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JP3433431B2 - エチレン系共重合体及びその製造方法 - Google Patents

エチレン系共重合体及びその製造方法

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Publication number
JP3433431B2
JP3433431B2 JP29038792A JP29038792A JP3433431B2 JP 3433431 B2 JP3433431 B2 JP 3433431B2 JP 29038792 A JP29038792 A JP 29038792A JP 29038792 A JP29038792 A JP 29038792A JP 3433431 B2 JP3433431 B2 JP 3433431B2
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JP
Japan
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group
ethylene
diolefin
unit
pentafluorophenyl
Prior art date
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JP29038792A
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修司 町田
治雄 志熊
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP29038792A priority Critical patent/JP3433431B2/ja
Publication of JPH06136060A publication Critical patent/JPH06136060A/ja
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なエチレン系共重合
体及びその製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、本発明は、成形加工特性及び光学的性質を高度に改
良したエチレン系共重合体、及びこのものを効率よく製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エチレン系(共)重合体は汎用樹
脂として多くの分野において幅広く用いられているが、
次に示すような問題点を有しており、その改良が強く望
まれていた。例えば線状低密度ポリエチレン(L−LD
PE)及び高密度ポリエチレン(HDPE)において
は、溶融状態での流動の活性化エネルギーが小さく、低
密度ポリエチレン(LDPE)と比較して成形性に劣
り、特に高分子量体は成形性が悪いという、本質的な問
題を有している。また、エチレン系(共)重合体はシー
トやフィルム成形時におけるネックインの問題があり、
さらに線状低密度ポリエチレンについては透明性やヒー
トシール性に劣るという問題がある。
【0003】このような問題を解決する方法として、例
えばα,ω−ジエン化合物や環式エンドメチレン系ジエ
ン化合物を用いた長鎖分岐を有するオレフィン系共重合
体が開示されている(特開昭47−34981号公
報)。しかしながら、このオレフィン系共重合体におい
ては、ジエン成分が長鎖分岐に関与すると同時に、架橋
反応を併発し、フィルム成形時にゲルが発生したりする
上、溶融特性が逆に低下し、制御範囲が極端に狭いとい
う欠点がある。また、共重合反応性も低く、低分子量体
生成に基づく物性低下の問題もある。
【0004】また、非共役ジエン化合物をオレフィンと
共重合する際に、重合を2段階で行い、高分子量体部の
非共役ジエン化合物単位の含有量が、低分子量体部のそ
れより多いことを特徴とする製造方法が開示されている
(特開昭59−56412号公報)。しかしながら、こ
の方法は、高分子量成分に長鎖分岐を導入するために、
架橋による分子量の増大が著しいので不溶不融化やゲル
化が併発する可能性が大きく、制御範囲が狭いという欠
点を有する上、共重合反応性も低く、低分子量体の生成
に基づく物性低下の問題もある。
【0005】さらに、メタロセン/アルミノキサン系触
媒を用いたエチレン/α−オレフィン/1,5−ヘキサ
ジエン共重合体が開示されている(特表昭01−501
555号公報)。しかしながら、この共重合体において
は、分子量分布が狭く、ブロー成形やフィルム成形など
に対して不利であると同時に、1,5−ヘキサジエンの
環化反応の進行によって、分岐点を形成するため、有効
モノマー濃度が低いという欠点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情の下で、溶融体の流動の活性化エネルギーを任意に
制御することができ、高速成形が可能で、加工コストが
低い上、透明性及び均一性の向上したエチレン系共重合
体、及びこのものを効率よく製造する方法を提供するこ
とを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、エチレン単位
と特定の芳香族ジオレフィン単位、又はエチレン単位と
他のα−オレフィン単位と特定の芳香族ジオレフィン単
位とからなる特定の性質を有するエチレン系共重合体が
前記目的に適合しうること、そしてこのエチレン系共重
合体は特定の重合触媒を用いることにより、効率よく製
造しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づ
いて完成したものである。
【0008】すなわち、本発明は、エチレン単位とジオ
レフィン単位、又はエチレン単位と炭素数3以上のα−
オレフィン単位とジオレフィン単位とからなる共重合体
において、(a)該ジオレフィン単位が、一般式(I)
【0009】
【化2】
【0010】(式中、R'は水素原子、ハロゲン原子、
又は炭素原子及びケイ素原子のいずれか一種以上を含む
置換基、R”はビニル基、fは1〜4の整数を示し、f
が2以上の場合、複数のR'は同一でも異なってもよ
い。)で表されるジオレフィン単量体から誘導される分
岐点を有すること、 (b)密度(D)が0.86〜0.97g/cm3であ
ること、 (c)示差走査熱量計(DSC)によって観測できる結
晶化エンタルピー(ΔH)と密度(D)との関係が、式 1417D−1206≦ΔH≦1417D−1161 (ただし、ΔH≧0である) を満たすこと、 (d)温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定し
たメルトインデックス(MI)が0.001〜2000
g/10分、又はデカリン中、温度135℃、濃度0.
2g/デシリットルの条件で測定した還元粘度が0.0
5〜20デシリットル/gであること、 (e)ジオレフィン単位0.35〜3モル%を含有し、
かつジオレフィン単位の2つの反応部位が、エチレン単
位及び/又は炭素数3以上のα−オレフィン単位と反応
した架橋構造を含むこと、及び (f)エチレン単位以外のモノマー単位の含有量が30
重量%以下であることを特徴とするエチレン系共重合体
を提供するものである。
【0011】前記エチレン系共重合体は、例えば、
(A)遷移金属化合物及び(B)該(A)成分の遷移金
属化合物又はその派生物からカチオン種を形成すること
ができる化合物を主成分とする重合触媒の存在下、エチ
レンと前記一般式(I)で表されるジオレフィン、又は
エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンと前記一般式
(I)で表されるジオレフィンとを共重合させることに
より、製造することができる。なお、本発明でいうエチ
レン単位、α−オレフィン単位、ジオレフィン単位と
は、それぞれエチレン、α−オレフィン、ジオレフィン
のモノマーから由来する繰り返し単位を指称する。
【0012】本発明のエチレン系共重合体は、原料モノ
マーとして、エチレンとジオレフィン、又はエチレンと
炭素数3以上のα−オレフィンとジオレフィンとが用い
られる。炭素数3以上のα−オレフィンとしては、炭素
数3〜20の脂肪族α−オレフィンや、スチレン及びそ
の誘導体が用いられる。炭素数3〜20の脂肪族α−オ
レフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1
−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テ
トラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1
−エイコセンなどが挙げられる。
【0013】また、スチレン及びその誘導体(炭素、ハ
ロゲン、ケイ素などを含む置換基を有するもの)として
は、例えばスチレンをはじめ、p−メチルスチレン、o
−メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメ
チルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジ
メチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、p−t−
ブチルスチレンなどのアルキルスチレン、p−クロロス
チレン、m−クロロスチレン、o−クロロスチレン、p
−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、o−ブロモス
チレン、p−フルオロスチレン、m−フルオロスチレ
ン、o−フルオロスチレン、o−メチル−p−フルオロ
スチレンなどのハロゲン化スチレン、4−ビニルビフェ
ニル、3−ビニルビフェニル、2−ビニルビフェニルな
どのビニルビフェニル類などが挙げられる。本発明にお
いては、これらのα−オレフィンは一種用いてもよく、
二種以上を組み合わせて用いてもよい。一方、ジオレフ
ィンとしては、一般式(I)
【0014】
【化3】
【0015】(式中、R’、R”及びfは前記と同じで
ある。)で表される芳香族ジオレフィンが用いられる。
このようなものとしては、例えばp−ジビニルベンゼ
ン、m−ジビニルベンゼン、o−ジビニルベンゼン、ジ
−(p−ビニルフェニル)メタン、1,3−ビス(p−
ビニルフェニル)プロパン、1,5−ビス(p−ビニル
フェニル)ペンタンなどが挙げられる。これらのジオレ
フィンは一種用いてもよく、また二種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0016】本発明のエチレン系共重合体の製造には、
重合触媒として、(A)遷移金属化合物及び(B)該
(A)成分の遷移金属化合物又はその派生物からカチオ
ン種を形成することができる化合物を主成分とするもの
が用いられる。該(A)成分の遷移金属化合物として
は、周期律表3〜10族に属する金属又はランタノイド
系列の金属を含む遷移金属化合物を使用することができ
る。上記遷移金属としては、具体的にはチタニウム,ジ
ルコニウム,ハフニウム,クロム,マンガン,ニッケ
ル,パラジウム又は白金などが好ましく、特にジルコニ
ウム,ハフニウム,チタン,ニッケル,パラジウムが好
ましい。このような遷移金属化合物としては、種々のも
のが挙げられるが特に4族,8〜10族の遷移金属を含
む化合物、中でも周期律表の4族から選ばれる遷移金
属、すなわちチタニウム,ジルコニウム又はハフニウム
を含有する化合物を好適に用いることができる。特に、
一般式 CpM1 1 a 2 b 3 c ・・・(II) Cp2 1 1 a 2 b ・・・(III) (Cp−Ae −Cp)M1 1 a 2 b ・・・(IV) 又は一般式 M1 1 a 2 b 3 c 4 d ・・・(V) で示される化合物やその誘導体が好適である。
【0017】前記一般式(II)〜(V)において、M1
はチタン,ジルコニウム又はハフニウムなどの周期律表
第4族遷移金属を示し、Cpはシクロペンタジエニル
基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換
インデニル基,テトラヒドロインデニル基,置換テトラ
ヒドロインデニル基,フルオレニル基又は置換フルオレ
ニル基などの環状不飽和炭化水素基又は鎖状不飽和炭化
水素基を示す。R1 ,R 2 ,R3 及びR4 はそれぞれ独
立にσ結合性の配位子,キレート性の配位子,ルイス塩
基などの配位子を示し、σ結合性の配位子としては、具
体的には水素原子,酸素原子,ハロゲン原子,炭素数1
〜20のアルキル基,炭素数1〜20のアルコキシ基、
炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール基若し
くはアリールアルキル基、炭素数1〜20のアシルオキ
シ基,アリル基,置換アリル基,ケイ素原子を含む置換
基などを例示でき、またキレート性の配位子としては、
アセチルアセトナート基,置換アセチルアセトナート基
などを例示できる。Aは共有結合による架橋を示す。
a,b,c及びdはそれぞれ独立に0〜4の整数、eは
0〜6の整数を示す。R1 ,R2 ,R3 及びR4 はその
2以上が互いに結合して環を形成してもよい。上記Cp
が置換基を有する場合には、該置換基は炭素数1〜20
のアルキル基が好ましい。(III)式及び(IV) 式におい
て、2つのCpは同一のものであってもよく、互いに異
なるものであってもよい。
【0018】上記(II)〜(IV) 式における置換シクロ
ペンタジエニル基としては、例えばメチルシクロペンタ
ジエニル基,エチルシクロペンタジエニル基;イソプロ
ピルシクロペンタジエニル基;1,2−ジメチルシクロ
ペンタジエニル基;テトラメチルシクロペンタジエニル
基;1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基;1,
2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基;1,2,
4−トリメチルシクロペンタジエニル基;ペンタメチル
シクロペンタジエニル基;トリメチルシリルシクロペン
タジエニル基などが挙げられる。また、上記(II)〜
(V)式におけるR 1 〜R4 の具体例としては、例えば
ハロゲン原子としてフッ素原子,塩素原子,臭素原子,
ヨウ素原子、炭素数1〜20のアルキル基としてメチル
基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−
ブチル基,オクチル基,2−エチルヘキシル基、炭素数
1〜20のアルコキシ基としてメトキシ基,エトキシ
基,プロポキシ基,ブトキシ基,フェノキシ基、炭素数
6〜20のアリール基,アルキルアリール基若しくはア
リールアルキル基としてフェニル基,トリル基,キシリ
ル基,ベンジル基、炭素数1〜20のアシルオキシ基と
してヘプタデシルカルボニルオキシ基、ケイ素原子を含
む置換基としてトリメチルシリル基、(トリメチルシリ
ル)メチル基、ルイス塩基としてジメチルエーテル,ジ
エチルエーテル,テトラヒドロフランなどのエーテル
類、テトラヒドロチオフェンなどのチオエーテル類、エ
チルベンゾエートなどのエステル類、アセトニトリル;
ベンゾニトリルなどのニトリル類、トリメチルアミン;
トリエチルアミン;トリブチルアミン;N,N−ジメチ
ルアニリン;ピリジン;2,2’−ビピリジン;フェナ
ントロリンなどのアミン類、トリエチルホスフィン;ト
リフェニルホスフィンなどのホスフィン類、鎖状不飽和
炭化水素として、エチレン;ブタジエン;1−ペンテ
ン;イソプレン;ペンタジエン;1−ヘキセン及びこれ
らの誘導体、環状不飽和炭化水素として、ベンゼン;ト
ルエン;キシレン;シクロヘプタトリエン;シクロオク
タジエン;シクロオクタトリエン;シクロオクタテトラ
エン及びこれらの誘導体などが挙げられる。また、上記
(IV) 式におけるAの共有結合による架橋としては、例
えば、メチレン架橋,ジメチルメチレン架橋,エチレン
架橋,1,1’−シクロヘキシレン架橋,ジメチルシリ
レン架橋,ジメチルゲルミレン架橋,ジメチルスタニレ
ン架橋などが挙げられる。
【0019】前記一般式(II)で表される化合物として
は、例えば、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ト
リメチルジルコニウム,(ペンタメチルシクロペンタジ
エニル)トリフェニルジルコニウム,(ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)トリベンジルジルコニウム,(ペ
ンタメチルシクロペンタジエニル)トリクロロジルコニ
ウム,(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリメト
キシジルコニウム,(シクロペンタジエニル)トリメチ
ルジルコニウム,(シクロペンタジエニル)トリフェニ
ルジルコニウム,(シクロペンタジエニル)トリベンジ
ルジルコニウム,(シクロペンタジエニル)トリクロロ
ジルコニウム,(シクロペンタジエニル)トリメトキシ
ジルコニウム,(シクロペンタジエニル)ジメチル(メ
トキシ)ジルコニウム,(メチルシクロペンタジエニ
ル)トリメチルジルコニウム,(メチルシクロペンタジ
エニル)トリフェニルジルコニウム,(メチルシクロペ
ンタジエニル)トリベンジルジルコニウム,(メチルシ
クロペンタジエニル)トリクロロジルコニウム,(メチ
ルシクロペンタジエニル)ジメチル(メトキシ)ジルコ
ニウム,(ジメチルシクロペンタジエニル)トリクロロ
ジルコニウム,(トリメチルシクロペンタジエニル)ト
リクロロジルコニウム,(トリメチルシクロペンタジエ
ニル)トリメチルジルコニウム,(テトラメチルシクロ
ペンタジエニル)トリクロロジルコニウムなど、さらに
はこれらにおいて、ジルコニウムをチタン又はハフニウ
ムに置換した化合物が挙げられる。
【0020】前記一般式(III)で表される化合物として
は、例えばビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジル
コニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニルジ
ルコニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジエチルジ
ルコニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジベンジル
ジルコニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジメトキ
シジルコニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジクロ
ロジルコニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジヒド
リドジルコニウム,ビス(シクロペンタジエニル)モノ
クロロモノヒドリドジルコニウム,ビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジメチルジルコニウム,ビス(メチル
シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム,ビス
(メチルシクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウ
ム,ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジメチ
ルジルコニウム,ビス(ペンタメチルシクロペンタジエ
ニル)ジクロロジルコニウム,ビス(ペンタメチルシク
ロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム,ビス(ペ
ンタメチルシクロペンタジエニル)クロロメチルジルコ
ニウム,ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ヒ
ドリドメチルジルコニウム,(シクロペンタジエニル)
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコ
ニウムなど、さらにはこれらにおいて、ジルコニウムを
チタン又はハフニウムに置換した化合物が挙げられる。
【0021】また、前記一般式(IV) で表される化合物
としては、例えばエチレンビス(インデニル)ジメチル
ジルコニウム,エチレンビス(インデニル)ジクロロジ
ルコニウム,エチレンビス(テトラヒドロインデニル)
ジメチルジルコニウム,エチレンビス(テトラヒドロイ
ンデニル)ジクロロジルコニウム,ジメチルシリレンビ
ス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム,ジ
メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジクロロ
ジルコニウム,イソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル)(9−フルオレニル)ジメチルジルコニウム,イソ
プロピリデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレ
ニル)ジクロロジルコニウム,〔フェニル(メチル)メ
チレン〕(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニ
ル)ジメチルジルコニウム,ジフェニルメチレン(シク
ロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジメチルジル
コニウム,エチレン(9−フルオレニル)(シクロペン
タジエニル)ジメチルジルコニウム,シクロヘキサリデ
ン(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジメ
チルジルコニウム,シクロペンチリデン(9−フルオレ
ニル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウ
ム,シクロブチリデン(9−フルオレニル)(シクロペ
ンタジエニル)ジメチルジルコニウム,ジメチルシリレ
ン(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジメ
チルジルコニウム,ジメチルシリレンビス(2,3,5
−トリメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニ
ウム,ジメチルシリレンビス(2,3,5−トリメチル
シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム,ジメチ
ルシリレンスビス(インデニル)ジクロロジルコニウム
などが、さらには、これらにおいて、ジルコニウムをチ
タン又はハフニウムに置換して化合物が挙げられる。
【0022】さらに、前記一般式(V)で表される化合
物としては、例えばテトラメチルジルコニウム,テトラ
ベンジルジルコニウム,テトラメトキシジルコニウム,
テトラエトキシジルコニウム,テトラブトキシジルコニ
ウム,テトラクロロジルコニウム,テトラブロモジルコ
ニウム,ブトキシトリクロロジルコニウム,ジブトキシ
ジクロロジルコニウム,ビス(2,5−ジ−t−ブチル
フェノキシ)ジメチルジルコニウム,ビス(2,5−ジ
−t−ブチルフェノキシ)ジクロロジルコニウム,ジル
コニウムビス(アセチルアセトナート)など、さらに
は、これらにおいて、ジルコニウムをチタン又はハフニ
ウムに置換した化合物が挙げられる。
【0023】さらに、(A)成分として、前記一般式
(IV) の中で、置換若しくは無置換の2個の共役シクロ
ペンタジエニル基(但し、少なくとも1個は置換シクロ
ペンタジエニル基である)が周期律表の14族から選ば
れる元素を介して互いに結合した多重配位性化合物を配
位子とする4族遷移化合物を好適に用いることができ
る。このような化合物としては、例えば一般式(VI)
【0024】
【化4】
【0025】で表される化合物またはその誘導体を挙げ
ることができる。前記一般式(VI)中のY1 は炭素,ケ
イ素,ゲルマニウム又はスズ原子,R5 t −C5 4-t
及びR5 u −C5 4-u はそれぞれ置換シクロペンタジ
エニル基、t及びuは1〜4の整数を示す。ここで、R
5 は水素原子,シリル基又は炭化水素基を示し、互いに
同一であっても異なっていてもよい。また、少なくとも
片方のシクロペンタジエニル基には、Y1 に結合してい
る炭素の隣の少なくとも片方の炭素上にR5 が存在す
る。R6 は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は
炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基若し
くはアリールアルキル基を示す。M2 はチタン、ジルコ
ニウム又はハフニウム原子を示し、Xは水素原子,ハロ
ゲン原子,炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜2
0のアリール基、アルキルアリール基若しくはアリール
アルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を示す。
1 は互いに同一であっても異なっていてもよく、R6
も互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0026】上記一般式(VI)における置換シクロペン
タジエニル基としては、例えばメチルシクロペンタジエ
ニル基;エチルシクロペンタジエニル基;イソプロピル
シクロペンタジエニル基;1,2−ジメチルシクロペン
タジエニル基;1,3−ジメチルシクロペンタジエニル
基;1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基;
1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル基などが
挙げられる。X1 の具体例としては、ハロゲン原子とし
てF,Cl,Br,I、炭素数1〜20のアルキル基と
してメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピ
ル基,n−ブチル基,オクチル基,2−エチルヘキシル
基、炭素数1〜20のアルコキシ基としてメトキシ基,
エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基,フェノキシ
基、炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール基
若しくはアリールアルキル基としてフェニル基,トリル
基,キシリル基、ベンジル基などが挙げられる。R6
具体例としてはメチル基,エチル基,フェニル基,トリ
ル基,キシリル基,ベンジル基などが挙げられる。この
ような一般式(VI)の化合物としては、例えばジメチル
シリレンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、及びこのジルコニウ
ムをチタン又はハフニウムに置換した化合物を挙げるこ
とができる。さらに、一般式(VII)
【0027】
【化5】
【0028】で表される化合物も包含する。該一般式
(VII)の化合物において、Cpはシクロペンタジエニル
基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換
インデニル基,テトラヒドロインデニル基,置換テトラ
ヒドロインデニル基,フルオレニル基又は置換フルオレ
ニル基などの環状不飽和炭化水素基又は鎖状不飽和炭化
水素基を示す。M3 はチタン、ジルコニウム又はハフニ
ウム原子を示し、X2 は水素原子、ハロゲン原子、炭素
数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール
基、アルキルアリール基若しくはアリールアルキル基又
は炭素数1〜20のアルコキシ基を示す。ZはSi
7 2,CR7 2,SiR7 2SiR7 2,CR7 2CR7 2,CR
7 2CR7 2CR7 2,CR7 =CR7 ,CR7 2SiR7 2又は
GeR7 2を示し、Y 2 は−N(R8 )−,−O−,−S
−又は−P(R8 )−を示す。上記R7 は水素原子又は
20個までの非水素原子をもつアルキル,アリール,シ
リル,ハロゲン化アルキル,ハロゲン化アリール基及び
それらの組合わせから選ばれた基であり、R8 は炭素数
1〜10のアルキル若しくは炭素数6〜10のアリール
基であるか、又は1個若しくはそれ以上のR7 と30個
までの非水素原子の縮合環系を形成してもよい。wは1
又は2を示す。
【0029】また、5族〜10族の遷移金属を含む遷移
金属化合物としては特に制限はなく、クロム化合物の具
体例としては、テトラメチルクロム,テトラ(t−ブト
キシ)クロム,ビス(シクロペンタジエニル)クロム,
ヒドリドトリカルボニル(シクロペンタジエニル)クロ
ム,ヘキサカルボニル(シクロペンタジエニル)クロ
ム,ビス(ベンゼン)クロム,トリカルボニルトリス
(ホスホン酸トリフェニル)クロム,トリス(アリル)
クロム,トリフェニルトリス(テトラヒドロフラン)ク
ロム,クロムトリス(アセチルアセトナート)などが挙
げられる。
【0030】マンガン化合物の具体例としては、トリカ
ルボニル(シクロペンタジエニル)マンガン,ペンタカ
ルボニルメチルマンガン,ビス(シクロペンタジエニ
ル)マンガン,マンガンビス(アセチルアセトナート)
などが挙げられる。ニッケル化合物の具体例としては、
ジカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ニッケ
ル,ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)ニッケ
ル,二窒素ビス〔ビス(トリシクロヘキシルホスフィ
ン)ニッケル〕,クロロヒドリドビス(トリシクロヘキ
シルホスフィン)ニッケル,クロロ(フェニル)ビス
(トリフェニルホスフィン)ニッケル,ジメチルビス
(トリメチルホスフィン)ニッケル,ジエチル(2,
2’−ビピリジル)ニッケル,ビス(アリル)ニッケ
ル,ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル,ビス(メ
チルシクロペンタジエニル)ニッケル,ビス(ペンタメ
チルシクロペンタジエニル)ニッケル,アリル(シクロ
ペンタジエニル)ニッケル,(シクロペンタジエニル)
(シクロオクタジエン)ニッケルテトラフルオロ硼酸
塩,ビス(シクロオクタジエン)ニッケル,ニッケルビ
スアセチルアセトナート,アリルニッケルクロライド,
テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル,塩化
ニッケル,式 (C6 5)Ni〔OC(C6 5)CH=P(C
6 5)2 〕〔P(C6 5)3 〕、(C6 5)Ni〔OC
(C6 5)C(SO3 Na)=P(C6 5)2 〕〔P
(C 6 5)3 〕 で表される化合物などが挙げられる。
【0031】パラジウム化合物の具体例としては、ジク
ロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム,カルボニルト
リス(トリフェニルホスフィン)パラジウム,ジクロロ
ビス(トリエチルホスフィン)パラジウム,ビス(イソ
シアン化t−ブチル)パラジウム,パラジウムビス(ア
セチルアセトナート),ジクロロ(テトラフェニルシク
ロブタジエン)パラジウム,ジクロロ(1,5−シクロ
オクタジエン)パラジウム,アリル(シクロペンタジエ
ニル)パラジウム,ビス(アリル)パラジウム,アリル
(1,5−シクロオクタジエン)パラジウムテトラフル
オロ硼酸塩,(アセチルアセトナート)(1,5−シク
ロオクタジエン)パラジウムテトラフルオロ硼酸塩,テ
トラキス(アセトニトリル)パラジウムテトラフルオロ
硼酸塩などが挙げられる。本発明で用いる重合触媒にお
いては、前記(A)成分の遷移金属化合物は一種用いて
もよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0032】一方、該重合触媒において、(B)成分と
して用いられる、前記(A)成分の遷移金属化合物又は
その派生物からカチオン種を形成することができる化合
物としては、(B−1)該(A)成分の遷移金属化合物
と反応してイオン性の錯体を形成する化合物と、(B−
2)アルミノキサンなどを例示することができる。
【0033】該(B−1)成分の化合物としては、前記
(A)成分の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体
を形成しうるものであればいずれのものでも使用できる
が、カチオンと複数の基が元素に結合したアニオンとか
らなる化合物、特にカチオンと複数の基が元素に結合し
たアニオンとからなる配位錯化合物を好適に使用するこ
とできる。このようなカチオンと複数の基が元素に結合
したアニオンとからなる化合物としては、一般式 (〔L1 −R9 k+p (〔M4 1 2 ・・Zn (n-m)-q ・・・(VIII) 又は (〔L2 k+p (〔M5 1 2 ・・Zn (n-m)-q ・・・(IX) (但し、L2 はM6 ,R10117 ,R12 3 C又はR137 である) 〔式中、L1 はルイス塩基、M4 及びM5 はそれぞれ周
期律表の5族,6族,7族,8〜10族,11族,12
族,13族,14族及び15族から選ばれる元素、好ま
しくは13族,14族及び15族から選ばれる元素、M
6 及びM7 はそれぞれ周期律表の3族,4族,5族,6
族,7族,8〜10族,1族,11族,2族,12族及
び17族から選ばれる元素、Z1 〜Zn はそれぞれ水素
原子,ジアルキルアミノ基,炭素数1〜20のアルコキ
シ基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数1〜
20のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,アル
キルアリール基,アリールアルキル基、炭素数1〜20
のハロゲン置換炭化水素基、炭素数1〜20のアシルオ
キシ基、有機メタロイド基又はハロゲン原子を示し、Z
1 〜Zn はその2以上が互いに結合して環を形成してい
てもよい。R9 は水素原子、炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール基
又はアリールアルキル基を示し、R10及びR11はそれぞ
れシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル
基,インデニル基又はフルオレニル基、R12は炭素数1
〜20のアルキル基、アリール基,アルキルアリール基
又はアリールアルキル基を示す。R13はテトラフェニル
ポルフィリン,フタロシアニンなどの大環状配位子を示
す。mはM4 ,M5 の原子価で1〜7の整数、nは2〜
8の整数、kは〔L1 −R9 〕,〔L2 〕のイオン価数
で1〜7の整数、pは1以上の整数、q=(p×k)/
(n−m)である。〕で表される化合物である。
【0034】ここで、上記L1 で示されるルイス塩基の
具体例としては、アンモニア,メチルアミン,アニリ
ン,ジメチルアミン,ジエチルアミン,N−メチルアニ
リン,ジフェニルアミン,トリメチルアミン,トリエチ
ルアミン,トリ−n−ブチルアミン,N,N−ジメチル
アニリン,メチルジフェニルアミン,ピリジン,p−ブ
ロモ−N,N−ジメチルアニリン,p−ニトロ−N,N
−ジメチルアニリンなどのアミン類、トリエチルフォス
フィン,トリフェニルフォスフィン,ジフェニルフォス
フィンなどのフォスフィン類、ジメチルエーテル,ジエ
チルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサンなどの
エーテル類、ジエチルチオエーテル,テトラヒドロチオ
フェンなどのチオエーテル類、エチルベンゾエートなど
のエステル類などが挙げられる。
【0035】また、M4 及びM5 の具体例としては、
B,Al,Si,P,As,Sbなど、好ましくはB又
はP,M6 の具体例としては、Li,Na,Ag,C
u,Br,Iなど、M7 の具体例としては、Mn,F
e,Co,Ni,Znなどが挙げられる。Z1 〜Zn
具体例としては、例えば、ジアルキルアミノ基としてジ
メチルアミノ基;ジエチルアミノ基、炭素数1〜20の
アルコキシ基としてメトキシ基,エトキシ基,n−ブト
キシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基としてフェ
ノキシ基;2,6−ジメチルフェノキシ基;ナフチルオ
キシ基、炭素数1〜20のアルキル基としてメチル基;
エチル基;n−プロピル基;イソプロピル基;n−ブチ
ル基;n−オクチル基;2−エチルヘキシル基、炭素数
6〜20のアリール基;アルキルアリール基若しくはア
リールアルキル基としてフェニル基;p−トリル基;ベ
ンジル基;4−t−ブチルフェニル基;2,6−ジメチ
ルフェニル基;3,5−ジメチルフェニル基;2,4−
ジメチルフェニル基;2,3−ジメチルフェニル基、炭
素数1〜20のハロゲン置換炭化水素基としてp−フル
オロフェニル基;3,5−ジフルオロフェニル基;ペン
タクロロフェニル基;3,4,5−トリフルオロフェニ
ル基;ペンタフルオロフェニル基;3,5−ジ(トリフ
ルオロメチル)フェニル基、ハロゲン原子としてF,C
l,Br,I、有機メタロイド基として五メチルアンチ
モン基,トリメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,
ジフェニルアルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン
基,ジフェニル硼素基が挙げられる。R9 ,R12の具体
例としては先に挙げたものと同様なものが挙げられる。
10及びR11の置換シクロペンタジエニル基の具体例と
しては、メチルシクロペンタジエニル基,ブチルシクロ
ペンタジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル
基などのアルキル基で置換されたものが挙げられる。こ
こで、アルキル基は通常炭素数が1〜6であり、置換さ
れたアルキル基の数は1〜5の整数である。
【0036】上記一般式(VIII),(IX)の化合物の中で
は、M4 ,M5 が硼素であるものが好ましい。一般式
(VIII),(IX)の化合物の中で、具体的には、下記のも
のが特に好適に使用できる。例えば、一般式(VIII)の
化合物としては、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモ
ニウム,テトラフェニル硼酸トリ(n−ブチル)アンモ
ニウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム,
テトラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラ
フェニル硼酸メチルトリ(n−ブチル)アンモニウム,
テトラフェニル硼酸ベンジルトリ(n−ブチル)アンモ
ニウム,テトラフェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモ
ニウム,テトラフェニル硼酸メチルトリフェニルアンモ
ニウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアニリニウム,
テトラフェニル硼酸メチルピリジニウム,テトラフェニ
ル硼酸ベンジルピリジニウム,テトラフェニル硼酸メチ
ル(2−シアノピリジニウム),テトラフェニル硼酸ト
リメチルスルホニウム,テトラフェニル硼酸ベンジルメ
チルスルホニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸トリエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフ
ェニルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸テトラブチルアンモニウム,テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸テトラエチルアンモニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸〔メチ
ルトリ(n−ブチル)アンモニウム〕,テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸〔ベンジルトリ(n−ブチ
ル)アンモニウム〕,テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルトリフェニルア
ンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸ジメチルジフェニルアンモニウム,テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)硼酸アニリニウム,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム,
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルア
ニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸トリメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸ジメチル(m−ニトロアニリニウ
ム),テトラキス(ペンタフルオロフェニルメチル)硼
酸ジメチル(p−ブロモアニリニウム),テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸ピリジニウム,テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(p−シアノピリ
ジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸(N−メチルピリジニウム),テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸(N−ベンジルピリジニウム),
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(O−シア
ノ−N−メチルピリジニウム),テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸(p−シアノ−N−メチルピリジ
ニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸
(p−シアノ−N−ベンジルピリジニウム),テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルスルホニ
ウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベン
ジルジメチルスルホニウム,テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸テトラフェルホスホニウム,テトラキ
ス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)硼酸ジメ
チルアニリニウム,トリス(ペンタフルオロフェニル)
(p−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニル)硼
酸ジメチルアニリニウム,トリス(ペンタフルオロフェ
ニル)(p−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニ
ル)硼酸トリエチルアンモニウム,トリス(ペンタフル
オロフェニル)(p−トリフルオロメチルテトラフルオ
ロフェニル)硼酸ピリジニウム,トリス(ペンタフルオ
ロフェニル)(p−トリフルオロメチルテトラフルオロ
フェニル)硼酸(N−メチルピリジニウム),トリス
(ペンタフルオロフェニル)(p−トリフルオロメチル
テトラフルオロフェニル)硼酸(o−シアノ−N−メチ
ルピリジニウム),トリス(ペンタフルオロフェニル)
(p−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニル)硼
酸(p−シアノ−N−ベンジルピリジニウム),トリス
(ペンタフルオロフェニル)(p−トリフルオロメチル
テトラフルオロフェニル)硼酸トリフェニルホスホニウ
ム,トリス(ペンタフルオロフェニル)(2,3,5,
6−テトラフルオロピリジニル)硼酸ジメチルアニリニ
ウム,トリス(ペンタフルオロフェニル)(2,3,
5,6−テトラフルオロピリジニル)硼酸トリエチルア
ンモニウム,トリス(ペンタフルオロフェニル)(2,
3,5,6−テトラフルオロピリジニル)硼酸ピリジニ
ウム,トリス(ペンタフルオロフェニル)(2,3,
5,6−テトラフルオロピリジニル)硼酸(N−メチル
ピリジニウム),トリス(ペンタフルオロフェニル)
(2,3,5,6−テトラフルオロピリジニル)硼酸
(o−シアノ−N−メチルピリジニウム),トリス(ペ
ンタフルオロフェニル)(2,3,5,6−テトラフル
オロピリジニル)硼酸(p−シアノ−N−ベンジルピリ
ジニウム),トリス(ペンタフルオロフェニル)(2,
3,5,6−テトラフルオロピリジニル)硼酸トリフェ
ニルホスホニウム,トリス(ペンタフルオロフェニル)
(フェニル)硼酸ジメチルアニリニウム,トリス(ペン
タフルオロフェニル)〔3,5−ジ(トリフルオロメチ
ル)フェニル〕硼酸ジメチルアニリニウム,トリス(ペ
ンタフルオロフェニル)(4−トリフルオロメチルフェ
ニル)硼酸ジメチルアニリニウム,トリフェニル(ペン
タフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム,ヘキ
サフルオロ砒素酸トリメチルアンモニウムなどが挙げら
れる。
【0037】一方、一般式(IX)の化合物としては、テト
ラフェニル硼酸フェロセニウム,テトラフェニル硼酸
銀,テトラフェニル硼酸トリチル,テトラフェニル硼酸
(テトラフェニルポルフィリンマンガン),テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム,テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,1’−ジ
メチルフェロセニウム),テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸アセチルフェロセニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ホルミ
ルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸シアノフェロセニウム,テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸銀,テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸リチウム,テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸ナトリウム,テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸(テトラフェニルポルフィリンマンガ
ン),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(テ
トラフェニルポルフィリン鉄クロライド),テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸(テトラフェニルポル
フィリン亜鉛),テトラフルオロ硼酸銀,ヘキサフルオ
ロ砒素酸銀,ヘキサフルオロアンチモン酸銀などが挙げ
られる。また、 前記一般式(VIII),(IX)以外の化合
物としては、例えば、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸,トリス〔3,5−ジ(トリフルオロメチル)
フェニル〕硼酸,トリフェニル硼酸なども使用すること
ができる。
【0038】この(B−1)成分である、該(A)成分
の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成する
化合物は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用
いてもよい。一方、(B−2)成分のアルミノキサンと
しては、一般式(X)
【0039】
【化6】
【0040】〔式中、R14は、炭素数1〜20、好まし
くは1〜12のアルキル基,アルケニル基,アリール
基、アリールアルキル基などの炭化水素基、sは重合度
を示し、通常3〜50、好ましくは7〜40の整数であ
る。〕で表される鎖状のアルミノキサン、及び一般式
(XI)
【0041】
【化7】
【0042】〔式中、R14及びsは前記と同じであ
る。〕で表される環状アルミノキサンをあげることがで
きる。前記一般式(X)及び(XI)の化合物の中で好ま
しいのは、重合度7以上のアルミノキサンである。この
重合度7以上のアルミノキサン又はこれらの混合物を用
いた場合には高い活性を得ることができる。また一般式
(X)及び(XI)で示されるアルミノキサンを水などの
活性水素をもつ化合物で変性した通常の溶剤に不溶な変
性アルミノキサンも好適に使用することができる。
【0043】前記アルミノキサンの製造法としては、ア
ルキルアルミニウムと水などの縮合剤とを接触させる方
法が挙げられるが、その手段については特に制限はな
く、公知の方法に準じて反応させればよい。例えば有
機アルミニウム化合物を有機溶剤に溶解しておき、これ
を水と接触させる方法、重合時に当初有機アルミニウ
ム化合物を加えておき、後に水を添加する方法、金属
塩などに含有されている結晶水、無機物や有機物への吸
着水を有機アルミニウム化合物と反応させる方法、テ
トラアルキルジアルミノキサンにトリアルキルアルミニ
ウムを反応させ、さらに水を反応させる方法などがあ
る。これらのアルミノキサンは一種用いてもよく、二種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0044】本発明においては、該(B)触媒成分とし
て前記(B−1)成分のみを用いてもよいし、(B−
2)成分のみを用いてもよく、また(B−1)成分と
(B−2)成分とを併用してもよい。本発明で用いられ
る重合触媒においては所望により、(C)成分として、
一般式(XII) R14 r AlQ3-r ・・・(XII) (式中、R14は前記と同じ意味であり、Qは水素原子、
炭素数1〜20のアルコキシ基又はハロゲン原子を示
し、rは1〜3の数である。)で表される有機アルミニ
ウム化合物を用いることができる。特に、(B)成分と
して(B−1)として示した(A)成分の遷移金属化合
物と反応してイオン性の錯体を形成する化合物を用いる
場合に、(C)有機アルミニウム化合物を併用すること
により高い活性を得ることができる。前記一般式(XII)
で表される化合物の具体例としては、トリメチルアルミ
ニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルア
ルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、
メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジ
クロリド、ジメチルアルミニウムフルオリド、ジイソブ
チルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウム
ハイドライド、エチルアルミニウムセスキクロリドなど
が挙げられる。
【0045】次に本発明においては、前記(A)、
(B)及び所望に応じて用いられる(C)触媒成分の少
なくとも一種を適当な担体に担持して用いることができ
る。該担体の種類については特に制限はなく、無機酸化
物担体、それ以外の無機担体及び有機担体のいずれも用
いることができるが、特に無機酸化物担体あるいはそれ
以外の無機担体が好ましい。無機酸化物担体としては、
具体的には、SiO2 ,Al2 3 ,MgO,Zr
2 ,TiO2 ,Fe2 3 ,B2 3 ,CaO,Zn
O,BaO,ThO2 やこれらの混合物、例えばシリカ
アルミナ,ゼオライト,フェライト,グラスファイバー
などが挙げられる。これらの中では、特にSiO2 ,A
2 3 が好ましい。なお、上記無機酸化物担体は、少
量の炭酸塩,硝酸塩,硫酸塩などを含有してもよい。一
方、上記以外の無機担体として、MgCl2 ,Mg(O
2 5)2 などのマグネシウム化合物やその錯塩、ある
いはMgR15 X 3 y で表される有機マグネシウム化合
物などを挙げることができる。ここで、R15は炭素数1
〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基又
は炭素数6〜20のアリール基、X3はハロゲン原子又
は炭素数1〜20のアルキル基を示し、xは0〜2、y
は0〜2である。
【0046】また、有機担体としては、ポリスチレン,
ポリエチレン,ポリプロピレン,置換ポリスチレン,ポ
リアリレートなどの重合体やスターチ,カーボンなどを
挙げることができる。ここで、用いられる担体の性状
は、その種類及び製法により異なるが、平均粒径は通常
1〜300μm、好ましくは10〜200μm、より好
ましくは20〜100μmである。粒径が小さいと重合
体中の微粉が増大し、粒径が大きいと重合体中の粗大粒
子が増大し嵩密度の低下やホッパーの詰まりの原因にな
る。また、担体の比表面積は、通常1〜1000m2
g、好ましくは50〜500m2 /g、細孔容積は通常
0.1〜5cm3 /g、好ましくは0.3〜3cm3 /gで
ある。比表面積又は細孔容積のいずれかが上記範囲を逸
脱すると、触媒活性が低下することがある。なお、比表
面積及び細孔容積は、例えばBET法に従って吸着され
た窒素ガスの体積から求めることができる(ジャーナル
・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ,第60
巻,第309ページ(1983年)参照)。さらに、上
記担体は、通常150〜1000℃、好ましくは200
〜800℃で焼成して用いることが望ましい。担体に担
持させる方法については特に制限はなく、従来慣用させ
ている方法を用いることができる。
【0047】次に、本発明における各触媒成分の使用割
合について説明する。触媒成分として(1)(A)成分
と(B−1)成分とを用いる場合には、(A)成分/
(B−1)成分モル比が1/0.1〜1/100、好まし
くは1/0.5〜1/10、より好ましくは1/1〜1/
5の範囲にあるように両成分を用いるのが望ましい。
(2)(A)成分と(B−1)成分と(C)成分とを用
いる場合には、(A)成分/(B−1)成分モル比は前
記(1)の場合と同様であるが、(A)成分/(C)成
分モル比は1/2000〜1/1、好ましくは1/10
00〜1/5、より好ましくは1/500〜1/10の
範囲にあるのが望ましい。また、(3)(A)成分と
(B−2)成分とを用いる場合には、(A)成分/(B
−2)成分モル比が1/20〜1/10000、好まし
くは1/100〜1/2000の範囲にあるように両成
分を用いるのが望ましい。(4)(A)成分と(B−
2)成分と(C)成分とを用いる場合には、(A)成分
/(B−2)成分モル比は前記(3)の場合と同様であ
るが、(A)成分/(C)成分モル比は1/2000〜
1/1、好ましくは1/1000〜1/5、より好まし
くは1/500〜1/10の範囲にあるのが望ましい。
【0048】本発明のエチレン系重合体は、上記重合触
媒の存在下、エチレンと一般式(I)で表されるジオレ
フィン、又はエチレンとα−オレフィンと一般式(I)
で表されるジオレフィンとを共重合させることにより得
られる。モノマー成分と触媒成分との割合は、モノマー
成分/(A)触媒成分モル比が、通常107 /1〜10
/1、好ましくは105 /1〜102 /1になるように
選ばれる。また、重合圧力は、通常常圧〜30kg/c
2 ・Gの範囲で選ばれ、重合温度は触媒活性が損なわ
れない範囲で高い方が好ましく、通常−100〜300
℃、好ましくは−50〜200℃、より好ましくは10
〜180℃の範囲で選ばれる。このようにして得られた
本発明のエチレン系共重合体の密度は0.86〜0.97g
/cm3 の範囲である。この密度は、ブテン−1、オク
テン−1などのα−オレフィン単位の含有量や分岐密度
によって、前記範囲、すなわち超低密度ポリエチレンか
ら高密度ポリエチレンまで広い範囲にわたり、コントロ
ールすることができる。
【0049】また、本発明の共重合体は、示差走査熱量
計(DSC)によって溶融樹脂の降温時に観測できる結
晶化の発熱ピーク、すなわち結晶化エンタルピー(Δ
H)と密度(D)との関係が、式 1417D−1220≦ΔH≦1417D−1150 好ましくは 1417D−1214≦ΔH≦1417D−1156 より好ましくは 1417D−1206≦ΔH≦1417D−1161 を満たすことが必要である。この結晶化エンタルピーは
α−オレフィン単位含有量の増加により低下し、また分
岐密度によって変化させることができる。なお、この結
晶化エンタルピーは、190℃でプレスしたシートを1
50℃で5分間溶融したのち、10℃/分の速度で−5
0℃まで降温したときにみられる結晶化の発熱ピークを
示差走査熱量計により測定し、結晶化ピークの面積より
算出した値である。
【0050】本発明の共重合体は、温度190℃、荷重
2.16kgの条件で測定したメルトインデックス(M
I)が0.001〜2000g/10分、好ましくは0.0
05〜1500g/10分、より好ましくは0.01〜1
200g/10分の範囲にあるか、又はデカリン中、温
度135℃、濃度0.2g/デシリットルの条件で測定し
た還元粘度が0.05〜20デシリットル/g、好ましく
は0.08〜18デシリットル/g、より好ましくは0.1
〜15デシリットル/gの範囲にあることが必要であ
る。該MIが0.001g/10分未満では成形加工性に
劣るし、2000g/10分を超えるとワックス状で機
械物性が低下する。また、本発明の共重合体において
は、ジオレフィン単位含有量が0.001〜3モル%の範
囲にあり、かつジオレフィン単位の少なくとも2つが反
応した構造を含む(架橋構造が存在する)ことが必要で
ある。該ジオレフィン単位含有量が0.001モル%未満
では充分な分岐構造を形成できないし、3モル%を超え
ると共重合体がゲル化する傾向がみられる。さらに、エ
チレン単位以外の単量体単位の含有量、すなわちα−オ
レフィン単位とジオレフィン単位との合計含有量が30
重量%以下であることが必要である。α−オレフィン単
位の含有量が増加すると、一般に密度及び結晶化エンタ
ルピー(ΔH)が低下し、かつ透明性が向上するし、一
方、ジオレフィン単位の含有量が多くなると後述する溶
融流動の活性化エネルギー(Ea)が増加する。したが
って、α−オレフィン単位及びジオレフィン単位の含有
量を前記範囲内で適当に選ぶことにより、共重合体の密
度、透明性、ΔH及びEaをコントロールすることがで
きる。
【0051】本発明の共重合体においては、溶融流動の
活性化エネルギー(Ea)が6〜12kcal/モルの
範囲にあるのが望ましい。該溶融流動の活性化エネルギ
ー(Ea)については、高圧法低密度ポリエチレンは、
チーグラー触媒を用いて製造した直鎖状ポリエチレンと
比較してEaが大きく、ブロー成形などの加工特性に優
れている。したがって、Eaを任意にコントロールする
ことによって、射出成形からブロー成形、フィルム成形
まで、加工特性を付与できるのでEaは極めて重要な指
標である。なお、活性化エネルギー(Ea)は、次のよ
うにして算出することができる。すなわち、測定温度1
50℃、170℃、190℃、210℃、230℃にお
ける動的粘弾性の周波数依存性(10-2〜102 rod
/sec)を測定し、170℃を基準温度にして、温度
・時間換算則を用い、それぞれの温度におけるG’、
G”のシフトファクターと絶対温度の逆数からアレニウ
ス式により活性化エネルギー(Ea)が算出される。
【0052】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1 (1)メチルアルミノキサンの調製 アルゴン置換した内容積500ミリリットルのガラス製
容器に、トルエン200ミリリットル,硫酸銅5水塩
(CuSO4 ・5H2 O)17.7g(71ミリモル)及
びトリメチルアルミニウム24ミリリットル(250ミ
リモル)を入れ、40℃で8時間反応させた。その後、
固体成分を除去して得られた溶液から、さらにトルエン
を減圧留去して触媒生成物(メチルアルミノキサン)6.
7gを得た。このものの凝固点降下法により測定した分
子量は610であった。また、 1H−NMR測定による
高磁場成分、すなわち室温下トルエン溶液中でのプロト
ン核磁気共鳴スペクトルを観測すると(Al−CH3
結合に基づくメチルプロトンシグナルはテトラメチルシ
ラン基準において1.0〜−0.5ppmの範囲にみられ
る。テトラメチルシランのプロトンシグナルは(0pp
m)がAl−CH3 結合に基づくメチルプロトンに基づ
く観測領域にあるため、このAl−CH3 に基づくメチ
ルプロトンシグナルをテトラメチルシラン基準における
トルエンのメチルプロトンシグナル2.35ppmを基準
にして測定し、高磁場成分(すなわち、−0.1〜−0.5
ppm)と他の磁場成分(すなわち1.0〜−0.1pp
m)とに分けたときに、該高磁場成分が全体の43%で
あった。
【0053】(2)共重合体の製造 1リットルステンレス製耐圧オートクレーブに、トルエ
ン400ミリリットル、オクテン−1 40ミリリット
ル、ジビニルベンゼン(m,p体混合物、含有量55w
t%)30ミリモル、トリイソブチルアルミニウム0.5
ミリモル、上記(1)で調製したメチルアルミノキサン
3ミリモル、ジシクロペンタジエニルジルコニウムジク
ロリド(Cp2 ZrCl2 )2マイクロモルを加え、7
0℃まで昇温した。これにエチレン圧7kg/cm2
Gで加圧し、一定条件下で30分間共重合した。反応終
了後、メタノールで失活して重合体を回収した。乾燥後
の収量は65gであった。この共重合体のMI(190
℃、2.16kg)は5.6g/10分であり、また、赤外
線吸収スペクトルには、1600cm-1付近にジビニル
ベンゼン由来のベンゼン環由来の吸収が、1630cm
-1にビニル基の吸収が認められた。紫外線吸収スペクト
ル法により、ジビニルベンゼン残基の芳香環に由来する
吸収から算出したジビニルベンゼン単位含有量は0.4モ
ル%であり、先の赤外線吸収スペクトルの1630cm
-1より求めた未反応ビニル基量は約0.28モル%であっ
た。さらに 1H−NMR測定より求めたオクテン−1単
位含有量は1.8モル%であった。
【0054】次に、装置としてPerkin Elmer社製DS7
示差走査熱量計を用い、以下の方法に従って結晶化エン
タルピー(ΔH)を測定した。すなわち、190℃でプ
レスしたシートを150℃で5分間溶融したのち、10
℃/分の速度で−50℃まで降温したときにみられる結
晶化の発熱ピークを測定した。その結果、結晶化エンタ
ルピー(ΔH)は122J/gであった。また、このも
ののフィルム密度は0.922g/cm3 であった。さら
に、溶融流動の活性化エネルギー(Ea)を、装置とし
てRheometrics 社製、RMS E−605を用い、以下
の方法に従って測定した。すなわち、測定温度150
℃、170℃、190℃、210℃、230℃における
動的粘弾性の周波数依存性(10-2〜102 rod/s
ec)を測定し、170℃を基準温度にして、温度・時
間換算則を用い、それぞれの温度におけるG’、G”の
シフトファクターと絶対温度の逆数からアレニウス式に
より、活性化エネルギー(Ea)を算出した。その結
果、Eaは8.5kcal/モルであった。
【0055】実施例2 (1)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ
n−ブチルアンモニウムの調製 ブロモペンタフルオロベンゼン(152ミリモル)とブ
チルリチウム(152ミリモル)より調製したペンタフ
ルオロフェニルリチウムと三塩化硼素45ミリモルとを
ヘキサン中で反応させて、トリス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼素を白色固体として得た。このトリス(ペンタ
フルオロフェニル)硼素41ミリモルとペンタフルオロ
フェニルリチウム41ミリモルとを反応させ、リチウム
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼素を白色固体
として得た。次いで、リチウムテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)硼素16ミリモルとトリn−ブチルアン
モニウム塩酸塩16ミリモルとを水中で反応させて、テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリn−ブチ
ルアンモニウムを白色固体として12.8ミリモル得るこ
とができた。
【0056】(2)共重合体の製造 実施例1−(2)において、トリイソブチルアルミニウ
ムを1.3ミリモル用い、かつメチルアルミノキサンに変
えて上記(1)で調製したテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸トリn−ブチルアンモニウム6マイクロ
モルを用いた以外は、実施例1−(2)と同様に共重合
を実施した。さらに実施例1−(2)と同様にして共重
合体を評価した。その結果、共重合体の乾燥後の収量は
53g、MI(190℃、2.16kg)は0.1g/10
分であり、オクテン−1単位含有量は0.8モル%,ジビ
ニルベンゼン単位含有量は0.35モル%であった。さら
に密度は0.917g/cm3 、結晶化エンタルピー(Δ
H)は114J/g、溶融流動の活性化エネルギー(E
a)は7.5kcal/モルであった。
【0057】
【発明の効果】本発明によると、溶融体の流動の活性化
エネルギーを任意に制御することができ、高速成形可能
で加工コストが低い上、透明性及び均一性の向上したエ
チレン系共重合体が得られる。これによって、成形加工
特性や光学的性質を高度に改良した高性能のVLDPE
(超低密度ポリエチレン)、L−LDPE、HDPEな
どを容易に得ることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−241908(JP,A) 特開 平5−295034(JP,A) 特開 平5−194665(JP,A) 特許3267298(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 6/00 - 246/00 C08F 4/60 - 4/70

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン単位とジオレフィン単位、又は
    エチレン単位と炭素数3以上のα−オレフィン単位とジ
    オレフィン単位とからなる共重合体において、 (a)該ジオレフィン単位が、一般式(I) 【化1】 (式中、R'は水素原子、ハロゲン原子、又は炭素原子
    及びケイ素原子のいずれか一種以上を含む置換基、R”
    はビニル基、fは1〜4の整数を示し、fが2以上の場
    合、複数のR'は同一でも異なってもよい。)で表され
    るジオレフィン単量体から誘導される分岐点を有するこ
    と、 (b)密度(D)が0.86〜0.97g/cm3であ
    ること、 (c)示差走査熱量計(DSC)によって観測できる結
    晶化エンタルピー(ΔH)と密度(D)との関係が、式 1417D−1206≦ΔH≦1417D−1161 (ただし、ΔH≧0である) を満たすこと、 (d)温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定し
    たメルトインデックス(MI)が0.001〜2000
    g/10分、又はデカリン中、温度135℃、濃度0.
    2g/デシリットルの条件で測定した還元粘度が0.0
    5〜20デシリットル/gであること、 (e)ジオレフィン単位0.35〜3モル%を含有し、
    かつジオレフィン単位の2つの反応部位が、エチレン単
    位及び/又は炭素数3以上のα−オレフィン単位と反応
    した架橋構造を含むこと、及び (f)エチレン単位以外のモノマー単位の含有量が30
    重量%以下であることを特徴とするエチレン系共重合
    体。
  2. 【請求項2】 溶融流動の活性化エネルギー(Ea)が
    6〜12kcal/モルである請求項1記載のエチレン
    系共重合体。
  3. 【請求項3】 (A)一般式 CpM11 a2 b3 c ・・・(II) Cp11 a2 b ・・・(III) (Cp−Ae−Cp)M11 a2 b ・・(IV) 又は一般式 M11 a2 b3 c4 d ・・・(V) (式中、M1は周期律表第4族遷移金属を示し、Cpは
    環状不飽和炭化水素基又は鎖状不飽和炭化水素基を示
    す。R1,R2,R3及びR4はそれぞれ独立にσ結合性の
    配位子,キレート性の配位子又はルイス塩基を示し、A
    は共有結合による架橋を示す。a,b,c及びdはそれ
    ぞれ独立に0〜4の整数、eは0〜6の整数を示す。R
    1,R2,R3及びR4はその2以上が互いに結合して環を
    形成してもよい。上記Cpが置換基を有する場合には、
    該置換基は炭素数1〜20のアルキル基である。)で表
    わされる遷移金属化合物及び(B)該(A)成分の遷移
    金属化合物又はその派生物からカチオン種を形成するこ
    とができる化合物を主成分とする重合触媒の存在下、エ
    チレンと前記一般式(I)で表されるジオレフィン、又
    はエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンと前記一般
    式(I)で表されるジオレフィンとを共重合させること
    を特徴とする請求項1又は2記載のエチレン系共重合体
    の製造方法。
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