JP3456511B2 - 陰イオンの分析法及び陰イオン分析セット - Google Patents
陰イオンの分析法及び陰イオン分析セットInfo
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- JP3456511B2 JP3456511B2 JP01273197A JP1273197A JP3456511B2 JP 3456511 B2 JP3456511 B2 JP 3456511B2 JP 01273197 A JP01273197 A JP 01273197A JP 1273197 A JP1273197 A JP 1273197A JP 3456511 B2 JP3456511 B2 JP 3456511B2
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Description
【0001】
【発明の技術分野】本発明はノンサプレッサー法イオン
クロマトグラフィーによる陰イオンの分析法及び陰イオ
ン分析セットに関し、さらに詳しくは弱酸性の溶離液を
用いて試料中のフッ化物イオンとリン酸イオンを特に良
好に分離できる陰イオンの分析法及び陰イオン分析セッ
トに関する。
クロマトグラフィーによる陰イオンの分析法及び陰イオ
ン分析セットに関し、さらに詳しくは弱酸性の溶離液を
用いて試料中のフッ化物イオンとリン酸イオンを特に良
好に分離できる陰イオンの分析法及び陰イオン分析セッ
トに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】リン酸イオン、フッ化物イオン、
塩化物イオン、亜硝酸イオン、臭化物イオン、硝酸イオ
ン、硫酸イオン等の無機陰イオンの分析には、近年イオ
ンクロマトグラフィーが効率的且つ高精度・高感度な手
段として利用されている。
塩化物イオン、亜硝酸イオン、臭化物イオン、硝酸イオ
ン、硫酸イオン等の無機陰イオンの分析には、近年イオ
ンクロマトグラフィーが効率的且つ高精度・高感度な手
段として利用されている。
【0003】イオンクロマトグラフィーは、溶離液をイ
オン交換カラムに送液しながら、イオン種を含む試料を
該カラム内に注入し、カラムより保持時間(リテンショ
ンタイム)差を以って分離溶出されるイオン(種類、
量)を電気伝導度検出器等の高感度検出器により検出す
るものであり、このイオンクロマトグラフィーには「サ
プレッサー」を使う「サプレッサー法」と、サプレッサ
ーを使わない「ノンサプレッサー法」とがあり、このサ
プレッサーは、電気伝導度検出検出器でイオンを検出す
る際のバックグラウンドを下げ、測定感度を上げる働き
を持つ。
オン交換カラムに送液しながら、イオン種を含む試料を
該カラム内に注入し、カラムより保持時間(リテンショ
ンタイム)差を以って分離溶出されるイオン(種類、
量)を電気伝導度検出器等の高感度検出器により検出す
るものであり、このイオンクロマトグラフィーには「サ
プレッサー」を使う「サプレッサー法」と、サプレッサ
ーを使わない「ノンサプレッサー法」とがあり、このサ
プレッサーは、電気伝導度検出検出器でイオンを検出す
る際のバックグラウンドを下げ、測定感度を上げる働き
を持つ。
【0004】前者の「サプレッサー法」においては、分
離カラムに次いでサプレッサーと呼ばれるイオン交換膜
またはイオン交換樹脂より構成される陽イオン除去シス
テムが連結される。またこのサプレッサー法では、溶離
液としては、pH10〜12の炭酸バッファー、ホウ酸
バッファー、水酸化ナトリウム水溶液が用いられる。こ
のサプレッサー法では、注入された試料中の陰イオンが
分離カラムで分離された後、分離カラムに接続されたサ
プレッサーにおいて溶離液に含まれる陽イオンが除去さ
れ流出液は低伝導度化し、次いで伝導度検出器等の検出
器に導入され、イオンが検出される。
離カラムに次いでサプレッサーと呼ばれるイオン交換膜
またはイオン交換樹脂より構成される陽イオン除去シス
テムが連結される。またこのサプレッサー法では、溶離
液としては、pH10〜12の炭酸バッファー、ホウ酸
バッファー、水酸化ナトリウム水溶液が用いられる。こ
のサプレッサー法では、注入された試料中の陰イオンが
分離カラムで分離された後、分離カラムに接続されたサ
プレッサーにおいて溶離液に含まれる陽イオンが除去さ
れ流出液は低伝導度化し、次いで伝導度検出器等の検出
器に導入され、イオンが検出される。
【0005】また後者の「ノンサプレッサー法」におい
ては、溶離液としてフタル酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、トリメシン酸等のような伝導度の低い有機酸を用
い、分離カラムにおいて試料イオンを分離した後、直接
伝導度検出器で検出する。このノンサプレッサー法で
は、伝導度検出器のバックグラウンドが低く、高感度分
析が可能である。また溶離液のpHは制限がなく、多様
な分離条件が選択できる。しかも、ノンサプレッサー法
は、通常に使用されるHPLC装置をそのまま用いて実
施でき、経済性に優れるため、ノンサプレッサー法は前
記サプレッサー法よりも後に開発されたにも拘らず、今
日では広く応用されるようになっている。
ては、溶離液としてフタル酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、トリメシン酸等のような伝導度の低い有機酸を用
い、分離カラムにおいて試料イオンを分離した後、直接
伝導度検出器で検出する。このノンサプレッサー法で
は、伝導度検出器のバックグラウンドが低く、高感度分
析が可能である。また溶離液のpHは制限がなく、多様
な分離条件が選択できる。しかも、ノンサプレッサー法
は、通常に使用されるHPLC装置をそのまま用いて実
施でき、経済性に優れるため、ノンサプレッサー法は前
記サプレッサー法よりも後に開発されたにも拘らず、今
日では広く応用されるようになっている。
【0006】このノンサプレッサー法では、従来、溶離
液条件としては、外気中の炭酸ガスの影響を受けにくい
前述したような弱酸性の有機酸水溶液が多く用いられる
が、このような条件下においては、測定される7種の主
要な陰イオン(リン酸イオン、フッ化物イオン、塩化物
イオン、亜硝酸イオン、臭化物イオン、硝酸イオンおよ
び硫酸イオン)のうちで、リン酸イオンとフッ化物イオ
ンの保持時間(リテンション タイム)が極めて近似し
ているため、両者を分離することは困難であるという問
題点があった。
液条件としては、外気中の炭酸ガスの影響を受けにくい
前述したような弱酸性の有機酸水溶液が多く用いられる
が、このような条件下においては、測定される7種の主
要な陰イオン(リン酸イオン、フッ化物イオン、塩化物
イオン、亜硝酸イオン、臭化物イオン、硝酸イオンおよ
び硫酸イオン)のうちで、リン酸イオンとフッ化物イオ
ンの保持時間(リテンション タイム)が極めて近似し
ているため、両者を分離することは困難であるという問
題点があった。
【0007】このような問題点を解決するために、特願
平4-126393号(特開平05-322864号公報)
には、「フッ素イオンとリン酸イオンとを含む試料中の
陰イオン成分をpHが弱酸性以下でイオンクロマトグラ
フィーにより分析する方法であって、移動相(溶離液)
にホウ酸を添加し、このホウ酸とフッ素イオンとを選択
的に反応させて陰イオン性の化合物を生成させ、前記フ
ッ素イオン(フッ化物イオン)とリン酸イオンとを分離
可能とした」陰イオン分析法が提案されている。この公
報に記載の陰イオン分析法によれば、確かにフッ化物イ
オンとリン酸イオンとがかなりの程度で分離可能となっ
ているが、ホウ酸添加量が100mM以上必要であり、
溶解するのに加温したり、超音波を長時間かけなければ
ならないなど手間を要するとの問題点がある。また、こ
の公報に記載の方法では、リン酸イオンとフッ化物イオ
ンを完全に分離するのは難しく必ずしも満足すべきもの
でなかった。
平4-126393号(特開平05-322864号公報)
には、「フッ素イオンとリン酸イオンとを含む試料中の
陰イオン成分をpHが弱酸性以下でイオンクロマトグラ
フィーにより分析する方法であって、移動相(溶離液)
にホウ酸を添加し、このホウ酸とフッ素イオンとを選択
的に反応させて陰イオン性の化合物を生成させ、前記フ
ッ素イオン(フッ化物イオン)とリン酸イオンとを分離
可能とした」陰イオン分析法が提案されている。この公
報に記載の陰イオン分析法によれば、確かにフッ化物イ
オンとリン酸イオンとがかなりの程度で分離可能となっ
ているが、ホウ酸添加量が100mM以上必要であり、
溶解するのに加温したり、超音波を長時間かけなければ
ならないなど手間を要するとの問題点がある。また、こ
の公報に記載の方法では、リン酸イオンとフッ化物イオ
ンを完全に分離するのは難しく必ずしも満足すべきもの
でなかった。
【0008】このため、本発明者等は上記の問題点を解
決するために鋭意研究を進めた結果、弱酸性溶離液にボ
ロン酸誘導体を添加すれば、上記種々の陰イオンのうち
でリン酸イオンの保持時間に比してフッ化物イオンの保
持時間が選択的に遅れる(増大し延びる)ようになり、
上記種々のイオンのうちのフッ化物イオンとリン酸イオ
ンまでも良好に分離しうることを見出し、本発明を完成
するに至った。
決するために鋭意研究を進めた結果、弱酸性溶離液にボ
ロン酸誘導体を添加すれば、上記種々の陰イオンのうち
でリン酸イオンの保持時間に比してフッ化物イオンの保
持時間が選択的に遅れる(増大し延びる)ようになり、
上記種々のイオンのうちのフッ化物イオンとリン酸イオ
ンまでも良好に分離しうることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、試料中の陰イ
オン、特にリン酸イオンとフッ化物イオンをほぼ完全に
分離できるノンサプレッサー法による陰イオンの分析法
を提供することを目的としている。
問題点を解決しようとするものであって、試料中の陰イ
オン、特にリン酸イオンとフッ化物イオンをほぼ完全に
分離できるノンサプレッサー法による陰イオンの分析法
を提供することを目的としている。
【0010】また、本発明は、試料中の陰イオン、特に
リン酸イオンとフッ化物イオンをほぼ完全に分離できる
ノンサプレッサー法による陰イオンの分析セットを提供
することを目的としている。
リン酸イオンとフッ化物イオンをほぼ完全に分離できる
ノンサプレッサー法による陰イオンの分析セットを提供
することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】本発明に係る陰イオンの分析法は、溶離
液をイオン交換カラムに送液しながら、イオン種を含む
試料を該カラム内に注入し、カラムより分離溶出される
陰イオンを検出器にて分析するノンサプレッサー法イオ
ンクロマトグラフィーであって、上記溶離液として、ボ
ロン酸誘導体を含有する弱酸性の有機酸水溶液を用いる
ことを特徴としている。
液をイオン交換カラムに送液しながら、イオン種を含む
試料を該カラム内に注入し、カラムより分離溶出される
陰イオンを検出器にて分析するノンサプレッサー法イオ
ンクロマトグラフィーであって、上記溶離液として、ボ
ロン酸誘導体を含有する弱酸性の有機酸水溶液を用いる
ことを特徴としている。
【0012】本発明の好ましい態様においては、上記イ
オン種には、フッ化物イオンとリン酸イオンとが含まれ
ていることが望ましい。また本発明の好ましい態様にお
いては、上記ボロン酸誘導体がフェニル基含有ボロン酸
類またはアルキルボロン酸類であることが望ましい。
オン種には、フッ化物イオンとリン酸イオンとが含まれ
ていることが望ましい。また本発明の好ましい態様にお
いては、上記ボロン酸誘導体がフェニル基含有ボロン酸
類またはアルキルボロン酸類であることが望ましい。
【0013】本発明に係る陰イオン分析セットは、陰イ
オンを含む試料が注入されるイオン交換カラムと、上記
カラムより陰イオンを分離溶出させる、ボロン酸誘導体
を含有する弱酸性の有機酸水溶液と、分離溶出した陰イ
オンを検出する伝導度検出器と、(さらには、必要によ
り、この伝導度検出器にて検出された信号をクロマトグ
ラムとして表示するインテグレータ、溶離液をカラム内
に送液するためのポンプ、試料をカラムに注入するため
の注入装置、カラムを一定温度に保つための恒温槽と)
からなることを特徴としている。
オンを含む試料が注入されるイオン交換カラムと、上記
カラムより陰イオンを分離溶出させる、ボロン酸誘導体
を含有する弱酸性の有機酸水溶液と、分離溶出した陰イ
オンを検出する伝導度検出器と、(さらには、必要によ
り、この伝導度検出器にて検出された信号をクロマトグ
ラムとして表示するインテグレータ、溶離液をカラム内
に送液するためのポンプ、試料をカラムに注入するため
の注入装置、カラムを一定温度に保つための恒温槽と)
からなることを特徴としている。
【0014】このような陰イオンの分析法によれば、試
料中の陰イオン成分(例:リン酸イオン、フッ化物イオ
ン、塩化物イオン、亜硝酸イオン、臭化物イオン、硝酸
イオンおよび硫酸イオン)のうちで、従来高感度分析が
困難であったフッ化物イオンとリン酸イオンとをノンサ
プレッサー法イオンクロマトグラフィーにより高感度に
検出することができる。
料中の陰イオン成分(例:リン酸イオン、フッ化物イオ
ン、塩化物イオン、亜硝酸イオン、臭化物イオン、硝酸
イオンおよび硫酸イオン)のうちで、従来高感度分析が
困難であったフッ化物イオンとリン酸イオンとをノンサ
プレッサー法イオンクロマトグラフィーにより高感度に
検出することができる。
【0015】上記陰イオン分析セットによれば、上記の
ように従来高感度分析の困難であったフッ化物イオンと
リン酸イオンとをノンサプレッサー法イオンクロマトグ
ラフィーにより高感度に検出することができる。
ように従来高感度分析の困難であったフッ化物イオンと
リン酸イオンとをノンサプレッサー法イオンクロマトグ
ラフィーにより高感度に検出することができる。
【0016】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る陰イオンの分
析法並びに陰イオン分析セットについて具体的に説明す
る。
析法並びに陰イオン分析セットについて具体的に説明す
る。
【0017】本発明に係る陰イオンの分析法は、溶離液
をイオン交換カラムに送液しながら、イオン種を含む試
料を該カラム内に注入し、カラムより分離溶出される陰
イオンを検出器にて分析するノンサプレッサー法イオン
クロマトグラフィーであって、上記溶離液として、ボロ
ン酸誘導体を含有する弱酸性の有機酸水溶液を用いてい
る。
をイオン交換カラムに送液しながら、イオン種を含む試
料を該カラム内に注入し、カラムより分離溶出される陰
イオンを検出器にて分析するノンサプレッサー法イオン
クロマトグラフィーであって、上記溶離液として、ボロ
ン酸誘導体を含有する弱酸性の有機酸水溶液を用いてい
る。
【0018】<試料>陰イオンとしては、特に限定され
ず、具体的には、例えば、リン酸イオン(H 2PO4 -、
HPO4 2-、PO4 3-)、フッ化物イオン(F-)、塩化
物イオン(Cl -)、亜硝酸イオン(NO2 -)、臭化物
イオン(Br-)、硝酸イオン(NO3 -)、硫酸イオン
(SO4 2-)の他に、I-、S2O3 -、SCN-、芳香族ス
ルフォン酸イオン(例:トルエンスルホン酸、キシレン
スルホン酸等のイオン)、アルキルスルホン酸イオン
(例:オクチルスルフォン酸、デシルスルフォン酸、ド
デシルスルフォン酸等のイオン)などが挙げられる。
ず、具体的には、例えば、リン酸イオン(H 2PO4 -、
HPO4 2-、PO4 3-)、フッ化物イオン(F-)、塩化
物イオン(Cl -)、亜硝酸イオン(NO2 -)、臭化物
イオン(Br-)、硝酸イオン(NO3 -)、硫酸イオン
(SO4 2-)の他に、I-、S2O3 -、SCN-、芳香族ス
ルフォン酸イオン(例:トルエンスルホン酸、キシレン
スルホン酸等のイオン)、アルキルスルホン酸イオン
(例:オクチルスルフォン酸、デシルスルフォン酸、ド
デシルスルフォン酸等のイオン)などが挙げられる。
【0019】本発明の好ましい態様においては、上記イ
オン種には、本発明の方法で高感度検出可能なフッ化物
イオンとリン酸イオンとが含まれていることが望まし
い。 <分離カラム>本発明に用いる分離カラムとしては、主
に陰イオン交換カラムが用いられ、該カラム用の充填剤
(イオン交換体)には、表面機能型のものと多孔性化学
結合型のものがある。
オン種には、本発明の方法で高感度検出可能なフッ化物
イオンとリン酸イオンとが含まれていることが望まし
い。 <分離カラム>本発明に用いる分離カラムとしては、主
に陰イオン交換カラムが用いられ、該カラム用の充填剤
(イオン交換体)には、表面機能型のものと多孔性化学
結合型のものがある。
【0020】表面機能型充填剤としては、例えば、無孔
性の基材を微粒子状の陰イオン交換体で静電的または化
学結合的に被覆したものが挙げられ、基材としてスルフ
ォン化ポリスチレン、ポリスチレン等が用いられる。
性の基材を微粒子状の陰イオン交換体で静電的または化
学結合的に被覆したものが挙げられ、基材としてスルフ
ォン化ポリスチレン、ポリスチレン等が用いられる。
【0021】多孔性化学結合型充填剤としては、例え
ば、多孔性のシリカゲルやポリアクリレート粒子に第4
級アンモニウム基を化学結合させたものが挙げられる。
これらの充填剤はいずれも低交換容量であり、通常10
〜100μeq/gである。
ば、多孔性のシリカゲルやポリアクリレート粒子に第4
級アンモニウム基を化学結合させたものが挙げられる。
これらの充填剤はいずれも低交換容量であり、通常10
〜100μeq/gである。
【0022】このような充填剤が充填されるカラムとし
ては、その内径が1〜6mm程度で、長さが5〜25c
m程度まで、各種のものが用いられる。カラムの材質は
溶離液に不活性なステンレス、プラスチック、ガラス等
が用いられる。
ては、その内径が1〜6mm程度で、長さが5〜25c
m程度まで、各種のものが用いられる。カラムの材質は
溶離液に不活性なステンレス、プラスチック、ガラス等
が用いられる。
【0023】なお、分離カラムとしては、オクタデシル
基結合シリカゲルやポリスチレンゲルなどを充填した逆
相カラムも適用可能であり、この場合には弱酸性有機酸
水溶液にイオンペア剤としてテトラブチルアンモニウム
等と、ホウ酸誘導体とを添加して陰イオンを分離すれば
よい。
基結合シリカゲルやポリスチレンゲルなどを充填した逆
相カラムも適用可能であり、この場合には弱酸性有機酸
水溶液にイオンペア剤としてテトラブチルアンモニウム
等と、ホウ酸誘導体とを添加して陰イオンを分離すれば
よい。
【0024】<溶離液>本発明では溶離液として、上記
したようにボロン酸誘導体を含有する弱酸性の有機酸水
溶液[pHが通常3〜6、好ましくはpH3.5〜4.
5]が用いられ、この有機酸としては、弱酸性で解離す
る有機酸(解離指数pK1が6.5以下のもの)が用い
られる。
したようにボロン酸誘導体を含有する弱酸性の有機酸水
溶液[pHが通常3〜6、好ましくはpH3.5〜4.
5]が用いられ、この有機酸としては、弱酸性で解離す
る有機酸(解離指数pK1が6.5以下のもの)が用い
られる。
【0025】このような有機酸としては、具体的には、
例えば、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、酢酸、フタル
酸、安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、馬尿酸、サリ
チル酸、メチル馬尿酸、アスパラギン酸などのカルボン
酸類;オクタンスルフォン酸、デカンスルフォン酸、ト
ルエンスルフォン酸、ベンゼンスルフォン酸、ナフタレ
ンスルフォン酸などのスルフォン酸類が挙げられる。
例えば、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、酢酸、フタル
酸、安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、馬尿酸、サリ
チル酸、メチル馬尿酸、アスパラギン酸などのカルボン
酸類;オクタンスルフォン酸、デカンスルフォン酸、ト
ルエンスルフォン酸、ベンゼンスルフォン酸、ナフタレ
ンスルフォン酸などのスルフォン酸類が挙げられる。
【0026】本発明ではこれらの有機酸のうち通常一種
を選択して用いるが、目的によっては二種以上を適宜組
み合わせて選択することもできる。有機酸の濃度はその
イオン溶出力にもよるが通常0.5〜10mM程度のも
のが用いられる。検出感度の点からは用いられる有機酸
の濃度は、出来るだけ低濃度であることが望ましく、フ
タル酸、サリチル酸、オクタンスルフォン酸などのよう
に溶出力の大きい有機酸を1〜3mMの濃度で用いるこ
とが多い。
を選択して用いるが、目的によっては二種以上を適宜組
み合わせて選択することもできる。有機酸の濃度はその
イオン溶出力にもよるが通常0.5〜10mM程度のも
のが用いられる。検出感度の点からは用いられる有機酸
の濃度は、出来るだけ低濃度であることが望ましく、フ
タル酸、サリチル酸、オクタンスルフォン酸などのよう
に溶出力の大きい有機酸を1〜3mMの濃度で用いるこ
とが多い。
【0027】ボロン酸誘導体
本発明において溶離液に含有されるボロン酸誘導体は、
フッ化物イオンに何らかの作用を行ってそのリテンショ
ンタイム(保持時間)を延ばし、フッ化物イオンとリン
酸イオンとの分離能を高めるのに寄与している。
フッ化物イオンに何らかの作用を行ってそのリテンショ
ンタイム(保持時間)を延ばし、フッ化物イオンとリン
酸イオンとの分離能を高めるのに寄与している。
【0028】ボロン酸誘導体としては、フェニル基含有
ボロン酸類、アルキルボロン酸類が挙げられ、フェニル
基含有ボロン酸類は、下記一般式[I]:
ボロン酸類、アルキルボロン酸類が挙げられ、フェニル
基含有ボロン酸類は、下記一般式[I]:
【0029】
【化1】
【0030】{式[I]中、R1は、ハロゲン原子,-N
O2、-NH2,-OR5(R5:炭素数1〜5、好ましくは
1〜2のアルキル基),水素原子の一部または全部が1
種または2種以上のハロゲン原子で置換されていてもよ
い炭素数1〜5、好ましくは1〜2のアルキル基を示
し、nは、0〜5の整数を示し、nが2以上の場合に
は、複数個のR1は互いに同一であっても異なっていて
もよい。}で表される。
O2、-NH2,-OR5(R5:炭素数1〜5、好ましくは
1〜2のアルキル基),水素原子の一部または全部が1
種または2種以上のハロゲン原子で置換されていてもよ
い炭素数1〜5、好ましくは1〜2のアルキル基を示
し、nは、0〜5の整数を示し、nが2以上の場合に
は、複数個のR1は互いに同一であっても異なっていて
もよい。}で表される。
【0031】上記式[I]で表されるフェニル基含有ボ
ロン酸類のハロゲン原子としては、F、Cl、Br、I
等が挙げられ、-OR5としては、-OCH3、-OC2H5
等が挙げられ、水素原子の一部または全部が1種または
2種以上のハロゲン原子で置換されていてもよい上記ア
ルキル基としては、-CF3、-C2F5等が挙げられる。
ロン酸類のハロゲン原子としては、F、Cl、Br、I
等が挙げられ、-OR5としては、-OCH3、-OC2H5
等が挙げられ、水素原子の一部または全部が1種または
2種以上のハロゲン原子で置換されていてもよい上記ア
ルキル基としては、-CF3、-C2F5等が挙げられる。
【0032】このようなフェニル基含有ボロン酸類
[I]としては、具体的には、例えば、下記表1に示す
ものが挙げられ、中でも付番(1a)、(2a)、(6
a)が好ましく、特に(1a)が好ましく用いられる。
[I]としては、具体的には、例えば、下記表1に示す
ものが挙げられ、中でも付番(1a)、(2a)、(6
a)が好ましく、特に(1a)が好ましく用いられる。
【0033】
【表1】
【0034】アルキルボロン酸類は、下記式[II]:
【0035】
【化2】
【0036】{式[II]中、R3は、直鎖状であっても
分岐を有していてもよく、水素原子の一部または全部が
1種または2種以上のハロゲン原子で置換されていても
よい炭素数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基
を示す。}で表される。
分岐を有していてもよく、水素原子の一部または全部が
1種または2種以上のハロゲン原子で置換されていても
よい炭素数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基
を示す。}で表される。
【0037】このような式[II]で表されるアルキルボ
ロン酸類中のハロゲン原子としては、F、Cl、Br、
I等が挙げられる。また上記-R3としては、ーCH3、-
C2H 5、-(CH2)3CH3、-(CH2)13CH3、-(C
H2)17CH3、-(CH2)CH(CH3)CH3等が挙げ
られる。
ロン酸類中のハロゲン原子としては、F、Cl、Br、
I等が挙げられる。また上記-R3としては、ーCH3、-
C2H 5、-(CH2)3CH3、-(CH2)13CH3、-(C
H2)17CH3、-(CH2)CH(CH3)CH3等が挙げ
られる。
【0038】このようなアルキルボロン酸類[II]とし
ては、具体的には、例えば、下記表2に示すものが挙げ
られ、中でも付番(1b)、(3b)が好ましく用いら
れる。
ては、具体的には、例えば、下記表2に示すものが挙げ
られ、中でも付番(1b)、(3b)が好ましく用いら
れる。
【0039】
【表2】
【0040】このようなボロン酸誘導体の作用は必ずし
も明らかでないが、恐らくこのボロン酸誘導体がフッ化
物イオンと何らかのコンプレックスを作り、フッ化物イ
オンの溶出を遅らせるものと推定される。溶離液に添加
されるボロン酸誘導体の濃度はその種類により添加効果
が異なるため、一概には言えないが、一般的には、疎水
性の大きいものほど添加量は少なくてもよい。
も明らかでないが、恐らくこのボロン酸誘導体がフッ化
物イオンと何らかのコンプレックスを作り、フッ化物イ
オンの溶出を遅らせるものと推定される。溶離液に添加
されるボロン酸誘導体の濃度はその種類により添加効果
が異なるため、一概には言えないが、一般的には、疎水
性の大きいものほど添加量は少なくてもよい。
【0041】上記何れのフェニル基含有ボロン酸類
[I]においても、溶離液中に配合すれば本発明の目的
を達成しうる。上記何れのアルキルボロン酸類[II]に
おいても、溶離液中に配合すれば本発明の目的を達成し
うる。
[I]においても、溶離液中に配合すれば本発明の目的
を達成しうる。上記何れのアルキルボロン酸類[II]に
おいても、溶離液中に配合すれば本発明の目的を達成し
うる。
【0042】この理由は、恐らく生成するであろうボロ
ン酸誘導体とフッ化物イオンとのコンプレックスの疎水
性が大きく、その溶出が遅れるためと推定される。例え
ば、実施例2で用いたメチルボロン酸(分子量:59.
86)では50mM以上添加しないとあまり効果が現れ
ないが、実施例1のフェニルボロン酸(分子量:12
1.93)では2mM程度より添加効果を示し、8mM
の添加をおこなえば充分その目的が達せられる。
ン酸誘導体とフッ化物イオンとのコンプレックスの疎水
性が大きく、その溶出が遅れるためと推定される。例え
ば、実施例2で用いたメチルボロン酸(分子量:59.
86)では50mM以上添加しないとあまり効果が現れ
ないが、実施例1のフェニルボロン酸(分子量:12
1.93)では2mM程度より添加効果を示し、8mM
の添加をおこなえば充分その目的が達せられる。
【0043】溶離液のpH調整剤としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等の無機塩基の水溶液、トリス
ヒドロキシメチルアミノメタン、トリエタノールアミン
等の有機塩基いずれでも用いることが出来る。伝導度検
出器を用いる場合、バックグラウンドがより低いため後
者の有機塩基がより望ましい。
リウム、水酸化カリウム等の無機塩基の水溶液、トリス
ヒドロキシメチルアミノメタン、トリエタノールアミン
等の有機塩基いずれでも用いることが出来る。伝導度検
出器を用いる場合、バックグラウンドがより低いため後
者の有機塩基がより望ましい。
【0044】本発明では、検出器としては、上記伝導度
検出器のほかに紫外可視検出器、屈折率検出器など利用
することができる。
検出器のほかに紫外可視検出器、屈折率検出器など利用
することができる。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は弱酸性溶離
液を用いるノンサプレッサー法イオンクロマトグラフィ
ーにおいて溶離液中にボロン酸誘導体を配合しているた
め、主要な7種の陰イオン(リン酸イオン、フッ化物イ
オン、塩化物イオン、亜硝酸イオン、臭化物イオン、硝
酸イオン、硫酸イオン)が良好に分離可能となってい
る。
液を用いるノンサプレッサー法イオンクロマトグラフィ
ーにおいて溶離液中にボロン酸誘導体を配合しているた
め、主要な7種の陰イオン(リン酸イオン、フッ化物イ
オン、塩化物イオン、亜硝酸イオン、臭化物イオン、硝
酸イオン、硫酸イオン)が良好に分離可能となってい
る。
【0046】特に本発明によれば、溶離液中にボロン酸
誘導体を配合しているため、試料中の上記7種の陰イオ
ンのうちでも従来高感度分析の困難であったフッ化物イ
オンとリン酸イオンとがより高感度に検出できる。
誘導体を配合しているため、試料中の上記7種の陰イオ
ンのうちでも従来高感度分析の困難であったフッ化物イ
オンとリン酸イオンとがより高感度に検出できる。
【0047】しかも本発明ではこのようなボロン酸誘導
体を溶離液成分に用いているため、ホウ酸を添加する場
合に比して、弱酸性溶離液中にボロン酸誘導体が少量含
有(添加)されるだけで、試料中のリン酸イオンとフッ
化物イオンをほぼ完全に分離できる。
体を溶離液成分に用いているため、ホウ酸を添加する場
合に比して、弱酸性溶離液中にボロン酸誘導体が少量含
有(添加)されるだけで、試料中のリン酸イオンとフッ
化物イオンをほぼ完全に分離できる。
【0048】上記陰イオン分析セットによれば、上記の
ように従来高感度分析の困難であったフッ化物イオンと
リン酸イオンとをノンサプレッサー法イオンクロマトグ
ラフィーにより高感度に検出することができる。
ように従来高感度分析の困難であったフッ化物イオンと
リン酸イオンとをノンサプレッサー法イオンクロマトグ
ラフィーにより高感度に検出することができる。
【0049】
【実施例】以下に、本願発明について代表的な例を示し
さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための
単なる例示であって、本発明はこれらの例に何ら制限さ
れるものでない。
さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための
単なる例示であって、本発明はこれらの例に何ら制限さ
れるものでない。
【0050】なお、以下の例では、上記のような陰イオ
ン分析セットを用いた。すなわちこの陰イオン分析セッ
トでは、溶離液槽からポンプを介して、弱塩基性イオン
交換体が充填されている恒温槽付きカラムに溶離液を流
し込み、一方上記溶離液輸送用ポンプとカラムとの間に
設けられた試料注入装置から試料を注入し、該カラムか
ら順次時間差を以て分離溶出してくる種々の陰イオンを
伝導度検出器にて検出し、インテグレータにて記録(表
示)するようになっている。
ン分析セットを用いた。すなわちこの陰イオン分析セッ
トでは、溶離液槽からポンプを介して、弱塩基性イオン
交換体が充填されている恒温槽付きカラムに溶離液を流
し込み、一方上記溶離液輸送用ポンプとカラムとの間に
設けられた試料注入装置から試料を注入し、該カラムか
ら順次時間差を以て分離溶出してくる種々の陰イオンを
伝導度検出器にて検出し、インテグレータにて記録(表
示)するようになっている。
【0051】
【実施例1】分離カラムとして、陰イオン交換カラム
「Shodex IC I−524A」[昭和電工
(株)製、内径4.6mm、長さ10cm、充填剤:陰
イオン交換樹脂]を用い、溶離液は次のように調製し
た。1リットルのメスフラスコに2.5ミリモルのフタ
ル酸、2.3ミリモルのトリスヒドロキシメチルアミノ
メタンをとり、純水を加えて1リットルとした。これに
フェニルボロン酸C6H5B(OH)2をそれぞれ4m
M、8mM加えた2種の溶離液をつくり、それぞれ超音
波で溶解した。このように調製された溶離液のpHはい
ずれも4.0であった。
「Shodex IC I−524A」[昭和電工
(株)製、内径4.6mm、長さ10cm、充填剤:陰
イオン交換樹脂]を用い、溶離液は次のように調製し
た。1リットルのメスフラスコに2.5ミリモルのフタ
ル酸、2.3ミリモルのトリスヒドロキシメチルアミノ
メタンをとり、純水を加えて1リットルとした。これに
フェニルボロン酸C6H5B(OH)2をそれぞれ4m
M、8mM加えた2種の溶離液をつくり、それぞれ超音
波で溶解した。このように調製された溶離液のpHはい
ずれも4.0であった。
【0052】上記2種の溶離液を上記の陰イオン分離カ
ラムに1.2ml/minで流し、試料としてリン酸イ
オン30mg/リットル、フッ化物イオン1mg/リッ
トル、塩化物イオン5mg/リットル、亜硝酸イオン1
0mg/リットル、臭化物イオン10mg/リットル、
硝酸イオン10mg/リットル、硫酸イオン10mg/
リットル含む水溶液を50μリットル注入し、電気伝導
度検出器[昭和電工(株)製、品番:CD-5]で検出
した。
ラムに1.2ml/minで流し、試料としてリン酸イ
オン30mg/リットル、フッ化物イオン1mg/リッ
トル、塩化物イオン5mg/リットル、亜硝酸イオン1
0mg/リットル、臭化物イオン10mg/リットル、
硝酸イオン10mg/リットル、硫酸イオン10mg/
リットル含む水溶液を50μリットル注入し、電気伝導
度検出器[昭和電工(株)製、品番:CD-5]で検出
した。
【0053】得られたクロマトグラムをそれぞれ図1
(イ)、(ロ)に示す。図1(イ)はフェニルボロン酸
4mM、図1(ロ)はフェニルボロン酸8mM含有する
場合のクロマトグラムを示すが、特に図1(ロ)に明か
なように、フェニルボロン酸8mMの添加によりフッ化
物イオンとリン酸イオンが完全に分離されることが分か
る。
(イ)、(ロ)に示す。図1(イ)はフェニルボロン酸
4mM、図1(ロ)はフェニルボロン酸8mM含有する
場合のクロマトグラムを示すが、特に図1(ロ)に明か
なように、フェニルボロン酸8mMの添加によりフッ化
物イオンとリン酸イオンが完全に分離されることが分か
る。
【0054】
【比較例1】分離カラムとして実施例1で用いたと同じ
カラムを用い、溶離液は次のように調製した。1リット
ルのメスフラスコに2.5ミリモルのフタル酸、2.3
ミリモルのトリスヒドロキシメチルアミノメタンをと
り、純水を加えて1リットルとした。ついで、ホウ酸
(H3BO3)を50mM、100mM、300mM加え
た3種の液をつくり、撹拌しながら加温して完全に溶解
した。このように調製された溶離液のpHはいずれも
4.0であった。
カラムを用い、溶離液は次のように調製した。1リット
ルのメスフラスコに2.5ミリモルのフタル酸、2.3
ミリモルのトリスヒドロキシメチルアミノメタンをと
り、純水を加えて1リットルとした。ついで、ホウ酸
(H3BO3)を50mM、100mM、300mM加え
た3種の液をつくり、撹拌しながら加温して完全に溶解
した。このように調製された溶離液のpHはいずれも
4.0であった。
【0055】試料として、リン酸イオン20mg/リッ
トル、フッ化物イオン2.5mg/リットル、塩化物イ
オン2.5mg/リットル、亜硝酸イオン5mg/リッ
トル、臭化物イオン5mg/リットル、硝酸イオン5m
g/リットル、硫酸イオン5mg/リットル含む水溶液
50μリットル注入し、電気伝導度検出器により検出し
た。
トル、フッ化物イオン2.5mg/リットル、塩化物イ
オン2.5mg/リットル、亜硝酸イオン5mg/リッ
トル、臭化物イオン5mg/リットル、硝酸イオン5m
g/リットル、硫酸イオン5mg/リットル含む水溶液
50μリットル注入し、電気伝導度検出器により検出し
た。
【0056】得られたクロマトグラムをそれぞれ図2
(ハ)、(ニ)、(ホ)に示す。(ハ)はホウ酸を50
mM含有する場合、(ニ)はホウ酸を100mM含有す
る場合、(ホ)はホウ酸を300mM含有する場合のク
ロマトグラムであるが、100mM以上添加しないと顕
著な効果はなく、300mM添加しても完全にリン酸イ
オンとフッ化物イオンを分離することはできなかった。
300mM以上添加した場合のデータも採取したが、分
離はそれ以上改良されることはなかった。
(ハ)、(ニ)、(ホ)に示す。(ハ)はホウ酸を50
mM含有する場合、(ニ)はホウ酸を100mM含有す
る場合、(ホ)はホウ酸を300mM含有する場合のク
ロマトグラムであるが、100mM以上添加しないと顕
著な効果はなく、300mM添加しても完全にリン酸イ
オンとフッ化物イオンを分離することはできなかった。
300mM以上添加した場合のデータも採取したが、分
離はそれ以上改良されることはなかった。
【0057】
【実施例2】分離カラムとして実施例1で用いたと同じ
カラムを用い、溶離液は次のように調製した。1リット
ルのメスフラスコに2.5ミリモルのフタル酸、2.3
ミリモルのトリスヒドロキシメチルアミノメタンをと
り、純水を加えて1リットルとした。ついで、メチルボ
ロン酸CH3B(OH)2を150mM加えた溶離液をつ
くり、撹拌しながら加温して完全に溶解した。このよう
に調製された溶離液はpH4.0であった。
カラムを用い、溶離液は次のように調製した。1リット
ルのメスフラスコに2.5ミリモルのフタル酸、2.3
ミリモルのトリスヒドロキシメチルアミノメタンをと
り、純水を加えて1リットルとした。ついで、メチルボ
ロン酸CH3B(OH)2を150mM加えた溶離液をつ
くり、撹拌しながら加温して完全に溶解した。このよう
に調製された溶離液はpH4.0であった。
【0058】試料として、リン酸イオン20mg/リッ
トル、フッ化物イオン2.5mg/リットル、塩化物イ
オン2.5mg/リットル、亜硝酸イオン5mg/リッ
トル、臭化物イオン5mg/リットル、硝酸イオン5m
g/リットル、硫酸イオン5mg/リットル含む水溶液
50μリットル注入し、電気伝導度検出器により検出し
た。
トル、フッ化物イオン2.5mg/リットル、塩化物イ
オン2.5mg/リットル、亜硝酸イオン5mg/リッ
トル、臭化物イオン5mg/リットル、硝酸イオン5m
g/リットル、硫酸イオン5mg/リットル含む水溶液
50μリットル注入し、電気伝導度検出器により検出し
た。
【0059】得られたクロマトグラムを図3に示す。メ
チルボロン酸の場合には、ホウ酸の約半分の量の添加で
ホウ酸と同程度の効果を示した。
チルボロン酸の場合には、ホウ酸の約半分の量の添加で
ホウ酸と同程度の効果を示した。
【図1】 実施例1で得られる分離クロマトグラム。
【図2】 比較例1で得られる分離クロマトグラム。
【図3】 実施例2で得られる分離クロマトグラム。
(イ):実施例1でフェニルボロン酸添加量4mMの時
のクロマトグラム (ロ):実施例1でフェニルボロン酸添加量8mMの時
のクロマトグラム (ハ):比較例1でホウ酸添加量50mMの時のクロマ
トグラム (ニ):比較例1でホウ酸添加量100mMの時のクロ
マトグラム (ホ):比較例1でホウ酸添加量300mMの時のクロ
マトグラム 1:リン酸イオン(H2PO4 -) 2:フッ化物イオン(F-) 3:塩化物イオン(Cl-) 4:亜硝酸イオン(NO2 -) 5:臭化物イオン(Br-) 6:硝酸イオン(NO3 -) 7:硫酸イオン(SO4 2-)
のクロマトグラム (ロ):実施例1でフェニルボロン酸添加量8mMの時
のクロマトグラム (ハ):比較例1でホウ酸添加量50mMの時のクロマ
トグラム (ニ):比較例1でホウ酸添加量100mMの時のクロ
マトグラム (ホ):比較例1でホウ酸添加量300mMの時のクロ
マトグラム 1:リン酸イオン(H2PO4 -) 2:フッ化物イオン(F-) 3:塩化物イオン(Cl-) 4:亜硝酸イオン(NO2 -) 5:臭化物イオン(Br-) 6:硝酸イオン(NO3 -) 7:硫酸イオン(SO4 2-)
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平5−273189(JP,A)
特開 平5−322864(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G01N 30/26
G01N 30/88
Claims (5)
- 【請求項1】溶離液をイオン交換カラムに送液しなが
ら、イオン種を含む試料を該カラム内に注入し、カラム
より分離溶出される陰イオンを検出器にて分析するノン
サプレッサー法イオンクロマトグラフィーであって、 上記溶離液として、ボロン酸誘導体を含有する弱酸性の
有機酸水溶液を用いることを特徴とする陰イオンの分析
法。 - 【請求項2】イオン種には、フッ化物イオンとリン酸イ
オンとが含まれていることを特徴とする請求項1に記載
の分析法。 - 【請求項3】前記ボロン酸誘導体がフェニル基含有ボロ
ン酸類であることを特徴とする請求項1または2に記載
の分析法。 - 【請求項4】前記ボロン酸誘導体がアルキルボロン酸類
であることを特徴とする請求項1または2に記載の分析
法。 - 【請求項5】陰イオンを含む試料が注入されるイオン交
換カラムと、 上記カラムより陰イオンを分離溶出させる、ボロン酸誘
導体を含有する弱酸性の有機酸水溶液と、 分離溶出した陰イオンを検出する伝導度検出器とからな
ることを特徴とする陰イオン分析セット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01273197A JP3456511B2 (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | 陰イオンの分析法及び陰イオン分析セット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01273197A JP3456511B2 (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | 陰イオンの分析法及び陰イオン分析セット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10206404A JPH10206404A (ja) | 1998-08-07 |
JP3456511B2 true JP3456511B2 (ja) | 2003-10-14 |
Family
ID=11813594
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01273197A Expired - Fee Related JP3456511B2 (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | 陰イオンの分析法及び陰イオン分析セット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3456511B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1824861A2 (en) * | 2004-11-12 | 2007-08-29 | Trustees of the Tufts College | Lipase inhibitors |
CN103760270B (zh) * | 2014-01-26 | 2015-11-18 | 山东安和安全技术研究院有限公司 | 用离子色谱法测定工作场所空气中丙烯酸的方法 |
CN106442798B (zh) * | 2016-11-04 | 2018-12-14 | 长沙理工大学 | 一种腐植酸类有机物高温分解产物的精确测定方法 |
CN106885865A (zh) * | 2017-04-06 | 2017-06-23 | 天津师范大学 | 一种检测西兰花中硝酸根、亚硝酸根含量的方法及应用 |
CN117310021B (zh) * | 2023-09-22 | 2024-04-30 | 山东泰合医药科技有限公司 | 一种高效液相色谱法分离和检测乌美溴铵有关物质的方法 |
-
1997
- 1997-01-27 JP JP01273197A patent/JP3456511B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10206404A (ja) | 1998-08-07 |
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