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JP3455619B2 - 片軸受リール - Google Patents

片軸受リール

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Publication number
JP3455619B2
JP3455619B2 JP25980695A JP25980695A JP3455619B2 JP 3455619 B2 JP3455619 B2 JP 3455619B2 JP 25980695 A JP25980695 A JP 25980695A JP 25980695 A JP25980695 A JP 25980695A JP 3455619 B2 JP3455619 B2 JP 3455619B2
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Japan
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spool
disengagement
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shaft
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JP25980695A
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剛 生田
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Shimano Inc
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、片軸受リールに関
する。
【0002】
【従来の技術】フライリールとして用いられる片軸受リ
ールは、リール本体と、リール本体に片持ち支持で固定
されたスプール軸と、スプール軸に回転自在に支持され
たスプールとを有している。また、片軸受リールには、
スプールの回転に伴って回転音を生じさせるための発音
機構、釣り糸を引き出す際のバックラッシュを防止する
ための一方向クラッチ及びブレーキ機構などが設けられ
る場合がある。
【0003】さらに、片軸受リールには、リール本体お
よびスプール軸に対してスプールが着脱自在に取り付け
られているものがある。スプールが着脱できれば、前記
した一方向クラッチ等の点検や交換、ブレーキ機構の調
整、分解、清掃、バックラッシュ調整、糸カミの解除な
どの作業が容易に行える。スプールが着脱自在な片軸受
リールでは、スプール軸とスプールとを係脱する係脱機
構が設けられる。スプールが着脱自在な場合、前記した
発音機構や一方向クラッチ及びブレーキ機構等の機構部
品をスプール側に取り付けておき、これらの機構部品を
スプールとともに着脱できるようにしたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】スプールが着脱自在な
片軸受リールでは、前記した係脱機構などの機構部品を
スプールに取り付けるために、スプールの外側面に開口
を設けておき、この開口を着脱自在な蓋で塞ぐようにし
ている。そのため、スプールの外側面に蓋による段差や
凹凸が生じる。このような段差等があると、外観が良く
ないとともに、段差等に釣糸が引っ掛かって釣糸の巻き
上げ繰り出しに支障が生じたり、段差等の奥に汚れが溜
まったりする問題がある。
【0005】また、スプール内部に取り付けられた機構
部品を点検したり交換したりする度に、前記の蓋を取り
外し再び取り付ける手間がかかる。スプールに蓋の取付
構造が必要であり、蓋の部分からスプールの内部に水や
異物などが侵入しないように密閉しておく必要もあるの
で、スプールが大きくなり構造も複雑になる。本発明の
目的は、このような課題を解決し、スプール外側面の外
観性を向上させ、釣糸の引っ掛かりや汚れの付着を防止
し、スプール内の機構部品の取扱いを容易にし、スプー
ルの構造を簡単かつ小型にすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のうち発明1の片
軸受リールは、リール本体とスプール軸とスプールと係
脱機構と係脱操作部とを備える。リール本体は、一方側
に円盤状の側板を有するとともに他方側が開放されてい
る。スプール軸は、リール本体の側板に一端が固定され
ている。スプールは、スプール軸が一端から挿通される
内部空間を有し外周に釣糸が巻き付けられる筒体部と、
筒体部の両端外周に配置された一対の側板部と、側板部
の一方及び筒体部の端部と一体形成されスプール軸の先
端側で内部空間を塞ぐ端面部とを有し、スプール軸に相
対回転自在に支持されている。係脱機構は、スプールの
内部空間に配置されスプール軸とスプールとを係脱す
る。係脱操作部は、係脱機構に配置され前記端面部を貫
通して外部に露出する。
【0007】発明2の片軸受リールは、発明1におい
て、係脱機構が、内部空間のうち端面部の反対側になる
開口から挿入されてスプールに取り付けられる。発明3
の片軸受リールは、発明1または2において、内部空間
に配置され、係脱機構が取付けられた状態でスプールに
固定される固定部材をさらに備える。発明4の片軸受リ
ールは、発明1〜3において、係脱機構が、スプール軸
に配置された係合溝と、内部空間の内面に配置され係合
溝に係合する位置と係合溝から離脱する位置との間を移
動自在な係脱部材と、係脱部材を係合溝と係合する方向
に付勢する付勢手段とを有し、係脱操作部が係脱部材に
配置され、係脱部材を係合溝から離脱する方向に操作す
る。
【0008】発明5の片軸受リールは、発明4におい
て、係脱機構が、係脱部材をスプールに対してスプール
軸との係脱方向に旋回自在に支持する旋回支持手段を備
える。発明6の片軸受リールは、発明5において、旋回
支持手段が、係脱部材側とスプール側とに相対回転可能
に配置された軸と孔とを備える。発明7の片軸受リール
は、発明4〜6において、係脱操作部が係脱部材に配置
された操作突起を有し、端面部には操作突起が貫通して
遊動する遊動孔を有し、係脱部材には係脱突起の遊動位
置に関わらず遊動孔の内部空間側を塞ぐ遮蔽面を有す
る。
【0009】発明8の片軸受リールは、発明4〜7にお
いて、付勢手段が、一端が連結され他端が互いに拡縮す
る一対のばね片を有し、一方のばね片が係脱部材に当接
し他方のばね片が内部空間の内面に当接する板ばねと、
一対のばね片が拡縮可能に板ばねを係脱部材に対して位
置決めする位置決め手段とを有する。発明9の片軸受リ
ールは、発明8において、位置決め手段が、ばね片の連
結部分の中央に挿通された位置決め軸を有する。
【0010】発明10の片軸受リールは、発明4〜9に
おいて、係脱機構が、係脱部材がスプールに対して位置
ずれするのを防ぐ位置ずれ防止手段を備える。発明11
の片軸受リールは、発明10において、位置ずれ防止手
段が、係脱部材側とスプール側とに係合可能に配置され
た軸と孔とを備える。発明12の片軸受リールは、発明
11において、位置ずれ防止手段の軸と孔とが、旋回支
持手段の軸と孔とを兼ねる。
【0011】〔解決手段の説明〕リール本体およびスプ
ール軸の基本的な構造は通常の片軸受リールの場合と同
様でよい。筒体部および一対の側板部からなるスプール
の基本構造は、通常の片軸受リールの場合と同様であ
る。筒体部の内部空間は、取付状態でリール本体の側板
に近い側の一端が開口していて、こちら側からスプール
軸が挿通される。内部空間の他端側に端面部が配置され
る。スプールは、筒体部、一対の側板部および端面部が
全て一体形成されていてもよいし、端面部と一方の側板
部のみが一体形成されていて、残りの筒体部および他方
の側板部と組み立てて一体化させるものであってもよ
い。スプールあるいはスプールを構成する筒体部などの
各部材は、鋳造、鍛造、削り出し加工その他の通常の加
工方法で作製される。別々に作製された部材を熔接、ボ
ルト、リベットなどの結合手段で一体に結合してもよ
い。
【0012】端面部と一方の側板部との外側面は、平滑
な平面で連続的につながっていてもよいし、滑らかな曲
面でつながっていてもよいし、本願発明の作用効果を阻
害しない範囲で緩やかにわずかな段差や凹凸があっても
構わない。係脱機構は、スプール軸に回転自在に支持さ
れるスプールが、スプール軸から抜け出さないように係
合しておく状態と、スプール軸からスプールを抜き出す
ことができる離脱状態とを選択できるようになっていれ
ば、具体的構造は限定されない。係脱機構は、筒体部の
内部空間に配置され、スプールとともにスプール軸から
取り外すことができる。
【0013】係脱操作部は、係脱機構を前記係合状態と
抜き出し可能な状態との間で切り換えるための操作を行
う。係脱操作部は、係脱機構の他の部分と同様に筒体部
の内部空間に配置されているが、スプールがリール本体
に取り付けられた状態で前記操作が行えるように、係脱
操作部の一部が端面部を貫通して外部に露出する。係脱
操作部のうち、端面部の外部に露出した部分は、釣りの
動作あるいはリールの取扱いの邪魔にならないように、
外部に大きく突出せず、滑らかな外形状を有しているの
が好ましい。
【0014】係脱機構の具体的構造としては、スプール
軸とスプール軸に回転自在に支持される係脱部材とを係
合および係合解除できるような機構構造であれば、通常
の機械装置における機構構造が採用できる。例えば、ピ
ンと穴、凸部と凹部、突起と溝、噛み合う歯と歯などを
組み合わせればよい。係脱機構は、係合部材がスプール
軸に対して、相対的に直線運動を行うもの、揺動あるい
は旋回運動を行うもの、直線運動と旋回運動を組み合わ
せた運動を行うものなどがある。係脱操作部は、係脱機
構の構造に合わせて、係脱部材を直線運動させたり、揺
動あるいは旋回運動させたりする。係脱操作部の具体的
構造は、突起状のつまみやレバーなど、目的とする係脱
部材の操作ができれば、通常の機械装置における操作手
段の構造が採用される。
【0015】内部空間に配置される係脱機構は、内部空
間のうち端面部と塞がれた側からは取り付けることがで
きないので、内部空間のうち端面部の反対側になる開口
から内部空間に挿入されてスプールに取り付けられる。
係脱機構は、筒体部の内部空間に直接に取り付けられる
ようになっていてもよいが、固定部材に取り付けられ、
この固定部材が内部空間に配置されてスプールに固定さ
れるようになっていれば、スプールの外部で固定部材に
組み込まれた係脱機構を、固定部材のまま内部空間に挿
入してスプールに組み込むことができる。
【0016】係脱機構に、係脱部材を係合溝と係合する
方向に付勢する付勢手段を有していれば、係脱操作部を
離脱方向に操作しない限り、係脱機構は常に係合状態を
維持することができ、スプール軸からのスプールの抜け
出しを確実に阻止できる。付勢手段には、板ばね、コイ
ルばね等のばね部材が使用できる。係脱部材が、旋回支
持手段でスプールに対してスプール軸との係脱方向に旋
回自在に支持されていれば、係脱動作が確実に行え、係
脱操作も容易になる。旋回支持手段は、相対回転可能に
配置された軸と孔との組み合わせなどによる通常の旋回
支持構造が採用できる。軸と孔との組み合わせの場合、
係脱部材側とスプール側との何れの側に軸あるいは孔が
配置されていてもよい。
【0017】係脱部材に配置された操作突起が、端面部
の面方向に動作する場合、端面部には操作突起が貫通し
て遊動できる遊動孔が設けられる。遊動孔は操作突起の
断面積よりも広い開口空間を有するので、操作突起と遊
動孔との間には隙間が生じる。この場合、係脱部材に係
脱突起の遊動位置に関わらず遊動孔の内部空間側を塞ぐ
遮蔽面を有していれば、遊動孔と操作突起との隙間から
スプールの内部空間が外部と通じてしまうことが防げ
る。
【0018】付勢手段として、一端が連結され他端が互
いに拡縮する一対のばね片を有し、一方のばね片が係脱
部材に当接し他方のばね片が内部空間の内面に当接する
板ばねを有していれば、概略ヘアピン状の簡単な構造の
板ばねで係脱部材を確実に付勢しておくことができる。
一対のばね片が拡縮可能に板ばねを係脱部材に対して位
置決めする位置決め手段を有していれば、ばね片を確実
に所定の部材に当接させて係合部材に付勢力を加えるこ
とができる。位置決め手段は、板ばねの動作を阻害しな
ければ、その構造は限定されない。位置決め手段が、ば
ね片の連結部分の中央に挿通された位置決め軸を有して
いれば、この位置決め軸を、前記固定部材などのスプー
ル側の固定構造部分に嵌合などの手段で係合止定してお
くことで、ばね片の拡縮動作を損なわずに位置決めする
ことができる。
【0019】係脱部材は、スプール軸と係合している状
態で使用される。このとき、スプールとスプール軸との
相対回転や係脱操作に伴って、係脱機構そのものがスプ
ールに対して位置ずれを起こしてしまうと、係脱部材が
所定の係合位置に保持されない状態になってしまう可能
性がある。このような問題を防ぐには、係脱部材がスプ
ールに対して相対回転するのを阻止する回り止め機構な
どの位置ずれ防止手段を備えていることが好ましい。位
置ずれ防止手段として、係脱部材側とスプール側とに係
合可能に配置された軸と孔とを備えておけば、簡単かつ
確実に位置ずれが防止できる。より具体的には、端面部
の内面にスプール軸の軸心方向に設けられた回り止め孔
と、係脱部材に立設され回り止め孔に挿入される回り止
め軸とを有すれば、簡単な構造で確実な回り止めが果た
せる。位置ずれ防止手段の軸と孔とが、旋回支持手段の
軸と孔とを兼ねていれば、構造の簡略化を図れる。
【0020】
【実施形態】図1に示された片軸受リールは、リール本
体1と、リール本体1に片持ち支持されたスプール軸2
と、スプール軸2に対して相対回転自在に配置され外周
に釣り糸が巻かれるスプール3とを備えている。 〔全体の構造〕リール本体1は、一方側(図1左側)に
円盤状の側板10を有し、他方側は開放されている。側
板10の外周には、軸方向に延びる複数の保護部11が
円周方向に所定の間隔で形成されている。保護部11に
は、この片軸受リールを釣り竿に取り付けるための取付
部12が設けられている。スプール軸2は、その一端が
リール本体1の側板10の中心部にねじ込み固定されて
いる。スプール3は、内部に空間3aを有する筒状の胴
部15と、胴部15の一端部に形成された円盤状の内フ
ランジ16と、胴部15の他端部にリール本体1の開放
部を覆うように形成された外フランジ17とを有してい
る。内フランジ16はリール本体1の側板10と対向す
るように形成されている。空間3aのうちスプール軸2
の先端側は端面部18で塞がれている。端面部18は胴
部15および内外フランジ16、17と一体形成されて
いる。端面部18の外面は、中心部分がわずかに外側に
膨出し、中心から外周に向かって緩やかに傾斜して平坦
な外フランジ17の外面へと連続的につながっている。
外フランジ17の外面で外周近くにはハンドル48が取
り付けられている。ハンドル48は、ベアリング49を
介して外フランジ17に回転自在に支持されており、ハ
ンドル48をつかんだままでのスプール3の回転操作を
容易にしている。
【0021】次に、スプール3の内部空間3aに配置さ
れた機構について説明する。図2に詳しく示すように、
スプール3の内部空間3a内には、スプール3をスプー
ル軸2に対して回転自在に支持する1対の転がり軸受2
1、22と、スプール3の釣り糸繰り出し方向の回転を
制動する回転制動機構23と、スプール3のスプール軸
2からの抜け出しを防止するための係脱機構24とを有
している。
【0022】〔回転制動機構〕回転制動機構23は、筒
状のホルダ30と一方向クラッチ31とブレーキプレー
ト32とブレーキプレート32をホルダ30に押圧する
ための押圧機構25とを有している。ホルダ30は、ス
プール3に対して相対回転自在に装着されており、一方
向クラッチ31を収納するボディ部30aと、ボディ部
30aから軸方向に突出して形成された支持部30bと
を有している。支持部30bには、図6(図2のVI−VI
線断面図)に示すように、発音機構4を構成するばね部
材(後述)を支持するための切欠き30c、30dが形
成されている。
【0023】一方向クラッチ31は、ホルダ30とスプ
ール軸2との間に配置されており、ホルダ30がスプー
ル軸2に対して釣り糸巻き上げ方向に相対回転するのは
許容するが、ホルダ30がスプール軸2に対して釣り糸
繰り出し方向に相対回転するのは禁止する。ブレーキプ
レート32は、ホルダ30の支持部30b側の端面と押
圧機構25との間に配置されている。
【0024】ホルダ30のボディ部30a側の側方には
固定部材33が配置されている。固定部材33はスプー
ル3に対して相対回転不能に固定されている。また、固
定部材33と転がり軸受22との間には、スプール3の
軸方向のガタをなくすために、固定部材33と転がり軸
受22とを互いに離反する方向に付勢する板ばね29が
配置されている。
【0025】押圧機構25は、スプール3の側面にビス
35により固定された受け部材36と、受け部材36の
外周に軸方向に移動自在に配置され、ブレーキプレート
32と対向する円盤状の押圧板40と、押圧板40とブ
レーキプレート32との間で受け部材36の外周に装着
されたコイルバネ42とを有している。ブレーキプレー
ト32は、受け部材36の端部に軸方向に移動可能で径
方向には回転不能に支持されており、コイルバネ42の
付勢力でプレーキプレート32はホルダ30の側端面に
押圧されている。受け部材36は、内周面とスプール軸
2との間に転がり軸受21が配置され外周に押圧板40
とコイルバネ42およびプレーキプレート32が配置さ
れた筒部36aと、筒部36aの端部に一体形成され胴
部15の端面に当接してビス35で固定されるフランジ
部36bとを有する。
【0026】図7に詳しく示すように、押圧板40の側
端面のうちコイルバネ42に隣接する側とは反対側には
ブレーキ調整突起44が取り付けられている。ブレーキ
調整突起44は、受け部材36のフランジ部36bに周
方向に沿って形成された摺動孔36cに嵌挿されてい
る。ブレーキ調整突起44の押圧板40に近い根元部分
には段部44aが設けられている。ブレーキ調整突起4
4の段部44aは、摺動孔36cの縁部に設けられた段
差縁部36dに係合されている。段差縁部36dは、押
圧板40の内側への凹みの深さが、一方側から他方側へ
と傾斜して変化している。
【0027】ブレーキ調整突起44を摺動孔36cに沿
って移動させると、図7に実線または二点鎖線で示すよ
うに、段部44aが段差縁部36dに沿って案内され、
ブレーキ調整突起44が軸方向に移動する。ブレーキ調
整突起44が軸方向に移動すると、ブレーキ調整突起4
4を取り付けた押圧板40が軸方向に移動してコイルバ
ネ42への押圧力が変化し、コイルバネ42からブレー
キプレート32を介してホルダ30に加わる押圧力が変
化する。その結果、釣り糸の繰り出しによって回転する
スプール3へのブレーキ力が調整される。
【0028】〔発音機構〕発音機構4は、図6に詳しく
説明するように、ホルダ30の支持部30bに支持され
たばね部材37と、胴部15の内周面に形成された凹凸
部15bとを有する。ばね部材37は、概略U字形の帯
状ばね材料からなり、前記凹凸部15bに衝突する当接
部37aと、当接部37aを凹凸部15bに押圧するた
めのばね部37bとを有している。ホルダ30と胴部1
5とが相対的に回転すると、ばね部材37と凹凸部15
bとが弾発的に衝突を繰り返して発音する。ホルダ30
と胴部15との間に回転のずれが無く一体的に同期回転
しているときには発音しない。
【0029】〔係脱機構〕係脱機構24は、図2および
図4に詳しく示すように、概略L字形の板状をなし一端
が支持ピン45に旋回自在に支持された係脱部材46
と、係脱部材46の他端に固定された突起状の操作つま
み47とを有している。支持ピン45は端面部18の内
面に有する支持孔18aに嵌入支持されている。係脱部
材46は、スプール軸2の端部に形成された係合周溝2
aに係合可能な係合位置と、係合周溝2aから離脱した
係合解除位置(図4に2点鎖線で示す)とを取り得る。
【0030】係脱部材46は、その側部に配置されたリ
ターンばね50によって常に係合位置に付勢されてい
る。リターンばね50はヘアピン状に屈曲した帯状の板
ばね材料からなり、左右片50a、50bと両者を一端
で連結する連結部50cとを有する。リターンばね50
は、連結部50cの中央に配置され固定部材33側に固
定された支持軸52に支持されている。リターンばね5
0は左片50aが係脱部材46の側部に当接し、右片5
0bが固定部材33の内周縁に当接しており、左右片5
0a、50bの間隔が狭められた状態で装着されてい
る。左右片50a、50bが拡がろうとする弾発力が係
脱部材46を係合位置へと付勢する力を生じさせる。操
作つまみ47を操作しない限り、係脱部材46は常にス
プール軸2の係合周溝2aに係止し、スプール軸2から
スプール3が抜け出るのを阻止する。
【0031】図5にも示すように、操作つまみ47は、
スプール3の端面部18に貫通する円弧状の長孔からな
る遊動孔18bに挿通されて端面部18の外部に露出し
ている。遊動孔18bに沿って操作つまみ47が移動す
ると、係脱部材46も操作つまみ47とともに移動する
が、操作つまみ47の移動位置が何れの位置であって
も、係脱部材46が遊動孔18bの内面側を塞ぐ。具体
的には、L字形をなす係脱部材46の短辺部分の面積
が、遊動孔18bの幅および長さに比べて十分に広く設
定されていて、遊動孔18bを塞ぐ遮蔽面46aとな
る。このような遮蔽面46aを備えていることで、遊動
孔18bを通じて外部から内部空間3aへと水や塵埃そ
の他の異物が浸入するのを防ぐことができる。
【0032】〔リールの動作〕次に動作について説明す
る。図示していないが、スプール3の胴部15の外周に
は釣り糸が巻かれる。釣り糸を巻き取る際には、ハンド
ル48を操作してスプール3を回転させる。スプール3
はスプール軸2に対して相対回転する。このとき、一方
向クラッチ31はホルダ30のスプール軸2に対する巻
取り方向の回転は許容するので、回転制動機構23、発
音機構4等のスプール3の内部空間に収納された部品は
スプール3とともに回転する。したがって、回転が制動
されることなく、また発音することなくスプール3はス
ムーズに回転する。
【0033】スプール3から釣り糸を繰り出す際には、
スプール3は前記とは逆方向に回転する。このとき、ス
プール3とホルダ30とは、受け部材36、コイルばね
42およびブレーキプレート32を介して互いに圧接さ
れているので、ホルダ30はスプール3と同方向に回転
しようとする。しかし、一方向クラッチ31によってホ
ルダ30の繰り出し方向の回転は禁止されている。その
ため、コイルばね42の付勢力により設定された制動力
がスプール3の回転力に作用し、スプール3は所定のブ
レーキが作用した状態となる。このため、スプール3が
必要以上に回転して釣り糸が過剰に引き出されるのを防
止でき、糸からみを避けることができる。
【0034】また、このような釣り糸の繰り出し時に
は、受け部材36はスプール3とともに回転し、ホルダ
30はその回転が禁止されているので、ホルダ30に支
持されたばね部材37に対して胴部15の凹凸部15b
が相対的に回転する。これにより、スプール3の回転に
伴ってばね部材37の当接部37aが凹凸部15bの凹
部に衝突することとなり、発音する。
【0035】つぎに、図3に示すように、この片軸受リ
ールは、スプール3をリール本体1およびスプール軸2
から取り外すことができる。操作つまみ47をリターン
ばね50の付勢力に対向して操作し、係脱部材46をス
プール軸2の係合周溝2aから離脱させる。操作つまみ
47を離脱位置に維持したままで、スプール3をスプー
ル軸2から抜き出す。スプール3には、受け部材36、
一対の転がり軸受21、22、一方向クラッチ31およ
び係脱部材46などの機構部品が装着されたままで、ス
プール軸2から取り外される。
【0036】スプール軸2から取り外したスプール3
は、内部の機構部品を交換したり、汚れの除去作業を行
ったり、あるいは、ブレーキ力の調整を行ったりするこ
とができる。スプール3を取り外すことで、釣り糸の巻
取り方向を右巻きから左巻きに、あるいはその逆に変更
することができる。スプール軸2から取り外したスプー
ル3に対して、ビス35を取り外し、受け部材36等と
ともに一方向クラッチ31をスプール3の内部空間から
取り出す。そしてこの一方向クラッチ31の組み付け方
向を逆にして装着し、前記と逆の作業によってリールを
組み立てる。その結果、一方向クラッ31の回転許容
方向および回転阻止方向が逆になるので、釣り糸の巻取
り方向が左右逆になる。
【0037】この片軸受リールのスプール軸2では、取
り出し方向に向けて段階的に径が小さくなっており、フ
ランジ等の径の大きい部分がない。したがって、図1の
右方向に向かってスプール3及び各部品を抜き出す際に
じゃまになる部品が無く、スムーズに抜き出すことがで
きる。係脱機構24を構成する部品は全て固定部材33
に取り付けられた状態になっているので、スプール3に
対して係脱機構24を着脱する際には、係脱機構24を
固定部材33毎まとめて取り扱うことができる。具体的
には、組み立ての際には、スプール3の外部で固定部材
33に対して係脱機構24を組み込むことで、係脱機構
24の組み立てが簡単になり係脱機構24の動作確認や
調整も行い易い。係脱機構24が組み込まれた固定部材
33をスプール3の内部空間に挿入し、所定の位置で固
定部材33をスプール3に固定すれば、係脱機構24の
スプール3への組み込みも完了する。逆に、スプール3
から固定部材33を取り出せば係脱機構24もスプール
3から取り外される。
【0038】上記実施形態では、回転制動機構23や係
脱機構24等を構成する各部品がすべてスプール3の内
部空間3a内に収納される。したがって、特にリール本
体1の側板10とスプール3の内フランジ16との間の
スペースを狭くでき、リールの小型化が可能になる。ま
た、各機構内に砂等が侵入するのを抑えることができ
る。さらに、スプール3をスプール軸2から抜き出した
際に、リール本体側に部品が装着されていないので、従
来品のように分解した際にリール本体側に装着された部
品が意に反して外れたりすることもなく、組立、分解作
業時の取り扱いが容易になる。さらに、右巻きを左巻き
に変更することが容易になる。
【0039】〔その他の実施形態〕 (a) 前記実施形態では、スプール3の内部に、係脱機構
24のほかに回転制動機構23や転がり軸受21、22
などの機構部品が装着されていたが、スプールの内部に
は、必要に応じてその他の機構部品を装着しておいた
り、一部の機構部品をスプール軸2側に装着しておいた
りすることもできる。
【0040】(b) 前記実施形態では、スプール3の外側
面に端面部18が張り出していて、スプール軸2の係合
周溝2aよりも先端部分を端面部18の内側空間に収容
しているが、端面部18を外フランジ17と同じ平坦面
にしておくこともできる。 (c) 前記実施形態では、操作つまみ47すなわち係脱操
作部が端面部18の表面よりも外部に突出しているが、
係脱操作部を端面部18の表面と同一面に配置しておい
たり、端面部18の表面よりも内側に凹んだ状態で配置
しておくこともできる。
【0041】
【発明の効果】本発明の片軸受リールは、スプールの外
側面が、側板部と一体形成された端面部で構成されてい
るので、外側面には大きく目立つ段差や凹凸が生じな
い。その結果、外観性が向上し、釣糸の引っ掛かりや汚
れの付着を防止することができる。また、スプールの構
造を簡単にして小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を表す片軸受リールの断面図
【図2】要部の拡大断面図
【図3】スプールを取り外した状態を表す断面図
【図4】係脱機構を表す要部拡大断面図
【図5】外フランジの外面側から見た部分側面図
【図6】発音機構を表し、図2のVI−VI線における
拡大断面図
【図7】ブレーキ調整機構を表す一部断面図
【符号の説明】
1 リール本体 2 スプール軸 3 スプール 15 胴部(筒体部) 17 外フランジ(側板部) 18 端面部 23 回転制動機構 24 係脱機構 25 押圧機構 30 ホルダ 31 一方向クラッチ 46 係脱部材 47 操作つまみ(係脱操作部)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方側に円盤状の側板を有するとともに他
    方側が開放されたリール本体と、 前記リール本体の側板に一端が固定されたスプール軸
    と、 前記スプール軸が一端から挿通される内部空間を有し外
    周に釣糸が巻き付けられる筒体部と、前記筒体部の両端
    外周に配置された一対の側板部と、前記側板部の一方
    び前記筒体部の端部と一体形成され前記スプール軸の先
    端側で前記内部空間を塞ぐ端面部とを有し、前記スプー
    ル軸に相対回転自在に支持されたスプールと、 前記スプールの内部空間に配置され前記スプール軸とス
    プールとを係脱する係脱機構と、 前記係脱機構に配置され前記端面部を貫通して外部に露
    出する係脱操作部とを備えた片軸受リール。
  2. 【請求項2】前記係脱機構が、前記内部空間のうち前記
    端面部の反対側になる開口から挿入されて前記スプール
    に取り付けられる請求項1に記載の片軸受リール。
  3. 【請求項3】前記内部空間に配置され、前記係脱機構が
    取付けられた状態で前記スプールに固定される固定部材
    をさらに備える請求項1または2に記載の片軸受リー
    ル。
  4. 【請求項4】前記係脱機構が、前記スプール軸に配置さ
    れた係合溝と、前記内部空間の内面に配置され前記係合
    溝に係合する位置と係合溝から離脱する位置との間を移
    動自在な係脱部材と、前記係脱部材を前記係合溝と係合
    する方向に付勢する付勢手段とを有し、 前記係脱操作部が前記係脱部材に配置され、前記係脱部
    材を前記係合溝から離脱する方向に操作する請求項1〜
    3のいずれかに記載の片軸受リール。
  5. 【請求項5】前記係脱機構が、前記係脱部材を前記スプ
    ールに対して前記スプール軸との係脱方向に旋回自在に
    支持する旋回支持手段を備える請求項4に記載の片軸受
    リール。
  6. 【請求項6】前記旋回支持手段が、前記係脱部材側と前
    記スプール側とに相対回転可能に配置された軸と孔とを
    備える請求項5に記載の片軸受リール。
  7. 【請求項7】前記係脱操作部が前記係脱部材に配置され
    た操作突起を有し、前記端面部には前記操作突起が貫通
    して遊動する遊動孔を有し、前記係脱部材には前記係脱
    突起の遊動位置に関わらず前記遊動孔の前記内部空間側
    を塞ぐ遮蔽面を有する請求項4〜6のいずれかに記載の
    片軸受リール。
  8. 【請求項8】前記付勢手段が、一端が連結され他端が互
    いに拡縮する一対のばね片を有し、一方のばね片が前記
    係脱部材に当接し他方のばね片が前記内部空間の内面に
    当接する板ばねと、前記一対のばね片が拡縮可能に前記
    板ばねを前記係脱部材に対して位置決めする位置決め手
    段とを有する請求項4〜7のいずれかに記載の片軸受リ
    ール。
  9. 【請求項9】前記位置決め手段が、前記ばね片の連結部
    分の中央に挿通された位置決め軸を有する請求項8に記
    載の片軸受リール。
  10. 【請求項10】前記係脱機構が、前記係脱部材が前記ス
    プールに対して位置ずれするのを防ぐ位置ずれ防止手段
    を備える請求項4〜9に記載の片軸受リール。
  11. 【請求項11】前記位置ずれ防止手段が、前記係脱部材
    側と前記スプール側とに係合可能に配置された軸と孔と
    を備える請求項10に記載の片軸受リール。
  12. 【請求項12】前記位置ずれ防止手段の軸と孔とが、前
    記旋回支持手段の軸と孔とを兼ねる請求項11に記載の
    片軸受リール。
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