JP3470889B2 - 電気・電子部品用銅合金 - Google Patents
電気・電子部品用銅合金Info
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Description
リレー、バスバー等の電気・電子部品用銅合金、特に強
度(耐力)、導電率、ばね限界値、耐応力緩和特性、曲
げ加工性に優れ、さらにSnめっき性にも優れた電気・
電子部品用銅合金に関する。
ーや制御装置と各種電装品、アクチュエータ、センサ類
等の配線のワイヤハーネスにおいてコネクタの極数が増
加し、その小型化が求められている。また、エンジン部
付近に搭載されるコネクタは常にエンジン部の高温・高
振動環境下にあり、特にパワー系統用(電力供給用)コ
ネクタは大きい電流が流れることで自己発熱しさらに高
温となる。従って、このようなコネクタ(特にメス端
子)には、前記の環境下で高い信頼性を有する(へたり
がこない)ことが求められている。
材として、Cu−Fe−P系合金(CDA19400)
やCu−Mg−P系合金が知られている。前者はFe及
びPを共添してFe−P化合物を析出させ、強度を向上
させたものであり、さらにZnを添加して耐マイグレー
ション性を向上させた合金(特開平1−168830号
公報参照)、Mgを添加して耐応力緩和特性を向上させ
た合金(特開平4−358033号公報参照)なども知
られている。後者は、Mg及びPを共添することで強度
と熱クリープ特性を向上させ、引張強さ、導電率及び耐
応力緩和特性を向上させたものである(特公平1−54
420号公報参照)。
コネクタ(特にメス端子)を小型化し、なおかつその信
頼性を確保(接圧力を維持)するためには、素材の強度
(耐力)及びばね特性(ばね限界値)を一層向上させる
必要がある。また、長時間高温に保持されてもへたり
(経時的な嵌合力の低下)がこないようにするためには
耐応力緩和特性の向上が必要であり、同時に導電率を向
上させて自己発熱を抑制することが必要となる。そのほ
か、小型コネクタの成形のため優れた成形加工性(特に
曲げ加工性)を有すること、及びオス・メス端子の接触
抵抗を減らし、耐食性を向上させるため優れたSnめっ
き密着性を有することも求められる。
e−P系銅合金は成形加工性に優れるが、ばね限界値が
低く、耐応力緩和特性に劣るという問題がある。なお、
この系にMgを添加した合金はばね限界値が向上する
が、成形加工性、導電率が低下する。また、Cu−Mg
−P系銅合金は耐応力緩和特性に優れるが、成形加工性
が劣り、Snめっき密着性にも劣るという問題がある。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされ
たもので、耐力、導電率、ばね限界値、耐応力緩和特
性、曲げ加工性に優れ、さらにSnめっき性にも優れた
電気・電子部品用銅合金を得ることを目的とする。
部品用銅合金は、Fe:0.5〜2.4%、Si:0.
02〜0.1%、Mg:0.01〜0.2%、Sn:
0.01〜0.7%、Zn:0.01〜0.2%を含有
し、P:0.03%未満、Ni:0.03%以下、M
n:0.03%以下であり、さらに残部がCu及び不可
避不純物からなる。本発明に係る電気・電子部品用銅合
金は、必要に応じて、さらにPb:0.0005〜0.
015%、又は/及びBe、Al、Ti、V、Cr、C
o、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Hf、Ta、Bの
1種又は2種以上を総量で1%以下含有することができ
る。上記銅合金の不可避不純物として、製造上の観点か
ら、Bi、As、Sb及びSはそれぞれ個別に0.00
3%以下、かつこれらの合計は0.005%以下に制限
し、さらに、O含有量を10ppm以下、かつH含有量
を20ppm以下に制限することが望ましい。
品用銅合金の成分組成について説明する。 Fe;Feは析出してこの銅合金の強度を向上させる。
しかし、2.4%を超えて含有すると粗大なFe粒子が
晶出又は析出し、曲げ加工性が低下し、一方、0.5%
未満であるとFeの析出が起こりにくく、強度と導電率
が低下し、また再結晶粒が成長して曲げ加工時に割れが
発生しやすくなる。従って、Feの含有量は0.5〜
2.4%とする。望ましくは1.0〜2.1%であり、
この範囲内で耐応力緩和特性とばね限界値がより向上す
る。さらに望ましくは1.8〜2.0%であり、この範
囲内で熱間圧延時の割れの発生を抑える効果が高くな
る。
脱酸し(FeもSiとともに脱酸に寄与する)、Pの含
有量が0.03%未満であれば、Pによる再結晶の阻害
作用を抑制して、均一微細な再結晶を促進する作用があ
る。また導電率を余り低下させずにMg及びSnととも
に耐応力緩和特性及びばね限界値を向上させる作用があ
る。これらの作用は0.02%未満の添加量では十分発
揮されず、一方、0.1%を超えて含有すると曲げ加工
性が劣化する。従って、Siの含有量は0.02〜0.
1%とする。望ましくは0.03〜0.07%であり、
この範囲で耐応力緩和特性がより向上する。
応力緩和特性及びばね限界値を大きく向上させる作用が
ある。しかし、Mgは酸化しやすく、添加量が多くなる
と大気溶解が難しくなり、導電率も低下するので、上記
銅合金では、Mg及びSnの作用の一部をSiで補って
いる。上記銅合金(Cu−Fe系)においてMgの添加
量が0.2%を超えると均一な再結晶が阻害されて曲げ
加工性が劣化し、一方、0.01%未満であると特に耐
応力緩和特性が向上しない。従って、Mgの含有量は
0.01〜0.2%とする。望ましくは0.05〜0.
15%であり、この範囲で固溶Snとの共添により耐応
力緩和特性及びばね限界値がより向上する。なお、Mg
とSnを共添しない場合は耐応力緩和特性等の向上はみ
られない。
ね限界値及び耐応力緩和特性を大きく向上させ、さらに
曲げ加工性を向上させる作用がある。しかし、Snの添
加量が0.7%を超えると導電率が低下し、一方、0.
01%未満であると特にばね限界値及び曲げ加工性が向
上しない。従って、Snの含有量は0.01〜0.7%
とする。望ましくは0.05〜0.15%であり、この
範囲で固溶Mgとの共添によりばね限界値、耐応力緩和
特性及び曲げ加工性がより向上する。Zn;ZnはSn
及びはんだめっきの剥離防止に大きい効果がある。しか
し、0.2%を超えて含有されると脱Znを起こし、曲
げ加工性も劣化し、一方、0.01%未満であるとSn
及びはんだめっきの剥離が防止できない。従って、Zn
の含有量は0.01〜0.2%とする。望ましくは0.
1〜0.2%であり、この範囲で特に上記効果が大き
い。
いは脱酸補助及び湯流れ性の改善のため必要に応じて添
加される。しかし、含有量が多くなると均一な再結晶を
阻害するため、含有量は0.03%未満(0%を含む)
とする。Pの含有量が0.03%以上となると、Siが
0.02%以上添加されても、中間焼鈍で均一微細な再
結晶組織が得られない。この場合、中間焼鈍の温度を上
げても未再結晶部分が残り、銅合金板に硬度のばらつき
がでて曲げ加工性が低下する。なお、この未再結晶部分
は、量産工程で通常行われている焼鈍条件範囲内では、
単に焼鈍回数を2回以上に増やしても消失させることが
できない。P含有量は望ましくは0.005%以下とす
る。これは、Fe、Si、Mg、Snを上記範囲内で含
有する銅合金では、Pをこの範囲内に制限することによ
り、中間焼鈍時のFe析出による導電率の向上ピーク
と、再結晶の完了をほぼ一致させる(導電率がピークを
迎えたとき、再結晶がほぼ完了する)ことができるから
である。これにより高導電率と優れた曲げ加工性を両立
させることができる。
あるいは上記銅合金において粒界を強化し熱間圧延時の
割れを防止する作用があるため、必要に応じて添加され
る。しかし、0.03%を超えるとNi−Si金属間化
合物を形成し、耐応力緩和特性を低下させる。従って、
含有量は0.03%以下(0%を含む)とする。 Mn;Mnは不可避不純物として混入し、あるいは上記
銅合金において粒界を強化し熱間圧延時の割れを防止す
る作用があるため、必要に応じて添加される。しかし、
0.03%を超えるとMn−Si金属間化合物を形成
し、耐応力緩和特性を低下させる。従って、含有量は
0.03%以下(0%を含む)とする。望ましくは0.
01%以下である。 Pb;Pbは不可避不純物として混入し、あるいは切削
性及びプレス打ち抜き性を向上させるため必要に応じて
添加される。Pbは最終製品板の各特性に影響を与えな
いが、0.015%を超えて含有されると、粒界に偏析
して熱間圧延時に割れが発生し、一方、0.0005%
未満では上記作用が得られない。従って、Pbの含有量
は0.015%以下(0%を含む)とし、上記作用を必
要とする場合は0.0005%以上含有させる。
として混入し、あるいは再結晶温度を上昇させ耐応力緩
和特性を向上させる作用があるため、必要に応じて添加
される。しかし、これらの元素が析出又は晶出すると導
電率を低下させるので、総量で1%以下に規制される。
望ましくは0.5%以下である。 Bi〜H;これらの元素は不可避不純物として混入す
る。Bi、As、Sb及びSは粒界に偏析し熱間圧延時
に割れを発生させるため、それぞれ個別に0.003%
以下、合計で0.005%以下に制限することが望まし
い。O、Hが多いと鋳塊にブローホールが発生し、また
Oが多いと溶湯中に酸化物が大量に発生して湯流れを阻
害するため、O含有量は10ppm以下、H含有量は2
0ppm以下に制限することが望ましい。
例に示すように、鋳造後均質化処理を行った後、熱間圧
延を行い、続いて冷間圧延及び中間焼鈍を行い、さらに
最終冷間圧延後、仕上げ焼鈍を行うという一般的な製造
方法で製造できる。冷間圧延及び中間焼鈍は必要に応じ
て2回以上繰り返すことができる。また、冷間圧延と中
間焼鈍の間に650℃〜750℃で5〜20秒の短時間
焼鈍を行うと、この焼鈍処理中に再結晶が先行して起こ
り、再結晶を阻害するFe粒子が析出してこない。この
再結晶状態の板材を、続く中間焼鈍で焼鈍するとFeの
析出が起こり、導電率、強度が向上するとともに未再結
晶部分が残存していない再結晶組織を得ることができ、
曲げ加工性をさらに向上させることができる。
実施例について、比較例と比較して説明する。表1、2
(本発明例)及び表3、4(比較例)に示す組成の銅合
金をクリプトル炉において、大気中で木炭被覆下に溶
解、鋳造した。ここで鋳造可否を判断した。次いで、鋳
塊を800℃〜1000℃で30分保持後、加工率50
%〜80%の熱間圧延を施し、厚さ18mmの板材を作
製した。ここで熱延時に割れが発生していないか目視及
び蛍光探傷法で判定した。なお、蛍光探傷法は、これら
の試験材全面にマークテック株式会社製浸透探傷用蛍光
染料スーパーグローDN-2800IIを塗布、水洗・乾燥し、
同じく現像剤のスーパーグローDN-600Sをスプレーして
現像後、この試験材に紫外線光を照射することによって
行った。
入し、面削機のフライス刃の焼き付きの有無を判断し
た。このときのフライス刃は台金をクロモリ系鋼とし、
フライス刃の部分はタングステンカーバイドの超硬チッ
プを銀ろうにて台金にろう付けしてあり、刃の周速は6
m/秒、切削量は1.5mm/1面である。切削油など
は用いていない。幅200mm×厚さ18mm×長さ1
80mmの寸法の熱延材を各合金毎に20個準備し、そ
れらが全て厚さ15mmになるまで両面全面面削後、フ
ライス刃の表面をSEM観察し、表面の焼き付き状況を
調査した。刃表面に切り屑の溶着の痕跡があれば、焼き
付きがあったものと判断した。
金板材の作成可否を確認した。その結果を表5に示す。
表5に示すように、No.44は鋳造可能であったが、
Pb添加量が過剰であり、熱間圧延で割れが生じた。N
o.50は大気から溶湯を遮蔽するシールが十分でなか
ったため、H及びOが多く、これによって添加元素S
i、Mg、Snの酸化物が溶湯中に発生し、湯流れ性が
極端に劣化したため、鋳造を断念した。No.43は鋳
造及び熱間圧延が可能であったが、Pb添加量が少な
く、フライス刃の焼き付きが発生した。
No.45〜48はBi、As、Pb、Sがそれぞれ個
別に過剰であり、No.49はBi、As、Pb、Sの
総量が過剰であり、いずれも熱延時に割れを生じた。N
o.42は鋳造可能であったが、脱酸剤Siが少なく、
かつPの添加もないため、脱酸不足から鋳塊鋳肌がザラ
メ状、つまり、脆弱な多孔質状になった。このため、そ
れ以後の工程は断念した。これに対し、本発明の規定範
囲内の組成を有するNo.1〜23(及び一部元素の含
有量が規定範囲外のNo.24〜41、51)は、鋳塊
品質、熱延性が良好で容易に熱間圧延材が得られ、また
フライス刃の焼付が発生せず、その寿命の延長が可能で
ある。
熱延板を板厚2.5〜0.50mmまで冷間圧延し、中
間焼鈍を電気炉中で370〜600℃の温度で1〜20
時間実施した。次いで、この板材の酸化スケールを除去
後、再結晶率及び板材の硬さ分布を測定した(詳しくは
後述)。さらにこの焼鈍材を厚さ0.25mmまで冷間
圧延し、仕上げ焼鈍を250℃〜490℃の範囲内で5
秒〜2時間行った。各銅合金の製造条件を表6に示す。
最後にこの板材を酸洗して酸化スケールを除去し、最終
製品の板材とした。なお、いずれの合金も最終製品の形
状、板厚まで容易に製作できた。
工程材及び最終製品について、下記〜の特性を下記
要領にて測定した。その結果を表7及び表8に示す。 中間焼鈍後の再結晶率 板材断面が観察できるように研磨用樹脂に埋め込み、鏡
面研磨仕上げしたあと、倍率200倍以上の光学顕微鏡
で観察し、観察視野全面を100%とした場合に対し、
再結晶が完了している面積がその何%を占めるかで評価
した。なお、再結晶率が90%以上であれば、曲げ加工
性など最終製品の機械的性質に影響を及ぼさない。
差 板材表面をバフ研磨したあと10〜100グラム荷重の
マイクロビッカース硬度計を用い、圧延とは直角の方向
に50μm間で30点の硬さを計り、その30個の計測
値の分布に対する標準偏差を計算することで評価した。
なお、標準偏差が5未満であれば、再結晶は一様に完了
し、曲げ加工性など最終製品の機械的性質に影響を及ぼ
さない。 最終製品の耐力 自動車用端子材として特に重要視される機械的性質であ
る耐力は、JIS5号引張試験片を機械加工にて作成
し、島津製作所製万能試験機UH-10Bで引張試験を実施し
て測定した。ここで、耐力とはJISZ2241で規定
されている永久伸び0.2%に相当する引張強さであ
る。耐力450N/mm2以上であれば、自動車用の電
力供給用小型コネクタで必要とする接点嵌合力を維持
し、オス端子挿入時のコジリにも耐えられる。
属材料導電率測定法に準拠して、横川電気製ダブルブリ
ッジ5752を用いた四端子法で行った。導電率50%
IACS以上であれば、自動車用の電力供給用小型コネ
クタで自己発熱を抑制できる。 最終製品のばね限界値 ばね限界測定値はJISH3130に規定されているば
ね限界値のモーメント式試験に準拠して測定した。ばね
限界値300N/mm2以上であれば、自動車用の電力
供給用小型コネクタで必要とする接点嵌合力を維持でき
る。
体的には、材料の圧延方向に対し直角な方向から幅10
mmの短冊状試験片を切り出し、その一端を剛体試験台
に固定し、試験開始時に試験片を10mmそらせ、材料
耐力の80%に相当する表面応力が材料に負荷されるよ
うにする。これを120〜160℃まで5℃きざみに設
定した各オーブン中にそれぞれの材料を1000時間保
持し、除荷後のそりLが初期の弾性範囲内の10mmの
そりにどれだけ近づいたのか、その割合Rを測定するこ
とによって評価した。すなわち、R=(10−L)/1
0×100(%)を算出して比較した。この評価でR:
70%以上を維持できる最高温度が150℃以上であれ
ば、自動車用の電力供給用小型コネクタで必要とする接
点嵌合力を維持できる。
の限界曲げ半径 180°曲げ試験は曲げ加工性はJISZ2248に規
定されているVブロック法曲げ試験で各曲げ半径を備え
たVブロック曲げ治具で幅10mm、長さ35mmに加
工した供試材を挟み、島津製作所製万能試験機RH-30を
使って1tonの荷重で予備曲げ加工を行い、さらに平ら
な金属テーブル上に予備曲げされた試験片を置き、島津
製作所製万能試験機RH-30を使って1tonの荷重で密着さ
せた。曲げ加工性は上記曲げ治具の各曲げ半径に対し、
供試材の曲げ部が割れ等を呈していないかどうかルーペ
で検鏡して判別した。この評価で最小曲げ半径が材料板
厚0.25mmに対し0mmであれば、自動車用の電力
供給用小型コネクタが成形できる。
曲げ半径 W字形状の曲げ加工性はCESM0002金属材料W曲
げ試験方法に規定され、各曲げ半径を備えたB型曲げ治
具で幅10mm、長さ35mmに加工した供試材を挟み
島津製作所製万能試験機RH-30を使って1tonの荷重で曲
げ加工を行って測定した。曲げ加工性は上記曲げ治具の
各曲げ半径に対し、供試材の曲げ部が割れ等を呈してい
ないかどうかルーペで検鏡して判別した。この評価で最
小曲げ半径が材料板厚0.25mmに対し0.125m
m以下であれば、自動車用の電力供給用小型コネクタが
成形できる。
100g/lit、クレゾールスルフォン酸30g/l
it、ホルマリン5mlit/lit、分散剤20g/
lit、光沢剤10mlit/litからなるSnめっ
き浴中(20℃)で電流密度2.5A/dm2にてめっ
き厚さ1.5μmのSnめっきを施した後、105℃オ
ーブン中で500時間加熱し、その後2mmRで180
℃曲げた後平板に曲げ戻し、その際の材料からのSnめ
っきの剥離の有無を目視で評価した。この評価でSnめ
っきの剥離が生じなければ、自動車の電力供給用小型コ
ネクタに使用できる。
析出物、粗大晶出物、粒界反応型析出等、板材の品質低
下を引き起こすような異物の有無の判定を断面観察によ
って行った。具体的には製品板材断面が観察できるよう
に研磨用樹脂に埋め込み鏡面研磨仕上げしたあと、倍率
200倍以上の光学顕微鏡で観察し、前記異物の有無を
確認した。さらに、光学顕微鏡観察以外にも、製品板材
断面について、代表部位としてその中央及び両端から1
0mm×10mm×0.25mmの板材を切り出し、断
面が観察できるように研磨用樹脂に埋め込み、鏡面研磨
したあと、EDX-SEMで断面観察を行い、異物の検出・寸
法測定及び組成同定を行った。30μm×50μmの範
囲で径1μm以上の酸化物又は晶出物が1個以上ある場
合は、酸化物又は晶出物有りと判断した。
ての特性が良好で、自動車用コネクタ材などに好適な電
気・電子部品用銅合金である。一方、表8に示すよう
に、No.24(CDA19400)は、高耐力、高導
電率であるが、コネクタあるいはリレーなどの高ばね限
界値を要求される用途には不十分な231N/mm2と
いう低いばね限界値しか得られない。また、耐応力緩和
特性上限温度もりん青銅なみの120℃しか有しない。
No.25(特公平1−54420号公報で開示された
Cu−Mg−P合金)は、高耐力、高導電率、高ばね限
界値、高耐応力緩和特性を兼備するが、曲げ加工性及び
Snめっき性が劣る。
に類似するP脱酸Cu−Fe合金にMg、Sn、Znを
添加した合金)は、高耐力、高導電率、高ばね限界値、
高耐応力緩和特性を兼備するが、Siが添加されていな
いため、実用的範囲内での中間焼鈍で再結晶が容易では
なく、それゆえ、中間焼鈍後の硬さも一様ではなく、曲
げ加工性が劣化する。No.28はFe添加量が過少
で、導電率60%IACS以上は確保できるが、耐力、
ばね限界値、耐応力緩和特性、曲げ加工性等の機械的性
質が劣る。No.29はSi添加量が過剰で、高耐力、
高ばね限界値、高耐応力緩和特性が得られるが、導電率
が50%IACSを下回り、曲げ加工性も劣る。No.
30はSiの添加量は適性であるがP添加量が過剰で、
実用的範囲内での中間焼鈍で再結晶が容易ではなく、製
品品質が一様ではなくなる。それゆえ、中間焼鈍後の硬
さも一様でなく、曲げ加工性が劣化する。
延後の冷間圧延工程で導入された圧延組織が中間焼鈍で
消失せず、均一微細な再結晶組織が得られず、曲げ加工
性が劣る。No.32、33、35はMg、Snの両方
を適正量で含有せず、ばね限界値(No.32、33、
35)、曲げ加工性(No.32、33、35)及び耐
応力緩和特性(No.35)が劣る。No.34はSn
を適正量含有するがMgが共添されてなく、耐応力緩和
特性が劣る。No.36はMgを適正量含有するがSn
が共添されてなく、耐応力緩和特性及び曲げ加工性が劣
る。No.37はZn添加量が過少で、Snめっき性が
劣る。No.38はZn添加量が過剰で、Sn、Mgに
加えて固溶強化作用をもつ元素がさらに1つ加わること
になり、それゆえ曲げ加工性が劣化する。No.39は
Ni添加量が過剰で、耐応力緩和特性を向上させるSi
がNi−Si金属間化合物形成に奪われ、ゆえに耐応力
緩和特性が劣化し、さらにその金属間化合物発生によっ
て曲げ加工性が劣化する。No.40はMn添加量が過
剰で、耐応力緩和特性を向上させるSiがMn−Si金
属間化合物形成に奪われ、ゆえに耐応力緩和特性が劣化
し、さらにその金属間化合物発生によって曲げ加工性が
劣化する。
学顕微鏡及びEDX-SEMによる断面組織観察で粗大なFe
粒子の発生が確認された。そのため、曲げ加工性が極端
に劣化していた。No.51はTi等の元素が過剰で、
前記光学顕微鏡及びEDX-SEMによる断面組織観察でT
i、Cr、Zrの粗大な粒子の発生が確認された。その
ため、曲げ加工性が極端に劣化していた。
与えないことを確認するため、Pb含有量を0.000
1%に抑えた表9(a)、(b)に示す組成の銅合金か
ら最終製品板を作製した。この場合、熱間圧延で発生す
る酸化スケールを除去する際にフライス刃に溶着・焼き
付きが発生するため、これを避ける熱延工程を適用し
た。具体的には、鋳塊板厚が36mmとなるように組ん
だモールドで鋳込み、酸化スケールがほとんど発生しな
い800℃の加熱温度で30分間保持し、1パスのみで
加工率50%を加えて厚さ18mmの熱延板とし、先の
実施例と同様にフライス刃による面削を行った。このと
き、わずかに発生した一次スケールは完全に粉砕され、
しかも酸化スケールの押し込みも発生しないため、特に
Pbを0.0005%以上含有していなくてもフライス
刃に溶着・焼き付きは発生しない。なお、効率を重視す
る実操業では大型鋳塊を使用するため、熱延パス回数の
増加とそれに伴う二次スケールの発生と押し込みは避け
ることができない。これらの酸化スケールがフライス刃
の凝着核となり、フライス刃に溶着・焼き付きが発生す
る恐れがある。先のNo.1〜51では、この状況を再
現するために、5〜8パスの熱延を実施していた。
延、中間焼鈍及び仕上げ焼鈍を行い、最終製品の板材と
した。この製造工程で得られた中間焼鈍後の途中工程材
及び最終製品について、先の実施例と同じ要領にて各特
性を測定した。表9(d)、(e)に示すように、Pb
を0.0001%に抑えたNo.52でも、優れた特性
の最終製品板が得られている。
は、強度(耐力)、導電率、ばね限界値、耐応力緩和特
性、曲げ加工性、Snめっき性など、端子・コネクタ、
リレー、バスバー等の電気・電子部品用材料として必要
とされる特性の全てを兼ね備え、特に自動車用配線材
料、なかでも電力供給用小型コネクタ用材料として好適
である。また、本発明に係る電気・電子部品用銅合金
は、脱酸作用を有するSiを添加して、均一な再結晶を
阻害するP添加量を最小限にとどめ、低コストで生産性
よく製造できる利点がある。
Claims (4)
- 【請求項1】 Fe:0.5〜2.4%(質量%、以下
同じ)、Si:0.02〜0.1%、Mg:0.01〜
0.2%、Sn:0.01〜0.7%、Zn:0.01
〜0.2%を含有し、P:0.005%以下、Ni:
0.03%以下、Mn:0.03%以下であり、さらに
残部がCu及び不可避不純物からなる電気・電子部品用
銅合金。 - 【請求項2】 さらに、Pb:0.0005〜0.01
5%を含有することを特徴とする請求項1に記載された
電気・電子部品用銅合金。 - 【請求項3】 Be、Al、Ti、V、Cr、Co、Z
r、Nb、Mo、Ag、In、Hf、Ta、Bの1種又
は2種以上を総量で1%以下含有することを特徴とする
請求項1又は2に記載された電気・電子部品用銅合金。 - 【請求項4】 Bi、As、Sb及びSをそれぞれ個別
に0.003%以下、かつこれらの合計を0.005%
以下とし、さらに、O含有量を10ppm以下、かつH
含有量を20ppm以下としたことを特徴とする請求項
1〜3のいずれかに記載された電気・電子部品用銅合
金。
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