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JP3414395B2 - 人工的に製造したウィルスのエンベロープ - Google Patents

人工的に製造したウィルスのエンベロープ

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JP3414395B2
JP3414395B2 JP51848191A JP51848191A JP3414395B2 JP 3414395 B2 JP3414395 B2 JP 3414395B2 JP 51848191 A JP51848191 A JP 51848191A JP 51848191 A JP51848191 A JP 51848191A JP 3414395 B2 JP3414395 B2 JP 3414395B2
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vesicle
lipid
toxin
drug
protein
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スクレイアー,ハンス
ラメシュ シャンダー,
アルレン, エイ. ステセンコ,
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ユニバーシティー オブ フロリダ
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 HIV−1に対するワクチンを開発するために、多くの
努力が現在なされている(ローレンス(Laurence),J.
[1990]AIDS Res.6:175−181)。現在試験されている
システムはその外被(coat)がはぎ取られた死んだウィ
ルス、又はHIV蛋白質の一つのいずれかが用いられてお
り、HIV蛋白質としては表面の糖蛋白質(gp120,gp16
0)、又はコア蛋白質(p24,hgp30)のいずれかが用いら
れている。サブユニット蛋白質のワクチンでの主要な制
限は例えばムラミルトリペプチドその他などの助剤と組
み合わせたときでさえそれらの免疫原性が弱いことであ
る。
数人の研究者によって用いられている別の方法は、プ
ロテオリポゾーム、イミュノリポゾーム、イミュノソー
ム、ヴィロソームなどと呼ばれている蛋白質含有脂質小
胞を製造することによってサブユニットワクチンの免疫
原活性を増強することである。しかしながらこれらの小
胞を製造する方法は広く変化し、これらは次のプロトコ
ルの一つに基づいている。蛋白質は通常(i)ファンデ
アワルス力又は疎水結合によって脂質に受動的に結合さ
れる、(ii)SPDPその他などの二価の結合剤を経由して
脂質又は燐脂質分子(主としてホスファチジルエタノー
ルアミン)に共有結合される、又は(iii)洗剤で溶解
された脂質−蛋白質混合物から抽出されたウィルス脂
質、燐脂質又はこれらの二つの組み合わせと一緒に再構
成される。
混合物を通常は洗剤の透析によって再構成したときに
結合、及び/又は免疫原性が保持されるように蛋白質を
挿入するための努力は小数の研究者しか行っていない。
(ホ(Ho),R.J.Y.,R.L.バーク(Burke),T.C.メリガン
(Merigan)[1989]J.Virology 63:2951−2958;エルグ
インク(El Guink),N.,R.M.クリス(Kris),G.グッド
マン−スナイコフ(Goodman−Snitkoff),P.A.スモール
(Small)Jr.,及びR.J.マニノ(Mannino)[1989]Vacc
ine 7:147−151;ゴウルドーフォゲライト(Gould−Foge
rite),S.,J.E.マズルキーウィッツ(Mazurkiewicz),
D.ビシトクル(Bhisitkul),及びR.J.マニノ(Mannin
o)[1988]In Advances in Membrane Biochemistr
y and Bioenergetics[C.H.キム(Kim)ら編]プレナ
ムプレス、ニューヨーク、569−586頁;ヌスバウム(Nu
ssbaum),O.,M.ラピドット(Lapidot),及びA.ロイタ
ー(Loyter)[1987]J.Virol.61:2245−2252;ハダッド
(Haddad),R.S.,及びL.M.ハットーフレッチャー(Hutt
−Fletcher)[1989]J.Virol.63:4998−5005;オス(Ot
h),D.,G.メルシャー(Mercier),P.ペリン(Perrin),
M.L.ジョフレット(Joffret),P.サウロー(Sureau),
及びL.チボドー(Thibodeau)[1987]Cell.Immunol.10
8:220−226;チボドー(Thibodeau),L.,M.チャグノン
(Chagnon),L.フラマンド(Flamand),D.オス(Oth),
L.ラシャペレ(Lachapelle),C.トレムブレイ(Trembla
y),及びL.モンタニュー(Montagnier)[1989]C.R.A
cad.Sci.Paris 309(III):741−747)。しかし多くの
場合、ウィルスのエンベロープの正確な脂質組成を表し
ていない無作為な燐脂質の混合物が使用される。エルグ
インク(El Guink)ら(1989,上記)のみが天然のウィ
ルス脂質組成と類似の制御されたリポソーム(ウィルス
蛋白なし)を使用している。
チボドー(Thibodeau)ら(1989,上記)はHIV−イミ
ュノソームを製造するためにリポソームの表面上にHIV
gp160をアンカリングする方法を記載している。しか
し、リポソーム組成は記載されておらず、このアンカリ
ングは精製したgp160とともにあらかじめ形成したリポ
ソームを単純に培養することによって達成されている。
チボドー(Thibodeau)ら(1989,上記)の方法と対称
的に我々はその脂質組成、およそ等モルの脂質対コレス
テロール比、単一ラメラ性及び小胞の大きさに関してHI
V−1エンベロープと同じウィルスエンベロープを生じ
た。更に、gp160を取り込むことは、gp160の疎水性のgp
41部分を脂質エンベロープに組み込むことによって正確
な3次元の蛋白質立体配置を維持するために、脂質エン
ベロープを部分的に再溶解することによって達成した。
我々の革新的な方法を使用することによって慣用のワク
チンよりも優れたサブユニットワクチンを処方すること
が本発明では可能である。
独特の二重の洗剤透析手順を使用する本発明は、エン
ベロープ脂質の蛋白質がランダムに相互に混ざり合って
いるのではなくて、本来そうであるべきように表面だけ
に蛋白質が存在するウィルスエンベロープを生じた。
本発明の短いまとめ ここに開示されているのは天然のウィルスエンベロー
プ、例えば人の免疫不全ウィルス(HIV−1)、レスピ
レートリーシンシチアルウィルス(RSウィルス)(RS
V)、又は他のウィルスのものと本質的に同一の新規な
人工的につくられたウィルスエンベロープ、及びそれを
製造するのに必要な新規な方法、即ち二重洗剤透析に関
する。
天然のウィルスエンベロープはそれらのコレステロー
ル対燐脂質比約0.8〜1.2という点で独特であり、これま
でどんな知られた製造技術によっても再現できなかっ
た。
本発明は一般的には脂質小胞、そして特定的にはウィ
ルスエンベロープを製造するのに使用できる新規な方
法、即ち二重洗剤透析を記載している。新規な方法の第
一段階は独特の脂質対洗剤比において洗剤で可溶化され
た脂質混合物から糖蛋白質なしに、脂質小胞を製造する
ことである。次に糖蛋白質が別の洗剤との部分的なミセ
ル化、続いて透析によってあらかじめ形成された小胞に
挿入される。この方法は少量(<5ml)の実験室規模試
料、並びに無菌の大規模バッチ(>100ml)の両方を再
現可能に生じるように適合化された。この方法の重要な
面は二つの段階が独立の工程であることである。従っ
て、濃縮された脂質エンベロープの大量の溜めをつくっ
て貯蔵し、一方で表面蛋白質又は表面蛋白質の所望の複
合エピトープを含有している最終的なエンベロープの個
々のバッチ規模のものを要求に応じてつくることができ
る。
人工的につくられたウィルスエンベロープは(i)約
1:1の有利な燐脂質対コレステロール比、(ii)ウィル
スに特異的な燐脂質の組成、(iii)天然のウィルスの
大きさと類似した250nmの付近の均一な寸法分布、(i
v)独特の安定な剛性の単一ラメラの製造、(v)外側
表面に挿入されているHIV−1 gp160、RSV G(凝集)及
びF(融合)蛋白質及びその他などのエンベロープ糖蛋
白質、(vi)高い融合活性、(vii)表面糖蛋白質の変
更を受けていない立体配置を確認させる、モノクローナ
ル抗体に対する特異的な結合、及び(viii)人T細胞上
のCD4レセプターなどの細胞表面レセプターへの選択的
な結合によって特徴づけることができる。
人工的につくったウィルスエンベロープの次の応用が
提案される。(i)合成サブユニットワクチン、(ii)
感染細胞に抗ウィルス剤を届けるための高度に標的化可
能で融合誘導性(fusogenic)の薬剤分配デバイス、(i
ii)高度に特異的な細胞破壊剤、(iv)ウィルス感染に
対する生物に危険のないインビトロのモデル系、及び
(v)動物、細菌及び植物細胞へ遺伝物質を導入するた
めの高度に効率的なトランスフェクションデバイス。
発明の詳細な記載 本発明の人工的につくった脂質小胞は(i)天然のウ
ィルスエンベロープのものに類似した約0.8〜約1.2のコ
レステロール対燐脂質比、(ii)ウィルスエンベロープ
の天然の燐脂質混合物と類似した燐脂質の組成、(ii
i)天然のウィルス粒のものと類似の約50〜約500nmの範
囲の均一な寸法分布、及び(iv)物理的に安定な単一ラ
メラ膜構造によって特徴づけられる。本発明の一つの好
ましい具体例中では新規な脂質小胞は更に、(v)外側
表面に挿入されたエンベロープ蛋白質、例えばHIV−1 g
p160、RSV G(凝集)及びF(融合)蛋白質その他、(v
i)高い融合誘導活性、(vii)それらのモノクローナル
抗体に特異的に結合することで挿入の後に表面蛋白質の
変化を受けていない立体配置が確認されること、(vii
i)人T細胞上のCD4レセプターなどの細胞表面レセプタ
ーへの選択的な結合によって更に特徴付けられ得る。
好ましくは、合成ウィルスエンベロープの燐脂質組成
は天然のウィルスの組成と類似であるべきであり、ホス
ファチジルコリン(PC)、ホスファチジルセリン(P
S)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)及びスフ
ィンゴミエリン(SM)を含むべきである。エンベロープ
は更にホスファチジルイノシトールなどの追加の脂質を
含むことができる。
人工的につくられた脂質小胞は新規な方法、即ち二重
の洗剤透析によってつくられる。本明細書に特定して例
示するようにこの方法は本質的に二つの段階から成る。
(i)脂質とコレステロールを、ナトリウムコレート、
又は他の適当な可溶化剤としての洗剤で、およそ45:1の
独特のモル比で可溶化し、続いて燐酸塩緩衝化食塩水
(PBS)に対する徹底的な透析によって洗剤を除去する
ことにより、燐脂質/コレステロールエンベロープを製
造し、そして(ii)およそ8:1の比でナトリウムデオキ
シコレート又は他の適当な洗剤で部分ミセル化すること
により、あらかじめ形成した小胞の外側表面中に蛋白質
を挿入し、段階(i)のように徹底的な透析によって洗
剤を除去する。本発明の方法は、例えば他の可溶化剤又
は緩衝液を使用するなど当業者によって容易に変更でき
る。一般にあらかじめ形成された小胞に挿入される蛋白
質は糖蛋白質であろうが、他の蛋白質も脂質小胞中に挿
入して残る限りは使用できる。
洗剤対脂質比は約10:1〜約100:1で好ましくは約30:1
〜約60:1であり、最も好ましくはおよそ45:1である。第
2の透析段階に対しては洗剤対脂質比は約1:1〜約20:1
であり、好ましくは約5:1〜約10:1であり、最も好まし
くは約8:1である。有用な洗剤は当業者によく知られ、
限定されるものではないが、胆汁酸塩(ナトリウムコレ
ート、デオキシコレート、タウロコレートなど)、CHAP
SO、オクチルグルコシド、TRITON−X誘導体などが含ま
れる。透析及び関連する方法は、当業者に知られている
多くの技術の任意のものを使用して実施できる。例え
ば、袋、ディスク、フロースルー(frow through)及び
向流(counter−flow)透析技術及び装置を使用でき
る。広い範囲の脂質対蛋白モル比を使用できる。この範
囲は例えば約1×106:1又はそれ以上から100:1付近又は
それ以下であり得る。ウルトラ構造は好ましくは単一ラ
メラであるが、ある目的のためには小数ラメラも受け入
れられる。
二重洗剤透析法の重要な面は二つの段階が独立の工程
であるということである。最初の段階の間、約50〜約50
0nm、又は好ましくは約150〜約350nm、又は最も好まし
くはおよそ250nm、即ち本質的に天然のウィルス膜と同
じ寸法範囲の単一ラメラ脂質エンベロープが発生させら
れる。これらのあらかじめ形成したエンベロープは優れ
た物理的安定性のものであり、その平均寸法及び寸法分
布は冷蔵下に貯蔵されたときに数ケ月間本質的に変化し
ないままである。
本発明に従ってつくられるエンベロープは、凍結乾燥
することができ、従って長い期間にわたって保存でき
る。凍結乾燥又は他の保存手段は、エンベロープ上に蛋
白質を挿入する前又は後のいずれかに行い得る。凍結乾
燥手順の使用はワクチンを冷蔵して保つ必要を減少する
か又はなくし、従って野外での使用、特に未開発国での
使用に非常に重要であり得る。脂質小胞の安定性は1又
はそれ以上の燐脂質成分の重合によって更に改良でき
る。
従って、濃縮した脂質エンベロープの大量の溜めをつ
くって貯蔵し、一方で表面蛋白質又は他の所望の複合エ
ピトープを含有している最終的な人工的なウィルスエン
ベロープの個々のバッチサイズを要求に応じてつくるこ
とができる。この方法は、例えばテフロン透析セル又は
フロースルー中空繊維透析装置のいずれかを使用して再
現可能に、そして滅菌条件下で、5ml未満から1リット
ルの量の範囲の大きさのバッチがつくれるほどフレキシ
ブルである。
本発明に従ってつくられるウィルスエンベロープの重
要な特徴は蛋白質をエンベロープの外側表面のみに挿入
できることである。全蛋白質又は抗原決定基又はエピト
ープを脂質小胞上に使用できる。本明細書で使用する
「エピトープ」及び「決定基」という用語は、抗体を生
じるか、又は抗体によって認識されるか、又は抗体と反
応するかのいずれかの蛋白質又はペプチドの部分をさす
ために相互交換可能に使用される。有利にはこの蛋白質
は暴露されていて、抗原性及び免疫原性反応性に利用で
きる。エンベロープに適用されるこの蛋白質は任意のウ
ィルス、細菌又は他の源から単離された天然の蛋白質で
あり得る。又、蛋白質は組み替え手段によってつくるこ
とができる。組み替え蛋白質は、例えば問題のウィルス
からの反応性のエピトープであり得る。又、エンベロー
プに適用される蛋白質は、単一ウィルス(又は他のも
の)からの又はいくつかのウィルス(又は他のウィルス
群)からの蛋白質又はエピトープのカクテルであり得
る。新規なエンベロープはレセプター、例えばCD4レセ
プター認識を通じて特定の細胞に対し活性的に標的化で
きる。同時にこれらはウィルス病や細菌病に対して多く
の場合レザボアであるマクロファージに対し、自然に標
的化される。更にウィルスのコア蛋白質は人工的なエン
ベロープ内に捕獲され得、このことによって更に免疫原
性応答が強められ得る。
本発明に従って、独特の方法に従ってつくられる脂質
エンベロープはいくつかのウィルス、細菌及び寄生生物
の任意の一つからの蛋白質で被覆できる。本明細書で特
定して例示されるのは、人工的なRSV及びHIV−1エンベ
ロープの構築である。次の人工的なHIV−1ウィルスエ
ンベロープの応用が考えられる。
1.大きさと化学組成が天然のHIV−1エンベロープと同
じである人工的につくったHIV−1エンベロープは体液
性及び細胞性免疫応答の両方を誘導し、従ってHIV−1
に対する合成的なサブユニットワクチンとして役立ち得
る。天然の変更されたHIV調製物でのワクチンよりもそ
のような合成のワクチンが優れているいつくかの有意義
な利点はすぐに認めることができる。(a)人工的なHI
V−1エンベロープは遺伝情報がないので感染の危険が
ない、(b)合成ワクチンはリンパ球に対する抗原の適
正な提示のために、より免疫原性でありそうである、
(c)所望の複合エピトープの挿入は高度に有効なワク
チンを生じるであろう、(d)抗原のドリフト(drif
t)は一旦同定され組み替え技術で再生されると、即座
にこれに似せた合成ワクチンができる。
2.CD4+細胞と結合してそしてこれと融合するHIV−1ウ
ィルスの独特の能力のために、人工的なHIV−1エンベ
ロープは抗ウィルス試薬を特異的にHIV−1で感染した
細胞に配達するための、抗ウィルス薬の新規な「標的を
探す(target−seeking)」薬物配達系として利用でき
る。感染した個人を感染の伝播から有効に保護するた
め、そして病気に対する治療の可能性を与えるために、
抗ウィルス薬の抗ウィルス殺傷有効性とウィルスを中和
する抗体の生産の刺激が、同じ配達デバイス中で組み合
わせることができるので、このことは人工的なHIV−1
エンベロープの重要かつ新規な面である。
3.生化学的及び免疫学的な経路の研究ならびにワクチン
と抗ウィルス薬の開発は、うっかりしてHIV−1に暴露
されてしまうことから人員を保護するために必要な制限
的な規則によって複雑なものとされている。人工的なHI
V−1エンベロープは遺伝的な情報を含まないので、そ
の使用は制限がずっと少ない。従って人工的なHIV−1
エンベロープは(a)ウィルス感染のインビトロモデル
として、特にウィルス細胞の結合及び細胞融合の研究の
ため、及び(b)ウィルスの膜の攪乱又はウィルス表面
蛋白質の特異的な結合の原理に対し作用する抗ウィルス
薬のインビトロ効能スクリーニング試験として役立つ。
人工的なRSVエンベロープはHIV−1について上に記載
したと同様の様式でRSVに対し合成的なワクチンとして
役立ち得る。更に肺のRSV感染の処置のためにリバビリ
ンその他などの抗ウィルス剤のための薬剤配達系として
役立ち得る。人工的なRSVエンベロープは高度に融合誘
導性(fusogenic)であり、効率的な融合誘導性の細胞
内薬剤担体として、特に肺の上皮細胞中の感染場所に抗
ウィルス薬をエルゾル分配するために使用できる。
事実上、無制限な数の人工的なウィルスエンベロープ
が製造でき、組み替え又は単離された表面決定基を使用
して上の例のために記載したように応用できる。例え
ば、本発明の新規な脂質小胞はアルファビリダエ(alph
aviridae)(イースター、ウエスタン及びベネズエラン
馬脳炎ウィルス)、フラビビリダエ(fraviviridae)
(セントルイス脳炎ウィルス)、バンヤビリダエ(buny
aviridae)(カリフォルニア脳炎ウィルス)、オルビウ
ィルス(orbivirus)(コロラドダニ熱)、黄熱病ウィ
ルス、デングアンドデング出血熱ウィルス(Dengue and
Dengue hemor rhagic fever virus)、日本脳炎ウィル
ス、ムライバレー(Murray Valley)脳炎ウィルス、チ
クングンヤ(Chikun gunya)ウィルス、ティックボン
(tick−borne:ダニについている)脳炎ウィルス、キャ
サヌル(Kyasanur)フォレストウィルス、クリメアン
(Crimean)出血熱及びコンゴ(Congo)ウィルス、リフ
トバレーフィーバー(Rift Valley Fever)ウィルスを
含めたアルボウィイルス;リンパ球脈絡髄膜炎ウィル
ス、アルゼンチネアンアンドボリビアン出血熱ウィルス
及びラッサ熱ウィルスを含めたアレナウィルス;感染性
気管支炎ウィルスを含めたコロナウィルス;人のサイト
メガロウィルス;ポリオ(灰白炎)ウィルス、コクサキ
ウィルスA及びB、エコウィルス及びA型肝炎ウィルス
を含めたエンテロウィルス;エプスタイン−バール(Ep
stein−Barr)ウィルス;ノーウォーク(Norwalk)群の
ウィルス及びロタウィルス(rotavirus)を含めた胃腸
炎発生ウィルス;ハンタウィルス(腎臓の症状を有する
出血熱)を含めたバンヤウィルス;A型及びB型、デル
タ、非A型、非B型を含めた肝炎ウィルス;単純性疱疹
ウィルス1及び2;水痘−帯状疱疹ウィルス(人疱疹ウィ
ルス3);インフルエンザウィルス(A,B,C);パライ
ンフルエンザウィルス1〜3を含めたパラミクソウィル
ス;呼吸器シンシチウムウィルス;麻疹ウィルス;おた
ふく風邪ウィルス;狂犬病及び狂犬病関連ウィルス;人
T−リンパ趨向性(T−lymphotropic)ウィルスI型及
びII型(HILV−I/II)及び人免疫不全ウィルス1型及び
2型(HIV−1/2)を含めたレトロウィルス;リノウィル
ス;風疹ウィルス;天然痘ウィルスを含めたオルソボッ
クスウィルス群;B19パルボウィルス;人パピロマウィル
ス;ニューキャッスル病ウィルス;セムリキ森林ウィル
ス;脳心筋炎ウィルス;マーブルグ及びエボラウィルス
(アフリカ出血熱);小胞ストマッチティスウィルス
(vesicular stomatitis virus);アデノウィルス(41
種類)を含めたDNAウィルス(急性呼吸器病ARD);天然
の完全な円錐台又は合成のウィルス糖蛋白質及びそのキ
メラ、ウィルス蛋白質及びMHCクラスI制限及びクラスI
I制限細胞毒性Tリンパ球(CTLs)をプライムするのに
使用したウィルス蛋白質およびペプチド類;Tヘルパー及
びB細胞を誘発するウィルスの蛋白質断片(例えばRSVG
糖蛋白質)及びそのキメラを含めたいくつもの人のウィ
ルスと関連して使用できる。
この技術は又、牛ウィルス性下痢のウィルス、豚コレ
ラウィルス、ボーダー(border)病ウィルス(羊);感
染性の粘液嚢(bursal)病ウィルス(ニワトリ)、シン
ドビス(Sindbis)ウィルス(馬脳炎);犬ジステンパ
ーウィルス、ホーシッド(phocid)ジステンパーウィル
ス、リンダーペスト(牛疫)ウィルス、ペステデペティ
ッツルミナンツ(peste des petits ruminants)ウィル
ス、フットアンドマウス病ウィルス、猫免疫不全ウィル
ス、猿免疫不全ウィルス、牛白血病ウィルスなどの動物
ウィルスでも使用できる。
細菌及び寄生性の病原体、例えばコリネバクテリウム
ジフテリアエ(Corynebacterium diphtheriae)(ジフ
テリア)、クロストリディウムテタニ(Clostridium te
tani)(破傷風)、ネイセリアメニンジティディス(Ne
isseria meningitidis)(髄膜炎)、ストレプトコッカ
スニューモニア(肺炎)、ヘモフィリスインフルエンザ
(髄膜炎)(莢膜のポリサッカライド類)、ボルダテラ
ペルタシス(Bordatella pertussis)(百日咳)(百日
咳毒素)、サルモネラチフィ(Salmonella typhi)(腸
チフス熱)、ビブリオコレラエ(Vibrio cholerae)、
コクシエラブルネッティ(Coxiella burnetti)(Q
熱)、ミコバクテリウムツベルクロシス、M.アビウム−
イントラセルラエ(M.avium−intracellulare)及びM.
カンサシ(M.kansasii)を含む異型(atypical)のミコ
バクテリア、レイシュマニアシス(leishmaniasis)、
シストソミアシス(schistosomiasis)、プラスモディ
ウムファルシパルム(マラリア)、エイメリア(コクシ
ジウム病)(家禽)などからの新規なエピトープも新規
なエンベロープに使用できる。
本発明のこれらの新規な脂質小胞は、細菌細胞、酵
母、動物及び人細胞、又は植物細胞に遺伝物質を移すた
めにも使用できる。本明細書で「遺伝物質」とは、遺伝
構造物、DNA、RNA又はプラスミドを指している。遺伝物
質が脂質小胞内に封入されるように新規な方法の第一段
階の間に脂質小胞中に遺伝物質を入れることができる。
人口的な脂質小胞は宿主防御応答遺伝子の転移のために
t−NDAを持っているベクターとして、又は「生物殺虫
剤」としてバシラスチューリンゲンシス毒素を表現する
ために宿主「抵抗性」遺伝子、例えば重要なバシラスチ
ューリンゲンシス結晶蛋白遺伝子をつくるために、又は
アンチセンス核酸、例えばトマト植物中のポリガラクツ
ロナーゼのアンチセンス構築物を配達するために、又は
ウィルスのサテライトRNAを配達するために、又は自己
触媒的RNA開裂、例えばサテライトタバコリングポット
ウィルスRNAの自己触媒的RNA開裂を誘発するためにリボ
ザイム(RNA酵素)を配達するために、植物中で使用す
ることができる。ウィルスエンベロープはレオウィル
ス、ロベモウィルス、ティモウィルス、トンバスウィル
ス、インテオウィルス、トブラウィルス、フロウィル
ス、コモウィルス、ネポウィルス、ホルデイウィルス、
クコモウィルス、イラルウィルス、ブロモウィルス、ア
ルファルファモザイクウィルス、ライスストライプウィ
ルス、トマトソポッテッドウィルトウィルス、ベルベッ
トタバコモトルウィルスの群からのものであり得る。
それらのサブユニットワクチン及びベクターとしての
使用の他に本明細書に記載したエンベロープは、ウィル
ス又は癌細胞などの特定の細胞の破壊を含めた種々の治
療用途で使用できる。又、これらのエンベロープは生物
学的な経路又は反応の調整、特に内分泌腺及び免疫系に
おける役割を果すために適当に変更することができる。
これらのエンベロープはT−細胞リンパ球及びそれらの
サブポピュレーションに対し標的化できる。有利なこと
には、受容体特異性の薬剤/毒素調整剤分配系はウィル
スエンベロープ中に挿入できるペプチド又は蛋白質部分
を認識するどんな受容体に対しても誂えることができ
る。
薬剤、毒素、又は他の物質を分配する本発明の脂質小
胞の使用は、少なくとも二つの方法で達成できる。最初
に、問題の薬剤又は毒素を封入するために脂質小胞がつ
くる。小胞は次に脂質小胞(及び封入された物質)を望
む場所に向ける蛋白質決定基で被覆することができる。
別の方法として、脂質小胞は任意の数の部分と複合化で
きる。例えば毒素に連結するスペーサーアームとして作
用する糖蛋白質で小胞を被覆することによって、脂質小
胞を毒素と複合化できる。脂質小胞中に埋め込まれたこ
れらの糖蛋白質は、例えばジスルフィド結合によって毒
素との複合体形成を促進する蛋白質の遊離末端にシステ
イン残基を有することができる。
本明細書に記載した技術はレトロウィルス活性と関連
したT−細胞悪性腫瘍、例えば限定されるものではない
が、急性のリンパ芽球白血病、カワサキ病、ホジキン
病;サルコイドーシス;多発性硬化症を含めた神経学的
な症状及び亜急性の硬化性多発脳炎、進行性の多巣性の
白(質)脳炎、クル及びクロイツフェルド−ジャコブ
(Kuru and Creutzfeldt−Jakob)病を含めた慢性の神
経学的な病気;退化性の関接病を含めた自己免疫病など
を含めた種々の病気を処置するのに使用できる。知られ
た作因ウィルスでの癌には、頸部の癌(単純疱疹ウィル
ス2、人の乳頭腫ウィルス);ブルキット(Burkitt)
リンパ腫(エプスタイン−バール(Epstein−Barr)ウ
ィルス);鼻咽頭癌(エプスタイン−バールウィル
ス);肝細胞癌(B型肝炎ウィルス)が含まれる。
これらのエンベロープと一緒に使用できる薬剤及び他
の活性試薬には抗ウィルス剤、抗生物質、及び抗真菌薬
が含まれる。又、エンベロープは毒素、ポリヌクレオチ
ド類、免疫調整剤及び膜攪乱剤と結合させることができ
る。
本発明の組成物は当業者に知られたいくつもの方法に
よって、人又は動物に分配することができる。例えば脂
質小胞は非経口、経口又は局所投与に処方することがで
きる。又、本発明の好ましい具体例では化合物はエルゾ
ルスプレー又は鼻内又は目内液滴として投与できる。処
方剤は典型的には食塩/緩衝液溶液中にある。
使用した材料 燐脂質は次の供給源から購入した:卵ホスファジルコ
リン(PC)(lot #37F−8420)、ホスファチジルセリ
ン(PS)(lot #99F−83561)は牛の脳から、卵ホスフ
ァチジルエタノールアミン(PE)(lot #58F−837
1)、豚肝臓からのコレステロール(lot #36F−704
0)、デオキシコール酸(lot #08F−0331)及びナトリ
ウムコレート(lot #78F−0533)はミズーリ州、セン
トルイスのシグマケミカルカンパニーから。卵スフィン
ゴミエリン(SM)(lot #ESM−22)はアリゾナ州パル
ハムのアバンチポラーリピッズから。燐酸緩衝化食塩水
(PBS)の組成はNaCl 137mM,KCl 2.7mM,Na2HPO4 8.1mM,
KH2PO4 1.5mMであり、0.5mMのナトリウムアジドを有す
る(lot #13F−0600)(シグマ)。Spectra/Por 2(分
子量カットオフ12−14,000)膜ディスクがテフロン透析
セル中で透析のために使用された。
0.005%ポリソルベート20を含有している5mMトリス緩
衝液中の100μg/mlの濃度でのHIV−1 gp160エンベロー
プ蛋白質(lot #8962R−1)はコネチカット州ウエス
トヘブンマイクロジェネシスインコーポレイテッド(Mi
cro Gene Sys,Inc.)からのものである。製造業者の仕
様に従って、これはHIV−1のenv遺伝子から誘導される
完全な長さのグリコシレート化組み替え蛋白質である。
この蛋白質はバクロウィルス表現系を使用して昆虫細胞
中でつくられ、低圧低温クロマトグラフィで精製され
た。
RSV糖蛋白質F及びGは、ニューヨーク州ロッチェス
タードクターE.ワルシュ(Walsh)から得、そして刊行
されている方法に従ってアフィニティークロマトグラフ
ィによって精製した。純度はSDSポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動とクマシーブルー染色によって評価した。ウ
エスタンブロットはF糖蛋白質のG糖蛋白質との交差反
応性を示さず逆も又示されなかった。
HEp−2細胞37℃でそして5%CO2で滅菌カバースリッ
プフラスコ上で成育させた。細胞がおよそ50%の融合性
であるときにこれらはPBSで洗浄され、次に融合実験を
行うために使用した。
次の実施例は、本発明の目的及び具体例を説明し例示
する。しかし本発明はいかなることがあっても、与えら
れた実施例に制限はされない。
実施例1−人工的なHIV−1又はRSVエンベロープ(蛋白
質なし)の製造 表1に示されるように、脂質原溶液をつくった。手短
にいうと十分なコレステロール又は燐脂質を各々10mlの
クロロホルム中に溶解し、表1に示される濃度を得た。
ナトリウムコレート原溶液をメタノール中でつくった。
表2に示されるように合計燐脂質対コレステロールの
比は約1であり、洗剤対脂質合計比は約45である。
人口の及び天然のHIV−1エンベロープの燐脂質組成
(ゴードンL.M.,F.C.ジェンセン,C.C.カーテン,P.W.モ
ブレイ,R.C.アロイア(1988)脂質領域と膜機能に対す
る関係[R.C.アロイア等編]ニューヨークのアランR.リ
ス,インコーポレイテッド,255−294頁)が表3に示さ
れている。小割合のもの、即ち、2.1モル%のホスファ
チジルイノシトール、0.9モル%のホスファチジックア
シッド及び5モル%の「他の」脂質(上記のゴードン
等)がより大きな割合のものによって置き換えられてい
る(PSは天然の膜中では15.1モル%であるのに対して2
5.7モル%)。
各々の脂質原液のうち500μlが丸底フラスコ中で一
緒にされ、1000μlのナトリウムコレートの原液が加え
られた。有機溶媒を窒素流下で除去した。
脂質/洗剤フィルムを5.0mlの10mM PBS中に分散し、
そして脂質の溶解が完了するまで浴音波処理器(ニュー
ヨーク州ヒックスビルのラブサブライズ製)中で10分間
音波処理した。透明な液をスペクトラ(Spectra)/ボ
ル(Por)2膜を備えているテフロン透析セルに移し(M
Wカットオフ12〜14,000)そして2リットルのPBSに対し
4,8,16,24及び48時間後に5回緩衝液を変え透析した。
緩衝液を透析の全時間にわたってN2でパージした。試料
を54〜56時間の全透析時間の後に透析セルから除去し4
℃で貯蔵した。
人工的なエンベロープの寸法と寸法分布をニコンプ
(NICOMP)モデル370レーザー粒サイザーを使用して分
析した(カリフォルニア州セントバーバラのパーティク
ルサイジンクシステムズ製)。小胞の均一な群の典型的
な例は、平均寸法216nm±82nm(標準偏差)及びx2値1.3
9を有していた。調製物の再現性はすばらしかった。製
造された合計15の試料は平均直径250nmを有し、平均26n
mのきわめて狭い標準偏差を有していた。
小胞の超構造を冷凍破壊(フリーズフラクチャーfree
ze−fracture)電子顕微鏡で測定した。電子顕微鏡の結
果は単一ラメラの人工的なエンベロープを示した。
コレステロールをズラッキス等の方法に従って測定し
た(ズラッキスA.,B.ザク,A.J.ボイレ[1953]J.Lab.Cl
in.Med.41:486−492)。最初のCHの合計量の76.3%に対
応する合計267.1μgのCH/mlが記録された。
燐脂質分析については、ブリー(Bligh)及びダイヤ
ー(Dyer)(ブリー,E.G.,及びW.J.ダイヤー[1959]Cn
a.J.Biochem.Phys.37:911−917)の方法に従って試料を
抽出した。定量的な燐脂質の測定をスチュワート(Stew
art)の方法に従って実施した(スチュワートJ.C.M.[1
980]Anal.Biochem.104:10−14)。典型的な実験ではPL
のもともとの合計量の74.0%に対応する合計613.8μg
のPL/mlが回収された。
最終的な燐脂質対コレステロール比は0.87であり、最
初の比率0.92とわずかしか異なっていなかった。
実施例2 人工的なHIVエンベロープ(蛋白質なし)の
安定性 人工的なHIV−1エンベロープ(蛋白質なし)を冷蔵
庫で4℃で貯蔵した。平均寸法と寸法分布を周期的にレ
ーザー光散乱で分析した。驚くべきことにこれらのエン
ベロープはそれらのもとの寸法の保持に関しきわめて安
定であることがわかった。それぞれ20、30、60、69及び
163日にわたって貯蔵した4つの異なるバッチの寸法保
持の例が表4に示されている。匹敵する寸法と高いコレ
ステロールの含量の慣用のリポソームが高度にカーブし
た膜の高い自由エネルギー含量のために貯蔵すると「成
長する」ことが知られているので、そのように実質上理
想的な物理的安定性を有することは、完全に予想外の発
見であった。
実施例3 gp160を有する人工的なHIV−1エンベロープ
の製造 HIV−1 gp160を含有している完全に人工的なHIV−1
エンベロープを新規な二重洗剤透析技術によって製造し
た。二重洗剤透析は、脂質エンベロープ中のコレステロ
ールの高い濃度が洗剤の高い濃度を必要とするので必須
要件である。従って透析は2段階で実施される。蛋白質
なしの脂質エンベロープを製造する第一段階は上の実施
例1に記載した手順と本質的に同じであった。第二透析
段階は次の手順からなっている。予め形成したエンベロ
ープを0.22μmフィルター(アクロディスク)を通して
濾過し、そしてこれらのものの2.5mlを無菌的な条件下
でデオキシコレートの濾過した水溶液0.5mlと混合し
(脂質対洗剤モル比や≒8)そして室温で1時間培養す
る。部分的な可溶化を同様に処理した小胞の試料の電子
顕微鏡で観測した。gp160(100μg)を無菌的に加え、
穏やかに混合し、室温で45分間保った。混合物を次に2
リットルのトリス(10mM、pH7.8、0.5mMのNaN3を含有)
に対して冷温(4℃)中で透析し、緩衝液は4、8、16
及び48時間で5回変えた。緩衝液を透析の全時間にわた
ってN2でパージした。56時間後試料を除去し、イミュー
ノラベリングに続いて電子顕微鏡(実施例4参照)によ
って寸法と小胞の外側表面上にgp160が含められたこと
について分析した。
実施例4 人工的なエンベロープの表面上のgp160のイ
ミュノラベリング及び測定 フォルムバー(Formvar)で被覆したニッケルグリッ
ドを10分間ポリ−L−リジンの1%溶液で処理し、水で
すばやく洗い、人工的なエンベロープの1滴上に置い
た。エンベロープを1分間グリッドの表面に吸着させ
た。グリッドを10分間PBS上に浮かべ、続いて1%牛血
清アルブミン(BSA)上に10分間浮かべた。過剰のBSAを
除去した後、グリッドをgp160(ニューヨーク州バッフ
ァローのセルラープロダクツインコーポレイテッド製)
に対して特異的なモノクローナル抗体の1:250希釈物上
で、又は関係のないモノクローナル抗体上で培養した。
グリッドをそれぞれPBS上で10分間3回洗浄し、そして1
5nmのコロイド状の金に結合した羊の抗マウスIgGの1:2
希釈物上で1時間培養した。グリッドを各PBS及び蒸留
水中で10分間2回洗浄した。グリッドを1%ウラニルア
セテートで水中で20秒間ネガチブに染色し、水抜きを
し、乾燥させた。グリッドをヒタチH−7000電子顕微鏡
上で70kVで観測した。蛋白質なしの対照の脂質エンベロ
ープを同じ方法で処理した。
モノクローナル抗−gp160抗体は、抗−マウスIgG結合
金で観ることが出来るようにウイルスエンベロープに対
し特異的に結合していることがわかり、一方、無関係の
モノクローナル抗体で処理されたウイルスエンベロープ
及び抗−gp160抗体で処理され、金染色された蛋白質の
ない脂質エンベロープは金抗体結合を示さなかった。
実施例5 人工的なエンベロープのCD4+細胞に対する選
択的な結合 L.W.細胞はHTLV−1陽性の成人T細胞急性リンパ芽球
白血病を有する患者の末梢血液に由来する(ユニバーシ
ティーオブフロリダ)ものである。フローサイトメトリ
ー(Flow cytometry)分析は、これらの細胞がCD4表面
抗原に対し90〜100%陽性であることを実証した。HL−6
0細胞ラインは、ミッドランド州ロックビルのATCCから
得た。これらの細胞は懸濁液培養基中で成育され、骨髄
芽球/前骨髄球形態を有している。これらはリンパ節細
胞に対する特定のマーカーを欠いている。0.5ml中のお
よそ1×106の細胞を10分間1000×gで遠心し、10μl
の[125I]標識エンベロープであって、約1×106のcpm
に対応するもの(TCA−沈殿=全計数の約54%)が加え
られ、そして1時間氷上で培養し、0.6mlのPBSを加え、
試料を遠心し、ペレットをPBSで5回洗浄し、そして結
合した125I(cmp)をガンマ−計数管で計数した。
表5に示される様にCD4+L.W.細胞と関連する計数はCD
4-対照細胞に結合したカウント数よりも有意義に高い。
このことは人工的な膜表面上にgp160が存在し、それが
立体配置的に一体性を有していること、そしてそれのCD
4に対する親和性を確認させるものである。
実施例6 G及びF糖蛋白質を有している人工的なRSV
エンベローブの製造 人工的なRSVエンベロープを実施例1と実施例3に記
載した方法と本質的に同じ方法で製造した。糖蛋白質原
溶液はそれぞれ175μg/mlG糖蛋白質(分子量約90,000)
及び350μg/mlのF糖蛋白(分子量約48,000)を含有し
ている。
1.21mgまたは20.6μモルの合計脂質に対応している1m
l脂質原溶液の4つの試料を取除いてナトリウムコレー
トで再分散化及び溶解化の前に、N2の流れ下で乾燥し、
透析した(実施例1)。これらの試料を人工的なRSVエ
ンベロープの融合誘導性を実証するために使用したの
で、螢光性の染料6−カルボキシフルオレスセイン(6
−CF)を水性スペースマーカーとして加えた。糖蛋白質
を有さない非特異的な人工的なエンベロープの試料を融
合実験の対照として使用した(実施例7)。段階2にお
いて一つの試料は46.3μlのG糖蛋白質原溶液のみで調
製し、一つの試料は8.2μlのF糖蛋白質原溶液のみで
調製し、そして一つの試料は46.3μlのG糖蛋白質と8.
2μlのF糖蛋白質の原溶液の両方で調製した。デオキ
シコレートを加え、試料を実施例3に記載されるように
処理した。対応している脂質対蛋白質比を表6に示す。
融合試験中で使用する前に(実施例7参照)人工的なRS
Vエンベロープをエッペンドルフマイクロフュージ中で1
0分間遠心し、CF溶液をPBSで置き換えた。
実施例7 人工的なRSVウィルスエンベロープのHEp−2
細胞との融合 HEp−2細胞を37℃、そして5%CO2において滅菌カバ
ースリップフラスコ上で成育させた。細胞がおよそ50%
融合性であるときにこれらをPBSで洗浄し、次に下のよ
うに融合実験を実施するのに使用した。ペトリ皿中のHE
p−2細胞に、実施例5に記載されるように、蛋白質を
有さない、又はG糖蛋白質のみを有する、又はF糖蛋白
質のみを有する、又はG及びF糖蛋白質の両方を有する
人工的なエンベロープを含有している溶液の一つ、0.5m
lを加えた。追加の対照は1:20,000に希釈された6−CF
のみ(脂質対照なし)を含有している培養であった。細
胞に3mlの1%DMEM細胞培養基培地を補充し、37℃で5
%CO2中で培養した。細胞を40×の倍率の螢光顕微鏡下
で1,2,4及び24時間後に観察し、位相差及び螢光光下で
写真を撮った。
希釈されたCF溶液とともに培養した細胞は、螢光を発
しなかった。蛋白質を有さない人工的なRSVエンベロー
プと培養した細胞はぼんやりした螢光をときどき示すだ
けであった。蛋白質なしの脂質エンベロープ(脂質対
照)と培養した細胞の視野から検出可能な螢光は出てこ
なかった。又、G糖蛋白質又はF糖蛋白質のみを含有し
ている人工的なRSVエンベロープと培養した細胞はいく
らかはあるが、比較的ぼんやりした螢光を示した。しか
しながら、完全な人工的なRSVエンベロープとともに培
養されたバッチの事実上全ての細胞は1時間培養後、螢
光性であった。全ての場合、螢光は細胞の細胞質内で拡
散を生じ、このことは転移プロセスが食作用過程でなく
て融合誘導過程であることを確認するものである。食作
用過程は細胞内の液胞に閉じ込められた点状の螢光を生
じるであろう。これらの結果は完全な人工的なRSVエン
ベロープが高度に融合誘導性であり、従って感染した細
胞の細胞質に直接薬剤を分配するために薬剤担体として
使用され得ることを示唆している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シャンダー, ラメシュ インド国 ボンベイ−400085 バーバー アトミック リサーチセンター フー ド テクノロジー アンド エンザイム エンジニアリング(番地なし) (72)発明者 ステセンコ, アルレン, エイ. アメリカ合衆国 32608 フロリダ州 ゲインスビル サウスウエスト 67ス ストリート 11220 (56)参考文献 特開 昭57−118794(JP,A) 特表 平2−502007(JP,A) 特表 昭61−500262(JP,A) Nadia El Guink et al.,Intranasal im munization with pr oteoliposomes prot ects against influ enza,Vaccine,Vol. 7,p.147−151 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 9/127 A61K 35/76 A61K 39/21 B01J 13/02 CA(STN) MEDLINE(STN) WPIDS(STN)

Claims (31)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】洗剤の脂質合計に対するモル比が10:1と10
    0:1の間、そしてコレステロールの燐脂質に対するモル
    比が0.8:1と1.2:1の間であるように燐脂質とコレステロ
    ールを洗剤溶液中に溶解し、透析によって該洗剤を除去
    して剛体の小胞を得ることからなる第1段階、及び該小
    胞の表面上に適当な抗原性又は免疫原性のエピトープか
    らなる蛋白質又はペプチドを挿入することからなり、該
    蛋白質の該挿入が、洗剤の脂質に対するモル比1:1と20:
    1の間で該剛性の小胞を洗剤とともに部分的にミセル化
    し、そして該部分的にミセル化した小胞に該蛋白質を加
    え、続いて透析によって該洗剤を除去することを含む第
    2段階からなる、50nm〜500nmの大きさ、コレステロー
    ルの燐脂質に対するモル比0.8:1〜1.2:1を有し、安定な
    剛性構造を有し、そして該小胞の外側表面上に抗原性又
    は免疫原性の蛋白質、ペプチド又はエピトープを有して
    いる単一ラメラ膜を有する脂質小胞を製造する2段階方
    法。
  2. 【請求項2】該蛋白質又はペプチドが糖蛋白質である請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】該糖蛋白質がウィルスHIV−1又はRSVから
    の天然又は組替え蛋白質のいずれかである請求項1に記
    載の方法。
  4. 【請求項4】ウィルスコア蛋白質が該脂質小胞に組込ま
    れる請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】該第2段階の洗剤の脂質合計に対するモル
    比が8:1である請求項1〜4のいずれか一に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】洗剤の脂質合計に対する第1段階のモル比
    が30:1と60:1の間である請求項1〜5のいずれか一に記
    載の方法。
  7. 【請求項7】該第1段階における洗剤の脂質合計に対す
    るモル比が45:1である請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】該脂質小胞がホスファチジルコリン、ホス
    ファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン及
    びスフィンゴミエリン脂質を含んでいる請求項1〜7の
    いずれか一に記載の方法。
  9. 【請求項9】該洗剤がナトリウムデオキシコレートであ
    る請求項1〜8のいずれかの方法。
  10. 【請求項10】該小胞が凍結乾燥され、小胞が貯蔵され
    得る時間を長くする最終段階を更に含んでいる請求項1
    〜9に記載の方法。
  11. 【請求項11】小胞が50nmと500nmの間の大きさ、0.8:1
    と1.2:1の間のコレステロール対燐脂質モル比、及び安
    定な剛体構造を有しており、単一ラメラ膜を有している
    合成脂質小胞。
  12. 【請求項12】コンジュゲート化(複合体化)毒素又は
    薬剤を更に含んでいる請求項11に記載の脂質小胞。
  13. 【請求項13】カプセル化された毒素又は薬剤を更に含
    んでいる請求項11に記載の脂質小胞。
  14. 【請求項14】150と300nmの間の大きさを有している請
    求項11に記載の脂質小胞。
  15. 【請求項15】蛋白質又はペプチド表現抗原性又は免疫
    原性エピトープを更に含んでいる請求項11に記載の脂質
    小胞。
  16. 【請求項16】該蛋白質がウィルスコア蛋白質である請
    求項15に記載の脂質小胞。
  17. 【請求項17】該蛋白質がHIV−1又はRSVからの天然又
    は組み替え蛋白質である請求項15に記載の脂質小胞。
  18. 【請求項18】該蛋白質がgp160又はその免疫原性又は
    抗原性の断片である請求項17に記載の脂質小胞。
  19. 【請求項19】単一ウィルスからの異なるエピトープ、
    又は1よりも多いウィルスからのエピトープから成って
    いる糖蛋白質のカクテルから該小胞が成っている請求項
    11に記載の脂質小胞。
  20. 【請求項20】凍結乾燥されている請求項11に記載の脂
    質小胞。
  21. 【請求項21】更に遺伝物質を含んでいる請求項11に記
    載の脂質小胞。
  22. 【請求項22】毒素又は薬剤とコンジュゲート化(複合
    体化)された合成脂質小胞をヒト以外に投与することか
    ら成り、該脂質小胞が請求項1に記載の方法を使用して
    製造され、そして該小胞及びコンジュゲートされた薬剤
    又は毒素を所望の場所に向ける抗原性又は免疫原性のエ
    ピトープを該脂質小胞が含んでいる、特定の場所に薬剤
    又は毒素を配達するための方法。
  23. 【請求項23】合成脂質小胞内にカプセル封入された薬
    剤又は毒素をヒト以外に投与することからなり、該脂質
    小胞が請求項1の方法を使用して製造されたものであ
    り、そして該小胞が、該小胞及びカプセル封入された毒
    素又は薬剤を所望の場所に向ける抗原性又は免疫原性の
    エピトープを含んでいる、薬剤又は毒素を特定の場所に
    配達するための方法。
  24. 【請求項24】非経口、局所、経口、エロゾル、鼻内及
    び目内投与からなる群から選択される手段によって投与
    が達成される請求項22又は23に記載の方法。
  25. 【請求項25】該エピトープはHIVエピトープであり、
    小胞及びコンジュゲートされた薬剤又は毒素が配達され
    る所望の場所がCD4+細胞である、請求項22又は23に記載
    の方法。
  26. 【請求項26】請求項21に記載の合成脂質小胞を該遺伝
    物質が移される人体内以外の細胞と接触させることから
    なる遺伝物質を人体内以外の細胞内に移す方法。
  27. 【請求項27】請求項1に記載の方法を使用して製造さ
    れる合成脂質小胞を含み、該合成脂質小胞が毒素又は薬
    剤とコンジュゲート化(複合体化)されており、該合成
    脂質小胞が該小胞及び該薬剤又は該毒素を所望の場所に
    向ける抗原性又は免疫原性のエピトープを含むことを特
    徴とする、特定場所に該薬剤又は該毒素を配達するため
    の医薬。
  28. 【請求項28】請求項1に記載の方法を使用して製造さ
    れる合成脂質小胞を含み、該合成脂質小胞内にカプセル
    封入された薬剤又は毒素を含んでおり、該合成脂質小胞
    が該小胞及びカプセル封入された毒素又は薬剤を所望の
    場所に向ける抗原性又は免疫原性のエピトープを含むこ
    とを特徴とする、特定場所に該薬剤又は該毒素を配達す
    るための医薬。
  29. 【請求項29】非経口、局所、経口、エロゾル、鼻内又
    は目内投与用である請求項27又は28に記載の医薬。
  30. 【請求項30】該エピトープはHIVエピトープであり、
    該小胞及びコンジュゲート又はカプセル封入された薬剤
    又は毒素が配達される所望の場所がCD4+細胞である、請
    求項27又は28に記載の医薬。
  31. 【請求項31】請求項21の合成脂質小胞を含み、該遺伝
    物質を細胞内に移すために該遺伝物質が移される細胞と
    接触するよう投与される医薬。
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