JP3449790B2 - 薄膜形成装置 - Google Patents
薄膜形成装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カソードの表面に置さ
れた基体に対してバイアス電位を印加してこの基体表面
に薄膜を形成する薄膜形成装置に関する。
れた基体に対してバイアス電位を印加してこの基体表面
に薄膜を形成する薄膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁気記録媒体は、高分子材料よ
りなるフィルム状基体とこのフィルム表面に磁性膜が成
膜されて構成されている。この磁性膜の保護膜として炭
素或は炭素を主成分とする薄膜、例えばダイヤモンド状
カーボン薄膜が成膜されている系が最近では高機能磁気
記録媒体として検討されている。上記フィルム状基体の
磁性膜上に上記薄膜を成膜する際に好適な装置として、
プラズマCVD法による薄膜形成装置(以下、単にプラ
ズマCVD装置と記す)がある。
りなるフィルム状基体とこのフィルム表面に磁性膜が成
膜されて構成されている。この磁性膜の保護膜として炭
素或は炭素を主成分とする薄膜、例えばダイヤモンド状
カーボン薄膜が成膜されている系が最近では高機能磁気
記録媒体として検討されている。上記フィルム状基体の
磁性膜上に上記薄膜を成膜する際に好適な装置として、
プラズマCVD法による薄膜形成装置(以下、単にプラ
ズマCVD装置と記す)がある。
【0003】通常、カーボン薄膜を形成するプラズマC
VD装置は、気体等の原料をグロー放電により電子状態
を活性化して基体表面で分解・結合等の化学反応をさせ
てカソードに設置された基体の表面に薄膜を形成する装
置である。
VD装置は、気体等の原料をグロー放電により電子状態
を活性化して基体表面で分解・結合等の化学反応をさせ
てカソードに設置された基体の表面に薄膜を形成する装
置である。
【0004】上記プラズマCVD装置は、図3及び図4
に示すように、カソード101と、このカソード101
と対向配置されてなるアノード102と、巻出し部10
4及び巻取り部105を有し長尺のフィルム状基体の原
反106がカソード101−アノード102間に差し亘
されてなる基体部103とが設けられ、これらの部材が
真空槽(図示は省略する。)内に収容され構成されてい
る。ここで、カソード101には原反106を安定に保
持するためのテフロン板108が設けられている。
に示すように、カソード101と、このカソード101
と対向配置されてなるアノード102と、巻出し部10
4及び巻取り部105を有し長尺のフィルム状基体の原
反106がカソード101−アノード102間に差し亘
されてなる基体部103とが設けられ、これらの部材が
真空槽(図示は省略する。)内に収容され構成されてい
る。ここで、カソード101には原反106を安定に保
持するためのテフロン板108が設けられている。
【0005】上記プラズマCVD装置においては、先ず
例えば1〜100Pa程度の低圧の炭化水素雰囲気中に
てカソード101にバイアス電位として所定の負電位を
印加する。すると一対の電極であるカソード101−ア
ノード102間に電界が生じ、グロー放電が起こってイ
オン化した炭化水素ガスが上記原反106のカソード1
01−アノード102間に位置した磁性膜107の表面
にて化学反応を起こして上記炭素がカソード101の表
面に位置した磁性膜107の表面に堆積して薄膜が形成
される。このようにして、上記原反106を巻出し部1
04から巻取り部105へ移動させて連続的に上記原反
106の表面に炭素(例えば、ダイヤモンド状カーボ
ン)からなる保護用薄膜を成膜する。
例えば1〜100Pa程度の低圧の炭化水素雰囲気中に
てカソード101にバイアス電位として所定の負電位を
印加する。すると一対の電極であるカソード101−ア
ノード102間に電界が生じ、グロー放電が起こってイ
オン化した炭化水素ガスが上記原反106のカソード1
01−アノード102間に位置した磁性膜107の表面
にて化学反応を起こして上記炭素がカソード101の表
面に位置した磁性膜107の表面に堆積して薄膜が形成
される。このようにして、上記原反106を巻出し部1
04から巻取り部105へ移動させて連続的に上記原反
106の表面に炭素(例えば、ダイヤモンド状カーボ
ン)からなる保護用薄膜を成膜する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如く蒸着テープのような導電性の長尺のフィルム状基体
に炭素の保護用薄膜を成膜する場合、以下に示すような
不都合が生じる。
如く蒸着テープのような導電性の長尺のフィルム状基体
に炭素の保護用薄膜を成膜する場合、以下に示すような
不都合が生じる。
【0007】フィルム状基体の原反106はカソード1
01の表面と接触しているか或は若干離間されて配置さ
れている。フィルム状基体の厚みが数μmであるのに対
して、カソード101−アノード102間の離間距離は
少なくとも数mm以上とされている。したがって、上記
フィルム状基体の原反106はカソード101とほぼ同
電位となっている。
01の表面と接触しているか或は若干離間されて配置さ
れている。フィルム状基体の厚みが数μmであるのに対
して、カソード101−アノード102間の離間距離は
少なくとも数mm以上とされている。したがって、上記
フィルム状基体の原反106はカソード101とほぼ同
電位となっている。
【0008】放電時においては、図5(図4中、破線A
−A'による断面図)に示すように、磁性膜107が位
置するカソード101−アノード102間においてはほ
ぼその離間空間全体に亘って電位線(等電位面の垂直断
面)が発生するのに対して、カソード101から若干外
れた箇所においては、図6(図4中、破線B−B'によ
る断面図)に示すように、カソード101が存在しない
ために電位線がこの箇所に位置するフィルム状基体の上
記原反106の磁性膜107の端部107aに集中す
る。すると、この端部107aの電界密度が大きくなっ
て異常放電が誘発される。上記磁性膜107以外の箇所
では、この異常放電により発生した熱を吸収するのはこ
の原反106のみとなって熱まけを起こしたり、上記原
反106に破断が発生する危険性も高くなる。
−A'による断面図)に示すように、磁性膜107が位
置するカソード101−アノード102間においてはほ
ぼその離間空間全体に亘って電位線(等電位面の垂直断
面)が発生するのに対して、カソード101から若干外
れた箇所においては、図6(図4中、破線B−B'によ
る断面図)に示すように、カソード101が存在しない
ために電位線がこの箇所に位置するフィルム状基体の上
記原反106の磁性膜107の端部107aに集中す
る。すると、この端部107aの電界密度が大きくなっ
て異常放電が誘発される。上記磁性膜107以外の箇所
では、この異常放電により発生した熱を吸収するのはこ
の原反106のみとなって熱まけを起こしたり、上記原
反106に破断が発生する危険性も高くなる。
【0009】特に、製品の歩留りの向上等を考慮して、
上記薄膜を成膜する際の投入パワーを増大させて上記薄
膜の形成速度(ここでは、膜厚方向の形成速度)を大き
くしたときに、上記原反106に発生する熱まけや破断
が顕著となる。具体的には、上記形成速度が200nm
/分を越えると無視できない頻度で上記原反106に破
断が生じ、400nm/分以上では確実に破断が生じて
上記薄膜形成は不可能となる。
上記薄膜を成膜する際の投入パワーを増大させて上記薄
膜の形成速度(ここでは、膜厚方向の形成速度)を大き
くしたときに、上記原反106に発生する熱まけや破断
が顕著となる。具体的には、上記形成速度が200nm
/分を越えると無視できない頻度で上記原反106に破
断が生じ、400nm/分以上では確実に破断が生じて
上記薄膜形成は不可能となる。
【0010】本発明は、上述の様々な課題に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、成膜時に基
体に生じがちな破断等のダメージをほぼ完全に防止して
基体の表面全体に亘って均質な薄膜を迅速に、しかも安
定且つ確実に成膜して、製品の歩溜り及び信頼性の大幅
な向上を図ることを可能とする薄膜形成装置を提供する
ことにある。
れたものであり、その目的とするところは、成膜時に基
体に生じがちな破断等のダメージをほぼ完全に防止して
基体の表面全体に亘って均質な薄膜を迅速に、しかも安
定且つ確実に成膜して、製品の歩溜り及び信頼性の大幅
な向上を図ることを可能とする薄膜形成装置を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の対象となるもの
は、固定され回転しないカソードと、前記カソードと対
向配置されてなるアノードとを有し、前記カソードに所
定のバイアス電位を印加してカソード-アノード間に差
し亘された長尺の導電性を有するフィルム状基体の表面
に薄膜を連続成膜する薄膜形成装置において、成膜領域
であるカソード-アノード間の空間を非成膜領域と隔て
るための隔壁を設けるとともに、成膜領域内の圧力を非
成膜領域内の圧力より大とし、前記フィルム状基体の走
行方向と直交する方向のカソード幅及びアノード幅がフ
ィルム状基体幅より大となるように構成するものであ
る。
は、固定され回転しないカソードと、前記カソードと対
向配置されてなるアノードとを有し、前記カソードに所
定のバイアス電位を印加してカソード-アノード間に差
し亘された長尺の導電性を有するフィルム状基体の表面
に薄膜を連続成膜する薄膜形成装置において、成膜領域
であるカソード-アノード間の空間を非成膜領域と隔て
るための隔壁を設けるとともに、成膜領域内の圧力を非
成膜領域内の圧力より大とし、前記フィルム状基体の走
行方向と直交する方向のカソード幅及びアノード幅がフ
ィルム状基体幅より大となるように構成するものであ
る。
【0012】この場合、具体的には成膜領域内の圧力を
5〜100Paとし,非成膜領域内の圧力を1Paより
小とする。このように非成膜領域内を高真空状態とし、
成膜領域内と1桁程度以上の差を設けることにより上記
非成膜領域内の放電を抑止する。
5〜100Paとし,非成膜領域内の圧力を1Paより
小とする。このように非成膜領域内を高真空状態とし、
成膜領域内と1桁程度以上の差を設けることにより上記
非成膜領域内の放電を抑止する。
【0013】このとき、上記フィルム状基体の走行方向
と直交する方向のカソード幅及びアノード幅(以下、電
極幅と記す)をフィルム状基体幅より大となるようにし
て構成する。これは、上記電極幅がフィルム状基体幅以
下であると、このフィルム状基体の幅方向の両端部に損
傷が生じる可能性が高くなるからである。具体的に、フ
ィルム状基体の一端部から上記電極の一端部までの距離
は、フィルム状基体幅が130mm程度とすると10m
m以上、好ましくは20mm以上とすれば良い。このよ
うにすることによって、成膜時間を増大させてもフィル
ム状基体の両端部に発生しがちな破損はほぼ皆無とな
る。
と直交する方向のカソード幅及びアノード幅(以下、電
極幅と記す)をフィルム状基体幅より大となるようにし
て構成する。これは、上記電極幅がフィルム状基体幅以
下であると、このフィルム状基体の幅方向の両端部に損
傷が生じる可能性が高くなるからである。具体的に、フ
ィルム状基体の一端部から上記電極の一端部までの距離
は、フィルム状基体幅が130mm程度とすると10m
m以上、好ましくは20mm以上とすれば良い。このよ
うにすることによって、成膜時間を増大させてもフィル
ム状基体の両端部に発生しがちな破損はほぼ皆無とな
る。
【0014】また、本発明においては、フィルム状基体
の表面に成膜される薄膜の膜厚方向の成膜速度を400
nm/分以上としたときに特に有効である。すなわち、
従来では上記成膜速度を200nm/分以上、特に40
0nm/分程の高速度とすると、上記フィルム状基体に
破断が発生して膜形成が不可能となるのに対し、本発明
の薄膜形成装置においては、400nm/分以上という
高成膜速度の条件下でもフィルム状基体に破断が生じる
ことなく安定な膜形成が可能となる。
の表面に成膜される薄膜の膜厚方向の成膜速度を400
nm/分以上としたときに特に有効である。すなわち、
従来では上記成膜速度を200nm/分以上、特に40
0nm/分程の高速度とすると、上記フィルム状基体に
破断が発生して膜形成が不可能となるのに対し、本発明
の薄膜形成装置においては、400nm/分以上という
高成膜速度の条件下でもフィルム状基体に破断が生じる
ことなく安定な膜形成が可能となる。
【0015】なお、成膜する薄膜としては、カーボンを
主成分とするもの、例えばダイヤモンド状カーボンより
なる保護膜を、また被成膜体である上記フィルム状基体
としては蒸着テープを主に想定している。
主成分とするもの、例えばダイヤモンド状カーボンより
なる保護膜を、また被成膜体である上記フィルム状基体
としては蒸着テープを主に想定している。
【0016】
【作用】本発明に係る薄膜形成装置においては、成膜領
域であるカソード−アノード間の空間を非成膜領域と隔
てるための隔壁が設けられているとともに、成膜領域内
の圧力を非成膜領域内の圧力より大とされている。この
圧力差は具体的には1桁程度以上とすることが望まし
く、成膜領域内と非成膜領域内とでこのような圧力差を
設定することにより、成膜時においてバイアス電位を印
加した際に非成膜領域内では放電が発生せず、成膜領域
内のみに放電が発生するようになる。したがって、非成
膜領域内では導電性のフィルム状基体に放電による高電
界がかかることがないために破断等の発生が抑止され、
成膜領域内に位置するフィルム状基体の表面に迅速に、
しかも安定且つ確実に薄膜形成が施される。
域であるカソード−アノード間の空間を非成膜領域と隔
てるための隔壁が設けられているとともに、成膜領域内
の圧力を非成膜領域内の圧力より大とされている。この
圧力差は具体的には1桁程度以上とすることが望まし
く、成膜領域内と非成膜領域内とでこのような圧力差を
設定することにより、成膜時においてバイアス電位を印
加した際に非成膜領域内では放電が発生せず、成膜領域
内のみに放電が発生するようになる。したがって、非成
膜領域内では導電性のフィルム状基体に放電による高電
界がかかることがないために破断等の発生が抑止され、
成膜領域内に位置するフィルム状基体の表面に迅速に、
しかも安定且つ確実に薄膜形成が施される。
【0017】
【実施例】以下、本発明に係る薄膜形成装置の好適な例
として、いわゆるプラズマCVD法による薄膜形成装置
(以下、単にプラズマCVD装置と記す)に適用した具
体的な実施例を図面を参照しながら説明する。
として、いわゆるプラズマCVD法による薄膜形成装置
(以下、単にプラズマCVD装置と記す)に適用した具
体的な実施例を図面を参照しながら説明する。
【0018】通常、上記プラズマCVD装置は、気体等
の原料をグロー放電により電子状態を活性化して基体表
面で分解・結合等の化学反応をさせてカソードに設置さ
れた基体の表面に薄膜を形成する装置である。
の原料をグロー放電により電子状態を活性化して基体表
面で分解・結合等の化学反応をさせてカソードに設置さ
れた基体の表面に薄膜を形成する装置である。
【0019】この実施例に係るプラズマCVD装置は、
成膜室である真空槽31と、この真空槽内に配置されて
いる成膜手段と、上記真空槽内の真空状態を制御する真
空制御部と、成膜用のガスである炭化水素ガスを上記真
空槽31内に供給するための反応ガス供給部(共に図示
は省略する。)とから構成されている。
成膜室である真空槽31と、この真空槽内に配置されて
いる成膜手段と、上記真空槽内の真空状態を制御する真
空制御部と、成膜用のガスである炭化水素ガスを上記真
空槽31内に供給するための反応ガス供給部(共に図示
は省略する。)とから構成されている。
【0020】上記プラズマCVD装置の主要部である成
膜手段は、図1に示すように、プラズマ放電用の電源1
と電源ライン2にて接続されているカソード3と、この
カソード3と所定距離をもって対向配置されている接地
されたアノード4と、カソード3−アノード4間に差し
亘された導電性を有する長尺のフィルム状基体をもつ基
体部5と、成膜領域21と非成膜領域22とを隔てる隔
壁6とから構成されている。
膜手段は、図1に示すように、プラズマ放電用の電源1
と電源ライン2にて接続されているカソード3と、この
カソード3と所定距離をもって対向配置されている接地
されたアノード4と、カソード3−アノード4間に差し
亘された導電性を有する長尺のフィルム状基体をもつ基
体部5と、成膜領域21と非成膜領域22とを隔てる隔
壁6とから構成されている。
【0021】上記カソード3は、その上部にこのカソー
ド3をシールドするための接地されたシールド板11を
有している。また、カソード3は、隔壁6と隔壁6の間
に固定されている。なお、このカソード3と電気的に接
続されている電源1は、高周波(RF)電源とされてい
る。
ド3をシールドするための接地されたシールド板11を
有している。また、カソード3は、隔壁6と隔壁6の間
に固定されている。なお、このカソード3と電気的に接
続されている電源1は、高周波(RF)電源とされてい
る。
【0022】上記基体部5は、その構成要素であるフィ
ルム状基体がポリエチレン等よりなるフィルム上に磁性
膜が形成され、さらに背面にバックコート膜が成膜され
3重構造とされてなるものであり、プラズマCVD装置
により上記磁性膜上に炭素或は炭素を主成分とする薄
膜、例えばダイヤモンド状カーボンの薄膜が成膜されて
磁気記録媒体として用いられる。この基体部5は、被成
膜体であるフィルム状基体の原反12と、巻取り及び巻
出しロール13,14とから構成され、カソード3−ア
ノード4間においてカソード3の表面と接触或は若干の
離間距離をもって配設されている。成膜時においては、
カソード3−アノード4間に位置した上記原反12の成
膜部15に成膜が施されてゆくことになる。
ルム状基体がポリエチレン等よりなるフィルム上に磁性
膜が形成され、さらに背面にバックコート膜が成膜され
3重構造とされてなるものであり、プラズマCVD装置
により上記磁性膜上に炭素或は炭素を主成分とする薄
膜、例えばダイヤモンド状カーボンの薄膜が成膜されて
磁気記録媒体として用いられる。この基体部5は、被成
膜体であるフィルム状基体の原反12と、巻取り及び巻
出しロール13,14とから構成され、カソード3−ア
ノード4間においてカソード3の表面と接触或は若干の
離間距離をもって配設されている。成膜時においては、
カソード3−アノード4間に位置した上記原反12の成
膜部15に成膜が施されてゆくことになる。
【0023】上記隔壁6は、テフロン等よりなる絶縁体
層(誘電体層)であり、上記真空槽31内において、原
反12の成膜部15が位置する成膜領域21と原反12
の成膜部15以外の部分が位置する領域である非成膜領
域22とを隔てるためのものである。この隔壁6は、図
示の如く上壁部6aと下壁部6bとから構成され、これ
ら上壁部6a及び下壁部6bの間に形成された隙間6c
に長尺状の上記原反12が設けられている。
層(誘電体層)であり、上記真空槽31内において、原
反12の成膜部15が位置する成膜領域21と原反12
の成膜部15以外の部分が位置する領域である非成膜領
域22とを隔てるためのものである。この隔壁6は、図
示の如く上壁部6aと下壁部6bとから構成され、これ
ら上壁部6a及び下壁部6bの間に形成された隙間6c
に長尺状の上記原反12が設けられている。
【0024】ここで、上記隔壁6、正確には上記下壁部
6bにより形成された成膜領域21内と、上記真空槽3
1内において、上壁部6a及び下壁部6b(すなわち隔
壁6)によりその外側に形成された非成膜領域22内と
の間に圧力差を設ける。すなわち、上記成膜領域21内
の圧力を上記非成膜領域22内の圧力より大、ここでは
前者を80Pa、後者を1Paより小と、ほぼ1桁以上
の圧力差に設定する。
6bにより形成された成膜領域21内と、上記真空槽3
1内において、上壁部6a及び下壁部6b(すなわち隔
壁6)によりその外側に形成された非成膜領域22内と
の間に圧力差を設ける。すなわち、上記成膜領域21内
の圧力を上記非成膜領域22内の圧力より大、ここでは
前者を80Pa、後者を1Paより小と、ほぼ1桁以上
の圧力差に設定する。
【0025】上記プラズマCVD装置を使用するに際し
ては、先ず上記真空槽31内を上記真空制御部により十
分低い背圧(例えば1×10-3Pa程度以下)とする。
その後、上記反応ガス供給部より上記成膜領域21内に
炭化水素ガスを所要の圧力(ここでは80Pa)となる
まで導入する。このとき、成膜領域21内に導入した反
応ガスは上記隙間6cから非成膜領域22に若干漏れる
ために、排気流量の多い真空ポンプ(図示は省略する)
を用いて非成膜領域22内を1Paより小の所定圧力に
調節する。すなわち、上記隙間6cによってコンダクタ
ンスが生じて成膜領域21内及び非成膜領域22内がそ
れぞれ所定の圧力(成膜領域21内が80Pa、非成膜
領域22内が1Paより小)に安定化することになる。
ては、先ず上記真空槽31内を上記真空制御部により十
分低い背圧(例えば1×10-3Pa程度以下)とする。
その後、上記反応ガス供給部より上記成膜領域21内に
炭化水素ガスを所要の圧力(ここでは80Pa)となる
まで導入する。このとき、成膜領域21内に導入した反
応ガスは上記隙間6cから非成膜領域22に若干漏れる
ために、排気流量の多い真空ポンプ(図示は省略する)
を用いて非成膜領域22内を1Paより小の所定圧力に
調節する。すなわち、上記隙間6cによってコンダクタ
ンスが生じて成膜領域21内及び非成膜領域22内がそ
れぞれ所定の圧力(成膜領域21内が80Pa、非成膜
領域22内が1Paより小)に安定化することになる。
【0026】この状態にて上記電源1よりカソード3に
所定のRF電位を印加する。すると一対の電極であるカ
ソード3−アノード4間に高電界が生じ、グロー放電が
起こってカソード3に負のバイアス電位が生じ分解反応
した炭化水素ガスが成膜領域21内に位置する上記原反
12の成膜部15の表面に炭素が堆積してダイヤモンド
状カーボンの薄膜が形成される。そして、上記原反12
を巻取りロール13から巻出しロール14へ走行させる
ことにより、上記原反12の表面に保護膜としてダイヤ
モンド状カーボンの薄膜が連続成膜されてゆき、磁気記
録媒体として好適な磁気テープが作製される。
所定のRF電位を印加する。すると一対の電極であるカ
ソード3−アノード4間に高電界が生じ、グロー放電が
起こってカソード3に負のバイアス電位が生じ分解反応
した炭化水素ガスが成膜領域21内に位置する上記原反
12の成膜部15の表面に炭素が堆積してダイヤモンド
状カーボンの薄膜が形成される。そして、上記原反12
を巻取りロール13から巻出しロール14へ走行させる
ことにより、上記原反12の表面に保護膜としてダイヤ
モンド状カーボンの薄膜が連続成膜されてゆき、磁気記
録媒体として好適な磁気テープが作製される。
【0027】このように、成膜領域21であるカソード
3−アノード4間の空間を非成膜領域22と隔てるため
の隔壁6が設けられているとともに、成膜領域21内の
圧力を非成膜領域22内の圧力より大とされている。こ
の圧力差は具体的には1桁程度以上とすることが望まし
く、成膜領域21内と非成膜領域22内とでこのような
圧力差を設定することにより、成膜時においてバイアス
電位を印加した際に非成膜領域22内では放電が発生せ
ず、成膜領域21内のみに放電が発生するようになる。
したがって、非成膜領域22内では導電性のフィルム状
基体の原反12にグロー放電による高電界がかかること
がないために破断等の発生が抑止され、成膜領域21内
に位置する上記原反12の表面に迅速に、しかも安定且
つ確実に薄膜形成が施される。
3−アノード4間の空間を非成膜領域22と隔てるため
の隔壁6が設けられているとともに、成膜領域21内の
圧力を非成膜領域22内の圧力より大とされている。こ
の圧力差は具体的には1桁程度以上とすることが望まし
く、成膜領域21内と非成膜領域22内とでこのような
圧力差を設定することにより、成膜時においてバイアス
電位を印加した際に非成膜領域22内では放電が発生せ
ず、成膜領域21内のみに放電が発生するようになる。
したがって、非成膜領域22内では導電性のフィルム状
基体の原反12にグロー放電による高電界がかかること
がないために破断等の発生が抑止され、成膜領域21内
に位置する上記原反12の表面に迅速に、しかも安定且
つ確実に薄膜形成が施される。
【0028】ここで、上記実施例に係るプラズマCVD
装置を用いて、実際にフィルム状基体である上記原反1
2の表面に保護膜としてダイヤモンド状カーボンの薄膜
を連続成膜した際の、その薄膜の膜厚及び膜質を調べた
実験例について説明する。
装置を用いて、実際にフィルム状基体である上記原反1
2の表面に保護膜としてダイヤモンド状カーボンの薄膜
を連続成膜した際の、その薄膜の膜厚及び膜質を調べた
実験例について説明する。
【0029】この実験例において使用するフィルム状基
体である上記原反12は、その幅が127mmであり、
ポリエチレンテレフタレート(PET)等よりなるフィ
ルム上に磁性膜が蒸着形成され、さらに背面にバックコ
ート膜が成膜され3重構造とされてなるものである。こ
のとき、上記フィルム厚は9μm、上記磁性膜はCo−
Ni−Oよりなり膜厚0.2μm、上記バックコート膜
はカーボン内添バインダよりなり膜厚0.8μmとさ
れ、上記原反12の走行方向と直交する方向及び上記原
反12の走行方向のカソード3及びアノード4の幅(以
下、電極幅と記す)がそれぞれ140mm,100mm
とされている。
体である上記原反12は、その幅が127mmであり、
ポリエチレンテレフタレート(PET)等よりなるフィ
ルム上に磁性膜が蒸着形成され、さらに背面にバックコ
ート膜が成膜され3重構造とされてなるものである。こ
のとき、上記フィルム厚は9μm、上記磁性膜はCo−
Ni−Oよりなり膜厚0.2μm、上記バックコート膜
はカーボン内添バインダよりなり膜厚0.8μmとさ
れ、上記原反12の走行方向と直交する方向及び上記原
反12の走行方向のカソード3及びアノード4の幅(以
下、電極幅と記す)がそれぞれ140mm,100mm
とされている。
【0030】また、成膜条件としては、炭化水素ガスを
エチレンと水素が4:1の割合で混合された混合ガスと
し、上記成膜領域21内の圧力を80Pa、上記非成膜
領域22内の圧力を1Pa以下の所定圧(ここでは0.
1Pa程度以下)として、上記電源1による投入パワー
を340W(周波数:13.56MHz)、パワーを投
入する成膜時間を5秒、成膜する薄膜の膜厚方向の成膜
速度を400nm/分以上、ここでは720nm/分と
した。
エチレンと水素が4:1の割合で混合された混合ガスと
し、上記成膜領域21内の圧力を80Pa、上記非成膜
領域22内の圧力を1Pa以下の所定圧(ここでは0.
1Pa程度以下)として、上記電源1による投入パワー
を340W(周波数:13.56MHz)、パワーを投
入する成膜時間を5秒、成膜する薄膜の膜厚方向の成膜
速度を400nm/分以上、ここでは720nm/分と
した。
【0031】そして、上記実験例においては、上記原反
12の表面にSiよりなるチップを設け、成膜後エリプ
ソメトリーによりその屈折率及び膜厚を、ラマン分光に
よる手法により膜質を測定した。
12の表面にSiよりなるチップを設け、成膜後エリプ
ソメトリーによりその屈折率及び膜厚を、ラマン分光に
よる手法により膜質を測定した。
【0032】この実験の結果としては、カソード3−ア
ノード4間の成膜領域21内のみに高圧のグロー放電が
観察された。このとき、導電性のフィルム状基体である
上記原反12にはダメージは生じず、上記原反12への
成膜後に上記Siチップを調べたところ、屈折率及び膜
厚の測定結果から膜厚60nm、ラマン分光の測定結果
から典型的なダイヤモンド状カーボンのスペクトルが得
られた。
ノード4間の成膜領域21内のみに高圧のグロー放電が
観察された。このとき、導電性のフィルム状基体である
上記原反12にはダメージは生じず、上記原反12への
成膜後に上記Siチップを調べたところ、屈折率及び膜
厚の測定結果から膜厚60nm、ラマン分光の測定結果
から典型的なダイヤモンド状カーボンのスペクトルが得
られた。
【0033】ここで、上記成膜時間を5秒から10秒に
増大させてみたところ、図2に示すように、上記原反1
2の成膜部15の両端部(図中、斜線で示す幅10mm
程の箇所)32に若干の損傷が発生した。
増大させてみたところ、図2に示すように、上記原反1
2の成膜部15の両端部(図中、斜線で示す幅10mm
程の箇所)32に若干の損傷が発生した。
【0034】そこで、上記原反12の走行方向と直交す
る方向の幅が67mmの原反12を用いて上記と同様に
成膜部15に成膜を施したところ、成膜時間が10秒の
ときでもこの成膜部15に損傷は生じなかった。この結
果から、上記原反12の走行方向と直交する方向の上記
電極幅がフィルム状基体幅より大、望ましくは成膜部1
5の一端部から上記電極の一端部までの距離を20mm
以上とする必要がある。
る方向の幅が67mmの原反12を用いて上記と同様に
成膜部15に成膜を施したところ、成膜時間が10秒の
ときでもこの成膜部15に損傷は生じなかった。この結
果から、上記原反12の走行方向と直交する方向の上記
電極幅がフィルム状基体幅より大、望ましくは成膜部1
5の一端部から上記電極の一端部までの距離を20mm
以上とする必要がある。
【0035】このように、上記実施例に係るプラズマC
VD装置によれば、成膜速度を大幅に増大(720nm
/分)させても、導電性フィルム状基体である上記原反
12に何等ダメージを与えることなく原反12の表面に
保護膜であるダイヤモンド状カーボンの薄膜を成膜する
ことが可能であり、ほぼ理想的な成膜が実現可能となる
ことがわかる。
VD装置によれば、成膜速度を大幅に増大(720nm
/分)させても、導電性フィルム状基体である上記原反
12に何等ダメージを与えることなく原反12の表面に
保護膜であるダイヤモンド状カーボンの薄膜を成膜する
ことが可能であり、ほぼ理想的な成膜が実現可能となる
ことがわかる。
【0036】ここで、上記実施例に対するいくつかの比
較例を示す。これら比較例は、図3に示す従来のプラズ
マCVD装置(すなわち、上記隔壁6を有しないもの)
を用いて上記実験例と同一の手法にてダイヤモンド状カ
ーボンの薄膜の膜厚及び膜質を測定したものである。
較例を示す。これら比較例は、図3に示す従来のプラズ
マCVD装置(すなわち、上記隔壁6を有しないもの)
を用いて上記実験例と同一の手法にてダイヤモンド状カ
ーボンの薄膜の膜厚及び膜質を測定したものである。
【0037】先ず、第1の比較例について説明する。こ
の第1の比較例は、上記実験例と同一の条件にて成膜を
施して膜厚及び膜質を測定したものである。その結果、
電源にパワーを投入した直後(1秒以内)にカソード1
01の近傍にてフィルム状基体の原反105に破断が生
じた。このとき、上記原反105への成膜後にSiチッ
プを調べたところ、屈折率及び膜厚の測定結果から膜厚
5nm以下、ラマン分光の測定結果からダイヤモンド状
カーボンのスペクトルは得られなかった。
の第1の比較例は、上記実験例と同一の条件にて成膜を
施して膜厚及び膜質を測定したものである。その結果、
電源にパワーを投入した直後(1秒以内)にカソード1
01の近傍にてフィルム状基体の原反105に破断が生
じた。このとき、上記原反105への成膜後にSiチッ
プを調べたところ、屈折率及び膜厚の測定結果から膜厚
5nm以下、ラマン分光の測定結果からダイヤモンド状
カーボンのスペクトルは得られなかった。
【0038】そこで、第2の比較例として、投入パワー
を100W(上記成膜速度が120nm/分)と上記第
1の比較例の1/3以下として成膜を試みた。その結
果、上記原反105全体、即ち巻出し部104−巻取り
部105間に非常に弱い放電が観察された。このとき、
上記原反105への成膜後にSiチップを調べたとこ
ろ、屈折率及び膜厚の測定結果から膜厚10nm以下、
ラマン分光の測定結果からダイヤモンド状カーボンのス
ペクトルは得られなかった。そしてこのとき、上記投入
パワーを徐々に増大させてみたところ、この投入パワー
が180W(上記成膜速度が200nm/分)となった
ときに上記原反105に破断が生じた。
を100W(上記成膜速度が120nm/分)と上記第
1の比較例の1/3以下として成膜を試みた。その結
果、上記原反105全体、即ち巻出し部104−巻取り
部105間に非常に弱い放電が観察された。このとき、
上記原反105への成膜後にSiチップを調べたとこ
ろ、屈折率及び膜厚の測定結果から膜厚10nm以下、
ラマン分光の測定結果からダイヤモンド状カーボンのス
ペクトルは得られなかった。そしてこのとき、上記投入
パワーを徐々に増大させてみたところ、この投入パワー
が180W(上記成膜速度が200nm/分)となった
ときに上記原反105に破断が生じた。
【0039】このように、上記比較例により従来のプラ
ズマCVD装置に対する上記実施例に係るプラズマCV
D装置の優位性が示された。
ズマCVD装置に対する上記実施例に係るプラズマCV
D装置の優位性が示された。
【0040】本発明に係る薄膜形成装置によれば、固定
され回転しないカソードと、このカソードと対向配置さ
れてなるアノードとを有し、前記カソードに所定のバイ
アス電位を印加してカソード−アノード間に差し亘され
た長尺の導電性を有するフィルム状基体の表面に薄膜を
連続成膜する薄膜形成装置において、成膜領域であるカ
ソード−アノード間の空間を非成膜領域と隔てるための
隔壁を設けるとともに、成膜領域内の圧力を非成膜領域
内の圧力より大となるようにして構成したので、成膜時
に基体に生じがちな破断等のダメージをほぼ完全に防止
して基体の表面全体に亘って均質な薄膜を迅速に、しか
も安定且つ確実に成膜して、製品の歩溜り及び信頼性の
大幅な向上を図ることが可能となる。また、フィルム状
基体の走行方向と直交する方向のカソード幅及びアノー
ド幅がフィルム状基体幅より大とされているので、フィ
ルム状基体の両端部に破損が発生することがない。さら
に、カソードは固定されて回転しないので、フィルム状
基体幅よりも幅広のカソード、すなわち電極を使って
も、この幅広部分に積層されるDLCにより電極の回転
がスムーズに行かなくなるといった弊害が発生すること
がない。
され回転しないカソードと、このカソードと対向配置さ
れてなるアノードとを有し、前記カソードに所定のバイ
アス電位を印加してカソード−アノード間に差し亘され
た長尺の導電性を有するフィルム状基体の表面に薄膜を
連続成膜する薄膜形成装置において、成膜領域であるカ
ソード−アノード間の空間を非成膜領域と隔てるための
隔壁を設けるとともに、成膜領域内の圧力を非成膜領域
内の圧力より大となるようにして構成したので、成膜時
に基体に生じがちな破断等のダメージをほぼ完全に防止
して基体の表面全体に亘って均質な薄膜を迅速に、しか
も安定且つ確実に成膜して、製品の歩溜り及び信頼性の
大幅な向上を図ることが可能となる。また、フィルム状
基体の走行方向と直交する方向のカソード幅及びアノー
ド幅がフィルム状基体幅より大とされているので、フィ
ルム状基体の両端部に破損が発生することがない。さら
に、カソードは固定されて回転しないので、フィルム状
基体幅よりも幅広のカソード、すなわち電極を使って
も、この幅広部分に積層されるDLCにより電極の回転
がスムーズに行かなくなるといった弊害が発生すること
がない。
【図1】実施例に係る薄膜形成装置(プラズマCVD装
置)を示す模式図である。
置)を示す模式図である。
【図2】原反の成膜部の両端部に若干の損傷が発生した
様子を示す模式図である。
様子を示す模式図である。
【図3】従来のプラズマCVD装置を示す模式図であ
る。
る。
【図4】従来のプラズマCVD装置のカソード近傍を模
式的に示す平面図である。
式的に示す平面図である。
【図5】図4における破線A−A’による断面図であ
る。
る。
【図6】図4における破線B−B’による断面図であ
る。
る。
1 電源
2 電源ライン
3 カソード
4 アノード
5 基体部
6 隔壁
6a 上壁部
6b 下壁部
12 原反
15 成膜部
21 成膜領域
22 非成膜領域
31 真空槽
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 浅野 勝昭
東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ
ニー株式会社内
(72)発明者 山▲崎▼ 舜平
神奈川県厚木市長谷398 株式会社半導
体エネルギー研究所内
(72)発明者 伊藤 健二
神奈川県厚木市長谷398 株式会社半導
体エネルギー研究所内
(56)参考文献 特開 平6−208721(JP,A)
特開 平6−41758(JP,A)
特開 平5−25648(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C23C 16/00 - 16/56
H01L 21/205
H01L 21/31 - 21/32
G11B 5/72
Claims (3)
- 【請求項1】 固定され回転しないカソードと、前記カ
ソードと対向配置されてなるアノードとを有し、前記カ
ソードに所定のバイアス電位を印加してカソード-アノ
ード間に差し亘された長尺の導電性を有するフィルム状
基体の表面に薄膜を連続成膜する薄膜形成装置におい
て、 成膜領域であるカソード-アノード間の空間を非成膜領
域と隔てるための隔壁を設けるとともに、成膜領域内の
圧力を非成膜領域内の圧力より大とし、前記フィルム状基体の走行方向と直交する方向のカソー
ド幅及びアノード幅がフィルム状基体幅より大である こ
とを特徴とする薄膜形成装置。 - 【請求項2】 成膜する薄膜がカーボンよりなる保護膜
であることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。 - 【請求項3】 フィルム状基体が蒸着テープであること
を特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17895794A JP3449790B2 (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 薄膜形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17895794A JP3449790B2 (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 薄膜形成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0849076A JPH0849076A (ja) | 1996-02-20 |
JP3449790B2 true JP3449790B2 (ja) | 2003-09-22 |
Family
ID=16057624
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17895794A Expired - Lifetime JP3449790B2 (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 薄膜形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3449790B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100296692B1 (ko) | 1996-09-10 | 2001-10-24 | 사토 도리 | 플라즈마cvd장치 |
-
1994
- 1994-07-29 JP JP17895794A patent/JP3449790B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0849076A (ja) | 1996-02-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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