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JP3424468B2 - ブレ補正装置及びカメラ - Google Patents

ブレ補正装置及びカメラ

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Publication number
JP3424468B2
JP3424468B2 JP31999796A JP31999796A JP3424468B2 JP 3424468 B2 JP3424468 B2 JP 3424468B2 JP 31999796 A JP31999796 A JP 31999796A JP 31999796 A JP31999796 A JP 31999796A JP 3424468 B2 JP3424468 B2 JP 3424468B2
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Japan
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JP31999796A
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Inventor
大 新谷
敏彦 廣田
英喜 長田
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ミノルタ株式会社
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Filing date
Publication date
Application filed by ミノルタ株式会社 filed Critical ミノルタ株式会社
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Publication of JPH10161168A publication Critical patent/JPH10161168A/ja
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  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)
  • Indication In Cameras, And Counting Of Exposures (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被写体像のブレを
光学的に補正するブレ補正装置及びカメラに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】上記ブレ補正装置は、一般に、光軸変更
可能なブレ補正用のレンズを設けるとともに、装置ブレ
に基づく被写体像のブレ方向及びブレ量(以下、これら
の情報をブレ情報という。)を検出するセンサを設け、
このセンサで検出されたブレ情報に基づきブレ補正用の
レンズの光軸を変更して被写体像のブレをキャンセルす
るように構成されている。また、ブレ補正装置を備えた
カメラにおいては、上記センサで検出されたブレ情報
は、ファインダー内の表示部やカメラ本体に設けられた
表示部に表示され、カメラブレの状態が視認できるよう
になされている。
【0003】例えば特開平7−218958号公報に
は、角加速度検出センサの出力に基づき手振れ量を算出
し、この算出結果をLEDからなる振れ状態表示器に表
示するカメラが示されている。このカメラでは、手振れ
量に応じてLEDの点滅速度を変化させ、この点滅速度
により手振れの状態が確認できるようになっている。
【0004】また、特開平5−313241号公報に
は、角加速度センサによりブレの方向とブレ量とを検出
し、この検出結果をベクトル表示するブレ表示装置が示
されている。このブレ表示装置は、複数のLEDをマト
リックス状に配列してなる表示部を有し、検出されたブ
レ方向に対応する方向に配置されたLEDをブレ量に応
じた所定の個数だけ点灯させることによりブレをベクト
ル表示するようになっている。
【0005】更に、特開平6−18973号公報には、
シャッタボタン半押しの撮影準備中に、カメラブレのブ
レ量を検出し、この検出結果をシャッタスピード、焦点
距離、露出制御値、露出補正値等の撮影情報を示す表示
部を利用して表示するブレ補正カメラが示されている。
このブレ補正カメラでは、撮影情報の表示部が撮影情報
を示す目盛とこの目盛に対応して設けられたセグメント
群とからなり、このセグメント群を利用して、検出され
たカメラブレのブレ量がレベル表示されるようになって
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ブレ量検出
値の表示は、ブレ防止策の要否を判断する上では有意義
であるが、例えばブレ補正機能を有するカメラにおいて
は、実際に生じているブレがブレ補正機能によりどの程
度補正されるのかが確認できると、ブレ量に応じた好適
なブレ防止策を講じることができ、より有意義である。
【0007】しかし、上記従来のブレ表示装置は、いず
れもブレ量検出値を表示することにより実際に生じてい
るブレの状態を表示するものであり、ブレ補正機能によ
りそのブレを補正したときの被写体像のブレ補正残り量
の予測値を表示するものは提案されていない。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、ブレ補正機能のブレ補正効果を確認することの
できるブレ補正装置及びカメラを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、被写体像のブレに関する情報を検出し、この検出結
果に基づき上記被写体像のブレの光学的な補正を行なう
ブレ補正装置において、検出された上記被写体像のブレ
に関する情報を用いてブレ補正後の上記被写体像のブレ
補正残り量の予測値を演算する演算手段と、演算された
ブレ補正残り量の予測値を表示するブレ補正残り量表示
手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】請求項4に記載の発明は、被写体像のブレ
に関する情報を検出し、この検出結果に基づき上記被写
体像のブレの光学的な補正を行なうカメラにおいて、検
出された上記被写体像のブレに関する情報を用いてブレ
補正後の上記被写体像のブレ補正残り量の予測値を演算
する演算手段と、演算されたブレ補正残り量の予測値を
表示するブレ補正残り量表示手段とを備えたことを特徴
とする。
【0011】上記請求項1または請求項4の構成によれ
ば、被写体像のブレに関する情報(ブレ方向及び各ブレ
方向におけるブレ量)が検出され、この検出結果に基づ
き上記被写体像のブレが光学的に補正される。このブレ
補正処理においては、上記ブレに関する情報を用いて光
学的なブレ補正後の上記被写体像のブレ補正残り量の予
測値が算出され、この算出結果が表示される。このブレ
補正残り量の予測値の表示により使用者はブレ補正の効
果を確認することができる。
【0012】請求項2に記載の発明は、上記ブレ補正装
置において、検出された上記被写体像のブレに関する情
報を表示するブレ情報表示手段を備えたことを特徴とす
る。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項4記載の
カメラにおいて、検出された上記被写体像のブレに関す
る情報を表示するブレ情報表示手段を備えたことを特徴
とする。
【0014】上記請求項2または請求項5の構成によれ
ば、ブレ補正後のブレ補正残り量の予測値の表示に加え
て、検出されたブレに関する情報が表示される。これに
より使用者は、実際に生じているブレの状態と光学的な
ブレ補正後の状態とを確認することができる。
【0015】なお、請求項3または請求項6に記載の発
明のように、上記ブレ補正残り量表示手段と上記ブレ情
報表示手段とは一の表示部を兼用するようにするとよ
い。
【0016】上記請求項3または請求項6の構成によれ
ば、ブレ情報とブレ補正後のブレ補正残り量の予測値と
は一の表示部を兼用して表示される。これにより実際に
生じているカメラブレの状態と光学的なブレ補正後の状
態とを同時に比較して確認することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係るブレ補正装置につい
て、ブレ補正装置を備えたカメラを例に説明する。
【0018】図1は、本発明に係るブレ補正装置を備え
たカメラの外観を示す正面斜視図であり、図2は、同カ
メラの背面図である。
【0019】カメラ1は、カメラブレによる撮影画像の
ブレを補正して撮影することのできるブレ補正機能を有
している。カメラ1は、カメラ本体2の正面略中央にズ
ームレンズからなる撮影レンズ3を有し、この撮影レン
ズ3の内部に、後述するブレ補正用の光学系が設けられ
ている。また、撮影レンズ3のレンズ系内には複数枚の
シャッタ羽根を組み合わせてなるレンズシャッタが設け
られている。
【0020】カメラ本体2の正面であって撮影レンズ3
の上部に測距窓5が設けられ、この測距窓5の左側に測
光窓4が設けられている。また、測距窓5の右側にファ
インダー対物窓6が設けられ、更にその右側にズーム連
動タイプの内蔵フラッシュ7が設けられている。
【0021】カメラ本体2の測光窓4の後方位置には、
SPC等から成る受光素子を備えた測光回路が設けら
れ、この受光素子により被写体からの光を受光して被写
体の輝度が検出されるようになっている。また、カメラ
本体2の測距窓5の後方位置には、一対のラインイメー
ジセンサからなる受光素子を備えた位相差検出方式の測
距回路が設けられ、被写体からの光を受光素子で受光し
て被写体までの距離が検出されるようになっている。
【0022】また、カメラ本体2のファインダー対物窓
6の後方位置には、被写体光像をカメラ本体2の背面に
設けられたファインダー接眼窓10に導くファインダー
光学系が設けられている。ファインダー光学系内には、
露光面における被写体光像のカメラブレに関する情報
(ブレ方向及びブレ量の情報)を検出するためのCCD
エリアセンサからなるセンサが設けられている。また、
ファインダー光学系内には視野枠やカメラブレしている
被写体光像(以下、ブレ画像という。)のブレ補正に関
する情報を表示する表示部が設けられている。
【0023】図3は、ファインダー内の表示部の一例を
示す図である。
【0024】表示部は、視野枠Kの下部及び左右の両側
部に設けられ、視野枠Kの下部に設けられた表示エリア
A1には、AF(自動調節)、AE(自動露出調節)及
びフラッシュ発光に関する情報が表示され、視野枠Kの
右側部の表示エリアA2にはブレ補正の有無に関する情
報が表示され、視野枠Kの左下隅部に設けられた表示エ
リアA3,A4には、後述するブレ量検出回路により検
出されたブレ画像のブレ量(以下、ブレ量検出値とい
う)及びブレ補正後のブレ補正残り量(ブレ補正前のブ
レ量とブレ補正によって低減されるブレ量との差)の予
測値が表示される。
【0025】表示エリアA2には、LED表示P1,P
2,P3とシンボルマーク表示SP1,SP2とが設け
られている。LED表示P1は、後述するブレ補正モー
ドが設定されていることを示す表示であり、LED表示
P2は、ブレ補正モードが解除されていることを示す表
示である。また、LED表示P3は、ブレ補正不可を示
す表示であり、シンボルマーク表示SP1,SP2は、
それぞれブレ補正不可の原因を示す表示である。すなわ
ち、シンボルマーク表示SP1は、ブレ量が過大でブレ
補正が有効に行えないことを示し、シンボルマーク表示
SP2は、電源電池の電圧が低すぎてブレ補正動作が行
えないことを示すものである。そして、ブレ補正の有無
に関する情報は、これらのLED表示P1,P2,P3
及びシンボルマーク表示SP1,SP2を点灯すること
により行なわれる。
【0026】表示エリアA3,A4には複数個のLED
をライン状に配列してなるレベル表示部が設けられてい
る。表示エリアA3はX方向のブレ量検出値及びブレ補
正残り量をレベル表示するものであり、表示エリアA4
はY方向のブレ量検出値及びブレ補正残り量をレベル表
示するものである。
【0027】表示エリアA3,A4に設けられたレベル
表示部は、図4に示すように、3つの領域L1,L2,
L3に分割され、各各領域L1,L2,L3は、それぞ
れ黄色、緑色、赤色で表示されるようになっている。
【0028】領域L1は、ブレ量がブレ補正を要しない
程度に微小である領域である。表示されたブレ量検出値
のピーク値が領域L1にあるときは、現在発生している
カメラブレの写真撮影に与える影響が問題とならない程
度に小さいことを示し、表示されたブレ補正残り量のピ
ーク値が領域L1にあるときは、ブレ補正により被写体
光像のブレが写真撮影に悪影響を与えない程度に抑制さ
れることを示している。
【0029】領域L2は、ブレ量がブレ補正を要し、か
つ、ブレ補正可能な中程度の領域である。表示されたブ
レ量検出値のピーク値が領域L2にあるときは、現在発
生しているカメラブレの写真撮影に与える影響が問題と
なる程大きいことを示すともに、ブレ補正を行なうこと
によりそのブレ量を領域L1にまで抑制できることを示
し、表示されたブレ補正残り量のピーク値が領域L2に
あるときは、ブレ補正によっても被写体光像のブレが写
真撮影に悪影響を与え、ブレ補正機能以外によるカメラ
ブレ対策が必要であることを示す。
【0030】領域L3は、ブレ量がブレ補正できない程
度に過大である領域である。表示されたブレ量検出値の
ピーク値が領域L3にあるときは、現在発生しているカ
メラブレのブレ量が過大で、正常にブレ補正できないこ
とを示している。この表示は、撮影者にカメラ固定、露
出制御値の変更、フラッシュ発光等の他の方法によるカ
メラブレ対策が必要であることの警告表示ともなってい
る。なお、表示されたブレ量検出値のピーク値が領域L
3にあるときは、露出制御において、光学的なブレ補正
が行なわれないので、ブレ補正残り量の算出及びその表
示も行なわれず、従って、通常、表示されたブレ補正残
り量のピーク値が領域L3に入ることはない。
【0031】ブレ量検出値及びブレ補正残り量は、例え
ば図5(a)に示すように、ブレ量に対応する複数のL
EDドットP4を点灯することによりレベル表示され
る。なお、同図(b)に示すように、ブレ量のピーク値
に対応する1個のLEDドットP5のみを点灯すること
によりピーク値表示するようにしてもよい。この場合
は、ブレ量検出値及びブレ補正残り量を別々に表示して
もよいが、図6に示すように、同時に示すようにしても
よい。このようにすると、ブレ補正の効果を容易に確認
することができる利点がある。
【0032】なお、図5,図6において、白抜きのLE
Dドットは、消灯状態を示し、点描のLEDドットは点
灯状態を示している。図6においては、ブレ補正残り量
のピーク値はLEDドッドP6により表示され、ブレ量
検出値のピーク値はLEDドットP7により表示されて
いる。
【0033】また、表示領域A3,A4のレベル表示
を、図7に示すように、2段構成にし、上段にブレ量検
出値を表示し、下段にブレ補正残り量を表示するように
してもよい。この場合も図8(a)に示すレベル表示や
同図(b)に示すピーク値表示を行なうことができる。
この表示方法はブレ量検出値とブレ補正残り量との比較
が容易で、ブレ補正効果の確認を迅速に行なうことがで
きる。なお、図8において、白抜きのLEDドットは、
消灯状態を示し、点描のLEDドットは点灯状態を示し
ている。
【0034】本実施の形態では、レベル表示部を複数の
LEDドットを直線状に配列して構成しているが、円形
に配列に構成してもよい。円形のレベル表示部では、ブ
レ量検出値及びブレ補正残り量は、点灯されたLEDド
ット群の先端もしくはピーク値表示のLEDドットの角
度位置でその大きさが判別されることになる。この表示
方法は、帯状の表示スペースがない場合に適用すること
ができる。
【0035】また、本実施の形態では、ブレ量検出値及
びブレ補正残り量を定量的に表示するようにしている
が、撮影者にとってはこの定量値が具体的に撮影にどの
程度影響を与えるのかという方がより有意義であるの
で、ブレ量検出値及びブレ補正残り量をブレ画像の状態
に変換し、定性的に表示するようにしてもよい。
【0036】ブレ画像の状態表示方法としては、例えば
図形や文字等のシンボルマークの輪郭の明瞭度により表
示する方法が考えられる。例えばLCD表示部11(図
2参照)にブレ画像の状態表示部を設け、ブレ量検出値
及びブレ補正残り量のブレ量に応じてシンボルマークの
ドット表示密度を変化させてマークの輪郭の明瞭度を変
化させたり、LCD表示部11に2つの同一形状のシン
ボルマークを表示させ、他方のシンボルマークに対する
一方のシンボルマークの表示位置をブレ量検出値及びブ
レ補正残り量のブレ量に応じてずらせるようにしてもよ
い。
【0037】あるいは、シンボルマークの線の太さを可
変にし、ブレ画像のブレが大きくなるのに応じてシンボ
ルマークの線の太さを大きくしてブレ画像の輪郭線の不
明瞭の度合いをイメージできるようにしてもよい。
【0038】これらの場合、例えばシンボルマークの形
状を矩形状にし、X方向のブレ量に応じて縦線の太さを
変化させ、Y方向のブレ量に応じて横線の太さを変化さ
せるようにすれば、両方向についてそれぞれブレ画像の
状態を表示させることができる。
【0039】図1に戻り、カメラ本体2の左側部にはグ
リップ部2aが設けられ、カメラ本体2の上面、グリッ
プ部2aの上方位置にシャッタボタン8が設けられてい
る。シャッタボタン8は、半押しでオンになるS1スイ
ッチ(図9参照)と全押しでオンになるS2スイッチ
(図9参照)の操作部材である。S1スイッチは、撮影
準備を指示するスイッチであり、S1スイッチがオンに
なると、測光回路により被写体輝度が検出されるととも
に、この検出結果に基づいて露出制御値(絞り値及びシ
ャッタスピードの制御値)が演算される。また、測距回
路により被写体距離が検出され、この検出結果に基づい
てAF制御が行われる。また、電源電池についてブレ補
正ができるか否かのチェック(以下、バッテリーチェッ
クという。)が行われ、このチェック結果が表示エリア
A2に表示される。
【0040】また、カメラ本体2の上面の右側部にブレ
補正モードを設定するブレ補正モード設定ボタン9が設
けられている。ブレ補正モードとは、カメラブレが生じ
ている場合にブレ画像を補正して撮影するモードであ
る。撮影者によりブレ補正モードを選択設定するように
しているのは、ブレ効果を狙って意図的にブレ画像を撮
影する場合があることを考慮したものである。
【0041】ブレ補正モード設定ボタン9を操作する
と、ブレ補正スイッチSB(図9参照)がオンになり、
その操作情報はカメラの撮影動作を集中制御する制御部
20(図9参照)に入力される。カメラ起動時にはブレ
補正モードは「OFF」に初期設定されており、ブレ補
正スイッチSBのオン信号が入力される毎に、ブレ補正
モードは「ON」と「OFF」とが交互に切換設定さ
れ、ファインダー内の表示部の対応するLED表示P
1,P2が点灯される。
【0042】カメラ本体2の背面の左側上部にファイン
ダー接眼窓10が設けられ、略中央にLCDからなる表
示部11が設けられている。LCD表示部11は、カメ
ラの撮影に関する各種情報(露出制御値、電池容量、フ
ラッシュ発光、撮影モード、フィルム感度、ブレ補正の
有無等の各種情報)を表示するものである。このLCD
表示部11の下方位置には撮影モード(セルフタイマー
撮影、連写撮影等のモード)の選択、フラッシュ発光モ
ードの選択、赤目軽減の有無、撮影シーンの選択等のた
めの操作ボタン12が設けられ、LCD表示部11の上
方位置にメインスイッチ13が設けられている。また、
カメラ本体2の背面の右側上部にズームスイッチ14が
設けられ、このズームスイッチ14を操作して撮影レン
ズ3のズーム比が変更される。
【0043】更に、カメラ本体2の右端部に電池収納室
15が設けられ、この電池収納室15に電源電池Eがセ
ットされる。電源電池Eは、フラッシュ発光、AE/A
F及び露出等の各種制御動作の電源供給源であるととも
に、カメラブレに関する情報の検出及びブレ補正用の光
学系の駆動のための電源供給源である。
【0044】図9は、本発明に係るブレ補正装置を備え
たカメラのブロック構成図である。
【0045】同図において、制御部20は、AF、A
E、露出制御及びブレ補正等のカメラ1の一連の撮影動
作を集中制御するマイクロコンピュータである。制御部
20は、ブレ補正を行なうためのX方向のブレ補正レン
ズ32とY方向のブレ補正レンズ33の駆動制御値を算
出するブレ補正制御値演算部201、ブレ補正レンズ3
2,33によりブレ補正したときの露光面における被写
体光像のブレ補正残り量の予測値を算出するブレ補正残
り量演算部202及びこれらの演算を行なうために必要
なデータや演算結果を記憶するメモリ203とを有し、
ファインダー内の表示部361の表示エリアA3,A4
に現在のカメラブレの状態とブレ補正機能により改善さ
れたカメラブレの状態(予測値)とを表示する機能を備
えている。
【0046】制御部20は、露出制御において、後述す
るブレ量検出回路31により検出されたX方向及びY方
向のブレ量ξx,ξyが入力される毎に、ブレ補正制御
値演算部201でこの検出結果に基づきブレ補正を行な
うためのブレ補正レンズ32,33の駆動制御値をそれ
ぞれ算出し、X方向の駆動制御値をX方向ブレ補正モー
タの制御回路34に、また、Y方向の駆動制御値をY方
向ブレ補正モータの制御回路35に出力し、露光面にお
ける被写体光像のブレを光学的に補正する。
【0047】また、制御部20は、例えばシャッタボタ
ン9の半押し状態の撮影準備中において、ブレ量検出回
路31により検出されたX方向及びY方向のブレ量ξ
x,ξyが入力される毎に、この検出値を表示制御回路
36に出力して、現在のカメラブレの状態を表示する一
方、ブレ補正残り量演算部202で予め設定された演算
式によりこの検出結果を用いてブレ補正レンズ32,3
3によりブレ補正したときの露光面における被写体光像
のブレの予測値(ブレ補正残り量の予測値)を算出し、
その算出結果を表示制御回路36に出力してブレ補正効
果をファインダー内の表示部361に表示する。
【0048】なお、上記ブレ補正残り量の演算及びブレ
補正前後のブレ量の表示の詳細は後述する。
【0049】測光回路21は被写体輝度を検出する回路
であり、測距回路22は被写体距離を検出する回路であ
る。制御部20は、検出された被写体輝度に基づき露出
制御値を設定するとともに、検出された被写体距離に基
づき撮影レンズ3のAF制御値を設定する。
【0050】また、FL発光制御回路23は、内蔵フラ
ッシュ7の発光を制御する回路である。FL発光制御回
路23は、制御部20から入力される所定の発光タイミ
ングで、制御部20から入力される発光量に基づき内蔵
フラッシュ7を所定の発光量で発光させる。また、赤目
軽減モードが設定されているときは、露出制御の開始直
前に内蔵フラッシュ7を所定回数だけ点滅発光させる。
【0051】また、Zモータ制御回路24は、撮影レン
ズ3内のズームレンズ25の駆動を制御する回路であ
る。Zモータ制御回路24にはズームスイッチ14の操
作方向及び操作量に基づき制御部20で生成された駆動
信号が入力され、Zモータ制御回路24はこの駆動信号
に基づきズームレンズ25の駆動を制御する。AFモー
タ制御回路26は、撮影レンズ3内のフォーカスレンズ
27の駆動を制御する回路である。AFモータ制御回路
26は、制御部20から入力されるAF制御値に基づき
フォーカスレンズ27の駆動を制御して自動的に撮影レ
ンズ3の焦点調節を行う。
【0052】絞り・シャッタ制御回路28は、レンズシ
ャッタ29の開口径及び開閉駆動を制御する回路であ
る。絞り・シャッタ制御回路28は、制御部20から入
力される露出制御値に基づきレンズシャッタ29の最大
開口径を設定し、所定のタイミングでレンズシャッタ2
9の開閉動作を行う。
【0053】また、電源電池Eは、電池収納室15に収
納されたカメラ1のメイン電源であり、電圧検出回路3
0は、電源電池Eの電圧を検出する回路である。電圧検
出回路30は、例えば電源電池Eに並列接続された2個
の高抵抗の直列回路から成り、電源電池Eの電圧を抵抗
分割して検出し、この検出値を制御部20に入力する。
【0054】制御部20は、起動時やS1スイッチによ
る撮影準備動作開始時に電圧検出回路30から入力され
る検出電圧により電源電池Eのバッテリーチェックを行
い、撮影制御の可否を判断する。また、ブレ補正モード
設定ボタン9によりブレ補正モードが設定されていると
きは、ブレ補正スイッチSBやS1スイッチがオンにな
ると、電圧検出回路30から入力される検出電圧により
電源電池Eのバッテリーチェックを行い、光学的なブレ
補正の可否を判断する。
【0055】電池電圧の最大レベルをVmax、ブレ補正
用レンズの安定駆動可能な最小レベルをVB、撮影可能
な電池電圧の最小レベルをVminとすると、ブレ補正モ
ードが設定されているとき、制御部20は、検出電圧V
がVB<V≦Vmaxであれば、ブレ量検出回路31によ
りブレ量を検出し、その検出結果に基づくブレ補正の可
否の判別結果を表示するとともに、ブレ補正が可能であ
れば、露出制御時にはブレ補正を行う。一方、検出電圧
VがVmin<V≦VBであれば、ブレ量の検出結果に基
づくブレ補正の可否の判別結果のみの表示を行ない、光
学的なブレ補正を行わない。
【0056】ブレ量検出回路31は、カメラブレに基づ
く露光面における撮影画像のブレ量を検出するものであ
る。ブレ補正用のレンズは、後述するように、互いに直
交するX方向とY方向とにそれぞれ変位可能な1組のレ
ンズ32,33(以下、ブレ補正レンズという。)から
構成されているので、上記ブレ量はX方向及びY方向の
それぞれについて検出される。検出されたブレ量は制御
部20に入力され、このブレ量に基づいてブレ補正レン
ズ32,33の駆動制御値が算出される。
【0057】図10は、ブレ量検出回路のブロック構成
図である。
【0058】本実施の形態では、電池電圧VがVmin<
V≦VBの範囲であってもブレ量検出だけは行なうよう
にしているので、消費電力の省力化を考慮し、CCDエ
リアセンサを用いてブレ量検出回路31を構成してい
る。同図に示すブレ量検出回路31は、基本的に、例え
ば特開平3−192228号公報に示されている回路と
同一である。従って、ここでは詳細説明は省略し、概要
説明を行う。
【0059】ブレ量検出回路31は、CCDエリアセン
サ311を備えた撮像部31A、撮像画像からX方向及
びY方向のコントラスト値Cx,Cy並びに相関値Cを
演算する相関値演算部31B及びこの相関値演算部31
Bでの演算結果に基づいてX方向及びY方向のブレ量を
算出するブレ量算出部31Cから構成されている。
【0060】撮像部31Aは、CCDエリアセンサ31
1、信号処理回路312、A/D変換器313及び画像
メモリ314から構成されている。CCDエリアセンサ
311は、上述したファインダー光学系内のセンサであ
り、被写体光像を電気信号に変換して取り込む撮像素子
である。CCDエリアセンサ311は、カラーセンサ、
モノクロセンサのいずれであってもよい。信号処理回路
312は、CCDエリアセンサ311から出力される各
画素の受光信号のレベル補正やノイズ除去等の信号処理
を行うものである。A/D変換器313は、各画素の受
光信号(アナログ信号)をデジタル信号(以下、画素デ
ータという。)に変換するものである。
【0061】画像メモリ314は、CCDエリアセンサ
311で取り込まれた画像データ(画像を構成する一群
の画素データ)を記憶するメモリである。画像メモリ3
14は、1枚分の画像データの記憶容量を有する基準部
メモリ314aとこれと同一の記憶容量を有する参照部
メモリ314bとから構成され、基準部メモリ314a
にはブレ量検出の基準画像(ブレ量検出処理の最初に撮
像された画像)の画像データが記憶され、参照部メモリ
314bには上記基準画像と比較参照される複数枚の参
照画像(ブレ量検出処理で周期的に撮像される複数枚の
撮像画像)の画像データが順次、更新的に記憶される。
【0062】相関値演算部31Bは、X方向及びY方向
のコントラスト値Cx,Cy並びに相関値Cを演算する
演算回路315とこの演算回路315の演算結果を記憶
するメモリ316とから構成される。相関値演算部31
Bは、相関値Cの演算に際し、図11に示すように、撮
像画像Gを複数の小ブロックの画像G(1)〜G(n)に分割
し、各分割画像G(1)〜G(n)毎にX方向(横方向)及び
Y方向(縦方向)のコントラスト値Cx(I),Cy(I)
(I=1,2,…n)を演算する。そして、これらのコ
ントラスト値Cx(I),Cy(I)からX方向及びY方向の
相関値Cを算出するための所定数m(<n)の分割画像
を抽出する。例えば48個の分割画像G(1)〜G(48)に
対してX方向及びY方向のブレ量算出用の分割画像がそ
れぞれ4個ずつ抽出される。かかる分割画像の抽出は、
撮像画像の内、コントラストの高い部分の画像を抽出
し、その部分画像を用いてブレ量を精度良く検出するた
めの処理である。
【0063】なお、X方向のコントラスト値Cx(I)
は、基準部メモリ314aに記憶された基準画像と参照
部メモリ314bに記憶された参照画像をX方向に1画
素ピッチ分ずらした画像とを比較し、各画素位置におけ
る濃度差(絶対値)を積算したものである。撮像画像の
X方向の濃度変化が大きいほど、コントラスト値Cxは
大きくなるから、各ブロックの画像G(I)についてコン
トラスト値Cx(I)を演算し、このコントラスト値Cx
(I)の大きいブロックを抽出することによりX方向にコ
ントラストの大きい部分画像が抽出される。
【0064】コントラスト値Cx(I)の演算はブレ検出
開始時に最初に取り込まれた画像GRを用いて行われ
る。すなわち、ブレ検出開始当初に取り込まれた画像デ
ータは、基準部メモリ314aと参照部メモリ314b
とに記憶されるので、基準部メモリ314aから各画素
位置(i,j)の画素データg(i,j)を読み出すととも
に、参照部メモリ314bからその画素位置(i,j)
よりX方向に1画素分ずれた位置(i,j+1)の画素
データg(i,j+1)を読み出し、両画素データg(i,j),g
(i,j+1)のレベル差Δgxの絶対値|Δgx|=|g(i,
j)−g(i,j+1)|を積算することにより行われる。
【0065】また、Y方向のコントラスト値Cyについ
てもX方向のコントラスト値Cx(I)と同様に各ブロッ
クの画像G(I)についてコントラスト値Cy(I)が演算さ
れ、このコントラスト値Cy(I)の大きいブロックを抽
出することによりY方向にコントラストの大きい部分画
像が抽出される。
【0066】相関値Cは、ブレ量開始当初の画像GRに
対して所定時間t経過後の画像GSがどの方向にどれだ
けずれているか、すなわち、時間tの間の撮影画像のブ
レ方向及びブレ量を算出するためのデータである。画像
GSの画像GRに対するずれは、画像GSをX方向及び
Y方向に所定量(例えば1画素ピッチ)ずつずらした画
像GS′を画像GRと比較し、両画像が最も一致する画
像GS′を求めることにより算出される。
【0067】相関値Cは、各画像GS′と画像GRとの
一致度を示すもので、コントラスト値Cx,Cyの演算
と同様に、各画素位置における濃度差(絶対値)の積算
値で定義される。なお、上記のように、撮像画像の内、
抽出されたコントラストの高いm個の分割画像G(r)
(r=1,2,…m)についてのみ相関値Cを演算する
ようにしているので、各分割画像毎に算出した相関値を
C(r)(r=1,2,…m)とすると、相関値Cは、C
=C(1)+C(2)+…C(m)で算出される。
【0068】X方向にk画素ピッチ、Y方向にh画素ピ
ッチずらした画像GS′に対する相関値CをC(k,
h)で表し、k=h=0,±1,±2とすると、25個
の相関値C(k,h)が得られる。C(0,0)は、画
像GRと画像GSとを比較した場合の相関値で、カメラ
ブレが生じていなければ、画像GSは画像GRと同一と
なるから、C(0,0)=0となる。
【0069】一方、C(k,h)=0であれば、X方向
の画素ピッチをPx,Y方向の画素ピッチをPyとする
と、画像GSをX方向にk画素ピッチ分、Y方向にh画
素ピッチ分ずらした画像GS′が画像GRと同一となる
から、画像GS′は画像GRに対して斜め方向にP(=
√(Px2+Py2))だけカメラブレが生じているこ
とがわかる。
【0070】従って、画像GSについて、25個の相関
値C(k,h)(k=h=0,±1,±2)を算出し、
相関値C(k,h)が極小となるシフト位置を求めるこ
とによりカメラブレのブレ方向及びブレ量が算出され
る。この場合、相関値C(k,h)の極小値が画素間の
中間位置にあると推定される場合は、補間演算によりそ
の位置が算出され、この算出値から正確なブレ量(ξ
x,ξy)が算出される。
【0071】演算回路315は、上記コントラスト値C
x(I),Cy(I)及び相関値C(k,h)を演算するため
の減算回路315a、絶対値回路315b、加算回路3
15c及びレジスタ315dを備えている。減算回路3
15aは、コントラスト値Cx(I)の演算において、基
準画像の画素データg(i,j)と参照画像の画素データg
(i,j+1)とのレベル差Δgx=g(i,j)−g(i,j+1)を、
また、コントラスト値Cy(I)の演算において、基準画
像の画素データg(i,j)と参照画像の画素データg(i+1,
j)とのレベル差Δgy=g(i+1,j)−g(i,j)を演算す
るものである。また、相関値C(k,h)の演算におい
ては、基準画像GRの画素データg(i,j)と参照画像G
SをX方向及びY方向にそれぞれk画素ピッチ、h画素
ピッチだけずらした画像GS′の画素データg(i+k,j+
h)とのレベル差Δg=g(i+k,j+h)−g(i,j)を演算する
ものである。
【0072】また、絶対値回路315bは、上記レベル
差Δgx,Δgy,Δgの絶対値を演算するものであ
る。加算回路315c及びレジスタ315dは、各画素
位置におけるΔgx,Δgy,Δgの絶対値を積算して
コントラスト値Cx(I),Cy(I)及び相関値C(k,
h)を算出するものである。
【0073】メモリ316は、演算回路315で演算さ
れたX方向及びY方向のコントラスト値Cx(I),Cy
(I)と相関値C(k,h)を記憶するものである。
【0074】ブレ量算出部31Cは、メモリ316から
X方向及びY方向のコントラスト値Cx(I),Cy(I)を
読み出し、相関値演算のための分割画像を抽出する。ま
た、抽出された各分割画像について算出された相関値C
(k,h)に対して補間演算を行い、相関値C(k,
h)が極小値となるシフト位置(X座標ξx,Y座標ξ
y)を求めることによりブレ方向とブレ量とを算出す
る。このカメラブレに関する情報(ブレ方向とブレ量)
は、制御部20に入力される。
【0075】図9に戻り、ブレ補正レンズ32は、X方
向のブレを補正するためのブレ補正レンズであり、ブレ
補正レンズ33は、Y方向のブレを補正するためのブレ
補正レンズである。また、ブレ補正モータ制御回路34
は、ブレ補正レンズ32を駆動するモータ341の駆動
を制御する回路であり、ブレ補正モータ制御回路35
は、ブレ補正レンズ33を駆動するモータ351の駆動
を制御する回路である。
【0076】図12は、ブレ補正用の光学系の構造を示
す分解斜視図である。
【0077】ブレ補正用の光学系は、撮影レンズ3の先
端部に設けられている。撮影レンズ3のレンズ保持体3
7の先端部には環状の凹部37aが設けられ、この凹部
37a内にX方向のブレ補正レンズ32とY方向のブレ
補正レンズ33とがそれぞれ光軸Lに直交する平面内の
X軸方向(カメラ本体2の横方向)とY軸方向(カメラ
本体2の縦方向)に移動可能に設けられている。
【0078】X方向のブレ補正レンズ32は、周縁に相
対向して円筒状のピン穴部381と歯部382とが設け
られるとともに、ピン穴部381の近傍位置にレンズ位
置検出用の投光素子40が設けられた環状の保持枠38
に保持されている。Y方向のブレ補正レンズ33も保持
枠38と同一構造を成す保持枠39に保持されている。
【0079】凹部37aに、図に示すように、光軸Lを
原点とするXY座標を想定すると、凹部37a内の+Y
軸上の適所にピン42が突設され、このピン42を保持
枠38のピン穴部381に遊嵌させてX方向のブレ補正
レンズ32が凹部37a内にX軸方向に変位可能に取り
付けられている。また、凹部37a内の+X軸上の適所
にピン43が突設され、このピン43を保持枠39のピ
ン穴部391に遊嵌させてY方向のブレ補正レンズ33
が凹部37a内にY軸方向に変位可能に取り付けられて
いる。
【0080】レンズ保持体37内には、凹部37a内の
−Y軸上の適所に駆動軸に固着された駆動ギヤ44を突
出させてモータ341が配設され、この駆動ギヤ44は
保持枠38の歯部382に噛合されている。また、凹部
37a内の−X軸上の適所に駆動軸に固着された駆動ギ
ヤ45を突出させてモータ351が配設され、この駆動
ギヤ45は保持枠39の歯部392に噛合されている。
更に、凹部37aの底面であってブレ補正レンズ32の
投光素子40を臨む位置に受光素子46が設けられ、ブ
レ補正レンズ33の投光素子41を臨む位置に受光素子
47が設けられている。
【0081】ブレ補正レンズ32及びブレ補正レンズ3
3は、ブレ補正レンズ32を内側にして凹部37内にそ
れぞれX方向とY方向とに変位可能に取り付けられ、押
え環48により凹部37から飛び出さないように固定さ
れている。
【0082】上記構成において、モータ341を正方向
又は逆方向に回転駆動すると、ブレ補正レンズ32がピ
ン42を中心として微小角だけ時計回り又は反時計回り
に回動し、これによりブレ補正レンズ32の光軸Lxが
光軸Lに対してX軸上を±X方向に変位してX方向のブ
レ補正が行われる。投光素子40からは受光素子46に
向けて縞模様の光像が投光されており、受光素子46に
おけるこの縞模様の光像の受光位置によりブレ補正レン
ズ32の位置情報(例えば基準位置からの変位量等)が
検出され、この位置情報をモータ341のブレ補正モー
タ制御回路34にフィードバックすることによりブレ補
正レンズ32の変位量が正確に制御される。
【0083】同様に、モータ351を正方向又は逆方向
に回転駆動すると、ブレ補正レンズ33がピン43を中
心として微小角だけ時計回り又は反時計回りに回動し、
これによりブレ補正レンズ33の光軸Lyが光軸Lに対
してY軸上を±Y方向に変位してY方向のブレ補正が行
われる。投光素子41からは受光素子47に向けて縞模
様の光像が投光されており、受光素子47におけるこの
縞模様の光像の受光位置によりブレ補正レンズ33の位
置情報が検出され、この位置情報をモータ351のブレ
補正モータ制御回路35にフィードバックすることによ
りブレ補正レンズ33の変位量が正確に制御される。
【0084】図9に戻り、表示制御回路36は、ファイ
ンダー内に設けられた表示部361(図3参照)の表示
を制御する回路である。表示制御回路36は、制御部2
0から入力される制御信号、ブレ補正の有無及びブレ補
正の可否の表示データに基づき表示部361の表示エリ
アA2に所定の表示を行う。また、表示制御回路36
は、制御部20から入力されるブレ量検出値及びブレ補
正残り量のデータを所定のレベル表示のデータに変換
し、このデータを表示部361の表示エリアA3,A4
に表示する。
【0085】スイッチSFLはフラッシュ発光モードを
設定するための操作ボタン12の操作を検出するスイッ
チ、スイッチSAは目軽減有りを設定するための操作ボ
タン12の操作を検出するスイッチ、スイッチSBはブ
レ補正モード設定ボタン9の操作を検出するスイッチで
ある。また、S1スイッチ及びS2スイッチ、それぞれ
シャッタボタン8の半押し状態と全押しを検出するスイ
ッチである。スイッチSFL,SA,SB、S1スイッ
チ及びS2スイッチの検出信号は制御部20に入力され
る。
【0086】次に、上記ブレ補正残り量演算部202に
おけるブレ補正後のブレ補正残り量(予測値)の演算方
法について説明する。便宜上、X方向のブレ補正残り量
について説明する。
【0087】図13は、露光面における被写体光像のX
方向のブレ量の検出値を示す図である。同図において、
横軸はサンプリング回数nを示し、縦軸はブレ量検出値
D(n)を示している。
【0088】露光面における被写体光像のブレを光学的
に軽減する基本的な原理は、n回目のブレ量検出値D
(n)は(n−2)回目のブレ量検出値D(n-2)と(n−
1)回目のブレ量検出値D(n-1)との偏差ΔD(n-1)(=
D(n-1)−D(n-2))分だけブレ量検出値D(n-1)から変
移した値D(n)′になると仮定し、(n−1)回目のブ
レ量検出時に露光面における被写体光像の結像位置を−
ΔD(n-1)だけ変移させるブレ補正を行なうことで、n
回目のブレ量検出値D(n)と(n−1)回目のブレ量検
出値D(n-1)との偏差ΔD(n)を小さくするものである。
【0089】図13において、P1は、ブレ補正がなか
った場合のn回目のブレ量検出値D(n)であり、P2
は、(n−1)回目のブレ量検出時にn回目の検出値と
して仮定したブレ量検出値D(n)′である。D(n)′=D
(n)であれば、(n−1)回目に−ΔD(n-1)のブレ補正
を行なえば、n回目に検出値として予測されるブレ量予
測値D(n)″はD(n-1)となり、誤差は生じないが、通常
は、n回目のブレ量検出値D(n)は検出値D(n)′と一致
せず、同図に示すように、例えばD(n)′>D(n)であれ
ば、ブレ補正後のn回目におけるブレ量予測値D(n)″
はP3となり、その誤差は(D(n)′−D(n))となる。
【0090】図14は、上記ブレ補正の原理に基づきブ
レ補正を行なった場合のブレ量検出値(予測値)の一例
を示す図である。
【0091】同図において、曲線は、ブレ補正を行な
わなかった場合の被写体光像のブレ波形であり、曲線
は、ブレ補正を行なった場合に推定される被写体光像の
ブレ波形である。
【0092】なお、ブレ量検出回路31により検出され
るブレ量は、光学的にブレ補正が行なわれないCCDエ
リアセンサ311の撮像面における被写体光像を用いて
検出されるので、撮影レンズ3でブレ補正を行なってい
る場合でもブレ補正がない場合のブレ量となっている。
従って、曲線は、ブレ量検出回路31により検出され
るブレ量検出値D(n)を示している。
【0093】一方、ブレ補正後の被写体光像のブレ量
は、実測することができないので、曲線は、上記ブレ
補正原理に基づきブレ補正を行なった場合に推定される
ブレ量を演算により算出したものである。曲線は、2
回目のブレ量検出時からブレ補正を行なった場合のもの
で、(n−1)回目のブレ量検出時に偏差ΔD(n-1)を
キャンセルするようにブレ補正をかけ、この偏差量ΔD
(n-1)がロスなくブレ補正されたとした場合のものであ
る。
【0094】同図に示すように、ブレ補正した場合に推
定されるブレ波形は、ブレ補正を開始した位置を中心と
して変動する曲線の微分係数の波形となる。
【0095】ところで、被写体光像のブレを光学的に補
正する場合、補正用レンズ32,33の応答特性により
ロスが発生するため、上記偏差ΔD(n-1)をブレ補正制
御値F(n)としてモータ341,351のブレ補正モー
タ制御回路34,35に入力した場合、実際に補正され
る被写体光像のブレ量(以下、ブレ補正量という。)F
(n)′は、ΔD(n-1)より小さくなる。このため、実際に
は、ブレ補正後のブレ波形は、図14の曲線に示すよ
うにはならない。
【0096】上記ロス分E(n)は、一般に入力されるブ
レ補正制御値ΔD(n-1)の二乗に比例するので、E(n)=
ΔD(n-1)2/α(α;係数)とすると、実際のブレ補
正量F(n)′は、 F(n)′=F(n)−E(n) =ΔD(n-1)−ΔD(n-1)2/α となる。従って、可及的にブレ補正量F(n)′と偏差Δ
D(n-1)との差を小さくするには、上記ロス分E(n)を見
込んでブレ補正制御値F(n)を設定する必要がある。い
ま、偏差ΔD(n-1)に上記ロス分E(n)のk倍を加算して
ブレ補正制御値F(n)を設定したとすると、ブレ補正量
F(n)′は下記(1)式となる。
【0097】
【数1】
【0098】なお、上記(1)式において、第2項はロ
ス分である。また、上記係数αは、カメラ1に設けられ
たブレ補正機構に固有の係数で、実験等により適切な値
が設定されるものである。また、係数kは、機械的ロス
を補償するためのフィードバック量を決定する係数であ
るが、ブレの振幅が急に小さくなった場合にブレ補正量
が過剰にならないように、通常は1以下に設定される。
【0099】サンプリング毎に上記ブレ補正制御値F
(n)を演算し、このブレ補正制御値F(n)でブレ補正を行
なった場合、n回目のブレ量検出値(すなわち、ブレ補
正残り量)D(n)″はブレ補正がなかった場合のブレ量
検出値D(n)とn回目までのブレ補正量の積算値S(n)
(=F(2)′+F(3)′…+F(n-1)′+F(n)′=S(n-
1)+F(n)′)との誤差と推定されるから、下記(3)
式で算出することができる。
【0100】
【数2】
【0101】従って、上記(2)式で表されるブレ補正
制御値F(n)でブレ補正を行なった場合、上記(3)式
でブレ補正残り量D(n)″が算出され、この算出結果が
表示部361の表示エリアA3,A4に表示される。
【0102】図15は、上記演算方法により算出したブ
レ補正残り量(予測値)のシミュレーション結果を示す
図である。
【0103】同図は、カメラブレによる被写体光像のブ
レ波形を正弦波としたもので、ブレ補正を行なわなかっ
た場合のブレ量検出値D(n)をD(n)=100・sin(n)として
いる。また、k=0.8、α=50とし、サンプリング
周期1°でシミュレーションしたものである。また、実
線で示す曲線はブレ補正がなかった場合のブレ量検出値
D(n)を示し、一点鎖線で示す曲線はブレ補正量積算値
S(n)を示し、点線で示す曲線はブレ補正残り量D(n)″
を示している。なお、ブレ波形を正弦波としたのは、微
小な露光時間におけるブレ波形を正弦波に近似し得るこ
とを考慮したものである。
【0104】次に、本発明に係るブレ補正装置を備えた
カメラのブレ量検出値及びブレ補正残り量の表示処理に
ついて、図16〜図19のフローチャートを用いて説明
する。
【0105】図16は、ブレ量検出値及びブレ補正残り
量の表示処理の第1の実施形態を示すフローチャートで
ある。第1の実施形態は、ブレ補正モード設定ボタン9
によりブレ補正モードが設定されている場合は、シャッ
タボタン8の半押し操作による撮影準備の指示の有無に
拘らず、ブレ量検出回路31により検出されたブレ量検
出値D(n)を表示部361の表示エリアA3,A4に表
示し、シャッタボタン8の半押し操作により撮影準備が
指示されると、ブレ補正残り量D(n)″を表示部361
の表示エリアA3,A4に表示するものである。
【0106】メインスイッチ13が押されて不略の電源
スイッチSMがオンになり、カメラ1が起動すると、ブ
レ補正モード設定ボタン9によりブレ補正モードが設定
されているか否かが判別される(#2)。
【0107】ブレ補正モードが設定されていると(#2
でYES)、測光回路21により被写体輝度が検出され
るとともに(#4)、この検出結果を考慮してブレ量検
出回路31による被写体光像のブレ量の検出が開始され
(#6)、所定の周期で検出されたブレ量検出値D(n)
がファインダー内の表示部361の表示エリアA3,A
4に表示される(#8)。一方、ブレ補正モードが設定
されていなければ(#2でNO)、上記ステップ#4〜
#8はスキップされ、ブレ量の検出及びブレ量検出値D
(n)の表示は行なわれない。
【0108】続いて、シャッタボタン8の半押し操作に
よりS1スイッチがオン状態になっているか否かが判別
され(#10)、S1スイッチがオフ状態であれば(#
10でNO)、ステップ#2に戻り、S1スイッチがオ
ン状態となるまでブレ補正モードの設定状態に応じてブ
レ量の検出及びブレ量検出値D(n)の表示が継続される
(#2〜#10のループ)。
【0109】S1スイッチがオン状態になると(#10
でYES)、測光回路21により被写体輝度を検出し、
この被写体輝度に基づき露出制御値が設定されるととも
に(#12)、測距回路22により被写体距離を検出
し、この被写体距離に基づき撮影レンズ3のAF制御値
が算出される(#14)。
【0110】続いて、ブレ補正モードが設定されている
か否かが判別され(#16)、ブレ補正モードが設定さ
れていると(#16でYES)、制御部20によりブレ
量検出値D(n)を用いて所定の演算式によりブレ補正残
り量D(n)″が算出され(#18)、このブレ補正残り
量D(n)″がファインダー内の表示部361の表示エリ
アA3,A4に表示される(#20)。一方、ブレ補正
モードが設定されていなければ(#16でNO)、上記
ステップ#18,#20はスキップされ、ブレ補正残り
量D(n)″の演算及びその演算結果の表示は行なわれな
い。
【0111】続いて、シャッタボタン8の全押し操作に
よりS2スイッチがオン状態になっているか否かが判別
され(#22)、S2スイッチがオン状態になっていれ
ば(#24でYES)、ステップ#26に移行し、露出
制御処理が行なわれる。一方、S2スイッチがオフ状態
であれば(#24でNO)、S1スイッチのオン状態が
継続しているか否かが判別され(#24)、S1スイッ
チがオフ状態であれば(#24でNO)、ステップ#4
に戻り、S1スイッチのオン状態が継続していれば(#
24でYES)、ステップ#16に戻り、S2スイッチ
がオン状態になるか、あるいはS1スイッチのオフ状態
になるまで、ブレ補正モードの設定状態に応じてブレ補
正残り量D(n)″の演算及びその演算結果の表示が継続
される(#16〜#24のループ)。
【0112】ステップ#26に移行すると、ステップ#
14で設定されたAF制御値に基づき撮影レンズ3のA
F制御が行なわれる。続いて、ブレ補正モードの設定状
態が判別され(#28)、ブレ補正モードが保持されて
いるときは(#28でYES)、ブレ補正動作が開始さ
れる(#30)。すなわち、ブレ量検出回路31により
検出されるX方向の撮影画像のブレ量ξxに基づきX方
向のブレ補正レンズ32をX方向に駆動するとともに、
Y方向の撮影画像のブレ量ξyに基づきY方向のブレ補
正レンズ33をY方向に駆動して露光面における被写体
光像のブレ量ξx,ξyがキャンセルされる。そして、
ブレ補正レンズ32,33の駆動が安定してブレ補正撮
影が可能になると(#32)、レンズシャッタ29を駆
動して撮影が行われる(#34)。
【0113】ブレ補正モードが解除されているときは
(#28でNO)、上記ステップ#30,#32がスキ
ップされ、ブレ補正動作を行なうことなく撮影が行なわ
れる(#34)。続いて、ブレ補正動作が停止され(#
36)、フィルムが1コマ分巻き上げられた後(#3
8)、次の撮影を行なうべくステップ#2に戻る。
【0114】図17は、ブレ量検出値及びブレ補正残り
量の表示処理の第2の実施形態を示すフローチャートで
ある。図17に示すフローチャートは、図16のフロー
チャートにおいて、ステップ#16を削除し、ステップ
#18及びステップ#20のブレ補正残り量D(n)″の
演算及び表示の処理をステップ#31−1,#31−2
としてステップ#30とステップ#32との間に移動し
たものである。
【0115】第2の実施形態は、ブレ補正モード設定ボ
タン9によりブレ補正モードが設定されている場合は、
シャッタボタン8の半押し操作による撮影準備の指示の
有無に拘らず、ブレ量検出回路31により検出されたブ
レ量検出値D(n)を表示部361の表示エリアA3,A
4に表示し、シャッタボタン8の全押し操作により撮影
が指示されると、ブレ補正残り量D(n)″を表示部36
1の表示エリアA3,A4に表示するものである。第2
の実施形態は、第1の実施形態が撮影準備中にブレ補正
残り量D(n)″を表示するのに対し、撮影中にブレ補正
残り量D(n)″を表示する点で異なる。
【0116】第1の実施形態は、S1スイッチの半押し
状態(撮影準備中)で、カメラブレの状態に対するブレ
補正の効果の予測値を確認することができるので、この
確認でカメラブレ対策としてブレ補正機能によるか否か
を確実に判断することができるが、第2の実施形態は、
撮影中にブレ補正の効果の予測値を表示するようにして
いるので、現撮影中の写真に対するカメラブレの影響
(すなわち、カメラブレによる画質劣化)を正確に確認
することができる利点がある。
【0117】図18は、ブレ量検出値及びブレ補正残り
量の表示処理の第3の実施形態を示すフローチャートで
ある。図18に示すフローチャートは、図17のフロー
チャートにおいて、ステップ#10〜#14の処理をス
テップ#1−1〜#1−3としてステップ#2の前に移
動したものである。
【0118】第3の実施形態は、シャッタボタン8の半
押し操作による撮影準備が指示がされると、ブレ量検出
回路31により検出されたブレ量検出値D(n)を表示部
361の表示エリアA3,A4に表示し、シャッタボタ
ン8の全押し操作により撮影が指示されると、ブレ補正
残り量D(n)″を表示部361の表示エリアA3,A4
に表示するものである。第3実施形態は、第2実施形態
がシャッタボタン8の操作に拘らず、ブレ補正モードが
設定されていれば、ブレ量検出値D(n)を表示するのに
対し、シャッタボタン8の半押し操作がなければブレ量
検出値D(n)を表示しない点で異なる。
【0119】第3の実施形態では、ブレ量検出値D(n)
の検出及びその表示を撮影態勢に入ってから行い、不必
要にブレ量検出値D(n)の検出及びその表示を行なうこ
とがないので、電力の節約に寄与する効果がある。
【0120】図19は、ブレ量検出値及びブレ補正残り
量の表示処理の第4の実施形態を示すフローチャートで
ある。図19に示すフローチャートは、図18のフロー
チャートにおいて、ステップ#31−1,#31−2の
処理をステップ#9−1,#9−2としてステップ#8
とステップ#22との間に移動したものである。
【0121】第4の実施形態は、シャッタボタン8の半
押し操作による撮影準備が指示がされると、ブレ量検出
回路31により検出されたブレ量検出値D(n)を表示部
361の表示エリアA3,A4に表示するとともに、ブ
レ補正残り量D(n)″を表示部361の表示エリアA
3,A4に表示するものである。第4実施形態は、S1
スイッチの半押し状態(撮影準備中)で、カメラブレの
状態とそれに対するブレ補正の効果の予測値を比較して
確認することができるので、ブレ補正機能の効果を確実
に判断することができる利点がある。
【0122】ところで、赤目軽減モードによるフラッシ
ュ撮影においては、赤目軽減のための内蔵フラッシュ7
のプリ発光によりシャッタボタン8によりレリーズが指
示されてから実際にレンズシャッタ29の開閉動作が開
始されるまでに一定のタイムラグが生じる。かかる場合
に、更にブレ補正を行なうと、ブレ補正残り量D(n)″
の演算及びその表示並びにブレ補正レンズ32,33の
駆動の安定化のために、上記タイムラグが更に長くな
り、撮影タイミングを合わせることが困難となる。この
ため、本カメラ1では、図20に示すように、内蔵フラ
ッシュ7のプリ発光開始と同時にブレ補正動作及びブレ
補正残り量D(n)″の演算を開始し、内蔵フラッシュ7
のプリ発光中にブレ補正の安定化を図るようにしてい
る。
【0123】図21,図22は、上記赤目軽減モードに
よるフラッシュ撮影におけるブレ補正処理に関する制御
のフローチャートである。
【0124】赤目軽減モードによるフラッシュ撮影にお
いては、カメラ1が起動し、S1スイッチがオン状態に
なると(#40でYES)、続いて、ブレ補正モード設
定ボタン9によりブレ補正モードが設定されているか否
かが判別される(#42)。
【0125】ブレ補正モードが設定されていると(#4
2でYES)、測光回路21により被写体輝度が検出さ
れるとともに(#44)、この検出結果を考慮してブレ
量検出回路31による被写体光像のブレ量の検出が開始
され(#46)、所定の周期で検出されたブレ量検出値
D(n)がファインダー内の表示部361の表示エリアA
3,A4に表示される(#48)。一方、ブレ補正モー
ドが設定されていなければ(#42でNO)、上記ステ
ップ#44〜#48はスキップされ、ブレ量の検出及び
ブレ量検出値D(n)の表示は行なわれない。
【0126】続いて、測光回路21により被写体輝度を
検出し、この被写体輝度に基づき露出制御値が設定され
るとともに(#50)、測距回路22により被写体距離
を検出し、この被写体距離に基づき撮影レンズ3のAF
制御値が算出される(#52)。続いて、測光結果やフ
ラッシュ発光モードの設定状態に基づいて内蔵フラッシ
ュ7の発光の要否が判定され(#54)、フラッシュ発
光が必要であれば、(#54でYES)、フラッシュの
発光量が演算された後(#56)、レリーズ待機状態と
なる(#58,#60のループ)。一方、フラッシュ発
光が不要であれば、(#54でYES)、#56をスキ
ップして、レリーズ待機状態となる(#58,#60の
ループ)。
【0127】レリーズ待機状態で、S1スイッチがオフ
状態になると(#60でNO)、ステップ#40に戻
り、S2スイッチがオン状態になると(#58でYE
S)、ステップ#52で設定されたAF制御値に基づき
撮影レンズ3のAF制御が行なわれる(#62)。続い
て、赤目防止のためのプリ発光の要否が判別され(#6
4)、プリ発光が必要であれば(#64でYES)、内
蔵フラッシュ7のプリ発光が開始され(#66)、プリ
発光が不要であれば(#64でNO)、ステップ#66
をスキップして内蔵フラッシュ7のプリ発光は行なわれ
ない。
【0128】続いて、ブレ補正モードが設定されている
か否かが判別され(#68)、ブレ補正モードが設定さ
れていると(#68でYES)、ブレ補正動作が開始さ
れるとともに(#70)、制御部20によりブレ量検出
値D(n)を用いて所定の演算式によりブレ補正残り量D
(n)″が算出され(#72)、このブレ補正残り量D
(n)″がファインダー内の表示部361の表示エリアA
3,A4に表示される(#74)。続いて、ブレ補正レ
ンズ32,33の駆動が安定してブレ補正撮影が可能に
なり(#76)、内蔵フラッシュ7のプリ発光が終了す
ると(#78)、レンズシャッタ29の開動作が開始さ
れる(#80)。
【0129】一方、ブレ補正モードが設定されていなけ
れば(#68でNO)、上記ステップ#70〜#76は
スキップされ、ブレ補正動作、ブレ補正残り量D(n)″
の演算及びその演算結果の表示は行なわれることなく、
内蔵フラッシュ7のプリ発光が終了すると(#78)、
レンズシャッタ29の開動作が開始される(#80)。
【0130】続いて、フラッシュ発光を要する場合は
(#82でYES)、所定のタイミングで内蔵フラッシ
ュ7の本発光が行なわれた後(#84)、レンズシャッ
タ29の閉動作が行なわれ(#86)、これにより露出
制御が終了する。
【0131】続いて、ブレ補正動作を停止してブレ補正
レンズ32,33のレンズ位置のリセットが行なわれ
(#88)、フィルムが1コマ分巻き上げられた後(#
90)、次の撮影を行なうべくステップ#2に戻る。
【0132】上記のように、内蔵フラッシュ7のプリ発
光の開始と同時にブレ補正動作を開始し、プリ発光中に
ブレ補正動作の安定化を図るようにしているので、プリ
発光終了時に直ちに露出制御が可能になり、レリーズ指
示から露出制御開始までのタイムラグを可能な限り低減
することができる。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被写体像のブレに関する情報を検出し、この検出結果に
基づき上記被写体像のブレの光学的な補正を行なうブレ
補正装置またはカメラにおいて、検出された被写体像の
ブレに関する情報を用いてブレ補正後の被写体像のブレ
補正残り量の予測値を演算し、この演算結果を表示する
ようにしたので、ブレに対するブレ補正機能の効果を視
認することができる。これによりブレ防止策の要否の判
断を容易に行なうことができ、必要に応じて適切なブレ
防止策を確実に講じることができる。
【0134】また、ブレ補正後のブレ補正残り量の予測
値の表示に加えて、検出された被写体像のブレに関する
情報も表示するようにしたので、両者を比較することに
よりブレ補正効果をより明確に把握することができる。
【0135】更に、ブレ補正後のブレ補正残り量の予測
値とブレに関する情報とを一の表示部を兼用して表示す
るようにしたので、表示部材の低減が可能になるととも
に、ブレ補正残り量の予測値とブレに関する情報との比
較が容易になり、ブレ補正効果の把握がより容易とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレ補正装置を備えたカメラの外
観を示す正面斜視図である。
【図2】本発明に係るブレ補正装置を備えたカメラの外
観を示す背面図である。
【図3】ファインダー内の表示部の一例を示す図であ
る。
【図4】レベル表示の構成を示す図である。
【図5】ブレ量検出値及びブレ補正残り量の表示方法を
示すもので、(a)はブレ量をレベル表示した図、
(b)はブレ量をピーク値表示した図である。
【図6】ブレ量検出値及びブレ補正残り量を同一の表示
エリアに同時にピーク値表示した図である。
【図7】レベル表示の他の構成を示す図である。
【図8】他のレベル表示におけるブレ量検出値及びブレ
補正残り量の表示方法を示すもので、(a)はブレ量を
レベル表示した図、(b)はブレ量をピーク値表示した
図である。
【図9】本発明に係るブレ補正装置を備えたカメラのブ
ロック構成図である。
【図10】ブレ量検出回路のブロック構成図である。
【図11】撮像画像に設けた小ブロックの分割画像を示
す図である。
【図12】ブレ補正用の光学系の構造を示す分解斜視図
である。
【図13】露光面における被写体光像のブレを光学的に
軽減する基本原理を説明するための図である。
【図14】ブレ補正原理に基づきブレ補正を行なった場
合のブレ量検出値(予測値)の一例を示す図である。
【図15】ブレ補正後のブレ補正残り量のシミュレーシ
ョン結果を示す図である。
【図16】本発明に係るブレ補正装置を備えたカメラの
ブレ量検出値及びブレ補正残り量の表示処理の第1の実
施形態を示すフローチャートである。
【図17】本発明に係るブレ補正装置を備えたカメラの
ブレ量検出値及びブレ補正残り量の表示処理の第2の実
施形態を示すフローチャートである。
【図18】本発明に係るブレ補正装置を備えたカメラの
ブレ量検出値及びブレ補正残り量の表示処理の第2の実
施形態を示すフローチャートである。
【図19】本発明に係るブレ補正装置を備えたカメラの
ブレ量検出値及びブレ補正残り量の表示処理の第2の実
施形態を示すフローチャートである。
【図20】本発明に係るブレ補正装置を備えたカメラの
赤目軽減モードによるフラッシュ撮影におけるブレ補正
処理を示すタイムチャートである。
【図21】本発明に係るブレ補正装置を備えたカメラの
赤目軽減モードによるフラッシュ撮影におけるブレ補正
処理に関する制御のフローチャートである。
【図22】本発明に係るブレ補正装置を備えたカメラの
赤目軽減モードによるフラッシュ撮影におけるブレ補正
処理に関する制御のフローチャートである。
【符号の説明】
1 カメラ 2 カメラ本体 3 撮影レンズ 4 測光窓 5 測距窓 6 ファインダー対物窓 7 内蔵フラッシュ 8 シャッタボタン 9 ブレ補正モード設定ボタン 10 ファインダー接眼窓 11 LCD表示部 12 操作ボタン 13 メインスイッチ 14 ズームスイッチ 15 電池収納室 20 制御部 201 ブレ補正制御値演算部 202 ブレ補正残り量演算部(演算手段) 203 メモリ 21 測光回路 22 測距回路 23 FL発光制御回路 24 Zモータ制御回路 25 ズームレンズ 26 AFモータ制御回路 27 フォーカスレンズ 28 絞り・シャッタ制御回路 29 レンズシャッタ 30 電圧検出回路 31 ブレ量検出回路 32,33 ブレ補正レンズ 34,35 ブレ補正モータ制御回路 341,351 モータ 36 表示制御回路 361 表示部(ブレ補正残り量表示手段、ブレ情報表
示手段) 37 レンズ保持体 38,39 保持枠 40,41 投光素子 42,43 ピン 44,45 駆動ギヤ 46,47 受光素子 48 押え環 E 電源電池 SFL,SA,SB,S1,S2 スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−120801(JP,A) 特開 平2−126251(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 5/00 G02B 27/64 G03B 17/18 G03B 17/20

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体像のブレに関する情報を検出し、
    この検出結果に基づき上記被写体像のブレの光学的な補
    正を行なうブレ補正装置において、検出された上記被写
    体像のブレに関する情報を用いてブレ補正後の上記被写
    体像のブレ補正残り量の予測値を演算する演算手段と、
    演算されたブレ補正残り量の予測値を表示するブレ補正
    残り量表示手段とを備えたことを特徴とするブレ補正装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のブレ補正装置において、
    検出された上記被写体像のブレに関する情報を表示する
    ブレ情報表示手段を備えたことを特徴とするブレ補正装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のブレ補正装置において、
    上記ブレ補正残り量表示手段と上記ブレ情報表示手段と
    は一の表示部を兼用したものであることを特徴とするブ
    レ補正装置。
  4. 【請求項4】 被写体像のブレに関する情報を検出し、
    この検出結果に基づき上記被写体像のブレの光学的な補
    正を行なうカメラにおいて、検出された上記被写体像の
    ブレに関する情報を用いてブレ補正後の上記被写体像の
    ブレ補正残り量の予測値を演算する演算手段と、演算さ
    れたブレ補正残り量の予測値を表示するブレ補正残り量
    表示手段とを備えたことを特徴とするカメラ。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のカメラにおいて、検出さ
    れた上記被写体像のブレに関する情報を表示するブレ情
    報表示手段を備えたことを特徴とするカメラ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のカメラにおいて、上記ブ
    レ補正残り量表示手段と上記ブレ情報表示手段とは一の
    表示部を兼用したものであることを特徴とするカメラ。
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