JP3416520B2 - 液体供給システム、インクジェットカートリッジ、ヘッドカートリッジ、および液体供給容器 - Google Patents
液体供給システム、インクジェットカートリッジ、ヘッドカートリッジ、および液体供給容器Info
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- JP3416520B2 JP3416520B2 JP11935598A JP11935598A JP3416520B2 JP 3416520 B2 JP3416520 B2 JP 3416520B2 JP 11935598 A JP11935598 A JP 11935598A JP 11935598 A JP11935598 A JP 11935598A JP 3416520 B2 JP3416520 B2 JP 3416520B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部へ液体を供給
するために負圧を利用する液体供給システムに関し、よ
り具体的には記録ヘッドに液体を供給して被記録媒体に
印字記録する液体噴射記録装置における液体供給システ
ム、インクジェットカートリッジ、ヘッドカートリッジ
および液体供給容器に関する。
するために負圧を利用する液体供給システムに関し、よ
り具体的には記録ヘッドに液体を供給して被記録媒体に
印字記録する液体噴射記録装置における液体供給システ
ム、インクジェットカートリッジ、ヘッドカートリッジ
および液体供給容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、外部へ液体を供給するために負圧
を利用する液体供給方法としては、例えばインクジェッ
ト記録装置分野では、インク吐出ヘッドに対して負圧を
与えるインクタンクが提案され、記録ヘッドと一体化可
能にした構成(インクジェットカートリッジ)が実施さ
れてきた。インクジェットカートリッジは、さらに分類
すると、記録ヘッドとインクタンク(インク収容部)と
が常時一体の構成と、記録手段とインク収納部が別体
で、かつ記録装置に対して双方とも分離でき、使用時に
一体にして使用する構成とに分けることができる。
を利用する液体供給方法としては、例えばインクジェッ
ト記録装置分野では、インク吐出ヘッドに対して負圧を
与えるインクタンクが提案され、記録ヘッドと一体化可
能にした構成(インクジェットカートリッジ)が実施さ
れてきた。インクジェットカートリッジは、さらに分類
すると、記録ヘッドとインクタンク(インク収容部)と
が常時一体の構成と、記録手段とインク収納部が別体
で、かつ記録装置に対して双方とも分離でき、使用時に
一体にして使用する構成とに分けることができる。
【0003】このような液体供給システムにおいて負圧
を発生させるための最も容易な方法の一つとして、多孔
質体の毛管力を利用する方法が挙げられる。この方法に
おけるインクタンクは、インクタンク内部全体にインク
貯蔵を目的として収納、好ましくは圧縮収納されたスポ
ンジ等の多孔質体と、印字中のインク供給を円滑にする
ためインク収納部に空気を取り入れ可能な大気連通口と
を含む構成となる。
を発生させるための最も容易な方法の一つとして、多孔
質体の毛管力を利用する方法が挙げられる。この方法に
おけるインクタンクは、インクタンク内部全体にインク
貯蔵を目的として収納、好ましくは圧縮収納されたスポ
ンジ等の多孔質体と、印字中のインク供給を円滑にする
ためインク収納部に空気を取り入れ可能な大気連通口と
を含む構成となる。
【0004】しかし、多孔質部材をインク保持部材とし
て使用する場合の課題として、単位体積当たりのインク
収納効率が低いことが挙げられる。この課題を解決する
ために、本出願人は、特開平6−226990号公報に
おいて、毛管力発生部材収納室に対して連通部を除く全
体が実質密閉のインク収納室を有し負圧発生部材収納室
を大気に開放した状態で使用されるインクタンクに対し
て、インク収納室を交換可能にした発明を提案してい
る。
て使用する場合の課題として、単位体積当たりのインク
収納効率が低いことが挙げられる。この課題を解決する
ために、本出願人は、特開平6−226990号公報に
おいて、毛管力発生部材収納室に対して連通部を除く全
体が実質密閉のインク収納室を有し負圧発生部材収納室
を大気に開放した状態で使用されるインクタンクに対し
て、インク収納室を交換可能にした発明を提案してい
る。
【0005】このインクタンクは、多孔質体がインクタ
ンク全体に挿入されている構成と比較して単位体積当た
りのインク収納効率及びインク保持能力を高めることが
できる。さらに、特開平6−226990号公報に開示
されるインクタンクは、交換性という観点からも、技術
的に優れたものとなっている。
ンク全体に挿入されている構成と比較して単位体積当た
りのインク収納効率及びインク保持能力を高めることが
できる。さらに、特開平6−226990号公報に開示
されるインクタンクは、交換性という観点からも、技術
的に優れたものとなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記インクタンクは、
インク収納室のインクを使用する際に気液交換を行う、
すなわち、インク収納部の空間内に外気が導入されるこ
とでインク収納室から負圧発生部材へインク供給がなさ
れるため、インク収納室内に空気とインクとが存在する
ことになる。
インク収納室のインクを使用する際に気液交換を行う、
すなわち、インク収納部の空間内に外気が導入されるこ
とでインク収納室から負圧発生部材へインク供給がなさ
れるため、インク収納室内に空気とインクとが存在する
ことになる。
【0007】ところで、一般にプリンタの使用される環
境は、地域によって大きく異なるが、一定温度において
設定されることが多い。
境は、地域によって大きく異なるが、一定温度において
設定されることが多い。
【0008】ところが、実際は、温度変化が激しい地域
や、一日の温度差が大きい地域もあり、そのため、イン
ク収納室内に外気が膨張したりして、インク収納室内の
インクが負圧発生部材収納室側へ導出されたりする。そ
のため、従来技術では、その膨張割合に対するインク移
動量を考慮して、結果的にインク収納室内の内容積をあ
まり大きくできない場合があった。
や、一日の温度差が大きい地域もあり、そのため、イン
ク収納室内に外気が膨張したりして、インク収納室内の
インクが負圧発生部材収納室側へ導出されたりする。そ
のため、従来技術では、その膨張割合に対するインク移
動量を考慮して、結果的にインク収納室内の内容積をあ
まり大きくできない場合があった。
【0009】本発明者らは、上記課題を解決するための
新規な動作原理に基づく液体収納容器に関する出願を既
に行っており、本発明は、本発明者らのより好ましい着
想により想起されたものである。
新規な動作原理に基づく液体収納容器に関する出願を既
に行っており、本発明は、本発明者らのより好ましい着
想により想起されたものである。
【0010】本発明の目的は、負圧発生部材収納室と液
体収納室とを分離可能にした場合に、液体供給動作をよ
り一層確実、かつ安定して行える液体供給システム、イ
ンクジェットカートリッジ、ヘッドカートリッジ等を提
供することである。
体収納室とを分離可能にした場合に、液体供給動作をよ
り一層確実、かつ安定して行える液体供給システム、イ
ンクジェットカートリッジ、ヘッドカートリッジ等を提
供することである。
【0011】本発明の他の目的は、上記液体供給システ
ムを適用可能なインクジェットカートリッジなど、関連
する諸発明を提供することである。
ムを適用可能なインクジェットカートリッジなど、関連
する諸発明を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の諸目的を達成する
ための本発明の具体的な手段は以下の構成から理解でき
よう。
ための本発明の具体的な手段は以下の構成から理解でき
よう。
【0013】本発明の液体供給システムは、密閉空間内
に液体を収納し変形することで負圧を発生可能な液体収
納部を備えた液体供給容器と、前記液体供給容器に対し
て着脱可能であり、液体を保持可能な毛管力発生部材、
大気と連通する大気連通部、及び外部に液体を供給する
ための液体供給部を備えた毛管力発生部材収納容器と、
を備えた液体供給システムであって、前記液体供給容器
と前記毛管力発生部材収納容器とを連通させるための連
通部が、優先的に気体を前記液体供給容器内へ導入する
ための気体優先導入路と、液体を前記液体供給容器から
導出させるための液体導出路とを備えていることを特徴
とする。
に液体を収納し変形することで負圧を発生可能な液体収
納部を備えた液体供給容器と、前記液体供給容器に対し
て着脱可能であり、液体を保持可能な毛管力発生部材、
大気と連通する大気連通部、及び外部に液体を供給する
ための液体供給部を備えた毛管力発生部材収納容器と、
を備えた液体供給システムであって、前記液体供給容器
と前記毛管力発生部材収納容器とを連通させるための連
通部が、優先的に気体を前記液体供給容器内へ導入する
ための気体優先導入路と、液体を前記液体供給容器から
導出させるための液体導出路とを備えていることを特徴
とする。
【0014】本発明の液体供給システムによれば、液体
供給容器と毛管力発生部材収納容器とを連通させる連通
部には、液体を液体供給容器から導出させるための液体
導出路と、気体を優先的に液体供給容器内へ導入するた
めの気体優先導入路とが備えられているので、気液交換
時には気体優先導入路を通じて気体が液体収納部内に導
入されやすくなる。その結果、液体収納部から毛管力発
生部材収納容器への液体の導出も安定して行われる。
供給容器と毛管力発生部材収納容器とを連通させる連通
部には、液体を液体供給容器から導出させるための液体
導出路と、気体を優先的に液体供給容器内へ導入するた
めの気体優先導入路とが備えられているので、気液交換
時には気体優先導入路を通じて気体が液体収納部内に導
入されやすくなる。その結果、液体収納部から毛管力発
生部材収納容器への液体の導出も安定して行われる。
【0015】
【0016】また本発明は、インクジェット記録分野に
おけるインクジェットカートリッジおよびヘッドカート
リッジにも適用可能なものである。
おけるインクジェットカートリッジおよびヘッドカート
リッジにも適用可能なものである。
【0017】本発明のインクジェットカートリッジは、
外部に液体を吐出する記録ヘッド部と、該記録ヘッド部
へ液体を供給するための液体供給部と、大気と連通する
ための大気連通部とを備え、内部に液体を保持可能毛管
力発生部材を収納する毛管力発生部材収納室と、密閉空
間内に液体を収納し変形することで負圧を発生可能な液
体収納部を備え、前記毛管力発生部材収納室に対して着
脱可能な液体供給容器とを備えるインクジェットカート
リッジであって、優先的に気体を前記液体供給容器内へ
導入するための気体優先導入路と、液体を前記液体供給
容器から導出させるための液体導出路とを、前記液体供
給容器と前記毛管力発生部材収納室との連通部に備える
ことを特徴とする。
外部に液体を吐出する記録ヘッド部と、該記録ヘッド部
へ液体を供給するための液体供給部と、大気と連通する
ための大気連通部とを備え、内部に液体を保持可能毛管
力発生部材を収納する毛管力発生部材収納室と、密閉空
間内に液体を収納し変形することで負圧を発生可能な液
体収納部を備え、前記毛管力発生部材収納室に対して着
脱可能な液体供給容器とを備えるインクジェットカート
リッジであって、優先的に気体を前記液体供給容器内へ
導入するための気体優先導入路と、液体を前記液体供給
容器から導出させるための液体導出路とを、前記液体供
給容器と前記毛管力発生部材収納室との連通部に備える
ことを特徴とする。
【0018】本発明のヘッドカートリッジは、密閉空間
内に液体を収納し変形することで負圧を発生可能な液体
収納部を備える液体供給容器を着脱自在に搭載可能なヘ
ッドカートリッジにおいて、外部に液体を吐出する記録
ヘッド部と、該記録ヘッド部へ液体を供給するための液
体供給部と、大気と連通するための大気連通部とを備
え、内部に液体を保持可能な毛管力発生部材を収納する
毛管力発生部材収納室とを有し、前記毛管力発生部材収
納室は前記記録ヘッド部と一体的に設けられるととも
に、前記毛管力発生部材収納室の前記液体供給容器との
連通部に、優先的に気体を前記液体供給容器内へ導入す
るための気体優先導入路と、液体を前記液体供給容器か
ら導出させるための液体導出路とを備えることを特徴と
する。
内に液体を収納し変形することで負圧を発生可能な液体
収納部を備える液体供給容器を着脱自在に搭載可能なヘ
ッドカートリッジにおいて、外部に液体を吐出する記録
ヘッド部と、該記録ヘッド部へ液体を供給するための液
体供給部と、大気と連通するための大気連通部とを備
え、内部に液体を保持可能な毛管力発生部材を収納する
毛管力発生部材収納室とを有し、前記毛管力発生部材収
納室は前記記録ヘッド部と一体的に設けられるととも
に、前記毛管力発生部材収納室の前記液体供給容器との
連通部に、優先的に気体を前記液体供給容器内へ導入す
るための気体優先導入路と、液体を前記液体供給容器か
ら導出させるための液体導出路とを備えることを特徴と
する。
【0019】さらに本発明は、液体供給システムに適用
可能な液体供給容器を提供するものである。本発明の液
体供給容器は、外部に液体を供給するための液体供給部
と大気と連通する大気連通部とを備え内部に液体を保持
する毛管力発生部材を収納する毛管力発生部材収納容器
に対して着脱自在に交換可能であり、前記毛管力発生部
材収納容器に供給する液体を収納する液体供給容器であ
って、前記毛管力発生部材収納容器に対しての連通部を
除いて実質的な密閉空間を形成するとともに内部に収納
される液体の導出に伴い変形し負圧発生可能な液体収納
部を有し、前記連通部には、液体を前記毛管力発生部材
収納容器に導出させるための液体導出路、および気体を
優先的に前記毛管力発生部材収納容器から導入するため
の気体優先導入路が形成されていることを特徴とする。
可能な液体供給容器を提供するものである。本発明の液
体供給容器は、外部に液体を供給するための液体供給部
と大気と連通する大気連通部とを備え内部に液体を保持
する毛管力発生部材を収納する毛管力発生部材収納容器
に対して着脱自在に交換可能であり、前記毛管力発生部
材収納容器に供給する液体を収納する液体供給容器であ
って、前記毛管力発生部材収納容器に対しての連通部を
除いて実質的な密閉空間を形成するとともに内部に収納
される液体の導出に伴い変形し負圧発生可能な液体収納
部を有し、前記連通部には、液体を前記毛管力発生部材
収納容器に導出させるための液体導出路、および気体を
優先的に前記毛管力発生部材収納容器から導入するため
の気体優先導入路が形成されていることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。
いて図面を参照して説明する。
【0021】なお、本発明の液体供給システムに用いら
れる液体として、以下の各実施形態ではインクを例にと
って説明を行っているが、適用可能な液体としてはイン
クに限ることなく、例えばインクジェット記録分野にあ
っては記録媒体に対する処理液などを含むことはいうま
でもない。
れる液体として、以下の各実施形態ではインクを例にと
って説明を行っているが、適用可能な液体としてはイン
クに限ることなく、例えばインクジェット記録分野にあ
っては記録媒体に対する処理液などを含むことはいうま
でもない。
【0022】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態の、液体供給システムを適用したインクジェ
ットカートリッジの概略を説明するための図であり、
(a)は液体供給システムの斜視図、(b)は(a)の
液体供給システムに記録ヘッドを接続した場合の断面図
である。
の実施形態の、液体供給システムを適用したインクジェ
ットカートリッジの概略を説明するための図であり、
(a)は液体供給システムの斜視図、(b)は(a)の
液体供給システムに記録ヘッドを接続した場合の断面図
である。
【0023】図1に示すように、本実施形態のインクジ
ェットカートリッジは、内部にインクを収納する液体供
給容器としてのインクタンク50およびインクタンク5
0から供給されるインクを一時的に保持する毛管力発生
部材収納室10で構成される液体供給システムに、毛管
力発生部材収納室10から供給されたインクを吐出して
記録を行う記録ヘッド60を接続したものである。
ェットカートリッジは、内部にインクを収納する液体供
給容器としてのインクタンク50およびインクタンク5
0から供給されるインクを一時的に保持する毛管力発生
部材収納室10で構成される液体供給システムに、毛管
力発生部材収納室10から供給されたインクを吐出して
記録を行う記録ヘッド60を接続したものである。
【0024】インクタンク50は、毛管力発生部材収納
室10に対して着脱自在に設けられたもので、内部にイ
ンクを収納するインク収納部53、インク収納部53の
液体を後述する毛管力発生部材収納室10へ導出するた
めのインク供給部52を備えている。また、インクタン
ク50は、室(筐体)を構成する外壁51と、外壁51
の内面と同等もしくは相似形の内面を有する内壁54と
により構成される。
室10に対して着脱自在に設けられたもので、内部にイ
ンクを収納するインク収納部53、インク収納部53の
液体を後述する毛管力発生部材収納室10へ導出するた
めのインク供給部52を備えている。また、インクタン
ク50は、室(筐体)を構成する外壁51と、外壁51
の内面と同等もしくは相似形の内面を有する内壁54と
により構成される。
【0025】インク供給部52はインクタンク50の下
端部に位置しており、インクタンク50の側端面に開口
している。インクタンク50を毛管力発生部材収納室1
0に接続する前はインク供給部52はシール部材57で
封止され、インク収納部53は大気に対して密閉状態と
なっている。
端部に位置しており、インクタンク50の側端面に開口
している。インクタンク50を毛管力発生部材収納室1
0に接続する前はインク供給部52はシール部材57で
封止され、インク収納部53は大気に対して密閉状態と
なっている。
【0026】内壁54は可撓性を有しており、インク収
納部53は、内部に収納されたインクの導出に伴い変形
可能である。また、内壁54は溶着部(ピンチオフ部)
56を有し、この溶着部56で内壁54は外壁51に係
合する形で支持されている。また、外壁51には大気連
通口55が設けられており、内壁54と外壁51との間
に大気を導入可能となっている。
納部53は、内部に収納されたインクの導出に伴い変形
可能である。また、内壁54は溶着部(ピンチオフ部)
56を有し、この溶着部56で内壁54は外壁51に係
合する形で支持されている。また、外壁51には大気連
通口55が設けられており、内壁54と外壁51との間
に大気を導入可能となっている。
【0027】一方、毛管力発生部材収納室10は、液体
を吐出口61から吐出して記録を行う記録ヘッド60等
の外部へインク(処理液などの液体を含む)を供給する
インク供給口12を有する筐体11と、毛管力発生部材
13と接するとともにインクタンク50から液体を導入
するための連通管71とを備えている。筐体11の内部
には、ポリウレタンフォームなどの多孔質部材、または
ポリエチレンやポリプロピレンなどからなる繊維状部材
から構成される毛管力発生部材13が収納され、毛管力
発生部材収納室10は、この毛管力発生部材13の毛管
力によるインクの吸収現象を利用してインクを保持す
る。連通管71は、毛管力発生部材収納室10の下端部
において側方に突出して設けられており、毛管力発生部
材収納室10とインクタンク50とは横方向に接続され
る。
を吐出口61から吐出して記録を行う記録ヘッド60等
の外部へインク(処理液などの液体を含む)を供給する
インク供給口12を有する筐体11と、毛管力発生部材
13と接するとともにインクタンク50から液体を導入
するための連通管71とを備えている。筐体11の内部
には、ポリウレタンフォームなどの多孔質部材、または
ポリエチレンやポリプロピレンなどからなる繊維状部材
から構成される毛管力発生部材13が収納され、毛管力
発生部材収納室10は、この毛管力発生部材13の毛管
力によるインクの吸収現象を利用してインクを保持す
る。連通管71は、毛管力発生部材収納室10の下端部
において側方に突出して設けられており、毛管力発生部
材収納室10とインクタンク50とは横方向に接続され
る。
【0028】毛管力発生部材収納室10はさらに、大気
導入溝17および大気連通口15を備えている。大気導
入溝17は、後述する気液交換を促進するためのもので
あり、連通管71の近傍の側壁面内側に、下端部が連通
管71の内部と連通して毛管力発生部材収納室10の上
端側に向かって鉛直方向に形成されている。大気連通口
15は、毛管力発生部材13と外気とを連通させるため
のものであり、毛管力発生部材収納室10の上端部に形
成されている。大気連通口15の近傍には、筐体11の
内面から突出したリブにより形成されたバッファ部16
が設けられている。本実施形態においては、連通管71
は、毛管力発生部材13と当接するとともに、その端部
は大気導入溝17とも連続しており、後述する液体供給
動作をスムーズに実現することが可能となっている。
導入溝17および大気連通口15を備えている。大気導
入溝17は、後述する気液交換を促進するためのもので
あり、連通管71の近傍の側壁面内側に、下端部が連通
管71の内部と連通して毛管力発生部材収納室10の上
端側に向かって鉛直方向に形成されている。大気連通口
15は、毛管力発生部材13と外気とを連通させるため
のものであり、毛管力発生部材収納室10の上端部に形
成されている。大気連通口15の近傍には、筐体11の
内面から突出したリブにより形成されたバッファ部16
が設けられている。本実施形態においては、連通管71
は、毛管力発生部材13と当接するとともに、その端部
は大気導入溝17とも連続しており、後述する液体供給
動作をスムーズに実現することが可能となっている。
【0029】さらに、連通管71の内部には、インク誘
導体75が挿入されている。インク誘導体75は、イン
クをインクタンク50から毛管力発生部材収納室10ま
で良好に導くためのものであり、例えば、毛管力を利用
してインクを導くことができるように、フェルト状のも
のや、繊維状体を連通管71の軸方向に沿って束ねたも
のなどが用いられる。また、インク誘導体75の断面の
大きさは連通管71の断面の大きさよりも小さく、イン
ク誘導体75の上面と連通管71の内面との間には隙間
が形成される。この隙間は大気導入溝17に接続してお
り、後述する気液交換時に気体が優先的に通る大気導入
路72を構成する。
導体75が挿入されている。インク誘導体75は、イン
クをインクタンク50から毛管力発生部材収納室10ま
で良好に導くためのものであり、例えば、毛管力を利用
してインクを導くことができるように、フェルト状のも
のや、繊維状体を連通管71の軸方向に沿って束ねたも
のなどが用いられる。また、インク誘導体75の断面の
大きさは連通管71の断面の大きさよりも小さく、イン
ク誘導体75の上面と連通管71の内面との間には隙間
が形成される。この隙間は大気導入溝17に接続してお
り、後述する気液交換時に気体が優先的に通る大気導入
路72を構成する。
【0030】なお、図1を含め以下の各断面図におい
て、毛管力発生部材13がインクを保持している領域に
ついては斜線部で示す。また、インク収納部53や大気
導入溝17、気液交換通路などのような空間内に収納さ
れているインクを網線部で示す。
て、毛管力発生部材13がインクを保持している領域に
ついては斜線部で示す。また、インク収納部53や大気
導入溝17、気液交換通路などのような空間内に収納さ
れているインクを網線部で示す。
【0031】本実施形態のインクタンク50は、略直方
体形状をなす6つの平面から構成され、円筒状のインク
供給部52が曲面として付加されたものであり、この直
方体形状の最大面積面は、図1上で間接的に表示されて
いる。そして、内壁54の厚さは、直方体の各面の中央
域より頂点部分(頂点部分が微小曲面形状をなす場合も
含め、以下、角部と称する)を構成する部分の方が薄
く、各面の中央域から前記角部それぞれに向かって徐々
に減少しており、インク収納部内側に凸の形状を有して
いる。この方向は、言い換えると面の変形方向と同じで
あり、後述する変形を促進させる効果を有する。
体形状をなす6つの平面から構成され、円筒状のインク
供給部52が曲面として付加されたものであり、この直
方体形状の最大面積面は、図1上で間接的に表示されて
いる。そして、内壁54の厚さは、直方体の各面の中央
域より頂点部分(頂点部分が微小曲面形状をなす場合も
含め、以下、角部と称する)を構成する部分の方が薄
く、各面の中央域から前記角部それぞれに向かって徐々
に減少しており、インク収納部内側に凸の形状を有して
いる。この方向は、言い換えると面の変形方向と同じで
あり、後述する変形を促進させる効果を有する。
【0032】また、内壁54の角部は3面により構成さ
れているので、結果として内壁54の角部全体の強度は
中央域の強度に比べ相対的には強くなっている。また、
面の延長から見れば、中央域に比べて厚さは薄いので後
述する面の移動を許容する。この内壁54の角部を構成
する部分は、それぞれほぼ同等の厚さであることが望ま
しい。
れているので、結果として内壁54の角部全体の強度は
中央域の強度に比べ相対的には強くなっている。また、
面の延長から見れば、中央域に比べて厚さは薄いので後
述する面の移動を許容する。この内壁54の角部を構成
する部分は、それぞれほぼ同等の厚さであることが望ま
しい。
【0033】なお、図1は模式的概略図であるため、イ
ンクタンク50の外壁51と内壁54との位置関係は空
間を隔てたように描かれているが、実際は分離可能な状
態になっていればよく、内壁54と外壁51が接触して
いても、微小な空間を隔てて配置されるように構成され
ていてもよい。
ンクタンク50の外壁51と内壁54との位置関係は空
間を隔てたように描かれているが、実際は分離可能な状
態になっていればよく、内壁54と外壁51が接触して
いても、微小な空間を隔てて配置されるように構成され
ていてもよい。
【0034】次に、本液体供給システムのインクの液体
供給動作について、図2〜図7を用いて説明する。図2
〜図6のそれぞれは、図1に示す液体供給システムのイ
ンクタンク50を毛管力発生部材収納室10に装着し、
記録ヘッド60からインクを吐出したときの変化を図2
〜図6の順に示す概略説明図であり、(a)は、図1と
同じ断面による断面図、(b)は、図1(b)のA−A
線断面図を示している。また、図7は、図1に示すイン
ク供給口12からのインク導出量とインク供給口部の負
圧の関係を示す説明図であり、横軸はインク供給口12
からの外部へのインク導出量、縦軸はインク供給口部の
負圧(静負圧)である。図7では、図2〜図6に示す負
圧の変化の状態を矢印で示している。
供給動作について、図2〜図7を用いて説明する。図2
〜図6のそれぞれは、図1に示す液体供給システムのイ
ンクタンク50を毛管力発生部材収納室10に装着し、
記録ヘッド60からインクを吐出したときの変化を図2
〜図6の順に示す概略説明図であり、(a)は、図1と
同じ断面による断面図、(b)は、図1(b)のA−A
線断面図を示している。また、図7は、図1に示すイン
ク供給口12からのインク導出量とインク供給口部の負
圧の関係を示す説明図であり、横軸はインク供給口12
からの外部へのインク導出量、縦軸はインク供給口部の
負圧(静負圧)である。図7では、図2〜図6に示す負
圧の変化の状態を矢印で示している。
【0035】図2(a)、(b)は、接続前の毛管力発
生部材収納室及びインクタンクを示す説明図である。
生部材収納室及びインクタンクを示す説明図である。
【0036】図2(a)に示すように、インクタンク5
0のインク供給部52には、インク収納部53に収納さ
れたインクの導出を防止するためにシール部材57が設
けられ、インクタンク50のインク収納部53は大気に
対して密閉状態を維持している。また、インク収納部5
3を構成する内壁54は、外壁51の内面形状に沿っ
て、少なくとも外壁51の角部に内壁54の角部がくる
ように成形されている(この状態を、初期状態と称す
る)。
0のインク供給部52には、インク収納部53に収納さ
れたインクの導出を防止するためにシール部材57が設
けられ、インクタンク50のインク収納部53は大気に
対して密閉状態を維持している。また、インク収納部5
3を構成する内壁54は、外壁51の内面形状に沿っ
て、少なくとも外壁51の角部に内壁54の角部がくる
ように成形されている(この状態を、初期状態と称す
る)。
【0037】このとき、インク収納部53内について
は、シール部材57を開封した際にインク供給部52が
わずかに負圧となるよう、インク収納部53に収納可能
なインク量よりわずかに少ないインクを収納しておく
と、外力、温度変化、気圧の変化からシール部材57の
開封時にインクが外部に漏出することをより確実に防ぐ
ことができる。
は、シール部材57を開封した際にインク供給部52が
わずかに負圧となるよう、インク収納部53に収納可能
なインク量よりわずかに少ないインクを収納しておく
と、外力、温度変化、気圧の変化からシール部材57の
開封時にインクが外部に漏出することをより確実に防ぐ
ことができる。
【0038】また、このような環境変化に対する観点か
ら、接続前のインク収納部53に収納される空気の量は
極めて少ないことが望ましい。インク収納部53内に収
納される空気量を減らすためには、例えば特願平9−2
00126号明細書に開示されるような液体注入方法を
用いればよい。
ら、接続前のインク収納部53に収納される空気の量は
極めて少ないことが望ましい。インク収納部53内に収
納される空気量を減らすためには、例えば特願平9−2
00126号明細書に開示されるような液体注入方法を
用いればよい。
【0039】一方、毛管力発生部材収納室10の毛管力
発生部材13は、その一部にインクを保持している。本
実施形態では、大気導入溝17は毛管力発生部材13を
介して大気と連通している。
発生部材13は、その一部にインクを保持している。本
実施形態では、大気導入溝17は毛管力発生部材13を
介して大気と連通している。
【0040】ここで、毛管力発生部材13に収納される
インク量は、後述するインクタンク50の交換時に毛管
力発生部材13に収納されていたインク量によるので、
多少のばらつきがあってもよい。また、大気導入溝17
及び連通管71に関しては、必ずしも液体で充填されて
いる必要はなく、図2(a)に示すように空気を含んで
いてもよい。
インク量は、後述するインクタンク50の交換時に毛管
力発生部材13に収納されていたインク量によるので、
多少のばらつきがあってもよい。また、大気導入溝17
及び連通管71に関しては、必ずしも液体で充填されて
いる必要はなく、図2(a)に示すように空気を含んで
いてもよい。
【0041】次に、図3(a)、(b)に示すように、
インクタンク50を毛管力発生部材収納室10と接続さ
せる。このとき、毛管力発生部材収納室10とインクタ
ンク50の圧力が等しくなるまで、図3(a)の矢印の
ようにインクが移動し、インク供給口12における圧力
が負となる状態で平衡状態になる(この状態を、使用開
始状態と称する。)。
インクタンク50を毛管力発生部材収納室10と接続さ
せる。このとき、毛管力発生部材収納室10とインクタ
ンク50の圧力が等しくなるまで、図3(a)の矢印の
ようにインクが移動し、インク供給口12における圧力
が負となる状態で平衡状態になる(この状態を、使用開
始状態と称する。)。
【0042】そこで、この平衡状態となるためのインク
移動について、詳細に説明する。
移動について、詳細に説明する。
【0043】インクタンク50のインク供給部52に毛
管力発生部材収納室10の連通管71を挿入すると、シ
ール部材57による封止が解除される。すると、インク
収納部53内のインクが連通管71へ流れて毛管力発生
部材収納室10の毛管力発生部材13との間にインクパ
スが形成される。また、図2(a)で示す状態で空気が
連通管71内に存在する場合、空気はインク収納部53
へと移動する(なお、図3においてはこの空気は省略し
ている。)。
管力発生部材収納室10の連通管71を挿入すると、シ
ール部材57による封止が解除される。すると、インク
収納部53内のインクが連通管71へ流れて毛管力発生
部材収納室10の毛管力発生部材13との間にインクパ
スが形成される。また、図2(a)で示す状態で空気が
連通管71内に存在する場合、空気はインク収納部53
へと移動する(なお、図3においてはこの空気は省略し
ている。)。
【0044】インクパスが形成されると、毛管力発生部
材13の毛細管力により、インク収納部53から毛管力
発生部材13へのインク移動が開始される。このとき、
内壁54は、インク収納部53の体積が減少する方向
に、面積最大の面の中央部から変形をはじめる。
材13の毛細管力により、インク収納部53から毛管力
発生部材13へのインク移動が開始される。このとき、
内壁54は、インク収納部53の体積が減少する方向
に、面積最大の面の中央部から変形をはじめる。
【0045】ここで、外壁51は内壁54の角部の変位
を抑制する働きをするため、インク収納部53はインク
消費による変形の作用力と初期状態(図2)の形状に戻
ろうとする作用力とが働き、急激な変化をすることな
く、変形の度合いに応じた負圧を発生するようになる。
なお、内壁54と外壁51の空間は、大気連通口55を
介して外気に連通しているので、上記変形に応じて内壁
54と外壁51との間に空気が導入される。また、大気
導入溝17へのインク導入については、本実施形態のよ
うにインク収納部53の発生する負圧より大気導入溝1
7の毛管力が大きい場合はインクが充填される。
を抑制する働きをするため、インク収納部53はインク
消費による変形の作用力と初期状態(図2)の形状に戻
ろうとする作用力とが働き、急激な変化をすることな
く、変形の度合いに応じた負圧を発生するようになる。
なお、内壁54と外壁51の空間は、大気連通口55を
介して外気に連通しているので、上記変形に応じて内壁
54と外壁51との間に空気が導入される。また、大気
導入溝17へのインク導入については、本実施形態のよ
うにインク収納部53の発生する負圧より大気導入溝1
7の毛管力が大きい場合はインクが充填される。
【0046】インク移動が開始され、毛管力発生部材1
3にインクが充填されていくと、大気導入溝17の上端
部より上方にもインクが充填されるようになり、大気導
入溝17は大気とは連通しなくなる。すると、インクタ
ンク50は毛管力発生部材収納室10を介してのみイン
ク及び大気のやり取りを行なうようになるため、インク
タンク50の気液交換通路における静負圧と、毛管力発
生部材収納室10の連通路71における静負圧とが等し
くなるように、さらなるインクの移動が行なわれる。
3にインクが充填されていくと、大気導入溝17の上端
部より上方にもインクが充填されるようになり、大気導
入溝17は大気とは連通しなくなる。すると、インクタ
ンク50は毛管力発生部材収納室10を介してのみイン
ク及び大気のやり取りを行なうようになるため、インク
タンク50の気液交換通路における静負圧と、毛管力発
生部材収納室10の連通路71における静負圧とが等し
くなるように、さらなるインクの移動が行なわれる。
【0047】すなわち、このときの毛管力発生部材収納
室10側の負圧がインクタンク50側の負圧より大きい
ので、両者の負圧が等しくなるまで、インクタンク50
から毛管力発生部材収納室10へ更なるインク移動が行
なわれ、それに伴い毛管力発生部材収納室10の毛管力
発生部材13が保持するインク量が増大する。このよう
に、インクタンク50から毛管力発生部材収納室10へ
のインクの移動においては、インクタンク50に毛管力
発生部材13を介した気体の導入をすることなく行われ
る。平衡状態となった時のインクタンク50および毛管
力発生部材収納室10の静負圧は、インク供給口12に
接続されている記録ヘッド60からインクが漏れ出ない
よう、記録ヘッド60の種類に応じて適切な値(図7の
α)となるように設定すればよい。
室10側の負圧がインクタンク50側の負圧より大きい
ので、両者の負圧が等しくなるまで、インクタンク50
から毛管力発生部材収納室10へ更なるインク移動が行
なわれ、それに伴い毛管力発生部材収納室10の毛管力
発生部材13が保持するインク量が増大する。このよう
に、インクタンク50から毛管力発生部材収納室10へ
のインクの移動においては、インクタンク50に毛管力
発生部材13を介した気体の導入をすることなく行われ
る。平衡状態となった時のインクタンク50および毛管
力発生部材収納室10の静負圧は、インク供給口12に
接続されている記録ヘッド60からインクが漏れ出ない
よう、記録ヘッド60の種類に応じて適切な値(図7の
α)となるように設定すればよい。
【0048】インクタンク50から移動可能なインク量
の下限は、大気導入溝17の上限レベル(後述する気液
界面)まで毛管力発生部材13をインク充填する時のイ
ンク量であり、上限は毛管力発生部材13を完全にイン
ク充填する時のインク量となる。従って、接続前に毛管
力発生部材13に保持されるインク量のばらつきを考慮
したうえで、これらの上限、下限のインク量から毛管力
発生部材13へ移動するインク量を決定すると、このイ
ンク量と平衡状態での負圧の値αをもとに毛管力発生部
材13に対応したインク収納部53の材料、厚さを適切
に選択することができる。
の下限は、大気導入溝17の上限レベル(後述する気液
界面)まで毛管力発生部材13をインク充填する時のイ
ンク量であり、上限は毛管力発生部材13を完全にイン
ク充填する時のインク量となる。従って、接続前に毛管
力発生部材13に保持されるインク量のばらつきを考慮
したうえで、これらの上限、下限のインク量から毛管力
発生部材13へ移動するインク量を決定すると、このイ
ンク量と平衡状態での負圧の値αをもとに毛管力発生部
材13に対応したインク収納部53の材料、厚さを適切
に選択することができる。
【0049】また、接続前に毛管力発生部材13に保持
されるインク量のばらつきが存在するため、図3に示す
ように平衡状態に達した場合でも、毛管力発生部材13
にインクが充填されない領域が残っていることがある。
この領域は、バッファ部16とあわせ、後述する温度や
圧力の変化に対するバッファ領域として利用することが
できる。
されるインク量のばらつきが存在するため、図3に示す
ように平衡状態に達した場合でも、毛管力発生部材13
にインクが充填されない領域が残っていることがある。
この領域は、バッファ部16とあわせ、後述する温度や
圧力の変化に対するバッファ領域として利用することが
できる。
【0050】逆に、ばらつき量の影響により、平衡状態
に達した時のインク供給口部の圧力が正になってしまう
恐れのある時は、液体吐出記録装置本体に設けられる吸
引回復手段により吸引回復を行ない、若干のインクを流
出させることで対応してもよい。
に達した時のインク供給口部の圧力が正になってしまう
恐れのある時は、液体吐出記録装置本体に設けられる吸
引回復手段により吸引回復を行ない、若干のインクを流
出させることで対応してもよい。
【0051】なお、接続時における連通管71内でのイ
ンクパスの形成は、接続時の衝撃を利用して行なっても
よく、接続時にインク収納部53を外壁51ごと押圧す
るなど、インク収納部53を加圧することにより行なっ
てもよい。また、接続前のインク収納部53をごく僅か
な負圧状態にしておき、この負圧を利用して連通管71
内の気体をインク収納部53へ移動させることを促進さ
せてもよい。
ンクパスの形成は、接続時の衝撃を利用して行なっても
よく、接続時にインク収納部53を外壁51ごと押圧す
るなど、インク収納部53を加圧することにより行なっ
てもよい。また、接続前のインク収納部53をごく僅か
な負圧状態にしておき、この負圧を利用して連通管71
内の気体をインク収納部53へ移動させることを促進さ
せてもよい。
【0052】次に、図4に示すように、記録ヘッド60
によりインクを吐出し、インクの消費を開始する。この
とき、インク収納部53と毛管力発生部材13の双方の
発生する静負圧の値が増大する方向にバランスを取りつ
つ、インク収納部53と毛管力発生部材13の双方に保
持されたインクが消費される。(第1のインク供給状
態、と称する。) すなわち、インク供給口12からインクが消費される
と、毛管力発生部材収納室10の毛管力発生部材13の
液面位置が低下するとともに、インク収納部53がさら
に変形し、インク収納部53の中央部分が内方に向かう
安定した潰れかたが維持される。
によりインクを吐出し、インクの消費を開始する。この
とき、インク収納部53と毛管力発生部材13の双方の
発生する静負圧の値が増大する方向にバランスを取りつ
つ、インク収納部53と毛管力発生部材13の双方に保
持されたインクが消費される。(第1のインク供給状
態、と称する。) すなわち、インク供給口12からインクが消費される
と、毛管力発生部材収納室10の毛管力発生部材13の
液面位置が低下するとともに、インク収納部53がさら
に変形し、インク収納部53の中央部分が内方に向かう
安定した潰れかたが維持される。
【0053】ここで、溶着部56も、内壁54の変形規
制部分となり、最大面積を有する面に隣接する面につい
て、相対的に溶着部56を有する領域より、溶着部56
を有していない部分が先に変形を始め、内壁54が外壁
51から離間する。なお、本実施形態では表面積最大の
対向する面が、ほぼ同時に変形を行うため、より安定し
た変形を実現している。
制部分となり、最大面積を有する面に隣接する面につい
て、相対的に溶着部56を有する領域より、溶着部56
を有していない部分が先に変形を始め、内壁54が外壁
51から離間する。なお、本実施形態では表面積最大の
対向する面が、ほぼ同時に変形を行うため、より安定し
た変形を実現している。
【0054】なお、図4に示す状態でのインク供給口1
2からのインク導出量に対する静負圧の変化は、図7の
Aに示す領域のように、インク導出量に比例して静負圧
が少しずつ増大する形となる。この第1のインク供給状
態においても、インク収納部53には連通管71を経由
して空気が入ることがない。
2からのインク導出量に対する静負圧の変化は、図7の
Aに示す領域のように、インク導出量に比例して静負圧
が少しずつ増大する形となる。この第1のインク供給状
態においても、インク収納部53には連通管71を経由
して空気が入ることがない。
【0055】インク供給口12からのインクの導出がさ
らに進むと、図5に示すように、インク収納部53に気
体が導入されるようになる(以下、気液交換状態、また
は第2のインク供給状態と称する。)。
らに進むと、図5に示すように、インク収納部53に気
体が導入されるようになる(以下、気液交換状態、また
は第2のインク供給状態と称する。)。
【0056】このとき、毛管力発生部材13の液面位置
は大気導入溝17の上端部でほぼ一定(気液界面)であ
り、大気連通口15から大気導入溝17及び連通管71
の大気導入路72を経由した空気がインクタンク50に
入ることで、インクタンク50からインクが連通管71
のインク誘導体75を通じて毛管力発生部材収納室10
の毛管力発生部材13へと移動する。
は大気導入溝17の上端部でほぼ一定(気液界面)であ
り、大気連通口15から大気導入溝17及び連通管71
の大気導入路72を経由した空気がインクタンク50に
入ることで、インクタンク50からインクが連通管71
のインク誘導体75を通じて毛管力発生部材収納室10
の毛管力発生部材13へと移動する。
【0057】従って、液体吐出記録手段としての記録ヘ
ッド60によりインクが消費されてもその消費量に応じ
てインクが毛管力発生部材13に充填され、毛管力発生
部材13は一定量のインクを保持し、また、インク収納
部53も空気が導入されることで、気液交換時の形状を
ほぼ維持したままインクタンク50の負圧をほば一定に
保つので、記録ヘッド60へのインク供給が安定する。
図5に示す状態でのインク供給口12からのインク導出
量に対する静負圧の変化は、図7のBに示す領域のよう
に、インク導出量に対し、ほば一定の値となる。
ッド60によりインクが消費されてもその消費量に応じ
てインクが毛管力発生部材13に充填され、毛管力発生
部材13は一定量のインクを保持し、また、インク収納
部53も空気が導入されることで、気液交換時の形状を
ほぼ維持したままインクタンク50の負圧をほば一定に
保つので、記録ヘッド60へのインク供給が安定する。
図5に示す状態でのインク供給口12からのインク導出
量に対する静負圧の変化は、図7のBに示す領域のよう
に、インク導出量に対し、ほば一定の値となる。
【0058】さらにインク供給口12からのインクの導
出がさらに進むと、図6に示すように、インク収納部5
3のインクはほば完全に消費され、毛管力発生部材収納
室10内に残存するインクを消費するようになる。図6
に示す状態でのインク供給口12からのインク導出量に
対する負圧の変化は、図7のCに示す領域のように、イ
ンク導出量に比例して負圧が増大する形となる。このよ
うな状態になったら、インクタンク50を取り外して
も、連通管71からインク漏れが生じる恐れは少ないの
で、インクタンク50を取り外し、新たなインクタンク
と交換すればよい。
出がさらに進むと、図6に示すように、インク収納部5
3のインクはほば完全に消費され、毛管力発生部材収納
室10内に残存するインクを消費するようになる。図6
に示す状態でのインク供給口12からのインク導出量に
対する負圧の変化は、図7のCに示す領域のように、イ
ンク導出量に比例して負圧が増大する形となる。このよ
うな状態になったら、インクタンク50を取り外して
も、連通管71からインク漏れが生じる恐れは少ないの
で、インクタンク50を取り外し、新たなインクタンク
と交換すればよい。
【0059】図1に示す実施形態におけるインクタンク
の液体供給動作は以上の通りである。
の液体供給動作は以上の通りである。
【0060】すなわち、インクタンク50を毛管力発生
部材収納室10と接続させると、毛管力発生部材収納室
10とインクタンク50の圧力が等しくなるまでインク
が移動して使用開始状態となり、その後、記録ヘッド6
0によりインクの消費が開始されると、まずはインク収
納部53と毛管力発生部材13の双方の発生する静負圧
の値が増大する方向にバランスを取りつつ、インク収納
部53と毛管力発生部材13の双方に保持されたインク
が消費される。その後、インク収納部53に気体が導入
されることで毛管力発生部材13が気液界面を保ちなが
らインクの導出に対しほぼ一定の負圧を保持する気液交
換状態を経て、毛管力発生部材収納室10内に残存する
インクを消費するようになる。
部材収納室10と接続させると、毛管力発生部材収納室
10とインクタンク50の圧力が等しくなるまでインク
が移動して使用開始状態となり、その後、記録ヘッド6
0によりインクの消費が開始されると、まずはインク収
納部53と毛管力発生部材13の双方の発生する静負圧
の値が増大する方向にバランスを取りつつ、インク収納
部53と毛管力発生部材13の双方に保持されたインク
が消費される。その後、インク収納部53に気体が導入
されることで毛管力発生部材13が気液界面を保ちなが
らインクの導出に対しほぼ一定の負圧を保持する気液交
換状態を経て、毛管力発生部材収納室10内に残存する
インクを消費するようになる。
【0061】このように、本発明では、インク収納部5
3へ外気を導入することなくインク収納部53のインク
を使用する工程を有するため、このインク供給工程(第
1のインク供給状態)においてインクタンク50の内容
積の制限は、結合時においてインク収納部53に導入さ
れた空気のみを考慮すればよいことになる。すなわち、
インクタンク50内の内容積の制限を緩和しても、環境
変化に対応可能であるという利点がある。
3へ外気を導入することなくインク収納部53のインク
を使用する工程を有するため、このインク供給工程(第
1のインク供給状態)においてインクタンク50の内容
積の制限は、結合時においてインク収納部53に導入さ
れた空気のみを考慮すればよいことになる。すなわち、
インクタンク50内の内容積の制限を緩和しても、環境
変化に対応可能であるという利点がある。
【0062】また、本発明によれば、インクタンク50
内のインクをはぼ完全に消費することができるだけでな
く、交換時に連通管71に空気を含んでいてもよく、毛
管力発生部材13のインク保持量によらずインクタンク
50の交換が可能であるので、従来技術のように残量検
出機構を設けなくとも、インクタンク50を交換可能な
インク供給システムを提供することができる。
内のインクをはぼ完全に消費することができるだけでな
く、交換時に連通管71に空気を含んでいてもよく、毛
管力発生部材13のインク保持量によらずインクタンク
50の交換が可能であるので、従来技術のように残量検
出機構を設けなくとも、インクタンク50を交換可能な
インク供給システムを提供することができる。
【0063】特に、連通管71内にはインク誘導体75
が存在していない大気導入路72が形成されているの
で、上述した気液交換の際に、大気導入溝17を通った
空気は、連通管71内では大気導入路72を優先的に通
過することができ、空気の通路が確保される。その結
果、連通管71内を空気が通りやすくなり、インク収納
部53内に空気が導入されやすくなるため、それに伴う
インク収納部53から毛管力発生部材収納室10へのイ
ンクの導出もインク誘導体75を介して確実かつ安定し
て行うことができるとともに、毛管力発生部材収納室1
0内のインク保持量によらず気液交換を容易に行うこと
ができる。
が存在していない大気導入路72が形成されているの
で、上述した気液交換の際に、大気導入溝17を通った
空気は、連通管71内では大気導入路72を優先的に通
過することができ、空気の通路が確保される。その結
果、連通管71内を空気が通りやすくなり、インク収納
部53内に空気が導入されやすくなるため、それに伴う
インク収納部53から毛管力発生部材収納室10へのイ
ンクの導出もインク誘導体75を介して確実かつ安定し
て行うことができるとともに、毛管力発生部材収納室1
0内のインク保持量によらず気液交換を容易に行うこと
ができる。
【0064】なお、図7に示すようにインク導出量に比
例して負圧が増大し(Aの領域)、その後一定の値を保
ち(Bの領域)、さらにその後インク導出量に比例して
負圧が増大する(Cの領域)ためには、インク収納部の
対向する変形面が互いに接するようになる前に、大気導
入が行なわれる、すなわちAの領域からBの領域に移行
することが望ましい。これは、対向する最大面積面が接
触する前後で、インク収納室におけるインク導出量に対
する負圧の変化の割合が異なるためである。
例して負圧が増大し(Aの領域)、その後一定の値を保
ち(Bの領域)、さらにその後インク導出量に比例して
負圧が増大する(Cの領域)ためには、インク収納部の
対向する変形面が互いに接するようになる前に、大気導
入が行なわれる、すなわちAの領域からBの領域に移行
することが望ましい。これは、対向する最大面積面が接
触する前後で、インク収納室におけるインク導出量に対
する負圧の変化の割合が異なるためである。
【0065】さらに、本発明の構成によれば、第2のイ
ンク供給状態など、インク収納部に空気を含む場合にお
いても、従来の方法とは異なる解決方法により、環境の
変化に対応することが可能な構成となっている。
ンク供給状態など、インク収納部に空気を含む場合にお
いても、従来の方法とは異なる解決方法により、環境の
変化に対応することが可能な構成となっている。
【0066】そこで、次に、図1に示すインクタンク
の、環境条件を変化させた場合の安定した液体保持のメ
カニズムについて図8を用いて説明する。
の、環境条件を変化させた場合の安定した液体保持のメ
カニズムについて図8を用いて説明する。
【0067】図8(a)、(b)は毛管力発生部材のバ
ッファ吸収体としての機能、及びインク収納部のバッフ
ァ作用を説明する説明図であり、図5の状態(気液交換
状態)から大気圧の減圧ないしは気温の上昇などによる
インク収納部内の空気の膨張した時のインク収納部の変
化を示している。
ッファ吸収体としての機能、及びインク収納部のバッフ
ァ作用を説明する説明図であり、図5の状態(気液交換
状態)から大気圧の減圧ないしは気温の上昇などによる
インク収納部内の空気の膨張した時のインク収納部の変
化を示している。
【0068】すなわち、大気圧の減圧(あるいは気温の
上昇)により、インクタンク50内の空気が膨張する
と、インク収納部53を構成する壁面(図8(a)、
(b)の)及び液面(図8(a)の)が押圧され、
インク収納部53の内容積が増加すると共に、一部のイ
ンクは連通管71を介してインク収納部53内から毛管
力発生部材収納室10側へと流出する。ここで、インク
収納部53の内容積が増加するために、毛管力発生部材
13へ流出するインク量(図8(a)のに示される毛
管力発生部材13の液面の上昇)はインク収納部53が
変形不能な場合に比べ大幅に少ないものとなる。
上昇)により、インクタンク50内の空気が膨張する
と、インク収納部53を構成する壁面(図8(a)、
(b)の)及び液面(図8(a)の)が押圧され、
インク収納部53の内容積が増加すると共に、一部のイ
ンクは連通管71を介してインク収納部53内から毛管
力発生部材収納室10側へと流出する。ここで、インク
収納部53の内容積が増加するために、毛管力発生部材
13へ流出するインク量(図8(a)のに示される毛
管力発生部材13の液面の上昇)はインク収納部53が
変形不能な場合に比べ大幅に少ないものとなる。
【0069】ここで、連通管71を通じて流出するイン
ク量は、インク収納部53内の空気が膨張する際に壁面
を押圧してインク収納部53の内容積を増加させる時の
壁面の変形に伴う抵抗力と、インクを移動させて毛管力
発生部材13に吸収させるための抵抗力との大ささによ
って決定される。特に、本構成の場合、毛管力発生部材
13の流抵抗が内壁54の復元に対する抵抗より大きい
ので、空気の膨張にともない、まずインク収納部53の
内容積が増加し、この増加分の上限より空気の膨張によ
る体積の増加が大きい場合、連通管71を介してインク
収納部53内から毛管力発生部材収納室10側へインク
が流出するようになる。従って、インク収納部53の壁
面が環境変化に対するバッファとしての機能を果たすた
め、毛管力発生部材13内のインクの移動が緩やかにな
り、インク供給口部における負圧特性が安定する。
ク量は、インク収納部53内の空気が膨張する際に壁面
を押圧してインク収納部53の内容積を増加させる時の
壁面の変形に伴う抵抗力と、インクを移動させて毛管力
発生部材13に吸収させるための抵抗力との大ささによ
って決定される。特に、本構成の場合、毛管力発生部材
13の流抵抗が内壁54の復元に対する抵抗より大きい
ので、空気の膨張にともない、まずインク収納部53の
内容積が増加し、この増加分の上限より空気の膨張によ
る体積の増加が大きい場合、連通管71を介してインク
収納部53内から毛管力発生部材収納室10側へインク
が流出するようになる。従って、インク収納部53の壁
面が環境変化に対するバッファとしての機能を果たすた
め、毛管力発生部材13内のインクの移動が緩やかにな
り、インク供給口部における負圧特性が安定する。
【0070】なお、本実施形態では毛管力発生部材収納
室10に流出したインクは毛管力発生部材13で保持さ
れるようにしている。この場合、毛管力発生部材収納室
10のインク量が一時的に増加して気液界面が図示右方
向へ移動するので、使用初期と同様にインク内圧の安定
期より一時的にやや正側の内圧になるが、記録ヘッド6
0の吐出特性への影響は小さく、実使用上の問題はな
い。また、大気圧が減圧前のレベルに回復(1気圧に戻
る)した場合(あるいは元の温度に戻った場合)は、毛
管力発生部材収納室10に漏出して毛管力発生部材13
に保持されていたインクが再びインク収納部53に戻る
と共にインク収納部53の体積が元の状態へと戻るよう
になる。
室10に流出したインクは毛管力発生部材13で保持さ
れるようにしている。この場合、毛管力発生部材収納室
10のインク量が一時的に増加して気液界面が図示右方
向へ移動するので、使用初期と同様にインク内圧の安定
期より一時的にやや正側の内圧になるが、記録ヘッド6
0の吐出特性への影響は小さく、実使用上の問題はな
い。また、大気圧が減圧前のレベルに回復(1気圧に戻
る)した場合(あるいは元の温度に戻った場合)は、毛
管力発生部材収納室10に漏出して毛管力発生部材13
に保持されていたインクが再びインク収納部53に戻る
と共にインク収納部53の体積が元の状態へと戻るよう
になる。
【0071】本発明における、毛管力発生部材のインク
吸収量とインクタンクとの関係については、前述の減圧
ないしは温度変化時の大気連通口などからのインクの漏
れを防止するという観点から、インクタンクからの最悪
条件下でのインク流出量と、インクタンクからのインク
供給時に毛管力発生部材収納室に保持させるインク量と
を考慮して毛管力発生部材収納室の最大インク吸収量を
決め、少なくともその分の毛管力発生部材を収納するだ
けの容積を毛管力発生部材収納室に持たせれば良い。
吸収量とインクタンクとの関係については、前述の減圧
ないしは温度変化時の大気連通口などからのインクの漏
れを防止するという観点から、インクタンクからの最悪
条件下でのインク流出量と、インクタンクからのインク
供給時に毛管力発生部材収納室に保持させるインク量と
を考慮して毛管力発生部材収納室の最大インク吸収量を
決め、少なくともその分の毛管力発生部材を収納するだ
けの容積を毛管力発生部材収納室に持たせれば良い。
【0072】図8(c)に、仮に図8(a)、(b)の
インク収納部53が空気の膨張に対しまったく変形しな
いと仮定し、減圧前のインクタンク50の初期空間体積
と0.7気圧に減圧した場合のインク流出量との関係を
一点鎖線で示した。
インク収納部53が空気の膨張に対しまったく変形しな
いと仮定し、減圧前のインクタンク50の初期空間体積
と0.7気圧に減圧した場合のインク流出量との関係を
一点鎖線で示した。
【0073】このグラフから明らかなように、このとき
のインク導出量△Vは、減圧時の圧力をP(0<P<
1)、インクタンク50の初期空気量の割合をa(0≦
a≦1)、膨張前のインク収納部53の体積をVBとす
ると、おおよそ以下の式で表される。
のインク導出量△Vは、減圧時の圧力をP(0<P<
1)、インクタンク50の初期空気量の割合をa(0≦
a≦1)、膨張前のインク収納部53の体積をVBとす
ると、おおよそ以下の式で表される。
【0074】(1)0≦a<Pの時
減圧下で膨張するインクタンク50内の空気は、残余イ
ンク量が少ないほど大きくなり大量のインクが押し出さ
れるため、インク導出量△Vは初期空気量に比例し、 △V=((1−P)/P)×a×VB (式1) で表わされる。
ンク量が少ないほど大きくなり大量のインクが押し出さ
れるため、インク導出量△Vは初期空気量に比例し、 △V=((1−P)/P)×a×VB (式1) で表わされる。
【0075】(2)P≦a≦1の時
インクタンク50内のインク量以上に流出することはな
いため、初期に収納されていたインク量に依存し、 △V=(1−a)×VB (式2) で表わされる。
いため、初期に収納されていたインク量に依存し、 △V=(1−a)×VB (式2) で表わされる。
【0076】従って、インクタンク50からのインク流
出量の最悪条件での見積は、例えば、大気圧の最大減圧
条件を0.7気圧とした場合、インクタンク50からの
インク流出量が最大となるのはインクタンク50の容積
VBの30%のインクがインクタンク50に残余してい
る場合であり、インク室壁下端部より下のインクも毛管
力発生部材収納室10の毛管力発生部材13に吸収され
るとすれば、インクタンク50に残余している全てのイ
ンク(VBの30%)が漏出すると考えれば良い。
出量の最悪条件での見積は、例えば、大気圧の最大減圧
条件を0.7気圧とした場合、インクタンク50からの
インク流出量が最大となるのはインクタンク50の容積
VBの30%のインクがインクタンク50に残余してい
る場合であり、インク室壁下端部より下のインクも毛管
力発生部材収納室10の毛管力発生部材13に吸収され
るとすれば、インクタンク50に残余している全てのイ
ンク(VBの30%)が漏出すると考えれば良い。
【0077】ところが、実際はインク収納部53が空気
の膨張に対して変形するので、膨張前のインク収納部5
3の内容積に対し、膨張後のインク収納部53の内容積
は増加するため、減圧前のインクタンク50の初期空間
体積と0.7気圧に減圧した場合のインク流出量との関
係は実線のようになる。
の膨張に対して変形するので、膨張前のインク収納部5
3の内容積に対し、膨張後のインク収納部53の内容積
は増加するため、減圧前のインクタンク50の初期空間
体積と0.7気圧に減圧した場合のインク流出量との関
係は実線のようになる。
【0078】すなわち、このときの膨張の割合をt(t
>1)とし、tが定数であるすると、インク導出量△V
は、おおよそ以下の式で表される。
>1)とし、tが定数であるすると、インク導出量△V
は、おおよそ以下の式で表される。
【0079】(3)0≦a<P×tの時
インク導出量△Vは初期空気量に比例するが、インク収
納部53の膨張により △V=(((1−P)/P)×a−(t−1))×VB (式3) ただし、上記の式3において、△V<0の場合は△V=
0となる。すなわち、この状態の時は連通管71を介し
たインクの移動は起こらず、インク収納部53の内容積
の膨張だけが行なわれる。
納部53の膨張により △V=(((1−P)/P)×a−(t−1))×VB (式3) ただし、上記の式3において、△V<0の場合は△V=
0となる。すなわち、この状態の時は連通管71を介し
たインクの移動は起こらず、インク収納部53の内容積
の膨張だけが行なわれる。
【0080】(4)P×t≦a≦1の時
インクタンク50内のインク量以上に流出することはな
いため、初期に収納されていたインク量に依存し、 △V=(1−a)×VB (式4) で表わされる。
いため、初期に収納されていたインク量に依存し、 △V=(1−a)×VB (式4) で表わされる。
【0081】この図から明らかなように、インクタンク
50からのインク流出量の最悪条件での見積は、インク
収納部53が空気の膨張に対しまったく変形しないと仮
定した場合よりも小さくすることがでさる。例えば、大
気圧の最大減圧条件を0.7気圧、t=1.2とした場
合、インクタンク50からのインク流出量が最大となる
のはインクタンク50の容積VBの16%のインクがイ
ンクタンク50に残余している場合であり、その流出量
はインク収納量の容積VBの16%となる。
50からのインク流出量の最悪条件での見積は、インク
収納部53が空気の膨張に対しまったく変形しないと仮
定した場合よりも小さくすることがでさる。例えば、大
気圧の最大減圧条件を0.7気圧、t=1.2とした場
合、インクタンク50からのインク流出量が最大となる
のはインクタンク50の容積VBの16%のインクがイ
ンクタンク50に残余している場合であり、その流出量
はインク収納量の容積VBの16%となる。
【0082】なお、実際にはtは連通管71を移動する
インクの流抵抗との関係があるため、実際にはaの関数
となり、一定の値とはならないことも起こりうるが、そ
の場合でもインク収納部53が変形しない場合よりは流
出するインク量が小さいことは言うまでもない。また、
tの上限は、図8(a)に示す状態での、外壁51の内
面の大きさと、インク収納部53の気体の膨張前の内容
積とによって決めることができる。
インクの流抵抗との関係があるため、実際にはaの関数
となり、一定の値とはならないことも起こりうるが、そ
の場合でもインク収納部53が変形しない場合よりは流
出するインク量が小さいことは言うまでもない。また、
tの上限は、図8(a)に示す状態での、外壁51の内
面の大きさと、インク収納部53の気体の膨張前の内容
積とによって決めることができる。
【0083】上記の現象は温度変化の場合でも同様であ
るが、50deg程度の温度上昇があっても流出量は上
記減圧時よりも少ない。
るが、50deg程度の温度上昇があっても流出量は上
記減圧時よりも少ない。
【0084】このように、本発明によれば、インク収納
部の外形形状が外壁の内面の形状と実質的に等しくなる
まで復元するので、このインク収納部の復元によるバッ
ファ作用により、インク収納室のインク収納量を大幅に
増大しても環境変化に対応可能なインク供給システムを
提供することがでさる。従って、使用する毛管力発生部
材及びインク収納部の材料を適宜選択することで、毛管
力発生部材収納室とインク収納室との体積割合を任意に
決定することができ、1:2より大きな場合でも、実用
上使用することができる。
部の外形形状が外壁の内面の形状と実質的に等しくなる
まで復元するので、このインク収納部の復元によるバッ
ファ作用により、インク収納室のインク収納量を大幅に
増大しても環境変化に対応可能なインク供給システムを
提供することがでさる。従って、使用する毛管力発生部
材及びインク収納部の材料を適宜選択することで、毛管
力発生部材収納室とインク収納室との体積割合を任意に
決定することができ、1:2より大きな場合でも、実用
上使用することができる。
【0085】インクタンクのバッファ効果を重視する場
合には、弾性変形可能な範囲内で使用開始状態に対する
気液交換状態でのインク収納部の変形量を大きくするよ
うにすればよい。
合には、弾性変形可能な範囲内で使用開始状態に対する
気液交換状態でのインク収納部の変形量を大きくするよ
うにすればよい。
【0086】なお、上述のインク収納部のバッファ効果
を有効に機能させるためには、インク収納部の変形が少
ない状態でインク収納部内に存在する空気量が少ないこ
と、すなわち、接続後、気液交換状態の前にインク収納
部内に存在する空気の量はなるべく少ないことが望まし
い。
を有効に機能させるためには、インク収納部の変形が少
ない状態でインク収納部内に存在する空気量が少ないこ
と、すなわち、接続後、気液交換状態の前にインク収納
部内に存在する空気の量はなるべく少ないことが望まし
い。
【0087】以上、本発明の第1の実施形態を用いて、
本発明の要部について説明を行なったが、本発明を適用
可能な他の実施形態について、以下に説明する。なお、
以下の各実施形態、及び上述の実施形態について、組み
合わせ可能な要素については任意の組み合わせが可能で
あることは言うまでもない。
本発明の要部について説明を行なったが、本発明を適用
可能な他の実施形態について、以下に説明する。なお、
以下の各実施形態、及び上述の実施形態について、組み
合わせ可能な要素については任意の組み合わせが可能で
あることは言うまでもない。
【0088】(第2の実施形態)図9は、本発明の第2
の実施形態の、液体供給システムを適用したインクジェ
ットカートリッジの概略を説明するための図であり、イ
ンクタンクをヘッド付ホルダに装着する前の断面図を示
す。また、図10は、図9に示したインクタンクとヘッ
ド付ホルダとのインク通路に関する接続部の拡大図であ
る。
の実施形態の、液体供給システムを適用したインクジェ
ットカートリッジの概略を説明するための図であり、イ
ンクタンクをヘッド付ホルダに装着する前の断面図を示
す。また、図10は、図9に示したインクタンクとヘッ
ド付ホルダとのインク通路に関する接続部の拡大図であ
る。
【0089】本実施形態のインクジェットカートリッジ
は、内部にインクを収納するインクタンク150と、イ
ンクタンク150を保持するタンクホルダ111、イン
クタンク150から供給されるインクを一時的に保持す
る毛管力発生部材収納室110および毛管力発生部材収
納室110から供給されたインクを吐出して記録を行う
記録ヘッド160が一体となったヘッド付ホルダ130
とを有する。
は、内部にインクを収納するインクタンク150と、イ
ンクタンク150を保持するタンクホルダ111、イン
クタンク150から供給されるインクを一時的に保持す
る毛管力発生部材収納室110および毛管力発生部材収
納室110から供給されたインクを吐出して記録を行う
記録ヘッド160が一体となったヘッド付ホルダ130
とを有する。
【0090】インクタンク150は、ヘッド付ホルダ1
30に対して着脱自在に設けられたもので、外壁151
および内壁154で構成され、内部にインクを収納する
インク収納部153、インク収納部153の液体を毛管
力発生部材収納室110へ導出するためのインク供給部
152を備えている点は第1の実施形態と同様である。
30に対して着脱自在に設けられたもので、外壁151
および内壁154で構成され、内部にインクを収納する
インク収納部153、インク収納部153の液体を毛管
力発生部材収納室110へ導出するためのインク供給部
152を備えている点は第1の実施形態と同様である。
【0091】ただし、本実施形態ではインクタンク15
0は毛管力発生部材収納室10の上部に装着されるもの
で、それに伴い、インク供給部152はインクタンク1
50の下端面に開口している。また、インクタンク15
0をタンクホルダ111装着させるために、外壁151
のインク供給部152が位置する側の壁面には、ラッチ
爪181を有するラッチレバー180が一体的に設けら
れている。
0は毛管力発生部材収納室10の上部に装着されるもの
で、それに伴い、インク供給部152はインクタンク1
50の下端面に開口している。また、インクタンク15
0をタンクホルダ111装着させるために、外壁151
のインク供給部152が位置する側の壁面には、ラッチ
爪181を有するラッチレバー180が一体的に設けら
れている。
【0092】一方、ヘッド付ホルダ130は、上述した
ように、インクタンク150を保持するタンクホルダ1
11と、タンクホルダ111の底部に設けられた毛管力
発生部材収納室110と、インク(処理液などの液体を
含む)を吐出口161から吐出して被記録媒体に記録を
行う記録ヘッド160とを有し、これらが一体となった
構造となっている。
ように、インクタンク150を保持するタンクホルダ1
11と、タンクホルダ111の底部に設けられた毛管力
発生部材収納室110と、インク(処理液などの液体を
含む)を吐出口161から吐出して被記録媒体に記録を
行う記録ヘッド160とを有し、これらが一体となった
構造となっている。
【0093】タンクホルダ111には、インクタンク1
50が装着された状態で、ラッチレバー180のラッチ
爪181が係合する係合穴108、およびインクタンク
150の外壁151に設けられた抜け止め爪182が係
合する抜け止め穴184が形成され、これらの係合構造
によりインクタンク150はタンクホルダ111に保持
される。
50が装着された状態で、ラッチレバー180のラッチ
爪181が係合する係合穴108、およびインクタンク
150の外壁151に設けられた抜け止め爪182が係
合する抜け止め穴184が形成され、これらの係合構造
によりインクタンク150はタンクホルダ111に保持
される。
【0094】毛管力発生部材収納室110には、インク
タンク150のインク供給部152と接続しインク収納
部153と連通する連通管171が上壁に備えられると
ともに、下壁には記録ヘッド160にインクを供給する
ためのインク供給口112が開口している。インク供給
口112は連通管171の下方に位置している。なお、
インク供給口112にはフィルタ170が設けられてお
り、記録ヘッド160への異物の侵入を防止している。
タンク150のインク供給部152と接続しインク収納
部153と連通する連通管171が上壁に備えられると
ともに、下壁には記録ヘッド160にインクを供給する
ためのインク供給口112が開口している。インク供給
口112は連通管171の下方に位置している。なお、
インク供給口112にはフィルタ170が設けられてお
り、記録ヘッド160への異物の侵入を防止している。
【0095】毛管力発生部材収納室110はさらに、第
1の実施形態と同様に気液交換を促進するための大気導
入溝117、および毛管力発生部材113と外気とを連
通させるための大気連通口115を備えている。大気導
入溝117は、連通管171の近傍の上壁面内側に、毛
管力発生部材収納室110の他端側に向かって水平方向
に形成され、連通管171の内部と連通している。大気
連通口115は毛管力発生部材収納室110の他端壁上
部に形成されている。
1の実施形態と同様に気液交換を促進するための大気導
入溝117、および毛管力発生部材113と外気とを連
通させるための大気連通口115を備えている。大気導
入溝117は、連通管171の近傍の上壁面内側に、毛
管力発生部材収納室110の他端側に向かって水平方向
に形成され、連通管171の内部と連通している。大気
連通口115は毛管力発生部材収納室110の他端壁上
部に形成されている。
【0096】ここで、インクタンク150のインク供給
部152の近傍、およびヘッド付ホルダ130の連通管
171の近傍の構造について、図10を参照して詳細に
説明する。
部152の近傍、およびヘッド付ホルダ130の連通管
171の近傍の構造について、図10を参照して詳細に
説明する。
【0097】連通管171の内部には、インク誘導体1
75が挿入されている。連通管171の内壁には、大気
導入溝117に連通する大気導入路172が連通管17
1の上端から下端にわたって形成される。さらに、連通
管171には、連通管171の管壁の一部を軸方向に沿
って除去したスリット173が形成される。連通管17
1の上端面は、大気導入路172が開口する部位の高さ
が最も低くなるように傾斜している。
75が挿入されている。連通管171の内壁には、大気
導入溝117に連通する大気導入路172が連通管17
1の上端から下端にわたって形成される。さらに、連通
管171には、連通管171の管壁の一部を軸方向に沿
って除去したスリット173が形成される。連通管17
1の上端面は、大気導入路172が開口する部位の高さ
が最も低くなるように傾斜している。
【0098】毛管力発生部材収納室110の上壁には、
連通管171を取り囲む密閉部材としてのベローズ17
4が固定されている。このベローズ174は、インクタ
ンク150のインク供給部152に連通管171を挿入
する際のインク漏れを防止するためのものであり、その
高さは連通管171の高さよりも高くなっている。ベロ
ーズ174は、ゴムなどの弾性体で構成することができ
る。インク供給部152に連通管171を挿入した際に
連通管171とベローズ174との間に漏れたインク
は、スリット173を介して毛管力発生部材収納室11
0内に流れ込むことができる。
連通管171を取り囲む密閉部材としてのベローズ17
4が固定されている。このベローズ174は、インクタ
ンク150のインク供給部152に連通管171を挿入
する際のインク漏れを防止するためのものであり、その
高さは連通管171の高さよりも高くなっている。ベロ
ーズ174は、ゴムなどの弾性体で構成することができ
る。インク供給部152に連通管171を挿入した際に
連通管171とベローズ174との間に漏れたインク
は、スリット173を介して毛管力発生部材収納室11
0内に流れ込むことができる。
【0099】一方、インクタンク150のインク供給部
152に溶着されたシール部材157には開封溝187
が形成され、インク供給部152を連通管171に対し
て押し込むことによってシール部材157が開封溝18
7で破られ、インク供給部152内に連通管171が挿
入される構成となっている。
152に溶着されたシール部材157には開封溝187
が形成され、インク供給部152を連通管171に対し
て押し込むことによってシール部材157が開封溝18
7で破られ、インク供給部152内に連通管171が挿
入される構成となっている。
【0100】その他の構成は第1の実施形態と同様であ
るので、その説明は省略する。
るので、その説明は省略する。
【0101】以上説明したように、本実施形態では、イ
ンクタンク150が毛管力発生部材収納室110の上方
に装着されるので、第1の実施形態と同様の効果に加
え、インクタンク150からインク供給口112までの
インクの供給方向を重力に従う方向とすることができ、
常に安定した供給状態を維持することができる。しか
も、連通管171と接続する大気導入溝117を水平方
向に設けることで、気液交換をスムーズに行うことがで
きる。また、連通管171の上端面が上述したように斜
めに形成されているので、連結管171をインクタンク
150のインク供給部152に挿入したとき、インク誘
導体175が先にインク収納部153に連通するためイ
ンク収納部153内のインクは優先的にインク誘導体1
75に流れ、インク収納部163内のインクを効率的に
毛管力発生部材113に供給することができる。
ンクタンク150が毛管力発生部材収納室110の上方
に装着されるので、第1の実施形態と同様の効果に加
え、インクタンク150からインク供給口112までの
インクの供給方向を重力に従う方向とすることができ、
常に安定した供給状態を維持することができる。しか
も、連通管171と接続する大気導入溝117を水平方
向に設けることで、気液交換をスムーズに行うことがで
きる。また、連通管171の上端面が上述したように斜
めに形成されているので、連結管171をインクタンク
150のインク供給部152に挿入したとき、インク誘
導体175が先にインク収納部153に連通するためイ
ンク収納部153内のインクは優先的にインク誘導体1
75に流れ、インク収納部163内のインクを効率的に
毛管力発生部材113に供給することができる。
【0102】(第3の実施形態)図11は、本発明の第
3の実施形態の液体供給システムの断面図であり、
(a)は毛管力発生部材収納室とインクタンクとの接続
前の状態、(b)は接続後の状態を示す。
3の実施形態の液体供給システムの断面図であり、
(a)は毛管力発生部材収納室とインクタンクとの接続
前の状態、(b)は接続後の状態を示す。
【0103】上述した各実施形態では、インク誘導体お
よび大気導入路が毛管力発生部材収納室側に設けられた
例を示したが、本実施形態では、図11(a)に示すよ
うに、インク誘導体275および大気導入路272がイ
ンクタンク250側に設けられている。すなわち、イン
クタンク250のインク供給部252は管状をなしてお
り、このインク供給部252内にインク誘導体275が
挿入されており、インク供給部252内におけるインク
誘導体275の上方の空間は大気導入路272となって
いる。また、インク供給部252の先端面には、フィル
ム状のシール部材257が引き剥がし可能に貼り付けら
れている。一方、毛管力発生部材収納室210の連結管
271は、インクタンク250のインク供給部252を
受容する形態となっている。なお、シール部材257
は、図11(b)に示すようにシール部材257が貼り
付けられたままの状態でインク供給部252を連通管2
71に挿入したとき、端部が連結管271の先端から出
てインクタンク257の外壁面に露出する大きさとなっ
ている。その他の構成については第1の実施形態と同様
である。なお、同図においては、図1(b)に示す記録
ヘッドは省略して描かれている。
よび大気導入路が毛管力発生部材収納室側に設けられた
例を示したが、本実施形態では、図11(a)に示すよ
うに、インク誘導体275および大気導入路272がイ
ンクタンク250側に設けられている。すなわち、イン
クタンク250のインク供給部252は管状をなしてお
り、このインク供給部252内にインク誘導体275が
挿入されており、インク供給部252内におけるインク
誘導体275の上方の空間は大気導入路272となって
いる。また、インク供給部252の先端面には、フィル
ム状のシール部材257が引き剥がし可能に貼り付けら
れている。一方、毛管力発生部材収納室210の連結管
271は、インクタンク250のインク供給部252を
受容する形態となっている。なお、シール部材257
は、図11(b)に示すようにシール部材257が貼り
付けられたままの状態でインク供給部252を連通管2
71に挿入したとき、端部が連結管271の先端から出
てインクタンク257の外壁面に露出する大きさとなっ
ている。その他の構成については第1の実施形態と同様
である。なお、同図においては、図1(b)に示す記録
ヘッドは省略して描かれている。
【0104】インクタンク250と毛管力発生部材収納
室210とを接続する際には、まず、図11(b)に示
すように、シール部材257が貼り付けられたまま、イ
ンクタンク250のインク供給部252を毛管力発生部
材収納室210の連通管271内に挿入する。次いで、
シール部材257の露出した部分を摘んで引っ張る。こ
れにより、シール部材257はインク供給部252から
剥離し、連結管271から引き抜かれる。このように、
シール部材257は、インク供給部252を連通管27
1に挿入した後、連通管271から引き抜かれるもので
あるので、シール部材257の引き抜きを容易にするた
めに、シール部材257はインク供給部252の先端面
のみで貼り付けられていることが望ましい。
室210とを接続する際には、まず、図11(b)に示
すように、シール部材257が貼り付けられたまま、イ
ンクタンク250のインク供給部252を毛管力発生部
材収納室210の連通管271内に挿入する。次いで、
シール部材257の露出した部分を摘んで引っ張る。こ
れにより、シール部材257はインク供給部252から
剥離し、連結管271から引き抜かれる。このように、
シール部材257は、インク供給部252を連通管27
1に挿入した後、連通管271から引き抜かれるもので
あるので、シール部材257の引き抜きを容易にするた
めに、シール部材257はインク供給部252の先端面
のみで貼り付けられていることが望ましい。
【0105】上記のようにシール部材257を引き抜く
ことにより、インク供給部252が開放されてインク供
給部252と連結管271とが連通し、インクタンク2
50のインク収納部253内のインクを毛管力発生部材
収納室210の毛管力発生部材213に供給することが
可能となる。
ことにより、インク供給部252が開放されてインク供
給部252と連結管271とが連通し、インクタンク2
50のインク収納部253内のインクを毛管力発生部材
収納室210の毛管力発生部材213に供給することが
可能となる。
【0106】以降の供給動作(気液交換も含む)および
環境変化に伴うインクタンク250の作用などについて
は第1の実施形態と同様である。このように、インク誘
導体275および大気導入路272をインクタンク25
0側に設けても、第1の実施形態と同様の効果を得るこ
とができる。さらに、このような液体導出路および気体
優先導入路は、インクタンク250あるいは毛管力発生
部材収納室210のいずれか一方だけではなく双方に設
けてもよい。なお、本実施形態では、インクタンク25
0と毛管力発生部材収納室210とが、第1の実施形態
と同様に横方向から接続される場合について説明した
が、第2の実施形態と同様に、上下方向から接続される
場合にも本実施形態は適用できる。
環境変化に伴うインクタンク250の作用などについて
は第1の実施形態と同様である。このように、インク誘
導体275および大気導入路272をインクタンク25
0側に設けても、第1の実施形態と同様の効果を得るこ
とができる。さらに、このような液体導出路および気体
優先導入路は、インクタンク250あるいは毛管力発生
部材収納室210のいずれか一方だけではなく双方に設
けてもよい。なお、本実施形態では、インクタンク25
0と毛管力発生部材収納室210とが、第1の実施形態
と同様に横方向から接続される場合について説明した
が、第2の実施形態と同様に、上下方向から接続される
場合にも本実施形態は適用できる。
【0107】<その他の実施形態>以上、本発明の実施
形態について説明を行なったが、以下に各実施形態に適
用可能なその他の実施形態及び各実施形態の変形例につ
いての説明を行なう。なお、以下の説明では、特に断り
のない限りは、上述の各実施形態に適用可能である。
形態について説明を行なったが、以下に各実施形態に適
用可能なその他の実施形態及び各実施形態の変形例につ
いての説明を行なう。なお、以下の説明では、特に断り
のない限りは、上述の各実施形態に適用可能である。
【0108】<連通部の構造>各実施形態における連通
部の構造について補足説明を行う。
部の構造について補足説明を行う。
【0109】本発明はいずれもインクタンクが毛管力発
生部材収納容器に対して着脱可能であり、本発明の連通
部は上述した機能を有するものであれば、どこに設けら
れていてもよい。また、連通部がインクタンクおよび毛
管力発生部材収納容器から完全に分離した構造であって
もよい。
生部材収納容器に対して着脱可能であり、本発明の連通
部は上述した機能を有するものであれば、どこに設けら
れていてもよい。また、連通部がインクタンクおよび毛
管力発生部材収納容器から完全に分離した構造であって
もよい。
【0110】連通部が完全に分離した上述の変形例で
は、インクタンクと毛管力発生部材収納容器との着脱動
作が行われる際に、インクタンク、連通部、毛管力発生
部材収納容器とが結合、非結合する構成となる。連通部
の、インクタンクおよび毛管力発生部材収納容器との結
合のタイミングは、両者との結合がほぼ同時であっても
よいし、どちらが先に行われてもよい。より好ましく
は、毛管力発生部材収納容器との結合が先に行われ、そ
の後、インクタンクとの結合が行われることである。
は、インクタンクと毛管力発生部材収納容器との着脱動
作が行われる際に、インクタンク、連通部、毛管力発生
部材収納容器とが結合、非結合する構成となる。連通部
の、インクタンクおよび毛管力発生部材収納容器との結
合のタイミングは、両者との結合がほぼ同時であっても
よいし、どちらが先に行われてもよい。より好ましく
は、毛管力発生部材収納容器との結合が先に行われ、そ
の後、インクタンクとの結合が行われることである。
【0111】また、上述の変形例における連通部のイン
クタンク、毛管力発生部材収納容器との固定方法は、凹
凸形状による嵌合であってもよいし、固定部材(例えば
粘着材のようなもの)による粘着であってもよい。
クタンク、毛管力発生部材収納容器との固定方法は、凹
凸形状による嵌合であってもよいし、固定部材(例えば
粘着材のようなもの)による粘着であってもよい。
【0112】さらに、別の変形例として、液体導出路、
気体優先導入路がそれぞれべったいとして、インクタン
クまたは毛管力発生部材収納容器にそれぞれ設けられて
いる構造であってもよい。この形態の場合、インクタン
クと毛管力発生部材収納容器とが装着されることで、液
体導出路および気体優先導入路を備えた連通部を構成す
ることができる。結合のタイミングは、液体導出路、気
体優先導入路がほぼ同時であってもよいが、液体導出路
が先に結合されるほうが望ましい。
気体優先導入路がそれぞれべったいとして、インクタン
クまたは毛管力発生部材収納容器にそれぞれ設けられて
いる構造であってもよい。この形態の場合、インクタン
クと毛管力発生部材収納容器とが装着されることで、液
体導出路および気体優先導入路を備えた連通部を構成す
ることができる。結合のタイミングは、液体導出路、気
体優先導入路がほぼ同時であってもよいが、液体導出路
が先に結合されるほうが望ましい。
【0113】<毛管力発生部材収納室の構造>まずはじ
めに上述の各実施形態における毛管力発生部材収納室の
構造について、補足説明を行なう。
めに上述の各実施形態における毛管力発生部材収納室の
構造について、補足説明を行なう。
【0114】毛管力発生部材収納室(毛管力発生部材収
納容器)に収納される毛管力発生部材としては、ポリウ
レタンフォームなどの多孔質部材の他、繊維をフェルト
状にしたものや繊維塊を熱成形したものなどを用いるこ
とができる。
納容器)に収納される毛管力発生部材としては、ポリウ
レタンフォームなどの多孔質部材の他、繊維をフェルト
状にしたものや繊維塊を熱成形したものなどを用いるこ
とができる。
【0115】連通管については、管状のもので説明した
が、気液交換状態において気液交換を阻害するものでな
ければ、どのような形態のものを用いていも良い。
が、気液交換状態において気液交換を阻害するものでな
ければ、どのような形態のものを用いていも良い。
【0116】また、上述の各実施形態では毛管力発生部
材がない空間(バッファ部)を上面部近傍に設けている
が、これを無くし、かわりに通常の状態では液体を保持
していない毛管力発生部材を充填していても良い。この
ようにバッファ空間に液体を保持しない毛管力発生部材
が存在することで、前述の環境変化の際に毛管力発生部
材収納室へ移動したインクを保持することが可能とな
る。
材がない空間(バッファ部)を上面部近傍に設けている
が、これを無くし、かわりに通常の状態では液体を保持
していない毛管力発生部材を充填していても良い。この
ようにバッファ空間に液体を保持しない毛管力発生部材
が存在することで、前述の環境変化の際に毛管力発生部
材収納室へ移動したインクを保持することが可能とな
る。
【0117】<インクタンクの構造>次に上述の各実施
形態におけるインクタンクの構造について、補足説明を
行なう。
形態におけるインクタンクの構造について、補足説明を
行なう。
【0118】インクタンクが毛管力発生部材に対して着
脱可能な場合、インクタンクの毛管力発生部材収納室と
の連通部には、結合時の連通部からの液体や空気の漏れ
を防止すると共に結合前のインク収納部内のインクの導
出を防止する部材としてのシール部材が設けられる。各
実施形態ではシール部材はいずれも膜状のものを使用し
ているが、ボール状の栓などを使用してもよい。
脱可能な場合、インクタンクの毛管力発生部材収納室と
の連通部には、結合時の連通部からの液体や空気の漏れ
を防止すると共に結合前のインク収納部内のインクの導
出を防止する部材としてのシール部材が設けられる。各
実施形態ではシール部材はいずれも膜状のものを使用し
ているが、ボール状の栓などを使用してもよい。
【0119】また、上述の各実施形態のインクタンク
は、ダイレクトブロー製造方法によって形成される。す
なわち、互いに分離可能な筐体(外壁)とインク収納部
(内壁)とは、略多角柱の型に対して円筒状のパリソン
をエアーブローによって均一に膨張させることで形成さ
れるものである。これにかわり、例えば可撓性の袋内に
金属製のばね等を備えることで、インクの導出に伴い負
圧を発生させるようにしてもよい。
は、ダイレクトブロー製造方法によって形成される。す
なわち、互いに分離可能な筐体(外壁)とインク収納部
(内壁)とは、略多角柱の型に対して円筒状のパリソン
をエアーブローによって均一に膨張させることで形成さ
れるものである。これにかわり、例えば可撓性の袋内に
金属製のばね等を備えることで、インクの導出に伴い負
圧を発生させるようにしてもよい。
【0120】しかし、ブロー成形を用いることで、筐体
内面形状と同等あるいは相似形の外面形状を有するイン
ク収納部を容易に製造することができるだけでなく、イ
ンク収納部を構成する内壁の材料、厚みを変えることで
容易に発生する負圧を設定できる利点がある。さらに、
内壁、及び外壁の材料に熱可塑性樹脂を利用すること
で、リサイクル性に富んだインクタンクを提供すること
ができる。
内面形状と同等あるいは相似形の外面形状を有するイン
ク収納部を容易に製造することができるだけでなく、イ
ンク収納部を構成する内壁の材料、厚みを変えることで
容易に発生する負圧を設定できる利点がある。さらに、
内壁、及び外壁の材料に熱可塑性樹脂を利用すること
で、リサイクル性に富んだインクタンクを提供すること
ができる。
【0121】ここで、前述した各実施形態における「外
壁」の構造および「外壁」が「内壁」に対して及ぼす結
果的な構造について補足説明する。
壁」の構造および「外壁」が「内壁」に対して及ぼす結
果的な構造について補足説明する。
【0122】前述した各実施形態では、インクタンクは
ブロー成形により製造されるため、内壁は、容器を構成
する面の中央近傍領域の厚みにくらべ角部近傍の厚みの
方が薄く形成されている。また外壁も同様に、容器を構
成する面の中央近傍領域の厚みにくらべ角部近傍の厚み
の方が薄く形成されている。さらに、外壁に対して内壁
は、各面の中央部から各面の角部に向かって徐々に減少
する厚み分布を有する外壁に積層されることで形成され
ている。
ブロー成形により製造されるため、内壁は、容器を構成
する面の中央近傍領域の厚みにくらべ角部近傍の厚みの
方が薄く形成されている。また外壁も同様に、容器を構
成する面の中央近傍領域の厚みにくらべ角部近傍の厚み
の方が薄く形成されている。さらに、外壁に対して内壁
は、各面の中央部から各面の角部に向かって徐々に減少
する厚み分布を有する外壁に積層されることで形成され
ている。
【0123】この結果、上記内壁は外壁の内面に対して
一致する外面を有することになる。この内壁の外面は、
外壁の厚み分布に対して沿うため、内壁が形成するイン
ク収納部側に向かって凸となる。そして、内壁の内面
は、上述した内壁の厚み分布を有するので、より一層イ
ンク収納部に向かって凸となる。これらの構造は、最大
面積部で特に前述した機能を発揮するため、本発明とし
ては、このような凸状形状は少なくとも最大面積部で存
在すれば良く、その凸状形状も内壁面として2mm以下
で良く、内壁外面で1mm以下でよい。この凸状形状
は、小面積部では測定誤差範囲内になることもあるが、
略多角柱インクタンクの各面における変形優先順位をも
たらす1つの要因となるので、本発明にとって好ましい
条件の1つとなる。
一致する外面を有することになる。この内壁の外面は、
外壁の厚み分布に対して沿うため、内壁が形成するイン
ク収納部側に向かって凸となる。そして、内壁の内面
は、上述した内壁の厚み分布を有するので、より一層イ
ンク収納部に向かって凸となる。これらの構造は、最大
面積部で特に前述した機能を発揮するため、本発明とし
ては、このような凸状形状は少なくとも最大面積部で存
在すれば良く、その凸状形状も内壁面として2mm以下
で良く、内壁外面で1mm以下でよい。この凸状形状
は、小面積部では測定誤差範囲内になることもあるが、
略多角柱インクタンクの各面における変形優先順位をも
たらす1つの要因となるので、本発明にとって好ましい
条件の1つとなる。
【0124】加えて、外壁の構造について補足する。前
述した外壁の1つの機能として内壁の角部の変形を規制
することをあげたが、この機能を発揮する構造として
は、内壁の変形に対しては形状を維持でき、かつ角部の
周囲を覆う構造(角部包囲部材)を有するものであれば
よい。従って、プラスチック、金属あるいは、厚紙等の
材質で、上述した外壁または内壁を覆う構造にしてもよ
い。この外壁としては、全面でもよく、角部のみ面構造
で、この面構造を金属等の棒で結合するようなものでも
良い。さらに外壁は、メッシュ構造でも良い。
述した外壁の1つの機能として内壁の角部の変形を規制
することをあげたが、この機能を発揮する構造として
は、内壁の変形に対しては形状を維持でき、かつ角部の
周囲を覆う構造(角部包囲部材)を有するものであれば
よい。従って、プラスチック、金属あるいは、厚紙等の
材質で、上述した外壁または内壁を覆う構造にしてもよ
い。この外壁としては、全面でもよく、角部のみ面構造
で、この面構造を金属等の棒で結合するようなものでも
良い。さらに外壁は、メッシュ構造でも良い。
【0125】なお、本発明の実施形態においては、イン
ク収納部は略多角柱形状となっているが、この形態に限
定されるものではなく、少なくともインクの導出に伴い
変形可能で、この変形により負圧を発生可能であるもの
ならば、どのような形態であっても本発明の目的を達成
することが可能である。
ク収納部は略多角柱形状となっているが、この形態に限
定されるものではなく、少なくともインクの導出に伴い
変形可能で、この変形により負圧を発生可能であるもの
ならば、どのような形態であっても本発明の目的を達成
することが可能である。
【0126】さらに前述したインク収納部によるバッフ
ァ効果を得るためには、インク収納部が弾性変形可能で
あり、内部の収容物の膨張によりインク収納部が変形前
の形状に戻ることができること、すなわち弾性変形の範
囲内で変形することが求められる。もし、インク導出に
よる変形にともなう負圧の変化の割合が急激に変わる状
態が存在する場合(例えば変形部分同士が当接する場合
など)には、弾性変形の範囲内であっても、この急激に
変わる状態になる前に第1のインク供給状態を終え、第
2のインク供給状態が開始されるようになっていること
が望ましい。
ァ効果を得るためには、インク収納部が弾性変形可能で
あり、内部の収容物の膨張によりインク収納部が変形前
の形状に戻ることができること、すなわち弾性変形の範
囲内で変形することが求められる。もし、インク導出に
よる変形にともなう負圧の変化の割合が急激に変わる状
態が存在する場合(例えば変形部分同士が当接する場合
など)には、弾性変形の範囲内であっても、この急激に
変わる状態になる前に第1のインク供給状態を終え、第
2のインク供給状態が開始されるようになっていること
が望ましい。
【0127】また、本発明の液体収納容器に使用される
材料としては、内壁と外壁とが分離可能なものであれば
よく、内壁又は外壁にそれぞれ複数の材料を用いて、多
層により構成してもよい。また、インク収納室を単独で
負圧発生型液体収納容器として使用する場合より、内壁
としては弾性の高いものを使用することが可能となって
いる。内部に収容されるインクなどに対する影響を考慮
すれば、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロビレン樹脂
などが好適に適用可能である。
材料としては、内壁と外壁とが分離可能なものであれば
よく、内壁又は外壁にそれぞれ複数の材料を用いて、多
層により構成してもよい。また、インク収納室を単独で
負圧発生型液体収納容器として使用する場合より、内壁
としては弾性の高いものを使用することが可能となって
いる。内部に収容されるインクなどに対する影響を考慮
すれば、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロビレン樹脂
などが好適に適用可能である。
【0128】<液体供給動作及びインク供給システム>
次に、液体供給動作及びインク供給システムに関する補
足説明を行なう。
次に、液体供給動作及びインク供給システムに関する補
足説明を行なう。
【0129】上述した各実施形態のインク供給システム
におけるインク供給動作については、インクタンクと毛
管力発生部材収納室とが接続されていない初期状態か
ら、接続させた時の使用開始状態、第1及び第2のイン
ク供給状態を経るものとなっている。
におけるインク供給動作については、インクタンクと毛
管力発生部材収納室とが接続されていない初期状態か
ら、接続させた時の使用開始状態、第1及び第2のイン
ク供給状態を経るものとなっている。
【0130】ここで、上述した各実施形態の第1の変形
例として、気液交換状態、すなわち第2のインク供給状
態がないインク供給システムについても、インク収納部
へ外気を導入することなくインク収納部のインクを使用
する工程を有するため、液体収納容器の内容積の制限
は、結合時においてインク収納部に導入された空気のみ
を考慮すればよいことになる。すなわち、インクタンク
内の内容積の制限を緩和しても、環境変化に対応可能で
あるという利点があり、本発明の目的を達成し得る構成
となっている。ただし、インク収納部の使用効率を考慮
するならば、上述の各実施形態のように第1のインク供
給状態のあとに気液交換状態を有する方が、より容易に
インク収納部のインクを消費することができる。
例として、気液交換状態、すなわち第2のインク供給状
態がないインク供給システムについても、インク収納部
へ外気を導入することなくインク収納部のインクを使用
する工程を有するため、液体収納容器の内容積の制限
は、結合時においてインク収納部に導入された空気のみ
を考慮すればよいことになる。すなわち、インクタンク
内の内容積の制限を緩和しても、環境変化に対応可能で
あるという利点があり、本発明の目的を達成し得る構成
となっている。ただし、インク収納部の使用効率を考慮
するならば、上述の各実施形態のように第1のインク供
給状態のあとに気液交換状態を有する方が、より容易に
インク収納部のインクを消費することができる。
【0131】第2の変形例としては、図2に示す状態
で、接続前の毛管力発生部材収納室の液面が、気液界面
より高い場合がある。このときは、図3を用いて説明し
た使用開始状態となるためのインクの移動のうち、毛細
管力による毛管力発生部材収納室への一方的なインク移
動がないものとなる。
で、接続前の毛管力発生部材収納室の液面が、気液界面
より高い場合がある。このときは、図3を用いて説明し
た使用開始状態となるためのインクの移動のうち、毛細
管力による毛管力発生部材収納室への一方的なインク移
動がないものとなる。
【0132】第3の変形例としては、記録ヘッドからイ
ンクを消費する際の消費スピードが、極めて大さい場合
がある。このときは、第1の供給状態において、両者の
負圧が常時バランスを取るのではなく、両者の負圧の差
がある所定の値以上になるまでは毛管力発生部材収納室
のインクが優先的に消費され、負圧の差が一定以上にな
った時、インク収納室のインクが毛管力発生部材収納室
側へ移動するようになることが起こりうる。
ンクを消費する際の消費スピードが、極めて大さい場合
がある。このときは、第1の供給状態において、両者の
負圧が常時バランスを取るのではなく、両者の負圧の差
がある所定の値以上になるまでは毛管力発生部材収納室
のインクが優先的に消費され、負圧の差が一定以上にな
った時、インク収納室のインクが毛管力発生部材収納室
側へ移動するようになることが起こりうる。
【0133】<液体吐出記録装置>最後に、本発明の一
実施形態にかかるインクジェットカートリッジを搭載し
て記録を行うインクジェット記録装置の説明を行う。図
12に、本発明の一実施形態にかかるインクジェットカ
ートリッジを搭載するインクジェット記録装置の概略図
を示す。
実施形態にかかるインクジェットカートリッジを搭載し
て記録を行うインクジェット記録装置の説明を行う。図
12に、本発明の一実施形態にかかるインクジェットカ
ートリッジを搭載するインクジェット記録装置の概略図
を示す。
【0134】図12において、タンクホルダ4010及
びインクタンク4100は、インクジェット記録装置本
体のキャリッジ5010に不図示の位置決め手段によっ
て固定支持されるとともに、該キャリッジ5010に対
してそれぞれ着脱可能な形で装着される。上述の実施形
態でも示したように、タンクホルダ4010はインクを
吐出する記録ヘッドが一体になったものであり、キャリ
ッジ5010は、記録ヘッドの吐出口を下向きに向けて
タンクホルダ4010を搭載する。
びインクタンク4100は、インクジェット記録装置本
体のキャリッジ5010に不図示の位置決め手段によっ
て固定支持されるとともに、該キャリッジ5010に対
してそれぞれ着脱可能な形で装着される。上述の実施形
態でも示したように、タンクホルダ4010はインクを
吐出する記録ヘッドが一体になったものであり、キャリ
ッジ5010は、記録ヘッドの吐出口を下向きに向けて
タンクホルダ4010を搭載する。
【0135】駆動モータ5130の正逆回転は駆動伝達
ギア5110、5090を介してリードスクリュ504
0に伝達され、これを回転させ、またキャリッジ501
0はリードスクリュ5040の螺旋溝5050に係合す
るピン(不図示)を有する。これによって、キャリッジ
5010は装置長手方向に往復移動される。
ギア5110、5090を介してリードスクリュ504
0に伝達され、これを回転させ、またキャリッジ501
0はリードスクリュ5040の螺旋溝5050に係合す
るピン(不図示)を有する。これによって、キャリッジ
5010は装置長手方向に往復移動される。
【0136】一方、被記録材Pは、紙送りモータ506
0の駆動による搬送ローラ5000の回転によりキャリ
ッジ5010の下方に送られる。この位置で、キャリッ
ジ5010を移動させながら記録ヘッドからインクを吐
出させることで、被記録材Pに記録が行われる。
0の駆動による搬送ローラ5000の回転によりキャリ
ッジ5010の下方に送られる。この位置で、キャリッ
ジ5010を移動させながら記録ヘッドからインクを吐
出させることで、被記録材Pに記録が行われる。
【0137】記録ヘッドの前面をキャッピングするキャ
ップ5020は、不図示の吸引手段によりキャップ内開
口を介して記録ヘッドの吸引回復を行うために用いられ
る。キャップ5020はギア5080等を介して伝達さ
れる駆動力により移動して記録ヘッドの吐出口面を覆う
ことができる。キャップ5020の近傍には、不図示の
クリーニングブレードが設けられ、このブレードは図の
上下方向に移動可能に支持されている。ブレードは、こ
の形態に取られず、周知のクリーニングブレードが本例
に適用できることは言うまでもない。
ップ5020は、不図示の吸引手段によりキャップ内開
口を介して記録ヘッドの吸引回復を行うために用いられ
る。キャップ5020はギア5080等を介して伝達さ
れる駆動力により移動して記録ヘッドの吐出口面を覆う
ことができる。キャップ5020の近傍には、不図示の
クリーニングブレードが設けられ、このブレードは図の
上下方向に移動可能に支持されている。ブレードは、こ
の形態に取られず、周知のクリーニングブレードが本例
に適用できることは言うまでもない。
【0138】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジがホームポジションに移動したと
きにリードスクリュ5040の作用によってそれらの対
応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、
周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれば、本
例にはいずれも適応できる。
引回復は、キャリッジがホームポジションに移動したと
きにリードスクリュ5040の作用によってそれらの対
応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、
周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれば、本
例にはいずれも適応できる。
【0139】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液体収納部を、変形することで負圧を発生可能、あるい
は弾性変形可能な構成とし、連通部を介しての液体供給
容器と毛管力発生部材収納容器との接続時に液体収納部
内の液体の一部を毛管力発生部材に保持させ液体収納部
を変形させることで、この変形分がバッファとなり環境
変化による液体収納部内の空気の膨張による影響を緩和
することができる。従って、液体の収納効率及び使用効
率を向上させることができ、ひいては容器の一層の小型
化及びランニングコストの削減が可能となる。また、連
通部には液体導出路および気体優先導入路が設けられて
いるので、気液交換時の気体の通路が確保され、結果的
に毛管力発生部材収納容器内への液体の導出も確実かつ
安定して行うことができる。さらに、このように気液交
換時の気体の通路が確保されることにより、毛管力発生
部材収納容器内での液体の保持量によらずに気液交換を
容易に行うことができる。
液体収納部を、変形することで負圧を発生可能、あるい
は弾性変形可能な構成とし、連通部を介しての液体供給
容器と毛管力発生部材収納容器との接続時に液体収納部
内の液体の一部を毛管力発生部材に保持させ液体収納部
を変形させることで、この変形分がバッファとなり環境
変化による液体収納部内の空気の膨張による影響を緩和
することができる。従って、液体の収納効率及び使用効
率を向上させることができ、ひいては容器の一層の小型
化及びランニングコストの削減が可能となる。また、連
通部には液体導出路および気体優先導入路が設けられて
いるので、気液交換時の気体の通路が確保され、結果的
に毛管力発生部材収納容器内への液体の導出も確実かつ
安定して行うことができる。さらに、このように気液交
換時の気体の通路が確保されることにより、毛管力発生
部材収納容器内での液体の保持量によらずに気液交換を
容易に行うことができる。
【図1】本発明の第1の実施形態である、液体供給シス
テムを適用したインクジェットカートリッジの断面図で
ある。
テムを適用したインクジェットカートリッジの断面図で
ある。
【図2】図1に示したインクジェットカートリッジの、
インクタンクと毛管力発生部材収納室との結合前の状態
を説明する説明図であり、(a)は図1と同じ断面によ
る断面図、(b)は図1(b)のインクタンクのA−A
線断面図である。
インクタンクと毛管力発生部材収納室との結合前の状態
を説明する説明図であり、(a)は図1と同じ断面によ
る断面図、(b)は図1(b)のインクタンクのA−A
線断面図である。
【図3】図1に示したインクジェットカートリッジの使
用開始状態を説明する説明図であり、(a)は図1と同
じ断面による断面図、(b)は図1(b)のインクタン
クのA−A線断面図である。
用開始状態を説明する説明図であり、(a)は図1と同
じ断面による断面図、(b)は図1(b)のインクタン
クのA−A線断面図である。
【図4】図1に示したインクジェットカートリッジのイ
ンク導出時の状態を説明する説明図であり、(a)は図
1と同じ断面による断面図、(b)は図1(b)のイン
クタンクのA−A線断面図である。
ンク導出時の状態を説明する説明図であり、(a)は図
1と同じ断面による断面図、(b)は図1(b)のイン
クタンクのA−A線断面図である。
【図5】図1に示したインクジェットカートリッジの気
液交換状態を説明する説明図であり、(a)は図1と同
じ断面による断面図、(b)は図1(b)のインクタン
クのA−A線断面図である。
液交換状態を説明する説明図であり、(a)は図1と同
じ断面による断面図、(b)は図1(b)のインクタン
クのA−A線断面図である。
【図6】図1に示したインクジェットカートリッジのイ
ンクタンク交換前の状態を説明する説明図であり、
(a)は図1と同じ断面による断面図、(b)は図1
(b)のインクタンクのA−A線断面図である。
ンクタンク交換前の状態を説明する説明図であり、
(a)は図1と同じ断面による断面図、(b)は図1
(b)のインクタンクのA−A線断面図である。
【図7】図1に示したインクジェットカートリッジのイ
ンク導出量とインク供給口部の負圧の関係を示す説明図
である。
ンク導出量とインク供給口部の負圧の関係を示す説明図
である。
【図8】(a)、(b)は図1に示したインクジェット
カートリッジの、環境条件を変化させた場合の安定した
液体保持メカニズムの説明図、(c)は減圧時のインク
流出量を説明する説明図である。
カートリッジの、環境条件を変化させた場合の安定した
液体保持メカニズムの説明図、(c)は減圧時のインク
流出量を説明する説明図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の、液体供給システム
を適用したインクジェットカートリッジの概略を説明す
るための図であり、インクタンクをヘッド付ホルダに装
着する前の断面図を示す。
を適用したインクジェットカートリッジの概略を説明す
るための図であり、インクタンクをヘッド付ホルダに装
着する前の断面図を示す。
【図10】図9に示したインクタンクとヘッド付ホルダ
とのインク通路に関する接続部の拡大図であり、(a)
は断面図、(b)は連結管の平面図である。
とのインク通路に関する接続部の拡大図であり、(a)
は断面図、(b)は連結管の平面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態である液体供給シス
テムの断面図である。
テムの断面図である。
【図12】本発明の液体供給システムを適用可能なイン
クジェット記録装置の一例の概略説明図である。
クジェット記録装置の一例の概略説明図である。
10,110,210 毛管力発生部材収納室
11 筐体
12,112 インク供給口
13,113,213 毛管力発生部材
15,115 大気連通口
16 バッファ部
17,117 大気導入溝
50,150,250 インクタンク
51,151 外壁
52,152,252 インク供給部
53,153,253 インク収納部
54,154 内壁
55 大気連通口
56 溶着部
57,157,257 シール部材
60,160 記録ヘッド
61,161 吐出口
71,171,271 連通管
72,172,272 大気導入路
75,175,275 インク誘導体
111 タンクホルダ
130 ヘッド付ホルダ
170 フィルタ
173 スリット
174 ベローズ
180 ラッチレバー
181 ラッチ爪
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平7−68776(JP,A)
特開 平8−34122(JP,A)
特開 平10−44452(JP,A)
特開 平8−258277(JP,A)
特開 平7−148940(JP,A)
特開 昭55−3961(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B41J 2/175
B65D 83/00
B67D 5/00
Claims (10)
- 【請求項1】 密閉空間内に液体を収納し変形すること
で負圧を発生可能な液体収納部を備えた液体供給容器
と、 前記液体供給容器に対して着脱可能であり、液体を保持
可能な毛管力発生部材、大気と連通する大気連通部、及
び外部に液体を供給するための液体供給部を備えた毛管
力発生部材収納容器と、を備えた液体供給システムであ
って、 前記液体供給容器と前記毛管力発生部材収納容器とを連
通させるための連通部が、優先的に気体を前記液体供給
容器内へ導入するための気体優先導入路と、液体を前記
液体供給容器から導出させるための液体導出路とを備え
ていることを特徴とする液体供給システム。 - 【請求項2】 前記装着する際に、前記液体導出路を前
記気体優先導入路よりも先に連通させる請求項1に記載
の液体供給システム。 - 【請求項3】 前記連通部は管状部材を有するととも
に、 前記液体導出路は、前記管状部材の軸方向に沿って挿入
されている毛管力発生部材であり、 前記気体優先導入路は、前記毛管力発生部材と前記管状
部材の内壁の一部位との間に設けられた隙間である請求
項1に記載の液体供給システム。 - 【請求項4】 外部に液体を吐出する記録ヘッド部と、 該記録ヘッド部へ液体を供給するための液体供給部と、
大気と連通するための大気連通部とを備え、内部に液体
を保持可能な毛管力発生部材を収納する毛管力発生部材
収納室と、 密閉空間内に液体を収納し変形することで負圧を発生可
能な液体収納部を備え、前記毛管力発生部材収納室に対
して着脱可能な液体供給容器とを備えるインクジェット
カートリッジであって、 優先的に気体を前記液体供給容器内へ導入するための気
体優先導入路と、液体を前記液体供給容器から導出させ
るための液体導出路とを、前記液体供給容器と前記毛管
力発生部材収納室との連通部に備えることを特徴とする
インクジェットカートリッジ。 - 【請求項5】 前記液体収納部は弾性変形可能である請
求項4に記載のインクジェットカートリッジ。 - 【請求項6】 前記連通部は管状部材を有するととも
に、 前記液体導出路は、前記管状部材の軸方向に沿って挿入
されている毛管力発生部材であり、 前記気体優先導入路は、前記毛管力発生部材と前記管状
部材の内壁の一部位との間に設けられた隙間である請求
項4または5に記載のインクジェットカートリッジ。 - 【請求項7】 密閉空間内に液体を収納し変形すること
で負圧を発生可能な液体収納部を備える液体供給容器を
着脱自在に搭載可能なヘッドカートリッジにおいて、 外部に液体を吐出する記録ヘッド部と、 該記録ヘッド部へ液体を供給するための液体供給部と、
大気と連通するための大気連通部とを備え、内部に液体
を保持可能な毛管力発生部材を収納する毛管力発生部材
収納室とを有し、 前記毛管力発生部材収納室は前記記録ヘッド部と一体的
に設けられるとともに、前記毛管力発生部材収納室の前
記液体供給容器との連通部に、優先的に気体を前記液体
供給容器内へ導入するための気体優先導入路と、液体を
前記液体供給容器から導出させるための液体導出路とを
備えることを特徴とするヘッドカートリッジ。 - 【請求項8】 前記連通部は、前記液体供給容器の装着
によって前記液体収納部内に挿入される管状部材を有
し、該管状部材の突出高さは、前記液体導出路が前記気
体優先導入路よりも高くなっている請求項7に記載のヘ
ッドカートリッジ。 - 【請求項9】 外部に液体を供給するための液体供給部
と大気と連通する大気連通部とを備え内部に液体を保持
する毛管力発生部材を収納する毛管力発生部材収納容器
に対して着脱自在に交換可能であり、前記毛管力発生部
材収納容器に供給する液体を収納する液体供給容器であ
って、 前記毛管力発生部材収納容器に対しての連通部を除いて
実質的な密閉空間を形成するとともに内部に収納される
液体の導出に伴い変形し負圧発生可能な液体収納部を有
し、 前記連通部には、液体を前記毛管力発生部材収納容器に
導出させるための液体導出路、および気体を優先的に前
記毛管力発生部材収納容器から導入するための気体優先
導入路が形成されていることを特徴とする液体供給容
器。 - 【請求項10】 前記連通部には、開封可能なシール部
材が設けられている請求項9に記載の液体供給容器。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11935598A JP3416520B2 (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 液体供給システム、インクジェットカートリッジ、ヘッドカートリッジ、および液体供給容器 |
DE69918368T DE69918368T2 (de) | 1998-04-28 | 1999-04-27 | Tintenstrahlaufzeichnungsvorrichtung |
EP99108233A EP0956958B1 (en) | 1998-04-28 | 1999-04-27 | Ink jet recording apparatus |
US09/301,129 US6460984B1 (en) | 1998-04-28 | 1999-04-28 | Liquid supply system, liquid container, head cartridge, ink jet cartridge, liquid supply container, method for coupling the head cartridge with the liquid supply container, communication unit used for the liquid supply system, ink jet recording apparatus provided with the ink jet cartridge opening/closing valve used for the liquid container, and liquid supply container provided with the opening/closing valve |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11935598A JP3416520B2 (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 液体供給システム、インクジェットカートリッジ、ヘッドカートリッジ、および液体供給容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11309876A JPH11309876A (ja) | 1999-11-09 |
JP3416520B2 true JP3416520B2 (ja) | 2003-06-16 |
Family
ID=14759447
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11935598A Expired - Fee Related JP3416520B2 (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 液体供給システム、インクジェットカートリッジ、ヘッドカートリッジ、および液体供給容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3416520B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
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TWI260273B (en) | 2002-09-30 | 2006-08-21 | Canon Kk | Liquid supply system, fluid communicating structure, ink supply system, and inkjet recording head utilizing the fluid communicating structure |
JP2007007902A (ja) * | 2005-06-28 | 2007-01-18 | Fujifilm Holdings Corp | インクタンク及びインクジェット記録装置 |
JP7143686B2 (ja) * | 2018-08-31 | 2022-09-29 | ブラザー工業株式会社 | システム及び液体ボトル |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5830825B2 (ja) * | 1978-06-26 | 1983-07-01 | 株式会社リコー | インクジェット用インク供給装置 |
JP3106046B2 (ja) * | 1993-11-29 | 2000-11-06 | キヤノン株式会社 | インクカートリッジ、インクジェット記録ユニットおよび該記録ユニットを用いた記録装置 |
JPH0768776A (ja) * | 1993-09-03 | 1995-03-14 | Canon Inc | インクカートリッジおよびインクジェット記録ヘッドとそのインクジェット記録装置 |
JPH0834122A (ja) * | 1994-07-22 | 1996-02-06 | Canon Inc | インクジェットカートリッジ及びそれを備えたインクジェット記録装置 |
JPH08258277A (ja) * | 1995-03-20 | 1996-10-08 | Fuji Xerox Co Ltd | インクジェット記録ユニット |
JPH1044452A (ja) * | 1996-08-01 | 1998-02-17 | Canon Inc | 負圧を与える液体収納容器、該容器の製造方法、該容器とインクジェット記録ヘッドとを一体化したインクジェットカートリッジ |
-
1998
- 1998-04-28 JP JP11935598A patent/JP3416520B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11309876A (ja) | 1999-11-09 |
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