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JP3472693B2 - 流体圧縮機のシリンダ製造方法 - Google Patents

流体圧縮機のシリンダ製造方法

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JP3472693B2
JP3472693B2 JP32918197A JP32918197A JP3472693B2 JP 3472693 B2 JP3472693 B2 JP 3472693B2 JP 32918197 A JP32918197 A JP 32918197A JP 32918197 A JP32918197 A JP 32918197A JP 3472693 B2 JP3472693 B2 JP 3472693B2
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Japan
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cylinder
inner peripheral
component
outer peripheral
roller
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尚義 藤原
正幸 奥田
敏男 大高
隆 本勝
寿也 矢嶋
成雄 貴田
卓也 平山
政敏 吉田
達也 伊藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/08Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing
    • F04C18/10Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth equivalents, e.g. rollers, than the inner member
    • F04C18/107Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth equivalents, e.g. rollers, than the inner member with helical teeth

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被圧縮流体を連続的
にかつラジアル状にシリンダ軸方向に圧縮させるヘリカ
ルブレード式の流体圧縮機シリンダ製造方法に係り、
特にシリンダの内周部に螺旋状のブレード溝を形成した
流体圧縮機のシリンダ製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】室内冷暖房用空気調和機や冷蔵庫、冷凍
ショーケース等には冷凍サイクルが組み込まれており、
この冷凍サイクルに冷媒を圧縮するコンプレッサが備え
られる。この種のコンプレッサとしてレシプロタイプの
コンプレッサやロータリコンプレッサが普及している
が、最近では既存のコンプレッサに代ってヘリカルブレ
ードを採用したヘリカルブレード式の流体圧縮機が、ヘ
リカルコンプレッサとして開発されつつある。
【0003】従来のヘリカルコンプレッサは、図1に示
すように構成され、密閉ケース1内にヘリカル式圧縮機
構部2とこの圧縮機構部2を回転シャフト3を介して駆
動させる電動機部4とを備えている。
【0004】ヘリカル式圧縮機構部2は、密閉ケース1
内に固定されるシリンダ5と、このシリンダ5内に偏心
して収容されるローラ6と、このローラ6とシリンダ5
との間に介装されるヘリカルブレードとしての螺旋状の
ブレード7とを有する。このヘリカルブレード7により
シリンダ5とローラ6との間に複数の圧縮室8がシリン
ダ軸方向に沿って区画形成される。
【0005】ヘリカルブレード7は円筒状のローラ6の
外周面に形成された螺旋状のブレード溝7aに巻装され
て収容される一方、ヘリカルブレード7はシリンダ5の
内周面に気密に内接される。またローラ6は回転シャフ
ト3のクランク部3aに軸装される。
【0006】この回転シャフト3は電動機部4からの出
力シャフトを構成しており、電動機部4の回転駆動によ
り回転シャフト3が回転せしめられ、その回転力がロー
ラ6に伝達されてローラ6を偏心回転させるようになっ
ている。
【0007】ローラ6の外周面に螺旋状のブレード溝7
aを形成し、このブレード溝7aにヘリカルブレード7
を収容したブレード支持構造では、シリンダ5内でロー
ラ6を偏心回転させる場合、ローラ6自身が自転しない
ように自転防止機構9を取り付け、ローラ6を公転だけ
させるようになっている。この種の自転防止機構9とし
てオルダムリング等がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のヘリカルコンプ
レッサは、ローラ外周面にブレード溝7aを形成し、こ
のブレート溝7aにヘリカルブレード7を収納させてロ
ーラ6を公転させるために、動的部品であるローラ6の
外周部の構造が複雑になる一方、ローラ6の自転を防止
する自転防止機構9が必要となり、その分部品点数が増
大し、組立構造が複雑化し、組立作業に手間がかかり、
多大の労力を要し、コストアップの原因となっていた。
【0009】また、自転防止機構9により、摺動部も増
加するので、摺動部における駆動ロスが発生し、コンプ
レッサ機能を損ね、コンプレッサ性能に悪影響を及ぼす
原因となっていた。
【0010】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、動的部品の構造を簡素化して組立構造の簡素化
を図り、組立を容易にした流体圧縮機のシリンダ製造方
を提供することを目的とする。
【0011】本発明の他の目的は、静的部品であるシリ
ンダに螺旋状ブレード溝を形成して信頼性を向上させ、
コンプレッサ機能や性能を向上させた流体圧縮機のシリ
ンダ製造方法を提供するにある。
【0012】本発明の別の目的は、コンプレッサあるい
はポンプに適用可能な流体圧縮機のシリンダ製造方法
提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る流体圧縮機
のシリンダ製造方法は、上述した課題を解決するため
に、請求項1に記載したように、円筒状のシリンダ内周
部構成部品の外周側に螺旋状のブレード溝を加工し、こ
の溝加工後に、シリンダ内周部構成部品をシリンダ外周
部構成部品に挿入固定し、この固定後に、シリンダ内周
部構成部品の内周側を切削等の機械加工で取り除き、螺
旋状ブレード溝を内周側に露出させ、シリンダ内周部と
シリンダ外周部とから構成されるシリンダを製造する方
法である。
【0014】またさらに、上述した課題を解決するため
に、本発明に係る流体圧縮機のシリンダ製造方法は、
求項2に記載したように、シリンダ内周部構成部品のシ
リンダ外周部構成部品への挿入固定は、シリンダ外周部
構成部品を加熱膨脹させ、焼き嵌めによりシリンダ外周
部構成部品をシリンダ内周部構成部品に被せて、固定さ
せる方法であったり、また、請求項3に記載したよう
に、シリンダ内周部構成部品のシリンダ外周部構成部品
への挿入固定は、シリンダ内周部構成部品を冷却収縮さ
せ、冷し嵌めによりシリンダ外周部構成部品をシリンダ
内周部構成部品に被せて固定させるものであったり、さ
らに、請求項4に記載したように、シリンダ内周部構成
部品のシリンダ外周部構成部品への挿入固定は、シリン
ダ内周部構成部品を冷却収縮させる一方、シリンダ外周
部構成部品を加熱膨脹させ、加熱されたシリンダ外周部
構成部品を冷却された内周部構成部品に被せて固定させ
る方法である
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る流体圧縮機の
シリンダ製造方法の実施の形態について添付図面を参照
して説明する。
【0016】図2は本発明に係るヘリカルブレード式の
流体圧縮機の一実施形態を示す縦断面図である。このヘ
リカルブレード式の流体圧縮機は縦型のヘリカルコンプ
レッサ10を構成しており、このヘリカルコンプレッサ
10は円筒状等の密閉ケース11を有し、この密閉ケー
ス11内にヘリカル式圧縮機構部12と電動機部13と
が収容される。
【0017】電動機部13は密閉ケース11内に圧入し
て固定されるモータステータ15とこのモータステータ
15内に回転自在に収容されるモータロータ16とから
構成される。モータロータ16は出力シャフトである回
転シャフト17に回転一体に軸装される。そして、この
電動機部13へ通電することにより電動機部13が駆動
され、モータロータ16を回転駆動させるようになって
いる。
【0018】一方、ヘリカル式圧縮機構部12は密閉ケ
ース11に固定させるシリンダ20と、このシリンダ2
0内に偏心して設置される円柱状あるいは円筒状の回転
体としてのローラ21と、このローラ21とシリンダ2
0との間に介装される螺旋状のブレード22とを有す
る。螺旋状のブレード22はヘリカルブレードを構成
し、このヘリカルブレード22によりシリンダ20とロ
ーラ21との間に複数の圧縮室23がシリンダ一側の吸
込側からシリンダ他側の吐出側に向ってシリンダ軸方向
に形成される。ローラ21は円柱あるいは円筒形状の外
周を有する。
【0019】シリンダ20は少なくとも一側に外方に突
出するフランジ状あるいはブラケット状の取付部20a
を有し、この取付部20aが密閉ケース11のケース内
壁に当接し、固定される。シリンダ20の両端部には主
軸受25および副軸受26が固定され、この主軸受25
および副軸受26によりシリンダ20の両端部が閉塞さ
れる。主軸受25および副軸受26はいずれか一方をシ
リンダ20と一体成形により構成してもよい。
【0020】上記主軸受25および副軸受26の2つの
軸受により回転シャフト17は回転自在に支持される。
回転シャフト17は両軸受25,26間にクランク部2
7が形成され、このクランク部27に円筒状あるいは円
柱状のローラ21が軸装される。クランク部27は両軸
受25,26間に少なくとも1つ、具体的には一対が回
転シャフト17の軸方向に離間して設けられる。対をな
すクランク部27の一方は主軸受25近傍に、その他方
は副軸受26近傍にそれぞれ配置される。対をなすクラ
ンク部27によりローラ21を安定的に偏心回転運動さ
せ、公転あるいは自転させることができる。
【0021】回転シャフト17のクランク部27に軸装
されたローラ21はシリンダ20の内周面に内接するよ
うに偏心量eだけ偏心して設置される一方、上記シリン
ダ20の内周面に螺旋状のブレード溝29が形成され
る。シリンダ内周面に形成されるブレード溝29は横断
面が例えばほぼ矩形に形成され、ブレード溝29の溝ピ
ッチはシリンダ20の軸方向に吸込側から吐出側に向っ
て漸次小さくなるように構成される。シリンダ20とロ
ーラ21の軸方向長さはほぼ等しいが、動的部品である
ローラ21の摺動のためのクリアランス分だけ、ローラ
21がシリンダ20より若干短かく形成される。
【0022】一方、シリンダ内周面に形成されるブレー
ド溝29にはヘリカルブレード22が収容される。ヘリ
カルブレード22もブレード溝29の溝ピッチと同様、
ブレード一端側から他端側に向ってシリンダ軸方向にブ
レードピッチが小さくなるように構成される。ヘリカル
ブレード22は円筒状ローラ21に気密に外接される。
ヘリカルブレード22の断面形状は、ブレード溝29に
対応した補形形状をなし、略矩形形状に構成される。
【0023】ヘリカルブレード22はシリンダ内周面に
形成されるブレード溝29内をローラ21の偏心回転に
より円滑に出入れ摺動するように、ブレード外径側のブ
レード先端に丸みを持たせてもよい。また、ヘリカルブ
レード22のブレード内径側がローラ21外周面に気密
にかつ円滑に外接するように丸みを持たせてもよい。
【0024】ヘリカルブレード22は弾性体材料、プラ
スチック材料、テフロン等のフッ素樹脂材料あるいはフ
ッ素プラスチック材料を成形して構成される。ヘリカル
ブレード22はブレード溝29内を円滑にかつスムーズ
に摺動するように、プラスチック材料やフッ素材料、フ
ッ素樹脂材料にはオイルを予め含浸させた油含浸構造に
構成し、油潤滑性能を向上させてもよい。
【0025】上記ヘリカルブレード22によりシリンダ
20とローラ21との間に複数の圧縮室23がシリンダ
軸方向に沿って区画形成される。各圧縮室23はローラ
21の偏心回転により、副軸受26側から主軸受25側
にシリンダ軸方向に向って螺旋状に容積が小さくなるよ
うに連続的に体積変化し、被圧縮流体である冷媒が圧縮
されるようになっている。
【0026】副軸受26側の圧縮室23は低圧側に構成
され、この低圧側圧縮室23はローラ21の偏心回転に
伴って主軸受25側にシリンダ軸方向にヘリカル状(螺
旋状)に移動する間に冷媒が連続的に体積変化して圧縮
され、圧縮された冷媒は主軸受25側の高圧側圧縮室2
3から主軸受25の吐出ポート30を経て密閉ケース1
1内に吐出されるようになっている。密閉ケース11内
に吐出された冷媒は、電動機部13の隙間や図示しない
吐出冷媒通路などを通って上昇し、吐出パイプ31によ
り密閉ケース11外に吐出されるようになっている。
【0027】一方、シリンダ20の副軸受26側には流
入ポート32が形成され、この流入ポート32に吸込パ
イプ33が臨んでいる。吸込パイプ33は密閉ケース1
1を気密に貫いてシリンダ20内に導かれ、シリンダ2
0の流入ポート33は開口している。
【0028】なお、符号35は密閉ケース11の底部に
潤滑油として貯溜される冷凍機油である。
【0029】ところで、ヘリカルコンプレッサ10を構
成するシリンダ20は、図3に示すように、螺旋状のブ
レード溝29を形成した円筒状のシリンダ内周部37と
このシリンダ内周部37を覆うシリンダ外周部38とか
らシリンダブロック39が2層構造に構成される。シリ
ンダ内周部37およびシリンダ外周部38は鉄系材料な
どの同じ金属材料で構成されるのが望ましい。シリンダ
20は中間層を備えた3層以上の多層構造に構成しても
よい。
【0030】ヘリカル圧縮機構部12のシリンダ20は
次の加工手順で製造される。
【0031】初めに、シリンダ内周部37を構成する円
筒状あるいはスリーブ状のシリンダ内周部構成部品40
を用意し、図4(A)に示すように、このシリンダ内周
部構成部品40の外周側に螺旋状のブレード溝29を切
削加工等で成形加工し、形成する。
【0032】ブレード溝29を成形加工した後、シリン
ダ内周部構成部品40に外周フランジ部付きの円筒状シ
リンダ外周部構成部品41を被せて図4(B)に示すよ
うに一体に挿入固定させる。シリンダ内周部構成部品4
0の外周部構成部品41への挿入固定は、シリンダ外周
部構成部品41を加熱膨脹させ、焼き嵌めによりシリン
ダ外周部構成部品41をシリンダ内周部構成部品40に
被せ、熱収縮を利用して固定させるようになっている。
【0033】シリンダ内周部構成部品40をシリンダ外
周部構成部品41に焼き嵌めにより挿入固定させる代り
に、冷し嵌めあるいは冷し焼き嵌めにより固定させても
よい。冷し嵌めによりシリンダ内周部構成部品40をシ
リンダ外周部構成部品41に固定させる場合には、シリ
ンダ内周部構成部品40を冷却収縮させてシリンダ外周
部構成部品41に嵌入し、シリンダ外周部構成部品41
に熱膨脹を利用して固定させることにより行なわれる。
【0034】また、冷し焼き嵌めは、シリンダ内周部構
成部品40を冷却収縮させる一方、シリンダ外周部構成
部品41を加熱膨脹させ、冷却されたシリンダ内周部構
成部品40を加熱されたシリンダ外周部構成部品41に
嵌入させて熱膨脹および熱収縮を利用して強固に固定す
ることにより行なわれる。
【0035】シリンダ内周部構成部品40をシリンダ外
周部構成部品41に焼き嵌め、冷し嵌めあるいは冷し焼
き嵌めにより熱膨脹あるいは熱収縮を利用して挿入固定
させる場合、初応力および合成応力はシリンダ内周部構
成部品40およびシリンダ外周部構成部品41の材料の
弾性限度を超えてはならない。
【0036】シリンダ内周部構成部品40をシリンダ外
周部構成部品41に固定させた後、図4(C)に示すよ
うに、シリンダ内周部構成部品40の内周側を切削加工
等の機械加工により取り除き、シリンダ内周側に螺旋状
のブレード溝29を露出させることにより、シリンダ内
周部37が構成され、シリンダ20が製造される。
【0037】そして、製造されたシリンダ20の螺旋状
ブレード溝29にヘリカルブレード22が嵌挿される。
このブレード嵌挿後に円筒状あるいは円柱状のローラ2
1を挿入し、ローラ21にヘリカルブレード22を外接
支持させてヘリカル式流体圧縮機構部12を組み立て
る。その際、ヘリカルブレード22の外径は、ブレード
溝29の外径より充分に小さいので、ヘリカルブレード
22の拡径に対する自由度が大きく、ローラ21の組付
けを簡単かつ容易に行なうことができる。ローラ21を
ヘリカルブレード22に挿入する際には、予めこのロー
ラ21に回転シャフト17のクランク部27を挿通支持
させておくとよい。
【0038】しかして、シリンダ20の両側に主軸受2
5および副軸受26を組み付け、この主軸受25および
副軸受26で回転シャフト17を回転自在に支持させる
ことで、ヘリカル式流体圧縮機構部12の組立が完了す
る。
【0039】その後、電動機部13のモータロータ16
を回転シャフト17に回転一体に軸装させると共に、組
み立てられたヘリカル式流体圧縮機構部12を密閉ケー
ス11内の所定位置に固定する。このとき、吸込パイプ
33が必要に応じて取り付けられる。
【0040】密閉ケース11にヘリカル式圧縮機構部1
2を固定した後、電動機部13を密閉ケース11に圧入
固定させる。この圧入固定は、モータステータ15を密
閉ケース11の所定位置に圧入固定させることにより行
なわれる。電動機部13を圧入固定した後、ケース蓋を
被せて周方向に溶着させることにより、密閉ケース11
内が密閉構造となり、ヘリカルコンプレッサ10が製造
される。
【0041】上述したようなヘリカルコンプレッサ10
におけるヘリカル式圧縮機構部12のシリンダ20の製
造方法によれば、シリンダ20をブレード溝29が形成
されたシリンダ内周部37とこれを覆うシリンダ外周部
38とからなる多層構造としたので、従来のように小径
のシリンダ内周面加工具を挿入しなくても、シリンダ内
周面に螺旋状のヘリカル溝を精度良く容易に形成するこ
とができ、製造性が向上する。
【0042】さらには、シリンダ内周部37の外周側か
ら溝加工を行ない、シリンダ外周部38に固定した後、
切削などの機械加工で内周面を研削して、シリンダ内周
面に螺旋状ブレード溝を形成するので、シリンダ組立時
にシリンダ内周部37に加工した螺旋状ブレード溝の形
状が変形することがなく、螺旋状ブレード溝の精度を高
精度に維持することができる。
【0043】このヘリカルコンプレッサ10において
は、ヘリカル式圧縮機構部12内に複数の圧縮室23が
シリンダ軸方向に沿って形成される。この圧縮室23は
シリンダ20と螺旋状のブレード22とローラ21とで
囲まれて形成される。この圧縮室23を形成するため
に、ヘリカル式圧縮機構部12を構成するシリンダ2
0、ローラ21およびヘリカルブレード22は寸法的な
制約を受ける。
【0044】図5に示すように、ヘリカル式圧縮機構部
12を構成するシリンダ20の内径をφDC、軸方向長
さをLCとし、また、ローラの外径をφDR、軸方向長さ
をLRとし、さらに、ヘリカルブレード22の外径をφ
DBO、その内径をφDBIとし、ブレード溝29の外径を
φDMとすると、
【0045】
【数1】 の関係式が成立する。
【0046】また、ローラ21が公転運動をする半径
(クランク部の偏心量)をeとすると、
【0047】
【外1】 の関係式が成立する。
【0048】さらに、ローラ21がシリンダ20内でス
ラスト方向に移動しないように、シリンダ両側面に固定
される両軸受のスラスト面でローラ21の動きが抑えら
れる。この抑制のためには、ローラ21とシリンダ20
の軸方向長さLR,LCをほぼ等しくすることが望まし
い。但し、シリンダ20内でローラ21が偏心回転運動
(公転あるいは自転運動)する動き(摺動)を許容する
ために、クリアランスを確保する必要があり、このクリ
アランス分だけ、シリンダ20の軸方向長さLCをロー
ラ20の長さLRより若干長く設定される。
【0049】次に、ヘリカルコンプレッサ10の作用を
説明する。
【0050】ヘリカルコンプレッサ10の電動機部13
に通電することにより、電動機部13が起動され、モー
タロータ16が回転駆動される。このモータロータ16
の回転力は出力シャフトである回転シャフト17を介し
てクランク部27に伝達され、ローラ21を偏心量eを
もって偏心回転運動させる。このローラ21の偏心回転
運動により、ローラ21はシリンダ20の内周面に内接
しながら偏心回転運動し、公転しつつ自転せしめられ
る。
【0051】上記ローラ21の偏心回転運動により、ヘ
リカルブレード22によりシリンダ20とローラ21と
の間に形成される各圧縮室23はシリンダ軸方向にヘリ
カル状に移動しながら容積が次第に小さくなるように体
積変化する。各圧縮室23の体積変化により、吸込パイ
プ34を通って副軸受26側の低圧側圧縮室23に流入
した冷媒は、圧縮室23がシリンダ軸方向にシフトする
間に次第にかつ連続的に圧縮して高圧化され、主軸受2
5側の高圧側圧縮室23から密閉ケース11内に吐出さ
れる。
【0052】密閉ケース11内に吐出された冷媒は続い
て電動機部13の隙間や図示しない吐出冷媒通路などを
通って上昇し、密閉ケース11頂部に設けられた吐出パ
イプ31により密閉ケース11外に吐出される。吐出パ
イプ31は、必ずしも密閉ケース11頂部ではなく、種
々の取付位置に設けることができる。
【0053】このヘリカルコンプレッサ10において
は、静的部品であるシリンダ20の内周面に螺旋状のブ
レード溝29を形成したので、動的部品であるローラ外
周面にブレード溝を形成する必要がなく、それに対する
強度も考慮する必要がないので、ローラ21はアルミな
どを用いて比較的軽量にすることができ、駆動時のアン
バランスに伴う振動を低減することができる。また、シ
リンダ内周面にブレード溝29を形成することにより、
ブレード溝29が大径化する一方、ブレード溝29への
ヘリカルブレード22の嵌込みがブレード圧縮力を利用
して行なうことができ、ヘリカルブレード22の組付け
が容易となる。また、動的部品であるヘリカルブレード
22は静的部品であるシリンダ20のブレード溝29に
納められるので、動的部品であるローラ21にブレード
溝を形成した場合と異なり、ヘリカルブレード22は摺
動の信頼性を向上させることができる。
【0054】また、シリンダ内周面に形成されるブレー
ド溝29とヘリカルブレード22のピッチ形状は互いに
等しく、かつ、ブレード溝29とヘリカルブレード22
の断面形状も互いに補形形状の略矩形形状をなすように
構成したので、ヘリカルブレード22は静的部品のシリ
ンダ20内周面に形成される螺旋状のブレード溝29に
安定的にしかも出入れ摺動自在に収納される。ヘリカル
ブレード22やブレード溝29の螺旋ピッチはシリンダ
軸方向に進むに従って次第に小さくなるように構成する
ことにより、コンプレッサ機能あるいはポンプ機能を持
たせることができる。シリンダ20とローラ21との間
に形成される圧縮室23はローラ21の偏心回転運動に
伴いラジアル状に次第にかつ連続的に小さくなるように
体積(容積)変化するので、被圧縮流体は円滑かつ連続
的に圧縮することができる。
【0055】また、ヘリカルブレード22は円筒状のロ
ーラ21に外接しているが、ローラ21の外表面にヘリ
カルブレード22の内径端が接触しているだけであるの
で接触面積が小さい。しかもローラ21は回転シャフト
17のクランク部27に軸装されているので、回転シャ
フト17の回転によりローラ21は偏心した回転運動が
行なわれる。
【0056】さらに、ローラ21はシリンダ20内周面
に内接しており、内接状態で偏心回転が行なわれるの
で、ローラ21の偏心回転は、ロータリコンプレッサの
ピストンローラの偏心回転の動きと略同等となり、ロー
ラ21は公転しつつ自転する。しかし、ローラ21はヘ
リカルブレード22との接触面積が小さく、さらにはヘ
リカルブレード22およびブレード溝29との位置関係
を考慮しなくても良く、ヘリカルブレード22との間に
相対的な回転スライドを許容できるので、ローラ21の
自転を規制する必要がなく、自転防止機構の取付が不要
となる。
【0057】なお、本発明に係るヘリカルブレード式の
流体圧縮機の一実施形態では、縦型のヘリカルコンプレ
ッサに適用した例を説明したが、横型ヘリカルコンプレ
ッサにも同様にして適用できる。また、この流体圧縮機
はヘリカルコンプレッサだけでなく流体ポンプとして適
用することもできる。
【0058】また、一実施形態では、密閉ケース内にヘ
リカル式流体圧縮機と電動機部とを収納した例を示した
が、回転シャフトをケースの外側に延設し、外部動力に
より回転シャフトを回転駆動させてもよい。この場合に
は、回転シャフトがケースから出る部分でシールされ、
ケース内に電動機部が不要となり、ケースを半密閉型、
開放型などに構成することもできる。
【0059】また、ヘリカルコンプレッサに組み込まれ
るヘリカル式圧縮機構部に主軸受と副軸受とを取り付け
た例を示したが、必ずしも副軸受を取り付ける必要がな
く、回転シャフトを単一の主軸受だけで支持させてもよ
い。主軸受はシリンダと一体成形により構成してもよ
い。
【0060】さらに、主軸受とシリンダの外径が電動機
部のモータステータ巻線の内径より小さくなるように形
成し、電動機部のモータステータ巻線内に主軸受および
シリンダの一部が収容される構造に構成し、電動機部と
ヘリカル式圧縮機構部とを部分的に重なり合せることに
より、ヘリカルコンプレッサの小型・コンパクト化を図
ってもよい。
【0061】
【発明の効果】請求項1に係る発明では、円筒状のシリ
ンダ内周部構成部品の外周側に螺旋状ブレード溝を加工
したので、溝加工を外周側から精度よく簡単に機械加工
することができる一方、シリンダ内周部構成部品をシリ
ンダ外周部構成部品に固定した後、切削等の機械加工で
内周面を研削するだけで、シリンダ内周面に高精度の螺
旋状ブレード溝を簡単かつ容易に得ることができる。
【0062】請求項2ないし4に係る発明では、シリン
ダ内周部構成部品をシリンダ外周部構成部品に、焼き嵌
め、冷し嵌め、あるいは冷し焼き嵌めにより、簡単かつ
容易に精度よく固定させることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のヘリカルコンプレッサを示す縦断面図。
【図2】本発明に係るヘリカルブレード式の流体圧縮機
の一実施形態を示すもので、縦型ヘリカルコンプレッサ
に適用した縦断面図。
【図3】本発明に係るヘリカルブレード式の流体圧縮機
に組み込まれるシリンダの断面図。
【図4】(A),(B)および(C)は本発明に係るヘ
リカルブレード式の流体圧縮機に組み込まれるシリンダ
の製造手順を示す図。
【図5】本発明に係るヘリカルブレード式の流体圧縮機
を構成するシリンダとローラと螺旋状ブレードとの寸法
関係を示す図。
【符号の説明】
10 ヘリカルコンプレッサ(流体圧縮機) 11 密閉ケース 12 ヘリカル式圧縮機構部 13 電動機部 15 モータステータ 16 モータロータ 17 回転シャフト 20 シリンダ 21 ローラ(回転体) 22 ブレード(ヘリカルブレード) 23 圧縮室 25 主軸受 26 副軸受 27 クランク部 29 ブレード溝 30 吐出ポート 31 吐出パイプ 32 流入ポート 33 吸込パイプ 34 冷凍機油 37 シリンダ内周部 38 シリンダ外周部 40 シリンダ内周部構成部品 41 シリンダ外周部構成部品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本勝 隆 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会 社東芝 柳町工場内 (72)発明者 矢嶋 寿也 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会 社東芝 柳町工場内 (72)発明者 貴田 成雄 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (72)発明者 平山 卓也 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会 社東芝 柳町工場内 (72)発明者 吉田 政敏 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会 社東芝 柳町工場内 (72)発明者 伊藤 達也 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会 社東芝 柳町工場内 (56)参考文献 特開 平3−96685(JP,A) 特開 平2−201097(JP,A) 特開 平2−19682(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/30 - 18/336 F04C 18/356,29/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状のシリンダ内周部構成部品の外周
    側に螺旋状のブレード溝を加工し、この溝加工後に、シ
    リンダ内周部構成部品をシリンダ外周部構成部品に挿入
    固定し、この固定後に、シリンダ内周部構成部品の内周
    側を切削等の機械加工で取り除き、螺旋状ブレード溝を
    内周側に露出させ、シリンダ内周部とシリンダ外周部と
    から構成されるシリンダを製造することを特徴とする流
    体圧縮機のシリンダ製造方法。
  2. 【請求項2】 シリンダ内周部構成部品のシリンダ外周
    部構成部品への挿入固定は、シリンダ外周部構成部品を
    加熱膨脹させ、焼き嵌めによりシリンダ外周部構成部品
    をシリンダ内周部構成部品に被せて、固定させる請求項
    記載の流体圧縮機のシリンダ製造方法。
  3. 【請求項3】 シリンダ内周部構成部品のシリンダ外周
    部構成部品への挿入固定は、シリンダ内周部構成部品を
    冷却収縮させ、冷し嵌めによりシリンダ外周部構成部品
    をシリンダ内周部構成部品に被せて固定させる請求項1
    記載の流体圧縮機のシリンダ製造方法。
  4. 【請求項4】 シリンダ内周部構成部品のシリンダ外周
    部構成部品への挿入固定は、シリンダ内周部構成部品を
    冷却収縮させる一方、シリンダ外周部構成部品を加熱膨
    脹させ、加熱されたシリンダ外周部構成部品を冷却され
    た内周部構成部品に被せて固定させる請求項1記載の流
    体圧縮機のシリンダ製造方法。
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