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JP3427884B2 - セラミックリブを形成するためのペースト - Google Patents

セラミックリブを形成するためのペースト

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JP3427884B2
JP3427884B2 JP7197299A JP7197299A JP3427884B2 JP 3427884 B2 JP3427884 B2 JP 3427884B2 JP 7197299 A JP7197299 A JP 7197299A JP 7197299 A JP7197299 A JP 7197299A JP 3427884 B2 JP3427884 B2 JP 3427884B2
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paste
rib
ceramic
solvent
weight
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祥郎 黒光
誠司 豊田
義雄 神田
真紀 杉野
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PDP(plasma d
isplay panel: プラズマディスプレイパネル)、PAL
C(plasma addressed liquid crystal display)等の
FPD(flat panel display)の製造工程におけるセラ
ミックリブ(ceramic rib)を形成するためのペースト
及びこのペーストから作られたセラミックリブ並びにこ
のセラミックリブを有するFPDに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミックリブは、図7に示すよ
うにガラス基板1の上にガラス粉末又はガラス・セラミ
ック混合粉末を含むセラミックリブ形成用ペースト2を
厚膜印刷法により所定のパターンで位置合わせをして多
数回重ね塗りし、乾燥した後に焼成し、基板1上に所定
の間隔をあけて作られている。このリブ8の高さHは通
常100〜300μm、リブの幅Wは通常50〜100
μm程度であって、リブとリブで挟まれるセル9の広さ
Sは通常100〜300μm程度である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の厚
膜印刷法によるセラミックリブの形成方法では、リブの
幅Wが50〜100μm程度と比較的狭くかつ印刷後に
ペーストがだれ易いため、厚膜の一回塗りの厚さは焼成
上がりで10〜20μm程度に小さく抑えなければなら
ない。この結果、この方法では高さHが100〜300
μmのリブを作るために、厚膜を10〜20回もの多く
の回数重ね塗りする必要があり、その上重ね塗りした後
のリブの高さHをリブの幅Wで除したH/Wが1.5〜
4程度と大きいために、厚膜印刷時に十分に位置合わせ
をしても精度良くリブを形成しにくい欠点があった。本
発明の目的は、少ない工程で材料の無駄なく、簡便にか
つ精度良くリブ状物を形成し得るペーストを提供するこ
とにある。本発明の別の目的は、このペーストから作ら
れたセラミックリブ並びにこのセラミックリブを有する
FPDを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
塑性変形によってリブ状物を形成可能なペーストであっ
て、粒径が0.1〜30μmであるガラス粉末又はガラ
ス・セラミック混合粉末を50〜98重量%と、樹脂を
0.1〜10重量%と、溶媒を2〜50重量%と、平均
1次粒径が1〜100nmであって比表面積が10m2
/g以上であるセラミック超微粒子を10重量%以下と
を含むことを特徴とするペーストである。この請求項1
に記載されたペーストでは、比表面積の大きなセラミッ
ク超微粒子がガラス粉末等の間に入り込むため、ペース
ト中のガラス粉末等の凝集が起こり難くなり、ガラス粉
末等が均一に分散したペーストが得られる。また上記の
ようにペーストを配合することにより、ペーストの可塑
性及び保形性(塑性変形後のリブ状物の形状を保つ性
質)が極めて良好となり、基板上に形成されたリブ状物
のだれを抑制してリブ状物を精度良く形成する。このペ
ーストに所定の外力を加えると、ペーストが所望の形状
のリブ状物に変形し、上記外力を取り去っても元に戻ら
ずに、上記リブ状物は変形した後の形状に保たれ、かつ
このリブ状物にはガラス粉末等が均一に分散されてい
る。なお、ペーストの粘度は10,000〜800,0
00cP(センチポアズ)が好ましい。
【0005】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、更に溶媒が非水系溶剤と分散剤と可塑剤か
らなることを特徴とする。この請求項2に記載されたペ
ーストでは、ペーストの調製後、直ぐにこのペーストを
塗布してペースト膜を形成することができる。
【0006】請求項3に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、更に溶媒が水系溶剤と分散剤と可塑剤から
なることを特徴とする。この請求項3に記載されたペー
ストでは、ガラス粉末等の分散性が良くなるので、欠陥
の少ないリブ状物が得られ、また溶剤の取扱いが容易に
なる。
【0007】請求項4に係る発明は、図1に示すよう
に、請求項1ないし3いずれかに係る発明であって、塑
性変形がペースト膜11に所定のくし歯12bを有する
ブレード12をつき刺し、ブレード12をペースト膜1
1に対して相対的に一定方向に移動することにより行わ
れるペーストである。この請求項4に記載されたペース
トでは、塑性変形がくし歯12bをペースト膜11につ
き刺した状態でブレード12をペースト膜11に対して
相対的に一定方向に移動することにより行われる。即
ち、ペースト膜11のうちブレード12のくし歯12b
に対応する箇所のペーストがくし歯12bの隙間に移動
するか若しくは掃き取られるので、ペースト膜11がく
し歯12bの隙間の形状に変形し、かつくし歯12bの
隙間の形状に保たれる。この結果、基板10表面に所定
の形状を有するリブ状物13が形成される。なお、本明
細書で「ペースト」とは、本発明のガラス粉末又はガラ
ス・セラミック混合粉末と樹脂と溶媒(溶剤と可塑剤と
分散剤)を含むものである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明の第1の実施の形態を
図面に基づいて説明する。図1に示すように、所定の形
状を有するリブ状物13は基板10の表面にペーストを
塗布して形成されたペースト膜11に、ブレード12に
形成されたくし歯12bをつき刺し、ブレード12のエ
ッジ12aを基板10表面に接触させた状態でブレード
12又は基板10を一定方向に移動することにより基板
10表面に形成される。ペーストは、ガラス粉末又はガ
ラス・セラミック混合粉末と、樹脂と、溶媒(溶剤と可
塑剤と分散剤)と、比表面積が10m2/g以上、好ま
しくは30m2/g以上のセラミック超微粒子とを含む
ペーストであり、ガラス粉末はSiO2,B23,Zn
O,PbO等を主成分として、その軟化点が300℃〜
600℃であることが必要である。
【0009】ガラス・セラミック混合粉末とはSi
2,B23,ZnO,PbO等を主成分とするガラス
粉末と、フィラーの役割を果すアルミナ,ジルコン,コ
ージェライト,ムライト,フォルステライト等のセラミ
ック粉末とを含むものであり、このセラミック粉末は形
成されるリブ13の熱膨張係数をガラス基板10の熱膨
張係数と均等にするため、及び焼成後のセラミックリブ
の強度を向上させるために混合される。セラミック粉末
は60容積%以下が好ましい。セラミック粉末が60容
積%以上になるとリブが多孔質になり好ましくない。な
お、ガラス粉末及びセラミック粉末の粒径はそれぞれ
0.1〜30μmであることが好ましい。ガラス粉末及
びセラミック粉末の粒径が0.1μm未満であると凝集
し易くその取扱いが煩わしくなる。また、30μmを越
えると後述するブレード12の移動時に所望のリブ13
が形成できなくなる不具合がある。
【0010】樹脂はバインダとしての機能を有し、熱分
解しやすく、溶剤に溶けて高粘度を有するポリマーであ
って、セルロース系樹脂(エチルセルロース,メチルセ
ルロース等),アクリル系樹脂(メチルメタクリル,エ
チルメタクリル等),塩化ビニル樹脂,フェノール樹脂
などが挙げられる。溶剤としては非水系溶剤(アルコー
ル系,エーテル系,芳香族系,炭化水素系等の有機溶
剤)、若しくは水系溶剤(水又は水を主たる溶媒とする
液)が挙げられ、非水系溶剤はアルコール系及びエーテ
ル系の溶剤が好ましい。好ましいアルコールとしてはト
リエチレングリコール、テレピネオール等が挙げられ、
好ましいエーテルとしてはジエチルエーテル等が挙げら
れる。溶剤として水系溶剤を用いれば、上記粉末の分散
性が向上するので、欠陥の少ないリブ状物が得られ、ま
た溶剤の取扱いが容易になる。また可塑剤としてはフタ
ル酸ジメチル,フタル酸ジブチル等が挙げられる。更に
分散剤としてはリン酸系,スルフォン酸系等の分散剤が
挙げられる。
【0011】セラミック超微粒子としてはシリカ,アル
ミナ,チタニア等の超微粒子が挙げられる。またセラミ
ック超微粒子の比表面積を10m2/g以上と限定した
のは、10m2/g未満ではセラミック超微粒子がガラ
ス粉末等の間に入り難くなり、ガラス粉末等の分散性及
びリブ状物の保形性の効果が十分に得られないからであ
る。更に上記セラミック超微粒子の平均1次粒径は1〜
100nmの範囲にあることが好ましい。セラミックペ
ーストは、ガラス粉末又はガラス・セラミック混合粉末
を50〜98重量%と、樹脂を0.1〜10重量%と、
溶媒(溶剤と可塑剤と分散剤)を2〜50重量%と、上
記セラミック超微粒子を10重量%以下とをそれぞれ配
合して調製される。また、ガラス粉末又はガラス・セラ
ミック混合粉末を70〜95重量%と、樹脂を0.2〜
5重量%と、溶媒(溶剤と可塑剤と分散剤)を3〜30
重量%と、セラミック超微粒子を0.01〜5重量%と
をそれぞれ配合して調製されることが好ましい。ガラス
粉末又はガラス・セラミック混合粉末を50〜98重量
%の範囲に限定したのは、50重量%未満ではブレード
を用いて所定の形状のリブ状物を得るのが困難になり、
98重量%を越えると基板表面にペーストを均一に塗布
することが困難になるからである。
【0012】樹脂を0.1〜10重量%の範囲に限定し
たのは、0.1重量%未満ではブレードを用いて所定の
形状のリブ状物を得るのが困難になり、10重量%を越
えると基板表面にペーストを均一に塗布することが困難
になり、かつ焼成後のセラミックリブ内に有機物が残存
するという不具合があるからである。また溶媒を2〜5
0重量%の範囲に限定したのは、2重量%未満では基板
表面にペーストを均一に塗布することが困難になるから
であり、50重量%を越えるとブレードを用いて所定の
形状のリブ状物を得るのが困難になるからである。更に
セラミック超微粒子を10重量%以下に限定したのは、
10重量%を越えると基板表面にペーストを均一に塗布
することが困難になるからである。セラミックペースト
を上記のように配合することにより、基板11上に形成
されたリブ状物13のだれを抑制してリブ状物13を精
度良く形成することができる。ここでペーストの粘度は
10,000〜800,000cP(センチポアズ)で
あることが好ましい。
【0013】本発明の上記ペーストでは、このペースト
の混練中に比表面積の大きなセラミック超微粒子がガラ
ス粉末等の間に入り込むため、ペースト中のガラス粉末
等の凝集が起こり難くなり、ガラス粉末等が均一に分散
したペーストが得られる。またこのセラミック超微粒子
はリブ状物13の保形性を高める機能も有する。溶剤と
して非水系溶剤を用いた場合には、ペーストの調製後、
直ぐにこのペーストを基板に塗布してペースト膜を形成
することができる。一方、溶剤として水系溶剤を用いた
場合には、ペーストを調製して水系溶剤を大部分蒸発さ
せた後に、このペーストを基板に塗布してペースト膜を
形成するか、或いはペースト膜を形成した後であってブ
レードにより塑性変形させる前に水系溶剤を大部分蒸発
させる。これは水の蒸気圧が比較的高いためである。な
お、水系溶剤はガラス粉末等の分散性を良くするので、
欠陥の少ないリブ状物を得ることができ、また溶剤の取
扱いが容易になる。
【0014】セラミックペーストの基板10表面への塗
布は、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、ディ
ップ法又はドクタブレード法等の既存の手段により行わ
れる。次いでこのペースト膜11をブレード12により
塑性変形させて所定形状を有するリブ状物13を形成す
る。このリブ状物13は変形した後の形状に保たれ、か
つリブ状物13にはガラス粉末等が均一に分散されてい
る。このペースト膜11の形成された基板10表面に接
触させるブレード12には複数のくし歯12bが等間隔
にかつ同一方向に形成される。このブレード12はペー
ストとの反応やペーストに溶解されることのない金属、
セラミック又はプラスチック等により作られ、特に、寸
法精度、耐久性の観点からセラミック若しくはFe,N
i,Co基の合金が好ましい。それぞれのくし歯12b
の隙間はこのブレード12により形成されるリブ状物1
3の断面形状に相応して形成される。図3及び図4に示
すように、本実施の形態におけるブレード12は厚さt
が0.2mmのステンレススチールにより形成され、く
し歯12bのピッチPが150μmであって、くし歯1
2bの隙間wが80μm、その深さhが300μmに形
成される。
【0015】ここで、ブレード12は、厚さtが0.0
1mm以上3.0mm以下であって、くし歯12bのピ
ッチをPとし、くし歯12bの隙間をw、その隙間の深
さをhとするとき、0.03mm≦h≦1.0mmであ
りかつw/P≦0.9の関係にあって、くし歯12bの
ピッチPは50μm以上であることが好ましい。これら
の条件を満たすブレード12により形成されたリブ状物
13は、その後の乾燥及び焼成により引き締り、所望の
リブの隙間を有する緻密なセラミックリブ14を得るこ
とができる。また、くし歯12bの隙間の形状は図3に
示すように方形状に形成する場合のみならず、最終的に
作られるFPDの用途によりくし歯12bの隙間の形状
を台形状又は逆台形に形成してもよい。くし歯12bの
隙間の形状を台形にすれば、開口部を広くした用途に適
したリブ状物13を形成することができ、くし歯12b
の隙間の形状を逆台形にすれば、リブの頂部が広い面積
で平坦化したリブ状物13を形成することができる。
【0016】図1に戻って、このように構成されたブレ
ード12によるリブ状物13の形成は、ブレード12の
くし歯12bをペースト膜11につき刺し、エッジ12
aを基板10表面に接触させた状態で、基板10を固定
して図1の実線矢印で示すようにブレード12を一定方
向に移動するか、又はブレード12を固定して図1の破
線矢印で示すように基板10を一定方向に移動させてペ
ースト膜11を塑性変形させることにより行われる。即
ち、上記移動により基板10表面に塗布されたペースト
のブレード12のくし歯12bに対応する箇所は、くし
歯12bの隙間に移動するか若しくは掃き取られ、くし
歯12bの隙間に位置するペーストのみが基板10上に
残存して基板10表面にリブ状物13が形成される。く
し歯の溝の深さがペースト膜11の厚さより大きい場合
にはブレード12又はガラス基板10を移動するときに
掃き取られたペーストが溝に入り込みペースト膜11の
厚さ以上の高さを有するリブ状物13を形成できる。こ
の所定形状を有するリブ状物13を形成した後、大気中
100〜200℃で10〜30分間乾燥し、続いて脱バ
インダのため大気中300〜400℃で30分間〜3時
間加熱し、更に大気中520〜580℃で10〜30分
間焼成することにより、図2に示す型崩れのないセラミ
ックリブ14になる。このセラミックリブを用いて図示
しないPDP、PALC等のFPDを作製することがで
きる。
【0017】上述のようにして基板10上に形成された
セラミックリブ14は、図2の拡大した円内に示すよう
に、リブ14の高さをHとし、高さ(1/2)Hのとこ
ろのリブ14の幅をWC、高さ(3/4)Hのところの
リブ14の幅をWM及び高さ(9/10)Hのところの
リブ14の幅をWTとするとき、H、WC、WM及びWT
標準偏差がそれぞれ4%以下であって、H/WCで表さ
れるアスペクト比が1.5〜10であることが好まし
い。リブピッチが小さくかつアスペクト比が1.5〜1
0であることにより、極めて高精細なセラミックリブ1
4が得られる。
【0018】図5及び図6は本発明の第2の実施の形態
を示す。図5及び図6において図1及び図2と同一符号
は同一部品を示す。この実施の形態では、上記第1の実
施の形態と同様に基板10の表面に形成されたペースト
膜11にブレード12のくし歯12bをつき刺し、ブレ
ード12のエッジ12aを基板10表面から所定の高さ
浮上した状態でブレード12又は基板10を一定方向に
移動してペースト膜11を塑性変形させることにより、
基板10表面に下地層22とこの下地層22上に所定形
状を有するリブ状物23が形成される。ペーストの成分
及びペーストの塗布方法は上記第1の実施の形態と同一
に構成される。
【0019】ブレード12によるリブ状物23の形成
は、図5に示すように、ブレード12のエッジ12aを
ペースト膜11を形成した基板10表面から所定の高さ
浮上した状態で基板10を固定して実線矢印で示すよう
にブレード12を一定方向に移動するか、又はブレード
12を固定して破線矢印で示すように基板10を一定方
向に移動させることにより行われる。この移動により基
板10表面から所定の高さまでのペーストは基板表面上
に残存して下地層22を形成し、この下地層22より上
方のペーストにおけるブレード12のくし歯12bに対
応する箇所はくし歯12bの隙間に移動するか若しくは
掃き取られ、くし歯12bの隙間に位置するペーストの
みが下地層22上に残存して下地層22上に所定形状を
有するリブ状物23が形成される。
【0020】次に上記下地層22及びリブ状物23から
上記第1の実施の形態の方法と同様にして、図5に示す
基板10上に絶縁下地層24が形成され、この絶縁下地
層24上にセラミックリブ25が形成される。絶縁下地
層24上に形成されたセラミックリブ25は、図6の拡
大した円内に示すように、リブ25の高さをHとし、高
さ(1/2)Hのところのリブ25の幅をWC、高さ
(3/4)Hのところのリブ25の幅をWM及び高さ
(9/10)Hのところのリブ25の幅をWTとすると
き、H、WC、WM及びWTの標準偏差がそれぞれ4%以
下であって、H/WCで表されるアスペクト比が1.5
〜10であることが好ましい。リブピッチが小さくかつ
アスペクト比が1.5〜10であることにより、極めて
高精細なセラミックリブ25が得られる。
【0021】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>平均粒径1μmのPbO−SiO2−B2
3系ガラス粉末を80重量%と、セラミックフィラーと
して平均粒径0.5μmのアルミナ粉末を20重量%と
を用意し、両者を十分に混合した。この混合粉末と、樹
脂としてのエチルセルロースと、溶媒としてのテレピネ
オール(溶剤)及びリン酸系分散剤と、セラミック超微
粒子としてのシリカ(比表面積が300m2/g)と
を、重量比で87/1/11/1の割合で配合し、十分
に混練してセラミックペーストを得た。溶媒はテレピネ
オール及び分散剤を重量比で99/1の割合で混合して
調製した。
【0022】図1に示すように、対角寸法が40インチ
であって、厚さが3mmのソーダライム系の長方形のガ
ラス基板10を固定した状態で、このガラス基板10上
に上記ペーストをロールコーティング法により厚さ25
0μmで塗布してペースト膜11を形成した。一方、く
し歯12bのピッチPが150μmであって、くし歯1
2bの隙間wが80μm、その深さhが300μm、厚
さtが0.2mmのステンレス鋼により形成されたブレ
ード12を用意した(図3及び図4)。ペーストを塗布
してから大気中室温下で10分間放置した後、ガラス基
板を固定したまま、このブレード12のくし歯12bを
ペースト膜につき刺し、そのエッジ12aをガラス基板
10に接触させた状態で、図1の実線矢印で示す方向に
ブレード12を一定方向に移動してペースト膜11を塑
性変形させることにより、基板10表面にリブ状物13
を形成した。
【0023】<実施例2>平均粒径2μmのPbO−S
iO2−B23系ガラス粉末を80重量%と、セラミッ
クフィラーとして平均粒径1μmのアルミナ粉末を20
重量%とを用意し、両者を十分に混合して混合粉末を作
製した。この混合粉末と、樹脂としてのメチルセルロー
スと、溶媒としての水,スルフォン酸系分散剤及びフタ
ル酸ジメチル(可塑剤)と、セラミック超微粒子として
のアルミナ(比表面積が50m2/g)とを、重量比で
60/2/36/2の割合で配合し、十分に混練してペ
ーストを得た。溶媒は水,分散剤及び可塑剤を重量比で
80/2/18の割合で混合して調製した。このペース
トを実施例1と同様にして実施例1と同じガラス基板上
に塗布しペースト膜を形成した。大気中室温下で3時間
放置した後、このペースト膜にブレードをつき刺して移
動し、ペースト膜を塑性変形させることにより、基板表
面にリブ状物を形成した。
【0024】<実施例3>平均粒径0.5μmのPbO
−SiO2−B23系ガラス粉末を80重量%と、セラ
ミックフィラーとして平均粒径0.3μmのアルミナ粉
末を20重量%とを用意し、両者を十分に混合して混合
粉末を作製した。この混合粉末と、樹脂としてのメチル
メタクリルと、溶媒としてのジエチルエーテル(溶剤)
及びリン酸系分散剤と、セラミック超微粒子としてのア
ルミナ(比表面積が100m2/g)とを、重量比で8
2/0.5/12.5/5の割合で配合し、十分に混練
してセラミックペーストを得た。溶媒はエーテル及び分
散剤を重量比で99.5/0.5の割合で混合して調製
した。このペーストを実施例1と同様にして実施例1と
同じガラス基板上に塗布しペースト膜を形成した。大気
中室温下で10分間放置した後、このペースト膜にブレ
ードをつき刺して移動し、ペースト膜を塑性変形させる
ことにより、基板表面にリブ状物を形成した。
【0025】<比較例1>平均粒径1μmのPbO−S
iO2−B23系ガラス粉末を80重量%と、セラミッ
クフィラーとして平均粒径0.5μmのアルミナ粉末を
20重量%とを用意し、両者を十分に混合した。この混
合粉末と、樹脂としてのエチルセルロースと、溶媒とし
てのテレピネオール(溶剤)とを、重量比で70/5/
25の割合で配合し、十分に混練してペーストを得た。
図7に示すように、上記ペースト2をスクリーン印刷法
により所定のパターンで位置合わせをして印刷し、15
0℃で20分間乾燥する工程を10回繰返して重ね塗り
した。これにより所定の間隔(セル9の広さS)をあけ
て高さHが200μmのリブ状物2を形成した。次にこ
の基板1上にリブ状物2が形成された構造体を脱バイン
ダのために350℃で60分間加熱した後に、大気中5
50℃で10分間焼成することにより、基板1上にセラ
ミックリブ8を形成した。
【0026】<比較試験及び評価>実施例1〜3の基板
10に形成されたリブ状物13を大気中150℃で20
分間乾燥して溶媒を脱離させ、更に脱バインダのために
350℃で60分間加熱した後に、大気中550℃で1
0分間焼成してセラミックリブ14とした。このように
焼成して得られた実施例1〜3のセラミックリブ14の
それぞれ任意の100本と、比較例1で得られたセラミ
ックリブ8の任意の100本について、その高さH及び
幅を以下のようにそれぞれ測定した。
【0027】図2に示すように、実施例1〜3及び比較
例1の基板上の任意の100本のセラミックリブの幅の
測定は、セラミックリブの高さをHとしたときの高さ
(1/2)Hのところのリブの幅WCと、高さ(3/
4)Hのところのリブの幅WMと、高さ(9/10)H
のところのリブの幅WTとをそれぞれ測定することによ
り行った。またこれらの測定値の平均値を算出した後、
H、WC、WM及びWTのそれぞれの標準偏差を算出し
た。表1に実施例1〜3の結果(リブの各部の平均値及
び標準偏差)を比較例1の結果(リブの各部の平均値及
び標準偏差)と対比させて示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1から明らかなように、比較例1と比べ
て、実施例1〜3では、極めて少ない工程で、高さと幅
のばらつきの小さいセラミックリブを基板上に形成でき
ることが判った。これは、実施例1〜3では、比表面積
の大きなセラミック超微粒子により、ガラス・セラミッ
ク粉末が均一に分散したペーストが得られ、このペース
トを塑性変形させた場合、極めて可塑性が高くかつ保形
性が高いリブ状物が得られたためであると考えられる。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、比
表面積の大きなセラミック超微粒子をペーストに加える
ことにより、このセラミック超微粒子がガラス粉末又は
ガラス・セラミック混合粉末の間に入り込むため、ペー
スト中のガラス粉末等の凝集が起こり難くなり、ガラス
粉末等が均一に分散したペーストが得られる。このペー
ストは可塑性及び保形性が高いため、外力を加えると、
ペーストが所望の形状のリブ状物に変形し、上記外力を
取り去っても元に戻らない。即ち、ペーストは極めて高
い保形性を有する。この結果、上記リブ状物は変形した
後の形状に保たれ、かつリブ状物にはガラス粉末等が均
一に分散されている。またペーストがガラス粉末又はガ
ラス・セラミック混合粉末を50〜98重量%と、樹脂
を0.1〜10重量%と、溶媒を2〜50重量%と、比
表面積が10m2/g以上のセラミック微粒子を10重
量%以下とを含むように構成すれば、可塑性及び保形性
の高いペーストを得ることができ、リブ状物のだれを抑
制できる。この結果、少ない工程で材料の無駄なく、簡
便にかつ精度良くリブ状物を形成することができる。
【0031】また溶媒中に非水系溶剤を含めば、ペース
トの調製後、直ぐにこのペーストを塗布してペースト膜
を形成することができる。また溶媒中に水系溶剤を含め
ば、ガラス粉末等の分散性が良くなるので、欠陥の少な
いリブ状物が得られ、また溶剤の取扱いが容易になる。
【0032】またこの塑性変形をペースト膜にくし歯を
つき刺した状態でブレードをペースト膜に対して相対的
に一定方向に移動することにより行うと、ペースト膜の
うちブレードのくし歯に対応する箇所のペーストがくし
歯の隙間に移動するか若しくは掃き取られるので、ペー
スト膜がくし歯の隙間の形状に変形し、かつくし歯の隙
間の形状に保たれる。この結果、上記と同様に少ない工
程で材料の無駄なく、簡便にかつ精度良くリブ状物を形
成することができる。本発明のリブ状物を乾燥焼成すれ
ば、高精細なセラミックリブを形成でき、かつこのセラ
ミックリブをFPDに利用すれば、高品質のFPDが得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態のセラミックキャピラリリ
ブの形成状態を示す斜視図。
【図2】図1のA−A線断面におけるセラミックキャピ
ラリリブを乾燥、加熱及び焼成することにより得たセラ
ミックリブを示す断面図。
【図3】そのブレードの正面図。
【図4】図3のB−B線断面図。
【図5】本発明第2実施形態のセラミックキャピラリ層
付リブの形成状態を示す図1に対応する斜視図。
【図6】図5のB−B線断面におけるセラミックキャピ
ラリ層付リブを乾燥、加熱及び焼成することにより得た
絶縁層付セラミックリブを示す図2に対応する断面図。
【図7】従来のセラミックリブの形成を工程順に示す断
面図。
【符号の説明】
10 ガラス基板 11 ペースト膜 12 ブレード 12a エッジ 12b くし歯 13,23 リブ状物 14,25 セラミックリブ 22 下地層 24 絶縁下地層
フロントページの続き (72)発明者 杉野 真紀 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三 菱マテリアル株式会社 総合研究所内 (56)参考文献 特開 平10−302618(JP,A) 特開 平10−302651(JP,A) 特開 平10−255670(JP,A) 特開 平10−255668(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 11/02 H01J 9/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塑性変形によってリブ状物を形成可能な
    ペーストであって、粒径が0.1〜30μmである ガラス粉末又はガラス・
    セラミック混合粉末を50〜98重量%と、 樹脂を0.1〜10重量%と、 溶媒を2〜50重量%と、平均1次粒径が1〜100nmであって 比表面積が10
    2/g以上であるセラミック超微粒子を10重量%以
    下とを含むことを特徴とするセラミックリブを形成する
    ためのペースト。
  2. 【請求項2】 溶媒が非水系溶剤と分散剤と可塑剤から
    なる請求項1記載のペースト。
  3. 【請求項3】 溶媒が水系溶剤と分散剤と可塑剤からな
    る請求項1記載のペースト。
  4. 【請求項4】 塑性変形がペースト膜(11)に所定のくし
    歯(12b)を有するブレード(12)をつき刺し、前記ブレー
    ド(12)を前記ペースト膜(11)に対して相対的に一定方向
    に移動することにより行われる請求項1ないし3いずれ
    か記載のペースト。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のペーストを用いてリブ状
    物を形成し、このリブ状物を乾燥焼成してなるセラミッ
    クリブ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のセラミックリブを有する
    FPD。
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