JP3412573B2 - 現像装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はプリンタ等の電子複
写装置において、静電潜像の現像を行う現像装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、一成分現像剤を用いた現像装置
は、二成分現像剤を使用するものに比較して、現像剤
（以下、「トナー」という。）濃度の検知装置および制
御装置が不用であること、現像に際して潜像担持体への
キャリアの付着がないので、可視像転写後にブレードで
潜像担持体のクリーニングを行っても潜像担持体表面を
傷つけることがなくクリーニングが簡単に行えること、
装置の簡素化および小型化が容易に達成できることなど
の利点がある。

【０００３】しかしながら、一成分現像剤を使用した現
像装置は、このような利点の反面、キャリアのように磁
気に引き付けられるものがないため、帯電されていない
トナー（現像剤）が現像ローラの端部から漏れるという
問題がある。

【０００４】現在、一成分現像剤を使用する現像装置に
おいては、トナーをシールする手段としてウレタンフォ
ーム等の弾性発泡剤を用いることが一般的である。そし
て、弾性発泡剤を用いた場合、弾力が大きいために現像
ローラとケーシングと層厚規制手段間の隙間を埋めやす
いという利点がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シール
手段として弾性発泡剤を用いた場合には、鋭角な隙間を
シールすることが難しく、特に現像ローラのＲ部分と現
像剤であるトナーの層厚を規制するためのブレードのＲ
部分とで形成されるクサビ形状の隙間を埋めることがで
きない。

【０００６】また、ケーシングにシール手段を貼り付け
るため、シール手段とブレードとの位置が決まりにく
い。

【０００７】さらに、シール手段を貼り付けるときにシ
ール手段が伸びてしまい、正規の位置に貼り付けられな
い。

【０００８】そこで、本発明は、現像剤の層厚を規制す
るブレードが使用された現像装置において、現像剤の漏
れを防止することのできる現像装置を提供することを目
的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明の現像装置は、感光体に形成された静電潜像
に現像剤を供給して前記静電潜像を顕像化する現像ロー
ラと、前記現像ローラが回転自在に取り付けられるとと
もに現像剤が貯蔵されたケーシングと、前記現像ローラ
に押圧接触可能に前記ケーシングに取り付けられて前記
現像ローラ上に供給された前記現像剤の層厚を規制する
層厚規制手段と、前記現像ローラ長手方向両端部の周面
の少なくとも一部を覆うように前記層厚規制手段の両端
部に形成された現像剤シール手段とを備え、前記現像剤
シール手段は、その前記現像ローラに面した側の前記現
像ローラ幅方向内側に、前記現像ローラに線接触可能に
形成されたリップ部を有する構成としたものである。

【００１０】これにより、現像剤シール手段はリップ部
のエッジで現像ローラと接触するので、現像剤シール手
段と現像ローラとの接触面積を最小限に低減でき、負荷
トルクの上昇や摩擦熱の上昇を防止することが可能にな
るという作用を有する。また、現像剤シール手段の周辺
に現像剤が滞留して、これが摩擦熱により固着すること
を防止することができるという作用を有する。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、感光体に形成された静電潜像に現像剤を供給して前
記静電潜像を顕像化する現像ローラと、前記現像ローラ
が回転自在に取り付けられるとともに現像剤が貯蔵され
たケーシングと、前記現像ローラに押圧接触可能に前記
ケーシングに取り付けられて前記現像ローラ上に供給さ
れた前記現像剤の層厚を規制する層厚規制手段と、前記
現像ローラ長手方向両端部の周面の少なくとも一部を覆
うように前記層厚規制手段の両端部に形成された現像剤
シール手段とを備え、前記現像剤シール手段は、その前
記現像ローラに面した側の前記現像ローラ幅方向内側
に、前記現像ローラに線接触可能に形成されたリップ部
を有することを特徴とする現像装置であり、現像剤シー
ル手段はリップ部のエッジで現像ローラと接触するの
で、現像剤シール手段と現像ローラとの接触面積を最小
限に低減でき、負荷トルクの上昇や摩擦熱の上昇を防止
することが可能になるという作用を有する。また、現像
剤シール手段の周辺に現像剤が滞留して、これが摩擦熱
により固着することを防止することができるという作用
を有する。

【００１２】本発明の請求項２に記載の発明は、リップ
部は、現像剤シール手段の現像ローラに面した側の現像
ローラ幅方向内側に、現像ローラに線接触可能に形成さ
れるとともに、現像ローラの回転に対してケーシングの
内側に現像剤が押し戻されるよう傾斜して設けられてい
ることを特徴とする請求項１記載の現像装置であり、ケ
ーシングの端部へ向かう現像剤を内側へ送ることが可能
になるという作用を有する。

【００１３】

【００１４】

【００１５】

【００１６】

【００１７】

【００１８】

【００１９】

【００２０】

【００２１】以下、本発明の実施の形態について、図１
から図１０を用いて説明する。なお、これらの図面にお
いて同一の部材には同一の符号を付しており、また重複
した説明は省略されている。

【００２２】図１は本発明の一実施の形態である現像装
置が装着された画像形成装置を示す説明図、図２は図１
の画像形成装置に取り付けられた現像装置を含むプロセ
スユニットを示す断面図、図３は図２の要部を拡大して
示す断面図、図４は図１の画像形成装置に取り付けられ
たブレード兼トナーシール部の一例を示す斜視図、図５
は図１の画像形成装置に取り付けられたブレード兼トナ
ーシール部の他の一例を示す斜視図、図６は図５のブレ
ード兼トナーシール部の正面図、図７は図５のブレード
兼トナーシール部の要部を示す正面図、図８は図１の画
像形成装置に取り付けられたブレード兼トナーシール部
のさらに他の一例を示す斜視図、図９は図１の画像形成
装置に取り付けられたブレード兼トナーシール部のさら
に他の一例を示す斜視図、図１０は図１の画像形成装置
に取り付けられたブレード兼トナーシール部のさらに他
の一例を示す斜視図である。

【００２３】図１に示すように、本実施の形態の画像形
成装置には、４つの画像形成ステーション１ａ，１ｂ，
１ｃ，１ｄが配置されている。そして、各画像形成ステ
ーション１ａ，１ｂ，１ｃ，１ｄは像担持体としての感
光体ドラム（感光体）２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄをそれぞ
れに有し、その回りには、感光体ドラム２ａ，２ｂ，２
ｃ，２ｄの表面を一様に帯電させる帯電手段３ａ，３
ｂ，３ｃ，３ｄ、静電潜像を顕像化する現像手段４ａ，
４ｂ，４ｃ，４ｄ、残留トナーを除去するクリーニング
手段５ａ，５ｂ，５ｃ，５ｄ、画像情報に応じた光を各
々の感光体ドラム２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄに照射する走
査光学系の露光手段６ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄ、転写手段
７を構成する中間転写ベルト（転写材）１２にトナー像
を転写する転写手段８ａ，８ｂ，８ｃ，８ｄがそれぞれ
配置されている。

【００２４】ここで、画像形成ステーション１ａ，１
ｂ，１ｃ，１ｄはそれぞれイエロー画像，マゼンタ画
像，シアン画像，ブラック画像が形成され、露光手段６
ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄからは、イエロー画像、マゼンタ
画像，シアン画像，ブラック画像に対応した露光光９
ａ、９ｂ、９ｃ、９ｄが出力される。

【００２５】各画像形成ステーション１ａ，１ｂ，１
ｃ，１ｄを通過する態様で、感光体ドラム２ａ，２ｂ，
２ｃ，２ｄの下方にはローラ１０、１１により支持され
た無端ベルト状の中間転写ベルト１２が配置されてお
り、矢印Ａ方向へ周回動する。

【００２６】また、給紙カセット１６に収納されている
シート材１７は、給紙ローラ１８により給紙され、シー
ト材転写ローラ１９、定着手段２０を経て排紙トレー
（図示せず）に排出される。

【００２７】以上のような構成のカラー画像形成装置で
は、先ず画像形成ステーション１ｄにおいて、帯電手段
３ｄおよび露光手段６ｄ等を用いた公知の電子写真プロ
セス手段により感光体ドラム２ｄ上に画像情報であるブ
ラック成分色の潜像を形成される。その後、現像手段４
ｄでブラックトナーを有する現像剤によりブラックトナ
ー像として可視像化され、転写手段８ｄで中間転写ベル
ト１２にブラックトナー像が転写される。

【００２８】一方、ブラックトナー像が中間転写ベルト
１２に転写されている間に、画像形成ステーション１ｃ
でシアン成分色の潜像が形成され、現像手段４ｃでシア
ントナーによるシアントナー像が可視像化されてこれが
転写手段８ｃにて転写され、先に中間転写ベルト１２上
に転写されたブラックトナー像と重ね合わされる。

【００２９】以下、マゼンタトナー像、イエロートナー
像についても同様にして画像形成が行われ、中間転写ベ
ルト１２上に４色のトナー像の重ね合わせが終了する
と、給紙ローラ１８により給紙カセット１６から取り出
された紙等のシート材１７上にシート材転写ローラ１９
によって４色のトナー像が一括転写搬送され、定着手段
２０で加熱定着され、シート材１７上にフルカラー画像
が得られる。

【００３０】なお、転写が終了したそれぞれの感光体ド
ラム２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄはクリーニング手段５ａ，
５ｂ，５ｃ，５ｄで残留トナーが除去され、引き続き行
われる次の画像形成に備えられ、印字動作は完了する。

【００３１】このような画像形成装置に取り付けられた
プロセスユニットのケーシング３０には、図２および図
３に示すように、静電潜像の形成される感光体ドラム３
１、感光体ドラム３１の表面を一様に帯電する帯電手段
３３、感光体ドラム３１にトナーを供給して静電潜像を
顕像化する現像ローラ２１、現像ローラ２１に付着した
トナーを薄層化するとともに現像ローラ２１の端部から
の現像剤の漏れを防止するブレード兼トナーシール部
（現像剤層厚規制兼シール手段）２２、トナーカートリ
ッジ３４から取り出されてアジテータ３５で撹拌された
トナーを現像ローラ２１へ供給するトナー供給ローラ
（供給ローラ）２３が回転可能に取り付けられている。

【００３２】ここで、ブレード兼トナーシール部２２
は、現像ローラ２１の回転軸に対して平行にこの現像ロ
ーラ２１に圧接して設けられて当該現像ローラ２１に付
着したトナーを薄層化するブレード部（現像剤層厚規制
部）２２ａと、このブレード部２２ａが押圧接触する位
置の両端部においてブレード部２２ａと一体成形されて
現像ローラ２１の周面に押圧接触し、トナーの漏れを防
止するトナーシール部（現像剤シール部）２２ｂから構
成されている。また、ブレード部２２ａは断面が円弧状
に加工されて現像ローラ２１の周面に押圧接触してい
る。

【００３３】ブレード兼トナーシール部２２は、リン青
銅板、ステンレスバネ材等の板状金属部材を基材として
おり、ゴムなどの弾性部材でブレード部２２ａおよびト
ナーシール部２２ｂが一体成形されている。

【００３４】また、ケーシング３０には、感光体ドラム
３１の外周面をクリーニングするクリーニング手段３２
が取り付けられている。

【００３５】そして、現像ローラ２１とトナー供給ロー
ラ２３とは相互に同じ方向に回転し、感光体ドラム３１
はこれらと反対方向に回転する。

【００３６】なお、現像ローラ２１とトナー供給ローラ
２３との軸間は現像ローラ２１とトナー供給ローラ２３
との半径の和よりも小さくなっている。そして、ここで
の圧接量は、０．３〜１．５ｍｍ程度とされている。

【００３７】現像ローラ２１は、金属シャフトの外周上
にカーボンを加えることで導電性が付与されたシリコン
ゴムやポリウレタンゴム等の弾性体を０．５〜４．０ｍ
ｍ程度に一体成形したものからなり、その体積抵抗値は
１０²Ωｃｍ〜１０⁷Ωｃｍ程度に設計されている。ま
た、トナー供給ローラ２３は、金属シャフトの外周上に
ウレタンフォーム等を一体成形したものからなる。

【００３８】トナーカートリッジ３４には非磁性一成分
トナーが貯蔵されており、このトナーはケーシング３０
内へと落下される。そして、アジテータ３５により撹拌
されて、トナーのブロッキング防止とトナー供給ローラ
２３へのトナー搬送を行っている。

【００３９】トナー供給ローラ２３は、現像ローラ２１
との接触部においてトナーを現像ローラ２１上に付着さ
せ、かつ、現像終了後の現像ローラ２１上の残留トナー
を掻き落とすように、現像ローラ２１と相対速度差を有
しながら回転している。なお、掻き落とされたトナー
は、ケーシング３０内で未使用のトナーと混合されて再
度使用される。

【００４０】ブレード部２２ａは、トナーを帯電させる
ため、摩擦帯電序列でトナーと隔たった材質が選択され
ており、例えば、シリコンゴム、テフロンゴム、ポリイ
ミドゴム、ポリエステルゴム、ウレタンゴム、ニトリル
ゴム等の樹脂材料を主成分としている。

【００４１】トナー供給ローラ２３により現像ローラ２
１に供給されたトナーは、ブレード部２２ａにより現像
ローラ２１上で層厚が規制されるとともに静電潜像と同
極性に帯電させる。そして、帯電されたトナーは回転す
る感光体ドラム３１と接触し、バイアス電圧印加装置
（図示せず）により現像ローラ２１に印加されたバイア
ス電位により、書き込み装置１３により感光体ドラム３
１上に形成された静電潜像の電化に吸収されて現像が行
われる。なお、現像が終了した後の残留トナーは、先に
述べたように、再度ケーシング３０に吸収されて新しい
トナーと混合される。

【００４２】ここで、ブレード部２２ａと現像ローラ２
１との接触圧は、必要な現像ローラ２１の回転負荷トル
クが３．５ｋｇｆ／ｃｍを越えるとトルク過大となるた
め、１０ｇｆ／ｍｍ以下とする必要がある。また、ブレ
ード部２２ａの自由端の円弧状部の半径は、必要なトナ
ー層厚と帯電量を稼ぐために、０．５〜１．５ｍｍとさ
れている。

【００４３】現像ローラ２１には、感光体ドラム３１の
現像領域よりも回転方向下流側でトナー供給ローラ２３
との圧接位置よりも回転方向上流側に、この現像ローラ
２１の長手方向に均一に当接してトナーの漏れを防止す
るシート材３６が配置されている。このシート材３６
は、たとえば、ウレタンゴムやペットフィルム等から形
成されている。

【００４４】前述のように、現像ローラ２１には、ブレ
ード部２２ａが押圧接触する位置の両端部に、トナーの
漏れを防止するトナーシール部２２ｂが一体成形されて
いる。これにより、従来のようにケーシングにスポンジ
材等を両面テープ等で貼り付けていたものに比べ、ブレ
ード兼トナーシール部２２におけるブレード部２２と現
像ローラ２１との隙間を埋めるための位置決めが確実に
なされる。よって、貼り付け誤差やケーシングの寸法誤
差等によりブレード部２２ａと現像ローラ２１との間に
発生する隙間や、スポンジ材ではどうしても埋めること
のできなかった現像ローラ２１とブレード部２２ａとの
間のクサビ形状の隙間を埋めることができ、トナー漏れ
を防止することが可能になる。

【００４５】また、ケーシング３０の内側で作業しづら
い部分へのトナーシール部２２ｂのの貼り付け作業が不
要になるので、作業性の向上および作業工数の低減を図
ることが可能になる。

【００４６】さらに、ブレード部２２ａとトナーシール
部２２ｂとが同一の弾性部材で一体形成されているた
め、部品点数の低減および部品コストの低減を図ること
が可能になる。

【００４７】ここで、図４に示すように、板状部材に一
体成形されたブレード兼トナーシール部２２のトナーシ
ール部２２ｂは、ケーシング３０の内側にトナーが押し
戻されるように、現像ローラ２１の回転方向に向かって
内側に傾斜している。

【００４８】これにより、現像ローラ２１の端部へ向か
うトナーをケーシング３０の内側へ送ることが可能にな
る。

【００４９】ここで、図７に示すように、トナーシール
部２２ｂには、現像ローラ２１とその周方向に沿って接
触するリップ部２２ｂ１を形成することができる。

【００５０】これにより、トナーシール部２２ｂはリッ
プ部２２ｂ１で現像ローラ２１と接触するので、両者の
接触面積を低減でき、負荷トルクの上昇や摩擦熱の上昇
を防止することが可能になる。

【００５１】ここで、リップ部２２ｂ１は、現像ローラ
２１の内側に傾斜して現像剤シール部と現像ローラとの
接触部分を線接触にすることができる。これにより、ト
ナーシール部２２ｂはリップ部２２ｂ１のエッジで現像
ローラ２１と接触するので、両者の接触面積を最小限に
低減できて負荷トルクの上昇や摩擦熱の上昇を防止する
ことが可能になる。

【００５２】なお、本実施の形態において、リップ部２
２ｂ１の高さは０．５から２．０ｍｍ程度、幅は０．５
から１．５ｍｍ程度、倒れ角は３０から６０度程度とさ
れている。また、このリップ部２２ｂ１の現像ローラ２
１への食い込み量は０．１から０．８ｍｍとされてい
る。

【００５３】なお、トナーシール部２２ｂに設けられた
リップ部２２ｂ１は、現像ローラ２１の回転に対してケ
ーシング３０の内側にトナーが押し戻されるよう傾斜し
て設けることができる。

【００５４】ここで、リップ部２２ｂ１の背部にトナー
が溜まった場合には、そのトナーが常に摩擦熱によって
熱せられるためにトナーが溶解して固着が起こる。そこ
で、トナーシール部２２ｂの現像ローラ２１と接触する
リップ部２２ｂ１における現像ローラ２１の幅方向内側
は、段差部を形成しないようにするのがよい。これによ
り、トナーシール部の周辺にトナーが滞留し、これが摩
擦熱により固着することを防止することが可能になる。

【００５５】本実施の形態において、シート材３６の材
質には、ウレタンゴム、ペットフィルム等が用いられ、
その厚みは０．０５ｍｍから１．０ｍｍとされている。
シート材３６はケーシング３０に両面テープ等で貼り付
けられ、その先端又は一部は現像ローラ２１の表面長手
方向に接するように構成されて、トナーシール部２２ｂ
のリップ部２２ｂ１と交差する領域をもつよう構成され
ている。

【００５６】これにより、トナーシール部２２ｂが現像
ローラ２１によって持ち去られ、トナーのシールが不可
能となることが防止できる。また、他の部材を用いるこ
となくシート材３６とトナーシール部２２ｂとの隙間を
確実に埋めることが可能になる。

【００５７】ここで、ブレード部２２ａとトナーシール
部２２ｂの現像ローラ２１と接触するリップ部２２ｂ１
は、現像ローラ２１に対してブレード部２２ａの方がト
ナーシール部２２ｂのリップ部２２ｂ１の先端よりも高
い場合は、トナーシール部２２ｂのリップ部２２ｂ１と
現像ローラ２１との間に隙間が空いてトナー漏れが起こ
る。逆に、トナーシール部２２ｂのリップ部２２ｂ１の
先端の方がブレード部２２ａよりも高い場合には、ブレ
ード部２２ａと現像ローラ２１との間に隙間が空いてト
ナー漏れが起こる。

【００５８】そこで、本実施の形態では、それぞれが組
み込まれた状態において現像ローラ２１に対してブレー
ド部２２ａとトナーシール部２２ｂのリップ部２２ｂ１
の先端が同じ円周上となるように構成されている。これ
により、現像ローラ２１とブレード部２２ａとトナーシ
ール部２２ｂとの隙間を埋めることができ、トナー漏れ
を防止することが可能になる。

【００５９】ここで、前述のように、従来では、トナー
シール手段をケーシングに組み込む際、両面テープ等で
固定していた。そして、両面テープを用いてトナーシー
ル手段をケーシングに固定した場合、貼り付けミスや不
良が発生しても貼り直しが困難であるという問題が生じ
ていた。

【００６０】そこで、本実施の形態では、図９に示すよ
うに、トナーシール部２２ｂのケーシング３０と接する
部分の周方向全域に、たとえば幅が０．５から３．０ｍ
ｍ程度、深さが１．０から４．０ｍｍ程度の凹状溝２２
ｂ３が形成され、さらにこの凹状溝２２ｂ３に対向する
ケーシングの部分に凸部（図示せず）が形成され、それ
らが互いに圧入嵌合して取り付くようになっている。な
お、凹凸は逆でも良い。

【００６１】これにより、両面テープや接着剤による固
定が不用となり、組み込みや組み直しを行うことが容易
になる。また、両者が圧入嵌合されているため、この部
分でもトナーの漏れを防止することができる。

【００６２】さらに、図８、図９および図１０に示すよ
うに、トナーシール部２２ｂのブレード部２２ａが取り
付けられている反対側端部のケーシング３０側には、ト
ナーシール部２２ｂが現像ローラ２１の回転により持ち
去られることを防止するため、位置決めを兼ねた回り止
め凸部２２ｂ２が形成されている。そして、ケーシング
３０のこの凸部２２ｂ２に対向する部分には、周り止め
凹部（図示せず）が形成されて両者が互いに圧入嵌合さ
れている。

【００６３】ここで、ブレード兼トナーシール部２２に
はニトリルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、フッ素
ゴム、ウレタンゴム、四フッ化樹脂等が用いられ、現像
ローラ３１と接触する部分の摩擦係数は、動摩擦係数が
０．１から０．８とされている。摩擦係数が低すぎる場
合には現像剤が進入してトナー漏れを起こしやすくな
り、また高すぎる場合には現像装置の負荷トルクが上昇
したり摩擦による熱が上昇するなどの問題が生じる。そ
して、このような摩擦係数を下げるために、トナーシー
ル手段部２２ｂの現像ローラ２１と接触する部分にニフ
トロンコートを施すなどの方法も採られる。

【００６４】ところで、現像ローラ２１に押し当てられ
て現像ローラ２１のトナーを薄層化するブレード部２２
ａに外力がかかった場合には、所定の層厚が得られな
い、あるいは均一な層厚が形成できないなどの問題が生
じる。

【００６５】そこで、トナーシール部２２ｂには、ブレ
ード部２２ａによる層厚規制範囲内から層厚規制範囲外
にかけて、ケーシング３０と接する部分がないように、
所定量（たとえば、０．５ｍｍ以上）の隙間を形成する
ことができる。これにより、ブレード部２２ａはトナー
シール部２２ｂを介してケーシング３０の影響を受ける
ことがなくなるので、均一な層厚を安定して形成するこ
とができる。

【００６６】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、現像剤
層厚規制部と現像ローラとの間に発生する隙間を埋める
ことができるので、現像剤層厚規制部としてブレードが
使用された現像装置における現像剤の漏れを防止するこ
とが可能になるという有効な効果が得られる。

【００６７】また、本発明によれば、現像剤シール部の
貼り付け作業が不要になるので、作業性の向上および作
業工数の低減を図ることが可能となるという有効な効果
が得られる。

【００６８】さらに、本発明によれば、現像剤層厚規制
部と現像剤シール部とが同一の弾性部材で一体成形され
ているので、部品点数の低減および部品コストの低減を
図ることが可能になるという有効な効果が得られる。

【００６９】現像剤シール部を現像ローラの回転方向に
向かって内側に傾斜すれば、ケーシングの端部へ向かう
現像剤を内側へ送ることが可能になるという有効な効果
が得られる。

【００７０】現像剤シール部にリップ部を形成すれば、
現像剤シール部がリップ部で現像ローラと接触するの
で、現像剤シール部と現像ローラとの接触面積が低減さ
れて負荷トルクの上昇や摩擦熱の上昇を防止することが
可能になるという有効な効果が得られる。

【００７１】リップ部を現像ローラの内側に傾斜して現
像ローラとの接触部分を線接触とすれば、現像剤シール
部はリップ部のエッジで現像ローラと接触するので、現
像剤シール部と現像ローラとの接触面積を最小限に低減
でき、負荷トルクの上昇や摩擦熱の上昇を防止すること
が可能になるという有効な効果が得られる。

【００７２】リップ部における現像ローラの幅方向内側
に段差部を形成しないようにすれば、現像剤シール部の
周辺に現像剤が滞留して、これが摩擦熱により固着する
ことを防止することができるという有効な効果が得られ
る。

【００７３】シート材の先端又は一部を現像ローラの表
面長手方向に接触するように配置し、シート材とリップ
部を現像ローラの周方向に対して交差する領域を有する
ようにすれば、現像剤シール部が現像ローラの摩擦によ
って持ち去られてシール不可能となることが防止され、
シート材と現像剤シール部との隙間を確実に埋めること
が可能になるという有効な効果が得られる。

【００７４】現像剤層厚規制部とリップ部とを現像ロー
ラに対して同じ円周上に形成すれば、現像剤シール部と
現像ローラとの間に隙間が空いたり、現像剤層厚規制部
と現像ローラ間に隙間が空いたりすることが防止される
という有効な効果が得られる。

【００７５】現像剤シール部とケーシングとを凹凸嵌合
により固定すれば、現像剤シール部のケーシングに対す
る組み込みや組み直しが容易になるとともに両者の嵌合
部分での現像剤の漏れを防止することが可能になるとい
う有効な効果が得られる。

【００７６】現像剤シール部の現像ローラと接触する部
分の動摩擦係数を０．１から０．８とすれば、現像剤シ
ール部と現像ローラとの間に現像剤が進入したり、装置
の負荷トルクが上昇したりする不具合を未然に防止する
ことが可能になるという有効な効果が得られる。

【００７７】現像剤層厚規制部による層厚規制範囲内か
ら層厚規制範囲外にかけての現像剤シール部とケーシン
グとの間に隙間を形成すれば、現像剤層厚規制部が現像
剤シール部を介してケーシングの影響を受けることがな
くなるので、均一な層厚を安定して形成することが可能
になるという有効な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態である現像装置が装着さ
れた画像形成装置を示す説明図

【図２】図１の画像形成装置に取り付けられた現像装置
を含むプロセスユニットを示す断面図

【図３】図２の要部を拡大して示す断面図

【図４】図１の画像形成装置に取り付けられたブレード
兼トナーシール部の一例を示す斜視図

【図５】図１の画像形成装置に取り付けられたブレード
兼トナーシール部の他の一例を示す斜視図

【図６】図５のブレード兼トナーシール部の正面図

【図７】図５のブレード兼トナーシール部の要部を示す
正面図

【図８】図１の画像形成装置に取り付けられたブレード
兼トナーシール部のさらに他の一例を示す斜視図

【図９】図１の画像形成装置に取り付けられたブレード
兼トナーシール部のさらに他の一例を示す斜視図

【図１０】図１の画像形成装置に取り付けられたブレー
ド兼トナーシール部のさらに他の一例を示す斜視図

【符号の説明】

２１ 現像ローラ ２２ ブレード兼トナーシール部（現像剤層厚規制兼シ
ール手段） ２２ａ ブレード部（現像剤層厚規制部） ２２ｂ トナーシール部（現像剤シール部） ２２ｂ１ リップ部 ２３ トナー供給ローラ（供給ローラ） ３０ ケーシング ３６ シート材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−345181（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−325603（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−101677（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−243277（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−146761（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−179625（ＪＰ，Ａ) 実開 平６−16963（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G03G 15/08 505 G03G 15/08 504

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】感光体に形成された静電潜像に現像剤を供
   給して前記静電潜像を顕像化する現像ローラと、前記現
   像ローラが回転自在に取り付けられるとともに現像剤が
   貯蔵されたケーシングと、前記現像ローラに押圧接触可
   能に前記ケーシングに取り付けられて前記現像ローラ上
   に供給された前記現像剤の層厚を規制する層厚規制手段
   と、前記現像ローラ長手方向両端部の周面の少なくとも
   一部を覆うように前記層厚規制手段の両端部に形成され
   た現像剤シール手段とを備え、 前記現像剤シール手段は、その前記現像ローラに面した
   側の前記現像ローラ幅方向内側に、前記現像ローラに線
   接触可能に形成されたリップ部を有する ことを特徴とす
   る現像装置。
2. 【請求項２】前記リップ部は、前記現像剤シール手段の
   前記現像ローラに面した側の前記現像ローラ幅方向内側
   に、前記現像ローラに線接触可能に形成されるととも
   に、前記現像ローラの回転に対して前記ケーシングの内
   側に現像剤が押し戻されるよう傾斜して設けられている
   ことを特徴とする請求項１記載の現像装置。