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JP3416309B2 - 撮像装置及び撮像素子の駆動方法 - Google Patents

撮像装置及び撮像素子の駆動方法

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JP3416309B2
JP3416309B2 JP33365994A JP33365994A JP3416309B2 JP 3416309 B2 JP3416309 B2 JP 3416309B2 JP 33365994 A JP33365994 A JP 33365994A JP 33365994 A JP33365994 A JP 33365994A JP 3416309 B2 JP3416309 B2 JP 3416309B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は撮像装置及び撮像素子の
駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年撮像装置に多く使われる撮像素子は
インターライン型CCDであり、ムービービデオカメラ
の普及に伴い、ムービービデオカメラ用CCDの量産化
による低コスト化が進み多くの分野においてムービービ
デオカメラ用CCDが汎用的に使われるようになった。
【0003】図13はムービービデオ用として一般化し
たインターライン型CCDの構成図である。図中20は
特定の波長域の光を透過し入射した光を電荷に変換する
光電変換部であって複数の光電変換要素(以下画素)か
らなる。21は各々の画素に蓄えられた電荷を垂直方向
に転送するための垂直転送部、22は垂直転送部より転
送されてきた電荷を水平ライン毎に転送する水平転送
部、23は水平転送部より転送されてきた電荷を電圧信
号に変換して出力するフローティングディヒュージョン
アンプである。
【0004】図14に本撮像素子の画素部の断面構造と
ポテンシャルプロフィールを示す。図のようにアンチブ
ルーミング機構としては縦形オーバーフロードレインが
採用されている。このような撮像素子はたとえば補色市
松色差順次方式の色フィルタ構成が用いられており、ま
ず各画素で光電変換された信号は垂直ブランキング期間
中に垂直転送部の各転送段に転送され、ついで上下2画
素を加算して読み出されるように設計されている。そし
て一般には図13にフィールド読み出しとして示すよう
に奇数フィールドと偶数フィールドとで加算する画素を
1行ずらす擬似インタレース読み出しがなされる。
【0005】さて、さらに、近年のメモリ技術の向上に
よるメモリICの小型、高容量、低コスト化はムービー
ビデオカメラ、スチルビデオカメラのデジタル化を促進
した。また、マルチメディアのニーズはビデオ信号にと
らわれないデジタル画像データを求めている。ここにお
いて、ビデオ信号に規制されないデジタルカメラも、ま
た、世に出てきている。
【0006】さて、このようなデジタルカメラに使用す
る撮像素子はビデオ信号に規制されないことから、自由
な構成にすることが可能なわけであるが、製品価格を低
くするためには、むしろ、ムービービデオカメラ用の撮
像素子をそのまま使用したほうが好ましい。ここにおい
て、ビデオムービーカメラ用撮像素子を用いて、ビデオ
ムービーカメラとは異なる駆動方法で動かすことによ
り、より高い画質の画像データを得ることの出来るデジ
タルカメラの工夫が重要になり、すでに出願人より特願
平6ー137318号(平成6年6月20日出願)のよ
うな発明が出願されている。
【0007】次に上記先願の発明の概念を示す。
【0008】図12は一般的なデジタルカメラの構成を
示すブロック図である。
【0009】31は被写体からの反射光を結像するため
の光学レンズ、32は光学レンズから入射する光学像の
入射光量を制御するためのシャッタ、33は光学レンズ
により結像された被写体像を電気信号に変換するための
撮像素子で、ムービービデオで一般に用いられる、例え
ば補色市松色差順次方式インターライン型CCD、34
は撮像素子を動作させるために必要タイミング信号を発
生するタイミング信号発生回路(以下TG)、35は撮
像素子を駆動するための電圧を発生する駆動電圧設定回
路、36はTGからの信号を撮像素子駆動可能なレベル
に増幅する撮像素子駆動回路、37はCDS回路やAG
C回路を備えた前置処理回路、38は前置処理回路より
出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するため
のA/D変換器、39はデジタル化された信号を撮像信
号処理するための撮像処理回路、40は撮像処理回路に
より処理された信号を記録するための記録媒体、41は
記録媒体に信号を送るための記録媒体I/F,42はカ
メラの撮影開始や撮像素子の読み出し方式(フィールド
読み出し方式またはフレーム読み出し方式)を撮影者が
制御するための操作部、43は操作部により設定された
撮像方式の読み出し方式に応じて駆動電圧の切り換えの
制御信号とTGの信号タイミングの設定のための信号を
出力する設定切換回路、44は撮像信号をディスプレイ
に表示するEVF,45はバスコントローラ、46はデ
ジタル信号を一時記憶するバッファメモリである。
【0010】ここで示すデジタルカメラはスチル画を撮
影するためのカメラである。このようなカメラでは通
常、フィールド読み出し駆動で1フィールドのみの画像
とりこみで画像を得ることから、本来撮像素子の持つ最
大解像度をはるかにしたまわる解像度の画像しか得るこ
とが出来ない。そこで一般に用いられるムービービデオ
用の補色市松色差順次方式インターライン型CCDを図
13のフレーム読み出しで示すように個々の画素を加算
することなく、例えば奇数行の信号を最初のフィールド
期間に読み出し、ついで偶数フィールドの信号を次のフ
ィールド期間に読み出しそれぞれの信号をそのままメモ
リに取り込み、メモリに記憶された各画素データを撮像
信号処理を行うと解像度の高い画像が得られる(以下で
は言葉の誤解をさけるために図13に示すフレーム読み
出しを全画素フレーム読み出し、または全画素読み出し
と呼ぶ)。
【0011】しかし、全画素フレーム読み出しではダイ
ナミックレンジが半分程度になり、したがって撮像素子
の出力は通常の加算する読み出し(以下フィールド加算
読み出し、または単にフィールド読み出しと呼ぶ)での
AGCゲインより倍程度高くゲインをかけることにな
り、結果として画像のS/Nは著しく悪化することとな
る。
【0012】前記特願平6ー137318号では、デジ
タルカメラにおいてフィールド読み出しと全画素フレー
ム読み出しの切り替えを可能とするとともに、全画素フ
レーム読み出し時の撮像素子のダイナミックレンジを増
加させるための方法を提供するものであった。即ち、フ
ィールド読み出し時は撮像素子をムービービデオカメラ
通常使われると同じ条件で使い、全画素フレーム読み出
し時は光電変換部各セルの電荷蓄積容量を増加させるよ
うな条件にするものである。
【0013】以下図14、15、22によってこれを具
体的に説明する。図14(a)は画素部の断面構造図、
(b)は光電変換セルの基板深さ方向のポテンシャル
と、垂直転送部(VCCD)の水平方向のポテンシャル
を示したものである。図15は上からみた画素の構造図
である。図22は撮像素子のVCCDの4つの電荷に加
えるパルスを示すタイムチャートでフィールド読み出し
のタイミングを示す。
【0014】光電変換セルの容量は、縦形オーバーフロ
ードレインのポテンシャルと読み出しゲート電極下のポ
テンシャルとで決まる。すなわち、深さ方向のポテンシ
ャルの壁は図14(b)に示されるpー層中に形成さ
れ、シリコン基板に加えるバイアス電圧Vsubの値に
より壁の高さが決まり、Vsub値が高いほどポテンシ
ャルの壁は低くなる。一方読み出しゲート電極は垂直転
送部の転送電極の一極と共通になっており(通常図15
ではV1ゲートとV3ゲート)、このV1ゲート、V3
ゲートはしたがって図22のように、光電変換セルから
垂直転送電極下へ信号電荷を読み出すための電圧Vhと
電荷の垂直転送のためのVm、Vlが加えられるが、V
m値が電荷蓄積期間の読み出しゲートのポテンシャルの
壁の高さの最小レベルを決め、Vm値が低いほど電荷蓄
積期間の読み出しゲートのポテンシャルの壁の高さは高
くなる。前記特願平6ー137318号はここに着目
し、全画素読み出し時はフィールド読み出し時よりも、
Vsub値を下げると共に、Vm値を下げることにより
フレーム蓄積時光電変換セルの飽和容量を通常使用時の
それよりも増加させたものである。
【0015】次に図12で上記発明の実施例のデジタル
カメラの動作の一例を説明する。
【0016】まず撮影者が操作部42の第1スイッチを
オンすることによりファインダモードでの撮像動作を開
始し、シャッタ32が不図示の絞りとタイミング信号発
生器34からの電子シャッタ制御用パルスにより撮像素
子の露光制御を行い、撮像素子の出力を読み出す。読み
だした撮像出力に対して前置処理回路37でCDS処理
やゲインコントロール等の信号処理を行う。この際ゲイ
ンコントロール回路のゲインは撮像素子の感度によって
決まるので撮像装置製造時に設定される。前置処理回路
37の出力はA/D変換器38にてデジタル信号に変換
されてバスコントローラ45を通って撮像信号処理回路
39に入力される。撮像信号処理回路39で処理された
信号はEVF44に出力され撮影者は撮像範囲や被写体
の状況を確認することが出来る。
【0017】このファインダモードでの動作では撮像信
号の読み出しレートをより短くするためにフィールド読
み出しで行うことが好ましい。したがって、撮像素子の
基板電位Vsub、および、垂直転送ゲートのパルスの
中間電位Vmは図14で示したポテンシャルがレベル1
の電位になるようにする。ここで、Vsub値、Vm値
は通常ビデオムービカメラ等で使われると同じに設定す
るのが望ましいが、必ずしもこれに限られるものではな
い。
【0018】続いて操作部の第2スイッチがオンされる
と撮像装置は全画素読み出し撮影のモードに入る。
【0019】フレーム撮影モードに入るとまず撮像素子
に露光を開始する。露光時間の開始は撮像素子の基板電
位にVsubパルスとして高電圧であるレベル0を一旦
供給することにより、それまで画素に蓄積されていた信
号電荷を基板に排出することにより始まる。露光開始
後、基板電位Vsubと垂直転送パルスの中間電位Vm
はそれぞれ第14図で示したポテンシャルがレベル2に
なるように変更される。ここで、レベル2の電極電位の
設定はレベル1の電極電位の設定よりも低い電位に設定
される。従って各画素に蓄積可能な電荷量はフィールド
読み出しモードの時より増える。
【0020】このように、全画素読み出しの時にはVs
ub電位、および、Vm電位を低く(レベル2に)設定
することで撮像素子の光電変換セルの飽和容量を増大さ
せ、これにより撮像信号の飽和レベルを増大することが
できる。
【0021】ここで注意を要するのは、Vm値をレベル
2に下げたとき、読み出しゲートを兼ねるV1電極とV
3電極のみのVm値をさげれることは困難である点であ
る。即ち図15に示されるようにV2、V4電極下の光
電変換セルとの分離領域は必ずしも全面的にチャネルス
トップで分離されているとは限らないことから全電極
(V1、V2、V3、V4)とも下げた方がよい。
【0022】さて、ここで、このような方法の前提とな
っている要素として、垂直転送部(以下VCCD)の飽
和容量が充分に高いことがある。すなわち、2画素加算
のフィールド読み出しに対して全画素読み出しでは1画
素分の電荷しか扱わないことが、この条件を成り立たせ
ている。
【0023】図23を用いて動作の説明を続ける。図2
3は全画素フレーム読み出し時の撮像素子のVCCDの
電極に加えるパルスのタイムチャートである。
【0024】全画素読み出しでの撮影が前述のごとく開
始され、所望の露光量をえるとシャッタは閉じられる。
したがって、レベル0の電子シャッタパルスVsubを
一旦供給した後、メカニカルシャッタの閉じるまでが全
画素読み出しの露光時間となる。
【0025】メカニカルシャッタが閉じられると、ま
ず、例えばV3ゲート電極にVh電位をくわえることに
より図13のようなカラーフィルタが配置されたCCD
からCy、Yeのラインの信号が垂直転送部に読みださ
れる。以下図23のタイミングパルスのようにを第1か
ら第4の電極に読み出しパルスを加えることで、この信
号を順次出力する。
【0026】読みだした撮像出力に対して前置処理回路
37でCDS処理やゲインコントロール等の信号処理を
行う。ゲインコントロールは撮像素子の飽和電圧が増大
したことから、フィールド読み出しのときと同じ設定
か、わずかに高めのゲインに設定される。前置処理回路
37の出力はA/D変換器38にてデジタル信号に変換
されてバスコントローラ45によってバッファメモリ4
6に記憶される。バッファメモリ46には図21(1)
のような概念で、1ライン記憶したら次のアドレス領域
からは1ライン分空けて、その後のアドレス領域に1ラ
イン分記憶していくというように、とびとびにメモリマ
ップ上に記憶していく。こうして撮像素子の奇数ライン
の信号電荷をすべて出力すると、次にG,Mgラインの
信号がV1ゲートにより読みだされ、同様に前置処理、
A/Dの後バッファメモリを介して、メモリに図21
(2)のように空白となっているアドレス領域に1ライ
ン毎記憶される。
【0027】メモリへの書き込みが終わると、所定の手
順でメモリの画像データは読みだされ、撮像信号処理回
路で処理されて、記憶媒体I/F41を介して記憶媒体
40に記憶される。
【0028】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら上記
の従来のデジタルスチル電子カメラにおいては、撮像素
子の出力が特定の値をこえると出力値にムラが生ずる現
象が生じ、画像を著しく劣化させる問題があった。この
ムラはVm値を下げるほど、出力電圧が低いレベルで発
生するようになり、とくに前記全画素読み出しでは無視
できない問題となる。そして、この現象の発生するVm
値と撮像素子出力値との関係は撮像素子の造り込みのば
らつきで大きく異なることが解っている。
【0029】以下、本現象の発生するメカニズムを説明
する。
【0030】インターライン型の固体撮像素子の飽和容
量を決める主な要因としては以下の4点が上げられる。 1.光電変換セルの飽和容量。これはVsub値とVm
値に依存し、ともに電位が低いほうが飽和量は大きくな
る。 2.VCCDの飽和量。これはVCCDの最大転送容量
によって決まり、したがって、Vm値が高いほうが飽和
量が大きくなる。 3.水平転送部(以下HCCD)の飽和量。HCCDの
最大転送容量で決まる。 4.フローティングディフュージョンキャパシタの容
量。これらのうち3と4は1と2の飽和容量に比べて充
分に高くつくられること、また、上述のムラの発生に関
与していないことから、ここでは除外する。
【0031】そこで、残った1と2の要因に関して説明
する前に、光電変換セルからVCCDへの読み出しとV
CCDの電荷転送の動作をいま少し詳しく説明する。
【0032】図17(A)、(B)は従来の、フィール
ド読み出し時における、各画素からVCCDへの読み出
し動作、その後の最初のVCCDの1ライン分の電荷転
送動作完了までのVCCDのポテンシャルプロフィール
である。
【0033】図16は従来用いられているフィールド読
み出し時の光電変換セルからVCCDへの読み出し前後
のVCCDの各電極に加えるパルスのタイミングチャー
トで、第1フィールドと第2フィールドは、通常ムービ
ービデオで用いられるインターレースのための駆動タイ
ミングである。
【0034】デジタルスチルカメラでは、どちらか一方
のタイミングのみで1フィールド分だけの読み出しを行
えばよい。したがって、ここでは、図17に第1フィー
ルドのタイミングで駆動した場合のポテンシャルプロフ
ィールの変化を示した(第2フィールドでは加算する画
素が異なるだけで基本的には差はないこと、また、全画
素フレーム読み出しの両フィールドのポテンシャルプロ
フィール図を参照にして加算画素を変える方法は確認出
来るのでここでは説明は省略する。)。
【0035】そして、図19は全画素フレーム読み出し
の第1フィールドの読み出し時のポテンシャルプロフィ
ール図であり、図20は全画素フレーム読み出し時の第
2フィールドのポテンシャルプロフィール図であり、各
々従来の光電変換セルからVCCDへの読み出しから最
初のVCCDの電荷転送動作動作までのVCCDのポテ
ンシャルプロフィールを示している。
【0036】図18(1)は全画素フレーム読み出し時
の第1フィールドの、図18(2)は全画素フレーム読
み出し時の第2フィールドの、各々従来用いられている
光電変換セルからVCCDへの読み出し前後のタイミン
グチャートである。
【0037】これらの図からVCCDの最大転送電荷容
量はVCCDの4電極中の2電極下の半導体表面が空乏
化する時の最大電荷蓄積容量であることがわかる。
【0038】次に光電変換セルの最大電荷蓄積容量であ
るが、これについては先に述べたように、図14におけ
る光電変換セルの縦形オーバーフロードレインのポテン
シャル(即ち図14のpー領域に形成されるバリアの高
さ)と読み出しゲート電極下のポテンシャル(即ちVC
CDと画素部としてのPDの間のバリアの高さ)とで決
まる。すなわち、深さ方向のポテンシャルの壁はシリコ
ン基板に加えるバイアス電圧Vsubの値により決ま
り、Vsub値が高いほどポテンシャルの壁は低くな
る。読み出しゲート電極は垂直転送部の転送電極の一極
と共通になっており(通常図15ではV1ゲートとV3
ゲート)、このV1ゲート、V3ゲートはしたがって図
18のように、光電変換セルから垂直転送電極下へ信号
電荷を読み出すための電圧Vhと電荷の垂直転送のため
のVm、Vlが加えられるが、Vm値が電荷蓄積期間の
読み出しゲートのポテンシャルの壁の高さの最小レベル
を決め、Vm値が低いほど電荷蓄積期間の読み出しゲー
トのポテンシャルの壁の高さは高くなる。
【0039】通常、撮像素子では、この垂直駆動パルス
の電位Vh,Vm,Vlはあらかじめ設定された固定し
た電位で駆動できるように設計され、造りこまれる。
【0040】したがって、規定のばらつき内で電位がば
らつくことはあるが、これを規定値以外に変えて動かす
ことはされない。
【0041】基板電位Vsub値は、深さ方向のポテン
シャルの壁が、Vm値で決まる読み出しゲート電極下の
ポテンシャルの壁よりも低くなるような電位に設定され
る。これは、撮像素子に撮像素子の出力が標準的な値と
なる光量の100倍近くの光をあてておいて、光電変換
セルからVCCDへのもれ電荷がなくなるようにVsu
b値を調整することできめられる。
【0042】さて、このように光電変換セルの飽和電荷
量とVCCDの飽和転送電荷量がもとまるが、この二つ
の飽和量の関係は、VCCDの飽和転送電荷量が光電変
換セルの飽和電荷量よりも大きくないとVCCD転送時
にVCCDの飽和転送電荷量よりも多い電荷分が転送経
路の前後にあふれ、所謂ブルーミングを発生する。そこ
で、前記の標準光の100倍程度の光量下でブルーミン
グが起きないようにVsub値をさらに調整することと
なる。
【0043】さて、これが通常行われるところのVsu
b値の調整であるがこのように撮像素子の駆動電圧を決
めた時に撮像素子の出力として問題なく使える電荷量=
出力値はどこまでになるか考えてみる。一見、上記の調
整方法できめられたVsub値のときの光電変換セルの
飽和電荷量であり、それは、ほぼ、VCCDの最大電荷
転送量とほぼ等しいとかんがえやすい。
【0044】ここで、図19、20の全画素フレーム読
み出しのポテンシャルプロフィール図と図18の全画素
フレーム読み出しのタイムチャート、図17のフィール
ド読み出しのポテンシャルプロフィール図、図16のフ
ィールド読み出しのタイムチャートにもどって説明を続
ける。
【0045】これらの図で注意しなければならないの
は、t1からt4までの間、つまり、光電変換セルから
VCCDへの信号電荷読み出し動作である。
【0046】まず、光電変換セルからの読み出し直前は
読み出しゲートをかねたVCCDの奇数セル(V1,V
3の下)は空乏化された状態(以下ポテンシャルの井戸
とも呼ぶ、ポテンシャルの高い状態、ゲート電極はVm
値)にあり、電荷転送エレメントの偶数セル(V2,V
4の下)は反転層にされた状態(以下ポテンシャルの壁
とも呼ぶ、ポテンシャルの低い状態、ゲート電極はVl
値)にある(以上t1)。ここで読み出しゲートを兼ね
る電荷転送エレメントの第1電極V1か第3電極V3に
Vh電位を加える。ここでVCCDの第1セルに接する
光電変換セルかVCCDの第3セルに接する光電変換セ
ルの信号電荷がそれぞれ対応するVCCDのセルに読み
出される(以上t2)。
【0047】読み出し終了後再びt1と同様の状態にさ
れ、しばらく保持される(t3)。フィールド読み出し
であれば、先に読み出しを行わなかったもう一方の電極
が同様に隣接する電荷転送エレメントの1セルに信号電
荷を読み出すようにパルスがくわえられる(t2′、t
3′)。
【0048】各画素の信号電荷がそれぞれ隣接する1電
荷転送セルにうつされ、しばらくすると、前後の信号電
荷の蓄積された電荷転送セルをさえぎる第2電極下か第
4電極下のポテンシャルの壁をさげるように電極電位が
VlからVmにきりかえられる。
【0049】ここで隣接する3つの電荷転送セルによる
電荷蓄積空間が形成され、フィールド読み出しであれば
2つの光電変換セルの信号電荷が混合される。ここで、
図17(A)のt4において第2電極を空けるか、第4
電極を空けるかは、第1フィールドと第2フィールドと
で疑似インターレースを行うために切り換えている。
【0050】この後はt5以降に示すようにして水平1
ライン毎にHCCDに送り逐次信号電荷を読み出す。
【0051】ここで、先程撮像素子の飽和レベルをきめ
るのはVCCDの最大電荷転送量、すなわちVCCDの
隣接する2つの電荷転送セルが空乏化されるときに蓄え
ることの出来る最大電荷容量であるとしたが、第1セ
ル、第3セルそれぞれが空乏化されたときに蓄えられる
最大蓄積電荷量といったほうが正しいことがわかる。
【0052】もう少し正確にのべると、フィールド加算
読み出しでは、Vm値で決まる、第1セルの最大蓄積電
荷量と第2セルの最大蓄積電荷量を加算した電荷量であ
り、全画素フレーム読み出しでは、Vm値で決まる各々
の第1セルの最大蓄積電荷量と第2セルの最大蓄積電荷
量である。
【0053】ここで注意がいる。即ち、図17(A)の
t3’における(第1セルの最大蓄積電荷容量)+(第
3セルの最大蓄積電荷容量)と、同図のt4における第
1セルと第2セルを同時に空乏化したときの合計の最大
蓄積電荷容量はイコールとならないことであり、通常は
後者の方が容量が大きい。
【0054】いま、t3の状態で読み出しの行われたほ
うの電荷転送セルに飽和量一杯の電荷が蓄えられた状況
を考えてみよう。この時の飽和量は第2セルと第4セル
のポテンシャルの壁の高さによって決まる。ここで問題
になるのはこれらのポテンシャル壁の高さが個々にばら
つくことである。また、エリアセンサの場合垂直転送ゲ
ートは細いアルミ層で長く引き回されることから、イメ
ージエリアの周辺部と中央部では電極に加わる電位が異
なる。そこで、読み出しをする電極にVhのパルスを加
え終わった直後、つまりVhからVmにもどされた直
後、半導体表面のポテンシャルはポテンシャルプロフィ
ール図のt1からt2への動的な変化中にあり、t3の
電極電位条件がたもたれているとポテンシャルプロフィ
ール図t3の状態に安定してくるが、同時に第2セル、
第4セルのポテンシャルの壁の高さのムラにより、一部
の電荷は前後の空乏化された空の電荷転送セルか飽和に
達していない電荷転送セルに流れ込む。そして読み出し
パルスが加えられ、電極電位がVhからVmにもどった
直後から隣接のポテンシャルの井戸の状態にある電荷転
送セルへの電荷の流れ込みがほぼ止むまでは数百ナノ秒
かかる。
【0055】ここで見られるムラは、Vm値を低くする
と、ポテンシャルの壁のばらつきは変化せず、電荷転送
セルの最大蓄積電荷量は減少することから、出力電圧の
低いレベルからムラが発生するようになり、かつ、ムラ
レベルは増大する。これがさきに述べたムラの発生メカ
ニズムであり、Vsub値、Vm値をさげて光電変換セ
ルの最大蓄積電荷容量を増加させても、Vmを下げるこ
とで電荷転送エレメントの1セルの最大電荷容量をさげ
てしまい、かつ、ムラを大きな出力ムラを発生させてし
まい、期待する効果をえることが出来なかった。
【0056】ムラの発生を抑える単純な方法は、読み出
しゲートを兼ねる電荷転送セルの最大蓄積電荷容量より
も光電変換セルの飽和電荷量を充分に少なくすることで
ある。しかしこのような方法では、全画素フレーム読み
出し時にVsub値、Vm値をさげて光電変換セルの最
大蓄積電荷容量を増加させることにより全画素フレーム
読み出しの出力飽和電圧を上げるという当初の目的は得
られず、むしろ悪化させることとなる。また通常のフィ
ールド読み出しにおいても、撮像素子の飽和出力は読み
出しゲートを兼ねる電荷転送セルの最大蓄積電荷容量の
最小のものによって決定されることから、VCCDの最
大駆動電荷容量よりもかなり低いレベルが撮像素子とし
ての飽和電荷量、ひいては飽和出力値となってしまう。
【0057】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、従
来の撮像素子ではVCCDの読み出しゲートを兼ねる電
荷転送エレメントの1セルの飽和電荷量によって規制さ
れていた撮像素子の飽和量を向上することを目的として
いる。
【0058】また、VCCDの隣接する2つの電荷転送
セルの飽和電荷量、すなわち、VCCDの最大転送電荷
量に規制されるように撮像素子を動作させることで、フ
ィールド読み出しにおいても、フレーム全画素読み出し
においても、高い撮像素子の飽和出力レベルが得られる
ようにするものであり、また、こうして撮像素子のダイ
ナミックレンジをあげることでS/Nの少ない画像を得
ることが出来る撮像装置を提供するものである。
【0059】そして、特に、現在主流になっているイン
ターライン型CCD等の加算型のCCDにおいて、全画
素フレーム読み出しをおこなった場合の飽和電荷量を増
加させ、撮像素子としてのダイナミックレンジを向上さ
せるものである。
【0060】本発明の第1の発明の撮像装置は、上記の
目的を達成するために、複数の光電変換セルと、前記
電変換セルより多い数の電荷転送セルを有する電荷転
送手段と、前記光電変換セルの信号を前記電荷転送手段
に転送する際に、対応する位置の電荷転送セルにポテン
シャル井戸を形成し、読み出しパルスを加えることによ
り、各光電変換セルの信号を、対応する位置のポテンシ
ャル井戸に転送し、対応する位置のポテンシャル井戸に
信号が転送された後であって、かつ前記読み出しパルス
を加え終わってから数百ナノ秒以内に該ポテンシャル井
戸に隣接する転送セルに所定の電圧を印加することによ
り前記ポテンシャル井戸の容量を増大させる制御手段
と、を有する撮像装置である。
【0061】本発明の第2の発明の方法によれば、複数
の光電変換セルと、前記光電変換セルより多い数の電
荷転送セルを有する電荷転送手段とを有する撮像素子の
駆動方法であって、前記光電変換セルの信号を前記電荷
転送手段に転送する際に、対応する位置の電荷転送セル
にポテンシャル井戸を形成し、読み出しパルスを加える
ことにより、各光電変換セルの信号を、対応する位置の
ポテンシャル井戸に転送し、対応する位置のポテンシャ
ル井戸に信号が転送された後であって、かつ前記読み出
しパルスを加え終わってから数百ナノ秒以内に該ポテン
シャル井戸に隣接する転送セルに所定の電圧を印加する
ことにより前記ポテンシャル井戸の容量を増大させるこ
とを特徴とする撮像素子の駆動方法である。
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例について図1か
ら図3を参照して説明する。ここで図1は第1の実施例
による全画素フレーム読み出しの光電変換セルからVC
CDへの読み出し時の各ゲートに加えるパルスのタイミ
ングチャートで、図1(1)は第1フィールドの読み出
しタイミング、図1(2)は第2フィールドの読み出し
タイミングを示すものである。図2は図1(1)に対応
するポテンシャルプロフィール図、図3は図1(2)に
対応するポテンシャルプロフィール図である。
【0066】第1フィールドでは、まずCy、Yeの並
ぶラインが読み出される。読み出し前にt1では第1ゲ
ート電極(V1)、第2ゲート電極(V2)には転送時
の低電位にあたるVl電位が加えられ、第3ゲート電極
(V3)、第4ゲート電極(V4)には転送時の高電位
にあたる中間電位Vm電位が加えられる。このときのそ
れぞれの電極下の半導体表面にはV3、V4下に合成さ
れたポテンシャルの井戸が形成され、V1、V2下にポ
テンシャルの壁が形成される。すなわち、電荷転送セル
2つ分の容量をもつポテンシャルの井戸が形成される。
【0067】次にCy、Yeの光電変換セルに蓄積され
ている信号電荷をVCCDに転送するために、Cy(シ
アン)、Ye(イエロー)に隣接する読み出しゲートを
兼ね備えたV3に高電位がくわえられるとV3下のポテ
ンシャルがあげられCy、Yeの光電変換セルの信号電
荷はV3下の半導体表面に移動される(t2)。
【0068】光電変換セルからV3下への信号電荷の移
動が終了して後にV3の電位はVmにもどされること
で、信号電荷はV3、V4下に形成されるポテンシャル
の井戸に蓄えられる(t3)。この状態でしばらく保持
された後に最初の1ライン分の転送がVCCD内で行わ
れる(t4からt7)。
【0069】第2フィールドでは、G(グリーン)、M
g(マゼンタ)の光電変換セルの信号電荷がV1、V2
下に読み出されるように、駆動電極は変わるが、第1フ
ィールド時と同様にして2つの電荷転送セルに信号電荷
が読み出される。つまり、第1フィールドと同様の読み
出し方式による読み出しが行われる。
【0070】さて、このような読み出し方法にすること
で、従来の読み出し方法では電荷転送セル1つの容量に
より制限をうけていた撮像素子の飽和容量は電荷転送セ
ル2つの容量分までは制限を受けないことになる。ここ
で、従来は1つの光電変換セルの飽和容量より充分低く
なるように調整されていた撮像素子のサブストレート電
位Vsub値は、読み出しゲートがVm値のときに過剰
電荷がVCCD側に流れ込まないレベルまで下げること
ができ、これによって光電変換セルの飽和電荷量を増加
させることができる。
【0071】また、このときの光電変換セルの飽和電荷
量がVCCDの最大転送電荷容量(電荷転送セル2つに
よるポテンシャルの井戸の容量)よりも低いのであれ
ば、Vm値をさげることで読み出しゲートのポテンシャ
ルの壁を高くして、同時にVsub電位を下げて深さ方
向のポテンシャルの壁を高くすることでさらに撮像素子
の飽和電荷量を増加させることもできる。ただし、Vm
値の下げる量は電荷転送効率を下げない範囲でなければ
ならない。
【0072】さて、ここでは光電変換セルからの電荷を
最初に蓄積する状態をV1とV2、V3とV4の組み合
わせとしたが、V1とV4、V2とV3の組み合わせに
してもよい。もちろんその場合のt4以降のタイミング
はそれに応じて変えられねばならない。
【0073】以上のようにすることで全画素フレーム読
み出し時の撮像素子の飽和電荷量、すなわち、撮像素子
の飽和出力値を大幅に増やすことができ、したがって従
来は全画素フレーム読み出しにすると飽和出力値がフィ
ールド読み出し時の半分近くになるためにアンプゲイン
をあげることでS/Nを下げていたのが、フィールド蓄
積と同程度のS/Nとすることができ、フィールド読み
出しでも、フレーム読み出しでも高品位の画像をとるこ
との出来るビデオカメラを実現することが出来る。もち
ろんこの発明はスチルビデオカメラだけでなくムービー
ビデオカメラにも適用できることは言うまでもない。
【0074】即ち、全画素フレーム読み出し時には特に
飽和容量を上げることが望ましいので本願発明の効果は
大きいが、通常のフィールド読み出しにおいてもやはり
画素の飽和容量が大きくなるのでフィールド読み出しし
か行わないシステムであっても、撮像装置のダイナミッ
クレンジを広げることができる。
【0075】次に第2の実施例を図4から図6を参照し
て説明する。ここで図4は第2の実施例による全画素フ
レーム読み出しの光電変換セルからVCCDへの読み出
し時の各ゲートに加えるパルスのタイミングチャート
で、図4(1)は第1フィールドの読み出しタイミン
グ、図4(2)は第2フィールドの読み出しタイミング
を示すものである。図5は図4(1)に対応するポテン
シャルプロフィール図、図6は図4(2)に対応するポ
テンシャルプロフィール図である。
【0076】第1フィールドでは、まずCy、Yeの並
ぶラインが読み出される。読み出し前にt1では電極V
1にはVl電位が加えられ、V2、V3、V4にはVm
電位が加えられる。このときのそれぞれの電極下の半導
体表面はV2、V3、V4下にポテンシャルの井戸が形
成され、V1下にポテンシャルの壁が形成される。すな
わち、電荷転送セル3つ分の容量をもつポテンシャルの
井戸が形成される。
【0077】次にCy、Yeの光電変換セルに蓄積され
ている信号電荷を読み出すべく、Cy、Yeに隣接する
読み出しゲートを兼ね備えたV3に高電位が加えられる
とV3下のポテンシャルがあげられCy、Yeの光電変
換セルの信号電荷はV3下の半導体表面に移動される
(t2)。光電変換セルからV3下への信号電荷の移動
が終了した後にV3の電位はVmにもどされることで、
信号電荷はV2、V3、V4下に形成されるポテンシャ
ルの井戸に蓄えられる(t3)。この状態でしばらく保
持された後に最初の1ライン分の転送がVCCD内で行
われる(t4からt8)。
【0078】第2フィールドでは、G、Mgの光電変換
セルの信号電荷がV1、V2、V4下に読み出されるよ
うに、動かす電極は変わるが、第1フィールド時と同様
に3つの電荷転送セルに信号電荷が読み出される。つま
り、第1フィールドと同様の読み出し方式による読み出
しが行われるのである。
【0079】このようにすることで、撮像素子の飽和電
荷量を制限する要因は実施例1と同様に電荷転送セル2
つ分(VCCDの最大転送電荷量)によるまでゆるめら
れる。
【0080】さて、ここでは光電変換セルからの電荷を
最初に蓄積する状態をV1読み出しに対してV1とV2
とV4、V3読み出しに対してV2とV3とV4の組み
合わせとしたが、V1読み出しに対してV1とV2とV
3、V3読み出しに対してV1とV3とV4の組み合わ
せ、あるいはV1読み出しに対してV1とV3とV4、
V3読み出しに対してV1とV2とV3の組み合わせに
してもよい。もちろんその場合のt4以降のタイミング
はそれに応じて変えられねばならない。
【0081】次に第3の実施例を図7、図19、図20
により説明する。
【0082】ここで図7は第3の実施例による全画素フ
レーム読み出しの光電変換セルからVCCDへの読み出
し時の各ゲートに加えるパルスのタイミングチャート
で、図7(1)は第1フィールドの読み出しタイミン
グ、図7(2)は第2フィールドの読み出しタイミング
を示すものである。図19は図7(1)に対応するポテ
ンシャルプロフィール図、図20は図7(2)に対応す
るポテンシャルプロフィール図であり、この図は先に従
来例に用いたことからもわかるように、本実施例の基本
的なポテンシャルプロフィールの推移は従来例と異なら
ない。
【0083】図18の従来例との差は従来例におけるt
3の状態を保つ時間twが本実施例では極めて短いこと
である。
【0084】先に従来例で、twの期間中に電荷転送セ
ルの1セルに蓄えられた信号電荷が電荷転送セルの飽和
前後となる量である場合、前後段の飽和以下の信号量の
ポテンシャルの井戸に流れ込む余剰電荷があること、さ
らに、このような余剰電荷の流れ込みは光電変換セルか
らVCCDへの読み出しパルス終了後から数百ナノ秒後
に起こることを述べた。このことは、逆に言えばtwが
数百ナノ秒以内であれば、過剰電荷分の前後段へのもれ
はないことを意味している。
【0085】また、もう少し詳しくみると、この間はポ
テンシャル図、図19、図20のt2のポテンシャル状
態からt3のポテンシャル状態への動的な変化の過程に
あることを示している。したがって、この過渡期間であ
るうちに電荷転送セルの隣接する2セルまたは3セルに
よるポテンシャルの井戸を形成すれば、電荷の蓄積飽和
容量は1セルのそれよりも実質的に増加する。また、従
来例にみられた、特定出力値以上で発生するムラは生じ
なくなる。
【0086】なお、以上のような原理からわかるように
twは数百ナノ秒以下で、短ければ短いほど効果が高い
ことは明らかである。
【0087】ここでは、光電変換セルからVCCDへの
読み出しパルス終了後ただちに3つの電荷転送セルによ
るポテンシャルの井戸を形成する方法をのべたが、2つ
の電荷転送セルによるポテンシャルの井戸を形成しても
同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0088】以上に全画素フレーム読み出し時の撮像素
子の飽和電荷量を増加するための実施例を説明した。以
上のような実施例によって、全画素フレーム読み出し時
の撮像素子の飽和電荷量、すなわち、撮像素子の飽和出
力値を大幅に増やすことができ、したがって従来は全画
素フレーム読み出しにすると飽和出力値がフィールド読
み出し時の半分近くになるためにアンプゲインをあげる
ことでS/Nを下げていたのが、フィールド蓄積と同程
度のS/Nとすることができ、フィールド読み出しで
も、フレーム読み出しでも高品位の画像をとることの出
来るデジタルスチールカメラを実現することが出来る。
【0089】次ににフィールド読み出しでの撮像素子で
の電荷飽和量の増加のための第4実施例を説明する。
【0090】第4の実施例を図8と図9を参照して説明
する。ここで図8は第4の実施例による全画素フレーム
読み出しの光電変換セルからVCCDへの読み出し時の
各ゲートに加えるパルスのタイミングチャートで、図8
(1)は第1フィールドの読み出しタイミング、図8
(2)は第2フィールドの読み出しタイミングを示すも
のである。図9は図8(1)に対応するポテンシャルプ
ロフィール図である。第1フィールドも第2フィールド
も本実施例の要点である基本的な動作は全画素フレーム
読み出し同様であるので第2フィールドのポテンシャル
プロフィール図は省くこととする(以下フィールド読み
出しの実施例では同様に第2フィールドの実施例は省く
ものとする)。
【0091】なお、ビデオムービーカメラでは第1フィ
ールドと第2フィールドが繰り返されることで擬似イン
タレースを実現しており、スチルカメラでは通常第1フ
ィールドか第2フィールドの片方のみの読み出しが行わ
れる。
【0092】さて、本実施例は全画素フレーム読み出し
の第3の実施例の原理を応用したものである。Cy、Y
e側の信号電荷とG、Mg側の信号電荷を光電変換セル
の各々から各々に隣接する読み出しゲートを兼ねるV
1、V3に読み出し、読み出し終了後直ちにに前段と後
段の信号電荷を加算するようにV2かV4を空乏化し信
号電荷を混合加算し隣接する3つの電荷転送セルに蓄積
するものである。そして、従来例の読み出しでは、V
1、V3の光電変換セルからVCCDへの読み出しパル
スは順次に加えられていたが、ここでは順次に加えるよ
うにすると最初にパルスを加える方の電極側は読み出し
パルス終了から最初にできる加算のためのポテンシャル
井戸空間形成までの時間twを数百ナノ秒以内とするこ
とが出来ないことから、V1とV3に加えられる読み出
しパルスは同相のパルスが加えられる。
【0093】このようにすることでフィールド加算読み
出しにおいても撮像素子の飽和電荷量は個々の電荷転送
セルの飽和電荷量によって制限されるのではなく、VC
CDの最大電荷転送電荷量により制限されることとな
り、撮像素子の飽和電荷量を増加させることが出来る。
【0094】次に本願の第5の実施例を図10と図11
を参照して説明する。ここで図10は第5の実施例によ
る全画素フレーム読み出しの光電変換セルからVCCD
への読み出し時の各ゲートに加えるパルスのタイミング
チャートで、図10(1)は第1フィールドの読み出し
タイミング、図10(2)は第2フィールドの読み出し
タイミングを示すものである。図11は図10(1)に
対応するポテンシャルプロフィール図である。
【0095】本実施例は第1と第2の実施例と原理を同
じくするものである。個々の光電変換セルの電荷は3つ
の電荷転送セルによるポテンシャルの井戸に入るように
読み出される。このことにより、撮像素子の飽和電荷容
量は電荷転送セル1つの飽和容量で制限されることはな
くなる。ただし、この読み出し方法で注意がいるのはポ
テンシャルプロフィール図のt4から明らかなように、
このt4の期間に1電荷転送セルに2光電変換セルの信
号が入ることである。撮像素子の構造によっては、撮像
素子の飽和電荷量は、この状態の第2読み出し側の光電
変換セルのVh電位が加わった状況での最大電荷蓄積量
に制限されることもありうる。したがって、この実施例
の効果は第4の実施例までのように確実に得られるもの
とは言いがたい面があり、使用する撮像素子の構造を充
分に確認したうえで実施することが望まれる。
【0096】本実施例ではV1での読み出しもV3での
読み出しもともに3つの電荷転送セルによるポテンシャ
ルの井戸に信号電荷が入るように駆動しているが、初め
の電荷読み出しによる電荷は2つの電荷転送セルによる
ポテンシャルの井戸に読み出されるようにしてもよい
(たとえば、t1、t3におけるV3をポテンシャルの
壁にしておく)。
【0097】以上第4の実施例、第5の実施例を実施す
ることで、フィールド読み出し時においても撮像素子の
飽和電荷量を増加させることが出来る。
【0098】次に第6の実施例を図示せずに説明する。
【0099】上記の実施例におけるカメラは、第一回目
の撮影でフィールド読み出しを、続く第2回目の撮影を
フレーム全画素読み出しする一連の撮影が行われる。
【0100】第6実施例のカメラでの第1回目の撮影は
従来例のフィールド読み出しか、あるいは、本発明の第
4か第5の実施例による読み出しがなされ、第2回目の
撮影は本発の第1か第2か第3の実施例による読み出し
がなされる。そして第2回めの撮影のはじめにVm値、
Vsub値は第1回目の撮影時よりも電荷転送効率をそ
こなわない範囲で下げる。もちろん、第2回目の電荷読
み出し時は、メカニカルシャッタによって撮像素子には
光は入射しない。
【0101】このような撮像素子の駆動方法をとること
で、本発明のデジタルカメラは第1回目と第2回目の撮
影で撮像素子からの出力信号のゲインを同じにする事が
でき、第1回目も第2回目もともにS/Nの少ない高品
位の画像を得ることが出来る。
【0102】なお、以上の実施例では色差線順次方式の
カラーフィルタを前提として説明をしたが、本願発明は
上記のタイプのカラーフィルタに限定されるものではな
い。即ち、カラーフィルタがなくてもかまわないし、奇
数行の情報と偶数行の情報を別々に読み出すいわゆる全
画素フレーム読み出し方式、奇数行の情報と偶数行の情
報とを転送レジスタ内で加算してから読み出すフィール
ド読み出し方式、あるいはノンインターレースで各行の
信号を順次読み出す方式等いずれの読み出し方式でも適
用可能である。要は画素信号を転送レジスタにより読み
出す際に転送レジスタのポテンシャル井戸により飽和容
量が制限されることがなくなるものであればどのような
ものであってもよいことは言うまでもない。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、撮
像素子の飽和電荷容量を増加させる読み出しが可能とな
る。この効果はとくに、現在主流となっている色差順次
方式のセンサにおける全画素フレーム読み出しにおいて
大きな効果を有する。従って、特にデジタルカメラにお
いて、ビデオムービー用の低価格の撮像素子を使って解
像度の高いデジタルスチル画像を得ることができるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例のパルスタイミング図である。
【図2】 第1の実施例のポテンシャルプロフィール図
である。
【図3】 第1の実施例のポテンシャルプロフィール図
である。
【図4】 第2の実施例のパルスタイミング図である。
【図5】 第2の実施例のポテンシャルプロフィール図
である。
【図6】 第2の実施例のポテンシャルプロフィール図
である。
【図7】 第3の実施例のパルスタイミング図である。
【図8】 第4の実施例のパルスタイミング図である。
【図9】 第4の実施例のポテンシャルプロフィール図
である。
【図10】 第5の実施例のパルスタイミング図であ
る。
【図11】 第5の実施例のポテンシャルプロフィール
図である。
【図12】 デジタルカメラの構成図である。
【図13】 撮像素子の構成図である。
【図14】 撮像素子の断面構造図とそのポテンシャル
プロフィール図である。
【図15】 撮像素子の構造図である。
【図16】 従来例のパルスタイミング図である。
【図17】 従来例のポテンシャルプロフィール図であ
る。
【図18】 従来例のパルスタイミング図である。
【図19】 従来例のポテンシャルプロフィール図であ
る。
【図20】 従来例のポテンシャルプロフィール図であ
る。
【図21】 バッファメモリへの記憶のデータ配置の概
念図である。
【図22】 撮像素子の駆動パルスのタイミング図であ
る。
【図23】 撮像素子の駆動パルスのタイミング図であ
る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の光電変換セルと、前記 光電変換セルより多い数の電荷転送セルを有する
    電荷転送手段と、 前記光電変換セルの信号を前記電荷転送手段に転送する
    際に、対応する位置の電荷転送セルにポテンシャル井戸
    を形成し、読み出しパルスを加えることにより、各光電
    変換セルの信号を、対応する位置のポテンシャル井戸に
    転送し、対応する位置のポテンシャル井戸に信号が転送
    された後であって、かつ前記読み出しパルスを加え終わ
    ってから数百ナノ秒以内に該ポテンシャル井戸に隣接す
    る転送セルに所定の電圧を印加することにより前記ポテ
    ンシャル井戸の容量を増大させる制御手段と、 を有する撮像装置。
  2. 【請求項2】 複数の光電変換セルと、前記光電変換セ
    ルより多い数の電荷転送セルを有する電荷転送手段と
    を有する撮像素子の駆動方法であって、 前記光電変換セルの信号を前記電荷転送手段に転送する
    際に、対応する位置の電荷転送セルにポテンシャル井戸
    を形成し、読み出しパルスを加えることにより、各光電
    変換セルの信号を、対応する位置のポテンシャル井戸に
    転送し、対応する位置のポテンシャル井戸に信号が転送
    された後であって、かつ前記読み出しパルスを加え終わ
    ってから数百ナノ秒以内に該ポテンシャル井戸に隣接す
    る転送セルに所定の電圧を印加することにより前記ポテ
    ンシャル井戸の容量を増大させることを特徴とする撮像
    素子の駆動方法。
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