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JP3458419B2 - 低級オレフィンの二量化法およびそれを用いたアルコールの製造方法 - Google Patents

低級オレフィンの二量化法およびそれを用いたアルコールの製造方法

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JP3458419B2
JP3458419B2 JP24713593A JP24713593A JP3458419B2 JP 3458419 B2 JP3458419 B2 JP 3458419B2 JP 24713593 A JP24713593 A JP 24713593A JP 24713593 A JP24713593 A JP 24713593A JP 3458419 B2 JP3458419 B2 JP 3458419B2
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dimerization
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啓一 佐藤
裕二 河原木
泰子 東野
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Mitsubishi Chemical Corp
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2/00Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing a smaller number of carbon atoms
    • C07C2/02Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing a smaller number of carbon atoms by addition between unsaturated hydrocarbons
    • C07C2/04Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing a smaller number of carbon atoms by addition between unsaturated hydrocarbons by oligomerisation of well-defined unsaturated hydrocarbons without ring formation
    • C07C2/06Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing a smaller number of carbon atoms by addition between unsaturated hydrocarbons by oligomerisation of well-defined unsaturated hydrocarbons without ring formation of alkenes, i.e. acyclic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C07C2/08Catalytic processes
    • C07C2/26Catalytic processes with hydrides or organic compounds
    • C07C2/30Catalytic processes with hydrides or organic compounds containing metal-to-carbon bond; Metal hydrides

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  • Organic Chemistry (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエチレン、プロピレン、
ブテン等の低級オレフィンを特定の触媒を用いて二量化
する方法、並びに該二量化の生成物を用いるアルコール
の製造方法に関する。本発明の二量化法によって製造さ
れるオレフィンの二量化生成物は、これを例えばRh触
媒等の第VIII族金属系触媒の存在下に一酸化炭素および
水素と反応させてヒドロホルミル化し、得られたアルデ
ヒドを更に水素化することによってアルコールとするこ
とができる。該アルコールをフタル酸等のカルボン酸に
よりエステル化したものは合成樹脂の可塑剤として使用
できるので産業上有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】エチレン、プロピレン、ブテン等の低級
モノオレフィンを均一二量化反応させる触媒系について
はこれまで盛んに研究が行なわれている。触媒としては
遷移金属を中心触媒成分とするチーグラー型触媒が通
常、低級モノオレフィンの二量体選択性の面で優れてお
り、中でもニッケル化合物と有機アルミニウムハロゲン
化物との混合物から得られる触媒を使用した場合は、二
量化活性及び選択性共に良好な結果が得られている。
【0003】また、上記した触媒成分と共に第3の添加
剤として有機リン化合物を併用した触媒系に関しても多
くの研究がなされており、これら添加剤が触媒活性、生
成物選択性に対して影響を及ぼすことも知られている。
これら有機リン化合物を併用した触媒系として、例え
ば、特公昭46−34007号では、π−アリル型ニ
ッケル錯体と有機アルミニウムハロゲン化物及び有機ホ
スフィンから成る触媒系を開示している。また、特公
昭48−30241号ならびに特公昭50−30041
号では各々、(R4 P)+ (R3 PNiX3 - (Rは
ヒドロカルビル基又は水素、Xは塩素、臭素又はヨウ素
を表わす)、NiX′2 (PR′3 2 (X′は、塩
素、臭素又はヨウ素、R′は、アルキル基を示す)で表
わされるニッケルの有機ホスフィン錯体から成る触媒系
を開示している。更に、特公昭57−169433号
ではニッケル化合物、アルキルアルミニウムおよび3価
のリン化合物に第4の添加剤としてハロゲン化フェノー
ルと水を添加した触媒系を開示している。そして、この
場合の3価のリン化合物としては上記したような有機ホ
スフィンの他に3価の有機ホスファイト化合物、例え
ば、トリエチルホスファイト、トリ−n−オクチルホス
ファイト、トリフェニルホスファイト等の使用を開示し
ている。
【0004】また、ナフサの熱分解または重質油の接触
分解によって多量に得られる炭素数4の留分から抽出分
離して得られるn−ブテン類の二量化についても、改良
されたオクテン収率を与える方法として、特公平3−
42249号には、5〜20個の炭素原子を有する高級
モノ−またはジ−カルボン酸のニッケル塩および有機ホ
スフィンとハロゲン化ニッケルとの配位錯体からなる群
から選ばれるニッケル化合物と有機アルミニウム化合物
および水素から成る触媒系が開示されている。
【0005】一方、上記した低級オレフィンの二量化法
で得られる生成オレフィン、例えばオクテン類をヒドロ
ホルミル化反応及び水素化反応に供することにより得ら
れる炭素数9のアルコール(以下、「INA」という)
が塩化ビニル系樹脂の可塑剤の原料として好適に使用さ
れることも既に知られている(米国特許第789777
号、特公昭61−15849号等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、二量化反
応に用いる配位子として種々の有機リン化合物が提案さ
れているが、これらは工業的実施のためには必ずしも満
足しうるものではない。というのは、上記記載の触媒
系は空気に対して極めて不安定であるために取り扱い方
法が困難である、また触媒の合成が複雑であるという欠
点を有するからである。また、上記記載の触媒系につ
いても複雑なニッケル錯体を別途合成する必要があるた
めに工業的実施には困難を伴なう。
【0007】また、反応原料がプロピレンまたはブテン
類の場合の二量化反応生成物は、直鎖状化合物ならびに
種々の分岐状化合物の混合物として得られるのが一般的
である。これら生成物を例えば前述した可塑剤用アルコ
ールの用途に用いる場合には、一般式的分岐度が低いほ
うがアルコールの合成手段として有用なヒドロホルミル
化反応の反応速度は速く、かつ得られるアルコールの分
岐度も低い。分岐度の低いアルコールの方が耐熱性や低
温柔軟温度等の可塑剤用アルコールとして要求される性
能が優れているなどの利点があるため、このような分岐
度の低い二量化オレフィンを選択的に製造できる方法の
出現が現在なお望まれている。この点で上記及び記
載の触媒系では二量化活性は高いものの、生成物中に分
岐を2つ有するオレフィンの割合が高いために上述した
分野への利用にはあまり適切ではない。
【0008】このように、低級オレフィンの二量化反応
触媒として種々の有機リン化合物を助触媒とした触媒系
が提案されているが、触媒の安定性、合成方法、触媒効
率さらには生成物選択性の面から工業的実施のためには
必ずしも満足しうるものではなく、今だなお問題があ
る。本発明方法は、上記低級オレフィンの二量化生成物
の工業的利用価値の大きい可塑剤用アルコールへの適用
を目的の1つとしている。
【0009】従って、触媒効率及び目的生成物選択性に
優れた二量化反応触媒系の開発、および得られた二量化
生成物を用いて分岐度の少ない、特に可塑剤用として優
れたアルコールを製造する方法を開発することが本発明
の解決すべき課題である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
低級オレフィンの二量化法ならびに得られた二量化生成
物を用いたアルコールの製造における課題を解決すべく
鋭意検討を重ねた結果、(i)特定の二量化触媒が二量
化生成物選択性を高めつつ、極めて高活性に反応を進行
させ得ることを見い出し、更に(ii)該二量化生成物を
用いて可塑剤用アルコールを製造した場合に、可塑剤性
能、特に耐熱性や低温柔軟温度が改善されることを見い
出して本発明を完成した。即ち、本発明は、低級オレフ
ィンを触媒の存在下に二量化するにあたり、ニッケル化
合物、有機アルミニウム化合物および一般式(I):
【0011】
【化2】
【0012】(式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 は置換
基を有していてもよいフェニル基を表わし、互いに異な
っていてもよく、R1 ,R2 ,R3 及びR4 のうち少な
くとも2つはオルト位に置換基として炭化水素基を有し
ており、Aは2価の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素
基又は芳香族炭化水素基を表わし、夫々置換基を有して
いてもよく、nは0又は1である)で表わされるホスフ
ァイト化合物を含有する触媒を使用することを特徴とす
る低級オレフィンの二量化法、並びに該低級オレフィン
の二量化法で得られる生成オレフィンをヒドロホルミル
化反応および水素化反応に供することを特徴とするアル
コールの製造方法、を要旨とするものである。
【0013】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の二量化方法で使用される低級オレフィンとして
は、エチレン、プロピレン、ブテン類、ペンテン類等そ
れぞれの単品の他にこれらの混合物も含まれるが、可塑
剤用アルコールへの適用を考慮した場合、プロピレン、
ブテン類、ペンテン類の単品及びこれらの混合物、特に
ブテン類が好ましい。
【0014】ブテン類としては、ナフサ等の炭化水素油
の熱分解によって得られるC4 留分(BB留分)からブ
タジエンおよびイソブテンを分離した後のn−ブテン含
有率の高いブテン留分などが好適に使用出来る。また、
重質油等の炭化水素油の接触分解(FCCなど)によっ
て得られるBB留分は主にブテン及びブタンの混合物で
あり、これからイソブテンを蒸留分離した後のn−ブテ
ン含有率の高いブテン留分なども好適に使用出来る。
【0015】これらブテン類の二量化反応においては、
本発明で用いられる特定の触媒系を使用することによっ
て、低分岐度のオクテンを高活性で製造することが出来
る。ここで分岐度とは主鎖の炭化水素に分岐したメチル
基、エチル基等の数を表し、例えば、n−オクテン、3
−メチルヘプテンおよび3,4−ジメチルヘキセンの分
岐度は夫々0、1および2であり、オクテンの混合物の
平均分岐度とはこれらの平均値である。例えば、3−メ
チルヘプテンと3,4−ジメチルヘキセンとが等量含ま
れている混合オクテンの場合の平均分岐度は1.5であ
る。
【0016】本発明で用いられる二量化反応触媒は、
(i)ニッケル化合物、(ii)有機アルミニウム化合
物、及び(iii) 一般式(I):
【0017】
【化3】
【0018】(式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 は置換
基を有していてもよいフェニル基を表し、互いに異なっ
ていてもよく、R1 ,R2 ,R3 及びR4 のうち少なく
とも2つはオルト位に置換基として炭化水素基を有して
おり、Aは2価の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基
又は芳香族炭化水素基を表し、夫々置換基を有していて
もよく、nは0又は1である)で表わされるホスファイ
ト化合物から成る触媒系である。
【0019】本触媒系で用いられるニッケル化合物は特
に限定されず、公知の化合物が使用される。例えば、ギ
酸ニッケル、酢酸ニッケル、オクタン酸ニッケル、ドデ
カン酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、オレイン酸ニッ
ケル、安息香酸ニッケルなどのニッケルのカルボン酸
塩、ビス・アセチルアセトナート・ニッケル、ビス・シ
クロオクタジエン・ニッケルなどのニッケルの錯化合
物、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、硝
酸ニッケル、硫酸ニッケルなどのニッケルの無機酸塩等
入手の容易なニッケル化合物が挙げられるが、これらニ
ッケル化合物の中では炭素数1〜18のニッケルカルボ
ン酸塩およびビス・アセチルアセトナート・ニッケル錯
化合物が好適に用いられる。
【0020】また、有機アルミニウム化合物としては公
知の化合物が使用できる。例えば、一般式AlR3 (こ
こでRは炭素数1〜5個のアルキル基を表わす)で示さ
れるトリアルキルアルミニウム化合物、具体的にはトリ
メチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−
n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニ
ウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム等、ある
いは一般式AlR2 X、AlRX2 、Al2 3
3 (ここでRは炭素数1〜5個のアルキル基を表わし、
Xはハロゲン原子を表わす)で示されるモノハロゲノ・
ジアルキルアルミニウム、ジハロゲノ・モノアルキルア
ルミニウムあるいはセスキハロゲノ・アルキルアルミニ
ウム化合物、具体的にはジエチルアルミニウムモノクロ
リド、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニ
ウムセスキクロリド、プロピルアルミニウムジクロリ
ド、イソブチルアルミニウムジクロリド等、更には前記
したトリアルキルアルミニウムやハロゲノ・アルキルア
ルミニウムが部分的に加水分解された有機アルミノキサ
ン化合物等を挙げることができる。これら有機アルミニ
ウム化合物の中でもハロゲン化アルキルアルミニウム化
合物が好ましく、中でもエチルアルミニウムジクロリド
等のジハロゲノ・モノアルキルアルミニウム化合物がよ
り好ましい。
【0021】本発明方法では、ニッケル化合物及び有機
アルミニウム化合物から成る触媒系に前記した一般式
(I)で示される特定のホスファイト化合物を共存させ
ることにより、従来触媒系に比較して活性が上がり、分
岐度の低い二量化オレフィン混合物を得ることができ
る。触媒構成成分に上記ホスファイト化合物が無い場合
や、他のホスファイト化合物、例えば、トリアルキルホ
スファイトやオルト位に置換基を有していないトリアリ
ールホスファイト等を用いても二量化活性は低く、ま
た、得られるオレフィンの分岐度も不十分なものであ
り、これらオレフィンを原料として製造される可塑剤用
アルコールの性能も必ずしも満足できるものではない。
【0022】本発明で使用されるホスファイト化合物は
前記一般式(I)で表わされる。上記式中R1 ,R2
3 及びR4 において、オルト位に炭化水素基を有する
フェニル基における置換基の炭化水素基としては、例え
ばアルキル基、アラルキル基、アリール基及びシクロア
ルキル基等が挙げられ、中でも炭素数3〜20のアルキ
ル基が好ましく、更に炭素数3〜6のアルキル基がより
好ましく、イソプロピル基、第3級ブチル基、第3級ペ
ンチル基、第3級ヘキシル基などが例示される。オルト
位以外の置換基としては、上記したオルト位の例示置換
基の他にメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル等のアルコキシ
カルボニル基等が挙げられるが、中でも炭素数1〜6の
アルキル基が好適に用いられる。
【0023】R1 ,R2 ,R3 及びR4 における置換基
であるオルト位の炭化水素基の数は、(i)n=0の場
合、即ち、単座ホスファイト化合物では、置換基の種類
にもよるが、安定性及び合成上の工業的なメリットから
3つがより好ましく、また、(ii)n=1の場合、即
ち、二座ホスファイト化合物では、置換基の種類にもよ
るが、安定性、合成上の工業的メリットから4つが好ま
しい。
【0024】また、前記一般式(I)中でn=1の場
合、基Aは、通常、2価の炭素数2〜6の脂肪族炭化水
素基(好ましくはエチレン基、プロピレン基、ブチレン
基)、炭素数4〜12の脂環族炭化水素基(好ましくは
シクロヘキシレン基)、又は炭素数6〜12の芳香族炭
化水素基(好ましくはフェニレン基、ビフェニレン基、
ナフチレン基)を表し、炭素数1〜10のアルキル基、
炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、シクロヘキ
シル基等の置換基(好ましくはアルキル基さらに好まし
くは炭素数1〜6のアルキル基)を有していてもよい。
【0025】更に、基Aは−R−または−R−B−R−
で表わされる(ここでRは上記した2価の脂肪族炭化水
素基、2価の脂環族炭化水素基又は2価の芳香族炭化水
素基と同義であり、各基は炭素数1〜10のアルキル
基、1〜5のアルコキシ基、フェニル基、シクロヘキシ
ル基等の置換基(好ましくはアルキル基さらに好ましく
は炭素数1〜6のアルキル基)を有していても良い。ま
た、Bは−CR5 6 −、−S−及び−O−から成る群
から選ばれる基を表し、基R5 及びR6 は水素原子、炭
素数1〜5のアルキル基から選ばれる基を表す)。
【0026】具体的には、−(CH2 n −(n=2〜
6)、−CH2 CH(CH3 )−、−CH2 −C(CH
3 2 CH2 −等のアルキレン基、1,2−シクロブチ
レン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,4−シクロ
ヘキシレン基、1,2−フェニレン基、1,4−フェニ
レン基、2,3−ナフチレン基、1,8−ナフチレン
基、2,2′−ビフェニレン基、2,2′−メチレンビ
スフェニレン基、4,4′−メチレンビスフェニレン
基、4,4′−チオビスフェニレン基、1,2−シクロ
ヘキサンジメチレン基等の基が挙げられるがこれらに限
定されるものではない。
【0027】一般式(I)で表わされるホスファイト化
合物が、二量化触媒の構造あるいは反応性に対してどの
ように効いているのかについての詳細は不明であるが、
1,R2 ,R3 及びR4 のうち少なくとも2つはオル
ト位に置換基を有することによって、ルイス酸としての
有機アルミニウム化合物との望ましくない反応が防止さ
れ、結果として安定かつ活性な触媒構造が保持されてい
るものと考えられる。
【0028】前記の一般式(I)で表わされるホスファ
イト化合物の調製法については、特に制限はないが、例
えば、一般式(I)でn=0の場合にはR1 ,R2 及び
3に対応するフェノール化合物と三塩化リンとをトル
エンのような溶媒中でアミン化合物の存在下に反応させ
ることで容易に製造することができる(R1 ,R2 及び
3 は一般式(I)におけるのと同義)。
【0029】また、一般式(I)でn=1の場合にはR
1 ,R2 ,R3 及びR4 に対応するフェノール化合物と
三塩化リンとを反応させることで、中間体ClP(OR
1 )(OR2 )又はClP(OR3 )(OR4
(R1 ,R2 ,R3 及びR4 は一般式(I)におけるの
と同義)を各々生成させ、この中間体を一般式A(O
H)2(式中、Aは前記一般式(I)におけるのと同
義)で表わされる化合物と反応させて対応するホスファ
イト化合物にすることにより容易に製造することができ
る。
【0030】上記したR1 ,R2 ,R3 及びR4 に対応
するフェノール化合物の中で、オルト位に炭化水素基を
有するフェノール化合物としては、例えば、2−t−ブ
チルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、
2−イソプロピルフェノール、2−t−アミルフェノー
ル、2−t−ヘキシルフェノール、2,4−ジ−t−ア
ミルフェノール、6−t−ブチル−2,4−キシレノー
ル、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−
t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニル、2−t−ブチ
ル−p−クレゾール等が挙げられる。
【0031】また、上記した一般式A(OH)2 で表わ
される化合物としては、例えば、2,5−ジ−t−ブチ
ルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノ
ン、2,5−ジメチルヒドロキノン、ビスフェノール
A、4,4′−メチレンビス(2−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビ
ス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,
2′−ビフェニルジオール、2,2′−ジヒドロキシジ
フェニルメタン、2,2′−メチレンビス(4−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、2,3−ジヒドロキシ
ナフタレン、エチレングリコール、1,3−プロパンジ
オール、1,4−ブタンジオール、cis−1,2−シ
クロヘキサンジオール、cis−1,2−シクロヘキサ
ンジメタノール等が挙げられる。
【0032】本発明において用いられる前記一般式
(I)で表わされるホスファイト化合物の代表例を次に
示す。
【0033】
【化4】
【0034】
【化5】
【0035】
【化6】
【0036】
【化7】
【0037】ここで上記各構造式中の置換基を表わす記
号は、
【0038】
【化8】
【0039】を夫々表わす。本発明方法では、反応系中
に水素を共存させることにより、触媒活性を更に向上さ
せることができる。その機構については明らかではない
が、反応系中の不純物除去(例えば、共役ジエン等の反
応阻害物質)、触媒活性種の生成促進、触媒安定性の寄
与等種々推定され、いずれにせよ水素を共存させること
で明らかに二量化反応活性は増大する。その使用量は特
に限定されるものではなく触媒活性に好ましい結果をも
たらす量を用いればよく、通常水素分圧として0.01
〜50kg/cm2 、好ましくは0.1〜20kg/c
2 である。
【0040】本発明で実施される低級オレフィンの二量
化反応では、前記したニッケル化合物、一般式(I)で
表わされるホスファイト化合物、有機アルミニウム化合
物の各触媒成分をどのような順序で混合してもよいが、
ニッケル化合物と一般式(I)で表わされるホスファイ
ト化合物とを混合してから用いるか、これらの錯体とし
て用いるのが好ましく、また、これらNi−P化合物と
有機アルミニウム化合物とを低級オレフィン、例えばブ
テン類存在下で同時接触させることが、高活性で低分岐
度の二量化オレフィン、例えばオクテン類を得るために
好ましい。
【0041】また本発明方法では反応溶媒の使用は必須
ではないが、反応に対して不活性な溶媒、例えばベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ドデシルベンゼン等の芳香族
炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂
肪族炭化水素およびクロルベンゼン等のハロゲン化芳香
族炭化水素等を存在させて用いることができる。二量化
反応での液相におけるニッケル成分の濃度は、通常10
-2〜102 mmol/lである。各触媒成分間のモル比
は二量化活性及び生成物分布に対して影響を与えるが、
本発明における触媒中のニッケル化合物に対する有機ア
ルミニウム化合物のモル比は、通常、2〜100の範囲
であり、好ましくは5〜50である。また、上記した一
般式(I)で表わされるホスファイト化合物対ニッケル
化合物のモル比は0.1〜20、好ましくは1.0〜5
である。
【0042】溶媒中のニッケル化合物に対する有機アル
ミニウム化合物のモル比が低すぎると、二量化反応中に
微量存在する酸素や水分等と反応して触媒活性が急激に
低下する。また必要以上に高い条件で行っても二量化活
性の大幅な向上はなく、また経済的にも有利でない。ま
た、上記特定のリン化合物対ニッケル化合物のモル比が
低すぎると、二量化活性は低下し、生成オレフィンの分
岐度が高くなる。逆に、高すぎると、有機アルミニウム
化合物の存在量にもよるが、二量化活性は低下し、また
経済的にも有利でない。
【0043】本発明で実施される二量化反応条件として
は、反応温度は通常−10〜100℃、好ましくは0〜
80℃、更に好ましくは10〜80℃であるが、これは
プロセスの生産性や使用するニッケル化合物および有機
アルミニウム化合物の安定性等に依存して適宜設定され
る。反応圧力は触媒成分を低級オレフィン、例えば、ブ
テン類の液相中に充分存在させることが効果的であり、
2〜30kg/cm2 程度が好ましい。また、本発明の
二量化法では、反応原料中にメタン、エタン、プロパ
ン、ブタン等のパラフィン系炭化水素や窒素、アルゴ
ン、二酸化炭素等の不活性ガスを含有していても実施す
ることができる。二量化反応方式としては連続式でも回
分式でも実施することができる。
【0044】本発明の二量化法では反応条件、特に触媒
濃度、反応温度、反応時間(接触時間)の生成物選択性
に与える影響が大きい。一般的に、反応条件を高めるこ
とで反応活性は向上するが、三量化以上の反応性も増大
してくるために所望の二量化オレフィンの選択性が低下
し、特にノルマル体、モノメチル体の含有量の減少が起
こる。
【0045】次に、前述した低級オレフィン、例えばブ
テン類の二量化反応で得た生成オレフィン、例えばオク
テンを原料として生成オレフィンより炭素数が1個多い
アルコールを製造する方法について詳細に説明する。本
発明方法では、通常、先ず前記低級オレフィンの二量化
反応で得た生成オレフィンを常圧あるいは減圧下で蒸留
精製して少量含まれている高沸成分等を分離し、次い
で、蒸留精製して得られた生成オレフィン留分を一酸化
炭素および水素とヒドロホルミル化反応させて生成オレ
フィンよりも炭素数が1個多いアルデヒドを製造する。
【0046】上記ヒドロホルミル化反応は常法に従って
行われる。ヒドロホルミル化反応条件も特に臨界的なも
のではなく、従来公知のロジウム法やコバルト法のいず
れも使用出来る。ロジウム法の場合のロジウム源として
はRh(OAc)3 などの有機塩、Rh(NO3 3
RhCl3 などの無機塩あるいはRh(acac)(C
O)2 ,〔Rh(OAc)(COD)〕2 ,Rh4 (C
O)12,Rh6 (CO)16,RhH(CO)(Ph
3 P)3 ,〔Rh(OAc)(CO)2 2 ,〔RhC
l(COD)〕2 などの錯体などいずれも使用できる。
【0047】コバルト法の場合のコバルト源としては、
ラウリン酸コバルトなどの有機酸塩、Rh(NO3 3
などの無機酸塩のほか、Co2 (CO)8 ,CoH(C
O) 4 などの錯体が使用できる。反応圧力としては、通
常、常圧〜300kg/cm2 G、反応温度としては通
常、50℃〜150℃、H2 /CO比としてはモル比で
通常、1〜10、触媒濃度としては通常、0.1〜10
00ppm(Rh原子)の条件が採用される。配位子と
してはトリフェニルホスフィン、トリフェニルホスファ
イトなどの有機リン化合物やそのオキシドが上記触媒に
対するモル比で通常1〜1000で適宜用いられる。
【0048】反応溶媒は用いなくても良いが、必要に応
じて反応に不活性な溶媒、例えばベンゼン、トルエン、
キシレン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、
ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル類、ジエチルフタレート、ジ
オクチルフタレート等のエステル類などのが用いられ
る。また、ヒドロホルミル化反応により生成したアルデ
ヒド類、アルコール類を溶媒とすることもできる。また
アルデヒドの重縮合物などの高沸点副生物も用いること
ができる。反応方式は連続方式および回分方式のいずれ
でも行うことが出来る。
【0049】上記ヒドロホルミル化反応では、配位子の
影響はもちろんのこと、使用する中心金属触媒によって
生成するアルデヒドの構造が大きく異なってくる。即
ち、一般的に、ロジウム触媒ではコバルト触媒に比較し
てヒドロホルミル化活性は極めて速いものの、内部異性
化能が強いため分岐鎖状アルデヒドが生成し易い。とこ
ろが、前述した本発明で用いられるオクテン類は低分岐
度であるため、ロジウム法ヒドロホルミル化反応を実施
しても最終的に得られるアルコールは比較的低分岐度の
ものが得られ、かつヒドロホルミル化活性も増大すると
いう利点がある。
【0050】次に、得られたアルデヒドの水素化反応に
よりアルコールを製造するが、これは通常の方法で行な
うことができる。即ち、Ni,Cr,Cu等の通常の水
素化触媒により、反応圧力は通常、常圧〜150kg/
cm2 G、反応温度は通常40℃〜300℃で行われ
る。次いで通常の蒸留精製によりアルコールを得ること
ができる。
【0051】上記のようにして得られたアルコール、特
にブテン類を原料として製造される炭素数9のアルコー
ル(INA)は、無水フタル酸、アジピン酸等の酸と通
常の方法でエステル化反応させ、次いで精製することに
より可塑剤(例えばフタレート可塑剤)とすることが出
来、得られた可塑剤は優れた性能を有する。
【0052】
【実施例】以下、本発明の具体的態様を実施例により更
に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例によって限定されるものではない。
【0053】実施例1 脱気後窒素置換した内容積70mlのステンレス鋼製ミ
クロオートクレーブにオクタン酸ニッケル8.28mg
及びトリス(2−t−ブチルフェニル)ホスファイトを
ニッケル原子1モルあたり3モル(P/Ni=3)含む
m−キシレン溶液と、ジクロロエチルアルミニウム3
8.1mg(Al/Ni=12.5)含むペンタン溶液
を窒素雰囲気下で仕込んだ。次にトランス−2−ブテン
20mlを仕込み、ミクロオートクレーブを密閉し、4
0℃で5時間撹拌して反応を行った。反応終了後ミクロ
オートクレーブを室温まで冷却してから、未反応ガスを
パージした後2mlのメタノールを添加して反応を停止
させた。
【0054】反応液はガスクロマトグラフィー(カラ
ム;島津製作所(株)製CBP1キャピラリー0.25
φ×50mおよび10%SE−30/Chromoso
rb2m)分析法で生成物濃度を分析した。結果を表−
1に示す。
【0055】比較例1 実施例1においてホスファイト化合物を添加しない以外
は同様の方法でトランス−2−ブテンの二量化反応を実
施した。反応結果を表−1に示す。
【0056】比較例2及び3 実施例1においてトリス(2−t−ブチルフェニル)ホ
スファイトの代わりにそれぞれトリフェニルホスファイ
ト、トリエチルホスファイトをニッケル原子1モルあた
り3モル(P/Ni=3)使用した以外は同様の方法で
トランス−2−ブテンの二量化反応を実施した。反応結
果を表−1に示す。
【0057】実施例2〜9 実施例1においてトリス(2−t−ブチルフェニル)ホ
スファイトの代わりに表−1に示す各種ホスファイト化
合物をニッケル原子1モルあたりリン原子3モル相当
(P/Ni=3)使用した以外は同様の方法でトランス
−2−ブテンの二量化反応を実施した。反応結果を表−
1に示す。
【0058】実施例10 実施例1においてオクタン酸ニッケルの代わりにビス
(アセチルアセトナート)ニッケル3.19mg及びト
リス(2−t−ブチルフェニル)ホスファイトの代わり
にトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファ
イトをニッケル原子1モルあたり3モル(P/Ni=
3)使用した以外は同様の方法でトランス−2−ブテン
の二量化反応を実施した。反応結果を表−1に示す。
【0059】実施例11 実施例1において、トランス−2−ブテンを仕込んだ
後、水素ガスを全圧が5kg/cm2 ・Gとなるまで圧
入した以外は同様の方法でトランス−2−ブテンの二量
化反応を実施した。反応結果を表−1に示す。
【0060】比較例4 実施例11においてホスファイト化合物を添加しない以
外は同様の方法でトランス−2−ブテンの二量化反応を
実施した。反応結果を表−1に示す。
【0061】比較例5及び6 実施例11においてトリス(2−t−ブチルフェニル)
ホスファイトの代わりに夫々トリフェニルホスファイ
ト、トリエチルホスファイトをニッケル原子1モルあた
り3モル(P/Ni=3)使用した以外は同様の方法で
トランス−2−ブテンの二量化反応を実施した。反応結
果を表−1に示す。
【0062】実施例12〜19 実施例11においてトリス(2−t−ブチルフェニル)
ホスファイトの代わりに、表−1に示す各種ホスファイ
ト化合物をニッケル原子1モルあたり3モル(P/Ni
=3)使用した以外は同様の方法で、トランス−2−ブ
テンの二量化反応を実施した。反応結果を表−1に示
す。
【0063】実施例20 実施例11においてオクタン酸ニッケルの代わりにビス
(1,5−シクロオクタンジエン)ニッケル(0)3.
33mg及びトリス(2−t−ブチルフェニル)ホスフ
ァイトをニッケル原子1モルあたり3モル(P/Ni=
3)及びジクロロエチルアルミニウム19.05mg
(Al/Ni=12.5)使用し、トランス−2−ブテ
ン20mlを水素加圧下(5kg/cm2 ・G)40℃
で2時間撹拌して反応を行った以外は同様の方法でトラ
ンス−2−ブテンの二量化反応を実施した。反応結果を
表−1に示す。
【0064】実施例21及び比較例7 実施例20においてトリス(2−t−ブチルフェニル)
ホスファイトの代わりに表−1に示すホスファイト化合
物をニッケル原子1モルあたり3モル(P/Ni=3)
使用した以外は同様の方法でトランス−2−ブテンの二
量化反応を実施した。反応結果を表−1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】実施例22 (1)オクテン類の合成 モレキュラシーブ13Xにより充分脱水したトランス−
2−ブテン1.71kgおよびエチルアルミニウムジク
ロリド(25.45mmol)/n−ヘプタン溶液を内
容積5リットルのSUS製誘導撹拌型オートクレーブに
窒素雰囲気下に仕込んだ。次にオートクレーブを撹拌さ
せた状態で、予めオートクレーブに接続してある触媒容
器に仕込んであったオクタン酸ニッケル(2.05mm
ol)のキシレン溶液及びトリス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスファイト(6.15mmol)のキ
シレン溶液を水素加圧下でオートクレーブに圧入するこ
とで反応を開始させ、45℃、全圧7.5kg/cm2
Gで3時間反応させた。反応後、10%硫酸水溶液で処
理して触媒を不活性化した後、有機相を分離した。この
有機相の一部を5%Pd/C触媒を用いて水添処理した
後、ガスクロマトグラフィーで生成オクテン類の骨格構
造を分析した結果を以下に示す。n−オクテン 7%、
3−メチルヘプテン 80%、3,4−ジメチルヘキセ
ン13%、平均分岐度=1.06
【0072】(2)蒸留によるオクテン留分の収得 上記(1)で得られた二量化反応液を、内径30mm×
5段のオールダーショウ型蒸留器にて常圧で精留し、軽
沸溶媒および高沸生成物及び触媒成分を分離することで
塔頂温度〜127℃までのオクテン留分を収得した。
【0073】(3)アルコールの合成 内容積1リットルのSUS製誘導撹拌型オートクレーブ
に窒素雰囲気下で、上記(2)で得たオクテン留分60
0ml及びCo2 (CO)8 3.50gを加え、H2
/CO=1のオキソガスで全圧150kg/cm2 Gに
保持し、130℃で反応させた。8時間後にガスの吸収
が無くなったので、反応器を室温まで冷却し、3%Na
OH水溶液を圧入してコバルト触媒を失活させた後、更
に冷却し、オキソガスを放出した後、反応液を全量取り
出し、液々分離して有機相を収得した。次いで、圧力1
0mmHgの減圧単蒸留によりアルデヒドおよびアルコ
ールを収得した。
【0074】次に、内容積1リットルのSUS製誘導撹
拌型オートクレーブに窒素雰囲気下で、上記単蒸留の収
得液600ml及びニッケル−クロム担持固体触媒60
gを仕込み、水素ガスで全圧100kg/cm2 Gに保
持し、反応温度150℃で反応させた。4時間後、ガス
吸収が止まったのでオートクレーブを冷却し、水素ガス
を放出した後反応液を全量取り出し、固体触媒を濾過し
て取り除いた後、内径30mm×5段のオールダーショ
ウ型蒸留器で精留した。
【0075】(4)可塑剤の合成と評価 上記(3)で得たINAと無水フタル酸とを常法により
エステル化し可塑剤とした。次いで、可塑剤/塩化ビニ
ル樹脂=67/100(重量比)で混合し、常法により
軟質塩化ビニル樹脂とし、種々の試験を行った。結果を
表−2に示す。
【0076】比較例8 実施例22のオクテン類の合成で、トランス−2−ブテ
ンの二量化反応触媒としてホスファイト化合物を使用せ
ず、オクタン酸ニッケル−エチルアルミニウムジクロリ
ド−水素触媒系で45℃で5時間反応を実施した以外
は、実施例22と同様の方法で可塑剤の合成及び評価ま
でを実施した。結果を表−2に示す。
【0077】なお、上記二量化反応で得たオクテン類の
水添骨格構造を分析した結果を以下に示す。n−オクテ
ン 9%、3−メチルヘプテン 60%、3,4−ジメ
チルヘキセン31%、平均分岐度=1.22
【0078】比較例9 実施例22のオクテン類の合成で、二量化反応触媒のホ
スファイト化合物としてトリス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ホスファイトの代わりにトリフェニルホス
ファイトを用いた以外は、実施例22と同様の方法で可
塑剤の合成及び評価までを実施した。結果を表−2に示
す。
【0079】なお、上記二量化反応で得たオクテン類の
水添骨格構造を分析した結果を以下に示す。n−オクテ
ン 4%、3−メチルヘプテン 70%、3,4−ジメ
チルヘキセン26%、平均分岐度=1.22
【0080】
【表7】
【0081】
【発明の効果】本発明の低級オレフィンの二量化法で
は、高活性で分岐度の低いオレフィン混合物を経済性良
く製造することができ、また該オレフィン類を用いて製
造されるアルコールは、可塑剤原料として総合的に優れ
た性能を示すものであり、工業的利用価値が大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 31/125 C07C 31/125 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 平1−160928(JP,A) 特公 昭47−22204(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 2/08 - 2/36 C07C 11/02 C07C 29/16 C07C 31/125 C07B 61/00 300

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低級オレフィンを触媒の存在下に二量化
    するにあたり、ニッケル化合物、有機アルミニウム化合
    物および一般式(I): 【化1】 (式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 は置換基を有してい
    てもよいフェニル基を表わし、互いに異なっていてもよ
    く、R1 ,R2 ,R3 及びR4 のうち少なくとも2つは
    オルト位に置換基として炭素数3〜20のアルキル基
    有しており、Aは2価の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化
    水素基又は芳香族炭化水素基を表わし、夫々置換基を有
    していてもよく、nは0又は1である)で表わされるホ
    スファイト化合物を含有する触媒を使用することを特徴
    とする低級オレフィンの二量化法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の二量化法で得られる生
    成オレフィンをヒドロホルミル化反応および水素化反応
    に供することを特徴とするアルコールの製造方法。
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