JP3441397B2 - 電子装置の表面信号操作用融着プローブ及びその製造方法 - Google Patents
電子装置の表面信号操作用融着プローブ及びその製造方法Info
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Description
ブ、BCN系ナノチューブ、BN系ナノチューブ等のナ
ノチューブを探針として使用する電子装置の表面信号操
作用プローブに関し、更に詳細には、ナノチューブをホ
ルダーに通電または電子ビーム照射により融着させて、
例えば、試料表面の物理的・化学的作用を検出して試料
表面像を撮像する走査型プローブ顕微鏡の探針として用
いたり、磁気ディスク装置の入出力用探針として用いる
ことのできる電子装置の表面信号操作用プローブ及びそ
の製造方法に関する。
鏡として電子顕微鏡があったが、真空中でなければ電子
ビームが飛ばないために実験技術上で種々の問題があっ
た。ところが、近年、大気中でも表面を原子レベルで観
察できる走査型プローブ顕微鏡と云う顕微鏡技術が開発
されるに到った。プローブの最先端にある探針を試料表
面に原子サイズで極微接近させると、個々の試料原子か
らの物理的・化学的作用を探針で検出し、探針を表面上
に走査させながら検出信号から試料表面像を現出させる
顕微鏡である。
(STMとも略称する)で、先端の先鋭な導電性探針を
試料表面から電子の波動関数が重なる距離、例えば約1
nmまで接近させると、試料原子と探針間にトンネル電
流が流れ出す。試料表面には原子レベルで凹凸があるか
ら、トンネル電流が一定になるように探針を遠近させな
がら、探針を試料表面に対し走査させる。探針の遠近信
号が表面の凹凸に対応するので、試料表面像を原子レベ
ルで撮像できる装置である。その弱点は、分解能を上げ
るために、導電性材料からなる探針の先端を先鋭化しな
ければならない点である。
タングステンなどの線材を先鋭化処理して形成される。
先鋭化処理には機械的研磨法と電解研磨法が用いられ
る。例えば、白金イリジウムは工具のニッパで切断する
だけで鋭い破断面が得られる。しかし、再現性が不確定
であるだけでなく、その先端曲率半径は100nm前後
と大きく、凹凸のある試料表面の鮮明な原子像を得るに
は不十分である。
る。図19は電解研磨装置の概略図である。白金電極8
0と探針となるタングステン電極81を交流電源82に
接続して亜硝酸ナトリウム水溶液83中に吊り下げる。
タングステン電極81は電流が流れるにつれて次第に溶
液中で溶解され、先端が針状に仕上がる。研磨終了時に
は先端が液面から離れ、図20に示すタングステン探針
84が完成する。しかし、このタングステン探針でも先
端曲率半径は100nm程度で、数原子程度の凹凸を鮮
明に撮像することは出来ない。
子間力顕微鏡(AFMと略称する)である。STMでは
トンネル電流を流すために探針及び試料が原則として導
電体でなければならない。そこで、非導電性物質の表面
を見るためにAFMが開発された。この装置では図21
に示すカンチレバー85が用いられる。このカンチレバ
ー85の後方はサブストレート86に固定され、前方に
はピラミッド状の探針87が形成されている。探針の先
端には先鋭化処理により先鋭部88が形成される。サブ
ストレート86は走査駆動部に装着される。先鋭部88
を試料表面に3A(0.3nm)位まで接近させると、
試料原子から斥力を受ける状態になる。この状態で探針
を試料表面に沿って走査すると、表面の凹凸に応じて前
記斥力により探針87が上下し、カンチレバー85が
「てこ」のようにそれに応じて撓む。この撓みをカンチ
レバー85の背面に照射されたレーザービームの反射角
度のずれにより検出して表面像を現出させるものであ
る。
による製造工程図である。シリコンウェハ89の両面に
酸化膜90を形成し、その一部にリソグラフィーとエッ
チングで凹部91を作り、その部分も酸化膜92で被覆
する。酸化膜90、92を窒素処理によりSi3N4膜
93に変化させ、裏面全体および表面の一部をエッチン
グして切断部94を作る。一方、ガラス95に大凹部9
6を形成し、前記Si 3N4膜93上に陽極接合させ
る。この後、ガラス部97をカットし、シリコン部98
をエッチング除去して、レーザー反射用の金膜99を形
成すると、目的の探針が出来上がる。即ち、カンチレバ
ー85、サブストレート86、探針87および先鋭部8
8が完成する。
先鋭部88をどこまで先鋭化できるかが問題である。結
局凹部91の先端を鋭利にエッチング処理するか、又は
探針87の先端をエッチングして鋭利化することにな
る。しかし、これらのエッチング処理でも、先鋭部88
の先端曲率半径を10nmより小さくすることは困難で
あった。試料表面の凹凸は原子サイズであり、これを鮮
明に映像化するには10nm以下にする必要があるが、
この技術では達成することは不可能であった。
プローブの決め手となる探針に何を用いるかが重要な問
題になる。一つはウィスカー(ひげ結晶)を用いる方向
である。実際、酸化亜鉛ウィスカーが探針として利用さ
れた。プレーナ技術によるピラミッド探針よりも、ウィ
スカー探針は先端角や先端曲率が小さいためにシャープ
な映像が得られる。しかし、ウィスカーの製造法が確立
しておらず、同時にSTM用の導電性ウィスカーを作る
ことはまだ試されていない。また、断面直径が10nm
以下の望まれるウィスカーはまだ得られていない現状で
ある。また、これらの探針は試料表面との強い接触で容
易に壊れたり、通常の使用状態でもすぐに摩耗して使用
不能になるなど問題が多かった。
ブを探針に利用しようとするアイデアが出現した。カー
ボンナノチューブは導電性であるため、AFMにもST
Mにも利用することが出来る。J.Am.Chem.S
oc.120巻(1998年)603頁に、生物システ
ムを映像化する高分解能プローブとしてカーボンナノチ
ューブ探針が提案されている。しかし、一番重要な点、
即ちカーボン混合物中からカーボンナノチューブだけを
どのように収集するか、どのようにしてホルダーにカー
ボンナノチューブを固定するのかについては全く未解決
である。この文献においても、たまたまカーボンナノチ
ューブがホルダーに付着したものをAFMに利用してい
るに過ぎないのである。また、カーボンナノチューブ以
外に、ナノチューブとしてBCN系ナノチューブやBN
系ナノチューブが開発されているが、これらのナノチュ
ーブの利用法については全く未知の領域であった。
メモリ容量が増大するにつれ、メモリ装置がフロッピー
ディスク装置からハードディスク装置へ、更に高密度デ
ィスク装置へと進化しつつある。小さな空間により高密
度に情報を詰め込むと、1情報当たりのサイズが小さく
なるため、その入出力用の探針もより微細なものが必要
になってくる。従来の磁気ヘッド装置では一定以上に小
さくすることは不可能であり、高密度化への動向に対し
限界が生じていた。
を先鋭化する系統的な従来技術は、金属線材の電解研磨
加工や半導体のリソグラフィーとエッチング処理であ
る。しかし、これらの処理では探針の先端曲率半径を1
00nm程度にしか先鋭化できないので、試料表面の数
原子以上の凹凸を鮮明に映像化することはとても困難で
あった。また、金属線材をニッパなどの工具で機械的に
切断して得られる先鋭度も凹凸像を鮮明に捉えるには不
十分であった。ウィスカーもまだ不確定な技術であり、
ナノチューブ探針に到っては、今後の課題であった。ま
た、従来の磁気ヘッド装置もサイズ的には限界に近づい
ていた。
曲率半径の小さなナノチューブを表面信号操作用の探針
として利用することを提案し、ナノチューブ探針のプロ
ーブの具体的構造とその製造方法を確立することであ
る。このナノチューブ探針が、探針走査時に原子凸部に
当たっても簡単に破損したりしない探針であること、そ
の時に探針がホルダーから外れないように探針をホルダ
ーに強固に固定できること、更に探針を安価に量産でき
ることを示すことである。そして作成されたカーボンナ
ノチューブ探針で、従来高分解能の観察が不可能であっ
た試料を鮮明に観察できる事を示すことである。
するためになされたものであり、本発明に係る電子装置
の表面信号操作用融着プローブは、ナノチューブを保持
させるホルダーと、先端部を突出させた状態でその基端
部をホルダー面に融着させたナノチューブとから構成さ
れ、前記ナノチューブの先端部を探針として表面信号を
操作することを特徴とする。また、複数本のナノチュー
ブを束ね、しかもその中の1本を一番前方に突出させた
NT束を形成し、このNT束を前記ナノチューブとして
ホルダーに融着させた表面信号操作用融着プローブを提
案する。同時に、前記ナノチューブの突出した先端部の
基端部に近い中間部に補強用コーティング膜を形成した
表面信号操作用融着プローブを提案する。
り、前記ナノチューブが探針として試料表面の物理的・
化学的作用を検出する表面信号操作用融着プローブを提
案する。例えば、導電性材料からホルダーを形成した走
査型トンネル顕微鏡の融着プローブや、カンチレバーに
突設したピラミッド部をホルダーに利用した原子間力顕
微鏡の融着プローブ等である。前記電子装置が磁気情報
処理装置であり、前記ナノチューブにより磁気記録媒体
に対し磁気情報を処理する表面信号操作用融着プローブ
を提案する。また、以上のナノチューブがカーボンナノ
チューブ、BCN系ナノチューブまたはBN系ナノチュ
ーブである表面信号操作用融着プローブを提案する。
泳動液内の電極間に電圧を印加して電極にナノチューブ
を突出状に付着させる第1工程と、このナノチューブを
突出状に付着させた電極とホルダーを極微接近させ、ナ
ノチューブの先端部が突出した状態でその基端部をホル
ダー面に付着させる第2工程と、ナノチューブとホルダ
ー間に電流を流して基端部をホルダーに融着させる第3
工程からなる電子装置の表面信号操作用融着プローブの
製造方法を提案する。また、前記第3工程を電子ビーム
照射による融着方式に替える表面信号操作用融着プロー
ブの製造方法を提案する。
内で実観察しながら操作する表面信号操作用融着プロー
ブの製造方法を提案する。前記第2工程において複数本
のナノチューブを付着させ、しかもその中の1本を一番
前方に突出させたNT束とし、第3工程においてこのN
T束をホルダーに融着させる表面信号操作用融着プロー
ブの製造方法を提案する。また、前記ナノチューブの突
出した先端部の基端部に近い中間部に補強用コーティン
グ膜を形成する表面信号操作用融着プローブの製造方法
を提案する。更に、以上のナノチューブがカーボンナノ
チューブ、BCN系ナノチューブまたはBN系ナノチュ
ーブである表面信号操作用融着ブローブの製造方法を提
案する。
面信号を操作するプローブを用いた電子装置を云う。例
えば、走査型プローブ顕微鏡は本電子装置に含まれ、プ
ローブを用いて試料の表面原子配列を撮像する装置であ
る。また、磁気情報処理装置も本電子装置に含まれ、例
えばハードディスクなどの磁気ディスク装置は磁気ヘッ
ドをプローブとして、磁気情報を処理している。従っ
て、この発明の表面信号操作用プローブは、相手表面の
状態や信号を検出するだけでなく、相手表面との間に信
号をやりとりする場合も含んでいる。以下に、本発明に
おける電子装置として、主に走査型プローブ顕微鏡を取
り上げて本発明を詳しく説明する。
針により試料表面の原子から受ける物理的・化学的作用
を検出し、探針を表面上に走査させながら検出信号から
試料表面像を現出させる顕微鏡のことである。探針は物
理的・化学的作用を検出するセンサーであり、プローブ
はその探針を取り付けたものを云う。プローブの構造は
検出する物理的・化学的作用、即ち顕微鏡の種類毎に異
なるが、共通するものは、微小な探針とこの探針を一体
に固着した探針ホルダーである。本発明では探針として
ナノチューブを用いる。
を検出する走査型トンネル顕微鏡(STM)、ファンデ
ルワールス力で表面凹凸を検出する原子間力顕微鏡(A
FM)、表面の違いを摩擦力で検出する水平力顕微鏡
(LFM)、磁性探針と試料面の磁界領域間の磁性相互
作用を検出する磁気力顕微鏡(MFM)、試料と探針間
に電圧を印加して電界力勾配を検出する電界力顕微鏡
(EFM)、化学官能基の表面分布を画像化する化学力
顕微鏡(CFM)等がある。これらの顕微鏡はその特有
の物理的・化学的作用を探針で検出して原子サイズの高
分解能で表面情報を検出しようとする点で共通する。
顕微鏡(STM)の構成図である。ナノチューブ探針1
はホルダー2aに固着されて検出用のプローブ2とな
る。固着法は後述する。このホルダー2aをホルダーセ
ット部3の切り溝3aに嵌合してバネ圧で着脱自在に固
定する。Xピエゾ4x、Yピエゾ4y、Zピエゾ4zか
らなる走査駆動部4はホルダーセット部3をXYZの3
次元方向に伸縮走査してナノチューブ探針1の試料5に
対する走査を実現する。6はバイアス電源、7はトンネ
ル電流検出回路、8はZ軸制御回路、9はSTM表示装
置、10はXY走査回路である。
なるようにZ軸制御回路で探針1をZ方向に伸縮制御
し、この移動量がZ軸方向の凹凸量になる。ナノチュー
ブ探針1をXY走査するに従いSTM表示装置に試料5
の表面原子像が表示される。本発明ではナノチューブ探
針1を交換する場合には、ホルダー2aをホルダーセッ
ト部3から取り外してプローブ2として一体で交換す
る。
(AFM)の構成図である。ナノチューブ探針1はホル
ダー2aに固着され、このホルダー2aはカンチレバー
2bの先端に形成されたピラミッド形状の部材である。
このピラミッド断面は直角三角形状をなし、その垂直面
に探針1を固着しているため、探針1が試料面にほぼ垂
直に当接し、試料表面形状を正確に読み取ることができ
る。カンチレバー2bはサブストレート2cに固定さ
れ、図示しないホルダーセット部に着脱自在に固定され
る。この形式では、ナノチューブ探針1、ホルダー2
a、カンチレバー2bおよびサブストレート2cが一体
としてプローブ2を構成し、探針の交換時にはプローブ
2の全体が交換される。例えば、図21に示す従来のピ
ラミッド状の探針87をホルダー2aとして活用すれ
ば、これにナノチューブ探針を後述する方法で固着すれ
ばよい。試料5はピエゾ素子からなる走査駆動部4によ
りXYZ方向に駆動される。11は半導体レーザー装
置、12は反射ミラー、13は二分割光検出器、14は
XYZ走査回路、15はAFM表示装置、16はZ軸検
出回路である。
斥力位置になるまでZ軸方向に接近させ、その後、Z位
置を固定した状態で走査回路14で走査駆動部4をXY
方向に走査する。このとき、表面原子の凹凸でカンチレ
バー2bが撓み、反射したレーザービームLBが二分割
光検出器13に位置変位して入射する。上下の検出器1
3a、13bの光検出量の差からZ軸方向の変位量をZ
軸検出回路16で算出し、この変位量を原子の凹凸量と
してAFM表示装置15に表面原子像を表示する。この
装置では、試料5をXYZ走査する構成にしているが、
探針側、即ちプローブ2をXYZ走査しても構わない。
また、ナノチューブ探針1が試料5の表面を軽く叩くよ
うに振動させてもよい。
針1はカーボンナノチューブ、BCN系ナノチューブ、
BN系ナノチューブ等のナノチューブそのものである。
その中でもカーボンナノチューブ(以下、CNTとも称
する)が最初に発見された。従来、カーボンの安定な同
素体としてダイヤモンド、グラファイトおよび非晶質カ
ーボンが知られており、それらの構造もX線解析等によ
りほとんど決定された状態にあった。ところが、198
5年にグラファイトを高エネルギーレーザーで照射して
得られた蒸気冷却物の中に、炭素原子がサッカーボール
状に配列したフラーレンが発見され、C60で表記され
ることになった。更に、1991年には直流アーク放電
によって生成される陰極堆積物の中に、炭素原子が筒状
に配列したカーボンナノチューブが発見されるに至っ
た。このカーボンナノチューブを本発明のナノチューブ
探針として利用する。
てBCN系ナノチューブが合成された。例えば、非晶質
ホウ素とグラファイトの混合粉末をグラファイト棒に詰
め込み、窒素ガス中で蒸発させる。また、焼結BN棒を
グラファイト棒に詰め込み、ヘリウムガス中で蒸発させ
る。更に、BC4Nを陽極、グラファイトを陰極にして
ヘリウムガス中でアーク放電させる。これらの方法でカ
ーボンナノチューブ中のC原子が一部B原子とN原子に
置換されたBCN系ナノチューブが合成されたり、BN
層とC層が同心状に積層した多層ナノチューブが合成さ
れた。
合成された。これはC原子をほとんど含有しないナノチ
ューブである。例えば、カーボンナノチューブとB2O
3粉末をるつぼの中に入れて窒素ガス中で加熱する。こ
の結果、カーボンナノチューブ中のC原子のほとんどが
B原子とN原子に置換されたBN系ナノチューブに変換
できる。従って、本発明のナノチューブとしては、カー
ボンナノチューブのみならず、BCN系ナノチューブや
BN系ナノチューブ等の一般のナノチューブが利用でき
る。
が約1nm〜数十nmで長さが数μmの擬一次元的構造
を有する円筒状炭素物質であり、透過型電子顕微鏡写真
から図3に示すような各種の形状のものが確認されてい
る。(a)は先端が多面体で閉じており、(b)は先端
が開いており、(c)は先端が円錐形で閉じており、
(d)は先端がくちばし形で閉じている。この他に半ド
ーナツ型のものが存在することも知られている。
ファイトシートをずらせて丸めたラセン構造を持つ円筒
であることが分かってきた。CNTの円筒の端面を閉じ
るためには、五員環を6個ずつ入れればよいことが分か
る。図3のように先端形状が多様であるのは、五員環の
配置の仕方が多様であることと相応している。図4はカ
ーボンナノチューブの先端構造の一例を示しており、五
員環の周りに六員環が配置されることによって平面から
曲面に変化し、先端が閉じた構造になっていることが分
かる。丸は炭素原子で、実線部分が表側を示し、点線部
分が裏側に対応している。五員環の配置方式には各種あ
るため、先端構造の多様性が出現する。
ナノチューブがこのようなチューブ構造をしているため
に、ナノチューブは中心軸方向や曲げ方向への剛性が特
に強く、同時に他の炭素同素体と同様に化学的・熱的に
極めて安定である。従って、探針として利用したとき、
走査時に表面の原子凸部と衝突しても破断し難い。ま
た、断面直径は前述したように約1nmから数十nmに
分布しているから、曲率半径の小さなナノチューブを選
択すれば、原子レベルでの微細構造を鮮明に撮像できる
探針として最も適切な材料となる。しかも、導電性を有
するものが多く存在するから、AFM用探針としてだけ
でなく、STM用探針としても活用できる。更に、折れ
にくいことから水平力顕微鏡など他の走査型プローブ顕
微鏡の探針としても利用できる。
な大量生産に向いているのはカーボンナノチューブであ
る。カーボンナノチューブはアーク放電の陰極堆積物中
に生成されることが分かっており、しかもこのカーボン
ナノチューブは一般に多層である。また、アーク放電法
を改良して陽極中に触媒金属を混入させると、単層のカ
ーボンナノチューブが得られることも分かってきた。ア
ーク放電法以外でも、ニッケルやコバルト等の触媒金属
微粒子を基材としたCVD法でもカーボンナノチューブ
が合成できる。更に、触媒金属を混入させたグラファイ
トに高温下で高出力レーザー光を照射すると単層カーボ
ンナノチューブが合成できることも分かっている。ま
た、これらのカーボンナノチューブには金属を内包した
ものが存在することも分かってきた。また、前述したよ
うに、BCN系ナノチューブやBN系ナノチューブ等も
アーク放電法やるつぼ加熱法などで安価に製造できる事
が分かってきたし、ナノチューブ内に金属を内包する技
術も開発されつつある。
明すると、カーボンナノチューブはCNT単体で生成さ
れるのではなく、大量のカーボンナノ粒子(以下、CP
とも略称する)と混合して生成されることが分かってい
る。従って、この混合物からCNTを如何に高密度に回
収できるかが本発明の前提となる。
280431号において、電気泳動法によるCNTの精
製方法と精製装置を既に提案している。電気泳動液中に
カーボン混合物を分散させ、直流電圧又は交流電圧を印
加するとCNTを精製することができる。直流電圧を印
加すると、例えば陰極にCNTが直列状に配列する。交
流電圧を印加すると、不均一電場の形成によって陰極及
び陽極の両者にCNTが直列状に配列する。CPの電気
移動度はCNTよりも小さいため、この差を利用した電
気泳動法によりCNTの精製が可能となった。この電気
泳動法はカーボンナノチューブのみならず、BCN系ナ
ノチューブやBN系ナノチューブでも精製に使用できる
ことが確認できた。
利用される。つまり、上記方法により精製回収されたナ
ノチューブを別の清浄な電気泳動液中に分散させる。こ
の中にナイフエッジ等の金属板を電極として対向配置さ
せ、これに直流電圧を印加すると、例えば陰極にナノチ
ューブが直交状に付着するのである。交流電圧の場合に
は不均一電場を形成するように電極を配置すると、両極
にナノチューブが直交状に付着する。この付着した電極
を本発明の製造工程に利用する。勿論、ナノチューブを
ナイフエッジ状の金属板に付着させる他の方法を用いて
も構わない。
散でき、ナノチューブが電気泳動するものなら何でも利
用できる。即ち、溶媒は分散液であると同時に泳動液で
もある。この溶媒としては、水性溶媒や有機溶媒あるい
はそれらの混合溶媒が利用でき、例えば水、酸性溶液、
アルカリ性溶液、アルコール、エーテル、石油エーテ
ル、ベンゼン、酢酸エチル、クロロホルム等公知の溶媒
が利用できる。より具体的には、イソプロピルアルコー
ル(IPA)、エチルアルコール、アセトン、トルエン
等の汎用の有機溶媒が利用できる。例えば、IPAの場
合には電気泳動のイオン種としてカルボキシル基を有し
ている。このように、溶媒としてはナノチューブの電気
泳動性能や分散性能、分散の安定性や安全性等を総合的
に考慮して選択すればよい。
の場合を示す。CNTを分散させた電気泳動液20をガ
ラス基板21のポール内に溜める。液中にナイフエッジ
22、23を対向配置させ、直流電源18を印加する。
電気泳動液の中には、肉眼には見えないが極めて小さな
カーボンナノチューブ(CNT)が無数に存在する。こ
のCNTが陰極のナイフエッジ22の先端縁22aに直
交状に付着してくる。このことは電子顕微鏡で確認でき
る。この装置では、両電極間のナイフエッジ平面に対し
直交する方向に電気力線が湾曲した不均一電場を形成し
ているが、均一電場を形成しても直流電気泳動装置とし
て利用できる。不均一電場では泳動速度が一定でないだ
けで、電気泳動が可能だからである。
の場合を示す。CNTを分散させた電気泳動液20をガ
ラス基板21のホール内に溜める。液中にナイフエッジ
22、23を対向配置させ、交流電源19を増幅器26
を介して印加する。両極間には図5と同様の不均一電場
が作用する。意図的に不均一電場を構成しなくても、実
際には局所的な不均一電場が形成されるので、電気泳動
が実現できる。この図では5MHz、90Vの交流を印
加している。両電極のナイフエッジの先端縁22a、2
3aにCNTが直交状に付着する。
ナノチューブ24が付着した状態の概念図である。ナノ
チューブ24は先端縁23aにほぼ直交状に付着してい
るが、斜交しているものもある。また複数のナノチュー
ブが寄り集まって束状に付着している場合もあり、これ
をNT束25(ナノチューブ束とも呼ぶ)と称する。ナ
ノチューブの直径は約1nmから数十nmにまで分布し
ている。この中で、余りに細いナノチューブを探針とし
て選んだときには、原子面の凹凸を細かく観察できる利
点を有するが、逆にナノチューブが固有モードで振動を
始めることがあり、そのときには分解能が低下する。そ
こで、NT束25を探針として用いれば、その中で一番
前方に突出しているナノチューブが直接の探針機能を奏
し、他のナノチューブは振動を抑制する作用をする。従
って、このようなNT束25を探針として利用すること
もできる。
査型電子顕微鏡像である。電気泳動操作だけでナイフエ
ッジにCNTが簡単に付着するのが分かるであろう。し
かし、CNTは先端縁に直交するよりも、斜交して付着
している方が多い。
ために特殊な処理をする。この電子顕微鏡装置内には不
純物としての有機物質がかなり含まれている。そこで、
このナイフエッジに対して電子ビームを照射すると、こ
のナイフエッジ表面に前記不純物を源泉とするカーボン
膜が形成されることが分かった。この詳細は後述する
が、このカーボン膜がCNTを一部だけ被覆してナイフ
エッジ表面に形成される。つまり、単にナイフエッジに
付着していたにすぎないCNTを、カーボン膜がナイフ
エッジに固着させる機能を果たす。
を試験してみた。CNTに対し先端が鋭角な部材で押し
てみる。図9および図10は押す前と押した後の走査型
電子顕微鏡像である。図10から明瞭に分かるように、
CNTは半円形状に湾曲しても折れないほどの曲げ弾性
を有している。押すのを止めると図9の状態に復帰す
る。この高強度・高弾性が原子面と当たったり、引っ掻
いたりしてもCNTが破損しない理由である。このこと
は、カーボン膜がCNTを強固に固定していることをも
実証している。このように湾曲してもCNTをナイフエ
ッジから離脱させない程の固着力を有しているのであ
る。一般のナノチューブでもこのような高強度を有し、
ナノチューブを探針として利用する最大の長所でもあ
る。
ブを融着させる装置図である。カンチレバー2bの先端
にホルダー2aがピラミッド状に突設されている。これ
は半導体プレーナ技術によって製造されたシリコン製部
材である。通常はピラミッド状の凸部がAFM探針とし
て用いられているのであるが、本発明ではこのピラミッ
ド状凸部をホルダー2aに転用する。このホルダー2a
にナイフエッジ23のナノチューブ24を融着させ、こ
のナノチューブ24を探針とする。ナイフエッジ上のナ
ノチューブは単に付着しているだけで、膜で固着させて
いないことは当然である。これらの操作は走査型電子顕
微鏡室27内で実観察しながら行われる。カンチレバー
2bはXYZの3次元方向に移動でき、ナイフエッジ2
3はXYの2次元方向に移動操作できる。従って、極め
て微細な操作が可能となる。
である。電子顕微鏡で直接観察しながら、ホルダー2a
の先端をナノチューブ24に極微に接近させる。ホルダ
ー2aの最先端によって、ナノチューブ24が先端部長
Lおよび基端部長Bに分割されるように、ホルダー2a
を配置する。また、ナイフエッジ23とカンチレバー2
b間には、高抵抗R、直流電源28、スイッチSWが連
結されている。高抵抗Rの抵抗値は例えば200MΩ、
直流電源28の電圧は1〜100Vであり、接近状態に
ある図12では、スイッチSWを開いた状態にして、ま
だ電流を流さない。
とホルダー2aを接触させると、図13の状態になる。
先端部24aは先端部長Lだけ突出し、その基端部24
bは基端部長Bの長さで、ナノチューブ24はホルダー
2aに付着している。この段階で、スイッチSWを閉じ
て通電すると、ナノチューブ24とホルダー2aの間に
電流が流れ、その接触した基端部24bがホルダー2a
に電流加熱により融着する。つまり、基端部24bが融
解して黒色で表した融着部24dとなり、ナノチューブ
24がホルダー2aに強固に固着するのである。
接触させる前にスイッチSWを閉じておき、接触による
通電の後、ホルダー2aをナイフエッジ23から遠ざけ
てもよい。この場合でも、電流加熱により基端部24b
は融着部24dとなってホルダー2aに熱融着する。
であるだけでなく、電子顕微鏡の中で対象物を確認しな
がらスポット溶接の感覚で確実に融着でき、製品の歩留
まりが向上する。また、前記直流電源28は交流電源や
パルス電源でも構わない。直流電源の場合には、10
−10〜10−6(アンペア・秒(A・s))の電流で
融着できる。例えば、カーボンナノチューブ(CNT)
の直径が10nmで基端部長Bが200nmのときには
10−9〜10−7(A・s)で安定した融着ができ
る。しかし、本発明の核心はCNTの融着固定にあるの
であり、これらの数値に限定されるものではない。
る。図12の非接触状態でこのスイッチSWを閉じる
と、ホルダー2aとナノチューブ24の間に電界が形成
される。更に接近させると、この電界力によりナノチュ
ーブ24がホルダー2aに飛翔して転移する。その後、
ナノチューブ24の基端部24bの全部または一部を狙
って電子ビームを照射すると、基端部24bが融解し、
ホルダー2a上に融着部24dとなって融着する。この
場合、直流電源28の極性はナノチューブの材質などに
も依存するので、図示に限定されず転移を促進する方向
に極性を合わせる。
イッチSWを開いたまま無電界転移させることもでき
る。即ち、ホルダー2aをナノチューブ24に一定距離
以上接近させると、両者間にファンデアワールス引力が
作用し、この引力によってナノチューブ24がホルダー
2aに飛翔転移する。この転移を容易にするために、ホ
ルダー2a上にアクリル系などの接着剤を塗布しておい
ても良い。転移後は、ホルダー2aに付着した基端部2
4bを電子ビーム照射により融解させ、融着部24dを
介してホルダー2aに固着させる。このように、電子ビ
ーム融着によっても通電融着と同様のプローブを得るこ
とが出来る。
ある。先端部24aがナノチューブ探針となり、先端曲
率半径が10nm以下の高分解能用プローブとして用い
ることが出来る。ナノチューブ24は融着部24dによ
り強固にホルダー2aに固着しており、多少の衝撃を受
けても、折れたり曲がったり外れたりしない。カーボン
ナノチューブの場合においては、融着部24dではナノ
チューブ構造が壊れて非晶質炭素に変化したと考えられ
る。ホルダー2aとしてシリコンを用いると、非晶質化
した炭素原子とケイ素原子が結合して炭化ケイ素にな
り、融着部24dは炭化ケイ素の構造をとると考えられ
る。しかし、その部分の詳細な構造解析はまだ終わって
いないので、現在のところ推定である。また、BCN系
ナノチューブやBN系ナノチューブの場合においては、
融着部の構造解析はまだ行われていない。しかし、融着
部により強固に結合している事は実験的に確認できてい
る。
の場合には、半導体であるから多少の導電性があり、電
圧の印加が直接可能であるため通電融着ができる。もち
ろん、ファンデアワールス転移法と電子ビーム融着法も
適用できる。しかし、ホルダー2aがシリコンナイトラ
イドのような絶縁体から構成されている場合には、導電
性がないからファンデアワールス引力による転移法と電
子ビーム融着法が最適な方法となる。絶縁体に通電融着
法を適用したい場合には次のようにしてもよい。CNT
ホルダー2aやカンチレバー2bの表面に電極を導電性
物質で形成する。例えば、金属蒸着などの手段で電極膜
を形成する。この膜上に電圧を印可すれば、電流が流れ
て前記融着現象が生起し、プローブを得ることができ
る。
針として用いる場合に、その先端部24aが細長いと、
共振して先端が振れ、分解能が落ちる場合がある。この
共振を抑止するために、所要領域にコーティング膜を形
成する方法がある。図15から分かるように、コーティ
ング膜30を先端部24aの根本側に形成すると、その
部分が太くなって共振し難くなる。このコーティング領
域は自由に設計できるから、基端部24bまで含んだコ
ーティング膜29を形成してもよい。このコーティング
膜29はナノチューブを上から押さえる効果があるか
ら、前記融着部24dと共にナノチューブ24のホルダ
ー2aへの固着を強固にする。また、コーティング膜2
9、30の厚みは場合に応じて可変できる。
を説明する。一つは、前述した様に、基端部24bや中
間部24cに対し電子ビームを照射すると、その部分が
融解するだけでなく、電子顕微鏡室27内に浮遊する炭
素物質が基端部近傍に堆積してカーボン膜が形成され
る。このカーボン膜をコーティング膜として利用する。
第2には、電子顕微鏡室27内に反応性のコーティング
ガスを微量導入し、これを電子ビームで分解し、所望物
質のコーティング膜を形成する。これ以外に、一般的な
コーティング方法を採用することができる。例えば、C
VD(化学気相析出法とも云う)やPVD(物理蒸着法
とも云う)が利用できる。CVD法では予め材料を加熱
しておき、反応性のコーティングガスをそこへ流し、材
料表面で皮膜を反応成長させる。また、反応ガスをプラ
ズマ化し、材料表面に皮膜形成させる低温プラズマ法も
CVDの一つである。他方、PVD法には単純な蒸着法
からイオンプレーティング法やスパッタリング法など各
種の方法がある。本発明にはこれらの方法が選択的に適
用でき、皮膜材料には、絶縁性材料から導電性材料まで
その用途に応じて広く利用できる。
りに、NT束25を融着させることもできる。また、1
本のナノチューブ24を何回にも分けて融着させれば、
NT束25を融着させるのと同じになる。何回にも分け
た場合には、1本1本のナノチューブを任意に調節して
融着できるから、一番前方に突出したナノチューブが探
針となり、周りのナノチューブは探針全体の共振を抑制
し、安定で高分解能のプローブを作成することができ
る。
安定度を測定するため、デオキシリボ核酸(DNA)の
AFM画像を撮影してみた。図16はDNAのAFM画
像で、DNAが交差したり、捩れたりしているのが明瞭
に撮影できた。今まで、このようにクリアーなDNA像
が得られたのは、発明者等の知る限り初めてである。図
16から判断する限り、本発明により作成されたプロー
ブは、先端曲率半径が1.2nm以下であり、科学研究
上においても極めて有効であることが理解できる。
2の要部斜視図である。ナノチューブ24は先端部24
aを突出させて、この部分が探針となる。基端部24b
はホルダー2a上に融着部24dとなって融着されてい
る。図1のプローブ2と対応させると分かりやすい。ホ
ルダー2aの材質は、タングステンや白金イリジウム合
金などの金属を使用できる。その作用と効果は図14と
同様であるからその詳細を省略する。
にコーティング膜30を形成したプローブ2を示す。こ
のコーティング膜30は探針の振動を防止するために設
けられている。図15と同様に、融着部24dを被覆す
るコーティング膜29を形成してもよい。その作用効果
は図15と同様であるから、その詳細を省略する。
装置の入出力用プローブとして利用できる。この時に
は、ナノチューブの先端に鉄原子を埋め込んで、ナノチ
ューブに磁気的作用を付与する。ナノチューブは筒状構
造であるから、筒の中に各種の原子を含有させることが
できる。この一つとして、強磁性原子を含有させて、ナ
ノチューブに磁気感受性を与えるのである。勿論、鉄以
外の強磁性原子でも構わない。ナノチューブの先端曲率
半径は約1nm〜数十nmまでと極めて小さいから、微
小空間中に高密度に記録されたデータの入出力等の処理
を高精度に行うことが出来る。
なく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種
々の変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含す
るものである。
ーブを保持するホルダーと、先端部を突出させた状態で
その基端部をホルダー面に融着させたナノチューブとか
ら構成され、前記ナノチューブの先端部を探針として表
面信号を操作する電子装置の表面信号操作用融着プロー
ブとその製法に関している。従って、ナノチューブを探
針とするから先端曲率半径が小さく、走査型プローブ顕
微鏡に用いると高分解能の表面原子像を撮像でき、また
磁気情報処理装置の探針に用いた場合には高密度の磁気
情報を高精度に入出力制御できる。
く、しかも融着層で強固に固着しているから、相手物体
に当たっても破損する事が無く、プローブの長寿命化を
図ることができる。また、ナノチューブはアーク放電法
やるつぼ加熱法等により量産でき、原材料費は極めて安
価である。しかも本発明の製造方法では、プローブを安
価に大量生産できるから、プローブの低価格化を実現で
き、研究や経済の活性化を図ることが出来る。特に、新
物質創製に必要なSTMやAFMの長寿命プローブを大
量にしかも安価に提供できるから、新技術開発の促進に
寄与することが出来る。
図である。
る。
多形の斜視図である。
示した斜視図である。
る。
る。
状態の概念図である。
電子顕微鏡像のコンピュータ画像である。
査型電子顕微鏡像のコンピュータ画像である。
直後の走査型電子顕微鏡像のコンピュータ画像で、CN
Tが湾曲している。
ブを融着させる装置の構成図である。
ある。
ある。
である。
グ膜を形成した概念図である。
たDNA像のコンピュータ画像である。
る。
の領域である中間部にコーティング膜を形成した場合の
STM用プローブの要部斜視図である。
る。
ある。
る。
ナ技術による工程図である。
レバー、2cはサブストレート、2はプローブ、3aは
切り溝、3はホルダーセット部、4xはXピエゾ、4y
はYピエゾ、4zはZピエゾ、4は走査駆動部、5は試
料、6はバイアス電源、7はトンネル電流検出回路、8
はZ軸制御回路、9はSTM表示装置、10はXY走査
回路、11は半導体レーザ装置、12は反射ミラー、1
3は2分割光検出器、14はXYZ走査回路、15はA
FM表示装置、16はZ軸検出回路、18は直流電源、
19は交流電源、20は電気泳動液、21はガラス基
板、22・23はナイフエッジ、22a・23aは先端
縁、24はナノチューブ、24aは先端部、24bは基
端部、24cは中間部、24dは融着部、25はNT
束、26は増幅器、27は走査型電子顕微鏡室、28は
転移直流電源、29・30はコーティング膜、Bは基端
部長、Lは先端部長、LBはレーザービーム、Rは高抵
抗、SWはスイッチである。
Claims (9)
- 【請求項1】 電子顕微鏡の中で直接観察しながら組み
立てられるプローブであり、ナノチューブ24と、この
ナノチューブ24を保持させるホルダー2aと、前記ナ
ノチューブ24の基端部24bを基端部長さBの範囲に
亘って前記ホルダーの表面に電気的接触状態で付着させ
て電子顕微鏡の中で基端部24b自体を自己変質させて
ホルダー2aに融着させた融着部24dと、前記ホルダ
ー2aから突出するように配置されたナノチューブ24
の先端部24aから構成され、この先端部24aを探針
とすることを特徴とした表面信号操作用融着プローブ。 - 【請求項2】 電子顕微鏡の中で直接観察しながら組み
立てられるプローブであり、複数本のナノチューブ24
を一層状に並行して束ねてその中の1本を一番前方に突
出形成したNT束25と、このNT束25を保持するホ
ルダー2aと、前記NT束25を構成する各ナノチュー
ブ24の基端部24bを基端部長さBの範囲に亘って前
記ホルダーの表面に電気的接触状態で付着させて電子顕
微鏡の中で基端部24b自体を自己変質させてホルダー
2aに融着させた融着部24dと、前記ホルダー2aか
ら突出するように配置された各ナノチューブ24の先端
部24aとから構成され、一番前方に突出した先端部2
4aを探針とすることを特徴とする表面信号操作用融着
プローブ。 - 【請求項3】 前記ナノチューブ24の突出した先端部
24aの基端部24bに近い中間部24cに電子顕微鏡
の中で電子ビーム照射により生成される炭素物質によっ
て上方から被覆して補強用コーティング膜30を形成し
た請求項1又は2に記載の表面信号操作用融着プロー
ブ。 - 【請求項4】 探針となるナノチューブ24を電極に突
出状に付着させる第1工程と、このナノチューブ24を
突出状に付着させた電極とホルダー2aを極微接近さ
せ、ナノチューブの先端部24aが突出した状態でその
基端部24bを基端部長さBの範囲に亘って前記ホルダ
ーの表面に電気的接触状態で付着させる第2工程と、ナ
ノチューブ24とホルダー2a間に電流を流して基端部
24bをホルダー2aに融着させる第3工程からなるこ
とを特徴とする表面信号操作用融着プローブの製造方
法。 - 【請求項5】 探針となるナノチューブ24を電極に突
出状に付着させる第1工程と、このナノチューブ24を
突出状に付着させた電極とホルダー2aを極微接近さ
せ、ナノチューブの先端部24aが突出した状態でその
基端部24bを基端部長さBの範囲に亘って前記ホルダ
ーの表面に電気的接触状態で付着させる第2工程と、電
子ビーム照射によりナノチューブ24の基端部24bを
ホルダー2aに融着させる第3工程からなることを特徴
とする表面信号操作用融着プローブの製造方法。 - 【請求項6】 前記第2工程および第3工程を電子顕微
鏡内で実観察しながら操作する請求項4又は5に記載の
表面信号操作用融着プローブの製造方法。 - 【請求項7】 前記第2工程において複数本のナノチュ
ーブを付着させ、しかもその中の1本を一番前方に突出
させたNT束25とし、前記第3工程においてこのNT
束25をホルダー2aに融着させた請求項4又は5に記
載の表面信号操作用融着プローブの製造方法。 - 【請求項8】 前記ナノチューブ24の突出した先端部
24aの基端部24bに近い中間部24cに補強用コー
ティング膜30を形成する請求項4又は5に記載の表面
信号操作用融着プローブの製造方法。 - 【請求項9】 前記ナノチューブ24はカーボンナノチ
ューブ、BCN系ナノチューブまたはBN系ナノチュー
ブである請求項4ないし8に記載の表面信号操作用融着
プローブの製造方法。
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