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JP3440894B2 - 伸びフランジ性に優れる高強度熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

伸びフランジ性に優れる高強度熱延鋼板およびその製造方法

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JP3440894B2
JP3440894B2 JP22042899A JP22042899A JP3440894B2 JP 3440894 B2 JP3440894 B2 JP 3440894B2 JP 22042899 A JP22042899 A JP 22042899A JP 22042899 A JP22042899 A JP 22042899A JP 3440894 B2 JP3440894 B2 JP 3440894B2
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章男 登坂
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信男 山田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のバンパー
部品、インパクトビームなどの強度部品などに用いて好
適な熱延鋼板であって、とくに引張強さTSが780 MPa 以
上で、伸びフランジ性に優れる高強度熱延鋼板およびそ
の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の自動車車体の軽量化を目指す動き
のなかで、高強度鋼板の適用部位の拡大が注目されてい
る。なかでも、衝突時におけるキャビンの変形を抑制す
るために使用されるバンパー部品やインパクトビームな
どには1000 MPaを超える高強度鋼板が実用に供されてい
る。そして、これらの鋼板は、板厚が3.2 mmを超える
ような厚物を除いて、すべて冷延工程を経て製造される
のが実情である。その主な理由は、冷延鋼板の場合に
は、鋼板の面外変形すなわち形状の乱れを、連続焼鈍時
に炉内ロールによって比較的容易に抑制することがで
き、製品の形状が良好であるからである。一方、板厚3.
2 mm以下とくに3.0 mm以下といった薄物の高強度鋼
板として、これまで熱延鋼板を充当することができなか
ったことの大きな原因は、熱間圧延後の冷却工程では、
鋼板に有効な張力を付与できず、冷延鋼板のように鋼板
形状の乱れを抑制することができなかったことにある。
【0003】熱延鋼板が上記板厚範囲の薄物高強度鋼板
として実用化されていない理由には、上述した鋼板形状
のほかに、材質を確保する上で不利なことも挙げられ
る。すなわち、通常は、熱延のままの状態で冷延・焼鈍
した場合と同等の均一かつ微細な組織を得ることは困難
であり、この違いが両者の加工性の差に反映されてい
た。もっともこの差が顕著に現れるのは、伸びフランジ
加工に代表される局部延性であり、これは曲げ加工、穴
拡げ加工などにも反映される。ところで、高張力熱延鋼
板の穴拡げ加工性に関しては、これまでも幾つかの提案
が行われてきた。例えば、特開昭61-19733号公報、特開
昭62-196336 号公報には、伸びフランジ性を考慮すると
金属組織としてベイナイト相が優れるという開示があ
る。これは、単純なC−Si−Mn系の成分系で熱間圧延後
加速冷却を行ってベイナイトを主体とする組織とした場
合に、穴拡げ性(伸びフランジ加工性)が向上するとい
うものである。一方、熱間圧延後に加速冷却を行うこと
なしに高張力化を達成する手段として、従来から厚鋼板
の分野で採用されているような、Cu, Ni, Cr, Moなどの
焼入れ性向上元素を添加する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭61-19733号公報、特開昭62-196336 号公報に開示さ
れる製造方法により製造した鋼板の穴拡げ性は、確かに
フェライト−マルテンサイト組織の鋼板などに比しては
優れてはいるものの、今日の要求レベルに対し未だ十分
応える域には達してはいない。そのうえ、この従来技術
では、熱延条件の変動に対して組織の変動が比較的敏感
であるために、材質変動が大きくなりやすい傾向にあ
り、これはプレス成形の連続化や自動化を阻害すること
にもなっていた。
【0005】また、Cu,Ni,Cr,Moなどの焼き入れ性向
上元素を添加する方法では、高価な合金元素を多量に必
要とするので、コスト的に不利であるばかりでなく、リ
サイクルの面でスクラップ管理を煩雑にするといった問
題もあった。また、この方法では、上記合金元素の添加
量が完全にマルテンサイト単相となる程度に添加する必
要があり、添加量が不十分であると、得られる組織はフ
ェライトとマルテンサイトの混合組織、あるいは一部に
少量のパーライトやベイナイトを含んだ組織となり、狙
いとする良好な伸びフランジ性を得ることは容易ではな
かった。
【0006】上述したように、引張強さ 780 MPa以上、
とりわけ780 〜1300MPaの高強度熱延鋼板で、板厚3.0
mm以下の薄物から通常の熱延鋼板として製造される3.
0 mmを超える厚物までの広い板厚範囲において、高強
度かつ伸びフランジ性が良好で、実用に耐えうる品質を
具えた熱延鋼板を製造することは極めて困難であった。
このため、かかる問題を解決した熱延鋼板の製造技術の
開発が強く望まれ、そして特に鋼板の低コスト化という
点で、合金元素量を極力少なくした低合金系の組成で製
造する技術の出現が求められていた
【0007】そこで、本発明の目的は、従来技術が抱え
ていたこのような問題を解決し、伸びフランジ性に優れ
薄物の高強度熱延鋼板およびその製造方法を提供する
ことにある。また、本発明の他の目的は、このような高
強度熱延鋼板を、板厚3.5 mm以下の熱延鋼板を対象と
して、低合金系の組成でも製造できる安価な製造技術を
提供することにある。さらに、本発明は、鋼板の具体的
な特性の目標値として、引張強さ780 MPa 以上を有する
高強度熱延鋼板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記の目的
を達成すべく、鋼成分、製造条件などの面から鋭意実験
を行い検討を重ねた。その結果、材質的には、必ずしも
高価な合金元素を用いなくとも、適正な成分組成範囲に
調整した鋼であれば、これに適正な熱延−冷却条件を組
み合わせて製造すれば、均一微細なべイナイト主体の組
織が形成され、良好な機械的性質が安定して得られるこ
とを見い出した。これら製造条件のなかで、とりわけ熱
間圧延後の冷却パターンの制御が重要であることもわか
った。すなわち、これまでホットランテーブル上での冷
却は、巻取り温度および、冷却開始から巻取り温度に至
るまでの平均的な冷却速度には着目しているものの、各
温度域での冷却速度 (すなわちホットランテーブル上の
各位置における冷却速度) については考慮していなかっ
た。しかし、このような今までの方法では、金属組織の
変動のために、機械的特性が大きく変動して、実用に耐
える均一な材質の素材を得ることができなかった。これ
に対して、発明者らは、熱延後の巻取り温度までの冷却
を、所定の冷却速度(比較的緩冷)を保ちながらホット
ランテーブル上で途中で途切れることなく連続的に冷却
することが上記問題を解決するうえで極めて有効である
ことを見いだした。そして、このことと適正な鋼組成お
よび熱延条件(スラブ加熱温度、仕上げ圧延温度)と組
み合わせることによって所期の目標が達成できるとの結
論に到った。
【0009】本発明はこのような知見に基づいて完成さ
れたものであり、その要旨とするところは次のとおりで
ある。 (1) C:0.05〜0.30wt%、Si:1.0wt%以下、Mn:1.5〜
3.5wt%、P:0.02wt%以下、S:0.005wt%以下、Al:
0.150wt%以下、N:0.0200wt%以下を含み、かつNb:
0.003〜0.20wt%、Ti:0.005〜0.20wt%のいずれか1種
または2種を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の
組成からなり、金属組織が平均粒径3.0μm以下の微細
ベイナイトを面積率で90%以上有する組織からなること
を特徴とする、伸びフランジ性に優れる高強度熱延鋼
板。
【0010】(2)上記 (1)に記載の鋼板において、前記
成分の他にさらに、B:0.0005〜0.0040wt%を含有する
ことを特徴とする、伸びフランジ性に優れる高強度熱延
鋼板。
【0011】(3)上記 (1)または (2)に記載の鋼板にお
いて、前記成分の他にさらに、Cu:0.02〜1.0 wt%、
Ni:0.02〜1.0 wt%、Cr:0.02〜1.0 wt%、 Mo:0.02
〜1.0 wt%のいずれか1種または2種以上を合計量で1.
0 wt%以下の範囲で含有することを特徴とする、伸びフ
ランジ性に優れる高強度熱延鋼板。
【0012】(4)上記 (1)〜 (3)のいずれか1つに記載
の鋼板において、前記成分の他にさらに、Ca:0.0005〜
0.0050wt%を含有することを特徴とする、伸びフランジ
性に優れる高強度熱延鋼板。
【0013】(5)ベイナイト粒のアスペクト比が1.5 以
下である組成からなることを特徴とする、伸びフランジ
性に優れる上記 (1)〜 (4)に記載の高強度熱延鋼板。
【0014】(6)C:0.05〜0.30wt%、 Si:1.0 wt%
以下、Mn:1.5 〜3.5 wt%、 P:0.02wt%以下、S:
0.005 wt%以下、 Al:0.150 wt%以下、N:0.0200wt
%以下を含み、かつNb:0.003 〜0.20wt%、Ti:0.005
〜0.20wt%のいずれか1種または2種を含有する成分の
鋼スラブを、1200℃以下で加熱したのち、仕上げ圧延終
了温度を800℃以上にて熱間圧延し、圧延終了後2秒以
内に冷却を開始して、冷却速度20〜150 ℃/sec で巻取
り温度まで連続的に冷却し、300 〜550 ℃で巻取ること
を特徴とする、伸びフランジ性に優れる高強度熱延鋼板
の製造方法。
【0015】(7)C:0.05〜0.30wt%、 Si:1.0 wt%
以下、Mn:1.5 〜3.5 wt%、 P:0.02wt%以下、S:
0.005 wt%以下、 Al:0.150 wt%以下、N:0.0200wt
%以下を含み、かつNb:0.003 〜0.20wt%、Ti:0.005
〜0.20wt%のいずれか1種または2種を含有する成分の
鋼スラブを、1200℃以下で加熱したのち、仕上げ圧延開
始温度を950〜1050℃、仕上げ圧延終了温度を 800℃以
上にて熱間圧延し、圧延終了後2秒以内に冷却を開始し
て、冷却速度20〜150 ℃/sec で巻取り温度まで連続的
に冷却し、300 〜550 ℃で巻取ることを特徴とする、伸
びフランジ性に優れる高強度熱延鋼板の製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、上記要旨構成のとおりに限
定した理由について説明する。 C:0.05〜0.30wt% Cは、変態組織強化に有効な元素であり、0.05wt%以上
の添加でその効果が発揮される。しかし、0.30wt%を超
えるとスポット溶接のナゲット部が顕著に硬質になっ
て、溶接性の低下をきたし、自動車用鋼板としての適用
が困難となる。よって、C量は0.05〜0.30wt%の範囲に
限定する。なお、鋼板の引張特性の安定化の観点からは
0.20wt%以下の範囲が好適である。
【0017】Si:1.0 wt%以下 Siは、変態組織強化を利用する際に、焼き戻し軟化抵抗
を増大させるために用いて有用な元素である。一方、Si
は鋼の熱間変形抵抗を増大させる作用を有し、1.0 wt%
を超えて添加すると特にその傾向が顕著となり、本発明
が目指す薄物への熱間圧延が困難となる。従って、その
添加量は1.0 wt%以下とする。なお、表面のスケール性
欠陥が問題になる用途には、0.8 wt%以下に抑えること
が望ましい。
【0018】Mn:1.5 〜3.5 wt% Mnは、Sによる熱間割れを防止するのに有効な元素であ
り、S量に応じて添加することが望ましい。またMnは、
結晶粒を微細化する効果があるために材質向上のうえか
らも必要である。そして、特に本発明では、ベイナイト
を主体とする低温変態相において、Mnの焼入れ性向上作
用によって鋼の高強度化を図り、熱延のままでTS:780 M
Pa以上を確保する。これらの効果を発揮させるために
は、少なくとも1.5 wt%は添加しなければならない。そ
してMn添加量の増大にともない、より安定した強度がえ
られ、材質の均一性も向上する。しかし、3.5 wt%を超
えて添加しても、その効果が飽和するばかりか、熱間変
形抵抗が増加し、熱間圧延による薄肉化が困難となる。
また、過剰な添加は、溶接性、溶接部の成形性を悪化さ
せる。これらの理由により、添加量の上限を3.5wt%と
した。なお、より良好な耐蝕性と成形性が要求される用
途では、3.2 wt%以下の範囲が望ましい。
【0019】P:0.02wt%以下 Pは、一般に、比較的強度が低い二相組織の高強度鋼板
ではフエライト相の固溶強化元素として添加する場合も
あるが、本発明が対象とするTS 780 MPa以上の鋼板では
Pの固溶強化は期待できない。また、Pは、C、Mn等の
含有量が多い場合には、鋼を硬質化させ、伸びフランジ
性を低下させる。さらに、Pは、板厚方向の特定位置に
偏析する傾向が強く、偏析に起因した溶接部脆化をもた
らす。これらの理由から、Pの含有量は0.02wt%以下、
好ましくは0.01wt%以下に制限する必要がある。
【0020】S:0.005 wt%以下 Sは、鋼中で介在物として存在し、鋼板の延性を減少さ
せ、さらに耐食性の劣化をもたらす有害な元素である。
とくに本発明のように、高強度の場合には切り欠き感受
性が増大するため、応力集中源となるMnS系の介在物量
は極力低減する必要がある。このためSは極力低減する
ことが必要であり、0.005 wt%をその上限とする。な
お、特に良好な加工性が要求される用途においては0.00
2 wt%以下とすることが望ましい。
【0021】Al:0.150 wt%以下 Alは、脱酸元素として添加されて、鋼の清浄度向上、組
織微細化のために有用な元素である。このような効果を
発揮させるためには溶鋼の脱酸技術に依存するが、おお
むね0.010 wt%以上の添加が必要である。しかし、過度
の含有は表面性状の悪化、鋼板の強度低下をもたらす。
このためAlは0.150 wt%以下の範囲で添加する。なお、
材質の安定性という点では0.010 〜0.080 wt%の範囲で
添加することが望ましい。
【0022】N:0.0200wt%以下 Nは、0.0200wt%を超えて含有すると、鋼の熱問延性を
低下させ、鋼板の内部欠陥および表面欠陥を発生しやす
くし、また連続鋳造時のスラブ割れの発生を増加させ
る。よって、Nの上限は0.0200wt%とする。なお、製造
工程全体を考慮した材質の安定性、歩留まり向上という
観点から、0.0020〜0.0150wt%の範囲が好適である。こ
のNは、鋼の変態点を降下させる作用があるので、薄物
鋼板の製造に際して、変態点を大きく割り込んで圧延し
たくないときに上記範囲内で添加することは有効であ
る。
【0023】Nb:0.003 〜0.20wt%、Ti:0.005 〜0.20
wt% これらの元素は、組織の微細化および均一化に寄与する
極めて重要な元素であり、本発明においては比較的低温
のスラブ加熱温度と組み合わせることにより、目標とす
る3.0 μm以下の微細結晶組織を得ることを可能とす
る。この効果は、Nbで少なくとも0.003 wt%以上、Tiで
0.005 wt%以上の添加により得られるが、いずれの元素
とも、0.20wt%を超えて添加するとその効果が飽和する
ことに加えて、連続鋳造時のスラブ割れ発生の危険が増
大する。よって、Nbは0.003 〜0.20wt、Tiは0.005 〜0.
20wt%の範囲で添加する。
【0024】次に任意添加元素について述べる B:0.0005〜0.0040wt% Bは、鋼板の組織微細化に有効に寄与するほか、鋼のフ
ェライト変態を抑制するので、高強度の鋼板を得るため
には極めて有効である。これらの効果は、0.0005wt%以
上の添加で発揮される。一方、0.0040wt%を超えて添加
してもその効果は飽和してしまう。よって、Bは0.0005
〜0.0040wt%の範囲で必要に応じて添加する。
【0025】Cu:0.02〜1.0 wt%、Ni:0.02〜1.0 wt
%、Cr:0.02〜1.0 wt%、Mo:0.02〜1.0 wt%を合計量
で1.0 wt%以下 これらの元素は、熱間圧延終了後の変態を遅らせ、変態
組織による強化が有効に利用でき、鋼板の強度を高める
ことができる。その効果は0.02wt%以上の添加で得られ
るが、過度に添加すると、熱間圧延時の変形抵抗の増
加、化成処理性およびより広義の表面処理性の悪化、さ
らには、溶接部の硬化に起因する溶接部成形性の低下を
招く。よって、これら元素の添加量は各元素で1.0 wt
%、また合計量でも1.0 wt%を上限とする。なお、いず
れの元素とも、単独でも複合添加でも同様の挙動を示
す。
【0026】Ca:0.0005〜0.0050wt% Caは、鋼中のSを無害化するために有用な元素である。
Mn含有量が比較的多く微細なベイナイトを主体とする組
織の場合には、特にCa添加による伸びフランジ加工性の
改善が大きい。このような効果は、0.0005wt%以上の添
加で発揮されるが、0.0050wt%を超えて添加しても効果
が飽和するばかりか、かえって表面性状が悪化する傾向
を示し、表面処理特性が低下する危険性がある。よっ
て、Ca添加量は0.0005〜0.0050wt%の範囲とする。な
お、種々の品質のバランスを考えると0.0010〜0.0035wt
%の範囲が好適である。
【0027】微細ベイナイト組織 本発明における金属組織は微細なベイナイトを主体とす
る (面積率で90%以上がベイナイトである) 必要があ
る。ベイナイトとマルテンサイト(焼き戻しを受けてい
ない)の区別は強度差から判断されるが、ベイナイトと
焼き戻しマルテンサイトの区別は困難である。そこで、
本発明においては、炭化物の析出状態に注目し、炭化物
が主として粒内あるいはラス境界に析出している場合を
ベイナイト、一方、旧オーステナイト粒界にも頻度高く
析出している場合を焼き戻しマルテンサイトとした。こ
のような組織判定基準で伸びフランジ性との関係を調査
したところ、同一の強度であっても、ベイナイトを主体
とする組織のほうがはるかに良好な伸びフランジ性を示
した。その理由は、旧オーステナイト粒界に析出した炭
化物、それも粗大に析出したものはこの特性に悪影響を
与えているものと推定された。
【0028】ベイナイト組織の平均粒径、アスペクト比 上記ベイナイト組織は微細な方が、伸びフランジ性が良
好となり、この意味で結晶粒径の規制も重要な要件のひ
とつである。ここにいうベイナイト組織の平均粒径は、
フェライトの平均粒径の求め方(JIS G0552 )に準じて
算出するものであり、圧延方向および圧延直角方向で各
板厚断面の全厚みに渡って測定した値の平均から求め
る。このようにして測定した平均粒径が3.0 μm以下に
なると、伸びフランジ性が顕著に改善される。なお、従
来の析出強化鋼板においても、3.0μm以下のベイナイ
ト組織が部分的に得られている例はあるが、部分的に粗
大な組織を含んでおり、板厚全体に平均粒径値で3.0 μ
m以下になるものは皆無であった。なお、このベイナイ
ト組織は、混粒がないこと、すなわち、粒径10μm超の
粗大粒が存在しないことが好ましい。また、ベイナイト
組織の平均粒径は、より良好な伸びフランジ性が要求さ
れる場合、2.5 μm以下とするのが望ましい。また、ベ
イナイト粒のアスペクト比は、加工性の点から1.5 以下
とするのが好ましい。ここに、アスペクト比はベイナイ
ト粒の長径と短径の比をいい、長径は概ね圧延方向、短
径は板厚方向となる。
【0029】図1は、伸びフランジ性(穴拡げ試験)と
ベイナイト組織の平均粒径との関係を調べた結果を示す
ものである。供試鋼板は、0.08wt%C−0.21wt%Si−3.
0 wt%Mn−0.040 wt%Al−0.0030wt%N−0.025 wt%Nb
−0.015 wt%Ti−0.0025wt%B−0.0020wt%Caの鋼スラ
ブを、スラブ加熱温度を 950〜1300℃、仕上げ圧延温度
を 750〜980 ℃、冷却速度を10〜200 ℃と幅広く変化さ
せ、巻取り温度を調整することにより、ベイナイトが90
%以上になるように製造した板厚2.0 mmの熱延鋼板
(引張強度TSは 960〜1200 MPa)である。図1から、ベ
イナイト組織の平均粒径を3.0 μm以下にすれば穴拡げ
性が顕著に改善されることがわかる。また、この穴拡げ
率は単純にTSとは相関していないことを確認しており、
同一のTSであってもより微細な組織とすることで、穴拡
げ率の改善が達成される。なお、穴拡げ試験は鉄鋼連盟
規格に準拠し、10mmφの穴を打抜き (クリアランス12.5
%一定) で加工し、頂角60°の円錐ポンチで成形するこ
とにより行った。
【0030】
【0031】次に製造条件について説明する。スラブは
成分のマクロ的な偏析を防止する上で連続鋳造法で製造
することが望ましいが、造塊法、薄スラブ鋳造法によっ
て製造することも可能である。製造後のスラブは、いっ
たん室温まで冷却し、その後再度加熱する従来法の工程
はもちろん、温片のままで加熱炉に挿入してから圧延す
る直送圧延、あるいはわずかの保熱を行い直ちに圧延す
る直接圧延などの省エネルギープロセス工程も問題なく
適用できる。ただし、初期組織の均一かつ微細化という
観点からすれば、直送圧延などを行なう場合でも一旦、
γ→α変態を終了させたのちに再加熱を行なうほうが望
ましい。
【0032】スラブ加熱温度(SRT):1200℃以下 スラブ加熱温度はγ粒径に大きな影響を及ぼす。従来、
本発明のような高強度鋼板の製造においては、Nb、Tiな
どの炭窒化物形成元素を添加した成分の鋼においては、
析出強化を有効に使うために初期状態としてこれら元素
を完全に溶体化する必要があり、SRTは1250℃以上程
度の高い温度とすることが一般的であった。これに対
し、発明者らは、NbやTiを含む高張力鋼であるにもかか
わらず、SRTを1200℃以下に規制することにより、添
加したNb, Tiの一部を未固溶状態で残存させることで熱
延組織の均一性と微細化が著しく改善されることを知見
した。この場合に、従来の高SRT法に比べ確かに変形
抵抗は増加する傾向にあるが、動的な再結晶が粗圧延工
程でおこるためその変形抵抗の増大の程度は比較的小さ
い。なお、本発明では、析出強化作用が減少するという
ことはあるが、その減少分は組織を均一・微細なベイナ
イト主体の組織にすることにより補えるほか、顕著な組
織の微細化、均一化という有利な点がもたらされるので
ある。なお、より組織の均一化かつ微細化を図るために
はSRTは1100℃以下、さらには1050℃以下の範囲とす
ることが望ましい。
【0033】仕上げ圧延開始温度(仕上げ圧延機の入り
側温度): 950〜1050℃ 本発明では、動的再結晶を、粗圧延で起こすとともに、
仕上げ圧延の少なくとも1〜4パスにおいても促進する
ことで、仕上げ圧延での変形抵抗の増大を抑制できる。
また、動的再結晶は、圧延時の変形抵抗低減に有効であ
るのみならず、再結晶によって等軸粒となり、ベイナイ
ト粒のアスペクト比 1.5以下を有利に達成することを可
能とする。仕上げ圧延で動的再結晶を促進させるために
は、仕上げ圧延開始温度が重要であり、圧延開始温度を
950〜1050℃とすることで、動的再結晶が促進され、変
形抵抗の増大を抑制することが可能となる。
【0034】仕上げ圧延終了温度(仕上げ圧延機の出側
温度): 800℃以上 熱間仕上げ圧延終了温度を 800℃以上とすることによ
り、均一微細な熱延板組織を得ることができる。しか
し、仕上げ圧延終了温度が 800℃を下回ると、鋼板の組
織が展伸して不均一となり、加工組織が一部残留したり
して、成形時に種々の不具合を発生する危険性が増大す
る。従って、仕上げ圧延終了温度は 800℃以上とする。
なお、機械的性質をより向上させるには 820℃以上とす
ることが望まれる。仕上げ圧延終了温度の上限は特に定
める必要はないが、SRTとの関係から通常 950℃以下
になる。
【0035】熱間仕上げ圧延後の冷却 本発明における熱間仕上げ圧延後の冷却は、冷却速度20
〜150 ℃/sec で巻取り温度まで連続的に冷却するもの
とする。圧延後の冷却をこのように制御する目的は、最
終的に均一かつ微細なベイナイト組織を安定して得るこ
とにある。本発明では、この工程で、従来のように冷却
を途中で中断することなく、いわゆるホットランテーブ
ル上で仕上げ圧延機出側から、冷却水により強制冷却
し、巻取り温度に達するまでは連続して冷却することに
より達成する。また、上記冷却を行うときの冷却速度
は、巻取り温度に達するまでの全温度範囲で20〜 150℃
/secの範囲とする。この範囲よりも遅い速度では、十
分な強度を得ることができず、一方、これより速い速度
では、鋼板の幅方向、長手方向での強度の変動が増大す
る。
【0036】また、熱延後の冷却は圧延終了後、直ちに
水冷を開始し、しかも通常よりも低い熱伝達係数のいわ
ゆる緩冷却を適用することが材質の均一性と形状の均一
性を両立させるうえで有効である。かかる冷却は、圧延
終了後、2秒以内に開始しないと、圧延により付加した
加工歪が解消され、有効な組織の微細化が達成されず、
粗大な組織が混入した不均一な組織となる。このため、
圧延終了後2秒以内に冷却を開始する必要がある。ま
た、本発明が対象とする板厚3.5 mm以下の熱延鋼板をホ
ットランテーブル上で冷却する場合、冷却時の熱伝達係
数が大きい値であると、鋼板の長手方向および幅方向全
域にわたって20〜150 ℃/sec の冷却速度を維持するこ
とが困難となり、材質の均一性が悪化する。また、冷却
速度が均一でないと、鋼板の形状に乱れが生じ、冷却速
度がさらに不均一となり材質の均一性がさらに悪くな
る。これらのことを考慮すると、冷却時の熱伝達係数は
1000W/m2・K以下とすることが好ましい。また、ホッ
トランテーブル上で冷却する際に、エッジ部の過冷却を
防止するため、鋼板エッジ部に冷却水が直接当たらない
ように幅方向両端部に冷却水のマスキングを行えば、均
一な冷却が行われて、上記効果が一層有効に発揮され
る。
【0037】巻き取り温度: 300〜 550℃ 熱延後の巻取り温度を低下させることにより、強度を増
加させることが可能になる。そして、 550℃以下の温度
で巻き取れば目標とする引張強さ 780 MPaを満足させる
ことができる。しかし、300 ℃を下回る温度で巻き取る
と鋼板の形状が悪くなり、その後の形状矯正も困難とな
って、実際の使用にあたり不具合を生ずる。また、材質
の均一性も悪化する傾向になる。よって熱延後の巻取り
温度は 300〜 550℃とする。なお、より高い材質均一性
が求められえるときには 350℃以上の範囲が望ましい。
このほかに、鋼板の形状は、プレス成形等の後の加工ラ
インにおいて、突っ掛けトラブルや疵発生等を防止する
ことを考慮すると、波高さで25mm以下とすることが好ま
しい。なお、波高さは、日本鉄鋼連盟規格に準拠して、
定盤上で波高さを測定することとする。
【0038】本発明鋼板は以上の条件を取り入れた工程
で製造可能であるが、さらに以下に述べる工程を単独あ
るいは複合して補助的に採用することは、鋼板の断面形
状、寸法精度、材質の均一性等の一層の向上が図られる
ので望ましい。まず、仕上げ圧延機の入側で先行材と後
行材とを接合して連続的に圧延することである。このよ
うにして連続的に圧延することにより、被圧延材の先端
および後端のいわゆる圧延の非定常部がなくなり、安定
した熱延条件が鋼板の全長、全幅に渡って達成可能とな
る。そして、このような圧延は、鋼板の断面形状の改善
に大きく寄与する。そして、ホットランテーブル上で全
長にわたって安定して鋼板形状を良好にすることが可能
となり、鋼板の長手方向および幅方向に均一な冷却条件
を得やすくなって、均一な微細組織を得る上で有利とな
る。仕上げ圧延機の入側における接合方法については特
に定めないが、例えば、誘導加熱溶接法、圧接法、レー
ザー溶接法、電子ビーム溶接法などが挙げられる。この
ようにして先行材と後行材とを連続して圧延すれば、圧
延後の鋼板をホットランテーブル上で冷却する場合に
も、常時、鋼板に張力を付与できるため鋼板の形状を良
好に保つことが可能となり、また、鋼板の形状が悪いこ
とに起因した冷却の不均一についても防止することが可
能となる。また、この圧延方法によれば、被圧延材の先
端を安定して通板できるため、通常の単発のバッチ圧延
では通板性および噛込み性の観点から適用することが困
難であった低摩擦係数での熱間圧延、すなわち、潤滑剤
を多量に使用した熱間圧延を実施することが可能とな
り、圧延荷重を低減することができる。同時に、ロール
の面圧をも低減できるので、ロールの寿命延長が可能と
なる。また、圧延時の摩擦係数の低減は、板厚方向の組
織の均一化に対しても極めて有効である。以上述べたよ
うに、薄物熱延鋼板においては、先行材と後行材とを接
合して連続的に圧延することが極めて有効である。
【0039】また、仕上げ圧延機入側で、被圧延材 (シ
ートバー) の幅方向端部を加熱するエッジヒーターを用
いることは、被圧延材の温度を幅方向に均一にする上で
有利である。本発明においては、圧延時およびホットラ
ンテーブル上での冷却時における鋼板温度の均一性が重
要であるため、特に温度が低下しやすい幅方向端部を仕
上げ圧延機の入側において加熱して、鋼板温度の幅方向
分布を均一にすることが好ましい。また、被圧延材の長
手方向の端部についても温度が低下しやすいので、仕上
げ圧延機の入側で、被圧延材 (シートバー) を全幅にわ
たって加熱できる加熱装置(以下、シートバーヒータと
称する) により、長手方向端部の温度低下部分を加熱し
て、被圧延材の長手方向温度分布を均一にすることが好
ましい。また、前記接合を行った後に圧延する際に、接
合装置の入側においてシートバーをコイル状に巻取るこ
とが行われる場合があるが、このときには、とくにコイ
ルの最外巻および最内巻については、温度が低下しやす
いため前記シートバーヒータを用いることが特に好まし
い。エッジヒータやシートバーヒータを用いて被圧延材
を加熱する場合の加熱量は、最終的な仕上げ圧延での温
度差が20℃以下となるような条件が推奨されるが、この
温度差は鋼組成等によって多少変化する。
【0040】以上説明した方法に従えば、TSが 780 MPa
上の特性を有し、さらに良好な伸びフランジ性を、鋼
板の長手方向および幅方向に均一に与えることが可能と
なる。また、ホットランにおいて緩冷却を行うために、
形状も優れた熱延鋼板の製造が可能となる。また、先行
材と後行材とを接合して仕上げ圧延する圧延方法や、エ
ッジヒータ、シートバーヒータによるシートバーの加熱
を併用することにより、より材質の均一性を向上するこ
とが可能となる。
【0041】た、熱間圧延後の鋼板は、酸洗により表
面の酸化層を除去して使用され、またさらに、表面粗度
制御のためのスキンパス圧延、あるいは形状矯正のため
のレベラー加工などを行って使用される。また、特に酸
洗を行うことなく黒皮のままで使用することも可能であ
る。さらに、表層に種々の電気めっき、溶融めっきを行
うことも可能である。
【0042】
【実施例】実施例1 表1に示す成分と残部が実質的にFeからなる成分組成の
鋼を溶製した。この鋼スラブを表2に示す条件で最終仕
上げ板厚1.6 mmまで熱間圧延し、酸洗して供試鋼板と
した。得られた各熱延鋼板について、顕微鏡組織の観
察、引張試験、曲げ試験、穴拡げ試験を行った。引張特
性はJIS 5号試験片を使用した。また、穴拡げ性の
試験は鉄鋼連盟規格に準拠し、10mmφの穴を打抜き
(クリアランス12.5%一定)で加工し、頂角60°の円錐
ボンチで成形することにより行った。これらの試験結果
を表3に示す。なお、同じ熱延鋼板について、酸洗を行
なわない場合の引張特性も調査したが、酸洗有無による
特性の差異は認められなかった。また、鋼板の長手方向
の3点 (先端から15m位置、長手方向中央位置、尾端か
ら15m位置) 、幅方向の5点 (幅方向中央位置、両エッ
ジからそれぞれ25mm位置、両エッジから100 mm位置) の
位置で計15本のサンプルを採取し、引張強度のバラツキ
の大きさを測定することにより材質の均一性を評価し
た。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】表1〜3に示すように、発明例の鋼板はい
ずれもベイナイトが面積率で90%以上を占め、しかもそ
の平均粒径は3.0 μm以下の組織を有していた。また、
TSは780 MPa 以上の特性をそなえており、所期の特性を
満たしていることがわかる。さらに曲げ加工性、穴拡げ
率も十分であった。なお、ここでいうベイナイトは、炭
化物が主に粒内あるいはラス境界に析出しており、旧オ
ーステナイト粒界への析出が少ないものを言う。
【0047】実施例2 0.15wt%C−0.20wt%Si−1.8 wt%Mn−0.009 wt%P−
0.001 wt%S−0.039wt%Al−0.0025wt%N−0.025 wt
%Nb−0.0015wt%B−0.0020wt%Caの鋼スラブを素材と
し、表4に示す各製造条件で2.6 〜1.2 mm厚みの熱延
鋼板(酸洗材)を製造した。連続熱延を適用する場合
は、粗圧延により25mm厚みとしたシートバーについ
て、その先行材料尾端と後行材先端とを仕上げ圧延機入
側において、加熱して溶融圧接する方法にて接合し、連
続的に仕上げ圧延を行なった。これらの供試鋼板につい
て、同様の試験を行い表5に示す結果を得た。表4、5
に示すように、発明例の鋼板はいずれもベイナイトが面
積率で90%以上(他の組織はパーライトあるいはマルテ
ンサイトあるいはフェライト)を占め、しかもその平均
粒径は3.0 μm以下の混粒のない均一な組織であった。
また、TSは780 MPa 以上の特性をそなえ、良好な曲げ加
工性、穴拡げ率を示した。なお、発明例での鋼板の板ク
ラウン (幅方向中央とエッジ25mmの位置とでの板厚
差) は40μm以下であり、良好であった。また、発明例
の鋼板と1.4 mmの冷延板 (連続焼鈍材) とについて、
小径の電縫管を作製した。その結果、発明例の鋼板は溶
接の最適条件の調整は必要であったものの、冷却板と同
様、成形上また製品特性上は全く問題なく製造できた。
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
伸びフランジ成形性に優れる薄物の高強度熱延鋼板を提
供することができる。また、本発明によれば、化学組
成、熱延条件を適正化することにより、形状が均一で、
材質の均一性が高い高強度熱延鋼板を提供することがで
きる。このため、本発明による高強度熱延鋼板は、品質
的に従来の高強度冷延鋼板を代替して使用可能であり、
製造工程の省エネルギー化、自動車の強度メンバーやイ
ンパクトビーム (ビーム用パイプ) などの製品コストの
低減等に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベイナイトの結晶粒径と穴拡がり率との関係を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 信男 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 内山 貴夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 平8−199298(JP,A) 特開 平10−195591(JP,A) 特開 平6−264184(JP,A) 特開 平6−145894(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C21D 9/46

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.05〜0.30wt%、Si:1.0wt%以下、M
    n:1.5〜3.5wt%、P:0.02wt%以下、S:0.005wt%以
    下、Al:0.150wt%以下、N:0.0200wt%以下を含み、
    かつNb:0.003〜0.20wt%、Ti:0.005〜0.20wt%のいず
    れか1種または2種を含有し、残部はFeおよび不可避的
    不純物の組成からなり、金属組織が平均粒径3.0μm以
    下の微細ベイナイトを面積率で90%以上有する組織から
    なることを特徴とする、伸びフランジ性に優れる高強度
    熱延鋼板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の鋼板において、上記成
    分の他にさらに、 B:0.0005〜0.0040wt% を含有することを特徴とする、伸びフランジ性に優れる
    高強度熱延鋼板。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の鋼板におい
    て、上記成分の他にさらに、 Cu:0.02〜1.0 wt%、 Ni:0.02〜1.0 wt%、 Cr:0.02〜1.0 wt%、 Mo:0.02〜1.0 wt% のいずれか1種または2種以上を合計量で1.0 wt%以下
    の範囲で含有することを特徴とする、伸びフランジ性に
    優れる高強度熱延鋼板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼
    板において、上記成分の他にさらに、 Ca:0.0005〜0.0050wt% を含有することを特徴とする、伸びフランジ性に優れる
    高強度熱延鋼板。
  5. 【請求項5】 ベイナイト粒のアスペクト比が1.5 以下
    である組成からなることを特徴とする、請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の高強度熱延鋼板。
  6. 【請求項6】C:0.05〜0.30wt%、 Si:1.0 wt%以下、 Mn:1.5 〜3.5 wt%、 P:0.02wt%以下、 S:0.005 wt%以下、 Al:0.150 wt%以下、 N:0.0200wt%以下を含み、かつ Nb:0.003 〜0.20wt%、 Ti:0.005 〜0.20wt%のいずれか1種または2種を含有
    するスラブを、1200℃以下で加熱したのち、仕上げ圧延
    終了温度800 ℃以上にて熱間圧延し、圧延終了後2秒以
    内に冷却を開始して、冷却速度20〜150 ℃/sec で巻取
    り温度まで連続的に冷却し、300 〜550 ℃で巻取ること
    を特徴とする、伸びフランジ性に優れる高強度熱延鋼板
    の製造方法。
  7. 【請求項7】C:0.05〜0.30wt%、 Si:1.0 wt%以下、 Mn:1.5 〜3.5 wt%、 P:0.02wt%以下、 S:0.005 wt%以下、 Al:0.150 wt%以下、 N:0.0200wt%以下を含み、かつ Nb:0.003 〜0.20wt%、 Ti:0.005 〜0.20wt%のいずれか1種または2種を含有
    するスラブを、1200℃以下で加熱したのち、仕上げ圧延
    開始温度を 950〜1050℃、仕上げ圧延終了温度を800 ℃
    以上にて熱間圧延し、圧延終了後2秒以内に冷却を開始
    して、冷却速度20〜150 ℃/sec で巻取り温度まで連続
    的に冷却し、300 〜550 ℃で巻取ることを特徴とする、
    伸びフランジ性に優れる高強度熱延鋼板の製造方法。
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