JP3426284B2 - 撥水性ガラスおよびその製造方法 - Google Patents
撥水性ガラスおよびその製造方法Info
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C17/00—Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
- C03C17/06—Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with metals
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- C03C17/34—Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
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- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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- C03C2217/40—Coatings comprising at least one inhomogeneous layer
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- Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撥水性能はもとより、
耐候性に優れた撥水性ガラスおよびその製造方法に関
し、車輌用、船舶用、航空機用あるいは建築用等のウイ
ンドウガラスやミラーなどに有用である。
耐候性に優れた撥水性ガラスおよびその製造方法に関
し、車輌用、船舶用、航空機用あるいは建築用等のウイ
ンドウガラスやミラーなどに有用である。
【0002】
【従来の技術】ガラスの撥水性を向上させるために、フ
ルオロアルキル基含有化合物やジメチルシロキサン等の
化合物をガラス表面に塗布する試みがなされている。し
かしこれらの化合物を単に塗布しただけではガラス表面
との結合力が弱く、耐候性や耐摩耗性を充分にもたせる
ことはできず、撥水性を長期に亘り維持することは困難
である。
ルオロアルキル基含有化合物やジメチルシロキサン等の
化合物をガラス表面に塗布する試みがなされている。し
かしこれらの化合物を単に塗布しただけではガラス表面
との結合力が弱く、耐候性や耐摩耗性を充分にもたせる
ことはできず、撥水性を長期に亘り維持することは困難
である。
【0003】これまでは、例えばガラスなどの素材上
に、撥水性を付与するためにポリフルオロアルキル基
(Rf基)含有シラン化合物が各種出願されている。具体
的には特開昭58ー122979号公報、特開昭58ー
129082号公報、特開昭58ー142958号公
報、特開昭58ー147483号公報、特開昭58ー1
72242号公報、特開昭58ー172243号公報、
特開昭58ー172244号公報、特開昭58ー172
245号公報、特開昭58ー172246号公報、特開
昭58ー190840号公報、および特開昭58ー22
3634号公報等である。
に、撥水性を付与するためにポリフルオロアルキル基
(Rf基)含有シラン化合物が各種出願されている。具体
的には特開昭58ー122979号公報、特開昭58ー
129082号公報、特開昭58ー142958号公
報、特開昭58ー147483号公報、特開昭58ー1
72242号公報、特開昭58ー172243号公報、
特開昭58ー172244号公報、特開昭58ー172
245号公報、特開昭58ー172246号公報、特開
昭58ー190840号公報、および特開昭58ー22
3634号公報等である。
【0004】さらに例えば特開昭58ー167448号
公報には低反射率ガラスが記載されており、ポリフルオ
ロアルキル基含有シラン化合物または該化合物の部分加
水分解縮合物からなる厚さ1μm 以下の薄膜をガラス表
面に形成することにより、透視性等を損なうことなく、
低反射率および撥水撥油性とするものが開示されてい
る。
公報には低反射率ガラスが記載されており、ポリフルオ
ロアルキル基含有シラン化合物または該化合物の部分加
水分解縮合物からなる厚さ1μm 以下の薄膜をガラス表
面に形成することにより、透視性等を損なうことなく、
低反射率および撥水撥油性とするものが開示されてい
る。
【0005】しかしながら、このような従来の撥水処理
方法にあっては、耐久性、耐候性試験において、比較的
短時間で撥水性が劣化するという問題点があった。さら
に耐候性に優れたものとしては、テフロンを被覆したガ
ラスがあるが、膜が柔らかいため傷つき易くすぐに透明
性が損なわれるという問題点があった。
方法にあっては、耐久性、耐候性試験において、比較的
短時間で撥水性が劣化するという問題点があった。さら
に耐候性に優れたものとしては、テフロンを被覆したガ
ラスがあるが、膜が柔らかいため傷つき易くすぐに透明
性が損なわれるという問題点があった。
【0006】また特開昭60ー231442号公報に
は、ガラス基板上に接着成分としてシロキサン結合を有
する有機ケイ素化合物の重合物、および撥水成分として
フッ素化合物の重合物の双方よりなる撥水性被膜を形成
した撥水処理硝子が記載されているが、表面が撥水成分
の割合が多い構成になっているため傷つき易いという問
題点があった。
は、ガラス基板上に接着成分としてシロキサン結合を有
する有機ケイ素化合物の重合物、および撥水成分として
フッ素化合物の重合物の双方よりなる撥水性被膜を形成
した撥水処理硝子が記載されているが、表面が撥水成分
の割合が多い構成になっているため傷つき易いという問
題点があった。
【0007】また特開平3ー153859号公報には、
プラスチック基板上に金属酸化物層が形成され、その上
に金属酸化物およびフッ素樹脂の複合層を積層した表面
改質プラスチックが記載されているが、基板がプラスチ
ックであるため密着性が必ずしも満足できるものではな
い等の問題がある。
プラスチック基板上に金属酸化物層が形成され、その上
に金属酸化物およびフッ素樹脂の複合層を積層した表面
改質プラスチックが記載されているが、基板がプラスチ
ックであるため密着性が必ずしも満足できるものではな
い等の問題がある。
【0008】また特開平5ー51238号公報には、ガ
ラス基板上に金属酸化物相と該金属酸化物相中に分散し
た構成のものが記載されているが、該構成のものでは傷
つき易いという問題点があった。
ラス基板上に金属酸化物相と該金属酸化物相中に分散し
た構成のものが記載されているが、該構成のものでは傷
つき易いという問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は上記従来の
問題点を解決するものであり、その目的は、密着性、耐
候性に優れしかも硬い撥水性ガラスを提供することにあ
る。
問題点を解決するものであり、その目的は、密着性、耐
候性に優れしかも硬い撥水性ガラスを提供することにあ
る。
【0010】
【問題点を解決するための手段】本発明は、従来のかか
る問題点に鑑みてなしたものであって、ガラス基板上
に、特異なマイクロピット状表層、凹凸状表層あるいは
凸状表層を有し、しかもマイクロピットや凹凸や凸が形
状や大きさをコントロールすることができたゾルゲル膜
を中間層とし、該中間層膜上に特定したSiO2 とフッ
素樹脂からなる撥水層を成膜し積層薄膜とした撥水性ガ
ラスとすることにより、格段にその性能を発揮すること
となる等、とくに長期に亘り光学特性を損なうことな
く、かつ頑固な密着力で耐摩耗性あるいは耐久性等が優
れたものとなり、建築用もしくは自動車用等の窓材、各
種膜付きガラス物品において有用な撥水性ガラスを提供
するものである。
る問題点に鑑みてなしたものであって、ガラス基板上
に、特異なマイクロピット状表層、凹凸状表層あるいは
凸状表層を有し、しかもマイクロピットや凹凸や凸が形
状や大きさをコントロールすることができたゾルゲル膜
を中間層とし、該中間層膜上に特定したSiO2 とフッ
素樹脂からなる撥水層を成膜し積層薄膜とした撥水性ガ
ラスとすることにより、格段にその性能を発揮すること
となる等、とくに長期に亘り光学特性を損なうことな
く、かつ頑固な密着力で耐摩耗性あるいは耐久性等が優
れたものとなり、建築用もしくは自動車用等の窓材、各
種膜付きガラス物品において有用な撥水性ガラスを提供
するものである。
【0011】また本発明は、特定の金属アルコキシド系
化合物あるいは金属アセチルアセトネート系化合物を選
び、該化合物の平均分子量が異なるものから組み合わ
せ、混合割合を変化させたコーティング溶液とするよう
にし、被膜の際の相対湿度を制御することにより、充分
焼成をしても、独立してしっかりした特異なマイクロピ
ット状あるいは凹凸状又は凸状でその形状や大きさに種
々コントロールした表面表層を有し、高密着性であって
耐久性や耐摩耗性とを併せ持ち、単体ではもちろん中間
層あるいは下地層等にことに有用な酸化物薄膜であるゾ
ルゲル膜が、高安全で厄介な工程なく、安価に効率よく
得、しかも該特異なマイクロピット状あるいは凹凸状等
の表面のみならず、膜凹凸内にまで特異にSiO2 とフ
ッ素樹脂微粒子分散ゾル溶液を被覆含浸せしめるように
塗布、焼き付け成膜し積層薄膜を形成する撥水性ガラス
の製造方法を提供するものである。
化合物あるいは金属アセチルアセトネート系化合物を選
び、該化合物の平均分子量が異なるものから組み合わ
せ、混合割合を変化させたコーティング溶液とするよう
にし、被膜の際の相対湿度を制御することにより、充分
焼成をしても、独立してしっかりした特異なマイクロピ
ット状あるいは凹凸状又は凸状でその形状や大きさに種
々コントロールした表面表層を有し、高密着性であって
耐久性や耐摩耗性とを併せ持ち、単体ではもちろん中間
層あるいは下地層等にことに有用な酸化物薄膜であるゾ
ルゲル膜が、高安全で厄介な工程なく、安価に効率よく
得、しかも該特異なマイクロピット状あるいは凹凸状等
の表面のみならず、膜凹凸内にまで特異にSiO2 とフ
ッ素樹脂微粒子分散ゾル溶液を被覆含浸せしめるように
塗布、焼き付け成膜し積層薄膜を形成する撥水性ガラス
の製造方法を提供するものである。
【0012】すなわち、本発明は、撥水層が少なくとも
SiO2 とフッ素樹脂とからなる撥水性ガラスにおい
て、該フッ素樹脂が該SiO2 に対して5〜450重量
%であり、さらに該ガラス基板と撥水層の間に中間層と
して、マイクロピット状表層または凹凸状表層、あるい
は凸状表層であるゾルゲル膜を形成してなることを特徴
とする撥水性ガラス。
SiO2 とフッ素樹脂とからなる撥水性ガラスにおい
て、該フッ素樹脂が該SiO2 に対して5〜450重量
%であり、さらに該ガラス基板と撥水層の間に中間層と
して、マイクロピット状表層または凹凸状表層、あるい
は凸状表層であるゾルゲル膜を形成してなることを特徴
とする撥水性ガラス。
【0013】さらに、前記マイクロピット状表層または
凹凸状表層、あるいは凸状表層が、該マイクロピットや
凹凸や凸が200〜400nmの径であることから成る
ゾルゲル膜を中間層としたことを特徴とする上述した撥
水性ガラス。
凹凸状表層、あるいは凸状表層が、該マイクロピットや
凹凸や凸が200〜400nmの径であることから成る
ゾルゲル膜を中間層としたことを特徴とする上述した撥
水性ガラス。
【0014】また、ガラス基板上に、金属アルコキシド
系化合物および金属アセチルアセトネート系化合物のな
かから選ばれる少なくとも1種以上の化合物であって、
平均分子量の異なる2つ以上の化合物を選択し、該2つ
以上の化合物の混合割合の調整を行い、溶剤とともに混
合してコーティング溶液とし、該溶液を被覆し、好まし
くは、相対湿度をコントロールしながら該溶液を被覆
し、100℃以上の温度で加熱成膜して成るゾルゲル膜
を形成し、該ゾルゲル膜上に、少なくともシリカゾル溶
液とフッ素樹脂粒子あるいはフッ素樹脂粒子の懸濁液を
混合してなる溶液を塗布して焼き付け成膜することで撥
水層膜を被覆形成することを特徴とする撥水性ガラスの
製造方法。
系化合物および金属アセチルアセトネート系化合物のな
かから選ばれる少なくとも1種以上の化合物であって、
平均分子量の異なる2つ以上の化合物を選択し、該2つ
以上の化合物の混合割合の調整を行い、溶剤とともに混
合してコーティング溶液とし、該溶液を被覆し、好まし
くは、相対湿度をコントロールしながら該溶液を被覆
し、100℃以上の温度で加熱成膜して成るゾルゲル膜
を形成し、該ゾルゲル膜上に、少なくともシリカゾル溶
液とフッ素樹脂粒子あるいはフッ素樹脂粒子の懸濁液を
混合してなる溶液を塗布して焼き付け成膜することで撥
水層膜を被覆形成することを特徴とする撥水性ガラスの
製造方法。
【0015】ならびに、前記選択した2つ以上の化合物
は、一つの低平均分子量の化合物が分子量800〜80
00の化合物であって、他の一つ以上の高平均分子量の
化合物が分子量100000〜400000の化合物で
あることから成るゾルゲル膜を中間層としたことを特徴
とする上述した撥水性ガラスの製造方法。
は、一つの低平均分子量の化合物が分子量800〜80
00の化合物であって、他の一つ以上の高平均分子量の
化合物が分子量100000〜400000の化合物で
あることから成るゾルゲル膜を中間層としたことを特徴
とする上述した撥水性ガラスの製造方法。
【0016】さらに、前記選択した2つ以上の化合物の
混合割合の調整が、高平均分子量の化合物1molに対
して、低平均分子量の化合物が0.1〜30molであ
ることから成るゾルゲル膜を中間層としたことを特徴と
する上述した撥水性ガラスの製造方法。
混合割合の調整が、高平均分子量の化合物1molに対
して、低平均分子量の化合物が0.1〜30molであ
ることから成るゾルゲル膜を中間層としたことを特徴と
する上述した撥水性ガラスの製造方法。
【0017】さらにまた、前記コーティング溶液を、1
〜10cPに粘度調整することでゾルゲル膜を形成する
ことを特徴とする上述した撥水性ガラスの製造方法。さ
らにまた、前記コーティング溶液の金属アルコキシド系
化合物又は金属アセチルアセトネート系化合物の濃度が
0.01〜10wt%であることでゾルゲル膜を形成す
ることを特徴とする上述した撥水性ガラスの製造方法。
〜10cPに粘度調整することでゾルゲル膜を形成する
ことを特徴とする上述した撥水性ガラスの製造方法。さ
らにまた、前記コーティング溶液の金属アルコキシド系
化合物又は金属アセチルアセトネート系化合物の濃度が
0.01〜10wt%であることでゾルゲル膜を形成す
ることを特徴とする上述した撥水性ガラスの製造方法。
【0018】さらにまた、前記相対湿度が、70〜80
%であることでゾルゲル膜を形成することを特徴とする
上述した撥水性ガラスの製造方法をそれぞれ提供するも
のである。
%であることでゾルゲル膜を形成することを特徴とする
上述した撥水性ガラスの製造方法をそれぞれ提供するも
のである。
【0019】ここで、前記したように、金属アルコキシ
ド系化合物あるいは金属アセチルアセトネート系化合物
のなかから少なくとも1種以上の化合物を選択したの
は、該両化合物は安定性があって、溶液調製の際、例え
ば平均分子量の制御が容易であり、成膜した前記マイク
ロピット状表層、凹凸状表層あるいは凸状表層の種々の
表面形状を有する酸化物薄膜の透明性や硬度が高く、耐
久性にも優れたものとなり、比較的安価で入手し易いも
のであるのであるからである。
ド系化合物あるいは金属アセチルアセトネート系化合物
のなかから少なくとも1種以上の化合物を選択したの
は、該両化合物は安定性があって、溶液調製の際、例え
ば平均分子量の制御が容易であり、成膜した前記マイク
ロピット状表層、凹凸状表層あるいは凸状表層の種々の
表面形状を有する酸化物薄膜の透明性や硬度が高く、耐
久性にも優れたものとなり、比較的安価で入手し易いも
のであるのであるからである。
【0020】また、金属アルコキシド系化合物として
は、金属にすべてアルコキシ基のみが結合した場合、す
なわちメトキシド、エトキシド、イソプロポキシド等の
みならず、その一部がメチル基、エチル基等に置換した
もの、例えばモノメチルアルコキシド、モノエチルアル
コキシド等を含むものである。さらにまた、金属アセチ
ルアセトネート系化合物としては、金属にすべてアセチ
ルアセトン基のみが結合した場合のみならず、その一部
がメチルアルコキシ基、エチルアルコキシ基等に置換し
たものを含むものである。
は、金属にすべてアルコキシ基のみが結合した場合、す
なわちメトキシド、エトキシド、イソプロポキシド等の
みならず、その一部がメチル基、エチル基等に置換した
もの、例えばモノメチルアルコキシド、モノエチルアル
コキシド等を含むものである。さらにまた、金属アセチ
ルアセトネート系化合物としては、金属にすべてアセチ
ルアセトン基のみが結合した場合のみならず、その一部
がメチルアルコキシ基、エチルアルコキシ基等に置換し
たものを含むものである。
【0021】さらに前記金属としては、格別特定するも
のではないが、Si、TiまたはZrを選択するのが好
ましく、具体的なものとしては、例えばテトラメトキシ
シラン〔Si(OMe)4 Me:CH3 〕、テトラエ
トキシシラン〔Si(OEt)4 Et:C2 H5 〕、
メチルトリエトキシシラン〔MeSi(OEt)3 〕、
メチルトリメトキシシラン〔MeSi(OMe)3 〕、
チタンテトライソプロポキシド〔Ti(OーisoーP
r)4 Pr:C3 H7 〕、チタンアセチルアセトネー
ト〔Ti(CH2 COCH2 COCH3 )4 〕、ジルコ
ニウムノルマルブトキシド〔Zr(OーnーBu)4
Bu:C4 H9 〕、ジルコニウムアセチルアセトネート
〔Zr(CH2 COCH2 COCH3 )4 〕等が好適で
あり、他に例えばジメチルジエトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、チタンテトラノルマルブトキシド、
ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテ
トラオクチレート等がある。
のではないが、Si、TiまたはZrを選択するのが好
ましく、具体的なものとしては、例えばテトラメトキシ
シラン〔Si(OMe)4 Me:CH3 〕、テトラエ
トキシシラン〔Si(OEt)4 Et:C2 H5 〕、
メチルトリエトキシシラン〔MeSi(OEt)3 〕、
メチルトリメトキシシラン〔MeSi(OMe)3 〕、
チタンテトライソプロポキシド〔Ti(OーisoーP
r)4 Pr:C3 H7 〕、チタンアセチルアセトネー
ト〔Ti(CH2 COCH2 COCH3 )4 〕、ジルコ
ニウムノルマルブトキシド〔Zr(OーnーBu)4
Bu:C4 H9 〕、ジルコニウムアセチルアセトネート
〔Zr(CH2 COCH2 COCH3 )4 〕等が好適で
あり、他に例えばジメチルジエトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、チタンテトラノルマルブトキシド、
ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテ
トラオクチレート等がある。
【0022】前記マイクロピット状表層または凹凸状表
層、あるいは凸状表層が、該マイクロピットや凹凸や凸
が200〜400nmの径であるとしたのは、細孔径が
200〜400nmになるのは撥水層に添加したフッ素
樹脂粒子の粒径は0.3μ(300nm)付近に粒度分
布をもつ。中間層をマイクロピットあるいは凹凸、凸形
状とするのはこれらの粒子をこの細孔の中にトラップし
て耐久性を向上させるためである。200nm未満では
トラップされるフッ素樹脂粒子が非常に少なくなり、し
かも粒径の小さいものしかトラップされず、耐候性およ
び撥水性の長期的な向上に結びつき難いためであり、4
00nmを超えると膜が白濁して見える。すなわち、透
明性を損なわない限界の細孔径である。よって、トラッ
プ効率の良い300nm前後の細孔径とする必要があ
る。
層、あるいは凸状表層が、該マイクロピットや凹凸や凸
が200〜400nmの径であるとしたのは、細孔径が
200〜400nmになるのは撥水層に添加したフッ素
樹脂粒子の粒径は0.3μ(300nm)付近に粒度分
布をもつ。中間層をマイクロピットあるいは凹凸、凸形
状とするのはこれらの粒子をこの細孔の中にトラップし
て耐久性を向上させるためである。200nm未満では
トラップされるフッ素樹脂粒子が非常に少なくなり、し
かも粒径の小さいものしかトラップされず、耐候性およ
び撥水性の長期的な向上に結びつき難いためであり、4
00nmを超えると膜が白濁して見える。すなわち、透
明性を損なわない限界の細孔径である。よって、トラッ
プ効率の良い300nm前後の細孔径とする必要があ
る。
【0023】さらにまた、前記選択した化合物におい
て、平均分子量の異なる2つ以上の化合物を選択したの
は、被膜した薄膜の表層をマイクロピット状、凹凸状あ
るいは凸状とするためであり、混合する2種以上の化合
物の平均分子量は800〜8000(好ましくは200
0〜7000)と10000〜70000あるいは10
0000〜400000の組み合わせがよいものであ
る。
て、平均分子量の異なる2つ以上の化合物を選択したの
は、被膜した薄膜の表層をマイクロピット状、凹凸状あ
るいは凸状とするためであり、混合する2種以上の化合
物の平均分子量は800〜8000(好ましくは200
0〜7000)と10000〜70000あるいは10
0000〜400000の組み合わせがよいものであ
る。
【0024】前記選択した平均分子量の異なる2つ以上
の化合物が、異なる平均分子量であり、一つの化合物が
分子量800〜8000の低平均分子量の化合物であっ
て、他の一つ以上の化合物が分子量100000〜40
0000の高平均分子量の化合物であるとしたのは、分
子量が異なることによって、Si−O−Si(シロキサ
ン結合)を形成する速度と加水分解・縮重合反応速度が
異なり、結果、表面形状がフラットではなくマイクロピ
ットあるいは凹凸、凸形状となるためである。
の化合物が、異なる平均分子量であり、一つの化合物が
分子量800〜8000の低平均分子量の化合物であっ
て、他の一つ以上の化合物が分子量100000〜40
0000の高平均分子量の化合物であるとしたのは、分
子量が異なることによって、Si−O−Si(シロキサ
ン結合)を形成する速度と加水分解・縮重合反応速度が
異なり、結果、表面形状がフラットではなくマイクロピ
ットあるいは凹凸、凸形状となるためである。
【0025】一方、前記の平均分子量の制御は、コーテ
ィング溶液を調製する際において、触媒の種類(例えば
塩酸、硝酸、酢酸等)、その添加量すなわちPH値(例
えばPH=1〜6、好ましくは2〜4)および反応温度
(例えば20〜80℃、好ましくは25〜70℃)等に
よって、加水分解反応過程あるいは縮重合過程をコント
ロールすることにより行うものである。ただし、化合物
によってはそれぞれ反応時間等も異なり、必ずしもすべ
てに共通しない場合もあり得るものである。
ィング溶液を調製する際において、触媒の種類(例えば
塩酸、硝酸、酢酸等)、その添加量すなわちPH値(例
えばPH=1〜6、好ましくは2〜4)および反応温度
(例えば20〜80℃、好ましくは25〜70℃)等に
よって、加水分解反応過程あるいは縮重合過程をコント
ロールすることにより行うものである。ただし、化合物
によってはそれぞれ反応時間等も異なり、必ずしもすべ
てに共通しない場合もあり得るものである。
【0026】また、マイクロピット状表層、凹凸状表層
あるいは凸状表層のマイクロピットや凹凸や凸形状の制
御は、混合する2種以上の化合物の平均分子量が、80
0〜8000(好ましくは2000〜7000)と10
000〜70000あるいは100000〜40000
0である化合物の混合割合が、コーティング溶液の溶質
モル比(酸化物換算)で0.1〜30程度であり、0.
1未満あるいは30を超えると平坦な平面形状となるも
のである。なかでも1〜20程度が好ましく、より好ま
しくはマイクロピット状表層では2〜5.5程度、凹凸
状表層では5.5〜7程度、凸状では7〜15程度であ
る。
あるいは凸状表層のマイクロピットや凹凸や凸形状の制
御は、混合する2種以上の化合物の平均分子量が、80
0〜8000(好ましくは2000〜7000)と10
000〜70000あるいは100000〜40000
0である化合物の混合割合が、コーティング溶液の溶質
モル比(酸化物換算)で0.1〜30程度であり、0.
1未満あるいは30を超えると平坦な平面形状となるも
のである。なかでも1〜20程度が好ましく、より好ま
しくはマイクロピット状表層では2〜5.5程度、凹凸
状表層では5.5〜7程度、凸状では7〜15程度であ
る。
【0027】前記平均分子量の異なる2つ以上の化合物
の混合割合を、高平均分子量の化合物1molに対し
て、低平均分子量の化合物が0.1〜30molとした
のは、化合物(2種以上の平均分子量が異なる原料)の
混合割合と形成された膜の表面形状の関係は密接であ
り、混合割合で表面形状をマイクロピット、凹凸、凸に
制御できるためであり、低平均分子量の化合物の混合割
合が0.1mol未満だと形状はフラットであり、また
30molを超えるとやはり形状はフラットとなる。該
0.1〜30molの範囲で任意に形状を制御すること
ができる。
の混合割合を、高平均分子量の化合物1molに対し
て、低平均分子量の化合物が0.1〜30molとした
のは、化合物(2種以上の平均分子量が異なる原料)の
混合割合と形成された膜の表面形状の関係は密接であ
り、混合割合で表面形状をマイクロピット、凹凸、凸に
制御できるためであり、低平均分子量の化合物の混合割
合が0.1mol未満だと形状はフラットであり、また
30molを超えるとやはり形状はフラットとなる。該
0.1〜30molの範囲で任意に形状を制御すること
ができる。
【0028】また、前記コーティング溶液を1〜10c
Pに粘度調整することとしたのは、通常コーティング溶
液はアルコール類を溶媒とするため、その粘度は1〜2
cPである。10cPを超えるとコーティング後の焼成
段階で膜にクラックが発生したり透明性が損なわれりす
る。
Pに粘度調整することとしたのは、通常コーティング溶
液はアルコール類を溶媒とするため、その粘度は1〜2
cPである。10cPを超えるとコーティング後の焼成
段階で膜にクラックが発生したり透明性が損なわれりす
る。
【0029】また、前記相対湿度を、70〜80%とし
たのは、細孔径の大きさを制御するにはコーティング時
の膜の加水分解速度を制御する必要があるからである。
相対湿度が70%未満の場合、細孔は形成できてもその
径は例えば65%程度では数10nm〜100nm程度
である。また、80%を越えると径が例えば85%程度
では500nm程度となり、得られた膜が白化する。つ
まり、相対湿度と細孔径の大きさには相関関係があり、
目標とする300nm付近の径を得るには70〜80%
RH必要である。前記表層におけるそれぞれの大きさは
被膜する際の相対湿度により制御することができ、約7
0%の場合約200nm程度となり、約80%の場合約
400nm程度となる。
たのは、細孔径の大きさを制御するにはコーティング時
の膜の加水分解速度を制御する必要があるからである。
相対湿度が70%未満の場合、細孔は形成できてもその
径は例えば65%程度では数10nm〜100nm程度
である。また、80%を越えると径が例えば85%程度
では500nm程度となり、得られた膜が白化する。つ
まり、相対湿度と細孔径の大きさには相関関係があり、
目標とする300nm付近の径を得るには70〜80%
RH必要である。前記表層におけるそれぞれの大きさは
被膜する際の相対湿度により制御することができ、約7
0%の場合約200nm程度となり、約80%の場合約
400nm程度となる。
【0030】また、前記金属アルコキシド系化合物ある
いは金属アセチルアセトネート系化合物のアルコール溶
液中の濃度については、0.01wt%程度以上が好ま
しく、これ未満であれば均一な前記3種類の表面形状表
層を有する被膜を次第に形成し難くなり、他方、10w
t%程度を超えると、溶液が粘稠となり、前記3種類の
表層形状はあるものの、クラックの発現等があり、加え
て膜付け自体が困難となるものである。さらに本アルコ
ール溶液におけるアルコール溶媒としては、メチルアル
コール、イソプロピルアルコールあるいは1ーブタノー
ル等が採用できるものである。
いは金属アセチルアセトネート系化合物のアルコール溶
液中の濃度については、0.01wt%程度以上が好ま
しく、これ未満であれば均一な前記3種類の表面形状表
層を有する被膜を次第に形成し難くなり、他方、10w
t%程度を超えると、溶液が粘稠となり、前記3種類の
表層形状はあるものの、クラックの発現等があり、加え
て膜付け自体が困難となるものである。さらに本アルコ
ール溶液におけるアルコール溶媒としては、メチルアル
コール、イソプロピルアルコールあるいは1ーブタノー
ル等が採用できるものである。
【0031】さらにまた、ガラス基板への膜付け法とし
ては、ディッピング法、スプレー法、フローコート法あ
るいはスピンコート法等既知の塗布手段が適宜採用し得
るものである。また前記コーティング溶液を被膜後、1
層の薄膜を形成する毎に、約100℃程度の雰囲気温度
下で約30分間以内程度の乾燥を行い、前記3種類の表
層形状を有したゲル膜を形成することが好ましいもので
ある。
ては、ディッピング法、スプレー法、フローコート法あ
るいはスピンコート法等既知の塗布手段が適宜採用し得
るものである。また前記コーティング溶液を被膜後、1
層の薄膜を形成する毎に、約100℃程度の雰囲気温度
下で約30分間以内程度の乾燥を行い、前記3種類の表
層形状を有したゲル膜を形成することが好ましいもので
ある。
【0032】またさらに、本発明の3種類の表面形状表
層については、縮重合度の違いによる形成であって、膜
を強固にするための焼成(例えば約500℃以上)によ
っても消失することもなく、しかも独立したピット、凹
凸および凸状物が表面および基板との界面付近まで形成
されており、走査電子顕微鏡による1万倍で明確に観察
が可能である等、膜強度に優れるしかっりした前記3種
類の表面形状表層とできるものである。
層については、縮重合度の違いによる形成であって、膜
を強固にするための焼成(例えば約500℃以上)によ
っても消失することもなく、しかも独立したピット、凹
凸および凸状物が表面および基板との界面付近まで形成
されており、走査電子顕微鏡による1万倍で明確に観察
が可能である等、膜強度に優れるしかっりした前記3種
類の表面形状表層とできるものである。
【0033】なお、一般に金属酸化物被膜の表面に凹凸
状を形成する方法としては、例えば金属酸化物被膜をフ
ッ酸やフッ硝酸等でエッチングする方法、あるいは加熱
処理により燃焼分解する有機高分子を金属アルコキシド
溶液中に添加する方法等が知られている。
状を形成する方法としては、例えば金属酸化物被膜をフ
ッ酸やフッ硝酸等でエッチングする方法、あるいは加熱
処理により燃焼分解する有機高分子を金属アルコキシド
溶液中に添加する方法等が知られている。
【0034】ところが金属酸化物被膜をフッ酸やフッ硝
酸等でエッチングする方法では、エッチング用溶液であ
るフッ酸やフッ硝酸等が人体に対し極端に危険な物質で
あってその取り扱いが厄介で作業性が劣るとともに、エ
ッチング工程を付加することでの生産性の低下等があ
り、その構造上エッチングされ易い部分とされ難い部分
とがあって、エッチングされ易い部分がピット状のもの
となるので、どちらかと言えば連続的であり、膜厚もピ
ット制御も困難であり、前記倍率でのピット観察では観
察が困難である。
酸等でエッチングする方法では、エッチング用溶液であ
るフッ酸やフッ硝酸等が人体に対し極端に危険な物質で
あってその取り扱いが厄介で作業性が劣るとともに、エ
ッチング工程を付加することでの生産性の低下等があ
り、その構造上エッチングされ易い部分とされ難い部分
とがあって、エッチングされ易い部分がピット状のもの
となるので、どちらかと言えば連続的であり、膜厚もピ
ット制御も困難であり、前記倍率でのピット観察では観
察が困難である。
【0035】また例えば加熱処理により燃焼分解する有
機高分子を金属アルコキシド溶液中に添加する方法で
は、ゾルゲル膜での有機物、溶媒、水分の焼成等による
多孔質化では、通常250〜300℃付近の焼成で膜全
体が一度多孔質化するが、例えば400℃以上の加熱焼
成により一度形成されたマイクロピット状表面が緻密化
が起こるため、その加熱処理条件を種々制御する必要が
あるという制約があるとともに、この制約により頑固な
被膜を得ることが困難であり、例えば500℃以上で焼
成した場合、膜の緻密と硬化が起こり、無孔化も同時に
起こり、ピット状のものは膜表面および内部でなくな
り、走査電子顕微鏡では3〜5万倍で観察しても、表面
形状は平坦となる。
機高分子を金属アルコキシド溶液中に添加する方法で
は、ゾルゲル膜での有機物、溶媒、水分の焼成等による
多孔質化では、通常250〜300℃付近の焼成で膜全
体が一度多孔質化するが、例えば400℃以上の加熱焼
成により一度形成されたマイクロピット状表面が緻密化
が起こるため、その加熱処理条件を種々制御する必要が
あるという制約があるとともに、この制約により頑固な
被膜を得ることが困難であり、例えば500℃以上で焼
成した場合、膜の緻密と硬化が起こり、無孔化も同時に
起こり、ピット状のものは膜表面および内部でなくな
り、走査電子顕微鏡では3〜5万倍で観察しても、表面
形状は平坦となる。
【0036】よって、上記従来法のものに対し、本発明
の例えば600℃℃でもその状態を保持するマイクロピ
ット状表層、凹凸状表層あるいは凸状表層とでは明らか
に異なるものであった。
の例えば600℃℃でもその状態を保持するマイクロピ
ット状表層、凹凸状表層あるいは凸状表層とでは明らか
に異なるものであった。
【0037】また、前記フッ素樹脂としては、例えばポ
リテトラフルオロエチレン系(ポリフロンやルブロン:
商品名,ダイキン工業製)、テトラフルオロエチレンと
エチレンの共重合体系(ネオフロン:商品名,ダイキン
工業製)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプ
ロピレンの共重合体系、テトラフルオロエチレンとパー
フルオロアルキルビニルエーテルの共重合体系等の粒子
が採用できるものである。前記フッ素樹脂粒子の粒径と
しては、0.6μm以下、好ましくは0.1〜0.6μ
m、より好ましくは0.5〜0.1μmである。
リテトラフルオロエチレン系(ポリフロンやルブロン:
商品名,ダイキン工業製)、テトラフルオロエチレンと
エチレンの共重合体系(ネオフロン:商品名,ダイキン
工業製)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプ
ロピレンの共重合体系、テトラフルオロエチレンとパー
フルオロアルキルビニルエーテルの共重合体系等の粒子
が採用できるものである。前記フッ素樹脂粒子の粒径と
しては、0.6μm以下、好ましくは0.1〜0.6μ
m、より好ましくは0.5〜0.1μmである。
【0038】さらに、SiO2 に対する前記フッ素樹脂
の混合割合は、SiO2 に対して5〜450wt%であ
り、5wt%未満では撥水性能が付与できず、撥水性の
効果が充分発揮し難く、例えば水に対する接触角が60
〜70°程度であり、450wt%を超えても撥水性は
もはや向上しなくなり、水に対する接触角は110〜1
15°程度に留まり、それ以上良化しなくなり、実効が
得られないし、膜が柔らかくなるためである。また、前
記SiO2 とフッ素樹脂とからなる好ましい割合は、該
フッ素樹脂が該SiO2 に対して30〜300重量%で
ある。
の混合割合は、SiO2 に対して5〜450wt%であ
り、5wt%未満では撥水性能が付与できず、撥水性の
効果が充分発揮し難く、例えば水に対する接触角が60
〜70°程度であり、450wt%を超えても撥水性は
もはや向上しなくなり、水に対する接触角は110〜1
15°程度に留まり、それ以上良化しなくなり、実効が
得られないし、膜が柔らかくなるためである。また、前
記SiO2 とフッ素樹脂とからなる好ましい割合は、該
フッ素樹脂が該SiO2 に対して30〜300重量%で
ある。
【0039】さらにまた、少なくともSiO2 とフッ素
樹脂の特定した撥水層を形成するための溶液としては、
フッ素樹脂粒子あるいはフッ素樹脂粒子の懸濁液とシリ
カゾルの溶液から少なくともなり、該シリカゾル溶液と
してはシリコンのアルコキシドまたはモノメチルアルコ
キシドを加水分解、縮重合した溶液が用いられ、他種金
属、例えばAl、Zr、Tiなどのアルコキシドまたは
モノメチルアルコキシドまたはアセチルアセトネート塩
およびそれらの縮重合物が含有してもよいし、さらにア
ルコキシドまたはモノメチルアルコキシドとしては(モ
ノメチル)メトキシド、(モノメチル)エトキシド、
(モノメチル)イソブロポキシド、(モノメチル)n−
ブトキシドなど、またアセチルアセトネート塩としては
アセチルジルコニウム、アセチルアセトネートチタンな
どが好ましいものである。
樹脂の特定した撥水層を形成するための溶液としては、
フッ素樹脂粒子あるいはフッ素樹脂粒子の懸濁液とシリ
カゾルの溶液から少なくともなり、該シリカゾル溶液と
してはシリコンのアルコキシドまたはモノメチルアルコ
キシドを加水分解、縮重合した溶液が用いられ、他種金
属、例えばAl、Zr、Tiなどのアルコキシドまたは
モノメチルアルコキシドまたはアセチルアセトネート塩
およびそれらの縮重合物が含有してもよいし、さらにア
ルコキシドまたはモノメチルアルコキシドとしては(モ
ノメチル)メトキシド、(モノメチル)エトキシド、
(モノメチル)イソブロポキシド、(モノメチル)n−
ブトキシドなど、またアセチルアセトネート塩としては
アセチルジルコニウム、アセチルアセトネートチタンな
どが好ましいものである。
【0040】また、少なくともSiO2 とフッ素樹脂と
からなる溶液によって形成される膜厚としては、約10
nm以上であり、好ましくは20〜1000nm程度の
膜厚である。
からなる溶液によって形成される膜厚としては、約10
nm以上であり、好ましくは20〜1000nm程度の
膜厚である。
【0041】さらにまた、前記少なくともシリカゾル溶
液とフッ素樹脂粒子あるいはフッ素樹脂粒子の懸濁液を
混合してなる溶液を塗布し、前記焼き付け成膜する加熱
温度としては、100〜500℃程度である。また塗布
方法としては、前述した既存の方法で、各種方法にあっ
た粘度調製し被膜できることは言うまでもない。
液とフッ素樹脂粒子あるいはフッ素樹脂粒子の懸濁液を
混合してなる溶液を塗布し、前記焼き付け成膜する加熱
温度としては、100〜500℃程度である。また塗布
方法としては、前述した既存の方法で、各種方法にあっ
た粘度調製し被膜できることは言うまでもない。
【0042】またさらに、前記ガラス基板としては、無
機質の透明板ガラスであって、無色または着色、ならび
にその種類あるいは色調、形状等に特に限定されるもの
ではなく、さらに曲げ板ガラスとしてはもちろん、各種
強化ガラスや強度アップガラス、平板や単板で使用でき
るとともに、複層ガラスあるいは合せガラスとしても使
用できることは言うまでもない。
機質の透明板ガラスであって、無色または着色、ならび
にその種類あるいは色調、形状等に特に限定されるもの
ではなく、さらに曲げ板ガラスとしてはもちろん、各種
強化ガラスや強度アップガラス、平板や単板で使用でき
るとともに、複層ガラスあるいは合せガラスとしても使
用できることは言うまでもない。
【0043】
【作用】前述したとおり、本発明のマイクロピット状表
層、凹凸状表層あるいは凸状表層を有するゾルゲル膜を
中間層薄膜とし、特定したSiO2 とフッ素樹脂でなる
撥水性薄膜を被膜成膜した撥水性酸化物被膜を積層薄膜
とした撥水性ガラス、ならびにその製造方法により、前
記中間層薄膜は、高温焼成しても、緻密化することな
く、従来より独立性があって深見のある、明確でしっか
りしたマイクロピット状、凹凸状あるいは凸状表層とな
り、しかも該3種類の表面表層の形状とその径を制御で
き、付着性も向上し頑固な薄膜とすることでき、ガラス
基板との界面はもちろん、多層膜での膜と膜の界面にお
いても密着性を格段に向上せしめ、次いで被覆含浸した
特定した前記撥水性薄膜を埋め込めと被覆を複合せし
め、優れた耐候性、耐久性を有するものとなり、透明で
硬度が高い、しかも長期に亘り撥水性能はもちろん、光
学特性等も充分に満足できるものとでき、従来屋外では
使用でき難いものでも使用できるようになる等となり、
高安全性で厄介な工程なく、安価に効率よく得られるこ
ととなるものである。
層、凹凸状表層あるいは凸状表層を有するゾルゲル膜を
中間層薄膜とし、特定したSiO2 とフッ素樹脂でなる
撥水性薄膜を被膜成膜した撥水性酸化物被膜を積層薄膜
とした撥水性ガラス、ならびにその製造方法により、前
記中間層薄膜は、高温焼成しても、緻密化することな
く、従来より独立性があって深見のある、明確でしっか
りしたマイクロピット状、凹凸状あるいは凸状表層とな
り、しかも該3種類の表面表層の形状とその径を制御で
き、付着性も向上し頑固な薄膜とすることでき、ガラス
基板との界面はもちろん、多層膜での膜と膜の界面にお
いても密着性を格段に向上せしめ、次いで被覆含浸した
特定した前記撥水性薄膜を埋め込めと被覆を複合せし
め、優れた耐候性、耐久性を有するものとなり、透明で
硬度が高い、しかも長期に亘り撥水性能はもちろん、光
学特性等も充分に満足できるものとでき、従来屋外では
使用でき難いものでも使用できるようになる等となり、
高安全性で厄介な工程なく、安価に効率よく得られるこ
ととなるものである。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0045】実施例1
大きさ約100mmx100mm、厚さ約2mmのクリ
ア・フロートガラス基板を中性洗剤、水すすぎ、アルコ
ールで順次洗浄し、乾燥した後、アセトンで払拭し被膜
用ガラス基板とした。
ア・フロートガラス基板を中性洗剤、水すすぎ、アルコ
ールで順次洗浄し、乾燥した後、アセトンで払拭し被膜
用ガラス基板とした。
【0046】メチルトリメトキシシラン(平均分子量:
約3,000,固形分濃度:約30wt%)約20.0
g、シリコンエトキシド(平均分子量:約50,00
0,固形分濃度:約6wt%)約30gをビーカーに入
れ、低平均分子量の固形分/高平均分子量の固形分を約
3.5のmol比とし、イソプロピルアルコール約50
gならびに1ーブタノール約100gで希釈し、約15
時間攪拌してコーティング溶液を得た。
約3,000,固形分濃度:約30wt%)約20.0
g、シリコンエトキシド(平均分子量:約50,00
0,固形分濃度:約6wt%)約30gをビーカーに入
れ、低平均分子量の固形分/高平均分子量の固形分を約
3.5のmol比とし、イソプロピルアルコール約50
gならびに1ーブタノール約100gで希釈し、約15
時間攪拌してコーティング溶液を得た。
【0047】ついで、該溶液をディッピング法により前
記ガラス基板表面に、約23℃、相対湿度約80%の環
境で被膜し、約270℃で約10分間加熱して厚み約1
00nmのゲル膜を形成し、該ゲル膜の上に膜厚が約1
50nmのSiO2 薄膜を成膜した。該薄膜を走査電子
顕微鏡により、約2万倍の倍率で表面形状状態を観察し
たところ、径が約200〜300nm程度のマイクロピ
ット状表層となっていた。
記ガラス基板表面に、約23℃、相対湿度約80%の環
境で被膜し、約270℃で約10分間加熱して厚み約1
00nmのゲル膜を形成し、該ゲル膜の上に膜厚が約1
50nmのSiO2 薄膜を成膜した。該薄膜を走査電子
顕微鏡により、約2万倍の倍率で表面形状状態を観察し
たところ、径が約200〜300nm程度のマイクロピ
ット状表層となっていた。
【0048】次いで該マイクロピツト形状を有する基板
上に、あらかじめ、撥水層中のフッ素樹脂(ネオフロ
ン:ダイキン工業製)がシリカに対して100重量%と
なるように混合溶液(分散溶液)を調製したコーティン
グ液を、デイツピング法により塗布し、約400℃に設
定された電気炉中で約30分間焼成し、撥水処理を行っ
た。膜厚は約150nm程度であった。
上に、あらかじめ、撥水層中のフッ素樹脂(ネオフロ
ン:ダイキン工業製)がシリカに対して100重量%と
なるように混合溶液(分散溶液)を調製したコーティン
グ液を、デイツピング法により塗布し、約400℃に設
定された電気炉中で約30分間焼成し、撥水処理を行っ
た。膜厚は約150nm程度であった。
【0049】得られた積層薄膜付きガラス基板につい
て、下記の試験を行った。 (撥水性試験) 大気中(約25℃)での水に対する接触角を、協和界面
科学製CAーA型を用いて測定した。
て、下記の試験を行った。 (撥水性試験) 大気中(約25℃)での水に対する接触角を、協和界面
科学製CAーA型を用いて測定した。
【0050】(耐久性試験)
自動車用ワイパーブレードによる摺動耐久性により評価
した。条件;上水を滴下しながら、約105gの荷重を
かけて約10万回(往復を1回とする)の摺動を行い、
接触角の低下量で評価した。
した。条件;上水を滴下しながら、約105gの荷重を
かけて約10万回(往復を1回とする)の摺動を行い、
接触角の低下量で評価した。
【0051】その結果は、初期接触角が約110°で上
水10万回摺動後 接触角が約88°程度であり、所期
の性能を有するものであった。 (耐候性試験) キセノン照射により評価した。
水10万回摺動後 接触角が約88°程度であり、所期
の性能を有するものであった。 (耐候性試験) キセノン照射により評価した。
【0052】条件;約180w/m2 、1サイクル約1
80時間、最後の約25分間は温度20℃の上水をスプ
レーした。また照射時のガラス基板の表面温度は約53
℃程度であり、接触角の経時変化で評価した。
80時間、最後の約25分間は温度20℃の上水をスプ
レーした。また照射時のガラス基板の表面温度は約53
℃程度であり、接触角の経時変化で評価した。
【0053】その結果は、初期接触角が約110°であ
るものが、照射時間約2000時間後でも約110°程
度に留まり、所期の性能を有するものであった。実施例2 実施例1と同様なガラス基板に、実施例1のメチルトリ
メトキシシラン約30gと実施例1のシリコンエトキシ
ド約23.1gをビーカーに入れ、低平均分子量の固形
分/高平均分子量の固形分を約6.5のmol比とし、
他は実施例1と同様とした。その結果、実施例1と同様
の径の凹凸状表層となっていた。次いで実施例1と同様
に撥水処理を行った。ゲルの厚みは約100nm、撥水
層の厚みは約150nmであった。
るものが、照射時間約2000時間後でも約110°程
度に留まり、所期の性能を有するものであった。実施例2 実施例1と同様なガラス基板に、実施例1のメチルトリ
メトキシシラン約30gと実施例1のシリコンエトキシ
ド約23.1gをビーカーに入れ、低平均分子量の固形
分/高平均分子量の固形分を約6.5のmol比とし、
他は実施例1と同様とした。その結果、実施例1と同様
の径の凹凸状表層となっていた。次いで実施例1と同様
に撥水処理を行った。ゲルの厚みは約100nm、撥水
層の厚みは約150nmであった。
【0054】得られた積層薄膜付きガラス基板につい
て、実施例1と同様の評価を行ったところ、耐久性試験
は、初期接触角が約111°で上水10万回摺動後接触
角が約85°程度であり、耐候性試験は、初期接触角が
約111°であるものが、照射時間約2000時間後で
も約110°程度に留まり、所期の性能を有するもので
あった。
て、実施例1と同様の評価を行ったところ、耐久性試験
は、初期接触角が約111°で上水10万回摺動後接触
角が約85°程度であり、耐候性試験は、初期接触角が
約111°であるものが、照射時間約2000時間後で
も約110°程度に留まり、所期の性能を有するもので
あった。
【0055】比較例1
シリコンエトキシド(平均分子量:約100,000,
固形分濃度:約6wt%)を約200gをビーカーには
かりとり、そのままコーティング溶液とした。それ以外
は実施例1と同様とし、次いで実施例1と同様に撥水処
理を行った。
固形分濃度:約6wt%)を約200gをビーカーには
かりとり、そのままコーティング溶液とした。それ以外
は実施例1と同様とし、次いで実施例1と同様に撥水処
理を行った。
【0056】得られた膜のSiO2 膜の表面表層の形状
は平坦であって、耐久性試験は初期接触角が約110°
で上水10万回摺動後接触角が約70°程度であり、耐
候性試験は初期接触角が約110°であるものが、照射
時間約2000時間後で約110°程度になり、所期の
ものとは到底言えないものであった。
は平坦であって、耐久性試験は初期接触角が約110°
で上水10万回摺動後接触角が約70°程度であり、耐
候性試験は初期接触角が約110°であるものが、照射
時間約2000時間後で約110°程度になり、所期の
ものとは到底言えないものであった。
【0057】比較例2
比較例1と同様にして、得られた試料を約0.2wt%
HF水溶液で約5分間表面処理を施した。次いで実施例
1と同様に撥水処理を行った。
HF水溶液で約5分間表面処理を施した。次いで実施例
1と同様に撥水処理を行った。
【0058】HF処理後の膜表面表層は実施例2と同様
に凹凸状になっていた。得られたものは、耐久性試験は
初期接触角が約112°で上水10万回摺動後接触角が
約72°程度であり、耐候性試験は初期接触角が約11
1°であるものが、照射時間約2000時間後で約11
1°程度になり、比較例1と同様に、到底所期のものと
は言えないものであった。
に凹凸状になっていた。得られたものは、耐久性試験は
初期接触角が約112°で上水10万回摺動後接触角が
約72°程度であり、耐候性試験は初期接触角が約11
1°であるものが、照射時間約2000時間後で約11
1°程度になり、比較例1と同様に、到底所期のものと
は言えないものであった。
【0059】
【発明の効果】以上前述したように、本発明の撥水性ガ
ラスおよびその製造方法によれば、手軽に容易な膜形成
手段でもって被膜を安価に効率よく得られ、該被膜にお
いて制御した特異な形状、径を有する頑固なマイクロピ
ット状、凹凸状あるいは凸状となる表層を有する金属酸
化物薄膜を得て中間層とし、特定した撥水性酸化物薄膜
を含浸被覆し埋め込み被覆したことにより、格段にその
性能を発揮して、光学特性を損なうことなく、撥水性、
密着性、耐擦傷性、耐久性ならびに耐候性等に優れるも
のとなる等、建築用もしくは自動車用窓材をはじめ、各
種ガラス物品等、ことに自動車等の窓材におけるワイパ
ー摺動部において好適に採用できる、有用な撥水性ガラ
スおよびその製造方法を提供するものである。
ラスおよびその製造方法によれば、手軽に容易な膜形成
手段でもって被膜を安価に効率よく得られ、該被膜にお
いて制御した特異な形状、径を有する頑固なマイクロピ
ット状、凹凸状あるいは凸状となる表層を有する金属酸
化物薄膜を得て中間層とし、特定した撥水性酸化物薄膜
を含浸被覆し埋め込み被覆したことにより、格段にその
性能を発揮して、光学特性を損なうことなく、撥水性、
密着性、耐擦傷性、耐久性ならびに耐候性等に優れるも
のとなる等、建築用もしくは自動車用窓材をはじめ、各
種ガラス物品等、ことに自動車等の窓材におけるワイパ
ー摺動部において好適に採用できる、有用な撥水性ガラ
スおよびその製造方法を提供するものである。
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フロントページの続き
(72)発明者 荒井 宏明
三重県松阪市大口町1510 セントラル硝
子株式会社 テクニカルセンター内
(72)発明者 浜口 滋生
三重県松阪市大口町1510 セントラル硝
子株式会社 テクニカルセンター内
(72)発明者 中村 一郎
神奈川県横浜市神奈川区宝町2 日産自
動車株式会社内
(72)発明者 上村 隆三
神奈川県横浜市神奈川区宝町2 日産自
動車株式会社内
(56)参考文献 特開 平6−329442(JP,A)
特開 平6−16455(JP,A)
特開 平5−319869(JP,A)
特開 平5−213633(JP,A)
特開 平5−147976(JP,A)
特開 平4−124047(JP,A)
特開 昭62−3046(JP,A)
特開 昭61−10043(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C03C 15/00 - 23/00
C09K 3/18
B32B 1/00 - 35/00
Claims (8)
- 【請求項1】 撥水層が少なくともSiO2 とフッ素樹
脂とからなる撥水性ガラスにおいて、該フッ素樹脂が該
SiO2 に対して5〜450重量%であり、さらに該ガ
ラス基板と撥水層の間に中間層として、マイクロピット
状表層または凹凸状表層、あるいは凸状表層であるゾル
ゲル膜を形成してなることを特徴とする撥水性ガラス。 - 【請求項2】 前記マイクロピット状表層または凹凸状
表層、あるいは凸状表層が、該マイクロピットや凹凸や
凸が200〜400nmの径であることから成るゾルゲ
ル膜を中間層としたことを特徴とする請求項1記載の撥
水性ガラス。 - 【請求項3】 ガラス基板上に、金属アルコキシド系化
合物および金属アセチルアセトネート系化合物のなかか
ら選ばれる少なくとも1種以上の化合物であって、平均
分子量の異なる2つ以上の化合物を選択し、該2つ以上
の化合物の混合割合の調整を行い、溶剤とともに混合し
てコーティング溶液とし、該溶液を被覆し、100℃以
上の温度で加熱成膜して成るゾルゲル膜を形成し、該ゾ
ルゲル膜上に、少なくともシリカゾル溶液とフッ素樹脂
粒子あるいはフッ素樹脂粒子の懸濁液を混合してなる溶
液を塗布して焼き付け成膜することで撥水層膜を被覆形
成することを特徴とする撥水性ガラスの製造方法。 - 【請求項4】 コーティング溶液を被覆する際に相対湿
度を70〜80%の範囲にコントロールすることを特徴
とする請求項3記載の撥水性ガラスの製造方法。 - 【請求項5】 前記選択した平均分子量の異なる2つ以
上の化合物は、一つの化合物が分子量800〜8000
の低平均分子量の化合物であって、他の一つ以上の化合
物が分子量100000〜400000の高平均分子量
の化合物であることから成るゾルゲル膜を中間層とした
ことを特徴とする請求項3又は4記載の撥水性ガラスの
製造方法。 - 【請求項6】 前記選択する平均分子量の異なる2つ以
上の化合物の混合割合の調整が、高平均分子量の化合物
1molに対して、低平均分子量の化合物が0.1〜3
0molであることから成るゾルゲル膜を中間層とした
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の撥
水性ガラスの製造方法。 - 【請求項7】 前記コーティング溶液を、1〜10cP
に粘度調整することでゾルゲル膜を形成することを特徴
とする請求項3乃至6のいずれかに記載の撥水性ガラス
の製造方法。 - 【請求項8】 前記コーティング溶液の金属アルコキシ
ド系化合物又は金属アセチルアセトネート系化合物の濃
度が0.01〜10wt%であることでゾルゲル膜を形
成することを特徴とする請求項3乃至7のいずれかに記
載の撥水性ガラスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12928393A JP3426284B2 (ja) | 1993-05-31 | 1993-05-31 | 撥水性ガラスおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12928393A JP3426284B2 (ja) | 1993-05-31 | 1993-05-31 | 撥水性ガラスおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06340451A JPH06340451A (ja) | 1994-12-13 |
JP3426284B2 true JP3426284B2 (ja) | 2003-07-14 |
Family
ID=15005759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12928393A Expired - Fee Related JP3426284B2 (ja) | 1993-05-31 | 1993-05-31 | 撥水性ガラスおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3426284B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000144056A (ja) | 1998-11-10 | 2000-05-26 | Ikuo Narisawa | 水滴滑落性に優れた表面処理基材及びその製造方法 |
WO2008139598A1 (en) * | 2007-05-01 | 2008-11-20 | Kazufumi Ogawa | A water repellent glass plate, manufacturing method thereof, and a vehicle or a paned window using the same |
WO2009075040A1 (en) | 2007-12-12 | 2009-06-18 | Kazufumi Ogawa | Solar energy utilization device and method for manufacturing the same |
WO2013156617A1 (de) * | 2012-04-20 | 2013-10-24 | Schott Ag | Verbundmaterial mit dekorativer beschichtung sowie verfahren zu dessen herstellung |
KR101805692B1 (ko) * | 2015-04-08 | 2018-01-09 | (주)누오스지유아이 | 초발수 초발유 표면 형성 방법 및 그 제조 물체 |
-
1993
- 1993-05-31 JP JP12928393A patent/JP3426284B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06340451A (ja) | 1994-12-13 |
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