにし
たので、圧延機出側板形状をより適切に制御できるよう
になっている。
【0021】さらに本実施形態では上記の選択について
も、極めて優れた工夫がなされている。圧延材1の伸び
形状不良という点では、局部伸び形状不良と全体伸び形
状不良とについて、共に顕著であったり、一方のみ顕著
であったり、共にやや存在する程度、あるいは一方のみ
存在する程度等等、様々な状況がある。図2を用いて詳
しく後述するように、本実施形態ではこのように多様な
状況に応じてより良好に伸び形状不良を修正すべく、上
記の演算部選択がより適切になされるように工夫されて
いる。
も、極めて優れた工夫がなされている。圧延材1の伸び
形状不良という点では、局部伸び形状不良と全体伸び形
状不良とについて、共に顕著であったり、一方のみ顕著
であったり、共にやや存在する程度、あるいは一方のみ
存在する程度等等、様々な状況がある。図2を用いて詳
しく後述するように、本実施形態ではこのように多様な
状況に応じてより良好に伸び形状不良を修正すべく、上
記の演算部選択がより適切になされるように工夫されて
いる。
【0022】本実施形態の構成について説明すると、ま
ずこの図1において圧延材1は左方から右方へ、対向す
る圧延ロール3及び4の間、及び形状検出装置6を順に
通過する。ここで圧延ロール3及び4の付近では、圧延
材1の幅方向に多数、クーラント噴射ノズル8が設けら
れている。又形状検出装置6は、同じく圧延材1の幅方
向に多数配設した形状検出器により構成されている。
ずこの図1において圧延材1は左方から右方へ、対向す
る圧延ロール3及び4の間、及び形状検出装置6を順に
通過する。ここで圧延ロール3及び4の付近では、圧延
材1の幅方向に多数、クーラント噴射ノズル8が設けら
れている。又形状検出装置6は、同じく圧延材1の幅方
向に多数配設した形状検出器により構成されている。
【0023】ここで本実施形態の形状制御装置は、局部
伸び演算部12と、全体伸び演算部13と、制御演算選
択部15と、各ノズルクーラント量操作部17とによる
制御部を備えている。
伸び演算部12と、全体伸び演算部13と、制御演算選
択部15と、各ノズルクーラント量操作部17とによる
制御部を備えている。
【0024】まず局部伸び演算部12については、圧延
材1の幅方向に各々設けられたクーラント噴射ノズル8
のクーラント操作量を、制御演算選択部15を経て入力
される形状検出装置6の出力から各々算出して制御す
る。この局部伸び演算部12が出力する演算出力信号P
1は、クーラント噴射ノズル8のクーラント操作量を示
す。この局部伸び演算部12は、主としてサーマルクラ
ウンの影響(局部伸び形状不良)を低減するための制御
を行うものであり、従来から用いられている制御手段を
利用することができる。
材1の幅方向に各々設けられたクーラント噴射ノズル8
のクーラント操作量を、制御演算選択部15を経て入力
される形状検出装置6の出力から各々算出して制御す
る。この局部伸び演算部12が出力する演算出力信号P
1は、クーラント噴射ノズル8のクーラント操作量を示
す。この局部伸び演算部12は、主としてサーマルクラ
ウンの影響(局部伸び形状不良)を低減するための制御
を行うものであり、従来から用いられている制御手段を
利用することができる。
【0025】次に全体伸び演算部13は、予め定められ
た幾つかのクーラント操作量パターンの中から1つのパ
ターンを選択して、一定時間Tだけその操作量を継続す
る。このように一定時間Tだけ継続することは本発明の
1つの特徴である。この全体伸び演算部13は、制御演
算選択部15を経て入力される形状検出装置6の出力に
従って、予め選択されるクーラント操作量パターンに基
づいて、圧延材1の幅方向に分散配設されたクーラント
噴射ノズル8各々のクーラント操作量を決定し、該決定
により演算出力信号P2を出力する。
た幾つかのクーラント操作量パターンの中から1つのパ
ターンを選択して、一定時間Tだけその操作量を継続す
る。このように一定時間Tだけ継続することは本発明の
1つの特徴である。この全体伸び演算部13は、制御演
算選択部15を経て入力される形状検出装置6の出力に
従って、予め選択されるクーラント操作量パターンに基
づいて、圧延材1の幅方向に分散配設されたクーラント
噴射ノズル8各々のクーラント操作量を決定し、該決定
により演算出力信号P2を出力する。
【0026】ここでクーラント操作量パターンの選択
は、外部から入力される圧延操作量Wに従ってなされ
る。この選択は、圧延操作量W以外でもよく、例えば、
ワークロールベンダ量、中間ロールベンダ量、中間ロー
ルシフト量等の制御操作端の量であってもよく、あるい
は制御演算選択部15が出力する形状偏差検出量Rを利
用することも可能である。
は、外部から入力される圧延操作量Wに従ってなされ
る。この選択は、圧延操作量W以外でもよく、例えば、
ワークロールベンダ量、中間ロールベンダ量、中間ロー
ルシフト量等の制御操作端の量であってもよく、あるい
は制御演算選択部15が出力する形状偏差検出量Rを利
用することも可能である。
【0027】ここで全体伸び演算部13については、基
本的には全体伸び形状不良を低減するための制御を行う
ものであり、耳伸びや腹伸び等の大域ひずみ不良を解消
するための制御を主として行うものである。この全体伸
び演算部13については具体的には、このような制御を
行う従来からの制御手法を用いることができる。又この
全体伸び演算部13での制御に関しては、圧延操作量W
にも従いながらクーラント操作量が決定されている。
本的には全体伸び形状不良を低減するための制御を行う
ものであり、耳伸びや腹伸び等の大域ひずみ不良を解消
するための制御を主として行うものである。この全体伸
び演算部13については具体的には、このような制御を
行う従来からの制御手法を用いることができる。又この
全体伸び演算部13での制御に関しては、圧延操作量W
にも従いながらクーラント操作量が決定されている。
【0028】ここでこの全体伸び演算部13は、選択さ
れたクーラント操作量パターンに従って、又形状偏差検
出量R及び圧延操作量Wに応じて決定される操作量、即
ち前述の演算出力信号P2を一定時間Tだけ継続出力す
る。このように一定時間Tだけ継続出力するのは、大域
的な伸び不良をより効果的に解消するためである。この
一定時間Tについては、具体的には経験的に求めればよ
く、例えば形状検出装置による形状不良が検出不能にな
るまでの時間を事前に求めておき、それを用いてもよ
い。
れたクーラント操作量パターンに従って、又形状偏差検
出量R及び圧延操作量Wに応じて決定される操作量、即
ち前述の演算出力信号P2を一定時間Tだけ継続出力す
る。このように一定時間Tだけ継続出力するのは、大域
的な伸び不良をより効果的に解消するためである。この
一定時間Tについては、具体的には経験的に求めればよ
く、例えば形状検出装置による形状不良が検出不能にな
るまでの時間を事前に求めておき、それを用いてもよ
い。
【0029】又この全体伸び演算部13でなされるクー
ラント操作量パターンの選択は、基本的に経験に基づい
てなされる。例えばこのようなパターン選択は、圧延材
1の腹伸びあるいは耳伸び等の比較的大まかな分類に基
づいて行ってもよい。
ラント操作量パターンの選択は、基本的に経験に基づい
てなされる。例えばこのようなパターン選択は、圧延材
1の腹伸びあるいは耳伸び等の比較的大まかな分類に基
づいて行ってもよい。
【0030】続いて制御演算選択部15は、局部伸び演
算部12あるいは全体伸び演算部13のいずれで制御す
るかを、形状検出装置6の出力あるいは形状制御アクチ
ュエータの制御量の、制御操作端の量から選択する。局
部伸び演算部12が選択される場合、制御演算選択部1
5は、形状検出装置6の出力に従った形状偏差検出量R
を、選択された該局部伸び演算部12へと出力する。一
方全体伸び演算部13が選択された場合には、制御演算
選択部15は該形状偏差検出量Rを選択された該全体伸
び演算部13へと出力する。
算部12あるいは全体伸び演算部13のいずれで制御す
るかを、形状検出装置6の出力あるいは形状制御アクチ
ュエータの制御量の、制御操作端の量から選択する。局
部伸び演算部12が選択される場合、制御演算選択部1
5は、形状検出装置6の出力に従った形状偏差検出量R
を、選択された該局部伸び演算部12へと出力する。一
方全体伸び演算部13が選択された場合には、制御演算
選択部15は該形状偏差検出量Rを選択された該全体伸
び演算部13へと出力する。
【0031】ここでこの制御演算選択部15は、このよ
うな局部伸び演算部12又は全体伸び演算部13の選択
を、形状検出装置6の出力に従って行ってもよい。ある
いは形状制御アクチュエータの制御量、例えばワークロ
ールベンダ量、中間ロールベンダ量、中間ロールシフト
量等の形状制御に利用可能なアクチュエータの制御量
の、制御操作端の量からこのような選択を行ってもよ
い。
うな局部伸び演算部12又は全体伸び演算部13の選択
を、形状検出装置6の出力に従って行ってもよい。ある
いは形状制御アクチュエータの制御量、例えばワークロ
ールベンダ量、中間ロールベンダ量、中間ロールシフト
量等の形状制御に利用可能なアクチュエータの制御量
の、制御操作端の量からこのような選択を行ってもよ
い。
【0032】又この制御演算選択部15における局部伸
び演算部12あるいは全体伸び演算部13の選択は、こ
のような制御操作端の量から選択するものであるが、そ
の閾値などは経験的に求められる。基本的な考え方は、
局部伸び形状不良及び全体伸び形状不良が複合的に存在
する場合には、これらの内で、まず伸びの変形が大の方
の形状修正を、該当する局部伸び演算部12あるいは全
体伸び演算部13を用いて行う。又全体伸び形状不良が
存在しても小さい場合には、制御演算選択部15は基本
的に局部伸び演算部12を選択して制御を行わせる。こ
のように全体伸びの形状偏差が小さい場合には、局部伸
び形状不良だけでなく全体伸び形状不良をも、この局部
伸び演算部12で制御することが可能である。
び演算部12あるいは全体伸び演算部13の選択は、こ
のような制御操作端の量から選択するものであるが、そ
の閾値などは経験的に求められる。基本的な考え方は、
局部伸び形状不良及び全体伸び形状不良が複合的に存在
する場合には、これらの内で、まず伸びの変形が大の方
の形状修正を、該当する局部伸び演算部12あるいは全
体伸び演算部13を用いて行う。又全体伸び形状不良が
存在しても小さい場合には、制御演算選択部15は基本
的に局部伸び演算部12を選択して制御を行わせる。こ
のように全体伸びの形状偏差が小さい場合には、局部伸
び形状不良だけでなく全体伸び形状不良をも、この局部
伸び演算部12で制御することが可能である。
【0033】各ノズルクーラント量操作部17は、局部
伸び演算部12が出力する演算出力信号P1、あるいは
全体伸び演算部13が出力する演算出力信号P2に従っ
たクーラント出力信号Uを出力する。このクーラント出
力信号Uは、圧延材1の幅方向に分散配設されたクーラ
ント噴射ノズル8各々のクーラント弁開度を示す制御信
号であり、これによってクーラント噴射ノズル8各々の
クーラント噴射量が個別に制御される。
伸び演算部12が出力する演算出力信号P1、あるいは
全体伸び演算部13が出力する演算出力信号P2に従っ
たクーラント出力信号Uを出力する。このクーラント出
力信号Uは、圧延材1の幅方向に分散配設されたクーラ
ント噴射ノズル8各々のクーラント弁開度を示す制御信
号であり、これによってクーラント噴射ノズル8各々の
クーラント噴射量が個別に制御される。
【0034】以上説明したような構成によれば、局部伸
び形状不良修正を目的とした演算部と全体伸びの形状不
良修正を目的とした演算部とを別々に持ち、局部伸び形
状不良や全体伸びの形状不良により適した形状修正を行
うことができる。又本実施形態では次に図2を用いて説
明するごとく、このような演算部の選択がより適切にな
されるように工夫されている。
び形状不良修正を目的とした演算部と全体伸びの形状不
良修正を目的とした演算部とを別々に持ち、局部伸び形
状不良や全体伸びの形状不良により適した形状修正を行
うことができる。又本実施形態では次に図2を用いて説
明するごとく、このような演算部の選択がより適切にな
されるように工夫されている。
【0035】図2は本実施形態でなされる形状制御選択
の処理を示すフローチャートである。この図2のステッ
プ120あるいは122のいずれかを選択する処理は、
前述の図1の制御演算選択部15でなされるものであ
る。ステップ120のクーラント操作量パターン制御が
採用されると、全体伸び演算部13が選択される。一
方、ステップ122の局部スポット制御が採用される
と、局部伸び演算部12が選択される。
の処理を示すフローチャートである。この図2のステッ
プ120あるいは122のいずれかを選択する処理は、
前述の図1の制御演算選択部15でなされるものであ
る。ステップ120のクーラント操作量パターン制御が
採用されると、全体伸び演算部13が選択される。一
方、ステップ122の局部スポット制御が採用される
と、局部伸び演算部12が選択される。
【0036】この図2においてまずステップ110で
は、板幅方向の断面形状全体についての形状を判定する
ため、2次成分偏差が大きいか否か判定している。この
ような2次成分偏差は全体的な形状不良の傾向を示す。
従ってこのステップ110では、図3に示すような耳伸
びや、図4に示すクォータ伸びや、図5に示す腹伸びと
いうような、被圧延材の板幅方向全体の断面形状不良が
大きいか否かという、全体伸びの大域形状不良が大であ
るか否かが判定される。全体2次成分偏差が所定閾値よ
り大で、圧延材1の板幅方向について全体的に同じ形状
不良が大であればステップ112へ進み、これ以外であ
ればステップ122へ進む。なお、図3〜図5、又後述
する図6や図8〜図10において、横軸は板幅方向の位
置を示し、縦軸は伸びの度合を示す。
は、板幅方向の断面形状全体についての形状を判定する
ため、2次成分偏差が大きいか否か判定している。この
ような2次成分偏差は全体的な形状不良の傾向を示す。
従ってこのステップ110では、図3に示すような耳伸
びや、図4に示すクォータ伸びや、図5に示す腹伸びと
いうような、被圧延材の板幅方向全体の断面形状不良が
大きいか否かという、全体伸びの大域形状不良が大であ
るか否かが判定される。全体2次成分偏差が所定閾値よ
り大で、圧延材1の板幅方向について全体的に同じ形状
不良が大であればステップ112へ進み、これ以外であ
ればステップ122へ進む。なお、図3〜図5、又後述
する図6や図8〜図10において、横軸は板幅方向の位
置を示し、縦軸は伸びの度合を示す。
【0037】次にステップ112では、2次成分が大で
耳伸びやクォータ伸びあるいは腹伸びの全体伸び形状不
良があっても、このような形状不良をベンダで修正可能
であるか判定する。修正可能であればステップ122へ
進み、修正不可能であればステップ114へ進む。全体
伸び形状不良は圧延機に由来する問題であり、本実施形
態ではこのような形状不良は、本来圧延機の操作、例え
ば圧延ロールのベンダやシフタの操作で解消されるもの
としている。従って可能な限り、全体伸び形状不良は圧
延機で修正するようにしている。又圧延機の操作で解消
できない全体伸び形状不良については、クーラント噴射
ノズル8のクーラント操作量によって修正し、より綿密
な形状修正を行うということが本実施形態の基本的な考
え方である。
耳伸びやクォータ伸びあるいは腹伸びの全体伸び形状不
良があっても、このような形状不良をベンダで修正可能
であるか判定する。修正可能であればステップ122へ
進み、修正不可能であればステップ114へ進む。全体
伸び形状不良は圧延機に由来する問題であり、本実施形
態ではこのような形状不良は、本来圧延機の操作、例え
ば圧延ロールのベンダやシフタの操作で解消されるもの
としている。従って可能な限り、全体伸び形状不良は圧
延機で修正するようにしている。又圧延機の操作で解消
できない全体伸び形状不良については、クーラント噴射
ノズル8のクーラント操作量によって修正し、より綿密
な形状修正を行うということが本実施形態の基本的な考
え方である。
【0038】続いてステップ114では局部伸び量が2
次成分より大であるか否かを判定する。即ち例えば図6
の符号Bの位置に見られる局部伸びの伸び量が、例えば
同じ図6の符号Aを中心とする板幅方向全般にわたる耳
伸びの2次成分による偏差より大であるか否か判定す
る。局部伸び量が大であればステップ122へ進み、こ
れ以外であればステップ120へ進む。
次成分より大であるか否かを判定する。即ち例えば図6
の符号Bの位置に見られる局部伸びの伸び量が、例えば
同じ図6の符号Aを中心とする板幅方向全般にわたる耳
伸びの2次成分による偏差より大であるか否か判定す
る。局部伸び量が大であればステップ122へ進み、こ
れ以外であればステップ120へ進む。
【0039】ここでステップ120においてクーラント
操作量パターン制御が選択された場合、前述の図1の全
体伸び演算部13において、耳伸びであれば図3の破線
に示されるような、クォータ伸びであれば図4の破線に
示されるような、あるいは腹伸びであれば図5の破線に
示されるようなクーラント操作量の制御がなされる。又
図6の符号Bに示される部分の変形が小さい等、一部に
ある局部伸び量が小さくてステップ120が選択された
場合には、大域的な形状不良に応じたクーラント操作量
パターン制御がなされ、例えばこの図6では符号A1や
A2の破線に示されるようなクーラント操作量パターン
制御が行われる。クーラント操作量パターンとは、全体
伸び形状不良の伸び偏差が大の部分の位置のパーターン
に応じた、集中的にクーラント操作量を割り当てるスポ
ット位置のパターンである。
操作量パターン制御が選択された場合、前述の図1の全
体伸び演算部13において、耳伸びであれば図3の破線
に示されるような、クォータ伸びであれば図4の破線に
示されるような、あるいは腹伸びであれば図5の破線に
示されるようなクーラント操作量の制御がなされる。又
図6の符号Bに示される部分の変形が小さい等、一部に
ある局部伸び量が小さくてステップ120が選択された
場合には、大域的な形状不良に応じたクーラント操作量
パターン制御がなされ、例えばこの図6では符号A1や
A2の破線に示されるようなクーラント操作量パターン
制御が行われる。クーラント操作量パターンとは、全体
伸び形状不良の伸び偏差が大の部分の位置のパーターン
に応じた、集中的にクーラント操作量を割り当てるスポ
ット位置のパターンである。
【0040】一方、ステップ122が選択されて局部ス
ポット制御が採用される場合、前述の局部伸び演算部1
2は局部伸び部分及びその周辺の、各部の伸び度合いに
応じたクーラント操作量制御を行う。例えば図6の符号
Bで示される部分の変形が大であってステップ122が
選択される場合、局部伸び演算部12はこの符号Bの伸
び度合いが大の部分を中心として各部の伸びの度合いに
応じたクーラント制御量の制御を行う。
ポット制御が採用される場合、前述の局部伸び演算部1
2は局部伸び部分及びその周辺の、各部の伸び度合いに
応じたクーラント操作量制御を行う。例えば図6の符号
Bで示される部分の変形が大であってステップ122が
選択される場合、局部伸び演算部12はこの符号Bの伸
び度合いが大の部分を中心として各部の伸びの度合いに
応じたクーラント制御量の制御を行う。
【0041】ここで本実施形態では、ステップ120で
全体伸び演算部13が選択されて、以上説明した図3〜
図6の破線で示される如く、板幅方向の位置で伸びが大
の部分、特に伸びが最も大の部分に対して集中的にクー
ラントの噴射を行うことで、板幅方向の形状不良を効果
的に修正するようにしている。即ち例えば図3に示され
るような耳伸びの際に、このグラフに示されるような板
幅方向の各位置の伸びの大小の傾向に従って、板幅方向
の各部におけるクーラント操作量をきめ細かく制御する
ということは行わず、この図3では破線で示すごとく板
幅の左右両端にのみクーラントの噴射を行っている。こ
れは、クーラント噴射ノズル8から噴射されたクーラン
トは圧延材1の幅方向へも分散され、又伝熱による冷却
効果についても幅方向に分散される傾向があるためであ
る。
全体伸び演算部13が選択されて、以上説明した図3〜
図6の破線で示される如く、板幅方向の位置で伸びが大
の部分、特に伸びが最も大の部分に対して集中的にクー
ラントの噴射を行うことで、板幅方向の形状不良を効果
的に修正するようにしている。即ち例えば図3に示され
るような耳伸びの際に、このグラフに示されるような板
幅方向の各位置の伸びの大小の傾向に従って、板幅方向
の各部におけるクーラント操作量をきめ細かく制御する
ということは行わず、この図3では破線で示すごとく板
幅の左右両端にのみクーラントの噴射を行っている。こ
れは、クーラント噴射ノズル8から噴射されたクーラン
トは圧延材1の幅方向へも分散され、又伝熱による冷却
効果についても幅方向に分散される傾向があるためであ
る。
【0042】なお場合によっては局部伸び形状不良の部
分についても、全体伸び形状不良の場合と同様のクーラ
ント量の制御を行うことも考えられる。即ち、例えば伸
びが大の場合にその部分に対して集中的にクーラント操
作量を割り当てるようにし、例えば図6で符号Bの局部
伸びがその周辺に比べ顕著である場合、スポット的に同
図6の破線B1のごとく、集中的にクーラント操作量を
割り当てるようにしてより積極的な形状修正を行っても
よい。
分についても、全体伸び形状不良の場合と同様のクーラ
ント量の制御を行うことも考えられる。即ち、例えば伸
びが大の場合にその部分に対して集中的にクーラント操
作量を割り当てるようにし、例えば図6で符号Bの局部
伸びがその周辺に比べ顕著である場合、スポット的に同
図6の破線B1のごとく、集中的にクーラント操作量を
割り当てるようにしてより積極的な形状修正を行っても
よい。
【0043】なお図2を用いて後述するように本実施形
態では、ステップ122が選択されて局部スポット制御
が採用され、局部伸び演算部12が選択されたとして
も、全体2次成分偏差が存在して耳伸びやクォータ伸び
あるいは腹伸び等の大域的な形状不良がある場合には、
後にステップ120を選択して全体伸び演算部13を用
いた制御を所定の一定時間Tだけ行うようにしている。
これは局部伸び演算部12による制御と全体伸び演算部
13による制御とを同時に行っても、クーラントが混じ
り合ってしまい、形状不良の修正を効果的に行うことが
できないためである。
態では、ステップ122が選択されて局部スポット制御
が採用され、局部伸び演算部12が選択されたとして
も、全体2次成分偏差が存在して耳伸びやクォータ伸び
あるいは腹伸び等の大域的な形状不良がある場合には、
後にステップ120を選択して全体伸び演算部13を用
いた制御を所定の一定時間Tだけ行うようにしている。
これは局部伸び演算部12による制御と全体伸び演算部
13による制御とを同時に行っても、クーラントが混じ
り合ってしまい、形状不良の修正を効果的に行うことが
できないためである。
【0044】又、局部伸び形状不良と大域的な不良で全
体伸び形状の不良とがいずれも所定以上である場合、こ
れらの形状不良で伸びの偏差が大の方を先に形状不良修
正するという順序が好ましい。又このような順序で制御
を行う際、全体伸び演算部13でなされる制御は、変形
の度合を検出しながらフィードバック制御するよりもむ
しろ、所定の一定時間Tだけその操作量を継続すること
が好ましい。
体伸び形状の不良とがいずれも所定以上である場合、こ
れらの形状不良で伸びの偏差が大の方を先に形状不良修
正するという順序が好ましい。又このような順序で制御
を行う際、全体伸び演算部13でなされる制御は、変形
の度合を検出しながらフィードバック制御するよりもむ
しろ、所定の一定時間Tだけその操作量を継続すること
が好ましい。
【0045】図7はクーラント制御の他に、形状制御操
作端としてワークロールベンダを備えた圧延機で本発明
を使用した場合と、従来の形状修正挙動を比較したもの
である。
作端としてワークロールベンダを備えた圧延機で本発明
を使用した場合と、従来の形状修正挙動を比較したもの
である。
【0046】本発明の使用により、局部伸び形状修正後
にクーラントパターン操作回路に切り替わり、ワークロ
ールベンダでは修正できないクォータ伸び形状を修正で
きたことがわかる。なお前記実施形態では、クーラント
の他にワークロールベンダを備えた圧延機について説明
したが、本発明はこれに限るものではなく、中間ロール
シフト、中間ロールベンダ等他の制御操作端のいずれか
及びその組み合わせを備えた圧延機についても、その圧
延機に応じたクーラントパターンを設定することで同様
の効果を得ることができる。
にクーラントパターン操作回路に切り替わり、ワークロ
ールベンダでは修正できないクォータ伸び形状を修正で
きたことがわかる。なお前記実施形態では、クーラント
の他にワークロールベンダを備えた圧延機について説明
したが、本発明はこれに限るものではなく、中間ロール
シフト、中間ロールベンダ等他の制御操作端のいずれか
及びその組み合わせを備えた圧延機についても、その圧
延機に応じたクーラントパターンを設定することで同様
の効果を得ることができる。
【0047】又図8〜図10はそれぞれ、圧延材1の幅
方向の形状歪みを模式的に示したものであり、形状偏差
量の幅方向の分布を示す。これら図8〜図10におい
て、形状偏差量最大幅H1〜H3は、この順に小さくな
っている。又図8においては局部伸び形状不良及び全体
伸び形状不良が共に存在する。又図9及び図10では局
部伸び形状不良は少なく、基本的に全体伸び形状不良と
なっている。
方向の形状歪みを模式的に示したものであり、形状偏差
量の幅方向の分布を示す。これら図8〜図10におい
て、形状偏差量最大幅H1〜H3は、この順に小さくな
っている。又図8においては局部伸び形状不良及び全体
伸び形状不良が共に存在する。又図9及び図10では局
部伸び形状不良は少なく、基本的に全体伸び形状不良と
なっている。
【0048】ここで図7において、矢印A1及びB1で
は、図8に示されるような形状偏差(形状不良)となっ
ている。次に矢印A2、B2及びB3では、図9に示さ
れるような形状偏差(形状不良)となっている。又矢印
A3では図10に示されるような形状偏差(形状不良)
となっている。なお、図7において符号Tは、前述の全
体伸び演算部13において操作量を継続出力する、前述
の一定時間を示す。
は、図8に示されるような形状偏差(形状不良)となっ
ている。次に矢印A2、B2及びB3では、図9に示さ
れるような形状偏差(形状不良)となっている。又矢印
A3では図10に示されるような形状偏差(形状不良)
となっている。なお、図7において符号Tは、前述の全
体伸び演算部13において操作量を継続出力する、前述
の一定時間を示す。
【0049】このように従来制御では矢印B1からB2
へと形状偏差を改善できるものの矢印B2からB3へは
形状偏差を改善することがあまりできていないのに対
し、本実施形態によれば矢印A1からA2へと形状偏差
が減少され、矢印A2からA3へと形状偏差が減少され
ている。このように本実施形態によれば本発明を適用し
て、圧延機の形状制御に際し対象とすべき局部伸び形状
不良及び全体伸び形状不良を共に、比較的単純な制御系
統でより安定して、より効果的に除去するよう制御する
ことができるという優れた効果を得ることができる。
へと形状偏差を改善できるものの矢印B2からB3へは
形状偏差を改善することがあまりできていないのに対
し、本実施形態によれば矢印A1からA2へと形状偏差
が減少され、矢印A2からA3へと形状偏差が減少され
ている。このように本実施形態によれば本発明を適用し
て、圧延機の形状制御に際し対象とすべき局部伸び形状
不良及び全体伸び形状不良を共に、比較的単純な制御系
統でより安定して、より効果的に除去するよう制御する
ことができるという優れた効果を得ることができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明は幅方向クー
ラントノズルの操作量を局部伸び形状修正を目的とした
演算部と、全体伸び形状の修正を目的とした演算部との
いずれかの選択により求めるようにしたから、圧延機出
側形状を最適なものにできるようになった。又、本発明
によれば、圧延機の形状制御に際し対象とすべき局部伸
び形状不良及び全体伸び形状不良を共に、比較的単純な
制御系統でより安定して、より効果的に除去するよう制
御することができる圧延機の形状制御方法を提供するこ
とができるという優れた効果を得ることができる。
ラントノズルの操作量を局部伸び形状修正を目的とした
演算部と、全体伸び形状の修正を目的とした演算部との
いずれかの選択により求めるようにしたから、圧延機出
側形状を最適なものにできるようになった。又、本発明
によれば、圧延機の形状制御に際し対象とすべき局部伸
び形状不良及び全体伸び形状不良を共に、比較的単純な
制御系統でより安定して、より効果的に除去するよう制
御することができる圧延機の形状制御方法を提供するこ
とができるという優れた効果を得ることができる。
【図1】本発明が適用された圧延機の形状制御装置の実
施形態の構成を示すためのブロック図
施形態の構成を示すためのブロック図
【図2】前記実施形態でなされる形状制御選択の処理を
示すフローチャート
示すフローチャート
【図3】前記実施形態における耳伸びの際の形状偏差例
及びクーラント操作量パターンを示すグラフ
及びクーラント操作量パターンを示すグラフ
【図4】前記実施形態におけるクォータ伸びの際の形状
偏差例及びクーラント操作量パターンを示すグラフ
偏差例及びクーラント操作量パターンを示すグラフ
【図5】前記実施形態における腹伸びの際の形状偏差例
及びクーラント操作量パターンを示すグラフ
及びクーラント操作量パターンを示すグラフ
【図6】前記実施形態における耳伸び及び局部伸びの際
の形状偏差例及びクーラント操作量パターンを示すグラ
フ
の形状偏差例及びクーラント操作量パターンを示すグラ
フ
【図7】前記実施形態及びこれに対する従来例の制御を
示すタイムチャート
示すタイムチャート
【図8】前記実施形態による形状制御前の圧延材の幅方
向の形状偏差の一例を示すグラフ
向の形状偏差の一例を示すグラフ
【図9】前記実施形態による形状制御過程の圧延材の幅
方向の形状偏差の一例を示すグラフ
方向の形状偏差の一例を示すグラフ
【図10】前記実施形態による形状制御後の圧延材の幅
方向の形状偏差の一例を示すグラフ
方向の形状偏差の一例を示すグラフ
1…圧延材
3、4…圧延ロール
6…形状検出装置
8…クーラント噴射ノズル
12…局部伸び演算部
13…全体伸び演算部
15…制御演算選択部
17…各ノズルクーラント量操作部
R…形状偏差検出量
W…圧延操作量
P1、P2…演算出力信号
U…クーラント出力信号
T…一定時間
H1〜H3…形状偏差量最大幅
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭62−238013(JP,A)
特開 昭59−169612(JP,A)
特開 平2−197309(JP,A)
特開 昭55−42161(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B21B 37/00 - 37/78
B21B 27/10
B21B 45/02
Claims (3)
- 【請求項1】圧延機出側に配置された多数の形状検出器
により被圧延材の形状を検出し、前記被圧延材の幅方向
に配設された多数の冷却手段から圧延ロールに冷却液を
噴射してクーラント制御を行なう圧延機の形状制御方法
において、 前記幅方向各々のクーラント操作量を、前記形状検出器
の出力から各々算出して制御する局部伸び演算処理と、 予め定めた幾つかのクーラント操作量パターンの中から
1つのパターンを選択して、一定時間その操作量を継続
する全体伸び演算処理と、 これら局部伸び演算処理あるいは全体伸び演算処理のい
ずれで制御するかを、前記形状検出器出力あるいは形状
制御アクチュエータの制御量の、制御操作端の量から選
択する制御演算選択処理とを備えたことを特徴とする圧
延機の形状制御方法。 - 【請求項2】前記請求項1において、前記全体伸び演算
処理が選択された場合に、伸びが大の部分に対して集中
的にクーラント操作量を割り当てるようにしたことを特
徴とする圧延機の形状制御方法。 - 【請求項3】前記請求項1において、前記局部伸び演算
処理及び前記全体伸び演算処理を共に行う必要がある場
合には、局部伸びと全体伸びとで伸びの度合いが大の方
に対応する処理をまず行い、この後に他方の処理を行う
ようにしたことを特徴とする圧延機の形状制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24167196A JP3498198B2 (ja) | 1996-09-12 | 1996-09-12 | 圧延機の形状制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24167196A JP3498198B2 (ja) | 1996-09-12 | 1996-09-12 | 圧延機の形状制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1085815A JPH1085815A (ja) | 1998-04-07 |
JP3498198B2 true JP3498198B2 (ja) | 2004-02-16 |
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ID=17077795
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---|---|---|---|
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JP5677997B2 (ja) * | 2012-03-05 | 2015-02-25 | 株式会社日立製作所 | 圧延制御装置、圧延制御方法及び圧延制御プログラム |
CN115193921B (zh) * | 2022-06-17 | 2023-05-12 | 北京科技大学 | 一种基于多目标决策的板形质量综合评价方法及装置 |
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1996
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