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JP3482476B2 - メタクリル酸製造用触媒の製造方法およびメタクリル酸の製造方法 - Google Patents

メタクリル酸製造用触媒の製造方法およびメタクリル酸の製造方法

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Publication number
JP3482476B2
JP3482476B2 JP18041496A JP18041496A JP3482476B2 JP 3482476 B2 JP3482476 B2 JP 3482476B2 JP 18041496 A JP18041496 A JP 18041496A JP 18041496 A JP18041496 A JP 18041496A JP 3482476 B2 JP3482476 B2 JP 3482476B2
Authority
JP
Japan
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catalyst
methacrylic acid
producing
raw material
methacrolein
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JP18041496A
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純也 吉沢
利明 宇井
功一 永井
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は気相接触酸化による
メタクリル酸の製造に用いられるヘテロポリ酸系触媒の
改良に関する。詳しくは、メタクロレイン、イソブタン
などを分子状酸素で気相接触酸化してメタクリル酸を製
造するために用いられるヘテロポリ酸系触媒の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】メタクロレインを気相接触酸化しメタク
リル酸を製造するための触媒は数多く提案されており
(例えば、特開昭50−101316号公報、特開昭5
7−177347号公報、特開平4−63139号公
報、特開平5−31368号公報、特開平5−3136
8号公報、特開平6−91172号公報など)、すでに
その一部は工業的規模の生産に用いられている。
【0003】またイソ酪酸の酸化脱水素(例えば、特開
昭57−72936号公報など)、イソブチルアルデヒ
ドの酸化(例えば、特開昭57−144238号公報な
ど)によるメタクリル酸を製造するための触媒もよく知
られている。さらにイソブチレンまたは第三級ブタノー
ルを酸化してメタクリル酸、メタクロレインを製造する
ための触媒(特開昭55−127328号公報など)、
最近ではイソブタンを直接酸化してメタクリル酸、メタ
クロレインを製造する触媒(特開平2−42032号公
報など)も提案されている。
【0004】これらの反応に用いられる触媒としては、
モリブデン及びリンを主成分とするヘテロポリ酸および
その塩の構造を有するものが有効であることが知られて
おり、組成に関してはバナジウムによるモリブデンの一
部置換、銅、アンチモン、ヒ素などの助触媒成分の添
加、調製法に関しても環状アミンの使用、加熱熟成(例
えば、特開平4−257539号公報など)等、種々の
改良がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の触媒は、既に実用化されているメタクロレインの
酸化においても反応収率(活性と選択性)と触媒寿命と
の両方を必ずしも充分に満足させるものではない。例え
ば、アクロレインからアクリル酸を製造する触媒と比
べ、反応の選択性が悪いばかりでなく反応活性と寿命も
悪く、従って大量の触媒が必要となり、設備費用と触媒
コストの負担が大きいのが現状である。イソブタン、イ
ソ酪酸などを原料とする場合も未だ工業化できていない
のは、触媒の性能が充分でないことが大きな理由の一つ
である。本発明の課題は現状の触媒を改良し、より高い
反応活性、選択性と長い触媒寿命を合わせもつ触媒を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を達成するために、ヘテロポリ酸系の触媒の改良につい
て鋭意検討した結果、特定の触媒組成をもち特定の方法
で調製した触媒が、上記の目的を達成することを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は一般式 PaMob
cSbdCuefg (式中、P、Mo、V、Sb、CuおよびOはそれぞれ
リン、モリブデン、バナジウム、アンチモン、銅および
酸素を表し、Xはルビジウム、セシウムおよびタリウム
からなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表し、
また添字a、b、c、d、e、fおよびgは各元素の原
子比を表し、b=12としたとき、a、c、d、eおよ
fはそれぞれ0(ゼロ)を含まない3以下の値をと
り、gは他の元素の原子価および原子比によって決まる
値を表す)で示されるヘテロポリ酸の部分中和塩からな
るメタクリル酸製造用触媒の製造方法であって、触媒原
料のうち、バナジウム原料および/またはアンチモン原
料を除く触媒原料を水に溶解または懸濁させ、アンモニ
ウム根が存在する状態で80〜200℃の温度で1〜2
4時間加熱処理した後、バナジウム原料および/または
アンチモン原料を添加し、再度80〜200℃の温度で
1〜24時間加熱処理し、焼成することを特徴とする
タクリル酸製造用触媒の製造方法を提供するものであ
る。
【0008】更に本発明は上記メタクリル酸製造用触媒
の存在下に、メタクロレインを分子状酸素によって気相
接触酸化することを特徴とするメタクリル酸の製造方法
を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の触媒の基本的な構造は従
来からよく知られているリンモリブデン酸のルビジウ
ム、セシウム、タリウムによる部分中和塩であるが、さ
らに必須成分として、バナジウム、アンチモンおよび銅
を含んでいる。これらの元素が有効であることは既に知
られているが、これらの組成の組み合わせと調製法との
関係を種々検討した結果、組成に関しては以下のことが
判明した。
【0010】まずバナジウムを含まずアンチモンを含む
触媒は、反応選択性は高いが、長時間の使用により反応
率が低下しやすい欠点を持っており工業的使用に耐える
ものではない。一方、アンチモンを含まずバナジウムを
含む触媒は従来の調製法では反応選択性、寿命ともにあ
る程度のものができるがともに充分ではない。また、バ
ナジウム、アンチモンをともに含む触媒においても従来
の調製法では反応活性、寿命とも悪いものしか得られな
い。反応選択性と活性、寿命を合わせ持つためには、バ
ナジウム、アンチモンをともに含みさらに本発明の特別
な調製法を用いる必要がある。また、銅は反応活性の改
良の点で必須である。その他、ヒ素、銀、鉄、コバル
ト、ランタン、セリウムなどを任意成分として含んでい
てもよい。
【0011】触媒調製に用いる原料としては各元素の酸
化物、硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、水酸化物、ハ
ロゲン化物などを組み合わせて使用することができる。
例えば、モリブデン原料としてはパラモリブデン酸アン
モニウム、三酸化モリブデン、塩化モリブデン等、バナ
ジウム原料としては、メタバナジン酸アンモニウム、五
酸化バナジウム、塩化バナジウム等、アンチモン原料と
しては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が使用
できる。また、後に述べる懸濁物の加熱処理の段階でア
ンモニウム根を含んでいることが必要である。よって、
アンモニウム塩を含まない場合にはアンモニアが必要で
ある。
【0012】本発明に於ける触媒の調整方法は、触媒原
料のうち、初めにバナジウム原料および/またはアンチ
モン原料を除く触媒原料を水に溶解または懸濁させ、ア
ンモニウム根が存在する状態で加熱処理(一段目)し、
次いでバナジウム原料および/またはアンチモン原料を
添加し、さらに加熱処理(二段目)を行うことを必須と
する。すなわち、バナジウム原料および/またはアンチ
モン原料は一段目の加熱処理に際しては触媒原料中には
無添加で、二段目の加熱処理に際して全量添加であって
もよく、或いは一段目の加熱処理に際してはバナジウム
原料またはアンチモン原料の何れかを添加存在せしめ、
二段目の加熱処理に際してはバナジウム原料および/ま
たはアンチモン原料を添加存在せしめる方法であっても
よく、さらには、各段に於いてバナジウム原料および/
またはアンチモン原料を分割添加存在せしめる方法であ
ってもよい。より好ましくは一段目の加熱処理に際し、
触媒原料中にバナジウム原料またはアンチモン原料を添
加存在せしめ、二段目の加熱処理に際しては、一段目に
於いて少なくとも未添加のバナジウム原料またはアンチ
モン原料を添加存在せしめて、加熱処理する方法が推奨
される。水溶性の原料は予め別に水に溶解して用いても
よいが、粉体のまま仕込んでも問題ない。
【0013】加熱処理は一段目および二段目のいずれに
於いても、約80〜約200℃、好ましくは約100〜
約150℃で、約1〜約24時間、好ましくは約10〜
約20時間行われる。温度が約80℃より低い場合や時
間が1時間より短い場合には反応が充分に進まず、メタ
クリル酸選択率の低い触媒となり好ましくない。温度が
約200℃を超えても、また時間が約24時間を超えて
もよいが、それに見合った効果は得られない。
【0014】加熱処理して得られる懸濁液を蒸発乾固す
ると、得られる固体はX線回折、赤外吸収からP:Mo
の比が1:9のいわゆるドーソン型のヘテロポリ酸の塩
となっていることがわかる。これを空気などの酸化性ガ
ス、窒素などの不活性ガス、または水素などの還元性ガ
ス中で、180〜350℃程度に加熱するとP:Moの
比が1:12のいわゆるケギン型ヘテロポリ酸の塩に変
化する。アンモニウム根を含んで調製しているのでこの
段階の固体は、ヘテロポリ酸のX成分(ルビジウム、セ
シウムなど)とアンモニウムとの混合塩になっている。
このままでは固体酸の性質がなく活性が低いので焼成し
て活性化する必要がある。窒素などの不活性ガス中で約
400〜500℃、好ましくは約420〜450℃の温
度で焼成する。これによりほぼ全てのアンモニウム成分
が脱離しプロトン酸となり高活性を発現する。空気中で
焼成した場合は、400℃を超える場合にはヘテロポリ
酸の分解、焼結が起こり活性が低くなり、一方、400
℃未満ではアンモニウム根が多く残るためにやはり活性
が低い。不活性ガス中で焼成した後、空気中で400℃
未満の温度で焼成することは差し支えない。触媒成分中
にX成分が存在しない場合には得られる触媒の熱安定
性、表面積が低下する。
【0015】このようにして得られた本発明の触媒はメ
タクロレインの酸化をはじめ種々の原料の酸化によるメ
タクリル酸の製造に用いられるが、使用に当たっては触
媒単味、またはアルミナ、シリカ、シリコンカーバイド
などの担体に担持または希釈混合した形で用いられ、固
定床の場合は、円柱状、球状、リング状などに成形して
用いられる。流動床、移動床などの反応形式を用いるこ
ともできる。
【0016】本発明の触媒を用いて、メタクロレインを
気相で接触酸化してメタクリル酸を製造する場合、使用
される原料としては必ずしも純粋のメタクロレインであ
る必要はなく、イソブチレンやターシャリーブタノール
を気相接触酸化して得られたメタクロレイン含有ガスで
も、また液相法で得られたメタクロレインを気化したも
のでもよい。酸素源は純粋な酸素でもよいが、工業的に
は空気が使用される。その他の希釈ガスとしては、窒
素、二酸化炭素、一酸化炭素、水蒸気などを用いること
ができる。反応原料ガス中のメタクロレイン濃度は1〜
10%、メタクロレインに対する酸素の比は1〜5程度
が用いられる。原料ガスの空間速度は500〜5000
-1の範囲、反応温度は250〜350℃程度が好まし
い。反応圧力は、通常、常圧付近または若干の加圧下で
行われる。
【0017】また本発明の触媒を用いて、イソブタンを
直接酸化してメタクリル酸、メタクロレインを製造する
場合は、原料ガス中のイソブタン濃度は1〜85%、酸
素源としては、純酸素、酸素富化空気、空気などが用い
られる。イソブタンに対する酸素の比は0.05〜4が
適当である。反応ガス中には水蒸気を3〜30%の範囲
で含有させることが望ましい。原料ガス中には窒素、二
酸化炭素、一酸化炭素などが希釈ガスとして含まれてい
てもよい。この反応では活性をそれほど高くできないの
で、未反応イソブタン及び場合により酸素は回収して再
循環される。副生メタクロレインは再循環するか別の反
応器に導きメタクリル酸まで酸化する。空間速度は40
0〜5000h-1、反応温度は270〜400℃が好ま
しい。反応圧力は常圧または加圧で行われる。
【0018】本発明の触媒は、イソ酪酸の酸化脱水素、
イソブチルアルデヒドの酸化によるメタクリル酸の製造
にも用いることができる。またイソブチレンから一段で
メタクリル酸を製造する際にも用いることが可能であ
る。これらの反応では、メタクロレインの酸化と同様な
反応条件が採用できる。
【0019】
【発明の効果】本発明の触媒はメタクリル酸の製造にお
いて、従来の触媒より高い反応活性、選択性と長い触媒
寿命を有している。
【0020】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明ではこれらの実施例によって限
定されるものではない。転化率および選択率の定義は下
記の通りである。 メタクロレイン転化率(%)=(反応したメタクロレイ
ンのモル数)÷(供給したメタクロレインのモル数)×
100 メタクロレイン酸選択率(%)=(生成したメタクロレ
インのモル数)÷(反応したメタクロレインのモル数)
×100
【0021】実施例1 40℃に加熱したイオン交換水224gに、硝酸セシウ
ム [CsNO3]38.2g、硝酸銅 [Cu(NO3)2
3H2 O] 10.2g、リン酸水溶液 [85%−H3
4 ] 24.2g、硝酸 [70%−HNO3 ] 25.2
gを溶解し、これをA液とした。40℃に加熱したイオ
ン交換水330mlにモリブデン酸アンモニウム [( N
4)6 Mo7 24・4H2 O ]297gを溶解し、メタ
バナジン酸アンモニウム[NH4 VO3 ] 8.19gを
懸濁させ、これをB液とした。撹拌しているB液に、A
液を滴下した。得られた懸濁液を密封容器中で、120
℃で17時間加熱撹拌した。得られた懸濁液に、三酸化
アンチモン [Sb2 3 ] 10.2gを加え、さらに得
られた懸濁液を密封容器中で、120℃で17時間加熱
撹拌した。得られた懸濁液を120℃で蒸発乾固した。
得られた乾固物はドーソン型のヘテロポリ酸塩の構造を
している。乾固物を1000μm以下に粉砕し、成形助
剤を添加し、水を加えて混練し、直径5mm、高さ5m
mの円柱上に押し出し成形した。この成形体を、90℃
で乾燥後、さらに、250℃で3時間焼成する。これを
窒素気流中、435℃で3時間焼成し、さらに空気気流
中、390℃で3時間焼成して触媒を得た。この触媒の
酸素を除く組成はP1.5 Mo120.5 Sb0.5 Cu0.3
Cs1.4 である。
【0022】この触媒9gを内径15mmのガラス製反
応管に充填し、メタクロレイン4mol%、酸素12m
ol%、水蒸気17mol%、残りが窒素からなる組成
の原料ガスを空間速度(STP基準)670h-1で反応
管を通じ、反応温度290℃で活性試験を行った。その
結果、定常状態に達した時点で、メタクロレイン転化率
97.3%、メタクリル酸選択率77.8%、メタクリ
ル酸収率75.7%であった。条件を振らしてメタクロ
レイン転化率が90%時のメタクリル酸選択率を求める
と80.8%であった。
【0023】加速寿命試験として、得られた触媒4.5
gを内径15mmのガラス製反応管に充填し、上記と同
じ組成の原料ガスを空間速度1300h-1で反応管を通
じ、反応温度320℃で連続運転した。その結果、反応
開始後15時間目ではメタクロレイン転化率93.1
%、メタクリル酸選択性75.0%、メタクリル酸収率
69.8%、480時間後ではそれぞれ92.4%、7
6.9%、71.0%、960時間後ではそれぞれ9
0.2%、80.1%、72.2%、2400時間後で
はそれぞれ74.7%、86.0%、64.2%であっ
た。
【0024】比較例1 イオン交換水350gにリン酸水溶液 [85%−H3
4 ] 4.6gを加え、さらにモリブドバナドリン酸
[H4 1 Mo111 40・18H2 O] 115gと三
酸化アンチモン [Sb2 3 ] 3.64gを加え、10
0℃で14時間環流し溶解する。この溶液を13℃まで
冷却し、これをA液とする。13℃に冷却したイオン交
換水250gに、硝酸セシウム [CsNO3 ] 13.7
g、硝酸銅 [Cu(NO3 2 ・3H2O] 3.62
g、硝酸アンモニウム[NH4 NO3 ] 10.4gを溶
解し、これをB液とする。A液にB液を滴下し、65℃
で減圧濃縮する。得られた乾固物をステンレス製バット
にとり電気炉中で120℃で乾燥した。成形工程、焼成
工程は実施例1と同様に行った。この触媒の酸素を除く
組成はP1.5 Mo121.1 Sb0.5 Cu0.3 Cs1.4
ある。実施例1と同じ活性試験では、メタクロレイン転
化率35.2%、メタクロレイン選択率85.8%、メ
タクリル酸収率30.2%であった。
【0025】比較例2 40℃に加熱したイオン交換水224gに、硝酸セシウ
ム [CsNO3 ] 38.2g、硝酸銅 [Cu(NO3)2
・3H2 O] 10.15g、リン酸水溶液 [85%−H
3 PO4 ] 24.21g、硝酸 [70%−HNO3 ] 2
5.2gを溶解し、これをA液とした。40℃に加熱し
たイオン交換水330mlにモリブデン酸アンモニウム
[(NH4 6 Mo7 24・4H2 O] 297gを溶解
し、メタバナジン酸アンモニウム [NH4 VO3 ] 8.
19gを懸濁させ、これをB液とした。撹拌しているB
液に、A液を滴下した。得られた懸濁液に、三酸化アン
チモン[Sb2 3 ] 10.2gを加えた。得られた懸
濁液を密封容器中で、120℃で17時間加熱撹拌し
た。乾燥工程、成形工程、焼成工程については実施例1
と同様に行った。この触媒の酸素を除く組成はP1.5
120.5 Sb0.5 Cu0.3 Cs1.4 である。実施例1
と同じ活性試験では、メタクロレイン転化率93.6
%、メタクリル酸選択率81.1%、メタクリル酸収率
75.9%、メタクロレイン転化率90%時のメタクリ
ル酸選択率は83.1%であった。
【0026】得られた触媒の、実施例1と同じ加速寿命
試験の結果は、反応開始後15時間目ではメタクロレイ
ン転化率88.9%、メタクリル酸選択性76.9%、
メタクリル酸収率68.3%、480時間後ではそれぞ
れ81.0%、84.2%、68.2%であった。
【0027】比較例3 三酸化アンチモン [Sb2 3 ] 10.2gを加えた
後、再度加熱処理を行わなかった以外は実施例1と同様
に行った。実施例1と同じ活性試験では、メタクロレイ
ン転化率94.0%、メタクリル酸選択率75.6%、
メタクリル酸収率71.0%、メタクロレイン転化率9
0%時のメタクリル酸選択率は77.4%であった。
【0028】実施例2 加熱処理を135℃で17時間行った後、三酸化アンチ
モン [Sb2 3 ] 10.2gを加え、再度加熱処理を
135℃で17時間行った以外は実施例1と同様に行っ
た。実施例1と同じ活性試験では、メタクロレイン転化
率92.6%、メタクリル酸選択率83.2%、メタク
リル酸収率77.0%、メタクロレイン転化率90%時
のメタクリル酸選択率は84.2%であった。
【0029】実施例3 硝酸 [70%−HNO3]を12.6g加えた以外は実施
例1と同様に行った。実施例1と同じ活性試験では、メ
タクロレイン転化率89.9%、メタクリル酸選択率8
4.0%、メタクリル酸収率75.5%、メタクロレイ
ン転化率90%時のメタクリル酸選択率は84.0%で
あった。
【0030】実施例5 硝酸 [70%−HNO3]を12.6g加えた以外は実施
例2と同様に行った。実施例1と同じ活性試験では、メ
タクロレイン転化率90.2%、メタクリル酸選択率8
4.6%、メタクリル酸収率76.3%、メタクロレイ
ン転化率90%時のメタクリル酸選択率は84.6%で
あった。
【0031】得られた触媒の、実施例1と同じ加速寿命
試験の結果は、反応開始後15時間目ではメタクロレイ
ン転化率86.5%、メタクリル酸選択性79.7%、
メタクリル酸収率68.9%、480時間後ではそれぞ
れ81.8%、83.3%、68.1%、1440時間
後ではそれぞれ68.6%、86.4%、59.2%で
あった。
【0032】実施例6 40℃に加熱したイオン交換水224gに、硝酸セシウ
ム [CsNO3 ] 38.2g、硝酸銅 [Cu(NO3)2
・3H2 O] 10.15g、リン酸水溶液 [85%−H
3 PO4 ] 24.21g、硝酸 [70%−HNO3 ] 2
5.2gを溶解し、これをA液とした。40℃に加熱し
たイオン交換水330mlにモリブデン酸アンモニウム
[(NH4 6 Mo7 24・4H2 O] 297gを溶解
し、これをB液とした。撹拌しているB液に、A液を滴
下した。この懸濁液に、三酸化アンチモン [Sb
2 3 ] 10.2gを添加した。得られた懸濁液を密封
容器中で、120℃で17時間加熱撹拌した。得られた
懸濁液に、メタバナジン酸アンモニウム[ NH4
3 ] 8.19gを加え、さらに得られた懸濁液を密封
容器中で、120℃で17時間加熱撹拌した。乾燥工
程、成形工程、焼成工程は実施例1と同様に行った。こ
の触媒の酸素を除く組成はP1.5 Mo120.5 Sb0.5
Cu0.3 Cs1.4 である。実施例1と同じ活性試験で
は、メタクロレイン転化率94.3%、メタクリル酸選
択率81.7%、メタクリル酸収率77.0%、メタク
ロレイン転化率90%時のメタクリル酸選択率は82.
8%であった。
【0033】得られた触媒の、実施例1と同じ加速寿命
試験の結果は、反応開始後15時間目ではメタクロレイ
ン転化率93.5%、メタクリル酸選択性74.1%、
メタクリル酸収率69.2%、480時間後ではそれぞ
れ89.5%、80.8%、72.3%、1440時間
後ではそれぞれ81.9%、83.4%、68.3%、
2400時間後ではそれぞれ74.5%、85.1%、
63.3%であった。
【0034】実施例7 40℃に加熱したイオン交換水224gに、硝酸セシウ
ム [CsNO3 ] 38.2g、硝酸銅 [Cu(NO3)2
・3H2 O] 10.15g、リン酸水溶液 [85%−H
3 PO4 ] 24.21g、硝酸 [70%−HNO3 ] 2
5.2gを溶解し、これをA液とした。40℃に加熱し
たイオン交換水330mlにモリブデン酸アンモニウム
[(NH4 6 Mo7 24・4H2 O] 297gを溶解
し、これをB液とした。撹拌しているB液に、A液を滴
下した。得られた懸濁液を密封容器中で、120℃で1
7時間加熱撹拌し、この懸濁液に、三酸化アンチモン
[Sb2 3 ] 10.2gおよびメタバナジン酸アンモ
ニウム[ NH4 VO3 ] 8.19gを加え、120℃で
5時間加熱撹拌した。乾燥工程、成形工程、焼成工程は
実施例1と同様に行った。この触媒の酸素を除く組成は
1.5 Mo120.5 Sb0.5 Cu0.3 Cs1.4 である。
実施例1と同じ活性試験では、メタクロレイン転化率9
6.9%、メタクリル酸選択率78.1%、メタクリル
酸収率75.7%、メタクロレイン転化率90%時のメ
タクリル酸選択率は79.5%であった。
【0035】得られた触媒の、実施例1と同じ加速寿命
試験の結果は、反応開始後15時間目ではメタクロレイ
ン転化率95.8%、メタクリル酸選択性70.1%、
メタクリル酸収率67.1%、480時間後ではそれぞ
れ89.7%、79.6%、71.4%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−86932(JP,A) 特開 平3−238050(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 C07C 57/055 C07B 61/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 PaMobcSbdCuefg (式中、P、Mo、V、Sb、CuおよびOはそれぞれ
    リン、モリブデン、バナジウム、アンチモン、銅および
    酸素を表し、Xはルビジウム、セシウムおよびタリウム
    からなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表し、
    また添字a、b、c、d、e、fおよびgは各元素の原
    子比を表し、b=12としたとき、a、c、d、eおよ
    fはそれぞれ0(ゼロ)を含まない3以下の値をと
    り、gは他の元素の原子価および原子比によって決まる
    値を表す)で示されるヘテロポリ酸の部分中和塩からな
    るメタクリル酸製造用触媒の製造方法であって、触媒原
    料のうち、バナジウム原料および/またはアンチモン原
    料を除く触媒原料を水に溶解または懸濁させ、アンモニ
    ウム根が存在する状態で80〜200℃の温度で1〜2
    4時間加熱処理した後、バナジウム原料および/または
    アンチモン原料を添加し、再度80〜200℃の温度で
    1〜24時間加熱処理し、焼成することを特徴とする
    タクリル酸製造用触媒の製造方法
  2. 【請求項2】 バナジウム原料および/またはアンチモ
    ン原料を添加する前の加熱処理が、触媒原料のうち、バ
    ナジウム原料またはアンチモン原料を除く触媒原料を水
    に溶解または懸濁させたものに対して行われる請求項1
    記載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法
  3. 【請求項3】 加熱処理が、それぞれ、100〜150
    ℃の温度で10〜20時間行われる請求項1または2記
    載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法
  4. 【請求項4】 焼成が、再度加熱処理して得られた懸濁
    液を濃縮乾固したものに対して、不活性ガス中、400
    〜500℃の温度で行われる請求項1〜3のいずれかに
    記載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれか記載の方法に
    よりメタクリル酸製造用触媒を製造し、この触媒の存在
    下に、メタクロレインを分子状酸素によって気相接触酸
    化することを特徴とするメタクリル酸の製造方法。
  6. 【請求項6】 反応原料ガス中のメタクロレイン濃度が
    1〜10%、メタクロレインに対する酸素の比が1〜
    5、空間速度が500〜5000h-1、反応温度が25
    0〜350℃で、気相接触酸化を行う請求項5記載のメ
    タクリル酸の製造方法。
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