[go: up one dir, main page]

JP3475533B2 - 薄膜型磁気ディスク - Google Patents

薄膜型磁気ディスク

Info

Publication number
JP3475533B2
JP3475533B2 JP31786694A JP31786694A JP3475533B2 JP 3475533 B2 JP3475533 B2 JP 3475533B2 JP 31786694 A JP31786694 A JP 31786694A JP 31786694 A JP31786694 A JP 31786694A JP 3475533 B2 JP3475533 B2 JP 3475533B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
magnetic
thickness
magnetic disk
thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP31786694A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08180399A (ja
Inventor
好洋 松野
俊哉 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Sheet Glass Co Ltd filed Critical Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority to JP31786694A priority Critical patent/JP3475533B2/ja
Publication of JPH08180399A publication Critical patent/JPH08180399A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3475533B2 publication Critical patent/JP3475533B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンピュータの磁気記憶
装置等に用いられる高密度記録に適した薄膜型磁気ディ
スクに関する。特に、持ち運び可能な小型のコンピュー
タに内蔵され、高度な耐衝撃性が要求される薄膜型磁気
ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの小型化、高速化に
より、持ち運び可能なタイプのコンピュータに対する市
場が拡大している。このようなタイプのコンピュータに
対しては、高度な耐衝撃性が要求される。このためこの
ようなコンピュータの外部記憶装置の記憶媒体として用
いられる磁気ディスクに対しては高度な耐衝撃性が要求
される。高密度磁気ディスクにおいては、非磁性ディス
ク基板上に形成される磁気記録媒体が、従来の磁性粉を
樹脂で結合した塗布膜から、磁性金属をディスク基板上
めっき法や蒸着法、スパッタリング法等で形成する薄
膜磁性金属膜に移ってきている。そして一般に、磁気デ
ィスク稼働時には磁気ヘッドがディスク面より浮上し、
停止時にはディスク面に接触するいわゆるCSS(コン
タクト・スタート・ストップ)方式が採用されている。
【0003】図3は公知の磁気ディスクの一例の断面図
である。図3中1は非磁性基板で、例えばアルミ合金円
板と、その上に無電解めっき法等で形成されたNi−P
合金層等の下地層からなる。この下地層表面には磁気ヘ
ッドの吸着を防止するため、一般に、回転する周方向に
テクスチャーと呼ばれる微細な溝状の凹凸が形成されて
いる。基板の上には下地膜2が形成されているが、この
両者の間には真空蒸着法、スパッタリング法等で島状構
造を形成したり、塗布法等で微細な粒子を配置させたり
して、テクスチャーを形成することがある。下地膜2
は、一般に磁性膜の磁気特性向上や磁性膜の密着性向上
のため形成するものであり、例えば、めっき法、イオン
プレーティング法、真空蒸着法、スパッタリング法など
の手法によって形成された、CrあるいはCrを主成分
とする合金、化合物からなる膜が用いられる。
【0004】下地膜2の上には磁性膜3が形成されてい
る。磁性膜3は、例えば、めっき法、イオンプレーティ
ング法、真空蒸着法、スパッタリング法などの手法によ
って形成された、Co,Fe,Ni等の強磁性金属また
はこれらの元素を主成分とする強磁性合金からなる膜が
一般に用いられる。この磁性膜3は、磁性膜の膜厚中心
と磁気ヘッドとの間隔を小さくする必要から、要求され
る磁気特性を満足する範囲内において、より薄いほど望
ましい。
【0005】上記の磁性膜3は空気中で酸化腐食を起こ
し易く、また耐摩耗性も劣るため、磁性膜3の上には保
護膜4が形成されている。この保護膜4には例えばスパ
ッタリング法で作製したカーボン系保護膜、スパッタリ
ングによる成膜時に水素や炭化水素等を導入して作製し
た水素化カーボン系保護膜、SiO2系保護膜等が一般
的に用いられている。この保護膜4は、磁性膜3と磁気
ヘッドの間隔を小さくする必要から、より薄いほど望ま
しい。しかし、磁性膜に対する腐食防止や、磁気ヘッド
との摺動時の耐摩耗性向上の観点からは、ある程度以上
の膜厚が必要である。この保護膜4自体にイオンプレー
ティング法、スパッタリング法等により凹凸を形成した
り、塗布法を用いて保護膜4中に微細な粒子を分散させ
たりして、テクスチャーを形成することがある。
【0006】保護膜4上には磁気ヘッドとの接触時の耐
摺動特性を向上させる目的で潤滑剤層5が形成されてい
る。この潤滑剤層5には、例えばイタリアのモンテフル
オス(Montefluos)社のFOMBLIN A
M2001,FOMBLINZ−DOLや、デュポン社
のKRYTOX 143、ダイキン社のデムナムシリー
ズ等のパーフロロアルキルエーテル系潤滑剤が一般に用
いられる。このような金属あるいは金属化合物からなる
連続磁性薄膜である磁性膜3を有する磁気ディスクは、
塗布型の磁気ディスクに比較して磁性膜をきわめて薄い
薄膜にでき、高記録密度化に適した磁気ディスクとして
広く使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の磁気ディスクを持ち運び可能な小型コンピュータ内
蔵の磁気ディスク装置に適用した場合、落下等の衝撃を
受けることにより記録した情報の一部が失われるという
問題が生じることが知られている。この情報の欠損は、
落下等の衝撃により磁気ヘッドが磁気ディスクにたたき
つけられ、基板が塑性変形することにより発生する。こ
のため最近、耐衝撃性を向上させる目的で、基板の種類
を、同一の応力が作用した場合により変形の生じにく
いガラス等の材料に変更することが検討されはじめてい
る。しかしながら、これに関して、発明者らが検討を行
ったところ、基板をガラス等の変形の生じにくい材料に
変更することにより磁気ディスクの耐衝撃性は相当程度
向上するものの、これだけでは、落下等の衝撃に耐える
のに十分な耐衝撃性が得られないことが明らかになっ
た。本発明の目的は、耐衝撃性に優れた薄膜型磁気ディ
スクを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも
ラス基板と該ガラス基板表面上に形成された下地膜と該
下地膜上に形成された磁性膜と該磁性膜上に形成された
保護膜と該保護膜上に形成された潤滑剤層とを有してな
る薄膜型磁気ディスクにおいて、該ガラス基板表面のビ
ッカース硬度が1200以上(但し1200を除く)
あり、かつ、該ガラス基板の表面と該磁性膜の間に介在
する該下地膜を含む膜厚と該磁性膜の膜厚の総和が80
nm以下であることを特徴とする薄膜型磁気ディスクで
ある。
【0009】磁気デスクを組み込んだ磁気ディスク装
置を高い位置から落下させた場合は、磁気ディスクはか
なりの確率でエラーが発生してしまうことがある。これ
は図4において、磁気ヘッドの衝突による基板自体の変
形量aが大きく、この基板上に形成された下地膜及び磁
性膜が塑性変形を起こしてしまうときである。すなわち
保護膜表面での窪み量bが大きくなり、そのため、衝突
痕領域においては磁気ディスクの通常駆動時において、
磁気膜の膜厚中心と磁気ヘッドの間隔が初期の設計値よ
りも拡大することになり、出力が減少し、エラーとなっ
てしまう。本発明者は上記の現象を考察検討し、本発明
をなすに至った理由を以下に述べる。従来より図3に示
すような構成の磁気ディスクが用いられている。このよ
うな構成の磁気ディスクを用いた磁気ディスク装置に対
して、特に磁気ディスク稼働時に落下等の衝撃を与えた
場合、磁気ヘッドが磁気ディスクに対して激しくたたき
つけられる。これにより、磁気ディスク表面に衝突痕が
形成される。図4に、この衝突痕の断面図を概念的に示
す。図中、1は無電解めっき法等でNi−P合金層を形
成したAl合金基板、2は下地膜、3は磁性膜、4は保
護膜、5は潤滑層である。磁気ヘッドの衝突により、磁
気ディスク基板が主として変形し、これによりその上部
に形成されている磁気膜等も陥没する。このような衝突
痕領域においては、磁気ディスクの通常駆動時におい
て、磁気膜の膜厚中心と磁気ヘッドの間隔が初期の設計
値よりも拡大することになり、出力が減少し、エラーと
なる。
【0010】本発明者は、非磁性基板として表面硬度が
大きく変形が生じにくいガラス基板を用いるとともに、
下地膜と磁性膜の膜厚をある値以下にすることによっ
て、これらの膜の変形量を小さくできることを見出し
た。すなわち磁気ディスクを組み込んだ磁気デスク装
置の動作中に、種々の加速度を作用させる衝撃試験を行
ったところ、驚くべきことに下地膜と磁性膜の膜厚の和
が小さくなるにしたがってエラーの発生確率は減少して
いくということを見出したのである。このとき衝突痕が
生じた領域では、磁気ディスクの通常駆動時において、
磁気膜の膜厚中心と磁気ヘッドの間隔が初期の設計値に
対する拡大幅が小さくなり、したがって出力の減少幅が
小さくなり、エラーが生ずる確率が小さくなることを見
い出したのである。
【0011】本発明におけるガラス基板としては、表面
のビッカース硬度が600以上であることが必要であ
る。ビッカース硬度が600より小さいと、衝撃により
磁気ヘッドが磁気ディスクにたたきつけられたときに、
基板表面が変形してしまい、耐衝撃性を十分向上させる
ことができない。基板自体の変形量をできるだけ小さく
するために、基板自体の表面硬度はより高いことが好ま
しい。基板自体の表面硬度としては、ビッカース硬度で
800以上であることがより好ましく、1200以上で
あることが特に好ましい。このような材料としては、ガ
ラス、結晶化ガラス、アモルファスカーボン、SiC等
挙げられる。このような材料の中で特に、磁気ヘッド
の浮上高さをできるだけ小さくするための表面平坦性、
材料コスト、加工性等からガラスが好ましく使用され
る。ガラスの組成は特に限定されないが、耐候性に優れ
たアルミノシリケートガラス、低コストなソーダライム
シリケートガラスが好まれて使用される。これらのガラ
ス基板は、その機械的強度を向上させる目的で、化学強
化処理がほどこされる。
【0012】本発明の磁気ディスクにおいては、非磁性
基板であるガラス基板上に下地膜が形成されている。下
地膜は、一般に磁性膜の磁気特性向上や磁性膜の密着性
向上のため形成するものであり、例えば、めっき法、イ
オンプレーティング法、真空蒸着法、スパッタリング法
などの手法によって形成された、CrあるいはCrを主
成分とする合金、化合物からなる膜あるいはW膜が用い
られる。特に、磁気特性向上の面から、Crを主成分と
する合金が好まれて使用される。さらに、従来一般的に
知られている研磨テープ或いは研磨砥粒を用いた方法に
よりテクスチャーを形成することが困難であるガラス
等の非磁性基板の採用時には、該非磁性基板と下地膜の
間に、真空蒸着法、スパッタリング法等で島状構造を形
成したり、塗布法等で微細な粒子を配置させたりして、
テクスチャーを形成することが好んで行われる。また、
テクスチャー形成を容易にする目的で、あるいは磁気特
性を向上させる目的で下地膜と前記非磁性基板との間に
さらに中間膜を形成してもよい。
【0013】本発明においては、下地膜上に磁性膜が形
成されている。該磁性膜は、例えば、めっき法、イオン
プレーティング法、真空蒸着法、スパッタリング法など
の手法によって形成された、Co,Fe,Ni等の強磁
性金属またはこれらの元素を主成分とする強磁性合金か
らなる膜が一般に用いられる。
【0014】本発明において、上記の磁性膜は空気中で
酸化腐食を起こし易く、また耐摩耗性も劣るため、磁性
膜の上には保護膜が形成される。この保護膜には例えば
スパッタリング法で作製したカーボン系保護膜、スパッ
タリングによる成膜時に水素や炭化水素等を導入して作
製した水素化カーボン系保護膜、SiO2系保護膜等が
一般的に用いられる。この保護膜は、磁性膜と磁気ヘッ
ドの間隔を小さくする必要から、より薄いほど望まし
い。しかし、磁性膜に対する腐食防止や、磁気ヘッドと
の摺動時の耐摩耗性向上の観点からは、ある程度以上の
膜厚が必要である。この保護膜自体にスパッタリング法
により凹凸を形成したり、塗布法を用いて保護膜中に微
細な粒子を分散させたりして、テクスチャーを形成して
もよい。
【0015】本発明においては、保護膜上に磁気ヘッド
との接触時の耐摺動特性を向上させる目的で潤滑剤層が
形成される。この潤滑剤層には、例えばイタリアのモン
テフルオス(Montefluos)社のFOMBLI
N AM2001,FOMBLIN Z−DOLや、デ
ュポン社のKRYTOX 143、ダイキン社のデムナ
ムシリーズ等のパーフロロアルキルエーテル系潤滑剤が
好まれて用いられる。
【0016】本発明においては、ガラス基板の表面か
ら、ガラス基板上に存在する磁性膜までの間に存在する
全ての膜の膜厚と、磁性膜の膜厚の総和が80nm以下
であることが必要である。ガラス基板の表面から、該
ラス基板上に存在する磁性膜までの間に存在する全ての
膜の膜厚と、前記磁性膜の膜厚の総和が80nmより大
きくなると、耐衝撃性が低下する。耐衝撃性を大きくす
る観点から、ガラス基板の表面から、該ガラス基板上に
存在する磁性膜までの間に存在する全ての膜の膜厚と、
磁性膜の膜厚の総和が50nm以下であることがさらに
好ましく、30nm以下であることがさらに好ましい。
磁性膜の磁気特性を確保する上から磁性膜の厚みは1
5nm以上とするのが好ましく、磁性膜の結晶構造を向
上させ磁気特性をよくする上で下地膜の厚みは5nm
以上とするのが好ましい。従ってガラス基板の表面か
ら、磁性膜までの間に介在する下地膜の膜厚を含む厚み
と、磁性膜の膜厚の総和を20〜80nmとするのが好
ましく、さらに20〜50nmとするのが好ましく、2
0〜30nmとするのが最も好ましい。
【0017】
【作用】本発明では、表面のビッカース硬度が1200
以上(但し1200を除く)であるガラス基板を用い、
かつ、ガラス基板の表面から、磁性膜までに存在する全
ての膜の膜厚と磁性膜の膜厚との総和を80nm以下と
している。このため、落下等の衝撃により磁気ヘッドが
磁気ディスクにたたきつけられて発生する衝突痕の深さ
が最小限になり、エラーの発生確率がきわめて小さくな
る。
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。 実施例1 図1は本発明による磁気ディスクの実施例の拡大された
一部断面図である。ディスク基板11として、内径20
mm、外径64mmのアルミノシリケートガラス板を用
い、表面粗さ(Rmax)を1nm以下に平滑研磨し
た。次いで化学強化し、洗浄した基板上に、厚さ約10
nmのCrV系金属下地膜12、厚さ約30nmのCo
PtCr系の磁性膜13をそれぞれスパッタリング法で
順次形成した。この上に、塗布法を用いて厚さ約20n
mのSiO2保護膜14と高さ約40nmのSiO2から
なる半球状突起部を多数有するテクスチャー層15を形
成した。さらにこの上に潤滑層16として厚さ3nmの
有機高分子フッ素化合物(商品名AM2001)をディ
ッピング法を用いて形成した。ここで、化学強化を施し
たアルミノシリケートガラス製の基板表面のビッカース
硬度は約1400(但し、ビッカース硬度は、NEC
(株)製超薄膜用微小硬度計NECMHA−400によ
り荷重1mNで測定した結果より換算した。)であっ
た。実施例1の比較例として、CrV系金属下地膜12
の膜厚を100nmとした以外は実施例1と同一の構成
の磁気ディスクを作製し比較例1のサンプルを得た。さ
らに、実施例1の比較として、基板として無電解めっき
法により表面にNi−P合金層を形成したアルミ合金板
を用いた以外は実施例1と同一の構成の磁気ディスクを
作製し比較例2のサンプルを得た。ここで、表面にNi
−P合金層を形成したアルミ合金基板表面のビッカース
硬度は、約400(但し、測定方法は実施例1と同一で
ある)であった。
【0019】この3種類の磁気ディスクを用いて磁気デ
ィスク装置を構成し、この装置全体をディスク稼働状態
で種々の高さから所定の回数だけ落下させることによ
種々の加速度を作用させる衝撃試験を行った。この
とき作用した加速度と、衝撃により発生したエラー個数
の関係を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】但し、エラーはその大きさの大小にかかわ
らず連続しているものは、1つとカウントした。これよ
り、比較例1の磁気ディスクにおいては150Gの加速
度で、比較例2の磁気ディスクにおいては100G以下
の加速度で、すでにエラーの発生がみられるのに対し、
実施例1の磁気ディスクでは250Gの加速度において
もエラーの発生がなく、良好な耐衝撃性が実現できてい
ることがわかる。特に、比較例2の結果から明らかなよ
うに、基板表面から磁性膜までの間に存在する膜の厚さ
を薄くしても基板表面の硬度が低ければ耐衝撃性は向上
しないことが明確に認識される。
【0022】実施例2 図2は本発明による磁気ディスクの他の実施例の拡大さ
れた一部断面図である。ディスク基板21として、内径
20mm、外径64mmのソーダライムシリケートガラ
ス板を用い、表面粗さ(Rmax)を25nm以下に平
滑研磨した。次いで化学強化し、表面粗さ(Rmax)
を1nm以下に精密研磨し洗浄した基板上に、スパッタ
リング法により厚さ約5nmのTi膜22を形成し、そ
の上に高さ約40nmの島状のAl粒23を形成しテク
スチャーとした。このときAl膜の、スパッタリング量
から換算される平均的な厚さは2nmであった。この上
に、厚さ約20nmのCr系金属下地膜24、厚さ約2
0nmのCoPtCr系の磁性膜25、厚さ約20nm
のカーボン保護膜26をそれぞれスパッタリング法で順
次形成した。さらにこの上に潤滑膜27として厚さ3n
mのAM2001をディッピング法を用いて形成し実施
例2のサンプルを得た。ここで、化学強化を施したソー
ダライムシリケートガラス製の基板表面のビッカース硬
度は約1300(但し、ビッカース硬度は、NEC製
超薄膜用微小硬度計NECMHA−400により荷重1
mNで測定した結果より換算した。)であった。実施例
2の比較として、Cr系金属下地膜12の膜厚を100
nmとした以外は実施例2と同一の膜構成の磁気ディ
スクの比較例3のサンプルを作製した。この実施例2と
比較例3の2種類の磁気ディスクのサンプルに対して実
施例1と同様の衝撃試験を行った。このとき作用した加
速度と、衝撃により発生したエラー個数の関係を表2に
示す。これより、比較例3の磁気ディスクにおいては1
50Gの加速度条件でエラーの発生がみられるのに対
し、実施例2の磁気ディスクは250Gの加速度におい
てもエラーの発生がなく、良好な耐衝撃性が実現できて
いることがわかる。
【0023】
【表2】
【0024】実施例3 ディスク基板11として、内径20mm、外径64mm
のアルミノシリケートガラス板を用い、表面粗さ(Rm
ax)を1nm以下に平滑研磨した。次いで化学強化
し、洗浄した基板上に、種々の厚さのCrV系金属下地
膜12、厚さ約20nmのCoPtCr系の磁性膜13
をそれぞれスパッタリング法で順次形成した。この上
に、塗布法を用いて厚さ約20nmのSiO2保護膜1
4と高さ約40nmのSiO2半球状突起部を多数有す
るテクスチャー層15を形成した。さらにこの上に潤滑
層16として厚さ3nmのAM2001をディッピング
法を用いて形成した。ここで、化学強化を施したアルミ
ノシリケートガラス製の基板表面のビッカース硬度は約
1400(但し、ビッカース硬度は、NEC製超薄膜用
微小硬度計NECMHA−400により荷重1mNで測
定した結果より換算した。)であった。CrV系金属下
地膜の膜厚は、5,10,20,50,100nmと変
化させた。この5種類の磁気ディスクを用いて磁気ディ
スク装置を構成し、実施例1と同一の衝撃試験を行っ
た。このとき作用した加速度と、衝撃により発生したエ
ラー個数の関係を表3に示す。これより、下地膜と磁性
膜の膜厚の和が25nmのものでは300Gと最も優れ
た耐衝撃性を示し、膜厚の和が30、40nmのもので
は250G、70nmのものでは、200Gの比較的優
れた耐衝撃性を示した。これに対し、膜厚の和が120
nmのものでは100Gとかなり劣化している。通常こ
のような可搬性の要求される磁気ディスクに対して要求
される稼働時の耐衝撃性が200G程度であることを考
えると、膜厚の和が80nm以下とすることにより実用
し得る耐衝撃性が得られる。
【0025】
【表3】
【0026】実施例4 ディスク基板11として、内径20mm、外径64mm
の種々の表面硬度を有する基板を用い、表面粗さ(Rm
ax)を1nm以下に平滑研磨した。次いで、洗浄した
基板上に、スパッタリング法により厚さ約5nmのTi
膜22を形成し、その上に高さ約40nmの島状のAl
粒23を形成しテクスチャーとした。このときAl膜
の、スパッタリング量から換算される平均的な厚さは2
nmであった。この上に、厚さ約6nmのCr系金属下
地膜24、厚さ約20nmのCoPtCr系の磁性膜2
5、厚さ約20nmの水素化カーボン保護膜26をそれ
ぞれスパッタリング法で順次形成した。さらにこの上に
潤滑層27として厚さ3nmのAM2001をディッピ
ング法を用いて形成した。ここで、各種基板表面のビッ
カース硬度は、NEC製超薄膜用微小硬度計NECMH
A−400により荷重1mNで測定し、その結果を換算
して求めた。この各種基板を用いて作製した磁気ディス
クに対して実施例1と同様の衝撃試験を行った。このと
き作用した加速度と、衝撃により発生したエラー個数の
関係を表4に示す。これより、基板のビッカース硬度が
600以上の場合に十分な耐衝撃性を有することがわか
る。
【0027】
【表4】
【0028】以上の検討結果より、磁気ディスクの耐衝
撃性を向上させるためには、ガラス基板の表面から薄膜
磁性膜までの間に介在する下地膜の膜厚を含む厚みと薄
膜磁性膜の膜厚の総和を80nmより小さくし、ガラス
基板としてビッカース硬度1200以上(但し1200
を除く)のものを用いればよいことが分かる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、持ち運び可能なコンピ
ューターへの応用に適した、耐衝撃性に極めて優れた磁
気ディスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の膜構成を説明するための拡
大された一部断面図である。
【図2】本発明の他の実施例の膜構成を説明するための
拡大された一部断面図である。
【図3】本発明の一実施例の一部断面図である。
【図4】衝撃により受けた磁気デスクの変形を説明す
るために模式的に示した磁気デスクの拡大された一部
断面図である。
【符号の説明】 1、11、21・・・ガラス基板、2、12、24・・
・下地膜、3、13、25・・・磁性膜、4、14、2
6・・・保護膜、5、16、27・・・潤滑膜、15・
・・テクスチャー層、22・・・Ti膜、23・・・島
状のAl粒子からなるテクスチャー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/82

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともガラス基板と、該ガラス基板上
    に形成された下地膜と、該下地膜上に形成された磁性膜
    と、該磁性膜上に形成された保護膜と、該保護膜上に形
    成された潤滑剤層とを有してなる薄膜型磁気ディスクに
    おいて、 該ガラス基板表面のビッカース硬度が1200以上(但
    し1200を除く)であり、かつ、該ガラス基板の表面
    と該磁性膜の間に介在する該下地膜を含む膜厚と該磁性
    膜の膜厚の総和が80nm以下であることを特徴とする
    薄膜型磁気ディスク。
  2. 【請求項2】該膜厚の総和が20nm以上である請求項
    1に記載の薄膜型磁気デスク。
  3. 【請求項3】該膜厚の総和が50nm以下である請求項
    2に記載の薄膜型磁気デスク。
  4. 【請求項4】該膜厚の総和が30nm以下である請求項
    2に記載の薄膜型磁気デスク。
  5. 【請求項5】該磁性膜の膜厚が15nm以上、該下地膜
    の膜厚が5nm以上である請求項1乃至4のいずれかの
    項に記載の薄膜型磁気デスク。
  6. 【請求項6】該下地膜がCrまたはCrを主成分とする
    金属からなる膜である請求項1乃至5のいずれかの項に
    記載の薄膜型磁気デスク。
JP31786694A 1994-12-21 1994-12-21 薄膜型磁気ディスク Expired - Lifetime JP3475533B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31786694A JP3475533B2 (ja) 1994-12-21 1994-12-21 薄膜型磁気ディスク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31786694A JP3475533B2 (ja) 1994-12-21 1994-12-21 薄膜型磁気ディスク

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08180399A JPH08180399A (ja) 1996-07-12
JP3475533B2 true JP3475533B2 (ja) 2003-12-08

Family

ID=18092939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31786694A Expired - Lifetime JP3475533B2 (ja) 1994-12-21 1994-12-21 薄膜型磁気ディスク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3475533B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08180399A (ja) 1996-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7045215B2 (en) Magnetic recording disk and process for manufacture thereof
US6916558B2 (en) Magnetic disk using a glass substrate
JP5360894B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
US10068603B2 (en) Magnetic recording medium
GB2304968A (en) Magnetic recording medium
EP0595494B1 (en) Magnetic recording medium and a method for its manufacture
JPH0660368A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2010218610A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記憶装置
US6238780B1 (en) Magnetic recording medium comprising multilayered carbon-containing protective overcoats
US6572958B1 (en) Magnetic recording media comprising a silicon carbide corrosion barrier layer and a c-overcoat
JPH05303738A (ja) 磁気記憶体
JP3475533B2 (ja) 薄膜型磁気ディスク
US6824836B1 (en) Protection overcoat for recording media
US6517956B1 (en) Magneto-resistance recording media comprising aluminum nitride corrosion barrier layer and a c-overcoat
JP3651489B2 (ja) 磁気記録媒体
US6322880B1 (en) Magneto-resistance recording media comprising a foundation layer and a C-overcoat
JP3934697B2 (ja) 磁気記録媒体
US6340521B1 (en) Magnetic recording medium with protective barrier layer
JP2906480B2 (ja) 磁気記録体
JP3038888B2 (ja) 磁気ディスク
JP2802017B2 (ja) 金属薄膜型磁気記録媒体
JPH0440626A (ja) 磁気記録媒体
JP2861150B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2833025B2 (ja) 磁気記録体
JP2861081B2 (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080926

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080926

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090926

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090926

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100926

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 8

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 8

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 8

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120926

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130926

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term