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JP3420821B2 - 鉄骨架構の接合方法 - Google Patents

鉄骨架構の接合方法

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JP3420821B2
JP3420821B2 JP03422594A JP3422594A JP3420821B2 JP 3420821 B2 JP3420821 B2 JP 3420821B2 JP 03422594 A JP03422594 A JP 03422594A JP 3422594 A JP3422594 A JP 3422594A JP 3420821 B2 JP3420821 B2 JP 3420821B2
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joining
steel frame
joined
closed cross
welding
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幸弘 作田
進 水口
昭男 新井
昌弘 多田
富男 嘉陽
伸介 坂中
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Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
Maeda Corp
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Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
Maeda Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄骨架構の接合方法に
関し、特に構造部材を相互に接合して鉄骨架構を構成す
るに際して、そのボルト止めや溶接の接合部分が外部に
露出することがなく、外観的に優れ、かつ工数が少な
く、コストを低下させて鉄骨架構を構成することができ
る鉄骨架構の接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、建造物の鉄骨架構の構成は多
岐にわたっている。以下、図18を参照して従来の鉄骨
架構の一例を説明すると、一般構造用炭素鋼などからな
る横断面四角形の上柱1と下柱2のそれぞれの端部には
板状の外ダイアフラム3、4が溶接により接合され、外
ダイアフラム3、4は接合部材5を介して溶接により接
合されている。なお、接合部材5内には内ダイヤフラム
6が設けられている。そして、接合部材5の四側面や外
ダイヤフラム3、4に梁取付用ブラケット7としてH型
鋼の端部が溶接により接合されている。図示の鉄骨架構
にあっては、上柱1等の図示した各部材、更に必要に応
じて筋交いなどを工場で製作して建築現場に運搬し、建
築現場において矢印Dで示すようにボルト止めや溶接に
より接合していた。前記鉄骨架構の接合方法に対し、特
開平4−49343号公報に開示されているように、柱
や梁をボルト止めする接合方法もある。
【0003】前記のように、普通鋼を溶接する接合方法
やボルト止めする接合方法では、通常仕上げ材を用いて
上柱1や下柱2、更に梁取付用ブラケット7から接合位
置を覆うので、各部材はもとより見苦しい接合箇所が外
部に露呈されることはなかった。しかし、この場合は仕
上げ材が必要であるうえに、現場にて仕上げ作業を行わ
ねばならず、資材管理や仕上げ作業が面倒であった。一
方、近年に至り、例えば柱や梁等の構造材に仕上げ材を
兼ねて、表面を研磨したステンレス鋼材を使用すること
が検討されるようになってきた。ステンレス鋼の柱や梁
等は、仕上げ材を兼ねているのであるから、表面が研磨
などの仕上げ済の部材を現場で組み立てることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ステンレス
鋼は熱膨張が大きいため溶接歪みが大きく、更に溶接部
が酸化して表面が変色すること、溶接時にスプラッシュ
が飛び、仕上げた表面に付着して表面を荒らすなど種々
の問題がある。そして、建築現場において溶接した場合
は、接合位置等を所定の表面に仕上げるために多大の工
数が必要になり、これがコスト高の一因になっていた。
また、前記ボルト止めによる接合方法にあっては、ボル
トやナット、添え板などが露出して外観上見苦しく、せ
っかく表面仕上げしたステンレス鋼構造材を用いるにも
関わらず、意匠性が著しく損なわれてしまう。更に、ブ
ラケット等がある場合は、工場から建築現場に運搬する
場合に嵩ばり、荷姿もよくなく、運搬作業がやりにくい
等の種々の問題があった。本発明の目的は、美観に優
れ、かつ建築現場における接合作業を容易に行い得る鉄
骨架構の接合方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る前記目的
は、次の手段により達成することができる。 (1)構造部材を相互に接続して鉄骨架構を構成するた
めの鉄骨架構の接合方法において、閉塞断面部材の端部
を、その側部の面が前記閉塞断面部材の内表面より内側
にあり、かつそれとの接合部の面が前記閉塞断面部材の
内表面より内側にある形状の高強度な接合部材を介して
別の閉塞断面部材の端部と接合し、両方の閉塞断面部材
の端部の間に閉塞断面部材の表面と同じ高さにカバープ
レートを設けたことを特徴とする鉄骨架構の接合方法。 (2)前記接合部材の側面に他の構造部材を接合し、そ
の際前記他の構造部材との接合部の面が前記閉塞断面部
材の内表面より内側にあるようにしたことを特徴とする
(1)項記載の鉄骨架構の接合方法。 (3)前記閉塞断面部材と前記接合部材との接合に際し
て、前記接合部材はその端部の径が前記閉塞断面部材の
内径よりも小さく、前記接合部材の端部を閉塞断面部材
の中に挿入し、前記閉塞断面部材の端部内面と前記接合
部材の端部を接合することを特徴とする(1)項記載の
鉄骨架構の接合方法。 (4)前記閉塞断面部材及び前記他の構造部材の少なく
とも1つががステンレス鋼からなることを特徴とする
(1)項又は(2)項記載の鉄骨架構の接合方法。
【0006】
【作用】前記鉄骨架構の接合方法においては、閉塞断面
部材と接合する接合部材の側面が前記閉塞断面部材の
表面より内側にあり、その位置に、例えばステンレス鋼
からなる梁等の他の構造部材を溶接あるいはボルト止め
などにより接合する。そして、前記接合部材の側面が内
側にある位置を十分奥の方へ下げることにより、前記の
接合箇所を前記閉塞断面部材の内表面より内側にあるよ
うにすることができる。その内側に下げる位置は接合箇
所の大きさ等によって変わる。このため、前記の接合箇
所を前記閉塞断面部材の表面と同じ高さのカバープレー
トで覆うようにすることが容易になる。従って、溶接箇
所あるいはボルト止め箇所が上下柱の表面に露呈され
ず、接合位置の美観を向上させることができる。また、
前記閉塞断面部材と接合部材との接合に際しては、同じ
径の両者の端部を向かい合わせて接合するようにしても
よいが、接合部材の端部の径を前記閉塞断面部材の内径
よりも小さくし、その端部を前記閉塞断面部材の端の内
側に挿入し、前記閉塞断面部材の内側で接合部材の端部
と接合することが好ましい。この場合強度の大きな接合
部を形成することができ、またその接合部が外部に露出
しないという利点がある。
【0007】前記接合部材は、力が集中する部分に使用
される関係上、高強度を有するものとする。その際、前
記接合部材は、前記した形状であるため、側部の幅又は
径が閉塞断面部材の径より細くなり、通常の鋼材を使用
すると強度が低くなるので、構造用普通鋼を使用する場
合には、厚さが厚いものを使用する。その素材として高
強度な鋼材を使用してもよいが、コストの面では好まし
くない。本発明において、前記の閉塞断面部材として
は、仕上げ材ともなる点で、その断面形状が閉じた形状
をいうもので、例えば円又は角形であるものが好まし
い。本発明では、閉塞断面部材や他の構造部材の材質と
しては、各種の材質の鋼材を使用することができるが、
そのまま仕上げ面とする上で、ステンレス鋼を用いるこ
とが好ましく、この場合に特有の効果が得られる。本発
明において、閉塞断面部材などと接合部材との接合の態
様を大別すると、次ののとおりである。 1.閉塞断面部材−接合部材−閉塞断面部材柱−接合部材−柱 梁−接合部材−梁 (接合部材:2つの接合部材の場合を含む) 2.1の結合体の接合部材の側面−梁 3.閉塞断面部材−接合部材(側面)−梁 前記の梁の外に筋交い等の構造部材を接合させることが
できる。
【0008】
【実施例】以下、図1〜図4を参照して本発明を適用し
た鉄骨架構の接合方法の第1実施例を説明する。なお、
図1は鉄骨架構の構成及び接合方法を示す斜視図、図2
は梁の端部構造を示す斜視図、図3は図1のX−X線断
面図、図4は図1の鉄骨架構の接合部をカバープレート
で覆った鉄骨架構の斜視図である。上柱11、下柱12
は本発明でいう閉塞断面部材に相当するものであり、ス
テンレス鋼からなる横断面四角形のいわゆる角形鋼管が
使用されている。上柱11、下柱12の各端部は開放端
となっており、図3に示す如く接合部材13、14をそ
れぞれ挿入して矢印Aで示すように溶接接合している。
接合部材13、14は、上柱11及び下柱12に対し高
強度な鋼製部材により構成されている。その材質として
高強度な鋼材を使用してもよいが、外部から見えないと
ころとなるから、構造用普通鋼を使用し、その厚さを厚
いものとすることにより、強度が高い部材を構成するよ
うにするのがよい。
【0009】各接合部材13、14は平面四角形の凸型
に形成され、大径部13a、14aは上柱11及び下柱
12内にがたつき無く嵌合されて溶接接合され、小径部
13b、14bが上柱11及び下柱12の端部から突出
する形状になっている。そして、小径部13b、14b
の四側面には中心方向に向けてはネジ孔13c、14c
が形成される。また、各接合部材13、14は、大径部
13a、14aの下方又は上方に連結部材16を接合す
るための段部が形成されている。
【0010】梁17は本発明でいう他の構造部材に相当
するものであり、H型のステンレス鋼が適用されてい
る。そして、各梁17の端部には図2に示すように板状
のエンドプレート18が溶接接合され、エンドプレート
18には前記ネジ孔13c、14cに連通するネジ挿通
孔19が形成されている。なお、梁17とエンドプレー
ト18との溶接接合は、両者の当接位置の全域について
H型に行われるのであるが、図2では図示の便宜のため
矢印Cで一部を示してある。
【0011】次に、接合方法について説明すると、上柱
11と接合部材13との溶接接合、更に下柱12と接合
部材14との溶接接合は工場にて行う。また、梁17と
エンドプレート18との溶接接合も工場にて行う。そし
て、建築現場にて、接合部材13、14の位置合わせを
行い、両者の段部で連結部材16を介して溶接すること
により相互に上柱11と下柱12とが接合される。つい
で接合部材13、14の小径部13b、14bの側部で
形成される凹部に梁17の端部、即ちエンドプレート1
8を溶接接合した端部を差し込み、挿通孔19からボル
ト20を挿通させてネジ孔13c、14cによりネジ締
め固定する。その後、図4に示すように、上柱11の下
端と下柱12の上端との間に、両方の柱と表面が同じ高
さとなるカバープレート15を取り付ける。その取付手
段は、はめ込みなど適宜の手段を採用することができ
る。カバープレート15の材質として上柱11及び下柱
12と同じステンレス鋼を用いれば、連続した表面が得
られるが、材質をプラスチックとしてもよく、この場合
色付けした表面を得ることができる。
【0012】このようにして、図1に示すように上下柱
11、12と梁17とが一体に接合されるのであるが、
注目すべきことは梁17が接合部材13、14の小径部
13b、14bにおいてボルト止めされていても、前記
の小径部13b、14bの側面が上下柱11、12の
表面よりも内側に引っ込んでいるために、ボルト20の
上端が上下柱11、12の表面から突出することがな
く、カバープレート15を設けることにより、外観上、
ボルト20などが露呈されないようにすることができる
ことである。そして、梁17はボルト止めであるが、ボ
ルト20が上下柱11、12の側面から突出しないこ
と、カバープレート15によりボルト止め部分が覆われ
ることと相まって、美観上優れたものになる。しかも、
上下柱11、12は端部に接合部材13、14が溶接接
合され、梁17は端部にエンドプレート18を溶接接合
した段階で工場から建築現場に運搬されるので、突出し
た部片がないため、荷姿がよく、運搬作業を容易に行う
ことができる。
【0013】次に、図5を参照して本発明の第2実施例
を説明する。なお、図5は鉄骨架構の接合部分を示す断
面図である。本実施例の説明にあたっては、前記第1実
施例と同様の作用をなす部材には同一の符号を付して説
明を省略する。この例では、接合部材として1個の接合
部材21が用いられ、また梁17を用いる。本実施例に
おいては、ステンレス鋼の溶接に際して、上柱11と接
合部材21との溶接に裏当て金11aが使用され、下柱
12と接合部材21との溶接にも裏当て金12aが使用
される。接合部材21の上下端部は、上柱11及び下柱
12内にがたつき無く嵌合し得る寸法の大径部21aに
形成され、小径部21bの各側面にはボルト挿通孔21
cが形成されている。一方、梁17にはステンレス鋼材
が使用され、その端部にはエンドプレート18が溶接接
合されている。なお、エンドプレート18に形成したボ
ルト挿通孔19の数及び形成位置は、前記ボルト挿通孔
21cに対応して設定されている。
【0014】次いで、鉄骨架構の接合方法について説明
すると、上下柱11、12と接合部材21とは工場にて
溶接接合され、梁17についてもエンドプレート18が
工場にて溶接接合される。そして、建築現場において小
径部21bの外側面に梁17のエンドプレート18を溶
接接合した端部を差し込み、ボルト20及びナット20
aにより締めつけ固定する。その後、上柱11の下端
下柱12の上端との間に上下柱11、12の表面と同じ
高さの表面を持つカバープレート15をはめ込む。この
結果、ボルト20及びナット20aは、上下柱11、1
2の側面に露呈せず、しかも締め付け固定箇所はカバー
プレート15により覆われるので、前記第1実施例の場
合と同様に美観が損なわれることがない。
【0015】次に、図6及び図7を参照して本発明の第
3実施例を説明する。なお、図6は鉄骨架構の接合部分
を示す断面図、図7は梁の端部形状を示す斜視図であ
る。本実施例の説明にあたっては、前記実施例と同様の
作用をなす部材には同一の符号を付して説明を省略す
る。本実施例は、ボルト20の本数を増加する場合に好
適なものであり、上柱11及び下柱12の構造は前記第
2実施例と同様であってよい。接合部材21について
は、梁17の取付強度を増すために、エンドプレート1
8の長さを梁17の高さよりも大きくできるように、小
径部21bが第2実施例の場合に比較してより縦長に形
成され、ボルト挿通孔21cが縦に複数個形成されると
ともに補強部材21dが形成されている。梁17につい
ては上柱11及び下柱12と同様にステンレス鋼からな
っており、エンドプレート18の縦径が小径部21bの
縦径に合わせて設定され、ボルト挿通孔19の数及び位
置もボルト挿通孔21cに合わせて設定されている。こ
れらの数及び位置は設計に際して適宜設定することがで
きる。
【0016】次いで、鉄骨架構の接合方法について説明
すると、上下柱11、12と接合部材21とは工場にて
溶接接合され、梁17についてもエンドプレート18が
工場にて溶接接合される。そして、建築現場において、
小径部21bによって形成される凹部に梁17の端部、
即ちエンドプレート18を溶接接合した端部を差し込
み、ボルト20及びナット20aにより締め付け固定す
る。その後、上柱11の下端と下柱12の上端との間に
上下柱11、12の表面と同じ高さの表面を持つカバー
プレート15をはめ込む。本実施例においても、ボルト
20及びナット20aは、上下柱11、12の側面に露
呈せず、しかも締め付け固定位置はカバープレート15
により覆われるので、前記第1実施例の場合と同様に美
観が損なわれることがない。
【0017】次に、図8〜図10を参照して本発明の第
4実施例を説明する。なお、図8は接合部材と梁との接
合形態を示す斜視図、図9は接合部材と梁との接合形態
を示す縦断面図、図10は接合部材と梁との接合形態を
示す横断面図である。本実施例の説明にあたっては、前
記実施例と同様の作用をなす部材には同一の符号を付し
て説明を省略する。本実施例は、接合部材21にH型鋼
からなる梁17と角形鋼材からなる梁31とを溶接接合
するものであり、上柱11、下柱12、梁17、31及
びカバープレート15はいずれもステンレス鋼材が使用
されている。本実施例では接合部材21に梁17、31
を溶接接合するのであるから、ボルト挿通孔は省略され
ており、前記の溶接接合においては、裏当て金21eを
使用する。また、梁17には溶接部Aに示すようにその
端部が直接小径部21bに溶接接合され、また梁31の
端部には図8に示すようにウエブ32が縦方向に溶接接
合されていて、梁31の上端、下端及び前記ウエブ32
が溶接部Aで直接小径部21bに溶接接合されている。
【0018】上下柱11、12と梁17、31の溶接接
合は、次のようにして行われる。即ち、工場において
下柱11、12と接合部材21とを溶接接合する。ま
た、工場において梁31にウエブ32を溶接で取り付け
る。梁31及びウエブ32の端部を開先加工する。ウエ
ブ32を溶接接続した位置の両側に開口部33を形成す
る。開口部33は、梁31を接合部材21に溶接接合す
る際の作業用として形成される。また、梁17の端部に
も開先加工する。建築現場においては、梁17の端部を
接合部材21の小径部21bの外側面に当接し、裏当て
金21eを当てて当接位置を溶接により接合する。この
際、梁17と小径部21bとの当接位置の全てについて
溶接するので、溶接位置はは各図に矢印Aで示すように
なる。その際、梁17の端部垂直部の下部及び上部は、
図示のように溶接作業のために切り欠き部を形成してお
くことが好ましい。梁31の溶接接合は、ウエブ32と
小径部21bとの当接位置、更に梁31と小径部21b
との当接位置の全域について行われる。従って、溶接接
合は矢印Aで示したように行われる。これにより、上下
柱11、12と梁17、31とは接合部材21を介して
強固に溶接接合される。そして、溶接位置は小径部21
bにおいて行われるので、溶接位置が上下柱11、12
の側面に露呈せず、カバープレート15により覆うこと
により美観をより一層向上させることができる。
【0019】次に、図11及び図12を参照して本発明
の第5実施例を説明する。なお、図11は柱梁接合部分
の形態を示す縦断面図、図12は梁の端部形状を示す斜
視図である。本実施例の説明にあたっては、前記実施例
と同様の作用をなす部材には同一の符号を付して説明を
省略する。本実施例は、上柱11と下柱12の径が異な
る際に好適なものである。即ち、図11に示すように上
柱11の径が下柱12の径に比較して小の場合は、接合
部材21の大径部21aのうち一方、本実施例では上柱
11内に嵌め込まれる上方の大径部21aの径を上柱1
1の内径に合わせて比較的小径に設定し、下方の大径部
21aの径を下柱12の内径に合わせて大径に設定す
る。接合部材21の小径部21bの外側面には縦方向に
L型金具の如き補助金具35が溶接により接合されてい
る。なお、補助金具35の溶接位置は、梁17のウエブ
17aの側面に沿うように設定され、補助金具35には
ボルト挿通孔36が形成されている。補助金具35の高
さは、上柱11等の内表面から外方へ出ないような高さ
とする。一方、梁17はエンドプレート18を省略し、
ウエブ17aにボルト挿通孔19が形成されている。
【0020】上下柱11、12と梁17との接合方法を
説明すると、工場において上柱11、接合部材21、下
柱12を溶接により接合し、小径部21bの外側面に補
助金具35を溶接により接合する。また、工場におい
て、梁17の端部のフランジに開先加工をし、また梁1
7のウエブ17aにボルト挿通孔19aを形成する。そ
して、建築現場において、補助金具35の側面に梁17
のウエブ17aを当て付け、ボルト20及びナット20
aによりボルト締めして固定する。また、梁17のフラ
ンジ17bと小径部21bとの当接位置を矢印Aに示す
ように溶接により接合する。この接合方法においは、ボ
ルト締めが小径部21bで形成される凹部内で行われ、
また溶接も凹部内で行われるので、上下柱11、12の
側面に露呈することがない。しかも、カバープレート1
5により接合部分を覆うこともでき、美観に優れたもの
になる。また、この場合、接合部材21のねじれ方向な
どの強度を増すために、小径部21b相互の間に補強部
材を設けるようにしてもよい。この補強部材は図17の
内ダイヤフラムに相当する作用をする。
【0021】次に、図13〜図15を参照して本発明の
第6実施例を説明する。なお、図13は柱梁接合部分の
形態を示す縦断面図、図14は梁の端部形状を示す斜視
図、図15はボルト止めの形態を示す説明図である。本
実施例の説明にあたっては、前記実施例と同様の作用を
なす部材には同一の符号を付して説明を省略する。本実
施例の特徴は、接合部材21の外部から係止部材を設け
たボルトを差し込んで係止するとともに、そのボルトを
利用して梁17を固定するように構成したことにある。
即ち、小径部21bには、側面から見て図15に示すよ
うな長方形のボルト挿通孔21fが開口され、小径部2
1bの背面側には図13及び図15に示すように2個の
係止突起21gが設けられている。
【0022】一方、梁17に溶接接合したエンドプレー
ト18にも、長方形のボルト挿通孔19aが形成され、
ボルト挿通孔21f、19aは梁17を小径部21bの
外側面に当接させたとき連通するように位置合わせされ
ている。本実施例におけるボルト41は特殊な形状であ
って、通常ネジ頭と言われる部分が板状の係止部材42
に形成され、この係止部材42の側面に植立するように
ネジ部43が設けられている。
【0023】次に、上下柱11、12と接合部材21、
更に梁17の接合方法を説明すると、上下柱11、12
と接合部材21とは、工場において溶接接合される。ま
た、梁17については、工場においてボルト挿通孔19
aを形成したエンドプレート18の溶接接合が行われ
る。そして、建築現場において、接合部材21の小径部
21bで形成される凹部に梁17の端部、即ちエンドプ
レート18を接合した端部を差し込み、ボルト挿通孔1
9a、21fの位置を合わせる。次に、エンドプレート
18の外側から、ボルト挿通孔19aと21fを挿通す
るようにしてボルト41の係止部材42を差し込み、次
いで図15に矢印で示すように係止部材42を回転させ
ると、その回転は係止突起21gにより規制されて、そ
の位置で止まる。この結果、係止部材42は図15に点
線で示すように小径部21bの背面に係止し、抜け出し
不可になる。
【0024】この状態で、エンドプレート18の表面か
らネジ部43が突出する形となるので、ナット20aを
用いてエンドプレート18と一体に梁17を接合部材2
1に締め付け固定する。本実施例においても、ボルト4
1及びナット20aによる締め付け部分は小径部21b
により形成される凹部内におさまるので、上下柱11、
12の表面に突出せず、美観が損なわれることはない。
また、カバープレート15で覆うことにより、接合部分
の殆どが隠され、美観をより一層向上させることができ
る。なお、前記各実施例はいずれも接合部材21を介し
て上下柱11、12と梁17等を接合するものであった
が、本発明は下記実施例に示すように柱と柱及び梁と梁
の接合にも適用することができる。また、構造部材とし
て筋交いを用いる場合にも適用される。
【0025】次に、本発明の第7実施例として、図16
及び図17を参照して柱と柱の接合方法を説明する。な
お、図16は柱と柱の接合部分を示す断面図であり、本
実施例の説明にあたっては、前記実施例と同様の作用を
なす部材に同一の符号を付して説明を省略する。上柱1
1の端部には、接合部材51の大径部51aが嵌め込ま
れて矢印Aに示すように溶接接合され、小径部51bは
端部から突出している。また、下柱12についても端部
に接合部材51の大径部51aが嵌め込まれて矢印Aに
示すように溶接接合され、小径部51bが端部から突出
している。そして、小径部51bの端部同士が当接する
ように位置決めされ、当接位置の内側に裏当て金61が
当て付けられ、矢印Bで示すように2つの小径部51b
の端部が裏当て金61と一体に溶接接合される。
【0026】接合方法について説明すると、上柱11と
接合部材51との溶接接合、更に下柱12と接合部材5
1との溶接接合は工場にて行う。建築現場にて上柱11
側の接合部材51と下柱12側の接合部材51とを溶接
接合するために裏当て金61を用いて溶接作業を行う。
そして、溶接接合位置をカバープレート62で覆うこと
により、美観を向上させることができる。なお、両接合
部材51の端部相互の接合は、前記のように溶接接合に
限定されない。即ち、両方の接合部材51の小径部51
bの端部に、図17に示すようにフランジ51cを設
け、ボルト20及びナット20aを用いて固定するよう
に構成する。この場合も、上柱11と接合部材51との
溶接接合、更に下柱12と接合部材51との溶接接合は
工場にて行い、建築現場にてボルト止め作業を行う。そ
して、カバープレート62で覆うことにより、美観を向
上させることができる。なお、接合対象を梁31に代え
てもよい。
【0027】以上に本発明の実施例を説明したが、本発
明は前記の実施例に限定されず種々の変形が可能であ
る。例えば、前記第1及び第2実施例等では、小径部1
3b、21bにおけるボルト止めの位置が対称位置にな
っているが、適宜ずらしてもよい。また、上下柱11、
12と接合部材13、14の溶接接合、更に上下柱1
1、12と接合部材21との溶接接合も前記に限定され
ない。例えば接合部材13、14の大径部13a、14
bに上下柱11、12の内側面に当接する裏当て金を設
けて上下柱13、14内に嵌合し、溶接接合を外側面で
行うようにしてもよい。更に、大径部13a、14aに
段差部を形成して上下柱11、12内に嵌合し、溶接を
外側面で行うようにしてもよい。この場合、溶接位置の
余盛りを切削し、美観が損なわれないようにする。
【0028】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る鉄
骨架橋の接合方法は、上下柱等の閉塞断面部材と梁等の
他の構造部材との接合が、前記閉塞断面部材の内表面
対し内側で行われるので、溶接接合の場合は溶接位置
が、またボルトとナットよる接合の場合はボルトやナッ
トが前記閉塞断面部材の表面に露呈されず、接合位置の
美観が向上し、意匠性が良くなる。また、接合位置を前
記他の構造部材と同種のカバープレートにより覆うこと
により、美観を更に向上させることができる。また、ボ
ルト接合部などの継ぎ手が外観的にないことから、構造
材の日常の清掃が容易になる。その接合に際して、溶接
やボルト接合部を隠すことが可能となるため、溶接歪み
や酸化スケールの除去が不要になり、仕上げ面へのスプ
ラッシュ付着防止も容易になるなど、現場での部材組み
立て作業性が向上し、その後の仕上げ面の修正が不要で
あるため、工期の短縮や工数の削減が可能である。
【0029】本発明による接合で得られる鉄骨架構の接
合部分は強固であって、十分な強度を得ることができ
る。前記閉塞部材と接合部材とは工場にて接合され、建
築現場にて他の構造部材を接合するので、ブラケットな
どがなく、そのため工場や現場での保管に際して、安定
した状態でかつ少ないスペースで保管することができ、
工場から建築現場への運搬に際しても、多量の材料を荷
姿良く積載することができ、積載、荷降ろしの作業工数
が少なく、運搬費が少なくなり、コストが低減し、安全
性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である鉄骨架構の斜視図で
ある。
【図2】梁の端部形状を示す斜視図である。
【図3】図1のX−X線断面図である。
【図4】本発明の第1実施例でカバープレートで覆った
鉄骨架構の斜視図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す鉄骨架構の断面図で
ある。
【図6】本発明の第3実施例を示す鉄骨架構の断面図で
ある。
【図7】梁の端部形状を示す斜視図である。
【図8】本発明の第4実施例を示す鉄骨架構の斜視図で
ある。
【図9】鉄骨架構の構造を示す縦断面図である。
【図10】鉄骨架構の構造を示す横断面図である。
【図11】本発明の第5実施例を示す鉄骨架構の断面図
である。
【図12】梁の端部形状を示す斜視図である。
【図13】本発明の第6実施例を示す鉄骨架構の断面図
である。
【図14】梁の端部形状を示す斜視図である。
【図15】ボルトの係止を示す説明図である。
【図16】本発明の第7実施例を示す鉄骨架構の断面図
である。
【図17】接合方法の他の例を示す鉄骨架構の断面図で
ある。
【図18】従来の鉄骨架構の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 上柱 12 下柱 13、14、21、51 接合部材 13a、14a、21a 大径部 13b、14b、21b 小径部 15 カバープレート 17、31 梁 18 エンドプレート 20、41 ボルト A、B、C 溶接接合位置
フロントページの続き (72)発明者 作田 幸弘 東京都千代田区富士見2丁目10番26号 前田建設工業株式会社内 (72)発明者 水口 進 東京都千代田区富士見2丁目10番26号 前田建設工業株式会社内 (72)発明者 新井 昭男 東京都中央区京橋1丁目5番8号 日本 冶金工業株式会社内 (72)発明者 多田 昌弘 東京都中央区京橋1丁目5番8号 日本 冶金工業株式会社内 (72)発明者 嘉陽 富男 東京都中央区京橋1丁目5番8号 日本 冶金工業株式会社内 (72)発明者 坂中 伸介 東京都中央区八丁堀4丁目5番4号 ナ スエンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−275839(JP,A) 特開 平1−268940(JP,A) 実公 昭48−31604(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/24 E04B 1/38

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造部材を相互に接続して鉄骨架構を構
    成するための鉄骨架構の接合方法において、閉塞断面部
    材の端部を、その側部の面が前記閉塞断面部材の内表面
    より内側にあり、かつそれとの接合部の面が前記閉塞断
    面部材の内表面より内側にある形状の高強度な接合部材
    を介して別の閉塞断面部材の端部と接合し、両方の閉塞
    断面部材の端部の間に閉塞断面部材の表面と同じ高さに
    カバープレートを設けたことを特徴とする鉄骨架構の接
    合方法。
  2. 【請求項2】 前記接合部材の側面に他の構造部材を接
    合し、その際前記他の構造部材との接合部の面が前記閉
    塞断面部材の内表面より内側にあるようにしたことを特
    徴とする請求項1記載の鉄骨架構の接合方法。
  3. 【請求項3】 前記閉塞断面部材と前記接合部材との接
    合に際して、前記接合部材はその端部の径が前記閉塞断
    面部材の内径よりも小さく、前記接合部材の端部を閉塞
    断面部材の中に挿入し、前記閉塞断面部材の端部内面と
    前記接合部材の端部を接合することを特徴とする請求項
    1記載の鉄骨架構の接合方法。
  4. 【請求項4】 前記閉塞断面部材及び前記他の構造部材
    の少なくとも1つががステンレス鋼からなることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載の鉄骨架構の接合方
    法。
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