[go: up one dir, main page]

JP3490195B2 - ポリアリーレンスルフィドの製造方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィドの製造方法

Info

Publication number
JP3490195B2
JP3490195B2 JP21365395A JP21365395A JP3490195B2 JP 3490195 B2 JP3490195 B2 JP 3490195B2 JP 21365395 A JP21365395 A JP 21365395A JP 21365395 A JP21365395 A JP 21365395A JP 3490195 B2 JP3490195 B2 JP 3490195B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
solvent
lithium
added
polyarylene sulfide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21365395A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0959381A (ja
Inventor
潔 佐瀬
光治 並木
哲朗 竹矢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP21365395A priority Critical patent/JP3490195B2/ja
Priority to US08/701,175 priority patent/US5756654A/en
Publication of JPH0959381A publication Critical patent/JPH0959381A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3490195B2 publication Critical patent/JP3490195B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G75/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G75/02Polythioethers
    • C08G75/0204Polyarylenethioethers
    • C08G75/025Preparatory processes
    • C08G75/0272Preparatory processes using other sulfur sources

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、実用上必要十分な
高分子量のポリアリーレンスルフィド(PAS)の効率
のよい製造方法に関する。さらに詳しくは電気、電子分
野、高剛性材料分野で特に有用な、シート、フィルム、
繊維等の成形および射出成形に十分に適応できる、高分
子量のポリアリーレンスルフィドを効率よく製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアリーレンスルフィド樹脂(PAS
樹脂)は、一部熱硬化性を持つ熱可塑性樹脂であり、広
い温度範囲にわたり、耐薬品性、機械的特性、耐熱性等
に優れると共に、特に高い剛性を有するエンジニアリン
グ樹脂として知られており、電子・電気機器部品の素材
や各種の高剛性材料として有用である。これらの樹脂の
製造には、従来、N−メチル−2−ピロリドン(以下に
おいて、NMPと略称することがある。)等の非プロト
ン性有機溶媒中でp−ジクロロベンゼン等のジハロゲン
化芳香族化合物と硫化ナトリウム等のナトリウム塩とを
反応させるという方法が一般に用いられてきた。しか
し、この場合、副生する塩化ナトリウムがNMP等の溶
媒に不溶であるから樹脂中に取り込まれてしまい、それ
を洗浄によって取り除くことは容易でなかった。
【0003】そこで、ナトリウム塩に代えてリチウム
塩、たとえば水酸化リチウムを用いて重合を行い、塩化
リチウムを副生させると、塩化リチウムはNMP等の多
くの非プロトン性有機溶媒(重合用溶媒)に可溶である
ので、水洗浄工程および排水処理工程が不要となるとと
もに、高純度PASを製造する方法として有効であるこ
とから、リチウム塩を用いる方法が脚光を浴びてきた。
【0004】しかし、リチウム塩は、高価であり、コス
トダウンを図るためには、回収、再利用する必要があ
る。このような観点から、塩化リチウムとして回収し、
電気分解や、炭酸水素ナトリウムと反応させて水酸化リ
チウムに戻す工程を含む発明が提案されたが(米国特許
第4,451,643号等)、生産コスト上、必ずしも
満足しうるものではなかった。
【0005】一方、このようなリチウム塩を用いたPA
Sの製造方法については、本出願人も、非プロトン性有
機溶媒中で、N−メチルアミノ酪酸リチウムと硫化水素
とジハロゲン化芳香族化合物とを、ジハロゲン化芳香族
化合物の転化率を80〜99モル%に達するまで予備重
合し、次いで本重合を行うことを特徴とする比較的高分
子量のPASを製造する方法を提案している(特開平6
−248077号公報)。この方法は、使用原料および
回収物とも、塩化リチウムであるため、前記のような不
都合はなく、高純度、高分子量のPASを容易に得るこ
とができる利点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で
も、高価なリチウム塩を十分に回収するためには多段階
の洗浄槽を必要とするという問題があり、必ずしも十分
に満足しうるものとはいえなかった。本発明は、上記問
題に鑑みなされたものであり、多段階の洗浄槽による工
程の煩雑さや設備費の高騰を解消して生産コストを軽減
することができるとともに、リチウム塩を効率よく回収
し、生成物であるPASの純度を高めることができるポ
リアリーレンスルフィドの効率的な製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明によれば、非プロトン性有機溶媒中で、水酸化リ
チウムおよび/またはN−メチルアミノ酪酸リチウム、
液状または気体状のイオウ化合物、並びにジハロゲン化
芳香族化合物を重合成分として予備重合し、次いで本重
合するポリアリーレンスルフィドの製造方法において、
予備重合した後、得られた重合溶液(I)に水を添加し
て、ポリマー濃厚相と溶媒相とに分離させ、次いで、こ
の分離されたポリマー濃厚相に溶媒を添加して本重合す
ることを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方
法が提供される。
【0008】また、その好ましい態様として、前記本重
合した後、得られた重合溶液(II)に水を添加して、ポ
リマー濃厚相と溶媒相とに分離させ、次いで、この分離
されたポリマー濃厚相に溶媒を添加して、さらに本重合
することを一回または複数回繰り返すことを特徴とする
ポリアリーレンスルフィドの製造方法が提供される。
【0009】また、その好ましい態様として、前記予備
重合した後、得られた重合溶液(I)に添加する水の量
が、添加する水と重合溶液(I)中の非プロトン性有機
溶媒との重量比(水/非プロトン性有機溶媒)として、
5/95以上であることを特徴とするポリアリーレンス
ルフィドの製造方法が提供される。
【0010】さらに、その好ましい態様として、前記ポ
リマー濃厚相と溶媒相とに分離させた後、分離されたポ
リマー濃厚相に添加する溶媒が、水および非プロトン性
有機溶媒の混合溶媒であり、かつその添加割合が、水
と、非プロトン性有機溶媒との重量比(水/非プロトン
性有機溶媒)として、5/95以上であることを特徴と
するポリアリーレンスルフィドの製造方法が提供され
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。 1.重合成分 (1)非プロトン性有機溶媒 本発明に用いられる非プロトン性有機溶媒としては、一
般に、非プロトン性の極性有機化合物(たとえば、アミ
ド化合物,ラクタム化合物,尿素化合物,有機イオウ化
合物,環式有機リン化合物等)を、単独溶媒として、ま
たは、混合溶媒として、好適に使用することができる。
【0012】これらの非プロトン性の極性有機化合物の
うち、前記アミド化合物としては、たとえば、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチル
アセトアミド、N,N−ジプロピルアセトアミド、N,
N−ジメチル安息香酸アミドなとを挙げることができ
る。
【0013】また、前記ラクタム化合物としては、たと
えば、カプロラクタム、N−メチルカプロラクタム、N
−エチルカプロラクタム、N−イソプロピルカプロラク
タム、N−イソブチルカプロラクタム、N−ノルマルプ
ロピルカプロラクタム、N−ノルマルブチルカプロラク
タム、N−シクロヘキシルカプロラクタム等のN−アル
キルカプロラクタム類、N−メチル−2−ピロリドン
(NMP)、N−エチル−2−ピロリドン、N−イソプ
ロピル−2−ピロリドン、N−イソブチル−2−ピロリ
ドン、N−ノルマルプロピル−2−ピロリドン、N−ノ
ルマルブチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−
2−ピロリドン、N−メチル−3−メチル−2−ピロリ
ドン、N−エチル−3−メチル−2−ピロリドン、N−
メチル−3,4,5−トリメチル−2−ピロリドン、N
−メチル−2−ピペリドン、N−エチル−2−ピペリド
ン、N−イソプロピル−2−ピペリドン、N−メチル−
6−メチル−2−ピペリドン、N−メチル−3−エチル
−2−ピペリドンなどを挙げることができる。
【0014】また、前記尿素化合物としては、たとえ
ば、テトラメチル尿素、N,N’−ジメチルエチレン尿
素、N,N’−ジメチルプロピレン尿素などを挙げるこ
とができる。
【0015】さらに、前記有機イオウ化合物としては、
たとえば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシ
ド、ジフェニルスルホン、1−メチル−1−オキソスル
ホラン、1−エチル−1−オキソスルホラン、1−フェ
ニル−1−オキソスルホランなどを、また、前記環式有
機リン化合物としては、たとえば、1−メチル−1−オ
キソホスホラン、1−ノルマルプロピル−1−オキソホ
スホラン、1−フェニル−1−オキソホスホランなどを
挙げることができる。
【0016】これら各種の非プロトン性極性有機化合物
は、それぞれ一種単独で、または二種以上を混合して、
さらには、本発明の目的に支障のない他の溶媒成分と混
合して、前記非プロトン性有機溶媒として使用すること
ができる。
【0017】前記各種の非プロトン性有機溶媒の中で
も、好ましいのはN−アルキルカプロラクタム及びN−
アルキルピロリドンであり、特に好ましいのはN−メチ
ル−2−ピロリドンである。
【0018】(2)水酸化リチウムおよび/またはN−
メチルアミノ酪酸リチウム 本発明で用いられる水酸化リチウムおよび/またはN−
メチルアミノ酪酸リチウムとしては、特に制限はなく、
高純度である限り市販の製品を使用することができる。
このN−メチルアミノ酪酸リチウムとしては、出願人が
先に特開平6−25123号、または、特願平6−11
404号で提案した製造方法によって製造されたものが
好ましい。すなわち、まず、非プロトン性有機溶媒中
で、N−メチル−2−ピロリドンと、リチウムを除くア
ルカリ金属の水酸化物とを反応させてN−メチルアミノ
酪酸のアルカリ金属塩(すなわち、N−メチルアミノ酪
酸のリチウム以外のアルカリ金属塩)を合成する。
【0019】次に、前記N−メチルアミノ酪酸ナトリウ
ム等のN−メチルアミノ酪酸のリチウム以外のアルカリ
金属塩の合成で得られたN−メチルアミノ酪酸ナトリウ
ム等のN−メチルアミノ酪酸のリチウム以外のアルカリ
金属塩を含有する反応混合物から水分濃度を低減すべく
水分を除去する。この水分除去工程は、蒸留等の常法に
従って行うことができる。なお、その際、有機溶媒の一
部が除去されても構わない。合成したN−メチルアミノ
酪酸ナトリウム等のN−メチルアミノ酪酸のリチウム以
外のアルカリ金属塩を一旦単離して、次の工程の原料と
して使用することもできるが、通常は、この水分を除去
した後の反応混合物をそのまま、あるいは必要に応じ
て、溶媒量を適宜に調節する程度で、次の反応工程に供
する方がプロセス上有利になる。
【0020】上記に次いで、前記水分除去の工程で水分
濃度を低減したN−メチルアミノ酪酸ナトリウム等のN
−メチルアミノ酪酸のリチウム以外のアルカリ金属塩の
溶液を塩化リチウムと接触させることにより、このN−
メチルアミノ酪酸のリチウム以外のアルカリ金属塩と塩
化リチウムとを反応させ、所望のN−メチルアミノ酪酸
リチウムを合成する。その際、用いたN−メチルアミノ
酪酸ナトリウム等のN−メチルアミノ酪酸のリチウム以
外のアルカリ金属塩のアルカリ金属成分(すなわち、リ
チウム以外のアルカリ金属成分)の塩化物が副生する
が、これらの副生アルカリ金属塩化物を除去し、リチウ
ム以外のアルカリ金属成分が完全にまたは十分に除去さ
れた所望のN−メチルアミノ酪酸リチウムの溶液を得
る。
【0021】本発明においては、水酸化リチウムおよび
N−メチルアミノ酪酸リチウムの両方を用いてもよく、
またそのいずれか一方のみを用いてもよい。
【0022】(3)液状または気体状のイオウ化合物 本発明に用いられる液状又は気体状のイオウ化合物とし
ては、特に制限はないが、硫化水素を好適に用いること
ができる。
【0023】(4)ジハロゲン化芳香族化合物 本発明に用いられるジハロゲン化芳香族化合物として
は、特に制限はないが、ポリアリーレンスルフィドの製
造に用いられる公知の化合物を好適例として挙げること
ができる。
【0024】たとえば、m−ジハロゲンベンゼン、p−
ジハロゲンベンゼン等のジハロゲンベンゼン類;2,3
−ジハロゲントルエン、2,5−ジハロゲントルエン、
2,6−ジハロゲントルエン、3,4−ジハロゲントル
エン、2,5−ジハロゲンキシレン、1−エチル−2,
5−ジハロゲンベンゼン、1,2,4,5−テトラメチ
ル−3,6−ジハロゲンベンゼン、1−ノルマルヘキシ
ル−2,5−ジハロゲンベンゼン、1−シクロヘキシル
−2,5−ジハロゲンベンゼンなどのアルキル置換ジハ
ロゲンベンゼン類またはシクロアルキル置換ジハロゲン
ベンゼン類;1−フェニル−2,5−ジハロゲンベンゼ
ン、1−ベンジル−2,5−ジハロゲンベンゼン、1−
p−トルイル−2,5−ジハロゲンベンゼン等のアリー
ル置換ジハロゲンベンゼン類;4,4’−ジハロビフェ
ニル等のジハロビフェニル類:1,4−ジハロナフタレ
ン、1,6−ジハロナフタレン、2,6−ジハロナフタ
レン等のジハロナフタレン類などを挙げることができ
る。
【0025】これらのポリハロゲン化芳香族化合物にお
ける複数個のハロゲン元素は、それぞれフッ素、塩素,
臭素またはヨウ素であり、それらは同一であってもよい
し、互いに異なっていてもよい。
【0026】これらの中でも、好ましいのはジハロゲン
ベンゼン類であり、特に好ましいのはp−ジクロロベン
ゼンを50モル%以上含むものである。
【0027】(5)使用割合 仕込み工程として、反応槽に非プロトン性有機溶媒と硫
黄化合物、水酸化リチウムおよび/またはN−メチルア
ミノ酪酸リチウムを混合する。そのとき、硫黄化合物に
対する水酸化リチウムおよび/またはN−メチルアミノ
酪酸リチウムの使用割合は、硫黄原子/リチウム原子の
モル比が1/1になるようにする。未反応の硫黄化合物
は、予備重合前に除去する。例えば、硫黄化合物に硫化
水素を用いたときは、窒素バブリング等で除去すること
ができる。また、水酸化リチウムやN−メチルアミノ酪
酸リチウム等のリチウム塩を系内に加えても良い。
【0028】硫黄化合物に対するジハロゲン芳香族の配
合量は、ジハロゲン芳香族化合物/硫黄原子のモル比
が、0.5〜2.0好ましくは0.9〜1.3となるよ
うにする。0.5未満の場合、PASが分解し、2.0
より大きい場合、ジハロゲン芳香族化合物の回収コスト
が高くなる。
【0029】非プロトン性有機溶媒1リットル中に含ま
れるジハロゲン芳香族のモル数が0.8〜4.0モル、
好ましくは1.2〜3.7モルとなるようにする。0.
8モル/リットル未満の場合、分子量が急激に低下し、
その制御が困難であり、4.0モル以上のときは分子量
が低下し、樹脂の物性値は実用レベルではない。
【0030】本発明においては、必要に応じて、活性水
素含有ハロゲン化芳香族化合物、1分子中に3個以上の
ハロゲン原子を有するハロゲン化芳香族化合物、および
ハロゲン化芳香族ニトロ化合物などの分岐剤を適当に選
択して反応系に添加し、これを使用することもできる。
【0031】必要に応じて使用される前記分岐剤の使用
割合は、前記硫化水素1モルに対し、通常、0.000
5〜0.05モル、好ましくは0.001〜0.02モ
ルである。
【0032】2.重合操作 以下、本発明を各工程順に説明する。 (1)仕込み工程 この工程では、イオウ化合物、水酸化リチウムおよび/
またはN−メチルアミノ酪酸リチウム、ジハロゲン化芳
香族化合物および非プロトン性有機溶媒を、たとえば重
合反応器(反応槽)内に仕込む。前記各成分の仕込み量
は、前述した使用割合の範囲内のものとする。
【0033】これら各成分を仕込む際の各成分の添加順
序に特に制限があるわけではないが、以下の三方法を仕
込み処方の好適例として挙げることができる。なお、イ
オウ化合物として、硫化水素を用いた例を示している。
【0034】 まず、水酸化リチウムおよび/または
N−メチルアミノ酪酸リチウムとジハロゲン化芳香族化
合物との非プロトン性有機溶媒溶液を調製し、この非プ
ロトン性極性有機溶媒溶液に硫化水素を吹込み、溶解さ
せる。
【0035】 あらかじめ硫化水素を吹込み、溶解さ
せた非プロトン性溶媒溶液を、水酸化リチウムおよび/
またはN−メチルアミノ酪酸リチウムとジハロゲン化芳
香族化合物とに混合する。
【0036】 水酸化リチウムおよび/またはN−メ
チルアミノ酪酸リチウムの非プロトン性有機溶媒溶液に
硫化水素を吹込み、溶解し、次いでジハロゲン化芳香族
化合物を添加する。
【0037】なお、硫化水素を吹込む際の系の温度は、
硫化水素が気体状を保つ温度以上で良いが、通常、0〜
170℃とすることが好ましい。さらに好ましくは80
〜150℃、中でも120〜140℃が最も好ましい。
170℃以上の場合、固体状の硫化物が析出するおそれ
がある。
【0038】また、硫化水素を用いる場合、その吹き込
む際の圧力は、常圧でも加圧してもよい。吹き込み時間
としては、特に制限はない。吹き込む時間や吹き込み量
は、プロセス上の諸条件(回分式か連続式か、配合比、
規模等)により変わるので一概に好ましい時間や量は限
定できない。反応槽が10〜30リットルの場合は吹き
込み時間は10〜180分程度、吹き込み速度は10〜
1000cc/分程度とすることが好ましい。
【0039】その後、過剰な硫化水素の除去及び脱水す
ることが好ましい。脱水、脱硫化水素法としては特に制
限はないが、たとえば、水と共沸体を形成する溶媒(ト
ルエン等)の添加する方法、窒素を反応溶液に吹き込む
方法等を挙げることができる。
【0040】(2)予備重合工程 本発明においては、非プロトン性有機溶媒中で、水酸化
リチウムおよび/またはN−メチルアミノ酪酸リチウム
とイオウ化合物とジハロゲン化芳香族化合物との予備重
合を行う。この予備重合については特に制限はないが、
本重合の前に予備重合をするPASの製造方法として
は、前述の特開平6−248077号公報,特願平6−
104518号に開示されており、それらの方法に準拠
することができる。それらの中から反応条件の一例を、
以下で説明する。前記仕込み工程(1)で得られた反応
混合物に、ジハロゲノ芳香族、水、および非プロトン性
有機溶媒を添加し、180〜250℃で0.1〜10時
間、好ましくは1〜6時間保持する。反応時間が0.1
時間未満であると、反応が進行せず、10時間を超える
と、反応時間を長くした割りには、反応が進行しない。
各重合成分の配合量は、下記の条件を満たすことが好ま
しい。 非プロトン性有機溶媒1リットル中に含まれるジハ
ロゲン芳香族のモル数は、0.8〜4.0(モル/リッ
トル)が好ましく、さらに好ましくは1.2〜3.7
(モル/リットル)である。0.8(モル/リットル)
未満であると、分子量が急激に低下し、その制御が困難
となる。4.0(モル/リットル)を超えると分子量が
低下し、樹脂の物性値を実用レベルに確保することがで
きないことがある。 イオウ化合物1モルに対する、ジハロゲン化芳香族
化合物の使用割合は、0.5〜2モルが好ましく、さら
に好ましくは0.9〜1.3モルである。0.5モル未
満であると、PASが分解し、2.0モルを超えるとジ
ハロゲン化芳香族化合物の回収コストが高くなるおそれ
がある。 水と非プロトン性有機溶媒との重量比(水/非プロ
トン性有機溶媒)は、3/97以上であることが好まし
く、さらに好ましくは5/95〜15/85である。3
/97未満であると、重合が進行しないことがある。1
5/85を超えると、達成される分子量が低下するう
え、260℃の反応温度では蒸気圧が高くなるので、設
備上好ましくない。
【0041】(3)ポリマー濃厚相と溶媒相とへの分離
工程 本発明においては、予備重合反応終了後、100℃未満
まで、好ましくは室温まで冷却し、得られた重合溶液
(I)に水を添加する。この場合、添加する水の量は、
添加する水と重合溶液(I)中の非プロトン性有機溶媒
との重量比(水/非プロトン性有機溶媒)が、好ましく
は5/95以上、さらに好ましくは5/95〜15/8
5になるようにする。(水/非プロトン性有機溶媒)が
5/95未満であるとポリマー濃厚相と溶媒相とに分離
せず、塩化リチウムを抽出できないことがある。15/
85を超えると、達成される分子量が低下するうえ26
0℃の反応温度では蒸気圧が高くなるので、設備上好ま
しくない。攪拌後、静置してポリマー濃厚相と溶媒相と
に分離した後、反応槽からポリマー濃厚相を取り出し、
別の反応槽に入れる。分離方法は通常の方法でよいが、
反応槽の下部よりポリマー濃厚相のみを取り出すことを
好適例として挙げることができる。
【0042】(4)溶媒添加工程 本発明の、この工程で用いられる溶媒は、水及び非プロ
トン性有機溶媒の混合溶媒である。ポリマーの濃度が非
プロトン性有機溶媒1リットルに対し、好ましくは0.
8〜4.0モル/リットル、さらに好ましくは1.2〜
3.7モル/リットルとなるように非プロトン性有機溶
媒を、かつ水と非プロトン性有機溶媒との重量比(水/
非プロトン性有機溶媒)が好ましくは5/95以上、さ
らに好ましくは5/95〜15/85となるように水を
それぞれ上記ポリマー濃厚相へ添加する。
【0043】(5)本重合工程 本発明における本重合については特に制限がない。特開
平6−248077号公報等、いくかの公知文献に開示
された条件に準拠して良い。
【0044】反応容器としては、たとえば、1リットル
のステンレス製オートクレーブ(攪拌翼として、パドル
翼を備え、回転数300〜700rpm)を挙げること
ができる。
【0045】本重合温度としては、200〜280℃が
好ましい。200℃未満であると、反応時間が長くなり
すぎ、280℃を超えると、ポリマーが熱分解すること
がある。重合時間としては1〜6時間が好ましい。
【0046】本重合をした後で、得られた重合溶液(I
I)に対し、さらに前記工程(3)〜(5)を1回また
は複数回繰り返しても良い。この操作によって、生成し
たポリアリーレンスルフィドは、より高分子量化したう
え含有リチウム量が著しく減少し、低分子量成分等の不
純物よりも除去される。工程が簡素化すると共に、従来
より効率良くリチウム塩の回収ができ、製造コストが低
下する。
【0047】(6)後処理工程 前記重合反応によって合成したポリアリーレンスルフィ
ドは、たとえば、濾過または遠心分離等による標準的な
方法により、直接に反応容器から分別したり、または、
たとえば水および/または稀釈した酸等の凝集液を添加
したのちに反応溶液から分別して、単離することができ
る。
【0048】単離した重合体は、付着している不純物あ
るいは副反応物などを除去するために、通常、水、NM
P、メタノール、アセトン、ベンゼン、トルエンなどの
洗浄溶剤を用いて洗浄することが望ましい。
【0049】また単離しなくても、反応溶液から溶媒を
留去して回収し、残渣を洗浄することによってポリマー
を得ることもできる。なお、回収した溶媒は再使用に供
することもできる。
【0050】本発明の方法においては、以上のようにし
て、ポリマーの溶液粘度(ηinh )が0.10以上、好
ましくは0.17以上であり、メルトインデックス(M
I)が0〜1000g/10分であるところの、十分に
高分子量であって、ある場合には、ゲル形成性であると
共に、粒径が0.5〜5mmであるところの、粒径の制
御された粒状のポリアリーレンスルフィドを、簡略化さ
れた工程で容易にかつ安定に得ることができる。なお、
分子量が目標の値に達しない場合には前述のように、工
程(3)〜(5)を繰り返すとよい。また、この発明に
よる粒状とは、通常顆粒状であるがビーズ状であっても
よい。また、前記溶液粘度は、粒状のポリアリーレンス
ルフィドをα−クロルナフタレンに0.4dl/gの濃
度になるように溶解し、206℃の温度でウベローデ粘
度計を使用して測定された値である。
【0051】前記工程(1)〜(5)の1サイクルで得
られたPASの含有リチウム量は、諸条件により多少変
動するが、500重量ppmを超えることはない。含有
リチウム量をより以上減らす場合には、前記工程(3)
〜(5)を任意の回数繰り返せばよいが、含有リチウム
量を10重量ppmまで低減させる場合でも2回の繰り
返しで十分で、その時の収率も87重量%程度を期待す
ることができる。収率については特に制限はないが、特
別に含有リチウム量を低減させる(10ppm未満)場
合を除くと、仕込みPDCBに対して80%以上は十分
に期待することができる。
【0052】本発明により得られたポリアリーレンスル
フィドから各種の製品を成形する場合には、ポリアリー
レンスルフィドに必要に応じて他の重合体、顔料、グラ
ファイト、金属粉、ガラス粉、石英粉、タルク、炭酸カ
ルシウム、ガラス繊維、炭素繊維、各種ウィスカーなど
の充填剤、安定剤、離型剤などを適宜配合することがで
きる。
【0053】本発明により得られたポリアリーレンスル
フィドは、各種成形品の材料、たとえばフィルム、繊
維、機械部品、電気部品、電子部品などの材料として好
適に利用することができる。
【0054】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。なお、溶媒粘度は下記の方法で測定した。
得られたポリマーを、α−クロロナフタレンに0.4d
l/gの濃度になるように溶解し、206℃の温度でウ
ベローデ粘度計で測定した値を溶融粘度ηinhとする。
【0055】[実施例1] 460ミリリットルのN−メチル−2−ピロリドン
(以下、NMP)、2.31モルの水酸化リチウムの混
合物を反応槽I(翼攪拌機を有する1リットルのオート
クレーブ)の中に入れて、130℃に昇温させ攪拌しな
がら硫化水素を2.31モル吹き込んだ。硫化水素を吹
き込む間の液温は常に130℃を保つように制御した。
その後、180℃まで昇温し、トルエンを滴下して脱
水、脱硫化水素操作を行ない、室温まで冷却した。反応
混合物中の硫黄分及び水分はそれぞれ1.155モル/
リットル、0.0155モル/リットルであった。 の反応混合物中に1.155モルのパラジクロロ
ベンゼン(以下、PDCB)および、PDCB濃度が、
NMPに対して2.31モル/リットルとなるように9
8gのNMPを、水/PDCBが0.7(モル比)とな
るように14gの水をそれぞれ添加し、240℃で30
分間加熱した。 その後、室温まで冷却し、水/NMPが15/85
(重量比)となるように水を76g添加した。 攪拌後静置して、ポリアリーレンスルフィドの仕込
みPDCBに対する収率は95モル%、溶融粘度ηinh
は0.09であった。取り出したポリアリーレンスルフ
ィド濃度相を反応槽II(反応槽Iと同じ物)に入れた。 上記ポリアリーレンスルフィドにポリアリーレンス
ルフィド濃度がNMPに対して2.31モル/リットル
となるようにNMPを、水/NMPが15/85(重量
比)となるように水を添加した。 攪拌しながら昇温し、260℃で3時間加熱した。 加熱後冷却し、ポリアリーレンスルフィドを取り出
した。このポリアリーレンフルフィドは含有リチウム量
が100重量ppm、仕込みPDCBに対する収率は9
0モル%、溶融粘度ηinh は0.18であった。使用し
た反応槽は2個であった。
【0056】[実施例2]実施例1の本重合工程が終
了後、静置するとポリアリーレンスルフィド濃厚相と溶
媒相とに分離し、ポリアリーレンスルフィドを取り出し
て反応槽III(反応槽Iと同じ物)に入れた。その後、
実施例1の〜を繰り返した。加熱後冷却し、PAS
を取り出した。このポリアリーレンスルフィドは含有リ
チウム量が10重量ppm、仕込みPDCBに対する収
率は87モル%、溶融粘度ηinh は0.20であった。
使用した反応槽は3個であった。
【0057】[比較例1]実施例1の〜の工程を省
く他は、実施例1と同様に行った。得られたポリアリー
レンスルフィドは含有リチウム量が10000重量pp
m、仕込みPDCBに対する収率は91モル%、溶融粘
度ηinh は0.18であった。使用した反応槽は1個で
あった。
【0058】[実施例3] 実施例1,2の水酸化リチウムの代りにLMABを使用
した例 硫化水素−Li錯体(LMAB錯体) 硫化水素−Li錯体(LMAB錯体)は以下のように合
成したものを用いた。 反応槽I(翼攪拌機を有する1リットルのオートク
レーブ)の中のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)
258.64g(0.6モル)及び上記[0018]〜
[0019]で得られたN−メチルアミノ酪酸リチウム
(LMAB)178.02g(1.5モル)を入れ、昇
温し130℃に保った。LMABが溶解したことを確認
後、純度99.9%の硫化水素を気体状態で流量計によ
り500ミリリットル/分の流量で吹き込んだ。吹き込
みノズルの先端にはスパージャーを取り付けた。また、
硫化水素吹き込みと同時に生成する水を脱水する目的で
窒素ガスを気相部に300ミリリットル/分で吹き込ん
だ。本条件で60分吹き込んだ後に溶液中の硫黄量を定
量したところ、硫黄源/LMAB=0.70(モル比)
であった。この錯体を分析した結果、錯体1グラム当た
りのLi,S,NMP量はそれぞれ、Li:3.909
×10-3 (モル/グラム)、S:2.735×10-3
(モル/グラム)、およびNMP:7.745×10-3
(モル/グラム)であった。 の反応混合物中に1.05モルのパラジクロロベ
ンゼン(以下、PDCB)及び、硫黄源/LMABが
0.5モルとなるよう、71.21gのLMABを水/
PDCBが0.7(モル比)となるように13.24g
の水をそれぞれ添加し、240℃で30分間加熱した。 その後、室温まで冷却し、水/NMPが15/85
(重量比)となるように水を56.78g添加した。 攪拌後静置して、ポリアリーレンスルフィド濃厚相
と溶媒相とに分離し、ポリアリーレンスルフィドを取り
出した。このときのポリアリーレンスルフィドの仕込み
PDCBに対する収率は93モル%、溶融粘度ηinh
0.10であった。取り出したポリアリーレンスルフィ
ド濃度相を反応槽II(反応槽Iと同じ物)に入れた。 上記ポリアリーレンスルフィドにポリアリーレンス
ルフィド濃度がNMPに対して2.31モル/リットル
となるようにNMPを、水/NMPが15/85(重量
比)となるように水を添加した。 攪拌しながら昇温し、260℃で3時間加熱した。 加熱後冷却し、ポリアリーレンスルフィドを取り出
した。このポリアリーレンフルフィドは含有リチウム量
が100重量ppm、仕込みPDCBに対する収率は8
8モル%、溶融粘度ηinh は0.19であった。使用し
た反応槽は2個であった。
【0059】[比較例2]この比較例では、予備重合工
程でパラジクロロベンゼンの反応率が87%に達するま
で予備重合反応を行い、予備重合後に脱水を行った。
【0060】まず、反応槽I(翼攪拌機を有する1リッ
トルのオートクレーブ)に、パラジクロロベンゼン8
6.34g(0.5873モル)、N−メチルアミノ酪
酸リチウム塩138.89g(1.1982モル)、N
−メチル−2ピロリドン300mlに硫化水素20.0
2g(0.5873モル)を溶解させた溶液を入れ、密
閉系で140〜150℃に加熱しながら1時間かけて攪
拌を行った(錯体合成工程)。次いで、240℃に加熱
しならが0.5時間かけて予備重合を行った(予備重合
工程)。この予備重合工程の終了後に、窒素気流下に1
30〜150℃に加熱することにより、水、N−メチル
−2ピロリドンおよびパラジクロロベンゼンを系外に留
出させた(脱水工程)、留出量は86ミリリットルであ
った。この留出液中のパラジクロロベンゼンおよび水分
のガスクロマトグラフ分析を行った結果、パラジクロロ
ベンゼンの反応率は87%であり、水分量(反応が10
0%進行した場合に生成する水分量に対する水分量)は
85%であった。脱水工程の後にさらに260℃に反応
液を加熱しながら3時間かけて重合を行った(本重合工
程)。
【0061】重合反応終了後に、反応系を冷却し、得ら
れた固形分を洗浄槽I(反応槽Iと同じ物)において水
で、次いで洗浄槽II(反応槽Iと同じ物)において、ア
セトンで順次洗浄し、乾燥を行うことによりポリアリー
レンスルフィドを得た。このポリアリーレンスルフィド
を実施例1と同様に粘度測定を行った。その結果、この
ポリアリーレンスルフィドの溶媒粘度ηinh は、0.3
0であった。精製したPASの含有リチウム量は、50
0重量ppmで、収率はPDCBの仕込み量に対して8
0モル%であった。
【0062】[比較例3]比較例2の洗浄工程を4回に
して、ポリアリーレンスルフィド含有リチウム量を実施
例1と同程度まで減らした。すなわち、洗浄槽I〜III
で水洗を行い、洗浄槽IVでアセトン洗浄を行い、乾燥を
行うことによりポリアリーレンスルフィドを得た(洗浄
槽I〜IVは反応槽Iと同じ物)。得られたポリアリーレ
ンスルフィドは含有リチウム量が120重量ppm、仕
込みPDCBに対する収率は70モル%、溶融粘度η
inh は0.30であった。使用した反応槽は5個であっ
た。
【0063】[比較例4]実施例1において、予備重合
に添加する水の量を、水/NMP(重量比)=4/96
としたこと以外は、実施例1と同様にした。その結果、
水の添加量が少なくなかったため、ポリマー濃厚相と溶
媒相に分離しなかった。そこで、その状態に、水/NM
Pが15/85となるように、さらに水を添加して、実
施例1と同じように本重合を行なった。得られたPAS
の含有Li量は10,000重量ppmで溶液粘度η
inh は0.14で、収率は仕込みPDCBに対して90
モル%であった。
【0064】[比較例5]実施例1において、本重合前
に、濃厚相に添加する溶媒の、水とNMPとの割合を、
水/NMP(重量比)=4/96としたこと以外は実施
例1と同様にした。その結果水/NMPが小さいため、
重合反応が進行せず、ηinh は予備重合終了時と差がな
かった。また、濃厚相と溶媒相が分離しなかったため、
本発明の特徴の一つである、前記工程(3)〜(5)の
「2相に分離→溶媒添加→本重合」の繰り返しをするこ
とができなかった。精製したPASの含有Li量は12
0重量ppmで、溶液粘度ηinh は0.06で、収率は
仕込みPDCBに対して80モル%であった。
【0065】以上のことから、次のことがわかる。 実施例1と比較例1とを比較すると、本願の効果
が、前記工程(3)〜(5)によって発現すること。 実施例1と比較例2とを比較すると、実施例1が、
使用する反応槽が1個少ないにもかかわらず、含有リチ
ウム量が少ないこと。(実施例1の場合、プロセスが簡
便で、リチウム回収量も多いこと。) 実施例2と比較例2とを比較すると、使用する反応
槽を同数使用した場合でも、実施例2は比較例に比べ、
リチウム回収率が格段に優れていること。 実施例1と比較例3とを比較すると、含有リチウム
量を同程度にするために必要な反応槽の数に関し、実施
例1で使用する反応槽の方が明らかに少なくて済み、プ
ロセスが簡便であること。 〜の結果より、実施例は比較例に比べ、触媒に
使用した効果なリチウムを簡便な方法で効率よく回収で
きること。また、実際の生産設備を考慮すると、実施例
のほうが反応槽及びそれに付属する設備が少なくなる
分、設備費も安くなること。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、
多段階の洗浄槽による工程の煩雑さや設備費の高騰を解
消して生産コストを軽減することができるとともに、リ
チウム塩を効率よく回収し、生成物であるPASの純度
を高めることができる、ポリアリーレンスルフィドの効
率的な製造方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−248077(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 75/00 - 75/23

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非プロトン性有機溶媒中で、水酸化リチ
    ウムおよび/またはN−メチルアミノ酪酸リチウム、液
    状または気体状のイオウ化合物、並びにジハロゲン化芳
    香族化合物を重合成分として予備重合し、次いで本重合
    するポリアリーレンスルフィドの製造方法において、 予備重合した後、得られた重合溶液(I)に水を添加し
    て、ポリマー濃厚相と溶媒相とに分離させ、次いで、こ
    の分離されたポリマー濃厚相に溶媒を添加して本重合す
    ることを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記本重合した後、得られた重合溶液
    (II)に水を添加して、ポリマー濃厚相と溶媒相とに分
    離させ、次いで、この分離されたポリマー濃厚相に溶媒
    を添加して、さらに本重合することを一回または複数回
    繰り返すことを特徴とする請求項1記載のポリアリーレ
    ンスルフィドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記予備重合した後、得られた重合溶液
    (I)に添加する水の量が、添加する水と重合溶液
    (I)中の非プロトン性有機溶媒との重量比(水/非プ
    ロトン性有機溶媒)として、5/95以上であることを
    特徴とする請求項1または2記載のポリアリーレンスル
    フィドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ポリマー濃厚相と溶媒相とに分離さ
    せた後、分離されたポリマー濃厚相に添加する溶媒が、
    水および非プロトン性有機溶媒の混合溶媒であり、かつ
    その添加割合が、水と、非プロトン性有機溶媒との重量
    比(水/非プロトン性有機溶媒)として、5/95以上
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記
    載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
JP21365395A 1995-08-22 1995-08-22 ポリアリーレンスルフィドの製造方法 Expired - Fee Related JP3490195B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21365395A JP3490195B2 (ja) 1995-08-22 1995-08-22 ポリアリーレンスルフィドの製造方法
US08/701,175 US5756654A (en) 1995-08-22 1996-08-21 Process for manufacturing polyarylene sulfide

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21365395A JP3490195B2 (ja) 1995-08-22 1995-08-22 ポリアリーレンスルフィドの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0959381A JPH0959381A (ja) 1997-03-04
JP3490195B2 true JP3490195B2 (ja) 2004-01-26

Family

ID=16642735

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21365395A Expired - Fee Related JP3490195B2 (ja) 1995-08-22 1995-08-22 ポリアリーレンスルフィドの製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5756654A (ja)
JP (1) JP3490195B2 (ja)

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5863202A (en) * 1992-11-24 1999-01-26 Fontenot; Mark G. Device and method for treatment of dentition
US5898061A (en) * 1996-03-11 1999-04-27 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Continuous process for producing polyarylene sulfide
JP3866822B2 (ja) * 1997-03-25 2007-01-10 出光興産株式会社 ポリアリーレンスルフィドの精製方法
JP3603159B2 (ja) * 1998-09-22 2004-12-22 財団法人石油産業活性化センター ポリアリーレンスルフィド系成形材料及びその射出成形品
JP2002293939A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Petroleum Energy Center ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP2002293938A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Petroleum Energy Center ポリアリーレンスルフィドの連続製造方法
JP2003252610A (ja) * 2001-12-27 2003-09-10 Idemitsu Petrochem Co Ltd 硫化リチウムの再生方法及びポリアリーレンスルフィドの製造方法
US9562139B2 (en) 2013-09-25 2017-02-07 Ticona Llc Process for forming low halogen content polyarylene sulfides
WO2015047721A1 (en) 2013-09-25 2015-04-02 Ticona Llc Scrubbing process for polyarylene sulfide formation
US9587074B2 (en) 2013-09-25 2017-03-07 Ticona Llc Multi-stage process for forming polyarylene sulfides
US9388283B2 (en) 2013-09-25 2016-07-12 Ticona Llc Method of polyarylene sulfide crystallization
US9604156B2 (en) 2013-09-25 2017-03-28 Ticona Llc Method and system for separation of a polymer from multiple compounds
US9403948B2 (en) 2013-09-25 2016-08-02 Ticona Llc Salt byproduct separation during formation of polyarylene sulfide
WO2016133739A1 (en) 2015-02-19 2016-08-25 Ticona Llc Method for forming a high molecular weight polyarylene sulfide
WO2016133740A1 (en) 2015-02-19 2016-08-25 Ticona Llc Method of polyarylene sulfide precipitation
JP6803844B2 (ja) 2015-02-19 2020-12-23 ティコナ・エルエルシー 低粘度のポリアリーレンスルフィドを形成する方法
WO2016153610A1 (en) 2015-03-25 2016-09-29 Ticona Llc Technique for forming a high melt viscosity polyarylene sulfide
US11407861B2 (en) 2019-06-28 2022-08-09 Ticona Llc Method for forming a polyarylene sulfide
WO2021126543A1 (en) 2019-12-20 2021-06-24 Ticona Llc Method for forming a polyarylene sulfide
CN117916002A (zh) 2021-09-08 2024-04-19 提克纳有限责任公司 从聚芳硫醚废淤浆中回收有机溶剂的萃取技术
CN117916001A (zh) 2021-09-08 2024-04-19 提克纳有限责任公司 从聚芳硫醚废污泥中回收有机溶剂的反溶剂技术

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4373090A (en) * 1982-02-16 1983-02-08 Phillips Petroleum Company Arylene sulfide polymer preparation
US4910294A (en) * 1988-06-20 1990-03-20 Idemitsu Petrochemical Company Limited Two-stage process for production of polyarylene sulfides with lithium compound
US5175243A (en) * 1990-11-14 1992-12-29 Phillips Petroleum Company Process for preparing arylene sulfide polymers with halo benzene containing deactivating group
US5171831A (en) * 1990-12-03 1992-12-15 Phillips Petroleum Company Producing high molecular weight poly(arylene sulfide) polymers by adding second polar solvent prior to termination of polymerization

Also Published As

Publication number Publication date
US5756654A (en) 1998-05-26
JPH0959381A (ja) 1997-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3490195B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP4256506B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP4994997B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP4310279B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法及び洗浄方法、並びに洗浄に使用した有機溶媒の精製方法
US6982312B2 (en) Process for producing polyarylene sulfide
JP2004131602A (ja) ポリアリーレンスルフィド系樹脂の製造方法
JP2004123958A (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP3872846B2 (ja) 硫化リチウムの製造方法及びポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP3699777B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP3831052B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの連続式製造方法
JP3528865B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP3490137B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP2002293515A (ja) 水硫化リチウムの製造方法
JP3866822B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの精製方法
JP3189926B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP3235037B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド粒状体の連続回収方法
JP3235033B2 (ja) 高分子量ポリアリーレンスルフィドの製造方法
TWI272280B (en) Process for continuous production of branched polyarylene sulfides
JP3177755B2 (ja) N−メチルアミノ酪酸リチウムの製造方法
JP3625569B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JPH02180928A (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP2002265602A (ja) 品質安定したポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP2004285093A (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂の精製方法
JPH09278887A (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees