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JP3464307B2 - Nc旋盤における干渉チェック方法 - Google Patents

Nc旋盤における干渉チェック方法

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JP3464307B2
JP3464307B2 JP06609395A JP6609395A JP3464307B2 JP 3464307 B2 JP3464307 B2 JP 3464307B2 JP 06609395 A JP06609395 A JP 06609395A JP 6609395 A JP6609395 A JP 6609395A JP 3464307 B2 JP3464307 B2 JP 3464307B2
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JP
Japan
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interference
operating
dimensional
combination
fixed
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Application number
JP06609395A
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English (en)
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JPH08263116A (ja
Inventor
尊一 中谷
俊雄 石村
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Publication date
Application filed by Citizen Watch Co Ltd filed Critical Citizen Watch Co Ltd
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Publication of JPH08263116A publication Critical patent/JPH08263116A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、NC旋盤における動
作部と固定部、あるいは動作部と動作部との干渉をチェ
ックする干渉チェック方法に関する。
【0002】
【従来の技術】NC(数値制御)旋盤は、加工プログラ
ムにしたがって主軸の回転及びその主軸中心線方向(Z
方向)の移動と、刃物台のX,Y方向(Z方向に直交す
る面内で互いに直交する2方向)への移動を制御して、
刃物台に取り付けられた工具(刃物)によって、主軸に
保持された材料(ワーク)に切削,孔明け等の加工を施
す工作機械であり、最近ではコンピュータを搭載したC
NC旋盤が主流になりつつある。
【0003】そして、このようなNC旋盤の加工速度の
高速化,加工工程の高能率化,加工精度の高度化が進
み、且つ機能の拡大(汎用性),フレキシビリティ及び
安全性の向上等も計られ、広範な部品加工に使用されて
いる。このようなNC旋盤には、正面加工のための主軸
が1本だけの単軸,2本備えた2軸,多数備えた多軸等
があり、この正面加工のための主軸に対向して背面加工
に使用する背面主軸を備えたものもある。その背面主軸
が、その軸中心線方向(Z方向)だけでなく、それと直
交するX又はY方向にも移動できるものもある。さら
に、工具を取り付ける刃物台も移動刃物台,固定刃物
台,回転工具台等の移動及び固定の各種刃物台あるいは
工具台を備えたものが多くなっている。
【0004】そのため、各種の動作部(移動部)と固定
部あるいは動作部同士がNC旋盤の動作中に干渉し、そ
れによって工具を破損したりワークを不良にしてしまう
恐れがある。そこで、これらの動作部と固定部あるいは
動作部同士の干渉をチェックし、実際に干渉する直前に
アラームを発生して動作を停止させたり、干渉回避動作
を行なわせるようにしたものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
NC旋盤では2次元(平面)での干渉チェックしか行な
われていなかった。そのため、3次元(立体空間)でチ
ェックすれば干渉しないことが判る場合でも、平面の干
渉チェックで干渉すると判断されるとアラームとなり、
動作できなくなったり、不必要な干渉回避を行なってい
た。そこで、3次元では干渉しない場合には、干渉チェ
ックの対象から外して無理に動作させていたため、プロ
グラムミスがあると干渉してしまう恐れがあるという問
題があった。
【0006】この発明はこのような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、不必要な干渉回避を行なうための無駄
な時間と、回避するための無駄なスペースを無くすこ
と、あるいは、干渉チェックの対象から外して無理に動
作させることによる干渉発生の危険を防ぐことを目的と
する。全ての干渉チェックを3次元で行なうと、NC旋
盤の動作中に干渉チェックのための計算時間が掛かり過
ぎて、リアルタイムのチェックができずにNC旋盤の動
作を止めてしまい、ワークの切削箇所にスジがついてし
まったりすることがあるので、そのようなことが生じな
いようにすることも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、次の各工程を有することを特徴とするN
C旋盤における干渉チェック方法を提供する。 (1)NC旋盤のNC装置に2次元での干渉チェック及
び3次元での干渉チェックをする動作部と固定部及び
作部と動作部の組み合せ又は動作部と固定部又は動作部
と動作部の組み合せ、およびその各動作部の座標原点及
び各固定部の相対位置関係を予め設定する工程、 (2)NC旋盤の動作中に、1または複数の動作部の2
次元形状と、該動作部と干渉する可能性のある固定部の
2次元形状と、NC装置に設定されている上記各動作部
の座標原点及び上記各固定部の相対位置関係と、上記各
動作部の現在位置とから、上記各組み合せについて2次
元平面内での各相対位置を計算して2次元での干渉チェ
ックを行なう工程、
【0008】(3)上記2次元での干渉チェックにおい
て干渉すると判定された動作部と固定部及び動作部と動
作部の組み合せ又は動作部と固定部又は動作部と動作部
の組み合せのうち、上記NC装置に設定されている3次
元での干渉チェックをする組み合せについて、NC旋盤
の動作中に、1または複数の動作部の3次元形状と、該
動作部と干渉する可能性のある固定部の3次元形状と、
上記NC装置に設定されている上記動作部の座標原点及
び上記固定部の相対位置関係と、上記各動作部の現在位
置とから、3次元空間内での各相対位置を計算して3次
元での干渉チェックを行なう工程、 (4)上記2次元での干渉チェックにおいて干渉すると
判定された動作部と固定部及び動作部と動作部の組み合
せ又は動作部と固定部又は動作部と動作部の組み合せ
うち上記NC装置に2次元での干渉チェックが設定され
ている組み合せと、上記3次元での干渉チェックにより
干渉すると判定された動作部と固定部及び動作部と動作
部の組み合せ又は動作部と固定部又は動作部と動作部の
組み合せとを、干渉する組み合せと判定する工程、
【0009】上記NC旋盤における干渉チェック方法に
おいて、上記NC装置に予め設定された2次元での干渉
チェックを行なう動作部と固定部及び動作部と動作部の
組み合せ又は動作部と固定部又は動作部と動作部の組み
合せと、3次元での干渉チェックを行なう動作部と固定
及び動作部と動作部の組み合せ又は動作部と固定部又
は動作部と動作部の組み合せの区分を変更する工程を設
けるとよい。
【0010】上記2次元での干渉チェックを行なう工程
を、NC装置に2次元での干渉チェック及び3次元での
干渉チェックをすると設定されている動作部と固定部
動作部と動作部の各組み合せ又は動作部と固定部又は
動作部と動作部の組み合せについて、その動作部が固定
部又は他の動作部と干渉する位置から一定距離手前で停
止するために必要な時間である制動時間を1または複数
の動作部の現在位置,動作方向,動作速度及び加速度か
らNC旋盤の動作中に計算して求める工程と、上記1ま
たは複数の動作部の2次元形状と該動作部と干渉する可
能性のある固定部の2次元形状と、上記NC装置に設定
されている上記動作部の座標原点及び上記固定部の相対
位置関係と、上記1または複数の動作部の現在位置,動
作方向,動作速度及び加速度から、上記設定されている
各組み合せについて、何秒後に干渉するかを予測する干
渉予測時間を計算して求める工程と、上記制動時間が上
記干渉予測時間と等しくなった時あるいは該干渉予測時
間より大になった時に、その組み合せが干渉すると判定
する工程とから構成するとよい。
【0011】また、上記3次元での干渉チェックを行な
う工程を、上記2次元での干渉チェックにおいて干渉す
ると判定された動作部と固定部及び動作部と動作部の組
み合せ又は動作部と固定部又は動作部と動作部の組み合
のうち、上記NC装置に3次元での干渉チェックをす
ると設定されている動作部と固定部及び動作部と動作部
の各組み合せ又は動作部と固定部又は動作部と動作部の
組み合せについて、その動作部が固定部又は他の動作部
と干渉する位置から一定距離手前で停止するために必要
な時間である制動時間を1または複数の動作部の現在位
置,動作方向,動作速度及び加速度からNC旋盤の動作
中に計算して求める工程と、上記1または複数の動作部
の3次元形状と該動作部と干渉する可能性のある固定部
の3次元形状と、上記NC装置に設定されている上記動
作部の座標原点及び上記固定部の相対位置関係と、上記
1または複数の動作部の現在位置,動作方向,動作速度
及び加速度から、何秒後に干渉するかを予測する干渉予
測時間を計算して求める工程と、上記制動時間が上記干
渉予測時間と等しくなった時あるいは該干渉予測時間よ
り大になった時に、その組み合せが干渉すると判定する
工程とから構成するとよい。
【0012】あるいはまた、上記2次元での干渉チェッ
クを行なう工程を、NC装置に2次元での干渉チェック
及び3次元での干渉チェックをすると設定されている動
作部と固定部及び動作部と動作部の各組み合せ又は動作
部と固定部 又は動作部と動作部の組み合せについて、そ
の動作部が固定部又は他の動作部と干渉する位置から一
定距離手前で停止するために必要な制動距離を1または
複数の動作部の現在位置,動作方向,動作速度及び加速
度からNC旋盤の動作中に計算して求める工程と、上記
1または複数の動作部の2次元形状と該動作部と干渉す
る可能性のある固定部の2次元形状と、上記NC装置に
設定されている上記動作部の座標原点及び上記固定部の
相対位置関係と、上記1または複数の動作部の現在位
置,動作方向,動作速度及び加速度から、上記設定され
ている各組み合せについて、干渉するまでの動作距離で
ある干渉予測距離を計算して求める工程と、上記制動距
離が上記干渉予測距離と等しくなった時あるいは該干渉
予測距離より大になった時に、その組み合せが干渉する
と判定する工程とから構成してもよい。
【0013】その場合、上記3次元での干渉チェックを
行なう工程を、上記2次元での干渉チェックにおいて干
渉すると判定された動作部と固定部及び又は動作部と動
作部の組み合せのうち、上記NC装置に3次元での干渉
チェックをすると設定されている動作部と固定部及び
作部と動作部の各組み合せ又は動作部と固定部又は動作
部と動作部の組み合せについて、その動作部が固定部又
は他の動作部と干渉する位置から一定距離手前で停止す
るために必要な制動距離を1または複数の動作部の現在
位置,動作方向,動作速度及び加速度からNC旋盤の動
作中に計算して求める工程と、上記1または複数の動作
部の3次元形状と該動作部と干渉する可能性のある固定
部の3次元形状と、上記NC装置に設定されている上記
動作部の座標原点及び上記固定部の相対位置関係と、上
記1または複数の動作部の現在位置,動作方向,動作速
度及び加速度から、干渉するまでの動作距離である干渉
予測距離を計算して求める工程と、上記制動距離が上記
干渉予測距離と等しくなった時あるいは該干渉予測距離
より大になった時に、その組み合せが干渉すると判定す
る工程とから構成するとよい。
【0014】これらのNC旋盤における干渉チェック方
法で、NC旋盤の動作中の干渉チェックの計算時間がリ
アルタイムのチェックが出来ない長さになった場合に、
計算時間オーバを判定するようにするとよい。また、上
記NC装置に上記動作部又は固定部の2次元及び3次元
形状又は2次元又は3次元形状を簡易化して記憶するよ
うにするとよい。さらに、機械座標系による絶対座標に
より1または複数の動作部のそれぞれの座標原点とその
動作部と干渉する可能性のある固定部の位置を、上記N
C装置の相対位置関係収納部に記憶するようにするとよ
い。
【0015】
【作用】この発明によるNC旋盤における干渉チェック
方法によれば、2次元(平面内)での干渉チェックと3
次元(立体空間)での干渉チェックとを組み合せて、3
次元での干渉チェックが必要な動作部(移動部)と固定
及び動作部同士の組み合せ又は動作部と固定部又は動
作部同士の組み合せに対しては3次元での干渉チェック
を行なうので、実際には干渉しないのに2次元の干渉チ
ェックによって干渉すると判断してNC旋盤の動作を停
止させたり、不必要な干渉回避動作を行なわせるような
ことを防ぐと共に、干渉チェックの対象から外して無理
に動作させて干渉が生じてしまう危険を防止することが
できる。
【0016】また、すべての組み合せに対して3次元で
の干渉チェックを行なうのではなく、計算時間が短い2
次元での干渉チェックでよい組み合せに対しては、2次
元での干渉チェックで干渉を判定するので、干渉チェッ
クに要する時間を短縮でき、NC旋盤の動作中に干渉チ
ェックのための計算時間が掛かり過ぎて、リアルタイム
のチェックができずにNC旋盤の動作を止めてしまい、
ワークの切削箇所にスジがついてしまうようなことが生
じないようにすることができる。
【0017】そして、NC旋盤における上記動作部と固
定部及び動作部と動作部又は動作部 と固定部又は動作部
と動作部の2次元での干渉チェックを行なう組み合せと
3次元での干渉チェック行なう組み合せの区分を任意に
変更することができ、全部2次元での干渉チェックある
いは全部3次元での干渉チェックを行なうようにするこ
ともできる。
【0018】さらに、上記2次元での干渉チェック及び
3次元での干渉チェックを、チェック対象とする動作部
と固定部及び動作部と動作部の各組み合せ又は動作部と
固定部又は動作部と動作部の組み合せについて、その動
作部が固定部又は他の動作部と干渉する位置から一定距
離手前で停止するために必要な制動時間と、何秒後に干
渉するかを予測する干渉予測時間とをそれぞれ計算して
求め、その制動時間が干渉予測時間と等しくなった時あ
るいは干渉予測時間より大になった時に、その組み合せ
が干渉すると判定するようにすれば、実際に干渉が発生
する前に確実に干渉を予測して判定でき、NC旋盤の安
全性を一層高めることができる。
【0019】あるいはまた、上記2次元での干渉チェッ
ク及び3次元での干渉チェックを、チェック対象とする
動作部と固定部及び動作部と動作部の各組み合せ又は動
作部と固定部又は動作部と動作部の組み合せについて、
その動作部が固定部又は他の動作部と干渉する位置から
一定距離手前で停止するために必要な制動距離と、干渉
するまでの動作距離である干渉予測距離とをそれぞれ計
算して求め、その制動距離が干渉予測距離と等しくなっ
た時あるいは干渉予測距離より大になった時に、その組
み合せが干渉すると判定するようにしても、実際に干渉
が発生する前に確実に干渉を予測して判定でき、NC旋
盤の安全性を一層高めることができる。
【0020】しかし、これらの干渉チェック方法によっ
ても、NC旋盤の動作中の干渉チェックの計算時間がリ
アルタイムのチェックが出来ない長さになった場合に
は、計算時間オーバを判定することができ、それによっ
て安全性をさらに高めることができる。また、上記NC
装置に上記動作部又は固定部の2次元及び3次元形状
は2次元又は3次元形状を簡易化して記憶することによ
り、2次元及び3次元又は2次 元又は3次元での干渉チ
ェックのための計算時間を短縮することができる。
【0021】さらに、機械座標系による絶対座標により
1または複数の動作部のそれぞれの座標原点とその動作
部と干渉する可能性のある固定部の位置を、上記NC装
置の相対位置関係収納部に記憶することにより、2次元
及び3次元又は2次元又は3次元での干渉チェックのた
めの計算を容易に行なうことができる。
【0022】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて具
体的に説明する。図2はこの発明による干渉チェック方
法を実施するNC旋盤の一例を示す要部外観斜視図であ
る。これは棒材加工用の主軸台摺動型のNC旋盤の加工
位置付近の斜視図であり、一対の主軸と背面主軸とを備
えている。すなわち、図2に示すようにベッド10の手
前下がりに傾斜した上面後部に、主軸台(図示せず)が
主軸中心線に平行なZ1軸方向に図示しないガイドレー
ルに沿って摺動可能に載置されており、この第1主軸台
は図示しないZ1軸用サーボモータによって、送りねじ
機構を介して矢示Z1方向へ往復移動される。
【0023】この主軸台に回転自在に支承され、かつ主
軸用スピンドルモータによって回転される主軸の前方に
は、刃物台ベース11がベッド10に固定されてその幅
方向に立設されている。その刃物台ベース11には、前
述の主軸の中心線と同心の位置にガイドブッシュ12が
配設されており、主軸に把持されたワークは、このガイ
ドブッシュ12から加工位置へ突出してZ1軸方向に摺
動可能に案内保持される。
【0024】刃物台ベース11にはさらにXYテーブル
13を介して刃物台14が、Z1軸と直交し且つ互いに
直交するX1軸及びY1軸方向(矢示X1及びY1方
向)に摺動可能に配設されている。そして、そのXYテ
ーブル13には、図示しないX1軸用サーボモータ及び
Y1軸用サーボモータ及び送りねじ機構が設けられてお
り、それらによって刃物台14を矢示X1方向及び矢示
Y1方向にそれぞれ所定ストローク往復移動させること
ができる。
【0025】その刃物台14には、複数本(図示の例で
は5本)の切削工具であるバイト15及び複数個(図示
の例では3個)の回転工具16が、X1軸方向に並行に
Y1軸方向に所定の間隔で櫛歯状に取り付けられてい
る。さらに、刃物台ベース11の手前側に背面刃物台1
7を固設しており、この背面刃物台17に、複数本(図
示の例では5本)の背面加工用の工具18が、Z1軸方
向に並行にX1軸方向に所定の間隔で並ぶように配設さ
れている。この工具18は例えばドリル,エンドミルな
どの相対回転工具で、工具18は回転しないが後述する
背面主軸にチャックされたワークの回転により加工可能
である。
【0026】ベッド10の刃物台ベース11の手前側に
は、背面主軸台20がZ1軸と並行なZ2軸方向及びそ
れに直交するX2軸(X1軸と並行)方向に摺動可能に
設けられており、その背面主軸台20に上述した主軸と
対向する背面主軸とそれに隣接して対向刃物台22が設
けられている。その対向刃物台22には、ドリル,エン
ドミルなどの相対回転工具23が、Z2軸方向に並行に
X2軸方向に所定の間隔で並ぶように固設されている。
【0027】背面主軸台20は、Z2軸用サーボモータ
とX2軸用サーボモータとによって、送りねじ機構を介
して矢示Z2方向及び矢示X2方向に、それぞれ所定ス
トローク往復移動可能である。背面主軸は先端部にはワ
ークをつかむチャック21を備えており、背面主軸用の
スピンドルモータによって回転される。この背面主軸の
チャック21に保持されたワークは、主として前述した
背面刃物台17に取り付けられた工具18によって加工
されるが、刃物台14に背面加工用の工具を取り付けた
場合には、それらによって加工することも可能である。
【0028】このNC旋盤を使用して、丸棒材料のワー
ク(部品)加工するには、予め丸棒材料を、主軸に通し
てガイドブッシュ12にガイドさせて若干突出させて主
軸でチャックし、ワークとする。そして主軸を回転させ
てそのワークを回転させ、刃物台14をX1軸方向及び
Y1軸方向に移動させて、それに取り付けられたバイト
15によって周面の切削加工を、ワークを固定して回転
工具16を回転させて径方向の孔明け加工等を行なうこ
とができる。また、背面主軸台20をX2軸方向及びZ
2軸方向へ移動させて、主軸によって回転されるワーク
の前端面に、対向刃物台22に取り付けられた背面加工
用の工具23によつて孔明けやタップ切り等の加工を行
なうこともできる。
【0029】その後、背面主軸台20を矢示Z2方向に
移動させて背面主軸のチャック21でワークの前端部を
掴んで保持し、刃物台14に取り付けられた突っ切りバ
イトを使用して、刃物台14を矢示X1方向に往復移動
させて突っ切り加工を行ない、ワークを丸棒から切り離
す。このワークの受渡しをピックオフという。そして、
背面主軸台20を背面刃物台17と対向する位置へ移動
させると共に背面主軸を回転させ、そのチャック21に
保持されて回転するワークの背面に、センタドリルや背
面タップ等の相対回転工具23によって、孔明け加工や
タップ切り加工等を行なうことができる。
【0030】このNC旋盤において、刃物台14及びそ
れに取り付けられて一体に移動するバイト15及び回転
工具16,背面主軸台20及びそれと一体に移動するチ
ャック21を有する背面主軸,及び対向刃物台22とそ
れに取り付けられた相対回転工具23等の動作部(移動
部)と、ベッド10,刃物台ベース11,背面刃物台1
7及びそれに取り付けられた背面加工用の工具18,及
びガイドブッシュ12等の固定部との干渉、及び上記動
作部同士の干渉、又はそれらの動作部と固定部又は動作
部同士の干渉を防いで、工具の破損やワークの不良化な
どが起らないようにするために、この発明による干渉チ
ェックを行なうのである。
【0031】なお、主軸側のガイドブッシュ12に保持
されるか、背面主軸のチャック21に掴まれるワーク
は、工具(刃物)と干渉することによって加工されるの
で、加工中は干渉チェックの対象から除外する。しか
し、加工時以外には干渉してはいけないので、干渉チェ
ックの対象の動作部とすることができる。また、干渉チ
ェックの対象とする固定部として、図示しないカバーや
切削油の放出用パイプ等の構造物を加えることができ
る。さらに、加工済みのワークを受けるセパレータ(受
け器)等の移動部材を設けた場合には、それも干渉チェ
ックの対象とする動作部とすることができる。
【0032】次に、このNC旋盤の制御ユニットである
NC装置の構成を図3のブロック図によって説明する。
このNC装置は、CPUを含むシステム制御部40,プ
ログラム入力部41,キーボード42a及びスイッチ4
2bとディスプレイ43を備えた操作盤44,その入出
力制御部45,システム制御用プログラムメモリ(RO
M)46,加工プログラム格納部48,表示データ記憶
部49,その他のデータを記憶するRAM50,加工プ
ログラム処理部51,加工動作制御部52とからなり、
その加工動作制御部52を介して図2に示した機構部を
直接駆動制御する駆動部30を制御する。
【0033】駆動部30は、Z1,Z2,X1,X2,
Y1の各軸用サーボモータのサーボ機構31を駆動制御
する各軸の制御駆動部32、各主軸(主軸及び背面主
軸)のスピンドルモータ33を駆動制御するスピンドル
モータ制御駆動部34、及び各センサ(各テーブルの位
置センサ等)35の検出信号を入力するセンサ入力部3
6等からなる。
【0034】システム制御部40は、このNC装置全体
ひいてはNC旋盤全体を統括制御する部分で、加工プロ
グラム処理部51と共に加工プログラム格納部48に格
納された加工プログラムの判別,変換,編集等の処理、
入出力制御部45を介して操作盤44のキーボード42
a又はスイッチ42bからのデータや指令の入力及びデ
ィスプレイ43への加工プログラムその他の表示に関す
る処理、加工動作制御部52と共に加工プログラム格納
部48に格納されている加工プログラムに基づいて駆動
部30を動作させてNC加工を行なうための処理などを
行なう。また、この発明に係る干渉チェックに関する処
理もここで行なう。
【0035】プログラム入力部41は、外部のプログラ
ム作成装置(パソコン等)によって作成された加工プロ
グラムを、紙テープやフロッピーディスクから入力する
紙テープリーダ,フロッピーディスク装置(FDD)な
どである。操作盤44は、NC加工を行なう際にキーボ
ード42aあるいはスイッチ42bから動作指令を行な
い、ディスプレイ43の表示によって動作を確認したり
する運転操作手段となる。干渉チェックを行なう動作部
と固定部及び動作部と動作部の組み合せ又は動作部と固
定部又は動作部と動作部の組み合せ、および各動作部の
座標原点及び各固定部の相対位置を予め設定する際の入
力操作も、この操作盤44で行なう。
【0036】入出力制御部45は、この操作盤44のキ
ーボード42aあるいはスイッチ42bからの指令や入
力の判別、表示データ記憶部49に記憶された表示デー
タをディスプレイ43に表示するための制御等を行な
う。システム制御用プログラムメモリ46は、このNC
装置の動作を制御するためにシステム制御部40のCP
Uが使用するプログラム及び固定データを格納したRO
Mである。
【0037】自動プログラミング部47は、操作盤44
を用いた対話式プログラミングによって、このNC装置
自体で加工プログラムの作成を行なうための機能部であ
る。加工プログラム格納部48は、プログラム入力部4
1から入力された加工プログラム、あるいは自動プログ
ラミング部47で作成した加工プログラムを格納するR
AMである。表示データ記憶部49は、操作盤44のデ
ィスプレイ43に表示させる各種のデータを格納するビ
ットマップメモリ(VRAM)である。
【0038】RAM50は、加工に使用する各工具(ツ
ール)のデータや各種の初期セットデータ等を記憶する
メモリであり、この発明による干渉チェックを行なうた
めに予め設定されるデータ、すなわち2次元での干渉チ
ェック及び3次元での干渉チェックをする動作部と固定
及び動作部と動作部の組み合せ又は動作部と固定部又
は動作部と動作部の組み合せ、ならびにその各動作部の
座標原点及び各固定部の相対位置関係等のデータもこの
RAM50に記憶される。したがって、このRAM50
が相対位置関係収納部の機能も果たす。なお、加工プロ
グラム格納部48と表示データ記憶部49も、このRA
M50の記憶容量が充分あればこれを兼用することがで
きる。
【0039】ここで、この発明による干渉チェック方法
の基本的実施例の動作を、図1のフローチャートにした
がって説明する。NC旋盤のNC装置が動作を開始する
と、図3に示したシステム制御部40が図1に示す干渉
チェックに関する動作を開始する。ステップ1で予めN
C装置に設定してある(図3のRAM50に格納されて
いる)干渉の可能性のあるすべての固定部,動作部とそ
れぞれの形状(2次元と3次元)と、動作部の座標原点
及び固定部の相対位置関係と、2次元での干渉チェック
及び3次元での干渉チェックをする動作部と固定部及び
動作部と動作部の組み合せ又は動作部と固定部又は動作
部と動作部の組み合せとを入力する。
【0040】ステップ2で2次元(平面内)での干渉が
あるかどうかを計算してチェックする。すなわち、1ま
たは複数の動作部の2次元形状と、該動作部と干渉する
可能性のある固定部の2次元形状と、NC装置に設定さ
れている各動作部の座標原点及び各固定部の相対位置関
係と、各動作部の現在位置とから、入力した各組み合せ
について2次元平面内での各相対位置を計算して2次元
での干渉チェックを行なう。その結果、干渉無しであれ
ば、ステップ7へ進んで動作継続か否かを判断し、動作
継続であればステップ2へ戻って再び2次元での干渉チ
ェックを行なう。動作継続でなければ処理を終了する。
【0041】ステップ2で干渉有りの場合は、ステップ
3へ進んで、予めNC装置に設定してある(図3のRA
M50に格納されている)2次元の干渉チェックを行な
う部分の組み合わせと、3次元の干渉チェックを行なう
部分の組み合せの区分を入力する。この区分はステップ
1で一緒に入力するようにしてもよい。
【0042】そして、ステップ4へ進み、ステップ2で
干渉有りと判断した組み合せは3次元の干渉チェックの
対象の組み合せ部分かどうかを判別する。その結果、3
次元の干渉チェックの対象の組み合せ部分でなければ、
ステップ6で干渉処理を行なってから処理を終了する。
この場合の干渉処理は、ステップ2で干渉有りと判断し
た組み合せに対するアラーム及び動作停止あるいは干渉
回避動作を行なう。
【0043】ステップ4の判別結果が3次元の干渉チェ
ックの対象の組み合せ部分であれば、ステップ5へ進ん
で、その組み合せに対して3次元(立体空間)での干渉
があるかどうかを計算してチェックする。すなわち、ス
テップ2の2次元での干渉チェックにおいて干渉すると
判定された動作部と固定部及び動作部と動作部の組み合
又は動作部と固定部又は動作部と動作部の組み合せ
うち、3次元での干渉チェックをすることが設定されて
いる組み合せについて、1または複数の動作部の3次元
形状と、該動作部と干渉する可能性のある固定部の3次
元形状と、その動作部の座標原点及び固定部の相対位置
関係と、各動作部の現在位置とから、3次元空間内での
各相対位置を計算して3次元での干渉チェックを行な
う。
【0044】その結果、干渉無しであればステップ7へ
進んで、動作継続ならステップ2へ戻って次の組み合せ
に対して干渉チェックを行なう。動作継続でなければ、
そのまま処理を終了する。干渉有りの場合は、ステップ
6へ進んで干渉処理を行なって処理を終了する。この場
合の干渉処理は、ステップ5で干渉有りと判断した組み
合せに対するアラーム及び動作停止あるいは干渉回避動
作を行なう。
【0045】したがって、この実施例によれば、ステッ
プ2の2次元での干渉チェックにいて干渉すると判定さ
れた動作部と固定部及び動作部と動作部の組み合わせ又
は動作部と固定部又は動作部と動作部の組み合せの
ち、NC装置に2次元での干渉チェックが設定されてい
る組み合せと、ステップ5の3次元での干渉チェックに
より干渉すると判定された動作部と固定部及び動作部と
動作部の組合せ又は動作部と固定部又は動作部と動作部
の組み合せとを、干渉する組み合せと判定することにな
る。
【0046】このようにして、2次元での干渉チェック
及び3次元での干渉チェックを行なう動作部と固定部あ
るいは動作部同士の組み合せ例を、図4の平面配置図及
び図5の正面配置図によって説明する。ここでは説明を
簡単にするため、干渉チェックの対象とする動作部1及
び動作部2と固定部1及び固定部2の2次元形状を、い
ずれも方形に簡略化して示している。
【0047】図4は各動作部1,2と固定部1,2のZ
−X平面(図2のZ1,Z2軸方向とX1,X2軸方向
に沿う水平面)への投影形状である平面形状を示し、Z
・Xは固定部1,2の座標系で、Oはその座標原
点である。Z・Xは動作部1の座標系で、Oはそ
の座標原点、、Z・Xは動作部2の座標系で、O
はその座標原点である。図5は各動作部1,2と固定部
1,2のZ−Y平面(図2のZ1,Z2方向とY1軸方
向に沿う垂直面)への投影形状である正面形状を示し、
・Yは固定部1,2の座標系、Z・Yは動作
部1の座標系、Z・Yは動作部2の座標系であり、
各座標系の座標原点O,O,Oは図4と変わらな
い。
【0048】この場合、図1のステップ1では予め設定
された次の各データを入力する。 (1) 固定部1,2及び可動部1,2それぞれ図4に示し
た平面形状、固定部1,2及び可動部1,2のうち必要
な部分の図5に示した正面形状、 (2) 上記各座標系の各座標原点O,O,O の相
対位置と、固定部1,2のZ・X座標系での位置、
(動作部1,2はそれぞれZ・X座標系,Z・X
座標系でNC制御される) (3) 干渉チェックの組み合せ固定部1と動作部1,
固定部2と動作部1,固定部2と動作部2,動作部
1と動作部2
【0049】図1のステップ3では予め設定された次の
データを入力する。 (4) 2次元干渉チェック:,,の各組み合せ3次
元干渉チェック:の組み合せこの例では、図4に示し
た平面形状での干渉チェックによって2次元での干渉を
チェックし、図5に示した正面形状での干渉チェックと
の組み合せ(AND条件:上記いずれにおいても干渉す
ると判断された組み合せを干渉ありとする)により、3
次元での干渉をチェックすることができる。
【0050】干渉チェックの対象物(構造物及び刃物
台)は、実際には複雑な形状をなすものが多いが、簡略
化することにより干渉チェック時の演算速度を上げるこ
とができる。例えば、図6の(a)に示すように直方体
部と径の異なる2段の円柱部からなる物体の3次元形状
を、同図の(b)に示すように大きさの異なる3個の直方
体の集合として定義する。このような簡略化方法として
は、複雑な形状を円柱の集合として定義したり、三角柱
の集合として定義することもできる。そして、この立体
(干渉物)個々の大きさと位置を、その立体が置かれて
いる前述した座標系で定義する。
【0051】また、図7に示すように、干渉物3をその
干渉物3の原点に移動し、その時の座標系(X・Y・
Z)の原点Oからの距離を3次元で定義する。すなわ
ち、前述したようにその干渉物3の形状を互いに直交す
るX−Z平面とX−Y平面にそれぞれ投影して、その各
軸方向の最小座標値と最大座標値を定義し、そのAND
条件で立体の大きさを定義することができる。したがっ
て、図7に示した各軸X,Y,Z上でこの干渉物(立
体)3の各2点を定義することにより、立体の大きさ及
び距離を定義することができる。
【0052】複数の座標系を持つ場合、図8に示すよう
に、動作部1はZ・X座標系内で移動し、動作部2
はZ・X座標系内で移動する場合、その各座標系の
原点Oと原点O の相互間の距離を、X軸とZ
軸を延長した交点Oを原点として、AとFをパラメータ
として定義する。この値は設計値である。そして、各座
標系内における干渉物である動作部1の原点P,動作
部2の原点Pの各座標原O,Oとの距離D,G及
びB,Iをそれぞれパラメータとして定義する。
【0053】動作部1の大きさは、距離E,Hによっ
て、動作部2の大きさは距離C,Jによってそれぞれ定
義する。この動作部1と2の相対距離は、これらの座標
の演算結果として1次元毎に計算され、その3軸を利用
したものが3次元における相対距離である。例えば図8
の例において、動作部1と2のZ 軸方向の1次元相
対距離は、 (A+B)−(D+E) となる。X軸方向の1次元相対距離は、次のようにな
る。 (F+G)−(I+J)
【0054】次に、3次元の干渉チェック検出手段につ
いて説明する。対象物の相対距離が停止可能距離以下に
なるか否かを干渉する前に判定する、2次元における干
渉検出手段である。具体的には、干渉チェックの対象と
する動作部が固定部又は他の動作部と干渉する位置から
一定距離手前で停止するために必要な制動距離を1また
は複数の動作部の現在位置,動作方向,動作速度及び加
速度,ブレーキ性能からNC旋盤の動作中常に計算して
求める。
【0055】さらに、1または複数の動作部の2次元形
状と該動作部と干渉する可能性のある固定部の2次元形
状と、NC装置に設定されている上記動作部の座標原点
及び固定部の相対位置関係と、上記1または複数の動作
部の現在位置,動作方向,動作速度及び加速度から、設
定されている各組み合せについて、干渉するまでの動作
距離である干渉予測距離を計算して求める。そして、算
出した制動距離が干渉予測距離と等しくなった時あるい
は干渉予測距離より大になった時に、その組み合せが干
渉すると判定する。
【0056】図9はこのような干渉検出を行なうための
装置の機能ブロック図であり、4,5,6はそれぞれX
軸,Y軸,Z軸上での干渉チェック対象物の相対距離計
算部である。そのX軸相対距離計算部4とY軸相対距離
計算部5の各計算値から2次元干渉検出演算部7が上記
制動距離と干渉予測距離を計算し、その制動距離が干渉
予測距離と等しくなった時あるいは干渉予測距離より大
になった時に、そのチェックした対象物の組み合せに対
するX−Y平面内での干渉検知信号を出力する。
【0057】同様に、X軸相対距離計算部4とZ軸相対
距離計算部6の各計算値から2次元干渉検出演算部8が
上記制動距離と干渉予測距離を計算し、その制動距離が
干渉予測距離と等しくなった時あるいは干渉予測距離よ
り大になった時に、そのチェックした対象物の組み合せ
に対するX−Z平面内での干渉検知信号を出力する。そ
して、3次元干渉検出部9が、2次元干渉検出演算部7
と8の出力のANDをとって、両方とも干渉検知信号を
出力したときに3次元干渉検出信号を出力する。
【0058】したがって、図10の(a)(b)に示す
ように、対象物AとBがX−Z平面内では干渉すること
が検出されても、X−Y平面内では干渉しない場合に
は、3次元干渉検出部9は3次元干渉検出信号を出力し
ない。そして、図11の(a)(b)に示すように、対
象物AとBがX−Z平面内でもX−Y平面内でも干渉す
ることが検出されると、3次元干渉検出部9が3次元干
渉検出信号を出力する。
【0059】なお、図9における2次元干渉検出演算部
7,8が、制動距離に代えて動作部が固定部又は他の動
作部と干渉する位置から一定距離手前で停止するために
必要な時間である制動時間と、何秒後に干渉するかを予
測する干渉予測時間とを計算して、その制動時間が干渉
予測時間と等しくなった時あるいは干渉予測時間より大
になった時に、その対象物の組み合せに対するX−Y平
面内あるいはX−Z平面内での干渉検知信号を出力する
ようにしてもよい。
【0060】図12は3次元干渉検出装置の他の例を示
す機能ブロック図である。この例では、各軸の相対距離
計算部4,5,6によって計算された各相対距離から、
ベクトル量計算部27が3次元のベクトル量を計算し、
そのベクトル量を3次元における相対距離と定義し、そ
のベクトル量が設定値以下になった時に、3次元干渉検
出部28が3次元干渉検出信号を出力する。いずれにし
ても、実際にはこれらの干渉検出機能は、前述した図3
のシステム制御部40がそのCPUのソフト的処理によ
って実現できる。
【0061】3個以上の干渉チェック対象物がある場合
は、それら相互の組み合せについて干渉チェックを行な
う必要があるため、4個の対象物があると6とおりの組
み合せに対する干渉チェックが必要になる。また、NC
装置の動作中に、干渉チェックの計算時間がリアルタイ
ムのチェックができない長さになった場合に、計算オー
バと判定するようにするとよい。
【0062】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
る干渉チェック方法を用いれば、移動刃物台やそれに取
り付けられた工具等の動作部と、固定刃物台やそれに取
り付けられた工具等の固定部及び動作部同士の干渉、又
はそれらの動作部と固定部又は動作部同士の干渉を、過
不足なく効率よく検出できるので、NC旋盤の安全性を
高めると共に、稼働効率を高めて加工時間を短縮するこ
とができる。無駄な干渉回避動作がなくなるので、NC
旋盤の小型化を図ることもできる。また、これまで使え
なかったような形状の刃物台等も使用できるようになる
ので設計の自由度が増し、より効率のよいNC旋盤を実
現することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による干渉チェック方法の基本的実施
例の動作フロー図である。
【図2】この発明による干渉チェック方法を実施するN
C旋盤の一例を示す要部外観斜視図である。
【図3】図1に示したNC旋盤の制御ユニットであるN
C装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】干渉チェックの対象とする各動作部と固定部の
形状をその各座標系と共に示す平面配置図である。
【図5】干渉チェックの対象とする各動作部と固定部の
形状をその各座標系と共に示す正面配置図である。
【図6】干渉チェックの対象物の形状簡略化の一例を示
す斜視図である。
【図7】干渉チェックの対象物の3次元座標系内での位
置及び大きさの定義方法の説明図である。
【図8】干渉チェックの対象物である複数の動作部が異
なる座標系内で移動する場合の相対距離の定義方法の説
明図である。
【図9】3次元干渉検出装置の一例を示す機能ブロック
図である。
【図10】3次元の干渉検出とならない場合の例を示す
説明図である。
【図11】3次元の干渉検出となる場合の例を示す説明
図である。
【図12】3次元干渉検出装置の他の例を示す機能ブロ
ック図である。
【符号の説明】 4,5,6:各軸の相対距離計算部 7,8:2次元干渉検出演算部 9:3次元干渉検出部 10:ベッド 11:刃物台ベース 12:ガイドブッシュ 13:XYテーブル 14:刃物台 15:バイト 16:回転工具 17:背面刃物台 18:背面加工用の工具 20:背面主軸台 21:背面主軸のチャック 22:対向刃物台 23:相対回転工具 27:ベクトル量計算部 28:3次元干渉検出部 30:駆動部 40:システム制御部 44:操作盤 45:入出力制御部 46:システム制御用プログラムメモリ(ROM) 48:加工プログラム格納部 50:RAM 52:加工動作制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 19/18 - 19/46 B23Q 15/00 - 15/28

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NC旋盤において、NC装置に2次元で
    の干渉チェック及び3次元での干渉チェックをする動作
    部と固定部及び動作部と動作部の組み合せ又は動作部と
    固定部又は動作部と動作部の組み合せ、および前記各動
    作部の座標原点及び前記各固定部の相対位置関係を予め
    設定する工程と、 NC旋盤の動作中に、1または複数の動作部の2次元形
    状と、該動作部と干渉する可能性のある固定部の2次元
    形状と、前記NC装置に設定されている前記各動作部の
    座標原点及び前記各固定部の相対位置関係と、前記各動
    作部の現在位置とから、前記各組み合せについて2次元
    平面内での各相対位置を計算して2次元での干渉チェッ
    クを行なう工程と、 前記2次元での干渉チェックにおいて干渉すると判定さ
    れた動作部と固定部及び動作部と動作部の組み合せ又は
    動作部と固定部又は動作部と動作部の組み合せのうち、
    前記NC装置に設定されている3次元での干渉チェック
    をする組み合せについて、NC旋盤の動作中に、1また
    は複数の動作部の3次元形状と、該動作部と干渉する可
    能性のある固定部の3次元形状と、前記NC装置に設定
    されている前記動作部の座標原点及び前記固定部の相対
    位置関係と、前記各動作部の現在位置とから、3次元空
    間内での各相対位置を計算して3次元での干渉チェック
    を行なう工程と、 前記2次元での干渉チェックにおいて干渉すると判定さ
    れた動作部と固定部及び動作部と動作部の組み合せ又は
    動作部と固定部又は動作部と動作部の組み合せのうち前
    記NC装置に2次元での干渉チェックが設定されている
    組み合せと、前記3次元での干渉チェックにより干渉す
    ると判定された動作部と固定部及び動作部と動作部の組
    み合せ又は動作部と固定部又は動作部と動作部の組み合
    とを、干渉する組み合せと判定する工程とを有するこ
    とを特徴とするNC旋盤における干渉チェック方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のNC旋盤における干渉チ
    ェック方法であって、前記NC装置に予め設定された2
    次元での干渉チェックを行なう動作部と固定部及び動作
    部と動作部の組み合せ又は動作部と固定部又は動作部と
    動作部の組み合せと、3次元での干渉チェックを行なう
    動作部と固定部及び動作部と動作部の組み合せ又は動作
    部と固定部又は動作部と動作部の組み合せの区分を変更
    する工程を有することを特徴とするNC旋盤における干
    渉チェック方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のNC旋盤における干渉チ
    ェック方法であって、 前記2次元での干渉チェックを行なう工程が、 NC装置に2次元での干渉チェック及び3次元での干渉
    チェックをすると設定されている動作部と固定部及び
    作部と動作部の各組み合せ又は動作部と固定部又は動作
    部と動作部の組み合せについて、その動作部が固定部又
    は他の動作部と干渉する位置から一定距離手前で停止す
    るために必要な時間である制動時間を1または複数の動
    作部の現在位置,動作方向,動作速度及び加速度からN
    C旋盤の動作中に計算して求める工程と、 前記1または複数の動作部の2次元形状と該動作部と干
    渉する可能性のある固定部の2次元形状と、前記NC装
    置に設定されている前記動作部の座標原点及び前記固定
    部の相対位置関係と、前記1または複数の動作部の現在
    位置,動作方向,動作速度及び加速度から、前記設定さ
    れている各組み合せについて、何秒後に干渉するかを予
    測する干渉予測時間を計算して求める工程と、 前記制動時間が前記干渉予測時間と等しくなった時ある
    いは該干渉予測時間より大になった時に、その組み合せ
    が干渉すると判定する工程と からなり、 前記3次元での干渉チェックを行なう工程が、 前記2次元での干渉チェックにおいて干渉すると判定さ
    れた動作部と固定部及び動作部と動作部の組み合せ又は
    動作部と固定部又は動作部と動作部の組み合せのうち、
    前記NC装置に3次元での干渉チェックをすると設定さ
    れている動作部と固定部及び動作部と動作部の各組み合
    又は動作部と固定部又は動作部と動作部の組み合せ
    ついて、その動作部が固定部又は他の動作部と干渉する
    位置から一定距離手前で停止するために必要な時間であ
    る制動時間を1または複数の動作部の現在位置,動作方
    向,動作速度及び加速度からNC旋盤の動作中に計算し
    て求める工程と、 前記1または複数の動作部の3次元形状と該動作部と干
    渉する可能性のある固定部の3次元形状と、前記NC装
    置に設定されている前記動作部の座標原点及び前記固定
    部の相対位置関係と、前記1または複数の動作部の現在
    位置,動作方向,動作速度及び加速度から、何秒後に干
    渉するかを予測する干渉予測時間を計算して求める工程
    と、 前記制動時間が前記干渉予測時間と等しくなった時ある
    いは該干渉予測時間より大になった時に、その組み合せ
    が干渉すると判定する工程とからなることを特徴とする
    NC旋盤における干渉チェック方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のNC旋盤における干渉チ
    ェック方法であって、 前記2次元での干渉チェックを行なう工程が、 NC装置に2次元での干渉チェック及び3次元での干渉
    チェックをすると設定されている動作部と固定部及び
    作部と動作部の各組み合せ又は動作部と固定部又は動作
    部と動作部の組み合せについて、その動作部が固定部又
    は他の動作部と干渉する位置から一定距離手前で停止す
    るために必要な制動距離を1または複数の動作部の現在
    位置,動作方向,動作速度及び加速度からNC旋盤の動
    作中に計算して求める工程と、 前記1または複数の動作部の2次元形状と該動作部と干
    渉する可能性のある固定部の2次元形状と、前記NC装
    置に設定されている前記動作部の座標原点及び前記固定
    部の相対位置関係と、前記1または複数の動作部の現在
    位置,動作方向,動作速度及び加速度から、前記設定さ
    れている各組み合せについて、干渉するまでの動作距離
    である干渉予測距離を計算して求める工程と、 前記制動距離が前記干渉予測距離と等しくなった時ある
    いは該干渉予測距離より大になった時に、その組み合せ
    が干渉すると判定する工程と からなり、 前記3次元での干渉チェックを行なう工程が、 前記2次元での干渉チェックにおいて干渉すると判定さ
    れた動作部と固定部及び又は動作部と動作部の組み合せ
    のうち、前記NC装置に3次元での干渉チェックをする
    と設定されている動作部と固定部及び動作部と動作部の
    各組み合せ又は動作部と固定部又は動作部と動作部の組
    み合せについて、その動作部が固定部又は他の動作部と
    干渉する位置から一定距離手前で停止するために必要な
    制動距離を1または複数の動作部の現在位置,動作方
    向,動作速度及び加速度からNC旋盤の動作中に計算し
    て求める工程と、 前記1または複数の動作部の3次元形状と該動作部と干
    渉する可能性のある固定部の3次元形状と、前記NC装
    置に設定されている前記動作部の座標原点及び前記固定
    部の相対位置関係と、前記1または複数の動作部の現在
    位置,動作方向,動作速度及び加速度から、干渉するま
    での動作距離である干渉予測距離を計算して求める工程
    と、 前記制動距離が前記干渉予測距離と等しくなった時ある
    いは該干渉予測距離より大になった時に、その組み合せ
    が干渉すると判定する工程とからなることを特徴とする
    NC旋盤における干渉チェック方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
    NC旋盤における干渉チェック方法であって、NC旋盤
    の動作中の干渉チェックの計算時間がリアルタイムのチ
    ェックが出来ない長さになった場合に計算時間オーバを
    判定することを特徴とするNC旋盤における干渉チェッ
    ク方法。
  6. 【請求項6】 前記NC装置に、前記動作部又は固定部
    の2次元及び3次元形状又は2次元又は3次元形状を簡
    易化して記憶することを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれか一項に記載のNC旋盤における干渉チェック方
    法。
  7. 【請求項7】 機械座標系による絶対座標により1また
    は複数の動作部のそれぞれの座標原点とその動作部と干
    渉する可能性のある固定部の位置を、前記NC装置の相
    対位置関係収納部に記憶することを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれか一項に記載のNC旋盤の干渉チェック
    方法。
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