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JP3435262B2 - 反射防止膜 - Google Patents

反射防止膜

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Publication number
JP3435262B2
JP3435262B2 JP23230495A JP23230495A JP3435262B2 JP 3435262 B2 JP3435262 B2 JP 3435262B2 JP 23230495 A JP23230495 A JP 23230495A JP 23230495 A JP23230495 A JP 23230495A JP 3435262 B2 JP3435262 B2 JP 3435262B2
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JP
Japan
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film
solution
light
substrate
thin film
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JP23230495A
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知司 大石
高橋  研
哲夫 中澤
田中  滋
忠彦 三吉
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/19Details of hybrid assemblies other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
    • H01L2924/1901Structure
    • H01L2924/1904Component type
    • H01L2924/19041Component type being a capacitor

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なゾル・ゲル反応
による高分子金属酸化物の薄膜を使用した反射防止膜。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化物薄膜の形成方法に関して
は、ジャーナル・オブ・バキューム・サイエンス・テク
ノロジー A,第1巻,3号(1983年),第136
2頁〜第1366頁(J.Vac.Sci.Technol.A,Vol.No.3
(1983),pp1362〜1366)に示されてい
るように物理的成膜法であるスパッタ法にジャーナル・
オブ・エレクトロケミカル・ソサイアテイ,120巻,
(1973),927頁〜(J.Electrochem.Soc.,12
,(1973),pp927〜)に示されているような
化学的成膜法である化学気相成長法(Chemical Vapor D
eposition 法:CVD法)が知られている。
【0003】スパッタ法では、ターゲットに酸化物を使
用した高周波スパッタ法やターゲットに金属を使用し、
金属薄膜を形成した後、熱酸化する方法、又反応性スパ
ッタ法(スパッタガスにAr+O2 等を使用)により酸
化物薄膜を形成する方法がある。
【0004】一方、CVD法としては、原料物質に金属
塩化物を使用した熱CVD法や、最近では、より低温で
の成膜を目指した、特開昭61−190074号公報に見られる
ような光CVD法などがある。
【0005】また、化学的成膜法としては、マテリアル
・リサーチ・ソサイアテイ・シンポジウム・プロシーデ
ィング,73巻(1986年)725頁〜730頁(Ma
t.Res.Symp.Proc.,73,(1986),pp725〜73
0)に示されているような液相法の一種であるゾル・ゲ
ル法が低温成膜法として、最近注目を集めている。他、
特開昭62−97151 号公報,同53−149281号公報等が知ら
れている。
【0006】また、各種シラン化合物にα−ヒドロキシ
ケトンのような光活性化触媒を加えて反応させ三次元ク
ロスリンキングを有する網目構造体とし、さらに光照射
でクロスリンキングを増して硬化させ、成膜する方法で
ある。(第XIV 回インターナショナル・コングレス・オ
ン・グラス、(1986)pp429〜436(XIVIntl.
Congr.on Glass,(1986)pp429〜436)。
【0007】また、成膜とは異なるが、紫外線硬化樹脂
に光を照射し、有機物の立体モデルを製作する技術が知
られている(Nikkei New Materials,1989年6月5
日号,pp45〜51)。
【0008】さらに、希土類金属,アルカリ土類金属の
アルコキシドと銅との有機酸塩,β−ジケトン錯体を混
合,塗布,乾燥した後、紫外線及び赤外線を照射し、分
解,酸化を行い、複合金属酸化物を作製する方法がある
(特開昭64−87780 号公報)。
【0009】また、反応性シランと金属エステルとを用
い、紫外線を照射して、表面保護膜を作製する方法もあ
る(U.S.Patent,4,073,967)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のうち、
スパッタ法は高真空下での成膜法であり、酸素欠陥の多
い膜が生成し、化学量論組成の膜が得られない。また、
スパッタガスとして使用されるアルゴンガスなどが膜中
に残留しやすく、この酸素欠陥部分や残留ガスが酸化物
薄膜の特性に悪影響を及ぼすという欠点があった。
【0011】熱CVD法では、原料物質である金属ハロ
ゲン化物を加水分解して金属酸化物膜を得るために、6
00℃以上の高温が必要である。
【0012】光CVD法は、原料物質の分解反応に光エ
ネルギーを利用し、より低温での薄膜形成を行うとする
ものであるが、原料物質の分解及び分解後の酸素との反
応エネルギーを全て光エネルギーで与えることができ
ず、熱付与が必要であり基板の加熱が必要となる。ま
た、この方法により酸化物薄膜の成長速度は増大する
が、膜質は光を照射しない場合と同様である。
【0013】さらに、スパッタ後熱酸化する方法やCV
D法では、熱付与の工程が不可欠なため、耐熱温度の低
い、例えば有機物の基板上や熱膨張係数の差が大きな基
板上への薄膜形成は困難であった。また、スパッタ法,
CVD法とも、大がかりな装置が必要であり、装置が高
価な上に大面積な膜付けが難しいという問題があった。
【0014】液相法の一種であるゾル・ゲル法は、溶液
中の化学反応を基本とし、常温あるいは常温に近い温度
でセラミックスである無機ポリマを合成するものであ
る。しかし、原料物質に有機物の一種である金属アルコ
キシドを使用するため、生成物中にカーボンが残留しや
すい。また、反応に長時間を要するなどの問題点があっ
た。さらに、成膜後熱処理する方法が知られているが、
熱を加えるので、やはり成膜後に紫外線を照射する方法
はカーボンが残留する問題がある。反応溶液に水分を含
まず、光を照射しない方法では、成膜後の薄膜にカーボ
ンが残留しやすく、その後紫外線を照射してもカーボン
を取り除くことは困難である。また、これまでのゾル・
ゲル法で作製された膜は、ほとんどのものが単層膜であ
り、低温で多層膜,複合膜を得る方法は知られていな
い。さらに、所定形状を有する複合膜,多層膜を形成す
ることは考慮されていなかった。
【0015】各種シラン類に光活性化触媒を加え光照射
する方法は、これにより三次元クロスリンキングを増加
させることを目的としており、膜中より有機物を除去す
ることは考慮されていなかった。反応性シランと金属エ
ステルとを用いる場合でも同様である。また、金属酸化
物を有機化合物に分散させて両者の特徴を活かした材料
を得る場合、単なる混合であるため、均一性が十分でな
く、得られる特性に問題があった。
【0016】本発明の目的は、上述の物理的成膜法及び
化学的成膜法としてのCVD法及び従来のゾル・ゲル法
の持つ問題点を解決することにある。すなわち高温の熱
処理を必要とすることなく、化学量論組成の良質な高分
子金属酸化物薄膜を短時間で得ること、また、簡便な装
置により大面積の膜付けを可能にすることにある。ま
た、上述した手段により、多層膜,複合膜を得ることに
ある。さらに、従来の方法では達成されていなかった所
定の形状を有する無機物あるいは無機/有機複合体、多
層構造を有する無機物あるいは無機/有機複合体の低温
における形成方法を提供することにある。
【0017】本発明の他の目的は、熱処理の必要がな
く、良質な酸化物薄膜を得、これを電子デバイス用に応
用することにより、高性能な薄膜コンデンサ,エレクト
ロルミネッセンス素子及びその表示装置,半導体素子,
光ディスクを得ることにある。さらに、本発明の他の目
的は、アモルファスまたは高分子金属酸化物薄膜を金属
部材表面に形成し、耐環境性保護膜とする耐食性金属部
材を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下に示す
本発明の手段によって達成される。
【0019】本発明は、低分子量の有機金属化合物と水
とを含む溶液から、基体上に無機ポリマ薄膜を形成する
方法において、前記溶液に、該有機金属化合物の金属原
子と有機基との結合を破壊させるために必要な特定波長
を有する成分を含む電磁波を照射し、該有機金属化合物
の加水分解またはチオリシスを促進し前記溶液中に金属
酸化物または金属硫化物のプレポリマを形成させる工
程、及び該プレポリマの溶液を、前記基体上に塗布し乾
燥する工程を含む無機ポリマ薄膜の形成方法を提供する
ものである。
【0020】本発明はまた低分子量の有機金属化合物と
水とを含む溶液から、基体上に無機ポリマ薄膜を形成す
る方法において、前記溶液に、該有機金属化合物の金属
原子と金属原子間のメタロキサン結合の生成に必要な特
定波長の成分を含む電磁波を照射し、前記溶液中に該有
機金属化合物の加水分解またはチオリシスにより金属酸
化物または金属硫化物のプレポリマを形成させる工程、
及び該プレポリマの溶液を前記基体に塗布し乾燥する工
程を含む無機ポリマ薄膜の形成方法を提供する。
【0021】更に本発明は、低分子量の有機金属化合物
と水とを含む溶液から、基体上に無機ポリマ薄膜を形成
する方法において、前記溶液に、前記有機金属化合物の
縮重合に必要な特定波長の光を含む光エネルギーを照射
し、加水分解またはチオリシスを促進して前記溶液中に
金属酸化物または金属硫化物のプレポリマを形成させる
工程、及び該プレポリマの溶液を前記基体上に塗布し乾
燥する工程を含む無機ポリマ薄膜の形成方法を提供す
る。
【0022】本発明の好ましい態様は、低分子量の有機
金属化合物と水とを含む溶液から、基体上に無機ポリマ
薄膜を形成する方法において、前記溶液を基体上に塗布
する工程、該溶液が湿潤状態にある間に該有機金属化合
物の金属原子と有機基との結合を破壊し該有機金属化合
物の加水分解を促進するために必要な特定波長の光を含
む光エネルギーを照射し、前記塗膜中に金属酸化物のプ
レポリマを形成させる工程、該塗膜をオゾンを含む雰囲
気にさらし膜内の有機物を酸化して有機物を減少させる
工程を含む無機ポリマ薄膜の形成方法に関する。
【0023】そして、他の好ましい態様によれば、低分
子量の有機金属化合物と水とを含む溶液から、基体上に
無機ポリマ薄膜を形成する方法において、前記溶液を基
体上に塗布する工程,該溶液が湿潤状態にある間に該有
機金属化合物の金属原子と有機基との結合を破壊し該有
機金属化合物のチオリシスを促進するために必要な特定
波長の光を含む光エネルギーを照射し、前記塗膜中に金
属硫化物のプレポリマを形成させる工程,該塗膜を硫化
水素を含む雰囲気にさらし膜内の有機物を硫化して有機
物を減少させる工程を含む無機ポリマ薄膜の形成方法に
関する。
【0024】本発明の他の態様は、低分子量の有機金属
化合物と水とを含む溶液から、基体上に無機ポリマ薄膜
を形成する方法において、前記溶液を基体上に塗布する
工程、該溶液上に所望のパターンを有するパターンマス
クを配置する工程,該溶液が湿潤状態にある間に該有機
金属化合物の金属原子と有機基との結合を破壊し該有機
金属化合物の加水分解またはチオリシスを促進するため
に必要な特定波長の光を含む光エネルギーを該パターン
マスクを介して照射し、前記塗膜の選択された部分に金
属酸化物または硫化物のプレポリマを形成させる工程,
該塗膜の非選択部分を基体から除去する工程,該基体上
に残留したパターン膜をオゾンまたは硫化水素を含む雰
囲気にさらし膜内の有機物を酸化または硫化して有機物
を減少させる工程を含む金属酸化物薄膜の形成方法であ
る。
【0025】低分子量の有機金属化合物としては、金属
アルコキシド,金属β−ケトエステル錯体,金属β−ジ
ケトン錯体及び金属チオエステルからなる群から選ばれ
た1以上の物質が用いられる。
【0026】前記溶液は有機酸及びアルコールを含有す
ることができる。
【0027】前記電磁波とは光エネルギーで例えば紫外
線,レーザ光である。
【0028】本発明の更に他の態様によれば、金属アル
コキシドと水を含む溶液から、基体上に金属酸化物多層
膜を形成する方法において、前記溶液は、少なくとも二
種類の金属アルコキシドを含み、金属原子と有機基との
結合を破壊させるために必要な特定波長の光を含む光エ
ネルギーを、各金属アルコキシドに対応するように、前
記溶液に逐次照射し、前記溶液中に金属酸化物のプレポ
リマを形成させる工程、該プレポリマの溶液を前記基体
に塗布する工程及び前記塗膜にオゾンを発生させるため
に必要な特定波長の光エネルギーを照射し、前記塗膜内
の有機物を酸化して除去する工程を含む金属酸化物多層
膜の形成方法が提供される。
【0029】本発明は更に金属アルコキシドと水を含む
溶液を基体上に塗布する工程、該塗布液が湿潤状態にあ
る間に金属原子とアルコキシ基との結合を破壊させるた
めに必要な特定波長の光エネルギーを照射し該アルコキ
シドの加水分解を行って無機ポリマの前駆体を形成する
工程,基体と照射源との位置を相対的に移動して塗布液
の選択された部分を照射して該前駆体の所定パターンを
該基体上に形成する工程及び該パターンを、オゾンを含
む雰囲気にさらして該前駆体中の有機物を酸化して除去
し、実質的に金属酸化物からなる無機ポリマに変換する
工程を含む無機ポリマ薄膜の形成方法を提供するもので
ある。
【0030】本発明によって得られる金属ポリマは炭素
量が0.01 乃至4原子%で、少量のC−H結合を含
み、実質的に金属酸化物からなる非晶質の無機ポリマで
ある。本発明によって分解開始温度が300℃以下、特
に200℃以下である基板上に形成された金属ポリマ薄
膜の炭素量が0.01 乃至4原子%であって、少量のC
−H結合を含み、実質的に金属酸化物からなる非晶質の
無貴金属ポリマである無機ポリマ薄膜が得られる。
【0031】本発明によれば、基板とその上に形成され
た無機薄膜からなる複合体において、基体と該薄膜との
熱膨張係数の差が5×10-6-1以上あり、該薄膜が化
学量論組成で86原子%以上の酸素を含有し、かつ炭素
量が0.01 乃至4原子%で少量のC−H結合を含み実
質的に金属酸化物からなる無機ポリマである金属酸化物
薄膜が得られる。
【0032】本発明を利用して、粒径が0.05μm 以
下で、化学量論組成で85原子%以上の酸素を含有し、
かつ炭素量が0.01 乃至4原子%で少量のC−H結合
を含み実質的に金属酸化物からなる無機ポリマが、有機
高分子中に分散している複合構成体が得られる。
【0033】本発明を実施するのに、金属アルコキシド
を有効成分として含む溶液をいれると容器と、前記溶液
に、金属とアルコキシ基との結合を破壊させるために必
要な特定波長,金属−金属間のメタロキサンの生成に必
要な特定波長または前記金属アルコキシドの縮重合に必
要な特定波長の光エネルギーを照射する光照射装置と、
該光照射装置から発生した光を前記特定波長を主とした
光にするモノクロメータとを備えた金属アルコキシド溶
液処理装置が使用できる。
【0034】本発明により、アルコール,水及び金属酸
化物プレポリマを有する溶液から、該溶液中のプレポリ
マの残留炭素量が8原子%以下である金属酸化物薄膜形
成用組成物が得られる。
【0035】本発明の具体的な応用例として、基体に発
光層を備えたエレクトロルミネッセンス素子において、
前記基体と前記発光層との間に耐電圧が2.8MV/cm
以上の高分子金属酸化物絶縁薄膜が形成されており、該
薄膜が化学量論組成で85原子%以上の酸素を含有し、
かつ炭素量が0.01 乃至4原子%で少量のC−H結合
を含み実質的に金属酸化物からなる無機ポリマからなる
エレクトロルミネッセンス素子がある。
【0036】その他、基体に形成された薄膜コンデンサ
において、高分子アモルファス金属酸化物薄膜からな
り、化学量論組成で85原子%以上の酸素含有率を有
し、及び/または前記薄膜の残留炭素量が0.01 乃至
4原子%であるコンデンサ、表面に高分子金属酸化物薄
膜を有し、該薄膜が、化学量論組成で85原子%以上の
酸素含有率及び/または0.01 乃至4原子%の残留炭
素量を有することを特徴とする金属部材、あるいは基体
上に透明電極、第1絶縁層,発光層,第2絶縁層及び上
部電極が順次形成され、前記発光層が格子上に形成され
た表示装置において、前記透明電極,第1絶縁層及び第
2絶縁層が高分子金属酸化物薄膜であって、該薄膜が化
学量論組成で85原子%以上の酸素を含有し、かつ炭素
量が0.01乃至4原子%で少量のC−H結合を含み実
質的に金属酸化物からなる無機ポリマからなり、200
ボルト以下の電圧で駆動することを特徴とする表示装置
に応用できる。
【0037】更に、透明基体上に高分子金属酸化物から
なる記録媒体を備えた光ディスクにおいて、前記金属酸
化物は薄膜であり、該薄膜の酸素含有量が前記金属酸化
物の化学量論組成の85原子%以上及び/または前記残
留炭素量が0.01 乃至4原子%である光ディスクへの
応用がある。
【0038】本発明は、所定形状を有する構成体を得る
という目的を達成するために、金属アルコキシドを有効
成分とする溶液に、金属とアルコキシ基との結合エネル
ギーに対応する波長の光を照射し、照射位置を移動して
所定の形状を形成し、必要であれば得られた形成物に、
酸素含有雰囲気中でオゾンを発生させるための光を照射
するものである。
【0039】また、金属アルコキシドを有効成分とする
溶液は、単成分からなる複数の溶液でも、複数の成分を
含む溶液でもよく、光照射によって重合が進行する樹脂
等を含んでいてもよい。さらに、多層構造を有する有機
/無機複合体を形成する場合には、有機物層を形成する
溶液として、光照射によって重合が進行する樹脂等を含
ませるようにする。
【0040】光照射の方法は、形成体の移動,光源の移
動、または形成体と光源との両方をコントロールするこ
とによって行う。
【0041】この方法は、光エネルギーにより低温で所
定形状が形成できるという特徴を利用したものであり、
耐熱温度300℃以下、または熱膨張係数差の大きい基
板上に酸化物膜を形成するものである。
【0042】第一段階の光照射によりC量を減少させう
るため、第二段階の光照射は、酸素濃度の低い雰囲気で
処理することができる。このため、発生するオゾン濃度
を低く押さえることができ、有機物基板,金属基板の基
板損傷を押さえられる。
【0043】また、本発明で形成された所定形状を有す
る金属酸化物は、化学量論組成にして85原子%以上の
酸素含有率であり、あるいは残留炭素量が4原子%以下
である。さらに、炭素量が0.01 〜4原子%のC−H
結合を有し、アモルファスである。
【0044】本発明に用いる装置は、多種多様な金属ア
ルコキシド及び有機樹脂の反応を加速する波長の光を照
射できるように、光照射部にモノクロメータを設置して
いる。
【0045】また、上記した方法で得られた形成体は、
各種電子デバイス,反射防止膜,線材等に応用すること
ができる。
【0046】さらに、上記した方法は、以下のような用
途に用いることができる。
【0047】基体と発光層とを備えたエレクトロルミネ
ッセンス素子の、該基体と該発光層との間の耐電圧が
2.8MV/cm 以上の高分子金属酸化物薄膜として用い
ることができる。
【0048】金属基板上、プリント基板上または基板内
の薄膜コンデンサの誘電体膜として用いることができ
る。
【0049】高耐食金属部材表面の高分子金属酸化物薄
膜として用いることができる。
【0050】集積回路表面に保護膜を有する集積回路装
置の前記保護膜に、高分子金属酸化物薄膜として用いる
ことができる。
【0051】基体上に透明電極,第1絶縁層,発光層,
第2絶縁層及び上部電極が順次形成され、前記発光層が
格子状上に形成され、200ボルト以下の電圧で駆動す
る表示装置の、前記透明電極,第1絶縁層及び第2絶縁
層に、高分子金属酸化物薄膜として用いることができ
る。
【0052】透明基体上に高分子金属酸化物からなる記
録媒体を備えた光ディスクの、高分子金属酸化物薄膜と
して用いることができる。
【0053】耐熱性を持たない有機物基板や膜との熱膨
張係数の差が小さな基板上に本発明の高分子金属酸化物
多層膜を形成することで、反射防止膜,熱線反射膜を作
製することができる。
【0054】プラスチック光ファスバーの耐環境性保護
膜に、高分子金属酸化物薄膜として用いることができ
る。
【0055】Siチップを本発明の無機膜で保護し、樹
脂封止して半導体素子を作製することができる。
【0056】
【作用】本発明を金属アルコキシドを例にとって説明す
る。金属アルコキシドは一般式M(OR)n(M:金属,
R:アルキル基,n:整数)で表わされる物質である。
金属アルコキシドは水の存在下、反応のエネルギーを吸
収し、加水分解反応を生じ、(RO)n-1MOHで表わさ
れるアルコキシ基の一部が水酸基で置換された構造を持
つ化合物を生成する。このように部分的に加水分解して
生成した中間体は、さらに他の金属アルコキシド分子と
反応し、
【0057】
【化1】
【0058】なる縮合生成物となって成長していく。ゾ
ル・ゲル法は、上記化学反応すなわち、加水分解反応と
縮合反応を基本とし、無機ポリマすなわち酸化物を合成
するものである。このゾル・ゲル反応において、反応の
律速段階は、加水分解反応時における金属−アルコキシ
基結合の開裂であると言われている。
【0059】本発明は金属アルコキシドを有効成分とす
る溶液に金属−アルコキシ基結合を破壊させる必要な特
定波長を有する電磁波特に光エネルギーを照射すること
により、金属−アルコキシ基結合を選択的に切断し、ゾ
ル・ゲル反応の律速段階である加水分解反応を促進させ
て高重合化させ、ゾル・ゲル反応を金属酸化物として理
想的な化学量論組成状態において完遂させようとするも
のである。光エネルギーとしては紫外線の他、各種レー
ザが適している。例えばHe−Cdレーザは325nm
の、Kr−Fレーザは249nmの、Ar−Fレーザは
193nmの波長の光を発生する。また、上記反応溶液
を用いて基板上に成膜した薄膜にオゾンを発生させるた
めの波長の光の照射を行うのは、膜中に少量残存する有
機物をオゾン酸化することにより、さらに膜中有機物を
減少させ、膜の金属酸化物における酸素量を化学量論組
成の85%以上とすること、又は残留炭素量を0.01
〜4原子%とするものである。特に、酸素量を化学量論
組成の95%以下、残留炭素量を0.2 原子%以上とす
ることが、特性上から好ましい。また、このような膜が
短時間で得られる。
【0060】上記光照射の工程をゾル・ゲル反応におけ
る溶液中に加味することにより、低温で化学量論組成が
揃った酸化物薄膜を得ることができる。このため、膜形
成後に膜質を向上させるための熱処理が不要となり、耐
熱温度が300℃以下の樹脂,紙等の基板や熱膨張係数
の差の大きな基板上への酸化物薄膜の形成が可能にな
る。このようにして得た酸化物薄膜は、炭素含有量が
0.01 〜4原子%である。また、酸化物の組成MOx
において酸素含有率が化学量論組成の85原子%以上あ
る薄膜が得られ、電気的特性の優れたものが得られる。
【0061】本発明において、出発原料として金属チオ
エステルM(SR)nを用いた場合、硫化水素存在下でチ
オリシスが起こる。
【0062】
【化2】 M(SR)n+X・H2S→M(SH)x(SR)n-x+RSH …(化2) これに更に硫化水素を作用させると金属硫化物のポリマ
ができる。
【0063】また、ゾル・ゲル反応における加水分解反
応,重合反応に代えて、脱エステル縮合反応を用いれ
ば、非水溶媒系におけるゾル・ゲル反応が可能となる。
尚、脱エステル化反応とは、以下に示す有機酸を用いる
共縮合反応を利用するものである。
【0064】
【化3】
【0065】上記した反応では、反応が三次元状に全て
の方向に進行するため、無機ポリマが生成する。
【0066】また、金属−アルコキシ基結合を破壊させ
るために必要な特定波長を有する光エネルギーを照射す
ることにより、金属−アルコキシ基結合を選択的に切断
し、反応を促進させて高重合化させ、化学量論組成に近
い金属酸化物を得ることができる。光エネルギーを照射
する前記溶液には、水分は含まれず、反応は非水溶媒系
で行うことができる。
【0067】従って、得られた金属酸化物中には水分が
含まれないので、水分が問題となる電子デバイスなどへ
の応用は、本方法の利用が効果的である。
【0068】同様に光を利用した技術のうち、光CVD
法では反応速度は向上するが、原料物質の分解反応に熱
付与が必要不可欠であり基板加熱が必要である。このた
め、耐熱温度が低い基板や熱膨張係数の差の大きな基板
上への成膜が困難である。
【0069】また、各種シラン類に光活性化触媒を加
え、光照射により三次元クロスリンキングを増加させる
方法では、クロスリンキング部は有機鎖状化合物が生成
し、膜中の有機物を除去するという本発明の目的には合
わない。
【0070】本発明の金属酸化物薄膜を形成する装置
は、溶液の状態での光照射による化学反応の促進によっ
てより高分子化させることとその溶液を用いた膜形成及
び溶液の膜に対して更にオゾンを発生させるに必要な特
定波長の光を照射することにより、その膜内の有機物を
酸化除去することにあり、得られる高分子金属酸化物薄
膜は不純物の少ない純度が高く、化学量論組成に近い組
成のものが得られる。金属アルコキシドを有する溶液の
段階でより分子量の高い金属酸化物プレポリマを形成さ
せることが最終的な金属酸化物薄膜として優れた特性が
得られるものである。
【0071】溶液中に照射する光は金属とアルコキシ基
との結合を破壊させるに必要な特定波長とすること、金
属−金属間のメタロキサン結合の生成に必要な特定波長
とすること、又は金属アルコキシドの縮重合に必要な特
定波長の光を用いることが必要である。そのため、特定
波長を有する光だけを照射することが目的のポリマをよ
り純度の高い形で得ることができる。他の波長を有する
光を照射すると他の波長の光によって目的とする分子の
ポリマ以外のものが得られる可能性があり、純度の高い
ものが得られない。
【0072】本発明において、光照射した溶液を基板上
に成膜することにより特別な乾燥工程を経ることなくそ
の膜の光照射することが可能であり、そのため膜中不純
物除去の効果を高めることができる。この特定波長の光
を照射するには光照射部にモノクロメータを設け、特定
波長の光だけ照射できるようにする。従って、各種の多
様な金属アルコキシドの金属−アルコキシド結合に対応
した特定波長の光の照射が可能となる。これにより、種
々の金属アルコキシドを用いたゾル・ゲル反応に対して
より有効な光照射をすることができる。
【0073】本発明を用いれば、低温で有機物含有量の
少ない化学量論比の揃った金属酸化物薄膜が得られる。
この金属酸化物薄膜は、誘電体及び絶縁体として良好な
性能を示すため、高容量な薄膜コンデンサ,低電圧駆動
のエレクトロルミネッセンス素子,耐環境性の良好なコ
ーティング保護膜、及び半導体素子用保護膜,光ディス
クの記録媒体,プラスチック光ファイバー用保護膜,プ
ラスチックレンズ用保護膜,プリント基板上に成膜した
コンデンサ,STN液晶用偏光板,CuまたはCu系合
金上に金属酸化物膜を設けた半導体搭載用の基板として
好適である。例えば、液晶作製に本方法を用いた場合、
図24に示す透明電極141,位相補償板146等の作
製にも応用でき、しかも低温成膜が可能なので、熱処理
することなく、高品質の製品を得られる。
【0074】光照射に指向性の強いレーザを使用すれ
ば、基板上に酸化物薄膜のファインパターンを形成する
ことも可能である。
【0075】本方法において光照射を行うゾル・ゲル反
応溶液中には、酸,アルカリ等の触媒が含有されていて
もよい。また、反応溶液を低温に保持しておくことで反
応溶液を安定に保持でき、成膜時に光照射することで、
成膜に適したゾル溶液とすることができる。
【0076】本発明は金属アルコキシドを含む溶液に対
して特定波長を有する光を照射するので、この溶液の段
階での金属アルコキシドの重合度を測定でき、この重合
度をできるだけ高めた上で基体に成膜することが金属酸
化物薄膜として高純度のものが得られる最も大きな特徴
である。また、この溶液の吸収スペクトル、または、光
散乱法を用いて調べることにより金属酸化物の重合度を
モニタでき、品質の安定した製品が得られるものも大き
な特徴である。
【0077】本発明は金属アルコキシド,金属β−ケト
エステル錯体,金属β−ジケトン錯体あるいは金属チオ
エステルに対して有効である。
【0078】β−ケトエステル錯体,β−ジケトン錯体
についての具体的な化合物については、以下のものがあ
る。
【0079】
【化4】
【0080】ここでプロトンが一つはずれ共鳴現象がお
き、β−ジケトン全体が負に帯電し、酸素で金属に配位
する。金属に配位するβ−ジケトンの数は金属の種類,
価数等によって変化する。具体的には、
【0081】
【化5】
【0082】
【化6】
【0083】
【化7】
【0084】が挙げられる。
【0085】一方、β−ケトエステル錯体とは、β−ケ
トエステル
【0086】
【化8】
【0087】
【化9】
【0088】R0 はメチル基で代表されるが、他のアル
キル基でも同様である。β−ジケトン錯体と性質的には
同様である。具体的には
【0089】
【化10】
【0090】が挙げられる。
【0091】これらの反応溶液に対し前述の要件の波長
を有する光を照射することが必要である。この波長は物
質によって適宜選定される。下記のTiアルコキシドに
対しては248nmの波長の光を主に照射することが好
ましい。
【0092】LiOCH3,NaOCH3,Ca(OC
3)2,Ba(OC25)2,Zn(OC25)2,B(OC
3)3,Al(i−OC37)3,Ga(OC25)3,Ya
(OC49)3,Si(OC25)4,Ge(OC25)4,Pb
(OC49)4,P(OCH3)3,Sb(OC25)3,VO
(OC25)3,Ta(OC37)5,W(OC25)6,Nd
(OC25)3,Ti(iso−OC37)4,Zr(OC
25)4,La[Al(iso−OC37)4]3,Mg[Al(i
so−OC37)4]2,Mg[Al(iso−OC49)4]2,N
i[Al(iso−OC37)4]3,(C37O)2Zr[Al
(OC37)4]2,Ba[Zr2(OC25)9]2
【0093】また、光エネルギーを照射する位置を移動
させれば、薄膜だけでなく、所定の形状の構成体を形成
することが可能となる。その際、モノクロメータが設置
された装置により、照射する光の波長を変化させると、
形成物に様々な機能をもたせることができる。例えば、
所定の形状の構成体の形成過程または形成後に、反応を
促進させるための波長の光エネルギーの他にオゾンを発
生させるために必要な波長の光エネルギーを照射するこ
とによって、形成体中に残留する有機物を減少させるこ
とができる。
【0094】尚、光源の位置だけでなく、形成物の方を
移動させてもよく、また両方を移動させても、二次元あ
るいは三次元の所定形状を有する形成物とすることがで
きる。
【0095】本発明では、光照射によって反応の促進ま
たは機能の増大を図るが、低温で完遂できるため、加熱
処理を必要とした従来方法では達成できなかった有機と
無機の複合体または積層構造体を形成することができ
る。
【0096】所定の形状を形成させるための溶液として
は、前述した金属アルコキシドを主体とした溶液の他
に、複数の金属アルコキシドを主体とする溶液,有機高
分子を主体とする溶液,金属アルコキシドと有機高分子
との混合物を主体とする溶液,金属アルコキシド以外の
有機金属化合物を主体とする溶液などがある。これらの
溶液を単独または組み合わせて用いることにより、各種
の機能を有した所定形状の形成物を得ることができる。
溶液中に各種フィラーを含む場合にも同様に本発明とし
て有効に利用することができる。
【0097】金属アルコキシドと有機高分子との混合物
を主体とする溶液に本発明の技術を適用した場合、金属
アルコキシドが有機高分子中に分子オーダーで均一に分
散しているため、得られる構成体の特性は、従来技術の
ものよりも優れた高信頼性のものとなる。分散している
金属アルコキシドからの誘導体である金属酸化物は、従
来法の粉末等の添加によって得られるもののように凝集
することもなく、最大でも0.05μm で均一に分散し
ている。
【0098】このように、本発明の適用で有機高分子中
に金属酸化物が均一に分散した構成体は、例えば有機高
分子単体よりも誘電率が高く、高性能なフィルムコンデ
ンサ等の用途が期待できる。
【0099】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明は実施例に限定されるものではな
い。
【0100】実施例1 図1は本発明を実施する成膜装置の一例を示す構成図で
ある。
【0101】純空気等の雰囲気置換が可能なボックス1
内に紫外線ランプ等の光照射装置2,特定波長の光を選
択的に取り出すことができるモノクロメータ3,モノク
ロメータを固定する支持台7,基板9をビーカ6内の反
応溶液に浸漬するための浸漬装置4が設置されている。
光照射装置2より発生した光はモノクロメータ3で波長
の選別がなされ、ミラー8で反射され、ビーカ6内に入
っている反応溶液に照射される。反応溶液は、スターラ
ー5の上に設置されており、撹拌子10の回転により撹
拌されている。一定時間の光照射によりゾル・ゲル反応
を十分進行させた後、ミラー8はモノクロメータ3の上
部に引き上げられる。ついで、基板9は、浸漬装置4に
より反応溶液中に浸漬され成膜される。基板9は、モノ
マクロメータ通過後の光が最もよく照射される位置に停
止され、一定時間光照射がなされる。この時、空気中に
おいてオゾンが発生し、成膜された薄膜のオゾン酸化が
なされる。
【0102】この装置を用い、図2に示すフローに添っ
てTa25薄膜を形成した。
【0103】タンタルエトキシドTa(OR)5の0.5モ
ル/lエタノール(C25OH)溶液を作製した。この
溶液2mlに水(H2O)の0.5mol/lエタノール溶
液8mlと塩酸0.1mol/lエタノール溶液2.5ml
の混合溶液にエタノール2mlを加えた溶液を3ml/
分の速度で滴下し、透明な均一な混合溶液を得た。この
混合溶液に図1に示す成膜装置を用いて、タンタル−エ
トキシ基の吸収位置に対応する水銀ランプの254nm
の光を30分間と1時間照射した。
【0104】この光照射により次の様な反応によりTa
酸化物の重合が起こり、高重合度のプレポリマが溶液中
に形成されると考えられる。
【0105】Ta(OR)5+H2O→(RO)4TaOH +ROH(RO)4TaOH+Ta(OR)5 →(RO)4Ta−O−Ta(OR)4+ROH プレポリマの構造を示せば次のとおりである。
【0106】
【化11】
【0107】この後、この高重合度のプレポリマを有す
る反応溶液を成膜装置に付属した浸漬装置を用いSiO
2 基板上に成膜し、空気中においてオゾンを発生させる
ため波長184nmの光(紫外線)を約10分間照射し
た。光照射中の膜の温度は約50〜60℃となる。この
ようにして基板上に次の様な分子構造の五酸化タンタル
膜のアモルファスポリマが形成される。
【0108】
【化12】
【0109】図3はタンタルエトキシドエタノール溶液
に波長254nmの水銀ランプの光を照射した場合の反
応溶液の吸収スペクトル線図である。図に示すように、
実線の光照射前に比較し、一点鎖線の0.5 時間から点
線の1時間光照射によりスペクトル線が短波長側に移動
し、この吸収スペクトルをモニタすることにより反応溶
液の中に形成される五酸化タンタル高分子プレポリマの
重合をモニタすることができる。
【0110】図4は反応溶液に対する光照射時間と図3
の各光照射時間に対する吸収度のピーク値における波長
との関係を示す線図である。
【0111】各波長のピーク値は光照射なしが250n
m,30分照射が224nm,60分照射が208nm
であり、そのピーク値は約100分でプレ重合がほぼ完
了するものと思われる。30分で約50%,60分で約
80%プレ重合が生じている。従って、反応液への光照
射はプレ重合度として高い程好ましいが、特にプレ重合
度として50%以上、より好ましくは80%以上にする
のが好ましい。
【0112】上記製法を用いて作製したTa25薄膜赤
外吸収スペクトル、その膜中の残留有機物量,化学量論
組成比をESCAを用いて他の方法で形成した膜と比較
し測定した。
【0113】図5は得られた膜の赤外吸収スペクトル線
図である。図中(a)は反応溶液及び成膜後のいずれも
光照射しないもの、(b)は本発明の光照射をしたも
の、(c)は前述の反応溶液に光照射せずに成膜した後
400℃で大気中加熱処理したものである。図に示すよ
うに、(a)及び(b)のものは波数3300cm-1付近
及び1600cm-1付近に吸収スペクトル線の強度が
(c)のものに比較して低くなっており、これは水が存
在するためである。更に、(a)では有機物に基づくC
H振動が求められる。他、Ta酸化物の高分子膜は同じ
吸収スペクトルになっている。
【0114】図6〜図9は各々各種の製法で得たTa酸
化物膜の比誘電率(ε),耐電圧(MV/cm),TaO
x組成,膜中のC含有量を示す図である。熱処理ゾルゲ
ル膜は前述の光照射しない反応溶液によって成膜した後
400℃で熱処理したもの、光アシストゾルゲル膜は本
発明の図2の工程によって得た膜で、O2 は酸素中で成
膜後に光照射したもの、ゾル・ゲル膜は光照射しない反
応時間6時間のもの、光CVD膜は200〜300℃で
成膜、熱CVDは350℃で成膜したものである。
【0115】尚、いずれのゾル・ゲル膜も4回くり返
し、約2000Åの厚さを有する。
【0116】図6に示すように、本発明の膜は熱処理膜
と同等のε25以上の高い比誘電率を示すが、CVD膜
及びゾル・ゲル膜はそれより低い比誘電率である。
【0117】図7に示すように、本発明の膜は2.7M
V/cm 以上の耐電圧が得られる。
【0118】図8に示すように、本発明における膜中の
C量が特にO2 中光アスシト膜では4原子%と低く、熱
処理膜と同等の低C量の膜が得られる。
【0119】図9に示すように、本発明の酸素中光アス
シト膜のTaOx組成は2.2 と理論酸素量2.5に対
し88%の酸素を有し、熱処理膜の2.0の80%より
高い化学量論比の膜が得られることが分かる。
【0120】尚、本発明の酸素中光アスシト膜の抵抗率
は1011Ωcmと高い値を有する。
【0121】以上の結果から明らかなように光照射した
本発明の膜はCH結合を有し、有機物残留量としてC量
に換算して4.0原子%,TaOx組成比(O/Ta)
2.2であった。
【0122】また、照射強度40mW/cm2 ,3時間紫
外線を照射した膜を分析した結果、C含有量は0.01
atm%であった。
【0123】一方、光照射しない膜では、CH結合を有
し、有機物残留量としてC量に換算して11.0 原子
%、TaOx組成比(O/Ta)1.6 であった。光照
射した膜は、光照射しない膜に比較して、有機物残留量
で1/2.8 ,TaOx組成比(O/Ta)で1.4 倍
の値を示し、有機物残留量の少ない化学量論比に近い膜
が得られた。光照射した膜と同様な有機物残留量,Ta
Ox組成比の薄膜を得るには、光照射しない膜に対して
400℃以上の熱処理が必要であった。
【0124】また、同じ手法を用いて、耐熱温度が30
0℃以下のポリエステルフィルム,マイラーシート,ア
クリル樹脂等の有機物基板、あるいは、熱膨張係数の差
が5×10-6-1以上あるステンレス(熱膨張係数1
7.3×10-6-1 )、アルミ(熱膨張係数23.6×1
-6-1)等の金属基板上へも薄膜を形成した。これら
の膜の有機物残留量、TaOx組成比(O/Ta)は、
SiO2 基板上に形成した膜と同様な値を示した。
【0125】実施例2 透明導電膜付ガラス基板(34mm×34mm)の蒸着透明
導電膜にフォトエッチングを施し、2mm幅の透明導電膜
付ガラス板とした。
【0126】このガラス基板を用いて、図10(a),
(b)に示すエレクトロルミネッセンス素子(EL素子)
を作製した。
【0127】上述した透明導電膜14のついたガラス基
板13上に実施例1の方法のうち反応溶液に60分間光
照射したものを用いて同様に五酸化タンタル膜を作製し
た。実施例1で示した方法の工程を4回くり返し、透明
導電膜上にEL素子の第一絶縁層15となるアモルファ
ス高分子Ta25膜を2000Å成膜した。次に発光層
16としてMn0.5wt% 含むZnSを5000Å電
子ビーム蒸着した後、2.6×10-4Pa,300℃で1
時間真空熱処理を行った。さらに第二絶縁層17として
BaTa26を2000Åスパッタ法で成膜した。上部
電極18としてアルミニウムを2000Å抵抗加熱蒸着
した後、電極端子を取り付け、EL用素子とした。
【0128】図10(b)のEL素子の平面図におい
て、透明導電膜14と上部電極18との交差した部分が
画素に相当し発光する。
【0129】従来のEL素子では、第1絶縁層および第
2絶縁層に、誘電率12,耐電圧3〜5MV/cm程度の
23膜を使用しているため、EL素子の駆動電圧は約
200Vと高電圧が必要とされていた。本素子では、第一
絶縁層に用いたTa25膜の特性が誘電率28,耐電圧
2.8MV/cm であり、170Vでの低電圧駆動が可能
となった。一方、光照射しないTa25膜を第一絶縁層
に用いたEL素子は、第一絶縁層のTa25膜の特性が
発光層蒸着後の300℃の熱処理を経ても誘電率14,
耐電圧2.3MV/cm と低いため、210Vの駆動電圧
が必要であった。
【0130】発光層として、Eu入りCaS(赤色),
Ce入りCaS(緑色),Ce入りSrS(青緑色)の
他、ZnSにSm3+(赤),Tb3+(緑),Tm3+
(青)等用いることができる。
【0131】絶縁層として、SiO2 ,Y23の高分子
膜を用いることができ、前述と同様にゾルゲル法によっ
てこれらの組成として化学量論組成に対し85%以上の
高い酸素含有量のアモルファス膜を得ることができる。
【0132】また、前述の透明導電膜14として、錫ア
ルコキシドSn(OC25)4 及びインジウムアルコキシ
ドIn(OCH3)3溶液を用い、この溶液に230〜24
0nmの波長の光を60分照射し、錫酸化物とインジウ
ム酸化物とのプレポリマ溶液を作り、この溶液にガラス
基板13を浸漬して成膜し、次いで前述と同様に波長1
84nmの紫外線を照射する工程をくり返し所定の膜を
有する透明導電膜14を形成した。その後、前述のよう
にして第1絶縁層と同様に形成した。その後の発光層,
第2絶縁層及び上部電極は同様に形成される。
【0133】EL素子は基板上に多数の画素が形成さ
れ、高周波電源によって駆動される。EL素子には更に
SiO2 の保護膜がその全面に形成されるが、前述と同
様に本発明の方法によって形成された高分子アモルファ
ス膜からなる。
【0134】以上の如く、本実施例によって製造される
EL素子は発光層及び上部電極を除き、透明導電膜,絶
縁膜を熱処理のいらないゾル・ゲル法による高分子アモ
ルファス膜によって形成できるため熱膨張差による熱的
影響を少なく製造できる効果がある。
【0135】実施例3 図11に示すように基板19としてSi〔(P型面指数
(100),比抵抗1.2〜1.8Ω・cm)〕を用い、この
基板上に実施例1で示した方法を用いて、 Ta25
膜を作製した。実施例1で示した方法のうち反応溶液に
60分間光照射したものを用い工程を4回くり返し、T
25膜20を2000ÅSi基板上へ成膜した。さら
に、絶縁膜上へAl電極21を厚さ1000Å真空蒸着
した後、基板の裏側へも同様にAl電極21を蒸着し、
薄膜コンデンサを作製した。
【0136】絶縁層の誘電率は、28でSiO2 に比べ
5倍程度大きく、また、耐電圧も2.8MV/cm と従来
のTa25に比べ大きな値を持っている。本発明による
絶縁膜を用い、単位面積当りの静電容量が大きく、耐電
圧特性の良好な薄膜コンデンサを得ることができた。
【0137】同様な薄膜コンデンサは、プリント基板上
または基板内に直接形成することも可能であった。この
場合のプリント基板であれば、高周波回路のノイズ対策
に有効である。
【0138】実施例4 SUS304ステンレス製ビーカ22(内径50mm,深さ60
mm)の内面に実施例3で示した方法により同様に工程を
4回くり返し、約2000ÅのTa25膜23をコーテ
ィングした。このステンレスビーカ内に3規定塩酸20
mlを入れ、入口をパラフイルムで封じ、一か月間放置
した。その後、塩酸を捨て、ビーカ内面を観察したが、
ステンレス鋼表面の腐食は観察されなかった。本方法に
よるTa25膜のコーティングにより耐食性の向上がな
された。
【0139】光照射しないものでは、ステンレス鋼上へ
の膜の耐久性が悪く、同様な実験を行ったところ、7日
間経過後、膜剥れが生じ、また、腐食も生じていた。ま
た、膜の密着性を高めようと200℃で熱処理を行った
ところ、ステンレスと薄膜との熱膨張係数の差に起因す
ると思われる膜剥れが生じた。
【0140】SUS304ステンレス鋼の他、炭素鋼に対する
大気酸化,腐食に対する保護、他のAl,Cu等の金属
又は合金に対しても同様の耐酸化,耐食性に対する保護
皮膜として有効である。本実施例ではTa25膜の例を
示したが他の酸化皮膜でも材料の種類によって前述の種
類の膜材を選択することができる。
【0141】実施例5 シリコンテトラエトキシドの0.5mol/lエタノール溶
液を作製した。この溶液20mlに水の0.5 mol/l
エタノール溶液80mlと塩酸0.1 mol/lのエタノ
ール溶液10mlの混合溶液を3ml/分の速度で滴下
し、透明な均一溶液を得た。この混合溶液に図1に示す
成膜装置を用いたシリコン−エトキシ基の吸収位置に相
当する210nmの光を60分間照射した。ついで、図
12に示すシリコン基板24上に薄膜集積回路を形成し
た半導体素子を成膜装置に付属した浸漬装置を用いて、
溶液中に浸漬し、集積回路上に薄膜27を形成後、空気
中においてオゾン発生のために必要な184nmの光を
10分間照射した。図12において、24はSi基板、
25はSiO2 ,26はAl電極、27は本発明の方法
によって作製されたSiO2 膜の高分子膜である。27
はSiO2 高分子膜で、薄膜集積回路を外乱要素から守
る保護膜(パッシベーション)である。この膜は、化学
量論比に近い極めて純粋な組成を有し、かつより高分子
化されているので、保護性の高いものが得られる。また
従来法のように成膜後熱処理をしないため、熱処理工程
における応力発生やNa+ などの不純物拡散もなく、半
導体素子に悪影響を与えない。このため75フィット以
下の素子のソフトエラーの低減化が達成される。SiO
2 膜25は熱酸化によって形成され、Al電極26は蒸
着,スパッタリング等により形成される。
【0142】なお、27としてSiO2 の代わりにTa
25,PZTなどの高誘電率膜を設けてもよい。
【0143】実施例6 トリプロポキシアンチモンの1mol/l イソプロピルア
ルコール溶液を作製した。この溶液30mlに水の1mo
l/l イソプロピルアルコール溶液15mlと塩酸0.
1mol/lイソプロピルアルコール5mlの混合溶液を
3ml/分の速度で滴下し、透明な均一溶液を得た。こ
の混合溶液に図1に示す成膜装置を用いて、アンチモン
−イソプロポキシ基の吸収波長に相当する250nmの
光を30分間照射した。ついで、図13に示すポリメチ
ルメタアクリレート樹脂(PMMA)基板28(直径13
0cm,厚さ1mm)上に、成膜装置に付属した浸漬装置を
用いて、溶液中に浸漬し、PMMA基板上に薄膜29を
形成後、空気中においてオゾン発生のために必要な18
4nmの光を10分間照射した。このようにしてPMMA基
板上に厚さ1000Åの記録媒体層を形成した。同様に
してさらにもう一枚のPMMA基板上に薄膜を形成し
た。この2枚の基板をスペーサー30を介して接着し、
図12の構成の光ディスクを作製した。
【0144】この光ディスクは、熱処理工程も経ず、基
板上への密着性のよい、化学量論組成の酸化アンチモン
薄膜が形成されているため、長期信頼性が高い。
【0145】同様の方法によってメモリ材として金属ア
ルコキシドを使用し、Te酸化物を主とし、Ga,G
e,Asの1種以上〜10重量%とIn,Sn,Sbの
1種以上10〜20重量%の酸化物を得ることができ
る。
【0146】記録媒体上に保護膜を有する場合もあり、
この保護膜として、本実施例と同様の方法によってSi
2 の高分子膜を形成させることができる。SiO2
は実施例5と同様にして得ることができる。また、ディ
スク全体にこの方法によって保護膜を形成させることが
できる。
【0147】基板として、他にポリカーボネート,エポ
キシ樹脂を用いることができる。
【0148】実施例7 シリコンエトキシドの0.5mol/l エタノール溶液2
0mlにチタンエトキシドの0.5mol/l エタノール
溶液20mlを混合した。この溶液に水の0.5mol/l
のエタノール溶液20mlに塩酸の0.1mol/l のエ
タノール溶液1mlを添加した混合溶液を0.2ml/
分 の速さでゆっくりと加えた。このようにして作製し
た均一混合溶液中にポリエチレン基板(50×20×2
(厚さ)mm)を液面下5mmの位置に設置した。ついで液面
上部よりシリコンエトキシドの吸収波長に対応する21
0nmの光を10分間照射した後、液中より引き上げ、
基板上にオゾン酸化に必要な184nmの光を10分間
照射した。この基板を再度、液面下5mmの位置に設置
し、今度はチタンエトキシドの吸収波長に対応する260
nmの光を10分間照射した。ついで基板を引き上げ、
オゾン酸化に必要な184nmの光を照射した。このよう
な210nm,184nm,260nm,184nmの
光を照射する工程を交互に5回くり返した。図14にこ
のようにして作製した多層膜の構造を示す。図中、ポリ
エチレン基板31,SiO2 を多量に含む層(TiO2
有する)32,TiO2 を多量に含む層(SiO2を有す
る)33である。このようにして、ポリエチレン基板上
に作製した多層膜は、軽量,高強度な反射防止膜とし
て、良好な性能を示した。また、ESCAによりSnO
2 及びTiO2 の化学種の固定を行った結果SnIV及び
TiIVが観察された。
【0149】実施例8 インジウムエトキシドの0.5mol/lエタノール溶液2
0mlチン(錫)エトキシドの0.5mol/lエタノール
溶液20mlを混合した。この溶液に水の0.5mol/lの
エタノール溶液30mlと塩酸の0.1mol/l のエタ
ノール溶液2mlを添加した混合溶液を0.2ml/分
の速さでゆっくりと添加した。このようにして作製した
均一混合溶液中にポリエチレン基板(50×50×2
(厚さ)mm)を液面下5mmの位置に設置した。ついで液
面上部よりインジウムエトキシドの吸収波長に対応する
270nmの光を10分間照射した後、液中から引き上
げ、基板上にオゾン酸化に必要な184nmの光を10
分間照射した。この基板を再度、液面下5mm位置に設置
し、今度はチン(錫)エトキシドの吸収波長に対応する
230nmの光を10分間照射した。ついで基板を引き
上げ、オゾン酸化に必要な184nmの光を10分間照
射した。このような、溶液中における光照射,空気中に
おける光照射の工程を5回くり返した。図15にこのよ
うにして作製した多層膜の構造を示す。図中ポリエチレ
ン基板34,In2O を多量に含む膜(SnO2 を含有
する)35,SnO2 を多量に含む膜(In2Oを含有す
る)36である。
【0150】このポリエチレン基板上に作製した多層膜
は、軽量,高強度な赤外反射膜として良好な性能を示
す。
【0151】実施例9 図16は本発明を実施する装置の一例を示す構成図であ
る。
【0152】所定の形状体を形成するために照射位置,
走査速度,ビーム径波長等をコントロールするためのシ
ステムを備えた光源61,形状体を形成する基板62,
基板62を保持し、試料溶液64,65中に浸漬,引き
上げを可能とし、かつ光源61と連動して所定形状体の
形成を可能とする。上下移動機構を設けた基板支持装置
63,試料溶液を均質に保つための撹拌子66、及びス
ターラー67がボックス68内に設置されている。ボッ
クスは不活性状態等に保つことを可能とする雰囲気調節
部69を備えている。
【0153】光源61から発生した光は各々の試料溶液
中に浸漬されて、それがコーティングされている基板6
2に照射される。照射位置は設定された条件下で自動的
に移動するシステムになっている。
【0154】実施例10 インジウムエトキシドの0.5mol/lエタノール溶液2
0mlにチン(錫)エトキシドの0.5mol/lエタノー
ル溶液20mlを混合した。この溶液に水の0.5mol/
l,エタノール溶液30mlと塩酸の0.1mol/l,エ
タノール溶液2mlを添加した溶液を0.2ml/分 の
速さでゆっくりと添加した。このようにして均一混合溶
液Aを調整した。次にエポキシアクリレート樹脂(比重
1.14,粘度200cps(20℃))、Bを準備した。
【0155】上記A及びBを試料溶液とし、図16に示
した所定形状体形成装置を用いて透明導電層内蔵物を形
成した。
【0156】上記Aを図16の64に、またBを65に
入れた。基板62としてアクリル樹脂を使用した。ま
ず、基板62を64に浸漬後、引き上げて走査速度10
0mm/秒で、He−Cdレーザ(出力30mW)を照射
した。それにひき続いて184nmの光を10mm/秒の
速度で走査した。この操作を5回繰り返し、アクリル樹
脂板上にインジウム−錫酸化物(ITO)層を形成し
た。アクリル樹脂板上に形成したITO層は厚さ0.5
μm ,幅30μm、で図17(A)に示すパターンを
もったものである。
【0157】このようにしてITO層を形成した後、基
板を55に浸漬し基板全面にHe−Cdレーザ光を照射
し、これを2回くり返して厚さ0.1mm のエポキシアク
リレート樹脂コーティング層を形成した。本実施例で形
成した形成物は図17(A),(B)に示す形状のもの
であり、ITO両端部より通電することにより、基板の
曇り防止が達成できた。
【0158】実施例11 ポリビニルブチラールを1%の含水エタノールで溶解し
た溶液にタンタルエトキシド〔Ta(OC25)5〕 のエ
チシール溶液を加え、充分に撹拌し、混合溶液とする。
この溶液の粘度を真空脱泡の操作を行う中で調節し、約
5000cps にした後、周知の手法であるドクターブレ
ード法でポリエステルシート上にシート状に形成した。
この時、ブレードからの出口でシート状形成体の表面に
Kr−Fレーザ光を100mm/秒の走査速度で反射し、
次いで紫外線ランプにより184nmの光を10mm/秒
の走査速度で照射した。このようにして化学反応を進行
させた後、乾燥させて厚さ約30μm長さ1000mm,
幅10mmのシートを得た。このシートの誘電率は6.1
で、ポリビニルブチラール単体の3.6 に比べて大きく
なっていた。
【0159】形成されたシートの片面にアルミニウムを
蒸着し、同様に作成したシート2枚を重ね合せ巻いた
後、約80℃に加熱し20kg/cm2 の圧力で加圧し、巻
かれたシート間の密着性を良くした上で、両端にメタリ
コンによってアルミニウム外部電極を形成し、それぞれ
リード線を半田付けし、コンデンサとした。
【0160】このようにして形成したコンデンサは、有
機物に無機物が均一に複合されているため、通常の有機
物のみのフイルムを使用したコンデンサにくらべて誘電
体自身の誘電率が高くなっているため、コンデンサの高
容量化が達成できた。
【0161】実施例12 実施例10で調製した混合液A及び樹脂Bを材料として
使用し、以下に示す方法でタッチパネルを作製した。
【0162】まず、混合液Aをドクターブレード法によ
りポリエステルシート上にコーティングした。この時ブ
レードからの出力でシート上のコーティング層にKr−
Fレーザ光を100mm/秒の走査速度で照射し、次いで
紫外線ランプにより184nmの光を10mm/秒の走査
速度で照射した。この操作を4回くり返し、ポリエステ
ルシート上に0.5μm の厚さの透明導電膜(ITO)
を形成した。続いてITO膜上に樹脂Bをコーティング
し、そのコーティング面上を5mm間隔で照射光径0.3m
m のHe−Cdレーザを照射、図18に示すような断面
形状をもつ構成物を形成した。
【0163】樹脂Bで形成される75はタッチパネルの
スペーサーとなる。
【0164】上記した方法を同様にしてポリエステルシ
ートにITO膜を形成した部材をさらに製作し、電極を
形成後、両者を組合せてタッチパネルとした。この方法
で形成したタッチパネルは、応答性,透明性その他の特
性の点で用途を満足するものであった。
【0165】実施例13 シリコンエトキシドの0.5mol/lのエタノール溶液2
0mlに水の0.5mol/lのエタノール溶液20ml及
び塩酸の0.1mol/l,エタノール溶液1mlを添加,
混合した。
【0166】このようにして調製した均一混合溶液中に
アルミ導体電線を浸漬した後、電線を溶液から引き上げ
るときに溶液の界面で電線にAr−Fレーザを照射し
た。電線の引き上げ速度は60mm/秒とした。その後、
184nmの紫外光を照射し、この操作を5回くり返し
て電線の表面にSiO2 の絶縁膜を形成した。このよう
にして形成した絶縁膜は600℃の環境下で使用しても
絶縁性が確保できることと、炭化水素や炭酸ガスの発生
もなく、真空中での使用も可能であることが認められ
た。
【0167】また、本実施例の方法により、線材に連続
的に、しかも低温でコーティング層を形成することがで
き本発明が工業的に有用であることが認められた。
【0168】実施例14 シリコンエトキシドの0.5 mol/lのエタノール溶液
に水の0.5 mol/lのエタノール溶液及び塩酸の0.1
mol/lエタノール溶液を添加して溶液(I)を調製し
た。また、チタンエトキシドの0.5mol/l エタノー
ル溶液に水の0.5mol/l のエタノール溶液及び塩酸
の0.1mol/lエタノール溶液を添加して溶液(II)を
調製した。
【0169】まず溶液(I)の液面下5mmの位置にポリ
エステル基板を設置し、液面上部よりシリコンエトキシ
ドの吸収波長に対応する210nmの光を10分間照射
した後基板を液中から移動し、オゾン酸化に必要な18
4nmの光を10分間照射した。その後、基板を溶液
(II)の液面下5mmの位置に設置し、チタンエトキシド
の吸収波長に対応する260nmの光を10分間照射し
た。次いで基板を液中から移動し、オゾン酸化に必要な
184nmの光を10分間照射した。このような溶液
(I)中210nmの光照射→基板移動→184nmの
光照射→溶液(II)中260nmの光照射→基板移動→
184nmの光照射の工程を交互に5回繰り返した。こ
れによってポリエステル基板上にSiO2 層/TiO2
層の多層膜を形成することができた。この多層膜は良好
な反射防止膜としての特性を示した。 実施例15 プラスチック光ファイバー上へ耐環境性保護膜を作製し
た。図19は、今回作製した保護膜付プラスチック光フ
ァイバーの断面図である。81は保護膜、82は有機樹
脂部、83はグラッド部、84はコア部である。以下に
保護膜の作製方法について記す。
【0170】シリコンエトキシドの0.5mol/lエタノ
ール溶液を作製した。この溶液20mlに水の0.5mol
/lエタノール溶液80mlと塩酸0.1mol/lのエタ
ノール溶液10mlの混合溶液を3ml/分の速度で滴
下し、透明な均一溶液を得た。この混合溶液に図1に示
す成膜装置を用いて210nmの光を60分間照射し
た。この溶液中にプラスチック光ファイバー(太さ:2
mmφ)を浸漬し、ファイバー表面上にSiO2 保護膜8
1を成膜した。ついで、このファイバーを空気中におい
てオゾン発生のために必要な184nmの光を10分間
照射した。このようにして得たプラスチック光ファイバ
ーの耐環境性試験をエンジンオイル中、100℃で行っ
た。図20はその結果である。縦軸には、光量保持率
(%)、横軸には経過時間(hr)を示す。保護膜なし
のものでは、ファイバー中への油の拡散により、光量保
持率は1000時間後40%程度まで低下するが、今回
作製した保護膜付ファイバーでは、1000時間経過後
でも光量保持率80%以上を示し、極めてすぐれた耐油
性を示すことがわかった。このため、例えば自動車エン
ジン制御用プラスチックファイバーとして好適である。
また、今回の成膜法は低温プロセスとして優れているた
め、耐熱性のないプラスチックファイバー上への無機膜
の作製が可能となったものである。
【0171】実施例16 通常のプラスチック・モールド・タイプの半導体素子の
作製工程に従い図21に示すようにリードフレームから
チップ,ペレット付を経てAu線をワイヤボンディング
した。この素子上に以下に示す方法により無機膜をアン
ダーコートした。
【0172】シリコンテトラエトキシドの0.5mol/l
エタノール溶液を作製した。この溶液20mlに有機酸
である氷酢酸の0.5mol/lエタノール溶液80mlを
ゆっくり加えた。この混合溶液にシリコン−エトキシ基
の吸収位置に相当する210nmの光を30分間照射し
た。この溶液中に前記素子を浸漬し無機の保護膜95を
作製した。ついで、この素子に空気中で184nmの光
を10分間照射した。この素子を再度、溶液中に浸漬
し、成膜した後、空気中で184nmの光を10分間照
射した。この工程を10回くり返してアンダーコートを
行った。このようにして作製した素子をエポキシ樹脂を
用いて樹脂封止して半導体素子を完成した。図21にそ
の構造を示す。本図において、91はリードフレーム、
92はAuワイヤ、93はAu−Si合金、94はチッ
プ、95は無機保護膜、96はエポキシ樹脂を示す。
【0173】本方法によって作製した素子は、熱処理の
工程を含まず、また、無機保護膜の作製のための溶液中
にも水分を含まないため、たいへん性能のよい半導体素
子が得られる。すなわち、熱処理工程における応力発生
もなく、また、Au線と無機保護膜とのぬれ性もよいた
め密着力の高い保護膜を作製することができる。また、
この保護膜中には水分は含有されない。このため素子の
ソフトエラーの低減化が達成される。
【0174】実施例17 本発明の手法を用いて、高周波用Ta25薄膜コンデン
サを作製した。作製手法は以下のとおりである。
【0175】タンタルエトキシドの0.5mol/lエタノ
ール溶液を作製した。この溶液20mlに氷酢酸0.5m
ol/lエタノール溶液80mlを加えた。この混合溶液
に254nmの光を60分間照射した。図22にあるよ
うに、この溶液中に裏面をマスクしたFe−42%Ni
板(10×10×0.5t)101を浸漬し、成膜した。
成膜した面に空気中で184nmの光を10分間照射し
た。ついで、再度、溶液中にこの板を浸漬した後空気中
で184nmの光を10分間照射した。この工程を20
回くり返し、1μmのTa25膜102を作製した。T
25膜付Fe−42%Ni板上にAl103を真空蒸
着して薄膜コンデンサを作製した。この薄膜コンデンサ
は、1GHzでも静電容量変化がほとんど見られない。
このため、この薄膜コンデンサを用いて、高速デバイス
及び回路を高密度に実装して動作させる時、誤動作の最
大原因である雑音対策ができた。
【0176】実施例18 プラスチックレンズ上への保護膜を作製した。図23
は、今回作製した保護膜付プラスチックレンズの断面図
である。111はプラスチックレンズ、112は保護膜
である。以下、レンズ上への保護膜の作製方法について
記す。
【0177】シリコンエトキシドの0.5mol/lエタノ
ール溶液を作製した。この溶液20mlに水の0.5mol
/lエタノール溶液80mlと塩酸0.1mol/lエタノ
ール溶液10mlの混合溶液を3ml/分の速度で滴下
し、透明な均一溶液を得た。この混合溶液に図1に示す
成膜装置を用いて、210nmの光を60分間照射し
た。この溶液中に凹部をテープで保護し、溶液がつかな
いようにしたプラスチックレンズ(100mmφ、最大凸
部5mm)を浸漬し、プラスチックレンズ111の凸部表
面上にSiO2 保護膜112を成膜した。ついで、この
レンズを空気中において、オゾン発生のために必要な1
84nmの光を10分間照射した。このようにして得た
プラスチックレンズ上には緻密かつ硬質な保護膜がつい
ているため、通常の使用においてレンズ上にキズが生じ
ることもなく、使用寿命を大幅にのばすことが可能であ
った。本方法は、凸面部などにも均一な膜を作製するこ
とができる。
【0178】実施例19 本発明の手法を用いて、プリント配線基板上にTa25
薄膜コンデンサを作製した。作製手法は以下のとおりで
ある。
【0179】タンタルエトキシドの0.5mol/lエタノ
ール溶液を作製した。この溶液20mlに氷酢酸0.5m
ol/lエタノール溶液80mlを加えた。この混合溶液
に254nmの光を60分間照射した。この溶液中に裏
面全面及び表面においてシリコンチップのグランド電極
が接地する位置をマスクしたプリント配線基板を浸漬
し、プリント配線基板の表面にTa25膜を成膜した。
成膜した面に空気中で184nmの光を10分間照射し
た。ついで、再度、溶液中にこの基板を浸漬し、成膜し
た後、空気中で184nmの光を10分間照射した。こ
の工程を10回くり返し、0.5μm のTa25膜を作
製した。ついで、マスク材を除去した後、Ta25の上
部及びマスク除去部にAlを真空蒸着し、電極を作製し
た。この上部にシリコンチップを装着した。図24は、
このようにして作製したプリント配線基板上のシリコン
チップの断面図である。図中121はプリント基板、12
2は電極、123は誘電体層であるTa25膜、124
はシリコンチップである。Ta25膜は薄膜コンデンサ
として作用し、1GHzでも静電容量変化がほとんど見
られない。このため、上記方法で作製した半導体素子
は、高速デバイス及び回路を高密度に実装して動作させ
る時、誤動作の最大原因である雑音対策ができた。
【0180】実施例20 本発明の手法を用いて、銅板上に金属酸化物膜の絶縁層
を設けた半導体搭載用基板を作製した。
【0181】シリコンエトキシドの0.5mol/lエタノ
ール溶液を作製した。この溶液20mlに有機酸である
氷酢酸の0.5mol/lエタノール溶液80mlをゆっく
り加えた。この混合溶液に210nmの光を30分間照
射した。この溶液に所定の大きさの銅板を浸漬し、Si
2 膜を成膜した。ついで、この基板に空気中で184n
mの光を10分間照射した。この浸漬成膜,空気中での
光照射の工程を20回くり返し、銅板上に約10μm程
度のSiO2 膜を作製した。この基板は、熱伝導のよい
銅上に絶縁層が形成されているため半導体搭載用基板と
して好適である。図25は、この基板を用いて作製した
半導体素子である。本図において、131はシリコンチッ
プ、132はボンディングワイヤ、133はリード、1
34はSiO2 膜、135は銅基板、136はシール用
ガラス、137は金属層、138はキャップ、139は冷
却フィン、140は接着層である。本発明によれば、熱
伝導性の良い銅135上に絶縁層SiO2 膜からなるシ
ール用ガラス136を設けたものを半導体搭載用基板と
して使用できる。このため、半導体素子作用時に発生す
る熱を効率的に除去することができる。
【0182】実施例の光照射の強度及び時間をまとめる
と次表のとおりである。
【0183】
【表1】
【0184】表において、aは金属アルコキシドのプレ
ポリマに用いた光の波長,照射時間,光の強度を表わ
し、bはプレポリマを酸化して脱炭する光の波長,照射
時間,光の強度を表わす。
【0185】
【発明の効果】本発明によれば、残留有機物量の少ない
化学量論比の揃った高分子金属ポリマ薄膜が低温で熱処
理しない方法で得られる。また、本方法によって得られ
た高分子金属酸化物薄膜は、誘電体膜,絶縁膜として良
好な性質を示すため、EL素子,薄膜コンデンサ,半導
体素子の保護膜光ディスクの記録媒体などに使用し、各
種電子デバイスの高性能化が可能になる。
【0186】また、低温で化学量論比の揃った酸化物多
層膜が極めて簡単に得られ、有機基板上にも作製できる
ため、軽量,高強度の反射防止膜,熱線反射膜を作製で
きる。
【0187】さらに本発明によれば、光エネルギーの利
用により低温で所定形状体が形成できるため、従来法で
は作製が困難であった有機/無機の複合体、積層構造体
が形成できる。従って、有機物と無機物の両方の特徴を
生かしたフレキシブル性等の性能を確保できる。また、
低温でしかも連続的に所定の形状,所定の機能をもった
コーティング層等が形成できるため、効率がよくしかも
経済的で、工業的には有用性が高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いた成膜装置の構成図。
【図2】本発明の高分子金属酸化物の形成方法を示す工
程フロー図。
【図3】波長と吸収度を示す線図。
【図4】波長と光照射時間との関係を示す線図。
【図5】波数と吸収度との関係を示す線図。
【図6】各種の方法で形成した金属酸化物膜の比誘電
率,耐電圧,C含有量のTaOx組成の図。
【図7】各種の方法で形成した金属酸化物膜の比誘電
率,耐電圧,C含有量のTaOx組成の図。
【図8】各種の方法で形成した金属酸化物膜の比誘電
率,耐電圧,C含有量のTaOx組成の図。
【図9】各種の方法で形成した金属酸化物膜の比誘電
率,耐電圧,C含有量のTaOx組成の図。
【図10】(a)及び(b)はエレクトロルミネッセン
ス素子の断面図及び平面図。
【図11】薄膜コンデンサの断面図。
【図12】集積回路装置の断面図。
【図13】光デイスクの断面図。
【図14】ポリエチレン基板上に作製したSiO2−T
iO2反射防止膜の断面図。
【図15】ポリエチレン基板上に作製したIn2O−S
nO2熱線反射膜の断面図。
【図16】本発明に用いた所定形状体の成形装置の構成
図。
【図17】本発明の方法により作製した結露防止板の構
成図。
【図18】本発明により作製したタッチパネル構成物の
断面概略図。
【図19】保護膜付プラスチック光ファイバーの断面
図。
【図20】耐油性の試験結果を示す図。
【図21】半導体素子の樹脂防止の工程図。
【図22】高周波用Ta25薄膜コンデンサの構造図。
【図23】保護膜付プラスチックレンズの断面図。
【図24】プリント基板上のシリコンチップの断面図。
【図25】半導体素子の断面図。
【図26】液晶表示装置の断面図。
【符号の説明】
1…ボックス、2…光照射装置、3…モノクロメータ、
4…浸漬装置、4,67…スターラー、6…ビーカ、7
…支持台、8…ミラー、9,62…基板、10,66…
撹拌子、11,20,23…五酸化タンタル(Ta
25)膜、12…SiO2 基板、13…ガラス基板、1
4…透明導電膜、15…第一絶縁層、16…発光層、1
7…第二絶縁層、18…上部電極、19,24…Si基
板、21,26,103…Al電極、22…ステンレス
製ビーカ、25…SiO2 、27,32,134…Si
2 膜、28…PMMA基板、29…記録媒体、30…
スペーサー、31,34…ポリエチレン基板、33…T
iO2 膜、35…In2O 膜、36…SnO2 膜、61
…光源、63…基板支持装置、64,65…試料溶液、
68…ボックス、69…雰囲気調節部、70…アクリル
樹脂、71…インジウム−錫酸化物層(ITO層)、7
2…ポリアクリレート層、73…ポリエステルシート、
74…ITO膜、75…エポキシアクリレートスペーサ
ー、81…保護膜、82…有機樹脂部、83…グラッド
部、84…コア部、91…リードフレーム、92…Au
ワイヤ、93…Au−Si合金、94…チップ、95…
無機保護膜、96…エポキシ樹脂、101…Fe−42
%Ni板、102…Ta25、111…プラスチックレ
ンズ、112…保護膜、121…プリント基板、122
…電極、123…誘電体層、124,131…シリコン
チップ、132…ボンデイングワイヤ、133…リード、
135…銅基板、136…シール用ガラス、137…金
属層、138…キャップ、139…冷却フイン、140
…接着層、141…透明電極、142…カラーフィルタ
ー、143…ガラス基板、144…偏光板、145…カラ
ー液晶パネル、146…位相補償板、147…反射板。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C01G 19/02 C01G 19/02 C 23/04 23/04 C 35/00 35/00 B H01G 4/33 H01L 21/205 H01L 21/205 21/31 A 21/31 21/314 A 21/314 H01G 4/06 102 (72)発明者 中澤 哲夫 茨城県日立市久慈町4023番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 田中 滋 茨城県日立市久慈町4023番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 三吉 忠彦 茨城県日立市久慈町4023番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (56)参考文献 特開 平3−188938(JP,A) 特開 昭62−231201(JP,A) 特開 昭62−17701(JP,A) 特開 昭61−91838(JP,A) 特開 昭60−242401(JP,A) 特開 昭60−88901(JP,A) 特開 昭60−68319(JP,A) 特開 昭60−17078(JP,A) 特開 昭59−50401(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分解開始温度が300℃以下である有機基
    板上に形成された反射防止膜であって、化学量論組成で
    85原子%以上の酸素を含有し、炭素量が0.01 乃至
    4原子%で、少量のC−H結合を含み、かつ、実質的に
    金属酸化物からなる非晶質の無機ポリマ薄膜を有するこ
    とを特徴とする反射防止膜。
  2. 【請求項2】 前記有機基板は、ポリエチレン,ポリエス
    テル,アクリル樹脂,エポキシ樹脂またはポリカーボネ
    ートからなることを特徴とする請求項1の反射防止膜。
  3. 【請求項3】 前記有機基板は、前記無機ポリマ薄膜との
    熱膨張係数の差が5×10-6-1以上であり、 前記無機ポリマ薄膜は、金属アルコキシドおよび水を含
    む溶液に、前記金属アルコキシドの吸収波長に対応する
    光エネルギーを照射し、前記光エネルギーが照射されて
    金属酸化物プレポリマが発生した前記溶液を前記有機基
    板に塗布し、塗布された前記溶液に、前記溶液中の有機
    物をオゾン酸化して除去するための光を照射してできた
    ことを特徴とする請求項1の反射防止膜。
  4. 【請求項4】 前記金属アルコキシドは、LiOCH3
    NaOCH3,Ca(OCH3)2,Ba(OC25)2,Zn
    (OC25)2,B(OCH3)3,Al(i−OC37)3,G
    a(OC25)3,Ya(OC49)3,Si(OC25)4
    Ge(OC25)4,Pb(OC49)4,P(OCH3)3,S
    b(OC25)3,VO(OC25)3,Ta(OC37)5
    W(OC25)6,Nd(OC25)3,Ti(iso−OC
    37)4,Zr(OC25)4,La[Al(iso−OC
    37)4]3,Mg[Al(iso−OC37)4]2,Mg[Al(i
    so−OC49)4]2,Ni[Al(iso−OC37)4]3,(C
    37O)2Zr[Al(OC37)4]2,Ba[Zr2(OC2
    5)9]2であることを特徴とする請求項3の反射防止
    膜。
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