JP3410555B2 - 脱硝装置のアンモニア注入量制御装置 - Google Patents
脱硝装置のアンモニア注入量制御装置Info
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- JP3410555B2 JP3410555B2 JP20106494A JP20106494A JP3410555B2 JP 3410555 B2 JP3410555 B2 JP 3410555B2 JP 20106494 A JP20106494 A JP 20106494A JP 20106494 A JP20106494 A JP 20106494A JP 3410555 B2 JP3410555 B2 JP 3410555B2
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- Treating Waste Gases (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱硝装置のアンモニア
注入量制御装置に係り、特に排ガス中の窒素酸化物を低
減するのに好適なアンモニア注入量制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の脱硝装置のアンモニア注入量制御
装置は、図2に示すように、処理ガス流量計1の出力信
号と入口NOx 濃度計2の出力信号を乗算器7aで乗算
して、入口NOx 量信号21とする。一方、入口NOx
濃度計2の出力信号および出口NOx 濃度設定器3の出
力信号より、引算器8aおよび割算器9より必要脱硝率
信号10を演算し、この信号を関数発生器11に入力し
て、入口NOx 量に対して必要なアンモニアモル比信号
13を演算する。 【0003】出口NOx 濃度設定器3の出力信号と出口
NOx 濃度計4の出力信号との間の偏差信号を引算器8
bで求め、調節計12aで信号処理して、フィードバッ
クモル比信号15を演算する。加算器14aでは、必要
モル比信号13とフィードバックモル比信号15を加算
して、全モル比信号16とし、乗算器7bで、入口NO
x 量信号21と乗算して、必要アンモニア流量信号22
とする。次に、負荷要求信号5を微分器17および2階
微分器18で演算処理した信号を加算器14bに入力
し、加算器14bでは、これらの信号と前述の必要アン
モニア流量信号22とを加算して、アンモニア流量要求
信号19を演算する。このアンモニア流量要求信号19
とアンモニア流量計6の出力信号の偏差を引算器8cで
求め、調節計12bで信号処理してアンモニア流量調整
弁20を開閉することにより、脱硝装置出口NOx 濃度
を設定値近傍に維持していた。 【0004】この制御方式は、基本的には、入口NOx
量に対する先行値、出口NOx 濃度と出口NOx 濃度設
定値との偏差によるフィードバック補正および負荷要求
信号に対する動的先行値により、アンモニア注入量を決
定する方式である。なお、動的先行値は、アンモニア注
入量の変化に対する脱硝反応のおくれ、通常10数分を
補修するために設けられている。 【0005】最近では、火力プラントの高速負荷変化率
運用に伴ない、脱硝負荷の変動が急激になってきたにも
かかわらず、脱硝装置出口NOx 濃度の設定値に対する
出口NOx 濃度の制御性を向上させ、リークアンモニア
濃度を減少させることが必要不可欠となっている。例え
ば、負荷上昇時を例にとると、脱硝負荷の増加に対して
は、負荷要求信号に対する動的先行制御によるアンモニ
アの大量注入により、脱硝装置出口NOx濃度は、設定
値の近傍に維持できるが、その後、脱硝負荷が一定にな
ると、アンモニアが過剰となり、脱硝率が上昇して、脱
硝装置出口NOx 濃度が極端に低下してしまう。 【0006】このように、従来技術になるアンモニア注
入量制御方式では、高速負荷変動時において、脱硝装置
出口NOx 濃度を設定値の近傍に維持し、かつリークア
ンモニア濃度をも減少させるという点について十分には
配慮されていなかった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、脱硝
負荷が急激に変化した場合においても、脱硝装置出口N
Ox 濃度を設定値近傍に維持するという点について配慮
がされておらず、動的先行制御によるアンモニアの大量
注入により、出口NOx 濃度は設定値近傍に抑えられて
も、脱硝反応の大きなおくれにより、その後、出口NO
x 濃度が設定値を大幅に下まわり、リークアンモニアが
増加するという問題があった。 【0008】本発明の目的は、高速負荷変動時において
も、脱硝装置出口のNOx 濃度を設定値近傍に維持し、
リークアンモニア濃度を減少できるアンモニア注入量制
御装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願で特許請求する発明は以下のとおりである。 (1)脱硝装置で処理すべき排ガスの総NO x 量に応じ
てアンモニア注入量を制御する脱硝装置のアンモニア注
入量制御装置において、入口排ガス総NO x 量を算出す
る機構と、排ガスの入口NO x 濃度と出口NO x 濃度に
基づいてアンモニアの先行値モル比信号を算出する機構
と、出口NO x 濃度の設定値と測定値に基づいて補正用
のフィードバックモル比信号を算出する機構と、処理排
ガス流量と温度、入口および出口排ガスNO x 濃度、ア
ンモニア注入量、リークアンモニア濃度に基づいてn分
後の出口NO x 濃度とリークアンモニア濃度を予測する
脱硝反応シミュレーションモデルと、前記n分後の予測
値に基づいてフィードバック補正モル比信号を算出する
機構と、前記入口排ガス総NO x 量と先行値モル比信号
とフィードバックモル比信号とフィードバック補正モル
比信号とアンモニア注入量信号とに基づいてアンモニア
流量調整手段を制御する機構とを備えたことを特徴とす
る脱硝装置のアンモニア注入量制御装置。 【0010】 【0011】 【0012】 【0013】 【作用】現時点から、n分後までの脱硝装置の運転条
件、すなわち、排ガス流量、入口ガス温度および入口N
Ox 濃度を現時点より過去のデータを用いて、まず予測
する。次に、アンモニア注入量に関しては、現時点にお
ける値を用いて、脱硝反応シミュレーションモデルによ
り、n分後の脱硝装置出口NOx 濃度およびリークアン
モニア濃度を予測する。 【0014】なお、現時点における出口NOx 濃度およ
びリークアンモニア濃度は、シミュレーションモデルの
パラメータ固定に適用する。このようにして、現時点に
おけるアンモニア注入量をn分後まで続けた場合の出口
NOx 濃度およびリークアンモニア濃度のn分後の値が
正確に予測できる。これらの予測値を用いて、出口NO
x 濃度およびリークアンモニア濃度の設定値と予測値と
の間の偏差に対応して、アンモニア注入量を補正するこ
とにより、脱硝反応の大きなおくれを補償できるので、
高速負荷変動時においても、出口NO x 濃度およびリー
クアンモニア濃度を設定値の近傍に維持でき、設定値か
ら大きくはずれることがない。 【0015】 【実施例】本発明になる脱硝装置のアンモニア注入量制
御装置の具体的実施例を図1に示す。図2と同一符号を
付した部分は同一構成、同一機能を有するので詳細な説
明を省略する。本制御装置は、脱硝装置出口NOx 濃度
を設定値に維持するに必要な脱硝率を得るための先行値
モル比信号13(関数発生器11の出力信号)、出口N
Ox 濃度計4と出口NOx 濃度設定器3の出力信号によ
るフィードバックモル比信号15、n分後の濃度予測器
35によって演算される。n分後の出口NOx 濃度予測
信号34およびn分後のリークアンモニア濃度予測信号
33によるフィードバック補正モル比信号(調節計12
cおよび12dの出力信号)により、アンモニア注入量
を決定するものである。 【0016】このうち、先行値モル比信号13および出
口NOx 濃度によるフィードバックモル比信号15につ
いては、従来の制御方式と同様である。n分後の濃度予
測器35では、脱硝装置の運転条件から、n分後のリー
クアンモニア濃度予測信号33、およびn分後の出口N
Ox 濃度予測信号34を演算する。 【0017】まず、脱硝反応のシミュレーションモデル
は、以下の因果関係から構成する。脱硝触媒表面の吸着
アンモニアのマスバランスから、 【0018】 【数1】 【0019】ここに、CNH3 :吸着アンモニア量(mol/
m2) 、GNH3i:アンモニア注入量(mol/m2h)、GNH3o:
リークアンモニア流量(mol/m2h)、GN2:脱硝反応によ
って生成するN2 流量(mol/m2h)であり、Gg 、N
Oxi、ηより計算できる。脱硝率ηは、 η=f(Gg 、NOxi、Tg 、CNH3 ) ……(2) ここに、Gg :排ガス流量(m3N/h)、NOxi:入口
NOx 濃度(ppm )、Tg :入口ガス温度(℃) したがって、出口NOx 濃度NOxoは NOxo=(1−η)NOxi ……(3) リークアンモニア濃度LNH3 は LNH3 =g(GNH3o)=g(NOxi、CNH3 、η、Gg ) ……(4) 上記の(1)〜(4)式より、運転条件(排ガス流量、
入口NOx 濃度および入口ガス温度と出口NOx 濃度お
よびリークアンモニア濃度との因果関係が求まる。な
お、(4)式のgは関数を表わす。 【0020】ここで、出口NOx 濃度およびリークアン
モニア濃度の計算値と実測値との間の偏差に基づいて、
(2)および(4)式のパラメータを修正する。次に、
n分後の運転条件の予測は、以下の手法で演算する。 Xt+n =h(Xt ,Xt-1 ,……,Xt-m ) ……(5) X={Gg ,Tg ,NOxi} ……(6) ここに、t:現時刻点、t+n:n分後の時刻点、t−
m:m分前の時刻点 すなわち、過去のデータから、将来の値を予測するもの
であり、例えば、自己回帰モデルを適用して容易に計算
できる。 【0021】このようにして、n分後の濃度予測器35
では、(5)、(6)式に示したn分後の運転条件、す
なわち、排ガス流量、入口ガス温度および入口NOx 濃
度を用いて、(1)〜(4)式により、n分後の出口N
Ox 濃度およびリークアンモニア濃度が計算される。な
お、アンモニア注入量に関しては、現時刻点における値
がn分間続くものとして、その過不足分を補正するもの
であり、図3に出口NOx 濃度の制御に対する基本的考
え方を示す。図において、時間tまで、出口NOx 濃度
は設定値の近傍に維持されているものとする。その後、
時間tにおけるアンモニア注入量が、時間t+nまで、
n分間続き、運転条件、すなわち、排ガス流量、入口ガ
ス温度および入口NOx 濃度を予測して、n分後の出口
NOx 濃度を予測する。次に、このNOx 濃度予測値と
設定値との間の偏差に基づいて、アンモニア注入量を補
正するものであり、n分後の結果を予測して、n分前に
アンモニア注入量を増減するので、脱硝反応のおくれを
補償できる。なお、脱硝反応のおくれは、(1)式に示
した吸着アンモニア量の変化の時定数が大きいためのも
のである。 【0022】このようにして、n分後の濃度予測器35
を用いて、n分後の出口NOx 濃度予測信号34および
n分後のリークアンモニア濃度予測信号33をそれぞれ
設定器出力信号3および32と比較し、その偏差を調節
計12cおよび12dで信号処理し、加算器14cに入
力する。加算器14cでは、これらの信号に、先行値モ
ル比信号13およびフィードバックモル比信号15を加
算し、最終的なモル比信号とする。 【0023】次に、乗算器7bで総NOx 量と乗算し
て、アンモニア注入量のデマンドを算出し、アンモニア
流量計6の出力信号との偏差を引算器8cで求め、調節
計12bで信号処理し、アンモニア流量調整弁を開閉す
ることにより、アンモニア注入量を決定するものであ
る。したがって、本発明によれば、適切なアンモニアの
注入量制御により、高速負荷変動時においても、脱硝装
置出口NOx 濃度およびリークアンモニア濃度を設定値
の近傍に維持できる。 【0024】なお、図1の実施例においては、入口NO
x 量信号21を処理ガス流量と入口ガスNOx 濃度から
求める例を示したが、燃焼装置(例えばボイラ)の負荷
から入口NOx 量を算出したり、上記負荷と入口ガスN
Ox 濃度から入口NOx 量を算出することもできる。 【0025】 【発明の効果】本発明によれば、高速負荷変動時におい
ても、脱硝反応シミュレーションモデルにより、n分後
の脱硝装置出口NOx 濃度およびリークアンモニア濃度
を予測できるので、n分前にアンモニア注入量をあらか
じめ操作することにより、脱硝反応の大きなおくれを補
償できる。従って、出口NOx 濃度およびリークアンモ
ニア濃度を設定値近傍に維持できるという効果がある。
注入量制御装置に係り、特に排ガス中の窒素酸化物を低
減するのに好適なアンモニア注入量制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の脱硝装置のアンモニア注入量制御
装置は、図2に示すように、処理ガス流量計1の出力信
号と入口NOx 濃度計2の出力信号を乗算器7aで乗算
して、入口NOx 量信号21とする。一方、入口NOx
濃度計2の出力信号および出口NOx 濃度設定器3の出
力信号より、引算器8aおよび割算器9より必要脱硝率
信号10を演算し、この信号を関数発生器11に入力し
て、入口NOx 量に対して必要なアンモニアモル比信号
13を演算する。 【0003】出口NOx 濃度設定器3の出力信号と出口
NOx 濃度計4の出力信号との間の偏差信号を引算器8
bで求め、調節計12aで信号処理して、フィードバッ
クモル比信号15を演算する。加算器14aでは、必要
モル比信号13とフィードバックモル比信号15を加算
して、全モル比信号16とし、乗算器7bで、入口NO
x 量信号21と乗算して、必要アンモニア流量信号22
とする。次に、負荷要求信号5を微分器17および2階
微分器18で演算処理した信号を加算器14bに入力
し、加算器14bでは、これらの信号と前述の必要アン
モニア流量信号22とを加算して、アンモニア流量要求
信号19を演算する。このアンモニア流量要求信号19
とアンモニア流量計6の出力信号の偏差を引算器8cで
求め、調節計12bで信号処理してアンモニア流量調整
弁20を開閉することにより、脱硝装置出口NOx 濃度
を設定値近傍に維持していた。 【0004】この制御方式は、基本的には、入口NOx
量に対する先行値、出口NOx 濃度と出口NOx 濃度設
定値との偏差によるフィードバック補正および負荷要求
信号に対する動的先行値により、アンモニア注入量を決
定する方式である。なお、動的先行値は、アンモニア注
入量の変化に対する脱硝反応のおくれ、通常10数分を
補修するために設けられている。 【0005】最近では、火力プラントの高速負荷変化率
運用に伴ない、脱硝負荷の変動が急激になってきたにも
かかわらず、脱硝装置出口NOx 濃度の設定値に対する
出口NOx 濃度の制御性を向上させ、リークアンモニア
濃度を減少させることが必要不可欠となっている。例え
ば、負荷上昇時を例にとると、脱硝負荷の増加に対して
は、負荷要求信号に対する動的先行制御によるアンモニ
アの大量注入により、脱硝装置出口NOx濃度は、設定
値の近傍に維持できるが、その後、脱硝負荷が一定にな
ると、アンモニアが過剰となり、脱硝率が上昇して、脱
硝装置出口NOx 濃度が極端に低下してしまう。 【0006】このように、従来技術になるアンモニア注
入量制御方式では、高速負荷変動時において、脱硝装置
出口NOx 濃度を設定値の近傍に維持し、かつリークア
ンモニア濃度をも減少させるという点について十分には
配慮されていなかった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、脱硝
負荷が急激に変化した場合においても、脱硝装置出口N
Ox 濃度を設定値近傍に維持するという点について配慮
がされておらず、動的先行制御によるアンモニアの大量
注入により、出口NOx 濃度は設定値近傍に抑えられて
も、脱硝反応の大きなおくれにより、その後、出口NO
x 濃度が設定値を大幅に下まわり、リークアンモニアが
増加するという問題があった。 【0008】本発明の目的は、高速負荷変動時において
も、脱硝装置出口のNOx 濃度を設定値近傍に維持し、
リークアンモニア濃度を減少できるアンモニア注入量制
御装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願で特許請求する発明は以下のとおりである。 (1)脱硝装置で処理すべき排ガスの総NO x 量に応じ
てアンモニア注入量を制御する脱硝装置のアンモニア注
入量制御装置において、入口排ガス総NO x 量を算出す
る機構と、排ガスの入口NO x 濃度と出口NO x 濃度に
基づいてアンモニアの先行値モル比信号を算出する機構
と、出口NO x 濃度の設定値と測定値に基づいて補正用
のフィードバックモル比信号を算出する機構と、処理排
ガス流量と温度、入口および出口排ガスNO x 濃度、ア
ンモニア注入量、リークアンモニア濃度に基づいてn分
後の出口NO x 濃度とリークアンモニア濃度を予測する
脱硝反応シミュレーションモデルと、前記n分後の予測
値に基づいてフィードバック補正モル比信号を算出する
機構と、前記入口排ガス総NO x 量と先行値モル比信号
とフィードバックモル比信号とフィードバック補正モル
比信号とアンモニア注入量信号とに基づいてアンモニア
流量調整手段を制御する機構とを備えたことを特徴とす
る脱硝装置のアンモニア注入量制御装置。 【0010】 【0011】 【0012】 【0013】 【作用】現時点から、n分後までの脱硝装置の運転条
件、すなわち、排ガス流量、入口ガス温度および入口N
Ox 濃度を現時点より過去のデータを用いて、まず予測
する。次に、アンモニア注入量に関しては、現時点にお
ける値を用いて、脱硝反応シミュレーションモデルによ
り、n分後の脱硝装置出口NOx 濃度およびリークアン
モニア濃度を予測する。 【0014】なお、現時点における出口NOx 濃度およ
びリークアンモニア濃度は、シミュレーションモデルの
パラメータ固定に適用する。このようにして、現時点に
おけるアンモニア注入量をn分後まで続けた場合の出口
NOx 濃度およびリークアンモニア濃度のn分後の値が
正確に予測できる。これらの予測値を用いて、出口NO
x 濃度およびリークアンモニア濃度の設定値と予測値と
の間の偏差に対応して、アンモニア注入量を補正するこ
とにより、脱硝反応の大きなおくれを補償できるので、
高速負荷変動時においても、出口NO x 濃度およびリー
クアンモニア濃度を設定値の近傍に維持でき、設定値か
ら大きくはずれることがない。 【0015】 【実施例】本発明になる脱硝装置のアンモニア注入量制
御装置の具体的実施例を図1に示す。図2と同一符号を
付した部分は同一構成、同一機能を有するので詳細な説
明を省略する。本制御装置は、脱硝装置出口NOx 濃度
を設定値に維持するに必要な脱硝率を得るための先行値
モル比信号13(関数発生器11の出力信号)、出口N
Ox 濃度計4と出口NOx 濃度設定器3の出力信号によ
るフィードバックモル比信号15、n分後の濃度予測器
35によって演算される。n分後の出口NOx 濃度予測
信号34およびn分後のリークアンモニア濃度予測信号
33によるフィードバック補正モル比信号(調節計12
cおよび12dの出力信号)により、アンモニア注入量
を決定するものである。 【0016】このうち、先行値モル比信号13および出
口NOx 濃度によるフィードバックモル比信号15につ
いては、従来の制御方式と同様である。n分後の濃度予
測器35では、脱硝装置の運転条件から、n分後のリー
クアンモニア濃度予測信号33、およびn分後の出口N
Ox 濃度予測信号34を演算する。 【0017】まず、脱硝反応のシミュレーションモデル
は、以下の因果関係から構成する。脱硝触媒表面の吸着
アンモニアのマスバランスから、 【0018】 【数1】 【0019】ここに、CNH3 :吸着アンモニア量(mol/
m2) 、GNH3i:アンモニア注入量(mol/m2h)、GNH3o:
リークアンモニア流量(mol/m2h)、GN2:脱硝反応によ
って生成するN2 流量(mol/m2h)であり、Gg 、N
Oxi、ηより計算できる。脱硝率ηは、 η=f(Gg 、NOxi、Tg 、CNH3 ) ……(2) ここに、Gg :排ガス流量(m3N/h)、NOxi:入口
NOx 濃度(ppm )、Tg :入口ガス温度(℃) したがって、出口NOx 濃度NOxoは NOxo=(1−η)NOxi ……(3) リークアンモニア濃度LNH3 は LNH3 =g(GNH3o)=g(NOxi、CNH3 、η、Gg ) ……(4) 上記の(1)〜(4)式より、運転条件(排ガス流量、
入口NOx 濃度および入口ガス温度と出口NOx 濃度お
よびリークアンモニア濃度との因果関係が求まる。な
お、(4)式のgは関数を表わす。 【0020】ここで、出口NOx 濃度およびリークアン
モニア濃度の計算値と実測値との間の偏差に基づいて、
(2)および(4)式のパラメータを修正する。次に、
n分後の運転条件の予測は、以下の手法で演算する。 Xt+n =h(Xt ,Xt-1 ,……,Xt-m ) ……(5) X={Gg ,Tg ,NOxi} ……(6) ここに、t:現時刻点、t+n:n分後の時刻点、t−
m:m分前の時刻点 すなわち、過去のデータから、将来の値を予測するもの
であり、例えば、自己回帰モデルを適用して容易に計算
できる。 【0021】このようにして、n分後の濃度予測器35
では、(5)、(6)式に示したn分後の運転条件、す
なわち、排ガス流量、入口ガス温度および入口NOx 濃
度を用いて、(1)〜(4)式により、n分後の出口N
Ox 濃度およびリークアンモニア濃度が計算される。な
お、アンモニア注入量に関しては、現時刻点における値
がn分間続くものとして、その過不足分を補正するもの
であり、図3に出口NOx 濃度の制御に対する基本的考
え方を示す。図において、時間tまで、出口NOx 濃度
は設定値の近傍に維持されているものとする。その後、
時間tにおけるアンモニア注入量が、時間t+nまで、
n分間続き、運転条件、すなわち、排ガス流量、入口ガ
ス温度および入口NOx 濃度を予測して、n分後の出口
NOx 濃度を予測する。次に、このNOx 濃度予測値と
設定値との間の偏差に基づいて、アンモニア注入量を補
正するものであり、n分後の結果を予測して、n分前に
アンモニア注入量を増減するので、脱硝反応のおくれを
補償できる。なお、脱硝反応のおくれは、(1)式に示
した吸着アンモニア量の変化の時定数が大きいためのも
のである。 【0022】このようにして、n分後の濃度予測器35
を用いて、n分後の出口NOx 濃度予測信号34および
n分後のリークアンモニア濃度予測信号33をそれぞれ
設定器出力信号3および32と比較し、その偏差を調節
計12cおよび12dで信号処理し、加算器14cに入
力する。加算器14cでは、これらの信号に、先行値モ
ル比信号13およびフィードバックモル比信号15を加
算し、最終的なモル比信号とする。 【0023】次に、乗算器7bで総NOx 量と乗算し
て、アンモニア注入量のデマンドを算出し、アンモニア
流量計6の出力信号との偏差を引算器8cで求め、調節
計12bで信号処理し、アンモニア流量調整弁を開閉す
ることにより、アンモニア注入量を決定するものであ
る。したがって、本発明によれば、適切なアンモニアの
注入量制御により、高速負荷変動時においても、脱硝装
置出口NOx 濃度およびリークアンモニア濃度を設定値
の近傍に維持できる。 【0024】なお、図1の実施例においては、入口NO
x 量信号21を処理ガス流量と入口ガスNOx 濃度から
求める例を示したが、燃焼装置(例えばボイラ)の負荷
から入口NOx 量を算出したり、上記負荷と入口ガスN
Ox 濃度から入口NOx 量を算出することもできる。 【0025】 【発明の効果】本発明によれば、高速負荷変動時におい
ても、脱硝反応シミュレーションモデルにより、n分後
の脱硝装置出口NOx 濃度およびリークアンモニア濃度
を予測できるので、n分前にアンモニア注入量をあらか
じめ操作することにより、脱硝反応の大きなおくれを補
償できる。従って、出口NOx 濃度およびリークアンモ
ニア濃度を設定値近傍に維持できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる脱硝装置のアンモニア注入量制御
装置の一実施例を示す制御系統図。 【図2】従来のアンモニア注入量制御装置を示す制御系
統図。 【図3】本発明になる制御装置の考え方を示す説明図。 【符号の説明】 1…処理ガス流量計、2…入口NOx 濃度計、3…出口
NOx 濃度設定器、4…出口NOx 濃度設定器、6…ア
ンモニア流量計、7a、7b…乗算器、8a、8b、8
c、8d、8e…引算器、9…割算器、10…必要脱硝
率信号、11…関数発生器、12a、12b、12c、
12d…調節計、13…先行値(必要)モル比信号、1
4a、14b、14c…加算器、15…フィードバック
モル比信号、16、16a…全モル比信号、19…アン
モニア注入量要求信号、20…アンモニア流量調整弁、
21…入口NOx 量信号、30…入口ガス温度計、31
…リークアンモニア濃度計、32…リークアンモニア濃
度設定器、33…n分後のリークアンモニア濃度予測信
号、34…n分後の出口NOx 濃度予測信号、35…n
分後の濃度予測器、36a、36b…フィードバック補
正モル比信号。
装置の一実施例を示す制御系統図。 【図2】従来のアンモニア注入量制御装置を示す制御系
統図。 【図3】本発明になる制御装置の考え方を示す説明図。 【符号の説明】 1…処理ガス流量計、2…入口NOx 濃度計、3…出口
NOx 濃度設定器、4…出口NOx 濃度設定器、6…ア
ンモニア流量計、7a、7b…乗算器、8a、8b、8
c、8d、8e…引算器、9…割算器、10…必要脱硝
率信号、11…関数発生器、12a、12b、12c、
12d…調節計、13…先行値(必要)モル比信号、1
4a、14b、14c…加算器、15…フィードバック
モル比信号、16、16a…全モル比信号、19…アン
モニア注入量要求信号、20…アンモニア流量調整弁、
21…入口NOx 量信号、30…入口ガス温度計、31
…リークアンモニア濃度計、32…リークアンモニア濃
度設定器、33…n分後のリークアンモニア濃度予測信
号、34…n分後の出口NOx 濃度予測信号、35…n
分後の濃度予測器、36a、36b…フィードバック補
正モル比信号。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】【請求項1】 脱硝装置で処理すべき排ガスの総NOx
量に応じてアンモニア注入量を制御する脱硝装置のアン
モニア注入量制御装置において、入口排ガス総NOx 量
を算出する機構と、排ガスの入口NOx 濃度と出口NO
x 濃度に基づいてアンモニアの先行値モル比信号を算出
する機構と、出口NOx 濃度の設定値と測定値に基づい
て補正用のフィードバックモル比信号を算出する機構
と、処理排ガス流量と温度、入口および出口排ガスNO
x 濃度、アンモニア注入量、リークアンモニア濃度に基
づいてn分後の出口NOx 濃度とリークアンモニア濃度
を予測する脱硝反応シミュレーションモデルと、前記n
分後の予測値に基づいてフィードバック補正モル比信号
を算出する機構と、前記入口排ガス総NOx 量と先行値
モル比信号とフィードバックモル比信号とフィードバッ
ク補正モル比信号とアンモニア注入量信号とに基づいて
アンモニア流量調整手段を制御する機構とを備えたこと
を特徴とする脱硝装置のアンモニア注入量制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20106494A JP3410555B2 (ja) | 1994-08-25 | 1994-08-25 | 脱硝装置のアンモニア注入量制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20106494A JP3410555B2 (ja) | 1994-08-25 | 1994-08-25 | 脱硝装置のアンモニア注入量制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0857251A JPH0857251A (ja) | 1996-03-05 |
JP3410555B2 true JP3410555B2 (ja) | 2003-05-26 |
Family
ID=16434789
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20106494A Expired - Fee Related JP3410555B2 (ja) | 1994-08-25 | 1994-08-25 | 脱硝装置のアンモニア注入量制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3410555B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002219337A (ja) * | 2001-01-30 | 2002-08-06 | Babcock Hitachi Kk | 脱硝装置の制御方法および装置 |
JP5252958B2 (ja) * | 2008-03-19 | 2013-07-31 | 株式会社日立製作所 | ボイラの制御装置、及びボイラの制御方法 |
CN103752170B (zh) * | 2014-01-16 | 2015-08-19 | 华中科技大学 | 一种切圆燃烧煤粉锅炉scr系统脱硝运行优化方法 |
CN113380338B (zh) * | 2021-06-16 | 2022-06-10 | 哈电发电设备国家工程研究中心有限公司 | 一种旋风分离器进口处NOx浓度测量修正及预测方法 |
CN114870583B (zh) * | 2022-04-28 | 2023-02-28 | 山东电力工程咨询院有限公司 | 一种基于氨逃逸监测的全工况脱硝控制系统及方法 |
-
1994
- 1994-08-25 JP JP20106494A patent/JP3410555B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0857251A (ja) | 1996-03-05 |
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