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JP3420641B2 - 密閉形圧縮機 - Google Patents

密閉形圧縮機

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Publication number
JP3420641B2
JP3420641B2 JP19823394A JP19823394A JP3420641B2 JP 3420641 B2 JP3420641 B2 JP 3420641B2 JP 19823394 A JP19823394 A JP 19823394A JP 19823394 A JP19823394 A JP 19823394A JP 3420641 B2 JP3420641 B2 JP 3420641B2
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JP
Japan
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flow path
stator
flow
motor
peripheral surface
Prior art date
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JP19823394A
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English (en)
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JPH0865961A (ja
Inventor
豊 笹原
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Toshiba Carrier Corp
Original Assignee
Toshiba Carrier Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=16387725&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3420641(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Toshiba Carrier Corp filed Critical Toshiba Carrier Corp
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  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)
  • Compressor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、空気調和機等の冷凍
サイクルに用いる密閉形圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】空気調和機等の冷凍サイクルに使用する
密閉形圧縮機は、密閉ケース内の上部に電動機部、下部
に圧縮機部を設け、圧縮機部で圧縮した冷媒(ガス冷
媒)を電動機部の隙間などを通して密閉ケース内の上部
空間に導き、そこから密閉ケースの上部の吐出口を通し
て外部(冷凍サイクル中)に吐出する。また、密閉ケー
ス内の底部に潤滑油を収容し、この潤滑油によって圧縮
機部の機械的な潤滑作用を確保しかつ圧縮機部を冷却す
るようにしている。
【0003】このような密閉形圧縮機では、圧縮された
冷媒が密閉ケース内の上部空間に流れるとき、それに伴
うように霧状の潤滑油が上部空間に吹き上げられて浮遊
する。浮遊する潤滑油は、比重が重いことにより電動機
部とケース内周面との間の油戻し用の流路を通って底部
へと落ちるが、一部は上部空間からそのまま冷媒と共に
外部に流出する。流出した冷媒は冷凍サイクル中を循環
し、やがて圧縮機に戻ることになる。
【0004】ただし、上部空間に至る潤滑油は、電動機
部の隙間を通って吹き上がる分だけでなく、実際には、
電動機部とケース内周面との間の油戻し用の流路を通っ
て吹き上がる分も存在する。この分だけ、圧縮機から流
出する潤滑油の量が多くなる傾向にある。
【0005】潤滑油の流出量が多いと、密閉ケース内の
潤滑油量が不足気味となり、圧縮機部の潤滑作用に支障
を来たしたり、あるいは圧縮機部に対する冷却作用が損
なわれてしまう。
【0006】これに対し、たとえば実公昭62-42138号公
報に示される圧縮機では、密閉ケース内の電動機部と圧
縮機部との間に、筒状の油分離器を設けている。また、
実開昭55-78783号公報に示される圧縮機では、密閉ケー
ス内の電動機部と圧縮機部との間に、油遮蔽筒を設けて
いる。
【0007】この油分離器あるいは油遮蔽筒は、霧状の
潤滑油が電動機部とケース内周面との間の油戻し用の流
路に流れるのを阻止する働きをする。つまり、上部空間
に流れる潤滑油は電動機部の隙間を通って吹き上がる分
だけに制限され、これにより圧縮機から流出する潤滑油
量が抑制されることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の油分離器や油遮
蔽筒を設けるスペース、つまり電動機部と圧縮機部との
間の空間は、かなり狭い。このため、油分離器や油遮蔽
筒は、自ずと薄板形状となり、しかも電動機部の巻線に
対する電気的な絶縁作用を確保する必要性から剛性に乏
しい絶縁材料によって形成される。
【0009】このような、薄板形状で、しかも剛性に乏
しい油分離器や油遮蔽筒を採用すると、運転中に大きな
騒音および振動が発生してしまう。この騒音および振動
は、空気調和機が設置された住居の住人にとって不快で
ある。
【0010】この発明は上記の事情を考慮したもので、
第1および第2の発明のいずれの密閉形圧縮機も、大き
な騒音や振動を生じることなく、潤滑油の流出量を抑制
して圧縮機部の良好な潤滑作用および圧縮機部に対する
十分な冷却作用が得られることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明の密閉形圧縮
機は、上部に吐出口を有する密閉ケースと、この密閉ケ
ース内の上部に設けられ、ステータおよびそのステータ
の内側のロータからなる直流モータと、上記密閉ケース
内の下部に設けられ、上記直流モータにより駆動されて
冷媒を圧縮する圧縮機部と、上記密閉ケース内の下部に
収容された潤滑油と、上記ステータよりも内周側に形成
され、上記直流モータの上下両端を軸方向に連通する第
1流路と、上記ステータよりも外周側に形成され、上記
直流モータの上下両端を軸方向に連通する第2流路とを
備え、上記第1流路の流路抵抗性を上記第2流路の流路
抵抗性よりも小さく設定した。
【0012】第2の発明の密閉形圧縮機は、第1の発明
において、第1流路が、ステータの内周面とロータの外
周面との間に確保されるエアギャップ、ステータにおけ
る巻線収容スロットの開口からステータの内周面にかけ
て形成される溝部、およびロータに形成される複数本の
貫通孔であり、第2流路が、ステータの外周面と密閉ケ
ースの内周面との間に形成される油戻し用の流路であ
る。
【0013】
【作用】第1および第2の発明の密閉形圧縮機では、圧
縮冷媒および潤滑油が、流路抵抗性の小さい方の第1流
路に流入し易くなって、その分、第2流路には流入し難
くなる。よって、密閉ケース内の上部空間に流れる圧縮
冷媒および潤滑油はほぼ第1流路を通る分だけに制限さ
れ、同時に、第2流路が上部空間から下部への本来の油
戻し用としてほぼ専用化される。
【0014】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照して説明する。図1および図2において、1は密閉ケ
ースで、有底円筒状で上部に開口を有するケース本体1
a、およびこのケース本体1aの上部開口を閉塞するア
ッパーケース1bからなる。ケース本体1aの下部には
一対の吸込管4、アッパーケース1bには吐出管6がそ
れぞれ形成される。
【0015】吸込管4に消音用のマフラー5が設けられ
る。吐出口3には吐出管6が接続される。そして、吐出
管6からマフラー5にかけて、空気調和機に搭載する冷
凍サイクルが構成される。
【0016】密閉ケース1内の上部に、電動機部として
ブラシレス直流モータ10が設けられる。このブラシレ
ス直流モータ10は、ステータ11、およびこのステー
タ11の内側に設けられたロータ12からなる。
【0017】ステータ11の内周面には多数の巻線収容
スロット13が配列され、これらスロット13に複数の
相巻線14が埋め込み装着される。ロータ12は、円盤
状の多数枚の鋼板を軸方向に積層し、芯となる部分にシ
ャフト15を通すとともに、そのシャフト15を囲む位
置に4つの永久磁石片16を収容している。
【0018】すなわち、ステータ11の各相巻線14が
順次に通電されると、各相巻線14に順次に磁界が生
じ、それとロータ12の各永久磁石片16が作る磁界と
の相互作用により、ロータ12に回転トルクが生じるよ
うになっている。
【0019】一方、密閉ケース1内の底部には圧縮機部
20が設けられる。この圧縮機部20は、上記シャフト
15を支持するためのメインベアリング21およびサブ
ベアリング22を有し、このメインベアリング21とサ
ブベアリング22との間に一対のシリンダ23,23を
有する。これらシリンダ23内にはそれぞれシャフト1
5の偏心部15aが収容され、この偏心部15aの外周
にローラ24が装着され、かつブレード25が設けら
れ、そのローラ24とブレード25とによりそれぞれ圧
縮室26が形成される。これら圧縮室26には両吸込口
2が連通される。また、各シリンダ23において、各圧
縮室26と対応する位置にそれぞれ吐出口27が形成さ
れる。
【0020】すなわち、ブラシレス直流モータ10が駆
動されてシャフト15が回転すると、圧縮機部20の各
ローラ23が偏心回転し、各圧縮室26に吸入圧が生じ
る。この吸入圧によって各吸込管4から各圧縮室26に
冷媒(ガス)が流入する。流入した冷媒はそのまま各圧
縮室26で圧縮され、各吐出口27から密閉ケース1内
へ吐出される。
【0021】また、密閉ケース1内の底部には、潤滑油
が収容される。この潤滑油は、シャフト15の軸方向に
形成された中空孔穴の下端部に設けられる捩り板状のオ
イルポンプにより吸上げられ、シャフト15の中空孔の
径方向に設けられた連通孔を介して圧縮機部20内に給
油される。これにより、圧縮機部20の機械的な潤滑作
用を確保し、かつ圧縮機部20が冷却される。なお、潤
滑油は常に底部に貯留されているわけでなく、圧縮機部
20の駆動に伴い、また上記各吐出口27からの冷媒の
吐出に伴い、一部が霧状となって密閉ケース1内の上方
へと吹き上げられる。
【0022】一方、ステータ11よりも内周側(シャフ
ト15側)に、ブラシレス直流モータ10の上下両端を
軸方向に貫通し連通する第1流路が形成される。この第
1流路は、圧縮機部20から吐出される冷媒を密閉ケー
ス1内の上部空間に導くためのもので、次のものがあ
る。
【0023】(1)ステータ11の内周面とロータ12
の外周面との間に確保されるエアギャップ41。 (2)ステータ11における各スロット13の開口から
ステータ11の内周面にかけて形成される溝部42。
【0024】(3)ロータ12において各永久磁石片1
6の収容部よりも内周側の位置に形成され、ロータ12
をシャフト方向に沿って貫通する4本の貫通孔43。ま
た、ステータ11よりも外周側に、ブラシレス直流モー
タ10の上下両端を軸方向に貫通し連通する第2流路が
形成される。この第2流路は、密閉ケース1内の上部空
間に存する潤滑油を密閉ケース1内の下部に戻すための
もので、次のものがある。
【0025】(1)ステータ11の外周面にかつシャフ
ト方向に沿って形成された多数本の切欠き溝11aであ
って、これら切欠き溝11aとケース本体1aの内周面
との間の隙間がそれぞれ油戻し用の流路44となる。
【0026】ここで、ブラシレス直流モータ10は、ロ
ータ12が永久磁石16を持っていてその磁力が強いこ
とから、ロータに磁力を持たない交流モータに比べて効
率が良い。この効率の良さの余裕から、ブラシレス直流
モータ10では、ステータ11とロータ12との間のエ
アギャップを交流モータに比べて大きくとることができ
る。交流モータの場合は、効率を下げないようエアギャ
ップの径をできるだけ小さくする必要がある。
【0027】また、ブラシレス直流モータ10のロータ
12は効率の良さの余裕から、ロータ12の径方向にも
スペース的な余裕が生じる。このスペース的な余裕か
ら、各貫通孔43の径をなるべく大きくとることができ
る。
【0028】したがって、エアギャップおよび各貫通孔
43の径を同等の能力の交流モータに比べて大きくとる
ことにより、ブラシレス直流モータ10のステータ11
よりも内周側に位置する第1流路としては、冷媒の流れ
方向に対して直交する方向の断面積が増大する。
【0029】ステータ11よりも外周側に位置する第2
流路である油戻し用の流路44は、冷媒の流れ方向に対
して直交する方向の断面積は同等能力の交流モータを使
用した場合と同じである。
【0030】そして、この断面積の設定により、第1流
路の流路抵抗性を第2流路の流路抵抗性よりも小さくし
ている。つぎに、上記の構成の作用を説明する。
【0031】ブラシレス直流モータ10が駆動される
と、両吸込管4から密閉ケース1内に冷媒が吸込まれ、
それが圧縮機部20で圧縮される。圧縮された冷媒は圧
縮機部20とブラシレス直流モータ10との間の空間に
吐出され、霧状の潤滑油と共に、ステータ11の内周側
の第1流路(エアギャップ41、各溝部42、および各
貫通孔43)およびステータ11の外周側の第2流路
(油戻し用の各流路44)に流入しようとする。
【0032】ここで、圧縮され吐出された冷媒および潤
滑油は、流路抵抗性の小さい方の第1流路に流入し易く
なって、第2流路には流入し難くなる。したがって、密
閉ケース1内の上部空間に流れる圧縮冷媒および潤滑油
はほぼ第1流路を通る分だけに制限される。つまり、上
部空間に流れる潤滑油の量が従来に比べて少なくなる。
【0033】第1流路を通って密閉ケース1内の上部空
間に流れた冷媒は、吐出管6から冷凍サイクル中に吐出
される。また、密閉ケース1内の上部空間に浮遊する潤
滑油は、第1流路に制限された上昇方向の流れと重力の
作用により、第2流路を通って底部へ落下する。この場
合、圧縮され吐出された冷媒および潤滑油が第2流路に
流入し難い状態にあるので、第2流路は本来の油戻し用
としてほぼ専用化される。つまり、上部空間に至った潤
滑油が効率よく下部に落下する。
【0034】なお、浮遊する潤滑油の一部は冷媒と共に
吐出管6から流出するが、その流出した潤滑油は冷凍サ
イクル中を循環し、やがて密閉ケース1に戻る。このよ
うに、圧縮冷媒および潤滑油をなるべく第1流路の方を
通して上昇させ、かつ第2流路の方は本来の油戻し用と
してなるべく専用化することにより、密閉ケース1から
外に流出する潤滑油の量が少なくなる。
【0035】潤滑油の流出量が少なくなれば、圧縮機部
20の良好な潤滑作用および圧縮機部20に対する十分
な冷却作用が得られる。とくに、従来の油分離器や油遮
蔽筒のような特別な部材を密閉ケース1内に設ることは
なく、運転中に大きな騒音や振動が生じない。
【0036】ところで、参考のために述べると、流路抵
抗性の指標として、“流体平均深さ”がある。これは、
流路抵抗性に反比例するもので、次式で表わされる。 流体平均深さM=断面積A/周長L 断面積Aは、流路の断面積(流れ方向に対して直交する
方向の断面積)。周長Lは、流路において、流体が接す
る周囲の長さ(ぬれ縁の長さ)である。
【0037】たとえば、流路の断面(流れに対して直交
する方向の断面)が正方形で、その正方形の一辺の長さ
がaであれば、周長L=4・aとなる。図3に示すよう
に、流路の断面が円形で、その円形の半径がr1 であれ
ば、周長L=2・π・r1 となる。図4に示すように、
流路の断面が環状形で、環状幅が(r3 −r2 )であれ
ば、周長L=2・π・r2 +2・π・r3 となる。
【0038】ステータ11よりも内周側の第1流路の周
長Lは、ステータ11の内周の長さ、ロータ12の外周
の長さ、および各貫通孔43の円周の長さの和である。
一方、ステータ11よりも外周側の第2流路の周長L
は、ステータ11の外周の長さ、およびケース本体1a
の内周の長さの和である。
【0039】第1流路の断面積Aと、第2流路の断面積
Aとが同じであると仮定すれば、周長Lの短い方の流路
が、周長Lの長い方の流路よりも、流体平均深さMが大
きくなる。つまり、流路抵抗性が小さくなる。
【0040】第1流路および第2流路のそれぞれ周長L
は任意であって、それぞれの断面積Aが相対的に大きく
異なると仮定すれば、断面積Aの大きい方の流路が、断
面積Aの小さい方の流路よりも、流体平均深さMが大き
くなる。つまり、流路抵抗性が小さくなる。
【0041】また、流路における流体の速度(つまり流
速)は、次式で表わされる。 流速V=流量Q/断面積A 図5に示すように、流量Qの流れが2つの流路の流れに
分かれる場合を考えると、各流路の長さdが同じなら、
それぞれの流量Q1 ,Q2 は、各流路の断面積A1 ,A
2 に比例すると考えるのが一般的である。
【0042】Q1 =[A1 /(A1 +A2 )]・Q Q2 =[A2 /(A1 +A2 )]・Q よって、各流路の流速V1 ,V2 は、次のようになる。
【0043】V1 =Q1 /A1 =Q/(A1 +A2 ) V2 =Q2 /A2 =Q/(A1 +A2 ) すなわち、各流路の流速V1 ,V2 は同じとなる。
【0044】ただし、各流路の断面積Aが同じでも、そ
れぞれの流体平均深さMによって流れ易さに差があると
考えるのが理にかなっている。図5の例において、各流
路の断面積A1 ,A2 が同じで、かつ各流路の周長がL
1 ,L2 がL1 >L2 の関係にあると仮定すると、各流
路の流体平均深さM1,M2 は次式で表わされ、M1
2 の関係が生じる。
【0045】M1 =A1 /L12 =A2 /L2 これから流量Q1 ,Q2 を求めると、次のようになり、
1 >Q2 の関係が生じる。
【0046】Q1 =[M2 /(M1 +M2 )]・Q Q2 =[M1 /(M1 +M2 )]・Q 各流路の流速V1 ,V2 を求めると、次のようになる。
【0047】V1 =Q1 /A12 =Q2 /A2 ここで、A1 =A2 の条件を加えると、V1 >V2 の関
係が生じる。すなわち、同じ断面積でも流速は変化す
る。
【0048】一方、密閉ケース1内の上部空間に浮遊し
ている潤滑油の霧滴が、そのまま浮遊を続けるかあるい
は落下するかについては、霧滴に作用する浮力および重
力、さらに冷媒の粘性率の三者の釣合いにより決定され
る。この釣合いを表わしたのが数式1である。
【0049】
【数1】
【0050】なお、rは潤滑油の霧滴の半径、ρは油の
密度、ρ´冷媒の密度、ηは冷媒の粘性率、Vは霧滴に
加わる速度、gは重力加速度である。これを変形する
と、数式2となる。
【0051】
【数2】
【0052】この式から、浮遊し得る霧滴の大きさは、
流速Vの平方根に比例することが判る。つまり、流速V
が小さくなれば、浮遊し得る霧滴の大きさが小さくな
る。したがって、本実施例のように、第1流路の流路抵
抗性を第2流路より小さくすれば、第2流路の流速Vが
第1流路よりも小さくなり、これにより、第2流路を通
る潤滑油の霧滴の大きさは第1流路より小さくなり、下
方向に油が戻りやすくすることができる。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように、第1および第2の発
明のいずれの密閉形圧縮機も、ステータの内周側に形成
する第1流路の流路抵抗性を、ステータの外周側に形成
する第2流路の流路抵抗性よりも小さく設定する構成と
したので、大きな騒音や振動を生じることなく、潤滑油
の流出量を抑制して圧縮機部の良好な潤滑作用および圧
縮機部に対する十分な冷却作用が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の内部の構成を示す断面
図。
【図2】同実施例のケース本体の構成を上方から見た
図。
【図3】同実施例に関わる断面積および周長の関係を説
明するための図。
【図4】同実施例に関わる断面積および周長の関係を説
明するための図。
【図5】同実施例に関わる流速、流量、および断面積の
関係を説明するための図。
【符号の説明】
1…密閉ケース、3…吐出口、10…ブラシレス直流モ
ータ、11…ステータ、12…ロータ、16…永久磁
石、41…エアギャップ(第1流路)、42…溝部(第
1流路)、43…貫通孔(第1流路)、44…油戻し用
の流路(第2流路)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 9/00 - 9/28 H02K 7/00 - 7/20 F04C 23/00 - 29/10 F04B 39/00 - 39/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部に吐出口を有する密閉ケースと、 この密閉ケース内の上部に設けられ、ステータおよびそ
    のステータの内側のロータからなる直流モータと、 前記密閉ケース内の下部に設けられ、前記直流モータに
    より駆動されて冷媒を圧縮する圧縮機部と、 前記密閉ケース内の下部に収容された潤滑油と、 前記ステータよりも内周側に形成され、前記直流モータ
    の上下両端を軸方向に連通する第1流路と、 前記ステータよりも外周側に形成され、前記直流モータ
    の上下両端を軸方向に連通する第2流路とを備え、 前記第1流路の流路抵抗性を前記第2流路の流路抵抗性
    よりも小さく設定したことを特徴とする密閉形圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の密閉形圧縮機におい
    て、 第1流路は、ステータの内周面とロータの外周面との間
    に確保されるエアギャップ、ステータにおける巻線収容
    スロットの開口からステータの内周面にかけて形成され
    る溝部、およびロータに形成される複数本の貫通孔であ
    り、 第2流路は、ステータの外周面と密閉ケースの内周面と
    の間に形成される油戻し用の流路である、 ことを特徴とする密閉形圧縮機。
JP19823394A 1994-08-23 1994-08-23 密閉形圧縮機 Ceased JP3420641B2 (ja)

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